閃略兵器-Evil★Twinアストラム その8

  • 1くれくれ幽霊乞食22/04/14(木) 19:32:10

    はい、8スレ目です。

    アローヘッドを確認!!召喚条件はエクストラデッキより特殊召喚されたモンスターを含む効果モンスター2体以上!

    星鍵士リイヴ!Evil☆Twinキスキル!Evil☆Twinリィラ!閃刀姫レイ!閃刀姫ロゼ!S-Force乱波小夜丸の6体をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!現われろリンク8!星鍵スケコマシ野郎アストラム!!


    前スレです

    閃略兵器-Evil★Twinアストラム その7|あにまん掲示板まだできてなかったのでリンク7です。↓前回https://bbs.animanch.com/board/457498/?res=197bbs.animanch.com
  • 2くれくれ幽霊乞食22/04/14(木) 19:34:26

    10まで埋めがてら今のところの陣営

    星遺物陣営

    代表者 アウラム、ニンギルス、(イヴ)

    何かしらの事情で現代にたどり着いた星遺物の陣営。基本的にはこの二人のみだがまれにイヴも登場する。
    だいたい覚悟ガンギマリクソボケ。

  • 3くれくれ幽霊乞食22/04/14(木) 19:35:52

    Live☆Twin

    キスキル、リィラ

    アウラムをとある事情で拾うことになったバーチャルユーチューバー兼怪盗。関係性は曰くペット。どちらかというとアウラムの人間関係に呆れてる比率が多い気がする。

  • 4くれくれ幽霊乞食22/04/14(木) 19:38:46

    閃刀姫

    レイ、ロゼ

    特殊な剣により換装を繰り返す戦い方をする。正確にはロゼは元列島(レイ陣営の敵)
    アウラムとの関係は妹分的な関係(どっかの誰かのせいでレイにはクソ雑魚恋愛属性がついている気がする)

  • 5くれくれ幽霊乞食22/04/14(木) 19:41:49

    S-Force

    代表者 ジャスティファイ、乱波小夜丸

    時空を超えて秩序を守る警備団。様々な種族が入り乱れるため、このスレにおいてはパラディオンが後世に伝わり姿を変えた説もある。
    関係性は新入り(及び後輩)

  • 6くれくれ幽霊乞食22/04/14(木) 19:44:59

    クロノダイバー

    リダン、リューズ、パーペチュア

    時を賭ける怪盗。その行動内容と技術力からアウラム、ニンギルスに過去にいく方法を探すことを依頼される。どちらかというとニンギルスと仲がいい。基本的には友達関係(多分一番男陣営は落ち着く)

  • 7くれくれ幽霊乞食22/04/14(木) 19:47:17

    I.Pマスカレーナ

    組織というか単体。情報屋でありどんな情報でも盗む。S-Forceの小夜丸とは深い(あさい)因縁がある。
    アウラムとの関係性は複雑!!重くなったりLIVE☆twinと愉悦してたりすることも。

  • 8くれくれ幽霊乞食22/04/14(木) 19:50:20

    エクソシスター

    エリス、ステラ、イレーヌ、ソフィア

    最近出てきた新生。悪魔祓いの使命を背負い旅をする。
    アウラムとの関係性は最初に案内してくれた少年でありなんかドキドキさせる子!子供陣営のほうが恋愛を強くしたどっかの誰かがいる!ところでシナジーとかないのにすごい流行ってるのは本当になんでなんだろう…?

  • 9くれくれ幽霊乞食22/04/14(木) 19:50:44

    なんか一個余ったは!!!これで10!!!

  • 10くれくれ幽霊乞食22/04/14(木) 19:51:29

    9だよ。

  • 11くれくれ幽霊乞食22/04/14(木) 19:55:57

    あの………200で修羅場入ったんですが前スレ…???

  • 12二次元好きの匿名さん22/04/14(木) 20:00:45

    新スレだ!!
    召喚条件を エクストラデッキより特殊召喚されたモンスターを「含む」とすることで、メインデッキ面子もリンク召喚に関われるようになっている・・・だと??
    修羅場は修羅場でも食べ物関連かもしれないし(震え声)。冷蔵庫のスイーツをうっかり食べちゃう感じの・・・

  • 13くれくれ幽霊乞食22/04/14(木) 22:44:07

    人には戦わねばならない時がある。それは例えば宿敵に出逢った時、愛するものを守るとき。乗り越えるべき相手を超えるためというのもあるだろう。しかしそういった極限状態でなくてもそういう状況は起きることがある…

    「……アウラムは私達がもらう。」
    「いいや。アークロードは私達に付き合ってもらう。」
    「……譲れませんね。」
    「そうですね…お互いに引く気がないですもの。」
    「…………………」

    アウラムは空を仰ぎ、「どうしてこうなった」と叫びたくなる衝動を堪えた。

    遡ること数十分前。アウラムはS-Forceとしての仕事もなく家事もキスキル、リィラ達が担当の日であり手持ち無沙汰にしていた。早い話が暇なのである。これがもしも事前にわかっていたことならば誰かのところに行くことも考えていたが生憎と家事の日を忘れていたために約束もない…暇なのである。

    「うーん…剣の修行…場所がない…鍛冶や裁縫…材料がちょっと…うーん……現代でこれといった趣味がないからどうしたものか…」

    思えば現代に蘇ってからは誰かしらが隣りにいることも多く
    などと悩みながら街を歩いているとき。

    「アウラムさん?」
    「ん?レイ!ロゼ!」
    「こんなところで運命?」
    「端折りすぎてよくわからない壮大なことになってるよロゼ!?…アウラムさんは買い物ですか?」

    アウラムに話しかけたのはこの世界でも(現在)2人しか確認されていない閃刀姫であるレイとロゼであった。

  • 14くれくれ幽霊乞食22/04/14(木) 22:45:28

    「いや、今日はやることなくってさ…とりあえず街まで出たは良いんだけどどうしたもんかって…」
    「それなら今から私達とスイーツ巡りする?」
    「スイーツ巡り?」
    「実はこの辺りこの一週間の間世界中のスイーツが集まるスイーツ祭になってるんです!私達もそれをこの前聞いて折角の休日ですから来てみたんです。」
    「というか、この前アウラムにも連絡したね。」
    「あー……その時は完全に家のことあると思ってて断っちゃったからね…」

    ちなみに流れとしては緊張しまくったレイが「明後日予定ございますか!?」と聞き「あ、ごめん。家のことあるから……」という断られ方をされていた。レイはちょっと泣いた。

    「そういうことなら同行を…」
    「アークロード様?」
    「って…イレーヌにソフィア?」
    「やぁ、こんなところで奇遇だね。」

    3人が話していると今度はエクソシスターのイレーヌとソフィアが話しかけてきた。

    「アークロード?」
    「あっ…(レイ、ロゼ…実は……)」
    「(…なるほど、それでアウラムさんは彼女たちにアークロードと名乗っていると…)」
    「(そういうコト…悪いんだけど口裏を合わせてもらってもいいかな…?)」
    「(アウラムがそう言うんなら。)」
    「(任せてくださいアウラムさん!)」
    「…もういいでしょうかアークロード様」
    「う、うん大丈夫だよ。」

