- 1124/09/01(日) 18:52:01
- 2124/09/01(日) 18:52:50
ここだけ天元様が羂索に対して独占(束縛)型ヤンデレなスレ
- 3124/09/01(日) 19:09:19
「羂索、何処に行っていたんだ」
帰宅すると、天元が仁王立ちして待っていた。決して豊かではない表情筋が、今は不機嫌を全面に押し出している。他の者が相手では現れないものだ。それは羂索に優越感を与えたが、同時にうんざりとしてしまう。
腕時計に目を遣って溜め息を吐く。まだ17時、なんて健全だろう。
「何処だっていいでしょ」
「良くない」
「子どもじゃないんだから」
「ああ、そうだな。私は君を子ども扱いなんてしていないよ」
羂索はむすりとしながら靴を脱いで、それから、天元を押し退けてリビングへと足を向けた。天元はピタリとすぐ背後を着いてくる。
「子ども扱いじゃないならなんなのさ」
呆れたように言う羂索の腕を引いて。
「恋人扱い、だな」
ちょっぴり驚いた顔の羂索に唇を重ね、その背に手を回す。差し込まれた舌に翻弄されて力の抜ける羂索を、強く、強く、抱き締めた。誰にも渡すまいとするかのように。 - 4二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 19:25:44
ヤンデレ天元様?
……良い - 5124/09/01(日) 19:47:09
すっかりその身を預けてしまった羂索を、天元は微笑みながらソファに座らせた。勿論体を隙間なくくっ付けて。
赤く染まった頬の柔らかさを楽しみながら、そっぽを向く羂索に問う。
「それで?何処に行っていたのかな」
「……別に」
「別に?」
答えるまで解放しないとばかりに顔を覗き込んでくる天元。こうなったら何時間だろうと言うまでこのまま、ご飯もお風呂も取り上げになることは目に見えている。観念した羂索は白状した。
「図書館に行ってただけ」
「図書館か。君は読書も好きだったな、今ハマっているシリーズはあるか?」
「今日は勉強だよ。宿題してたの」
「そうか。それで?」
一旦は引き下がるかと思われたが、しかし追及をやめる気のない天元に、羂索は思わず眉を顰めた。
「は?なに?答えたじゃん」
自然声は低くなる。猫の威嚇のように。
「いいや、まだ不充分だ。肝心なところが抜けているよ」
「肝心?」
「そう。誰と、行ったのかな」
傾げられた羂索の首につつ、と指先を這わし、耳許で囁く。ぞわりと総毛立った腕を擦った羂索は、心の内で心配性め、と吐き捨てつつも仕方なく正直に告げた。
「宿儺と裏梅だよ。いつものメンバー」
ほら、答えたでしょ!そう言って腕を振り解き、漸く力が入るようになった体を起き上がらせた。ご飯を求めてキッチンへ向かう羂索の背に、ぽつりと。
「……だからって、絶対的に浮気しないとは言い切れないだろう」 - 6二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 19:56:11
一人への執着とかまったくしなさそうな天元様がなってるのがいいよね……凄く良い
でも羂索は囲おうとすればするほど逃げそうだから心配 - 7二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 19:57:19
独占型か、良いの引いたね
個人的には孤立誘導型も見てみたかったけど… - 8二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 19:59:46
前世で千年超えの自己犠牲を経て、転生後にそれまで抑えてた色々が全て羂索個人に向かっちゃった世界?
- 9二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 20:04:03
流れるように深い方のキスする天元様アダルティで好き
- 10二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 20:06:53
図書館に勉強…ここの羂索はまだ学生か?天元は年上かな、同い年かな?
- 11二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 20:07:34
前世では日本人全体のために身を捧げた人だからな、次の人生で自分にとっての愛しい子に好きなだけ情を注いでも文句なんて言われませんよ。羂索の気持ち?んー…天元様と一緒にいれるのは嬉しいだろうし監禁もされてないしせーふせーふ
- 12124/09/01(日) 20:59:06
夜ご飯を食べ終えた頃、羂索のスマホが着信を知らせた。当然羂索は出ようとするが、待ったを掛けられ指が止まる。
「誰から?」
「万だよ」
「私といるのに?」
「いいでしょ電話くらい」
恐らく今日の勉強会に呼ばなかったことについてだろうなと見当をつけながら、天元の方も見ないで答え、今度こそ通話ボタンを押そうとした。けれどその手からするりと抜き取られ、あっと振り向いた時には拒否ボタンが押されてしまっていた。
「ちょっと!」
羂索の抗議など何処吹く風で、スマホはぽいとソファへ放られてしまった。画面に万からの通知がぽんぽん表示されている。
「ただの友だちじゃん」
「友、か……しかし今は私といるんだ。どうして他の者と話す必要が?」
悪びれもせず言う天元に、深い、それはもう深い溜め息を吐き出した。恋人だからって友だちとの電話まで制限するか?出かかった言葉は喉奥で堰き止めて、代わりにつんとそっぽを向いた。
「お風呂入ってくる!」
「今日は一緒に入らないのか?」
すかさず返された言葉に、入る前から茹で蛸にされた羂索は叫んだ。
「明日学校だから!!ナシ!!」 - 13二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 22:11:57
羂索と天元一緒にお風呂入ってるんですか??
