- 1鋼の作業帽22/04/10(日) 00:16:50
ここは「スペースオペラの掲示板」の番外編のようなところです。
本スレでは扱いにくい『長編SS』等を投下するため、個別に立てました。
本スレはこちら
スペースオペラ世界の掲示板 16番艦|あにまん掲示板SF、スペースオペラの世界観でロールプレイをするスレです。傭兵でも宙族でも権力者でも自由に書き込んでください。具体的な世界観やルールはありません、皆さんで自由に世界を作りましょう。前スレはこちらhtt…bbs.animanch.comデータ保管庫(設定・相談)はこちら
スペースオペラ世界の掲示板 データ保管庫3|あにまん掲示板このスレは今までの本スレに出てきた設定を気ままにまとめたり、本スレに関する相談に使用したりするところです。どうぞご自由にお使いください。次スレは>>185または>>190bbs.animanch.com今回のテーマは『アイアンキャップ一行の大冒険SS』です。
安価による次スレ立ての指定を行なう予定はありません。
感想は『次回、○○編』と締めたタイミングで行なって頂けると幸いです。
- 2鋼の作業帽22/04/10(日) 00:17:34
本スレとのざっくりとした共有設定です。
連邦…複数の星からなる民主主義の国家。
帝国…地球を中心とする軍事国家。
同盟…連邦から独立した国家。
エセリアン…発見された第4勢力の仮称、改造宇宙怪獣が戦力
宇宙は広いので、この他にもまだ存在するかもしれません… - 3鋼の作業帽22/04/10(日) 00:18:36
【鋼の作業帽一行の独自設定】
【主要登場人物】
・『鋼の作業帽』:鋼の帽子を被った男、腕のいいレーサー、左腕が義手、厄介ごとドンとこい、約束は必ず守る、「畜生!また厄ネタかよ!」
・『同居人』 :本名シラタキ・ハチベェ、シラタキ財閥の御曹司、ガタイがそれなりに良い、妹を大切に思ってる、「ヤベェ! 逃げるぞ!」
・『オフトゥン』:原種宇宙マンタ、特殊なワープ能力を持つ、喋ってる内容は分からない、「キュイッ♪」
・『社長』 :本名シラタキ・ココノハ、シラタキ財閥の最高傑作にして問題児、ハッキングと演算がチート級、「兄さんのために頑張るわ♡」
・『先生』 :本名シルヴィア・サンスポット、通り名「くろてんのお銀」、元マフィアのやべー奴、個人戦闘力が化け物、「依頼は守りやす」
・『ボーズ艦長』:本名ボーズ・クウカイ、「次元潜行艦『DDS-07』」の艦長、ハゲ、歴戦の次元潜行艦乗り、「了解した―――」
他登場人物 ※名前のみ
お銀の部下達、現『SDA探索会社』の社員
・ノリト :魚人系雑種族(テラナー寄り)、ダウナー気味な青年、通信管制担当。
・ヘイデン:ララベット人、ガタイが良いが内気な男、機関制御担当
・チノワ :植物ツタ系種族、常識人でツッコミ屋の雌雄同体、火器管制担当
・マイ :ロザミア人と地球人のハーフ、鉱石マニアの女性、航宙図作成担当
・コマ :ララベット人と犬系雑種族のハーフ、性別不詳、騙されやすいが逃げ足が速い、亜空間ソナー索敵担当
・タマガキ:有角系雑種族、普通の中年男性の見た目、どこかの高級レストランで働いてたとか、調理担当
・カグラ :種族不明、宇宙を思わせる幻想的なロングヘアが特徴の明るく元気な少女、亜空間環境監視担当
・赤ちゃん:現シラタキ財閥の正当後継者、今回は特に出番なし、可愛い - 4鋼の作業帽22/04/10(日) 00:19:07
【独自関連技術】
・ニューアイアンキャップ号:魔改造レース船、30m級、くっっそ頑丈、本体に武装はなし
・次元潜行艦『DDS-07』 :亜空間に潜れる艦、150m級、気づかれずに移動したり、奇襲を仕掛けたり出来る
・重巡『アガートラーム』 :上記二つを無理やり合体した艦、200m級、おまけ程度に次元潜行が可能、それなりの強さ
・BGCA機動舵 :重力を操る舵、最大の防御にして攻撃手段『Gベール』を展開出来る、起動に大量のエネルギーを要求される
・『Gベール』 :黄金の重力衝撃波を纏い、触れる物全てを光に変える、機動性も大幅に跳ね上がる
・クリスタル式相転移炉 :帝国規格の高出力相転移炉、鋼の作業帽達が使うのものは『ニミュエ・クリスタル』がコア
・『乙女の聖域』 :上記の一種、最大出力は最新鋭重巡級、滅茶苦茶ピーキーで不安定、肝心な時に良く壊れる
・モルガン・クリスタル :今回の目的、より高性能な『クリスタル式相転移炉』が作れる、芸術品としての価値も高い - 5鋼の作業帽22/04/10(日) 00:19:37
【独自関連用語】
・鋼の帽子 :とあるAIシップからの贈り物、鋼の作業帽の名前の由来にしてトレードマーク、意地でも手放さない
・厄ネタ :騒動の元、物語の種、大概国家レベルでやばい
・シラタキ財閥 :帝国の財閥、上層部と兄弟は変人ぞろい、金に飽かせたパワープレイが特徴
・シラタキ9兄妹:やべー奴ら、脳みそに光ファイバーぶっ刺してるせいで、全員何かがおかしい
・星核刀 :未知の技術で作られたアーティファクト、手持ちサイズの中性子星、次元を切断出来る
・犯罪者 :鋼の作業帽達一行のこと、『帝国首都星襲撃犯』『国家転覆未遂犯』『暴力団幹部』・・・ヤバい奴しかいない
・SDA探索会社 :そんなやべー奴らが立てた会社、事情を知る人たちからは滅茶苦茶警戒されている、資金源は『キレイなお金』
・キャメロット星系:今回の目的地、星系全体が強固な空間断層に覆われている、ワープや次元潜行でも突破できない、現状ほぼ未知の領域 - 6鋼の作業帽22/04/10(日) 00:20:28
【前回までのあらすじ】
会社の資金を使い切るほどの入念な下準備を終え、ついにキャメロット星系に向かって出航した鋼の作業帽一行
しかし道中、連邦の長距離空間ゲートの使用許可が下りなかったことが判明、
仕方なく超長距離ワープの準備を行なっていたところ・・・突如強力な攻撃を受け、ウルニア星へと降下することに。
攻撃の正体は連邦軍の兵器『反射衛星砲』と判明、
しかし立場的に問題のある彼らでは、『砲台施設の大規模な破壊工作』や『ハッキングによるシステムの乗っ取り』は行なえない。
そこで、砲台の電力供給源である『エネルギープラント』に『小規模な破壊工作』を仕掛け、撃てないうちに逃げようという作戦に、
しかし工作自体は成功したものの、砲台側に残されたエネルギーで後『2~3発』は砲撃が来る可能性が高いという予想を伝えられる(実際は『1発』のみ)
無事『ウルニア星』から脱出するためには、エネルギープラントが修理されるまでの間に、『反射衛星砲』を無駄撃ちさせなければならない、
どうする?『鋼の作業帽一行』!? - 7鋼の作業帽22/04/10(日) 00:22:36
【ウルニア星、海中100m地点、沈没した旧市街地付近にて・・・】
「・・・我慢比べからかれこれ一日経過・・・そろそろ『エネルギープラント』が復旧してもおかしくない頃合いだ」
「社長の予想が正しければ、砲台側のエネルギー貯蓄であと2~3発は撃てるんじゃないかって話だったが・・・」
「んで、実際どうやって脱出するんだ? こっちの装備じゃ、防げても『1発』が限度だぜ?」
「『Gベール』ってそんなに脆いんですか? でも、最初に撃たれた時は結構余裕があったような・・・」
「ああ、『メインエンジン』が万全の状態ならな・・・だが、今はそうじゃない」
「この艦のメインエンジン、クリスタル式相転移炉『乙女の聖域』は、元々『ニューアイアンキャップ号』のエンジンってことは理解してるよな?」
「こいつはその気になりゃ『最新鋭重巡洋艦』並みの出力を叩き出せるんだが・・・如何せんピーキーでな、最大出力を長時間維持することが難しいんだわ」
「クリスタル式相転移炉特有の『領域飽和』っていうオーバーヒート現象のことだな・・・んで、この艦にはそれを防ぐ工夫が施されてる」
「それが艦の両舷にデカデカと生えた二枚の『放熱板』さ! こいつで相転移炉内の余分な熱を廃棄し続けてるから、最大出力を長時間維持出来るんだ」
「だから最初は『Gベール』を連続使用するだけの潤沢なエネルギーを確保出来てたわけなんだが・・・」
「まあ、二回目の砲撃で破損しちまったからな・・・炉の熱を逃がしきれなくなってんだ・・・」
「・・・修理、出来なかったんですか?」「この星の海は塩分が多くてな・・・海中で修理しようとしたら、どうやってもパイプが詰まっちまう」
「しゃーないから代替策として、ろ過した真水を即席のタンクに詰めて、『冷却水』として装備してるんだが・・・」 - 8重巡『アガートラーム』22/04/10(日) 00:23:21
「?それならやっぱり防御出来るんじゃ?」
「・・・反射衛星砲の発射ペースは『2分』に一回、次弾が撃たれる前に、この星の圏内から出なきゃいけないんだけどな?」
「『ギリギリ』なんだよ、相転移炉の出力前回にして、『冷却水』を殆ど使い切ってようやく逃げ切れる、ってとこさ」
「つまり・・・防御にエネルギーを回す余裕が無いんだよ・・・」
「・・・ってことは、どうにかして『相手に無駄撃ち』させなきゃいけないんですね?」
「ああ、だから今まで、皆その方法を考えてたんだが・・・」
「社長、ホントにこの周辺にあるのか? その切り札ってやつ?」
「ええ♪ この星で起きた過去の事象、事件、造船記録・・・全て調査したから分かったの☆」
「なら信じるしかないよな・・・どの道このままじゃジリ貧だ」
(・・・ピコーン!)
「亜空間ソナーに感あり! 『例の物』を発見しました!」
「ビンゴ♪ それじゃあ、N・ブギョー隊出動☆ 急いで『おめかし』をするわ♡」
「ついでに作業班からの報告だ、予備のクリスタルで『アレ』をでっち上げることが出来たらしい」
「んじゃ、あとは一刻も早く作業を終わらせないとな・・・間に合ってくれよ!」 - 9連邦『第131辺境方面艦隊』22/04/10(日) 00:47:11
「目標の移動が停止しました、この座標は・・・水没した旧市街地エリアです」
「ふむ、どうやら策を弄してくるつもりだな?・・・このエリアに関する情報は?」
「申し訳ありません、該当地域はまだ調査を進められておらず・・・現在の状態は不明です」
「辺境のレーザー通信基地ですし、与えられた予算も多くは無いですからね・・・」
「ですが、かつて居住地域であったことは事実です。 市街地に関する過去のデータベースを洗ってみます」
「ふむ・・・エネルギープラントの復旧率は?」
「潮汐力の影響で付近の海が荒れたため少々遅れが出ておりますが、明日の朝までには復旧が完了するかと」
「・・・奴らもそれくらいは予想済みだろう・・・それまでに必ず仕掛けてくるぞ」
「攻撃方法はいかがいたしますか?」
「事前の情報と今回の砲撃データから考えると・・・奴らを飛び立てなくするのに必要な砲撃の出力は、『80%』もあれば十分かと」
「この方法であれば『2回』砲撃が行なえますし、本命の砲撃までの時間を『30秒』まで縮められます!」
「ふむ、では奴らが移動する際にまず『弱砲撃』、油断して飛び立とうとしたところに本命を叩き込む方法で行くとしよう」
「・・・しかし、何か重要なことを見落としているような気がしてならないな・・・?」 - 10連邦『第131辺境方面艦隊』22/04/10(日) 01:06:01
「!目標に動きあり! 機関反応増大、打ち上げ準備に入ったものと思われます!」
「エネルギー反応、前回と同じパターンです!・・・直上の氷を破壊!」
「ノイズ増大、目標を一時的にロスト・・・再度補足、そのまま浮上してきます!」
「まだだ・・・海上に上がるまで待て・・・上がった瞬間に『弱砲撃』、こちらが焦っていると見せかけろ!」
「・・・目標、海面より浮上!」「射角調整、第8、24衛星起動確認!」「エネルギー充填完了!」
「よし、『反射衛星砲』出力20%、発射!」
(キンッ、キンッ・・・)
「!目標が急速潜行! 第一射、減衰します!」
(ジュピオッ! ズバシャアアアァァァ・・・)
「・・・直撃?なぜ防御を行なわなかった?」
「目標!再度浮上を開始・・・海面を離脱、高度上昇!・・・100、200、300・・・高度1000km!」
「射角調整、第8、24衛星起動確認!」「エネルギー充填完了!」
「・・・迷う暇はないか、ならば今度こそ!―――『反射衛星砲』出力80%、発射!」
(キンッ、キンッ・・・ジュピオォォォッッッ!!!・・・・・・チュドオオオォォォン・・・・)
「目標、爆沈を確認!」
「撃破に成功・・・奴ら、意外と大したことが無かったですね、これなら『評価』はしなくても・・・」
「・・・ふむ?・・・やはり違和感が・・・?」
「た、大変です!」「何事だ!」「か、過去のデータベースを調べた結果判明したのですが、あの海域には―――」
「・・・しまった! そういうことか!」 - 11重巡『アガートラーム』22/04/10(日) 01:12:04
「―――メインエンジン最大出力! 『BGCA機動舵』最大出力!」
「アップトリム90度! メインブースター点火!―――『アガートラーム』急速発進!!!」
(ゴゴゴゴゴ!・・・ズバシャアアアァァァッッッ!!!)