    コソコソと情報共有が終わったところで少し不満そうなイレーヌが声をかけた。

  • 15くれくれ幽霊乞食22/04/14(木) 22:46:11

    「「(むっ……)」」
    「(姉様、ちょっと露骨だよ?)」
    「(…すみません、つい感情が先走ってしまい…)」
    「(もう、アークロードに対して暴走しそうになるんだから…)そういえばさっきその子達がアウラムって言ってるのちらっと聞こえたけど、あだ名?」
    「あ、あー………いや……えっと……」
    ツンツン「(アウラムさん、子供の時の姿はアヴラムって名乗っているんでしょう?それならアウラムを本名と言ってもどうにか誤摩化せるのでは?)」
    「(必要なら私達が口裏を合わせる。私達に任せて。)」
    「(そ、そっか、ありがとう…なら…)えっと…アークロードはS-Forceのコードネームみたいなもので、本名はアウラムなんだ。」
    「……アウラム……」

    イレーヌに対し何かを感じたのかレイとロゼはアウラムに積極的に近寄りながら彼をサポートする…ロゼに至っては「私達」と強調している。
    一方イレーヌの方は初めて知った彼の本名をゆっくり口にし、確かめるようにしている。

    「アウラム…ってことはやっぱりアヴラムとは兄弟なの?名前似てるけど。」
    「え、えっと…」
    「彼は貴方の言うようにアウラムの弟。ただ反抗期だからなかなか顔合わせてくれないんだって。」
    「そうなの?」
    「そ、そんな感じかな…」
    「…まあ、兄弟仲良くしないとだめですよ?」
    「あはは…気をつけます…」
    「っと…そろそろスイーツイベントが始まりますね…」
    「まあ、本当ですわ。」
    「そろそろ行かないとだね」
    「(よし、ナイスレイ!)」

    ある程度嘘をついたところでレイがタイミングを見計らい話の方向を変えた、これで安心して行ける……

  • 16くれくれ幽霊乞食22/04/14(木) 22:46:37

    「それじゃあ行こ「ねぇアークロード、良ければ私達と一緒に回ってみない?」……え?」

    話を切り上げようとしたところでまさかのソフィアが被せてきた。
     
    「ほら、私達まだ来たばかりですこうも人が多くて迷っちゃいそうで…そこでアークロードを見つけたから丁度いいって思って声をかけたんだ。」
    「………アウラムは今日は私達と回ることになってる。貴方達はあなた達で回ると良い。」
    「……ふーん、そうなのアークロード?」
    「えっと…まあ話の流れで?」
    「そうなんだ…っていうことは当日に決めたタッチの差なんだね。」
    「えっ……と、まあ……」
    「それなら正式な約束じゃないんだし、私達の方にも誘う権利くらいはあるね?」
    『!?』

    屁理屈である。というよりも本来ソフィアの性格を考えれば先約があるとわかればスパッと諦めるのだが、今回ばかりは別なのだ。

    「別にいいでしょう?それとも、深い仲だから邪魔しないでほしいと言うつもり?」
    「そ……れは…」
    「ソフィア、言い過ぎですよ?」
    「(姉様、この子たちもアークロードを狙ってるって気づいてるでしょう?)」
    「(……それは……はい……)」
    「(姉様達はこの人たちに比べれば周回遅れなんだから、積極的に行くほうがいいよ。)」
    「(……そういうものでしょうか…)」

    イレーヌは少し迷い…それでも想い人に近づくことを考え、ライバルを見る。一方レイもなんとか立ち直り、相手に負けまいと見返す。

  • 17くれくれ幽霊乞食22/04/14(木) 22:47:01

    「…アークロード様、ご案内をお願いしたいのですがよろしいでしょうか?」
    「…アウラムさんにはこの前私達から声をかけていました。先約は私達の方です。」
    「断られてたんでしょう?それなら先約もなにもないじゃない。」
    「当日の非番にお仕事をさせるよりはマシ。」
    「えっ……えっ……?」

    初速のアクセルがかなり踏み込まれたピリピリとした空気。アウラムは当事者だったはずなのにいつの間にかおいていかれ声をかけられない空気になってしまった…星の勇者にも怖いものはあった。

    そして現在に戻る…

    「……あの……そろそろイベントも次のに入るし…」
    「…じゃあアウラムはどっちと行くの?」 
    「え?」
    「…アークロード様がお決めになるならばそれが一番でしょう。」
    「…そうですね、このままじゃ埒が明かないし…アウラムさん、お願いします。」

    4人がじっと見てくる…もしも間違えば嫌な予感がする…アウラムはそう思った。 

    「……いや……でも……うん……」

    少し悩んだあとみんなをしっかり見たアウラムは答えを出す。

  • 18くれくれ幽霊乞食22/04/14(木) 22:47:27

    「イレーヌさん、そちらのいちごクレープ少しもらっても大丈夫でしょうか?」
    「もちろんですよ!…レイさん、私もそちらのチョコクレープ頂いてもよろしい…?」
    「当然です!それではシェアしましょうか!」
    「えぇ!」
    「ロゼ、私達もシェアする?」
    「じゃあそっちのシナモンシュガーちょっと頂戴。」 「いいよ、バナナの方代わりにちょっともらうね。」
    「うん。」
    「……平和に終わってよかった。」

    あの後アウラムは「どうせ行くならみんなで行きたい」と提案。最初はそれを渋りそうになった4人だったがこのままではお互いにお出かけもなにもないと判断しその判断を受け入れた。
    道中4人で会話をじっくり進めたところ思いの外意気投合し到着する頃にはすっかり落ち着いた。こうして無事修羅場を潜り抜けることができた。

    「……ところで……なんで俺こんな囲まれてるの…?」
    「……誰もあなたの隣を譲らなかったので…」
    「このままじゃまた喧嘩しそうだったからさ…」
    「とりあえずそれならみんなでアウラムさんの隣に座るにはどうしましょうかってことになって…」
    「それでこうなった。」
    「どういうことなの…???」

    大きなベンチにアウラムがまず座り、アウラムを囲むように4人が、という感じのおしくら饅頭形式の座り方である。

    「アークロード、今度アヴラムが休みのときはちゃんと私に伝えるよう言っておいて。私もアヴラムと遊びに行きたいし。」
    「う…うん…」

    なんか…すごい大変なことになったのでは…?そう考えるアウラムであった。
    後日美少女とイケメンがスイーツを食べながらおしくら饅頭をしている様子がネットの掲示板に載せられちょっと話題になったという。

  • 19くれくれ幽霊乞食22/04/14(木) 22:48:23

    っていう感じの修羅場SSを思いついたんですが誰か形にしてくれませんか?

