- 1125/03/09(日) 14:23:12
このスレは羂索と天元をPCとしてクトゥルフ神話TRPGを回していくものだよ
閲覧注意は発狂した時やグロテスクな描写があった時用だよ
原作軸ではなく一般人(?)設定。そのため関係性や雰囲気などが異なるよ
新規キャラシかつ、特殊設定があるよ。そのためシナリオ中はキャラシを非公開で進めていくよ
羂索の外見や性別はあえてはっきりと描写しないから好きに楽しんでね。スレ主も決めきれなかったからこうしたよ
今回はキメオールさま作成シナリオの『Good morning ALL』をお借りしてるよ
シナリオのネタバレを大いに含むので注意してね。既にシナリオを知っている人は先の展開のネタバレはやめてね
このスレやシナリオの感想やネタバレをSNSなどで言うのもやめてね
このシナリオは秘匿HOがあり、特殊設定を含むよ。シナリオ傾向はシリアスで、今回は安価なしだよ
そのため二人に"何が起きても"、"何があっても"、"どんな関係であっても"許せる人でなければキツいかもしれないよ
発狂率は高、ロスト率もそれなりに高い。――――ただし、HOによってかなりの差がある
文明が滅んだ地球を歩き回った。
無限の退屈は、自身が何者であるかも忘れさせたが、それでも毎日願う。
――――今日が最高の日になればいい。
HO:不老不死(自分の名前も忘れてしまった人) 暇。→天元
HO:重病人(これから滅茶苦茶になる人) 死ぬ。→羂索 - 2125/03/09(日) 14:23:32
- 3125/03/09(日) 14:23:54
- 4125/03/09(日) 14:24:11
- 5125/03/09(日) 14:28:32
人類が観測したそれは、星ではなく神だった。
電波ではなく、目覚めの歌だった。
グロースと呼ばれる惑星に似た厄災の神は、自身の歌を聴いた天体に吸い込まれるように近づいていく。
太陽系に大接近した時、かつて地球を支配していた神々が全て目覚める。
クトゥルフ神話TRPG キメオールさま作成シナリオ「Good morning ALL」 - 6二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 14:28:47
>HO:不老不死(自分の名前も忘れてしまった人) 暇。→天元
>HO:重病人(これから滅茶苦茶になる人) 死ぬ。→羂索
最初からトバしすぎている
- 7125/03/09(日) 14:38:19
Side:不老不死
文明が滅んだ地球を歩き回った。
無限の退屈は、自身が何者であるかも忘れさせたが、それでも、この星を歩くのを止めようとは思わなかった。
過度な栄養であまりにも大きく育った巨木の下にしゃがみ、夜空を見上げる。
とても多くの星がそこにはあった。
そのほとんどが、かつての輝度を失っているのにも関わらず、今もまだ、自身を見下すように輝いている。
いつになく月が明るく輝いているように見え、彼女は空を見上げて目を細める。
もしもそんな彼女を見た誰かが居れば、それは神々しくも見えただろう。
――――だが今、この地球には自らを見つけるような人間が居ないことを彼女は知っていた。
星々が輝度を失ってより数万年、今日ほど月が明るかったことは無い。
何度この空を見上げたのか、彼女自身にも分からなかった。
しかしずっと空を見上げているのではなく、再び歩き出した彼女はお気に入りの場所へと向かう。
生命の溢れる深い湖や、その周囲に生えている沢山の木々の元は、彼女にとって素敵な場所だ。
彼女が訪れると、湖がさざ波に揺れ、木々がざわめく。
この植物たちの成長は、彼女の数少ない楽しみだろう。
そして、文明の名残である建造物がいくつか地表に点在するこの場所は、遥か昔の歴史を想起させ、少しだけ彼女の心が沸き立たせるのだ。
ざわめく木々に寄りかかり、数万年ぶりに明るい月を見上げる。
「今日が最高の日になればいい」
これは、彼女にとって日課のような願いだが、今日は本当に何かが起こる予感がするのだった。 - 8二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 14:40:06
わぁい待ってました!
羂索天元のシリアスだ!
そして発狂率は高ロスト率もそれなりに高ただしHOによってかなりの差がありでさっそくHOに死ぬ。と書かれてる人いて草なんだ - 9125/03/09(日) 14:57:28
Side:重病人
誰しもに訪れるはずの安寧、眠りによって深く沈んでいたはずの意識が全身の激痛と吐血を誘う咳のせいで浮上する。
湿った咳音は聞き苦しいものであり、うるさそうに、もしくは心配そうに視線が集められるのを気にするなとばかりにハンドサインであしらい、深く息を吐く。
マスクの内側には微かに赤い飛沫が付いているも、外側からは見えないと信じて取り替えるのは後回しだ。
この程度で毎回変えていては、一日にマスクがどれだけ必要になることか。
「……こんな時くらい、ゆっくり眠らせてくれればいいのに」
病に蝕まれた身体は、移動中の仮眠すら長く許されない。重怠い肉体は再び眠る気さえ失わせるもの。
眠るのを諦め、窓の外を見れば見慣れぬ光景が広がっていた。
現在、イギリス南西部のグロスタシャー州の山奥にある、ゴーツウッドに向かう電車に揺られている最中。
日本を中心に蔓延し始めた、数日で死に至る不治の病に侵されたせいでこんな所にまでやってきている。
数ある大学病院の全ての意思に治療付加と診断され、他ならぬ医師である自分自身も自分ではどうしようもないと匙を投げることしか出来なかった。
こうなった当初はありとあらゆる論文を読み漁り、どうにかする手立てがないのかと調べていたのだが――――唐突にこのままでは駄目だと、自分の死を医学のために放り投げる気を失い、気まずそうに自身を見る同僚を置いて、こうして海外にまで足を運んでいる。
高度な延命治療を受けるには金銭的な問題と人脈的な問題があったのだが、そのどちらもどうにかしようと思えば出来た。
だがそうしなかったのは、自らの意思によるもの。そして現状、職も辞して死を待つだけの人となっている。
「死ぬ前に見る最後の光景がこれかもしれないとは、嫌になるね」
通り過ぎていく景色を眺めながらも、どうしてこんな所にまでやって来たのか、その気まぐれでしかない行為について考える。 - 10二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 14:59:06
やった新卓だ!!
注意書きにドキワクハラハラしてたらHOすごいな!楽しみに見守るよ… - 11二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:03:41
シリアスだ…羂索が既に死にかけている
とりあえず現代的な現実的な世界観で始まるんだな - 12二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:04:11
羂索の方と天元の方はなんか…時間軸が違う?羂索の方は普通っぽいから変な感じだな
- 13二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:06:52
やったあーーー!!!!!!お待ちしてました!!
そしてHOがピッタリ… - 14二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:09:27
日本を中心に蔓延し始めた数日で死に至る病かぁ…猫街世界線ではないけど普通に辛いわね
- 15二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:09:45
リクエストしたものです!
ありがとうございます! - 16125/03/09(日) 15:13:30
打開策の無い窮地に追いやられた者が最後に縋るのは、宗教か奇跡だ。
ただ面白みもなくベッドの上の住人となり、同僚や気に食わない人間の前で家畜のようにあれこれ試されるくらいならばと、慣れ親しんだ医学と離れ、縋るのではなく「これでどうになったら面白い」という、自分の命さえも軽々しく扱って噂とやらを試してみることにした。
ゴーツウッドに伝わる山羊の乳が、数々の奇跡をもたらすという話。人生最後の海外旅行を兼ねて、現地に向かう事にしたのだ。
空港では健康な人間のふりをする必要があったが、こうして人が減ってくればその必要もない。
――――まあ、日本人だとバレれば多少は面倒になるかもしれないが、どうにか出来るだけの自信もあった。
ブリチェスターから列車に乗って30分が経った頃、車窓から景色を見ていれば、密集した木々の隙間からチラホラと建造物を見つける。
その中で、ひと際高い丘の上に、円錐状の奇妙な建造物が見えた。
更によく注視してみれば、その建造物に設置されているのは多数の鏡であり、それらが多方面に向けて光を反射させることのできる装置であるようだと想像がつく。
だが、それが何の用途で存在しているかは想像もつかない。
「運良く治ってくれたりするのなら、観光も出来るかもしれないけど」
そうは言いつつ、そうなるとは微塵も思っていないかのような声音だった。
医学でどうにもならないものが宗教や奇跡などと言った不確定なものでどうにかなると信じてはいない。
だからこれは医学の道から背いたことへの、後付けの言い訳のようなものでもあった。
白い部屋、白いベッド、真っ白な自分。白衣を脱ぎ捨てて患者衣を着て、それを赤く染めることを許さなかったのは矜持か、もしくは退屈を嫌う心か。
そして5分後、列車はゴーツウッドの駅に停車する。
他には誰も降りないその駅は、プラットフォームがむき出しの滑りやすい板で作られ、待合室の窓は薄汚れて落書きが書かれている。
固い木製の椅子は塗装もされていない。
込み上げるものがあり、咄嗟に壁に手をついて何度も咳き込む。弱り切った身体は咳をするだけでじわじわと死を予感させた。
<POT対抗>POT(Potency……効力。今回は肉体の丈夫さである能動のCONと受動の発作の効力15で対抗)
羂索(15-15,50) dice1d100=80 (80)
- 17二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:15:39
失敗…ってことは発作が起きちゃうのか
病人だと思うと羂索でも労りたくなるな - 18二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:16:29
ぐっ、好き……描写がうまぁい……泣
- 19二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:21:30
謎建造物なんの用途だろう
医者の羂索も新鮮でいいな…ベッドの上でつまらない最期を迎えるよりはどっかフラッと行きそうである - 20125/03/09(日) 15:24:14
あ、マズいと。そう思った時には口から血痰が吐き戻されていた。
酸欠と全身の痛み、咳をすると言うただそれだけの行為のせいで立っていられなくなり、そのままずるずるとしゃがみ込む。
呼吸が覚束なくなり、マスクを剥ぎ取れば内側が真っ赤に染まっているのが見えた。
あぁ、これはもう使えないなと現実逃避のようにそう思う。
咳の合間に息を吸おうとするも、ヒューヒューと音が響く。この数日で慣れてしまった音とも、もう別れの時が近いのだろう。
視界が霞む。苦しい。痛い。
ずるずるとしゃがみ込めば、気を遣う余力がなかったせいで足に引っかかったトランクケースが派手な音を立てて倒れて転がる。
だが誰かが近寄って来るということもない。
本当に誰も居ないのか、もしくは明らかに怪しい日本人に怯えて近付いて来ないのか、それを確かめる術もなかった。
喉を抑え、口元を抑え、頭の中にはこういう時の対処法が嫌になる程巡ると言うのに、実際今出来るのは発作の波に耐えるだけ。
一際大きく背中が波打ち、手に再び赤が撒き散らされ、ぼたぼたと床に落ちていく。
ぼやけた意識で、なんとなく思うことがあった。
――――線香花火みたいだな、これ。落ちたら死ぬのも、同じ。
身体を支えることさえも出来なくなり、地面に横たわる。
冷たい床が気持ち良くて、だけどそれとそこまで温度差がないことにも気付く。
――――これはもうダメだ。
やけに重い瞼に逆らうことが出来ずに、やがて視界は真っ暗に閉ざされた。
羂索:HP3(病気の進行により開幕時のHPが3になっている)→HP2(自動気絶) - 21二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:25:57
羂索ーーー!!
- 22125/03/09(日) 15:26:19
<CON×5>目覚めることが出来たかな?
羂索(15*5,75) dice1d100=53 (53)
- 23二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:26:58
起きたぁ!ギリ生きてる!