一緒にお風呂入ると翌日の学校に支障が出るような展開になるんですか??? - 14二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 07:34:49
ここの天元の性別はどっちだ…?転生ものなら男の可能性もあるぞ、女学生羂索を囲う成人男性天元とか良いね…
- 15二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 08:03:48
あーーーたまらんたまらん
本当に最高ですありがとうございます - 16124/09/02(月) 12:52:05
目覚ましのアラームが鳴るより先に、羂索は天元の声で夢から引き上げられる。と、いうより、天元が明らかに羂索より遅く寝ているのにも関わらず絶対に早く起きているものだから、アラームのセットは万が一のために一応しているだけで、本命は天元の声掛けなのである。
何時に寝て何時に起きているのか気になって、遅くまで起きていようとしたり、逆に早く起きようとしたこともあったが、如何せん天元に"寝かしつけ"られて天元より先に眠ってしまい朝まで熟睡。結局わからないまま。そんなに早寝早起きじゃおばあちゃんだよ、と揶揄った羂索に、天元は笑うだけだった。
「羂索、朝だ。起きなさい」
優しい声とともにゆさゆさ体を揺さぶられ、羂索はゆっくりと瞼を開けた。カーテンの開け放たれた窓から日射しが降り注いでいて、眩しさに目をきゅっと瞑る。それを眠いという意思表示だと勘違いしたのか、仕方のない子だ、という呟きが降ってきた。
そのうち体を揺さぶっていた手は輪郭をなぞりはじめ、左の耳朶を摘んだ。何をしているのだろうかと、寝起きのぽやぽやした頭で考えようとした羂索の、右の耳朶をかぷり。
「このままだと食べてしまうよ」
「っ!?!?」
がばり、と勢いよく飛び起きた羂索は、信じらんないという顔で天元を見た。が、天元はあっけらかんと言う。
「おはよう、羂索。寝癖が付いているな。顔を洗ってきなさい。朝ご飯できているよ」
「て、てて、てんげ、」
「それとも……」
食べられる方が良かったかな。羂索はぴゃっと跳ねて転げ落ちるようにベッドから降り立つと、顔洗ってくる!と大慌てで出て行ったのだった。 - 17二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 12:53:27
ドスケベが隠れてないの正直助かるな…
- 18二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 21:44:02
天元は女性だったか…羂索の性別がどっちにせよ女性攻めは良いね、おねロリかな?おねショタかな??
- 19124/09/03(火) 06:39:34
絶対に早起きだから朝食は天元だし、在宅ワークで一日のほとんどを家で過ごしているらしく、その他の家事もだいたいが天元だ。少しは手伝うと申し出ても、君はまだ学生だからな、と断られるので諦めた。せめてもと皿洗いや洗濯なんかはするようにしているが、なんだか日に日に駄目人間へと向かっているような気がする羂索である。
今日も今日とて天元お手製の朝食を平らげ、制服に身を包む。ふわ、と零れた欠伸を笑われてむすっとしてしまう。
「忘れ物はないか?」
「うん。大丈夫」
「気を付けて行くんだよ。知らない人には着いて行かないこと、危ない所には近付かないこと」
「ハイハイ、わかってるってば」
「羂索」
いつもの過保護に母親かよと思いながら適当な返事をすれば、やけに真面目な声音で呼ばれて顔を向ける。目の前に立っていた天元が、頬を包み込んで顔を近付けた。
「本当は君を外に出したくはないんだよ。君はすぐ自分の好奇心に任せた行動をするし、面白いことのためなら誰にでも声を掛けるから」
じっと目を見詰めながら言うが、しかし羂索には心当たりがなかった。確かに好奇心が人一倍強いのは自覚しているが、それで今まで天元に迷惑をかけたことはなかったはずだし、知らない人に声を掛けるなんてこともない。あくまで仲間内ーー宿儺や裏梅を巻き込んでのこと。
困惑を前面に出す羂索に気が付いたのか、天元はふっと笑って唇を奪った。そしてそのまま、吐息が触れ合う距離で囁く。
「宿儺たちと言えど、あまり話してくれるな。約束、できるね」
「てん、」
「あまり私を妬かせないでくれ」
結局指切りげんまんさせられて、羂索はよく分からないまま家を出たのだった。 - 20二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 07:08:54
天元様だけ記憶あるやつだぁ!!
- 21二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 15:14:21
これ宿儺たちは記憶あるんだろうか
- 22二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 18:10:10
これ宿儺達も記憶あったら現状の天羂(主に天元)見て「マジか…前世の反動か?いやでも、元からその気配も無くはなかった…か?う~ん、マジかぁ…」みたいな、うわぁ…感出しててほしい
- 23二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 23:06:11
これ今のところ羂索も困惑はするけどお互いギリ合意くらいなのか?