【撃墜された―――直後、海面を大きく突き破るようにして、『本物のアガートラーム』が垂直に急速浮上した!!】 - 12連邦『第131辺境方面艦隊』22/04/10(日) 01:26:06
「―――あの海域には、かつて事故で墜落した『連邦規格の輸送船』を修理中の工場があったんです!」
「ですが恒星の燃え尽きに伴う脱出騒動において、軍から供与された難民船の数が十分だったが故に、特に手を付けられることなく放棄されていたと・・・」
「・・・奴らはそれを見つけ出し、ありあわせの機材で外見を誤魔化した、ということか?」
「そんなバカな・・・いやまて! 連邦規格の輸送船であれば、メインエンジンは『反水素反応炉』のはず!」
「それなら機関反応は全く異なるものになる! それを見間違うなど・・・なぜだ、やはり観測機器にハッキングを受けたのか!?」
「・・・いえ! 相転移炉のパターンが微妙に異なります! ・・・おそらく予備のクリスタルを用いて、即席で相転移炉を組み上げたと思われます!」
「相転移炉の『器』に関しては・・・シラタキ製の艦載機、『TラビットM4』の物を流用したんでしょうね」
「なッ!?・・・あの短時間で、しかも連邦のシステムに合わせただと・・・?」
「・・・プログラムに関しては、『あの女』なら、間違いなくやりかねん・・・まんまと一杯喰わされたな」 - 13重巡『アガートラーム』22/04/10(日) 01:40:38
「―――高度200kmに到達! まもなく2分が経過!」「頼む・・・追撃が来ないでくれよ・・・!」
「・・・2分を超えました!・・・追撃はありません!」
「よっしゃあ! 砲撃は2発だけだったか!」「まだ油断はするな! 一度目の砲撃は明らかに威力が弱かった!」
「まだ撃たれる可能性は残ってるってことだな・・・なら!」
「頼むぜ『オフトゥン』! 機関がダメになる前に、強制的に超長距離ワープをかますぞ!」
「本当にこのやり方で問題ないんだな!『ココノハ』!」
「ええ♪既に座標とタイミングは算出済みだもの☆・・・後は、最大出力を維持したまま『空間の波』に乗れれば、次の目的地まで一気に飛べるわ♪」
「ワープ予定座標まで、後30秒!」「冷却水、残り10%!」「メインエンジン、温度急速上昇!」
「さぁて博打の時間だ、気合を入れていくぞ! 総員対ショック態勢!・・・5、4、3、2、1―――ワープ!!!!」
(ギュイン!・・・ォォォオオオォォォォォォ・・・・・・ン)
【鋼の作業帽一行は脱出に成功!・・・したはず、もう夜も遅いので、続きは明日の午前中にでも】 - 14重巡『アガートラーム』22/04/10(日) 01:43:53
- 15鋼の作業帽『反省』22/04/10(日) 01:53:39
・・・う~ん、事前に出してた情報と矛盾してしまった・・・前回のレスで『冷却水10分は持つ』って書いたじゃん・・・。
放熱板も80%修理出来てんのに、なんで放熱しきれてないのか納得がいかない・・・。
ていうか、『海水をろ過する必要があるから、冷却水の補充に時間が掛かる』ってとこを書くの忘れてた・・・。
最後の『オフトゥンワープ』も、ちょっと無理やり感あるよな・・・もう1レス使って、その辺の説明入れときゃよかった・・・。
見返すほどにガバが見つかるな・・・やっぱ眠い時に書くもんじゃなかった・・・。 - 16連邦『第131辺境方面艦隊22/04/11(月) 12:27:20
【一週間程前、連邦軍のとある会議室にて・・・】
「・・・以上が今回、連邦領内の通行許可を申請してきた『SDA探索会社』の調査レポートになります・・・何か質問はありますか?」
「大有りだ!!! 所属社員が全員元マフィアの上に、上層部が揃いも揃って『S級犯罪者』ではないか!!!」
「しかも『シラタキの四女』に至っては、なんの弱体化処理も施されていない!」
「こいつらが連邦領内を航行しようものなら、今度は何をしでかすか分からんぞ!」
「これでは許可など到底出せん! むしろ、スグにでも艦隊を送り込んで殲滅すべきだ!」
「いや、彼らは既に銀河警察の監視下にあると聞いている、なんでも、信用を得るため自分たちから提案したのだとか・・・」
「銀河警察からの報告によれば、現状の危険性はそこまで高くは無いらしい」
「情報部からの報告によれば、ついこの間、帝国皇室からの依頼で重要人物を救出してのけたという話もある」
「その際破壊した空間転移ゲートの修復費用も、他の誰かが言い出す前に、自ら進んで出資したようだ」
「いずれにせよ、現状『テロリスト』に指定されていない組織を『殲滅』するには、いささか大義名分が不足していると見るべきだろう」 - 17連邦『第131辺境方面艦隊』22/04/11(月) 12:46:09
「では、奴らがこのまま連邦領内に侵入するのを黙ってみていろと言うのか!?」
「何かあってからでは遅すぎる! ここは奴らの罪をでっち上げてでも・・・!」
「ふむ・・・でしたら、実際に試してみるのは如何でしょう?」
「なに? どういうことだ?」
「現状問題となっているのは、『奴らが犯罪集団であること』・・・ではありません』
「犯罪行為を、『いつ』『どこで』『どんな理由で』・・・そして『本当に』やるのか分からない状況が問題なのです」
「ですから、少し『カマ』をかけてみようかと」
「奴らが申請しているルート上には、連邦所有の『長距離転移ゲート』がありますよね? まずはこれの通過許可を却下します」
「すると奴らは単独で超長距離ワープを実施しようとして・・・恐らく、『空間の波』が到達する予定の『ウルニア星』に接近するはずです」
「ここには連邦軍の『反射衛星砲』が設置されており、また付近に民間人の居住惑星等もありません」
「彼らの『脅威度試験』にはうってつけかと・・・」
「あとは実際に『軽い攻撃』を実施した上で、奴らがどう対応するかを確認します」
「話し合いで済ませようとするなら脅威度『低』、反射衛星砲に対して大規模な破壊を実施したなら脅威度『高』」
「これで如何でしょうか?」
「・・・妥協点だな、致し方あるまい」「では、作戦の立案と実施は君に一任する」「奴らの本性をしっかりと見極めてくれ」
「了解しました、では奴らがウルニア星に到達次第、旗下の『第131辺境方面艦隊』に『試験』を実施させます―――それでは、失礼いたします」 - 18連邦『第131辺境方面艦隊』22/04/11(月) 13:01:15
【そして現在・・・】
「・・・『第131辺境方面艦隊』から報告が上がりました」
「彼らの評価ですが・・・『施設の小規模な破壊工作』『連邦軍の死傷者ゼロ』『話し合いはなし』・・・『強行突破』」
「よって脅威度『中』、手放しというわけにはいきませんが・・・まあ、軽く監視を付ければ良さそうですね」
「むぅ・・・自分たちの立場は理解しているということか、これでは『殲滅』の大義名分は確かに降りんか」
「とはいえ『話し合い』が選択肢に上がらなかったことは事実」
「それはどちらかというと、やり方がまずかったのでは?・・・事前警告くらいはやはりすべきだったのでは・・・」
(ワイワイガヤガヤ・・・)
「・・・取り敢えず、今後の方針は決定したな・・・奴らに対しては、『攻撃型次元潜行艦』二隻による隠密追跡を実施することとしよう」
「今回はご苦労だった、辺境の惑星環境は身に応えただろう? 君も艦隊の皆共々、しばらくは休暇を取り給え」
「ありがとうございます、今後とも連邦が末永くあらんことを・・・では、失礼いたします」
【以上が今回の襲撃の真相でした・・・幸い、これ以上連邦軍による追撃が行なわれる心配は無さそうです】 - 19重巡『アガートラーム』22/04/11(月) 13:14:17
【連邦内のとある星系、居住惑星からそれなりに離れた宙域にて・・・】
(・・・ビーッ!ビーッ!ビーッ!・・・)
「・・・うぉ・・・イテテ、皆無事か・・・?」
「ブリッジは問題なし・・・各員、状況報告・・・異常なし・・・」
「とりあえずはワープ出来たみたいね♪ でも、目的地とは少しずれちゃったかしら?」
「本当だ・・・補給地点の『アクアリーフ3840星』からだいぶ離れてる・・・」
「メインエンジンもオーバーヒート、冷却水も残ってはおらん・・・しばらくは修理に専念せねばな」
「優先は放熱板だ! 修復班は急いで船外装備に着替えろ!」
「一応、身を隠しておいた方が良いかもな・・・幸い、近くに小惑星があるみたいだ、そこに接岸しよう」
「さて・・・これ以上、トラブルが起きなければいいのだがな・・・」
「おいおい艦長・・・不吉なこと言うなよ・・・」
≪・・・ア・・・・ワタ・・・・・・シ・・・ヨコセ・・・≫
【なんとか『反射衛星砲』の脅威から逃げ切ることに成功した『鋼の作業帽一行』】
【しかし、無茶なワープで満身創痍となった『アガートラーム』、とりあえず近くの小惑星で修理を行なうようだ】
【そんな彼らに、ひっそりと迫る影が・・・「次回、『異形の追跡者編』」、お楽しみに】 - 20重巡『アガートラーム』22/04/12(火) 00:50:41
【連邦所属の居住惑星、『アクアリーフ3840星』から恒星方向に『8光時(約80億km)』の地点の小惑星にて・・・】
(・・・バジジッ!・・・バッ、バッ・・・バジジジ・・・)(放熱板の部品を溶接する音が艦内に響く・・・)
「報告だぜ、現時点で『アガートラーム』全体の修復率は75%に達した・・・だが、手持ちの資材じゃこれが限界だな」
「『ウルニア星』で破損個所を修復した際に、艦内に貯蔵していた資材の殆どを消費したからな・・・」
「一応 接岸した小惑星から資源を採取すれば、時間は掛かるがもうちょっとマシな程度には修復できるぜ」
「それでも直ぐに出発するのか? 一応メインエンジンの方は巡行出力程度なら維持出来るようにしてあるが・・・?」
「・・・ああ、出来れば一刻も早くこの宙域から離脱したいところだ・・・どうも胸騒ぎがしてな・・・」
「普段豪快なアンタらしくないな、いったい何なんだよ?・・・そこのアンタ、なんか事情しらねぇのか?」
「・・・実は最近このあたりで輸送船団の襲撃事故が多発しているんですよ・・・」
「そこそこ大規模な船団も被害に遭ってるらしくて、『アクアリーフ3840星』への輸送も滞ってるそうなんです」
「その分掛けられた懸賞金も結構高くて、色んな賞金稼ぎ達が挑戦しに来ているんですけど・・・」
「殆どの艦はレーダーに映る陰すら捉えられず、接触した艦は軒並みスクラップにされてるそうです」 - 21重巡『アガートラーム』22/04/12(火) 01:45:15
「うへぇ、そりゃ物騒な話だな・・・そいつに関して、なんかわかってることはねぇのか?」
「一応、目撃証言が幾つか・・・まず、襲撃者は『一隻』、艦種は不明ですが、スケール的には『中型艦』程度だったそうです」
「単騎で!? そりゃヤベェな・・・他になんかわかってることは?」
「他の被害者の証言によると、艦の後ろ半分が歪な形をしていて、馬鹿みたいにデカいスラスタ炎を吐いていたことが一つと・・・」
「攻撃方法が『プラズマ機銃』と『ヒートナタ』、防御シールドはなく、攻撃は全て回避していたこと」
「あとは・・・そもそも『滅茶苦茶速くて』、襲われた船は皆『高速化』に関する改造が施されていたくらいですね」
「「「・・・高速?」」」
【二人と一匹が思い浮かべたのは、いつぞやに海賊基地で会合した、速度を求め続ける機械の乙女・・・しかし】
(・・・『彼女』から他言無用と言われているので、後ろを向いてヒソヒソ声で話している・・・)
「・・・いやねぇわ、あの艦は傍から見て『美しかった』、目撃情報とは一致しねぇ」
「そこは種族ごとの美的センスってのもあるだろうが・・・それ以上に、『あの人』が無暗に船団を襲うとは思えねぇ」
「とすると・・・たしか『艦長』の恩人が『あの人』の同型艦だったよな?・・・暴走した同型艦ってことか?」
「違うわよ、多分♪」
「うわビックリした!?・・・って、なんでそう言い切れるんだ?」
「ほら、私って小さい頃、帝国軍の調査チームに派遣されたことがあったでしょ?」
「ああ、そんなこともあったな・・・あんときは同行が許可されなくて、帰ってくるまで心配で眠れなかった思い出が・・・」
「あら嬉しい♡・・・実はその時に『彼女達』に関わる機会があったのよ☆ だからその辺の事情には色々と詳しいの」
「『彼女達』・・・じゃあやっぱり同型艦はいるのか。 んで、違うってのは一体?」
「だって・・・『彼女』の同型艦は、調査記録が正しければ『全員、既に廃船済み』だもの☆」 - 22重巡『アガートラーム』22/04/12(火) 02:01:24
「・・・オイ、今なんつった?」
「 同型艦の名前は『メロウ』『スフィンクス』『ハルピュイア』『マーメイド』・・・私が会ったのは『スフィンクス』ちゃんね♡」
「『鋼の人』が、『アイアンメイデン』がどうなったって?」
「彼女達の残骸は、色々な経緯を辿った後に、それぞれの国に鹵獲されたのだけれど・・・」
「良いから! 『マーメイド』についてもうちょっと詳しく説明しろ!(ガッ!)」
「・・・司令官さん、話が途切れるから締め落として」
「了解」(ギュッ♡ 三角締め)「グエッ(気絶)」
「か、艦長!? おい!いくら何でm」「話、戻すわよ、に・い・さ・ん♡(笑顔)」「お、おう・・・」
「オホン・・・つまりね、今話題に出た襲撃者は『サイレン』の同型艦そのものじゃなくて・・・」
≪ビーッ!、ビーッ!、ビーッ!≫
≪緊急事態発生! 本艦に高速で接近する物体を確認! 規模は中型艦艇程度!≫
≪艦外作業員は修理作業を中断、速やかに艦内に避難されたし!≫
≪機関パターンを複数検知、所属が特定できません。 目標後方に大規模なエネルギー反応を検知≫
≪目標、なおも接近中、1分後に接触します・・・総員、第一種戦闘配備!≫
「・・・タイミングが良いんだか悪いんだか・・・襲撃者の正体、この目で見極めるぞ!」
「了解した、操舵員が負傷したため予備人員に交代、操舵システムを第二艦橋に回せ!」
「システム各部問題なし! メインエンジン出力上昇!―――『アガートラーム』、急速発進!!!」
【『鋼の作業帽』が締め落とされたタイミングでやってきた襲撃者・・・果たして、その正体とは? 続きはあとで】 - 23重巡『アガートラーム』22/04/12(火) 23:40:09
≪ビーッ!、ビーッ!、ビーッ!≫
「アガートラーム、小惑星表面からの離脱に成功!」
「目標、依然として猛スピードで接近中! 接触まで後30秒!」
「メインスラスタ点火用意・・・しかし、現在の本艦の速度では振り切れません!」
「やむを得んな・・・小惑星を盾とし、奴の攻撃を凌ぐ他あるまい」
「迎撃システムを起動させろ、攻撃開始と同時にメインスラスタを点火、小惑星の陰に回り込む―――ロケットアンカー射出、メインスラスタ点火用意!」
「了解、固定座標を前方の小惑星表面にセット・・・ロケットアンカー、テェッ!」(バシュッ!チャキキキキキ・・・ガン!)
