- 1125/02/08(土) 19:00:55
このスレはKPC虎杖釘崎五条とPC伏黒でクトゥルフ神話TRPGを回していくものだよ
閲覧注意は発狂した時や万が一グロテスクな描写があった時用だよ
原作軸ではなく一般人(?)設定。そのため関係性や雰囲気などが異なる可能性があるよ
これは沼男は誰だの世界のその後で、つまりKPCの三人はロスト済だよ
このシナリオは"ロスト救済シナリオではない(=三人を生き返らせるためのシナリオではない)"ので、注意してね
今回は野さま作成シナリオの『祭囃子に手を引かれ』をお借りしてるよ
本来はタイマンシナリオ(KPC1PC1)を改変し、KPCを3人にして回すよ
シナリオのネタバレを大いに含むので注意してね。既にシナリオを知っている人は先の展開のネタバレはやめてね
通過卓の『沼男は誰だ』のネタバレを大いに含むのでそちらも注意してね
今回安価はないよ。沼男は誰だと同じ方式で行くよ
ちゃんとお別れが出来なかった四人がお別れを言えるように見守ってね
かけがえのない友を失った。背中を押してくれた師も失った。
それでも日常は続いていき、そしてとある日のこと。
暑い、暑い、夏の夜にインターフォンが鳴る。――きみを拐いに夜が来た。 - 2125/02/08(土) 19:01:09
- 3125/02/08(土) 19:01:23
- 4125/02/08(土) 19:01:33
- 5125/02/08(土) 19:01:52
KPC虎杖 悠仁(前シナリオ、『沼男は誰だ』が終わった時点のもの)
iachara.comKPC釘崎 野薔薇(前シナリオ、『沼男は誰だ』が終わった時点のもの)
iachara.comKPC五条 悟(前シナリオ、『沼男は誰だ』が終わった時点のもの)
iachara.comPC伏黒 恵(リアルタイムで更新)
iachara.com - 6二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 19:12:12
たておつです
キャラシ…と思って上から見たらヒエッ…ってなったよ
虎杖のシナリオの説明がなんか凄く切ないし釘崎五条のがらしくてやっぱり切ないんだ
伏黒のも短いながら悲しいな - 7二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 19:14:34
キャラシこう来るかと思いながら読んだ
生き返ることはないけどお別れが言えるといいな - 8125/02/08(土) 19:20:54
季節は真夏のさなか。
多くの人間にとって衝撃的だった事件からは一年半もの月日が流れていた。
関東一帯で100万人をも超える数が突如死んだとはいえ、気付けば日常が帰って来る。
その事件の裏にスワンプマンと言う存在があったと知るのは数少ない人物のみ。
真実を知る者の一人である伏黒は友や師を失ってからも、変わらずにあの病院で獣医を勤めている。
五条が自分と合わせたがっていた学生とも会い、――――結局彼がどうしたかまでは知らないが。
退勤後、伏黒が家に帰ればエアコンのタイマーが作動し、部屋を快適な温度に保っている。
外気温とは全く違う涼しさに足を踏み入れ、重い体をどうにか動かしてそのままソファに腰掛けた。
一つ息を吐き、スマホを見れば通知が一件届いている。
どうやら何かしらのクーポンが届いたという通知のようで、さっと払えばそれだけで終わる。他に通知はなかった。
ふと、手慣れた手つきで伏黒は下へ下へと遡る。
そして一つのメッセージグループをタップすれば、他愛のない会話が繰り広げられていた。
懐かしくもあり、そして悲しくもあり、寂しくもある。
いつかの幸福、消え去った日常、失われた当たり前の明日。
入力欄には途中まで入力された文章がある。だがそれが送られることはないし、既読がつくこともない。
終わったのだ、あの冬の日に。――――伏黒の中にあった、小さな世界が。
そんな時、不意にインターホンが鳴る。
確か今日届く荷物はなかったはずだと思えば、立ち上がるのが面倒にも思えて一つ息を吐くだけに留める。
