ここだけ病弱コハルその2

  • 1124/10/05(土) 23:20:52

    興奮するとすぐ熱を出す
    季節の変わり目でも風邪で熱を出す
    筋肉つかないし体力もほとんどないので前線張るのはムリ
    日焼けで黒くなるんじゃなくて赤くなるくらい肌も弱い

    それでも憧れは止められないので正実には入るし、訓練もする(けどやりすぎると熱を出す)
    押収品整理担当なのは体調考慮した結果
    えっちなことに興味があるのは憧れの裏返し(長く生きられるかわからない&母子ともに危険なので子どもは作れないから)

    そんなんでも最終編では火事場の馬鹿力で本編同様避難民を守り抜き、ミカが来てから安心してぶっ倒れてしばらく生死の境をさまよう

    そんな話を見たかったので書き始めたスレの2つ目だよー

  • 2二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:22:36

    スレ立ておつ

    ハナコの可愛さを世の中に知らしめてくだされ…

  • 3124/10/05(土) 23:23:32

    https://bbs.animanch.com/board/3902094


    前スレだよー詳しいことはこっちを見てねー

    申し訳ないけどスレ落ち対策で>>10まで埋めてくれると嬉しいよー

  • 4二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:27:04

    はーい10まで保守

  • 5124/10/05(土) 23:29:02
  • 6二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:29:29

    ほ!

  • 7二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:29:48

    ハナコがポンコツ純情化するのは健康に良いとされ、いずれ癌にも効く

  • 8二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:32:00

    たておつ!

  • 9二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:32:18

    落ちないように10めざすざ

  • 10二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:32:35

    10!

  • 11二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 08:20:35

    朝なので保守

  • 12二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 08:37:02

    テンパリハナコは流行らせろ

  • 13124/10/06(日) 16:14:15

    巻き込み規制されてたからテストだよ―

  • 14124/10/06(日) 16:18:16

    ひぃん規制解除されたから投稿するよ―

    前スレの続きから始まるから、初見の人はちんぷんかんぷんだと思うよ―

    かいつまんで言うと原作より虚弱で病弱なコハルが主人公のエデン条約編だよー詳しいことは>>5に貼った前スレを見てねー


    【Warning】ハナコがとんでもないキャラ崩壊してるよ―理由は前スレを読めばわかるけど、受け入れられない人もいるだろうからそんな人はブラウザバック推奨だよー


    ではいくよー

  • 15124/10/06(日) 16:19:16

    ハナコさんが倒れてから十分。膝に乗せて介抱したりしてたらなんとか復活してくれたので、ようやく補習授業部として活動ができるようになった。いつもは介抱される側だったからなんか新鮮。……起きた直後のハナコさんまた固まってたけど。

    「と、とりあえず、自己紹介も済みましたので、これから一次試験までの間、補習授業を進めていきたいと思います! と言っても、試験まであと数日なんですが……」

    「うっ……。ごめんなさい」

    「ああいえいえ! 気にしなくていいんですよコハルさんは! 実を言うと、コハルさん以外の人たちは既に補習授業を進めているんです。コハルさんのせいで補修が遅れたーとかはないので! あうう、先に言っておくべきでしたね、すみません……」

    「あ、そうだったんですね。よかった……」

    実を言うと、私が来れなかったからスケジュールがヤバいんじゃないかと思っていた。先に進めてくれているならその方が安心だ。

    「コハルさんは一年生なので、内容はアズサちゃんと同じになりますね」

    「あ、やっぱりアズサさんって一年生だったんですね。……一年生で正義実現委員会の精鋭相手に3時間戦えるのは将来有望だなあ……すごいねアズサさん」

    「あ、いえ実は……」

  • 16124/10/06(日) 16:20:04

    ヒフミ先輩が何かを言おうとしたところを、アズサさんが遮って続けた。

    「いや、私は二年生。最近トリニティに転校してきたばかりで、学習内容に差があるから、今は一年生の範囲を学習している」

    「え!? 一年生じゃなかったの!?」

    し、しまった。背丈からして私と大差ないからつい一年生だと思い込んでしまった。やらかした……思いっきり先輩じゃない。どうしよう、結構気安く話しかけてたけど、謝ったほうがいいよね?

    「ご、ごめんなさい。てっきり一年生だと思ってしまっていて……これからはアズサ先輩って呼びますね」

    「いや、構わない。もともとその文化には不慣れだし。それに、このチームアップは共通目標を達成するために組まれたもの。仲良しこよしをするためじゃないから。なんなら呼び捨てで、敬語もなしでいい」

    「え、えーと。流石に年上にタメ口はちょっと抵抗があるんですけど……」

    「短い間とは言え、同じチームだ。なら私たちは同じ目標を持った仲間と言える。それなのに敬語を使われるのは、壁を作られているように見える。……あと……」

    アズサさんはちょっと言葉を濁して、顔を背けた。パタパタと腰の羽が忙しなく動いている。

    「さっきまで距離が近かったのに、急に敬語を使われるのは、なんだかちょっと……嫌だ」

    ――か、可愛い。女の私でもそう思ってしまうくらい、今のアズサさんの様子はとても可愛らしかった。あれ? 人づてには『氷の魔女』って一部に呼ばれてるくらい鉄面皮って話だったんだけど。実際はすごく可愛らしい女の子じゃない。

    「……! そ、その目。その目で見ないでほしい……なんか、その。暖かくて……恥ずかしい……」

    「……ふふっ。ごめんね。じゃあこれからはアズサって呼ぶわね。短い間でも、同じチームメンバーとしてよろしくね」

    「ううう……」

    アズサさん改めアズサが再び繭玉に進化、というか退化? しそうなところで、パンッとヒフミ先輩が手を合わせた。

  • 17124/10/06(日) 16:21:26

    「なら、私のこともタメ口でいいですよ! 同じチームですから」

    「え!? ヒフミ先輩の場合は話が違」

    「違くないです! アイリちゃんのお友達ですよね? なら私のお友達も同然ですから。その代わり、コハル"ちゃん"って呼んでもいいですか?」

    私の手を両手で握りながら、ヒフミ先輩が尋ねてくる。あー、うん。この人ならアイリと学年の壁があっても友達になれるわ。類は友を呼ぶってホントだったのね。

    「え、えーと。そこまで言うなら敬語はやめま……やめるけど。いいの?」

    「はい! 末永くよろしくお願いしますね、コハルちゃん」

    「こちらこそよろしく。ヒフミ先輩」

    「あはは……先輩もなしでいいんですけど」

    「流石にそれは抵抗があって……」

    そんなやり取りをしているところに、「ぁ……」と小さな母音が混ざってきた。

    「? どうかしましたかハナコさん?」

    「……あ!? い、いえ、その…………私も…………ナンデモナイデスゴメンナサイ」

    こ、声が小さすぎて聞き取れなかった。まあハナコさん自身なんでもないって言うならそこまで重要なことではないんでしょう、きっと。ものすごい早口だったけど。

    【ハナコ……】

    先生が額に手を当てて首を横に振っていたのが印象的だった。

  • 18124/10/06(日) 16:22:21

    さて。身から出た錆とはいえ、一次試験までそこまで時間がない。パラパラと試験範囲を確認した限りでは、内容はかなり基礎的なものに留まっていて、応用が必要な部分がほとんどない。これなら、出席さえできれば私が点数を落とすことはないと見ていいだろう。
    ヒフミ先輩は問題なさそうだし、ハナコさんは言わずもがな。なら残るは……

    「コハル。ここを教えてほしい」

    「えーと、ここはね……」

    アズサだ。最近転校してきたばかりという話の通り、アズサの学習レベルはまだトリニティのものに追いついていなかった。基礎的な内容で躓いている辺り、前の学校の学習内容が気になるところではあるんだけど……このキヴォトスで転校してくるってかなりのレアケースだから、下手に突っつくのはマズイわよね。

    「――教科書ではこう書かれているんだけど、もっと簡単な証明方法があって……」

    「うん」

    アズサの試験は一年生のものを使うこともあり、自然と同じ試験を受ける私がアズサに対して教えるようになった。これに関しては問題ない。元々テスト前になると委員会の子たちに泣きつかれてたから。なんなら、むしろ人数が減ってる分やりやすいまである。アズサも向上心が凄くて、覚える速度も速いから、教えていて楽しい。

    ただ問題が一つ。



    「……」



    なんかさっきからすごい見られてる。
    ハナコさんが自分の学習をやりつつ、すごい頻度でチラチラ見てくる。あ、あのー。隣のヒフミさんが苦笑してるわよ? 全然気づいてないみたいだけど……。

  • 19124/10/06(日) 16:23:19

    「ハナコ、どうした? コハルが来るまで、私に勉強を教えてくれていたことには感謝しているが」

    「あ、やっぱりそうだったんだ。あの。ハナコさん? どうかしましたか?」

    「……え!? あ、ご、ごめんなさっ! その……」

    ハナコさんは挙動不審になりながらも、おずおずと近づいてきた。すんごいビクビクしてる。肉食獣に近づいてるわけでもないのに、何を怖がってるんだろう? 私なんかやっちゃったかしら……?

    「……こ、これを……教えて欲しくて……」

    ハナコさんは手を震わせながら、握りしめたテストの問題文を指し示してきた。うわ、手汗すっごい。というか、え!?

    「わ、私がハナコさんに教えるんですか?」

    「……あ。だ、駄目でした……でしょうか。いや駄目ですよねよく考えれば二年生が1年生になんてそんなすいませんでしたごめんなさい帰りますスミマセンデシタ……」

    「あああちょっと待ってハナコさん!」

    ものすごいシナッシナになりつつ席に戻ろうとしたハナコさんを呼び止める。なんか放っといたら干からびるんじゃないかってくらい
    どんよりしてる……!

    「だ、大丈夫です! ハナコさん頭良さそうだし、アズサにも教えていたらしいから、ちょっとびっくりしちゃっただけで。全然教えますよ。どこがわからないんですか?」

    「あ……その……ここ、です」

    「ここは確か……」

    ハナコさんが見せてきたのは二年生の内容だったけれど、幸い私は一学年上の内容までは学習を進めていたから、問題文を理解することができた。まさか体を動かせないからって時間つぶしにやってた勉強が、ここで役に立つとはね……。
    ていうかこの問題、なんか一回解いた後消したみたいな跡が残ってるように見えるんだけど、気のせいかな?

  • 20124/10/06(日) 16:24:06

    「――というわけで、ここの答えはこうなります。お力には成れましたか?」

    「あ、ありがとう、ございます。……っ! コ、コハル!……さんっ!」

    「ひゃいっ!?」

    突然ハナコさんが大きな声で私を呼んできた。び、びっくりしたー。これくらいで発作は起こさないけれど、心臓に悪いからできればやめてほしい。

    「ぁ、スミマセ……。え、ええと。その……私!」

    「ハナコ、落ち着いて。コハルはそう急かしたりはしない」

    「あ、あはは……ハナコさん、深呼吸しましょう。深呼吸ー」

    見かねたのか、アズサとヒフミ先輩が助け舟を出してくれた。

    「し、深呼吸。そうですよね、深呼吸……ヒッヒッフー、ヒッヒッフー」

    【ハナコ、それ違うやつ】

    何故かラマーズ法をやり始めたハナコさんに対し先生からツッコミが飛んだ。
    ハナコさん、あなた出産するわけじゃないでしょ……。

    「ご、ごめんなさい……ゴホン。失礼しました。あ、あの、コハル……さん」

    「はい、どうしました?」

    「その……。わ、私も! スゥーッ……と、とと、友達! なので! ……コハル"ちゃん"とお呼びしても……ヨロシイデショウカ……」

    どもりまくってたし、最後の方なんかは小声と早口で消えかけてたけど、それでも何を言いたいかはよくわかった。なーんだ、そんなことだったの。

  • 21124/10/06(日) 16:24:31

    「全然いいですよ。遠慮せずに呼んでください」

    「……いいんですか?」

    「? いいですよ?」

    しばらく動きを止めたハナコさんは……突然拳を天に突き上げて、やり遂げた表情で固まった。

    「――わが生涯に一片の悔い無し」



    「ヒフミ、ハナコは何をやっているんだ?」

    「あ、あはは……」

    【ハナコ……嬉しかったんだね】

    「えーと、よくわからないけれど――ふふ。ハナコさんって、面白くて可愛い人ですね」

    尚、正気に戻ったハナコさんが窓から飛び降りようとするのを止めるのが大変だったことをここに綴っておく。いくらキヴォトス人でもここから飛び降りたら結構なダメージ喰らっちゃうってハナコさん! 救護騎士団の人も困っちゃうから!