  • 20くれくれ幽霊22/04/15(金) 00:27:04

    (でも修羅場ってこんな感じでいいのかな。もうちょっととげ抑えめでよかったかも)

  • 21二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 02:25:52

    そっか、ショタアウラム君はクローラーの残骸で武装してたから(自作してたのなら)鍛冶もできるのか

  • 22くれくれ幽霊乞食22/04/15(金) 08:49:12

    まあ白状すると他のSSでそういうのを見てずっと頭に残ってたのですが。それはそれとしてあの閉鎖空間だし大体のことは自分たちでやってそうだなって。

  • 23二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 17:40:50

    星杯世界の環境を考えたらアウラム君も当時は子どもと言っても一定以上に器用そうだし生活能力鍛えられてそう
    ゲームに登場する武器を再現(実用性あり)する動画がたまにLive☆Twinsから配信される

  • 24くれくれ幽霊乞食22/04/15(金) 17:54:58

    >>23

    Bloodborneの仕込み武器作ってそう。

  • 25くれくれ幽霊乞食22/04/15(金) 22:56:04

    「それじゃあ皆…いってくる!」

    そう言って星の勇者は消えていった。たくさんのものを再生させて、たくさんのものをもとに戻して、一人消えた。

    「…………」

    あれから数十年。双星神a-vidaの精神内…或いはコックピット内、星の勇者であるアウラムは一人目を瞑っていた。

    「…貴方が新たな神の核なのですね。」
    「…ん?貴女は?」
    「私はアポロウーサ。とある神に仕える者…連絡役と思ってくださいませ。」
    「とある神…連絡役?」
    「我が主曰く、神も碌な場合によっては働きなさいということらしいです。目下のところは巨神が妙な動きをしている、というところでしようか。」
    「もしものときは手を貸せってことか…」
    「そういうことてす…本来ならすぐに連絡をするほうが良いのですが…主が貴方への連絡をうっかりしておりまして…」
    「…神様でもそんなことあるんだ…まあ仕事に関しては良いんだけど…神様になるまでにはもう少しかかるかも。」
    「え?」

    アウラムがそう言ってすぐ何者かがアウラムに飛びかかってきた…が、彼は分かっていたようにそれを受け流した。

    「くっ……そ!!!」
    「……もう諦めろリース。神をお前に渡すことは絶対にしない。」
    「ふざけるな凡人が!!その座は私のものだ!!お前なんかがそこにいていいわけがない!!」
    「……この方は?」
    「俺達の敵……なんだけど、神様になってからも消えずに残ってたんだ。流石にこいつを残したまま活動するわけにはいかないから、消えるまで待ってるって感じかな…」
    「強制的に消すことは?」
    「試してみたんだけど、そもそもこれ自体に中身1人を消す…なんて想定が当然だけどなくて…それと曲がりなりにもあいつがいることで権限の少しもあいつに渡ってるみたいだからどうしようもなくてね…」
    「………なるほど…」

  • 26くれくれ幽霊乞食22/04/15(金) 22:56:48

    アポロウーサは少し目を瞑り…答えを出す。

    「a-vida。新しき神になる者よ。我が主に代わり貴方に試練を与えます。」
    「ん?」
    「1万年以内にケリをつけてください。その間何度か様子見に来ます。」
    「1万年以内に?」
    「えぇ…というよりも、その間に解決してもらわないと巨神が本当に動きかねないので…」
    「まあ、そういうことなら…それよりも何度も来る…?」
    「私神に仕えてからは不老不死なんですよ。」
    「……とんでもない発言でびっくりしてる…」
    「今はあなたも似たりよったりですが。それでは。また千年先に、また来ます。」

    そう言ってアポロウーサは消えていく。残るは怒り狂うリースと、困った様子のアウラムだけであった。


    「a-vida。お久し振りです。」
    「あぁ、アポロウーサか、本当にくるとは…」
    「色々あってあれから2000年は経ちましたが。どういった状況ですか?」
    「あぁ、えっと…」
    「…あら、貴女は随分前に来てたやつね。」

    アポロウーサが現状について聞こうとすると前に来たときよりも静かな様子のリースがいた。

  • 27くれくれ幽霊乞食22/04/15(金) 22:57:46

    「おや…随分落ち着いていますね。」
    「怒り疲れたのよ。こいつはくそだけど力で勝てるわけないもの。」
    「見たところ科学者ですものね。」
    「だからこいつが狂うまで待つことにしたの。」
    「……へぇ?」
    「我慢比べならこいつに勝ち目はない…なんせこっちは何千年も待った…今更こいつに根負けするのはありえないもの。」
    「……だそうですが?」
    「…気が済むまでやらせる。俺も望むところだ。」
    「そうですか…折れないようで何よりです。」

    アウラムの目を見てアポロウーサは満足そうに去ろうとする。

    「待ちなよ。」
    「?」
    「神になるのは私だ…お前の主にそう伝えておきなさい。」
    「…なれるといいですね?」

    そう言ってアポロウーサは去っていく。

    「3千年ぶりですねa-vida。」
    「………あぁ、もうそんなに経ったんだね。」
    「………いつまでも粘るから解らなかったね………」
    「どちらも健在そうですね。」

    2人は向き合った状態でただ睨み合っていた。ここ数千年ずっと…

    「……あとちょっと……あとちょっとでお前も折れるでしょう……?早く折れればさっさと消してあげる……」
    「……………………」
    「……あまり邪魔をしないほうが良さそうですね。私はこれで。」
    「……私は神になる…選ばれた者であるのは私だ……こいつなんかに………」

  • 28くれくれ幽霊乞食22/04/15(金) 22:58:21

    アポロウーサは去る。勝負がついていることを確信した顔で…



    「かれこれ4千年になりましたねa-vida。」
    「…………」
    「………ふふっ……あははははは!!!そいつにもう返事する気力もないのでしょう!!私の勝ちだ!!いつまでもしがみついてしつこいやつ!!でももう私の勝ちだ!!私が!!!」
    「元気なことですね……貴方は逆に元気がありませんね?」
    「………」

    アウラムはただ無言でいる。どこを見ているかもわからない目でただまっすぐ…

    「諦めていますか?」
    「…………いいや。」
    「では何を?」
    「………あいつと、他の出会い方ができていたらと考えてた。」
    「そうですか……物好きですね。また来ますよ。」

    そう言ってアポロウーサは再び去る。アウラムはただ、狂い笑うリースを見ていた。

  • 29くれくれ幽霊乞食22/04/15(金) 22:58:49

    千年後………

    「期限の一万年……まであと一日程度です。」
    「……あぁ、そんなに経ったのか。」
    「………………」
    「そちらは千年前に比べて随分と元気がないですね?」
    「……そりゃそうよ。萎えもするわ。」

    吐き捨てるようにリースは言う。その姿はぶれていく。

    「a-vida。神就任おめでとうございます。」
    「あぁ。」
    「……こんなやつにこれ以上付き合ってらんないわ…それだったら転生でもしてやるわ。」
    「摂理的には正しいことですね。」

    どんどんブレがひどくなる。転生を本当とはリースは思っていないが負け惜しみでも言わなければ気がすまない…こんな男に負けた事実を認められない。

    「……イヴに神の座を取られるなら分かるわ。彼女は私が待った星杖の継承者。私が選んだ器…そいつならば神になる可能性があるのは認める。」
    「或いはニンギルス……あいつはなんでもありだったし…ほんと、あの時散々あいつには痛い目見たわ。あいつならば技術を持ってなった可能性は否定しない。」
    「あの子竜もまた可能性だけならないでもなかったわ。存在自体が世界との繋がりが大きいもの。」