独占型ヤンデレの天元様には是非裏でシャレにならない監視しててほしい
表では何処行ってたんだ?とか聞くけど羂索にはGPSも盗聴器も付けてるから誰とどこ行ったかはわかってる的な
もしかしたら今後そういう事になるのかもしれないけど - 24二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 01:45:16
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- 25124/09/04(水) 01:52:47
「ーーってことがあってさ」
どう思う?と、お昼を囲むいつものメンバーに問えば、皆一様になんとも言えない顔をするので、羂索は藪蛇とわかっていながら突っついた。すると宿儺が稀に見る大きな溜め息を吐いて、
「貴様の自業自得だろう」
「はあ???私が何したって言うの」
全くもって心当たりのない、完全潔白を自負する羂索はすかさず反発した。しかし裏梅も、何かと裏梅に突っかかりがちな万も、うんうんと頷くばかり。終いには身から出た錆、とまで言われてしまって、羂索は膨れっ面のまま天元の作った甘い卵焼きを頬張るのだった。
ーー羂索と万が連れ立って花摘みへ向かった時。どうしてこうも女は共に行きたがるのか、否、女に限ったことではないか、そんなことを思いながら宿儺は羂索のスマホへと手を伸ばした。
慣れた手付きでロックを解除し、なんら変哲のないアプリが並ぶ中から、ひとつを選び出す。不思議そうな顔をする裏梅を後目に皮肉な笑みと共に呼び掛ける。
「全く……随分な過保護だな?天元」
返答はない。当然だ、これは一方的にスマホの所持者の声を聴くためのもの。漸く事の意味に気が付いた裏梅が眉を顰めた。
「しかし貴様も分かっているだろう。あれは囲えば囲うほどに外へと興味を惹かれる。宛ら気紛れな猫のようにな」
かつてほど自由気ままに生きているわけではない。秩序も揃わぬ遠い昔に生まれた記憶を持たず、呪力の存在しないこの世界で、健全な現代っ子としての感性を培ってきた。しかしそれでも、時折その片鱗は垣間見える。魂が同じである以上、根っこが変わるわけではないのだから。
「程々にしておけよ。あれの幸福を想うなら」
それは羂索の友として紡ぐ宿儺最大の優しさであった。
『……』
沈黙。 - 26二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 05:08:42
天羂百合確定!!!
- 27二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 07:49:56
優しい宿儺様…!!
- 28二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 18:44:24
羂索甘い卵焼き派なの可愛いね……
天元様は在宅ワークだから家でパソコンだったりをいじってても違和感ないのか……羂索の動向調べ放題だね
当たり前のように羂索のSNSアカウント鍵垢まで全て知ってそう - 29二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 18:49:42
水泳の授業の前の夜はそりゃあもう激しそう
痕もガッツリ残すし足腰使い物にならないしで、毎回見学になる羂索
文句を言っても、天元は天元で「私以外に無闇矢鱈と肌を見せないでくれ」とか言っちゃうんだ - 30二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 23:06:00
天羂の出会い知りたすぎる……
- 31124/09/05(木) 02:10:08
おじいちゃん先生の子守唄のような歴史の授業に船を漕ぐ者が多発する午後。教科書に隠してスマホを弄っていた羂索は、ぽんぽんぽんと立て続けに届いたメッセージに苦笑いした。「君が好きそうだと思って新作のゲームを買ってきた」「週末にふたりでやろう」「授業はちゃんと受けなさい」……まるで見ていたかのような言葉である。
羂索は「新作のってもしかしてあれ?」「いいね、やろうやろう」「ちゃんと受けてるもーん」と丁寧に返し、「スマホ弄ってるじゃないか」の言葉と共に送られてきた「こら」のスタンプに小さく笑った。
さて、新作のゲームである。お昼ご飯を食べ終えた頃、そういえばと、買ったらプレイしようと宿儺たちを誘っていたのだ。週末にでも買おうと思っていたので、全くグッドタイミングが過ぎる。
天元が常に羂索の思うことを察して動くので、欲しいなと思ったものは大抵が近いうちに家に存在している。ーー万ときゃっきゃしながら美味しそうと呟いた高級プリンも、裏梅と真剣な眼差しを注ぎながら欲しいなとボヤいた便利家電も、宿儺と遊びたくて誘ったゲームも。
羂索としては、家電はともかく、プリンなんかは皆で味わいたいものだが、天元が買ってくるのは二人分だけであり、羂索のお小遣いで買えるものでもないので、結果家でまったりふたりきりで楽しむに留まっている。
バイトができたらもう少し皆と共有できるかな。そう考えるが、過保護天元は全面禁止にしているので卒業するまでは難しそうだ。……というかそもそも校則からして禁止だった。
なんにせよゲームなら皆を誘える。週末にふたりでやってみて、来週末とか、来月にはテスト期間だから最終日の午後にでも皆でやろう。
羂索は、わざわざ「ふたりで」と告げた天元の心を知らぬまま。眠気漂う教室でひとり、わくわくと心躍らせるのだった。 - 32二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 08:00:33
うーん好き
- 33二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 13:17:58
お仕置きが待ってるのかな…?宿儺さん巻き込まれそうなの面白い
- 34二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:07:26
苦笑いで流してますけど天元様盗撮もしてません……?
ナチュラルに天元様が「悪いなこのゲーム2人用なんだ」してて草 牽制がわかりやすすぎる - 35二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:14:52
- 36二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 07:17:59
ほ
- 37=3524/09/06(金) 07:54:03
あ、ごめん盗撮か
盗聴と見間違えた
盗撮は明言されてないね
でもしてそうだよなあ - 38二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 19:47:13
天元の執着具合を分かってる宿儺は逆に誘われてくれるだろうか…?
