- 1二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:06:24
- 2二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:08:09
あるからはよ載せろ
- 3二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:19:41
じゃあ載せるね……
- 4二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:20:15
まぁ載せるだけ載せてみろよ
- 5二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:21:24
「キャー!女の子が、女の子がバイクに!」
「大変だ……誰か救急車を!早く!」
その日、1人の決闘者が無惨にも命を散らそうとした瞬間。
1枚の超獣が、少女を見初めた。
《見つけたぞ……我が力を使うに相応しい、デュエル・マスターを!!》
───────────────────
「ネネちゃん、入るわね」
「先生……いいですよ、どうぞ」
エスメラルダ医院の病室にて、1人の少女が今日も診察を受けていた。 - 6二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:21:47
「ネネちゃんたら、またカードゲームをしているのね」
「デュエル・マスターズです。略してデュエマ、先生もやってみませんか?」
「遠慮しておくわ。先生は大人だから、色々忙しいの」
「そうですか……対戦相手が出来れば、私も元気になれるのにな」
「そうね……他にやってる子がいたら、紹介するわね」
優しくネネに話しかける先生の視線には、義足を着けられた両脚が映っていた。
「私のこの脚が動けたら……好きな時にショップに行けるのに」
寂しく呟いたネネに、先生はそれ以上何も言えなかった。 - 7二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:21:50
支援
- 8二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:22:18
本日分の診察を終えたネネは、たった1人の病室でデッキを弄っていた。
「私のターン!『ヘブンズ・ゲート』を発動!『魔光大帝ネロ・グリフィス』と、『魔光大帝ネロ・グリフィスⅡ世』をバトルゾーンに!」
机をフィールドに見立て、ネネは次々とカードを展開していく。
「『ネロ・グリフィスⅡ世』の能力で山札の上から5枚を捲り……」
しかし、夢中になっていたせいか誤って山札をベッドにばら撒いてしまった。
「あっ!いけない……」
急いでカードを集めていると、ネネはある1枚のカードを手にとって呟く。
「『禁時混成王 ドキンダンテXXⅡ』……」
それは、四肢を石柱に拘束された独特のイラストを持つカード。
ネネにとって、自らに重なるクリーチャーだ。 - 9二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:22:48
「事故に遭った日に……何故かこのカードが私の手元にあった」
ネネは、このカードを見るたびに心が張り裂けそうになっていた。
「あなたは……お母さんの『ミラダンテ』と、お父さんの『ドキンダム』の合体クリーチャーなんだよね」
瞳から一筋の涙が流れたその時、謎の声がネネの耳に届く。
《ネネ……聞こえるか?ネネよ》
「え……誰!?」
《戸惑うなネネ、我だ……貴様の手元に握られし我を見よ》
「まさか……ドキンダンテなの?」
《漸く気付いたか、我が使い手に相応しき者よ》
ネネの手のドキンダンテが光り、ネネにその意志を伝える。 - 10二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:22:48
思いついた作品はどんどん書いて行け
所詮は掲示板だ - 11二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:23:18
《近く……貴様に闘うべき時が来るだろう》
「闘うべき時……?」
《その時が来れば……我を使うがよい。デュエル・マスターの資格を持つ者よ》
「待ってよドキンダンテ……戦いってなんなの!?」
ネネが叫ぶも、ドキンダンテからは光が失われ、ネネは部屋で再び一人きりとなった。
「……どういうことなの?私が闘うなんて……」
ネネの呟きは、静寂の中に消えていった。 - 12二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:23:45