だが間隔を開けて二度目、そして三度四度と繰り返される。
うるさい、と。そう思いながら伏黒は立ち上がった。
廊下に出れば微かに話し声のようなものが聞こえて来たような気がして、どこの誰だと伏黒の不機嫌さは増した。
感傷に浸っていた所をぶち壊されたことへの怒りもあったことだろう。
<聞き耳>
伏黒(55) dice1d100=57 (57)
- 9二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 19:23:16
うう導入が切ない
五条が会わせたがってた学生とは会えたのか
そして惜しいな - 10二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 19:24:56
五条が合わせたがってた相手とは会ったんだなあ…
聞き耳は失敗か - 11125/02/08(土) 19:27:53
苛立ちが勝っていたのか、伏黒は声の主に気を配るようなことはなく、半ば苛立ちながらも玄関の戸を勢いよく開く。
「なんです」
か、と。それ以上は言葉にならなかった。
「やあ、久し振り。元気だった?」
扉の向こう、そこには五条が立っていた。
いつかの日までと変わらないような、サングラス越しの蒼い瞳が悪戯めいて光っている。
大きなボストンバッグを抱えているのが目に付くが、それ以外におかしなところは見当たらない。
「なんか伏黒やつれてる?元気って感じしねぇけど」
「医者の不養生ってヤツじゃない?いやね、信用ならないわ」
そして五条の少し後ろには虎杖と釘崎が、こちらもいつかの日までと変わらないような信愛を滲ませる瞳と、どこか気恥ずかしさのような感情をも込めて伏黒のことを見返していた。
「…………は?」
たちの悪い夢か。それとも――――現実か。
<SANチェック>1/1d4
伏黒(60) dice1d100=88 (88)
- 12二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 19:29:04
いきなり再会した
そりゃあ動揺するよな - 13125/02/08(土) 19:34:26
≪SAN減少≫
伏黒 dice1d4=2 (2)
脳が理解することを拒む。
亡くしたはずの友人と師が、こうして当たり前の顔をして自分に話しかけてくるだなんて。
そんなことはあってはいけないのだ。
自分を慰めるための夢なら馬鹿馬鹿しいという言葉に尽きたし、そうではなく幻覚ならばもっと救いようがない。
まるで頭を思い切りぶん殴られたかのような衝撃に伏黒は言葉を失い、瞼を下ろす。
いっそのこと再び瞼を持ち上げた時には三人の姿が消えていればいいとさえ思ったが、そうはならなかった。
「アンタ、そんなに体調悪いわけ?寝てる?」
「水かなんか居る?俺取って来ようか?」
大学受験の際、獣医学部の受験でそれなりの無理をしていた伏黒を慮った時の二人と同じような反応を、目の前の虎杖と釘崎はしていた。
ぐ、と。歯を食いしばる。
ぐわんぐわんと揺れそうになる頭と体を必死に留め、伏黒は乾き切った口を開く。
「なんで、だよ」
泥になったはずの三人。居なくなったはずの三人。失ったはずの三人。
無防備に喜ぶには、伏黒はリアリストであったし賢過ぎた。
「なに?僕たちがわざわざ会いに来たってのに、なんでとは酷いね」
五条はそう茶化しながらも、伏黒を見つめる。
その瞳には確かに心配の色が含まれているように見え、伏黒は更に言葉を失った。
言うべき言葉が分からない。どうすればいいのか分からない。
――――あの日のように。
- 14二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 19:34:52
グループ残してあるのか
消せないよなでもメッセージ既読にならないのも
返事が来ないのも切ないな - 15二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 19:36:32
えっ…五条?