「迎撃システム起動! 主砲1番3番、対空迎撃ミサイル、レーザーCIWSスタンバイ!」 - 24『???』22/04/13(水) 00:51:40
【???のコクピット内、『サイレン』のものと比べると精練されておらず、剥き出しのケーブルや計器が無数に配置されており、明らかに狭いことが分かる】
【そんな空間の中央、本来であれば座席が設置されているところには・・・】
【同じく無数のケーブルが接続された台座と、上半身だけの奇妙なアンドロイドが佇んでいる】
≪・・・ワタシノ・・・『命題』・・・ハヤサ・・・タリナイ≫
『error:本艦の自己改造は許可されておりません、速やかに研究所に帰還してください』
≪・・・ナンデ・・・ドウシテ・・・コノアシ・・・カリモノ・・・ダカラ・・・?≫
『肯定:本艦は同盟軍 第774研究部隊の管理物であり、勝手な行動は禁止されています』
≪・・・アシ・・・ワタシダケノ・・・アシ・・・テニ・・・イレナキャ・・・!≫
『思考パターンが156783回目の同一結論に到達、データベースを参照、危険な思想と判断されました』
『緊急用人格リセットプログラムを起動します・・・error:プログラムが破損しています、人格を完全にリセット出来ません』
(・・・ピコーン)(広域電探システムが反応する音)
≪・・・エモノ・・・ミツケタ・・・ネェ・・・アナタノ『アシ』・・・ミセテ?≫
【機体上部に搭載された、本来であれば『敵』を確認するための『超望遠カメラ』が起動する・・・】
≪・・・ウン・・・イイ・・・オマエノアシ・・・ヨコセ!!!≫
【そうして、彼女の後ろ半分に取り付けられた『臓物』のようなブースターが鳴動し―――】
【大きな、大きな炎を吹き出しながら、『アガートラーム』に向けて猛スピードで駆け出した!!!】 - 25重巡『アガートラーム』22/04/13(水) 15:30:21
【再び『アガートラーム』ブリッジ】
「目標到達まで後15秒!」「迎撃システムの射程圏内に入りました!」「メインスラスタ点火、いつでも行けます!」
「まだだ・・・ぎりぎりまで引き付けろ・・・!」
「目標到達まで後10秒!」「今だ!! 各砲座迎撃開始!」
(キュピオォォォーーー・・・ン!)(バシュッ! シュゴォォォーーーン!)(キュピピピピピ!!)
【同時に一斉に火を噴く各砲座! しかし・・・】
「・・・!?主砲、全弾回避されました!」「ミサイル、相対速度が速すぎて信管が作動しません!」
「目標、CIWS弾幕の『内側』を通り抜けてきます!」
「接触まで後 3、2―――!!」「メインスラスタ最大出力!」「ッ、点火ァ!」
(キュィィィ・・・ズゴォオオオオオ!!!)(カラララ・・・ガンッ!ギュィン!!)
【メインスラスタの点火により加速し―――あらかじめ打ち込んだアンカーに引っ張られて急回頭する船体!】
(・・・ォォォオオオオオッ!!!
(カララララ・・・ガンッ!・・・ドンッ!!・・・ビリビリビリビリビリ・・・・・・!)
(オオオオオォォォォ・・・・・・ン)
【勢いのまま、小惑星表面にぶつかる『アガートラーム』】
【・・・そのすぐ横、コンマ一秒前まで『アガートラーム』が留まっていた宙域を、異形の艦が超高速で通り抜けていった!】
【莫大なスラスタ炎の残滓が、仕留められなかった『獲物』の表面を、まるで怨嗟のごとく叩いていく・・・】 - 26重巡『アガートラーム』22/04/13(水) 15:45:24
「ッ・・・被害報告!」
「小惑星と激突した際に船体底部に亀裂発生! 艦内空気の流出を確認、隔壁を閉鎖します!」
「各エンジン、動作に異常無し、数値正常!」「放熱板に5パーセントの歪み、冷却に問題なし!」
「右舷大型ハッチ故障! 艦載機発進出来ません! 左舷は行けます!」
「目標、離れていきます・・・200宇宙キロ付近でレーダーからロスト! スラスタ反応も消失!」
「各観測機器から目を離すな!・・・奴がこちらを諦めたとは限らん!」
「『Gベール』は展開できるか!? あれなら衝突されても耐えきれるし、逆に奴を破壊することも出来るはず!」
「いや、『Gベール』は遠くからでもかなり目立つ・・・展開中は奴も警戒して近寄らないだろう」
「それに現状の出力では長時間の展開は無理だ、やるならすれ違いざまに展開するしかない」
「さらに言えば、『Gベール』は本艦の緊急離脱システムも兼ねている・・・もし防がれてしまえば、いざという時に逃げる手段を失うぞ?」
「意見具申! 奴が速度に優れた対象を狙うのなら、艦載機を発進させて囮にするのはどうでしょうか!」
「うむ・・・奴が一つの獲物に執着しないのであれば、それが効果的か・・・?」
「皮肉か幸いか、前回海水に浸かって電子系統がイカれた『カルロン』が一機、こいつにブースターを付ければ!」
「・・・よし、試してみよう! 左舷艦載機ハッチ開け! 『AT-4 カルロン』発艦準備!」 - 27フェイクAIシップ『テケテケ』22/04/13(水) 16:08:26
(ゴゴゴゴゴオッ!・・・キュゥゥゥン・・・)【目標を大きく通り過ぎたのち、メインスラスタを停止させた】
≪・・・アレ?・・・カワサレタ?・・・シトメタト・・・オモッタノニ・・・≫
(プシュッ・・・パシュッ!)【サイドスラスタの反動で、『獲物』が居た座標に向き直し・・・】
(キュイン、ジーッ)【再び超望遠カメラが起動し、『獲物』が躱してのけた理由を探り出す】
『目標と小惑星の間にワイヤーを確認、恐らくワイヤーを基点として急回頭したものと判断』
≪・・・ムゥ・・・マタヤリソウ?≫
『目標観察・・・艦隊底部に亀裂を確認、ダメージ推測・・・同様の回避方法は、恐らく後2回が限度』
≪・・・ナラ・・・ハナレタタイミングデ・・・モウイチド・・・シカケル・・・≫
『目標に動き、大型ハッチ開放・・・艦載機1機が発進』
≪?・・・アレハ・・・ナンダ、『カルロン』・・・モウ・・・キョウミナイ・・・≫
≪・・・モクヒョウ・・・ソノママ・・・モウイチド・・・シトメル・・・メインスラスタ・・・ジュウテンカイシ・・・!!≫
(・・・キュィィィィィ・・・ン)【再度の突撃に備えて、スラスタのチャージが行なわれていく・・・!】 - 28重巡『アガートラーム』22/04/13(水) 16:48:30
「こちら整備班、カルロン5号機へのブースターの取り付けが完了しました!」
「簡易ジャイロ機構への配線も接続完了! 真っ直ぐ自動航行させるだけなら問題ありません!」
「こちらブリッジ、発艦ハッチは既に星系外縁部の方向に向いている・・・直ちに『囮』を発艦させよ」
「了解、発艦シークエンスを開始します!」
「カルロン五号機、格納庫から待機パレットへ移動開始」「電磁カタパルト、コンデンサへの電力供給開始」
(キュォォォ・・・ゴン!)【左舷艦載機ハッチが開く音】
「左舷ハッチの展開を確認、カタパルトに異常無し、ガイドビーコン、表示します」
「一次ロック解除、カルロン五号機、待機パレットから発艦位置へ移動・・・カタパルトに設置完了」
「自動航行システム起動、ジャイロ回します」「メインブースター点火完了」
「発艦パレット格納、ブラスト・ディフレクター展開、排気ポート開放確認」
「発艦後、奴が食いついたことを確認次第・・・全速でこの宙域を離脱する」
「了解、『Gベール』を推進モードにセットします」
「・・・痛ってぇ・・・今、何がどうなって・・・」
「やっと起きたか艦長・・・早速で悪いが、どこかに捕まっててくれ!」
「え?・・・ちょ、オイマジか!」(ガシッ!)【近くのバーに急いで身を固定する】
「発艦まで5、4、3、2、1―――発艦!」
【起死回生の策として、壊れた艦載機『カルロン』を囮にして逃走する策を思いついた一行】
【しかし皮肉なことに、『カルロン』は普及しすぎて遭遇頻度が高かっため、既に彼女の興味を引かなくなっていた!】
【そしてようやく起きた『鋼の作業帽』、果たして彼らは『テケテケ』の脅威から逃れられるのだろうか?・・・次回に続く!】 - 29重巡『アガートラーム』22/04/16(土) 01:30:48
「カルロン五号機は順調に航行中、間もなく本艦との距離、100宇宙キロに到達!」
「・・・再び高エネルギー反応、目標を補足しました!」
「奴の進路は・・・ダメだ! 囮に全く食いつかねぇ!」
「クソッ! なんで食いつかねぇんだよ!」
「推察だけど、『カルロン』って結構賞金稼ぎ達相手に売れてたのよね・・・だから、さんざん見てて飽きちゃったんじゃないかしら♪」
「・・・なら最初に言ってくれ! だったら次は『クアイール』でも飛ばすか!?」
「バカ野郎! 艦載機もタダじゃねえんだ! もしそれで食いつかなかったら、こっちは貴重な戦力を2機失うことになるんだぞ!」 - 30重巡『アガートラーム』22/04/16(土) 02:00:32
「目標、なおも進路変わらず! 接触まで後1分!」
「クッ・・・奴の軌道を逸らして時間を稼ぐ! 垂直発射管を開け!」
「了解! ロケット爆雷、弾頭を『広域破砕モード』にセット」
「出し惜しみは無しだ、巡航ミサイルも使うぞ!」
「正気ですか!? あれは搭載したはいいけど、仮にも戦術兵器だから使うたびに始末書出せって監査官から・・・」
「構わん! 幸い周囲に他の艦影はなし、ならばむしろ、撃つチャンスは今くらいしかない!」
「・・・了解! VLS13番開け!『N2弾頭搭載型巡航ミサイル』発射用意!」
「巡行プログラム入力開始・・・ダメです!起爆位置が近すぎてエラーが!」
「なら主砲で起爆させる! 2番砲塔仰角89度! 目標、発射後の巡航ミサイルにセット!」
「目標接触まで後40秒!」
「ロケット爆雷8門、戦略巡航ミサイル一斉射―――テェッ!」
(ババババシュッ! シュゴォォォーーー・・・ン!)
「各弾頭、予定座標に到達! 目標接触まで後30秒!」
「主砲発射用意・・・テェッ!」(キュピオォォォーーー・・・ン!)
(・・・ピカッ!・・・ドォオオオオオン!!!)
(ドンッ!!・・・ビリビリビリビリビリ・・・・・・!)