翌日、ネネは車椅子を先生に引いてもらって散歩をしていた。
「先生、次はあそこに行きたいです」
「いいわよ、行きましょうか」
景色を眺めていると、ふとネネは遠くにある人影に気がつく。
「……あれ?」
「どうしたの?ネネちゃん」
「あの人は……?」
「え?」
その人影はギターケースを背負い、口笛を吹いてこちらに近付いていた。
「変ね……この敷地内にああいった人が入るなんて」
「なんだろう……」 - 13二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:24:11
不審な人影に困惑する2人に、人影は軽薄なその声を上げる。
「見〜つけた。デュエル・マスター候補だろ、キミ」
「え?」
「ちょっとあなた、何処から来たの……」
「とりま……デュエマしちゃう?」
声を上げた男はカードを翳すと、そのカードから眩い光が発せられる。
それに怯んでネネが瞳を閉じると、再び目を開いたネネの視界の全てが変化する。
「これは……!?」
「あれ?キミもしかしてデュエル・マスターズバトルはじめまして系?なら説明してあげなきゃね」
「デュエル・マスターズバトル……?」
男は翳したカードを高く投げ、カードは変形してフィールドとなる。 - 14二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:24:36
「オレはバク。キミと同じデュエル・マスター候補だ。デュエル・マスターズバトルはデュエル・マスター候補同士で戦う真のデュエルの一種だよ」
「え?え……?」
「このDMフィールド、『マスターの証明』を使うことでオレたちデュエル・マスター候補は超獣王来空間に飛ばされ、真のデュエルを行うことが出来る。現実世界とは異なるこの空間内なら、デュエル・マスターとしての全ての力を行使できるんだ……こんな風に!」
バクと名乗ったその男はフィールドに立ち、デッキを装填する。
すると5枚のシールドと手札が展開され、バクは臨戦体制となる。
「待ってください……真のデュエルって、命を落とすんですよね?漫画で見ましたけど……どうしてそんなことをしなくちゃいけないんですか!?」
「それなら心配しなくていいぜ。このデュエル・マスターズバトルで争い合い、勝ち残った者に与えられるものは敗者のデュエル・マスターとしての証だ。だが、当然ながらリスクもあるけどな!」
「リスク……?」
「このバトルでデュエル・マスターの証を5枚集めた者は、現デュエル・マスターのカエサル様の力によって願いを叶えて貰うための戦いの参加資格を得る。だが、負ければ当然その資格も奪われる」
「願いを叶える?そんなことが……」
「信じられないかい?だがこれは本当なのさ。オレは既に4枚集めていてね……キミのを奪って、願いを果たさせて貰うぜ」 - 15二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:25:11
ネネは、バクの持つオーラを感じ取っていた。
バクは強い。4回勝っていることからもそれは明白だが、ネネのデュエル・マスター候補としての勘がそれ以上にバクの強さをネネに告げていた。
「どうする?キミがダメならオレは他のマスターを探すまでだ。オレは他のマスターの願いを踏み躙ってでも願いを成就させる」
「なら、私は遠慮したいですけど……」
《ネネ、本当にそれで良いのか?》
「え?」
バクの強さに怖気付いたネネに、ドキンダンテが語りかける。
《貴様の脚を治したくはないのか?》
「ドキンダンテ……」
《脚だけではない……父と母を蘇らせたくはないのか?》
「父さんと、母さん……!?」
その瞬間、ネネの頭の中にフラッシュバックしたのは、両親の死の光景と、自らの脚が失われた時の痛み。
顔を上げたネネは、震えた声で言い放つ。
「バクさん……私、受けます。そのバトルを!」
「……いいね、そう来なくちゃ」
《そうだ、それでいい。ネネ!貴様の戦いを始めるがいい!》 - 16二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:25:43
ネネは決意を込めてデッキを構えると、フィールドに転送され、デッキを装填する。
そして、自らを守るシールドを5枚展開する。
「シールド展開!!」
「「デュエマ・スタート!!」」
遂に始まった、真のデュエル。
人知れない願いを抱える2人の戦いに、最初に動いたのはネネだった。
「2マナタップ!『魔光騎聖 ブラッディ・シャドウ』を召喚!」
クリーチャーを召喚したその瞬間、ネネの傍らに『ブラッディ・シャドウ』が現れる。
「ナイトデッキか、意外なデッキを使うねえ」
対するバクは、ファンキーな見た目に対して冷静に立ち回る。