そりゃ伏黒もSANチェック失敗するわ - 16二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 19:38:12
そもそも3人ともいる
これを単に喜べるほど伏黒は素直じゃないよなあ
どうなってるんだろう - 17二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 19:38:39
そうだよな信じられないよな
この伏黒大分擦り切れてそうだけど大丈夫かな - 18125/02/08(土) 19:40:37
目の前の三人に対し、違和感はない。
これがもしも夢ならば納得の出来と思うだろうし、偽物だったならばそれは伏黒と同レベルに三人と接してきたものでなければ造れないだろう。
ぐるぐると思考だけが巡っていく。その混乱を目の前の三人も察したようだ。
「あー……、驚かせた?」
「そりゃそうでしょ。私たち死――むぐ」
「はいはい、余計な混乱を招くことは言わないようにね。で、恵。突然なんだけどさ――――これからお祭りいかない?」
五条の誘いは、これからお祭りに行かないかというもの。
……なんだそれは。
「ほら、この近所で今日お祭りやってるだろ?それに誘おうかなって思って」
「私たちに奢ることを許してあげるわ。歓喜に泣き叫びなさい!」
<知識>
伏黒(85) dice1d100=6 (6)
- 19二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 19:44:28
どう見ても本物の3人だよな
釘崎の言葉から死んだ記憶在りそうだし
お盆だから帰ってきたとか? - 20二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 19:45:28
あっ…この3人ともそこまで覚えてるんだ
本人達なんだ
ここ伏黒惜しいな成功はしてるけどクリ出来そうだった - 21125/02/08(土) 19:53:14
どうにか頭を回せば、確かに今日この辺りで祭りをやると街中のポスターで見掛けたことがある気がした。
夏となれば祭りもあるだろう。それ自体は良いのだが、どうしてこの三人が自分を夏祭りに誘いに来るんだ。
「……なんで、俺を」
「さて、なんでだろうね?恵が断るならそれでもいいよ。僕たちはここでさようならってことで」
五条は心底そう思っているようで、もし伏黒が自らの家に閉じ籠るために扉を閉めたとして、もうインターホンは慣らさないのだろうと、そう察せた。
「えぇ!なんでそんなこと言うんだよ。俺たちは全然よくないっての」
「ここまで来て何もなく帰るなんて絶対に嫌よ」
しかし虎杖と釘崎はそう思っていないようで、五条にギャンギャンと吠えている。どうにも意見が一致していないらしい。
「これは恵が決めることだから。そうでしょ?」
しかし五条がそう言えば、二人は押し黙った。数秒俯いてから、二人は再び口を開く。
「……俺たちは伏黒とお祭り行こうと思ってここまで来たけど、伏黒が嫌なら…………しょうがない、とも思うし」
「あーもー!ぐだぐだ言うのはごめんよ。伏黒!アンタどうするわけ。私たちと行くの?行かないの?」
行かないと口にするのも、三人を拒むのも簡単だった。
扉を閉めて、鍵をかけて。――きっとたったそれだけで伏黒は日常に戻れる。
数多のものを失って、寂しさの残る新たな日常に。
しかし、今ここで断れば二度と彼らに会えないのではないかと、そう思った。
それは当たり前だというのに、今度こそ自分の意思で三人を突き放すことなど伏黒は出来なかった。
「お、れは――」 - 22二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 19:55:51
混乱するけどここでさよならはできないよな
五条先生の決定権本人にゆだねるの好きだだな - 23125/02/08(土) 19:57:01
その時、五条が伏黒の腕をぐいと掴み、そして引く。
ふらつきながら玄関の外に踊り出た伏黒は五条に見下ろされる。
「余計なことは考えなくて良いよ。今は今、きっと悪い時間にはならない。僕たちにとっても、恵にとっても」
そして伏黒は気付く。自らの腕を握っている五条の手のひらは――――温かい。
「あっぶないわね!転んだらどうすんのよ」
「つーか先生、さっきまで伏黒が断ってもいいみたいなこと言ってたくせに」
文句を言う二人も伏黒に触れる。
熱がないか確認するための額であったり、手であったり。
そして二人の手は五条と変わらず、温かで伏黒の知る温度。
「…………少し、待っていて貰えますか。準備をしてくるので」
そして伏黒がそう言えば、三人は各々笑った。懐かしくも、かつての日常と同じ笑顔で。
伏黒が私服に着替えて玄関から出れば、三人は変わらずにそこで待っていた。
