【閲注TRPG】餞-はなむけ-【CoC×植物トリオ+順平】

  • 1125/02/13(木) 21:29:33

    このスレは虎杖と伏黒と釘崎と順平をPC+NPCとしてクトゥルフ神話TRPGを回していくものだよ
    閲覧注意は発狂した時やグロテスクな描写があった時用だよ

    原作軸ではなく一般人(?)設定。そのため関係性や雰囲気などが異なる可能性があるよ
    今回は新規キャラシ、高校三年生の四人。順平は二年時に留年して、その結果三人と学年が同じになっている設定だよ

    今回はさくらさま作成シナリオの『餞-はなむけ-』をお借りしてるよ
    シナリオのネタバレを大いに含むので注意してね。既にシナリオを知っている人は先の展開のネタバレはやめてね
    スレの頭で🎲振って、当たった人がNPC枠で残りの三人をPCとしてシナリオを回すよ

    PCのロスト率は低~中、発狂率はそこそこ

    2月28日、卒業式前日
    「また明日」と言って別れる日々は今日でおしまい
    今まで当たり前だったものが次々と終わりを迎えていく

    手を振り合ってさよならをして、ほんの少しの寂しさと、未来の期待を胸に春を迎える――――はずだった

  • 2125/02/13(木) 21:29:49
  • 3125/02/13(木) 21:30:03
  • 4125/02/13(木) 21:30:18
  • 5125/02/13(木) 21:31:01

    ≪NPCポジは誰?≫

    1.虎杖

    2.伏黒

    3.釘崎

    4.順平

    dice1d4=2 (2)

  • 6二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 21:34:35

    わーい待ってましたたておつ!
    NPCは伏黒か…これがどう影響するのか楽しみだな
    PCとしての順平も楽しみだな

  • 7二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 21:36:48

    こうゆうの大体伏黒やなw………

  • 8二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 21:38:04

    伏黒がNPC枠か
    どうなるか楽しみです

  • 9二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 21:40:42

    立て乙です

  • 10125/02/13(木) 21:41:13

    2月28日、卒業式前日。

    15時を少し回った放課後の教室は人もまばらで、卒業前の最後の一日を惜しむように談笑する声が響いている。

    四人。虎杖と釘崎と順平、そして伏黒は机をくっつけ合い、トランプゲームをしていた。

    今やっているのはババ抜きであり、無表情に勤めている伏黒の手札からは一つのカードが飛び出している。

    駆け引きのための偽者なのか、更に裏をかいて本物なのか。

    周囲のクラスメイトは四人が騒ぎながらババ抜きをやっているのをいつものことだとでも言うように、特に気にした様子もない。


    「……引かないのか?」


    しれっとした顔でそう言うも、伏黒の持っているカード数は四人の中で誰よりも多い。

    このままでは負けてしまうかもしれないが、自分は負けても別に良いですが?といった雰囲気を醸しながらも、意外と負けず嫌いな所がある伏黒は負ける気は毛頭なかった。


    ≪順番決定🎲≫

    1.虎杖

    2.伏黒

    3.釘崎

    4.順平

    dice4d4=2 3 2 2 (9)


    被ったら

    1.+1 2.-1

    dice1d2=1 (1)

  • 11二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 21:42:33

    伏黒釘崎順平虎杖か
    勝てるのかこれは…?

  • 12125/02/13(木) 21:44:29

    「見え見えの罠なんかにこの私が嵌まるワケもないでしょ!」


    ふふん、と笑った釘崎は伏黒の手札から飛び出した一枚、ではないものを選び取る。


    <幸運>

    釘崎(80) dice1d100=41 (41)

  • 13二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 21:44:53

    おっ普通に罠回避してそう

  • 14二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 21:46:55

    上手くかわしたな

  • 15125/02/13(木) 21:53:11

    釘崎が選んだものはジョーカーではなく、数字札であった。

    そして見事に手札を揃え、場に捨てる。

    心なしか伏黒は眉を顰めているように見えた。


    「どうせジョーカー持ってるのアンタなんじゃない?でなきゃこんなわざとらしいことをする必要ないし」


    釘崎がそう言えば、同じように手札の内の一枚を飛び出させていた虎杖が「エッ」と声を上げる。

    それを順平が「まあ、悠仁はね……」と誤魔化すように言っているが、性格や知能による作戦の差の指摘ということなのだろう。

    虎杖がどっちのせいで"ない"と判断されたのかは敢えて言わないでおこう。


    「どうだろうな。そう言うオマエが持ってるんじゃないのか?」

    「そうだとして素直に持ってるだなんて言うわけないじゃない。……ほら、吉野。次はアンタよ」


    釘崎は奇抜なことをせずに、手札を広げて普通に持っている。その中から順平は一枚を選び取った。


    「僕も負けはいられないな」


    <幸運>

    順平(55) dice1d100=11 (11)

  • 16二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 21:54:45

    ちょっと低めの幸運だな順平
    しかしらくらくと避けていった

  • 17125/02/13(木) 21:58:56

    そして順平が引いた一枚によって無事に揃ったようで、同じ数字を合わせて山場に捨てる。

    少しずつ枚数を減らしていけば、尚更伏黒の手札の多さが目に付いた。


    「よし!」

    「これも私のおかげね」

    「なんでだよ」


    そして次は一枚だけ飛び出させていたのを元に戻した虎杖だ。

    虎杖の方へと向き直った順平はごほん、と咳払いをしてその時を待つ。


    「あれ、治しちゃったの?」

    「意味ないって言われたしさ……」

    「うーん、別に良いと思うけど」


    そうは言っているものの、そもそも虎杖が引かせるのは伏黒だ。

    本当に伏黒がジョーカーを持っているのだとすれば、この世で一番無駄な駆け引きのようなものとなってしまう。


    「うっし、俺もこれで……!」


    そうして虎杖が順平の手札から一枚を選び取った。


    <幸運>

    虎杖(80) dice1d100=44 (44)

  • 18二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 22:00:17

    このレスは削除されています

  • 19二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 22:00:50

    皆順調だな伏黒の負けかな

  • 20二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 22:00:56

    皆運がいいな
    いきなり皆で出目荒れ荒れになるよりは全然いい

  • 21125/02/13(木) 22:06:19

    虎杖も順平から引いたカードで手札が揃ったらしく、「やりぃ!」と言いながら手札を捨てていく。

    これで伏黒を除く全員が手札を減らした、というワケだ。


    「順平よりも先に上がるのは俺!」

    「私よりも手札多いくせに何言ってんのよ」

    「いーや、まだ勝負はここからだぜ!」


    枚数の多さは伏黒が断トツで多く、その次は虎杖、一枚差で釘崎、しれっと一番手持ちが少ないのは順平である。

    これは敢えて黙っておいた方が良いだろうな、と順平が特に言及せずに「あはは」と誤魔化すように笑っていれば、伏黒が「おい」と虎杖に声を掛ける。


    「早く引かせろ」

    「まだ伏黒サンは勝負を諦めてない感じで?」

    「そんなに足手纏いを多く連れて何が出来るって言うのかしら?」

    「順平さまと張り合うには身の程が違い過ぎましてよ!」

    「なんで二人は急に悪役令嬢みたいになってるの……?」


    いつもの馬鹿騒ぎ。怒る教師も居なければ盛り上がる一方だ。


    「チッ、まだ負けたわけじゃないだろ」

    「それは無理あると思うぜ?」

    「早くしろ」


    実際、頑張ればここからも逆転は出来るだろう……多分。

    ともあれ、伏黒が虎杖のカードを引き、次は釘崎が引き、と順々に巡っていけば……。


    ≪ババ抜き上がり順≫小さい人から上がる

    虎杖 dice1d100=1 (1)

    釘崎 dice1d100=90 (90)

    順平 dice1d100=73 (73)

  • 22二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 22:07:23

    虎杖ここで1クリか
    釘崎が最後まで残りだな

  • 23二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 22:08:01

    虎杖1クリで草
    めちゃくちゃ爆速であがっていったわ
    釘崎が3人だと最後かな?

  • 24二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 22:16:05

    順平と釘崎、伏黒ってどんな関係性なんやろ

  • 25二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 22:16:59

    虎杖は引いたのが全部ペアになるやつだったのかな

  • 26125/02/13(木) 22:16:59

    最後まで勝負は分からないとはよく言ったもので、決して枚数が少なかったわけではない虎杖が毎度綺麗に手札を捨てていき、そして最後の一枚を持ったまま順平の手札を引いて、そしてガッツポーズする。

    「よっしゃあ!!」

    バァン、と山札の上に揃っていたのはAのカード。

    「イカサマよイカサマ!!」

    逆に一枚も手札を減らせていない釘崎がバシバシと机を叩くも、「俺がイカサマ出来る頭あると思う!?」「ないわね」なんて悲しい会話をしていた。
    そして次に上がったのは順平で、「あ、揃った」なんて声を上げながら場に捨てれば釘崎が「アンタもか……」と据わった目で見ている。
    もはや伏黒は先程から溜息と舌打ちしか零しておらず、手札もあまり減っていない。

    「こうなれば……一騎打ちね」

    そう言いながら釘崎は一つゆっくりと息を吐き、自らの手札の内の一枚を飛び出させる。
    だが彼女の手札にはジョーカーはない。

    「……なぁ、順平。あれって意味ねぇんじゃねぇの?」
    「そうだけど、気分ってヤツなんじゃないのかな」

    既に上がった二人が好きかって言っている中、釘崎は一切の迷いなく伏黒の手札を引く。そして同じように伏黒も引き、と淡々と勝負は進んでいく。

    そして伏黒が二枚、釘崎が一枚となり、カードを引けば――――。

  • 27二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 22:18:51

    まあ1クリはイカサマ並だよね
    でもそんな頭ないという悲しい会話してるの笑うわ

  • 28125/02/13(木) 22:23:24

    「ふふっ、ざまぁないわね!!」

    釘崎の手元には二枚揃った数字カードが。そして伏黒の手元にはたった一枚、ジョーカーだけが残っている。

    「………………くそ」

    ぼそりと呟かれたその声は小さかったものの、相当悔しそうではある。
    しかし数瞬後、伏黒は机の上に山となった上がり札を手元に集め、シャッフルを始める。

    「次だ次」
    「負け犬がよく吠えるわね」
    「釘崎さん、今やってたのただのババ抜きだよね……?」

    いつものテンション、いつもの会話、いつもの雰囲気。
    卒業式の前日であろうとも何ら変わることがない。
    遊び疲れるまで遊んで、ふざけ倒して、高校生活の最後の一瞬まで楽しみ尽くす。

