<妄想SS注意>「アジサイ?」

  • 1カッシーのコッシ―24/10/29(火) 20:01:38

    「アジサイ?」
    平安時代、時は水無月の頃。少し古びた境内の中に一人の子供と女が立っていた。
    「ええ。『安知佐井』、あるいは『味狭藍』でございます。かつては『集真藍(あづさあい)』と呼ばれていたこともあるようです」
    「そんなことはどうでもいい。食えるのか」
    これは、と示された視線の先には、真白い四片に囲まれた小さな藍の花々があった。もののあはれ、というものをまるで気にかけてもいないようなその口ぶりに、女は微かに嘆息したのちに答える。
    「食用……あるいは薬用として用いられる種がある、という話は聞いたことがありますが、この安知佐井に限っては口にすると体に障ります。くれぐれも手折って食したりはしないように」
    「食えんのか。つまらん」
    ふ、と不満げに息を吐きだす子供。腕を組む姿は尊大とすら言えるものだったが、実際、魑魅魍魎の跋扈する平安の世であっても、多くの人間は子供に恐れ慄いた。
    まず目を引くのはその顔であった。鋭い四つ眼は言うまでもなく、左側の焼けただれたような皮膚は痛痛しさよりも気味の悪さが勝つ。また、紅と白を混ぜたような淡い髪色も目を惹いた。大抵の人間が濃い色の髪を持つ世においては、目を惹く、というのは決して良い意味ではなかったが。そして、羽織でやや隠されてはいるものの、奇怪な形をした腕も同様に忌み嫌われるものであった。同年代の子どもと比べて明らかに大きな体格も良い目で見られたことはなかっただろう。
    なぜそのような姿なのか。人々は疑問を抱く前に嫌悪を抱き、その存在を唾棄した。
    それが子供の人生であった。
    と、女と子供の肌がぽつりと濡れる。
    「……雨が降ってきましたね。体が冷える前に戻りましょう」
    「―――……ふん」
    透き通った水滴が、花のあわいを滑り落ちていった。

  • 2カッシーのコッシ―24/10/29(火) 20:02:55

    このスレはスレ主による謎の巫女妄想スレです
    スレ主の平安知識は万の慎み深さ並みにないので、その点はご了承ください

  • 3二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 20:03:23

    コッシーのせいで内容が頭に入ってこない

  • 4カッシーのコッシ―24/10/29(火) 20:03:34

    「キク?」
    時は文月の頃。爛々と照る月の下で、一人の子供と女が木の根元に座っていた。
    子供は風で飛ばされてきた花弁をつまみ、白いそれをつまらなさそうに眺めている。
    「ええ。『菊』にございます。境内のものはそろそろ花期ですが、見に行ってみますか?」
    「花などくだらん。どうせこれも食えんのだろう?」
    ひらひらとぞんざいに花弁を揺らす子供は、ことあるごとに花の名を教えてくる女にうんざりしているようにも見えた。
    対し女は瞳をそばめ、そのことですが、と言葉を紡ぐ。
    「かの国では、菊は古代より食材として用いられているそうですよ」
    薬用としての栽培も盛んですし、と女が続けると、子供はつまんだ花弁をとくとく眺め、ふいにそれを口に放り込んだ。
    「―――……不味い」
    「やるとは思いましたが……」
    げ、と歪められた顔に水を差しだしながら、女は不機嫌そうな子供をたしなめる。
    「食用と言っても膳に彩を加えたり、あるいは酒に浮かせて食くといった類のものだったそうですから。……ちょうどこの時期ですね、重陽節という祝いの日には、邪気払いや健康祈願として薬効のある菊を愛でると聞いたことがあります」
    「こんなもの、いくら食ったところで腹の足しにはならんだろう」
    ぎょろり、と子供の複眼が女を捉える。まるで捕食者のようなその振る舞いにも、女は少しも動じることなく答えた。
    「そうかもしれません。が、ある種の慰めにはなるでしょう。人には心がございます。即物的な欲にのみ生きるものではないのですから」
    「……貴様がこれを育てているのも、その慰めとやらのためなのか?」
    不快そうに子供が尋ねる。返答如何によっては、という意図さえにじませながら。
    対し女はまるで恐怖など欠片もないように、ぱち、とあどけなく目をしばたたかせた。
    「いえ、その菊は薬になりますから。他の薬効のある草花と共に育てているのですよ」
    見に行かれますか、と再び問う女に、子供は気勢をそがれたように息を吐き出しながら言った。
    「気が向いたらな」

  • 5カッシーのコッシ―24/10/29(火) 20:04:19

    「ウメ?」
    時は如月の頃。山深い雪中の境内に、一人の子供と女が立っていた。
    「ええ。『梅』にございます。あそこに見える白梅と紅梅は、この神社の神木でもありますよ」
    「……やはりわからんな。花を愛で、あまつさえ祀るなどと」
    く、と眉間に皺を寄せる子供に、女は雪を踏みしめながら語り掛ける。
    「貴方と初めてお会いしたのも、このような雪の日でしたね」
    ばさり。雪の落ちる音がする。
    子供と女が出会ったのは、地平の果てまで何もない、うら寂しい雪原であった。