    リースは1つずつ彼の仲間を挙げる。全員が通常を逸脱していた、確かに自分に一杯食わせることに成功して奴らだ。神になる器があることを認めざるを得ない。

  • 30くれくれ幽霊乞食22/04/15(金) 22:59:50

    「……でも、お前は別よアウラム。」
    「………」
    「……なぜよりにもよってお前に…しょせんはイヴのおまけであるお前が!!一番凡人なお前が!!なぜ私の前で神を奪う!!!!」

    怒りが爆発する。それに対してアウラムは何を考えているかも解らない目で答える。

    「…俺はただ世界を守りたかった。」
    「……はぁ?」
    「仲間の生きる世界を。仲間が夢見た世界を。俺に託したものが望んだ世界を。守りたかったから、神様になっただけだよ。お前に勝つとか、そんなことは1万年前にもう終わったよ。」
    「……………あほくさ……私も狂ってたけど…あんたも大概ね。勇者様らしいご立派な精神ご苦労さま。」

    怒りが萎えた、白けたようにリースは止まった。

    「リース。」
    「なによ?」
    「次も止めるよ。俺じゃなくても、俺達と同じような人がきっとね。」
    「…………ふざけんな。次はお前みたいなのは真っ先に消してやる。」

    彼女がそう言い残すとアウラム………a-vidaは権限を使いリースを消した……これで終わりであった………

  • 31くれくれ幽霊乞食22/04/15(金) 23:00:01

    「…………………」
    「寂しそうですね?」
    「……どうだろう……でも……」

    彼は出会った頃を思い出す。あの時の彼女は間違いなく演技だった。彼女との素での会話…それもむき出しの感情でのきっとさっきくらいのものだろう。

    「次は仲良くなれたらいいなって、思ったのは確かだよ。」
    「…………変な人ですね。」

    アポロウーサは慈しむように笑う。いずれにせよ、新たな神が正式に誕生した。

    「改めてa-vida。よろしくおねがいします。」
    「よろしく、アポロウーサ。」
    「ふふっ、久しぶりに呼ばれましたね…さて、巨神について早速現在の状況についてお話しましょう。」
    「分かったよ。それが俺のやるべきことなら。」

    ……こうして彼は神として成り立った。その後彼がa-vidaとしてではなく、アウラムとして降り立つまで、あと────

  • 32くれくれ幽霊乞食22/04/15(金) 23:02:56

    っていうリースは完全に見下してアウラムは哀れみと少しだけ出会いが違ったらな…って感じの概念とそんなアウラムの変なやつなところに惹かれるアポロウーサさんの概念ください!

    2.3度めの雰囲気ss.もしもa-vidaのなかにアウラムもリースもまだいたらとアポロウーサどの関わりを悪魔合体しちゃいました♡アポロウーサがこんな化け物なのかは知らない。

  • 33二次元好きの匿名さん22/04/16(土) 01:30:33

    こういう戦い好き

  • 34二次元好きの匿名さん22/04/16(土) 01:41:30

    とうとう人外までスケコマシ対象に・・・
    リースにとって他人や星は野望達成の駒でしかないから、
    そんな駒を守ろうとするアウラム君の考えは理解不能なんだろうな
    そういう人格だからこそ、アウラム君の周りに人が集まったんだろう

  • 35二次元好きの匿名さん22/04/16(土) 02:22:46

    でも本編では絶対に結ばれないだろうCPとか大好きよ?
    というわけでアウラム×リースもっとないかな

  • 36くれくれ幽霊乞食22/04/16(土) 02:47:36

    >>33

    我も単純な力じゃなくて心(泥臭い言い方すると我慢比べ)の戦いスキー。


    >>34

    どんどん広がるよスケコマシの手。個人的解釈も兼ねるとまさにリースにとっては自分以外どうでもいいのでそんな奴らのためによりにもよってこんな平凡なやつにすべてを奪われ邪魔されるの絶対屈辱だろうなーって思いながら書いた。実際はアウラムだけでなく彼に力を貸したすべてのものに負けたわけだが…



    >>35

    われも嫌いじゃないので思いついたら概念だけ投げておくね…

  • 37二次元好きの匿名さん22/04/16(土) 11:26:18

    アウラム君は主人公補正がないとか言われるけど
    星杯世界はリースやニーサンのように個の力が強いだけじゃ大願を成し遂げられない世界なんだよな
    人心を掴んで繋がりを持つ能力を一番軽視してたのはリースだろうけどその力が野望を完全に打ち砕かれる原因になるという皮肉
    ニーサンのことはほぼ完璧に利用できてた分余計にね

  • 38くれくれ幽霊乞食22/04/16(土) 16:47:40

    それはいつもの日常のことであった。たまに様子を見に来るニンギルスも合わせゆったりとLIVE☆twinと共に過ごしていた時にインターホンがなった。

    「ん?宅配かな?」
    「アウラムー悪いけど受け取りに行ってー。」
    「あーはいはい…ご苦労さまです。」
    「えぇ、ご苦労さまです、a-vida。」

    アウラムが扉を開けると女性がアウラムを抱きしめた。

    「!?」
    「あーごめんアウラム、印鑑渡しそびれ…!?」
    「どうしたのキスキ…誰!?」
    「あ…アポロウーサ!?」
    「知り合いなのかアウラム?」
    「おっと、お初にお目にかかります。とある神に仕える巫女、アポロウーサと申します。現在はa-vidaのサポートか主な仕事です。」

    アウラムから離れたアポロウーサは思わず見惚れてしまうような礼をして、キスキルとリィラは一瞬たじろいでしまう。

    「神の巫女がなぜこんな場所に?アウラムのサポートが仕事と言ったがそれ関連か?」
    「いえ、今のところ確かに動きがないわけではないですが随分先のことになりそうですから。a-vidaの役目を考えればそのままでも構わないですもの。」
    「彼の役目…?」

    冷静に質問をするのはニンギルスとガラテアである。超常現象に見慣れている2人だからこそとも言える態度だが…

    「それと、せっかくなので新人の紹介を。」
    「新人って…アポロウーサ以外にも誰かつくの?」
    「えぇ、ほら来てくださいな。」
    「煩いわね、もう来てるわよ。」
    「「「…!!!」」」

  • 39くれくれ幽霊乞食22/04/16(土) 16:48:09

    ここでアウラムも入れた3人の顔が険しくなった。特にニンギルスとガラテアは殺気が強くなる。声のした方を見れば3人の予想通りの人物……

    「今日からあんたのサポートを兼ねるリースよ。感謝しなさい凡人。」
    「うわぁ…キャリアウーマンって感じの人来た…」
    「この人もあんたの知り合いなのアウラム…ってなんか3人とも顔怖くない?」
    「………リース。」

    かつては彼らを苦しめた元凶であるリースであった。

    「……よくも俺たちの前に恥ずかしげもなく顔を出せたな貴様…!」
    「また何かをする前に貴方を今度こそ始末してもう二度と出てこれないように…」
    「ちょっ…物騒すぎるよ2人とも!?」 
    「うちらの家の前でそんなバイオレンスやめてほしいんだけど…」
    「…帰っていいかしら?」
    「まだ主の承認を受けてないのですから。a-vida、そういうことなのですが。」

