「オレはお前だ。」

  • 1二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 21:52:35

    【覚醒型の呪詛師の悪戯】

    当初そのように想定されたある事件に対し、呪術高専は虎杖悠仁、伏黒惠、釘崎野薔薇の三名を派遣。

    現場及び被害者の残穢からも、そこまで等級の高い術師や呪霊の仕業ではないと考え、三名は呪詛師の討伐に向かった。

    釘崎「まっ、天下の両面宿儺を討伐した私たちなら、今更三流呪詛師なんてヨユーよヨユー。」

    虎杖「あたぼうよ!なっ、伏黒!」

    伏黒「……おう。」

    虎杖「ノリ悪。なんか悪い物でも食った?」

  • 2二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 22:04:39

    余裕綽々で今回の任務に当たる2人に対して、伏黒惠の表情は浮かないものだった。引っかかるものがある。

    違和感。ほんの少しの違和感である。
    なぜ呪霊なり呪詛師の仕業なのに、残穢がこんなにも少ないのか。敢えて姿を隠しているとしたら、そんなことをする必要があるのだろうか。
    この程度の悪戯に、そんなことを——。
    どんっ。
    背中に走る衝撃に振り返る。
    ぼんやりしていたようだ。通行人にぶつかったようで、ぶっきらぼうに謝罪をした。
    それが不味かったのか、通行人の男はがなりながらなおも文句を言い続けている。

    伏黒「いや、ぼんやりしていて……。」

    二の句が告げずに、ただ無言で相手の顔に釘付けになった。
    後から仲裁に来た2人も同じように固まる。


    男の顔は、あの依頼人が言う目が異様に膨れ上がった異形の面相をしていたのだから。

  • 3二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 22:27:04

    異常。呪霊や両面宿儺のような異形の姿をしていて尚、まるで普通の人間のように語りかけてくる存在に、伏黒は逡巡する。

    伏黒(呪霊…!?いや、そんなはずはない!残穢も、何も感じなかった!ならば例の呪詛師か?だとしたらいつ、何故こんな一般人を巻き添えにする形で…。)

    虎杖「お兄さんすいません!ほら謝れって!」

    虎杖に促されて、とりあえず頭を下げる。
    毒づきながら男は何処かへ歩いていった。尚も異形の面相を称えているが、他の誰も気付いていないようだ。

    虎杖「…おい。アレって…。」

    釘崎「プリクラでもこんなフィルター無いわよ。冗談キツいって感じね。」

    伏黒「どういうことだ…?もう既に呪詛師と接触している?しかし呪力なんて一切感知しなかったが。」

    一般人にもここまで広範囲に、無差別に影響を与える術式も、そんなことをする呪詛師側のメリットも無い。死滅回游も終わった今、無差別にポイントを稼ぐような必要は…。

    虎杖「…なぁ、伏黒。釘崎…。」

    伏黒•釘崎「なん…」

    虎杖が指差す先の光景に、2人は絶句した。
    それは、ある者は異様に伸びた体で。
    ある者は首から上が体にめり込み、上から押し潰されるかのような姿で。
    ある者は、異常に膨れ上がり、血管がドクドクと脈打つ、熟れ過ぎたトマトのような姿で。

    往来を歩く、異常で異形な存在達が、目に飛び込んできたのだ。

  • 4二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 22:58:00

    眼を疑う。
    すぐさま三人は顔を見合わせるが、自分達には変化は無い。
    道ゆく人々の姿が呪霊のように変質していく。別の生き物のように変わっていく。それは生き物の進化のように—-