- 39二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 20:18:16
「面倒クセェ、関わりたくねぇ」と言う本音と「でも放って置いたら絶対アレだよな…まぁ、知らんけど後味悪いから適度に見とくか…」みたいなツンデレも同時に発揮してくれる可能性はあるよね
- 40二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 21:56:11
ド攻め様天元様良すぎる
命助かってますありがとうございます - 41124/09/06(金) 22:46:13
筆遅くてすみません……
- 42124/09/06(金) 22:49:26
迎えた週末。羂索は早速新作ゲームのパッケージに指を掛けた。が、
「宿題はやったのか?」
無慈悲な天元の問いかけに、しおしおと自身の机へ戻っていく。少しくらい良いじゃないか、天元のケチ。ぶつくさ呟いていると、宿題のお供にカルピスを持ってきた天元が揶揄うように言った。
「明日は宿題を片付ける体力なんてないだろう」
「なっ……!!そそそそんなこと!!」
明らかに動揺を隠せない羂索に更なる追い討ち。
「いつも用事のない日曜日は私に介抱されているからな」
「それは君がっ!!」
「私が?」
「〜〜〜〜っ!!」
顔を真っ赤に染め上げてとうとう声も出せない有り様となり、机に突っ伏した羂索。天元はカルピスを置くと、その頭を優しく撫でた。さらさらの髪は天元が拘り抜いたケア用品のおかげで枝毛ひとつなく、更には天使の輪さえも冠している。
「すまないな。少し、意地悪をしてしまった」
ふふふと笑うその声は全く悪いとは思っていなさげである。むくりと顔を上げた羂索は、顔をさくらんぼのように赤くしたままその可憐な唇を尖らせた。
「天元のいじわる」
「うん」
「全然少しじゃないし!」
「そうかな」
「そうだよ」
「夜の方が意地悪だと思うが」
「そんっ……!!もう!!全然反省してないでしょ!!」
ポカポカ叩いてくる羂索に、珍しく口を開けてはははと笑う天元。よっぽど反応をお気に召したらしい。気が済むまでポカポカした後、漸く宿題へと手を伸ばした羂索は、今日はしないからね!と宣言してから取り掛かったのだった。
……結果がどうであったのかは、天元のみぞ知るところである。 - 43二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 22:57:10
大丈夫ですよ!!!!
更新のたびに楽しませていただいてます - 44124/09/06(金) 23:13:18
ありがとうございます!
- 45二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 06:38:25
日曜一日動けなくなる程…そこまで羂索を外に出したくないのか、天元…いいぞもっとやれ
- 46二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 12:58:53
こんなにがっつり羂索に手を出してる天元様珍しいからめっちゃ嬉しい
口角が上がりっぱなし - 47124/09/07(土) 13:49:52
あっという間にテスト期間。宿題は手を付けたり付けなかったりで天元にせっつかれる事も儘ある羂索だが、テストとなると話は別である。なんせ地頭は良いし回転も早く、記憶力も申し分ないので。これで生活態度が良ければ絵に描いたような優等生だったのだが。
宿儺たちーー彼らの学力が下位であるわけではなく寧ろ上位連中であるーーとつるんでいる時点で教師陣は諦めの境地である。然もありなん。
テスト期間にも関わらず休み時間に教科書やらノートやらを開くでもなく、羂索は気怠そうにしながら宿儺に絡んでいた。宿儺は宿儺で小説を読んでいる。見たところ折り返しを超えた辺りだろうか。
「ね、最終日の午後空いてる?」
机上で伸ばした腕の上に顎を置いて、羂索は真顔で読む宿儺を見上げた。表情からはその本がおもしろいのか分かりかねるが、おもしろくないと思ったら即刻捨てるような男であるので、半ばまで読み進めている時点でその小説のおもしろさは証明されたようなものである。
閑話休題。
羂索の言葉にちらと視線を遣った宿儺だったが、それは一瞬のことですぐに文字列へ戻されてしまった。
「ほら、買ったら一緒にやろって言ってたゲームあるでしょ。あの日の午後に天元から買ってきたって連絡があってさ。ほんと天元って私のこと大好きだよね、私のことなんでも知ってる感じ。っと、それはさておき、天元と遊んだら思ってた以上に楽しくって。宿儺たちも絶対楽しめると思うよ」
わくわく、うきうき、という擬音が聞こえてきそうな様子で捲し立てる羂索。大好き、大好き、な……まあ間違ってはおらんが。なんでも知ってはいるだろうな。そんなことを思う宿儺である。
さて、宿儺としては誘いに乗ろうと乗るまいと支障はない。確かに例のゲームは楽しめそうだという印象だし、羂索や裏梅と過ごす時間は悪くはない。しかし自ら買おうとするまで食指が動かされたわけではないし、羂索のことだから十中八九あの女も誘うだろうと思うと面倒なことこの上ない。結果プラマイゼロなのである。
宿儺は寸の間目を閉じ、それから、すっかり見慣れてしまった少女を見下ろした。
「天元の許可は取ったのか」
翌日、膨れ面のまま登校した羂索に、宿儺は矢張りかと全てを察しーー少し、ほんの少しだけ、同情するのであった。 - 48二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 23:13:15
- 49二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 07:17:27
宿儺達は天元と羂索の住む家に遊びに行った事は過去にあるんかな?皆顔見知りっぽいけど、転生後はいつ合ったんだろ?