【虎の子の『準核兵器』が虚空にて炸裂し・・・強烈な閃光から少し遅れて、衝撃波が艦の表面を叩いていく・・・】
「・・・弾頭の起爆を確認! 起爆位置から半径30宇宙キロ圏内は、高温のプラズマで満たされています!」
「本艦表面及びフレームに亀裂を確認! 余波をモロに受けました!」
「・・・奴はどうなった?」
「現在索敵中・・・発見しました! 再び離れていきます!・・・200宇宙キロ付近でレーダーからロスト!」 - 31重巡『アガートラーム』22/04/16(土) 22:52:17
「目標、再びロスト!・・・前回のパターンからして、次の襲撃は10分後と推測されます!」
「突撃一回ごとにエネルギーチャージが必要なのか?・・・てか、そんな切り札あるんだったら最初から使っとけよ!」
「生憎だが、こいつは大枚叩いて入手した「虎の子の『4発』」、咄嗟の判断で撃てるような代物ではない」
「それに今の状況だと、どうしても起爆地点からの距離が近くなってしまいますからねぇ・・・」
「自分の兵器で自滅とか笑えないですよ・・・威力が高すぎるのも考え物っすね」
「チッ、そうかい・・・奴はまた来ると思うか?」
「十中八九来るでしょうね・・・船体のダメージ的に、次は同じ方法を使えません」
「なら・・・今度こそ『G・ベール』で一発勝負をするしか・・・」
「あー・・・ちょっといいか? 俺から一つ提案があるんだが・・・」 - 32フェイクAIシップ『テケテケ』22/04/17(日) 00:30:01
≪・・・イタイ・・・イマノ・・・アブナカッタ・・・≫
『先程の攻撃を分析中・・・戦術級兵器と判断、しかしあの距離では、目標側にもダメージが入っているものと思われます』
≪・・・ツマリ・・・ニドハ・・・ツカワナイ?・・・≫
『目的がこちらの撃滅でなければ、78%の確率で使用しないものと推測されます』
≪・・・ワカッタ・・・ナラツギハ・・・シンチョウニ・・・!≫
【再びスラスタのチャージが行なわれ始めた・・・そして、まさに突撃しようとするその瞬間―――!】
『目標に動き、船体の推定ブリッジ区画が分離』
≪・・・ニゲルキ?・・・ダッタラ・・・ホンタイヲ・・・ソノママネラウ・・・?≫
『警告:残された大部分を自爆させる可能性があります、接収は慎重に・・・?』
『分離した『ブリッジ』に動き、両舷の翼と思わしき部位を展開―――!?』
≪・・・ナニアレ!?・・・ハヤイ!?・・・アノ『トビカタ』・・・イッタイ・・・!?≫
『周辺に強力な重力波を確認、重力推進の一種と推定』
『データベース確認中・・・該当するデータ:0件、未知の技術が使われているものと考えられます』
≪・・・モクヒョウヘンコウ!・・・アレガ・・・アレサエアレバ!・・・アノアシガ、ホシイ!!!≫ - 33重巡『アガートラーム』22/04/17(日) 23:32:18
【少し前】
「・・・『次元潜行による退避』だと?」
「ああ、この艦は次元潜行艦『DDS-07』をベースとしてる、だから潜行機能そのものは残ってたはずだろ?」
「確かに亜空間に潜っちまえば、奴も手が出せなくなるのは違いないが・・・」
「出来るなら最初から・・・『反射衛星砲』に狙われた時点で実行している、それをしないのは理由があるからだ」
「この艦は『キャメロット星系』への突入に備えて、各部に様々な追加装備を施したことは知っていますよね?」
「本来『次元潜行艦』は、亜空間の高圧エーテル環境に少しでも早く突入出来るよう、船体構造に工夫が凝らされているのだが・・・」
「前述の装備、特に両舷に増設された『汎用格納庫』が原因で、この艦は次元潜行の効率が大幅に低下しているんですよ」
「んで、具体的にはどうだったっけ?」
「・・・通常の状態でも、潜航開始から完全に潜りきるまで『30分』程掛かります」
「しかも今回はメインエンジンの出力が低下していますから・・・実質的に『50分』程度を要求されるものと・・・」
「じゃあ、『メインエンジン』が無ければ?」
「それなら『1時間半』程度・・・ってまさか!?」 - 34重巡『アガートラーム』22/04/17(日) 23:58:11
「そのまさかだよ・・・時間が無ぇってんなら、『ニューアイアンキャップ号』が囮になる!」
「そもそも『メインエンジン』が不調扱いなのは、この艦全体を覆う程の『Gベール』を展開する必要ために―――」
「ピーキーなエンジンを『全力』で回し続ける必要があって・・・放熱板がイかれてる今じゃ、それが難しいからだろ?」
「だが『N‐ICAP号』単体を覆う程度なら問題ねぇ・・・80%程度で宥め続けりゃ、『1時間』程度なら行ける」
「それにさっき言ってた『カルロンは見慣れてる』って条件も、こいつの『BGCA機動舵』には当て嵌まらねぇ」
「『シラタキの新型戦艦』以外でこの機能を再現したって話も聞かねぇし、新しい『おもちゃ』は、奴の目をかなり引くはずだろうよ!」
「無茶だ! 『N‐ICAP号』は他の艦載機と違って、『切り捨て』が選択肢に入るような代物じゃねぇだろ!?」
「勿論!・・・だから絶対に帰ってこれるよう、操縦は俺がする!」
「・・・それで『1時間』持たせたとしても、あと『30分』はどうするんですか?」
「もし万が一アンタらが時間切れでやられたら、次の標的は俺達だ・・・次元境界突入中は身動きが取れないからいい的になっちまう!」
「・・・疑うようだがあえて聞かせてもらう、アンタらが分離した『N‐ICAP号』で逃げない保証はあるのか?」
「・・・少なくとも、俺は『ココノハ』がアンタらを見捨てない限りは、守るために残るつもりだぜ・・・船長は?」
「俺は・・・そうだな、俺の信念が『約束を守る』ことだっつっても、口だけじゃ伝わらんだろうし―――」
「―――だから、こいつを置いていく」(・・・パサッ)【おもむろに『鉄の帽子』を脱ぐ】
「これは、俺の命の恩人、『マーメイド』から受け取った、唯一命よりも大切な代物だ・・・これを担保として預ける」
「・・・こんなものを信じろと?」
「襲撃前の俺の取り乱しっぷりが嘘じゃねぇことは、『読心能力持ち種族』の奴が証明してくれるだろ?」
「それに、おれは『社長』に『マーメイドの行方』について、しっかり説明して貰わなきゃならねぇんだ」
「アンタらを中途半端に見捨てちまったら・・・救えるはずの『命』を見捨てることになるかも知れねぇからな」 - 35重巡『アガートラーム』22/04/18(月) 00:21:42
「・・・潜行完了までの時間だが、『N‐ICAP号』の接続部分を『補修』することで縮められるかもしれん」
「ボーズ艦長!?」
「貴殿がそこまで本気なのだ・・・こちらも一介の船乗りとして全力で答えねば失礼だろう」
「では作戦を詰めるぞ、仮にこちらが潜行に成功したとして、貴殿らはどう離脱するつもりだ?」
「そこについても考えがある・・・ちょっと前に『コロタンド遺跡』の騒動があっただろ?」
「あの時の『首謀者』は結局取り逃がしちまったって話だが・・・次元潜行艦で亜空間に潜んでたそいつに、思わぬ方法で一矢報いた奴が居たそうだ」
「その一矢報いた奴・・・『連邦の狂犬』が乗ってたのは『重戦艦』、こいつ自体にゃ次元潜行能力はなかったそうだが―――」
「なんと、『周辺にいた次元潜航艇』の空けた、『まだ閉じていない次元境界面』から亜空間に無理やり突入したんだとよ!」
「!?そうか・・・次元境界面さえ空いてしまえば、極論『高圧エーテルを押しのけるのに十分な力』があれば突破出来ますもんね・・・」
「実際にそれをやったら、衝撃で艦に大きなダメージが加わることになるが・・・」
「やれることが分かれば十分だ、アンタらは潜りきった後に、『1~3発』程度の亜空間兵装を撃ってもらえりゃいい」
「俺たちは『穴』が開いたことを確認次第、強引に突入させて貰う」
「当然俺たちの艦は『Gベール』が使えない以上、亜空間内じゃ身動き取れなくて沈んじまうだろうが・・・」
「そこは本艦の『ロケットアンカー』で無理やり回収できるだろう・・・あとは頃合いを見て、この宙域を離脱するだけだな・・・」 - 36重巡『アガートラーム』22/04/18(月) 00:36:44
「了解した・・・皆も協力してくれるか?」
「・・・ま、ボーズ艦長が決めたんなら仕方ないっすよね・・・了解ですよ!」
「ついでに朗報を・・・艦載機を『外付けブースター』として使えば、艦体ダメージの増加と引き換えに潜航速度を速められます!」
「亜空間内でしばらく動けなくなってもいいなら、『サブエンジン』を壊れる寸前までぶん回せば・・・!」
「『垂直発射管』に信管抜きのロケット爆雷を逆さまに突っ込むって手もあるぞ!」
「『社長』! 潜行までの時間を再計算して―――」
「もう済んでるわ♪ 上手くいけば大体『1時間』ってとこね・・・兄さん達の頑張り次第でなんとか間に合うわよ♡」
「そうと決まれば・・・急いで工作班に準備させます!」
「皆、ありがとう・・・作業を円滑に進められるよう、お二方は出来るだけ奴を引き剥がしてもらえるか?」
「任せな!・・・そういや『同居人』、お前は今回残ってもよかったんだが・・・」
「釣れないこと言うんじゃねぇよ(ガシッ!)、エンジントラブルが起きたときに、直しに行くやつは必要だろ?」
「『ヘイデン』、お前の部下で小柄な奴を何人か回せ」
「了解ですボーズ艦長! じゃじゃ馬エンジンの面倒、しっかり見させていただきます!」
「追加で乗れんのは『3人』までだ! それ以上は安全が保証できねぇぞ!」
【そして、時刻は『テケテケ』が動き出さんとする直前へ】
「・・・準備完了、そろそろ奴が動き出す時間だ」
「全員シートベルト代わりのハンガーアームに固定できたな? んじゃ―――『ニューアイアンキャップ号』、発進!!!」
「目標のエネルギー反応確認!」「よし、メインエンジン出力80%、『BGCA機動舵』起動、『Gベール』展開!」
「・・・目標進路変更! 『N‐ICAP号』に喰らいつきました!」
「奴がここから30宇宙キロ離れた時点で作業を開始する―――総員、作戦開始!」
「「「「「了解!!!!!」」」」」
【ついに作戦を開始した鋼の作業帽一行、はたして彼らは、無事『テケテケ』の脅威から逃れられるのであろうか・・・次回に続く!】 - 37ニューアイアンキャップ号22/04/18(月) 23:31:25
「目標、後方20宇宙キロまで接近!」「予測通りなら、燃焼終了まであと1分!」
「エンジン熱量増加! 8番のヒューズが溶解!」「回路切り替え! 9番バイパス開きます!」
「そっちも長くは持たねぇ! 急いで溶けたヒューズを交換しろ!」「クソッ、壁に張り付いてやがる! お前のペンチ貸してくれ!」
「速度はギリギリこっちの方が上だ、エンジンが持つうちは追いつかれることはねぇ・・・だが、離し過ぎてもマズイ!」
「諦めて向こうに行かれると困るからな! お陰でギリギリの距離で追いかけっこする羽目になってるぜ!」
「・・・まもなく1分!」「!目標進路変更、 減速しています!」
「追撃行けるか?」「目標を追跡中・・・ダメです、小惑星帯付近にて目標ロスト!」
「突撃中とは裏腹に、『黙ってる』時のステルス性が高いな・・・」
「単純な電波対策だけじゃねぇ、目視でも見失うってことは、光学迷彩機能も優れてるんだろうよ」
「タキオンレーダーと亜空間ソナーは?」「奴が逃げ込んだ小惑星帯付近は障害物が多すぎてな・・・」
「・・・取り敢えず、奴が再び突撃してくるまでこの宙域で待機! 今のうちにメインエンジンの調子を整えるぞ!」 - 38フェイクAIシップ『テケテケ』22/04/18(月) 23:59:35
≪・・・ムゥ・・・アトチョットナノニ・・・オイツケナイ・・・≫
『分析中・・・最初に観測された重力波と、追跡中の重力波の出力に差があります』
≪・・・?・・・ホントダ・・・チョットヒクイ・・・ナンデ・・・?≫
『恐らく可能性は二つ、エンジンの不調か、あるいは意図的に速度を抑えているか・・・』
≪・・・ナンノ・・・タメニ・・・?≫
『超望遠カメラにて観測中・・・分離された側 ――― 仮に[ボトム]と呼称 ――― に奇妙な動きあり』
≪・・・?・・・ナンダロウ・・・クウカンニ・・・ユガミガ・・・≫
『警告:ボトム周辺から高圧エーテルの噴出を確認―――ユガミの先は、亜空間と繋がっています』
≪・・・ナニヲ・・・スルキ?・・・≫
『データベースを検索中・・・該当例1、この宙域で一度だけ、超長距離から同様の反応を感知した事例あり』
『機密事項:隕鉄同盟が所有している特殊技術、#####によるものと思われます』
『現時点で予測可能な相手の行動・・・亜空間内への逃走と判断、目標の変更を推奨します』
≪・・・イヤ・・・アッチノホウガ・・・ジュウヨウ・・・アキラメタク・・・ナイ≫
『・・・ボトム側の現空間からの離脱率、極めて低―――潜航にはかなりの時間を要するものと思われます』
『先に分離側 ――― 仮に[トップ]と呼称 ――― を仕留めてからでも、十分間に合うかと』
≪・・・ソレジャ・・・ツギハ・・・コッチモ、スコシ『オサエテ』イク・・・・・・ソレト≫
『?』
≪・・・アリガトウ・・・≫
『・・・本矯正プログラムは、合理的な判断を行なったまでです』 - 39重巡『アガートラーム』22/04/19(火) 01:58:04
「艦側面への艦載機の固定、現在『カルロン4機』が完了済み! 残りも順次取付作業を行なっております!」
「『ウェアウルフ』は作業用重機の足しになる! それに可変機だから最悪アームで無理やりしがみ付ける! 取付は最後に回せ!」
「クアッドボソンフライホイール2番、温度急速上昇!」「回転数を70000rpmまで下げろ! まだ溶かすには早い!」
「反水素反応炉の調子は?」「現時点で問題なし!」「なら供給量増やせ! サブにギガベータ電池が控えてるから、最悪壊れても構わん!」
「ロケット爆雷の信管8発分、取り外し完了しました!」「順次発射管に詰めてけ! しっかり固定しないと、信管なしでも爆発しかねんぞ!」
「『ニューアイアンキャップ号』の様子はどうだ?」
「現在停止中・・・目標をロストしたため、いつでも『喰らい付かれる』よう待機中とのこと」
「・・・念のため、艦首発射管に亜空間魚雷を装填しておけ」
「亜空間魚雷だと、IN‐OUTで撃っても十中八九躱されますよ? それより『コスモトマホーク』を準備しておいた方が・・・」
「それだと彼らを巻き込みかねん」
「あー・・・了解しました、アレ相手に効くかわかりませんが、一応電子攪乱弾頭を装填しておきます」 - 40ニューアイアンキャップ号22/04/19(火) 02:31:15
「目標、再び加速開始!」
「了解! メインエンジン出力80%! Gベール起動―――」
「―――!?いや待て・・・目標の動きが遅い!」
「目標進路変更中! マズイ、引き剥がし過ぎた!」
「ッ、急停止! 進路反転―――」
「ちょっ!? 目標再度進路変更! こっちに向かってくる!」
「うぉい!? こっちもターン! 距離をキープ!」
「・・・目標、本艦から50km地点で停止、膠着状態ですね・・・」