    虎杖「まさか……同化現象?」

    虎杖の溢した言葉に、伏黒は衝撃を受けた。
    そんなはずはない。
    死滅回游は終わり、自身に与えられている同化の権限は実質破棄しているようなもの。

    伏黒「そんなわけない!同化するはずが…!」

    天元様自身も意識はない。宿儺の中にある天元様の残骸は、日本全土の結界の維持のために安置されて……。

    瞬間、脳裏に天元の言葉が想起される。

    『進化しそのうち一人でも暴走を始めたら世界は終わりだ。』

    既に取り込んだ時点で、宿儺と天元は同化していたとしたら?
    結界術の心得があったからこそ、同化せずに残っていた天元も、意識を失って宿儺に取り込まれてしまった。
    自分の記憶にある、魔に近づく儀式。アレは自分の魂を沈めるための儀式だと。
    だが、結果として呪霊はおろか、魔に近づいた存在である両面宿儺は、人類より進化した存在であると言えるんじゃないか?

    そして、死滅回游によって、非術師の慣らしはすでに—-。
    ドミノ倒しのように最悪の事実が想起されてはつながり、連なって、言いようのない事実に変わっていく。

  • 5二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:14:54

    三人は伊地知との合流を目指して走り出した。高専に戻って対策をしなくてはならない。ここまでの規模だと誰も思っていなかったのだ、すぐに合流して対策を練らなくてはならない。

    釘崎「ちょっ、だとしたら私達がまだ同化されてないのはなんで?一応術師だから?」

    伏黒「わからん!だがそれも時間の問題かもしれないからな!急ぐぞ!」

    不気味なことに、姿形を変えていくかつて人々だった者たちは、微動だにしなくなっていた。異形で異常な存在達は、どんどん人間から新しいナニカに変貌する。
    先を急ぎたいが、元が人間だと思うと、殴り飛ばすわけにもいかず、必死に避けながら三人は走る。
    コレはなんだ。
    さっきまでの現実は何処へいったのか。
    これはタチの悪い夢なのか。
    それとも、先ほどまでが自分達の夢で、それが終わってしまったのだろうか。
    悪夢を振り解くように、逃れるように三人は街を駆けていく。

    虎杖「あっ!いたいた!おーい伊地知さ…」

    よく見る車。呪術高専にある、任務用の車の中。
    見慣れたスーツに、いつもの眼鏡をかけた、見たこともない化け物が、ミチミチと脈動を続けて鎮座していた。

    それを伊地知潔高だと認める者は、誰も居なかった。

  • 6二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:55:49

    三人は伊地知だったモノに語り掛ける。戻れと。否定するかのように。
    しかしそれを嘲笑うかのように、それはうめきのような言葉しか返さない。いや、言葉と言えるのだろうか。

    尚も人々は変わっていく。呪詛師も、受肉体も、非術師であっても、術師も誰もかれも抗う事なく変貌していく。
    呪霊のような異形の存在に。魂は変貌していく。
    代わっていくのだ。人々が別の姿に変わってしまうのだ。

    虎杖悠仁の脳裏に浮かんだのは、両面宿儺が遺した今際の際の言葉。
    『俺は呪いだ』と。

    かつてある人の呪霊は言った。
    『肉体は魂の延長線上にある』と。
    人々は廻る呪いによって、その魂の形を歪められ、壊され、変えられていく。苦しみの怨嗟は、やがて大きな穢れの波となり、渇いた地面に水をかけるように、人々の魂へと伝播し、沈めて歪めていった。

    やがて変貌した人々は、魂の形を細い糸のように変えていく。人々の魂は、嘆き、苦しみながら絡み合い、束となって、大きな塊へと変わっていった。
    東京だけで無い、ありとあらゆる場所から、その糸は絡み合っていく。大きな一つの塊へと変貌していく。
    地面から伸びる人々の姿は、まるで胎児をつなぐ臍の緒のようであった。

    ここに、一億人の怨嗟慚愧が姿を成した呪胎が、戴天したのだ。

    『呪術廻戦271話 呪胎戴天-成就-』

  • 7二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 01:14:47

    もう終わりだねこの国

  • 8二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 01:28:20

    え?これ来週のネタバレ?