- 50二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 12:50:29
顔合わせた事くらいはありそうだけど家はどうかな……
独占型のヤンデレ天元様は2人の家に他人を入れたがらなそう - 51124/09/08(日) 18:30:18
寄り道せず帰ってくるように。まるで子どもを相手しているような言い付けで、羂索はちょっと嫌だった。確かに成人女性にとって高校生は子どもかもしれないが、恋人として対等でありたいと思うのは我儘だろうか?そんな思考こそ天元に言わせれば子どもっぽいのかもしれない。そんな風に考えながら、結局真っ直ぐ家路に就くのである。
寄り道したり休日に遊びに行くのは宿儺たちとつるんでのことで、最近はその誘いもめっきりだった。誘ってもなんのかんのと断られ、誘われることはもっとない。皆高校に上がって忙しいのかな、と楽観的に見ている羂索であった。
帰宅したとて、テスト期間中は宿題がないため軽く復習するくらいしかやることはないし、あとは頗る暇だ。ゲームは皆でやる予定だし、小説、それとも漫画でも読もうかな。全国の悩める学生を敵に回しそうな発想だった。
クッキーを齧りながらソファでダラダラとする羂索に、天元が微笑みながら迫った。
「なに?」
「言うことがあるだろう?」
手の甲を撫で、囲い込むようにソファの肘掛けへもう一方の手を置く。すっかり逃げ場をなくしてしまった羂索は、一瞬オド、としたものの、すぐにああ!と声を上げた。
「テスト最終日……明後日だけど」
「うん?」
「宿儺たち呼んでいい?あのゲーム一緒にやろって約束してたんだ」
そうだそうだ、宿儺に許可を取ってこいと言われたんだった。友人を家に呼ぶくらいで、と思わなくもないが、あの口ぶりからすると許可さえ貰っていれば宿儺は来るだろうし、宿儺が来るなら裏梅、それに万もきっと来る。はじめて友だちを招くことも相俟って楽しみだなあと心躍らせる羂索に、しかし天元は微笑みを消して告げた。 - 52124/09/08(日) 18:30:30
「駄目だ」
まさか断られるとは思ってもみなかった羂索は、は?と声を漏らした。真顔で見下ろす天元に少しだけ怯みそうになったが、意地を張って負けじと見上げる。
「なんでさ」
「あれは君と私とでプレイするために買ったんだよ」
「別にいいじゃないか。宿儺と裏梅と万だよ?小学校の時から遊んでるし、君だって知らない仲じゃないでしょ」
「駄目なものは駄目だ。どうして君は彼らと遊びたがるんだ」
「遊びたがる、って……幼馴染みの友だちだからだよ。当たり前じゃん」
「幼馴染み?友だち?それが免罪符になるとでも思っているのか?」
「免罪符ってなにさ。まさかとは思うけど浮気を疑ってるの?彼らと?ありえないね」
「疑ってはいないよ。だが、そうだな……」
君の思考のほんの片隅を掠める存在すら憎らしいと思うんだ。
目を伏せ自嘲気味に零す天元に羂索はとうとう業を煮やし、無理やり押し退けて立ち上がった。
「意味わかんない!」
ーー結局、天元の許可が下りることはなかった。 - 53二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 21:22:35
子供の頃は良かったのか…成長してかつての姿に近付くに連れて危機感が出てきたのか、それともここ数年で前世の記憶を取り戻して本格的に囲い始めたのか
- 54二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 22:58:47
なんか嫌な予感がしないでもない…
羂索の心が離れる前になんとか和解してほしい
天元様もどこかで妥協点を見つけられるんだろうか 天羂を末長く応援したい身としては衝突は避けてほしい - 55124/09/09(月) 00:28:11
羂索は天元のことが好きだし、他の人間、まして宿儺たちに気移りするなんてありえないと思っている。そもそも、宿儺は恋愛諸々に全くの興味を持っていないし、裏梅は齢16にして宿儺をサポートするのが生き甲斐のようになっているし、万は宿儺にゾッコンだし、仮に目移りしたとしても十中八九相手にされないこと確定である。
それなのに、である。天元ときたら、口では否定していたが、あれでは浮気を疑っていると言っているようなものだ。羂索は結構真面目に怒っていたし、拗ねていた。
「そんなに私って不誠実な奴に見えるかな」
意趣返しとばかりに寄り道する羂索と、珍しく付き合ってくれた万は、店横の椅子に座ってアイスを堪能していた。ふたりとも定番を選ぶ素直な性格ではないので、期間限定の変わり種である。普通に美味しい。
羂索のぼやきに、垂れてきたアイスを舐め取りながらウーンと考える万。そのまま静かに食べ進めて、コーンまで辿り着いたところで漸く、そうねえと羂索の方へ目を遣った。
「あんたが誠実か不誠実かなんて大した問題じゃないんじゃない?」
「大した問題でしょ。信用されてるかされてないかってことなんだから」
「そうじゃないわよ」
あんたって賢いのに変に鈍感よねえ。呆れたように言う万に、羂索はむっとして残りのコーンを一気に頬張った。
「愛しているから不安になるのよ。相手がどうとかじゃなくて、自分の心がどうって話」
「自分の心、」
「自分の知らない顔があるかもしれない、一緒にいられない時に自分の知らない奴と仲良くなっているかもしれない……愛しているから、そんなことまで想像してしまう。私だって、宿儺がどこぞの女に寝盗られやしないかって気が気じゃないんだから」
「君たちは付き合ってないんだから寝盗りもなにもないだろ」
「黙らっしゃい」
スルーできず突っ込んだ羂索の頭を叩いて、万はそのまま頬をぷにと突ついた。それからにこっと笑って。
「いいじゃない!不安になってぶつかって向き合って、それが愛ってものでしょ!」
ドヤ顔で語る万に、君人生何回目だよと呟きながら、羂索は連られて笑みを零すのだった。 - 56二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 00:34:08
このレスは削除されています
- 57二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 00:34:14
万は相変わらず良い女やな…
- 58二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 01:14:44
荒らしはスルー&報告
- 59124/09/09(月) 01:43:18
荒らし……ってことでいいんですかね……?