    リベンジとばかりに行われた二回戦、そして三回戦四回戦と、たかがババ抜きされどババ抜き。

    ――――しかし残念、この日、伏黒が勝てることは一度もなく、なんどもジョーカーとの対面を果たすことになった。

  • 29二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 22:24:18

    伏黒が負け続けるとは珍しそうだな

  • 30二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 22:25:08

    得意そうだよなこういう遊び

  • 31125/02/13(木) 22:37:30

    あまりにも伏黒の負けが続くので、勝ち誇るというターンを超えてどこか同情まで湧き出しつつも、「もう一回だ」と若干キレながらもそう言った伏黒に付き合う形でラストの戦いが始まっていた。

    「ホント、明日が卒業式だって忘れそうよ」

    釘崎がそう言えば、「そうだね」と順平も相槌を打つ。

    「去年、同級生だった皆を見送った時には正直なんとも思わなかったけど、今は明日が来るのが楽しみなような、寂しいような、不思議な気持ちだよ」

    順平は虎杖伏黒釘崎の三人よりも一つ年上である。
    校内で起こったとある事件をきっかけに顔に怪我を負った順平は約半年間の休学のせい留年し、彼らと同じ学年になった。
    その時には虎杖が中心に大いに暴れたのだが、所謂過激ないじめとその報復、もとい対応。
    それから虎杖の一番近くに居る友人たち、伏黒と釘崎ともこうして話したり遊んだりするようになってから、一年半。
    長いようで短くて、短いようで長かった。
    ――――彼らと出会う前の学校生活の記憶が朧気になり、どこか同級生を見下していた順平に今やその頃の斜に構えた雰囲気はない。
    年相応か、もしくは少し幼げな顔で笑う様子は陰を感じさせないものだ。

    「自分が参加しない卒業式なんてつまらないに決まってるじゃない」

    そうは言いつつも、釘崎は去年の卒業式で敬愛する先輩を送り出す時に泣いていたりもするのだが、それを指摘すればとんでもないことになるので男共は全員口を噤んだ。正しい判断である。

    「でも実際、なんで卒業式ってあんなに『泣け!』みたいな雰囲気になるんだろうな」
    「練習の時に泣いてたな……歌姫先生」
    「皆『教師が泣く?』って微妙な雰囲気になってたよね」
    「それをうちのゴジョセンが揶揄って、途中から笑ってはいけない卒業式になってたわよね。とんだとばっちりよ」
    「五条先生って卒業式とかで泣くと思う?」
    「泣かないだろ」「泣かないわよ」「泣かないんじゃないかなぁ」
    「だよなぁ」

  • 32二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 22:39:12

    泣かないだろうな
    晴れやかな顔で笑ってそう

  • 33二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 22:39:34

    歌姫先生が卒業前から泣く先生なのなんか理解できるな…絶対慕われてるし先に感極まりそう

  • 34125/02/13(木) 22:57:05

    体育祭然り、文化祭然り、過ごして来た時間分の思い出がある。
    体育祭で釘崎が騎馬戦の女王として君臨したり、文化祭の焼きそば屋台で歴史に残る程の売り上げを出したり、修学旅行の時に現地の不良と大乱闘を繰り広げたり。
    割とそこそこの問題児でもあった彼らの思い出を語れば、自動的に問題行動も上げることになってしまう。
    それらも全て、今となっては良い思い出なのだが。

    「あ、上がりね。はい終わり、もうこれで最後!これ以上やるならアンタが泣きながら焼き土下座しない限りは絶対に嫌よ」

    もう勝利の感動すらないらしく、釘崎は最後の二枚を机の上に置く。
    やはり負けたのは伏黒であり、なりふり構ってられなくなったのか伏黒は大きな舌打ちをした。

    「……で、結局なんだっけ?コンビニでジュースとお茶とコーヒー奢ってくれんだっけ?」
    「なんで飲み物だけなのよ」
    「条件を飲んだのって釘崎さんだったと思うけど」
    「なに?文句あるわけ?」
    「ないないない。全然ないから!!」

    泣きの一回と言う名のワンモアチャンスの代わりに生贄に捧げられた飲み物たち。
    せめてお菓子なりアイスなり、飲食物であればと思ってももう遅い。
    再戦を願う伏黒も思う所があったからの飲み物オンリーなのだろうが、こうなれば本当に伏黒は人数分の飲み物セットを買うだろう。
    正直ここまで来れば重いだけで嬉しくはない。

    そしてそろそろ帰るかという雰囲気になった頃、辺りを見渡せば自分たち以外のクラスメイトは帰宅していたらしい。
    それでもテキパキと帰宅支度をするにはなんとなく名残惜しさがあり、全員がゆっくりと片付けを進める。
    重くもない机を動かすのに時間をかけて、既に荷物を纏めているのに鞄の中を確かめて、と。

  • 35二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:00:29

    わちゃわちゃ好きだなあ
    ここから何が起きるんだろう…

  • 36125/02/13(木) 23:02:05

    そんな時だった。

    「あーもう、最後まで問題児を貫く気?担任として情けないやらなんやらだよ……」
    「思ってもないこと言ってんじゃないわよ」
    「五条先生、それまさかとは思うけどさ、泣き真似?」
    「アンタの生徒として当然のことをしたまでです」
    「あ、あはは……僕たちももうあともう少しで出ますから」

    教室に現れたのは彼らの担任、五条であった。
    苦言を呈しに来たようにも見えるが、口元は緩んでいる。

    「今日は明日が卒業式だから下校時刻が16時半でいつもより早いって言ったでしょ?やるならせめてバレないように、見つけたら怒らないといけなくなっちゃうからさぁ。学校に泊るならセキュリティのアラームが鳴る場所だけは覚えておくと良いよ。あ、地図要る?」

    なんだかとんでもないことを言われた気がするが、どんなに名残惜しくとも学校に泊るつもりなどはない。

    「要らないですよ。学校に泊るわけないでしょう」
    「え、泊まらないの?」

    実は五条は卒業式の日の前日、学校に泊り込んで卒業生の全ての教室にちょっとした悪戯を親友と仕掛けたりなどしていたのだが、閑話休題。

    「じゃあ尚更さっさと帰んな。学校から出たら後は好きにすれば良いけど」
    「それって先生が言って良いことなのかな」
    「五条先生は先生じゃないからな、大丈夫だろ」
    「確かに、そうかも」
    「さっきから聞き捨てならないことばっかりだねぇ。そんなこと言ってると明日の卒業式でどんな目に遭っても知らないよ?」
    「脅しじゃないのよそれ」

    そうこう話していれば、流石にこれ以上学校に長居するわけにはいかない。
    パパっと帰り支度を済ませ、下駄箱で靴を履き替えて帰路につく。

  • 37二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:05:22

    五条達の話も詳しく知りたいよ
    どんなことしたんだろうね?
    勿論先輩達もどうたったか気になるんだよね

  • 38二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:05:42

    五条と夏油問題児としての格の違いを見せつけてくるな…
    伏黒達は卒業式前日に怒られてなくてよかったね!

  • 39125/02/13(木) 23:09:20

    「それじゃあまずはコンビニね」

    伏黒が奢ってくれるらしいものを奢って貰いに、高校から一番近い場所にあるコンビニへと足を向ける。

    「あそこのコンビニもだいぶ世話になったよな」
    「馬鹿が肉まん買い占めたりね」
    「罰ゲームだし、その内容決めたのも釘崎じゃん……」

    肉まんあんまんピザまんを、ケースにあるだけ下さいと言わされたことのある虎杖はその時のことを思い出しているらしい。
    店員から「はい?」と正気を疑うかのように聞き返されたのが未だに傷になっているのかもしれないし、なっていないのかもしれない。

    「飲み物フルコースよりも私アイスが食べたいんだけど」
    「あ、俺も俺も。ついでに肉まんがあれば最高!」
    「飲み物だけにしても、僕もお茶だけで良いかなぁ」

    コンビニの中でそんなことを話していれば、伏黒が「駄目だ」と言う。
    そうすれば示し合わせたかのように全員の「えー!」という文句が響き渡り、それに「うるせぇ」と言った後、「冗談だ」と口にしながら伏黒は雪見大福をカゴに入れた。
    どうやら何か一つ、もしくは二つは奢ってくれるのだろう。

    「なら私はハーゲンダッツのクリスピー……って、売り切れじゃない。なら……チョコモナカジャンボで良いわ」
    「なら僕はアイスの実にしようかな。歩きながらこういうの食べるのちょっと苦手だし」
    「じゃあ俺は――」
    「アンタはガリガリ君で良いでしょ」
    「ソーダはもう入れたぞ」
    「ならさっさとレジ行ってきて」
    「分かった」
    「俺の意思はぁ!?」

    そして会計をする伏黒の横では「俺肉まん!」「私はピザまん」「じゃあ僕はあんまんで」なんてわちゃわちゃと注文をする。
    買い物が終わればまずはアイスを楽しむ時間だ。

  • 40二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:12:14

    虎杖勝手に決められてて草
    釘崎がちょっとお高いの最初選ぼうとするの分かるな…
    アイスの実なんか食べたくなってきた

  • 41二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:23:00

    冬にアイス美味しいよね
    わちゃわちゃしててかわいいな

  • 42125/02/13(木) 23:28:34

    こうして学校帰りに寄り道したのも当然初めてではない。
    それぞれが部活に、虎杖はオカルト研究会、伏黒は陸上部、釘崎は女子バスケ部、順平が映画館研究会に所属していたこともあり、四六時中一緒に居たわけではないのだが、それでもこの学校生活で一番多くの時間を過ごしたのは、思い出があるのは、四人とも自分たちであると認識している。

    「そういやアイスと言えばさ、前に五条先生の手伝いってことでフラスコとかガラス系の器具洗ったことあったじゃん?」
    「洗わされた、の間違いよね」
    「確かに結構無理矢理ではあったけど、ご褒美も……一応あったし」

    順平の言う通り、ご褒美はあった。あった、のだが……。

    「一人一つファミリーパックのアソートアイスって渡す気一ミリもなかったヤツでしょ」
    「結局『あれ?要らないなら僕が食べちゃうけど良いの?』とか言いながら残りは全部回収してたよな」
    「夏にどうやってアイスを家まで持って帰れっていうのよ」
    「でも暫くあれから放課後に五条先生のところ押し掛ければアイス貰えたのは確かだろ?」