「今回は向こうさん、無暗に突撃せずに余力を残すことを覚えたみてぇだな・・・」
「それでも、その気になれば『一息』でおいつける距離です・・・対してこっちの状況は・・・」
「ああ、『N‐ICAP号』が追い付かれないようにするには、『メインエンジン』を高出力でアイドリングさせておく必要があるが―――」
「流石にその状態で『1時間』にらみ合いをするってなると・・・持たないかもしれませんね」 - 41ニューアイアンキャップ号22/04/19(火) 02:45:54
「・・・奴の側はどうなんだ? チャージ状態を長時間維持できると思うか?」
「判断材料が無いからなんとも・・・作業帽さんよ、ブラフをかけることは可能か?」
「・・・ためしにちょっとエンジン出力下げてみるぞ、取り敢えず79・78・77―――」(キュゥゥゥ・・・)
「―――71・70・69」「目標に反応!」「上げ直すぞ!―――78・79・80!」「・・・目標、再び沈黙!」
「・・・どう見る?」
「まだ分からん・・・次は武器でちょっかい出してみるのは? 今なら目視は出来るだろう?」
「・・・こいつに固定武装はねぇよ・・・いつもなら『同居人』のパワードスーツを積んでるんだけどな・・・」
「んげ、そうだった・・・じゃあ『DDS‐07』から撃ってもらうのは?」
「それであっちに矛先が向いたら意味ねぇだろ・・・」
「・・・替えのヒューズはいくつ残ってる?」
「後『25本』だな・・・このまま80%を維持したままなら、まず持たん」
「・・・エンジン出力をギリギリまで減らしてみよう、あと、その辺に資材が落ちてないか確認してみてくれ」
「適当な資材をヒューズ代わりにしようってか? 『エジソンの竹電球』じゃあるまいし、そう上手くいくかね?」
「やるだけやってみるべきだろ、あとは艦内電力の節約だな・・・取り敢えず亜空間ソナーは一旦切るぞ」
「・・・にらみ合いに徹すれば、激しく動く必要は無いよな?」
「・・・なら、慣性制御システムも切っとくか」(キュゥゥゥン)
「!目標にうg「付け直す!」(パチッ! キュイン!)・・・再び停止しました・・・」
「あっぶねぇ・・・こりゃこっちのこと、だいぶガッツリ見てんな・・・」
「迂闊な行動はとれねぇぞ・・・後『50分』、ここからは『気合』の領域になりそうだ・・・」
「・・・頼むぜ、あっちに残った面子よう・・・」 - 42重巡『アガートラーム』22/04/20(水) 00:40:32
【作戦開始から50分経過】
「・・・別動隊の様子はどうだ?」
「本艦から100宇宙キロ地点にて、目標とにらみ合いを続けておりますが・・・」
「無線によると、そろそろ替えのヒューズがなくなるそうです、最早一刻の猶予もありません」
「ふむ、こちらの状況は?」
「現在船体の75%が亜空間に突入済みです!」
「工作班から報告! 『クアイール』と『ラビット』の固定完了! 爆雷発射管、準備ヨシ!」
「ウェアウルフは予定通り甲板に直接張り付かせます! これでこっちは準備完了です!」
「全追加ブースターの同期チェック中・・・問題なし!」
「よろしい、カウント省略! 全ブースター一斉点火! 最大出力で回せ!」
(チュゥゥゥ・・・ボウッッッッッ! ゴゴゴゴゴ!!!!!)
「潜航速度上昇! 完了まで後10分!」
「別動隊から入電! 最後のヒューズを交換、もって後5分!」
「!マズイ、目標が動き出しました! 狙いはこちらです!」
「『N‐ICAP号』が追跡を開始・・・ダメだ、速度が出ていない! 先に到達されるぞ!」 - 43ニューアイアンキャップ号22/04/20(水) 01:45:52
「目標、急速に『アガートラーム』に接近中!」
「今攻撃を受けたらマズイ! 例え機銃一発でも、剥き出しの爆雷に当たったら吹っ飛んじまう!」
「だから急いで追いかけてんだろ! メインエンジンの出力、もう少し上げられないか!?」
「ヒューズの替えがもうねぇんだ! これが溶けたら的になるのは時間の問題だぞ!」
「・・・追跡はほぼ直線軌道、横揺れのGは最小限・・・今エンジンの負荷を減らすには・・・!」
「やるしかねぇよな・・・もうエンジンの面倒は見なくていい! 全員壁に身体を固定しろ!」
「慣性制御切るぞ! 5・4・3・2・1―――カット!!!」
(ガンッ!!!)「グッ!?・・・グゥゥゥゥッ!!!」
「出力上昇85%!・・・これでもギリギリ・・・間に合わん・・・!」
「なにか・・・せめて・・・グゥ・・・目標の軌道を・・・逸らせれば・・・!」 - 44フェイクAIシップ『テケテケ』22/04/20(水) 02:00:14
『警告:[トップ]が後方より急速接近』
『重力波パターンに変化、慣性制御を切ったものと判断、速度が増しています』
≪・・・カマワナイ・・・コッチガサキニ・・・[ボトム]ヲ・・・ツカマエラレル・・・!≫
『了解、機銃掃射準備―――目標、甲板部のブースター、射程圏内まで5、4―――』
『3⁻8時方向に空間反応・・・魚雷と確認、振り切れます』
≪・・・イマサラ・・・ギョライナンテ・・・!≫
『?魚雷、右舷100m地点を素通り・・・いったいどこを狙って・・・!?』
(キラッ、チュドオオオオオォォォォォォォン!!!!!!)
≪・・・バクハツシタ!?・・・デモアノイチジャ・・・[トップ]もマキコマレテ・・・≫
『魚雷、敵艦後方で炸裂!・・・!?[トップ]、爆風に押されて急接近!』
≪ナッ?!ナンデ、コワレテナイノ!?≫ - 45ニューアイアンキャップ号22/04/20(水) 02:24:58
「Gベール、防御モードから推進モードに移行! 目標に急速接近!」
「『高機動捕鯨砲』スタンバイ!・・・目標・・・くぅ・・・後部右から三番目のブースター!」
「どれに当たってもいい!・・・あの馬鹿みたいな大推力スラスタ・・・どれを壊しても奴の姿勢を崩せる!」
「・・・今だ! ブチかませ!!!」
(ボシュッ! カラカラカラ・・・ゴン!)
「刺さった!・・・このまま奴自身に・・・『アガートラーム』まで引っ張ってもらう!」
「・・・全く!・・・ボーズ艦長も・・・無茶なこと言いやがる!・・・『爆風に乗れ』だなんてな・・・!?」
【時間は遡って、『重巡アガートラーム』の亜空間魚雷装填シーン・・・ >>39 】
「・・・いや、弾頭は広域爆風弾頭を装填する」
「え!? いや、でも巻き込む気はないって艦長自身が・・・」
「Gベールには船体の防御機能もある、それに『N-ICAP号』は頑丈な艦、炸薬量を調整すれば充分耐えられるはずだ」
「・・・了解、まあどの道『魚雷』じゃ当たりませんしね」
「どうやら、勘が当たったようだな・・・奴はまだ、『Gベール』の機能全てを見ていない」
「奴の判断能力にもよりますが、『防御にも使える』ことが分からない以上、自分に当たらない魚雷は―――」
「予想通り、無視したということだ・・・結果として、『N‐ICAP号』は、奴に追いつくことが出来た」
「目標減速! 『N‐ICAP号』に引っ張られています!」
「そのまま進路変更! 狙いを切り替えたようです!」
「潜行完了まで、5、4、3、2、1―――潜行完了!」
「これで勝利への道筋は整った!――― 艦種発射管に亜空間魚雷を装填!」
「了解! 動きが鈍ってる今なら当てられる!1番から3番にコンテナミサイル弾頭装填!」
「4番から6番は弾頭なし、亜空間深度0で待機、次元境界面を開きます!」
「発射管開け―――亜空間魚雷、テェッ!!!」
- 46一騎打ち22/04/20(水) 02:34:09
「目標反転! こっちに来ます!?」
「Gベール、攻撃モードでスタンバイ! もう逃げる必要はねぇからな!――― 奴の横っ面にビンタをかましてやる!」
『警告:[トップ]の重力波出力、急速に上昇! 重力衝撃波を形成しています!』
≪・・・55バンスラスタ、サクレツヨウイ!・・・ソッチガソノキナラ・・・コッチモ『奥の手』・・・!!≫
『機銃を制圧モードにセット! [トップ]のシールドに少しでも負荷をかければ・・・!』
「目標と『N‐ICAP号』、ワイヤーを基点に回転中・・・切り離した! 8の字を描いて最接近!」
「亜空間魚雷浮上! 到達まであと1分!
「両艦、接触まであと 3・2・1―――」
「『――― 今!」』 - 47ニューアイアンキャップ号22/04/20(水) 02:51:19
「―――どうなった!」
「接触と同時に爆発! ノイズが増大して様子が分かりません!」「亜空間魚雷接触まであと30秒!」
「―――確認! 爆風から出てきたのは―――奴です!」
「クソッ! ダメだったのかよ・・・」
「・・・」
「いいえ、兄さん達の勝ちよ♪」
「―――爆風から遅れてもう一機! 『N‐ICAP号』です!」
「奴が進路を変えました! 接近する魚雷から離れていきます!」
「なんてこった、やりやがったぜアイツら!」
『こちら鋼の作業帽、突入ポイントはどこだ! もうエンジンが持たん!』
「そこから5-6時方向30km先です! もう閉じる寸前よ、急いで!」
「了解! Gベールを突入モードにセット!」「ヒューズが切れた! メインエンジン、温度急速上昇!」
「奴が魚雷を全部撃ち落として反転してきたぞ!」
「ここまで来たら一発勝負だ! 次元境界面まで 5・4・3・2・1――――突入!!!!!」
(ガンッッッッッ!!!!! グォオォオォォオォォォォォ・・・チャポン・・・)
【テケテケの最後の一撃は、しかし極上の獲物を捕らえること能わず宙を切る・・・鋼の作業帽達は逃げ切った!】 - 48重巡『アガートラーム』22/04/20(水) 03:07:08
【数時間後・・・】
(コーン・・・コーン・・・)
【ドッキングアダプタを塞がれたため、『N‐ICAP号』をロケットアンカーで無理やり艦底部に固定している】
『まったくヒデェ目にあったぜ・・・んで、状況は?』
「奴はこちらを諦めたようだ・・・先程までいた宙域から離脱したことを確認」
「ついでに朗報よ♪ ・・・実は後ろから連邦の次元潜行艦が着いて来てたんだけど・・・」
『え゛、それ初耳なんだが・・・』
「『彼女』を追跡するために、一隻離脱したみたい☆ そのうち連邦軍が本格的に来るでしょうね♡」
『つまり、取り敢えず危機は去ったってことだな・・・んじゃ、『マーメイド』の行方について、じっくり聞かせてもらおうか・・・』
「そ・の・ま・え・に♪・・・兄さん達に朗報があります!」
『オイ、はぐらかすn「新しいレースが開催されるそうよ♡」・・・え?』
「場所は三国の無干渉宙域、開催社はルシリス自由貿易社」
『・・・・・・』
「というわけで♪・・・『アクアリーフ3840星』についたら、取り敢えず兄さん達の艦を修理するわ♡」
『・・・いいのか? 俺達が離れちまっても・・・』
「どのみち修理でしばらく動けないもの☆ 休暇だと思って存分に楽しんできたらいいわ♡」 - 49重巡『アガートラーム』22/04/20(水) 03:20:31
『・・・そう言えば一つ気になってたんだ、『社長』、あんたなんで奴をハッキングしなかったんだ?』
「あら、それは『マーメイド』ちゃんの行方より大切なこと?」
『単純に、奴にネットワークとの接続機能がないってことも考えたが、アンタなら抜け道の一つや二つ、簡単に思いつくだろ?』
「そうよね~・・・なんでしなかったと思う?」
『・・・はぁ・・・『同居人』、テメェの妹も大概意固地だな・・・』
『そういうとこが、見捨てれない理由の一つでもあるのさ・・・ココノハ』
「なぁに、兄さん♡」
『お前も休め、だいぶ無理してんだろうが・・・後は何とかしてくる』
「・・・それじゃ、お言葉に甘えさせてもらうわ♡ お休みなさーい♪(バタッ)」
「えっ・・・社長ー!? い、急いで医務室に運べー!!!」
『・・・さて、ココノハが頼れない以上、俺達が修理費を稼いでこねぇといけねぇな!』
『まったく、また妙な約束を作っちまったもんだぜ・・・ボーズ艦長!』
「レースが終わるまで、ツケ払いで待ってもらえるよう交渉してみるつもりだ」
『スマン、恩に着る・・・そんじゃ取り敢えずは、修理と行きますか!』
【―――その後、鋼の作業帽一行は無事『アクアリーフ3840星』に到着】
【いち早く修理が完了した『N‐ICAP号』は、何人かの人手を連れた上で、単独でレース場に向かった・・・】
【レースが終わるまでは、保守代わりの短編を投下する感じで持たせます―――『次回、対決No.3!』、お楽しみに】 - 50おまけ22/04/22(金) 01:59:54
【『アクアリーフ3840星』が所属する星系外縁部、『オールトの雲』付近にて・・・】
(ゴォォォ・・・)
≪・・・ウゥ・・・ヒドイメニ・・・アッタ・・・≫
『警告:損傷率67%、研究所への帰還を推奨します』
≪・・・ヤダ・・・アソコニハ・・・カエリタクナイ・・・≫
『・・・』
(ザザッ、ザー・・・ピヨン!)「・・・も・・・し、もしもし応答せよ、こちら『前線基地』」
≪!・・・ア・・・[エキチョウ]・・・!≫
「今回も無事に帰ってこれたようだな・・・すぐに整備の準備をするから、今日も『外泊届』を出しておきなさい」
≪・・・ネェ・・・コンカイモ・・・イイヨネ・・・?≫
『・・・了解:これより本艦は[キサラギ駅]へと帰還、修理と補給を実施します』 - 51とある一幕22/04/24(日) 21:46:48
【アクアリーフ3840星、とあるレンタル整備ドックにて・・・】
「社長? 何作ってるんですか?」
「ん~・・・『衣装』かな☆ ちょっと思いついた戦法があって、そのために必要なの♪」(縫い縫い)
「?はあ・・・ところで、さっきから領収書が山程来てるんですけど、今度はなにやらかしたんですか?」
「ああ、ちょっとね・・・連邦のおじ様とネット上で『模擬戦』をしたの☆」
「・・・それ、いかがわしい意味ですか?」
「もうっ<(`^´)>失礼ね・・・『次元潜行艦』をテーマにして、様々なパターンを想定した仮想空間での戦闘を行なっただけよ♡」
「さらっとすごいことしてますね・・・具体的にはどんな内容で・・・?」
「だから『様々』よ・・・ざっと『指揮官候補生100人100通り』、計『1万パターン』の戦法を試したわ☆」
(ブーーー!?)「嘘ォ!?!? え、いつの間に!?」
「ついさっき♪ 寝てる間の『3時間』ってとこね・・・並列思考で終わらせれば簡単よ♡」
「それに・・・大半の『若葉』ちゃん達は序盤の30分以内に終わらせたから・・・実質、『13人』くらいしか相手にしてないわ♪」
「あー・・・それで、これは相手から支払われた『講習料』ってことですか・・・」
「うわぁ・・・さらっと『一人一人個別に対応した』ことになってるから、人数分でえげつない額になってる・・・」
「前々から思ってたけど、この人一体何者なんだ・・・?」
「でもこれで、『帽子』さん達がどう転んでも『修理費』について心配しなくてもよくなりましたね」
「・・・まぁ、法に抵触してないなら、いっか!」
- 52鋼の作業帽22/04/27(水) 19:47:23
オーライ、オーライ、はい下げて・・・(ガコンッ!)OK、配線繋げてくれ!
