- 1二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 13:11:46
— 2024年07月20日
「そう、そうなの!お願いがあるの!」
紅涙の魔ラクリモーサは上目遣いでデモンスミスを見た。
悪魔である彼女は自分の可愛さを理解しており、男も女も彼女の魅力には抗えなかった。
「なんで俺が道具のお願いなんざ聞かなきゃいけないんだよ!」
ラクリモーサの誤算はデモンスミスが悪魔のことなど道具程度にしか考えていないことだった。
ひぃん、と彼女は情けない声を出すがこれも計算の上である。
「……私の体を好き放題弄ったのに……酷いよ……」
ラクリモーサは俯きながら言った。ちょうど彼女の胸の谷間が一番映える角度になるように。
「……言うだけ言ってみろ」
「えっ、本当!?>>5が欲しいんだ!」
- 2二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 13:16:20
《悪魔のくちづけ》
- 3二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 13:18:53
星杯の妖精リース
- 4二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 13:23:50
加速
- 5二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 13:24:00
デモンスミス
- 6二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 13:24:00
あなた
- 7二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 13:39:09
「はぁ?」
デモンスミスの鬼の形相にも物怖じせず、ラクリモーサは話を続けた。
「恋しちゃったよの。力強いあなたに。自分のものにしたいの」
「……報われねえんじゃねえかな?」
「それでもいいの。私の体を好きにするのもいい。だからちょっとだけでも……」
「……」
細マッチョのイケメンはポリポリと自分の頭を搔いた。どうやら困っているらしいとラクリモーサは理解した。
後一押しだろうと心の中で彼女はほくそ笑んだ。
先ほどの情熱的な言葉。モチロン嘘である。
自分を捕まえて好き放題に使役するデモンスミスに恋心など抱くはずもない。
人を籠絡するには色仕掛けが有効だとラクリモーサは理解していた。
「あー、まー、そういうことなら仕方ねえな」
「本当!?」
ラクリモーサは心底嬉しそうな声と顔で答えた。
「>>10に連れて行ってやるよ」
デモンスミスはそう言った。
- 8二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 13:40:42
祝福の教会-リチューアル・チャーチ
- 9二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 13:50:33
セリオンズ・リング
- 10二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 13:56:50
蠱惑の園
- 11二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 14:04:38
もしやこいつ、事故に見せかけて始末する気では
- 12二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 14:11:58
つまり殺すと?
- 13二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 14:28:21
「ぎゃあああ!!」
蟲惑の園には紅涙の魔ラクリモーサの情けない叫び声が響いていた。
ズルズルとデモンスミスに引きずられて森の中に入っていったのだ。森の開けた湿原まで来るとデモンスミスは乱暴に彼女を離した。
ラクリモーサは体中泥まみれになった。
「なんでよぉ……どうしてよぉ……」
「てめえの臭い演技なんざお見通しなんだよ」
「こんな場所で死にたくなぁい……また化け物に食べられるなんていやぁ……」
ラクリモーサはシクシクと涙を流す。ほんの少しワガママを言っただけで用済みとばかりに始末されるとは思ってもみなかった。
「ごごろ゛い゛れ゛がえ゛ま゛ずがら゛〜」
「うるせぇ!目標に気づかれたらどうする!」
デモンスミスが指差す先にはセラの蟲惑魔と哀れな被害者がいた。
その男はセラの蟲惑魔にフラフラと近づいていく。その男の格好は街で見るような服装だった。
Tシャツとハーフパンツ。足はサンダルを履いているようだ。
「ぐすっ…ああ、あれ?」
「そうだ。あれを排除するっていう依頼が入ったんだよ」
「先に言いなよ!殺されるかと思ったじゃん!」
「俺が道具を粗末に使うイケメンに見えるっていうのか!」
デモンスミスはガドリングを構えた。
そして今にも獲物に飛びかからんとする悪魔に狙いを定めて撃った。 - 14二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 14:30:29
「助けてくれてありがとう!」
セラの蟲惑魔はお礼を言った。森に逃げ込んだ悪魔は蟲惑の園にいたのだ。
「へへっ、いいってことよ」
デモンスミスは少し照れくさそうに笑っている。ラクリモーサと話している時とはずいぶん違う。
そのことに少し彼女はモヤモヤした。
「ずいぶんデレデレするのね」
「悪いかよ。久々に表裏ない感謝の言葉だぞ?」
「ふーん……」
デモンスミスは明らかに蟲惑魔相手に油断している。
蟲惑魔の何がそんなにいいのだろう。
彼はこっちの趣味なのかもしれないとラクリモーサは思った。
「お礼に>>17をあげるね!」
セラの蟲惑魔は元気よく言った。
- 15二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 14:31:40
増殖するG
- 16二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 14:31:44
セクエンツィア
- 17二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 14:31:54
メタイオン
- 18二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 14:31:56
おやつに取ってた人間さんの腕
- 19二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 14:32:36
メタイオン蠱惑の森の落とし穴に落ちてたのか?