  • 9二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 01:48:37

    わりと好きかも

  • 10二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 01:50:37

    面白かった!

  • 11二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 07:11:18

    ここまで違和感無くバッドエンドに出来るの凄過ぎるだろ

  • 12二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 09:23:30

    真人復活にはならなかったか

  • 13二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 17:30:34

    一応これ書いた人なんだけど、ラストまで考えたんだ。
    ここまででもキリがいいから、これでいいかなぁとか思うんだけど、どうしましょう?

  • 14二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 17:34:10

    >>13

    割と見たいぜ

  • 15二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 17:36:23

    >>13

    かなり見たいぜ

  • 16二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 17:39:00

    >>13

    えげつなく見たいぜ

  • 17二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 19:12:18

    >>13

    待っとく

  • 18二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 21:59:04

    胎動する呪胎は、絶えず人々の怨嗟と絶望を啜り、魂を混ぜながら、悍ましい何かを作り上げていく。

    虎杖「なんだよ…アレ。」

    両面宿儺との戦いを経て、より魂の輪郭を知覚することができらようになった虎杖悠仁には、無理矢理混ぜられ、潰されゆく魂の姿がまざまざと見せられる。

    釘崎「一億人の呪霊ってこと?趣味悪すぎない?」

    伏黒「いや、あれはまだ呪胎…まだ生まれてすら無いんだ。今祓うしかない。」

    伏黒がそう話すや否や、全力で虎杖悠仁は駆ける。辺りの人間だったモノを、呪力を込めた拳や御厨子で切り裂いていく。魂を引き裂く一撃は、少しでもあの呪胎に何かを与えられないか。
    少しでも早くアレを祓うことができれば。
    全員は無理でも、まだ生き延びている人々がもしいるならば。

    虎杖(救えなくてごめん…絶対祓うから。)

    一億人の魂を引き裂くために、御厨子をかけようとしたその時だった。
    グニィ。軋んだような不快な音。
    何かが歪む音がした。何処かで聞いたことがあるこの音。
    気付けば呪胎は消え、そこには何者かが佇んでいた。
    姿形は人なのに、感じる狂気も、畏れも、怯えも、悍ましさも、人のそれではない。
    虎杖悠仁は、その姿を見た瞬間に、その呪霊の名を溢した。

    虎杖「……真……人?」

  • 19二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:04:30

    面白い 続けてくれ

  • 20二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:26:28

    違うはずだ。アレは渋谷で祓われたはず。
    存在は違うはずなのに。
    姿形も、あの異形さも違う。悍ましさは、あの時何度も相対した存在である真人よりも、遥かに上だ。
    しかし、自分の中で確かにアレは真人だと、何かが叫んでいる。
    『祓え』と。

    呪霊に向かい、直線的に突っ込んでいく虎杖悠仁。その眼には、ただ部品としてその呪霊を幾度となく祓うと決めた人間の熱が込められていた。
    その姿を見た伏黒恵も、玉犬混を出し、その呪霊へと走る。影から呪具を取り出すと、大きく振りかぶった。
    釘崎野薔薇も、呪力を込めた釘を空中に並べる。すぐ様、共鳴りを撃ち込むための体制を整えた。

    その呪霊は、眼を見開いた。そして悍ましい笑みを浮かべながら、走りゆく三人へこう語った。

    「ハッピーバースデーさ、人間共。」

    その直後、呪霊から伸びゆく魂の波に三人はなす術なく、塵芥のように呑まれていった。

  • 21二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:40:48

    見渡す限り、一面の荒野が広がっている。数多の魂を混成させ、悪意で染め上げた呪霊が、ただその腕を変貌させて殴り付けただけで、東京の一部は荒野と化した。
    この呪霊は、手当たり次第同化した人々の魂を変質させ、自身の中へ取り込んでいく。その度に、その魂の持ち主の姿へと、肉体が引っ張られては、形を整え、形作っていくのだ。