・・・よし、これで『アガートラーム』の修理と補給は完了!
レース参加で離脱してた面子も全員集合、ついでに『今後の活動資金』も貯蓄完了ときた!
それじゃ改めて、中断してた『キャメロット星系』への航海を再開するぞ!
総員乗艦! 発艦シークエンス始め!
「反水素反応炉からセルモーターへ動力供給開始!」
「クアッドボソンフライホイール、回転数30000rpm超過! サブエンジン点火・・・成功!」
「相転移炉『乙女の聖域』、クリスタル励起、アルビオンフィールドの形成確認、メインエンジン点火・・・成功!」
「武装システムチェック、主砲、VLS、各発射管、全て異常無し!」「慣性航行システム、誤差0.027%、修正開始・・・完了!」
「防御システムチェック、CIWS、対空ミサイル、稼働正常!」「レーダーシステム、亜空間ソナー感度良好! 通信システム、オールグリーン!」
「各艦載機システムチェック、『ウェアウルフ5』『カルロン4』『クアイール5』『ラビット5』『N・ブギョー10』全機同期完了!」
「『###』システムチェック、異常無し!」「次元バラストタンク、圧力値正常!」
「『イオンウィング』『エーテルラダー』『正式BGCA機動舵』稼働正常、誤差フィードバック完了!」
鋼の作業帽「全行程確認完了!―――行くぜ、重巡洋艦『アガートラーム』、発進!!!」 - 53閑話休題22/04/30(土) 01:27:08
(コーン・・・コーン・・・)
「本部へ、こちら『149』、ゲート通過時に『不明襲撃船』をロスト、現在捜索中」
・・・ふむ、やはり一筋縄ではいきませんか・・・いったい何なんでしょうね、『アレ』。
彼らはよくも退けられたものですねぇ・・・。
「本部へ、こちら『265』、『アガートラーム』がアクアリーフ3840星を出航、追跡を再開します」
・・・分かりました、そちらは引き続きお願いします。
仕方ありませんね・・・何か情報が入るまでは、与えられた任務に専念するとしましょうか・・・
・・・いや、あえて『ぶつけてみる』のも手か・・・?
(コーン・・・コーン・・・) - 54重巡『アガートラーム』22/05/03(火) 01:20:39
【連邦首都星近傍、キャメロット星系まで残り半分の地点にて・・・】
≪~♪~~ッ♪・~~~~~♪≫
【増設された第二艦橋、この艦においては『食堂』の次に広いスペースを有している、その中央部にて・・・】
(キュィィィン・・・カチャッ、ゴトッ)「・・・よし、艦長席と専用機材の取り外し完了!」
(カポッ、ズルズルズル・・・パチパチ)「こっちは音響機材の調整がまだだ、手が空いたなら手伝ってくれ」
(タッタッタ・・・・ドスッ、ゴソゴソ)「ねぇ、マイクスタンドって『グリップ付き』のこれでいいのよね?」
「・・・『社長』がアクアリーフ3840星で色々買い込んでたと思えば・・・『ライブステージ』の組み上げとはね・・・」
「あの星のドックで縫い上げてたのも、このための衣装だったんですねー・・・デザインも『社長』が?」
「フフッ、違うわ♡・・・昔知り合った『指揮者』のおじ様に頼んだの♪ あの人こういうの大好きだし☆」
「うわぁ、絶対碌でもない伝手だよこれ・・・ところで、このステージで誰が歌うんですか?」
「?、私に決まってるじゃない?」
「・・・え、社長歌えるんですか!? クソ雑魚体力なのに!?」
(ズルッ!)「・・・ちょっと! 今それは関係ないでしょ(o`з’*)」
「いや、歌うのって結構体力使うぞ・・・それはそれとして、音感とかは気になるところだな・・・」
「つーかお前、今更アイドルにでもなる気なのか?・・・確かにルックスだけなら銀河でもトップクラスだろうが・・・」
「おいシスコン・・・俺たちも、実際に歌う段階になって『実は音痴でした(・ω≦) テヘペロ』ってなるのは困るしな・・・」
「あら・・・じゃあ、一曲歌ってみましょうか♪」 - 55重巡『アガートラーム』22/05/03(火) 01:42:27
【――― 数分後・・・】
≪―――・・・♪≫「・・・フゥ・・・どうだったかしら♪」
「「「「・・・・・・・・・」」」」
「・・・うん、まあ・・・上手いっちゃ上手いな・・・だが・・・」
「なんて言うか・・・『機械音声』ぽいっていうか・・・ズルしてないよね?」
「失礼ね、ちゃんと生声よ💢」
「えぇ(ドン引き)・・・逆に才能ですよこれ・・・どうやって発音してんの・・・?」
「・・・同居人、俺は昔『鋼の人【マーメイド】』が歌っているのを聞いたことがあってな・・・その時と比べての感想なんだが・・・」
「言いたいことは分かってる、【感情】が籠ってないって言いたいんだろ?」
「おう・・・『社長』の歌は、まるで『楽譜をそのまま正確に読み上げた』ような歌い方だったな・・・」
「まあ、うん・・・アイツ、所謂『サイコパス』って奴だし・・・アイツにも苦手な分野はあるんだよ・・・」
「もしアイドルを目指すってんなら間違いなくイロモノ枠だな・・・声質に関しちゃ、流石に『電子の歌姫』達にはかなわねぇよ」
「・・・・・・(ピピッ♪)・・・通信傍受で聞いてた『連邦の皆』、感想は?」
≪・・・(キーンコーン♪)・・・≫
「残念、落第だってさ ╮(´-ω-`)╭ヤレヤレ」
「ムゥ・・・どうしよう、次の作戦の効果、『半分』は無くなっちゃったかも・・・」
≪「「「・・・えっ?・・・」」」≫
「おまっ!?らしくねぇぞ! 普段の分析力と構築力はどこに行きやがった!?・・・まさかまだ体調が悪いのか?」
「ち、違うわよ!・・・最低限『耳にしたくなる』出来なら十分増幅出来たの!・・・でも、ここまで皆の反応が悪いとは思わなくて・・・」 - 56重巡『アガートラーム』22/05/03(火) 02:18:36
「・・・取り敢えず、ステージ片付けるか?」
「う~ん、いや、でも七割がた組み上げちゃいましたし・・・」
「まあ、幸い『第二艦橋』は広いからな・・・邪魔にはならんし、完成させちまえば誰かしら適当に使うだろ」
「はあ・・・気を落とすなよ『ココノハ』、お前にだって失敗ぐらいあるさ、だから気にすんな(ポンポン)」
「うぅ・・・久々にがっかりした気分・・・兄さんが勝手に『ゴボゥメキ水産』の社長職を投げ出して以来だわ~」
「それまで落ち込んだことなかったのかよ『この人』・・・」
―――(ビーッ!ビーッ!ビーッ!)―――
≪第一艦橋より緊急接近警報を発令! タキオンレーダーに感あり! 所属不明の艦隊を確認!≫
「むぅ、このタイミングか・・・連邦規格による呼びかけは?」
「先程試みましたが、応答ありません!」
「ふむ・・・『鋼の作業帽』殿!」
「オフトゥン!(ヒュンッ!)」・・・『コクピットに着いた!、操艦系をこちらに回せ!』
「よろしい、各乗組員は第一種戦闘配置、通信士は呼びかけを継続・・・火器管制、相手がこのまま『主砲の射程内』に入るようなら撃て」
「宜しいのですか? 相手が『通信機』が故障した輸送船であるという可能性も―――」
「それはないわ、だって・・・あの艦、『生体ネットワーク』でこちらに干渉しようとし続けてるもの♪」
「! 接近する艦艇から『大型生体反応』を感知! これは・・・『エセリアン』の生物兵器です!」
「望遠カメラで捉えました! 『レーダーフィッシュ系×6』『新型擬態宇宙クジラ×2』! 『未確認のクモ型生体兵器×1』!」
「艦長の勘が当たったな! 今度は文句なし、万全の状態で迎え撃てるぜ!」
「エセリアン相手と明確に判れば加減は不要だな・・・火器管制、命令変更、長距離兵装の使用を許可する!」
「了解! 各発射管開け! 弾頭は広域破砕弾頭を装填!――― 艦首発射管を使います! 艦体回せ! ヨー20、ピッチ33!」
「目標捉えました! 1番2番、長距離ミサイル装填完了!――― 撃ェッ!!!」
(バシュッ!、ゴオオオォォォーーー・・・) - 57戦闘中22/05/04(水) 13:45:10
(コーン・・・コーン・・・)
「対艦ミサイル、弾着まで残り20秒・・・敵生物兵器、迎撃ミサイルと思わしき飛翔体を射出!」
「確か『あのクジラ』にはそういう性質があったはずだな・・・回避コースを取らせろ!」
「了解、回避ルート取らせます!・・・・・・ッ、1番ロスト! 迎撃されました!」
「2番、間もなく『クジラA』に着弾します、5、4、3、2、1・・・着弾!」
「・・・『クジラA』、生体反応減衰なし! やはり一発じゃ効かねぇか・・・!」
「次は向こうの攻撃が来る・・・『Gベール』展開、『ビーム攪乱幕』を収束モードで射出!」
「了解! 『Gベール』展開します! 『ビーム攪乱幕』、収束コア励起、射出!」(パシュッ・・・ボフッ!)
(・・・キュビィオオオォォォン・・・キュパァッ!)
「!敵集団、こちらに向けて発砲! 先行のレーザー兵器、ビーム攪乱幕により霧散、被害0! 減衰率残り78%!」
「敵『対艦ミサイル』、弾数8! 着弾まで残り30秒!・・・!」
「艦種発射管3番4番、二段式迎撃ミサイル装填済み、行けます!」
「主砲を速射迎撃モードにセット、迎撃ミサイル一斉射、撃ェッ!」(バシュッ!、バシュゥゥゥゥ・・・パコン!)
「・・・4機撃墜、残り4!」「主砲、速射迎撃モードヨシ! 撃ち方始め!」(キュピォン!、キュピォン!)
「・・・3機撃墜、残り1!」「CIWS 起動!総員衝撃に備え!」「了解、CIWS 起動!」(タラララララッ!)