    アイス一つ、肉まん一つ。小さなワードが数々の思い出を語らせる。
    因みに化学準備室と言う名の五条の領域にある冷蔵庫や、職員室の五条の机の中からバレないようにお菓子だのアイスを盗む、もとい頂くというゲームが生徒たちの間で流行ったことがあるのだが、急に背後に現れて肩を叩かれ、「まだまだ甘いね!」と言いながら現れる五条が七不思議の中に入りそうになったりだの、本当に話題は尽きない。

    「ほんと、馬鹿ばっかり」

    釘崎はそう言いはするものの、やはり楽しそうだ。
    その馬鹿たちと馬鹿をするのが彼女の中でも楽しい思い出としてあるからなのだろう。

    「楽しかったよな、やっぱり。……結構怒られもしたけどさ」
    「それはアンタだけでしょ」
    「俺だけじゃねぇって、伏黒だって一年の頃とか不良の山作って怒られてたし」
    「……やってない」
    「それは無理があるんじゃない、かな……?僕の所にまで凄い一年が入って来た、って話題になってたし」
    「虎杖のことだろ」
    「アンタら二人のことに決まってんじゃない。あの東堂と同じ中学のヤツが入って来たとかなんとか」
    「俺と東堂が同中じゃねぇって知ってるよな!?卒アルまで見せたよな!?」

  • 43二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:31:06

    ここでも存在しない記憶語ってるんだ東堂

  • 44二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:31:30

    五条が問題児なの変わってなさそうですね!
    しかし五条から盗むのが流行る学校おもしろいな…そして上回る五条も流石だな…
    東堂はここでも面白いことになってて笑う

  • 45125/02/13(木) 23:49:39

    一足先にガリガリ君を食べ終わった虎杖が肉まんを口に運ぶ。
    湯気が立つそれを真っ二つに割れば、辺りに良い匂いが漂った。

    「でもまあ――――寂しくなるよな」

    そう口にしてから虎杖は肉まんにかぶりつく。
    虎杖の言葉に肯定を示す者はいなかったが、誰一人として否定することもなかった。

    「俺は春から消防学校、んで消防士……になるはずだし。釘崎は語学部、んで順平は教育学部で……伏黒は関東どころか本州出てって北の大地で獣医学部」
    「そう言う悠仁も地元帰るんでしょ?」
    「一応、第一希望はこっちで出してたんだけど引っかかったのがあっちだったからさ」

    釘崎と順平は都内で大学に通うものの、虎杖はおそらく約半年後には仙台の方で消防士になっているはずだ。そして伏黒は獣医学部を卒業するまで、更に北にある大学で勉学を続けるのだ。
    気が向いて連絡すれば一時間も経たずに会えるような環境はもうすぐ終わってしまう。
    時が流れるとはそういうことだ。

    「コイツだけかと思えばアンタもここを離れるだなんて思いもしなかったわよ」

    卒業式が終わればすぐにここを離れるわけではないが、一つの区切りであることは間違いない。
    明日から何かが急に変わるわけではないが、それでもやはり寂しさはあった。

    「……別に、また会えば良いだろ」

    そんな時、ぽつりと伏黒が呟いた言葉に全員が固まった。
    そう思っていたとしても、全員がどこか言及を避けていた言葉をまさか伏黒が言うとは、なんていう雰囲気。

    「なんだよ」

    本人も少し気恥ずかしいのか、耳が仄かに赤く染まっている。

  • 46二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:51:25

    こういう時にぽつっというのなんとなく伏黒っぽいよなと思ってしまったりする

  • 47二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:53:00

    順平が教師か似合うないい先生になりそうだ

  • 48二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:03:10

    皆進学先いいね…って噛み締めた
    釘崎が語学部なのも地味にすごくいい

  • 49125/02/14(金) 00:06:19

    「じゃあ俺、一番伏黒と近いし押し掛けちまおっかな!」
    「それはやめろ」
    「雪まつりとか興味あるんだよなぁ」
    「アンタのことだから食い倒れツアーにしか興味がないと思ってたわ」
    「折角ならこっちで集まるよりも楽しいかもね」

    そうこう話していれば、時間はあっという間に過ぎていく。
    ゴミをくしゃりとまとめ、ゴミ箱に放り投げれば両手は空となった。

    「この面子で酒も飲みたいよな」
    「気が早いわね。アンタが一番二十歳になるの遅いくせに」
    「……その辺はまあ、どうにかなるなる!」
    「ならねぇよ」

    「そういや全員一人暮らしになるんだよね?」
    「虎杖、アンタたまにで良いからうちに着て料理作りなさいよ」
    「流石に遠いって」
    「送れば良いだろ」
    「伏黒さん??」
    「あの伝説の焼きそば、また食べたいな」
    「じゃあコイツが消防士になったらその祝いで焼きそば食べましょ」
    「俺が作るんだよな?」
    「当たり前じゃない」
    「うーん、なんかおかしい気もすっけど、まあいいや」

    そしてそんなことを話していれば、伏黒が立ち止まる。
    遅れて全員はここが伏黒との帰路の分かれ道だと気付く。

    「じゃあな、また明日」

  • 50125/02/14(金) 00:06:48

    そう言って伏黒は小さく手を振った。
    また明日、と言って別れる日々も今日でおしまい。
    今まで当たり前だったものが次々と終わりを迎えていく。
    少しの寂しさが胸を過ぎった時、その離れていく背を見て虎杖は咄嗟に叫んでいた。

    「なぁ、伏黒!!」

    明日がある。だがその明日が終われば、今日は来ない。伏黒が振り向けば、虎杖は続ける。

    「今日の伏黒、負けっぱなしだっただろ!だからさ、明日また勝負しよーぜ!」

    その声の大きさに釘崎は軽く耳を押さえているが、止めようとはしなかった。順平も同様に、もしかすると虎杖が言うことの凡そは想像がついていたのかもしれない。

    「たとえばさ……そう!卒業式の時、誰が一番デカい声で返事できるかゲームとかさ!?」
    「馬鹿だろ」「馬鹿じゃないの」「えぇ……本気?」

    あまり好反応ではないが、虎杖は気にせずに続ける。
    否、気にはしているのだが、こうなれば勢いだと吹っ切れている。

    「優勝者には……そう!みんながなんか言うこと聞くとか、どう!?」

    この中で大声を出せるのは誰か、と言えば当然虎杖である。
    だからそのゲームを開催するとしても虎杖の勝利は固い、どころか卒業式で馬鹿騒ぎをするのも虎杖くらい、のものなのだが。
    視線の先、伏黒が噴き出した。そして続けて釘崎も、順平も笑う。

    「馬鹿だろ、オマエ」

    言葉とは裏腹に、その笑いは相手を馬鹿にするだけの笑いではなかった。

    「まあ、やってやらなくも――――」

  • 51二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:07:58

    伝説の焼きそば…気になるな
    そしてここで切れるのか!?何が起きるんだ

  • 52125/02/14(金) 00:08:42

    その時だった。

    けたたましいブレーキの音と共に、大きなトラックが目の前を過ぎる。

    は、と驚いた顔をした伏黒の顔が血のような夕焼けに染まっているのが見えた。

  • 53二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:09:29

    えっ…!?マジか

  • 54二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:10:34

    伏黒!逃げろ

  • 55二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:10:34

    一番遠いとこに進学して一番気軽に会えなくなる伏黒がまた会えばいいだろって皆に言うのすごい好き
    だけどフラグっぽかったよな全てが!やだ!

  • 56125/02/14(金) 00:11:52

    次の瞬間、 ぐしゃりという嫌な音と共に、伏黒の身体が吹き飛ぶ。

    あたりを一瞬で真っ赤に染めるほどの血、見るに堪えない潰れた体。


    ――――即死であるのは明らかだった。


    日常の情景が一瞬にして地獄へ変わる。

    ついさっきまで生きていたものが、友人だったものが、「また明日」とささやかな約束をしたものが、あまりに無残な姿で目の前に転がる。

    周囲はざわめき、悲鳴や怒号に湧くが、そんなものは三人の耳には入ってこない。


    「ふ、しぐろ?」


    ――――その呼びかけに返事はない。

    彼らの目の前に広がっているのは親しい友人の凄惨な死の光景であった。


    <SANチェック>1d3/1d6+1

    虎杖(80) dice1d100=1 (1)

    釘崎(80) dice1d100=76 (76)

    順平(55) dice1d100=94 (94)

  • 57二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:11:55

    虎杖釘崎順平の方にトラック突っ込んだのかと思った
    どっちだどっちでも嫌だ

  • 58二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:13:00

    >>57

    伏黒の方だった……ッ

    すごい出目ブレしてるし……ッ

  • 59125/02/14(金) 00:13:10

    ≪SAN減少≫

    虎杖 dice1d3=1 (1)

    釘崎 dice1d3=2 (2)

    順平 dice1d6=5 (5) +1

  • 60二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:13:22

    えっ嘘だろ!?!?即死…!!?!!?
    そして虎杖なんか今日おかしくない?1クリ2回目だよ!ノーカンだけどさ!
    順平がガッツリショック受けちゃった…

  • 61二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:13:55

    これ…早速順平発狂じゃないです?

  • 62二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:14:24

    ノーカンクリティカルだけどこれ虎杖めちゃくちゃ冷静に的確な対応したのかな…
    でも即死だから適切な対応も何も…おお…

  • 63125/02/14(金) 00:15:15

    <一時的狂気突入アイデアロール>成功で一時的狂気

    順平(70) dice1d100=9 (9)

  • 64二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:15:30

    何となくこの虎杖の冷静さが消防士になりたい虎杖って感じで嫌な説得力出てて嫌だなあ!
    伏黒の現状がこうじゃなきゃなあ!!

