【閲注・一応CP注意】天元「君は寂しんぼだな、羂索」其ノ弐

  • 1124/08/13(火) 19:37:41

    「ほら、おいで。私と共に行こう、羂索」
    膝を着いて目を合わせた天元の呼び掛けに、幼女は不思議そうな顔で目を瞬かせた。抑揚のない声が小さな口から零れ落ちる。
    「けんじゃく?」
    「君の名だよ。衆生を救う慈悲深き名だ」
    「しゅじょ……じひ……」
    きゅっと眉を寄せて繰り返す。その姿に天元は苦笑いをした。
    「ふふ、まだ難しかったかな。兎も角、今日からは羂索と名乗りなさい」
    「けんじゃく……うん」
    頷いた幼女の瞳に仄かな光が宿る。吹けば飛ぶようなか細く儚い命に、確と炎が灯される。
    差し出された天元の手を握り締める力は、決して離すまいとするかの如く強く。懸命に生きようとする意志が、差し伸べられた救いへと必死に縋る命の輝きが、そこにはあった。
    この日、名もなき幼女は、長き人生において最初の呪いを授けられた。
    斯くして羂索は、この世に真の意味で生まれ落ちたのである。

  • 2124/08/13(火) 19:38:47

    ここだけひとりぼっちになると死んじゃうくらい寂しがりな羂索がしあわせになるスレ其ノ弐

  • 3二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 19:40:51

    ようじょ…ようじょ…

  • 4二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 19:41:16

    たておつ!!

  • 5二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 19:46:21

    可愛い…けどここで出会いのとこが出るのは悪い予感しかしないんですけど大丈夫ですか??

  • 6二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 19:50:54

    しあわせになるって書いてあるじゃないか!な!しあわせになるんだよ!な!

  • 7二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 19:51:29

    >>6

    もう幸せになったじゃないですか

  • 8二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 19:54:29

    >>7

    それはそう

    この幸せが末永く続いていくんだよ…

  • 9二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 19:58:31

    天元様……帰ってきて…たのむ

  • 10124/08/13(火) 19:59:16

    【閑話】
    「ーーだからね、私の組み立てた理論に基づけば、魂の呪物化が可能!……の、はず……なんだ」
    「はず、か。まだ可能ではないんだな」
    「う、うるさい!今は思索段階なの!もう少し、こう……結界術の応用を、変えたり、とか……そうすれば絶対可能になるから!」
    「そうか」
    「今にこの技術を習得して、天元をあっと言わせてみせるんだからね!」
    「ふふ、楽しみにしているよ、羂索」
    玉の緒の花を愛でながら、天元は胸を張る羂索の頭を優しく撫でる。全て、偽りなき本心だった。

  • 11二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 20:00:41

    天元様???なん、なんですかその不穏な最後の…

  • 12二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 20:52:58

    だった?だった?嫌です嫌です嫌です嫌です
    普通の回想への過去形であってくれ!!頼む頼む頼む頼む
    幸せな……しあわせな羂索が見たい天元と末永く一緒に居てほしい……お願いします……

  • 13二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 00:19:41

    玉の緒(別名ミセバヤ)……大切なあなた、慎ましさ
    花言葉は問題ないな!ヨシ!

  • 14124/08/14(水) 00:53:19

    【閑話】
    何時だったか、まだ裏梅を拾う前、三人で宴をした夜のことだ。健やかな寝息を立てる羂索に膝を貸してやりながら、天元が酒を舐め、そうして宿儺へと視線を向けた。
    「私はね、宿儺」
    酔いのせいか常よりゆったりとした口調だった。
    「本心から君をこの子の友だと思っているんだ」
    「勝手に思っていろ。俺に押し付けるな」
    「ふふ、そう意固地にならずとも」
    「あ"?」
    眼光鋭く睨み付けられても何処吹く風、おお怖い怖い、と全くそうとは思っていなさげである。相も変わらず食えない女だ、宿儺は諦めて豪快に酒を煽った。
    「だから、ね、宿儺。私に何かあったら……いや、何かなくとも、この子のことを宜しく頼むよ」
    「断る」
    間髪入れずの答えに、しかし天元は笑うだけだった。

  • 15二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 10:19:57

    >>13

    玉の緒には命という意味がありますね。まるで花でも愛でるように命を愛でる存在になるんでしょうね、天元は。

    ミセバヤは「見せたい」という意味があり、高野山の僧侶がこの花を見た際に「君にみせばや(あなたに見せて差し上げたい)」と言ったというエピソードから名前を取っているそうです。しかも偶然にも名前の由来となった僧侶とその相手は和歌の師弟関係。羂索は天元に研究の成果を見せてあげたかったんでしょうね。精神の幼さが垣間見えて微笑ましいですね。

  • 16二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 12:28:58

    宿儺が羂索を助けてくれたのは、やっぱり天元に頼まれたからか…まぁ、精神幼女だから目を離すと怪我しちゃいそうだもんな

  • 17二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 15:27:16

    このレスは削除されています

  • 18124/08/14(水) 15:28:54

    名前変えるの忘れてて消したけど同じ内容を連続では投稿できないんだね……

  • 19124/08/14(水) 15:30:08

    主なき邸で気ままに寛いでいると、来客があった。長い髪を靡かせて駆け寄ってくるその姿。
    「宿儺ー!!……って、あら、いないじゃない」
    「やあ万。宿儺なら裏梅と一緒に今日は帰ってこないよ」
    ひらひらと手を振り出迎えた羂索に、なぁんだ、と万は残念そうに肩を落とした。折角唐菓子をくすねてきたのに。その言葉に羂索は苦笑い。召し抱えられた身とはいえ、貴族に出されたであろうそれを何食わぬ顔で盗んでくるとは。全く面白い女だ。
    目当てがいないので直ぐさま帰るかと思ったが、羂索の予想に反して万は邸に上がり込んできた。羂索に言えたことではないが、主不在の邸に勝手に上がり堂々と寝転ぶとは、本当に図太い。
    初邂逅以来、顔を合わせることはあっても一対一で話をしたことはなかった。いい機会だ、とかねてより気になっていたことを訊ねることとした。
    「随分と宿儺にお熱じゃないか。私のところにまで噂が来ていたくらいだよ」
    俯せになって目を閉じていた万は、ごろりと寝返りを打ち、羂索の方へ顔を向ける。
    「宿儺のどこをそんなに好きになったのさ」
    「……あんたもそういう話するのね」
    意外、と零した万は体を起き上がらせ、うふふ、と笑った。
    羂索は意外かなあ?と首を傾げる。面白いことは大好きだし面白い話には目がないし、色恋沙汰というのは得てして面白いものだと相場は決まっているのだから、羂索が嫌いなわけはないのである。尤も、今までは周りにそんな話題が出るような者がいなかったのであるが。
    「聞きたい?聞きたい?」
    「うん。是非とも聞かせてほしいね」
    「うふふ。一目見た瞬間思ったの。彼の孤独を埋めてあげなくちゃって。あんなに寂しい目をした彼に、その場の誰も気が付いていなかったのよ。圧倒的強者、それ故の孤独ーーだから、私が愛を教えてあげるの。私の愛で、孤独を埋めてあげるの。寂しい目なんてさせない、寂しいと思う暇もないくらい、私が愛してあげるのよ」
    「……、……へえ、そう。それはまた随分と深い愛だね」
    「そうでしょうそうでしょう。だから宿儺と結婚するのは私!勿論正妻ね!妾なんて許さないわ!」
    圧倒的な熱量に押された羂索は、頬を引き攣らせながら、尚も続く宿儺のここが好き談義をうんうんと聞いてあげていたのだった。

  • 20二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 20:20:31

    軽い気持ちでつついて長時間惚気られる羂索が見えた…!!宿儺達が帰って来た時にはゲッソリしてそうw

  • 21二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 20:25:30

    本人の気持ちはともかく宿儺の寂しさを埋めてあげるって熱烈に語る万に反応してるよね
    羂索も無意識のうちに寂しさを自覚してて埋めてほしいって思ってるのかな

  • 22二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 20:30:25

    まだ若い娘だった頃、天元の役に立とうと一人で町へ出てお使いをしてたら貴族とは関係の無い相手からちょっかい掛けられた事とかありそう

  • 23二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 20:30:54

    >>22

    突然の事で頭真っ白になって固まってたら路地裏に連れ込まれそうになって、近くで張ってた天元が助けてくれるんだ…

    それまでずっとボンヤリしてたけど、天元の顔見て安心したら大泣きしちゃうやつ

  • 24124/08/14(水) 21:29:01

    「裏梅のご飯は何時食べても実に美味だね」
    朝食を味わいながらしみじみと呟く。この頃になると裏梅はかつてのように照れたりなどしなくなっていて、それが少し詰まらなくもあったり。
    とは言え実に美味であるのは違いないので、羂索は宿儺と共に舌鼓を打つ。
    「こんなにできる従者を得られて宿儺は果報者だね、その上忠誠心は折り紙付きときたもんだから」
    「フン」
    鼻で笑うだけの宿儺であるが、ここまで長く仕えていた者は他にいないし、そもそもはじめから、まだ子どもであった裏梅の能力を真っ先に見留め拾ったのは宿儺自身で、羂索と天元の前でもその能力を賛辞するほどに裏梅には甘い。
    今だって黙々と裏梅の作ったご飯を口に運んでいて、それだけで如何に評価しているかわかろうというものだ。
    羂索もまた食べ進めて、最後の一口を飲み込んだ瞬間、あ、と声を漏らした。
    「帰ってきたみたい」
    邸に張っていた結界に反応があった。呪霊や賊は勿論、相当な腕を持つ術師以外は入ることは疎か見付けることさえできない。そして相当な腕とは、少なくとも羂索と同等という意味であり、そんな術師は天元と目の前に座る呪いの王くらいだった。
    つまりは天元が帰宅したということ以外にはない。羂索は知らず幼げな笑顔を浮かべていた。
    「それじゃ、私も帰るね」
    お邪魔しましたと告げて、鳥が中途半端に啄んで落としていったらしい烏瓜の実を避けながら駆け出していく。
    「全く、随分と嬉しそうな顔をする」
    呆れたような宿儺の呟きは、膳を下げようとしていた裏梅だけが耳にしていた。

  • 25二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 21:31:02

    帰ってきた!よかった〜〜〜〜!!!

  • 26二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 21:31:21

    良かった!天元帰って来てくれた…!!