    虎杖悠仁は、その身に呪いの王を宿していた。呪いの王の檻とよばれるくらい、頑強な魂をしていた。だからこそ、その魂の強さから、天元の同化を免れていた。
    伏黒恵もまた、自身の魂への五度の『無量空処』による必中効果によって、魂の形を変質させる結果に繋がった。同化を免れることになっていた。
    釘崎野薔薇も、真人による『無為転変』と新田新の術式効果によって、魂の形は、人から大きく外れることになった。

    それでも尚、この呪霊の持つ術式を付与した腕での一撃で、魂の形を保てた者は——。

  • 22二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 23:13:25

    うわー好き……

  • 23二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 23:21:13

    な、なんだこの異様に高いクオリティはァ…

  • 24二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 07:31:29

    >>21

    五条でもいなけりゃ止められないなこれ

  • 25二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 10:40:47

    因果がっつり壊れてるから五条っていうかつよつよ術師になるであろう六眼がそもそも発生しないのか?
    詰んでない?

  • 26二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 13:36:42

    >>24

    復活させなきゃ

  • 27二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 19:50:50

    >>26

    降霊術師please

  • 28二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 19:57:10

    瓦礫を避け、息も絶え絶えに立ち上がったのは、虎杖悠仁であった。
    かつて真人との闘いで、唯一の天敵となり得たのは、自身の魂を知覚した攻撃による部分。そして、呪いの王による術式効果に対してのカウンター性能であった。真人はその二点から、彼を天敵として認め、術式効果でない肉弾戦による決着を狙って闘ってきたのだ。

    しかし、今、虎杖悠仁の中に呪いの王はいない。
    『無為転変』による魂への一撃は、虎杖悠仁の魂を幾許か変形せしめた。

    自身の顔の右側を撫でる。まるで仮面のように肉が盛り上がり、視野がいつもと異なる違和感を覚えていたからだ。肉体の感覚は、いつもの感覚とは到底異なっている。
    『無為転変』による魂への一撃は、即死までは至らなかったが、虎杖悠仁の肉体を異形のものへと変質させるには充分であった。即死に至らなかったのは、魂の強度によるモノだろう。

    それでも尚、虎杖悠仁が足を止める理由にはならなかった。
    瓦礫に呪力を込め、呪霊へと投げつける。当然弾かれるが、その数瞬で距離を詰めた虎杖悠仁は、腹部へと正拳突きを放った。

    その瞬間、黒い火花が散った。
    呪霊から、苦しむ魂が剥がれ落ちる。
    呪霊が反吐を吐くが、それでも虎杖悠仁は止まらない。
    幾度もなく、自身の怒りを、役割を込めた一撃は黒い火花となって彼を照らす。
    その火花は、八度続き、瞬きながら、その呪霊を祓わんとしていた。

  • 29二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 20:02:22

    おおっ……

  • 30二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 20:15:16

    呪霊もタダでは死なない。何度もその両手で虎杖悠仁の魂を引き裂かんと、触れ続ける。
    だがその痛みで、たとえ魂を引き裂かれようとも、虎杖悠仁の歩みを止めることはない。

    呪霊「人間風情がッ!!私こそが!人なのだ!!真の人なのだ!!」

    肉体を造り変え、阿修羅のような姿になった呪霊が、虎杖悠仁に一撃を見舞った。
    その一撃は、確かに彼の腹部を捉えた。
    黒い火花は、微笑む相手を選ばない。

    呪霊の放った黒閃を受け、吹き飛ばされる虎杖悠仁。血と砂が舞う中で、彼の身体は力無く吹き飛ばされていた。

    虎杖(まだだ…。倒れるな……。)
    虎杖(果たせ……俺の役割……。)