  • 65二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:16:25

    ああ…順平のアイデアが
    よりによって友の死と状況をガッツリ理解してしまったのか

  • 66125/02/14(金) 00:16:53

    ≪一時的狂気≫

    1.短期の一時的狂気([ dice1d10=3 (3) +4]戦闘ラウンド)

    2.長期の一時的狂気([ dice1d10=6 (6) ×10]時間)

    dice1d2=2 (2)

  • 67125/02/14(金) 00:17:25

    ≪長期の一時的狂気≫

    1.健忘症(親しい者のことを最初に忘れる;言語や肉体的な技能は働くが、知的な技能は働かない)あるいは昏迷/緊張症(短期の表を参照)

    2.激しい恐怖症(逃げ出すことはできるが、恐怖の対象はどこに行っても見える)

    3.幻覚

    4.奇妙な性的嗜好(露出症、過剰性欲、奇形愛好症など)

    5.フェティッシュ(探索者はある物、ある種類の物、人物に対し異常なまでに執着する)

    6.制御不能のチック、震え、あるいは会話や文章で人と交流することが出来なくなる

    7.心因性視覚障害、心因性難聴、単数あるいは複数の四肢の機能障害

    8.短時間の心因反応(支離滅裂、妄想、常軌を逸した振舞い、幻覚など)

    9.一時的偏執症

    10.強迫観念に取りつかれた行動(手を洗い続ける、祈る、特定のリズムで歩く、割れ目を跨がない、銃を絶え間なくチェックし続けるなど)

    dice1d10=8 (8)

  • 68二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:18:37

    うわっ長い奴だ
    そして発狂内容は…短時間の心因反応か
    そりゃそうなる…って発狂内容だよ…

  • 69二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:18:41

    NPCだから何かしらあるんだろうとは思ってたけどこうくるのか

  • 70二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:18:43

    順平の発狂も予感でもあったんかっていう虎杖の数値も辛いな…

  • 71二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:20:02

    うう伏黒‥それを見た3人も辛いよな
    よりによって卒業式前日か

  • 72二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:20:42

    こんなの死ぬ前に見掛けた五条先生も流石に知ったらえっ…マジ?ってなりそうだな

  • 73二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:21:23

    こうなるとさスレ画で一番最後歩いてる伏黒に納得するんだ

  • 74二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:21:40

    クラスメイトだって担任だって辛いに決まっとる…

  • 75125/02/14(金) 00:28:27

    そこは人通りの多い、大通りでの事故であったためか、周囲には大人が大勢おり、救急車や警察に連絡している様子が視界に入る。

    それはあまりにも惨い事故だった。
    大型トラックによって弾き飛ばされ、伏黒の四肢はおかしな方向に捻じ曲がってしまっただけではなく、取れかけてすらいるようにも見える。

    「――――ッ」

    虎杖は目の前で起こったことをどこか冷静に見ていた。
    そして伏黒の姿を見て、状況を確認して、心のどこかでこれは無理だと思ってしまう。
    無理だ、助からない。間に合わない。どうしようもない。出来ることはない。
    それをどんなに否定しようとしても、目の前の光景が現実を突きつける。

    それは釘崎も同じだった。
    動いた方が良いと分かっているのに、強張った身体は動いてはくれない。
    駆け寄りたいはずなのに、開いたままだけどどこも見ていない瞳が自分を見たらどうしようと、震える唇を同じく震える手で覆う。
    小さな小さな声で、「うそ、」と呟くも本当はこれが嘘ではないことなど痛いほど分かっていた。

    だが順平は二人とは違い、気付けば駆け出していた。
    そして伏黒から溢れる赤の近くにしゃがみ込んで、それを掬おうとする。
    重力に従って広がり続けるそれを掬うならば、コンクリートに手を擦り付けるが如くの動きからになるが、順平はまるで痛みを感じていないかのように必死に手を動かす。
    そしてそれを見た二人は漸く足が動くようになった。

    「順平……!」
    「ほら、二人も手伝って。こんなに血が零れたら、伏黒くんも死んじゃうよ……!!」

    必至にそう言い、順平は赤を掬ってまるで伏黒に戻すかのように心臓の上あたりに血をかける。
    何度も何度も、だがそれは結局服に吸われ、吸い切れなくなった分は再び地面に広がっていく。
    どうしようもなく意味のない行為でしかない。

  • 76二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:30:47

    胸が痛いそうだよねさっきまで楽しく喋ってたのに
    信じたくないよな

  • 77二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:31:08

    順平…つれぇ…つれぇよ…
    死んだと理解してしまってだからこそ動けなくなる2人と死んだと理解したくなくて動いてしまう順平…つれぇよ…

  • 78二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:33:58

    順平こういう反応になるか…あまりにも辛いな
    虎杖と釘崎は順平を止めるとか順平に対応するっていうほんの少しの間は1ミリくらい気が紛れるかもしれないこういう時

  • 79125/02/14(金) 00:36:13

    「虎杖くん!釘崎さん!!」

    動揺のせいか、順平が虎杖を呼ぶ声が出会った時の当初のものに戻ってしまっている。
    順平の行動を止めなければいけないと分かっているのに、二人はすぐに止めることなど出来なかった。
    自分も同じように、伏黒の生の可能性に縋ってしまいたくなる。
    どうしてこんなことに。
    さっきまで普通に話していたのに。明日の話をしていたのに。
    ――――伏黒恵に、もう明日は来ない。

    「違う、違う違う違う!!俺は確かに、あぁ、違う!!俺は悪くないんだ!!!!」

    トラックの運転手らしき男がトラックから下りてはいるが、酷く錯乱しているようだった。
    周囲の大人たちに宥められている様子が目に入る。
    あの男は本当に悪くないんのだろうか。ならばなぜ、伏黒は今こうして地面に転がっているのだろう。

    「あぁ……!だめだ、掬っても掬っても溢れてくる。どうして、どうして……!!」

    そしてその男の叫びを掻き消すように順平が慟哭する。
    伏黒が死んだということを理解出来ないままでいても、このままでは駄目だということは分かってしまっているのだろう。

    「……順平」
    「虎杖くんもほら、助けて。助けてよ!!」

    悲痛な叫びと共に、順平は真っ赤に染まった両手で虎杖を掴む。
    学ランが血によって濡れ、その生温かさが肌に伝わって来た。

    「吉野。……アイツは、伏黒は、もう」
    「やめてよ!!!!」

    それは絶叫だった。

  • 80二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:36:25

    伏黒これまでの卓でもこういう立ち位置になってること多い気がしてきたな…

  • 81二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:38:15

    トラックの運転手が悪くないなら何故伏黒はこうなってる?ってなるのさ…切ないな…
    そして錯乱のあまり呼び方が戻る順平悲しいけど好きだな…

  • 82125/02/14(金) 00:40:21

    「いやだ、いやだよ。なんで、そんなの。だって、まだ戻せばどうにかなるはずで、そうじゃなきゃ、どうして」


    ぼろりと順平の瞳から涙が溢れた。それは一粒、二粒三粒と数を増していく。


    「いやだよ、こんなのって、こんな終わり方なんて。だって、明日は卒業式なのに」


    それは虎杖と釘崎の心の中の声と同じだった。

    こんな終わり方は嫌だ。泣き喚いてしまいたくもなる。


    <POW×5>

    虎杖(80) dice1d100=68 (68)

    釘崎(80) dice1d100=73 (73)

  • 83二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:41:44

    2人共凄く…凄く強いな
    泣いたっていいんだぞ
    泣き喚いたっていいんだ

  • 84二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:42:03

    2人とも結構ギリギリだな
    そりゃそうか大事な友人が目のまえでこんなことになってるんだもんな

  • 85二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:43:19

    なんかもう本当にこの世界の凪さんはずっと元気で長生きしてね変な事件とか事故とかで突然いなくならないでね…と思ってしまったつれぇ~

  • 86125/02/14(金) 00:43:24

    気を抜けば涙が出てきてしまいそうになるのを二人は必死に堪えた。

    泣いても現実は変わらない。

    伏黒は助からない。助けられない。

    となれば、今泣いている友の涙を止めてやることしか二人は出来ないのだ。


    「順平」


    赤い手で目を擦ろうとする順平の手を虎杖は留めて、目を合わせる。

    優しくて、だからこそ冷静ではいられなくなっただろう友に、これから現実を突きつけなければならないのだ。

    そうでなくては伏黒も、きっと悲しむだろうと。そう信じて。


    「伏黒は――――」


    <精神分析>

    虎杖(47) dice1d100=23 (23)

    釘崎(40) dice1d100=74 (74)

  • 87二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:43:49

    伏黒HO運が悪すぎるだろお祓いいこう

  • 88二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:44:46

    虎杖が成功したか順平これで落ち着くかな

  • 89二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:44:58

    ここで釘崎は言い淀んで消防士目指す虎杖が言えてしまうのか
    精神分析成功するのも含めてこの虎杖が消防士目指してるのよくわかってしまうな…

  • 90二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:46:28

    2人とも精神分析高くはないのによく成功したね虎杖
    どんなに言葉を選んでも難しい場面だろうにすごいな

  • 91二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:47:17

    伏黒の家族もやり切れないよなこれ
    津美紀ちゃんとか両親白と黒もいるのかな

  • 92125/02/14(金) 00:50:53

    釘崎は声が喉の奥に詰まってしまったかのように、吐息を零す。
    言わなくてはならないと分かっていても、心のどこかで認めたくはないと足掻く自分がそれを言葉にしてはくれなかった。

    だけれど虎杖は、その言葉を最後まで口にする。

    「伏黒は、助からない」

    はっきりと、言い聞かせるように。自分にとっても絶望的な真実をただただ告げる。

    「そんなわけ」
    「あるんだよ。だって、順平。もう一度よく見てよ」

    その言葉に促されるように、順平は再び伏黒を見た。
    トラックにはねられ、身体の大部分が潰れ、ひしゃげ、大量の赤を撒き散らした友を。
    骨の一二本が折れているというような、そう言う状況ではない。
    全身の骨が折れ、砕け、潰れ、粉砕され、かろうじて人だと分かるだけのそれ。

  • 93125/02/14(金) 00:51:08

    「ぁ」


    小さな声を零した順平は虎杖の言葉の意味を理解する。

    そして先程まで自分がしていた行為が何とも無意味で悪足掻きでしかないことも。


    「ぁああ」


    ぐらりと体を揺らがせた順平を虎杖が支え、掠れた声で「ごめん」と謝る。


    「ごめん、順平」


    そう言われた順平は気付いた。このごめんの先に居るのは自分だけではない、と。


    ごめん、伏黒。

    本当はそれこそが虎杖の口にしたかった言葉なのだろう。


    <目星>

    虎杖(75) dice1d100=40 (40)

    釘崎(75) dice1d100=78 (78)

    順平(75) dice1d100=31 (31)

