- 1二次元好きの匿名さん21/09/13(月) 21:36:02
校舎裏から声が聞こえる。
パーマーが角からのぞき込むと緑色のメンコが見えた。
「だから言ってるでしょ!私はもう一人前の……!」
「でも、あなたこの前のレースで負けたじゃない」
キングの持つ携帯から女性の声がする。
「っ……!でも次こそは……!」
「あなたが十分やっていけることはわかってるの。でもね……」
「だったらなにも言わないで見守ってくれたって……!?」
キングの言葉が途切れ、パーマーと目が合う。
知らないうちに角から身を乗り出してしまっていたようだ。
「ご、ごめんね!盗み聞きするつもりはなかったんだけど……」
驚いて目を丸くしているキングにパーマーが謝罪する。
「その、お節介かもしんないけどさ……家族とはもっと話し合うべきだと思うよ」
携帯を持つキングの手に力が入る。
「私さ、ちょっと前まで家出してたんだよね。家族にとって私なんてどうでもいいんだって思いこんじゃってさ」
パーマーが恥ずかしそうに頬を掻く。
「でもこの学園に入って、メジロのみんなと再会して、新しい仲間と出会って……私のことを大切に思ってくれてるって知ったんだ、だから……」
「そんなことわかってます!」
うつむいたまま大声を上げるキング。
「お母さまが忙しい中私のレースを見てくれていることも!そのたびに連絡してくれてることも!私を心配してくれてることも!全部!」
きっ、とキングが顔を上げる。
「それでも……いいえ、だからこそ私はお母さまの娘としてではなく、キングヘイローとして一流になるの!」
パーマーを見つめるキングの瞳は真剣そのものだった。 - 2二次元好きの匿名さん21/09/13(月) 21:36:30
しかし、パーマーはあることに気づいていた。
視線がゆっくりと下がり、キングの手元で止まる。
「えっと……それはお母さまに聞かれても大丈夫だったのかな?」
キングが手に持った携帯の画面を凝視する。
通話中の文字が画面に映し出されている。
「えっ、ちょっとその……おおおお母さま!?いまの話聞いてたの!?へ、返事くらいしてちょうだいお母さま!!!」
わいわいとにぎやかな声を背にその場から立ち去るパーマー。
キングの声が聞こえなくなったあたりで立ち止まり、携帯を取り出す。
連絡先のうちの一つをタップする。
ややあって相手が電話に出た。
パーマーは一度大きく深呼吸をしてから話し始める。
「……お母様ですか?はい、少しお母様とお話をしたくなりましたので」 - 3二次元好きの匿名さん21/09/13(月) 21:37:04
推しと推しの絡みが見たかった
後悔はしていない
反省はします
お目汚し失礼しました - 4二次元好きの匿名さん21/09/13(月) 21:37:31
やるじゃん👍
- 5二次元好きの匿名さん21/09/13(月) 21:37:40
ええやん……
- 6二次元好きの匿名さん21/09/13(月) 21:40:15
許さない もっと書きなさい
- 7二次元好きの匿名さん21/09/13(月) 21:40:28
ナイスな絡みですね…(昇天)
- 8二次元好きの匿名さん21/09/13(月) 21:41:14
お母さま昇天してそう
- 9二次元好きの匿名さん21/09/13(月) 21:44:57
よく考えたらキングのメンコ(耳当て)緑色じゃないじゃん!!!
むしろ青系じゃん!!!
腹を切ります… - 10二次元好きの匿名さん21/09/13(月) 21:46:42
- 11二次元好きの匿名さん21/09/13(月) 22:07:07
素晴らしい
- 12二次元好きの匿名さん21/09/13(月) 23:55:52
ままん「」(全部バレてた…)
- 13二次元好きの匿名さん21/09/13(月) 23:57:03
何処までも似たもの母娘だなぁ
- 14二次元好きの匿名さん21/09/14(火) 00:07:35
こういうのすき
- 15二次元好きの匿名さん21/09/14(火) 00:26:33
> はい、少しお母様とお話をしたくなりましたので
うわぁ!ギャルから急にお嬢様に戻るな!ドキドキする!