「オレも呪文を使うぜ、『ケンザン・チャージャー』!こいつはデッキトップを捲り、呪文かブロッカーなら手札に加えることができる!」
バクのデッキを剣が刺すと、加わったのは『清浄の精霊 ウル』だ。
「ウルはブロッカーなので手札に!そしてチャージャーであるため、この呪文はマナゾーンに置かれる!」
「回収とマナチャージを同時に行なっている……!無駄のない動きですね」
「どうも。さあ、キミのターンだぜ」 - 17二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:26:13
「ターン開始のドローをします!」
ネネもドローすると、マナチャージをして更にクリーチャーを召喚する。
「『天雷の導士 アヴァラルド公』を召喚します!」
「へえ、一気に手札に呪文を回収する気か?」
「その通り……3枚確認!」
アヴァラルド公の能力により、ネネのデッキの上から3枚のカードが捲られる。
「デッキトップは、『ヘブンズ・ゲート』!『天雷の導士 アヴァラルド公/魔弾 アルカディア・エッグ』!『魔光王機 デ・バウラ伯/魔弾 グローリー・ゲート』!全て手札に加えます!」
「一気に3枚回収か、やるな」
「これで準備は万端……ターンエンドです!」
「だけど……オレが勝たせて貰うよ」
理想的な動きを見せるネネだが、対するバクは不敵に笑う。 - 18二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:26:48
「悪いがこのターンでキミは終わりだ!」
「なに……!?」
「こいつは自分の場にクリーチャーがいない場合……コストを3下げて召喚可能!」
バクの猛攻の始まりを告げる、雷鳴の龍が現れる。
「5マナを支払い、『雷龍 ヴァリヴァリウス』を召喚だ!」
「コスト8の大型クリーチャーが5マナで!?」
「それだけじゃねえ!こいつはスピードアタッカーでマジボンバー7を持っている!」
「マジボンバー……攻撃時にデッキトップか手札からクリーチャーを呼び出す能力!?」
「行くぜ、『ヴァリヴァリウス』の攻撃だ!」
「けど、私のデッキは強力なトリガーが多く積んである!『ヘブンズ・ゲート』か『アルカディア・エッグ』があれば!」
「ヌルいこと言ってんじゃねえ!!」
「!?」 - 19二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:27:14
『ヴァリヴァリウス』の攻撃を開始して飛び立つ瞬間、バクは手札から更なるカードを発動させる。
「『ヴァリヴァリウス』が攻撃……す・る・と・き・に」
「まさか!?」
「そのまさかだ、革命チェンジ!『音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ』をバトルゾーンに!」
『ヴァリヴァリウス』が空から来たる『ラフルル・ラブ』にバトンタッチし、代わりに戦場に『ラフルル・ラブ』が降り立つ。
「『ラフルル・ラブ』の登場時能力だ!このターン、キミは呪文を使うことができない!」
「そんな!?」
「更に、『ヴァリヴァリウス』が攻撃したことによりマジボンバーは発動される!革命チェンジの発動後もそれは変わらない!」
『ヴァリヴァリウス』の残した弾薬が火を吹き、爆発と共に音速を超える最速のドラゴンが戦場に爆誕する。
「出てきやがれ、オレのエース……『爆龍皇 ダイナボルト』!!」
「これは、まずい……!!」 - 20二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:27:41
「まずは『ラフルル・ラブ』のWブレイクだ!!」
(『ダイナボルト』の攻撃を通せば、立て直しは出来なくなる……望みがあるとすれば)
「その攻撃、受けます!」
出て来て早々に咆哮を轟かせる『ダイナボルト』にハーモニーを合わせ、『ラフルル・ラブ』の歌声がネネに襲い掛かる。
身構えるネネをシールドが守り、砕け散ったシールドからカードがネネの手に渡ると、ネネはそのカードを翳して叫ぶ。
「『ダイナボルト』の攻撃は通しません……『炎龍神の翔天 コルピア』の G・ストライクを発動!このターンに『ダイナボルト』は攻撃できません!」
「G・ストライク? そのカードといい、珍しい構築をしているな……」
ネネは今手札に加わったカードに目線を移し、小さな思い出を回想する。
(『コルピア』……このカードは、母さんの……) - 21二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:28:07
「……私のターン!」
『ダイナボルト』から何とか身を守ったネネだが、その表情は不安の色に染まっていた。
(このままじゃ……いや、でもあのカードさえ引けたら!)