    そんな感じで毎日放課後に補修をした数日後……いよいよ、一次試験当日の朝を迎えた。

  • 22124/10/06(日) 16:28:26

    ひぃん今日はここまでだよー
    ハナコがかなりキャラ崩壊してるけど、生まれて初めて友だちができて舞い上がってるだけだよー

    ちなみにこの状態はコハルが絡んだ時だけだよ―

    次は一次試験……体にデバフかかってる分学力にバフされてるコハル、もともと成績優秀なヒフミ、飲み込みの早いアズサ、言わずもがななハナコ……ひぃん安心だねーお風呂入ってくるよー
    明日から普通にお仕事だから、日中と巻込み規制される深夜帯は保守できないよー
    申し訳ないけどどなたか保守よろしくねー

  • 23二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 19:22:38

    最初っからずっとハナコが可愛くてもう…

  • 24二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 20:04:20

    ここのコハルの体調的に難しいとは思うが…夏イベなんて起こったらハナコ比喩抜きで本当に死ぬのでは?
    なんだろう、色々楽しみ過ぎる

  • 25二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 20:05:26

    最近ハナコがテンパるスレが増えてきて嬉しいね…

    本編と比べてアズサに集中的に頑張ってもらう必要はあるけど試験に関しては本編以上に安定して迎えられるしコハルの体調管理に気を付けさえすれば沢山青春出来る時間も増えるしだけど、ハナコがこれ以上とない青春チャンスに本編以上に良い意味で精神が安定しないからハチャメチャな日常になりそうだ…

  • 26二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 20:14:35

    なんすか?ハナコは童貞だと言いたいんすか?
    いいぞもっとやれ!!!

  • 27124/10/06(日) 20:18:35

    ひぃん変な時間にあげちゃったからか反応がすくないよー
    というか次スレに移ったことすら知らない人もいそうだよ―
    というわけでageついでにちょっとした短編を出すよ―

    って言おうとしたら結構反応ついてたよ―ありがとねー
    せっかく書いたから短編は投げておくよ―本編で一回しか言及されてないあの人の話だよ―
    一時間クオリティだけどよろしくねー

  • 28124/10/06(日) 20:18:58

    トリニティの古書館は薄暗い。希少な本の劣化を避けるため、常に照明の光が絞られているためだ。
    大きな本棚に詰め込まれた本の数々。そのどれもが、トリニティの歴史的に貴重な資料となっており、一般の閲覧には制限がかかっているものも多い。
    そんな本に囲まれた空間の一角。どういう用途で使うのか想像もつかない道具がいくつも置かれた作業机の上に、一冊の本を広げる少女が一人。

    「……ふぅ。こんなものですかね」

    誰ともなく独り言を吐き、息をついて椅子にもたれかかる、丸メガネをかけた少女。目線の先にある本は、新品同然。しかし、つい数日前まではボロボロにやつれた状態であった。

    「この子はこれで大丈夫。……しかし、思ったより時間を食いましたね。今何時でしょうか」

    まるで我が子を愛でるように、愛おしげに本の表紙をさする少女の名は、古関ウイ。
    『古書館の魔術師』の異名を持つ、書物修繕のエキスパートにして、図書委員会委員長であった。



    「あー。もう朝でしたか……ここにいると時間間隔が狂ってしまいますね。いつものことですが」

    作業机に置かれた、古書館のイメージにはそぐわないデジタル時計を眺めながら、ウイは独り言葉を紡ぐ。性格と役職の関係上、ほとんど外との関係を絶っているウイは、こうして独り言をつぶやく癖があった。

    「しかし、今日は……そうですか。あの人の試験日ですね……」

    どっこいしょと声を上げて重たい腰を持ち上げたウイは、そのまま歩いて壁際に向かう。本棚の間に隠れるように設置された、小さな化粧台。ウイ自身はまず買わないような、縁のない代物を見つめていると、鏡に写った自分が笑いかけてくる。

    「まあ、貴方なら大丈夫でしょう。コハルさん」

    そう独白しながら、化粧台の縁をなぞり、一人の少女の姿を脳裏に思い浮かべる。あの日のことは、いつでも思い出すことができた。

  • 29124/10/06(日) 20:19:52

    「うへぇあ……」

    炎天下。トリニティの市街地。……からちょっと外れた、小さな広場のベンチにて、干物が一匹天日干しされていた。

    「し、失敗しました……日傘を置いてくるなんて……古本市の会場が地下にあるとはいえ、なんて無様を……」

    干物改め古関ウイは、古本市のために滅多にしない外出を行っていた。もともと尋常じゃない本好きが高じて図書委員会の委員長にまでなった身である。希少な本があるかもしれないため、トリニティの古本市にはいつも重たい腰を上げていたのだが。
    この夏の炎天下の中、まさかの日傘を忘れるというポカをやらかした。気づいたときには最寄りの駅についてしまっていたため、会場までは気合いで向かったのだが、帰りのことはまるで考えていなかったのである。
    結果、夏の日差しの暴力に敗北し、こうして木陰にあるベンチで休んでいるのであった。

    しかし暑い。体感温度では40度を超えているのではないだろうか。まあ流石にそんなはずはないだろうが。

    「こんな暑い日にわざわざ外出する、『外』の人たちの気がしれませんね……」

    今まさに外出している自分のことは棚上げして毒を吐くウイ。彼女はその性格から、他者に対して壁を作るタイプの人間だった。人との関係なんて煩わしい、本さえあればそれでいい。
    そうやって、他者に理解されることを諦めて生きてきたのだ。

    「それにしても、郊外の外れにあるとはいえ、割と人がいますね……ん?」

    あたりを見回すと、何人かの子どもが炎天下の中遊び回っている。子供の体力はすごいですね……と思いながら隣のベンチを見ると、一人の少女が本を読んでいるのが見えた。

  • 30124/10/06(日) 20:20:30

    あの制服は、正義実現委員会だろうか。特有の黒い制服に身を包んだ、おそらく身長150もないだろう小柄な少女。珍しいことに、腰の他に頭にも翼が生えているようで、ピンクの髪に紛れて黒い羽が時折羽ばたいている。ベンチに座っているせいで余計に小さく見えてしまうその膝の上に、一冊の本が広げられていた。その隣にはまた別の本が広げられている。あれは……古代語の辞書か? 興味を持ったウイはつい少女の本を覗き込んでしまう。少女は集中しているのか、ウイに気づいた様子はない。

    「……『変身物語』?」

    「え?」

    「あ……」

    つい言葉に出してしまったウイに、少女が気づいて振り向いた。

    「へぁあ! す、すいません……急に声をかけてしまって。知っているタイトルの子だったのでつい……すぐ離れますので、あとはご自由に……」

    「あ、ま、待ってください!」

    すぐさま踵を返し、古本市で入手した子たちを抱えて去ろうとしたウイを少女が呼び止めた。その手には先ほどまで読まれていた古代語の名著『変身物語』。

    「もしかして、この本。読んだ経験がお有りなんですか?」

    「……へ? あ、はい……多少は……」

    これが、古関ウイと少女――下江コハルの出会いだった。

  • 31124/10/06(日) 20:20:57

    「……たまには、外出してみるのもいいものですね」

    くすっと笑いながら、ウイは化粧台を見つめる。

    「ウイ先輩はもっとお体を大事にしないと。せっかく健康な体に生まれたんだから、せめて髪くらいは整えて上げてください」

    そう言って彼女が譲ってきた化粧台は、小さいがしっかりした作りのもので、彼女の体の事情を考えるといくらウイでも断りきれず貰ってしまった代物である。そう使わないだろうと当所は思っていたが……気づけば毎日鏡を見てしまうほどに、ウイはこれを気に入っていた。

    「彼女が借りた本は……確か、明日が返却期限でしたね」

    しっかりした彼女のことだ。おそらく今日、体調がよければ試験が終わった後に返しに来るだろう。基本的に古書館から出ることのないウイにとって、コハルに会える数少ないチャンスだ。
    しかし……鏡に写ったウイは眉をひそめている。

    「解せないのはティーパーティー……。規則とはいえ、いきなり補習授業部にコハルさんを放り込むとは、どういう了見なのか……」

    下江コハルは先日の試験を体調不良で欠席した。その結果試験は無得点となった。ここまではいい。彼女の状態では体調をコントロールしきるのは至難の業だし、無得点扱いは規則でそうなっている以上仕方のないことだ。

    だが、それでいきなり補習授業部に突っ込まれるのはわけがわからない。噂のシャーレの権限が混ざっているとはいえ、強引にもほどがある。
    知った時には心配で、滅多にしない電話までかけてしまった。本人は「仕方のないことですから……」と納得した様子だったが、ウイは違う。

    「あまり上のゴタゴタには首を突っ込みたくないのですが……少し探りを入れてみますか」

    補習授業部に入れられた本人をよそに、トリニティの水面下では、既に暗闘が始まりかけていた。

  • 32二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 20:31:43

    ナギサの胃が本格的に心配になってきたぞ

  • 33二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 22:25:31

    セイなる手榴弾はそのままなのかなぁ
    そのままだとしても中々披露する場面は訪れなさそうだが…

  • 34二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 22:44:49

    >>26

    童貞ハナコとか普段えっちな格好したり露出したりセクハラしたりしてるのにいざコハルがこっそりえっちな本読んでるの目撃したら、初めての心から信頼できる友人へ対応を失敗してしまったら病弱すぎてまた倒れてしまうかもしれないって無駄に考えすぎてしまうし、なんならまさかの自分と似た様な人間と知ってもやっぱり距離置かれたり軽蔑されるかもって失敗が怖くてどう切り出せばいいか分からなくて日々悶々しているハナコになっちゃうじゃないですかー!


    あーさいこう

  • 35二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 07:12:26

    >>34

    素晴らしい

  • 36二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 16:24:38

    ウイが他の人のために自ら動き始めるという稀有な例

  • 37二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 16:30:43

    ナギサ様色々と大丈夫かなぁこれ……
    いやまあだいぶだいじょばないんだけども……

  • 38124/10/07(月) 19:49:58

    ひぃん今日は筆の乗りが悪いのと、単に仕事で疲れたから更新はないよー
    申し訳ないけど続きはゆっくり待っててねー

  • 39二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 20:32:29

    善良な読者はいつでも全裸待機だから平気平気

  • 40二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 21:19:20

    >>39

    寒くなってきたから全裸だと風邪ひくぞ、ほらこれでもつけな

    っネクタイ

  • 41二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 21:51:58

    靴下とかもいります?夜は冷えますよ

  • 42二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 22:36:17

    ありがてぇ…ありがてぇ…これだけの温かさならこれから寒くなる時期の夜のマラソンも余裕だわ…

  • 43二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 23:19:16

    裸ネクタイ靴下でマラソンとかハナコでもしないぞ

  • 44二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 08:19:22

    保守

  • 45124/10/08(火) 18:26:17

    「ぅ……ん……」

    ベッドの上で僅かに身動ぎする。生まれてからこの方付き合い続けているこの体は、今日も今日とて調子が上がらないようだ。それでも重たい体に鞭を打って、四苦八苦しながらも起き上がる。

    「……なんか、変な夢をみてた気がする」

    内容は……なんだっただろうか。何か……狐とお喋りしてたような……。思い出そうとしても、霞のように消えていく夢の残滓をかき集めようとして目をつむり……やがて諦めて頭を振った。

    調子が良くない時につきものの、普段より高めの体温。
    いつも通りの朝の支度。今日は大事な日なので、いつもより多めに薬を持っていく。

    「一次試験……倒れないようにだけはしないと……」

    一度。ただ一度だけ、試験の日に倒れたことがある。
    その日は月のものが重なっていたこともあり、体調は朝から最悪だった。それでも大事な試験だったので、薬を使って体を宥めすかして誤魔化して、試験を受けた。
    その結果、試験が終了した直後。安堵して溜め込んでいた不調がすべて噴出したのか、答案が回収され、席を立とうとした瞬間意識を失って崩れ落ちてしまったのだ。その後は高熱を出して一週間ほどベッドの住人となっていた。
    私が倒れた時相当な騒ぎになったと後に聞いている。さぞや迷惑になっただろう。同じ轍を踏むわけにはいかない。

  • 46124/10/08(火) 18:27:26

    それに、今日は本を返しに行かなくちゃだしね。
    カバンの中に収められた、一冊の本の表紙を撫でる。図書委員会のとある"先輩"にオススメされた本は、ハナコさんとの一件で倒れた後の数日間、無聊の慰めになってくれた。

    「やっぱりシミコ先輩のオススメは面白いわね」

    本人が聞いたら「同級生! 同級生ですからもう"先輩"呼びはやめてください……初対面のことは謝りますから」とまた言ってきそうだな、なんて考えて、思わず小さな笑みがこぼれた。

    それにしても、今日はやけに静かだ。アイリではなくあの子が迎えに来る日は、いつも割と――あの子にしては大人しいとは言え、騒がしいと言うのに。
    そろそろ時間になるが一向に現れない待ち人に、不思議に思った私は一度外の様子を確認しようと玄関へ向かった。

    「……」

    「――」

    玄関口から、なにやら静かに会話する声が聞こえてくる。内容までは聞き取れないが、どちらの声にも聞き覚えがあった。
    この声は、もしかして――

    思い切って扉を開けてみる。朝の日差しに照らされて、二人の人影が鮮明に映し出された。
    片方はここ数日一緒に補習を受けた、もっとも印象深い人物。もう片方は待ち人その人。星型の光輪(ヘイロー)が印象的な、トリニティの自称スーパースター。