  • 6カッシーのコッシ―24/10/29(火) 20:05:05

    「美味しいですか」
    りん、と声が響く。乾いた空気に吸い込まれるはずのそれは、いやにはっきりと耳に届いた。
    「美味しいですか」
    人は、と。そう尋ねる視線の先には、紅々と染め上がった雪、人であったであろう塊、そして―――それをひたすらに貪る子供がいた。
    子供はゆらりと視線を移し、声の主を見遣る。口の中に食らう臓腑もそのままに、新たな獲物を見定めた。
    それは一人の女だった。
    真直ぐな黒髪を檀紙でまとめ、白い肌に巫女のような装束を纏っている。濡れたように黒い瞳が、寸分も違うことなくこちらを見つめていた。
    「美味しいですか」
    再び女が口を開く。子供はその姿をじっと捉えていたが、何もしてこないと分かると興味が失せたようにまた『肉』を食らい始めた。
    餓鬼のような子供の様を見て、女は微かに嘆息する。そして懐から袋を取り出し、その前に放り投げた。
    「干物です。川魚と猪の肉の……あら」
    子供の動きは速かった。女が言葉を言い終わる前に袋を掴み、中のものを口に入れていく。
    そんなに焦っては詰まらせますよ、という女の呟きは、今度こそ冷たい空気に吸い込まれた。
    「……美味しいですか?」
    子供が袋の中身をあらかた口に入れ終えたのを見て、女は再びそう尋ねた。
    しんとした雪原に、子供が肉を咀嚼し飲み込む音だけが響く。最後の一欠片まで食い尽くしたのち、子供はようやく口を開いた。
    「美味い」

  • 7カッシーのコッシ―24/10/29(火) 20:05:52

    「何を良い思い出のように語っている。あの後のことを忘れたのか」
    「貴方に行水をさせたことですか?」
    「湯殿に放り込んだだけだろう、美味いものが食えるなどと甘言を宣って」
    「あら、嘘はついていなかったでしょう。それとも私に身体を洗って欲しかったのですか?ならば今晩にでも」
    ちらりと視線をよこす女を見、子供は馬鹿め、と口を曲げて不満を表す。
    ふとかぐわしい香りがして、二人はそちらに気を取られた。
    「……何の匂いだ」
    きょろきょろと見回す子供に、女は梅の香です、と答える。二人は雪の中を進み、祀られた紅白の花々の元に立った。
    「美味そうな匂いだな……と思っていますか?」
    「思うわけがないだろう」
    あら、と意外そうに首を傾げる。存外ふざけるのが好きな様子の女を見て、子供は巫女とはいったい何なのだ、と一つ溜息をついた。
    女が神木を見上げる。白梅は雪に溶け込むように、紅梅は浮き出るように、それぞれが景色の中で彩を放っていた。
    「……貴方と初めてお会いしたのも」
    ぽつり。呟く女を、子供は目だけで見遣る。
    黒目がちの瞳は読みづらいものだったが、その中に微かに浮かぶ感情を捉え、子供は思わず顔を上げて女を見た。
    何を考えている、と問うと、貴方のことを、と答える。
    「白と言えばうら寂しい雪の色。紅と言えば人の血と臓腑の色。あの時の貴方はそういったお方でしたね」
    「……何が言いたい」
    子供の眉間に寄った皺をちょいとつつき、女は歌うように続けた。
    「白は白梅、紅は紅梅に。うつくしい花々を見てください。この世にあるのはあのような寒々しい景色ばかりではないということを知ってください」
    かくり、と首をかたむける。
    「何が言いたいか、と問われますと、そうですね……言うなれば、これから貴方の心が少しでも彩られますように、という」
    願いです。
    女はかがみ、微かに笑んで子供の頭を撫でた。紅白が混ざったようなこの髪の色、私はとても好きですよ、と呟いて。
    子供は大きなお世話だ、と吐き捨てた。
    女の手を退けようとはしなかった。

  • 8カッシーのコッシ―24/10/29(火) 20:16:20

    時は弥生の頃。境内では何やら蹴鞠のようなもので遊ぶ子供と、掃除をする女が一人。
    びり、と間の抜けた音がする。
    女はどうしましたと振り向き、竹ぼうきを抱えたまま得心したように頷いた。
    「また破れて仕舞いましたか」
    「……」
    口を歪めた子供の足元にはたった今引き裂かれた可哀そうな着物の端が落ちていた。四つ腕のうえ日に日に体格の大きくなるその身体は、もう何枚も衣服を駄目にしてしまっている。
    女はやや気まずげな子供に向かって、端切れを拾っておいてくださいね、と怒るでもなく言い、ふと何かに気が付いたように足を止めた。
    じっと考え込む様は、集落の人間が見ればさぞかし有難がりそうな姿である。
    ややあって女は顔を上げ、少し待っていてください、と何処かへ走り去っていった。境内には上裸で端切れを拾う子供が一人残される。
    暫くののち、女は何やら布を抱えて帰ってきた。
    「……そんな目で見られても、これは食べ物ではありませんよ」
    「誰が物欲しそうな顔だ」
    短いやり取りにも女はふふ、と笑みをこぼす。二人の間にある空気は、冬を越えて少しばかり柔らかくなっていた。
    女は腕に抱えていた荷を下ろし、子供に手招きをする。よく見てみると、そこにあるのは女物の着物であった。
    「女装でもさせるつもりか?」
    「あら、女装は神代より続く古式ゆかしき文化にございますよ……というのは冗談ですが、女物というのは袖のあたりが広くとられているのです」
    ほら、と広げられたそれは、なるほど確かに窮屈さが少なそうに見えた。女の勧めるままに着てみると、存外と身体に馴染む。
    「……おい、言いたいことがあるならはっきり言え」
    「私からは、良くお似合いですとしか……」
    「お前馬鹿にしているだろう」
    「まさかまさか」
    女はぽんぽん、と子供の頭を撫でると立ち上がった。その唇の端にやや笑みが滲んでいるのを見て、子供は四つ腕を器用に組みながら睨みつける。只人であれば震えあがるようなその様にもまるで動じないこの人間は、子供にとってどうにもやりづらい相手であった。
    「み、巫女様!その奇怪なものはなん……!今すぐ離れてくれ!」
    そう、本来ならばこの声のように―――