- 24二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:29:33
自動気絶まで追い詰められてるのか…しかし起きられてよかった
流石にお辛すぎるな…まだ死ぬんじゃない羂索 - 25二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:31:36
これでメンタル自体はそこまで追い詰められてなさそうなの流石すぎるよ…私だったら毎日泣きくらして叫んで周りの人にトラウマ植え付けながら死んでる気がする
- 26125/03/09(日) 15:35:57
うすぼんやりとしてはいるが、僅かに意識が浮上する。
だが限界が近いことは変わらずに、飛び起きるようなことは出来ない。
かと言って二度寝をしようと微睡むほどの心地良さもなかった。
どうにか瞼を持ち上げれば、どうやた仰向けに寝転がされているらしい。
視界の端に、奇妙な円錐状の建造物と、石造りの扉で閉じられた洞窟のような場所の入口が見える。
どこからどう見てもここはゴーツウッドの駅ではない。そして病院でさえもない。
訳の分からぬ場所で目覚めれば、視界を遮る者たちが続いて視界に入る。
誰かに囲まれていると、その人物たちに焦点を合わせようとして、間抜けに息が漏れた。
それらは、目の下に大きくクマを作っている不健康な人間と、頭に山羊の角を持った亜人達だった。
コスプレだのと切り捨てるのは、角の色艶も生え方も生々しい。
どちらにせよ、体調が悪くて死にかけて倒れてこんなものに囲まれているなど、悪夢のようだ。
しかし声は出ずに、ヒュウと空気が通り抜ける音だけがその場に響く。
<SANチェック>1/1d6
羂索(90) dice1d100=77 (77)
- 27二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:37:38
なんか変な亜人?がいるのか…
ちょっと違和感あるけど平然としてるのは流石羂索だな - 28二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:37:57
SAN値たっか!!
流石やで……そして亜人!!こいつらになんかされるんだろうな - 29二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:38:12
迫真のSAN90で笑った
流石です - 30125/03/09(日) 15:49:17
羂索:SAN90→89
動揺はするも、なにせこちとら重病人の死にかけだ。思わず嘲笑うように、吐息が零れる。
地獄か何かのようだと思いながらも、脳裏に浮かぶのは自分が今まで何度も見て来た人間の皮の下。
メスを入れて開けば、その中身は誰も取り繕えない。
初めて人の中身に触れた時の高揚は今までの学びの答え合わせのようであった。
だからそう、自分にも同じ中身が詰まっているのだと分かっている。
そうではなくともろくに抵抗も出来ない肉体だ。死んではいないようだが、これが保つとも思えない。
医学の進歩のための礎となることを拒否した報いかと、そう思いはしても後悔も反省も出来なかった。
これから何が起ころうとも、単調でつまらない悪足掻きのような時間を過ごすくらいなら、――――死んだ方がマシだ。
幸いにも猿轡のようなものはない。ならば即死とまではいかないがことがことならば舌でも噛み切ってやろうと、緩く舌を持ち上げようとしたその時だった・
異形たちの内の一人が、口におそらくは親指を捻じ込む。
無理矢理口を開くように固定すると、器に入った何かを口に流し込もうとする。
黄ばんだ乳白色の液体が自分の唇に触れようとするのを逃れようとしても、既に死にかけの肉体は思うように動いてはくれない。
口を閉じようとしても、親指を噛み千切ってやろうとしても、間に合わずにそれは口の中へと流れ込む。
仰向けで寝かされていることもあり、自然とそれは口から喉へ、そして胃へと進んでいく。
――――直後、身体が焼けるように熱くなった。
<POT対抗>POT16
羂索(15-16,45) dice1d100=67 (67)
- 31二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:53:27
ひぃん好き……死にかけなのに心が元気すぎるこいつ…
そしてこれは多分気絶かな…? - 32二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:54:00
毒!?
- 33125/03/09(日) 15:54:36
体中の筋肉が脈打ち、病気の症状がマシだったと思えるほどの激痛に見舞われる。
もしも声が出る状況ならば、絶叫としか言いようがない凄惨な声が響き渡っただろう。
だがそれさえも出来ない程に圧倒的で、そして耐え切れなかった。
ギリギリ生を繋ぐ虫の息。それはあまりにもトドメとして十分過ぎる。
ブツン、と限界が来て意識が暗転した。
≪HP減少≫
dice3d6=2 6 2 (10)
- 34二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:55:33
乳白色ってことはもしかして目的にしてた山羊の乳か
- 35二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:56:17
えっこの値即死なのでは?
- 36二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:57:24
おうふ即死…
死んだ状態スタート…?ゾンビにでもなるのか? - 37二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:57:33
アポトキシンみたいやな
- 38二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:57:57
初期HPが3でこのダイスの最低値3だからここで絶対死ぬのか
- 39二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:58:16
死ぬってそういうことですか??
- 40二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:58:32
体が縮んでいた?!てーてれってってー
- 41二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:59:39
なるほど死ぬってそういう…
確定でここで死ぬのか - 42125/03/09(日) 16:11:36
Side:不老不死
空を見上げていた不老不死の女は、光線が伸びているのを見る。
この地に残っている鏡が複数寄り集まった謎の建造物に月光が反射し、丘の一点を照らしているようだ。
彼女を縛るものは何一つなく、光線の先へと向かうことにも抵抗はなかった。
すると何万年も閉じたまま開くことが無かった、石造りの扉が開いていることに気付く。
「おや、珍しい。……と言うよりも初めて、かな?」
独り言としてそう呟くも、彼女自身自分が今何の言語を喋っているか、無意識だった。
思考するだけの知能と能力がある以上、頭の中には常に何かしらの言語が回っている。
英語だったかもしれないし、ドイツ語だったかもしれないし、もはや誰にも分からない言葉だったのかもしれない。
そうだとしても彼女以外がそれを意味ある言葉として聞かない以上は、意味もないこと。
そのまま扉の中に素足で進んでいけば、扉の内部は洞窟のようになっている。
そしてその中心に――――”居た”。
意識を失っているようで倒れている、自分以外の自分と似たような、凡そヒトのようなもの。
彼女はぱちくりと目を瞬かせてから、倒れている誰かへと近付いた。
生きていても、生きていなくとも、どちらにせよ久し振りにこのようなものを見るはずだと、そう思う。
しかし自分と全く同じような姿ではなく、当然顔も違えば、身体も違う。それ以上に気になったのは頭部に山羊のような角が生え、手は鋭利な爪が伸びていることだろうか。
人間ってこうだったっけ、違う気がするなぁ。でもいいか、と彼女はそれを流した。
≪羂索の能力値の変動≫
STR + dice2d4=2 3 (5)
SIZ + dice2d4=3 2 (5)
INT - dice1d4=4 (4)
APP - dice1d4=3 (3)
- 43二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:13:09
お、人じゃなくなってるけど一応生きてるね…よし!
- 44二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:15:25
羂索だし医者やってたくらいだし知性そこそこ高かっただろうに最大値でがっつり減ったな
- 45二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:15:36
- 46二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:16:04
なんか草
- 47二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:17:39
性別決まってないから大女かもしれない
- 48125/03/09(日) 16:27:55
それよりも確認しなければいけないのは、と。彼女は倒れ伏す自分よりも大きなその体の額に触れる。
そうすればじんわりと温かいことが分かり、よくよく見れば胸も上下している。
これは生きている。そう思えば久し振りの邂逅に少し浮かれてしまう。
「そうか、生きているんだね」
再び口から飛び出たのは独り言。やはり何の言語だったのか、彼女すらも意図していないものだ。
多少人間っぽくない見た目ではあるが、四捨五入すれば人間のようなものだろう。
何万年も滅びた地球で過ごして来た不老不死の女からすれば、本当にそこは大した差ではない。
それよりも、どちらかと言えば中身の方が気になる。
首を傾げ、これからどうしようかと考える。
コミュニケーションが取れるのならば、嬉しい。
だが目が覚めたら知能がないだとか、会話が出来なかったらそれは寂しい。
角の根元に触れてみれば、確かにそれは生えている。次に自分の同じ部分に触れてみれば、至って普通の人間と同じく角などない。
人を傷つけるためにあるかのような鋭い爪も、不老不死の女にはなく、もしも起き掛けに暴れられたら痛い思いをするだろう。
だがそれでさえもまあいいかと、不老不死の女は結論付けた。
≪不老不死の女の行動≫
1.普通に声かけて起こす
2.暫く観察してみる
3.起きるまで手とか顔とか触ってみる
4.なんとなく膝枕してみる
dice1d4=4 (4)
- 49二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:29:10
ど う し て ?(大歓喜)
- 50二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:30:00
何となくで膝枕!!!
いいそいいぞ!!!羂索ですらきょとんとしそうな行動だ! - 51125/03/09(日) 16:38:10
こういう時はどうするんだっけ?と考えていた不老不死の女は数万年も前のコミュニケーションや知識をどうにか引っ張り出そうとして、言ってしまえば失敗した。
寝てる人間を起こすのはなぁ、と。会話が出来るかもしれないという希望を自ら断ち切る勇気はなく、ただ見ているのもつまらない。
そう思った不老不死の女は中身が詰まっている頭を持ち上げ、自らの膝の上に置く。
そのじんわりとした温かさは彼女の代り映えのしない日々から乖離するもので、そのことに酷く喜びと安堵があった。
髪に触れて梳くように、櫛などはないから手櫛で。口から零れるのは何かしらのメロディ。
いつかあったかもしれないし、彼女が考えたものなのかもしれない。だがどちらにせよ、それは子守歌のような響きがあった。
歌詞のない唄を口遊む彼女はそのまま膝の上の、自分以外の人間を見下ろす。
そして暫くすれば、彼女が見つめていた人物は瞼を震わせる。それに気付いた彼女は歌うのをやめ、瞳が晒されるのを待った。
ゆっくりと持ち上がった瞳が自分を射抜いたのを見て、彼女は自然と口を動かしていた。
「――――おはよう」
<知識1/3>何を言われたか理解出来た?
羂索(105/3,35) dice1d100=40 (40)
- 52二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:40:24
あ、ギリダメだったww
理解する努力はしてそうな値だなw - 53二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:43:26
天元のガチ浮世離れした挙動がとってもとっても良い…歌うな
何万年も閉じたままの扉ってあるけどその間ずっと一人だったのかな - 54二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:44:45
なんか…知識が人外の値ですね?