    殺気立つ2人をキスキルとリィラが慌てて止める。事情はわからないが因縁があるのは確からしい…たがここで暴れさせてはいけないという判断である。
    一方アウラムは何をどこから聞いたものかと考えていた。

    「……とりあえずなんでいるの?確か転生するって言ってなかったっけ?」
    「私だってその気だったわよ…ただ、行く前にコイツラに止められて…」
    「性格は正直言って酷いものですが能力は消しておくには勿体なかったので、幾つかの縛りを施しています…例えば…a-vida。右手挙げてと言ってください。」
    「え?えっと…右手挙げて。」
    「ちぃ…!!」

    アウラムが言われたように唱えるとリースは苦虫を噛み潰した顔で右手を挙げた。

  • 40くれくれ幽霊乞食22/04/16(土) 16:48:50

    「ということです。」
    「「「どういうこと!?」」」
    「鈍いですねぇ。一般人のそちら2人はともかくあなたは神なのですから…っと、このあたりにして…縛りとは特定の者…神の権限を持つ者とそれの縁者の言うことを必ず聴かねばならない。そして反逆は許されないというものです。」
    「……なんだかすごいご都合主義な縛りね…」
    「それくらいしないとこの魂に神の使者は務まらないので、苦労したんですよ?」
    「私としてはこいつの命令聴くくらいなら消えるほうが千倍もマシなのだけど?」

    明らかに不機嫌の様子のリースはアポロウーサとアウラムを睨む。

    「というわけで、私達もしばらくはこの地でa-vidaのサポートをさせていただきます。」
    「……こいつとしばらくは顔を合わせることになるのか。」
    「ご容赦を。代わりに貴方達の命令ならば炊事洗濯、情報収集から戦闘訓練まで何でも承ります。」
    「なんか、すごい大掛かりなお手伝いさんみたいだね…」
    「まあ神の使いとかいうあまりにも大物すぎる家政婦だけど…」
    「ちなみにエロいことはしてやらんから、残念だったわね童貞。」
    「最初から頼む気ないよ!?」
    「………す、すみません…私は処女神側の人間なので淫らに体を差し出すわけにはいかず……それ相応の責任を取っていただかなければならないのて…」
    「だからしないってば!?」

    珍しく顔を赤くしたあたりアポロウーサは満更でもないかもしれない…

    「…さて、それでは私達はこのあたりで一度荷物性をしますので、また今度ゆっくり話しましょうa-vida。」
    「う、うん。またね。」
    「……あぁ、じゃあ最後に一個。」

    気を取り直したアポロウーサが切り上げようとしたところ、リースが動いた。

  • 41くれくれ幽霊乞食22/04/16(土) 16:49:19

    「アウラム。私はあんたらに屈服したわけでないことを覚えときなさい。」
    「?」
    「私がこの条件を受け入れたのはあんたがこの先亡くなったとき…一瞬でも神の座が空いたときに入り込むため…そうしたらもう二度とあんたたちじゃ止められないし…あんたみたいなのに邪魔されることもないわ。」
    「………やはり消したほうがいいのではないか?」
    「ハッ、まだ私は何もしてないというのに世界の守護者さんは随分と喧嘩っ早いわね?ジャックナイツになったせいかしら?それとも元から?」
    「…減らず口は治らないわね。せめて矯正を…」
    「二人共待ってくれ。」
    一触即発の雰囲気の中でアウラムが待ったをかける。アポロウーサもキスキルとリィラもこの状況を見守るしかできなかった。

    「こいつの言うことも一理あるよ。神の使いとしてのこいつはまだ何もしてない。」
    「生前に数え切れないほどのことをしただろう…!」
    「それに関しては俺が就任したときに消し去ったからどっこいってことで。」
    「……正直、私としてはそのあたりのことを知らないからなんとも言えないわね…でも…貴方はもういいの?」
    「俺は信じてみてみるよ。リースが何を成すのか…それからでも止めたりするのは遅くないなって。」
    「………はあ…呆れるほどの甘ちゃんだこと…これだから凡人は…」 
    「……………わかった、お前がそう言うならば今は耐えてやろう…だが、一瞬でも素振りを見せれば…わかっているな、アウラム?」
    「その時は、俺が責任を持って消すよ。」
    「……よろしい。」
    「「(………っべぇ………話のスケールがデカくてまるで分かんねぇ………)」」
    「決着がついたようで何よりです。」

    アウラムの言葉にニンギルスは殺気を抑え、ガラテアもまたおとなしくなった。その様子にリースはつまらなさそうな顔をする。

  • 42くれくれ幽霊乞食22/04/16(土) 16:50:04

    「……13万と7700年ぶりに理解したわ……」
    「なにを?」
    「私はあんたが嫌いっていう事実よ。お前のような甘ちゃんに反吐が出るし今すぐにでも神を渡せと言ってやるけど…それだと私もチャンスを失うのよね。」
    「そっか、俺はリースのこと許せはしないけど嫌いではなかったよ。何かが違えば本当の友達になれたかもしれないって、ずっと思ってる。」
    「……………………本当に気持ち悪い勇者病患者……」

    リースは吐き捨てるように言ってその場を去っていく。

    「それでは私も失礼しますねa-vida。みなさんもお騒がせしました。」
    「あぁ、またねアポロウーサ。」
     
    アポロウーサもリースを追いかける形で去り、最初からいた5人が残された。

    「………なんというか…あんた本当に神様だったんだね…」
    「スケールデカくてうちら完全に空気だったわ…」
    「あはは…なんか疲れたしお茶のもう…」
    「「賛成ー…」」
    「…アウラム、本当にこれでいいんだな?」
    「…うん、大丈夫。ありがとうねニンギルス。ガラテア。」
    「……あいつに対し何かを言えるのはお前とガラテアだろうからな…そのお前が矛を収めるならば、あれ以上何も言えん。」
    「私としてはニンギルスがいいなら彼女に喧嘩を売る理由はないもの。」

    ニンギルスもガラテアも腹が決まったらしい。アウラムはそれを感じて満足気に笑った。

    「…ですが、今後大変になりそうね。」
    「そうだな。警戒はしておいたほうがいいだろう…アウラム、わかっているのだな?」
    「だ、大丈夫だよ。」

    念入りに確認して2人は部屋へと入る。

  • 43くれくれ幽霊乞食22/04/16(土) 16:50:13

    「……仲良くしたい、とは思ってるけども……不倶戴天な正反対なのも、事実なことはよく分かってるよ。」

    最後に残ったアウラムが呟いて部屋へと戻る。彼が何を思っているかは、誰も知らない…

  • 44くれくれ幽霊乞食22/04/16(土) 16:51:03

    アポロウーサ、リース参戦(スマブラ風)

    こういう感じの敵対関係はこれはこれでおもしろいので自分は好きです(うまくやれるとは)

  • 45二次元好きの匿名さん22/04/16(土) 16:54:21

    イイゾイイゾこのスケコマシ野郎のハーレムを無際限に拡大させるのだ

  • 46くれくれ幽霊乞食22/04/16(土) 20:45:02

    (うーん迷うねぇ〜〜♥。ヤンデレレイの逆レ導入SSと神樹のパラディオンとの過去話、どっちがいいかなぁ♦どっちかを書くなら僕への供給は+-0なんじゃないのか?それなら両方を書いちゃうのがベストなんじゃない…?)