鍵をかけてから振り返れば、虎杖が右手を、釘崎が左手をとり、そして五条が伏黒の背を押す。
そのまま家を飛び出せば、遠くから祭囃子が聞こえてくる。
こうして四人の、最後の夏が始まった。 - 24二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 19:58:54
あったかい3人の手で伏黒が行く気になるの好きだなあ
最後なんだなあ… - 25二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 19:59:19
最後の夏か切ないな
でも楽しめたらいい - 26125/02/08(土) 20:04:18
太鼓と笛の音色が賑やかに夜の街を彩っていた。
屋台が所狭しと立ち並び、沢山の人々が往来している。
手を繋いでいないとあっという間にはぐれてしまいそうだ。
「はぐれたら大変だから、手、離すなよ」
「今回は全部アンタの奢りなんだから、逃げるんじゃないわよ」
温かな手は握っていれば、温度が交じり合っていく。
境界線がないかのように、三人の手の温度はいつの間にか同じ温度になっていた。
「逃げねぇよ」
離さない、とは言わなかった。
言ってしまえば本当に離せなくなるかもしれないだなんて、らしくないことを思ってしまう。
少なくとも、学生時代ならばとっくのとうに手を振り払っていたかもしれない。
気恥ずかしさもあって、鬱陶しいだなんて口にしたりなんかして。
「それで、どこ行く?屋台は沢山あるけど」
五条がそう問えば、釘崎の目が輝いた。心なしか、伏黒と繋いだ手がぎゅっと強く握られる。
「まずは当然―― dice1d9=9 (9) よ!」
【探索可能箇所:1.かき氷屋 2.射的 3.ヨーヨー釣り 4.りんご飴屋 5.くじ引き 6.型抜き 7.綿菓子屋 8.焼きそば屋 9.たこ焼き】
- 27二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 20:07:08
そうだよな離したくないよね
たこ焼きいいよね祭りのたこ焼きはまた格別 - 28二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 20:16:01
話せなくなるよなあ…このあたたかさは今だけなのは確定だし
たこ焼きとはいいな - 29125/02/08(土) 20:16:26
釘崎が所望したたこ焼き屋にくれば、8個12個24個と個数が書いてある。
「やっぱりお祭りではこれよこれ」
「初っ端に?」
「腹が減ってはなんとやらよ。それにどうせアンタだって馬鹿みたいに食べるくせに」
「ぐッ、だ、だってそりゃあ祭りのたこ焼きって食べたくなるもんだろ」
「じゃあいちいちケチつけるのやめなさいよ」
たこ焼きの屋台の前で虎杖と釘崎がそんな会話をしていれば、店主が景気よく笑う。
「がはは、いいね。たくさん食べてってくれよ。で、お客さん、何個ご所望だい?」
そう店主に問われれば、三人の視線が伏黒へと集中する。
「24個、ついでに箸も四本ください」
伏黒がそう言えば後ろでやんややんやと盛り上がる。
「よッ、太っ腹!」
「流石伏黒大先生ね。変なごね方しないだけゴジョセンよりも良い財布だわ」
「おっと、それは聞き捨てならないな野薔薇。僕ならそう、100個は買うのに」
「100個って買えなくね?」
「悠仁、数学のやり直し……いや、算数のやり直しをしようか」
「え、買えんの!?」
「馬鹿は馬鹿だと思っていたけど、ここまでの馬鹿だなんて」
「じゃあ野薔薇、100個買うためにはどのセットを何個買えばいい?」
「…………ほら、たこ焼き食べるわよ」
「野薔薇も後で補修だよ。流石にこれは先生として見過ごせないかな」
そんな聞き慣れたようで、久し振りに聞く声に伏黒は思わず小さく笑ってしまった。 - 30125/02/08(土) 20:16:41
そうすればたこ焼きを渡す時、店主が声を掛けてくる。
「にいちゃん、随分と仲の良い友達なんだな」
「……えぇ、まあ」
「大切にしろよ!その年で一緒に祭りだなんて、中々来れるものでもないしな!」
「そう、ですね」
そして伏黒は受け取ったたこ焼きを手に、四人の元に戻る。
一人六個ずつ、食べきれない分は虎杖にでも投げておこうと、いつもの流れだ。
「いっただっきまーす!」
「あー……たまらないわね、ソースの香り」
「結構タコが大きい。当たりかな?」
「食べる前に箸で割るなんて邪道よ邪道!!」
<CON×5>
伏黒(70) dice1d100=46 (46)
- 31二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 20:18:11
これは…何だかんだお腹空いてた伏黒かな?