こういうのは判断難しいな……もっと分かりやすかったら躊躇もないんですけど
一応お答えすると、元々平安組が好き(最推しは宿儺様)で、そんな中で天元様と羂索の謎に包まれながらも確実に激重感情の感じられる関係に萌えに萌えまくった結果、になります
バックボーンが明かされていないのは百も承知ですが、二次創作ですからね、妄想の塊ですよ
なるべくキャラ崩壊は招かないように心掛けていますが、ここだけスレの性質上、全くの原作通りとはなりませんのでご承知おきください - 60二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 05:48:55
○○のスレ建てすぎじゃね荒らしは最近よく見るからあんま相手しなくて大丈夫だと思いますよ
- 61二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 08:04:15
良…
- 62二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 18:13:03
取り返しがつくうちにどんどんぶつかっていいと思うよ羂索
目指せ健全なお付き合い! - 63二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 18:41:05
宿儺は男前だし、万は美人で裏梅はクールビューティー…そりゃ天元様も気が気じゃないよね、分かるよ…
- 64二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 21:45:22
羂索が他に心惹かれるかとかじゃないんだよね天元様は……
羂索が自分以外に意識を向けてること自体が許せなくて気持ちの大小とかは関係ないんだろな
まあそれだと解決策は監禁になってしまうので天元様には落ち着いていてほしいけど
夜のプレイの一環で軽い拘束か目隠しかして「私以外見ないでね…♡」とかならやってもいいかもだけど - 65124/09/10(火) 01:34:33
- 66124/09/10(火) 02:12:44
【閑話】
「てんげん!てんげん!」
陽射しを反射し艶々としたランドセルを背負った童女が、セーラー服を纏った気怠げな少女ーー天元に笑顔で駆け寄った。視線を合わせるために天元が屈むと、童女は満面の笑みで背後に隠していた両の手を突き出してみせた。
「てんげんにあげる!ちいさいひまわりだよ!」
「これは……」
受け取りしげしげと見詰めると、ふっと微笑んだ。
「向日葵によく似ているけれど、向日葵ではないな」
「えっ」
「サンビタリアと言う花だ」
「さんびたりあ……」
きゅっと寄せられた眉。天元はそっと小さな頭を撫でた。向日葵を渡すつもりで来たものだから、向日葵ではないと分かってショックを受けてしまったらしい。次第にその瞳に涙が溜まっていく。
「羂索、羂索、泣くことはない」
「だって……」
「私はサンビタリアだって嬉しい。いや……君がくれるものなら、なんだって嬉しいさ」
その声にはどこか恍惚とした、およそ小学生に向けるものではない色が乗っていたが、今にも泣きそうなほど落ち込んでいた羂索は、否、平時であってもきっと気付きはしなかったろう。
「ほんとう?」
「ああ、本当だ。私が君に嘘を吐いたことがあったか?」
即座にふるふると横に振られた頭。
「そうだろう。……ほら、今日も暑いからアイスをあげよう」
「いいの?やった!」
まだ小学校に上がったばかりの、小さな小さな手を引いて。片手には小さなひまわりを握り、天元は愛し子の舌をもてなす為にと帰路を行くのであった。 - 67二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 08:10:21
はぁ〜…好き…
- 68二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 08:11:19
- 69二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 08:33:42
- 70二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 10:57:49
この天元様は本編のような達観よりも個人的な感情を優先しそうなの推せる。
- 71二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 19:16:10
この他者への慈しみよりも自身の欲望や願望に忠実な天元はかつての羂索が何より望んでそうな天元の姿な気がするけど、転生後で記憶無しのJK羂索からしたら過保護な恋人くらいなんかな?でも内心、優越感を感じてる辺りに記憶は無くとも羂索にも根底にある天元への執着が垣間見える気がする…
- 72二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:11:13
- 73二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 08:01:26
ほし
- 74二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 18:46:56
天元、今後サンビタリア見るたびにこのこと思い出してそう
羂索がそばに居る時はその話して「いつまでその話してんの!?」って照れギレされてそう - 75二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 21:33:06
幼い羂索が花言葉知らないだろうことくらい分かりきってるのに都合よく解釈して囲い込む天元様ガチヤンデレっぽくていいね…
- 76124/09/11(水) 23:32:34
【閑話】
「……なにこれ?」
羂索は差し出されたものに首を傾げた。鮮やかな黄色に彩られた花束。1、2、3、と数える羂索に、天元はなんでもない顔で告げる。
「蕾も合わせて99本だ」
「多いね。……いや、花束用のものなら普通か?」
生憎と花についての知識が浅く、画面越しや額縁の中に見る花畑の向日葵で連想してしまったが、こうして手元にあるように、花束にするための小さめの向日葵も存在しているらしい。元からこういう品種なのか、それともわざわざこのために改良されたのか。そんなことを考えながら、目の高さまで持ち上げては上から下からじっくり眺める羂索。
「本当は999本にしたかったんだが。流石に重いかと思ってな」
突然投下された爆弾にずるっと転けかけた。
「いや重いなんてもんじゃないでしょ。店員さん困っちゃうよ」
正気か?という目を向けられてううむと考える天元は、名案を思いついたとばかりに顔を上げた。
「蕾ばかりにすれば」
「それでも無理だよ。馬鹿なの?」
即座に返された辛辣な言葉に苦笑いした天元は、花びらに触れたり顔を寄せたりして楽しむ羂索の横顔を見詰める。そうして、横髪を掛けてやりながら、耳を食む。
「何時ぞやのお礼だ」
「ひゃっ……ちょ、っと……」