  • 47二次元好きの匿名さん22/04/16(土) 21:32:30

    おーついに素性バレイベントが!!
    列強にバレたら不味いだろうけど、キスリィなら悪用しないだろうから安心だな
    ウーサさん、レイロゼの添い寝や小夜丸との共闘を見たら羨ましがりそうだし
    リースはますます呆れそう。こいついつまで勇者様(悪口)やるの?!みたいな。

  • 48くれくれ幽霊乞食22/04/16(土) 21:49:34

    ウーサさんは「は〜〜〜〜〜a-vidaと戦えるとか本来私のような使えるものと英雄の特権ですが〜〜〜〜???」って気持ちになります(表に出さず)
    リースは「神としての仕事ならまだぎりわかるけど実質死んでせっかく平和な世界に来た癖にまだ勇者病してんの?ばかなの?」って感じ。

  • 49二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 02:21:35

    敵対心の無い相手を煽って精神的優位に立とうとしてる時点でもう既に負けてるぞリース
    自尊心青天井だろうからああいう感情を荒らげずに受け流してくるタイプは自分を下に見られてるように感じてムカつくだろうな

  • 50くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 11:10:45

    >>49

    それに関しては本当に……憎しみとかそう言うのをある程度折り合いつけたアウラムとは相性が悪い……ニイサンなら面白いくらい反応するのに……

  • 51くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 11:11:10

    ジャックナイツたちが分断した部族が1つとなったとき、神樹の一族の長は星冠を勇者に預けたという。

    「……あなたが私達を繋げたのですね。」
    「うん。世界のために…力を貸してほしいんだ。」
    「断ります。」
    「……………そっ……かぁ…………」

    しかしその出会いが良好であったとは、限らないものである。

    「やあ、君が神樹の族長だね。」
    「魔境の…でしたね…それと百獣の…」
    「うむ。一度挨拶に伺おうかと思ってな。…彼のことはまだ認めていないのか。」
    「…当然です。私達の部族は星冠を守ってきました。それを行使されたのでは私達の立つ瀬はありません。」
    「でもそのおかげで僕ら甦れたんだぜ?なにより間違いなく星遺物の継承者だ。認めてやってもいいと思うけどね。」
    「…………」

    もう答える気はない様子の彼女に2人の族長は肩をすくめる。

    「そんなに彼のことが気に入らないかね?」
    「僕たちとしてはかなりお気に入りなのだけどね。」
    「………それは──」
    「あ、3人ともここにいたのか。」

    神樹の族長が何かを言おうとした時、アウラムとイムドゥークがやってきたことで彼女は再び口を閉じた。

  • 52くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 11:11:45

    「おぉ、アウラム殿。探させてしまったか?」
    「いや、大した用じゃないんだただ話したかっただけで…」
    「ならば私はこれで。」
    「ちょっ、待ってくれ!?」
    「………難航しそうだなアウラム殿。」
    「どうするんだい?」
    「………今日はやめておくよ。」

    アウラムは去っていく彼女の背中を見てそう結論付けた。

    「ふむ、一度撤退かな。」
    「あれだけ拒否されてたら一朝一夕には無理そうだし…少しずつ距離を詰めていくよ。」
    「兄貴分との戦いもあるが、間に合うのか?」
    「分かんない…でも…」
    「ガウッ。」
    「うん…せっかく出会えたのに何も知らないままじゃ勿体ないもんね。」

    物好きで非効率なリーダーに、これまた2人の部族は肩をすくめる。…

    「……バカな人ですね…それでまた苦しむかもしれないのに…」

    そして、木を通してその言葉を聞いていた彼女もまた…

  • 53くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 11:12:10

    それからというものの。

    「神樹さん、今ちょっといいかな?」
    「よくないです。」

    「神樹さん一緒にご飯でも…」
    「結構です。」

    「神樹さん、戦闘訓練でも…」
    「しませ…待ってくださいそれで口説き落とすつもりですか…?」

    ことあるごとにアウラムは神樹の族長に話しかけにいった。些細な話をしにいくこともあれば相談に行くこともあったがその全てをあしらわれていた。

    「神樹さん、今日は珍しい缶詰手に入ったんだけど…」
    「いい加減しつこいですね貴方も……そんなことをしている場合ですか。」
    「そんなことって?」
    「もうすぐ貴方のご友人の準備も整う頃だと魔境の族長と話していたでしょう。私のような非協力者に話しかけるくらいならば彼らと作戦を練るなりクローラーから力の引き出し方を聞くなりすればいいでしょう。」
    「んー……まあそうかもしれないけど、星冠は使わないことにしてるんだ。」
    「……正気ですか?あれは貴方にとっての1番の切り札…それを使わないで戦うなどご友人を舐めていらっしゃるとしか言えませんが。」

    彼女は冷徹にこれから起こる戦争を考える。どこまでの兵力があちらにあるかはわからないが、あの2つの部族だけでしかも星冠の力無しで戦うなど負け戦にしかならないはず…

  • 54くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 11:12:45

    「確かにあれなしでニンギルスに勝てるかは難しいけど……あれは神樹さんの部族の物だし。」
    「……理解できません。貴方はあの力を受け継いだ。所有権は貴方にあるはずですが。」
    「ううん。封印してた貴方の一族から正式に受け取らない限り、あの力はもう使わない。幸い他の部族の封印はないみたいだし。」
    「……つまり、私を引き入れることができれば星遺物の力と一部族分の力を手に入れられる計算ですか…」
    「まあそうなんだけど…それに、せっかく出会えたなら友達になりたかったからさ。」

    明るい笑顔だ。本当に心の底からそう思っているのが伝わる…なのに…

    「……なのになぜ、貴方はまだ戦うのですか。」
    「え?」
    「貴方はもう、大きな苦しみを受けたのでしょう?立ち上がれないような挫折を、前も見えない絶望を知ったのでしょう?なのになぜ戦うのです…これ以上貴方は何故苦しもうとするのです。」

    彼のことは星冠による受肉の際に記憶をクローラーと共有する形で知った。彼の叫びがまだ、心に残る。

    「…他の部族長はそれでも立ち上がった貴方を評価したのでしょう。ですが私は…わからないのです…貴方は何のために戦うのですか?」
    「決まっている。」

    「世界を守るためだ」

    彼女がずっと抱えていた疑問。それを持ったままでは協力などできなかった…それに彼は真っ直ぐな目で返す。

    「……世界を?」
    「そうだ。俺はあの人たちが守ろうとした世界を、願いを見た。俺たちを守るために命を賭けた幼馴染に触れた……それなら、俺は彼ら尊んだ世界を…幼馴染が守ってくれたこの命で精一杯守る。そう決めたんだ。」
    「…………バカな人なのですね貴方は。」