  • 27二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 21:32:09

    今リアルで雷ひどいから羂索にも雷音にビビっててほしい。平安時代なら雷とか科学的に解明されてないだろうし、落雷とかめっちゃ怖かっただろうなぁ

  • 28二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 21:43:08

    天元が帰って来たの察したらルンルンで帰る羂索…やはり幼女

  • 29124/08/14(水) 22:02:25

    「羂索、話がある」
    おかえり、ただいま。そんな遣り取りさえなく、顔を見るなり何時になく真剣な面差しの天元にそう言われ、羂索は首を傾げつつも向かいに座った。
    「先の謁見で帝から頼まれ事をしてな」
    「だろうね。どんな無理難題を吹っかけられたわけ?ま、天元と私なら大丈夫でしょ。最悪宿儺巻き込もうよ」
    仮に事前に内容を話していなくとも、呼ばれた時点で何かしらの依頼があったと思うのは当然のことだ。歌合やらで天元が呼ばれるようなことはまずない。それは軽んじられているというわけではなく、寧ろその逆、帝でさえ易々と声掛けができぬ存在なのである。
    呪詛でも掛けられたか特級の呪霊でも出没したか、はたまた祈祷の類か。結界、という話であったから、呪霊や呪詛から護るのか。
    依頼に考えを及ばせて笑いながら言う羂索に、けれども天元はにこりとせず硬い顔のまま首を振った。常ならぬ表情に然しもの羂索も口角を下げる。
    「羂索。落ち着いて聞いてほしい」
    「なに?勿体ぶらないで」
    ーーこの国を覆う結界の、要となることが決まった。

  • 30二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 22:04:21

    なんで!!!どうして!!!上げて下げるんだ!!!!
    いやまあでも…お別れを言いにきただけ温情か…

  • 31二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 22:16:22

    烏瓜の花言葉「誠実」、「よき便り」、「男ぎらい」
    中途半端に啄まれて落ちているから男ぎらいはともかくとして誠実でもないしよき便りでもなかった…てこと……

  • 32二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 22:17:57

    あー…遂に来てしまったか

  • 33二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 22:19:38

    ここの羂索は寂しくて死んでしまう性格なんだぞ!!そんな子を置きざりにしてまでして果すべき事なのか!!?思い直せ!!

  • 34124/08/14(水) 23:04:01

    「……は?」
    思考停止。
    「は、え……?なに?誰、が?」
    「この国の結界の要に、私がなるんだ」
    「なんで」
    「私が適任だからだな」
    徐々に回転を再開し始めた羂索の脳は、次第に状況を飲み込みつつあった。結界術に於いては最高峰の腕を持ち、かつ不死の術式を有している天元。なるほど、恐らくは何百と先の時代にまで張り続けることになるであろう結界の要としてこれほどに相応しい人物もおるまい。
    そう、結論付いた瞬間。羂索は一気に頭に血が上った。
    「神にでもなるつもりか!?天元!!」
    響き渡る怒声。掴みかかった羂索に、天元は困ったように眉を下げた。
    「そういうわけでは、……いや……そうかもしれないな」
    「私を置いて……!!何処にも行かないと!!そう言っただろう……!!」
    「ああ、言ったね。何処にも行きはしないよ。私はこの国の結界の要となり、何時だって何処にいたって君の傍にいる」
    「そういうことじゃない!!!」
    烈火の如く怒る羂索を宥めようと、天元が背に手を置き何度も摩った。肩で息をする羂索が落ち着いてきたのを見計らって再び口を開く。
    「羂索。聞いておくれ」
    「いやだ、聞きたくないっ!!」
    耳を塞いでも天元の声は不思議と脳内へ届いた。
    「この先君がひとりぼっちになることは決してない。私は何時だって見守っているし、君には幾人もの友がいる。私に拾われた頃とは違う。それにね、羂索、君は他人と打ち解ける才を持っているんだ。時代を越えようとすぐに友を作れる。人々に囲まれて、寂しい思いをすることなんてないさ。私がいなくても君は大丈夫」
    賢い君ならわかるね。駄目押しのようなその言葉に、羂索は天元の手を振り払って立ち上がった。
    「っ!詭弁だ!!!そんなもの!!!」
    「羂索」
    天元を見下ろして、声が裏返るほどに叫ぶ。
    「君は私を捨てて……!!!私よりも他の有象無象が大切だと!!!そう言うんだろ!!!」
    「羂、」
    「私は!!!!私は、君が……!君なんて、……貴様……なんて……!!」

    「大っ嫌いだ!!!!!」

  • 35二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 23:10:20

    あぁ、またこうなってしまった…運命なのか…?

  • 36124/08/14(水) 23:26:36

    「……そうか」
    平静な声にはっと口を噤んだ羂索は、全てを受け入れた表情の天元に思わず手を伸ばした。しかし、その指先が届くことはなく。
    「ぁ、」
    衣さえ掴めず虚しくも空気を引っ掻いた。
    立ち上がり背を向けた天元が、顔を少しだけ振り向かせて、告げた。それが最後の言葉だった。これが羂索が天元と交わした、最後の会話になった。
    「私のことを嫌いでも構わない。私は君をーー」
    呆然と立ち尽くしたまま、待ってもなにも言えないで、羂索は只管に涙を散らすばかりだった。

  • 37二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 23:40:36

    わ、私が今まで読んでいた幸せな天羂は…?

  • 38二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 08:17:46

    幸せな天羂返して…返して…

  • 39124/08/15(木) 10:02:20

    ここはひとりぼっちになると死んじゃうくらい寂しがりな『羂索がしあわせ』になるスレ

  • 40124/08/15(木) 11:13:47

    ひとり置いていかれた羂索は、三日はずっと引き籠もり泣き通していた。
    四日目にして漸く起き上がった羂索は、がんがんに響く頭を抱えひりつく喉に顔を顰めながら、井戸水を汲み上げ顔を洗った。腫れぼったい目が鬱陶しい。冷たい水をぼたぼたと零しながらもどうにか三口飲み干して、また床に仰向けで寝転んだ。
    「……、」
    掠れきった声は空気を震わすに至らず。あれほどに泣いたというのに、それでもなお溢れ出す涙が羂索の顔を濡らし床板に小さな水溜まりを作る。
    ひとりだ。羂索は思う。ひとりぼっちになってしまった。天元に拾われてからはずっと、味わうことがなくなっていた孤独感。寂しい、叫び出したかった。いや、実際叫んでいて、無理やりの挙動に喉から血が溢れていた。血を吐いて、ふらふらと立ち上がる。
    本当はあんなことが言いたかったんじゃない。大嫌いだなんて心にもない、困惑の中で怒りに任せて飛び出たどうしようもない嘘だ。本当は、ただ、行かないでくれと、置いていかないで、捨てないで、そう縋り付きたかった、それだけなのに。
    ーー私は、捨てられたのだ。
    時期を過ぎ枯れ果ててしまった松虫草を横目に、ふたりで過ごした邸を後にする。覚束無い足取りで向かう先は……

  • 41124/08/15(木) 15:08:13

    羂索が目を覚ました時、視界には天井が写っていた。どうしたんだっけ、思い起こそうとする頭はしかしずきずきと痛んで仕方がないので一旦置いておくことにする。ちらちらと見回してみれば、見覚えが、あるような、ないような……。
    「起きたのか」
    掛けられた声に反射的に顔を向ける。
    「……うらうめ」
    そうだ、と思い出す。天元と暮らした邸を出た後、宿儺の元へ向かったのだ。けれども辿り着いた途端に限界を迎えてぶっ倒れてしまった。
    直前に血を溢れさせていた喉は異常なく、服も着替えさせられている。これは随分と厚い待遇を受けているようだぞ、と察した。丁度よく機嫌が良かったのか……ほっと胸を撫で下ろしながら裏梅を見上げる。
    「食えるか」
    「いや……」
    空腹は感じない。如何に裏梅の絶品料理と言えど、喉を通るとも思えなかった。
    緩く首を振る羂索に対し、裏梅は心得ているとばかりに頷いて、疾くと着替えろと替えの衣服を置いて去って行った。
    足音が完全に聞こえなくなった頃、のろのろと体を起こし、衣服へ手を伸ばした。正直なところ着替える気力も湧かなかったが、あまり待たせては今度こそ機嫌を損ねて殺されてしまうかもしれない。羂索は死にたいわけではなく、かと言って生きたいのかも、なにがしたいのかも、わからなかった。
    宿儺の元へ向かおうとした理由は分かっている。友だから。宿儺の方がどう思っているかは兎も角ーー捨て置かれずに済んでいるのだから期待してもいいだろうかーー少なくとも羂索は友だと思っているし、そう口にしてもいる。……もうひとりの、家族同然に思っていた友に捨てられたというに、なんとも皮肉なことである。
    どうにかこうにか着替え終えた羂索は、ぼうっと庭を見遣る。無惨にも踏み付けられた桜草だけが目に写って、どうしてか再び無性に泣きたくなってしまったのだった。

  • 42124/08/15(木) 18:07:41

    茫然自失といった有様の羂索を、宿儺は、世話を焼くわけではなく、然りとて邪険に扱うわけでもなく、好きなようにさせていた。相変わらず食事にはほとんど手を付けないが、水は飲んでいるし、まあ死にはせんだろう、と。
    裏梅もまた主に従い、着替えや少量の病人食を用意してやっては、無理に食べさせようとするわけでもなく、時間がくれば膳を下げ、残されたそれを餌に獣や魚を狩った。時折話し掛けてみては、向けられる虚ろな目に口を噤む。そんな日々。
    一日の大半を部屋の隅で膝を抱えて独り言を零し続ける羂索に、覗いた宿儺は溜め息をひとつ。
    「これを文ひとつで……いや、口約束としても、だ。押し付けるな、痴れ者め」
    ーー遡ること数週間前。宿儺の元に一通の文が届いた。また万の恋文か、よくもまあ飽きもせず……そう思ったのだが、どうも様子が違う。焚き染められた香はいつもの甘やかさではなく爽やかでありながら高貴さを感じさせるものであり、よくよく見れば纏われた呪力も違う。これは。
    検閲を申し出た裏梅を制し、自ら読み始めた宿儺は、その内容に眉を顰め、溜め息を吐き、それから額に手を遣った。矢張り不埒な内容だったのでは、と気遣わしげに見る裏梅を後目に、最後まで読み終えた宿儺は呆れ返った呟きをひとつ。
    「そうも心配なら離れるな、戯けが」
    そこに記されていたのは、帝からの要請でこの国を覆う結界の要になることが決まったこと、自分ひとりで請け負うので羂索を連れては行けないこと、寂しがりなあの子をどうか友の誼みで頼みたいこと、だった。

  • 43124/08/15(木) 18:08:00

    脳裏に浮かぶは、つい昨日、天元が帰ってきたからと意気揚々と帰って行った姿。寂しがりであるのは誰もが認めるところではあるが、だからといって、誰でもいいわけではなかろうて。貴様がおらねば他に埋められる者なぞありはせんぞ、天元。どうせ届かぬと分かっていて、宿儺は独りごちた。
    宿儺に言わせれば、天元も羂索も愚か者である。片や自分が居なくても大丈夫だろうと楽観視している愚か者、片や相手はずっと変わらず傍にいてくれると思い込んでいる愚か者。羂索は兎も角、天元に至っては不死の弊害と言えるかもしれない。超然的思考のせいで、根本的なところを理解できていない。少なくとも、宿儺はそう分析した。
    文が届いて四日後の舂く(うすづく)の頃、よくもまあここまで辿り着いたものだと逆に感心してしまうほどの風体で現れた羂索を、仕方のないと介抱してやったのは、宿儺のほんの気紛れである。
    今日も今日とて羂索は、部屋の隅で膝を抱えてぶつぶつと、掠れた声で呟き続ける。
    「たま……結界……じゅ……つか……おうよ……」
    てんげん。

  • 44二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 21:17:24

    めちゃめちゃ引きずってる……天元に聞かせた呪物化のことに没頭してるっぽいのも痛々しいな羂索……
    しあわせなんですか?これが?

  • 45二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 21:19:44

    >>39

    >『羂索がしあわせ』

    ずっと疑問だったんだけどなんでここ強調した???なあなんで強調した??????

  • 46二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:56:36

    羂索の現状を天元に見せてやりてぇ…!依存レベルで甘やかした挙げ句、良かれと思ってポイするんじゃあないよ!!