意を決したネネがドローすると、ネネの表情が一瞬変わり、そして再びバクに向き合う。
「マナチャージ、そして3マナを支払い『コルピア』を召喚!」
「ブロッカーで身を固めるつもりか?だがオレの手札には『ケンザン・チャージャー』で手札に加えた『ウル』がいる!こいつはマジボンバーで出せば攻撃した『ダイナボルト』をアンタップして再攻撃を可能にさせるぜ」
「わかってます……『コルピア』の能力で私は手札を1枚墓地に送り、もう1枚ドローします!」
ネネがカードを墓地に捨てると、『コルピア』が補充するようにカードを加えてネネに運んで来る。
(くっ、まだ来ない……まだ足りない!)
「御目当てのカードは引けなかったみたいだね、ならオレのターンにさせて貰うぞ!」
「……ターンエンドです」 - 22二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:28:36
バクは勝利を確信した笑みとなり、再び猛攻を仕掛ける。
「『ヴァリヴァリウス』をマナチャージし、呪文『ドラゴンズ・サイン』で2体目の『ダイナボルト』をバトルゾーンに!最初に出していた『ダイナボルト』で攻撃だ!」
「……!」
「『ダイナボルト』はキングマスターカードだ、故にマジボンバーもマジ半端ねえ! Wマジボンバー6を発動するぜ!」
「デッキのカードを2枚も捲れるなんて……!」
「この効果によりオレは、『巡巡-スター』と『単騎連射 マグナム』をバトルゾーンに!」
「『マグナム』まで……!」
「そして『ダイナボルト』のWブレイク!通すか?」
「通します!」
『ダイナボルト』が高速でネネに突っ込むも、その行手を2枚のシールドが阻む。
「トリガー、無し……」
「なら『ダイナボルト』の攻撃終了後に『巡巡-スター』の効果だ!こいつが登場したことで攻撃の後クリーチャーをアンタップさせる!」
「連続攻撃が来る!」 - 23二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:29:01
「再び『ダイナボルト』で攻撃する時にWマジボンバー発動!今度は『無双の縛り 達閃』!そして『アルカディアス・モモキング』を『ラフルル・ラブ』に重ねて進化!最後のシールドをブレイク!」
「ここでトリガーを引かないと……!」
「だが、キミの見えているトリガーは闇文明の『アルカディア・エッグ』、これは『アルカディアス・モモキング』の能力で無効化される。そして光文明のトリガーなら『ヘブンズ・ゲート』と『アポカリプス・デイ』があるものの、『マグナム』の能力でこのターンの君のクリーチャーの登場を封じ、例えオレの盤面が破壊されようともスター進化によって『ラフルル・ラブ』で攻撃を続行できる! G・ストライクを踏もうともオレの勝ちは変わらない!」
「それでも……この状況をひっくり返す!」
絶望的な状況下にあっても、ネネの闘志は消えていない。
最後のシールドチェックに、2人は息を呑む。
「……来た!!」
「何!?」
「シールド・トリガーの『S・S・S』!これで全てのクリーチャーをタップし、『アルカディアス・モモキング』をバウンス!『マグナム』を破壊!」
「クッ……光文明の十八番、スパーク系統のトリガーか!」
「これで首の皮1枚繋がった……私のターンです!」 - 24二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:29:29
「それでもオレが圧倒的に有利なのは変わらない!キミのマナはこのターンでも5枚だけ、『ヘブンズ・ゲート』は使えない!例え使えたとしても『達閃』が1体以上の展開を許さない!」
「いや……この状況下で、私のデッキにはたった1枚だけ逆転可能な最後のキーパーツが入っている!」
「それを引こうってわけか」
「お願い……勝利の女神よ、微笑んで!」
ネネの手に光が迸り、ドローと共に閃光が輝いた。
「私の切り札……勝った!」
「その呪文は……!?」
「シンパシーにより、3マナ軽減!呪文『神楯と天門と正義の決断』を4マナで詠唱!!」
天空から3本の巨大な剣が降り注ぎ、そのうちの2つが大きく振りかぶり、2つの斬撃を戦場に放つ。
「この呪文は3つの能力を選び、2回使用する!これにより、手札から光のブロッカーを1体場に出し、あなたのクリーチャー1体をフリーズタップする!」
「『ヘブンズ・ゲート』と疑似的に同じ動きが出来るのか!?」
「来て!『魔光大帝 ネロ・グリフィスⅡ世』!!」 - 25二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:29:59