でもそれでも理解できなかった!たぶん行動も理解できてない! - 55二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:47:28
EDU21POW18
コイツヤバ… - 56125/03/09(日) 16:49:26
Side:重病人
自分に何かが触れていると、瞼を持ち上げる前から分かっていた。
しかし意識を失う前に何があったかをぼんやりとする頭では思い出し切れていなかったこともあり、躊躇いなく瞼を持ち上げる。
そして視界に映ったものを見て、息を呑んだ。
「****」
唇が動き、何事かを吐き出した女の姿は安っぽい言い方にはなるが、どこか神々しい。
見知らぬ女の顔が近くにあって、しかも顔を覗き込まれているというのに反抗ではなく唖然が勝った。
そうして漸く意識を失う前に何があったかを思い出せば、地獄から天国とも言えるような状況の変化に理解が及ばない。
だがどちらにせよ、このままでは居られない。
――――なんで膝枕なんかされているんだろう。
疑問に思って相手の顔をまじまじと見ても、少しも不満そうに見えず、むしろ何を考えているか分かりにくい顔で女は首を傾げる。
首を傾げたいのはこっちだと、思わずそんな言葉が出かかった。
≪重病人の行動≫
1.無言で起き上がって距離を取ってから「誰?」と尋ねる
2.咄嗟に突き飛ばして距離を取って警戒
3.起き上がって相手の観察と状況把握
4.そのままの体勢で相手の頬を抓って夢か確認してみる
dice1d4=1 (1)
- 57二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:50:35
4だったらほっぺザックリいってたかな
平和でよかったよかった - 58二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:57:14
凄い警戒してる
野生の獣みたいになってる - 59125/03/09(日) 17:00:37
どちらにせよこのままで居るわけにはいかないと、無言で起き上がれば女は手をピクリと動かすが、そのまま距離を取る。
自分が離れたと言うのに、それ以上の抵抗はなかった。
「……誰?」
そう問えば、女はぱちくりと目を瞬かせてそのまま少し考え込むように口元に手をやった。
意識が落ちる寸前に見た人間や亜人のような何かとは全く雰囲気が違うが、それでも警戒しない理由にはならない。
「ダレ……」
発音がどうにもおかしいままで鸚鵡返しされれば、そう言えばここはイギリスのはずだったかと英語で改めて問おうとするも、女は「だれ、……誰?」と何かに気付いたようだった。
「もしかして私の名前を聞いてるのかな」
そして続いたのは流暢な日本語だった。
「違ってたかな?なら……」
再び思考の海に沈もうとしている相手に「あってるよ。それで、名前は?」と尋ねれば「そうか、よかった」と女は微笑む。
答えになっていない答えに、名前を教える気はないのかと思い、別の質問をぶつける。
「ここはどこで、何が目的?こんな、人を攫うようなことをし――――」
て、と。そう言う前に気付く。
やけに重い頭に、視界に映った自分の手。――――鋭く伸びた爪は、異形のもの。
咄嗟に頭に触れれば、そこには悪夢のような光景と同じような、山羊のような角が生えていた。
<SANチェック>1/1d3
羂索(89) dice1d100=97 (97)
- 60二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:02:08
ひゃっほい!!
めっちゃ動揺してらっしゃる! - 61二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:02:21
羂索滅茶苦茶驚いてて草
ノーカンでよかったね! - 62二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:04:02
突き飛ばすほどではなくまぁまぁ穏便に起き上がって会話したけど自分の異形状態にかなりビビったな
落ちる前に見た人間は天元じゃなかったんだ - 63二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:07:51
神々しい顔って言ってるけどAPPどれくらいなんだろ
- 64125/03/09(日) 17:13:01
≪SAN減少≫
羂索 dice1d3=1 (1)
「……は?」
自分の頭に生えた角に触れたまま、思考が止まる。
趣味の悪い被り物ではないかと掴んで取り除こうとしても、力を込めれば痛みと違和感が奔った。
「こ、れは」
と、そして更に気付く。
身長、もしくは体格がよくなっている。視界に映る自分の体つきが、記憶の中のものとは異なっている。
死ぬかもしれないと分かり、数日で落ちていた体重を取り戻すどころか一番肉付きがよかったころをも凌ぐ。
そもそも体重はともあれ、身長はそう簡単に減りはしない。今回の場合は伸びているのだが、それだって成長期の終わった体でここまで伸びることはないはずだ。
あくまで感覚でしかないが、凡そ20㎝程だろうか、視界が高くなっている。
それでもやはり、角や爪の方がショックは大きい。
なぜこんなことにと、不治の病を治すために信じても居ない奇跡に縋ろうとしたのが悪かったのだろうかと、そう考えてから違和感があった。
苦しくないのだ。全身に走る激痛も、今はない。――――不治の病とされたあれらの症状が綺麗さっぱり無くなっている。
何もかもが以上に満ちている。
だがその手掛かりは目の前の女が握っているに違いないと、煩く主張する心臓に見てみぬふりをして女を見据える。
対して女も、まっすぐと正面から見返した。
<心理学>
天元→羂索(30) dice1d100=6 (6)
羂索→天元(71) dice1d100=66 (66)
- 65二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:18:15
この不老不死天元本当に人の心あんまり分からないんだろうなあって心理学の値なのに羂索のことしっかり分かってるのなんか面白いな
羂索はギリギリなのも面白い - 66二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:23:31
天元すごいいい数値だ
羂索が飲まされたのは病が治るけど副作用で死ぬ(?)薬?
亜人も元は患者だったのかな - 67125/03/09(日) 17:30:36
「……あぁ、その、なんだろう……うん、その角も爪も似合っていると思うよ。だからそこまで気にすることじゃない」
「…………はぁ?」
どうやら女は目の前の人間が”角が生えた自分の姿に酷く動揺している”ということが分かったらしい。
だからこそのフォローなのだろうが、それにしたってフォローになっていない。
「それに私は君に危害を加える気はないし、……ほら、危害を加えるなら君が起きる前にチャンスはあったはずだ」
実際、その言葉は否定出来るものではない。
だがそもそもこうして姿を変えられていること自体が危害を加えられたと思っていいのではないだろうか。
とはいえ、その言葉に嘘がないことも聞いていて分かってしまう。子供のように邪気もない。
わざとではないのだ、きっと。ただただコミュニケーション能力が死滅しているだけで。
「私がこうなったことに君は関係ある?」
「こうなったこと?」
「角と爪、あと不治の病が治ったこと。私がここで目覚めたその理由」
若干苛立ち紛れにそう言っても、女は「ふむ……」と考え込むが、「さあ、私もさっきここに来たばかりだからね。知らないんだ」と応える。
改めて周囲を見回せば、ここは洞窟の中だ。
内部は湿度・温度共にかなり低いようで、何かを保存しておくには丁度いい場所だと感じる。
そして更に見渡す範囲を広げれば洋服を纏ったまま骸骨になっている死体が転がっていた。
<SANチェック>0/1
羂索(88) dice1d100=20 (20)
- 68二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:34:47
死体の保存場所…?みたいな感じだったのか?
なんか死体は亜人達だったりするのかな
天元は知らなさそうだけは分かったのかな - 69二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:37:41
そこは別に全然動揺しない羂索なんからしくて草
- 70二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:42:12
気持ちはわかったけどフォローは下手くそな天元好き
人とのコミュニケーションが久しぶりすぎるんだろうな - 71125/03/09(日) 18:42:03
死体があるな、と。そう思った。
それ以上でも以下でもなく、死体と認識した上でそれに近付き、しゃがみ込む。
完全に肉はなく、骨だけとなったそれはビデオカメラとテープレコーダーを持っていた。
少なくとも四肢の欠損などは見られずに、どこも切断されることなく死んだのであろう、多分。
「これは?」
「……?」
女は質問の意味を一切分かっていないようで、少し迷ってから「骨、だろう?」と答える。貴女が殺したのか、という質問には一切思わなかったらしい。
録画と録音とくれば、もしかするとこの人物……推定は男、はジャーナリストか何かだったのかもしれない。
そうなれば気になるのは機材の方、だが。
部品は錆びていないが、それにしても状態が宜しくない。白骨化死体が持っていることを考えても、どれだけの時間が経っているのだろうか。
そう言えば、と自分の衣服のポケットを確かめても荷物もなければスマホもない。このままじゃ人前に出られないが、どうにかして連絡だけでもしたかったというのに。
「この死体も私のことも、君は知らないってことで良いんでしょ?それならそれで良いけど、スマホは?」
「すまほ……あぁ、そんなものはもうないよ」
≪HO:不老不死の行動≫
1.話しかける
2.見守る
3.死体に触れる
dice1d3=3 (3)
≪HO:重病人の行動≫
1.会話を試みる
2.外に出る
3.カメラやレコーダーを調べる
dice1d00=
- 72125/03/09(日) 18:42:39
- 73125/03/09(日) 18:57:02
「君の正体の私の予想。一つ目は私を殺そうとしている頭のおかしい狂人。そ知らぬふりをしているけど、虎視眈々と狙っている」
唐突にそんなことを言われた女は驚いたように目を丸くしているが「殺さないよ」と淡々と答える。
「どちらにせよそう言うだろうね。で二つ目は、私の見ている幻覚。幻覚にしては質が低いけど」
「触って確かめてみるかい?」
「アイツらに得体の知れない薬でも飲まされてトリップ中なら自分がバケモノに見えてるのも納得出来るよ」
提案を無視されているというのに、女は気にせずに近付いて来る。そして死体の傍へも躊躇なくやって来て、その傍でしゃがみ込む。
「三つ目は、私がもう死んでて地獄に落ちたか」
淡々とした響きでそう言った後、溜息を吐く。
「こういう時は天国に来たと思うものじゃないのかい?」
「こんなものが生えてるのに、そう楽観視は出来ないよ」
頭が重い、と言うのは物理的な重さと――――どうにも思考が上手く回らない。
このように時間を無駄に過ごすことのリスクは分かっているはずだと言うのに、目の前の女が時間稼ぎのために自分と話しているだけかもしれないと思うも、ここから飛び出そうとは思えなかった。
浮世離れした風に振舞うこの人物は加害者にも、そして被害者にも思えない。
ならば何だろうかと、頭蓋骨を拾い上げて膝の上に抱えている相手を観察する。
もしかしなくても先程の私が膝枕されていたのもこれと同じノリだったのではないか、と。なんとなく嫌な気持ちになった。
「そんなもの、あってもなくても変わらないよ」
膝の上に誰とも知らぬ頭蓋骨を抱いた女は、静かに笑う。
「――――――この地球で生きている人間は君と私しか居ないんだから……多分ね」 - 74二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 19:08:10
天元が死体に触り羂索が話しかけるのなんか好きだな
- 75125/03/09(日) 19:18:16
耳を疑った。穏やかな笑みから繰り出されるにはあまりにも不似合いな言葉。冗談にしては規模が大き過ぎて、ピンと来ない。
「どうしても気になると言うのなら折れるか試してみても良いが、そこまでする理由はないと思うよ」
そして女はつるりとした頭蓋骨、その角も何もないそれを指でなぞる。
「君の様子を見ていればなんとなくは分かるよ。人の目を気にしているのなら、君の言う人の目はつまり私がどう考えるかということになる。それなら気にする必要はないと言いたかったんだが、伝わったかな」
分からない。否。分かりたくはない。穏やかな目をしている美しい女。それが悪魔に思える。
「……面白くない冗談だね」
じっとりと全身に汗が滲む。
証拠はない。この女の妄言でしかないはずだ。
「君がいつを生きていたのか私には分からないけれど、少なくとも数万年は前の話のはずだよ。気になるなら洞窟の外に出てみればいい。でも危ないことはしないで欲しい」
そこまで言うと女はどうやっても動かないビデオカメラを持ち上げて、ガシャンと落とす。
たったそれだけでビデオカメラはゴミ屑となった。その脆さは確かに経年劣化を感じさせる。
「折角会えたんだ。君を失うには惜しいよ」
≪HO:重病人の行動≫
1.会話を続ける
2.洞窟の外へ行く
3.詰め寄る
dice1d3=2 (2)
≪HO:重病人の感情の大きさ≫
dice1d100=58 (58)
- 76二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 19:23:25
目の前にいる相手より人が本当にいないかってことの方が気になったのかな
感情の大きさはそこそこ大きめ? - 77125/03/09(日) 19:43:55
「…………分かった」
ここで話していても埒が明かない。
つまらない嘘を吐くと、そう言ってやりたいがために立ち上がり、重い体を動かして洞窟の外へと向かおうとする。
夢であれ、くだらないドッキリだとしても、今なら許せるから、と。
だが心のどこかでは分かっていたのかもしれない。――――――目の前の人物の言葉に嘘はないと、その真実を。
洞窟の入口、もしくは出口は石造りの扉のようになっていた。
開いたそこを抜ければ――――もう言い訳が聞かない程の光景が広がっている。
眼下に広がるのは緑、だろうか。闇の中には文明の光はない。
自分が知っている場所ではないのかもしれないと思おうとする逃避を見覚えのある鏡が複数寄り集まった謎の建造物が否定する。
ここは間違いなく、ゴーツウッドだった。
ただし知っているはずの時間からは遠く離れた、人だけではなく数多の生き物が絶えた滅びた星と成り果てている。
「う、そだ」
衝撃の事実を突き付けられ、蹈鞴を踏む。
自分の見た目の変化くらい、確かにこれと比べてしまえば見逃せてしまうだろう。
何が起こって。どうしてこんなことに。
――――なぜ自分だけ……否。自分以外にも居る。たった一人。
「嘘じゃないよ」
頭蓋骨を抱えた女は洞窟から出て来て、月を見上げる。
「ほら、ご覧。今日ほど月が眩い日は数万年の日々の中で、一度もなかったんだ」
そして女は月明かりの中、混乱する新入りを前に美しく笑う。
「綺麗な月だろう?」 - 78二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 20:17:18
混乱してる羂索と人外感凄い天元様良…好き…
- 79125/03/09(日) 20:41:59
この女は頭がおかしいと、一種の気付きを得る他なかった。
正気ではあるのだろう。だがその精神性が人間として当たり前の範囲を逸脱している。
どちらかと言えば自分だって今までは外れた側に位置すると自覚はしていたが、それ以上だ。
「……数万年もの間、一人で生きて来たとでも?」
「そうだよ、だから君に会えて嬉しいと思うのは本当さ。でも君が生きているのを私は知らなかった。だからもしかすると君のような人が居たのかもしれないけど……どうだろうね。そんな僅かな可能性を探すためにもう一度隅々まで探すのは骨が折れる」
不老不死と、そんな言葉が脳裏に過ぎる。
「なんで私だけが生きてるんだ」
「さぁ、分からないよ。偶然君が寝ているのを見かけたから、それでね」
やはり嘘を吐いているようには見えない、と思う。だが情報源としてはあまりにも頼りない。
不老不死として生きる何かは人間なのだろうか。
しかしそれを言えば、自分の方こそ見るからに異形の何かである。
そうこうしていればおもむろに空腹を感じた。こんな状況であっても、人間的な生理的欲求はあるらしい。
≪HO:重病人の行動≫
1.とりあえず食料を探しに行く
2.洞窟に戻る
3.目の前のナニカと話を続ける
4.ナニカから逃げようとする
dice1d4=2 (2)
≪HO:重病人のこの状況への向き合い方≫1ネガティブ←→ポジティブ100
dice1d100=92 (92)
≪HO:不老不死をどう思うか≫1バケモノ←→人間100
dice1d100=72 (72)
- 80二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 20:43:11
くっっっそポジティブww
流石やww - 81二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 20:44:41
めっちゃポジティブで草
羂索らしいけど!
ちょっと戸惑ってたけどなんか不老不死とかいうオモロ人間にあって色々重病は大分治っててヨシ!って感じ? - 82125/03/09(日) 21:35:34
一つ息を吐いてからゆっくりと吸い、そしてもう一度吐く。
自分よりも小さく、低い位置にある頭を見下ろしてから悩むことが馬鹿らしくなってきたとばかりにいつもの調子を取り戻す。
「それ、不老不死ってこと?」
「多分、そうなんだろうね」
不老不死。何とも心惹かれる言葉ではあるが、本人がこれじゃどうしようもない。
「怪我は?」
「治るよ」
「食事の必要性は?」
「ないかな。そもそも食べるものがないような状況だしね」
「……動物も?」
「そういうのは殆ど居ない。口に運べそうだと思えるようなものはないんじゃないかな」
それならば一つ、疑問が増える。
「私は不老不死だと思う?」
そう尋ねれば、視線がふらと彷徨った。
「そうであったら良いなと思うよ」
「つまり分からないってことね。流石に気軽に試すわけにはいかないし」
不老はともかく不死性があるか確かめて、なかった場合はそのまま死ぬなんてことはお粗末すぎる。
現時点では分からないことばかりだが、こうなった理由を推測するのならば病かあの飲まされた液体か、そのどちらかだろう。
だが空腹を感じてる時点で彼女と同じような不老不死だと考えるのは少々楽観的過ぎる気がした。 - 83二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 21:39:00
羂索探究心がくすぐられてそうだな
- 84二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 21:46:34
羂索は食事必要なのかな
食べるものあるといいけど - 85125/03/09(日) 21:46:36
「一応聞くけど、朝は来る?」
「来るよ。君の知っている朝と同じかは分からないけれど」
「視界が確保出来るならそれで良いよ」
そう言うと踵を返し、洞窟内へと戻っていく。
周囲の探索をするにしろ、食事を探すにしろ、暗い中では積極的に動きたくはない。
そしてその後を彼女もついて来る。――――手には相変わらずに頭蓋骨を抱えているが。
「これからどうするの?」
「君とは違って私には食事が必要なようでね、明日になったら食料を探すよ」
そう口にしてから頭が亡くなった骸骨の元へと戻り、ボイスレコーダーを手に取る。
終わったことは仕方がない。その終わった、が地球と言う自分が生きる世界そのものと言っても過言ではない範囲であるとしても。
「この辺りに生き物は居ないよ」
「植物があるなら果物とかはあるんじゃないの」
「そういうのも見ないけど、探すなら付き合うよ」
そう言った相手の顔を見てから、元来の性質が滲むようになるくらいは余裕を取り戻した、もしくは開き直ったように笑う。
「一人で居たくないから私に付き纏う、じゃなくて?」
「……あはは、そう言われるとそうなってしまうだろうね。一人はもう飽きたから」
そりゃそうだ、と思いながらもそれに何か返すことなく手元のボイスレコーダーをどうにか出来ないかと、数万年前の代物らしいそれを手に取った。
修理出来るとは思っていないが、何もしないというのも落ち着かない。
<機械修理>
羂索(20) dice1d100=42 (42)
- 86二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 21:51:37
流石に医師系の羂索は機械修理は出来なかったか
姿変わっても食料は必要なんだな - 87125/03/09(日) 22:24:27
少しの間、ガチャガチャやっていたもののどうにもならずにぽいとそれを投げ捨てる。
出来ないものは出来ないし、予想を遥かに超える年月が経っているのならば使えなくて当然だろう。
死にかけの苦しみを味わい、得体の知れないものを飲まされ、そして色々な変化が起きた上に地球まで人が住めない地と化している。
となればこれ以上悩むよりも、楽しむとまではいかないかもしれないが、どうにかやっていくしかない。
「飲み水と食料の確保が急務だね。あとはまあ……なるようにしかならないし」
そう独り言を呟けば、背後から返事があった。
「もうこれは良いの?」
「いいよ。使えた方が驚きだし……それとも修理出来たりする?」
「無理じゃないかな」
「ならその辺置いといて」
いつの間にか頭蓋骨は元の場所に戻されていた。飽きたのかもしれないし、そうでないのかもしれない。
「そう言えば、この近くに泉があるよ。私は飲まないけど、簡単に手に入るのはそこくらいかな」
「なら明日案内して」
そう言えば、いとも簡単に「いいよ」と答えが返って来る。どうやら喋り相手が居るのが楽しくて仕方がないようだ。
いつの間にかボイスレコーダーを回収して、それをごそごそと弄っている。
「私はもう寝るけど、君は?」
「寝るよ。これを少し触ってからね」
そうして二人は洞窟の中、少し離れた場所で寝っ転がる。固い地面は寝心地が良いとは言えなかったが、それでも気付けば意識は落ちていた。
<機械修理>
天元(20) dice1d100=84 (84)
- 88125/03/09(日) 22:29:29
今日はここまで
名乗る名前がない天元に合わせて折角なら羂索も名前を出さないような描写にしてるけど性別が不明だから彼(彼女)も使えない縛りで読みにくかったらごめんよ
重めのシナリオは回すのと描写するのにHPとMPの消費量が大きいんだ - 89二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 22:32:27
スレ主お疲れさまです
天元機械ちんぷんかんぷんそうで笑った
お互いが名乗らない表現も面白いなあ…スレ主も重めのは体力気力消費激しいのにやってくれてありがとうございます - 90二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 07:07:43
スレ主お疲れ様です
既にド好き……続きが楽しみすぎる - 91二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 10:13:18
天元が頭蓋骨膝に乗せてたり持ち運んだりしてるのもちゃんと元の場所に戻してるのも妙に微笑ましくてダメだった
ぬいぐるみでも撫でてるみたいな…人外挙動好き - 92二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 17:08:04
めちゃくちゃ好きな世界観…
- 93二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 23:03:27
少し速いけど保守
- 94二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 07:32:26
荒廃した世界に残ってる泉…どんな所なのだろうか
- 95二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 17:06:07
天元様の上位存在感が刺さる…すこ…
- 96二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 17:07:31
天元一応スマホも知ってるしその時代からの生き残りなんだなぁ
骸骨の人は亜人と一緒にいた不健康そうな人かな - 97二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 23:21:05
他に山羊の乳飲んでる人もいるだろうに生き残ってるのが羂索だけっぽいのは病気と山羊の乳の相乗効果によるものだったりするんだろうか
- 98二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 08:02:45
保守
- 99二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 16:41:31
ここからシナリオ終了時まででどれくらい仲良くなるかな…(っ ॑꒳ ॑c)
- 100125/03/12(水) 22:21:10
そうして夜が明ければ、朝が来る。
ある種それは当然のことと言えたが、その当たり前こそが死の危険が目前に迫っていたとはいえ眠る前には平凡……とは言い難いが、そういった日常を送って来た人間からすれば安堵するものだ。
一人で永い時を過ごしていた彼女からすれば、そんな当然はつまらないものでもあるのだが、それは互いにとってのないものねだりとも言えた。
久し振りに見た文明の利器に興味を向けていた彼女も少しの間弄り回していたものの、自分にはどうにもならない機械のガラクタだと分かれば興味を失ったのか、それは再び骸骨の手の中に戻っている。
開け放たれた洞窟の入口の扉から太陽の光が差し込めば、洞窟全体が月明りが差していた時ともまた違う雰囲気を持つ。
そうすればその明かりに誘われるように目を覚まし、一つ伸びをした影は周囲を見渡してそれが自分の記憶と変わらないことに気付いて溜息を吐いた。
「夢じゃないってことだね」
しかしこれが夢で、自分が不治の病に罹ったことすら夢ならばまだ良いが、そうではなく死ぬ前に見る走馬灯であるだけなのだとしたら、地球が滅びて数万年の時が経っていようとも今の方がマシだとも思っていた。
少なくとも今は分からないことが沢山ある。少しでも興味関心が向くものがあれば良いのだがと、そう考えていれば洞窟の中でもう一つの影が動いた。
「あぁ、起きたんだ。もう起きなくなったらどうしようかと思っていたよ」
いつの間にか起きていたらしい彼女は平然とそう言い、「泉に行くんだっけ?」と零す。
「縁起でもないことを言わないでほしいな」
「私からすれば君が居ることの方が思いがけない幸運のようなものだからね」
「幸運、ね」
「気に障ったならごめんね。とにかく、まずは私のお気に入りの場所の紹介でもさせて貰おうかな。と言っても、これから向かう泉のことなんだけど」
昨日感じていた空腹は少しずつ強まっている。何も食べずにいることはかなり無理があると、そう感じざるを得ない。
「そう、なら期待しておこうかな」
全く期待していないと分かる口振りでそういうも、その言葉を受けた方はまったく気にしていない素振りで穏やかに笑った。 - 101125/03/12(水) 22:31:50
洞窟から出れば、少し肌寒いような心地を感じながらも少し歩いたその先に彼女の言う泉はあった……のだが。
「これが”泉”?」
「あっているだろう?」
そう言いながら彼女はありとあらゆる言語で”泉”に該当する単語を上げていくのだが、それを泉と呼ぶには一般的な感覚を持つならば避けるだろう。
黄色混じりの乳白色の液体が満ちたそれは、人が一般的に”泉”と呼ばれて思い浮かぶものとは全く異なっていた。
遠目で見えた時点から多少嫌な予感はしていたのだが、更に近付けばその嫌な予感は覚えて然るべきのもの。
少なくとも飲み水に適しているようには見えない。
「あれ」
と、そう不老不死の女が口にしたその時だった。危機が一層騒めく。
「……は?」
唖然とするのも当然。近付けば泉を囲うモノがハッキリと見えるようになる。
……なんだかコイツら、鳴いてないだろうか。
「めぇーめぇー」と、そう鳴く木々はのたうつ巨木のような胴体に、その太さに釣り合う山羊の足を持った異形だ。
肢体から伸びているのは、よく見ると枝ではなく、薄黒いねじれたロープのような触手という方が的確に見える。
泉ではない泉を囲う木ではない木。
なんだこれは、と驚愕する。
<SANチェック> 1d3/1d10
羂索(88) dice1d100=76 (76)
- 102125/03/12(水) 22:48:08
≪SAN減少≫
羂索 88 - dice1d3=3 (3)
一層煩く喚くそれは明らかに彼女ではない方、つまり新たにこの場に現れた新参者(仮)に向けられている。
姿かたちは多少異形に近付いているが、それでもこういった化け物を相手取って勝てるかと言えば微妙な所。
全身の毛が総毛立つのを感じながら、逃げるべきかと構えたその時だった。
「こら、やめなさい」
まるで赤子を叱るかのように彼女がそう言えば、木々(仮)はたちまち大人しくなる。
「……これは一体?」
「普段はこんな感じじゃないんだ」
「それはもうどうでも良いけど、こんなのがうじゃうじゃ居るとは聞いてなかったから」
完全に嫌味ではあったが、やはり彼女は気にした様子がない。
「植物があるのはこの辺りだけだからね、あんまり自然が好きじゃないのかな」
「”植物”は嫌いじゃないよ、”植物”はね」
「ならよかったよ」
何もよくないが?と思いつつも流石にこの状況でどうこうする気は起きない。
もう一度溜息を吐きつつも、改めて視線を泉(仮)へと向けた。
≪どうする?≫
1.絶対に飲まない
2.飲みたくはないけど他に水がないなら飲む
3.どうせ一度飲んだし飲んでみる
dice1d3=1 (1)
- 103二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 23:03:00
お気に入りの場所がある天元様可愛いなと思ってたら泉って感じじゃなかったしなんかすごいの出てきたしちゃんと手懐けてる…
- 104二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 23:04:31
なんか泉の水?といい山羊みたいな見た目の木々といいなんか…こっちが亜人由来の何かか?
羂索最大値取られてるし原因に嫌悪気味なんだろうな
絶対に飲まないのはどんな影響あるかな… - 105二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 23:06:47
めぇーめぇー鳴く巨木達天元の言うことは大人しく聞くのちょっとだけかわいい
SAN値最大10いくとこ3で済んだのはよかったよ羂索 - 106125/03/12(水) 23:24:17
多少汚れているだけならば煮沸でもなんでもしてみようと思っていたし、生水の危険性は重々知っていた。
だがこれは水の範疇を超えているだろうと、ひくりと口角を戦慄かせる。
わけのわからない植物擬きに囲まれた気色の悪い液体に満ちたもの。
思わず踵を返せば、後ろに立っていた彼女と目が合う。きょとんと呆気に取られたような顔をしているのは、飲み水を探しに来たのを知っているからだろう。
「飲まなくて良いの?」
「”これ”を?」
「この辺りには川もないよ」
親切心でそう言っているだろうことは分かる。
嘘を吐く理由はないだろうし、嘘を吐いていないのだろうことも昨日からのやりとりで知っている。
とはいえ、なら仕方ないかでこれを飲む気にはなれない。
おそらくは自分をこうした原因のものである以上、軽率に口に運ぼうとは思えなかった。
空腹は感じているも、我慢できない程ではない。限界が来るまでにはどうにかしなければいけないとしても、今はこの泉の水を飲むという選択肢を完全に消した。
「この辺りってことは離れた場所には?」
「私の記憶では、ここ以外に水場は殆どないよ」
普通、人間はそう何日も水を飲まずに生きていられない。
断食という言葉があるように、食事は数日間食べなくても生きていけるが水がないというのは致命的である。
「分かった。なら君には頼らない」
覚悟を決め、そのまま歩みを進めれば後ろから足音がついて来る。
その時、巨木の一匹が触肢を差し出す。どうやら乗れ、足になってやるということらしいが……。
≪巨木タクシー≫
1.使う
2.使わない
dice1d2=2 (2)
- 107二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 23:30:21
巨木(仮)タクシーなってくれんのやっぱり天元には懐いてて可愛いじゃん…しかしNOということに躊躇はない羂索
水ないの死活問題だけど自分で探すの大丈夫かい - 108二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 23:34:55
羂索こいつ原因になった亜人のこと本当に嫌ってるな?
この辺りないって言うなら本当にないのかな - 109125/03/12(水) 23:39:28
しかしそれを敢えて無視して足を進める。
「ごめんね、今日は大丈夫だよ」
と、後ろからそんな声が聞こえるもそのまま足を進めれば急いたような足音が追いかけてくる。
「どこ行くの?」
「水場を探しにだよ」
「この近くにはないよ?」
「分からないだろ、そんなの」
些か強い口調になりながらもそう答えれば、彼女は少し黙った。
言ってやったと、そんなことを考えたその直後、「分かるよ」と応えが返って来る。
「この辺りだけじゃなくて、この地球の全ては見て来た。今目覚めたばかりの君よりは知ってるよ」
そんな彼女の言う、水場がないという言葉は致命的なようにも思えた。
だがそれでやっぱり諦めるとは言えないし、言うつもりもなかった。
「ならあの穴倉にでもずっと籠っていればいい」
半ば吐き捨てるようにしてそう言えば、「それはいやだな」と言葉と共に足音はついて来る。
そうして二人の地球を巡る旅は始まった。
食事をとらないことにより羂索のCONが1減少(15→14)
<CON×5>
羂索(70) dice1d100=50 (50)
- 110二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 23:46:15
天元の言う通りにやるのはなんか嫌で諦めの悪い羂索と飄々とついてくる天元の凸凹コンビかわいいね
- 111二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 23:49:30
天元様そんなに行動範囲広くなさそうと思ってたけどもう地球全体見て回った後だったの…本当に数万年生きてるんだな
- 112125/03/12(水) 23:56:11
当てもなく歩き回っていれば、夜が来る。
空には星が輝くも、色々とおかしい。
土星が異様に近く感じ、もしかすると惑星の位置が狂っているのかもしれないと感じる。
一日探し回っても、水場は見つけることが出来なかった。
穴を掘ってみたりだの、多少の悪足掻きはしたものの飲めるだけの水は集まらない。
これがまだ元の時間の無人島などであれば漂流物などで飲み水を蒸留して手に入れたりだのも出来るかもしれないが、そういった容器も一切見当たらない。
空腹はどんどんと存在感を増していき、昨日から数えれば約丸一日と少しの時間が経っているも、まだ完全に動けなくはなっていない。
「まだ探すの?」
洞窟に戻らず、明かりも焚かずに地面に座り込んでいる姿を見て心配そうに声を掛けてくるも、そう言った張本人には消耗している素振りはない。
「探すよ。飲み物がないなら死ぬだろうし」
「泉に戻ればいいのに」
「あれを飲むくらいなら喜んで死ぬよ」
「それは困るな」
「君が困ろうが知ったことではないね」
そんな会話をして、今日も眠りにつく。
重い瞼は疲れだけではなく、消耗のせいもあるのだろう。
せめて果物などがあればと思うものの、そう言ったものも一切ない。
変な植物が多く、爪で切り付けたら暴れかねないものを前にそういった選択肢は出来なかった。
「水……食べ物……?」
ぶつぶつと呟く声を聞きながら、気付けば眠りに落ちていた。
<POW×5>意地
羂索(90) dice1d100=38 (38)
- 113二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 23:57:21
意地っ張り!!!
この精神余程じゃないと諦めないぞ!
でもそこが羂索! - 114二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 00:05:47
乾きと空腹でも意地を通せるのはさすが精神が強いな…でもこのまま衰弱するのも面白くはないだろ羂索~?
- 115125/03/13(木) 00:10:41
よく朝起きれば、再び足を進ませた。
どうやら本人の言う、この地球で知らないことは殆どないという言葉もあながち嘘でないようでこちらに進めば何があるかを尋ねれば、それらが間違っていることはなかった。
そしてやはり、水場も食料も見つからない。
黙っていても話しかけられ、それを無視することも出来たが気を紛らわせるには丁度良いと、ぽつぽつと会話を続けていく。
「なにか面白いものはないの」
「面白いもの?」
少し考え込むように言葉が途絶える。「面白いもの……」と口にしてから数分は経っただろうか、「あ」と小さな声が聞こえてくる。
「ここからずっとあっちに行ったところに、住人や建物が石になってる変な街があるよ。街ってよりも大陸、かな」
「大陸?」
「なんだっけ……えーと……、まあいいや」
「よくないだろ」
そう突っ込むも、「名前が分かっても意味はないよ」なんて言葉が返ってきた。
「石になってる、ねぇ」
「タコみたいな石像もあったりするんだよ」
「それでじゃあ見に行こうとは思わないよ」
「結構面白かったんだけどなぁ」
長年の暇潰しの一つ、だったのだろう。とはいえ、今は暇潰しをしているような状況ではないのだが。
そして足を動かし続け――――再び夜が来る。
食事をとらないことにより羂索のCONが1減少(14→13)
<CON×5>
羂索(65) dice1d100=68 (68)
- 116二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 00:15:23
住民とかごと石になってる…?怖いな…
羂索とうとう飯抜きが耐えられなくなったか - 117二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 00:16:51
タコの石像のある石化街RPGだったら絶対おもろそうじゃん…
大陸?なんて言いたかったんだろね - 118二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 00:18:08
大陸ってことは間に海か何かでもあるのか
今いる場所と地続きだったら大陸って言わなそうな気がするけど - 119125/03/13(木) 00:33:33
そろそろ眠るしかないと、仮眠がてらに座ろうとしたその時、ぐらりと視界が揺れてそのまましゃがみ込む。
一瞬の眩暈ではあるが、そろそろ体が限界に近いのかもしれない。
「どうしたの」
何故こうなっているか少しも分からないとでも言うかのように、しゃがみ込んでいる相手に対してあまり適当ではない様子で彼女は話しかけてくる。
辛うじて手を差し伸べているも、今望む行動はそれではない。
お腹が空いた。喉が渇いた。
こんなバケモノ染みた姿になっているというのに、そういった欲求だけはあるのかと、見た目だけならばただの人間のくせして飲まず食わずに歩き続けている相手を見て複雑な心地にならざるを得ない。
このまま死ぬのかもしれないと、そんな予感に襲われる。
<POW×4>意地
羂索(72) dice1d100=97 (97)
<アイデア1/2>
天元(35) dice1d100=63 (63)
- 120二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 00:36:11
よりにもよってここでかぁ……
- 121二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 00:37:35
意地っ張りが意地でファンブルした!
これは…大丈夫か?倒れちゃう?
天元も思いつけなかったな - 122125/03/13(木) 00:39:46
≪空腹我慢ファンブル、何が起きる?≫
1.動く気力がなくなる
2.無性に泉の水が飲みたくてたまらなくなる
3.いただきます
dice1d3=1 (1)
- 123二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 00:41:28
動けなくなっちゃった…天元が時間掛けてなんとかしてくれるかな?
いただきますは木を食って敵対するかもだったのかな?
泉の水はもう諦めて飲んだら?と思うが絶対飲まない!だもんな… - 124二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 00:41:40
3待てい!!何いただきますしようとした?!?!引かなくてよかったよほんとに!
- 125125/03/13(木) 00:51:11
プツンと、今まで張りつめていた何かが切れる。
座り込んでいた体勢からそのまま大の字に寝ころべば、見慣れない星空に見下ろされながら動くための気力がごっそりと消え失せていることを自覚した。
「……あぁ、もうどうでもいいや」
星が綺麗だ。そして月も。
あの時死ぬはずだったことを考えれば、一度死を受け入れてしまった以上はそこに執着はあまりない。
地面から見上げる名前すらも知らない女はただひたすらに人外めいた美しさの中に、それを乱すように子供のように首を傾げている。
「今日はここで寝るの?」
「今日も明日もここで良いよ」
「水を探すんじゃなかったの?」
「もういいよ、ないんでしょ?」
「水を飲まないと死ぬんじゃなかったの」
「そうかもしれないね」
本当にまだ動けなくなる限界は先だ。
だがそれよりも先に、精神的な限界が来た。これで飲み水が手に入ったとして、次は食料。そして生活していくための何か、と。
追われるように必要なものを掻き集めて掻き集めて、それでも自分が満足できるような生活は出来ないのだろうということも想像がつく。
地球上にたったの二人しか存在しない中、どう生きて行こうか。
≪不老不死はどうする?≫
1.泉の水を取って来る
2.めぇーめぇー泣く樹が迎えに来る
3.離れたくないから一緒にいる
dice1d3=3 (3)
- 126二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 00:53:46
羂索が折れちゃった…最悪を引き続けている予感しかしない
ワンチャンあれじゃない不老不死の肉を食べたら〜方式にならん? - 127二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 00:54:53
人外めいてるけど人らしく離れたくないな…って寄り添う幼さ可愛いな…
折れちゃったな羂索
天元ー!気付いて助けてやってくれー!! - 128125/03/13(木) 01:00:13
半ばいじけているといってもいいかもしれない相手の隣にごろりと寝転んで、同じように空を見上げた。
彼女にとっては面白みのない、数えるのも億劫になる程の回数見上げてきた空だ。
「本当に死ぬの?」
生きとし生けるものは全て死が待ち受けているはずだというのに、それを不服に思うが如くそう尋ねる。
「死ぬんじゃない?」
対してそれを受ける側も、あっけらかんとそう返した。
ぐぅぐぅと存在を主張する己の胃袋を無視して、乾いた唇を同じく渇いた舌で潤そうとしても、それは無駄に終わる。
「いやだよ、君と話せなくなるのは」
「私も嫌だよ。これ以上自分が得体の知れない何かになるのは」
自分が賢しいことを自覚している人物は、自分がそうではなくなったことも自覚していた。
頭が上手く回らないとでも言うべきか、思考回路がどうにも上手く繋がらない。
「角が生えてるくらい、私は気にしないのに」
「別に、私は見た目のことを言ってるんじゃないよ」
ただ外見が変化するだけならば耐え切れたかもしれない。だが自分が十分らしくある、その根本である自分の思考までも歪められるのは、どうにも我慢が出来ない。
「こんな毎日、私には退屈過ぎて耐え切れないよ」
<アイデア1/2>
天元(35) dice1d100=87 (87)
- 129二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:02:50
あれもしかしてエンド?え、そんなまさか……ない、よね?天元様頑張って頼む!!
でもそうか…羂索は気づいちゃったのか… - 130二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:03:54
天元離れたくないなあ…が強すぎて頭が上手く回ってなさげ
羂索の満足する感じにならないから嫌だな…死ぬか…ってなるの面白すぎるな
余程じゃないと諦めなさそうとか言ってたら余程が重たすぎるな - 131二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:06:43
羂索諦め悪いけど同じくらい潔すぎる…もうちょいこう…!!
- 132125/03/13(木) 01:10:47
「そう、か」
静かにそう言って、触れないように隣に寝転んでいたのに、すぐ隣にまでやって来て、「そう言える君が少し羨ましくあるよ」と口にして瞼を下ろす。
眠ってはいないのだろう。だが空を見たい気分でもないらしい。
そして気付けば二人揃って眠りにつき、また朝が来る。
周囲が明るくなっても、やはり変わらずに動く気になれず、それに合わせるように彼女も同じく近くに座っていた。
聴こえるのは木々の騒めき。めぇーめぇーと泣く木はどこかに居る気がするが、動物らしい動物も居ない。
「君は死ぬまでどれくらいかかるの?」
「さぁね、そもそも死んでておかしくない状況だろうし。――――苦しいだけで死なない可能性もあるかもしれないし」
「そうなったらどうするんだい?」
「その時考えるよ」
こんな時だからこそ、諦めているが諦めていない、不思議な思考回路。
だが自分を満足させるだけの面白さが得られないのならば、終わった方がマシと終わりを選べるのは”らしい”とも言えるのかもしれない。
「いやだなぁ」
「私もいやだよ」
したばかりの会話を繰り返す。結局、死んでほしくはないと願っても、死を許容してしまった人間に言葉は届かないのかもしれない。
「折角目覚めたのに、すぐに眠るなんてもったいないのに」
「目覚めたなら眠るものだよ。――――人間ならね」
食事をとらないことにより羂索のCONが1減少(13→12)
<CON×5>
羂索(60) dice1d100=64 (64)
- 133125/03/13(木) 01:12:22
<POW×5>
羂索(90) dice1d100=52 (52)
<幸運1/2>
羂索(45) dice1d100=71 (71)
<アイデア1/2>
天元(35) dice1d100=66 (66)
- 134二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:12:26
ゆっくり死んでくエンドですか……??
死ぬならまだいいけど実は不老不死になっててどれだけ空腹でも喉が渇いてても死ぬ事ができないとかだと苦しすぎて泣きますが…?? - 135二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:12:53
天元様頑張ってくれよ!!!!
- 136二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:13:23
羂索お腹空いてるの耐えられなくなってきたな
でも精神がやる気出してきた!
しかし幸運もアイデアも全然成功しない…羂索の精神次第ということか… - 137二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:15:06
面白くないなら終わった方がマシと羂索が感じるのは分かるし天元がそれを無理やりどうこうするタイプではないのも分かるから天元を責めることは出来ねぇな…
羂索のメンタル次第だぜほんま - 138125/03/13(木) 01:18:29
徐々に強まっていく空腹は身を蝕んでいくかのようだった。
それでも自分の決断を守り抜くかのように、多くの時間を眠って過ごす。
目覚めた時には変わらずにすぐそこに自分のものではない温度がある。
「飽きないの?」
眠ってばかりの相手を見ているだけなんて、自分には耐え切れないとそう口にする。
「飽きないよ」
そう尋ねてから、ふと気付く。
目の前に居るのはどれくらいの永い時間を生きて来たのかは分からないが、それでもずっと一人で生きてきた人物なのだ。
「死のうと思ったことはないの?」
だからこそ、そんな質問が口から零れ出た。医者としては口にするべきではない質問だった。
だが今目の前に居る彼女は患者ではない。そして自分も医者ではなかった。
「……どうだったかな。忘れてしまったよ」
そう言って月明りに照らされながら女は笑う。
太陽の光よりも月の光が似合うなと、ふと思った。 - 139二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:20:14
天元様……
羂索〜頼むよ〜頑張ってくれよ〜! - 140二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:20:32
羂索がちょっと側の温度に心傾け始めてる
なんか…いいね… - 141125/03/13(木) 01:20:34
今日はここまで
CONが0になったら死ぬけどまだ12あるし大丈夫大丈夫 - 142二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:21:18
- 143二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:22:57
スレ主お疲れさまです
羂索が急に折れてちょっと笑いつつ二人の関係は好きな雰囲気だな…となってます
しかし羂索ー!まだ死ぬなー!何か色々成功してくれー!! - 144125/03/13(木) 01:23:21
折角だから振っておこうかな
≪羂索→天元への好意?≫
dice1d100=30 (30)
≪天元→羂索への好意?≫
dice1d100=3 (3)
- 145125/03/13(木) 01:24:07
心の中の羂索がキレた
- 146二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:25:39
意外にも変容をあんまり受け入れない羂索が事態を膠着させてるな…天元様に月の光が似合うのすっごく分かるよ
好感度声出して笑った
羂索はそんな感じだなって値だけど天元もしかして「温かい温度のある生き物」くらいの認識!? - 147二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:26:20
て…天元!?!?この値は他で出して欲しかったな!
羂索に…というより側にいてくれる物体がいなくなるの嫌だな(嫌だな)なんだな本当に…羂索は実際ちょっと心傾いて来てる感じなのに!あの反応でこの数値ならキレるよ!
でもこの2人それっぽくて笑うんだ - 148二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:27:44
あにまん天元様(のダイス)こういうとこあるんだよな……
- 149二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:29:05
わはははって笑っちゃったかなりそれっぽい
でも好意3でこんなに懐いて(?)死んでほしくないなって素振りを見せてくれるの一人で永く生き続けた人外の寂しさを感じて大好き - 150二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:30:11
どこの世界でもこの2人はこの温度差のすれ違いなのだろうか…スレ主の中に住み着いてる羂索もわーわー言ってるんだろうな
- 151二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:31:10
このレスは削除されています
- 152125/03/13(木) 01:34:37
「あのッさあ!!こういう時に相手を生かすためのプレイングってものを分かってないの?泣き落としなりなんなり頭回してしてみせなよ。そもそもやろうと思ったら取れる手段なんて山ほどあるだろうし。は?別に好意が少ないって文句言ってるんじゃなくて……貴様に言ってるんだぞ天元」
がスレ主の中の羂索の喚きで、天元は「多分、相手が骨になるまで見てるつもりなんじゃないかな?」って言ってる
脳内でTRPGしないと出られない部屋に入れられて最速でシナリオ終了(HO:重病人の死)で終わらそうとしている羂索が天元の動かすHO:不老不死にキレてるイメージが出来ちゃった - 153二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:34:37
スレ主の羂索一人勝ちしがちなイメージあるからなんか珍しくてウケるな…
- 154二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:36:03
- 155二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:38:19
出られない部屋で最速終了させようとしてる羂索草
天元はでもこの値なら骨になるまでは見てるねするから羂索はなおそれにキレるんだ本当に草
面白すぎる - 156二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 10:32:34
スレ主からまろび出てくる脳内羂索好きだから笑っちゃった
折角だから振る流れでおもしれー値出すスレ主のダイスほんと好き - 157二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 12:48:34
選択肢でたまに巨木くんが来ようとしてるの好きだな…ビジュはあれだけどお助けNPCみたいなもんな気がする
羂索はそう思ってないみたいだけど - 158二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 21:51:11
今日は鯖落ちが多いなあ
羂索がどうなるのか先が気になる - 159二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 21:53:02
羂索頑張って生きろ
天元頑張って生かしてもっと楽しいことしよう! - 160125/03/13(木) 22:17:59
弱っていく肉体が睡眠を必要としているのではなく、自分の意思で眠ることを選び、しかし眠り続けるのにも限界はある。
隣にある自分以外の温度を感じながらも、時折瞼を持ち上げれば自分にとっては当たり前ではない自然かそれ以外のものに覆い尽くされた世界が目に入る。
そうして時間が流れていく中、そう言えばと己の命が終わりに向かっていくのも感じながら、今更のように思いついた疑問を口にする。
「ねぇ」
そう声を掛ければ、ぼうっと宙を眺めていたらしい彼女が視線を向けてくる。
「なんで君だけこうしてここで一人で生きてるの」
不老不死、らしい女。
人間がそのような進化を辿ったならば、他にもお仲間が居るはずだ。
だがそうではなく、ここには彼女しかいない。となれば何故そうなったのかと、疑問があった。
「……どうしてだったかな」
誤魔化すのではなく、心底思い出せないかのように彼女はそう口にする。
「地球がこうなった理由も、今私がこうしてここで一人で生きている理由も、忘れてしまったよ」
数万年。地球が滅びてからずっと生きて来た人間。
……人間?
「自分のことを人間だと思っているのかい?」
そう尋ねると女は首を傾げた。
「私は人間だよ。ただ死に嫌われただけの、それだけの人間さ」 - 161二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 22:24:57
天元は不老不死でも自分は人間だと思ってるんだなあ
- 162125/03/13(木) 22:26:43
何をもってして人間だと呼ぶのだろうか。
少なくとも目の前に居る彼女の外見だけは人間だ。
どこか人間味を感じさせないような整った風貌だとも言えたが、角が生えていたり爪が鋭く伸びているといったことはない。
だがこうして彼女しか生き残っていない以上、それを判断する術もない。
どのような歴史があるか知らない以上、どういった進化をしてきたのかを知る術もないのだから。
死ぬことが出来ないことを幸福だと見るか、不幸だと見るか。
変わらない生が続くことを幸福だと見るか、不幸だと見るか。
「君も付き合ってくれたら嬉しいのだけれどね」
そう言いながら彼女は自分のものではない、ヤギのような角に触れた。
優しく撫でる指先はそのまま頭に辿り着き、髪を梳く。
子供相手にするような、もしくはぬいぐるみを愛でるような手つきだ。
「……そうするだけの価値を感じないから、ごめんだね」
しかしその手を振り払うことなく、再びその手の感触を感じながらも眠りの淵に沈んでいった。
食事をとらないことにより羂索のCONが1減少(12→11)
<CON×5>
羂索(55) dice1d100=8 (8)
- 163二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 22:30:12
おっ今回は耐えられた?
羂索もそろそろ天元の相手慣れ始めて来てるなあ…しかし天元は個人を見てるのではないってのが面白い
そろそろ生きてくれ! - 164125/03/13(木) 22:35:49
自分の名すらも忘れ果てた女は隣で眠る異形と化した人間、もしくは人間だったものを静かに見つめる。
呼吸をすると動く腹が、温かな体温が、自分以外の生きているものであると主張する。
このまま放っておけば、静かに死んでいくのだろう。自分には出来ない、その死に方。
もしかすると苦しいだけで死なないのかもしれないが、そうなったらどうするのだろうか。
「どうすればいいのかな」
寂しい、のだと思う。
久し振りにヒトと話せて楽しかった。会話による喜びはこういうものなのだと、思い出せた心地だった。
たまに見せる、空腹に耐えかねて歯を食いしばるさまを見れば、せめて何かを口にすれば良いとも思う。
だけれどそれを選ばずに、自分の意思で苦しみと終わりと望んでいる。
「私の今は、君にとって死を選ぶほどに耐え難きものなのかな」
同じ毎日にも慣れた。
変わったことが何一つない毎日を当たり前だと受容した。
それはいつからかも、最早分からない。
「…………なんで君は目覚めたんだろうね」
道連れが出来たと、そう少しも思わなかったといえばきっとそれは嘘になってしまうのだろうと、そう思いながら寝顔を眺めていた。
<アイデア1/2>
天元(35) dice1d100=5 (5)
- 165二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 22:37:19
やっと成功
しかもクリティカル - 166二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 22:38:03
おおおお!!!天元が急にクリティカルした!!
緩やかな死から脱却できそう!
羂索が最速RTAしないで済みそうで良かった - 167125/03/13(木) 22:50:50
ふと、気付く。
飲みたくないと、避けている泉の水。
得体の知れない何かになりたくないと、そう口にしていたということは逆に考えるのならば、あれを飲ませてしまえば得体の知れない何かになろうとも、共に生きて行くことが出来るのではないだろうかと。
もしくはあの水以外の何かを口にすることが出来れば。何か食べ物を、栄養になるものを――――。
……ふと、気付く。
見下ろすは自分の身体。怪我をしても治り、傷すらも残らずに跡形もなく消え失せる。
栄養価については分からない。だけれど食べ物にはなり得るだろう。なんにせよ、肉ではある。
痛みはあるが、我慢できない程ではないだろう。少なくとも孤独が続くよりも、少しの痛みに耐えればそれを避けられるならそっちの方が良い。
つまり、どうにかする方法はある。あってしまう。
泉の水を飲ませてみるか、肉か血でも食べさせてみるか、もしくは――――本人の意思を尊重するか。
じっと見下ろした顔は起きている時よりも幼げにも見える。
やはりこれを失うには惜しい。
数万年の孤独を終わらせる鍵となる存在、もし終わるにしろ骨になるまで眺めていることになるだろう。
朽ちゆくさまを何もせず眺めていても、自分は死なない。
それが幸福なことか不幸なことか、彼女さえも分かりはしないのだ。
≪どうする?≫
1.本人の意思を尊重する
2.泉の水を飲ませようとしてみる
3.それ以外のものを食べさせようとしてみる
dice1d3=2 (2)
- 168二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 22:55:20
①餓死
②亜人化
③カニバ
ろくな選択肢がねえよ… - 169二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 23:03:33
あ…あぶない!自分の肉を分け与えるとかどうなんだ?!な気がするけどいやそれこそ羂索的には変化しないなら人肉でも…になりそうだな!
まずは泉の水チャレンジでよかったよ - 170125/03/13(木) 23:08:33
しかしここを離れるのもな、と思っていればどうやら彼女に着いて来ていたらしいめぇーめぇー鳴く木が近付いて来る。
それを撫でてやれば、その巨木から樹液のようなものが染み出していることに気付いた。
泉の色と似た、だが今まで見てきた乳白色よりも若干緑色に近いもの。
おそらくは似たような成分なのだろうと勘付く。
そうなればわざわざここを離れる必要はない。
どれくらいの量を飲ませなければならないのかは分からないが、両手を器にすればそれなりの量を飲ませることも出来てしまうだろう。
彼女にとってはペット……というには意思疎通に難があるが、少なくとも指示することは出来る。
「どうしようね」
そう口にしながらも優しい手つきで頭を撫でる。
頭の中を占める行動とは裏腹に、どこまでも慈しみを感じさせるような柔らかな雰囲気で彼女は思考の海を揺蕩っていた。
「どうしようか」
しかし、どちらにせよそう考えている時間さえ彼女にとっては楽しかった。
怒るのか、悲しむのか、憎しみを抱くのか。
その感情の発露でさえも、何もない孤独よりは良い。
「……ふふ、君はどんな顔をするのかな」
美しく笑った女は何も知らずに眠る名も知らぬ友を見て、未来を夢想した。
≪どうする?≫
1.説得を試みる
2.寝ている間に口に流し込む
3.起きている間に力尽くで
dice1d3=3 (3)
- 171二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 23:10:50
巨木くんちゃんさん結構色々助けてくれるなあ…優しいね
いいことなのかは知らないけど
そしてこんな穏やかそうな美人がどうしようかな?といざ飲ませようとする時力任せなの面白すぎる
多分起きてる時なのも優しさなんだろうなあ - 172二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 23:14:54
STR上がってる羂索に果たして力尽くが通るか
- 173125/03/13(木) 23:28:00
目を覚ませば、思った以上に近くにあった顔に息を呑む。
覗き込まれているのはこれが初めてではないが、やはりその距離感には驚きが勝る。
しかも男女どちらから見ても魅力的に見えるだろう、整った顔であれば尚のこと。
「おはよう」
どこか嬉しそうに微笑んだ女を見て、「おはよう」と返す。
きっとそう言った会話でさえも久し振りで嬉しいのだろうと、少しの慣れを感じていた。
だが彼女が嬉しそうだった理由はそこではないと、気付くことになる。
「やっぱり思ったんだけれど、君には生きていて欲しいんだ」
その言葉だけは優し気なものだというのに、どうしようもなくボタンを掛け違えてしまったかのような、そんな感覚に襲われた。
自分よりも小さな体が寝転がっていた自分の身体の上に乗り、そして抵抗を封じるかのように手を抑えようとする。
「……何のつもり?」
「死んでいて欲しくないから、このまま死のうとする君を見過ごせなくてね」
それは優しさか、もしくは孤独に戻りたくないだけの足掻きとエゴなのか。
「退屈な日々も、一人よりは二人の方がずっといい日になると思うんだ」
<STR対抗>
天元(10-19,5) dice1d100=34 (34)
- 174二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 23:33:38
勝ち目なさ過ぎて草
羂索が化け物並みの力持ってるにしても勝てる気がしねえ…しかしクリティカルで勝って欲しくもあった - 175125/03/13(木) 23:40:42
だが彼女の力は強いものではない。
得体の知れない液体を飲み、異形と化した人間からすれば簡単にひっくり返せる程度のもの。
少しは頑張ったようだが、それでもあっという間に形勢は逆転する。
「すごいね。そんなに力持ちなんだ」
自分よりも強い相手に馬乗りになられているというのに、怯えの色は少しもない。
例えるならば大型犬にのしかかられた飼い主、と言ったところだろうか。
「何のつもり?」
声に苛立ちを乗せてそう尋ねるも、やはりそれを受ける女は悪びれない。
「死んで欲しくないだけだよ」
「私の意思を無視してでも?」
「そうなるのかな。でもきっと君が思っているよりも悪くないと思うんだ」
何を根拠にしてそう言うのか。もしそう尋ねれば、彼女自身がこれまで生きて来られたことこそが根拠になるのだろうか。
<POW×5>意地
羂索(90) dice1d100=72 (72)
≪どうする?≫
1.手を離して距離を取る
2.そのままの体勢で会話を続ける
3.少し痛い目を見せる
dice1d3=2 (2)
- 176二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 23:43:46
へぇ…そのままの体勢で喋り続けるんだ…
この意地は今の心境の抵抗感の方かなどっちかな
凄い食料探しの部分でここメインのクライマックスみたいな流れになっててドキドキしてしまうよ - 177125/03/13(木) 23:53:25
「想像がつくから嫌だって言ってるんだ」
冷え切った声音で、見下ろしながらそう口にする。
「君が生きて来た数万年だか知らないけど、何か一つでも私に悪くないと思わせるようなことが言える?何かをしてきたのではなく、ただ生きて来ただけの君に」
当然、その永い年月を見てきたわけではない。
だが今の彼女を見ていれば、地に足がついているような感じがしないのだ。
――――中身がないと、そう思った。上辺だけ取り繕った、空っぽの器。
そこに何かが満ちていれば、まだ何か魅力を感じたのかもしれない。
だが何も入っていない器に、面白みのない白に染まっているものに、どう興味を抱けと言うのだろうか。
白とは死に近づくと理解していても、避けたものだ。そうなればこの選択もあの時から地続きにある。
「君の緩やかな心中に巻き込まないでくれ」
これから先に死ぬだろう側が心中に巻き込むなと、そう言った。矛盾しているようではあったが、そうではないとも言えた。
少しの間黙っていた女は、それでも目を逸らさない。
ただただまっすぐと、自分を見下ろす相手の瞳に自分を映させる。
「私は心中する気なんてないよ」
「死んだように生き続けることは生きているとは言わない」
「今から死のうとしているのは君の方なのに?」
「私は選択しただけだよ」
≪どうする?≫
1.諦める
2.じゃあ他のものなら食べる?と提案してみる
3.力尽く続行
dice1d3=3 (3)
- 178二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 23:55:59
諦めはしないけど敵いもしない力尽くをやってしまう感情を天元もよく分かってないんだろうなあ
なんだろうなこの2人の相容れなさ…不思議だね… - 179125/03/14(金) 00:07:53
「選択、か」
ゆったりした口調でそう告げた女は瞬きを数度繰り返す。
澄んだ瞳は見下ろしている人間の顔を鏡のように映していた。
「――――それなら君に倣って、私も選択してみようかな」
ふ、と口元を緩める。何もかもがこの状況にそぐわないもの。
だというのに、彼女らしいとも感じるのはどうしてなのだろうか。
「いつかの未来、私が死ぬその時まで君には生きていて欲しい」
どうしようもなくエゴでしかないその言葉。だが確かにそれは彼女の本音でもある。
「私を置いて行かないで欲しい」
それは泣き落としなどの陳腐な言葉ではない。
ただの願いで、ただの祈りで、そして懇願と呼ぶには些か明るいもの。
「それが出来ないなら、いっそ私を殺してみればいい」
美しく笑ったその女は、やはり悪魔のようでもあった。
≪どうなる?≫
1.成功値5のSTR対抗再び
2.STR対抗だが、APPロールや説得の成功で+補正あり
3.乱入者出現
dice1d3=2 (2)
- 180二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 00:10:39
お互いに選択し合うのいいなあ
そして不死者の自分を殺してみなよってなるの好きだな…絶対に諦めないって宣言だ
そしてAPPロールと説得ありか…天元いけるのか?乱入者はどんなのだったんだろうな - 181125/03/14(金) 00:19:03
使えるものは使ってやろうと、一種の開き直りでもって目の前の同胞を落としにかかる。
死を願うもの、生を願うもの。どちらもただの我儘でしかない。
だがそれを通すのならば、選択したのならば意地を張るしかないのだ。
「こんな世界になっても生きている君を殺してみせろだって?」
「死ななきゃ諦められないよ。……あぁ、違うかもしれないね。死んでも諦められないかもしれない」
実際、殺せるかどうかは分からないものの、傷付けることならば簡単に出来るはずだ。
尖った爪は皮膚を容易く裂くだろうし、力が増している体は腕を握るだけで骨を折れるだろう。
暴力を躊躇わなければ、彼女が”折れる”まで様々な方法を試すことが出来てしまう。
ナイフなどなくとも、簡単なことだ。
「君となら、最高の日を迎えられる気がするんだ」
<APP-POW対抗>成功でSTR対抗に+10の補正(クリティカルで+20,ファンブルで-10)
天元(18-18,50) dice1d100=4 (4)
<説得>成功でSTR対抗に+10の補正(クリティカルで+20,ファンブルで-10)
天元(60) dice1d100=28 (28)
- 182二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 00:20:53
片方クリティカルだけどこれでも+30でやっと35だからなかなか厳しそうだ
- 183二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 00:21:07
草
天元の見た目羂索にクリティカルヒットしてる!!説得も成功してるしすごいな - 184125/03/14(金) 00:23:56
そういやAPP対抗でバレたから開示するけど、HO:不老不死のAPP18はシナリオ指定なんだよ
- 185二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 00:25:11
シナリオ指定なんだ
なんかこう…なんか意味あるのかな
しかし羂索かこれに乗ってくれるかは中々厳しそうかな?引っ掛かれ - 186125/03/14(金) 00:28:53
これ以上ない程の美しい笑みで、まるで自分を口説いているかのような言葉に多少なりとも動揺する。
――――否、多少ではない。だいぶ、動揺した。
そうなれば自然と手が緩んでしまう。
そもそも力を入れ過ぎれば骨を折ってしまうだろうと、そう自覚していたせいもあったのかもしれない。
それを理解した上での笑みだったのか、偶然の産物だったのかは分からない。
見つめられれば思わず何もかもにも頷きたくなるような、そんな気分にさせられた。
だがそうなればやはり、変わるものもある……のかもしれない。
<STR対抗>+30の補正
天元(10-19,5+20+10,35) dice1d100=52 (52)
- 187二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 00:30:55
やっぱり厳しいかぁ…でも天元の見た目にグラっと来て動揺する羂索面白くて好き
お腹空いてても意思も意地も力も強い羂索は凄いな - 188125/03/14(金) 00:42:18
しかし相手の顔に若干グラつこうとも、それはそれこれはこれだったようだ。
一瞬緩んだ手は再び力を取り戻し、彼女を押さえつける。
暫くの間ジタバタしていたものの、圧倒的な力の差ではひっくり返すことは叶わない。
「いい加減にしなよ」
だがその言葉には先程よりも冷たさが感じられない。顔に絆されたせいか、もしくは呆れが勝ったのか。
「諦めたら君が死ぬというのなら、諦めないよ」
「私に力で勝てると思ってるの?」
「いつかはきっと勝てるよ」
そもそも、一緒にいる以上は死にかけてしまえばその時点で力関係が逆転する可能性だってある。
弱った姿を見せればその時点で詰みだなんて、これがもし願うものが逆であったらとんでもない状態だ。
彼女の中身は空っぽだったはずなのに、良くも悪くもその中身が出来てしまった。
一人になりたくないからどうなってでも生きていて欲しいだなんて言う、ある種どうしようもない願い。
その願いを抱かせたのは自分だと、そう自覚せざるを得ない。
視界に映る瞳の輝きは命の美しさの象徴でもある。手が負えない程の状況になりかけている、とも言えるのだが。
≪どうする?≫
1.…………分かったよ、あぁもう、分かった
2.意地の張り合いなら負けない(手を離して好きにさせる)
3.諦めさせるためにちょっと脅す
4.このままじゃいけないと意識を落とした上で姿を隠す
dice1d4=4 (4)
- 189二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 00:43:49
羂索とうとう実力行使した!
死ぬから姿隠すの猫みたいだな - 190125/03/14(金) 00:54:29
これじゃあ駄目だと、共に居ればいつかは自分が負ける未来が脳裏に過ぎる。
その状況を許すとなれば、その未来を認めたということになってしまう。
ならばどうするのが正解かと、その答えは一つだ。
「そう、なら――――私も好きにさせて貰うよ」
押さえつけていた手首から手を離し、狙うは首の頸動脈。
その不意打ちとも言える手段に抗う術はない。
そもそも自分が危害を加えられるという状況に慣れていないせいで、こうなることを許容していても、こうなるとは思っていなかったのだろう。
「夢だったとでも思えばいい。退屈な日常に飽きて見た、自分にとって都合の良い夢だったってね」
そう言うくせに、爪は立てないように片手で首を絞める。
どちらにせよ、彼女の言う言葉が本当ならば傷をつけても痕は残らないのだろうが。
<CON×6>窒息ロール
天元(13*6,78) dice1d100=46 (46)
- 191二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 00:56:57
耐えてる…
爪は立てないようにするのが多少の情なんだろうな… - 192125/03/14(金) 01:03:32
意識が落ちるまでには至らなかったらしいが、首を掴む自分よりも大きな手に手を重ねる。
爪を立てるような可愛らしい抵抗すらなく、酸欠に喘ぎながらも瞳だけはまっすぐと自分を殺さんとする相手を見つめている。
こんな状況であれど、彼女は怒ってはいなかった。憎んでもいなかった。
むしろ殺せるものなら殺してみろと、数万年かけても死を得ることの出来なかった自分に死を与えられるのなら与えてみろと、挑戦的ではなく心底そう思うかのように。
唇が戦慄き、それが何を意味するのかは音になる前に消えるせいで分からない、はずだった。
でも心なしか、彼女が言おうとした言葉が「そのくらいじゃ、死なないよ」だなんて言葉に思える。
「勝手に私を巻き込むなって、言っただろう?」
だがある種残酷に、殺すつもりはないのだと告げてやる。
「殺さないよ。そこまでする理由もない」
最後まで逃げ果せられれば勝ちで、そうでなかったら自分の負け。
目の前の彼女の生死は勝利条件には関係ない。
「――――君みたいになってたまるものか」
<CON×5>窒息ロール
天元(13*5,65) dice1d100=21 (21)
- 193二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 01:04:45
また耐えてるな
諦めない心だ - 194125/03/14(金) 01:10:14
小さく零れるのは絞り出したかのような、声だった。狭まった気管が生と死の狭間を行き来する。
視界の中の瞳が潤んだのは、生理的なものなのだろう。
かふ、と漏れた吐息は最後の縁だ。
人の首を絞めたことは初めてだった。
山ほどの終わりを見て来たし、間接的、もしくは直接的に人の終わりを見たこともある。
掌の下から伝わってくるのは鼓動。生きる者しか持たぬもの。
あぁ、生きているのか、これも、と。実感する。
死んだように生きていたはずの何かが自分の生を望むことで真の意味で生きるようになったなんて、お涙頂戴の物語にすらなりはしない。
「いい加減、諦めなよ。私は君の思い通りになんてならないよ」
殊更に手に力を込めれば、ほんの一瞬だけ首の骨を折ることも今なら出来るかもしれないだなんて、そうも思った。
<CON×4>窒息ロール
天元(13*4,52) dice1d100=11 (11)
- 195二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 01:11:20
数値がどんどん良くなってて天元の死んでも諦めない心を感じる
- 196125/03/14(金) 01:19:21
これはただの意地の張り合いでしかない。
互いの譲れないものをぶつけあうだけの、独り善がりな何か。
生きて欲しいと願うのも、死んだ方がマシだと思うのも、結局は自分のことしか考えていないからこその答えだ。
それでも未だに彼女の瞳が自分を射抜き続けることに、ほんの僅かに思うことはあった。
今まだ彼女に意識があるのは意志の強さが故か、もしくは自分の手が思いの外に優しいからか。
もしもこれが夢なのだとしたら、どちらが見ている夢なのだろうか。
死ぬはずだった命を生き永らえたという夢なのか、孤独に別れを告げることが出来る夢なのか。
だがこれが夢ではなく現実でしかないとすれば、結局未来を決めるのは自分だということ。
諦めればそこで終わる。譲れないことがあるのならば、そのために足掻かなければならない。
<POW×5>意地
天元(90) dice1d100=2 (2)
羂索(90) dice1d100=79 (79)
<CON×3>窒息ロール
天元(13*3,39) dice1d100=26 (26)
- 197125/03/14(金) 01:20:52
次スレだよ、これPvPシナリオじゃないしこのシーンでこんなにガチ揉めするはずでもないんだけどな
【閲注TRPG】Good morning ALL2【CoC×天元羂索】|あにまん掲示板このスレは羂索と天元をPCとしてクトゥルフ神話TRPGを回していくものだよ閲覧注意は発狂した時やグロテスクな描写があった時用だよ原作軸ではなく一般人(?)設定。そのため関係性や雰囲気などが異なるよ新規…bbs.animanch.com - 198二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 01:21:40
とうとう天元が意地でもクリティカルして諦めない心を示してきた!羂索も諦める気はないし
本来ここでここまで自我をぶつけ合うんだろうか?と不思議なバトルが始まっていますねこれ - 199125/03/14(金) 01:26:26
本来はここでPCが死んだら困るってことでPLが割かし早めに折れる(何かを飲み食いする)流れになるのが、スレ主が全部🎲で決めてるせいで折れないせいなんだよ
KPC天元とPC羂索のタイマンシナリオに見えて来たな。これ2PLシナリオなんだけどな
存在しない外側の会話
「いい加減に死んでくれない?こういう時の無駄クリってセッション長引かせるだけの悪手だと思うけど?」
「私のPCのHOが不老不死だってことを君も知っていると思っていたんだけれど。それに早く終わらせたいなら首絞めよりも爪とか使って殺すか、縛ったりした方が良いんじゃないかい?」
「はぁ~~~?????(不老不死の人間を自分が解けないように縛ったらどうなるか知らないとは言わせないけど?の不満の声)」 - 200二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 01:28:40
羂索はPLとしてもいや死ぬんじゃないこいつ?しそうだし天元もいやこの値だとこうだねで行動するだろうから実質タイマンになってそう
あの2人ならこういうこともありそう…