    「レイサに……ハナコさん?」

    「――あ、コハルさ「おはようございます。コハルさん」」

    ハナコさんの声を遮るように、されどいつもより心なしかテンションの落ち着いた声が、私の耳に届いた。

  • 47124/10/08(火) 18:28:45

    時は少し遡る。コハルが夢から覚めて朝の準備をしている間の話である。



    コハルちゃんが住んでいる寮の部屋。その玄関前で、右往左往するピンクの影が一つ。インターホンに指を向けては引っ込めるその姿は、まさしく不審者そのもの。なのだが……

    (……どうしましょう)

    ――それこそが私、浦和ハナコである。今日は一次試験当日。コハルちゃんの体調が心配で、つい様子を見に来てしまったのだが……

    結論から言おう。早すぎた。

    時計の針はまだ朝の6時前を指していて、とてもじゃないがコハルちゃんが起きているとは思えない。
    そもそも、コハルちゃんの寮の部屋は一方的に知っているだけで、お呼ばれしているわけでもなければ、本人に教えられたわけでもない。今まで得てきた情報から推測して、確信を得たので向かったらどんぴしゃり、というだけの話だ。それが問題なのだが。
    今の私はさしずめ、人の家の玄関口で朝早くからウロウロしている不審人物……最早ストーカーだ。どう考えても正義実現委員会が呼ばれる案件である。しかもその家が、正義実現委員会の子の家なら尚更だ。

    (本当、どうしちゃったんでしょう。私……)

    今までは当然だが、こんな犯罪染みた真似はしなかった。これでも清楚でお淑やかな天才として通っていたのだ。……露出? あれは自然体でいただけなのでカウントしない。

  • 48124/10/08(火) 18:29:28

    だと言うのに……コハルちゃん。彼女が絡むだけで、今までの自分からは考えられないくらいに感情が溢れて止まらない。常からは考えられない行動に出てしまう。

    コハルちゃんとお喋りしたい。他愛もない話をしたい。学のある話を共有したい。行動を共にしたい。一緒にバカなことをしたり、あるいはバカをやって窘められたい。困惑した顔を見たい。猥談を振られて焦った顔がまた見たい。体調が悪い時は介抱してあげたい。苦しんでいる時は今度こそ助けてあげたい。
    ――ずっと、私のそばで笑っていてほしい。

    だって彼女は、初めて手に入れた、私の大切な……

    「おはようございます!」

    「ヒョッ!」

    自分の世界に浸っていたところに突然後ろから大きな――早朝だからか声量が絞られてはいるが、それでも十分に大きな声をかけられて、私は思わず変な声を出してしまった。なんだ、ヒョッって。
    早朝とはいえ、誰が見ているか分からない時間に周囲の把握を怠るなんて、やはり最近の私はおかしくなっている。猛省せねば。
    自省しながらも「あら、おはようございます」と居住まいを正して返事をし、振り返ると、そこには面識のない生徒が立っていた。

    トリニティの標準的な制服の上に上着を重ねた、小柄な少女だ。身長はコハルちゃんよりちょっと高い程度だろうか。特徴的なのは、薄い紫と水色の入り混じった髪色と、その頭上の光輪。二重に重なった星マークのようなそれは、まるで本人の笑顔に合わせているかのようにピカピカと輝いている。

    ……ふむ。一度見たら忘れられない風貌なだけに、今まで一度も会ったことはないと見ていいだろう。トリニティはキヴォトスでも屈指のマンモス校だから、それ自体は不思議なことじゃない。制服を見る限り、正義実現委員会でもティーパーティーでもないようだ。もちろんシスターフッドでも救護騎士団でもない。となると政治中枢とは関係ない一般生徒だろうか。

  • 49124/10/08(火) 18:31:28

    「はじめまして! 私は自警団所属の一年生にして、トリニティのスーパースター! 宇沢レイサと申します!」

    そう言って彼女……宇沢レイサさんは頭をしっかり90度ほど下げた後、こちらに近づいてくる。時間帯に配慮してか、小声で元気に挨拶するという器用なことをしているが、それでもなかなかな元気さだ。この分だと普段はさぞや元気いっぱいなのだろう。ここまで目立つ子だと多少"噂話"に出てきてもおかしくはないが、聞いたことがないあたり、やはり派閥とは関係のない一般生徒の可能性が高い。自警団という組織がトリニティにおいて極めて異質な組織形態をしているため、団員の話がほとんど出回らないということもあるが。

    「ええ、はじめまして。私は「浦和ハナコさん。ですね?」!」

    ……なぜ私の名前を? いや、トリニティの一年生と言っていた。つまりはコハルちゃんと同学年だ。コハルちゃんはどうやらかなりの人脈を持つようで、交友関係が幅広いようだし、所属組織等も気にしない子のようだから、自警団の彼女とも友人関係だとしてもおかしくはない。
    コハルちゃんから私について話を聞いていたとしたら、今ここで私が誰なのかわかったのも辻褄が合う。

    「ああ、すみません! そんなに警戒しないでください! コハルさんから新しい友人ができたとお話を聞いていまして……私も会いたいなと思っていました! まさかここで会えるとは思いませんでしたが、ちょうどよかったです」

    宇沢さんはわたわたとオーバーなリアクションを取りながら私の直ぐ側まで近寄ってきた。ビンゴ。やはりコハルちゃんのお友達だったようだ。コハルちゃんから宇沢さんにどんな内容の話がされたのかは、今まで彼女の前で行った奇行の数々を考えると正直想像したくはないが。せめて少しはまともな情報であってほしい……?

    ……ちょっと待て。出鼻をくじかれたせいで気づかなかったが、距離が近すぎやしないか?

  • 50124/10/08(火) 18:36:52

    自然な流れで懐にまで踏み込まれたことに私が気づいたのと、至近距離まで入り込んだ宇沢さんが口を開くのは同じタイミングだった。



    「ハナコさんとは一度お話をしたいと思っていたんです――コハルさんの、先日の発作について」



    宇沢さんの真っ直ぐな眼光が私を貫く。私は返す言葉を持たず、代わりにヒュッと言う音だけが口から漏れた。
    何故か、宇沢さんがスリングを介して下げている散弾銃がやけに目についた。





    宇沢はね、ただ五月蝿いだけの生徒として書いちゃあだめなんだ。むしろあのテンションの高さは自警団として活動するとき限定で、普段はすごく気遣い屋で遠慮がちで……
    そんな宇沢が初対面のハナコに対してそういう態度を取るってことは……

    ひぃんそんなことを孤独なグルメしてるサラリーマンが言ってたよー
    宇沢推しの人はいろいろ言いたいことはあると思うけど待て次回だよー
    そんなこと言ってるけどまだ次回のじの字もできてないよ―ごめんねー

  • 51二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 19:54:02

    これは誤解が解けるまで会う人全てから嫌疑をかけられる奴だ

    それはそうとついにこのスレも業者から動画化されちゃったな…
    SSメインだから上から下にコピペして音声付けるだけだろうから大丈夫だろうけど、いつもの下手な編集の動画になって無ければいいな…

  • 52二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 21:35:35

    うぉっ…ハナコの受難はまだ続くか…

  • 53二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 01:43:54

    勝手に遠ざけたりするのは良くないけれど直接話をするくらいはね
    試練であり自戒の機会であり新しい友人を得るチャンスでもある

  • 54二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 03:03:24

    大丈夫?ちゃんとナギサ様の脳を粉々に破壊するときまで自分の脳無事で居られるハナコ?
    自身のキチゲ解放が切っ掛けで将来的にはじめての友達になる人物◯しかけたトラウマ突かれ尽くしてグズグズになり続けない?

    優しさこそあれ貴重な親友以外に素直になれない女の子が
    本来より早めに親友を手に入れてぽわぽわになってる姿は可愛いが
    曇らせと表裏一体ゆえの恐怖

  • 55二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 03:39:37

    それもこれもハナコがちょっと頭が良かったせいで、なんか勝手に取り巻きが生まれたり色んなお偉いさんが目を付けてハナコの精神を蝕んだりしたせいなんだ…

    本心を隠して青春を諦めていたら突然病弱な子に出会って傷つけてしまったのにめっちゃ良い子過ぎた子のパーフェクトコミュニケーションによってハナコからの好感度100%になったけど、なにせ青春の過ごし方や友人とのやり方を知らないせいで全てが空回りになっているだけなんだ…

    そう考えると極論でもあるけどやっぱりトリニティの在り方が悪いよ…

  • 56二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 08:00:58

    ハナコ…

  • 57二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 08:05:14

    大丈夫?本編通りあはは……をナギサ様にぶつけるとして
    脳内でコハルにそれを言われる変換起こして自爆技にならない?なんならナギサ様よりダメージ食らったりしない?

  • 58二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 17:42:54

    >>57

    「あはは…以下略」

    「……!?」

    いつものように撃たれるナギサ様


    …コハル達との合流するための道中…


    「良かったのか?相当ショックを受けていたようだけど?」

    「…大切な友達を侮辱されたのは許せないので…」

    「そうか。でも、わたしも皆から同じこと言われたら辛いな…」


    同じことを言われたら……?


    同じ事…同じ事を…


    『あはは……えっと、それなりに楽しかったよ。ハナコさんとのお友達ごっこ』

    ガタンバタンドテン!!


    「ハナコ!?どうしたハナコ!しっかりするんだ!」

    「…ゴメンナサイコハルチャンキラワナイデ……」


    って事ですか分かります

  • 59二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 19:43:22

    あわれハナコ、脳内シミュレーション余裕の頭脳があったためにこんなことに

  • 60124/10/09(水) 20:03:41

    ひぃん動画化されてると聞いて調べてみたらほんとに動画になってたよ―
    こんなときどんな顔すればいいか謎だよ―
    まあ問題が起きたとき巻き込まないでくれたらモーマンタイだよー

    あ、今レイサとハナコのやりとりに苦戦中だから今日は更新ないよーごめんねー

  • 61二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 20:07:06

    大丈夫ですよ
    善良の読者は流れないよう保守代わりに感想たくさん書いて待つから!

  • 62二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 20:32:33

    荒廃だけは阻止します

  • 63二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 20:38:18

    今1スレ目から見てきたけどハナコのコハルへの態度が好きな子の前では普段通りの話し方ができない童貞のそれで見ててニヤニヤしてたわ。

  • 64二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 23:57:49

  • 65二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 01:01:07

    レイサ推しだからここ最近で一番ワクワクしながら待ってる。
    ここのレイサはどんなふうになるんだろう……

  • 66二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 08:08:54

    ほし

  • 67二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 09:00:03

    すごい今更だけどエデン3章終わったあとにコハルがまた補習授業部に配属されたときは補習される側ではなく教える側になると信じたい

  • 68二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 09:05:45

    ここのコハル、不定期的とはいえぶっ倒れてはベッド生活を繰り返してるせいで、体重はかなり軽そうなイメージ。
    体重40kgあるかないかぐらい

  • 69二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 18:04:35

    ho

  • 70二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 18:18:09

    本来はジャスティス・ブラックをメイン銃として所持しているけど、小柄なのと体の弱さのせいで仮に銃撃戦をしなければならない時はハンドガンや反動の少ない銃で応戦するんだろうな
    それでも1発1発が大変だから主に射撃訓練でしか撃っていなさそうだけど、それも少なくとも1人は必ず付き添う補佐付きで

  • 71二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 18:20:16

    >>70

    それでコハルの様子がおかしかったら即中止か。


    マジでやってそう

  • 72124/10/10(木) 20:05:33

    今にして思えば、少し考えれば予測できることではあった。
    虚弱なあの体に、社交的なあの性格だ。私と違って交友関係が幅広いのだから、私よりもずっとコハルちゃんを大切に思っている友人の方がいることなど、自明の理だった。

    これまで周囲の人間の評価など、そのへんの石ころと大差ないものだったのに。どうしてだろう。今ではコハルちゃんの関係者というだけで、接するのに筆舌しがたい恐怖を覚えている。正直言って逃げたい。できることならこの場から立ち去りたい。



    でも、これは私の罪だから。



    今後もコハルちゃんと……私の唯一の友だちと関わり続けるならば、ここで逃げては絶対に駄目だ。確かに今の状況は怖い。が、ここで逃げだしてコハルちゃんと今後関われなくなる方がもっと怖い。ここで逃げたら、もうコハルちゃんの友だちを名乗れなくなる。それだけは、嫌だ。
    情けなく震える素の自分を仮面の下に押し込めて、私は宇沢さんの目を見返した。

    「先日のコハルちゃんの発作については、確かに私の罪で、私に責任があります。言い訳はしません。私の浅慮が、彼女を傷つけたのは事実ですから……「……あー、えっと、すみません。別にハナコさんを糾弾したいわけではないんです」償えるならばなんでも……はい?」

    予想から大幅にズレた返事に、私は目を丸くした。

  • 73124/10/10(木) 20:07:01

    「あー、やっぱりそう思っちゃいます、よね……勘違いさせてごめんなさい。浦和ハナコさん、貴方を責めるような話をしたいわけではないんです。むしろ、フォローしに来たと言うか……」

    とはいえ、急にこんな事言ったって信じてもらえるわけないですよね……距離の詰め方も強引すぎましたし。宇沢さんは自嘲した笑みを浮かべながら、言葉を続ける。

    「ん―どうしましょう。どうしたら誠意が伝わるでしょうか……そうだ!」

    その目が自身の肩にスリングで引っ掛けていた愛銃に向かった時、彼女は何か思いついたようで、いそいそと肩からスリングを外し、愛銃を手に取った。

    「えーい!」

    そして、気の抜けた掛け声と共に、その手の愛銃を遠くへ放り捨てた。カラカラン! と軽い音を立てて、宇沢さんの銃が手の届かないところへ落ちる。

    「う、宇沢さん?」

    「……。――これで! 私は丸腰です!」

    とても丸腰とは思えない堂々とした様子で、宇沢さんはそう言い放った。
    その声の大きさは、自棄になったのか……それとも、こちらを安心させるためか。

    「銃を持ってるハナコさんには、これでもう抵抗できません! なんなら体格で負けてますから、普通に力で来られたらなす術ないかもしれません! 今なら逃げるも攻めるも好き放題できますね!」

    ――これで、信じていただけましたか?