  • 47124/08/16(金) 01:31:44
  • 48二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 07:57:57

    ありがとうスレ主
    前スレはまだほのぼのしてたんだな……

  • 49二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 18:35:52

    ほし

  • 50二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 19:56:31

    『羂索がしあわせ』…大丈夫?1人の世界に飲み込まれたりしない??

  • 51124/08/16(金) 20:53:50

    「……く、羂索」
    はっと瞼を開けた羂索は、自身の体を揺する人物と目が合いそのまま大きく見開かせた。口をぱくぱくと、餌を求める魚の如く動かして、そんな間抜けな面を見て彼女はおかしそうに笑った。
    「おはよう羂索、もう朝だよ。ふふ、幽霊でも見たような顔をして、どうかしたかな」
    「て、んげ、」
    途端に溢れ出した涙。これには流石に困惑する天元へ、羂索は勢いよく抱き着いた。首に回された腕の力強いこと。寝た状態からの挙動だったために天元は引っ張られ、羂索の上に覆い被さる形となった。
    わんわんと、親に捨てられてしまったーー否、実際その時には泣いてなどいなかったのだが、兎も角そのくらいのことをされた幼子のように、恥も外聞もなく泣き喚いていた。羂索がここまで泣き縋ったことなど過去一度もなく、天元はどうしたらいいのやら珍しく困ってしまった。
    頭に手を置いて、優しく撫でる。大丈夫、大丈夫だ、只管にそう囁いて、羂索が落ち着くのを待った。
    漸く泣き止む頃にはすっかり白昼となっていて、ぐずぐずと鼻を啜る羂索が、涙に濡れた声で弱々しく言った。
    「もう、ほんとに……君は、君、は……帰って、こない……かと……おもっ、て、」
    「私が?」
    「うん……」
    驚いた顔をした天元だったが、すぐさまいつも通りの微笑みを浮かべて、しっかと羂索を抱き締めた。
    「帰ってくるよ。君が待っているからな」
    「うん……!」
    再び抱き締め返そうと羂索が腕に力を込める。天元の背に回っていた手は……
    「っ……!!ゆ、め……」
    空振って前のめりに倒れ込む。真上に昇った太陽が眩しく見下ろしているーー白昼夢。
    その体勢のまま、ほろほろと涙を流すより他なかった。

  • 52二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 20:55:00

    なんで一瞬だけ幸せな夢を見せたんだ!!!!!!!

  • 53二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 21:14:48

    む、惨い…

  • 54124/08/16(金) 21:47:08

    ーーそれからひと月と少し。羂索は急に生気を取り戻した。
    出された食事は完食し、部屋の隅から脱し邸内を歩き回るようになった。まだ外へ出ようとはしないのは、自分の肉体が如何程に弱っているかを充分理解していたからである。替えの肉体を持ってきてほしいとは、羂索であっても、流石に頼めなかった。
    病人食から通常の食事へ移行し、とうとう宿儺と同じ卓を囲めるほどにまで回復した。体力面はまだ戻りきってはいないものの、周辺を散策する程度ならば問題はないだろう。
    このあまりにも急激過ぎる変化に、宿儺は薄ら寒いものを感じていた。心境になにがあったかはわからないが、少なくとも、良い方へは向かってはいまい、と。しかし口にするほどのことでもなかった。害を為すようであれば斬るだけのこと。王の余裕であった。
    果たして羂索は、企みを抱いてはいたが、別に宿儺や裏梅に対し危害を加えようなどとは考えていなかった。寧ろその逆ーー彼らにとって必ず益になる。そう確信していた。
    暫くして肉体を替えた羂索は、宿儺にひとつの提案を持ち掛けた。
    「魂を呪物化して生き長らえるんだ」
    羂索は語る。
    「かねてより理論を組み立ててはいたんだが、なかなか上手くいかなくてね。けれど漸く、漸く!成せるようになったんだ!結界術を応用して、魂をーー」
    尚も止まらぬ語り口に、宿儺が片手を上げて制した。唇を引き結んだ羂索に、静かな声で問う。
    「それで?貴様はいったい何がしたい。何が目的だ、ん?まさか呪物化とやらをして終わりというわけではあるまい」
    その言葉に、よくぞ聞いてくれましたとばかりに口を開いた。その頬は興奮で紅潮していた。
    「この先、君以外の術師にも呪物化を施してね、未来で彼らによる殺し合い遊戯をしてもらうんだ」
    「ほう?」
    「次代の強者、珍しい術式の持ち主、術師に限らず武芸に秀でた者なんかもね。次第によっては非術師を術師へと変化させるなんてこともあるかもしれない。それで、それからーー天元とこの国の人間全てを同化させる」
    きっとおもしろいよ。
    うっとりと締め括られた言葉に、宿儺は、矢張り救いようのない愚か者だな、と心の内で吐き捨てたのだった。

  • 55二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 21:52:27

    壊れちゃった…あの夢がトドメだったんかな

  • 56二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 07:48:01

    おあぁ…

  • 57124/08/17(土) 14:03:14

    すっかり快復した羂索は、改めて宿儺に問うた。
    「呪物化の話、考えてくれた?」
    実のところ縋るような思いだった。まだ他に声を掛けた者はいないが、宿儺さえ乗ってくれたなら、芋蔓式に契約者は増えるだろう。宿儺に恋い焦がれる者、打倒を掲げる者、どこまでも付き従う所存の者ーー良くも悪くも、彼はこの時代の中心にいる。否、この時代に限った話ではないかもしれない。この先も、噂に聞く呪いの王と殺り合いたいと願う者が現れるかもしれなかった。
    そして羂索は、この誘いは、宿儺にとっても決して悪いものではないと確信している。寧ろ益になるはずだと、断る理由などないはずだと。
    それでも、最後の審判を待つ罪人のように隠しきれない不安を滲ませ己を見上げた羂索に、宿儺はどこか憐れむような目を向けた。その口から落とされた回答はーー

  • 58124/08/17(土) 14:03:36

    「断る」
    一瞬、聞き間違いかと思った。羂索は困惑に歪んだ表情で聞き返し、それでも返ってきた言葉は「断る」ただそれだけ。何度も言わせるな、と、興が醒めたと言わんばかりに吐き捨て立ち上がる。途端に暗き谷底へ突き落とされた顔をして、立ち去ろうとする宿儺へと、羂索はとうとう縋り付いた。
    「どうして?ねえ、考え直してくれないか。君にとっても、絶対に悪い話じゃ、ねえ、約束するから。君に詰まらない思いはさせないから。縛りを、」
    「……二度は言わん。離せ」
    手を離さなければ、離れるのは己が首と胴だとわかっていた。幾らこれまでに図々しくも頼み事をしたり、勝手に邸へ上がり込んだりしてもそこまでの不興を買わなかった羂索であっても、今は駄目だと、声音と表情、それに雰囲気から察していた。わかっていて尚、やめられなかった。
    何故なら、羂索にとって、この計画は。
    「君がーー友がいないと、意味がないんだ……!」
    いろいろと宿儺がこの話に乗った時の利点を上げたが、結局のところ、ただそれだけのことなのだ。
    どれほど先になるかはわからない。何百、もしかしたら何千かもしれない。けれども、確かにその先で友とまた会える。輪廻転生を信じて待つより確実に。根底にあるのは、そんな不安定な希望だった。
    普段の余裕を剥ぎ取った、天元に置いていかれた時とはまた違った必死の剣幕に、宿儺は肺の空気を全て出し切るかの如く溜め息を吐き、それから軽く指を振った。キン、と斬り離されたのは手首。慌てて反転を回す羂索を後目に、取り残された手を剥ぎ取り、勿忘草の生い茂る庭へと投げ捨てる。
    「興が湧かん。それだけだ」
    それはきっと、せめてもの温情に違いなかった。

  • 59二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 19:22:46

    可哀想に…でもこのまま宿儺が是と言ったら今度は天元から宿儺へ依存先を変えるだけになっちゃうから羂索はずっと停滞してしまうんだ…宿儺なりの優しさなんだろうな

  • 60二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 06:44:58

    >>59

    読解好き

  • 61二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 17:13:28

    宿儺断っちゃうんだ……

  • 62124/08/18(日) 20:34:55

    夜這いとは本来、男が恋文を出し女からの返歌を受け取り、それから幾度かの遣り取りを経た後に女が許してはじめて成立するものだ。だからこれは、厳密には夜這いとは呼ばれない。
    「なんの真似だ」
    「夜這い」
    それでも羂索は、この行為を敢えてそう呼称した。
    仰向けに寝転び堂々と大の字になって眠る宿儺の傍に這い寄ったまではいいが、然もずっと起きていましたと言わんばかりに問われて思わず苦笑いが零れた。否、実際起きていたのだろう、羂索がこの部屋に足を踏み入れた時点で。それでもここまでの接近を許すのは、心を許されているからではなく、どうとでもできるという王の余裕故に過ぎない。それから、僅かばかりの気紛れと。
    起き上がるでもなく、目を開けることすらしないで、宿儺は呆れ返った声で言った。
    「貴様も万の同類か」
    「違うよ」
    「同じではないか」
    「違うってば」
    完全な否定に怪訝そうな顔をし、漸く左の下目を開けた。そんな宿儺へ、羂索は至極真剣に告げる。
    「私は君の、恋人、夫婦としての愛が欲しいんじゃない。君は友だから。ただ……取り戻したいだけなんだ」
    そのために君の子種が欲しいんだよ。
    ひとりぼっちの夜を幾度も越えて、庭にぽつぽつと咲いた一輪草を眺めていた時、羂索はいつか天元の放った言葉を思い出したのである。君の胎で育まれたややを、この腕に抱いてみたかったと思う私もいるーーならば、実際に孕み、産み落としたなら、戻ってきてくれるのではないか。その為だけに、昨日の今日でわざわざ女の体を見繕った。もはや憶えられているかもわからないのに、それでも、愚かにもこれが羂索に残された一輪の希望だった。

  • 63124/08/18(日) 20:35:14

    多大な押し付けはあっても、確かに宿儺を愛している万と同じにはされたくなかった。否、同じにされては万がかわいそうだと思う心があった。羂索は万と違って、どこまで行っても、どう取り繕おうとも、所詮は自分のために過ぎないのだから。
    そんな羂索の胸中のどこまでを察したのか、途端鼻で笑った宿儺が冷たく言い放つ。
    「くだらん」
    どこまでもつれない態度の宿儺を、羂索は頬を膨らませながら詰った。
    「呪物化の誘いを断ったんだから、このくらいしてくれてもいいでしょ」
    言い掛かりも甚だしいとは自覚していた。
    「俺に施せと?フン……分を弁えろよ」
    死体を抱く趣味はない。
    本気で怒っているわけではなく、どこかーーどこか、聞き分けのない幼子に言い聞かせるような、そんな風だった。