  • 9カッシーのコッシ―24/10/29(火) 20:44:36

    「……あれは誰だ」
    「集落の者です。……今日は誰も参拝には来ない筈でしたが」
    貴方は中に入っていてください、と女は子供を庇いたてるように立ち、こちらを恐れに満ちた目で見つめている男の下へ歩み寄る。その一挙手一投足に何故だか腹が立って、子供は思い切り女の腕をつかんだ。
    「……?」
    「巫女様から手を離せ、こ、この化け物!」
    子供はぱっと手を離したが、怯えたように叫ぶ男の声はまるで耳に入っていないようであった。まじまじと掌を見つめる子供を見遣り、女は憂いを帯びた影をその顔に落とす。
    「食事の下ごしらえはしていますからご安心を。今晩帰らずとも気になさらないでください」
    「……」
    子供はやはり動かず、女は一つ嘆息すると男を伴って集落へと下って行った。
    その夜、子供はここに来てから初めてひとりで食事をとった。

  • 10カッシーのコッシ―24/10/29(火) 20:51:23

    「アジサイ」
    だろう、これは。子供の声に女は振り向き、ああ、と声を漏らした。その顔はやややつれており、元から細かった体は更に頼りなげなものとなっている。
    「よく覚えていましたね」
    「あれだけ何度も聞かされれば嫌でも記憶する」
    時は水無月の頃。雨が降り続く境内の中で、つまらなさそうに庭を眺める子供と、何やら着物を広げる女が一人。
    子供はその後も暫し庭を見つめていたが、ふと視線を移して女の方へ顔を向けた。
    「その着物は何だ」
    「新嘗祭、というものをご存じですか?」
    「ニイナメサイ?」
    聞き覚えのない単語に首を傾げる子供。見た目に寄らず好奇心のある子供は、この頃食以外の物事にも興味を示すようになっていた。
    女はそのことを決して指摘はしなかったが、りんとした声に喜色を滲ませながら答える。
    「簡単に言えば、五穀の収穫を祝う古来よりの風習です。現在では宮中祭祀の中でも最も重要な祭事として執り行われています」
    一年のうちで初めて新米を口にする日でもありますよ、と女が続けると、子供は明らかに関心をそそられた様子で口を開いた。
    「お前も宮中に行くのか?」
    かつてないほど年相応の顔を覗かせている子供に対し、女はやや申し訳なさそうにいえ、と言った。
    「いえ、宮中には参じませんが……この社でも簡単な儀式は行う予定です。これは神楽で用いる着物になります」
    行かないのか、と息を吐く子供を見、女は着物を仕舞いながら呟いた。
    「ここでの新嘗祭は祭も兼ねていますから、儀式の後は新米などの五穀も振舞われます。醴酒も出されるそうですよ」
    「それは良い」
    女はころりと機嫌を直した子供に微笑んだが、ふとその表情を曇らせる。どうした、と問うと、黒目がちの瞳を伏せながら答えた。

  • 11カッシーのコッシ―24/10/29(火) 21:00:12

    「去年の頃から、このあたりは雨や雪が多いのです……手は尽くしていますが、もし嵐が酷くなれば、作物の収穫も厳しくなってしまうかもしれません」
    「……確かに去年、にいなめさいとやらが行われていた記憶はないな」
    記憶を探る子供に、女は頷いて言葉を続けた。
    「生きることに追われている時に祭を行う余裕はないですから……ある種の、慰めを除いては」
    「……」
    想像よりも去年の飢餓は酷かったようだと分かり、子供は黙り込む。
    己は女の下にきてから、少なくともひもじく飢えるような思いをしたことはない。別に集落の人間がどうなろうと興味はなかったが、子供の脳裏には女の腕をつかんだ時の感触が思い起こされていた。
    細く、如何にも食いでのなさそうな腕。
    「どうされましたか?」
    「……何でもない」
    子供は乱暴に頭を振り、心のうちに一瞬過った感情を打ち消した。
    しとしとと、未だ雨は降り続いている。