    自ら苦しもうとする、その先が茨であることを知っていながらそれでも戦おうとする、その危うさはまるで剣のようで…

  • 55くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 11:13:14

    「………お戻りなさい。今日は話しすぎました。」
    「え?……ホントだ新記録だ!?」
    「そんなことまでカウントしてたのですか……早く帰りなさい、力づくで追い出しますよ。」
    「………ゴメンナサイ」

    アウラムはトボトボと帰っていく。残された彼女は先程の彼の言葉を、目を思い出し……胸に宿る炎を鎮めながら、自分たちの部族へ戻る。

    「長様、どうかなさったのですか?」
    「えぇ、これから大事なことを決めます──連合についてです。」


    「いつまでも連合じゃあ味気ないよねー。そろそろ名前をつけない?」
    「ふむ、確かに折角ならば何か付けておきたいな。後世で連合軍と残っていても誰も覚えてくれないぞ。」

    魔境の長と百獣の長を交えた作戦会議で一段落ついたところでこのような話が起きた。

    「……それなら、パラディオンがいい。」
    「パラディオン?」
    「ジャックナイツたちの生前の組織名だよ……彼らの意志を継ぐって、決めたからさ。」
    「……ふむ、異論はないな。」
    「ならついでに僕らもそれにあやかった名前を名乗ろう。そうだなぁ……マギアス・パラディオンとでも名乗ろうか。」
    「ふむ…では私はレクレクスとでも名乗るか。」
    「トントン拍子で進むね!?」

    2人の族長が愉快そうに決めていく、自然体に物事に向き合うのは彼らの長所かもしれない。

  • 56くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 11:14:05

    「相変わらず呑気ですね。」
    「…!神樹さん!」 
    「君が中まで入って来るとは珍しいな。」
    「いつも扉の前で聞いているのにねぇ?」
    「…気づいていたのですか…まあいいてしょう…それよりも…」 

    彼女はアウラムの元まで近づいて……膝をついた。

    「…え?」
    「星の勇者よ。これより我ら神樹の部族、あなたのパラディオン連合に加わります。」
    「「おぉ〜」」
    「…いいの?」
    「貴方は危なっかしいですから、私が支えるのがよろしいかと。」
    「うっ…」
    「……それに……あそこまで熱心に口説かれたのは……初めてでしたから……嬉しいかはさておいて、相応の対応をして結果を出さねば失礼かと…」
    「あれがツンデレというやつかなレグレクス君。」
    「そのようだな、まさか実物を見ることになろうとは…」
    「そちらは喧嘩を売っているという認識でよろしいでしょうか?」
    「「ゲフンゲフン」」

    神樹の長のひと睨みに2人は萎縮するように目を逸らす。それにアウラムは苦笑して。

  • 57くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 11:14:33

    「なにはともあれ…よろしく、神樹さん。」
    「…ヴェルスパーダ。」
    「え?」
    「名前を決めていたのでしょう?それならばこれより私はヴェルスパーダ・パラディオンを名乗りましょう。」 
    「君どこから聞いてたんだい?」 
    「マギアス殿、余計なことは聴かないほうが身のためのようだ。」
    「……ヴェルスパーダか…うん、良い名前だね。」
    「………いつまでも神樹呼びでは分かりませんから。今日からは私を呼ぶときはそちらで呼ぶように…それと、貴方は私を率いるリーダーなのです。さん付けをやめなさい。」
    「注文が多い!?そ、それじゃあ……気を取り直して…」

    ヴェルスパーダ…それは剣を意味する。彼にどう呼ばれたいか、どう思われていたいかを考えたとき、この名前が真っ先に思い浮かんだのだ。

    「よろしく、ヴェルスパーダ。」
    「えぇ、よろしくおねがいします。アウラム。」


    「(……ここの……彼の剣として戦いたい……私にそう思わせた罪な勇者……)」
    「(願わくば……最期まであなたの傍に………)」

  • 58くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 11:15:08

    ツンデレ激重神樹さん概念とか誰か知らない?

  • 59二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 11:41:59

    アウラム君がエクソシスター達を庇い、悪魔の攻撃を受けてしまい教会へ運ばれる。
    その悪魔は淫魔であり、修道女でありながらも淫らな欲望に苦しませるための呪い。それを受けてしまったアウラム君からはフェロモンがムンムンの状態。
    早く治療しようとするエクソシスター達であったが、よりにもよって意中の男性の艶姿をマジマジと観察してしまう。
    おまけに最近読んだ少女漫画の過激なシーンが脳裏に駆け巡る。
    これは治療の為とムッツリエクソシスター達は、アウラムを脱がせてゆく……

    ここまで思いついた。
    神に仕える者としてアポロウーサも現場に居合わせるのもあり。

  • 60くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 12:33:43

    >>59

    むっつりエクソシスターたちはいいぞ、どんどんやってきましょう。

  • 61くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 12:56:54

    というか、何なら素晴らしい提案をしよう。お前もSSを書かないか?見ればわかる。その妄想、練り上げられている。SSを書こう。一緒にデイリーミッション感覚で妄想を形にしようじゃないか。

  • 62二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 14:30:03

    >>61

    じっくり悩んで書くタイプだからデイリーでどんどん書けるのが凄い。

  • 63くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 14:36:46

    >>62

    取り合えず良いの思いついたら勢いで行かないと忘れちゃうタイプだから…推敲くらいはしておかないと誤字るんだ・・・よくやっちゃうんだ・・・

  • 64二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 16:33:44

    深夜のサバイバー都市。あらゆる善悪や種族も平等に受け入れるこの町では、夜中の大騒ぎなど珍しい事ではない。
    よくPSYフレームの面々が道路を爆走し、それをS-Forceの面々が逮捕しようと追跡している光景など、一週間に何度も見る事になるだろう。
    近未来的な科学の都市に見えて、異世界、神話、魔法・魔術など何でもありのオカルトとテクノロジーの坩堝と化している。
    そうやって属性も種族も関係なく集まれば、当然ながら良からぬ企みを持つ存在もまた出てくる。

    「はああああッッ!!」

    星の勇者にして創星神、救国の英雄、盗み専門の凄腕コンビのペット、そして今は治安維持組織S-Forceの新人隊員として、エクソシスター達と共に悪魔の討伐を行っていた。
    の振るった剣の一撃が巨大な悪魔を一刀両断し、核となっていた悪魔を引きずり出す。

    「今だ!ミカエリス!カスピテル!」
    「えぇ!」
    「うん!」
    「「エクソシスターズ・マニフィカ!!」」

    二人のエクソシスターによる天使の力を纏った一撃が、悪魔を打ち砕いて浄化する。
    ボロボロと崩れてゆく悪魔の巨体は、そのまま溶けるように消えてなくなる。
    それを確認したアウラムは一息ついて、二人の方へと優しく笑みを浮かべる。

    「お疲れ様。二人とも怪我はない?」
    「大丈夫よ。アークロードさんの方こそ大丈夫なの?」
    「そうだよ!私たちを守るために前に出てて疲れたでしょ?」

    ミカエリスとカスピテルの言う通り、アウラムは前衛の二人を守るために最前線で戦っていた。そのため精神と肉体の負担も誰よりも大きい。
    後衛で援護に徹していたアソフィールとジブリーヌも心配そうにやって来る。