    宇沢さんは、どこか縋るような目で私に問いかけた。

    この超がつく銃社会であるキヴォトスにおいて、初対面の人間相手に愛銃を捨てるのは、よほどの覚悟がなければできない行為だ。なにせ、銃を持たずに行動するなど、全裸で外を歩き回るに等しい行いなのだから。にも関わらず、宇沢さんは私の目の前で丸腰になってみせた。

    「信じます。銃は拾っていただいて結構ですよ。お話は、それからにしましょう」

    いくら私でも、これを信じないのは人間不信を超えている。

  • 74124/10/10(木) 20:07:45

    「実を言いますと、コハルさんから大体の話は聞いているんです」

    銃を拾い直した宇沢さんは、落ち着いた様子で語りかけてきた。

    「ハナコさんが、その、あまり口では言えないことをして、コハルさんを興奮させたこと。それが、コハルさんの発作に繋がったと。コハルさんは割と自罰的なところがある人なので、発作を起こしたのは自制が足りなかったからだと言っていましたが……貴方は、そうは思っていない。違いますか? ハナコさん」

    「……ええ。その通りです。私の軽挙妄動さが、コハルちゃんの命を危機に追いやりました。全ての責任は私にあります」

    「……やっぱり。ハナコさん、貴方は今も後悔し続けているんですね」

    「それはそうでしょう。もし過去に戻れるならば、あの日の私を張り倒している程度には後悔しています」

    もしも、一瞬でも人生を戻ってやり直せるとするならば、私は真っ先にあの時へ戻って過去の自分を止めるだろう。

    「私が話したかったのはそこなんです」

    宇沢さんは心配そうな表情でそう言った。……心配そう? 誰を?

  • 75124/10/10(木) 20:08:45

    「コハルさんに発作を起こさせてしまったこと。確かに、ハナコさんの行動が原因かもしれません。でも、それが全てではないはずです。強いて言うなら、間が悪かっただけ……もちろんコハルさんは悪くないです。が、ハナコさんが全部悪いわけでもないと、この前コハルさんから話を聞いて思いました。ハナコさんと話をしたかったのは、今回の件で、ハナコさんが責任を感じて自分を追い詰めているんじゃないかと、勝手に心配になったからなんです。……会ったこともないのに、何をと思うかもしれませんが」

    「……いえ、あのコハルちゃんの友だちならば、納得できます。過分なお言葉ありがとうございます」

    そう返しながらも、私の心には暗雲が渦巻いていた。
    宇沢さんは優しい人だ。コハルちゃんを傷つけた、見ず知らずの私に対してここまで親身になって話をしようとしてくれるのは。あのコハルちゃんの友人なだけはある。おせっかいだと思う人はいるかも知れないが、少なくとも私はそうは思わない。けれど……

    「ですが、やはり私に責任があるのは事実なんです。そもそも、初対面の人間に猥談を仕掛けることが非常識なのは当然として。……コハルちゃんが反応してくれるのをいいことに、調子に乗って……それでも、コハルちゃんはこんな私に友だちになって欲しいと言ってくれましたが……正直、私如きがあの子の友だちでいていいものかと、今も思っています」

    「気持ちはわかります。私も、昔同じ思いをしましたから」

    「そうですか、同じ……今、なんと?」

    聞き流しそうになった言葉に引っかかりを覚え、思わず素で反応を返してしまった。それに対して宇沢さんは、第一印象からはかけ離れた儚い笑みを浮かべて続けた。

  • 76124/10/10(木) 20:11:02

    「私も昔、今のハナコさんと同じ思いをしていた時期があります。流石に猥談はしていませんが。ハナコさんのことが心配になったのも、それが理由なんです。……貴方と同じく、以前、私もコハルさんに――」

    宇沢さんが胸の内を明かしかけていた、その時。
    すぐ近くにあった扉がゆっくりと開いていき、中から私たち二人にとってかけがえのない人物が現れた。

    「レイサに……ハナコさん?」

    「――あ、コハルさ「おはようございます。コハルさん」

    困惑気味に話しかけてきた、どこかしんどそうなコハルちゃんに対し、思わず前の呼び名で呼ぼうとしてしまった私に被せるように、宇沢さんが落ち着いて挨拶を返した。

    ま た あ と で

    そんな言葉を、音に出さず口の動きだけで私に伝えながら。

  • 77124/10/10(木) 20:15:32

    かつてハナコと同じ思いをしたというレイサ……一体全体どういうことなのか。ヒント:キャスパリーグ

    ひぃんこれが明かされるのはちょっと先だよ―
    進行が遅くて申し訳ないけど付き合える人だけ付き合ってね―

    【お知らせ】

    早速で申し訳ないけれど、明日は一日忙しくて、明後日と明々後日、つまり12〜13日の間は私用で電波の届かないところに行くから更新も保守もできないよー
    その間暇な人はスレを落とさないようにしてくれるとありがたいよー

  • 78二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 20:29:06

    まぁやっぱりだけどキャスパリーグ関連だったか

    小説の更新いつでも待ってます!

  • 79二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 23:11:26

    >>77

    任せとけ

  • 80二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 23:43:51

    >>76

    ・・・ん?"しんどそう"・・・?

  • 81二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 23:47:18

    ナギサ様がコハルを補習授業部送りにしたのはこの人望と言うか顔の広さも理由にありそう
    どっかでゲヘナ生とも縁ができてるかもしれないし……

  • 82二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 06:45:57

    早めに!

  • 83二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 12:28:46

    >>77

    背後から大声で呼びかけたのかな?

  • 84二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 13:48:41

    挑戦状を!受けと(発作)っ…て…か
    胸が熱くなるな…

  • 85124/10/11(金) 21:15:47

    「おはようレイサ。今日はちょっと遅かったね……どうしたの? ハナコさんもこんなに朝早くからどうされました?」

    「ご、ごめんなさい! ちょっとそこでハナコさんに初めてお会いしまして、つい世間話なんかして盛り上がっちゃいまして……ね? ハナコさん……ハナコさん?」

    「……」

    さっきまで話題の中心だったコハルちゃんがいきなり現れたことで、私の精神の均衡は今にも崩れ去りそうだった。目を逸らしたいがために、今のコハルちゃんの状態について考えている私がいる。
    ……気のせいだろうか。扉を開けた瞬間のコハルちゃん、少しばかり辛そうに見えたのだが。
    でも受け答えはしっかりしているし……手すりを掴んだままなのが少し気になるが。

    「……? ハナコさん?」

    「……! あー、立ち話もなんですし。コハルさんの準備ができているならもう校舎に向かいましょうか。と、その前にちょっと失礼しますね」

    私が考え事という名の現実逃避をしている間に、宇沢さんはおもむろにコハルさんの額に手を当てた。同時に自身の額にも手をやり、んーと唸っている。

  • 86124/10/11(金) 21:16:47

    「……いつもより体温高めですね。コハルさん、朝何度でした?」

    「36.7。確かに高めだけど、試験も出なきゃいけないし、薬を調整すれば一日持つと思うから大丈夫」

    「……うーん。試験がなければ大事を取って休みましょう! と言いたいところなんですが……仕方ないですね。薬を飲むタイミングと量は皆さんと要相談の方向でお願いします。歩けますか?」

    「……ごめん、今はちょっと無理かも。薬が効いてきたら大丈夫になるから、少し待っていてくれる?」

    「全然構いませんよ―! というか……こんなところで立ち話させること自体間違ってますよね、これ……気が利かなくてごめんなさい。一度ベッドに戻りましょうか。まだ時間も多少余裕がありますし」

    支えますから、腕掴んでください。なんなら抱っこしましょうか?

    体格がそこまで変わんないレイサに抱き上げられるのすごい敗北感があるから……気持ちだけ受け取っとく。ありがとう。

    そんな会話を交わしながら、コハルちゃんは宇沢さんの腕を掴んで半ば体を預けた。宇沢さんは慣れた様子でコハルちゃんをリードし、玄関を通って奥に向かっていく。

    ……あれ? 私はどうすればいいのだろうか。

    今の今まですっかり吹き飛んでいたが、私は特に呼ばれてもない単なる不審者なのであって、いくら友だちといっても最近なったばかり。このままコハルちゃんの家に入るのは……ここで待機したほうがいいだろうかでもコハルちゃんの部屋とか正直見てみたいいやいやいや欲望に負けるな私以前の惨状を忘れたのか欲に負けた結果がコハルちゃんの発作なのであって思い出したら死にたくなってきた。

    一人玄関で悶々とする私の耳に、部屋の奥から大きな声が響いた。

    「ハナコさーん! そんなところでずっと固まっていたら風邪引いちゃいますよー! コハルさんが許可出してくれましたので入って大丈夫ですー!」

  • 87124/10/11(金) 21:17:56

    コハルちゃんの部屋は、予想と違って非常に無味乾燥としたものだった。
    壁の本棚に入った本を除けば、あとはベッドとその脇の小さなテーブル。その上に置かれているのは時計と……体温計、そしておそらく薬が入っているのだろうケースがいくつか。静かに鳴り響いている特徴的な音は、空気清浄機の稼働音か。
    あまり女の子らしさのない、私室というより病室と言った方が正しい気がするほどに、物欲が皆無の部屋だった。

    「ごめんなさいハナコさん。何かあったんでしょうけど、こんな状態で。もうちょっとしたら動けますから、それまで待ってもらってもいいですか?」

    コハルちゃんはベッドに座って、両手を胸に当てて呼吸を整えていた。ついさっき宇沢さんに「一度横になるのはいかがですか?」と提案されていたが、「今横になったらしばらく起きれない気がするから」と申し訳無さそうに断っていた。

    「い、いえ、お構いなく。大したことでは……というか、その、コハルちゃん。……そんなに具合が悪いのなら、今日は休んで体を大事にしたほうが」

    「皆が頑張ってたのにそういうわけには行きませんから……それに、言いづらいんですけど、実は今の状態、特別具合が悪いというわけではないんです」

    「その状態でですか!?……ア、スミマセ……」

    驚いて思わず大きな声が出てしまった。私のバカ。これでコハルちゃんが発作を起こしたらどうするんだ。
    幸いコハルちゃんは苦笑するだけに留めてくれた。

    「はい……発作を起こしたのが響いてるのもあるんですが、朝方で薬がまだ効いてない時はだいたいこんな感じなので。ご心配おかけして申し訳ないです。少しお時間いただけたら、登校できるようになるので」

    「い、いえ! コハルちゃんの体の具合を優先してください……」

    虚弱なことは会う前から知っていたし、なんならこの前の件で骨身に染みた。だが、ここまで重症だとは……一体どんな病気を抱えているというのか。心臓に関係してはいるのだろうが……

  • 88124/10/11(金) 21:18:46

    「……ふぅ。ところでハナコさんはどうしてここに? かなり早い時間ですけど」

    「ウッ」

    やはり突っ込まれた。どうしよう。貴方が心配でつい家まで様子を見に来てしまいました、といえば本心だが、問題はコハルちゃんにお呼ばれもしてなければ家の場所も明かされてない上時間帯も早すぎること。……ストーカー扱いされないだろうか。実際やってることはストーカーのやり口で間違ってないのが尚悪い。
    どうしよう。どうすればいい。正直に言ったら流石にドン引きされる気がする。いくら優しいコハルちゃんでも友情が冷めてしまいそうだ。そうなったらおしまいだもう死ぬしかないでも上手い言い訳も思いつかないというかコハルちゃんの前だと得意の弁舌が一切役に立たなくなる口が回らない私なんてただの有機物だ流石コハルちゃん私を無力化するなんてトリニティの上層部でもそうはいかないやいやいやいやそんなこと言ってる場合じゃない現実見ろ私でも現実逃避しないとやってられないコハルちゃんが不思議そうな顔してる早くなにか言え私あわあわあわあわあわわわわ……

    「……そ!」

    「……そ?」

    「……その……コハルちゃんが、心配、で……おうちの場所を知ってたのでいてもたってもいられずこんな時間に様子を見に来てました大変申し訳ありませんでしたごめんなさい」

    流れるように言葉を吐いた私はそのままコハルちゃんの前で土下座した。百鬼夜行に伝わる上位の謝罪として知ってはいたが、まさか自分がやる側になるとは思ってもいなかった。顔を上げられない。コハルちゃんがどんな顔をしてるのか見るのが怖すぎる。どうしよう、これで「あはは……明日から他人でお願いします」なんて言われたら。ははは終わった。辞世の句を考えておこう……

  • 89124/10/11(金) 21:19:20

    ごちゃごちゃと考えていると、ふと頭に感じる温かい感触。

    「えっと。そんなに不安そうにしなくても大丈夫です」

    コハルちゃんがベッドに座ったまま身を乗り出して、私の頭を撫でていた。

    「ハナコさんのことだから、きっと私の寮の部屋くらい知ってるだろうなとは思ってました。ちょっと時間は早かったですけど……私のこと、心配して態々来てくれたんですよね? 感謝こそすれ、嫌がったりすることなんてないですよ」

    「……本当に?」

    「本当です。むしろ、こんな時間にありがとうございます」

    だからそれはやめましょう? お膝が痛くなっちゃいますよ?