  • 12カッシーのコッシ―24/10/29(火) 21:09:03

    「いただきます、とは言われないのですね」
    貴方は。
    時は葉月の頃。夕立が降る中で、食事に手を付けようとする子供が一人。目の前の女を見遣った。
    「何か文句でもあるのか」
    僅かに剣呑な色を帯びる瞳を見返し、女はいえ、と答える。
    「文句ではなく、あくまで勧めです。たかが言葉、されど言葉ですから」
    「今の今までそんなことは言わなかっただろう」
    目をそばめる子供には、怒りよりも訝しさの方が多かったかもしれない。子供の言葉の通り、巫女は礼儀正しい人間だが、そういった作法を強制したことは一度もなかった。
    女が口を開く。
    「今にも飢えて死にそうな者を前にして道理を説くことを……少なくとも私は、正しいとは思いません」
    「ふん。つまり貴様は、今までの俺は飢えてのたうつ惨めな獣のようだったと?」
    複眼がぎょろりとその姿を捉えたが、女は相も変わらず、ほんの少しも動じることなく言葉を重ねた。
    「私は、貴方は生きるために必死な人間だったと、そう思っています」
    「……生きるために?……貴様、俺を只人の如く称すか」
    子供は不愉快そうに腕を組む。が、女の瞳の中に軽蔑や憐みの色はなかった。散々と向けられてきたような、憎しみに近い恐れなど、どこにも。
    「俺は人間を食って生きてきた。貴様も見ただろう」
    「ええ、見ました。ずっと見てきました。この国で、数えきれないほどの者がそうするところを」
    人が人を食らう様を。飢餓に耐えかねて、苦しみに耐えかねて、死に耐えかねて―――生きるために、藻掻く様を。
    「私はその行いの善悪を問うような傲慢はいたしません。生きるための足掻きを否定するつもりも、されど肯定するつもりもありません。ただそうあると、受け入れるまでです」
    「……」
    「……」
    「……俺は胎の中で片割れを喰った」

  • 13二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 21:17:15

    このレスは削除されています

  • 14カッシーのコッシ―24/10/29(火) 21:26:11

    子供が女へと言葉を放つ。試すように、伺うように。砂城めいて見える心を壊してしまおうと目論むように。
    女が子供を見つめる。一度目をつむり、開いた。
    「貴方の魂が安らかに在るのであれば、私から申し上げることは何もございません」
    刹那、子供の体が女へと躍りかかった。四つの腕は易々と女を抑え込み、子供は犬歯を剝きながら言葉を吐き出す。
    「達観も偽善もいい加減にしろ!言え!貴様とて心の臓では呪詛を抱いているのだろう!?」
    善悪を問わず、正否も定めず、忌避も唾棄も恐怖もせずに、ただ人の業を受け入れる。生きるために、と。
    そんな人間がいるはずがない。
    引き倒された女はそれでも怯むことなく、黒々とした瞳で子供を見据える。口元は苦し気に歪められているが、その声はりん、と響いた。
    「私は貴方や、貴方の片割れ殿へ偉そうに物を申せるような人間ではありません……ただ目の前で生きる貴方を想うだけです。それが私の心です」
    「戯言を……!」
    ぎち、と子供の腕に力がこもる。女は微かに呻いたが、そっと子供の肩に指を添えた。
    「昔申し上げたでしょう……貴方の心が少しでも彩られますように、と。私の願いは、心は、初めからそこに在るものです。それとも信じられませんか?ここで暮らして、貴方の心はほんの少しも変わりませんでしたか!?」
    違うでしょう、と眉根を寄せる女の姿に、子供は無性に腹が立った。否定してやりたいと思った。否定させたいと思った。
    ―――それは女を?それとも己を?
    子供は牙を剥き出し、噛みつくように叫ぶ。
    「貴様は!いつか自分が喰われる時にも同じことが言えるのか!」
    しん、と反響すらも飲み込まれた。黙り込んだ女を見て、子供は笑みを浮かべながら力を
    緩める。
    やはりそうなのだ。この女とて、この女でさえも―――

  • 15二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 21:40:04

    このレスは削除されています

  • 16カッシーのコッシ―24/10/29(火) 21:43:06

    手が、触れた。
    女の細い手が、子供の頭を撫でる。いつかの雪の日に捧げられた願いのように。麗らかな春に差し出されたぬくもりのように。
    女が口を開く。
    「貴方が生きるためならば、喜んで」
    「……っ、お前、は………あぁ、」
    お前は、馬鹿だ。
    俄かに力の抜けた身体を優しく支え、女は幼子にするようにその背を叩いた。
    「私一人が馬鹿であろうと、八百万の神々もお怒りにはならないでしょう」
    勿論、誰かにその道理を押し付けるような真似は致しませんから、と歌うように呟く女の腕の中で、子供は深く嘆息し、その身を委ねた。
    もしかしたら、それは抱擁と呼ぶものだったかもしれない。

    「……すみません、そろそろ肋が折れそうなので退いていただけますか」
    「そういうことは早く言え」
    夕立が降り続く。柔らかな雨の香が立ち上った。

  • 17カッシーのコッシ―24/10/29(火) 21:43:45

    雨だ。
    雨が降っている。
    暗い社の中で、爛々と光る四つの目があった。
    彼はひとりだ。
    祭が近づくにつれ、ひとりになることが増えた。
    彼女は朝早く出かけ、夜遅く帰ってきた。
    彼はひとりで目覚め、ひとりで飯を食い、ひとりで眠った。
    彼女は少しずつ瘦せ細っていくように見えた。
    彼はひとりで花を見、ひとりで鞠を蹴り、時にはひとりで境内を掃き清めた。
    彼女は何かを隠しているようだった。
    彼は何も聞かなかった、
    彼女は何も言わなかった。
    彼は、彼女は―――
    雨が降っている。
    昨日も、今日も、明日も。
    雨が降り続いている。
    ずっと。