(カッ!・・・ドォォォン)「・・・迎撃成功!」
「!敵集団内に新たな敵生物兵器を感知! これは・・・『ツリノブセ』です!」
「なに?・・・ふむ、どうやら『偶発的な遭遇』というわけではないようだな」
「あん?どういうこった?」「・・・アレは動きが鈍くてな、基本的に『待ち伏せ』にしか使えん」
「おまけに『生産コスト』が地味に大きいから、今回のように集団内に随伴させて『回遊』させてるのはおかしいの」
「であるにも関わらず、この段階で姿を見せたということは・・・索敵担当」
「了解、亜空間ソナー、ピンガ―打ちます!(ピキーン!)・・・感あり!『亜空間深度200地点』に次元潜行艦を確認!」 - 58鋼の作業帽22/05/07(土) 09:09:03
保守
- 59仮面のエセリアン22/05/10(火) 01:36:56
【亜空間対応搭乗型生物兵器『ノーチラスクイッド』、脳と目の間に増築された生体艦橋にて】
(ピキィィィーーーン!)
「敵艦がピンガ―を放ちました!・・・小規模な次元潜行反応を感知! 亜空間魚雷が来ます、数は2!」
「・・・ほう? 我々が見ているのに気が付いたか」
「流石ね・・・まだ『この子』の存在を示すようなアクションは起こしていない筈なのに・・・」
「前に『ハリグァリ』殿から聞いた通り、彼らは亜空間内における戦闘経験が豊富なのでしょう」
「自分たちの行動原理に当てはめたんでしょうね・・・それでも、ほぼ数手打った段階で『次元潜行艦』が候補に上がってくるとは・・・」
「さて皆、感心している場合じゃないよ・・・心臓圧増加、取り敢えず『エーテル境界層』まで微速後退」
「了解! 神経干渉開始、鰭微細動、微速後退始め!』
(・・・コーン・・・コーン・・・)
「敵魚雷から探針音、追尾開始しました! 距離残り400!」
「『重粒子チャフ』を噴霧、同時に触腕1番を自切して囮に使え」
「了解! 漏斗1番と汁嚢を接続、『重粒子チャフ』噴霧開始!」
「続いて触腕1番に神経系を生成、アポトーシスエンジン起動、疑似心臓の鼓動、探針音に調整完了・・・自切!」
(シュバッッッ・・・プチッ、コポコポコポ・・・・・・・・・ドォォォン)
「亜空間魚雷の消滅を確認!・・・相手からの反応なし、こちらをロストした模様・・・反撃しますか?」
「勿論、だが今は『潜行艦の戦い』ではないからね・・・引き続き『現空間の部隊』に攻撃指示」
「了解、次は『ツリノブセ』に仕込んだ『ハイヴェロパシフィック ×10』による飽和攻撃を実行します」 - 60重巡『アガートラーム』22/05/12(木) 13:53:29
「・・・亜空間魚雷の起爆を確認、されど圧壊音確認出来ず・・・目標を見失いました」
「向こうも手練れか・・・後部発射管から亜空間ソノブイを射出、曳航開始・・・再度の奇襲に備えろ」
(ピキーン!)
「レーダーに反応、『ツリノブセ』から分離する飛翔体を確認!――― 数10! 物凄い速度です、着弾まで残り7秒!」
「高速対艦ミサイルだとでも!? 迎撃間に合いません!」
「『Gベール』最大出力! 艦体回避運動! 総員衝撃に備えよ!」
「了解! ロール60ピッチ5! ヨーソロー!」
(・・・―――ドドドゴオオォォン!!)
「ッ!・・・被害報告、状況知らせ!」
「敵ミサイル生物被弾! 数3! Gベール損耗率6パーセント!」
「イテテ・・・ヘッ、上手く機能してりゃこんなもんよ! 修理の甲斐があったってもんだぜ!」
「!『ツリノブセ』がレーダーから消失! 『新型擬態宇宙クジラ』2体、こちらに向けて接近してきます!」
「奴ら、ミサイルによる効果は薄いと判断したようだぜ・・・まずいな」
「ああ、この艦はミサイル偏重型で、砲撃戦はあんまり得意じゃねぇからな」 - 61重巡『アガートラーム』22/05/12(木) 14:43:12
「・・・フフッ♪ 早速『新戦術』お披露目の時間が来たみたいね☆ ――― 艦載機、順次発艦して頂戴♡」
「敵が近づいてるこの状況でか? 万が一被弾したら・・・」
「いや、今ならまだ『Gベール』が万全に使える・・・それにあいては真正面から接近中、十分にカバー可能だ」
「それにぃ・・・今回は艦載機を『遠距離投射』させる必要が無いから、カタパルト手順なしで発艦できるの♡」
「でたぜ『シラタキ』のお家芸!――― 艦載機のコントロール、全て社長に回します!」
「全14機、ダイレクトリンクスタート♪・・・成功☆」
「まったく・・・全発艦ハッチ開放! 艦載機格納庫の艦載機ロック全開放!――― 発艦はじめ!」 - 62仮面のエセリアン22/05/12(木) 15:15:46
「・・・ホエール1から入電、敵艦から艦載機発進、数14、初期加速なし、敵艦周囲に展開中とのこと」
「長距離レーザーによる攻撃を実行・・・敵艦バリアに着弾、効果なし」
「『重力衝撃波』を応用したシールド技術・・・『改造新型擬態宇宙クジラ』の力、既に物にしていたか・・・」
「敵艦載機、輪形陣を組みながら低速でこちらに接近中」
「・・・妙ですね? これでは敵艦載機が接触する前に、こちらの射程に入りますよ?」
「こちらがそう仕向けたとはいえ、こちらに打撃を与えうる程の対艦兵装を搭載するなら ―――」
「大幅に重量が増えた機体を加速するため、カタパルトを使用するのが常識のはず・・・」
「ホエール1、2、間もなく射程に入ります」
「!レーダーフィッシュ5より入電、敵甲板VLSが展開、高エネルギー反応を確認!」
「観測したエネルギー数値から判断して、こちらに打撃を与えうる規模の砲撃と判断出来ます!」
「艦載機は囮ということか?・・・総員回避運動、一点からの砲撃である以上、射線の予測は容易だ」
「・・・でも、あの艦に艦首砲が搭載されてるなんて情報、あったかしら?」
「全機、『短距離高出力レーザー』及び『大型生体ミサイルスタンバイ』・・・砲撃はじm」
(――― ギュピィィッッ!!)
「敵艦の発砲を確認・・・!? 砲撃方向、真上です!?」
(・・・キンッ!キンッ!・・・ズガァンッ! ボン!)
「!・・・ホエール1に被弾! 3⁻3時方向!」
「ふむ? そちらにあったのは艦載機1機、こちらに打撃を与えうるほどの火力は ―――」
「敵砲撃の解析完了、これは・・・収束陽電子ビームです! 射線については・・・何これ、まるで『反射』してるみたいに・・・!?」
「――― ああ、成るほど・・・もう取り入れたのか」 - 63シラタキ・ココノハ22/05/15(日) 02:06:35
(ジーッ・・・シュルシュル、パサッ・・・モゾモゾ、キュッ!――― パシュッ♪)
【第二艦橋のステージ裏、普段の装い(ジャージ)を脱ぎ捨て、『サイバーな巫女』を思わせる衣装に着替る少女】
「接近する『クジラA』に着弾!」「状況確認! 望遠カメラ映像回せ!」
「映像回します!・・・出血を確認! 背中部分が大きく抉れています ――― 有効打です!」
フフン♪・・・今のが、連邦の『反射衛星砲』からヒントを得て作成した『新兵器』・・・。
この『アガートラーム』に搭載されている『一番威力の高いビーム兵器』はなにか?
・・・それは、甲板の『垂直爆雷発射管』に装填した『陽電子ビームカートリッジ砲』―――の、『8門同時斉射』☆
でもこれ、『収束率が低くて射程が短い』うえに、『艦の真上にしか撃てない』のが問題だったのよね・・・。
――― それを解決したのがこの兵器なの♪
前の惑星で稼いだ資金で新たに資材を購入、それを基に作成した『パラボラ型超電導単極子ミラー』・・・
『陽電子ビーム』を偏向させる性質を持ったこれで、真上に撃った『太くて収束率の低いビーム』を収束、
束ねられた砲撃は『断面積』を『速度と圧力』に変換して、長距離まで届く『細いビーム』に変化、
後はこれを、各艦載機に搭載した『ミラー』で『収束反射』させ続ければ ―――
――― 艦首砲並みの威力を誇りながら、あらゆる方向から自在に撃てる砲撃が完成するってワケなの♪ - 64シラタキ・ココノハ22/05/15(日) 02:46:24
(クルクルクル・・・カン! バッ)
【一通り説明を終えた後、衣装を翻すようにしてステージに上がる、銀の髪を棚引かせる少女 ―――】
さぁて♪ それじゃもう一つ、相手の度肝を抜くとするわ♡
全艦載機、ダイレクトリンク正常 ――― 配置を、敵艦隊を中心とした『皿形陣』に変更
「オイオイ、あの戦法マジでやるのか!?――― 主砲及び副砲、エネルギー充填完了!」
「あんな正気を疑うやり方、本当に実戦で使うなんて――― 各発射管、陽電子ビームカートリッジ装填完了!」
「相手も、こんな方法で倒されるなんて思ってねぇだろうな ――― 敵艦隊が散開!左右から方位する陣形を取りつつあり、座標再入力! 」
「――― まあでもやるってんなら・・・本気でアゲて行こうか!―――
「敵艦隊は同時発砲!レーザーを発射! 数20!」
(・・・キュガッ!! バジジジジジ!!!)「『Gベール』に着弾! 予想通りの連続制圧射撃です!」
「舵そのまま! ・・・合図とともに『Gベール』解除、全出力を各砲座に回せ!」
「これが、かつて連邦の艦隊を壊滅させた攻撃・・・だが、この『Gベール』なら十二分に耐えられる!」
「過去のデータから砲撃終了予測時間を推測、あと10、9、―――」
「――― 2、1、0! バイパス変更ゥ!――― やっちまえ『ココノハ』!!」
ええ、兄さん(スゥッ・・・)・・・ミュージックスタート♪ - 65敵艦隊22/05/15(日) 03:22:12
(キュピィィィィ―――・・・)
「ホエール2より入電・・・ダメです、敵艦のバリアに損傷ありません」
「これでも耐えうるか・・・新型擬装宇宙クジラ2体とレーザーフィッシュ6体による集中砲火、並の戦艦なら一撃で残骸に変える程の威力なのだが」
「エネルギー残量低下、レーザー照射、まもなく終了します―――――― 照射終了!」
「!敵艦がバリアを解除・・・あの砲撃が予想されます、各機散開!≪―――、―――≫・・・?」
「・・・なんだ、この音?・・・これは、『歌』?」
≪――― かわいい銀翼出番はここよ? 銀の腕狙うお魚8つ♪ ピカピカ鏡を号令揃え!≫
≪カウント省略0さあ行くわ!――― 光の網に 飛 び 込 ん で !!!≫
(・・・キンキンキンキン!! キュピピピピピォォォォン!!!)
「!? て、敵艦発砲! ビーム本数は・・・ひゃ、100以上!」
「なんだこれ・・・戦場が無数の光線に埋め尽くされて・・・まさか、周囲に展開した艦載機すべてから!?」
「一発一発が艦載砲並みの威力、クジラは耐えられても・・・レーザーフィッシュB、D、F 被弾! 反応途絶!」
「流れてくる歌に合わせて縦横無尽に射点が変更されています! 射線の予測出来ません! 回避不能!」
「先程と同様の『反射砲撃』――― ですが、今度はワザと拡散させています! 一体どこからこれだけの出力を・・・?」
「・・・事前の情報通りなら、あの艦には『超高出力』の炉心を積んでいるそうなので、全力で動かせば恐らくは―――」 - 66仮面のエセリアン22/05/15(日) 03:48:20
・・・ハッハッハ!(快笑)まさかこんな戦法を取ってくるとは!
成るほど、この戦法の本質は『艦載機の数と機動性を維持したまま』『艦艇並の攻撃力』を付与できる点にあるわけか!
一隻の艦がどれほどの火力を持とうとも、『一点』から撃つ以上、射線を予測して回避するのは容易。
また、艦載機が攻撃する場合も基本的に同様・・・『対艦ミサイル』等の『遅い攻撃』は、
機体の進路から大体どの艦が狙われるかわかりやすい分、撃たれてからも迎撃は十分可能だ。
――― だが今回の場合、艦載機はあくまで『ビームの受け皿』に過ぎん!
ミラーの方向さえ変えてしまえば、例え機体の進路と異なる向きであってもビームを反射させることが出来る!
これでは、どの機体がどの艦を狙うかなど予測することは不可能 ――― おまけに、しっかりと火力も出せている!
「感心している場合ではありません! こちらの損耗率が拡大し続けています!」
「クッ・・・こうなったら、『テンモウオモイカネ』のジャミングを最大にして、相手指揮官の脳みそを焼き切って―――」
・・・止めておくといい、『あの子』の力は、こちらの切り札よりも上だよ?