- 20二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 14:34:41
断絶で裏除外かな…
- 21二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 15:06:25
「ねえ、お礼は本当に良かったの?」
ラクリモーサはデモンスミスに尋ねた。森抜けて街がぼんやりと見えてきた場所だった。
「当り前だ。あんなに小さい子からなにか貰えるかよ」
「ふーん、てっきり…」
……
…
「お嬢ちゃん、お礼は気持ちだけで十分だ。その時械神は大事にしな」
「で、でも…なにかお礼をしないと……」
「もう貰っているよ。お嬢ちゃんが心の底からありがとうって言ってくれたからな。それにあの悪魔を倒すように言われた依頼主にはちゃーんとお礼を貰うから安心しな」
……
…
「邪魔だからいらないみたいんだ思っちゃった」
「……」
「えっ、そうなの?」
「時械神はうちでは飼えねえな」
デモンスミスは肩を落とした。
彼は闇社会を戦い抜く一匹狼ではあった。それ故にセラの蟲惑魔の気持ちが打算の無い真心であるとわかったのだ。
ほんの少し悪いなと思った。
自分の宝物を誰かにプレゼントする気持ちは理解できるのだ。
「落ち込んじゃってらしくないの。ほら、依頼主にお金貰ってパーッと使っちゃえばいいじゃない!」
「>>24でもするか」
デモンスミスはぽつりと呟いた。
- 22二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 15:07:39
しゃぶしゃぶ食べ放題
- 23二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 15:08:15
出張
- 24二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 15:08:27
一人焼肉
- 25二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 15:08:30
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- 26二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 15:15:40
ここだとラクリモーサが私の分は!?とか泣いて訴えそう
- 27二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 15:58:34
焼肉。悪魔が跋扈する社会の中で最高の娯楽と言われている。
肉の焼ける音、炭火で焼くことでの香ばしさ、そしてとろけるように広がる肉の味。
すなわち一人焼肉とは贅沢の極みなのである。
「デモンスミス、焼肉美味しい?」
「ああ、うまいぞ」
「それで…お願いがあるんだけど……」
「ご飯のおかわりか。いいぞ。たくさん食べろ」
デモンスミスが一口で食べる焼肉をラクリモーサはよだれを堪えながら見ていた。
「肉。食いたいのか?」
「……ダメ?」
「お前で稼いだ分は食っていいぞ」
デモンスミスは一切れの肉をラクリモーサのご飯の上に置いた。
「な゛ん゛て゛よ゛ぉ゛〜〜」
「ほら、レクイエム。お前の分だ」
デモンスミスは山盛りの肉をレクイエムの前に差し出した。彼の考えではレクイエムが自分に次ぐ功労者である。 - 28二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 15:58:48
『おれ、焼肉より悪魔がいい!』
「そうかい」
『ラクリモーサが欲しがってる。そっちにあげて!』
「ありがとう〜〜!!」
ラクリモーサは泣きながら焼肉を頬張った。今まで我慢した分を取り返すような食べ方だった。
『もっと食べろ!そうしたら、肥えたお前を丸かじり!』
ピタリとラクリモーサの動きが止まった。
「レクイエム?嘘だよね」
『嘘だぞ!もうラクリモーサは食べた!』
レクイエムは笑いながら言った。彼女にはその牙が恐ろしく見えた。
「飯食ったら>>30でもするか」
デモンスミスは二人の悪魔のやり取りに興味なさそうに言った。
- 29二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 16:47:53
エッチ
- 30二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 16:48:04
キヤク
- 31二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 17:12:41
ラクリモーサはデモンスミスを待っている。
「飯を食ったら家に帰ってキヤクするか」と言ったのだ。
つまり、この後抱いてやるという意味だ。
肉を食べたせいで悪魔には向けられないはずの枯れた生殖本能も復活したのだろう。
(ふふふ、これでデモンスミスを籠絡しちゃえば……)
ラクリモーサはこれまでにないほど滾っていた。彼を己の肉体に溺れさせれば好きなように操れる。
彼の支配から脱することなんて夢ではないだろう。
悪い顔をしながら唇で舌を舐めた。
一向にデモンスミスはラクリモーサの部屋を訪れなかった。
シャワーを浴びているにしては時間が長すぎる。ベッドの上に座りながら彼女は耳を澄ませた。
自室で竿を扱いているデモンスミスの気配がした。
「なんで!私のところにこないのよ!」
「うわっ!」
「ほら、この体を好きにしていいのよ?ねっ?」
ラクリモーサはデモンスミスの前で胸を揉んでみせた。
彼女の大きい乳房はその柔らかさを見せた。
「>>34だからなぁ……」
デモンスミスは彼女から目をそらして言った。
- 32二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 17:27:47
嫌がる女を抱く趣味はない