腰をしっかりと抱き留めながら、裾から指を侵入させる。不埒にも脇腹をなぞり上げ、下着の縁をわざとらしく引っ掻いた。
「何時ぞ、や、って……んっ……なに、」
まだ発達途上にあるそこに下着の上からやわやわと触れて、くすりと笑った。たったこれだけで息を上げる羂索がかわいらしくて仕方がない。そして、もっといじめてやりたくなる。
「ふふ、サンビタリアの方が良かったか?」
「も、いつま、でっん、あ……その、はなし、」
「何時までだってするさ。君に貰った大切な気持ちだ」
栞にして持ち歩いていると教えたら、君はどんな顔をするかな。そんなことを考えながら、涼しい顔して容赦なく布越しに引っ掻いて、与えられる快楽に仰け反って喘ぐしかない羂索の体を支えながら、寝室へと連れ去っていった。
机上に置かれた花束は、尚も色鮮やかに咲き誇っている。 - 77二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 08:03:49
最高〜〜
天元様の言う重いと羂索が考えてる重いは違う意味なんだろうな
でも天元様は既にかなり重いと思うよ…… - 78二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 13:27:52
知ってたけどやっぱりガッツリ手ぇ出してるのな天元様ww
ここの羂索は割りと恥じらい持ってそうだから宿儺達には秘密にしてそうだけど、宿儺は普通に察してるのかな…?現代育ちの宿儺的に「知らん、興味無い」なのか「俺が倫理を語るのも変だが…流石にどうなんだ?」なのかはちょっと気になる - 79二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 22:43:28
これは…そのうちwriting(本番描写)も期待していいって…こと…?!
- 80二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 08:00:42
えっちだ……
- 81二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 18:46:20
99本のひまわりの花言葉「永遠の愛を誓う」「ずっと一緒にいてください」
999本のひまわりの花言葉「何度生まれ変わっても君を愛している」
重いね……天元様…… - 82二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 21:30:32
- 83124/09/14(土) 01:29:01
(えっちなのは書けないんだ……でも頑張るんだ……そのうちね……よろしくおねがいします……)
- 84124/09/14(土) 01:30:33
ひたすらに宿儺宿儺と追い掛けているだけに見えた万から、まさか人生の先輩のような言葉を送られるとは。驚きつつも、まあ愛に生きているような女だしな、と納得。他の分野はともかく、こと恋愛に関して周囲の誰より良き相談相手であるのは間違いない。
「不安になってぶつかって向き合って、それが愛、か……」
天元も、愛してくれているからこその不安なのか。そう考えれば、宿儺たちと遊ぶことに難色を示すようになったのも、やたらとふたりきりを強調するようになったのも、嬉しいと思ってしまう羂索であった。
玄関の前に立ち、深呼吸。天元の方は今朝には何事も無かったように接してくれていたが、羂索は口を効かないまま出てきてしまっていた。だから仲直りしなくては。開けたら、まず、大きな声でただいまを。それから天元に、分かろうとしなくてごめん、そう言ってハグをしよう。
意を決してドアノブに手を掛けた、瞬間。
「おかえり、羂索」
「うわぁ!!」
ひとりでに開いたドアから天元が顔を出した。心を固めていざ、というところでの予想外に、羂索はきゅうりを前にした猫のように飛び退いた。
「おや。大丈夫か?」
「う、うん。大丈夫。……ただいま」
「おかえり」
決めていた順序が全てすっ飛んでしまった上、情けなく声を上げて飛び上がった恥ずかしさも相俟って、羂索は天元の顔が見れなくなってしまった。
不自然に視線を下げる羂索を後目に、天元は羂索の手から鞄を掻っ攫って笑う。
「君の好きなケーキを買ってきたんだ」
一緒に食べよう。と、言いながら一方の手で羂索の手を握る。
「君は不誠実な奴などではないよ。悩ませてしまってすまないな」
「え……」
なんでそれを。言いかけた羂索の口は唇で塞がれて、あとはもう、なし崩し的に溶かされるのみであった。 - 85二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 09:40:19
天元が全部聞いてるの知っても許しちゃいそうな羂索だ…
- 86124/09/14(土) 14:59:23
気怠い体を引き摺って、羂索はどうにかこうにか登校した。テスト最終日だというのに天元め、と昨日のことを思い出しひとり赤面する。
帰宅し一息つく間さえなく、あれよあれよと一糸纏わぬ姿にされてしまい、意識が曖昧になるほどとろとろにされて、それだけでも羂索にとっては大変なことなのに、更に天元はケーキを持ち出してケーキプレイなどというアブノーマルな行為を始めたのである。
君の好きなケーキと宣っておきながら、蓋を開けてみれば美味しく味わったのは天元だけ。羂索の口には、天元から口移しされたものと、舐め取るようにと差し出された天元の指先に付いていたクリームくらいしか入っていない。クラクラの脳では、どちらも味なんてわかったものではなかった。
幾度かやったことのある生クリームプレイならば兎も角、……いやそれも大概ではあるが。と、脳内で悶々としながら自問自答する羂索の背に掛かる声。
「随分と辛そうだな」
振り向けば、そこにいたのは無表情で見下ろす宿儺。全くの無の顔をしているが、別に怒っているわけではなく、これが彼のデフォルトなのである。
羂索は理由を聞かれたらと思うと気恥ずかしくて、わざとらしくとぼけてみせた。
「えーそう見える?」
「俺の目にはな。……仲がいいのは結構なことだが、翌日のことを考えてしろよ」
かあっと熱を持つ頬。宿儺は全てわかっていて、だから誤魔化そうとした羂索の思考などお見通しなのだった。
ちなみにこの日の科目は過去最低点を取る事になった。然もありなん。
ーーあの一瞬、天元に抱いた疑念など、すっかり忘れ去っている。それは天元のみぞ知ることで、誰に指摘されることもないまま、今日も羂索の全ては彼女に把握されているのだ。 - 87二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:30:41
天元様マジで囲い込んで好き勝手やってるな……
ケーキプレイとか同人誌くらいでしか見ないんですけどと思ったら生クリームプレイも幾度かやったことあるんかい 猛者すぎ
この天羂の出会いどんな感じなんだ……馴れ初めも……
天元様が息をするようにアブノーマルな行為をしてくるから羂索の常識がちょっとだけ歪んでそう - 88二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:41:34
えっっっち…!