  • 18カッシーのコッシ―24/10/29(火) 21:56:26

    「この木のあたりならば、あまり人は来ないかと」
    時は霜月の頃。まだ誰もいない境内に、一人の子供と女が立っていた。
    子供はさほど興味なさげにしていたが、本音としては集落の人間に見つかって面倒なことになるのは避けたかった。
    己に害を為そうとする者ならば構わない。切り刻んでやればいいだけだ。が―――
    「……?」
    が、何だ?知らず知らずの内に女を見上げていたことに気が付き、子供は首を傾げる。そんな様子を知ってか知らずか、女は子供と目線を合わせた。
    その首元は筋が浮き出るようだった。
    「今年も雨続きで収穫が芳しくなかったため……申し訳ありませんが、醴酒を少々振舞うことしかできません」
    「……別に、構わん」
    あら、と目を瞬かせる女を見、己は何時まで食い気しかない人間だと思われているのだ、と子供は半眼になった。
    ふと朝日が差し、子供と女を照らす。
    日に輝く女の肌は、本当に透き通ってしまいそうなほどに白かった。眩暈のような心地を覚え、子供は暫く、女が物を口にするところを見ていなかったことを思い出す。
    「……おい」
    「どうされましたか?」
    「……」
    『あ』の形に開いたまま、続きはついぞ出てこようとしなかった。何を言おうとしたのか
    子供本人ですら忘れてしまうような、そんな時間が過ぎた。
    「……何でもない」
    「そうですか?」
    何かあれば言ってくださいね、と女の手が頭を撫でる。いつまでも童のような扱いをするなと思いながらも、結局その手を拒んだことは一度も無かった。
    これからも無いかもしれないと、そんなことすら思っていた。
    それは祭の朝だった。

  • 19カッシーのコッシ―24/10/29(火) 21:59:27

    りん、と鈴の音が響く。
    子供は木の上に座りながら醴酒を舐め、簡素な舞台で舞う女を見ていた。
    今まで言葉を交わすどころか顔すら見たことが無い集落の人間も、同じように女を見ている。
    女が巫女であったことを、子供は今更ながらに実感していた。普段は存外にふざけるのが好きで、佇まいにさえ慣れてしまえば、女を巫女として意識するようなことは無かったのだから。
    りん、と鈴の音が響く。
    そう、慣れてしまえば―――だ。だから、あの者たちは未だ慣れていないだけなのだろう、と子供は思う。舞う女を、崇める様に見つめる集落の人間たちは。
    りん、と鈴の音が響く。衣擦れがたおやかに鳴り、梅を差した黒髪が揺れる。誰かの感嘆の声が漏れ聞こえた。
    それがやけに不快だった。子供は女から視線を逸らしはしなかったが、下に立つ集落の人間からは極力意識を背けていた。
    女が舞う。優美な所作は、この者は単に様々な地を巡っていただけではないのだろうと思わせた。教養のある口ぶりも、上等な着物や檀紙もそうだ。
    りん、と鈴が鳴る。神に捧げるために。人を慰めるために。未来を生きるために。
    りん、りん、と。

  • 20カッシーのコッシ―24/10/29(火) 22:06:25

    女がいなくなった

  • 21カッシーのコッシ―24/10/29(火) 22:16:44

    女がいなくなった。
    子供がそれに気が付いたのは、雪が境内をすっぽりと覆った頃だった。
    おかしいと感じたのは、社の屋根に雪が溜まっているのを見たからだ。雪は重い。去年のこの頃、女は危なっかしい手つきで雪を降ろし、屋根の手入れをしていた。今年は手伝ってやろうかと、そう思っていたのだ。
    慣れていた。女が帰らないことに。ひとりになることに。
    思い返せば本来女はあれこれと世話を焼く方で、いっそしつこいくらいに花の名前などを―――
    「……っ」
    子供は走り出した。雪を蹴り分け、集落の方へ。そこに女がいるとは思わない。が、己の知らないことを知っているとすれば、己に言わなかったことを知っているとすれば、それはあそこの人間たち以外にいなかった。
    転がるように坂を降り、一番初めに目についた男へと掴みかかる。
    「あの女は何処にいる?!」
    「ひ、ひいっ!な……なんだこの化け物!」
    情けない声に気を割いている余裕はなかった。何のことだかわからない、という顔をする男の襟元を縊り、子供は声を荒げる。
    「貴様らが『巫女様』だの崇めていた女のことだ!あれが黙って出ていくなど有り得ん!言え!何処にいる!」
    「み、みこさま……まさか化け物、巫女様をとって食う気か!?そ、そんなの許さないぞ!」
    「……黙れ」
    ぐわりと怒りがこみ上げ、子供は腹に呪力を込めた。
    そう、ここに来てからただの一度も使っていない、身に染みついた呪いを。
    「―――……」
    男の肌を切り裂かなかったのは、決して女の顔が過ったからではない。あれに安らぎを願われたからなどでは、決して。
    男が苦し気に呻いた。
    「は、はなしてくれ……」
    「……あの女について、知っていることを全て話せ」
    ぎち、と腕に力がこもる。複眼がぎょろりと男を睨みつけると、怯えた影が一層濃くなった。
    男が震えながら口を開く。
    「お、おれだって知らねえよぉ……でも長様は、巫女様は俺たちのために身を捧げられたって…言って……」
    「…………は?」
    腕から力が抜ける。地に落とされた男が這いつくばりながら逃げていくのを見ても、子供は何も感じなかった。
    「あの女……」
    ぐるりと、世界が廻転した。それは己が踵を返して走り出したからだということに、子供は気が付いていなかった。
    平安時代。時は師走の頃。一人の子供が山を駆け上がっていた。