  • 94二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:52:35

    釘崎のみ失敗か
    しかし描写えぐいな
    本当に助からないんだな

  • 95二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:53:05

    辛いよな…辛いよ
    目星は釘崎失敗か…直視出来なかったんだろうなぁ
    虎杖に言われてすぐ現実受け止めて成功させる順平も強いな

  • 96125/02/14(金) 01:01:10

    そして虎杖と順平は事故現場のすぐ近くに居たからこそ、気付いた。
    伏黒の手から吹っ飛んだであろうそれ、画面が罅割れているスマホが転がっている。
    画面は未だについており、虎杖は立ち上がってそれを拾って、息を呑む。
    そこには自分と釘崎と順平と、そして伏黒が写っていた。
    それがバキバキに割れた画面のせいでひびが入り、まるで断ち切られたかのようになっている。

    日常だった。壊れる前の温かな日だった。
    それが今やこうして、罅割れて無惨にひしゃげてしまっている。

    「ふ、しぐろ」

    何がしたかったのか、自分でも分からない。
    でも何かがしたかった、のだと思う。

    だが気付けば三人は大人に連れられ、現場から引き離されてしまう。
    彼らが被害者と友人であることを知っている者が居たようで、暫しの間はどうにか見守っていてくれたのか、もしくは対応する余裕がなかったのか、しかしこれ以上はここに居ては駄目だと。

    それでも暫し反抗していれば、高校へと連絡が行ったらしい。
    現場から離れたがらない三人を迎えに来たのは五条で、血だらけだったり血が付いていることに気にせず、五条は半ば無理矢理自分の車に押し込んだ。

    珍しく、あの五条でさえも静かだった。
    静かで静かで、静かすぎて。
    握り締めた拳だけが馬鹿みたいに熱かった。

  • 97二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 01:02:55

    待ち受けスレ画だったのかな…いや辛い
    そりゃ五条先生も何も言えないよ

  • 98二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 01:03:44

    伏黒…!待ち受けにしてずっと見れるようにしてたのか
    嘘だろ…4人の日常はもう戻らないのか
    五条もそりゃ静かに3人を回収するよ…あんな幸せそうにしてたんだもんな…

  • 99二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 01:03:55

    助けられなくてごめん、かな
    淡々と自分の心に言葉を刻みつけてるような雰囲気がつらいし本当に五条にもどうにもできない事なんだなぁって死の実感がつらいよ

  • 100125/02/14(金) 01:05:30

    今日はここまで、伏黒のHO運が悪いってのはスレ主も思ってたよ
    ヒポ(KPCポジ)、ほいち誘拐(HO2)、沼男(HO1)、忘失(HO2)、餞(NPCポジ)

  • 101125/02/14(金) 01:08:01

    沼男→祭囃子を経てアイドルアクトで「伏黒は寂しくないから大丈夫だからね!!!」って🎲に念押ししたら「分かった!!」で餞でこうなるの🎲くんちゃんさん?という気持ちになる

    あと虎杖の1C×2とここまで全成功、揺り戻しが怖すぎるよ

  • 102二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 01:08:17

    スレ主お疲れさまです
    やっぱり伏黒悲しいポジションにいる事多いよねとは思ってました
    ヒポる?って言われてるのを思い出したりもした
    沼男は1人残され亡失は両方とも辛いしそもそもほいち誘拐も含めてダイス運が悪い!!

  • 103二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 01:10:31

    やっぱりHO運悪いよね
    ダイスくんちゃん伏黒君に優しくしてあげて

  • 104二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 01:13:14

    そもそもスレ主を見るとダイス運が悪いのは逆に愛されてるのかもしれない…アイドルアクトも事故らせつつ愛は感じた
    そして虎杖もたまにあるよりによってを起こしそうなフラグを立たせてる気がしてきたんだけど気の所為だといいなと思ってます

  • 105二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 01:16:40

    虎杖自分が伏黒呼び止めなければって自責の方にいかないといいなと少し怖くなってしまった
    ここまでは選択肢ダイスそんなになかったからもしかしてババ抜きの上がり順で何か役割決まってたりするのかなとか思ったり

  • 106125/02/14(金) 01:22:16

    そういやスレ主にシナリオリクエストしたい時はとりあえずスレ主が立ててるスレに直接持ってきてもらって、そこで無理かどうかはスレ主が判断するからよろしくね

  • 107二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 09:56:39

    ほし

  • 108二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 17:11:37

  • 109125/02/14(金) 21:24:00

    どんなに衝撃的なことがあろうとも、どんなに悲しみ苦しんだとしても、時は誰しもに等しく与えられ流れていくものだ。

    親しい友人の無残な死を目の当たりにし、驚きと悲しみと衝撃に雁字搦めになっていたとしても、無情とも言える無慈悲な時の流れには逆らえない。

    やるせない思いを抱えたまま、翌日を迎えることだろう。


    3月1日、卒業式当日。


    体育館で卒業式は厳かに執り行われていた。

    四人の座るパイプ椅子の近くには伏黒の席も用意されている。しかしそこには文化祭の時にでも撮った写真の切り抜きなのだろうか、むっすりとした顔ではなく、思わずと言ったように笑っている伏黒の写真が拡大されて置かれているだけ。

    笑顔ではあるものの、どこか物悲しさを感じるそれは誰もが気にしながらも視線を逸らしていた。


    胸が締め付けられるような想いが、伏黒の死を知る者に訪れる。

    それでも式典は進んでいき、卒業証書授与が始まった。

    同級生の名前が一人一人呼ばれていくのを聞きながら、昨日の会話を思い出すことだろう。


    やがて卒業証書を受け取る順番が伏黒にも回ってくる。

    担任である五条が少し間を開けて伏黒の名前を読み上げるも、当然のように返事する者は居ない。

    一瞬、痛いほどの静寂が満ちる。


    <聞き耳>

    虎杖(75) dice1d100=73 (73)

    釘崎(61) dice1d100=96 (96)

    順平(85) dice1d100=56 (56)

  • 110二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 21:26:20

    釘崎さんがファンブルか
    出目があらぶってきた

  • 111二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 21:27:44

    とうとうファンブルが…
    写真だけ参加してる伏黒切ねえ

  • 112125/02/14(金) 21:39:26

    五条が伏黒の名を呼んだ時、釘崎は自分の視界が歪むのを感じた。
    鼻の奥が熱くなり、思わず俯く。握り締めた拳が視界の中に入れば、情けない気持ちと悲しい気持ちがごちゃ混ぜになって嗚咽が零れそうになる。
    泣くな。泣くな。
    自分にそう言い聞かせても熱く湿った吐息が口から吐き出された。
    泣いたって何も変わらないのだ。この悪夢のような現実がひっくり返ることなどない。
    朝起きてスマホを見て、思わず送ってしまった伏黒へのメッセージには既読がつかなかった。
    そして今も、ついていない。これから先もつくことはない。
    友人が亡くなったとしても、そこで立ち上がれなくなるくらいに泣くような自分じゃないはずなのだ。
    釘崎野薔薇はそんなに弱い女じゃないと、そう思うはずなのに唇が無様に震え、それを堪えるために歯を食い縛った。
    しかし、とうとう熱い雫が瞳から溢れる。歪み切った視界の中ですぐ近くにある拳さえも見えなくなった。
    (釘崎:SAN78→77)

    釘崎とは違い、虎杖と順平は名を読み上げる五条をただただ見つめていた。
    だがその時、ふと聞こえるものがあった。
    酷く掠れた、絞り出すような小さな声。
    鼓膜を震わせたその声は「なんで」と。

    どこから聞こえたのかと、誰の声なのだと、そんなことを考える暇はなかった。
    次の瞬間、虎杖と順平、そして声が聞こえなかった釘崎の意識もぶつりと途絶えた。

  • 113二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 21:41:18

    釘崎キツかったな…キツいよな
    そして何だ…?誰の声なんだろうな

  • 114二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 21:41:32

    釘崎辛いしそんなすぐ気持ち切り替えられないよな

  • 115125/02/14(金) 21:45:52

    三人ははっと目を覚ます。

    いつの間にか三人は教室の机に突っ伏して眠っていたようだった。

    体を起こせば困惑した表情のお互いと目が合う。

    どうして眠っていたのだろうか、そもそも体育館に居たはずではなかった。


    「あ、れ……?」

    「なんで私たちこんな所に……」

    「さっきまで僕たち、卒業式をして――――」


    しかしその疑問はすぐに掻き消えて、とあることに気付けば揃って息を呑む。


    そこには三人以外にも人影があった。

    三人以外の人影は先程までの三人と同じように机に突っ伏して、すうすうと寝息を立てている。

    それが誰なのか、見間違えることなど有り得ない。


    ――――そこに居たのは、伏黒恵だった。

    死んだはずの、失ったはずの、目の前で命の灯が消えた瞬間を見たはずの。

    信じがたい光景が彼らの前に広がっていた。


    <SANチェック>1d2/1d4

    虎杖(79) dice1d100=84 (84)

    釘崎(77) dice1d100=17 (17)

    順平(49) dice1d100=65 (65)

  • 116125/02/14(金) 21:46:42

    ≪SAN減少≫

    虎杖 dice1d4=2 (2)

    釘崎 dice1d2=2 (2)

    順平 dice1d4=1 (1)

  • 117二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 21:48:33

    ふ‥‥伏黒?なんで??
    そして釘崎以外失敗か

  • 118二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 21:52:30

    伏黒…??生きていたのか!…ってな訳ないな
    これはどうなってるんだ?
    釘崎はあっちが夢だったかも?と逆に安堵したのかもな

  • 119125/02/14(金) 21:54:16

    どくんどくんと心臓が音を立てる。

    有り得ないと思うと共に、しかし有り得ているのだと目の前の光景は目を擦ったとしても変わらない。


    三人が居るのは昨日トランプをしていた時のように四人分の机がくっつけ合わされている彼らの教室で、机の上にはトランプが散らばっている。

    何回目のババ抜きの様子なのかは分からないが、伏黒はどうやらジョーカーを持ったまま眠り込んでいるようだった。


    ≪現状への認識≫

    1.これは夢だと思う

    2.今までのことが悪夢だと思う

    3.混乱のまま答えが出ない

    虎杖 dice1d3=2 (2)

    釘崎dice1d3=2 (2)

    順平dice1d3=3 (3)


    <目星>

    虎杖(75) dice1d100=95 (95)

    釘崎(75) dice1d100=91 (91)

    順平(75) dice1d100=93 (93)


    <聞き耳>

    虎杖(75) dice1d100=68 (68)

    釘崎(61) dice1d100=29 (29)

    順平(85) dice1d100=29 (29)

  • 120二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 21:55:12

    目星大失敗

  • 121二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 21:55:34

    そうだよね悪夢だと思いたいよね
    誰もこっちが夢だとは思わないのが切ない

  • 122二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 21:55:56

    虎杖と釘崎が今までが悪夢だったんだあ!ってなっててこう…ぎゅっとなるな
    混乱収めた順平の方が困惑してる
    そして壊滅の目星で草
    聞き耳は全成功だな

  • 123二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 21:56:23

    目星…まあファンブルしてないからいいか

  • 124二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 21:56:44

    2人とも今までの方が悪夢だと思ったか
    混乱して判断つかないの順平か
    目星皆失敗か

  • 125125/02/14(金) 22:06:31

    三人の目線は伏黒に釘付けになったままであり、周囲の様子を窺う余裕はなかったらしい。
    しかし彼らの耳には日常を象徴するかのような、もしくは昨日を思い出させるような声が届く。

    「もう卒業かあ、寂しいね」
    「ずっと高校生でいられたらいいのになー」

    卒業式の前日に聞こえてくる会話らしいものだろう。
    クラスメイトの声が聞こえてくる最中、現状が理解出来ていない順平が「え……え!?」と大きな声を上げる。

    「ど、どういうこと!?さっきまで僕たち、卒業式やってたよね……?」

    その言葉を聞けば、虎杖と釘崎は自分たちと同じような光景を順平が見ていたことを悟ったのだろう。
    しかし二人はどこか気の抜けたような、もしくは不格好な笑顔なような、何とも言えない表情を浮かべていた。

    「夢だったんだろ、きっと」

    虎杖が小さくそう呟く。そして視線は伏黒に向けたまま、唇を少しだけ震わせた。

    「……やーね、あんな悪夢。馬鹿みたい」

    夢であれ、夢だった。夢に違いない。
    それは現実逃避のような結論でもあったが、それでも二人の真っ直ぐな願いでもあった。

    「本当にそれで良いのかな。だってそれじゃあ三人同じ夢を、しかも伏黒くんが死ぬだなんて夢を見てたことになるけど」

    順平がそう言えば、虎杖と釘崎は口を閉じた。そして少しの間があって口を開く。

    「……コイツが死んだのが夢なら、どんなに縁起が悪くてもそっちの方が良いわ。だってあれが夢なら――――ヤな夢を見たなで終わるじゃない」

  • 126二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 22:08:06

    そうだよな伏黒いる方が現実だと思いたいよね

  • 127二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 22:08:22

    縁起悪くてもそれが夢であればどれほど良かったか…って感じだから夢だったんだな…ってなる2人悲しいな

  • 128125/02/14(金) 22:14:44

    ≪三人の行動の指定安価≫
    ①周囲の確認をする
    ②クラスメイトに話しかける
    ③伏黒を起こす
    ④自分たちの状況の確認
    ⑤廊下に出る

    ①~⑤、もしくはその他の行動指定をどうぞ
    更に詳しい指定もあり、今回は基本的に全員同じ行動で
    先着三人の中から🎲で決定

  • 129二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 22:16:43

    この流れだと…まず起こしそうだから③かな?
    伏黒のことを確認して起こしそう

  • 130二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 22:16:58

    このレスは削除されています

  • 131二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 22:22:36

    伏黒起こすかな

  • 132二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 22:24:30

    とりあえず伏黒を起こす

  • 133125/02/14(金) 22:35:55

    釘崎の言葉に順平は口を噤んだ。
    だってこれが夢ではないのなら、先程までの光景こそが夢であるのならば、そちらの方が良いと思っているのは順平とて同じこと。

    「……そう、だよね」

    虎杖と釘崎があれを夢だと言うのならば、それを否定することまでは出来はしない。
    だって、証拠はない。あれが夢だと信じるのならば、そっちの方が余程良い。

    「とにかく、コイツを起こして…………今度こそ」

    少し顔が強張ったのは、きっとあの光景を思い出したからなのだろう。
    しかしやるべきことをやるのだと、まだ折れていないのだと、釘崎は顔を上げた。
    見つめる先は伏黒で、眠る表情は穏やかなもの。
    赤に濡れていることもなく、四肢が千切れかけていることもなく、彼らの記憶のままの伏黒だ。

    「五条先生に怒られる前に、帰ろうぜ」

    つまりは夢とは違う行動を取ろうと、そういうことだ。
    虎杖は「伏黒、起きろよ」と常よりも穏やかな声音で伏黒に声を掛ける。
    そしてもう一度、「伏黒」と名を呼んだ。

    すると伏黒は「ん……」と小さく声を零した後、瞼を震わせてから持ち上げる。
    そして一度、二度と瞬きをすれば手から持ったままだったジョーカーが零れ落ちた。

    「寝、てたのか?」

    更に瞬きを数度繰り返し、教室の黒板の上にある時計を振り向く。
    15時過ぎを刻んでいる時計を見れば、然程時間が経っていないことに安心したらしい。

  • 134二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 22:37:00

    伏黒が五体満足で起きた
    本当にあれが夢だったみたいだ
    夢じゃないかな

  • 135二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 22:45:36

    予知夢だったとか?だったら良くないけどよかった

  • 136125/02/14(金) 22:51:48

    「そうよ、一人でぐうすか寝呆けて良い身分ね」

    釘崎がそう告げる声はほんの僅かに震えていた。
    だが涙を零すことはなく、伏黒の手元から零れ落ちたジョーカーを拾い上げて散らばったトランプを纏め直す。

    「ほら、早く帰ろうぜ。今日の下校時刻って確かいつもよりも早いだろ?」
    「あぁ……十六時半、だったか?」

    伏黒はそう言って立ち上がるが、眉根を寄せる。
    しかし辺りをきょろきょろと見回せば、顔を顰めた。

    「どうしたの伏黒くん」
    「寝てたのは悪かったが、俺の鞄どこやった」

    順平に、と言うよりは虎杖と釘崎へと向けた言葉だった。
    しかしその言葉を受けて、遅れて気付く。虎杖と釘崎と順平、三人の荷物もこの場にはない。
    2月28日時点で教室に置いていたはずの荷物も、それこそポケットにスマホすらも入っていなかった。

    「オマエら自分のも隠したのか?」

    伏黒は呆れたようにそう言うも、三人に隠した覚えなど当然ない。
    ここで目覚めて、先程まで見ていたものが悪夢であれと願った。
    そうだと信じ、あれをただの悪夢にすると決めたというのに、現実は非常だった。

    そして何も答えない三人に怪訝な顔をした伏黒が自分で探そうとしたのか、周囲を見て、窓の外に視線を向ける。

  • 137二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 22:53:31

    うーん…周囲確認したら鞄ないのに気付いたのかな
    どうなってるんだろうなこれ

  • 138二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 22:54:26

    明らかにおかしいよね
    やっぱりこっちが夢か?

  • 139125/02/14(金) 22:57:44

    「……は?なんだよ、これ」


    伏黒の言葉に釣られて、三人は窓の外を見る。もしかすると今まで見えてたが見えなかったふりを、認識できていないふりをしていただけなのかもしれない。


    帰るはずだった。帰ろうと思っていた。何事もなく明日に辿り着くはずだった。

    そうすれば無事に卒業式が迎えられるのだと信じて、そうに決まっていると、あれを悪夢にしようと。悪夢でしかないのだと。


    しかし窓の外には有り得ない光景。。

    後者の敷地より外には、まるで何もないかのように闇が広がっていた。

    空は切り取られたかのように途切れており、流れる雲が闇に飲み込まれては消えていく。

    帰るべき場所は闇の中だ。これでどうやって帰るというのだろう。


    否、それよりもだ。

    この光景こそが彼らの前に広がるものが現実ではないかのように突き付けてくる。

    彼らの中にある記憶が悪夢だったかは分からない。あれも悪夢で、これも悪夢の続きなのかもしれない。

    ――――そう、これは本当に現実なのか。それが三人の前へ突き付けられていた。


    <SANチェック>1/1d2

    虎杖(77) dice1d100=85 (85)

    釘崎(75) dice1d100=42 (42)

    順平(48) dice1d100=50 (50)


    伏黒(⁇) dice1d100=42 (42)

  • 140二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 22:59:03

    このレスは削除されています

  • 141125/02/14(金) 22:59:25

    ≪SAN減少≫

    虎杖 dice1d2=2 (2)

    順平 dice1d2=1 (1)


    伏黒 dice1d2=1 (1) (成功か失敗か秘匿中、とりあえず成功も失敗も数値出すよ)

  • 142二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 22:59:39

    伏黒…これも本当に伏黒なのか怖くなってくるな
    否定したくともやはりこちらの方が夢なのか

  • 143二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 23:00:11

    虎杖と順平が失敗か
    伏黒の数値は秘匿なのね
    順平のSAN値心配になるんだが

  • 144125/02/14(金) 23:09:05

    「こ、れって」

    もしかして。これこそが何らかの夢なのかと。恐る恐る自らの頬を抓った虎杖は痛みを感じ、それに安心すればいいのかそうではないのか分からなくなる。

    「なによこれ……」

    釘崎が呆然とそう呟きながらも、虎杖や順平へと視線を向ければふと気付く。
    虎杖と順平の胸にはコサージュが飾られていた。
    「卒業おめでとう」と書かれたリボンに、綺麗な白い造花のあしらわれたコサージュ。
    それは卒業式が始まる前、卒業生全員に一律で配られたものである。
    ――――そうだ、自分たちはさっきまで卒業式に出ていたはず。
    あれは夢なんかではない。現実だった。現実だった、のだ。

    「……私たち、やっぱり」

    気付きたくはないが、気付け気付けと何かがせっつく。
    釘崎の呟きに振り向いた虎杖と順平が釘崎の姿を認めれば、二人も釘崎と同じことに気が付いた。
    自らの、もしくは友人二人の胸を飾るコサージュ。

    そして遅れて伏黒が窓の外から、此方へと振り向く。
    そうすれば伏黒の姿が目に留まった。
    ――――伏黒の胸にはコサージュがない。
    その理由を三人は知っていた。伏黒は卒業式には出ていない。
    何故?
    答えは簡単だ。伏黒は死んだ。トラックに轢かれて即死だった。五条が名を呼んでも、応える声は当然なかった。

    「……オマエら、流石に気が早いんじゃないか」

    伏黒が自分の胸を指し示す。まるで、そう。三人の胸にコサージュがあることがおかしいかのように。

  • 145二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 23:11:26

    ああやっぱりこっちがおかしいのか
    んで伏黒は自分が事故った記憶がないのか

  • 146二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 23:12:54

    やっぱり卒業式は起きてて伏黒がおかしいのか…

  • 147二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 23:13:41

    時間遡行ではないんだな
    なんか領域の中に閉じ込められたみたいな雰囲気だ

  • 148125/02/14(金) 23:16:49

    ≪三人の行動の指定安価≫

    ①クラスメイトに話しかける

    ②伏黒と会話する(特に聞きたいことがあるなら指定も可)

    ③学校の外の闇を確認に行く


    ①~③、もしくはその他の行動指定をどうぞ

    更に詳しい指定もあり、今回は基本的に全員同じ行動で

    先着三人の中から🎲で決定


    シークレット🎲

    dice3d3=3 1 3 (7)

  • 149二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 23:19:07

    まずは周囲の人に話し掛けるかもな…
    伏黒に聞いてもこれまでの反応的に知らないのは分かるし

  • 150二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 23:20:02

    クラスメイトに話かけるかな

  • 151二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 23:24:27

    どういう状況なのか確認したいよな
    まだ校内にいるであろう五条を探してみる

  • 152125/02/14(金) 23:33:19

    ≪三人の行動≫

    1.周囲の人に話しかける

    2.クラスメイトに話しかける

    3.校内に居るだろう五条を探す(→職員室に向かう)

    dice1d3=3 (3)

  • 153二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 23:34:02

    五条を探すか
    五条いるのかな

  • 154二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 23:36:47

    コサージュ見てどんな反応するかな
    五条がいないもしくは何も知らないとしても五条がいない五条も何も知らないって事が分かればそれは何かのヒントになるかもな

  • 155125/02/14(金) 23:48:22

    明らかな異常事態の発生だ。

    これが夢かどうかはともかくとして、このような状態の場所に長居は出来ない、……はずだ。

    どうすればいいか暫し迷ってから、気付けば四人ともが顔を見合わせ、そして頷く。

    困った時の五条先生頼み。人間としても教師としても尊敬できない所はあるが、それでも本当に困った時には誰もが思わぬ方法で助けてくれる人ではある。


    「この時間なら……職員室か?」

    「とりあえず職員室に向かって、居なかったらアイツが私たちの預かり物を持ってるとか言って放送で呼び出してやりましょ」

    「歌姫先生なら許可くれそうだよね」

    「大抵の先生なら許可くれるわよ。アイツがそういうことするヤツだって知ってるし……私たちが困ってたら助けてくれるはず」


    下校時刻まではまだ時間がある。校内をふらふらとしている可能性はあるが、いる可能性が高いのは職員室となるだろう。

    五条が居なくとも、頼りになる先生は誰かしら居るはずだ。

    伏黒の言葉に三人は頷き、そしてバタバタと教室から駆け出していく。

    三年の教室があるのは一階で、職員室があるのは二階だ。

    となれば廊下に出て階段を上ることになるのだが、廊下にある大きな窓からは校庭と、そして学校の外の闇がよく目に入る。


    3-A(校舎1F)→廊下→階段→職員室(2F)


    探索場所【校舎/体育館/部室棟】

    →校舎1F(3-A,3-B,3-C,3-D,保健室,進路指導室,事務室,理科室,倉庫,中庭,昇降口)

     校舎2F(2-A,2-B,2-C,2-D,校長室,家庭科室,職員室,美術室)

     校舎3F(1-A,1-B,1-C,1-D,会議室,視聴覚室,音楽室,図書室)


    <目星>

    虎杖(75) dice1d100=89 (89)

    釘崎(75) dice1d100=32 (32)

    順平(75) dice1d100=67 (67)


    伏黒(??) dice1d100=70 (70)

  • 156二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 23:49:59

    探索場所結構あるね
    伏黒は全部秘匿か

  • 157二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 23:50:01

    なんか虎杖が急に成功率悪くなってきたな

  • 158125/02/15(土) 00:00:27

    職員室へ向かう途中、釘崎と順平は校庭にあるものに目を留めた。
    見覚えのない木が生えている。記憶の中ではあんなものはなかったはずだ。
    だが今はそれどころではなく、そのまま職員室へと駆けこむことになった。

    職員室には電気がついていた。
    扉は開け放たれており、中には教師の姿が見える。
    談笑したり机に向かって仕事をしていたりしているようで、穏やかな時間が流れていた。

    「失礼します」

    伏黒がそう口にしてから、中へと入る。
    三人もそれに続き、中を見渡した。
    そして目的の五条は自分の机に座っており、机の上には卒業アルバムらしきものが広げられている。
    明日配布されるはずのそれを堂々と見ているのはどうなのかと一瞬思うものの、今はそれどころではないと本題を口にする。

    「五条先生!あのさ――」
    「説明するの面倒だから、とりあえず窓の外見て。アンタあれどう思う?」

    釘崎がそう言えば五条は笑みを浮かべたまま、四人を見返した。
    どんな状況でも気の抜ける笑みを浮かべていたり、へらへらと軽薄な雰囲気を纏う男。
    そんな男がもし黙ったり静かにしているのならばそれだけで異常事態だ。
    車の中で黙りこくっていた五条。
    卒業式前、珍しく顔色があまり良くないと生徒たちでさえ気付く程の変化。
    だがそう言った五条らしくない姿は今やどこにもない。

    「最後まで変わんないねぇ。そんな君たちももう卒業かぁ。いやぁ、まったく、寂しくなるよ」

    本気か本気ではないのか分からない言葉が五条の口から飛び出してくる。
    問いに全く答える素振りが見えなかったせいで、釘崎はイラっとした。まあ、いつものことではある、とも言える……――――本当に?

  • 159二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:02:49

    見えてないのか?それともとぼけてる?

  • 160二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:03:59

    クラスメイトは窓の外の様子気にしてる素振りなかったんだよな
    なんかまんまゲームのNPCみたいというか書き割りっぽいというか、五条もそうなのか?

  • 161二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:06:02

    あっこれ五条には見えてないかそもそも五条もなんかNPC的な在だな?

  • 162125/02/15(土) 00:06:03

    「そう言えば体育館の鍵がないけど、もしかして持ち出した?やるならバレないようにしなきゃダメだよ」

    「そんなことはどうでもいいのよ。だから、窓の外を――――」


    釘崎がバンと机を叩くも、五条の表情は変わらない。

    こっちを茶化すようなものではなく、ただただ本当に変わらないのだ。


    「最後まで変わんないねぇ。そんな君たちももう卒業かぁ。いやぁ、まったく、寂しくなるよ」

    「…………は?」


    気のせいではなく、先程と一語一句同じ言葉。それが全く同じ表情で繰り返される。


    「そう言えば体育館の鍵がないけど、もしかして持ち出した?やるならバレないようにしなきゃダメだよ」


    続く言葉も聞き覚えがあるものだ。


    「五、条先生。ふざけるのもいい加減に――――」

    「最後まで変わんないねぇ。そんな君たちももう卒業かぁ。いやぁ、まったく、寂しくなるよ」


    ぞっと、恐ろしいものを前にしたかのように全員が無意識に一歩後退っていた。


    「そう言えば体育館の鍵がないけど、もしかして持ち出した?やるならバレないようにしなきゃダメだよ」


    五条は狂った人形のように、壊れたラジオのように、同じ言葉を何度も、何度も何度も繰り返していた。


    <SANチェック>1/1d2

    虎杖(75) dice1d100=73 (73)

    釘崎(74) dice1d100=56 (56)

    順平(47) dice1d100=35 (35)


    伏黒(??) dice1d100=1 (1) dice1d2=1 (1)

  • 163二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:07:26

    うわっ完全なゲームのNPCだ!これしか言わない存在だ!!!
    そして伏黒1クリノーカン?

  • 164二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:10:12

    五条の力は借りられないこと確定かな
    みんな成功はしてるけど結構メンタルにくるなこれ…!
    途中の見覚えのない木も気になる

  • 165125/02/15(土) 00:14:42

    五条は確かにおかしな所もある。世間一般で言う規格外、もしくは根本からイカレている。

    だが五条は本当に困っている生徒を前にして、それをネタに揶揄って遊ぶだけで終わるような人間ではないも確か。

    散々ふざけ倒してから軽々と解決して、もう一度弄り倒すくらいの性格の悪さはあるのだが、このような意味のないことを延々とするタイプではない。


    だからこそ目の前の五条が五条ではないと、明らかにおかしいと、四人が気付くのも当然の話だった。


    得体の知れないものを相手にしているかのような、悍ましさ。

    顔に貼り付けられているかのような笑顔が心底気色悪い。

    そして改めて周囲に気を配れば、こんな状況の五条と、そして自分たちに目を向ける教師も居ないのだ。


    おかしい。この場の全てが。

    おかしい。何もかもが。


    そうして遅れて気付く。

    自分たちが居た教室に居たクラスメイトは平然と会話をしているように見えていたが、その会話内容もどこか不自然ではなかっただろうか。

    まるで、そう。今の五条のように同じことをずっと話続けていたかのような。

    何度も何度も同じ言葉を繰り返していただけかのような。


    おかしいのは高校の外だけではない。

    内側も明らかに何かに蝕まれているのだと、三人は悟らずには居られなかった。


    <精神分析>

    虎杖(47) dice1d100=48 (48)

    釘崎(40) dice1d100=66 (66)

    順平(50) dice1d100=76 (76)


    伏黒(⁇) dice1d100=87 (87)

  • 166二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:15:19

    伏黒が勿体ないクリティカル出してるもう一つのダイスなんだ?
    そしてここの五条はただセリフ喋るだけのNPCか

  • 167二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:16:11

    多分これ全員失敗かな?