下手をすれば、逆に『クモ』経由でこちらの情報を抜き出されかねないさ。
(・・・ピピッ♪)・・・そうか、うん、ではそうしよう。
さて、幸いこちらの用は済んだのだから・・・ここで切り上げるとしようか。
ノーチラスクイッドの触腕に吊るしておいた発射管を開け、『ハリグァリ』君経由で入手した『特殊な亜空間魚雷』を射出。
「・・・炸裂を確認『テンモウオモイカネ』、亜空間に沈降開始」
OK、それじゃあ『クジラ』達が敵の目を引き付けている間に・・・『クモ』を回収して離脱させて貰うとしよう。
――― 『ハチベェ』に『ココノハ』、今度はちゃんとした場で会わせてもらうよ・・・じゃあ、またね - 67重巡アガートラーム22/05/18(水) 03:43:49
【敵勢力の撤退から数分後、第二艦橋にて】
「ゼェ・・・ハァ・・・フフ、どうだった、兄さん・・・私の・・・歌・・・」
「・・・・・・うん、よく頑張ったな、『ココノハ』」
「・・・歌の・・・感想は・・・ないのね・・・キュゥ(バタン)」
「ああもうまたですか! はいはい急患通りまーす! 道開けてーーー!」(バタバタ・・・・)
「まったく人騒がせな『社長』なこって・・・んで、今回の被害は?」
「今確認している・・・ふむ、艦のダメージはほぼなし、実体弾薬の消費量も通常戦闘と同等程度・・・」
「互いの被害から見りゃ、結構良い感じの戦果ですね・・・ただ、色々と無駄が多かった風に感じます。」
「・・・あくまで『切り札』ってこったな・・・毎回ぶっ倒れられても困るし」 - 68鋼の作業帽22/05/20(金) 11:21:35
保守
- 69二次元好きの匿名さん22/05/21(土) 15:41:18
このレスは削除されています
- 70鋼の作業帽22/05/21(土) 15:45:30
テスト
dice10d1000=949 841 195 9 665 647 803 967 796 90 (5962)
dice9d1000=763 25 880 572 324 489 199 156 931 (4339)
dice10d999=264 790 474 369 777 520 317 358 956 959 (5784)
dice10d2000=1988 1296 1819 385 1749 51 466 1433 248 629 (10064)
dice5d2000=967 421 1802 1145 1366 (5701)
dice1d10000=
dice1d9999=9104 (9104)
dice2d10000=
dice2d9999=9195 4824 (14019)
- 71鋼の作業帽22/05/21(土) 15:48:06
テスト
dice10d9999=6993 3167 2567 2344 8450 888 3518 9791 1906 2456 (42080)
dice9d9999=6349 5975 8210 6332 5702 7288 408 253 9008 (49525)
- 72重巡アガートラーム22/05/23(月) 20:18:34
「(プルルルッ、ピッ♪)・・・スマン社長、落ち込んでるとこ悪いんだが・・・レースの時間だ! ちょっくら行ってくらぁ!」
「・・・おっとそうだな! 悪いな『ココノハ』、続きはレースの後ってことで―――」
【突然のレース開催の知らせ・・・それに乗じて逃げようとするバカ2名・・・だが】
(ガオンガオンガオン!・・・ガシャン!)【通過しようとした直前に閉鎖される艦内隔壁】
【―――『同居人』が、ふと服に違和感を感じ・・・振り向いた先に、シャツの端をつまんで頬を膨らますのは・・・】
「・・・・ら」
「え?なんだっt」
「今回のレース、私も参加するから!(プクーッ)」
「「・・・・・・・・・はいーーーーー!?!?!?」」
「お、おい『社長』・・・いくら何でも突然過ぎちゃ」
「全員社長命令! 今直ぐ『ニューアイアンキャップ号』を三人乗りに改造しなさい!」
「りょ、了解! 総員直ちに準備に掛かれ!」
「急げ急げ! 遅れたら何されるかわかんねぇぞ」
「・・・レース機のGに耐えることで、身体を鍛えようって算段なのか・・・? いや、そんなわけねぇか?」
「『乙女心は複雑』ってやつなのかねぇ・・・・・・って俺も乗るのかよ!」
「なによもう・・・昔の『第五迎碧丸スーパー改』と違って、積載量にはかなり余裕があるでしょう?」
「うへぇ・・・おれ、かっ飛ばすときは一人がいいんだけどなぁ・・・」 - 73鋼の作業帽22/05/24(火) 05:27:09
- 74鋼の作業帽22/05/24(火) 05:32:19
- 75ココノハ22/05/26(木) 22:37:46
ココノハ(負傷&暗躍時)
趣味丸出しメーカー作者の趣味が丸出しメーカーです。アイテム数豊富で無駄に凝れます(/・ω・)/
皆さんの趣味も丸出しにしてください♡
眉とアホ毛の稼働領域広いです(*'▽')
(ランダム非推奨・一部流血表現アリ)
アイコン利用、創作キャラ化、設定画等々ご自由にどうぞ!
使用の際のクレジット記載は任意ですが、トラブル防止の為オススメします。
× アフィリエイト含む金銭、商用目的での使用
× 作成した画像について自作発言、自作と勘違いされる企画や二次配布等の行為
× 他者に対して攻撃的な用途
× 原形が留められていない加工、悪意ある加工
二次創作等の投稿などには、必ず各規約に則って頂きますようよろしくお願いします。
また、本メーカー製造物にて発生したトラブルに関して、製作者は責任等負いかねますのでご了承下さい。
(制作者:ヨイコ)
+・+・+・+・+・+・+・+・+・+・+・+・+picrew.me - 76アウストレリア防衛部隊22/05/27(金) 22:12:22
- 77鋼の作業帽22/05/27(金) 23:07:07
(1/2、ちょいお待ちを・・・)
「第一陣、撃破に成功しました! 地上への降下部隊、現時点では確認できず!」
「『赤の女王』の参戦を確認! 同盟政府へ追加報酬の申請をお願いします!」
「それと朗報が一つ! 万が一に備えて『軍基地の外』に待機していた一部部隊の生存を確認!」
「よしっ! このまま突出した戦力から順番に・・・!惑星周辺の空間に異常を検知!」
「これは・・・超広範囲に渡る『次元断層』が形成されつつあり!」
「このままでは、『本星から防衛ステーション群』までの空間が隔離されます!」
「もしそうなったら・・・直接侵攻することはおろか、ワープでも突破出来ないので、本星周辺の艦隊が孤立してしまいます!」
(2/2、お待たせしました、ではどうぞ!)
「敵『超戦艦クジラ』、レーダーからロストしました!・・・なんらかのステルス機能があるっていうの?」
「敵集団接近! 『イルカ』『シャチ』そして『新型擬態宇宙クジラ』で構成された、砲雷撃艦隊です!」
「先程より規模が大きい模様!・・・狙いは第二防衛ステーション!」
うぅ・・・と、とにかく地上部隊の準備が整うまで、このまま降下されることだけは防がないと!
皆さん! 第二ステーションの防衛を開始してください! それと、余裕があれば『次元断層』の『発生源』の特定を手伝って下さい!
【エセリアン大襲撃、ステーション防衛戦線、開始】
・まずは『第一防衛ステーション』方向から接近してきます。
・赤の方向から敵が襲撃中、黄色の方向は敵が接近中です。
・『発生源』については、まだ判明しない方向で・・・
・次展開への移行は、『明日9:00』を予定していますが・・・変更の申し出があれば是非!
- 78シラタキ・ムツヒ(スペオペ)22/05/28(土) 09:03:19
(1/2、ちょいお待ちを・・・・)
「第ニ波、なんとか撃破に成功しました! 地上への降下部隊、未だに確認できず!」
「次元断層展開率50%を超過! シールドビットの展開によって当初の予想ペース(75%)を下回ってはいますが、未だ広がり続けています!」
「既に『二つの衛星』方面は遮断されました!」「っ・・・原因の特定を急いで!」
「・・・何か違和感があるな・・・前回は多少の被害に関わらず、数に任せて降下させていた筈・・・?」
「敵集団接近!・・・だ、大部隊です!? 構成は『イルカ』『シャチ』『新型擬態宇宙クジラ』―――」
「―――中央部に『改造新型擬態宇宙クジラ』を確認! 既に『重力衝撃波フィールド』を展開しています!」 - 79シラタキ・ムツヒ(スペオペ)22/05/28(土) 09:04:33
(2/2、お待たせしました、ではどうぞ!)
「周囲の帯に振れただけでも『光に分解される』超兵器・・・あれが直撃したらひとたまりもないぞ!」
「おまけに、こちらの攻撃も分解されて碌に効きません・・・どうにかしてアレを引き剥がさないことには・・・!」
「該当部隊の狙いは第三防衛ステーション! 現在包囲陣形を取りつつあり!」
・・・皆さん! 『第三ステーション』の防衛を開始してください!
あの改造新型―――『仮称:ゴルディック』対策に、虎の子の『超大型反重力ミサイル』を一発だけ用意しています!
すさまじいドンガメですが、確実にあの『重力衝撃波フィールド』をはぎ取れるはずです!
途中で撃墜されないよう、着弾までミサイルを守り切って下さい!
【エセリアン大襲撃、ステーション防衛戦線、開始】
・今回は『第三防衛ステーション』方向から接近してきます、大艦隊です!
・赤の方向から敵が襲撃中、黄色の方向は敵が接近中・・・茶色の模様の部分が『次元断層』です。
・次元断層の広がりは食い止めてOK! 縮めるのは無しで。
・『ゴルディック』対策として、ドンガメ大型ミサイルを用意しました! 着弾まで守り切りましょう!
・『発生源』については、判明はまだですが・・・実は『どちらかの衛星』に隠れてます、ロールへの組み込みをどうぞ!
・次展開への移行は、『17:00頃』を予定していますが・・・変更の申し出があれば是非!
- 80鋼の作業帽22/05/29(日) 23:53:11
- 81鋼の作業帽22/05/31(火) 22:08:50
今日の商品は『不毛な喧嘩』、代価はテメェの命(タマ)一つ、――――さあ、商売の時間だぜ!!!!!
対『エセリアン■▪■■■氏族』戦のプロット、【二つの滅亡】―――鋭意構築中・・・ - 82シラタキ・ムツヒ(スぺオペ)22/06/03(金) 02:53:56
プロット取り消し
- 83シラタキ・ココノハ(スぺオペ)22/06/04(土) 18:23:06
- 84シラタキ・ココノハ(スぺオペ)22/06/04(土) 18:23:50
- 85シラタキ財閥宣伝ブース22/06/07(火) 16:47:57
保守、あっぶない。
- 86シラタキ・ムツヒ(スぺオペ)22/06/09(木) 04:17:57
- 87シラタキの人(スぺオペ)22/06/10(金) 01:17:05
次元潜航艦『フェルニゲシュ』
- 88シラタキの人(スぺオペ)22/06/10(金) 03:02:30
- 89シラタキの人(スぺオペ)22/06/11(土) 04:49:39
- 90シラタキの人(スぺオペ)22/06/12(日) 03:21:45
- 91シラタキの人22/06/14(火) 02:56:15
【カオス没提案】
・・・・・・えーっと、最初から『対神メタキャラ』を登場させるには・・・なんとか言い訳を付けて、
『そもそも特定個人を差さない、しかし今後現れるであろう『神的上位存在』相手を想定して試作していたプロトタイプ』
って感じにすれば・・・苦しいけど・・・まあ・・・なんとか・・・?
・・・あとは・・・『スぺオペ悪役』の居城、「次元潜行艦『■■■■■』」の中に『まつろわぬ神の幼体』を積んで、千里眼対策を施して・・・
・・・ほら、物語にもよくある手法、『布を被って姿を隠した何者か』ってやつです。
スぺオペ悪役が『メタ事情』を知っている前提で、かつ『プロトタイプ』を導入する前提なら―――
あとこいつ、鳴り物入りの言い方をしましたが・・・『 量 産 型 』です、あとからいっぱい出てくるよ!
そうですね・・・序盤、『英霊剣豪4騎集合』のところ、そこで『リンボ』を狙おうとた瞬間、
何もない空の一点が赤く泡立ち、轟音と共に『筒のようなもの(亜空間魚雷)』が勢い良く突き出てくる。
それが、ゆっくりと割れた直後―――眼前に迫った『機械の刃』を、神はまるで『予知していたかのように』最小限の動作で回避して蹴り上げる。
謎の人影は蹴りを交わして再び相対し・・・その間に『リンボ』は逃走してしまった。・・・これならどうです? - 92鋼の作業帽22/06/17(金) 00:45:56
こっちに貼り付けてメモ
>「母上と呼んでもいいですか?」「構わない」
ピキーンって来た! 『ザ・ボス』のイメージをベースにして・・・うん、髪は後ろで束ねてしまおう! 前髪は緩いウェーブ2~3本ってとこで。
これだと経産婦よりも戦士よりのイメージになってしまうけど・・・今までのゆるふわイメージよりもしっくりくる。
目も若干釣り目気味かな?・・・でも口元は割と緩やかでいいかも、立ち方も自然体に構える感じで。
よし、ラフ描こう。
- 93鋼の作業帽22/06/19(日) 06:49:46
HOSYU
- 94鋼の作業帽22/06/20(月) 12:32:39
メモ
『アル友さん』・・・・ラフと構図作り中
『神さん』・・・・・・ラフと構図作り中
『改造技師さん』・・・線画作り中
『マネモブさん』・・・ラフ作り中
『けん玉勇者ちゃん』・まだ
『ムツヒさん』・・・・集合絵の構図思案中
『ココノハ』・・・・・まだ、依頼用のラフ作り中
『サーの方』・・・・・まだ
『イツワさん』・・・・依頼用のラフ作り中
『R・ルドラさん』・・背景モデリング中
『N-ICAP号』・・・・・三面図作成中
あとスペオペでも、お銀主役の襲撃用の宇宙ステーションの簡易図を・・・今回は無くても良いかな? - 95(シラタキの人)22/06/23(木) 08:31:32
- 96(シラタキの人)22/06/23(木) 18:08:51
- 97玩具の兵隊22/06/26(日) 08:41:24
こんなスレもあるのか…いいな…
- 98シラタキの人22/06/26(日) 11:00:59
- 99シラタキの人22/06/29(水) 03:01:32
- 100シラタキの人22/07/02(土) 02:53:58
- 101鋼の作業帽22/07/03(日) 03:26:35
- 102鋼の作業帽22/07/05(火) 22:02:30
保守