- 33二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 17:52:40
レクイエムに申し訳が立たない
- 34二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 17:53:34
ウェルカムは萎える
- 35二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 18:18:58
「ウェルカムは…萎える?」
ラクリモーサはワナワナと体を震わせた。彼女が今まで抱いたことない感情であった。
「そんなの私のデータにはないの!」
「ねえのか。じゃあ今覚えてくれ」
「女の子から誘っているのに失礼でしょうが!据え膳食べないのは恥なのよ」
「へぇ、じゃあ帰ってもらっていいか?こっちはいいところなんだ」
興味なさげにデモンスミスは頭を搔いた。
悪魔に一々誘惑されていたら悪魔狩り兼鍛冶師などやってなれない。
なにか企んでいるラクリモーサなら尚更だ。デモンスミスは見え透いた悪意に乗ってやる間抜けではない。
「……」
ラクリモーサは自分の部屋に戻らなかった。部屋の中で座り込んで男を誘うような行為をしている。
「デモンスミス……」
ラクリモーサは涙で潤んだ上目遣いで彼の名前を呼んだ。
悪魔狩りは部屋から悪魔を放り投げた。
「覚えてなさいよ!今度こそあんたを籠絡してやるんだからぁ!」
デモンスミスの部屋の外から遠吠えのような声が聞こえた。それから彼女のドタバタする足音がした。
「仕事サボられたら面倒くせえな。>>38でもプレゼントして機嫌でも取ってやるか」
- 36二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 18:36:19
俺の貞操
- 37二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 18:36:33
強欲な壺
- 38二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 18:36:49
なんでも好きなもの
- 39二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 19:16:25
ラクリモーサは半分だけ顔を出していた。
昨晩のことで不機嫌になっているようで、半分だけ扉を開けてデモンスミスを拒絶していた。
「……なんでも好きなもの買ってくれるの?」
デモンスミスに疑いの眼差しを向けていた。デモンスミスのなんでもの範囲がわかるまで信頼しないつもりだろう。
「ああ、だけど俺とか言うなよ。常識と予算の範囲でなんでもだ」
「ふーん……じゃあ、すぐ支度しちゃうから待ってて!」
「あっ?」
「なんでも好きなもの買ってくれるんだよね。もちろん私がお店に行って選んでもいいんでしょう?」
「あー、そうなるのか?」
ラクリモーサは勢いよくと扉が閉めた。
デート、デートと楽しげな悪魔の声を聞いてデモンスミスは肩をすくめた。
悪魔との約束をする時には言葉を慎重に選ばなければならない。
「店やってないの!」
ラクリモーサが叫んでも店は開く気配がない。
デモンスミスが商店街に足を踏み入れた途端に『やべー輩が来たぞ。しかも女連れだ』と急に店のシャッター閉めたのだ。
「デモンスミス、あんたなにやったの?」
「……別に」
デモンスミスは明らかに心当たりがあるような口調で答えた。
心当たりが多すぎてどれとは言えないのかもしれないとラクリモーサは思った。
「>>42ならやっているみたいだぞ」
- 40二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 19:43:24
サ店
- 41二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 19:43:49
ストロベリーサンデーが美味い喫茶店
- 42二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 19:45:41
カドショ
- 43二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 20:30:35
「カドショ……カドショかぁ……」
ラクリモーサはショーケースに並んでいるカードを見てもよくわからない。
『カードがある』ぐらいの理解しかできなかった。
「おう、なんでも好きなものを買ってやる。好きなものを選んでくれ」
「なにも分からない。これ、なにがいいの?」
「じゃあ、好きそうなイラストのカードにすればいいんじゃないか?」
「うーん」
見たこともないカードを一枚一枚見ていくのは疲れる。
そもそもこれで遊んだことなどないのだから思い入れもない。
値段の高い順に見ていくかと思った時に一枚のカードと目があった。
「これは?」
「それがいいのか。ふうん、俺に負けず劣らずのイケメンだな」
「あっ、これ2600円する。高っ」
「気に入ったならそれが一番だ。買うぜ」
デモンスミスはニッと笑った。
その笑顔と2600円のカードがよく似ているとラクリモーサは思った。
それからラクリモーサの部屋に飾られているものが一つ増えた。 - 44二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 20:31:41
……
…
「悪魔がお願いがだぁ?」
「そう、そうなの!お願いがあるの!」
ラクリモーサは上目遣いでデモンスミスを見上げた。
「……言うだけ言ってみろ」
「前買って貰ったカードが安くなっていたからもっと欲しいな。300円になっていたんだ」
デモンスミスは長いため息をした。そのカードはどんな暴れ方をしたんだと少し思った。
おわり - 45二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 20:41:44
オチ好き
半年後くらいかな