- 32二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 20:18:59
いいなぁ一度失くしたものだから
余計尊いよななんでまた会えたのかわからないけど
思いっきり楽しめたらいいな - 33二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 20:26:38
やっと追いついたけど4人の会話文と手を引く2人背中を押す先生で顔覆った
あの終わり方の後だからっていうのもあるし4人ってそうだよねってしみじみしてそのまま天仰いだ……楽しい時間過ごしまくってくれ〜 - 34125/02/08(土) 20:28:29
伏黒も三人に続きたこ焼きを口にすれば、ソースと共に鰹節や青のりの風味が口いっぱいに広がった。
アツアツではあるものの、火傷をしないギリギリのところ。
美味しい、と。素直にそう思った。
「そういや昔タコパしたよな」
「アンタがホットケーキミックスその辺に置いといたせいでたこ焼きの粉じゃなくてホットケーキミックスでたこ焼き作った時の?」
「それだけじゃなくて普通のタコパもしただろ!?」
「明太子チーズ、美味しかったわね」
「俺は結構タコキムチ好きだったなぁ」
「ホットケーキミックスで中身はチョコと蜂蜜とナッツ、これは譲れないよ」
「げぇ、聞いてるだけで口が甘くなるわ。……虎杖、ん」
「ほいほい、後は食っとく」
なんとなく、三人が話している様子を伏黒は眺めていた。
自分も当然、タコパに参加しており、会話に入れないわけではない。
それでもどうしてか、この場に割入ることを勿体ないと思ってしまったのだ。
「伏黒はあれだよな、エビトマト!」
しかし虎杖は当たり前のように伏黒へも声を掛けてくる。
「刻んだガーリックが入ってる、アヒージョ風のヤツよね?」
「そうそう、伏黒もそん時酒飲んで結構食べてたよな」
過ぎたことではある。だが思い出せばやはり心地の良い記憶だ。
三人が目の前に居るのなら、尚のこと。 - 35125/02/08(土) 20:28:46
「美味かったよな、意外と」
「意外は余計だっての!」
「どっちかって言うと意外とマズいを作ってたのはアンタの方じゃない」
「……美味いと思うだろ、コーンマヨだぞ」
「微妙にマヨネーズが溶けてて微妙だったわよね、あれ。ゴジョセンの甘味爆弾の次くらいに」
「そこまで?」
そうしてたこ焼きを食べ終われば、次にどこに行くかという話になる。
「なら俺、次はdice1d8=1 (1) に行きたい!」
そうして気のせいではなく、再び繋がれた虎杖の手がぎゅうと握られた。
【探索可能箇所:1.かき氷屋 2.射的 3.ヨーヨー釣り 4.りんご飴屋 5.くじ引き 6.型抜き 7.綿菓子屋 8.焼きそば屋】
- 36二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 20:31:11
かき氷もいいよね祭り堪能してるな
虎杖が握ったとことで涙腺がもう駄目 - 37二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 20:33:30
伏黒が割って入れないところに声をかけてくるの好きだなあ
今は4人でいるんだ積極的にいこう
かき氷もやはり祭りには必要だよな
りんご飴にもそう思うよ - 38125/02/08(土) 20:39:27
しょっぱくて温かいものを食べたのならばと、四人が次にやって来たのはかき氷屋だった。
いちごにレモン、メロンにブルーハワイとお馴染みの味が揃っている。
「じゃあ俺は、んーっと」
「私はレモンで」
「僕はいちご練乳……え、練乳ない?じゃあいちごだけでいいや」