    コハルちゃんは心配そうな顔で、私の頭を撫で続けた。安心させるように、一定の間隔で。窓から差す朝日に照らされたそれは、まるで、宗教画のような光景で……ああ。

    「天使様……(字足らず)」

    「……へ? 天使? え、あれ? ハナコさん?」

    コハルちゃんの優しさに当てられて、心底安心した私は安らかに昇天していった。

    「紅茶を淹れてきましたので、お二人共一息つきませんか? ……あれ? どうしたんですハナコさん? ――失神してる!?」

    「えぇ!?」

  • 90124/10/11(金) 21:22:28

    ひぃん突貫工事で書き上げたよ―続きは3日後に更新予定だよ―
    2スレ目の半ばに差し掛かってもこんな有り様だけど、長い目で付き合ってもらえると嬉しいよー
    前言ったとおり明日と明後日は浮上できないからどなたか保守だけ申し訳ないけれどよろしくねー

  • 91二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 21:45:58

    は、ハナコー!?

  • 92二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 00:04:21

    >>89

    ハナコが天に昇ってるぅ!?

  • 93二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 01:05:14

    コハルが原作状態だと自分の居場所を見つけられて病弱状態だとハナコが救われるの普通に神か???

    やっぱり曇らせからの晴らせは気持ちがいいんだなあ

  • 94二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 08:39:02

    このレスは削除されています

  • 95二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 12:40:03

    >>93

    理解できる

  • 96二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 15:19:00

    いいかハナコ?よく聞くんだぞハナコ?

    今後コハルと接する時は1時間前には思考にコハル関連を全て省き心を無にして接するんだ

    余計なことを考えるんじゃないぞ?余計なことを考えて勝手に落ち込んで、事情知らないコハルが慰めてしまうから昇天したり尊死することになるんだぞ

    聞いてるのか?おいハナコ?…はな……し、死んでる…

  • 97二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 19:20:50

    落ち着いて聞いてください、ハナコさんの症状は「最推しが尊い症候群」です

  • 98二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 21:44:03

    このレスは削除されています

  • 99二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 22:33:20

    >>97 ハナコが病弱化してるw

  • 100二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 00:09:49

    近い未来に魔女と蔑まれたミカもこのコハルに2回救われるんやろ?牢でのやりとりとアクセサリー救出と病弱な子が自分の為に身を削ってとか付人になろうとする位には脳焼かれそう
    まぁクーデーター時に先ずはミカから何かしらの暴言吐かれる訳だが…大丈夫?ハナコがガチギレしてミカとタイマン張ろうとしない?

  • 101二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 00:22:27

    でもミカってアプリコハルが相当の実力者だったからバカにしてただけで、今回のコハルって別に頭が悪いわけでもないし性格も人としても開始時からそれなりに完成されているから馬鹿にされる理由もないんだよね?

    狙うならアズサになるだろうけど、アズサはアズサでミカにとって別の役割を与えられていたからバカにする前にその言葉をぶつけそうだから、結局ミカにとってコハルは印象に残らない補習授業部の一人になるのか、それとも正実でちょっと有名な病弱の部員として認知されているのか気になる所だ

  • 102二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 07:06:39

    >>97

    推しの尊さで軽率に死ぬというあの恐ろしい病か.....

  • 103二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 07:40:14

    ミカは…馬鹿にする気はなかったが病弱の事を言及して
    その後本編通りにコハルが行動してもここのハナコ化って予想
    自分が言った言葉を思い出して落ち込んでほの後コハルに照らされ昇天みたいな

  • 104二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 12:21:35

    >>103

    脳を焼かれるのは確定かな?

  • 105二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 13:43:10

    少なくともミカがコハルの元へ駆けつけるシーンは確定しているから>>1それまでにコハルとミカの関係性がどのように変化するか楽しみだね

  • 106二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 18:59:52

    性格改変は原作のルートをどういじるかも醍醐味だね

  • 107二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 19:27:16

    戦闘にマトモに参加できずに最初にミカとアリウス生と対峙した際に発作が起きて倒れた際にセイアを彷彿とさせてパニックを起こしてしまうミカはいるかも知れない
    んで、獄中にいる際も自分の事よりも倒れてしまったコハルは大丈夫かを気にかけるまである

  • 108二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 20:24:59

    この2人が対峙しても最終的にコハルの話になると思う
    互いにコハルについて話して自分の知らないコハルを知って羨ましく思いながらも、ただ互いに(コハルちゃんを酷く傷つけた私には…)って内面酷いショックを受けているとかありそう

  • 109124/10/13(日) 20:47:44

    ひぃん帰ってきたよ―
    スレが残ってて感激だよ―今まで保守されずに消えていったスレをいくつも見てきたからドキドキだったけど安心したよ―維持してくれた人たちありがとねー
    今後の展開に関しては色々と考えてるし雑談からインスピレーション得たりもしてるけど、どうなるかはゆっくり見守っててね―
    完結までどれくらいかかるかわからないけど頑張るよ―長丁場になるから着いてくれる人だけ着いてきてね―

  • 110二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 23:43:04

    補習授業部の試験は早ければ次のスレで終わるかな?
    流石にこのスレだけでは感想とかも書かれるだろうから難しいだろうね

  • 111二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 23:44:14

    >>109

    変に規制とか入って保守しそこねたりしなくて良かったですわ〜。

    楽しみに着いていかせてもらいます!

  • 112二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 01:47:56

    このスレの冒頭を軽く見返したけどやっぱりハナコの挙動がおかしくなってて笑う(褒め言葉)

  • 113二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 11:46:15

    初対面時の負目を埋めるように仲を深めていくのは健康に良いとされている

  • 114二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 18:30:21

    最終編でオペレーターで船に乗る事になるけど、出発前にリオとアリスみたいなスチルで「いってらっしゃいハナコさん、絶対無事に帰ってきてね」って見送られるんや。
    そこまでしてやっと本当のハナコの覚悟をもたせるんやなって。まぁ手前のサクラコの覚悟に便乗しようとしたが、コハルの件がトラウマで終始真面目モードだから平和だな。

  • 115二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 18:44:19

    >>114

    まぁ待て、よく考えるんだ


    コハルと出会う前はこれまで各組織からバカになり切ってトリニティ辞めてやる!って程度には追い込まれていたんだから、コハルがいないこの瞬間こそ一言二言位全力を出してもいいと思うんだよね


    ハナコ「その、破廉恥な衣装が!?略……これで、全ての準備が整いm………あ、あれ、コハルちゃん…なぜこの船に……あ、コハルちゃ…さんも船を動かせるかもしれないから乗らないかと誘われて…………アッソウデスカ…スッー…デ、デハワタシハアチラガモチバナノデ…………コハルチャンゴメンナサイ!!ワタシガワルカッタノデハッシテコヨウトry」ってな感じな展開もありだと思うんだ

  • 116二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 18:54:48

    >>115

    それも有りなんだけど、危険すぎるし先生や正実が乗せるの拒否しそうなんだよな。

    アトラハシースに突っ込む時の衝撃とかカバーしきれんだろうし脱出シーケンスのアレとかコハル耐えれないのでは?という。

  • 117124/10/14(月) 19:51:17

    「う……ん………?」

    不意に感じた頬をくすぐる風の感触。後頭部を柔らかいフィット感に包まれながら、私は目を覚ました。

    「あ、起きた。ハナコさん、大丈夫ですか?」

    「あ、コハルちゃ、ん……? 一体、何が……」

    「覚えてませんか? ハナコさん、突然失神しちゃって……」

    上から覗き込んで来たコハルちゃんの尊顔を拝しながら、私は過去の記憶を思い返す。
    確か私は……うまい言い訳が思いつかなくて、コハルちゃんに全部ぶちまけて……コハルちゃんがまるで天使様に……ん? ちょっと待て。"上から覗き込んで"?

    「とりあえず意識ははっきりしてるみたいですね、よかったぁ……」

    コハルちゃんは心底ホッとした様子で、私に朗らかな笑顔を見せてくれた。……私を膝枕しながら。私を膝枕しながら。重要なので2回言いました。

    「……ふおわぁっ!? すすすすいませんコハルちゃんすぐどきま痛ぁっ!?」

    「ひゃあ!? は、ハナコさん!? 大丈夫ですか!?」

    慌てて体を捻らせた私は周囲の状況確認を失念しており、コハルちゃんの膝上から転落して地面に熱烈なキスをかました。なんて無様な姿を……というか普通に痛い。頑丈なキヴォトス生まれでも痛いものは痛い。

  • 118124/10/14(月) 19:51:51

    「あちゃー。ハナコさん大丈夫ですか? 顔上げられます?」

    心配してベンチから立ち上がりそうなコハルちゃんを片手で押し留めつつ、もう片手で痛む顔が変な形に加工されていないか確認していると、コハルちゃんのカバンを肩がけした宇沢さんが近寄ってきた。私の手をつかんで立ち上がらせると同時に、顔を寄せてヒソヒソと囁く。

    「……ハナコさん。コハルさんとお話する時だけすごい空回ってませんか? 朝の冷静さは何処に行っちゃったんですか」

    「そ、それが……コハルちゃんと話そうとすると、何故か気が動転してしまって……」

    「……もしかして、話に出ていた奇行はそれが原因ですか」

    宇沢さんは共感半分、呆れ半分の眼差しで私を見つめた。友だちとまともに話せもしないゴミですいません、今までやった試しがなくて……
    自己肯定感が粉砕されてミジンコのように小さくなっていく私を見て、宇沢さんはポンと私の肩に手を置いた。

    「気持ちはわかりますので、落ち着いて。これから慣れていけば、ハナコさんならいずれ普通に話せるようになると思いますよ。あ、これ、ハナコさんの荷物ですよね?」

    今まで預かってましたので、はいどうぞ。と私のカバンを渡してくる宇沢さんに、礼を言って受け取る。
    落ち着いて辺りを見回すと、そこはコハルちゃんの部屋ではなく、小さな公園のようだった。公園というより休憩所に近いもので、あるものと言えばコハルちゃんが腰掛けているベンチくらいだ。少し遠くにトリニティ総合学園の尖塔が見える。――確かここは、トリニティの校舎にほど近い位置にあった公園のはず。コハルちゃんの家から校舎までの間に存在していた。

  • 119124/10/14(月) 19:52:54

    「コハルちゃんは心配していたんですが、素人ながら命に別状はないと判断しまして、そのうち目覚めるだろうと運んできました! この宇沢レイサ、力仕事には自信がありますので!」

    「無理しないでとは言ったんですけど、軽々とハナコさんを背負っちゃって……私のカバンまで持ってくれたんです。改めて、ありがとねレイサ」

    「お気になさらず! この程度のこと、スーパースターの宇沢レイサにお任せください! トリニティの守護者であり、今日はコハルさんの守護者でもありますので!」

    「頼もしいわね」

    宇沢さんの頼りになる発言(独特なポーズ付き)を受けて、クスクスと楽しそうに笑うコハルちゃんが可愛すぎる……じゃなくて。
    もしや、コハルちゃんの家からここまで私を背負って運んでくれたというのか。しかもコハルちゃんのカバンと私の荷物付きで。会ったときから思っていたが、なんと優しい人なのだろう。
    目を丸くする私に、宇沢さんが補足を入れてきた。

    「流石に途中途中で休憩を入れてましたけどね。コハルさんの休憩もまめに取らなくちゃなので、一石二鳥というやつです!」

  • 120124/10/14(月) 19:53:28

    「……それでも、お礼を言わせてください。ここまで運んでいただいて、ありがとうございました。宇沢さんは優しい方なのですね」

    「い、いえ、それほどでも……あ、そうだ! ハナコさん、私のことを呼ぶ時は『レイサ』でいいですよ!……その、ご迷惑でなければ」

    「迷惑などとは……いいのですか?」

    「はい! 私のことを苗字で呼ぶのは、私の永遠のライバルだけにしておきたいので!」

    「では、『レイサさん』と。ふふ……なんだか……そういえば、今の時間は」

    『今のやり取り、なんだか友だちみたいですね』という言葉を飲み込んで、私は話をそらした。コハルちゃんと出会う以前は考えもしなかった経験に口を緩ませつつ、時計を見ると、現在時刻は7時を回ったあたり。まだ時間的余裕はあるが……