  • 64124/08/18(日) 23:20:22

    「誰でもいいのか貴様は」
    降り積もる雪の如く冷ややかな目に呆れと侮蔑さえ乗せられて、羂索は珍しくたじろいだ。ほんの数瞬前まで包丁を研いでいた裏梅は、直ぐに興味をなくしたかのように再び手元で鈍く光る刃へと真剣な眼差しを注ぐ。
    その横顔を見詰め、羂索は弱々しく呟いた。
    「……誰でもいいわけじゃない」
    「いいのだろう。だから宿儺様に断られたと見るや私の元へ来た」
    ぴしゃりと言い返される。取り付く島もない。
    沈黙の降りる空間に、しゃっ、しゃっ、と音が鳴る。幾人もの血を吸ってきた裏梅の愛包丁。切燈台に照らされたそれは、事情を知っているが故か、羂索には不気味さを放っているように見えた。
    羂索は、口を開き、また閉じ、暫く言葉を探しているようだったが、漸くか細い声で告げた。
    「本当に、誰でもいいわけじゃない。それは本当なんだ」
    「……」
    「宿儺も、君も。私にとっては親しき友だ。見ず知らずの男じゃない、心を許せる相手だ。そんな人となら、そんな人との間にできたややなら……抱き上げる為に帰ってきて、くれるんじゃないかって……」
    さて、裏梅にとって羂索とは、絡んできて鬱陶しい上に極度の寂しがり、ではあるのだが、その反面、自分よりずっと、もしかしたら己が主よりも長く生きているかもしれない、"大人"だった。ふとした瞬間に見せる余裕と知識、技術ーーそれらは少なからず裏梅の成長に影響を与えたし、何の彼のと言ってもいざとなれば頼れる存在であるのは間違いなかった。
    それが、どうだ。天元がいなくなった途端にこの有り様。裏梅の中の羂索像は跡形もなく崩れ去った。宿儺は存外あっさりと現状を受け入れているらしいが、裏梅はそうもいかなかった。動揺した。その後に芽生えた失望は、やがて呆れや侮蔑へと進化し、そして今。
    「羂索。ひとつ、教えてやる」
    ーー同情へと姿を変えた。
    「私は子が作れん」
    「えっ……?」
    「生まれつきのものでな。だからたとえ貴様と関係を持ったとして、貴様の望むものは与えられん」
    宿儺様しか知らんことだ。そう言って、分かったならさっさと寝ろ、と、包丁を振って驚きと困惑の綯い交ぜになった羂索を追い出したのだった。

  • 65二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 06:07:43

    宿儺も裏梅もぞんざいに見捨てたりしないで付き合ってくれるの優しいな……
    羂索はこれからどうなっちゃうんだろうか……

  • 66二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 09:49:37

    宿儺が呪物化断ったままなら本編と違う流れになりそうだけど…どうなる…

  • 67二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 11:05:21

    二人とも優しいな…何か不器用な優しさとかじゃなくて、普通の変わらない優しさって言うか…ちょっとおかしくなった羂索相手に今までと変わらない対応してくれるの良いよね、「お前さっさと頭冷やせ」って言ってくれてるみたいで(個人の見解です)

  • 68124/08/19(月) 19:50:33

    宿儺と裏梅に素気なく断られーー裏梅に関しては致し方のないことではあるーー羂索は途方に暮れていた。親しい男は他にいないから、かと言って男の肉体になって親しい女を孕ますのも違うと思っていた。天元はあくまで、羂索の胎で育まれたややを望んでいるのだ。そも、そこまで親しい女なぞ万くらいしかおらず、断られるのは目に見えていた。天元はさも羂索に友人が多いかのように言っていたが、実際のところそれは全くもって見当違いだったのである。
    となれば取れる手段は唯一つ。男漁りである。
    羂索はまず、わざと自身の噂を流した。男に捨てられた哀れな美姫がいる、と。すると聞き付けた男から続々と文が届くようになり、全てへ丁寧に歌を返した。垣間見されていることもわかっていたが放置した。かつてのような結界が張られていない邸で、羂索は愚かな男共の心を掌の上で転がしていた。
    やがてひとりの男に定め、夜這いを許した。男は、そこそこの地位にあり、まあそれなりの美丈夫ではあったが、宿儺を見慣れている身からすると、些か物足りなさを感じずにはいられなかった。
    許してもらえたことへの歓喜と感謝を歌に詠み、男が足を踏み入れる。微笑んで迎え入れた羂索は、体に触れた男の掌に、その感触その体温に、さっと顔を青褪めさせた。
    「……やだ、嫌だ、こわい」
    相手の男にとって不運だったのは、幾らひ弱な女の肉体を使っていても、羂索が歴戦の術師であり、戦いの経験もないような男ひとりなど簡単に殺せてしまう実力者だったことだ。
    直前になって愚図り始めた羂索に、困惑しながらも宥めて事を進めようとした男は、けれど抵抗の延長であっさり命を刈り取られてしまった。ごとり、と落ちた首を放り捨て、羂索は立ち去る。
    その後暫く都には、男の魂を喰らう鬼が出た、いやいや狐が美女に化けていたのだ、などと噂が流れたのであった。

  • 69二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 23:05:40

    土壇場で怖くなっちゃったか…そうだよな、天元に大事に大事に育てられたからな…、と言うか羂索に対しては「君の産んだやや子~」言ってたのに実際に羂索へ贈られてくる恋文とか恋歌は全ブロックしてたんだよな天元…さては面倒臭い保護者か(今更)

  • 70124/08/19(月) 23:53:44

    「や、久しぶり」
    すっかり窶れた顔を隠しもせず、しかし平気なように振る舞って、羂索は幾年ぶりかの宿儺の邸を訪れていた。けれどもいたのは裏梅だけで、邸の主の姿は見えず、また気配も感じられなかった。出掛けているのだろうと呑気に考え上がり込む羂索に、裏梅は沈痛な面持ちでありながらも心の嘆きを悟らせぬかの如く冷静な声で告げた。
    「ーー宿儺様は薨去なされた」
    その通告に息を飲む。まさか、うそ、そんな言葉が知らず零れ落ちていた。
    確かに出会ってからの年月を思えば亡くなることはなにもおかしな話ではない。寧ろ長生きの部類に入るだろう。けれども羂索は、心のどこかで、宿儺は寿命などでは死なないのではないかと思っていたーー期待していた。戦いで死ぬとも思えず、詰まるところ人の理を外れてくれるのではないか、と。
    しかし結局のところ宿儺は普通の人間で、羂索や……天元のように、永らえることなどなく黄泉へと旅立ってしまったのだ。
    またひとり、私は友を失ってしまった。絶望に打ち拉がれ頽れる羂索から背を向けた裏梅は、血が滲むほどに唇を噛み締めた後、どこまでも淡々と続ける。いっそ冷淡なほどに振る舞わねばその場で泣き崩れてしまいそうだったからだ。
    「私も片付けを済ませたら逝くつもりだ」
    主が亡くなれば配下は後を追う。当然のことだ。裏梅もまた宿儺の死に今なお動揺を隠せずにいるが、それがあるから表向きは平静を保っていられた。
    「待って」
    「待たん」
    「君だけでも、」
    「くどい。宿儺様が貴様の誘いを断った時点で定められていた末路だ」
    貴様には酷であろうな、だが、宿儺様の御意思なのだ。呟き去ろうとする裏梅の裾を掴もうとして、震える指先では確と捉えられず、遠ざかる背をただ茫然と眺めていることしかできなかった。

  • 71二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 23:55:24

    ワ…ワ…
    友たちが死んだ後にその死体を加工する羂索がいると思うと今から涙と涎が止まんねえな…

  • 72二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 07:58:28

    万も後追ったら本当に1人になっちゃう…

  • 73124/08/20(火) 12:09:47

    もはや駄目元だった。幾ら替えようとも食事が喉を通らないのですぐに窶れてしまう体を引き摺って、羂索は万の元へ向かった。
    呪物化について、その利点や全容ではないものの計画の一端を語る。しかしそこにはかつて宿儺へ語ったときのような興奮も輝きも存在していない。万は見るからに精神を弱らせている羂索に対して、茶化すでも指摘するでもなく、珍しく静かに話を聞いてあげていた。
    幾つ歳を重ねてもなお宿儺への恋慕を募らせ続ける、呆れるほどに一途な女。彼女は全てを聞き終えて、徐ろに宿儺は?と返した。予想していた羂索は、細く息を吐き出し、どうにか声が震えぬよう努めて。
    「宿儺は……転生を選んだよ」
    嘘は吐けない。前代未聞を成し遂げようとしているのだ、隠し事ならば兎も角、偽りは今後に響く。
    「ふうん?」
    万は羂索の言葉に瞬きを繰り返し、考え込むように唇へと指を当てた。
    誰も彼も、宿儺がいないのなら、と言う。嗚呼、本当に、君は良くも悪くも圧倒的な影響力を持っていたし、全ての中心にいた。羂索は胸中で呟き、諦めの中で万の選択を待った。
    果たして万は、にこりと微笑んで。
    「宿儺がいないんじゃあね」
    嗚呼、やはり。
    「私、来世に賭けてみるわ。それで、来世こそは宿儺と結婚するのよ!」
    恋する乙女は最後までひたむきに美しかった。

  • 74二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 12:11:54

    万は本当にいい女だな

  • 75二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 13:52:15

    羂ちゃん一人ぼっちになってしまった…

  • 76124/08/20(火) 20:05:15

    それから幾年が経ったか。宿儺という史上最強の(言い方は悪いが)景品がないせいで、何人もを取り零した。
    その間にも情勢は移り変わっていく。並み居る貴族共を抑え台頭していく平家、平家と源氏による合戦、そして平家の栄華が終わり、同じように平安の世が終わろうとしている。
    源氏が鎌倉に幕府なるものを開くという。政治の中心が東に移る。もしや天元の存在を知って?と羂索は訝しんだが、そうであるならば位置がずれている。偶然だろう。
    しかし間違いなく、これからは武士の時代だ。呪術師も武家お抱えの者が増える。
    東に向かわなければ。そう思うのに、羂索は京の都から、かつて天元と過ごした邸から離れることができないでいた。向かってどうする、天元には会えやしない、宿儺も、裏梅も、万も、もはやこの世にはいないし、輪廻転生という不確かなものを信じて探すには、あまりにも希望がなさすぎた。
    「さみしい」
    ぽろりと零れ落ちた感情は、床に染みを作っては乾いていく。
    「さみしいんだ、てんげん」
    すくな、うらうめ、よろず、
    「わたしをひとりにしないでくれ」
    風が吹き、都忘れの花弁を静かに揺らしている。
    応える者は、どこにも。

  • 77124/08/21(水) 00:51:12

    青年がひとり、ある邸を探索していた。ここにとある呪術師が住んでいたというのだが、その者がどうやら相当な呪具を所有していたらしいのだ。
    青年もまた呪術師なのだが、まだ未熟で、術式を上手く使いこなせていなかった。だから呪具に頼りたかったのだが、如何せんそんな半端者の要望を聞いてくれるほど実家は優しくはなかった。故に、此処にまだ残っているのなら、有難く頂戴してしまおうと考えたわけである。
    一歩踏み締める度、ぎしり、と鳴く床。そこら中に張られた蜘蛛の巣。がたがたと風で揺れる家屋に埃やらが落ちてくる天井。完全に廃墟だ。呪霊でも出てくるんじゃあないか、そう考えた青年は若干の早足で部屋を見て回る。ない、ない、ない、まさか全て持ち出されている?その可能性も決して零ではなかった。
    此処が最後、と覗き込んだ途端、青年は息を飲んだ。腰を抜かさなかったのは、さすがに呪術師といったところか。
    「白骨、」
    紫苑に埋もれるようにして眠る、頭蓋に刀の刺さった白骨死体。そろそろと近付き、静かに抜き取る。
    「これは……呪具、か」
    もしやこの者はこの邸に住んでいたという呪術師か。ならば死後呪霊へと転ずることを防ぐ為、呪具で殺されたか……
    「ん?」
    青年は死体のすぐ傍に落ちていた紙切れを見つける。随分と経年劣化しているが、不思議と読めないこともない。これはある意味で呪符のようなものだ、と青年は悟る。この死体が死ぬ直前に書き残したであろう辞世の句。呪いが宿り、朽ちることを防いでいた。
    それに目を通し、ぽつり呟く。
    「寂しさに殺された、のか……」
    青年は手を合わせる。どうか来世では、寂しさのうちに死ぬ事がないように、と。
    傍を名も知らぬ蝶が羽ばたいて、やがて静かに夜空へと消えていった。