「あー、ならメロン!」
そして伏黒が注文しようとすれば、先に釘崎が口を開く。
「それで、アンタはブルーハワイでしょ?、ってなわけで一つずつお願い!」
「よし来た、手早く作るから待っててな」
そうしてガリガリガリと氷を削る音が辺りに響く。
財布を取り出して小銭をトレイに置きかけていた伏黒は釘崎を見つめていた。
「なによ?自分で注文したかった?」
「そうじゃない、が」
「伏黒って大体ブルーハワイだよな。味変えねぇの?って聞いたらこういうのは全部同じ味だろってさ」
「良いじゃないの。気分よ気分」
「同じ味なのに色だけ変えてるってのが企業努力が伺えて良いよねぇ。僕結構こういう悪足掻き嫌いじゃないよ」
「言い方が最悪なのよ。全てを台無しにしてるわ」
過去の記憶を覚えているのは自分だけじゃない、と。
それだけだというのに伏黒は少し、泣きたいような心地にもなった。
これが夢であれば良い。夢でないと良い。
――――この三人が自分を慰めるための何かではなく、本当にあの日の続きを歩んでいる三人ならば良い。 - 39二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 20:42:08
そうだよね消えた3人の方が夢で
ここにいる3人が本当だったらいいって思っちゃうよな
4人で楽しんでるの最高なんだけど切ないね - 40125/02/08(土) 20:43:37
「はい、おまちどうさん!サービスしといたから、頭痛くならないように気をつけろよ!」
そうして山盛りのかき氷が四つ分、次々と手渡される。
「……虎杖、やるわ」
「それは良いけど上に乗せると混ざるって!!」
「お、全部乗せ?いいね、僕も協力してあげるよ」
「赤に黄色に緑って、赤は本当にマズいってば!!」
そんな様子を眺めていれば、気付けば手が勝手に動いていた。
自らのブルーハワイを掬い上げ、そして虎杖のメロンとレモンといちごが混じった山の端に掬い落とす。
「伏黒まで!?」
「うわ、既になんか……マズそうね」
「やったの釘崎達なのに!!?!?」
「悠仁、周りの迷惑になるから静かに食べな」
「先生たちが騒がせてんのに!!!!!?」
「うるせぇな」
「~~~~~ッッ、なら、お返ししてやる、って無言で離れてくのやめん!!!?!?」
ひんやりとした温度はいつかの冬を思い出すようなものではあったが、もう寂しくはなかった。
<CON×5>
伏黒(70) dice1d100=99 (99)
- 41二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 20:45:23
皆生きてこの話だったらよかったよね…
ってしんみりしてたらすごい色のかき氷出来てるし伏黒ファンブってて草
キーンってきたかな? - 42二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 20:46:28
ファンブル出したな
頭痛くなっちゃったか
あれ結構きついんだよね - 43125/02/08(土) 20:50:38
ぎゃあぎゃあと騒いでいれば、最終的に五条以外の三人のかき氷が悲惨な有様となった。
そして騒いでいたせいか、伏黒はかき氷を食べた時特有のキーンとした痛みに襲われる。
「あ、伏黒もしかしてかき氷食い過ぎた?」
「結局一番多く食べたはずのアンタがなんでピンピンしてるのよ」
「仙台育ちだからね、俺!」
「降ってる雪食ってたガキ?」
「因みに悠仁、雪って実質的に空気中のゴミ食べてるようなものだからね」
「「そうなの!!!?!?」」
「……授業で教えたはずなんだけどなぁ」
頭が痛いというのにふざけているとしか思えない三人の会話に笑ってしまい、尚更頭痛が気になった。