  • 22カッシーのコッシ―24/10/29(火) 22:26:43

    何故思い至らなかったのだろう。
    女が何処にいるか、そんなもの呪力を辿ればいいだけだった。ほんの僅かなものだとしても、女のそれを己が間違える筈がない。
    何故気が付かなかったのだろう。
    女は痩せ細っていた。顔には出辛い性質だったのだろうが、己はずっと近くにいたのに。否、だからこそ―――だったのだろうか。女がいないことに慣れる様に、その身体が細くなっていくことにも、少しずつ鈍感になっていたのだろうか。
    何故何も聞かなかったのだろう。
    聞けば答えてくれただろうか。いつものように、嚙み砕き過ぎた言葉で教え諭してくれたのだろうか。
    わからない。
    何が見えていなかったのかも、見せられていなかったのかも、見ないふりをしていたのかもわからない。
    子供は走って、走って、走って、辿り着いた。
    そこはうら寂しい、乾いた野原だった。
    雪がかき分けられ、土が見えている場所。その中に女の気配がした。
    子供はそこに歩み寄って、静かに腰を降ろした。

  • 23二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 22:35:41

    公式が出るまで幻覚はなんぼあってもいいですからね 神SSをありがとう

  • 24カッシーのコッシ―24/10/29(火) 22:37:03

    「……貴方ですか」
    女の声が聞こえた。くぐもって、弱弱しくなった声だった。
    子供が口を開く
    「お前は、馬鹿だ」
    短く息をつめた気配があった。その後に笑んだ気配がした。女は少し咳きこんで、そうですね、と言った。
    子供は言葉を続ける。
    「こんなことをしたところで、あの者たちの腹は満たされんだろう」
    「……わかっています。それでも、生きるためには必要なのです。彼らはもう、果てのない苦しみには耐えられません」
    「ただの慰めか」
    「ただの慰めです」
    私は巫女ですから、と宣う声は変わらずりんとしていたが、少しばかり疲れの滲むものでもあった。
    女が息を吸う気配がする。
    「事が終わるまでは、貴方に知らせるつもりはなかったのですが」
    「……どこまで俺を馬鹿にしている。気が付かないとでも思ったのか」
    「ええ……と言ったら、怒りますか?冬の間の食糧は貯めていましたし、貴方に不自由をさせるつもりもありませんでしたから」
    ふふ、と笑む女の声を遮らないように呼吸する。いつまで食い気しかない人間だと思っている、と言えば、女は珍しくころころと笑った。
    死へと歩みを進めているのに、その声は随分と楽しそうだった。

  • 25さようなら、さようなら24/10/29(火) 22:46:51

    「……行かないのですか?」
    ひとしきり笑った後、女が尋ねる。風邪をひいてしまいますよ、と、まるで親のような心配をして。
    「俺は俺の好きにするだけだ。お前の方こそ、慰めとやらがそんなに大切ならば精々集中していろ」
    「……そうですね」
    暫し沈黙が落ちる。子供が空を見上げると、止んでいたはずの雪がまた降り出していた。
    女が動く気配がする。
    「……ひとつだけ、約束をしてくれませんか」
    「何だ」
    そっと土に耳を近づける。雪が体に積もっていく。
    「……貴方が、この先、どんな人生を歩んでもいい。それは貴方の、自由ですから……ただ…どうか忘れないで」
    「なにを」
    「…………花の、」
    はなの、なまえ。
    ふ、と女が息を吐きだす音がした。後に続くのは、雪の降る音にすらかき消されるようなか細い呼吸だけ。
    子供は動かなかった。空を見上げて、雪を見つめて、集落の人間が来れば追い払った。
    逃げた男が落していった鈴を鳴らせば、りん、と音が帰ってきた。
    子供は鈴を鳴らした。女もそれに応えた。
    りん、りん、と鈴が鳴った。■に捧げるために、■を慰めるために、■へと向かうために。
    りん、りん、と。

  • 26カッシーのコッシ―24/10/29(火) 22:51:06

    子供がそこを離れたのは、鈴の音が響かなくなった頃だった。
    山を下って、集落から離れて、あてどなく彷徨い歩いた。
    雪が全て溶け、春になってからそこに帰った。