とろとろにされてからもたっぷり愛されたんだろうな…終盤はもう天元しか覚えてなさそうで想像が膨らむ… - 89二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:45:23
この天元、羂索の事が好き過ぎてもう腹に収めたいレベルまで来てるんじゃないか…?でもそんな事したら羂索を失ってしまうから生クリームやケーキプレイで羂索を咀嚼して腹に収める疑似行為をしてるとか…いや、流石に考え過ぎかな…
- 90二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 07:54:40
羂索以外紀保有りなら他の平安組はここまで吹っ切れた天元の事どう思ってるんだろう?
「いつかやると思ってた」なのか「アイツ一体どうした?」なのか… - 91二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 07:56:14
むしろよく前世では抑えられてたな………
- 92124/09/15(日) 11:03:31
テスト期間が終わり、体育が水泳へと移行する。着替えが面倒だとは思いながらも、夏といえばやっぱりプールだよね、と羂索の心は浮き足立つ。勿論授業なので自由に泳ぎ回れるわけではないけれども。
フンフンと鼻歌混じりにスクール水着の準備をしていた羂索に、ふと影が差した。見上げれば天元が眉を寄せながら見下ろしていたので、不思議そうな顔で首を傾げる。そんな羂索の顎を優しく掴み、キスをひとつ。それから、これは何かな?と至近距離で問うた。
これ、と示されたのは水泳の用意。だから羂索は、嘘をつく理由もなく、素直にそう答えた。
「水泳の授業なんて、許した覚えはないが」
耳許から首筋にかけてを撫でる手の優しさとは裏腹に、声は低く、瞳は仄暗く見えた。ぞくりと背筋を駆け上がるものに気付いていながら、羂索はなんとか平気なフリをする。果たして駆け上がったものは恐怖なのか、快楽なのか、それは本人にすらわからない。
「授業だよ?天元の許可なんて要らないでしょ」
「授業だろうとプライベートだろうと関係なく、君の柔肌を飢えたケダモノたちの前に見す見す晒せと?」
今度は羂索が眉を寄せる番だった。
「プール如きでそんな大袈裟な……」
「わかっていないな」
がしりと腕を掴まれ、その細い体のどこにそんな力があるのかと思うくらい易々と抱え上げられる。膝の上で綺麗に整頓しあとは袋に入れるだけ、という状態だった水着類が床に散乱した。咄嗟に上がった抗議の声など聞く耳を持たず、そのままベッドに放られる。 - 93124/09/15(日) 11:04:14
「ちょっと!?っん、あっ、は、」
文句を言おうと開かれた口へ舌を差し込まれ、蹂躙される。歯列をなぞり舌先を吸い上げられてしまえば、漏れる吐息は喘ぎが混じらざるを得ない。逃げようと藻掻く体は天元に伸し掛かられて身動きが取れず、後頭部に回された手によって顔を離すこともできない。せめてもと天元の服を掴んでいた手は、やがて縋り付くためのものに変わっていった。
いったいどれほど奪われていたか、漸く解放された羂索は肩で息をしながらとろんとした目で精一杯天元を睨んだ。逆効果であるのは明白であったが。
「君はこんなにもかわいらしく、か弱く、耽美で、淫乱で、馨しいほどに蜜を溜め込んだ、甘美な華なんだ」
ギシリ、とベッドが軋む。天元の指先が羂索の唇から顎へ、顎から首筋へ、そうして胸元へ辿り着き、ブラウスのボタンに掛けられる。
「どうやら今までの行為だけでは足りなかったようだ」
その言葉にびくりと体を揺らした羂索の耳許へ、脳を直接犯.すように囁きを注ぎ込む。
「一からちゃんと教えてあげようね」 - 94二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 21:59:20
えっちぃ……
- 95二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:08:46
もしかして今まではB止まりで、今回の件でがっつり最後まで手を出された感じだったりする…?
- 96124/09/16(月) 03:51:23