  • 78二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 00:54:00

    ひょえ…羂索…

  • 79124/08/21(水) 07:44:29

    ーー時は移ろい、平成。
    歳の頃15、6と思われる少女が、体躯の良い男の手を引いて街を歩いていた。可憐な少女と精悍な顔つきの男という組み合わせは擦れ違う者の目を引いたが、それも一瞬のことで、次の瞬間には関心など離れていく。そんな街。
    「ほらほら、早く」
    「ハア……そう急かずとも席は逃げんだろう」
    「わからないよ?もしかしたら急に大ブレークして満席になっちゃうかも」
    「ありえんな」
    彼らは小さな劇場へと入っていく。時間を確認し、どうやら目当てには間に合ったようだと息を吐いた。受付でチケットを選択すると物珍しそうな目を向けられたが、少女は全く気にした様子はなく、尚もキラキラとした目で飲料を選んでいる。
    対して男は心底詰まらなそうな顔をしていて、ひと目で少女の付き添いだとわかる。何がいいかと問い掛けられるも、好きにしろとだけ返し、携帯を取り出しなにやら操作していた。やがて少女が飲料を決めると、自然な動作で財布を取り出した。
    「奢ってくれるの」
    「未成年だからな」
    小銭を数える男に、少女は目を瞬かせた。それからにんまりと笑う。
    「やっさしい〜そうやってオンナノコ落としてるんだ?」
    「姦しい。くだらん噂を流すな阿呆め」
    「私じゃないもーん。有名だよ?OBの虎杖先輩の、ヤバい方って」
    けらけら笑う少女の頭をがしりと掴むと、乱暴に掻き混ぜる。抗議の声など無視して長い髪をぐちゃぐちゃにすると、男は特大の溜め息を吐き出したのだった。
    「ハーうざ」
    チケットと飲料を購入したふたりは、会場へと足を踏み入れる。ぽつぽつと人がいるものの、そのどれもがなんとなく入ってみた、であったり、丁度いい休憩場所、イチャつき場所、そんな風であった。
    席に座ると、男が呆れたように言った。
    「アレの何が面白いんだかな」
    「面白いよ!今はまだ、燻っているけれど……」
    頬を膨らませ、それから、落ち込んだように顔を俯かせた。少女の目当ては売れない芸人。受付で物珍しげな顔をされたのも、少女くらいの歳の子が好んで見るような芸人ではなかったからだ。
    しゅん、としてしまった少女に、男はやれやれと思いながら飲み物を差し出した。
    「マ、貴様の"面白い"には外れがないからな。大器晩成型かもしれん」
    開演のブザーが鳴る。
    「……うん、そうだよ。だって絶対面白いもの、髙羽は!」
    舞台の上で、件の芸人がちょっと照れたように笑っていた。

  • 80二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 07:50:37

    転生して宿儺とまた出会えて良かった…髙羽もいる…朝から泣いたんだぞ!!

  • 81二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 08:09:37

    今世は寂しさで死ななそうでよかった…
    天元は…?

  • 82二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 13:45:22

    髙羽め…JK羂索に目を掛けられるとは妬ましや

  • 83二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 17:50:01

    前世の記憶あるのかな?あったら一人になる事へのトラウマ酷そう…

  • 84124/08/21(水) 19:42:01

    大学生になった少女は、勉学とバイトの合間を縫って、やっぱり劇場通いを続けていた。大抵は精悍な男と一緒だったが、時には涼やかな顔をした性別不詳とであったり、ひとりきりで訪れることもあった。
    こうも通い続けていれば、しかも絶対に面白いと豪語してくれるファンとあれば、認知されるのは当然のこと。自然と私的な交流が生まれ、終了後にお話をする程度だったものが流れで連絡先を交換し、プライベートでも食事に誘ったりする仲になっていた。
    髙羽は暴力肯定派の古いタイプの芸人を自称しているが倫理観はまともであったので、ファン、それも未成年に手を出すとかいうことはなく、清く正しい健全な友人関係を構築していたのであった。あと単純に付き添いでよく来る男が怖い。
    「……あ、髙羽さーん!こっちでーす!」
    手を振る少女の元へ息を切らして駆け寄る。
    「ごめん、羂索ちゃん、遅くなって」
    ゼーハーと肩で息をする髙羽に心配そうな顔をした少女ーー羂索は、ちらと腕時計を確認して、そんなに焦らなくてもいいですよ、と笑う。
    「10分くらいの、遅刻……遅刻……」
    「いやめっちゃ根に持ってるじゃん!ごめん!」
    「じゃあ奢ってくれます?」
    「え!あーいやあ」
    困ったように頭を掻く髙羽へ、羂索は悪戯っ子のように笑ってみせた。
    「冗談ですよ!髙羽さんが万年金欠なのはよぉく知ってますから」
    「うぐ……相変わらずさらっと抉ってくるね羂索ちゃん」
    羂索はずっと髙羽を応援しているが、それはそれ、これはこれとばかりに弄り倒してくるし容赦なく抉ってくる。懐事情も、売れていないことも、その原因も。
    「そんなことより、さ、行きましょー」
    項垂れる髙羽を引っ張って、いざラーメン屋へ。途中白髪頭と黒髪お団子の男子高校生らしき二人組と擦れ違い、不良かな、顔面めちゃくちゃいいな、さすがは東京、とちょっとびっくりしつつ暖簾をくぐる。
    折角東京に来ているのだからと、もっとお洒落なお店じゃなくていいの?と以前聞いたのだが、高いですよ?の一言で撃沈させられた髙羽は、不甲斐ないとは思いつつも、結局今日もいつも通りのラーメンを二人して完食するのだった。

  • 85二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 19:44:53

    急に健全なお付き合い(お付き合いでない)してるJD羂索と売れない芸人髙羽で脳が破壊された
    最強コンビも転生してる…

  • 86二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 20:23:26

    お、流石に大学までは私的な交流は控えたか…偉いぞ髙羽。そして宿儺が保護者枠にいるの心強い

  • 87二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 20:26:55

    最強コンビがまだ高校生なのか…羂索も宿儺もいない世界なら呪術界も大分内情は変わってそうだけど天元は羂索が孤独と絶望の中で死んだのも知らずに今も薨星宮で礎してるんかな…

  • 88二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 20:42:51

    時間軸が2008年前後なら虎杖の怖くない方って仁さんか!!てっきり現代で悠仁の兄貴してると思ってた…これちゃんと悠仁生まれんのかな?お兄ちゃんもこの世界にいなさそう

  • 89二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 21:58:45

    >>85

    これ最強コンビ転生なのか?普通に最強コンビが二人で最強やってる時代に羂索達がいるんじゃなくて?

  • 90二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 22:10:47

    平成が2019年までだから五条の死後どんなに大急ぎで最強コンビが転生したとしても、高校生まで育つ頃にはもう令和だからなぁ…地続きの世界なら>>89が正解っぽいね

    まぁ、パラレルワールドって線もあるけども

  • 91124/08/22(木) 00:04:31

    羂索の両親は放任主義の仮面夫婦だった。
    外面は良いので近所や学校には仲良し家族と思われていたけれど、実際は家庭内での会話はないに等しく、羂索に対しても適当なお小遣いや最低限の必要な物を与えるだけで、話を聞いたり頭を撫でたり、そんなことは、少なくとも物心ついてからはされたことがなかった。
    だから羂索は、常にひとりぼっちでいるような心地だった。しかし暴力を受けているわけでも、ネグレクトされているわけでもないから、誰も現状に気付いてくれない。羂索は賢い子だったので、周りの大人に訴えてもどうにもならないことを理解して諦めていた。
    そんな中で、隣に住む歳上の男の子だけが羂索の寂しさに気が付いてくれた。男の子はぶっきらぼうではあったが羂索に構ってくれたし、彼から事情を聞いた彼の父母と双子の片割れもまた家に招き入れて本当の家族のように優しくしてくれた。
    双子が高校二年生になると、無愛想な方に舎弟のような後輩ができた。まるで彼を仕えるべき運命の主だとでも言うようにーーというか、実際そのようなことを羂索に言っていた。そんな後輩もなんだかんだで構ってくれて、頻繁に手作りスイーツのご相伴に与ったものだ。
    彼らの関係において、ひとつだけ謎だったのが、後輩の呼ぶ「宿儺様」という渾名だった。本名に掠りもしていないし、渾名というには少々奇妙だ。
    「裏梅はどうして悠くんを宿儺様と呼ぶの?」
    不思議そうな顔で由来を訊ねる小学生の羂索に、後輩ーー裏梅は懐かしむように遠くを見て、秘密だ、と唇にそっと人差し指を当てた。
    不思議ではあったがすとんと馴染んで、羂索も彼を宿儺と呼ぶようになった。片割れもまた不思議がることなく受け入れ、四人でいるときには同じように宿儺と呼んだ。本人は好きにしろというスタンスである。
    羂索が大学三年生になる頃、隣家の住人がひとり増えた。

  • 92124/08/22(木) 00:04:51

    「綺麗だったね、香織さん」
    結婚式の帰り、ぽつりと呟く羂索は、何かを思いついたようにあっ!と声を上げた。
    「宿儺も早く万にドレス着せてあげたら?」
    そう言ってにやにやと揶揄う。万は宿儺の二個下の後輩で、公衆の面前で堂々と告白したり宿儺に様々なアプローチをしているが、さらりと躱され未だ成就には至っていない。「あ"?」と常より低い声で羂索を見下ろす宿儺の眉間に寄せられた皺が、その答えを物語っている。
    しかし羂索にはそんなこと関係ないので。
    「照れてる?照れてるでしょ」
    「殺されたいのか貴様」
    「ツンデレってやつだね」
    「戯れ言ばかり言う口はこれか?ん?」
    「わ、わー!ごめん!」
    頭をがしりと鷲掴みにされ慌てて謝る羂索に、ごつりと拳が下ろされる。いったい!と叫んで頭を押さえる羂索は、しかしすぐにけろっとして微笑んだ。
    「仁くんと香織さん、すごく幸せそうだったなあ」
    ーーそれから一年と少しが経った頃、虎杖家に新たな命が芽吹き、羂索の心に空いていた寂しさという名の穴を少しずつ、だが確かに、埋めてくれるのだった。
    その中心にぽっかり空いた、深淵のような部分を除いて。

  • 93二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 00:07:52

    ワ…ワ…宿儺が悠くんだし羂索以外は記憶持ちのやつだ…
    寂しさの中心をさ…埋めてやってくれよ…

  • 94124/08/22(木) 00:12:40

    (一応補足しておくと、どこかのスレで見た「宿儺の本名って悠なんじゃないか説」採用してます)

  • 95二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 07:46:37

    幸せになってくれ…

  • 96二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 18:53:53

    この世界は羂索が暗躍しなかったから本編よりだいぶ平和なんだろうな…

  • 97二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 18:57:20

    呪力ある世界なんだよな…?羂索達転生組は呪力無しで生まれ変わったんだな?