「今更ブロッカー1体で止められる盤面じゃ……!」
「まずは『ネロ・グリフィスⅡ世』の能力!山札の上を5枚確認し、その中の呪文を全て手札に加えてその他を墓地へ!」
「だが、呪文を手札に加えようと……!」
「……よし!私は4枚を加え、1枚を墓地に!」
鎧を纏った巨大な超獣は、ネネを守るように立ちはだかる。
そして『ネロ・グリフィス』が手を振り上げると、『ブラッディ・シャドウ』が馬を走らせて『達閃』に斬りかかる。
「更に呪文の能力で『達閃』をフリーズタップ!攻撃に入り、『ブラッディ・シャドウ』で『達閃』に攻撃!」
「狙いは相討ちか、『ネロ・グリフィス』の能力で呪文を使う気だな!」
「……ごめん、私の仲間。でも、これで希望は見えた!」
『達閃』に特攻した『ブラッディ・シャドウ』から噴き出た魔の力が『ネロ・グリフィス』に届き、魔法陣が展開される。
「『ネロ・グリフィス』はナイトが破壊された時、ナイト呪文かS.T呪文を唱えることが出来る!」
「けど、この状況を打破する強力なナイト呪文は……!」
「煉獄の極魔弾は、復活の極魔弾。銀河の理を超え、死を無とする……呪文『煉獄魔弾 グレイテスト・ゲート』!墓地のクリーチャーを復活させる!」
「墓地のクリーチャーだと……まさか!?」
バクの脳裏に駆け巡るのは、『コルピア』の能力で墓地に送ったあのカード。
「あの時から既に、この瞬間を狙っていたのか!?」 - 26二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:30:28
「まずはこの子です!夜を照らす星の灯火よ……『偽りの星夜 スター・イン・ザ・ラブ』!!」
魔法陣の周りに星々の瞬きが広がり、それはステンドグラスのような禍々しい天使として顕現する。
「この子が現れたことにより、他のクリーチャーを全て破壊する!」
天使は新星爆発の如く弾けると、ステンドグラスのその身体が全てのクリーチャーたちに突き刺さる。
そして全てのクリーチャーを貫通した後、『スター・イン・ザ・ラブ』はその姿を再び元のものへと変えた。
「オレだけでなく、君のクリーチャーまで破壊するとはな……!」
「まだ私の呪文は終わらない……ナイト・マジックはナイトの力により、引き金を2度引かれている!」
「まさか、まだ奥の手があるのか!?」
「そうよ……これが私の本当の切り札!翔天に導きにより今こそ現れよ!奇跡と禁断をその身に宿し王!!」
『スター・イン・ザ・ラブ』の現れた魔法陣の中に秒針が刺され、秒針は無茶苦茶な動きで回転しながらも12時を刺すと、魔法陣の中から4本脚を持った石柱がせり出てくる。
石柱は4枚の翼をはためかせて魔法陣から飛び立つと、石柱の中より禁じられし伝説が苦悶の声を上げながら現れる。
「『禁時混成王 ドキンダンテXXⅡ』!!」 - 27二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:30:59
「なんだ!?この禍々しいクリーチャーは……!?」
《漸く我を呼び出したか……ネネよ》
「『ドキンダンテ』!その力を私に貸して!」
《良かろう、我が力を存分に使うがいい!》
『ドキンダンテ』はその命を預けるようにEXライフシールドをネネの目の前に展開し、巨体をネネの敵勢に向ける。
『スター・イン・ザ・ラブ』も『ドキンダンテ』の下に跪き、ネネの僕たちがバクに向き直る。
「『ネロ・グリフィス』の能力は自らが破壊された時にも発動できる……私はS.T呪文『魔天降臨』を発動!!」
「『魔天降臨』だと!?」
「この呪文はお互いの手札とマナを総入れ替えさせる!」
「俺の手札はたったの2枚……まずい!」
魔法陣が回転すると世界はひっくり返り、2人の手札とマナは逆転する。
「私はこれでターンエンドです!」
「やるな……だが、まだ俺は諦めていないぞ!」 - 28二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:31:32
状況は完全に劣勢となりながらも、バクは闘志を燃やす。
「マナをチャージして『ケンザン・チャージャー』を唱えるぜ!デッキトップを確認!」
バクは先程と同じように、デッキトップからカードを1枚手札に加える。
「よし!ツインパクトである『ラフルル・ラブ』を手札に!」
「では、ここで『ドキンダンテ』の能力を発動します!」
「何ッ!?」
安心したのも束の間、バクの行動がトリガーとなり、ドキンダンテの秒針は再びけたたましく動き始める。