  • 27カッシーのコッシ―24/10/29(火) 22:58:53

    「…………たす、え……め、し…」
    足に縋り付いてきたのは、顔もわからないほど痩せ細った男だった。
    集落は壊滅していた。
    深い雪に閉ざされたのだろうか。山が崩れたのだろうか。あるいは、人同士で争い合ったのだろうか。
    理由などどうでも良かった。
    飢餓が起こり、人々は飢え苦しみ、多くの者が死んだ。
    それが全てだった。

  • 28カッシーのコッシ―24/10/29(火) 23:00:17

    「……馬鹿な女だ」
    「ぅ、う……たす、け」
    「うるさい」
    こみあげる感情のままに腕を払った。枯れ枝のような男の体が切り刻まれ、跳んでいく。
    殺した。呪術を使った。呪いを振るった。
    子供が口を噛みしめ、眼前の山を睨む。
    「あの女は馬鹿だ……馬鹿だ、馬鹿だ大馬鹿者だ」
    キン、と硬質な音が響く。子供が手に触れた全てを刻んでいく。死したものも、未だ生き永らえている者も、平等に。
    「お前は馬鹿だ!」
    集落が微塵になっていく。かつてあった人の営みが滅茶苦茶に切り刻まれても尚、その刃は止まらなかった。
    『折角やるなら全力でやりましょう。ほら、十二単なんて如何ですか』
    『残念ながらそれは茄子ではなく牛です。あ、こら。食べないでください』
    『…………はなの、なまえ』
    腹の中で暴れる何かの名前が分からなかった。ただそれを吐き出したくて、消し止めたくて、無かったことにしたくて、子供は全てを壊していた。
    破壊の限りを尽くした、己のためだけに。別に良いじゃないか。だって―――
    だって、あの人はもう何処にもいない。
    「……」
    瓦礫とすら言えない残骸の中で、子供はひとり立っていた。荒げていた息が落ち着くと、ゆっくりと山へ歩を進める。
    花のほとんど落ちた梅の木。むしり取られた菊の葉。固く閉ざされた安知佐井の蕾。
    山道を登って、鳥居を潜り抜けて、ひたすらに向かう。
    何も無い場所へ。
    子供は落ちていた鈴を拾い上げ、りん、と鳴らした。
    帰ってくる音は無い。
    もう一度鳴らした。その反響がすべて消えるまで、微動だにしなかった。
    やがて痛いほどの静寂が落ち、その中に子供はゆっくりとかがんだ。
    一心に土を掘る。
    掘って、掘って、掘って、そして辿り着いた。
    子供は■を地に横たえ、姿勢を正し、四つの手を合わせた。

    「いただきます」

  • 29カッシーのコッシ―24/10/29(火) 23:05:14

    時は平成。11月某日。法衣を纏った即身仏の前に、一体の呪いとその従者が立っている。
    呪いが笑う。
    「身仏とはな。羂索……いや天元か……皮肉のつもりか」
    身仏の頭に手を添える。かつてある人間が、己にそうしたように。
    梅の名を冠した従者がこちらを見つめていた。
    呪いが口を開く。
    「それとも……」
    それ以上の言葉は、何も残らなかった。

  • 30カッシーのコッシ―24/10/29(火) 23:12:59

    以上でスレ主の妄想は終わりです
    兎に角誰かに謎の巫女の妄想を共有したかっただけのスレなので、この後は皆様の謎巫女予想を書きこむなり好きに使っていただいて構いません
    感想とか書いてくれたら泣いて喜ぶ
    もし明日までこのスレが残っていたら補足の説明とか書くかも、このSSは子供が見たいものしか見ていない話なので

  • 31二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 23:39:59

    上手く言えなくて申し訳ないんだがものすごく良いものを見せていただきありがとうございます
    素晴らしすぎて言葉にできない

  • 32二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 00:11:32

    こんな妄想なんぼあってもいいですからね

  • 33二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 07:58:37

    もしかしてこの宿儺って雪のように白い子供を拾って裏梅って名付けてる…?

  • 34カッシーのコッシー24/10/30(水) 10:32:48

    補足①ファンタジー即身仏(ファンタジースプリングスの語感)
    即身仏は仏教やろがい!というご指摘はご尤も何ですが、巫女以外の登場人物(集落の人間など)はあれを即身仏だとは思っていません。生き埋め型の人身御供(毎年恒例)だと思っている
    巫女自身が即身仏の手法(木食修行や漆の飲用)に則っていただけ 
    じゃあ何故巫女が密教の即身仏について知っているのかというと、昔宮仕をしていたという設定(妄想)があるからです
    宮仕→なんやかんやあって辞め各地を放浪→なんやかんやあってSS内の神社へ、という流れ
    矢鱈教養があったり身につけている檀紙等が上質なものだったりするのもそのため
    即身仏は厳しい修行の末になるもの、そもそも女性は脂肪分が多いから即身仏にはなりづらいだろというのは…まあ…ファンタジーなので…
    気合いと愛だと思ってください

  • 35カッシーのコッシー24/10/30(水) 10:36:59

    補足②子供(以下宿儺)
    唯我独尊、快不快が唯一の指針になる前の忌子
    子供ゆえの視野狭窄と巫女への甘えとこの生活がずっと続く(と良い)という無意識の思い込みにより見たいものしか見ていない
    巫女の元を去ってから帰ってくるまでの数ヶ月、なんと誰も殺していないし食っていない(迫害はされていた)
    ご飯は毎日いっぱい食べてました