    反転術式をかけ、死に体の身体を起き上がらせる。
    追撃を見舞わんと向かう呪霊を見定め、虎杖悠仁は重い口を開いた。

    虎杖『龍鱗、反発、互いの流星』

    それは、無意識の呪詞。自身に刻まれた術式『御厨子』が、目の前の呪霊を刻まんと、世界に切り取られた跡を遺した。

    『解』

    呪霊は、ただ茫然とした。肉体はすでに両断され、魂は絶え絶えになっていたのだ。まるで自身の術式という『世界』を『断ち切られた』かのような感覚を、肉体に刻まれた。
    シュレッダーにでもかけられたと言わんばかりの肉体になった呪霊の身体が、零れ落ちた。


    零れ落ちた身体から、また人が産まれ落ちていく。魂を歪められた人々の、苦悶し、憎悪したソレが。
    溢れ出る人々の魂の奔流は、虎杖悠仁を飲み込んでいった。
    魂の奔流によるものか、この闘いでのダメージなのか、虎杖悠仁の意識は闇へと落ちていった。

  • 31二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 20:46:38

    眼を醒ました虎杖悠仁は、いつの間にか横転した電車の車内にいた。座席にもたれている辺り、勢いはここまで流れて初めて止まったのだろう。
    自身の腕を見る。欠損していた指を除けば、まだ継戦は可能だろう。
    辺り一帯は、不快な汚泥のような、擦り潰された人々の魂によって染め上げられていた。魂を壊された人々の死体は、まるで水のようだった。

    虎杖(そうだ…伏黒……釘崎は…?)

    反転術式を再開して立ち上がる。『無為転変』の効果だろうか。傷の治りは遅い。それでも尚、虎杖悠仁は生き残った人々を探すために歩き出した。
    人で無くなったもの達は、ぐちゃぐちゃになりながら周囲に溢れている。生きたものはいない。

    道中、釘を握りしめた腕をした、肉塊を見た気がする。道中、両腕を堅く握り締め、何かを呼ばんとしていた顔の無い死体を見た気がする。

    それでも尚、認めたくはない虎杖悠仁は、歩みを続けた。あれは、断じて二人なんかじゃない。
    あの二人のことだ、生きているのだ。
    伏黒が死ぬわけがない。
    釘崎がもういなくなるはずがない。
    きっと運よく助けにきた憂憂に連れられて、高専にでも戻っているに違いない。
    オッパッピーを今度は二人でしようというのだ。
    そうだ、そうに違いない。

    そう思い、着いた呪術高専は、現実を突きつけるかの様に崩壊していた。
    見覚えのある服や知っている呪具が、目に飛び込んでくる。受け入れろと。辺り一面に広がる魂の残骸は、お前のよく知る人であると突きつけられた様であった。

    気力も果て、へたり込んだ虎杖悠仁の眼に、ガラスに映り込んだ自身の顔が入ってきた。
    それは、右眼を大きな仮面の様な肉腫で覆われたら自身の顔であった。まるで、呪いの王の様な—

    虎杖「お前は……オレか……。」

    かつてその男に語りかけた言葉を、もう一度呟いた。呪いは巡ってきたのだ。一億人の死骸の中で、虎杖悠仁は、静かに崩壊した。
    誰もいない荒野にて、沢山の人々の死に囲まれた男の嘆きが木霊した。空には、新たな呪霊が戴天している。巡る呪いの戦いは、尚もまた続いてゆく。
    【fin】

  • 32二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 20:49:44

    一応コレで終わりです。
    こんなバッドエンドになったら笑っちゃうよね!
    文章めちゃくちゃでしたが、読んでいただきありがとうございました。

  • 33二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 20:58:23

    最後の終わり方ヤバいなぁ…
    スレ主ありがとう!面白かった!

  • 34二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 21:08:18

    面白いけど少年たちがこんなの読んだらトラウマになっちゃうよ・・・
    怖すぎる

  • 35二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 07:44:25

    バッドエンドだけど興奮した!
    ありがとう!

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