【SS】カフェ誕生日おめでとう。

1SS書き22/03/05(土) 20:22:14

「トレーナーさん……その紙袋が？」
「カフェが私に選んで欲しいって言ったからね」
「ええ……理由を聞きたいからです。
トレーナーさんがどんな思いで……これを私にプレゼントしようと思ったか。
それが……気になりまして」

「とっても悩んだよ、カフェは何がいいんだろう。
何がうれしいんだろうって」

私が元々そこまで詳しくはないもので。
カフェと出会ったことで詳しく、好きになっていったからこそ、記念として。
繋がりの証として。
これを送ることに決めた。

「これは……？」
「自家製のコーヒー豆だよ。
前にカフェが見せてくれたから、私も作ろうと思って」
「……ああ、覚えていてくださったんですか…………
なんだか……うれしいです」
「やっとできたところでね、一回淹れてみようか」

「上手くなりましたね……トレーナーさん」
「なにが？」
「コーヒーを煎れるのが、です」
「そうかな、カフェが言うならホントなんだろうけど」
そんなに実感がない。
たしかに我ながら多少は上手くなったと思うけど、いわれるほどなのかな？

2SS書き22/03/05(土) 20:22:37

あっ、できた。
さてさてお味のほどは……

「…………苦いね、コレ」
「確かに少し苦味が……強すぎですね……
でも……前なら飲めなかったんじゃないですか？」
「……そうだね、カフェと契約する前なら多分飲めなかったと思う」
「それと同じで……いいじゃないですか。
いつか……美味しいコーヒー豆を作って、私に淹れてください」

今後も私と一緒にいることを前提にしている気がするけど、
喜ばしい日である今日に邪推は似合わないから心のどこかに投げ捨てた。

今日は3月5日。
私が契約しているウマ娘　マンハッタンカフェ。
彼女の誕生日だ。
ハッピーバースデイ、カフェ。