  • 98二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 19:10:09

    >>96

    間違いなく渋谷事変・死滅回遊は無くなるし、羂索が興した疑惑のある盤星教も無い可能性あるから夏油も闇堕ち回避出来そう…って言うか本編の悲劇ははほぼ回避では?

  • 99二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 06:27:00

  • 100二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 08:04:53

    天元…今どうなってるんだろう…

  • 101二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 08:05:54

    原作の時系列あやふやだけど虎杖が4〜5才のころに同化だっけ
    そろそろかな……どうなるんだ……

  • 102二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 19:18:27

    ほしゅ

  • 103二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 19:34:26

    天元と転生羂索はまた再会する事はあるのかな…?でも羂索の記憶が無い内は宿儺や周囲がやんわり阻止しそう

  • 104二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 05:11:06

    どうにか天元と再会してほしいけど記憶が戻ると自刃するほどの寂しさ思い出しちゃうのか…

  • 105二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:40:39

    悠くん宿儺良いな…
    その説が提唱されたスレは見てないけど、羂索が宿儺の本名を知っていた可能性が上がるのかな

  • 106二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 19:00:04

    歳の離れた幼馴染みのお兄ちゃんしてくれる宿儺良いな、羂索が今世で転生者として存在してる事から自分達の死後に独り取り残された羂索が新たな友を作る事もなく、天元が迎えに来るでもなく、最悪のルート辿ったって察したんかな…

  • 107124/08/24(土) 21:51:12

    地元で就職した羂索は、事ある毎に隣家の赤ん坊を構った。はじめて触れた時にはおっかなびっくりといった風だったのに、今ではすっかり慣れっこで、泣き止ませるのもミルクを飲ませるのもオムツ替えもマスターしている。伯父の宿儺はともかく、父の仁より上手とは香織の談だ。
    「悠仁〜」
    「あーう!」
    「いつもありがとうね」
    家事がひと段落ついたらしい香織が、羂索に抱っこされてご機嫌に笑う悠仁の頬をつっついて微笑んだ。
    親戚でもなんでもない、ただ隣家というだけの他人がここまで構いに来たら、普通は迷惑だろう。羂索もわかっている。けれど香織は嫌な顔ひとつせず、「貴女も家族みたいなものだから。そうでしょ仁さん」「もちろんだよ」そう言って受け入れてくれるものだから、ますます羂索は虎杖家が大好きになった。
    「少し、寝てもいいかしら……」
    「うん。ゆっくり休んで」
    あっという間に眠りに就いた香織の背にタオルケットを被せて、羂索は子守りを再開した。
    暫くして悠仁を寝かしつけていた時、玄関が開く音がした。それから二人分の足音。
    「ただいま、っと、香織さん寝てるのか」
    「おかえりなさーい。あ、宿儺も来てたんだ」
    宿儺は数年前に実家を出て裏梅とシェアハウスをしている。口には決して出さないが、いつまでも己がいては弟夫婦に悪いだろうという不器用な配慮、だと羂索は思っている。
    「たまには兄さんのご飯が食べたいって言ったら来てくれたんだ」
    「へえ?」
    「チッ」
    揶揄うようなふたりの眼差しに舌を打って、しかし反論もせずキッチンへと向かっていった。その背を見送り、仁は香織を抱き上げた。よく眠っているからベッドに寝かせてくるよ、と。
    相も変わらず仲睦まじいふたりが部屋を出ていくと、入れ替わりで宿儺が戻ってきた。腕の中の赤ん坊を慈しむ羂索に、ぼそり。
    「……アレもさぞやその様を見たかったろうな」
    自ら手放した愚か者。否、ハリボテでは満足せんか?贅沢者め。
    「え?なにか言った?」
    「いや?」
    すやすや眠る悠仁を覗き込み、宿儺はケヒッと笑った。
    「間抜け面」

  • 108124/08/24(土) 21:52:19

    保守感謝です
    更新できず申し訳ない……

    あと香織さんと仁さんめちゃくちゃ捏造です(今更)

  • 109二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 22:31:51

    更新嬉しい!羂索が幸せを勝ち取るのをゆっくり見守ります!!

  • 110二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 22:35:39

    転生羂索の額には縫い目みたいな痣とかはうっすらでも無い感じかな?傷無しおでこ羂索ちゃんなら業から解き放たれた感じで良いね

  • 111二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 07:50:56

    宿儺お兄ちゃんがいたら悪い虫はつかないから安心やね…お兄ちゃん公認(?)の髙羽凄いよ!

  • 112124/08/25(日) 16:17:59

    羂索は三年で退職した。理由は「面白くない」である。それを知った宿儺の感想は、寧ろよく三年ももったな、であった。
    「私今無職なんだよね」
    「え!?」
    ラーメンを啜りながら呑気に告げる羂索。髙羽は仰け反るほどに驚いて、口をぱくぱくさせている。その反応に笑いながら、守りががら空きとなった器からチャーシューを一枚拝借していく。あと卵。
    「こ、こんなところで食べてていいのか?」
    「んー?」
    「東京来るの高いでしょ」
    確かにこの店は安いけどさあ。と、友人とはいえあくまで他人であるはずの髙羽がわたわたと心配するので、羂索はちょっぴり不思議な心地になりながらスープまでしっかりと飲み干して、食べないなら貰うよ?と揶揄った。その言葉に髙羽は慌てて食事を再開する。
    髙羽が食べ終わるまで羂索は壁に貼られたメニューをぼうっと眺めていた。地元民でもないのにすっかり常連だから、景色に全く代わり映えはないし、チャレンジ精神と好奇心で出来ているような羂索は全てのメニューを挑戦済みだ。次はいろいろな組み合わせを試してみようかと思っていたり。
    漸く髙羽が食べ終える頃には眺めに飽いてしまって、羂索は読書に耽り始めていた。
    「ご馳走様でした!羂索ちゃん、待たせたね」
    「……」
    「あれ、聞こえてない?羂索ちゃーん?」
    「……」
    「え、あれ、無視……?」
    「……あのさあ、なんでそこですぐに無視?とか言っちゃうの?もっと、たとえばこうさあ……」
    「ええ……急にスイッチ入っちゃった……しかも的確……」
    突然ツッコミの仕方について語り始めた羂索に、本職であるはずなのに髙羽はたじたじである。羂索は、私はプロだからね、と胸を張った。なんの?と首を傾げた髙羽だが、押されまくりなので口を噤んだ。口では勝てないことは身に染みて理解している。
    散々に言った羂索は、それから、それまでの酷評が嘘のようにふわりと微笑んだ。
    「ね、私とコンビ組もうよ」
    「へっ?」
    「私なら髙羽の面白さを120パーセント引き出せる。優勝させてみせる。だから、ね、」
    私にもっと面白を見せてよ、私をもっと楽しませてよ。
    何故だかわからないが、この時の羂索は普段よりずっと蠱惑的で、小悪魔的で、喩えるなら面白さを追求するために何人を犠牲にしても構わないと考える物語の黒幕のような、そんな印象を受けたのだーーと、後に髙羽は語り、羂索に頭をはたかれることとなる。

  • 113二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 16:21:58

    祝 ピンチャン結成

  • 114二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 16:22:29

    うおーー!!ピンチャン!ピンチャンだ!!

  • 115124/08/25(日) 16:41:11

    【エピローグ:表】
    月日は流れ、グランプリ当日。
    コンビ結成を決めたその日のうちに、羂索は髙羽の借りているアパートの隣に越してきて、ほぼ髙羽の部屋に入り浸る日々が続いた。行動力の塊過ぎて髙羽は少し引いた。しかしそれもこれも全てはこの日のため。ネタを練り、練習を重ね、あーでもないこーでもないと言い合いながら、カップラーメンを啜って笑い合った。
    羂索が上京することを告げた時、君がお笑い芸人とは、と順当に驚いていた仁の横で、宿儺がどこか納得したような表情をしていたのがやけに印象に残っている。ぽん、と頭に置かれた彼の大きな手の、その指先が、名残惜しむように額に触れたことも。
    順番はすぐそこまで来ている。羂索はそっと自身の額に指を這わせた。傷一つ、肌荒れすらもないつるりとした額へ。
    前の組が終えて拍手が会場を満たす。隣で緊張している髙羽に笑い掛けながら肩を叩いた。
    「行くよ、相方」
    「おう!」
    呼ばれた二人は同時に一歩を踏み出す。
    胸元に白いポピーの花を付けて、羂索は魂の相方と共に夢の舞台へと上がるのだった。

  • 116二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 16:51:18

    うおーーーー!!!……表?

  • 117二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 17:03:09

    髙羽も寂しがりで芸人やってたし、この世界では羂索も寂しがりだからそりゃ芸人やるか……寂しがりピンチャンいいぞ〜

  • 118二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 18:43:14

    やはり羂索に幸せを教えるのは髙羽か…!!いや、宿儺達もめっちゃ良いお兄ちゃんしてくれて羂索の幸せを後押ししてくれてたよ!

  • 119124/08/25(日) 22:07:30

    【エピローグ:裏】
    ーーバタフライエフェクト、という言葉があるらしいね。
    ほんの小さな出来事が、予想だにしない影響を与える、因果を大きく変えていく、だいたいそのような意味だ。日本だと、風が吹けば桶屋が儲かる、という諺がある。
    ふふ、君たちは素直だな。興味ないと顔に書いてある。いやいや、構わないよ。大した話ではないから。
    千も昔のこと、我が子のようにかわいがりながら友として寄り添った子がいてね。宿儺?いや、確かに交流はあったが彼ではないよ。宿儺はあの子の友だった。よく彼の邸で宴を開いたものだ。
    話が逸れたね。あの子は肉体を乗っ取る術式を持っていてね、それで百か二百か、随分と長い時を共に過ごした。……倫理に悖る、か。そうだね、君の言う通りだ。全く、あの頃は倫理などあってないようなものだった。今からは考えられないだろう。
    ……あの子とは、私がこの結界の要になることが決まって、それっきりになってしまったんだ。あの子なら私が居なくとも大丈夫だと、そう思ってね。けれど、それは私の傲慢……独り善がりに過ぎなかった。結果として、人一倍寂しがりなあの子を、ひとりぼっちにしてしまった。
    私は此処にいながらにしてずっとあの子を見守っていた。痛々しい姿を、狂気に憑かれた姿を……自ら命を絶った、姿を。
    後悔はしなかった。薄情だと思うかい。そんな感情を覚えるには、私は長く生きすぎてしまってね。ただ……輪廻転生を果たしたその先に、あの子の幸福を願った。
    それから暫くした頃、私は不思議な夢を見るようになった。あの子が生きている夢だ。共に居た頃ではないよ、既に亡くなっていて、転生を果たしてもいない、そんな時代に、あの子が暗躍している姿を幻視したんだ。
    さて、君たちは並行世界、パラレルワールドというものを知っているかな。ふふ、現代っ子なら馴染みは深いかもしれないな。
    そう、私が視ていたのは並行世界のあの子の姿だったんだ。突拍子のない話だと思うかもしれないが、これは確信だよ。私は人の身でありながら半ば理を超越しているものだから、こういうことも起こり得るんだ。とても信じられない?まあそうだね、実際にこの身になってみなければ分からぬ感覚だろう。
    ともあれ、私は並行世界のあの子を視た。そうして、その先に起こる悲劇までもを視た。この世界とその世界との違いはひとつ、あの子が生きているか否か、だった。