  • 36カッシーのコッシー24/10/30(水) 10:42:17

    補足③巫女
    一般通過平安巫女(妄想の塊)
    人食に対する基本的なスタンスは「それ自体は悪いことだけれど、生きるためにそれをしてしまった人の善悪は他人が決められるものじゃ無いよね」という感じ
    宿儺に対しても同じように考えていました。貴方は生きるために必死な普通の人間だよと(平安基準)
    宿儺に生き方を強制したことは一度も無かった。花の名前を忘れないでくれ、というのは最期の我儘、あるいは願い。それが呪いになったかは宿儺にしかわからん

  • 37カッシーのコッシー24/10/30(水) 10:51:54

    補足④
    着物の話の際巫女が痩せていたのは
    ・宿儺に十分に食べさせるため
    ・集落で飢餓が起こり(新嘗祭の話参照)、住民に食糧を分け与えていたため

    宿儺バレ
    着物の話の時に集落の男が出てきますが、ここでばっちり宿儺の存在がバレています
    これは当然結構不味く、集落のお偉方に知られて問題に(邪教の女か処刑処刑)
    それをなんとか今までの信頼と実績と口八丁で抑え、宿儺バレが集落中に広まる事態は防ぐ。あと宿儺が傷つけられないように手を回す
    がやはり問題は問題だったので、今年の人身御供どうする?という話もあり巫女がそれに抜擢
    巫女は皆を慰めたいという思い半分、宿儺バレの責任をとったというのが半分。後者は宿儺には文字通り死んでも隠し通しました(SS内で一切触れられないのは宿儺視点だから)
    着物の話以降巫女が痩せているのは(ファンタジー)即身仏になるため

  • 38カッシーのコッシー24/10/30(水) 10:59:02

    補足⑤
    巫女は決して自分の命が軽いだとか希死観念があるというわけでは無く、死にたいのか?と聞かれればいえ全く死にたくは無いですがと真顔で答えるタイプ
    でも飢えてる人が目の前にいたらアソパソマソ並の速度で自分の身を差し出せる
    宿儺の分岐になりうる人なら…それくらいのイカれ具合は必要かなって…
    宿儺バレの後はそれなりに悩んでいました。宿儺を拾ってきたのは自分なので、最後まで面倒を見るべきでは無いかと
    二人で逃げちゃう?でも集落の人達のことも大切
    取らなきゃいけない責任もある。覚悟を決めるまでは結構迷っていた
    (またしても何も知らない宿儺さん)

  • 39カッシーのコッシー24/10/30(水) 11:01:20

    補足は以上です

    読んでくださった方、感想を書いてくださった方、♡を押してくださった方、本当にありがとうございました

    後のスレは>>30の通り好きに使っていただいて構いません

    感想とか書いてくれたら泣いて喜ぶ(2回目)

    平安過去編…待ってるよ…

  • 40二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 12:25:03

    巫女の言葉も行動も最後まで隠し抜いた思いも全部愛ですごく切ない 平安編マジでやってほしい

  • 41カッシーのコッシー24/10/30(水) 12:55:14

    >>35

    すみません!補足は以上って言ったんですけど誤解を招きそうな表現があったので追加します

    ご飯は毎日いっぱい食べてました、というのは巫女のところにいる時の話。彷徨い歩いていた間は普通にお腹を空かせてたし迫害もされてました


    あと即身仏という概念的には巫女が転生するというのは無さそうですが、SSでは宿儺が掘り返していただいたのでどうなるかはわからない

  • 42二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 23:15:31

    良いSSでした

  • 43二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 00:58:22

    すごく面白くて素敵なSS
    だけどカッシーのコッシーが何なのか気になって夜も眠れない

  • 44二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 01:01:54

    良いSSでした視点の差の違いとかも良かったです
    (カッシーのコッシーってカッシーの腰の事だと思ってた…)

  • 45二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 02:12:17

    >>35

    >なんと誰も殺していないし食っていない(迫害はされていた)

    生き方を変えるきっかけになったというか一時的にとはいえ実際に変えてたわけだ

    本文中でも巫女の話なら聞く感じだしうまく行けば本編みたいなルートを避けられた雰囲気はありつつ時代も悪かったし何ともならなかった感がお辛い

  • 46カッシーのコッシー24/10/31(木) 13:19:06

    >>43

    >>44

    オッシーのカッシーのコッシー


    全コマ大好きだけど特にここの段差が俺を狂わせた

  • 47二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 01:13:22

    カッシーの腰で大正解だったのか…

  • 48二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 11:32:13

    29巻か30巻のおまけで巫女が誰か(既存キャラが否か)を明かされるだけでも良いから情報欲しい〜
    いや本音を言えば平安編読みたいけど

  • 49二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 15:51:07

    この解釈は非常に推せるのよ。

  • 50二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 20:05:06

    もし巫女が本当に既存キャラでもなんでも無いただの善良な一般人だったら正直癖に刺さりすぎてやばい
    連載終了後にして宿×巫とかいう推しCPというか組み合わせができてしまうかもしれん

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています