- 1125/03/09(日) 14:23:12
このスレは羂索と天元をPCとしてクトゥルフ神話TRPGを回していくものだよ
閲覧注意は発狂した時やグロテスクな描写があった時用だよ
原作軸ではなく一般人(?)設定。そのため関係性や雰囲気などが異なるよ
新規キャラシかつ、特殊設定があるよ。そのためシナリオ中はキャラシを非公開で進めていくよ
羂索の外見や性別はあえてはっきりと描写しないから好きに楽しんでね。スレ主も決めきれなかったからこうしたよ
今回はキメオールさま作成シナリオの『Good morning ALL』をお借りしてるよ
シナリオのネタバレを大いに含むので注意してね。既にシナリオを知っている人は先の展開のネタバレはやめてね
このスレやシナリオの感想やネタバレをSNSなどで言うのもやめてね
このシナリオは秘匿HOがあり、特殊設定を含むよ。シナリオ傾向はシリアスで、今回は安価なしだよ
そのため二人に"何が起きても"、"何があっても"、"どんな関係であっても"許せる人でなければキツいかもしれないよ
発狂率は高、ロスト率もそれなりに高い。――――ただし、HOによってかなりの差がある
文明が滅んだ地球を歩き回った。
無限の退屈は、自身が何者であるかも忘れさせたが、それでも毎日願う。
――――今日が最高の日になればいい。
HO:不老不死(自分の名前も忘れてしまった人) 暇。→天元
HO:重病人(これから滅茶苦茶になる人) 死ぬ。→羂索 - 2125/03/09(日) 14:23:32
- 3125/03/09(日) 14:23:54
- 4125/03/09(日) 14:24:11
- 5125/03/09(日) 14:28:32
人類が観測したそれは、星ではなく神だった。
電波ではなく、目覚めの歌だった。
グロースと呼ばれる惑星に似た厄災の神は、自身の歌を聴いた天体に吸い込まれるように近づいていく。
太陽系に大接近した時、かつて地球を支配していた神々が全て目覚める。
クトゥルフ神話TRPG キメオールさま作成シナリオ「Good morning ALL」 - 6二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 14:28:47
>HO:不老不死(自分の名前も忘れてしまった人) 暇。→天元
>HO:重病人(これから滅茶苦茶になる人) 死ぬ。→羂索
最初からトバしすぎている
- 7125/03/09(日) 14:38:19
Side:不老不死
文明が滅んだ地球を歩き回った。
無限の退屈は、自身が何者であるかも忘れさせたが、それでも、この星を歩くのを止めようとは思わなかった。
過度な栄養であまりにも大きく育った巨木の下にしゃがみ、夜空を見上げる。
とても多くの星がそこにはあった。
そのほとんどが、かつての輝度を失っているのにも関わらず、今もまだ、自身を見下すように輝いている。
いつになく月が明るく輝いているように見え、彼女は空を見上げて目を細める。
もしもそんな彼女を見た誰かが居れば、それは神々しくも見えただろう。
――――だが今、この地球には自らを見つけるような人間が居ないことを彼女は知っていた。
星々が輝度を失ってより数万年、今日ほど月が明るかったことは無い。
何度この空を見上げたのか、彼女自身にも分からなかった。
しかしずっと空を見上げているのではなく、再び歩き出した彼女はお気に入りの場所へと向かう。
生命の溢れる深い湖や、その周囲に生えている沢山の木々の元は、彼女にとって素敵な場所だ。
彼女が訪れると、湖がさざ波に揺れ、木々がざわめく。
この植物たちの成長は、彼女の数少ない楽しみだろう。
そして、文明の名残である建造物がいくつか地表に点在するこの場所は、遥か昔の歴史を想起させ、少しだけ彼女の心が沸き立たせるのだ。
ざわめく木々に寄りかかり、数万年ぶりに明るい月を見上げる。
「今日が最高の日になればいい」
これは、彼女にとって日課のような願いだが、今日は本当に何かが起こる予感がするのだった。 - 8二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 14:40:06
わぁい待ってました!
羂索天元のシリアスだ!
そして発狂率は高ロスト率もそれなりに高ただしHOによってかなりの差がありでさっそくHOに死ぬ。と書かれてる人いて草なんだ - 9125/03/09(日) 14:57:28
Side:重病人
誰しもに訪れるはずの安寧、眠りによって深く沈んでいたはずの意識が全身の激痛と吐血を誘う咳のせいで浮上する。
湿った咳音は聞き苦しいものであり、うるさそうに、もしくは心配そうに視線が集められるのを気にするなとばかりにハンドサインであしらい、深く息を吐く。
マスクの内側には微かに赤い飛沫が付いているも、外側からは見えないと信じて取り替えるのは後回しだ。
この程度で毎回変えていては、一日にマスクがどれだけ必要になることか。
「……こんな時くらい、ゆっくり眠らせてくれればいいのに」
病に蝕まれた身体は、移動中の仮眠すら長く許されない。重怠い肉体は再び眠る気さえ失わせるもの。
眠るのを諦め、窓の外を見れば見慣れぬ光景が広がっていた。
現在、イギリス南西部のグロスタシャー州の山奥にある、ゴーツウッドに向かう電車に揺られている最中。
日本を中心に蔓延し始めた、数日で死に至る不治の病に侵されたせいでこんな所にまでやってきている。
数ある大学病院の全ての意思に治療付加と診断され、他ならぬ医師である自分自身も自分ではどうしようもないと匙を投げることしか出来なかった。
こうなった当初はありとあらゆる論文を読み漁り、どうにかする手立てがないのかと調べていたのだが――――唐突にこのままでは駄目だと、自分の死を医学のために放り投げる気を失い、気まずそうに自身を見る同僚を置いて、こうして海外にまで足を運んでいる。
高度な延命治療を受けるには金銭的な問題と人脈的な問題があったのだが、そのどちらもどうにかしようと思えば出来た。
だがそうしなかったのは、自らの意思によるもの。そして現状、職も辞して死を待つだけの人となっている。
「死ぬ前に見る最後の光景がこれかもしれないとは、嫌になるね」
通り過ぎていく景色を眺めながらも、どうしてこんな所にまでやって来たのか、その気まぐれでしかない行為について考える。 - 10二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 14:59:06
やった新卓だ!!
注意書きにドキワクハラハラしてたらHOすごいな!楽しみに見守るよ… - 11二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:03:41
シリアスだ…羂索が既に死にかけている
とりあえず現代的な現実的な世界観で始まるんだな - 12二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:04:11
羂索の方と天元の方はなんか…時間軸が違う?羂索の方は普通っぽいから変な感じだな
- 13二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:06:52
やったあーーー!!!!!!お待ちしてました!!
そしてHOがピッタリ… - 14二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:09:27
日本を中心に蔓延し始めた数日で死に至る病かぁ…猫街世界線ではないけど普通に辛いわね
- 15二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:09:45
リクエストしたものです!
ありがとうございます! - 16125/03/09(日) 15:13:30
打開策の無い窮地に追いやられた者が最後に縋るのは、宗教か奇跡だ。
ただ面白みもなくベッドの上の住人となり、同僚や気に食わない人間の前で家畜のようにあれこれ試されるくらいならばと、慣れ親しんだ医学と離れ、縋るのではなく「これでどうになったら面白い」という、自分の命さえも軽々しく扱って噂とやらを試してみることにした。
ゴーツウッドに伝わる山羊の乳が、数々の奇跡をもたらすという話。人生最後の海外旅行を兼ねて、現地に向かう事にしたのだ。
空港では健康な人間のふりをする必要があったが、こうして人が減ってくればその必要もない。
――――まあ、日本人だとバレれば多少は面倒になるかもしれないが、どうにか出来るだけの自信もあった。
ブリチェスターから列車に乗って30分が経った頃、車窓から景色を見ていれば、密集した木々の隙間からチラホラと建造物を見つける。
その中で、ひと際高い丘の上に、円錐状の奇妙な建造物が見えた。
更によく注視してみれば、その建造物に設置されているのは多数の鏡であり、それらが多方面に向けて光を反射させることのできる装置であるようだと想像がつく。
だが、それが何の用途で存在しているかは想像もつかない。
「運良く治ってくれたりするのなら、観光も出来るかもしれないけど」
そうは言いつつ、そうなるとは微塵も思っていないかのような声音だった。
医学でどうにもならないものが宗教や奇跡などと言った不確定なものでどうにかなると信じてはいない。
だからこれは医学の道から背いたことへの、後付けの言い訳のようなものでもあった。
白い部屋、白いベッド、真っ白な自分。白衣を脱ぎ捨てて患者衣を着て、それを赤く染めることを許さなかったのは矜持か、もしくは退屈を嫌う心か。
そして5分後、列車はゴーツウッドの駅に停車する。
他には誰も降りないその駅は、プラットフォームがむき出しの滑りやすい板で作られ、待合室の窓は薄汚れて落書きが書かれている。
固い木製の椅子は塗装もされていない。
込み上げるものがあり、咄嗟に壁に手をついて何度も咳き込む。弱り切った身体は咳をするだけでじわじわと死を予感させた。
<POT対抗>POT(Potency……効力。今回は肉体の丈夫さである能動のCONと受動の発作の効力15で対抗)
羂索(15-15,50) dice1d100=80 (80)
- 17二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:15:39
失敗…ってことは発作が起きちゃうのか
病人だと思うと羂索でも労りたくなるな - 18二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:16:29
ぐっ、好き……描写がうまぁい……泣
- 19二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:21:30
謎建造物なんの用途だろう
医者の羂索も新鮮でいいな…ベッドの上でつまらない最期を迎えるよりはどっかフラッと行きそうである - 20125/03/09(日) 15:24:14
あ、マズいと。そう思った時には口から血痰が吐き戻されていた。
酸欠と全身の痛み、咳をすると言うただそれだけの行為のせいで立っていられなくなり、そのままずるずるとしゃがみ込む。
呼吸が覚束なくなり、マスクを剥ぎ取れば内側が真っ赤に染まっているのが見えた。
あぁ、これはもう使えないなと現実逃避のようにそう思う。
咳の合間に息を吸おうとするも、ヒューヒューと音が響く。この数日で慣れてしまった音とも、もう別れの時が近いのだろう。
視界が霞む。苦しい。痛い。
ずるずるとしゃがみ込めば、気を遣う余力がなかったせいで足に引っかかったトランクケースが派手な音を立てて倒れて転がる。
だが誰かが近寄って来るということもない。
本当に誰も居ないのか、もしくは明らかに怪しい日本人に怯えて近付いて来ないのか、それを確かめる術もなかった。
喉を抑え、口元を抑え、頭の中にはこういう時の対処法が嫌になる程巡ると言うのに、実際今出来るのは発作の波に耐えるだけ。
一際大きく背中が波打ち、手に再び赤が撒き散らされ、ぼたぼたと床に落ちていく。
ぼやけた意識で、なんとなく思うことがあった。
――――線香花火みたいだな、これ。落ちたら死ぬのも、同じ。
身体を支えることさえも出来なくなり、地面に横たわる。
冷たい床が気持ち良くて、だけどそれとそこまで温度差がないことにも気付く。
――――これはもうダメだ。
やけに重い瞼に逆らうことが出来ずに、やがて視界は真っ暗に閉ざされた。
羂索:HP3(病気の進行により開幕時のHPが3になっている)→HP2(自動気絶) - 21二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:25:57
羂索ーーー!!
- 22125/03/09(日) 15:26:19
<CON×5>目覚めることが出来たかな?
羂索(15*5,75) dice1d100=53 (53)
- 23二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:26:58
起きたぁ!ギリ生きてる!
- 24二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:29:33
自動気絶まで追い詰められてるのか…しかし起きられてよかった
流石にお辛すぎるな…まだ死ぬんじゃない羂索 - 25二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:31:36
これでメンタル自体はそこまで追い詰められてなさそうなの流石すぎるよ…私だったら毎日泣きくらして叫んで周りの人にトラウマ植え付けながら死んでる気がする
- 26125/03/09(日) 15:35:57
うすぼんやりとしてはいるが、僅かに意識が浮上する。
だが限界が近いことは変わらずに、飛び起きるようなことは出来ない。
かと言って二度寝をしようと微睡むほどの心地良さもなかった。
どうにか瞼を持ち上げれば、どうやた仰向けに寝転がされているらしい。
視界の端に、奇妙な円錐状の建造物と、石造りの扉で閉じられた洞窟のような場所の入口が見える。
どこからどう見てもここはゴーツウッドの駅ではない。そして病院でさえもない。
訳の分からぬ場所で目覚めれば、視界を遮る者たちが続いて視界に入る。
誰かに囲まれていると、その人物たちに焦点を合わせようとして、間抜けに息が漏れた。
それらは、目の下に大きくクマを作っている不健康な人間と、頭に山羊の角を持った亜人達だった。
コスプレだのと切り捨てるのは、角の色艶も生え方も生々しい。
どちらにせよ、体調が悪くて死にかけて倒れてこんなものに囲まれているなど、悪夢のようだ。
しかし声は出ずに、ヒュウと空気が通り抜ける音だけがその場に響く。
<SANチェック>1/1d6
羂索(90) dice1d100=77 (77)
- 27二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:37:38
なんか変な亜人?がいるのか…
ちょっと違和感あるけど平然としてるのは流石羂索だな - 28二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:37:57
SAN値たっか!!
流石やで……そして亜人!!こいつらになんかされるんだろうな - 29二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:38:12
迫真のSAN90で笑った
流石です - 30125/03/09(日) 15:49:17
羂索:SAN90→89
動揺はするも、なにせこちとら重病人の死にかけだ。思わず嘲笑うように、吐息が零れる。
地獄か何かのようだと思いながらも、脳裏に浮かぶのは自分が今まで何度も見て来た人間の皮の下。
メスを入れて開けば、その中身は誰も取り繕えない。
初めて人の中身に触れた時の高揚は今までの学びの答え合わせのようであった。
だからそう、自分にも同じ中身が詰まっているのだと分かっている。
そうではなくともろくに抵抗も出来ない肉体だ。死んではいないようだが、これが保つとも思えない。
医学の進歩のための礎となることを拒否した報いかと、そう思いはしても後悔も反省も出来なかった。
これから何が起ころうとも、単調でつまらない悪足掻きのような時間を過ごすくらいなら、――――死んだ方がマシだ。
幸いにも猿轡のようなものはない。ならば即死とまではいかないがことがことならば舌でも噛み切ってやろうと、緩く舌を持ち上げようとしたその時だった・
異形たちの内の一人が、口におそらくは親指を捻じ込む。
無理矢理口を開くように固定すると、器に入った何かを口に流し込もうとする。
黄ばんだ乳白色の液体が自分の唇に触れようとするのを逃れようとしても、既に死にかけの肉体は思うように動いてはくれない。
口を閉じようとしても、親指を噛み千切ってやろうとしても、間に合わずにそれは口の中へと流れ込む。
仰向けで寝かされていることもあり、自然とそれは口から喉へ、そして胃へと進んでいく。
――――直後、身体が焼けるように熱くなった。
<POT対抗>POT16
羂索(15-16,45) dice1d100=67 (67)
- 31二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:53:27
ひぃん好き……死にかけなのに心が元気すぎるこいつ…
そしてこれは多分気絶かな…? - 32二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:54:00
毒!?
- 33125/03/09(日) 15:54:36
体中の筋肉が脈打ち、病気の症状がマシだったと思えるほどの激痛に見舞われる。
もしも声が出る状況ならば、絶叫としか言いようがない凄惨な声が響き渡っただろう。
だがそれさえも出来ない程に圧倒的で、そして耐え切れなかった。
ギリギリ生を繋ぐ虫の息。それはあまりにもトドメとして十分過ぎる。
ブツン、と限界が来て意識が暗転した。
≪HP減少≫
dice3d6=2 6 2 (10)
- 34二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:55:33
乳白色ってことはもしかして目的にしてた山羊の乳か
- 35二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:56:17
えっこの値即死なのでは?
- 36二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:57:24
おうふ即死…
死んだ状態スタート…?ゾンビにでもなるのか? - 37二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:57:33
アポトキシンみたいやな
- 38二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:57:57
初期HPが3でこのダイスの最低値3だからここで絶対死ぬのか
- 39二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:58:16
死ぬってそういうことですか??
- 40二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:58:32
体が縮んでいた?!てーてれってってー
- 41二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:59:39
なるほど死ぬってそういう…
確定でここで死ぬのか - 42125/03/09(日) 16:11:36
Side:不老不死
空を見上げていた不老不死の女は、光線が伸びているのを見る。
この地に残っている鏡が複数寄り集まった謎の建造物に月光が反射し、丘の一点を照らしているようだ。
彼女を縛るものは何一つなく、光線の先へと向かうことにも抵抗はなかった。
すると何万年も閉じたまま開くことが無かった、石造りの扉が開いていることに気付く。
「おや、珍しい。……と言うよりも初めて、かな?」
独り言としてそう呟くも、彼女自身自分が今何の言語を喋っているか、無意識だった。
思考するだけの知能と能力がある以上、頭の中には常に何かしらの言語が回っている。
英語だったかもしれないし、ドイツ語だったかもしれないし、もはや誰にも分からない言葉だったのかもしれない。
そうだとしても彼女以外がそれを意味ある言葉として聞かない以上は、意味もないこと。
そのまま扉の中に素足で進んでいけば、扉の内部は洞窟のようになっている。
そしてその中心に――――”居た”。
意識を失っているようで倒れている、自分以外の自分と似たような、凡そヒトのようなもの。
彼女はぱちくりと目を瞬かせてから、倒れている誰かへと近付いた。
生きていても、生きていなくとも、どちらにせよ久し振りにこのようなものを見るはずだと、そう思う。
しかし自分と全く同じような姿ではなく、当然顔も違えば、身体も違う。それ以上に気になったのは頭部に山羊のような角が生え、手は鋭利な爪が伸びていることだろうか。
人間ってこうだったっけ、違う気がするなぁ。でもいいか、と彼女はそれを流した。
≪羂索の能力値の変動≫
STR + dice2d4=2 3 (5)
SIZ + dice2d4=3 2 (5)
INT - dice1d4=4 (4)
APP - dice1d4=3 (3)
- 43二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:13:09
お、人じゃなくなってるけど一応生きてるね…よし!
- 44二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:15:25
羂索だし医者やってたくらいだし知性そこそこ高かっただろうに最大値でがっつり減ったな
- 45二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:15:36
- 46二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:16:04
なんか草
- 47二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:17:39
性別決まってないから大女かもしれない
- 48125/03/09(日) 16:27:55
それよりも確認しなければいけないのは、と。彼女は倒れ伏す自分よりも大きなその体の額に触れる。
そうすればじんわりと温かいことが分かり、よくよく見れば胸も上下している。
これは生きている。そう思えば久し振りの邂逅に少し浮かれてしまう。
「そうか、生きているんだね」
再び口から飛び出たのは独り言。やはり何の言語だったのか、彼女すらも意図していないものだ。
多少人間っぽくない見た目ではあるが、四捨五入すれば人間のようなものだろう。
何万年も滅びた地球で過ごして来た不老不死の女からすれば、本当にそこは大した差ではない。
それよりも、どちらかと言えば中身の方が気になる。
首を傾げ、これからどうしようかと考える。
コミュニケーションが取れるのならば、嬉しい。
だが目が覚めたら知能がないだとか、会話が出来なかったらそれは寂しい。
角の根元に触れてみれば、確かにそれは生えている。次に自分の同じ部分に触れてみれば、至って普通の人間と同じく角などない。
人を傷つけるためにあるかのような鋭い爪も、不老不死の女にはなく、もしも起き掛けに暴れられたら痛い思いをするだろう。
だがそれでさえもまあいいかと、不老不死の女は結論付けた。
≪不老不死の女の行動≫
1.普通に声かけて起こす
2.暫く観察してみる
3.起きるまで手とか顔とか触ってみる
4.なんとなく膝枕してみる
dice1d4=4 (4)
- 49二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:29:10
ど う し て ?(大歓喜)
- 50二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:30:00
何となくで膝枕!!!
いいそいいぞ!!!羂索ですらきょとんとしそうな行動だ! - 51125/03/09(日) 16:38:10
こういう時はどうするんだっけ?と考えていた不老不死の女は数万年も前のコミュニケーションや知識をどうにか引っ張り出そうとして、言ってしまえば失敗した。
寝てる人間を起こすのはなぁ、と。会話が出来るかもしれないという希望を自ら断ち切る勇気はなく、ただ見ているのもつまらない。
そう思った不老不死の女は中身が詰まっている頭を持ち上げ、自らの膝の上に置く。
そのじんわりとした温かさは彼女の代り映えのしない日々から乖離するもので、そのことに酷く喜びと安堵があった。
髪に触れて梳くように、櫛などはないから手櫛で。口から零れるのは何かしらのメロディ。
いつかあったかもしれないし、彼女が考えたものなのかもしれない。だがどちらにせよ、それは子守歌のような響きがあった。
歌詞のない唄を口遊む彼女はそのまま膝の上の、自分以外の人間を見下ろす。
そして暫くすれば、彼女が見つめていた人物は瞼を震わせる。それに気付いた彼女は歌うのをやめ、瞳が晒されるのを待った。
ゆっくりと持ち上がった瞳が自分を射抜いたのを見て、彼女は自然と口を動かしていた。
「――――おはよう」
<知識1/3>何を言われたか理解出来た?
羂索(105/3,35) dice1d100=40 (40)
- 52二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:40:24
あ、ギリダメだったww
理解する努力はしてそうな値だなw - 53二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:43:26
天元のガチ浮世離れした挙動がとってもとっても良い…歌うな
何万年も閉じたままの扉ってあるけどその間ずっと一人だったのかな - 54二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:44:45
なんか…知識が人外の値ですね?
でもそれでも理解できなかった!たぶん行動も理解できてない! - 55二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:47:28
EDU21POW18
コイツヤバ… - 56125/03/09(日) 16:49:26
Side:重病人
自分に何かが触れていると、瞼を持ち上げる前から分かっていた。
しかし意識を失う前に何があったかをぼんやりとする頭では思い出し切れていなかったこともあり、躊躇いなく瞼を持ち上げる。
そして視界に映ったものを見て、息を呑んだ。
「****」
唇が動き、何事かを吐き出した女の姿は安っぽい言い方にはなるが、どこか神々しい。
見知らぬ女の顔が近くにあって、しかも顔を覗き込まれているというのに反抗ではなく唖然が勝った。
そうして漸く意識を失う前に何があったかを思い出せば、地獄から天国とも言えるような状況の変化に理解が及ばない。
だがどちらにせよ、このままでは居られない。
――――なんで膝枕なんかされているんだろう。
疑問に思って相手の顔をまじまじと見ても、少しも不満そうに見えず、むしろ何を考えているか分かりにくい顔で女は首を傾げる。
首を傾げたいのはこっちだと、思わずそんな言葉が出かかった。
≪重病人の行動≫
1.無言で起き上がって距離を取ってから「誰?」と尋ねる
2.咄嗟に突き飛ばして距離を取って警戒
3.起き上がって相手の観察と状況把握
4.そのままの体勢で相手の頬を抓って夢か確認してみる
dice1d4=1 (1)
- 57二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:50:35
4だったらほっぺザックリいってたかな
平和でよかったよかった - 58二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:57:14
凄い警戒してる
野生の獣みたいになってる - 59125/03/09(日) 17:00:37
どちらにせよこのままで居るわけにはいかないと、無言で起き上がれば女は手をピクリと動かすが、そのまま距離を取る。
自分が離れたと言うのに、それ以上の抵抗はなかった。
「……誰?」
そう問えば、女はぱちくりと目を瞬かせてそのまま少し考え込むように口元に手をやった。
意識が落ちる寸前に見た人間や亜人のような何かとは全く雰囲気が違うが、それでも警戒しない理由にはならない。
「ダレ……」
発音がどうにもおかしいままで鸚鵡返しされれば、そう言えばここはイギリスのはずだったかと英語で改めて問おうとするも、女は「だれ、……誰?」と何かに気付いたようだった。
「もしかして私の名前を聞いてるのかな」
そして続いたのは流暢な日本語だった。
「違ってたかな?なら……」
再び思考の海に沈もうとしている相手に「あってるよ。それで、名前は?」と尋ねれば「そうか、よかった」と女は微笑む。
答えになっていない答えに、名前を教える気はないのかと思い、別の質問をぶつける。
「ここはどこで、何が目的?こんな、人を攫うようなことをし――――」
て、と。そう言う前に気付く。
やけに重い頭に、視界に映った自分の手。――――鋭く伸びた爪は、異形のもの。
咄嗟に頭に触れれば、そこには悪夢のような光景と同じような、山羊のような角が生えていた。
<SANチェック>1/1d3
羂索(89) dice1d100=97 (97)
- 60二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:02:08
ひゃっほい!!
めっちゃ動揺してらっしゃる! - 61二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:02:21
羂索滅茶苦茶驚いてて草
ノーカンでよかったね! - 62二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:04:02
突き飛ばすほどではなくまぁまぁ穏便に起き上がって会話したけど自分の異形状態にかなりビビったな
落ちる前に見た人間は天元じゃなかったんだ - 63二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:07:51
神々しい顔って言ってるけどAPPどれくらいなんだろ
- 64125/03/09(日) 17:13:01
≪SAN減少≫
羂索 dice1d3=1 (1)
「……は?」
自分の頭に生えた角に触れたまま、思考が止まる。
趣味の悪い被り物ではないかと掴んで取り除こうとしても、力を込めれば痛みと違和感が奔った。
「こ、れは」
と、そして更に気付く。
身長、もしくは体格がよくなっている。視界に映る自分の体つきが、記憶の中のものとは異なっている。
死ぬかもしれないと分かり、数日で落ちていた体重を取り戻すどころか一番肉付きがよかったころをも凌ぐ。
そもそも体重はともあれ、身長はそう簡単に減りはしない。今回の場合は伸びているのだが、それだって成長期の終わった体でここまで伸びることはないはずだ。
あくまで感覚でしかないが、凡そ20㎝程だろうか、視界が高くなっている。
それでもやはり、角や爪の方がショックは大きい。
なぜこんなことにと、不治の病を治すために信じても居ない奇跡に縋ろうとしたのが悪かったのだろうかと、そう考えてから違和感があった。
苦しくないのだ。全身に走る激痛も、今はない。――――不治の病とされたあれらの症状が綺麗さっぱり無くなっている。
何もかもが以上に満ちている。
だがその手掛かりは目の前の女が握っているに違いないと、煩く主張する心臓に見てみぬふりをして女を見据える。
対して女も、まっすぐと正面から見返した。
<心理学>
天元→羂索(30) dice1d100=6 (6)
羂索→天元(71) dice1d100=66 (66)
- 65二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:18:15
この不老不死天元本当に人の心あんまり分からないんだろうなあって心理学の値なのに羂索のことしっかり分かってるのなんか面白いな
羂索はギリギリなのも面白い - 66二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:23:31
天元すごいいい数値だ
羂索が飲まされたのは病が治るけど副作用で死ぬ(?)薬?
亜人も元は患者だったのかな - 67125/03/09(日) 17:30:36
「……あぁ、その、なんだろう……うん、その角も爪も似合っていると思うよ。だからそこまで気にすることじゃない」
「…………はぁ?」
どうやら女は目の前の人間が”角が生えた自分の姿に酷く動揺している”ということが分かったらしい。
だからこそのフォローなのだろうが、それにしたってフォローになっていない。
「それに私は君に危害を加える気はないし、……ほら、危害を加えるなら君が起きる前にチャンスはあったはずだ」
実際、その言葉は否定出来るものではない。
だがそもそもこうして姿を変えられていること自体が危害を加えられたと思っていいのではないだろうか。
とはいえ、その言葉に嘘がないことも聞いていて分かってしまう。子供のように邪気もない。
わざとではないのだ、きっと。ただただコミュニケーション能力が死滅しているだけで。
「私がこうなったことに君は関係ある?」
「こうなったこと?」
「角と爪、あと不治の病が治ったこと。私がここで目覚めたその理由」
若干苛立ち紛れにそう言っても、女は「ふむ……」と考え込むが、「さあ、私もさっきここに来たばかりだからね。知らないんだ」と応える。
改めて周囲を見回せば、ここは洞窟の中だ。
内部は湿度・温度共にかなり低いようで、何かを保存しておくには丁度いい場所だと感じる。
そして更に見渡す範囲を広げれば洋服を纏ったまま骸骨になっている死体が転がっていた。
<SANチェック>0/1
羂索(88) dice1d100=20 (20)
- 68二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:34:47
死体の保存場所…?みたいな感じだったのか?
なんか死体は亜人達だったりするのかな
天元は知らなさそうだけは分かったのかな - 69二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:37:41
そこは別に全然動揺しない羂索なんからしくて草
- 70二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:42:12
気持ちはわかったけどフォローは下手くそな天元好き
人とのコミュニケーションが久しぶりすぎるんだろうな - 71125/03/09(日) 18:42:03
死体があるな、と。そう思った。
それ以上でも以下でもなく、死体と認識した上でそれに近付き、しゃがみ込む。
完全に肉はなく、骨だけとなったそれはビデオカメラとテープレコーダーを持っていた。
少なくとも四肢の欠損などは見られずに、どこも切断されることなく死んだのであろう、多分。
「これは?」
「……?」
女は質問の意味を一切分かっていないようで、少し迷ってから「骨、だろう?」と答える。貴女が殺したのか、という質問には一切思わなかったらしい。
録画と録音とくれば、もしかするとこの人物……推定は男、はジャーナリストか何かだったのかもしれない。
そうなれば気になるのは機材の方、だが。
部品は錆びていないが、それにしても状態が宜しくない。白骨化死体が持っていることを考えても、どれだけの時間が経っているのだろうか。
そう言えば、と自分の衣服のポケットを確かめても荷物もなければスマホもない。このままじゃ人前に出られないが、どうにかして連絡だけでもしたかったというのに。
「この死体も私のことも、君は知らないってことで良いんでしょ?それならそれで良いけど、スマホは?」
「すまほ……あぁ、そんなものはもうないよ」
≪HO:不老不死の行動≫
1.話しかける
2.見守る
3.死体に触れる
dice1d3=3 (3)
≪HO:重病人の行動≫
1.会話を試みる
2.外に出る
3.カメラやレコーダーを調べる
dice1d00=
- 72125/03/09(日) 18:42:39
- 73125/03/09(日) 18:57:02
「君の正体の私の予想。一つ目は私を殺そうとしている頭のおかしい狂人。そ知らぬふりをしているけど、虎視眈々と狙っている」
唐突にそんなことを言われた女は驚いたように目を丸くしているが「殺さないよ」と淡々と答える。
「どちらにせよそう言うだろうね。で二つ目は、私の見ている幻覚。幻覚にしては質が低いけど」
「触って確かめてみるかい?」
「アイツらに得体の知れない薬でも飲まされてトリップ中なら自分がバケモノに見えてるのも納得出来るよ」
提案を無視されているというのに、女は気にせずに近付いて来る。そして死体の傍へも躊躇なくやって来て、その傍でしゃがみ込む。
「三つ目は、私がもう死んでて地獄に落ちたか」
淡々とした響きでそう言った後、溜息を吐く。
「こういう時は天国に来たと思うものじゃないのかい?」
「こんなものが生えてるのに、そう楽観視は出来ないよ」
頭が重い、と言うのは物理的な重さと――――どうにも思考が上手く回らない。
このように時間を無駄に過ごすことのリスクは分かっているはずだと言うのに、目の前の女が時間稼ぎのために自分と話しているだけかもしれないと思うも、ここから飛び出そうとは思えなかった。
浮世離れした風に振舞うこの人物は加害者にも、そして被害者にも思えない。
ならば何だろうかと、頭蓋骨を拾い上げて膝の上に抱えている相手を観察する。
もしかしなくても先程の私が膝枕されていたのもこれと同じノリだったのではないか、と。なんとなく嫌な気持ちになった。
「そんなもの、あってもなくても変わらないよ」
膝の上に誰とも知らぬ頭蓋骨を抱いた女は、静かに笑う。
「――――――この地球で生きている人間は君と私しか居ないんだから……多分ね」 - 74二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 19:08:10
天元が死体に触り羂索が話しかけるのなんか好きだな
- 75125/03/09(日) 19:18:16
耳を疑った。穏やかな笑みから繰り出されるにはあまりにも不似合いな言葉。冗談にしては規模が大き過ぎて、ピンと来ない。
「どうしても気になると言うのなら折れるか試してみても良いが、そこまでする理由はないと思うよ」
そして女はつるりとした頭蓋骨、その角も何もないそれを指でなぞる。
「君の様子を見ていればなんとなくは分かるよ。人の目を気にしているのなら、君の言う人の目はつまり私がどう考えるかということになる。それなら気にする必要はないと言いたかったんだが、伝わったかな」
分からない。否。分かりたくはない。穏やかな目をしている美しい女。それが悪魔に思える。
「……面白くない冗談だね」
じっとりと全身に汗が滲む。
証拠はない。この女の妄言でしかないはずだ。
「君がいつを生きていたのか私には分からないけれど、少なくとも数万年は前の話のはずだよ。気になるなら洞窟の外に出てみればいい。でも危ないことはしないで欲しい」
そこまで言うと女はどうやっても動かないビデオカメラを持ち上げて、ガシャンと落とす。
たったそれだけでビデオカメラはゴミ屑となった。その脆さは確かに経年劣化を感じさせる。
「折角会えたんだ。君を失うには惜しいよ」
≪HO:重病人の行動≫
1.会話を続ける
2.洞窟の外へ行く
3.詰め寄る
dice1d3=2 (2)
≪HO:重病人の感情の大きさ≫
dice1d100=58 (58)
- 76二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 19:23:25
目の前にいる相手より人が本当にいないかってことの方が気になったのかな
感情の大きさはそこそこ大きめ? - 77125/03/09(日) 19:43:55
「…………分かった」
ここで話していても埒が明かない。
つまらない嘘を吐くと、そう言ってやりたいがために立ち上がり、重い体を動かして洞窟の外へと向かおうとする。
夢であれ、くだらないドッキリだとしても、今なら許せるから、と。
だが心のどこかでは分かっていたのかもしれない。――――――目の前の人物の言葉に嘘はないと、その真実を。
洞窟の入口、もしくは出口は石造りの扉のようになっていた。
開いたそこを抜ければ――――もう言い訳が聞かない程の光景が広がっている。
眼下に広がるのは緑、だろうか。闇の中には文明の光はない。
自分が知っている場所ではないのかもしれないと思おうとする逃避を見覚えのある鏡が複数寄り集まった謎の建造物が否定する。
ここは間違いなく、ゴーツウッドだった。
ただし知っているはずの時間からは遠く離れた、人だけではなく数多の生き物が絶えた滅びた星と成り果てている。
「う、そだ」
衝撃の事実を突き付けられ、蹈鞴を踏む。
自分の見た目の変化くらい、確かにこれと比べてしまえば見逃せてしまうだろう。
何が起こって。どうしてこんなことに。
――――なぜ自分だけ……否。自分以外にも居る。たった一人。
「嘘じゃないよ」
頭蓋骨を抱えた女は洞窟から出て来て、月を見上げる。
「ほら、ご覧。今日ほど月が眩い日は数万年の日々の中で、一度もなかったんだ」
そして女は月明かりの中、混乱する新入りを前に美しく笑う。
「綺麗な月だろう?」 - 78二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 20:17:18
混乱してる羂索と人外感凄い天元様良…好き…
- 79125/03/09(日) 20:41:59
この女は頭がおかしいと、一種の気付きを得る他なかった。
正気ではあるのだろう。だがその精神性が人間として当たり前の範囲を逸脱している。
どちらかと言えば自分だって今までは外れた側に位置すると自覚はしていたが、それ以上だ。
「……数万年もの間、一人で生きて来たとでも?」
「そうだよ、だから君に会えて嬉しいと思うのは本当さ。でも君が生きているのを私は知らなかった。だからもしかすると君のような人が居たのかもしれないけど……どうだろうね。そんな僅かな可能性を探すためにもう一度隅々まで探すのは骨が折れる」
不老不死と、そんな言葉が脳裏に過ぎる。
「なんで私だけが生きてるんだ」
「さぁ、分からないよ。偶然君が寝ているのを見かけたから、それでね」
やはり嘘を吐いているようには見えない、と思う。だが情報源としてはあまりにも頼りない。
不老不死として生きる何かは人間なのだろうか。
しかしそれを言えば、自分の方こそ見るからに異形の何かである。
そうこうしていればおもむろに空腹を感じた。こんな状況であっても、人間的な生理的欲求はあるらしい。
≪HO:重病人の行動≫
1.とりあえず食料を探しに行く
2.洞窟に戻る
3.目の前のナニカと話を続ける
4.ナニカから逃げようとする
dice1d4=2 (2)
≪HO:重病人のこの状況への向き合い方≫1ネガティブ←→ポジティブ100
dice1d100=92 (92)
≪HO:不老不死をどう思うか≫1バケモノ←→人間100
dice1d100=72 (72)
- 80二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 20:43:11
くっっっそポジティブww
流石やww - 81二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 20:44:41
めっちゃポジティブで草
羂索らしいけど!
ちょっと戸惑ってたけどなんか不老不死とかいうオモロ人間にあって色々重病は大分治っててヨシ!って感じ? - 82125/03/09(日) 21:35:34
一つ息を吐いてからゆっくりと吸い、そしてもう一度吐く。
自分よりも小さく、低い位置にある頭を見下ろしてから悩むことが馬鹿らしくなってきたとばかりにいつもの調子を取り戻す。
「それ、不老不死ってこと?」
「多分、そうなんだろうね」
不老不死。何とも心惹かれる言葉ではあるが、本人がこれじゃどうしようもない。
「怪我は?」
「治るよ」
「食事の必要性は?」
「ないかな。そもそも食べるものがないような状況だしね」
「……動物も?」
「そういうのは殆ど居ない。口に運べそうだと思えるようなものはないんじゃないかな」
それならば一つ、疑問が増える。
「私は不老不死だと思う?」
そう尋ねれば、視線がふらと彷徨った。
「そうであったら良いなと思うよ」
「つまり分からないってことね。流石に気軽に試すわけにはいかないし」
不老はともかく不死性があるか確かめて、なかった場合はそのまま死ぬなんてことはお粗末すぎる。
現時点では分からないことばかりだが、こうなった理由を推測するのならば病かあの飲まされた液体か、そのどちらかだろう。
だが空腹を感じてる時点で彼女と同じような不老不死だと考えるのは少々楽観的過ぎる気がした。 - 83二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 21:39:00
羂索探究心がくすぐられてそうだな
- 84二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 21:46:34
羂索は食事必要なのかな
食べるものあるといいけど - 85125/03/09(日) 21:46:36
「一応聞くけど、朝は来る?」
「来るよ。君の知っている朝と同じかは分からないけれど」
「視界が確保出来るならそれで良いよ」
そう言うと踵を返し、洞窟内へと戻っていく。
周囲の探索をするにしろ、食事を探すにしろ、暗い中では積極的に動きたくはない。
そしてその後を彼女もついて来る。――――手には相変わらずに頭蓋骨を抱えているが。
「これからどうするの?」
「君とは違って私には食事が必要なようでね、明日になったら食料を探すよ」
そう口にしてから頭が亡くなった骸骨の元へと戻り、ボイスレコーダーを手に取る。
終わったことは仕方がない。その終わった、が地球と言う自分が生きる世界そのものと言っても過言ではない範囲であるとしても。
「この辺りに生き物は居ないよ」
「植物があるなら果物とかはあるんじゃないの」
「そういうのも見ないけど、探すなら付き合うよ」
そう言った相手の顔を見てから、元来の性質が滲むようになるくらいは余裕を取り戻した、もしくは開き直ったように笑う。
「一人で居たくないから私に付き纏う、じゃなくて?」
「……あはは、そう言われるとそうなってしまうだろうね。一人はもう飽きたから」
そりゃそうだ、と思いながらもそれに何か返すことなく手元のボイスレコーダーをどうにか出来ないかと、数万年前の代物らしいそれを手に取った。
修理出来るとは思っていないが、何もしないというのも落ち着かない。
<機械修理>
羂索(20) dice1d100=42 (42)
- 86二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 21:51:37
流石に医師系の羂索は機械修理は出来なかったか
姿変わっても食料は必要なんだな - 87125/03/09(日) 22:24:27
少しの間、ガチャガチャやっていたもののどうにもならずにぽいとそれを投げ捨てる。
出来ないものは出来ないし、予想を遥かに超える年月が経っているのならば使えなくて当然だろう。
死にかけの苦しみを味わい、得体の知れないものを飲まされ、そして色々な変化が起きた上に地球まで人が住めない地と化している。
となればこれ以上悩むよりも、楽しむとまではいかないかもしれないが、どうにかやっていくしかない。
「飲み水と食料の確保が急務だね。あとはまあ……なるようにしかならないし」
そう独り言を呟けば、背後から返事があった。
「もうこれは良いの?」
「いいよ。使えた方が驚きだし……それとも修理出来たりする?」
「無理じゃないかな」
「ならその辺置いといて」
いつの間にか頭蓋骨は元の場所に戻されていた。飽きたのかもしれないし、そうでないのかもしれない。
「そう言えば、この近くに泉があるよ。私は飲まないけど、簡単に手に入るのはそこくらいかな」
「なら明日案内して」
そう言えば、いとも簡単に「いいよ」と答えが返って来る。どうやら喋り相手が居るのが楽しくて仕方がないようだ。
いつの間にかボイスレコーダーを回収して、それをごそごそと弄っている。
「私はもう寝るけど、君は?」
「寝るよ。これを少し触ってからね」
そうして二人は洞窟の中、少し離れた場所で寝っ転がる。固い地面は寝心地が良いとは言えなかったが、それでも気付けば意識は落ちていた。
<機械修理>
天元(20) dice1d100=84 (84)
- 88125/03/09(日) 22:29:29
今日はここまで
名乗る名前がない天元に合わせて折角なら羂索も名前を出さないような描写にしてるけど性別が不明だから彼(彼女)も使えない縛りで読みにくかったらごめんよ
重めのシナリオは回すのと描写するのにHPとMPの消費量が大きいんだ - 89二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 22:32:27
スレ主お疲れさまです
天元機械ちんぷんかんぷんそうで笑った
お互いが名乗らない表現も面白いなあ…スレ主も重めのは体力気力消費激しいのにやってくれてありがとうございます