「『ドキンダンテ』は相手ターンにコスト9以下の呪文の詠唱とクリーチャーの召喚を行った時、デッキから1枚をドローし、手札からコスト9以下の呪文を詠唱することが出来る!」
「相手ターンでの行動を可能とする大型クリーチャー!?」
「私はこの能力により、『ロスト・Re:ソウル』を唱えます!」
《──魂を失っては、意志を持って戦うことはできない》
『ドキンダンテ』のその言葉と同時に死神はバクの手札を刈り取り、バクの表情に絶望が見え始める。
「ああっ!?」 - 29二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:31:57
「手札を失ったあなたに、ターンを続ける権利はない……私のターン!」
バクを一瞥することなくターンを進るネネのその表情は、まるで冷徹な王のようだった。
《ククク……決めるがいい、ネネ!》
「私は9マナで呪文『ドルマゲドン・ビッグバン』を唱えます!これにより、墓地から『ネロ・グリフィス』を復活!更にスピードアタッカーを与えてシールドに攻撃!」
「トリガーチェック……無し……!」
「更に『スター・イン・ザ・ラブ』でシールドを攻撃!」
「トリガーは……無い!?」
『ネロ・グリフィス』と『スター・イン・ザ・ラブ』の連続攻撃がバクのシールドを全て打ち破り、残るは『ドキンダンテ』の裁きが下るだけだ。
「『ドキンダンテ』でトドメです!」
「そんな馬鹿な……オレは!?」
《消えるがいい、敗者よ!!》
『ドキンダンテ』から秒針の槍が飛び出ると、バクを貫き、そのデュエル・マスターの証を剥奪する。
即ち、ネネの勝利だ。 - 30二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:32:18
勝者となったネネの手に、デュエル・マスターの証が収められ、バクの手元に残るのは3枚となった。
「……負けちまった、か」
「あの……デュエマ、してくれてありがとうございます」
「いいさ。君ほどの実力者と戦えたならオレも悔いは無いよ。凄いな!」
「いえ、そんな……」
バクは悔しそうな表情を抑えて笑顔を作り、自分の持っていたギターケースを背負うと自分の証を翳す。
「君と戦えて良かった。オレはここらでお暇させて貰うぜ」
「はい、あの……バクさん!」
「ん?」
「もし良かったら、またデュエマしてください。今度は、真のデュエルじゃなくて普通のデュエマを!」
「……ああ、いいぜ!約束だ!」
その言葉と共に静止していた時間が動き出し、バクは去って行った。
困惑する先生と裏腹に、ネネは初めての他人とのデュエマを喜ぶ気持ちでいっぱいだった。
《ククク……ネネよ、それで良い。デュエマを目一杯に楽しめ……!!》
その様を、ドキンダンテの瞳が捉えていた。
《我のデュエル・マスターとして、そうでなければ困るからな……!!》 - 31二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:32:31
これで終わりです
- 32二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:38:34
普通に期待以上に面白かった
スレ画的にネログリフィスからアルカディアスへ向けた劣情ネタかと思ったらまさかの真のデュエルだったのは意外だなぁ - 33二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:47:38
これスレ画ドキンダンテの方が良かったかな
- 34二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 00:31:25
ドキンダンテ好きの俺には上物だったぜ
- 35二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 08:22:19
これどっかに投稿した方が良いですかね?
- 36二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 08:30:15
相棒枠ドキンダンテが新鮮で面白かった
- 37二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 09:43:29
シンプルに読みづらいしニコニコ動画のノリをSSに持ち出すのは良いのか?と思ったけど最後の一転攻勢は読んでてめちゃくちゃ脳汁でた