    「ここまで運んでもらった私が言うのもなんですが、そろそろ出発しましょうか。テスト当日に遅刻は外聞が悪いので。……その……コハルちゃん、も……それでいいですか?」

    「そうですね……コハルさん、動けますか?」

    「私は大丈夫です。レイサも心配してくれてありがとう。薬も効いてきて楽になったからもう大丈夫。行きましょ?」

    ベンチから立ち上がったコハルさんは、レイサさんから自分のカバンを受け取ろうとして、教室に着くまでは私が持ちますよ! と言われて拒否されていた。
    それからコハルちゃんを気遣いつつ歩くことしばし。紆余曲折ありつつも、私たちは無事トリニティの校舎にたどり着くことができたのだった。

  • 121124/10/14(月) 19:54:41

    第一次学力試験、試験会場――トリニティの校舎内にて指定された教室に、私とハナコさん、レイサが着いた時には、既に残り2人のメンバーは揃っていた。

    「あ! コハルちゃん、ハナコちゃん、おはようございます!」

    「おはよう2人とも。現在時刻8時30分。任務開始までまだ時間があるうちに到着するのはいい心構えだ。任務の成功率も上がる」

    「おはようヒフミ先輩、アズサも」

    「おはようございます」

    朝の挨拶を交わし合う私たち。アズサは相変わらずちょっと独特だけど、補習授業部として活動してきたこの数日でだいぶ慣れてきた。

    「コハルちゃん、体は大丈夫ですか? 熱が出てたりとか、無理はしてませんか?」

    「朝はそこまで良くなかったけど、薬が効いてるから今は大丈夫。心配してくれてありがとうヒフミ先輩」

    「コハル、キツイと感じたら無理はしないで。隊員のコンディションが悪ければ、成功する任務も成功しなくなる。私の席はコハルに一番近いから、何かあったら遠慮せず頼って欲しい」

    「ありがとうアズサ。……なら申し訳ないけど、もしも私がその、この前みたく発作を起こしたら、先生と同じように薬を打って欲しいんだけど、お願いできる? アンプルを渡すから」

    「了解した」

    アズサの申し出に甘えて、カバンからアンプルを取り出して渡……あれ、私のカバンは?
    あ、そうか。私のカバン、レイサが持ったままだ。申し訳ないことをさせてしまった。

  • 122124/10/14(月) 19:55:23

    「レイサ、今朝は本当にありがとう。カバンまで持ってくれて、感謝してもしきれないわ」

    「いえ、気にしないでください! この宇沢レイサ、今日はアイリさんの代わりにコハルさんの守護者を務めていますので! このくらいお茶の子さいさいです! ……ところで、補習授業部の部長さんはどちらの方でしょうか?」

    「あ、はい! 私ですが……どうされましたか?」

    自分の胸を拳でドンッと叩いたレイサは、私にカバンを返してくれたあと、声とテンションを下げて皆に問うた。ヒフミ先輩がそれに応じる。

    「試験前に頼み事をして申し訳ないのですが……今日、試験が終わったあとに、コハルさん図書館に本を返しに行くそうでして……私もついて行って補助するつもりだったんですが、所属組織の都合上時間があかない可能性もありまして……お手数なんですが、もし試験後に私が行けなかったら、代わりにコハルさんの補助をしてもらってもよろしいでしょうか……?」

    「レ、レイサ!? 私一人でも大丈夫だから、何もヒフミ先輩に頼まなくても……」

    「駄目ですよコハルさん! 一人だともし発作が起きたら誰も助けられませんから! 朝飲んでる錠剤はあくまで体調を整えるためのもので、発作防止にはならないというお医者さんのお話でしょう?」

    「う……そ、それはそうだけど……」

    だからといって態々ヒフミ先輩についてきてもらうのは……向こうも予定があるだろうし……そうだ、いっそ"アレ"を使うのはどうだろう。ちょっとだけなら負担も最小限で済むはずだし。と思ったが、レイサが本気で怒りそうな気がしたので口には出さない。この子マジギレすると表情がスンッてなってめっちゃ怖いのよ。

  • 123124/10/14(月) 19:56:05

    「あはは……私の都合は大丈夫ですよ。コハルちゃんのことはほっとけませんから。私が図書館についていきます」

    「ありがとうございます!」

    幸いなことにヒフミ先輩は快く快諾してくれた。レイサは深く腰を曲げてお礼を言っている。ありがたいけど、私がするからレイサがそこまでしなくてもいいのに……本当に優しい子だ。

    「ヒフミ先輩、ありがとうございます。レイサもありがとう」

    「いえ、元はと言えば私の都合のせいなので、気にしないでください! ……では、そろそろ私は行きますね。コハルさん、絶対に! 無理しちゃ駄目ですからね! 皆さん、どうかコハルさんをよろしくお願いします。下校の時は私が付き添いますので、そっちは安心してください。では!」

    私にダメ押しで釘を差した後、補習授業部の皆に頭を下げてから、レイサは教室を出ていった。次に会う時は放課後、下校時になるだろう。

    「しっかりした人ですね……さて、もうすぐ一次試験が始まります。今までの補習授業の様子を見てきて、恐らく皆さんなら何の問題もないと思います!」

    ひらひらと手を降ってレイサを見送ったヒフミ先輩が、私たちを見て喋りだした。

  • 124124/10/14(月) 19:56:44

    「最初はとても不安だったんですが、コハルちゃんもハナコちゃんも優秀で、アズサちゃんも今日までとっても頑張ってくれました! よかったです、もし一次試験に落ちたら色々と面倒なことになってたので……」

    「……ふふ。ヒフミちゃん。まだ先の話をすると鬼が笑いますよ?」

    露骨にホッとした様子を見せるヒフミ先輩に、ハナコさんが微笑みながら諌めた。まあ確かに、まだ合格すると決まったわけではないし。大丈夫だと思うけど。
    あとやっぱり、ハナコさんって私以外に話す時はしっかりするのね……どうしちゃったんだろう。私何か変なことしちゃったかな?

    「そ、それもそうですね! コホン。失礼しました。でも、皆さんならきっと大丈夫だと私は信じています。試験が始まるまで少し時間がありますので、軽く復習だけして、本番に臨みましょう!」

    音頭を取るヒフミ先輩に頷く。試験前の復習は大事だから……アズサ、大丈夫かな?

    「ミッション前の最後の確認、と言ったところだな。了解した。……ところでコハル。薬のことなんだが」

    「あ゛。ごめんなさい、すっかり忘れてた……」

    慌ててカバンからアンプルを取り出してアズサに渡す。アズサは興味深そうに受け取ったアンプルをためつすがめつ眺め回していた。プラスチック内の薬液がそれに合わせて揺れ動く。

    「いざという時は、これを刺せばいいのか?」

    「そう。場所は極論どこでもオッケーで、使う時は先端を折り取って、先生みたいに刺してくれれば、あとは救護騎士団の人が対応してくれるから。可能性は低いけど……いざという時は、お願いします」

    アズサに頭を下げる。正直よほどのことがない限り発作は起こさないと思うけど、まあ念の為だ。
    アズサは頷いて、アンプルを自身の懐にしまってくれた。制服の裏にポケットを付けてるのかな。よくある改造だし。――そういえば、アズサの制服には胸元と左袖に同じマークのエンブレムが入ってるんだけど、どこかで見た覚えがあるのよね……確か古書館の本で見たような……。

    キーンコーンカーンコーン

    ふと湧いた疑問に考え込んでいると、鳴り響くチャイム音。

    「っと、もうすぐ始業時間ですね。そろそろ先生もいらっしゃると思いますので、各々準備を始めましょうか」

  • 125124/10/14(月) 19:57:22

    その後、ヒフミ先輩の言う通り先生も到着し、テスト前の激励をしてくれた。
    私には【無理しないようにね。すこしでも違和感があったらすぐ周りに言うんだよ?】と体調面の心配までしてくれた。私の周りには優しい人が多い。ありがとうございますと頭を下げておいた。

    そして、いよいよテストの時間。私は一人試験問題と向き合っている。……うん。これは初級……というより基礎問題ね。特に変な応用の仕方は必要ない。ざっくり全体を眺めてみたけど、今回の試験問題の全般がこんな感じなので、正直全く問題ない。ケアレスミスさえしなければ満点も狙えるんじゃないかしら。
    こうなってくると気になるのは私じゃなくて、周囲の方になる。カンニングを疑われると厄介だから周囲の様子はそんなに見れないけど、それでも筆記音とかで多少推測できたりはする。

    一番近いアズサは……所々止まってるような……大丈夫かしら? あれだけ学習意欲高かったし大丈夫よね? きっと。

    ヒフミ先輩は問題なさそう。淀みなく書いているみたい。もともと成績は優秀だったらしいし、心配するほうが失礼よね。……なんで補習授業部行きになったんだろう?

    ハナコさんは席が遠くて、ちょっとよくわからない。でも、あれだけ頭が回って事情通で、私が来る前にはアズサや、時にはヒフミ先輩にも教えてたっぽいから、全然平気そう。

    うん。アズサがちょっと不安だけど、概ね大丈夫。これなら一次試験合格で私も正義実現委員会に帰れるかな。……合格すると、この補習授業部の活動も終わりよね。ちょっとだけ寂しいけれど。
    まあでも、会おうと思えばまた会えるだろうし。少なくとも"時間切れ"までには、何回かは。

  • 126124/10/14(月) 19:58:23

    そうこうしているうちに試験の終わりも近づいてきて、私は提出前最後の見直しをした。うん、大丈夫。回答がズレていることも、無記名なんてこともない。せっかく答えは合ってるのに無記名で0点……なんてのは避けたいもの。

    キーンコーンカーンコーン

    鳴り響くチャイム音と共に、第一次学力試験は終わりを告げた。答案が回収されていき、少しばかり気を張っていた私は軽く机に突っ伏した。

    「コハル、大丈夫か? 薬を打ったほうがいいのか?」

    「ちょっと……疲れただけだから。大丈夫、心配させてごめんね。発作を起こしてない時に薬を打つのはあんまり良くないから、気持ちだけ受け取っておくわ」

    アズサが声をかけてきたので、心配ないと伝える。朝の薬の効果もあり、試験中体調が悪くなることはなかった。よかった、皆に迷惑をかけずに済んで。

    「テストも終わりましたし、採点されて返ってくるまで時間がかかりますから、それまで休憩にしましょう。あ、コハルちゃんはちょっとお昼寝して体を休めた方がいいんですよね。毛布を持ってきてありますので、使ってください」

    「そ、そこまでしてくれるなんて……ありがとうヒフミ先輩」

    「いえいえ、アイリちゃんから貰ったメモの情報を元にしているだけなので、お礼はアイリちゃんに言ってあげてください」

    アイリ、ヒフミ先輩に私の情報送ってたのね……いつの間に。あの子ったら、変なところで行動力あるんだからもう。

    アイリにお礼を言う事を心に留めつつ、椅子から立ち上がって(立ち上がる時アズサが補助してくれた。ありがとう)ヒフミ先輩が敷いてくれた白い毛布の上に横になる。この毛布、ふわふわだけど、なんか変な鳥の毛皮みたいな造形してる。ちょうどヒフミ先輩が使ってるリュックサックの変な鳥と同じみたいだ。どっかで見たことある気がするんだけど、何処だったっけ。

  • 127124/10/14(月) 19:59:35

    横になってぼーっとしていると、正直な体は休ませようと瞼を重くしてくる。薬の作用もあってか、私の意識はすぐに夢の世界へと旅立ち始めた。



    「……ごめんなさい、コハルちゃん」



    眠りにつく瞬間、何か聞こえたような気がした。






    ひぃん日数空いたから長めだよ―暇な人だけ読んでね―
    次回はドキドキの点数発表だよー

  • 128二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 20:13:56

    さてハナコはお遊びするのか、それとも悟られない程度に点数調整するのか…

    そしてこの謝罪の一言はハナコなのか、ヒフミなのか…

  • 129二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 20:27:12

    コハルのタイムリミット何とかならんのか…
    救いをください

  • 130二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 20:32:04

    まぁハナコなら長く一緒にいる為に点数調整はするだろうな。後は時間切れ…つまりは卒業までか来年までか…
    仮に死に別れするとしてもそれまでの経験と選択が重要だからな。とあるバッドエンドルート書いてる私も参考にさせて貰いやす

  • 131二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 20:36:12

    仮に生死関わるルートに入ってバットルートの流れになっても個人的には好きだけど、それを許さない一部読み手が炎上させてくる光景を最近見てしまったからなぁ…

  • 132二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 20:48:30

    >>131

    なお棲み分けで双方納得した模様

  • 133二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 20:50:30

    >>130

    …(ニコッ)

  • 134二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 21:04:52

    おーん余命宣告されてる感じかぁ……

  • 135二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 22:28:29

    >>133

    おーん…あのスレの住人かや!?

  • 13613324/10/14(月) 22:51:46

    >>135

    君もみたいだね

  • 137二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 07:53:11

    保守!

  • 138二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 08:02:00

    このエデン条約編のテーマ曲として石川智晶の「First Pain」を挙げたい


    コハル「どうして自分の体なのに自由にしてはいけないの?」

    ハスミ「君の瞳に嘘を重ねてもその答えは出さない」

    ハナコ「生きて 生きて 生きて!」

    歌詞がいい具合にマッチしてると思う


    石川智晶「First Pain」

    あとエレメントハンター見てた人も世代的に少なくないんじゃないかな

  • 139二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 08:16:08

    コハルは一度レイサをマジギレさせてるもしくは見てる
    レイサがハナコに対して気持ちは分かると言ってる辺り恐らく他にも奇行に走りそうになるのが居る
    コハルはアリウスの存在を知ってる?

    あとアレとやらは絶対に人前で使うなよ!?言い方的に他スレとかでも見るあの使い方だろうから周りが阿鼻叫喚になるから!……つーか、レイサの前で実行済み?それならマジギレされるだろうし

  • 140二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 17:36:05

    短時間の強化薬とか持っててもいいな
    すげぇ反動くるやつでハナコたちが危険に陥った時使って制圧した後コハルが反動でボロボロになってみんなが曇るやつ

  • 141二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 18:53:22

    >>138

    懐かしいなエレメントハンター

  • 142124/10/15(火) 19:20:01

    ……おや、また来たのか。

    ここに来ること自体珍しいというのに、今のところ皆勤賞というわけだ。素晴らしいね。何か祝いの品でもあげようか。もっとも、ここは夢の中だから、現実には持ち越せないけどね。

    ふむ。こうも毎回会えるとなると、なかなか興味が湧くね。私と君、類似する点が多いからか、単に波長が合うだけなのか。それとも……血筋が似通っている可能性でもあるのか。

    まあ証明するものはここにはない。暇つぶしの推測さ。さして重要なことではないから、忘れて欲しい。……おっと、そもそもここでの出来事は忘れてしまうんだったね。一部覚えていることもあるようだが。

    まあいいさ。所詮、ここは泡沫の夢のようなもの。現実には何ら影響を及ぼさない。こうして駄弁っていても、目覚めれば忘れてしまう。

    ……さあ、そろそろ時間だろう。私にも聞こえるぞ、君の名を呼びかける声がね。全く、君は私と違ってたくさんの良き友人たちに恵まれたようだね。少しばかり羨ましいよ。

    さらばだコハル。また会えたなら、次はもう少し明るい話をしよう。もっとも、君にその余裕があったなら、の話だが。



    「待って、狐さん……」

    「はい……?」

    寝ぼけ眼で開口一番放った声は、私を起こそうとしたヒフミ先輩を困惑させてしまった。……? 狐さんって、誰?

  • 143124/10/15(火) 19:21:14

    【休んでいるところに申し訳ないんだけど、答案が返ってきて今から発表するから、起きてもらおうと思ってね】

    申し訳無さそうにしながらも、先生が話しかけてきた。時刻はそろそろお昼時。今日はテストだけでカリキュラムは入れてないから、テストの結果を聞いたら、あとは昼食をとって、図書館に行ってから帰るだけだ。それくらいなら体も充分持つだろう。
    睡眠をとって元気が戻った私は、「大丈夫です、結果を聞かせてください」と返して椅子に戻った。毛布、後でヒフミ先輩に返さなくちゃ。

    【では、点数を発表していくよ】

    先生が四枚の紙――私たちの答案を束にして自身の手元に用意する。テストの時とはまた違う独特な緊張感が訪れる。
    合格ラインは100点満点中60点……よほどのことがない限り落としてはないはずだけど。

    【まず、阿慈谷ヒフミ……72点。結果:合格】

    「あ、ありがとうございます! なんだか無難な点数ですが、合格できて良かったです!」

    まず発表されたのはヒフミ先輩。危なげもなく合格してみせた。まあヒフミ先輩に関しては安定感がありすぎて心配してないから、驚くこともない。おめでとうの意味を込めて軽く拍手しておく。

  • 144124/10/15(火) 19:22:13

    「わあ、ありがとうございますコハルちゃん。……で、では先生。続きを」

    【うん。――下江コハル……100点。結果:合格。満点は凄いね、よく頑張ったよ】

    ……よかったぁ。合格できてたし、しかも満点だ。安堵で肩の力が抜けた私はホッと息をついた。

    「満点は凄いです! 流石ですねコハルちゃん!」

    「ありがとうヒフミ先輩。ただこれ1年生の内容だし、問題も基礎がほとんどだったからそこまで凄いことじゃ」

    「それでも十分凄いですよ!」

    「おめでとう。コハルなら問題ないと思っていた。満点は素晴らしいことだから、もっと誇っていいと思う」

    「そ、そう? ありがとう2人とも」

    二年生の内容なら流石にこうはいかなかっただろうけど、褒め言葉は素直に受け取っておく。満点の結果より、先生や2人に褒められる方が正直嬉しい。

    【……コホン。まだ2人残ってるから、そちらも発表するよ】

    感情が昂って軽く羽をパタパタさせていると、先生が苦笑しながら続きを言う姿勢に入った。残るは2人、アズサとハナコさん。一番不安なのはアズサだけど……今までの努力は一番近くで見てきたから、私はアズサを信じる。

    【白洲アズサ……58点。結果:不合格。惜しかったね】

    「あう、惜しいですね……」

    「ッチ。紙一重だったか」

    続くアズサの結果はそう酷いものじゃないけれど、残念ながら合格ラインにはギリギリ達しなかった。うわ、惜しい。これは悔やまれる結果だ。

  • 145124/10/15(火) 19:22:53

    【ケアレスミスで落としてるのがいくつかあるから、一つでも通ってたら合格だったね。でも初回でこれなら、次は十分合格を狙えるよ】

    「合格はできなかったけど、凄いわよアズサ。転校してきたばかりで慣れない環境の中ギリギリのところまで届いたんだから。よく頑張ったね」

    慰めるようにアズサの頭を撫でる。私ってかなり小柄な方だから、誰かを撫でる時って背伸びしないと届かなかったりするんだけど、アズサは私とほとんど体格が変わらないから撫でやすい。
    ……あれ? アズサ、固まってる?

    「ごめんなさい、迷惑だった?」

    「……あっ」

    思わず手を引こうとした私に対して、アズサはすごい速さで私の腕をつかんで固定した。で、出だしが見えなかった……。

    「……あ、すまない……そんなふうに褒められて、撫でられるのは、初めてだったから……その……もっと、してほしいというか」

    モゴモゴと口を動かしながら、アズサは恥ずかしそうに上目遣いで私に催促してきた。白い羽がパタパタと忙しなく羽ばたいている。……可愛い。やっぱりこの子天使の生まれ変わりなんじゃない? ほっこりした私は思わず撫でくりまわしてしまった。アズサは恥ずかしそうだったけど、嫌がりはしなかった。
    これで残すはあと一人。

    【では最後だね。浦和ハナコ】

    ハナコさんだ。こっちも正直そこまで心配はしてない。あれだけ頭が回るし知識もあるのだから、学校の試験なんて余裕に見える。

  • 146124/10/15(火) 19:23:26

    【……0点。結果:不合格】






    ……え?

  • 147124/10/15(火) 19:24:02

    試験そのものはかなり余裕でした。内容は基礎的なものばかりで、合格ラインも60点程度。正直鼻歌交じりでもクリアできるでしょう。

    私はペンを走らせ、次々と問題を解いて行きました。全てを埋め終えて尚、時間は有り余っていました。

    ……ふむ、アズサちゃんが少しばかり手が止まったりしていますが、他は淀みない様子。これならば、アズサちゃんが頑張ってくれれば一次試験で全員合格も夢ではないですね。

    ふふ。もし全員合格したらどうしましょうか……



    ――もし全員合格したら、どうなる?



    ふと湧いた疑問に、私は固まりました。
    この補習授業部の活動は、かつてアズサさんが言ったように一時的なものです。全員が合格すれば、成績不良は脱したと見なされ、補習授業部は解散となるでしょう。
    ……ここで解散したら、私はどうなりますか? まず皆との接点がなくなります。

    ヒフミちゃんはもともと友人が多い人です。私一人にかまけている暇はないでしょう。

    アズサちゃんは正直良くわかりません。このキヴォトスでは珍しい転校。本人は天然が入った素直ないい子ですが、背景にきな臭さを感じるのも事実です。恐らくティーパーティーが一枚噛んでいます。今後どう転ぶかは……

    そして……コハルちゃん。補習授業部が解散したあとは元の正義実現委員会に戻るのでしょう。ただでさえ虚弱で病弱な身です。こちらも私に構っている時間はないと見ていいでしょう。

    つまり、この場にいる3人全員。補習授業部が解散したら、一気に会う理由がなくなってしまうのです。……人の関係は常に一定ではありません。自然と会わなくなって、いつの間にか自然消滅。というのも、ありえない話ではありません。
    そうなったら……この歪な友達関係も、終わってしまう。

  • 148124/10/15(火) 19:24:40

    では、もしも不合格になったら?



    補習授業部は継続され、この関係もいくらか続くことになります。まだ猶予はありますし……たとえ3回とも落ちたとしても、そう悪いことにはならないでしょう。ティーパーティーの強権にも限りがありますから。

    ですが。私は自分の答案を見つめました。自身で埋めた答案は、間違いようもなく満点だと確信があります。

    もしここで私が点数を調整して不合格になったとして。流石にそれは、不自然なのでは?コハルちゃんとの一件で、私は地頭の良さをさらけ出してしまいました。合格ライン60点ギリギリ届かないまで調整しても、いくらか不自然さは残ります。

    それに、こんなやり方は、ここまでの皆の努力を否定するものなのでは?
    アズサちゃんとヒフミちゃんの努力を。何よりも、コハルちゃんの献身を。私一人の一存で、滅茶苦茶にするというのは。

    ドッドッドッドッ

    心音がやけに大きく聞こえて。

    チクタクチクタク

    時計の針が嫌に大きく聞こえて。

    迫る試験終了の時間。チャイムが鳴ったらもうおしまいです。追い詰められた私は……自身の答案の一番上に目をつけました。
    『浦和ハナコ』と書かれた名前欄に。



    テスト終了後、体を丸めて眠りにつくコハルちゃんを横目に見ながら、私は一人呟きました。

    「……ごめんなさい、コハルちゃん」

  • 149124/10/15(火) 19:25:37

    「ぜ、0点……ですか?」

    困惑したように呟くヒフミ先輩。私は間抜けにもぽかんと口を開けていた。もしかしたら、ハナコさんが落ちることもあるかなとは考えたこともある。でも0点は流石に予想してない。いやできるわけないでしょ!?

    「な、何かの間違いとかじゃ……? 採点ミスだとか……」

    【採点にミスはなかったよ。採点にはね】

    先生は心苦しそうな顔をして、ハナコさんの答案を返した。
    チラッと見ただけでも、その答案には赤マルばかりで、バツなんて一つもないように見えた。え? これで0点? なんで?

    「……なるほど、記名ミスか」

    「あ……」

    アズサが指摘した通り、その答案には名前が書かれていなかった。トリニティのテストの規則では、無記名は0点扱いになる。マンモス校だから、いちいち誰の答案かなんて探すとえらく時間を食ってしまうからだとか。

    ハナコさんは、能面のような表情で固まってしまっていた。初歩的なミス……なまじこれさえなければ、赤マルの数的に合格ラインを超えていた可能性は高い。うわー居た堪れない。なんて声をかけたらいいのか……。

    【ちなみに、名前さえ書いていれば満点だったそうだよ】

    どうにかならないか言ってはみたんだけれど、規則は曲げられないと断られたよ。ごめん。

    先生の謝罪に、ハナコさんはゆっくりと首を振った。

    「いえ、そもそも私が確認しなかったのが悪いですから。……すみません皆さん、足を引っ張ってしまいました」

  • 150124/10/15(火) 19:26:32

    「ま、まあまあ! 問題自体は全問正解してたわけですし、次回気をつければいい話ですから! アズサちゃんも落ちてたので結果論ですが、第二次試験を受けることは確定してましたし! ……あうう、次回ですか」

    意気消沈しているハナコさんに即座にフォローを入れてくれたヒフミ先輩が、何故かがっくりと肩を落とした。そのまま私の方を心配そうに見てくる。え? なんで?

    「その……大丈夫だろうと思って言わなかったんですが……実はティーパーティーから、一次試験で目標を達成できなかった場合、合宿をするように言われていまして……」

    「が、合宿?……え、私も?」

    「は、はい。その通りです……すみません、例外はないとのことでして」

    突然明かされた事実に、私は動揺を隠せなかった。合宿って……あの合宿? みんなで何処かに泊まり込むってことよね? 修学旅行とかまさにそんな感じらしいし。私行ったことないけど。
    どうしよう。あんまり遠くだったり、変なところだったりしたら……持つかな、体……。
    思わず制服の胸元――ちょうど心臓のあたりを握りしめてしまう。制服の裏に隠されたアンプルが、静かに存在を主張していた。

    不安に駆られていた私は、「こんなはずでは……」と言いたげな、目を見開いたハナコさんの顔に気づくことはなかった。



    第一次学力試験の結果

    ハナコ――不合格
    アズサ――不合格
    コハル――合格
    ヒフミ――合格

    補習授業部、合宿決定

  • 151124/10/15(火) 19:32:19

    ひぃん今日はここまでだよー
    2スレ目がそろそろ終わりそうって事実に目眩がするよー2スレかけて一次試験終わったばかりってなかなか亀の歩みなんじゃないかなー?
    まあそのぶん描写に時間かけてるってことでここは一つ(震え声)

    次回は合宿前に寄り道で図書館回だよー最近公式で脱がされかけてるあの子が出てくるかも……?
    こんなことしてるから話が進まないって? ひぃん正論をぶつけないでー

  • 152二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 19:40:42

    テストを回収して採点した先生なら気づくかもしれないだろうな、ハナコが名前消したのを…

    少なくともテスト勉強中にコハルに教えてもらおうとしたら消した跡を感づかれていたし(コハルは気のせい程度にしか思ってなかったけど)、先生なら生徒の未来のかかった試験の採点だから答案用紙を確認はしっかりとするだろうし名前の確認もするはずだ
    席が離れた位置にいるコハルが軽く覗いた程度で気づけるんだから、先生の確認位置からなら用紙の記入跡なんて…

  • 153二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 19:43:27

    執筆乙です
    大丈夫ハナコ?二次試験の時、罪悪感で倒れない?

  • 154124/10/15(火) 21:02:59

    ひぃんなんか勘違いしてる人がいるから一応言うけど、テストの回収と採点は先生がやってるわけじゃないよー
    これは原作エデン条約編でもそうだったはず、というか言及自体なかったはずだよー間違ってたらごめんねー

  • 155二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 22:48:12

    まぁ…第二次でアズサも合格出来るだろうが、そこで更にハナコがやらかすのはかなりリスキーだな信頼関係方面で。
    さて、全員が退学の危機を早々ぬバラすのか、原作タイミングなのかで分岐するわねぇ

  • 156二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 23:22:52

    >>138

    懐かしいなコレ.....幼稚園の時めっちゃ見てた記憶が

  • 157二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 01:39:38

    ハナコーーーーーー!!!!!何してんだああああああああああ!!!

    というのはさておき・・・。良かった、原作通り合宿行きで。
    さて・・・合宿中で大きな問題になるのは2つだな。
    ・コハルの体調管理
    ・アリスクゲリラバトルの進行

    そして合宿期間中の試験の問題も添えて
    ・第二次試験の試験会場とそこまでのアクセス方法

    ・・・結構多いな

  • 158二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 02:31:53

    ハナコの事情と開示されている情報からすればこうなるのは仕方ない
    流石のハナコも命の危険があるコハルを合宿にぶち込むとは想像できないもの
    原作通りなら合宿どころか退学にするつもりなんですけどね!ガハハ!
    退学になったらナギサの思惑通り事が済んだ後に復学させる前に心労で逝きそう

  • 159二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 06:51:36

    何がめんどくさいってこの地点でハナコの心情が本人以外誰にもわからないことなんだよね。
    実際本編では第三次試験の直前にハナコの想いが公開されたわけだし。

    それはそれとして水着で校内歩くのはおかしいと思うけど。うん。

  • 160二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 07:21:33

    ハナコがやらかしてしまってるが今回のやらかしはまだ許される範囲だとは思う、合宿の事を知らない 皆と離れたくなかっただからね

    個人的にはコハルの事情知ってて合宿しろって言ってる方がヘイト高いだろうな…と、コハルが不合格ならともかく満点取ってるし事情を加味すればコハルは抜けても良さそうなんだが
    これ、ここのコハルの交流範囲的に知られたらキレるの多そうだなぁ……ナギサ様、大丈夫かなぁ(白目)
    スイーツ部のような所でも友の為ならティーパーティーに喧嘩売ったのに

  • 161二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 08:19:55

    喜べ浦和
    おまえが思い描いていたであろう友達との楽しい楽しい合宿だぞ💛

  • 162二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 09:04:55

    実はコハルはナギサとも交流があったりしてね(お忍びで出掛けてる時に知り合ったので、コハルは相手がナギサとは気付いてないとかで)

    正実に対する人質というのは本来の理由ではなく、
    裏切り者によってナギサに対する人質にされるのを防ぐ為に策を講じた結果が補習授業部入りだったとか。
    もし人質として監禁でもされようものならコハルの命に関わりそうだし。

  • 163二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 09:14:03

    >>162

    なるほど。“補習授業部に入ってる=ナギサが疑っている”と相手が考えれば、人質としての価値が下がるように見せることができるのか.....

  • 164二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 09:47:58

    ………………ん?
    もしかしてめちゃくちゃ埃だらけの場所にコハルを送ることになるのか?

  • 165二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 19:27:53

    >>164

    スゥ―――……そうなりますね

    埃そのものが駄目なのは基本肺周りなんでそこらへんが大丈夫だったらすぐに掃除すれば……

    駄目そうだなぁココのコハルちゃん……

  • 166二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 19:38:12

    >>165

    ミレニアム製の空気清浄機を置いておこう。

    あと念には念を入れてコハルは日中マスク必須とか・・・・え?やりすぎ?

  • 167二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 19:45:15

    要約すると
    ナギサ様は事前にコハルと知り合ってて合宿先をリフォームして身体が弱い人も安心!安全!清潔です!してないとあはは…以上の目に合う可能性あり?

    何がヤバいって狐さんが親衛隊よりな気がする所よ

  • 168124/10/16(水) 19:46:34

    ひぃん今日は忙しくて書けてないよ―
    申し訳ないけど続きは明日以降になるよーごめんねー

  • 169二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 19:58:15

    >>164

    ナギサ様コハルの事情は知ってるんだよね?いくら暗殺に怯えて錯乱してるとはいえそれやったら人として失格だぞ…おいフォックスなんとかしろ

  • 170二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 23:22:47

    >>169

    少なくとも補習テストで100点取れるって事は普段の学業では相応の点数取っているだろうし、病弱ながらも広い交友からティーパーティーの一部にもコハルを知る人はいると思う

    仮にいなかったとしても赤点を取った生徒からハナコ、アズサ、ヒフミはきちんとした理由がありながらコハルを選出する際にアプリ本編なら実力だったけど今回は学力を知ったうえでの選出になるから、補習授業部に突っ込めそうな赤点生徒を探しただけで直前までコハルを知らずともどのような生徒なのかはきちんと調べると思うな

  • 171二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 06:56:36

    ナギサはコハルが暗殺されることを恐れていたりしてね。
    セイアが暗殺されたこと(死んでない)は限られた生徒しか知らず事実を隠されてるから、
    事実を隠す事のできない程に広く友人がいる生徒を見せしめに害されるのを恐れてるとか。

    他校の生徒とも交流あるかはまだわからないけど、
    コハルが死んだら正義実現委員会とか救護騎士団には隠し通せないし、仲の良いスイーツ部とかにも多分すぐに露見する。
    トリニティ内部が荒れに荒れてエデン条約どころじゃなくなる。

  • 172二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 07:05:03

    >>148

    この時は3回失敗したらどうなるか知らないからなぁ。

    アズサが不合格だったからどちらにせよ合宿行きとはいえ後でハナコめっちゃ曇りそう…。

  • 173二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 08:08:26

    とりあえず現時点での確定情報

    ・コハルは「フォックスさん」(本名:セイア)に夢の中で会っている ※>>142の言動で確定

    ・コハルは体調が良ければ満点を取れる実力がある ※コハルの状態から考えて実技以外と推測する

    ・ハナコはコハルが近くにいると自覚している時はコハルの方を優先する ※地下牢のやつがトラウマになっていると推測


    そして疑問点

    ・ナギサはコハルの状態を知っているのか

    ・セイアとコハルの初邂逅はいつなのか

    ・合宿期間中のコハルの体調管理をどうするのか

    ・二次試験の会場の場所と会場へのアクセス方法


    ・・・くらいかな?

  • 174二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 08:18:33

    把握してて先に掃除済まされていると掃除による親睦深めるイベントがなくなるが、既に好感度は全体的に6〜80%はありそうだから無くてもいい気はするか
    合宿だと水着パーティーはまずなくなる。薄着すぎてコハルの体調悪化に繋がるし、何よりハナコがその水着でやらかしてるのでトラウマが直ってないから
    んで夜の街へ繰り出しもコハルのこと考えたらなくなる可能性が高いからかなり普通な合宿になるな?

  • 175二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 08:21:11

    >>174【速報】

    美食研究会、出番がない可能性がでてきたことが判明

  • 176二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 10:56:32

    >>175

    ただそれで体調不良でコハルが試験を受けれずに3回目まではもつれこめるから有りではあるんだけど、街へ繰り出させて戦闘に巻き込んで寝込ませた事への罪の意識が加速するし、コハルはコハルで2次試験をポカしてしまった自虐心で補習部全体の空気が悪くなるのがアレ

  • 177二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 11:28:23

    本当にヤバいのは夜の街に出る→パフェ食べましょう→カフェに入る→ハスミと遭遇→コハルは本来休んで寝ているはずの時間でしょうと、どうして連れ回しているのですか!?と詰められてしまい、本来のダイエット云々どころではなくなるくらいにシリアスになる事と責任者の先生もすんごく怒られる

  • 178二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 16:13:56

    >>176

    >>177


    夜の街に繰り出す➡コハルが倒れる or ハスミがキレる

    大人しくしている➡コハルが体調を崩した時にコハルが罪悪感を抱えてしまう


    ・・・あれ?これ詰みじゃね?(コハルが「少しだけ外を歩きたい」と言った場合を除いて)

  • 179二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 16:17:08

    >>175

    美食研が補習授業部と邂逅するイベントを別個用意するか…出会っとかないと原作展開の流用に支障出るだろうし

  • 180二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 19:23:12

    >>179

    それだったら

    ①美食研が逃げる      ②補習授業部が休養の準備をする

     ⬇             ⬇

    ③合宿会場に隠れようとする  ⬇

     ⬇             ⬇

    ④アズサが設置したトラップが起動する

     ⬇

    ④爆発する

     ⬇

    ⑤そこに正実が入ってくる 

     ⬇

    ⑤トラップでダウンしており、そこに補習授業部(コハル以外)がやってくる


    みたいな感じになりそう

  • 181124/10/17(木) 19:34:44

    ひぃんだいぶ先の話が取り沙汰されてるよー
    それだけ期待されてるって思うと嬉しいけど、なんだか際限なくハードルが高くなっていってる気がするよー
    乗り越える努力はするけれど、もし想像と違うものになったとしても生温かい目で見てねー
    それか自分でスレ立てて書いてみるのも手だよー
    1でもここまで書けたんだから皆にも書けるよー
    宣伝してくれたら見に行くからねー

    というかスレ立てた時はこんなに人が来るとは思わなかったし、なんなら自分で書く気も毛頭なかったですはい(素)

    ところで知らないうちにだいぶスレが伸びてて投稿するとどっかでぶつ切りになりそうなんだけど、次スレ立ててから投稿するのとぶつ切りになるかもだけどこれから投稿するのとどっちがいいかなー?

  • 182二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 19:42:44

    曖昧なタイミングでSSが途切れそうなら一度新しいスレ立ててからでもいいかも

    予想以上に考察されたり続きを楽しみにしていてスレの埋まりも早そうだしね

  • 183二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 19:54:59

    >>181

    この話には一つ教訓がある


    一度生まれたものはそう簡単には死なない

  • 184二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 20:22:45

    まぁ私もSS書いてるけど、読者がいるならやれる所までやるか精神が勝つからねぇ。
    なのでこのスレは最後まで生き残るだろうて

  • 185二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 20:39:28

    というか下手に先の展開予想をするとネタ潰しになってしまうから、ほどほどにしよう。

  • 186124/10/17(木) 20:57:10

    ひぃん決めたよー明日このスレが残り190以降になったら次スレ立てて続きを出すよ―
    それまでは雑談なり妄想なり(やりすぎなければ)展開予想なりに使って構わないけど、あまりレス消費されるとリンク貼るの間に合わなくなるから残り195付近になったら減速してねー

  • 187二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 22:21:14

    >>181

    展開違う場合はSSをpixivにでも貼っておきます

  • 188二次元好きの匿名さん24/10/18(金) 00:27:41

    最後の書き込みが微妙な時間だし一応一回保守っとくか

  • 189二次元好きの匿名さん24/10/18(金) 00:52:21

    恐らくトリニティ外への交友はなさそう……とゆうかコハルの体調的にトリニティ外に出れるのか?って疑問がある
    強いて言うならネット上で繋がってる可能性はあるか?
    ここのコハル、画面を見てられるのか?ってなるぐらいには身体弱そうだが

  • 190二次元好きの匿名さん24/10/18(金) 07:36:36

    保守

  • 191二次元好きの匿名さん24/10/18(金) 16:09:58

    保守

  • 192124/10/18(金) 19:26:43
  • 193二次元好きの匿名さん24/10/18(金) 19:46:19

    埋め

  • 194二次元好きの匿名さん24/10/18(金) 23:56:03

    遅れながらうめ!

  • 195二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 02:01:50

    立て乙です!!!

  • 196二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 03:18:50

    うめー

  • 197二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 03:36:01

    埋め

  • 198二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 09:20:52

    埋め

  • 199二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 09:23:19

    梅ジュース飲みたい(関係ない)

  • 200二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 12:34:59

    200いったならコハルの今の病状を回復させてあげたいなあ

オススメ

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