  • 120124/08/25(日) 22:07:45

    あの子は蝶だったんだよ。羽ばたいて、その風で異なる因果を構築させた。大きな差異から、些細な差異まで。凄い子だろう?
    ……この世界でのあの子は、つい最近になって漸く輪廻転生を果たしたんだ。前世のことも、勿論並行世界のことも、なんにも知らない、真っ新な状態でね。私の願いはあの子の幸福、ただそれだけだ。そして今、あの子は幸福を享受している。
    だからね、六眼の子、呪霊操術の子。私に同化をしないという選択肢はもはや存在し得ないんだ。
    「あの子のしあわせを私が壊してしまうかもしれない、そんな可能性は、万が一にも残してはおけないから」
    ーー伏黒甚爾の介入により、星漿体同化"阻止"の阻止が行われて、三日後のことだった。

  • 121二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 22:10:53

    ああ…同化はナシ!の選択肢がない世界なのか…

  • 122124/08/25(日) 22:11:01

    『天元だけがいない世界』
    これにて完結です。
    ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

  • 123二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 22:12:30

    おああああ………………お疲れ様でした!!!
    天元様……この人はもー本当に…

  • 124124/08/25(日) 22:21:18

    登場させた花言葉一覧です
    蒲公英(春)=神託
    蒲公英の綿毛(春)=別離
    赤い彼岸花(秋)=悲しき思い出
    竜胆(秋)=寂しい愛情
    梅(初春)=上品/高潔/忍耐/忠実
    蕗の薹(初春)=私を正しく認めてください/処罰は行わなければならない
    桜(春)=精神の美/優美な女性/私を忘れないで
    紅葉(秋)=調和/大切な思い出/隠栖
    犬鬼灯(夏から秋)=真実/嘘つき
    玉の緒(秋)=大切なあなた
    烏瓜(夏)=良き便り
    松虫草(秋)=私は全てを失った
    桜草(早春)=希望
    勿忘草(春)=私を忘れないで
    一輪草(春)=追憶
    都忘れ(春〜初夏)=別離の悲哀
    紫苑(秋)=あなたを忘れない/遠くにある人を想う
    白いポピー(春)=忘却

    前スレで羂索の利き手が左だという話を書いたんですが、あれにも意味がありまして
    「(夢の中で右手を繋いだ時)右手が利き手ではない場合は、時間が経つにつれ手を繋いでいる相手との関係性が薄くなってしまう」
    上記はあくまで夢の中での話なので少し違うかもですが。

  • 125二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 22:23:20

    本当にいい話だったからこそ言わせて欲しい
    人の心とかないんか…???

  • 126二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 22:38:08

    人の心ぉ……天元だけがいない世界エンド以外のエンドとかないんですか?!

  • 127124/08/25(日) 22:54:32

    嫌だなあ人の心しか持ってないですよ〜
    ほらハッピーエンドでしょう?私ハピエン厨なので!
    構想段階だと「最終的に天元は原作通り引きこもり、宿儺は呪物化を断り寿命で逝き、裏梅は殉死し、万も宿儺がいないならと誘いを断り死に、ひとりぼっちになってしまう寂しんぼ羂索」
    としかなかったので随分幸せになれました!

  • 128二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 22:56:34

    うーん確かに構想段階と比べたら羂索は芸人になって相方を手に入れたし仁さんは呪いなんて知らず嫁さんと子供を手に入れてるし宿儺も裏梅も万も平和に生きてるし天元様の同化も滞りなく行われて平和…羂索がいないから渋谷事変や死滅回游も行われない…
    これ以上ない平和だな!(錯乱)

  • 129124/08/25(日) 22:57:41

    ちなみに余談として、このあと夏油は原作通り離反し百鬼夜行を起こしますが大きな悲劇はそれくらいです
    羂索も宿儺も裏梅も万も悠仁も、みんな呪術界には関わることなくそれぞれの人生を歩みます
    そしてそんな彼らを天元はずっと見守っているんです

  • 130124/08/25(日) 23:22:19

    一応分岐エンドはあります
    スレ立てするほどではないのですが……

  • 131二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 23:23:00

    >>130

    見せてくれ必要だろ

  • 132二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 23:24:22

    >>130

    見せてくださいお願いします…後生ですからぁ!

  • 133124/08/26(月) 00:01:33

    if『行かないでくれと縋れた世界線』

    運命の分岐は天元が帝の召集から帰宅したところまで遡る……

    天元から帝の頼みーーこの国を守る結界の要となることを聞かされた羂索は、齎された情報に頭を混乱させながらも状況を飲み込み、全てを理解した。途端、頭に血が上るーーよりも先に、目からぼたぼたと大粒の涙が零れ落ちた。これには然しもの天元もぎょっと目を見開く。
    「い、やだ……行かないで……」
    「羂索」
    「おいていかないで」
    抱き着いてわんわん泣いた。その姿は親から引き離されようとしている幼子のようであった。生き別れたのか死に別れたのか、かつて親と離れ離れになった時にはこんなものかと諦念さえしていたような羂索が、天元との別れには感情を剥き出しにして縋り付いている。それは、天元の、まだ人としての理の中にいた頃に持っていた感情を揺さぶった。
    天元は眉尻を下げ、心底困った顔で羂索を抱き留めた。いつもの癖で背に回された手は、摩ろうか摩るまいか迷うように、不自然な位置に置かれている。
    「羂索、聞いておくれ」
    「やだ」
    「羂索……」
    何も聞きたくないと言わんばかりに駄々を捏ねる。その様に、天元は小さく息を吐いた。
    「すまない」
    「嫌だってばぁ」
    「君の気持ちはよく分かった」
    漸く天元の手が羂索の背へと置かれ、ゆっくりと摩りはじめる。ぐすぐすと鼻を鳴らす羂索は、離すまいと更に強く強く抱き締めた。
    胸元に抱き込んで、天元は囁く。
    「君も共に来てくれないか」

  • 134124/08/26(月) 00:01:48

    ーーそれから千の年月が経った。天元は膝に頭を預けてすやすやと眠る羂索の髪を指先で弄り、今日は何を食べようか、期間限定のハンバーガーとやらを食べたいと言っていたから取り寄せさせるか、そんなことを考える。
    実に500年ぶりの同化まで、あと一日。この子を認識できなくなるかもしれない、ひとりきりにしてしまうかもしれない、そんな不確定要素が付き纏う中で、同化をしないでおこうという考えが過ぎるわけもなく。
    「ん……ん、てんげん……?」
    「おや、起こしてしまったかな」
    「いや……そろそろおきないとでしょ……せいしょーたいの子、迎えに行かなきゃ……」
    寝起きで舌足らずな羂索に笑みが漏れる。いつまで経っても、私のかわいい子。
    「ずっと一緒だよ、羂索」
    きょとりとして目を瞬かせた羂索は、それから花開くようにふうわりと微笑んだ。千年を生きた者とは思えない、少女のような笑みだった。
    「うん!ずうっといっしょ!」

  • 135124/08/26(月) 00:03:40

    以上ifエンド『ふたりぼっちの世界』です!
    ありがとうございました。

  • 136二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 00:04:15

    ハッピーエンドだなあ!!(遠い目)

  • 137二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 00:05:44

    こっちも好きだ………でもなんだろうねこのメリバ感は…羂索を知ってる身からするとなんかこう…ふ、不健全……いやでも二人が幸せならそれでいっか…

  • 138124/08/26(月) 01:24:43

    どう転んでもハッピーエンドになるんですよこのスレは
    だって『羂索がしあわせ』になるスレですからね

  • 139124/08/26(月) 01:29:23

    立てるかもしれないし立てないかもしれない次回SSスレ

    1天元様と羂ちゃん

    2宿儺様と裏梅

    3平安組中心安価

    dice1d3=1 (1)

  • 140二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 01:30:22

    わーいまた天元様と羂索だ!!
    ハピエンなら安心して見られるなあ

  • 141124/08/26(月) 01:31:52

    また天元様と羂ちゃんのSSスレを立てるかもしれないし立てないかもしれません
    見掛けたらまたやってんなと見守ってくださると嬉しいです
    お付き合いありがとうございました

  • 142二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 05:49:57

    ハッピー………???またお会いできるのを楽しみにしてます!!

  • 143二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 07:51:41

    凄かった…素晴らしいストーリーをありがとう…!

  • 144二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 17:04:40

    この世界でも夏油離反と百鬼夜行は起こるのか…まぁ、確かに盤星教辺りは確実に羂索の仕込みっては明言されてないもんな

  • 145二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 17:12:30

    転生ピンチャンENDもifENDもどっちも素晴らしかったです…!!
    欲を言えば転生後の宿儺が不器用ながらも保護者代わりみたくなってたので、宿儺視点から見た羂索ちゃんも知りたいです…!!(土下座)

  • 146二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 19:47:29

    >>145

    それ凄く見たいな……

  • 147二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 23:00:30

    呪物化を蹴ったのも何か思う所あってなんやろなぁ…って勝手に想像してる

  • 148124/08/26(月) 23:52:02

    夏油の離反について。
    盤星教は噛んでいないのですが、同化を拒否した理子ちゃんを逃がそうとした最強コンビを、念の為にと(本当に保険として)天元様が秘密裏に雇っていた伏黒甚爾が強襲し、だいたい原作のようにふたりは敗れ、理子ちゃんは同化させられます。かわいそうだとは思うけれど、羂索の死に対してでさえ後悔を覚えなかったくらいには人外思考になっている天元様なので、すまないね、と言いながら同化するのです。
    原作よろしく死の淵に立たされた五条は覚醒し最強になり、理子ちゃんを無理やり同化させたのは伏黒甚爾という猿で、九十九との問答も灰原の死もミミナナの村のこともなにひとつ変わっていないため、結果猿皆殺し路線に進むわけです。彼が呪詛師落ちしたのはなにもひとつのことだけが原因ではないので。

    関連して伏黒甚爾ですが、彼は生きています。理子ちゃんとの同化の後、天元様が安全に外へ送り届けてくれています。その際、羂索に強いてしまった状況と彼の息子が置かれている今の状況とを重ねてしまった天元様に「自分のようになってはいけない」などなどいろいろと諭され、ちゃんと向き合うことを約束、というか縛りを結ばされて、幼い恵くんと津美紀ちゃんを連れて田舎に引っ越しました。禪院家やら呪術師やらの影がチラつく度に引っ越しするので大変だけど、原作とどっちが幸せかな。
    もしかしたら、そのうち虎杖家のご近所さんになってるかも。

  • 149二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 23:54:20

    裏設定助かる…
    解像度が高いし辻褄合わせるのが上手いな…
    甚爾くん雇っといて良かったな…同化が滞りなく行われた上ちゃんと家族できてる…

  • 150124/08/27(火) 00:09:05

    宿儺視点は少し待っていただければ……

    ついでにこの世界線の呪術界での宿儺のこと。
    指がないので当然原作ほど恐れられてはいません。もちろん"呪いの王"という異名は伝わっているし、絵巻物(原作に出てきたような感じの)だとかも御三家や総監部にはあります。けれどあくまで歴史上の人物、といった感じです。藤原道長だったり源義経やら織田信長といった、どれほど名を馳せた人物であっても、現代に至ればあくまで歴史上の偉人に過ぎない。他の偉人と同じく高専でも習うから、一般家庭出身であろうと呪術師なら誰でも知っているけれど、今なお脅威を振るうわけでもないので、そんなものです。

  • 151124/08/27(火) 01:04:55

    >>148

    ひとつ抜けてました。

    同化から三日後、【エピローグ:裏】にあたる天元様と最強コンビとの対談が行われたのですが、天元様としてはふたりを窘めようという魂胆だったんですけど、まあこんなの逆効果にしかならないですよね。どこまでいっても人外思考でしか語れない天元様ですから、人間臭さどころか青臭さからも脱却できていない少年ふたりの心に響くわけがない。原作での「殺すか?」「意味がない」この遣り取りは実は此処で行われます。天元様の目の前で。もちろん天元様は死なないのでそんなふたりを若いなと見ているだけ。

    だから五条は原作以上に上への反発が酷いし、庇護対象である伏黒姉弟もいないのでちょっと荒んでます。それでも夏油は離反するのだから、自分に並ぶくらい強い後進を育てるために教師の道を進むのでしょうね。

    夏油の離反と五条の教師は対になっていると思うので。


    死に際、夏油は「高専の連中まで憎いわけじゃなかった」とは言いません。だって高専には天元様がいるから。

  • 152二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 01:06:14

    なんで最強コンビ原作よりも荒んじゃったんですか?
    天元様と羂索のせいだよ

  • 153二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 07:55:45

    天元様はさぁ……!!