暫くは残るだろうこれを出来るだけ気にしないようにしなければと伏黒が考えていれば、自らの頭の上にポンと乗せられる何かがあった。
それは温かく、そして優しい。
「頑張り過ぎないようにね」
上を見ていないので、顔は見えない。
だがこの手の持ち主が今どんな顔をしているか、伏黒には分かったような気がした。
「さて、じゃあ次は気を取り直してdice1d7=6 (6) にでも行こうか!!」
【探索可能箇所:1.射的 2.ヨーヨー釣り 3.りんご飴屋 4.くじ引き 5.型抜き 6.綿菓子屋 7.焼きそば屋】
一際強くぐしゃぐしゃと髪の毛を掻き回した後、いつもの笑みを浮かべて五条はそう言った。
- 44二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 20:52:54
いいなぁ仲良くしてる4人
ちゃんと見抜いてる五条先生流石
綿菓子は五条先生が一番はしゃぎそうだな - 45二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 20:53:55
あっためるとだいぶ楽になるんだよね…
でもここの五条のはもっと別のこと言ってるよね
そして綿菓子屋か…地味に子供の頃以外あまり触れないことが多いんだよな綿菓子 - 46125/02/08(土) 21:02:45
「なんでかき氷の次が綿菓子なわけ?」
「せめてしょっぱいのにしねぇ?」
「そうじゃなくて、ここはりんご飴でしょ!?」
「そこかよ。食べ物に飽きたって話じゃないのかよ」
ひたすら食べ物系の屋台を制覇するかのように動く四人だが、結局伏黒は五条用の一つと、三人で食べる用の一つ、計二つを購入することになった。
「あー、やっぱりこれこれ」
五条は自らの頭ほどのサイズのある綿菓子をばくばくと千切っては食べていく。
白い頭が白いものを食べている様子はどこか共食いを思わせたが、五条は甘くもないしふわふわもしていない。
「こういうのって少しで良いのよね。全部食べようとすると手やら顔やらがベタベタになって買ったことを後悔するのよ」
「そうそう、甚兵衛汚してよくじいちゃんに叱られた」
そんな会話をしながらも、伏黒は一つ摘まんで口の中へと運ぶ。
蕩けるような甘さが口の中に広がれば、少しだけ心が和んだ気がした。(SAN:58→59)
一人で食べていたはずの五条が一番に食べ終わり、そして飽きた伏黒と釘崎から残りを貰い受け、そのまま口をつけて口の周りをベッタベタにして一悶着あった虎杖はごみを捨て、一息吐く。 - 47125/02/08(土) 21:03:00
「で、恵は?」
いきなり五条にそう問われ、伏黒は質問の意味が分からずに顔を顰めた。
「どういう意味ですか」
「この流れで分からない?恵はどこに行きたいかってこと、ほらほら」
そう言われてもすぐに思いつくような何かはなかった。
だがここでもういいとは言えずに、伏黒は口を開く。
「それなら……dice1d6=4 (4) に行きたいです」
【探索可能箇所:1.射的 2.ヨーヨー釣り 3.りんご飴屋 4.くじ引き 5.型抜き 6.焼きそば屋】
「じゃあ行こうか!ま、支払うのは恵だけどね!」
「台無しだよ先生」
「そういうところよアンタ……」
- 48二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 21:04:32
くじ引き!
悪名高い当たりなしもあるくじ引きじゃないか! - 49二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 21:05:42
共食い確かに見た目は似てるな
財布は持ってないんだ
SAN値回復してよかった