  • 168二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:16:59

    精神分析誰も成功してなさそうだな
    虎杖惜しかったが
    でも成功したところで変わらなさそうだなこの五条

  • 169二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:21:40

    この日の最終下校時刻は16:30って言ってたけどこの分だと時間が正しく進むのかどうかも不安になってくる
    下校しなさいって言われても学校の外へのフィールドが存在してなさそうな感じというか

  • 170125/02/15(土) 00:23:51

    話が通じないと分かれば四人は五条から逃げるようにして職員室を後にする。

    何度も同じことを繰り返す五条を見ていれば、頭がおかしくなりそうだった。

    そして職員室前の廊下で四人は話し合う。


    「……オマエらは普通、だよな?」


    伏黒が恐る恐ると言ったようにそう声を掛けて来たものだから、虎杖は頷いた。


    「俺たちは普通、だと思う。おかしいのは――――」


    本来なら続く言葉は「学校と、五条先生たちと、皆と、――伏黒」であったのだろう。

    死んだはずの伏黒がこうして平然と振舞っているのだって、ある種の異常だ。

    何か原因があるのだとすれば、もしかすれば伏黒かもしれないとさえ考えることも可能だろう。


    「俺たち以外、だと思う」


    だからこそ少しだけ、虎杖は誤魔化した。

    そしてその誤魔化しに釘崎と順平も当然の如く気付く。


    しかしその言葉を受けた伏黒はじっと虎杖のことを見返していた。

    そして釘崎に視線を向け、順平にも向け、――暫し黙る。


    <アイデア1/2>

    伏黒(??) dice1d100=81 (81)

  • 171二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:25:42

    そうなんだよな伏黒が生きてるのも異常なんだよな…
    伏黒は誤魔化しに気付かなかった…かな

  • 172二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:26:42

    これは気がつかなかったかな
    数値が解らないとハラハラする
    しかし伏黒に疑惑持たせるのもまずい気がする

  • 173125/02/15(土) 00:33:55

    「どうするべきかは分からないが、この異変を解決するために動くべきだ。気になる所は他にあったか?」


    伏黒がそう言えば、「あ」と二人分の声が被る。

    それは釘崎と順平のものだった。


    「そう言えば校庭に見慣れない木があったわね」

    「釘崎さんも気付いていたんだ。僕もここに来るまでの廊下で見えたけど」


    そして今四人が立っている中庭寄りの廊下から、3-Aの真上、2-Aの廊下の方へと歩いていく。

    廊下にもちらほらと人影が見えたが、やはり話している内容は同じことを繰り返しているように聞こえた。

    そのどれもが卒業を惜しむものであったり、寂しがるものであったり、卒業式の前の日と考えれば妥当な言葉ではあるのだが、ループしているということに気付いてしまえば気持ち悪さが勝る。


    「ほら、あそこ。あんな所に木なんて生えてなかったわよね?」

    「そりゃそうだろ。校庭のど真ん中に木なんて生えてたまるか」

    「言い方ってもんがあるでしょ」

    「結構目立つけど、ここからだとよく見えないね」

    「桜、じゃないよな?」


    <目星1/4>

    虎杖(18) dice1d100=80 (80)

    釘崎(18) dice1d100=47 (47)

    順平(18) dice1d100=51 (51)


    <生物学1/2>

    伏黒(??) dice1d100=56 (56)

  • 174二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:37:47

    1/4か…ここで成功したらデカかったんだろうけど誰も成功してなさそう
    なんだろうな見覚えのない木

  • 175二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:39:11

    生物学?木に鳥でもとまってるのか
    近づくのもちょっと怖いけど重要そうなのは分かる

  • 176二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:39:41

    これか難しいよな誰もわからないかな

  • 177二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:40:40

    言われてみれば生物学
    まさかなんかの動物系なのか単に植生関係なのか
    どっちもありそう

  • 178二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:41:28

    >>175

    いや普通に木の種類を推察しようとしてるだけか?

    伏黒は進路的にも他三人より生物に関する知識がある感じかな

  • 179125/02/15(土) 00:41:50

    やはりこの距離ではあの木が何かなど、三人には分からない。
    同じように窓の外を眺めていた伏黒の表情も晴れないならば、彼も分からなかったということなのだろう。

    「……どうする?確認に行く?」
    「ここから見て分からないなら、そうするしかないわよね」
    「これって木を見て何も分からなかったら、やっぱり学校を囲む暗闇も見に行った方が良いのかな」
    「そうなるな。……触れて大丈夫なのかも分からないが」
    「こういうのって映画とかだとさ、足場も何もなくてヒューッて落ちたりすることもある……よね?」

    順平が虎杖に同意を求めれば、虎杖も「あー……」と呟いた後、「ソウダネ……」と頷く。
    そのろくでもない答えに釘崎は虎杖を1の力で叩き、その1/2で順平を叩く。
    言い出しっぺは順平であるというのに、だ。

    「そんなこと言うなら、アンタが確かめてきなさい」
    「落ちたくねぇんだけど!?」
    「誰も落ちろとは言ってないわよ。ただ確認してこいって言ってるだけ」
    「それって足場なかったら落ちそうにはなるよな」

    とにもかくにも、一度明らかな変化である木を確認しようと、そう言う話になった。
    そして全員が階段を降り、校庭へと向かうその途中。

    ブツリと、意識が途絶える。

  • 180二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:43:29

    えっ!?
    これもしかして学校外に出ては行けない奴?

  • 181二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:43:34

    唐突に意識が!?校庭に出ようとしたからなのか別の要因によるものか
    虎杖と順平が映画好き視点からのトークしてるの良い

  • 182125/02/15(土) 00:46:36

    はっと目を覚ます。

    気がつけば、三人は教室の机に突っ伏して眠っていたようだった。

    体を起こせば、目の前には自分と同じように動揺の表情を浮かべる友人たちがいる。

    そう、まるで最初に教室で目を覚ましたあのときのように。


    しかし便宜上一回目とするあの時とは違い、伏黒も既に顔を上げている。


    <POW×5>

    虎杖(80) dice1d100=63 (63)

    釘崎(80) dice1d100=48 (48)

    順平(55) dice1d100=41 (41)


    伏黒(??) dice1d100=39 (39)

  • 183二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:48:13

    あー…やっぱ今は条件を満たしてないからか外に出られないっぽいな
    ゲーム的には理解出来るけど何故こうなってるんだろうな

  • 184二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:49:20

    なんか即死トラップハマってセーブ地点に戻ってきたみたいな…
    最初に卒業式の途中で意識が途絶えた時と似てるけどなんなんだろう

  • 185二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:50:22

    手順をきちんと踏まないと出られない奴か
    なら先に手がかり見つけないといかんな

  • 186125/02/15(土) 00:57:34

    異常事態に次ぐ異常事態。三人は焦りを感じずにはいられない。


    「……これって」

    「所謂ループ系、ってヤツ?」

    「こういうのってよくある設定だと時間経過か、もしくはあらかじめ条件が決められてたりすることも多いよね」

    「確かに。んで今の時刻は……また15時過ぎ」

    「こんなリセット機能要らないわよ!あぁ、もう!伏黒、アンタも黙ってないで何か……伏黒?」


    釘崎に名を呼ばれても少しの間ぼーっとしていたらしい伏黒だが、二度目に名前を呼ばれれば瞬きを繰り返し、釘崎を見返した。


    「悪い、呼んだか」

    「呼んだわよ。こんなわけの分からない状況のままで良いはずないから、知恵を貸せって」


    「言ってないよな?」

    「言ってないよね」


    「そこ!外野がうるさいわよ。文句があるなら知恵を出しなさい!!」


    机の上には片付けたはずのトランプが再び散乱し、そして伏黒の手にはジョーカーが握られている。

    それを伏黒は手放し、一度目と同じように山札の上に置く。

    周囲ではクラスメイトが談笑しているも、やはり同じことの繰り返しだ。

    それこそゲームに出てくるクラスメイトAとクラスメイトBの会話とでも言うべきだろうか。


    ≪シークレット🎲≫

    dice1d100=27 (27) dice1d2=2 (2)

  • 187二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:58:48

    伏黒何か変だな
    何か気がついたことでもあるのか?

  • 188二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:59:24

    シークレットダイス怖いな…なんだろうなこれ
    なんかぼーっとしてる反応的にリセットごとに伏黒になんか負荷でもあるのか…?それだと嫌だな…
    同じループ系なら伏黒の生き残る未来を見つけられればいいのに

  • 189二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 01:00:06

    やっぱり単なるワープじゃなくてリセットだな
    五条にも会ってないことになってたりするんだろうか
    とりあえず無くなってるらしい体育館の鍵が気になる

  • 190125/02/15(土) 01:01:45

    ≪三人の行動の指定安価≫
    ①周囲の確認をする
    ②クラスメイトに話しかける
    ③伏黒と会話する(会話内容の指定も可能)
    ④自分たちの状況の確認
    ⑤〇〇〇に行く(探索箇所の指定)
    探索場所【校舎/体育館/部室棟】
    →校舎1F(3-A,3-B,3-C,3-D,保健室,進路指導室,事務室,理科室,倉庫,中庭,昇降口)
     校舎2F(2-A,2-B,2-C,2-D,校長室,家庭科室,職員室,美術室)
     校舎3F(1-A,1-B,1-C,1-D,会議室,視聴覚室,音楽室,図書室)

    ①~⑤、もしくはその他の行動指定をどうぞ
    更に詳しい指定もあり、今回は基本的に全員同じ行動で
    先着三人の中から🎲で決定

  • 191二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 01:05:20

    体育館の鍵を探すべきかなとも思うが行ける場所に体育館ないし今は校舎限定だな?事務室とかにあるのがないのかな
    取り敢えずループしてるだろうけどやってない②でなんか体育館の鍵の情報ないか調べてみる

  • 192二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 01:06:10

    探索場所としてはフラグ立ってる体育館気になるな
    卒業式やる場所だし
    でもとりあえず伏黒の様子がちょっと気になるから心理学で何かわかったりしないかチャレンジ、を安価で
    事故のこととか思い出したりしてないだろうな

  • 193二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 01:11:19

    五条先生の言ってた体育館探索したいので
    鍵のありそうな場所取りあえず探索してないから今いる教室調べてみたい

  • 194125/02/15(土) 01:14:29

    ≪三人の行動≫

    1.クラスメイトに話しかけつつ、体育館の鍵の場所を知らないか聞いてみる

    2.伏黒に心理学

    3.今居る教室の探索

    dice1d3=2 (2)

  • 195二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 01:14:47

    このレスは削除されています

  • 196125/02/15(土) 01:15:21
  • 197二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 01:16:02

    伏黒に心理学か何かわかるかな
    でもキーは多分伏黒なんだよね

  • 198二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 01:16:58

    スレ立て乙
    情報が何もないから不安だけが募る
    しかし燦然と輝く1C3回的になんとかなるかもしれない
    でもロスト率的にヒポ路線とかもありそうで怖い

  • 199二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 01:17:52

    そんな心理学でファンブル出そうみたいなフラグはやめておくれよスレ主!何かわかるといいな

  • 200二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 01:19:19

    次スレでファンブルは出るんだろうか

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