  • 154二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 18:54:12

    ここの夏油からしたら、術師はマラソンゲームで死んでくのに守るべき非術師は呪霊を生む猿だし、本来自分達術師の上に立つ天元様は大昔見殺しにしたらしい友が生まれ変わって今は楽しく非術師してるからその猿を最優先で日本守護るわ宣言されたようなもんなんだよな…う~ん離反も致し方無し

  • 155二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 00:34:22

    >>154

    おああ…

  • 156124/08/28(水) 01:15:20

    最強コンビが揃って幸せになれるのはifエンドです。
    こっちはそもそも羂ちゃんが直前に直接理子ちゃんを迎えに行っているので護衛任務は入りません。故に夏油が猿を憎む最初のキッカケはなくなります。翌年の九十九との会話や灰原の死は変わりありませんが、ここの五条は死の淵を経験せず覚醒を果たしていないので「君にならできるだろ」に至らない、だから離反前の最後の砦になれるんじゃないでしょうか。末永く負け知らず最強コンビをしていることでしょう。夏油は教師の道へ進み、五条は気ままな当主様といったところ。
    まあ伏黒甚爾が息子と向き合うことなく忘れ去ったままなので恵くんは禪院家に買われていくし津美紀ちゃんは十中八九幸せにはなれないんですけど。あと真希さんが東京校に来れるかも怪しいところ。
    ……覚醒できていない五条悟と夏油傑は果たして呪霊組を相手に勝てるでしょうか。彼らさえ倒して(あるいは取り込んで)しまえば、この世界線ではもう敵なしですね。頑張れ。

  • 157二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 01:31:19

    このレスは削除されています

  • 158124/08/28(水) 01:32:24

    イメソン置いときます

    その壱

    パメラ/flower


  • 159124/08/28(水) 01:33:04
  • 160二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 08:09:20

    ifエンド後の最強コンビが対自然呪霊中に2人揃って覚醒するかもだしハッピーエンドだな!!よし!

  • 161二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 19:39:08

    >>158

    >>159

    お、おああ…

  • 162二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 19:39:48

    羂索一人の為の平和な世界を護る天元様、人外傲慢感があって良い…それでめちゃくちゃ曇る最強コンビも芸術点上げてるの鬱くしいまである

  • 163二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 20:32:27

    転生後に無知ロリ羂索に群がる不審者共を影ながら千切っては投げ千切っては投げするお兄ちゃんすっくんか…格好良いな

  • 164124/08/29(木) 00:34:53

    【視点:宿儺】
    呪物化の誘いを断ったのは、興が乗らなかった、ただそれだけのこと。
    だが、そこに僅かばかりの情けもなかったというのは嘘になる。奴を友と思う心も確かにあった。あのまま受けていれば、奴には只管に奈落の闇へ身を踊らせるだけの未来しかないであろうと、命運を案じなかったわけでもない。ーーそれもこれも、今にして思えば、であるが。
    何の因果か、というのはあまりに白々しいほど絡み合ってしまっていた片割れと共に、今度はどちらも五体満足で生を受け、かつてとは比べ物にならぬほど平穏で、平凡で、けれども充実した日々を過ごしていた。裏梅の飯がないのは不服だったが、今世の母の作る飯もまあ、悪くない。
    つまりは、すっかり毒気を抜かれて腑抜けていたのだ。だから、つい、そう、つい魔が差して、明らかな作り笑いの奥で諦念を湛える奴の手を引いてやってしまった。見るからに寂しいと訴えているというに、欠片も気付かぬ周りの大人共の節穴具合に腹が立ったというのもある。
    そうして構ってやると、記憶のない奴は俺に随分と懐いた。悠くん、悠くん、と呼んでは何処へ行くにも着いて回って、まるでカルガモ親子みたいだね、とは片割れの言葉。かつて天元のいない場では年長者ぶっていた奴が、今ではすっかり末っ子属性を獲得している。いや……それは元からか。
    幾ら年上ぶってみせようと、持って生まれた性質は隠しようがなく。本人は指摘されれば否定していたが、誰よりも寂しがりなのは周知の事実であったし、天元が過保護になるのもまあ頷けるというもの。そのくせぽいと置き去りにするのだから、全く理解に苦しむ。
    かつてと違ったのは、その寂しさを埋めてやったのが、天元ではなく俺だった、ということだけだ。
    片割れや父母にも懐いてはいるが、矢張り一等好かれていると自負できる程度にはべったりである。今も何処ぞから見ているであろう天元に見せつけてやろうかという考えが過ぎらんでもなかったが、意味のないことだと即刻脳内から捨て去った。
    そも、俺に奴を押し付けたのはあの女だ。俺が奴に構ってやって、その寂しさを埋めてやっているところを見れば、あの女は満足気に笑うだけだろう。実に癪である。

  • 165124/08/29(木) 00:35:30

    無邪気に手を伸ばされたので仕方なく抱き上げた体の、なんと幼く柔いこと。俺に群がる女が纏う甘ったるさとは違う、仄かに鼻腔を擽る甘い匂い。かつてでは絶対的に経験し得なかったもの。
    今の奴は幼女である。そう痛感し、それから、なんとなく、周囲に意識を遣るようになった。成長し少女と呼ばれるくらいになっても、定期的に害虫駆除は行った。片割れに過保護と揶揄われたが知らん、ただの気紛れだ。
    裏梅と再会し、記憶があるのなら折角だからと引き会わせてやれば、かつてでも落差に強い衝撃を受けていたこともあってかはじめこそ酷く困惑していたものの、次第に妹として接するようになったようだ。曰く「前世では地続きでしたから衝撃も一入でしたが、記憶がないとあれば今世は別です」と。俺に弁当を作ってくるが、そこには必ず奴用のおやつが含まれていた。
    そうは言っても俺のことは変わらず宿儺と呼ぶし、知らぬ筈の片割れまで何食わぬ顔で呼びだして、結局奴も真似して呼び始めた。呼び名などどうでもいいので好きにしろと言ったら完全に定着した。
    記憶はなくともすとんと馴染むものがあったのだろう。それが記憶の呼び水になるのではないかと危惧しないでもなかったが、裏梅や(不本意ながら)万といった面々と再会しても思い出す気配は微塵もなく、次第に思い出してしまったらその時はその時だという結論に至った。かつてよりずっと深く、それも庇護対象として関わったせいか、奴が望むならあの女の結界に殴り込んでやらんでもない、とさえ考える己がいて、前世の俺と今世の俺もまた別物なのだ、と不意に区切りがついたような気もする。
    「私ね、上京するんだ」
    髙羽と優勝狙うの!と意気込む奴に、天元の影を追うかつての姿は、もはや一切の重なりを見せない。
    「君がお笑い芸人かあ」
    「驚いた?」
    「そりゃあもう。見るのが好きなのは知っていたけどね」
    純粋に驚いているらしい片割れに、矢張りかつてのことを知っているわけではないのだと改めて悟る。当たり前だが、あまりにもすんなりと宿儺という呼称を受け入れていたものだから、実は全て知っているのではなどという疑惑が生まれていたのだ。
    閑話休題。
    俺は奴の小さな頭に手を置いて、それっきり、たださらりと、指先で額をーー残滓さえない綺麗な額を撫でてやった。
    「勝ってこい、羂索」
    「もちろん!」
    俺たちは今を謳歌している。

  • 166124/08/29(木) 00:46:05

    お待たせしました。

  • 167二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 07:55:28

    あ…あ…好き…
    宿儺様ぁぁ…

  • 168二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 07:58:46

    悠くん悠くん言って付いて回る幼女羂索ちゃん可愛い、可愛い…!!

  • 169二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 18:47:21

    ⭐️

  • 170二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 20:08:31

    宿儺おにいたまと幼女羂索すきすぐる

  • 171二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 21:25:07

    「成長し少女と呼ばれるくらいになっても、定期的に害虫駆除は行った」…つまり幼女の頃から害虫が周囲にわいてたって…事!?魔性だな羂ちゃん、ありがとう悠くん

  • 172二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 07:48:20

    宿儺視点良………

  • 173二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 18:42:21

    愛されてるねぇ

  • 174二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 03:21:53

    ほし

  • 175二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 08:12:36

    上京してからは髙羽が守ってやってくれよ
    定期的にすっくんが来てくれるのでもいいけど

  • 176二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 18:28:32

    保守

  • 177124/08/31(土) 19:10:31

    こちらのスレは質問等なければ落としていただいて構いません
    改めまして、長らくお付き合いありがとうございました

  • 178二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 20:43:46

    >>177

    素晴らしい世界をありがとうございました!!

  • 179二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 23:41:01

    >>177

    エピローグだけでなく裏設定やIFや別視点までたくさん見せてくれて、最後まで凄かったです…本当にありがとう…!!

  • 180二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 09:28:58

    >>177

    救われなくて救われている美しい世界観でした…ありがとうございました!!次回作もお待ちしております!

  • 181二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 18:49:35

    素敵な世界をありがとうございました!
    質問ですが、転生宿儺達と羂索は年齢どれくらい離れてますか?宿儺高2で羂索小学生なら5~10歳くらい?JKの頃から舞台に通いつめてた羂索と髙羽の歳の差も良かったら教えてください!!

  • 182二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 23:25:58

    ⭐︎

  • 183124/09/02(月) 02:43:16

    >>181

    宿儺(あと仁も)とは6歳差、髙羽とは9歳差です

    裏梅に何故宿儺様と呼ぶのか問いを投げた時が

    髙羽20、宿儺17(高二)、裏梅16(高一)、万15(中三)、羂索11(小五)

    最初の羂索が宿儺を引き連れて舞台に行った時は

    髙羽25、宿儺22、裏梅21、万20、羂索16(高一)

    こんな感じです


    羂索たちは死んだのが早い順に転生してます

    宿儺と裏梅と万は誤差の範囲程度、羂索はだいぶ遅れてなので歳が離れました


    正直原作軸での懐玉編時点の悠仁の年齢とか計算してないので、ズレがあると思います

    が、そこは「バタフライエフェクト」、平安組が原作と違う動きをしたことで起こった変化ということで

  • 184二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 08:06:05

    おお…めちゃくちゃ想像しやすい…!

  • 185二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 12:24:33

    >>183

    ありがとうございます!!

    宿儺より髙羽の方が年上だったのか…良いね年下義兄(仮)

オススメ

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