    「アークロードさんは…よく無茶しすぎだと思う……」
    「えぇ、もっと自分の身を労わってください。私達も貴方が心配なんですよ?」

  • 65二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 16:34:06

    常に誰かを守る盾になろうとして最前線に立つアウラムの事を、四人は心配している。
    本来なら悪魔と戦うべきは自分達だけの筈なのに、協力者とはいえ一番危険な役割をやらせてしまっている事に罪悪感を感じているようだった。

    「それは申し訳なく思ってる……俺の我儘だって分かってる。」

    ______それでも君達を守りたいんだ。

    「「「「_______ッッッ!!?!?!?!」」」」

    微かな愁いを帯びた表情を浮かべたアウラムの言葉。
    それはエクソシスターとして生きてきた彼女達の思考を消し飛ばしてしまった。
    心臓が信じられない程に激しく高鳴り、凄まじい勢いで血が駆け巡った全身が燃え上がるように熱い。
    彼の顔を直視出来ない。目を合わせてしまえば自分の精神が持たない。
    そんな心中など知らないアウラムは、いきなり真っ赤になった四人を心配する。

    「何か顔が赤いけど大丈夫?」
    「ひゃぃ!だだだだだ、大丈夫ですよ!!?」
    「うん!大丈夫大丈夫!!へっちゃらよ!?」
    「…うん……問題ない、よ。」
    「アークロードさん、まるで王子様みたいでカッコよかったよ!」

    全員顔を真っ赤に染めながらも何とか応対出来ているが、姉二人の方がポンコツと化しており、妹二人の方がしっかりしているのは、男性と深く関わってこなかった時間の差だろうか。
    張り詰めていた戦闘の雰囲気が、甘酸っぱいような空気に変貌していた。

    だからこそ微かに蠢いていた悪魔の一部に気づけなかった。

  • 66二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 16:34:16

    『ククク……いくら天使の力を操るエクソシスターといえども所詮は女。貴様らには甘酸っぱい青春よりも、快楽による堕落がお似合いよ!』
    「____ッ!!危ない!!」

    四人の背後から放たれた桃色の光を受けながらも、アウラムが繰り出した星の光波が僅かに残っていた悪魔の一部を消し飛ばす。
    そのままフラフラと倒れたアウラムは、エクソシスター達によって教会へと運び込まれ……その下腹部に刻まれた悪魔の紋様は妖しく輝いていた。

  • 67二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 16:35:22

    とりあえず構想を書き込んだ奴の導入部分だけ書いてみた。

  • 68くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 16:42:06

    Congratulations。少女漫画系えっちほんの導入みたいな雰囲気でしか味わえない栄養素がある。カスピテルとアソフィールに対してポンコツ姉二人もかわいい。
    でもそれはそれとして自分がちょこっと参考にされてる設定あるな?と考えると嬉しさと恥ずかしさがせめぎ合うぜ!!

  • 69二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 18:13:22

    >>66

    エクソシスターだけか他にも知られるかはわからんけど多分一線をギリギリ越えないチキンレースが始まるだろう

    最初に一線を越えるのは誰になるかな?

  • 70くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 20:27:02

    まず最初に謝る。これは色々興奮して何かを書いてないと眠れなくなりそうであったこと…そして突然現れた同胞及びライバルの登場に心が踊りすぎて出来上がったものです…

  • 71くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 20:27:25

    閃刀姫−レイをどんな人物か、と百人の人が聞いた時、90人が「真面目な優等生」と答えるだろう。それほどにレイは訓練や戦闘、任務に対して文句一つ言わずに取り組んできた。それは偏に彼女自身が戦うことで様々な人が助かっているという事実を認識しているからだ。
    だが、残り10人のうち…彼女の数少ない友人の一人のロゼはそれだけではないと言う。
    ──レイは、私と同類。今は一致してるだけ………

    その日は軍が慌ただしくなっていた。訓練の密度も上がりアウラムが来ての戦闘訓練も多くなっていた。

    「レイ、上からお願い。」
    「分かってる!換装…カイナ!!」
    「くっ……!」

    上からレイが力いっぱい剣を振るう。アウラムはそれを受け止めること自体はできたが隙ができすぎた。

    「アウラム、もらうよ…!」 
    「いや…もらわせないさ!」
    「えっ?──!?」
    「レイ…!??!」

    アウラムは胴狙いのロゼの攻撃を無理矢理レイを引っ張りロゼに叩きつける。これに怯んだ2人にアウラムは畳み掛けた。

    「星剣……抜刀!!テスタメント……パラディオン!!!!」
    「「あぁぁ!!!」

    星の輝きを纏う一撃が決まりまとめてのKOである。

  • 72くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 20:28:03

    「……はぁ…ついに必殺技まで引っ張り出されちゃったか…」
    「うぅ…むしろようやく引っ張り出せたって感じですが…」
    「それでも…まだ出力はセーブしてるんだよねアウラム…?」
    「流石に勘弁してくれ…そこまで出力して怪我をさせたら大変だ。」
    「アウラムさん、そんなことを言ってる場合ですか?これは…」
    「訓練だってことは分かってるけどさ、君たちに必要以上傷をつけたくなかったんだ、許してくれ。」
    「……!……!……もう!!しょうがない人ですね!」
    「…………アウラムは私達を傷つけたくないほどなんだ……ふふっ……」
    「う、うん?機嫌よくなったのかな…?」

    我ながらちょろいと言わざるを得ない、そう考えながらもレイもロゼも喜ばずにはいられなかった。
    そこにこれまで特訓を見ていた男……軍部上層部の1人が近づく。

    「やぁ、星の勇者君。今いいだろうか?」
    「はい?なんでしょうか?」
    「……ここだと少し……あちらで話せるかな?」
    「大丈夫です…それじゃあ2人とも、また後で。」
    「あ、はい。わかりました。」
    「…またねアウラム。」

    アウラムが後ろを向き男についていこうとしたとき。

    「「……………」」
    「!?」
    「どうかしましたか?」
    「い…いや…なんでもないよ。」

    一瞬男はとんでもないほどの殺意が飛んできた…ような気がした。慌てて後ろを向くもそこには閃刀姫2人が楽しげに話しているだけだった…

  • 73くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 20:28:33

    「それで、話とは?」
    「……単刀直入に言うのだが、次に戦いが起こった時に手を貸してほしいんだ。」
    「………」

    それは所謂徴兵の誘いだが、実はこの手の話は初めてではない。何度か受けらそのたびに「人の戦いなら俺は参加しない」という旨を伝えてきたのだが…
     
    「…前から言ってるように俺は人同士の戦いには…」
    「そう言わないでほしい…ここの所忙しそうだろう?全ては列強が動きを見せているからだ…もしかしたら君が介入したあの時より更に大きな戦いになるのかもしれんのだ。」
    「だから俺は…!」
    「レイとロゼが死ぬ可能性すらある戦争になるかもしれないが…それでもいいのかい?」
    「……!!!」

    それを言われた瞬間アウラムは答えを迷った。自分の力を人のどこかの軍事に寄らせすぎれば均衡は一気に崩れる。そういうことを自覚しているためアウラムは基本人の戦争には関与してこなかった…だが、彼にとって大事な人が自分が参戦しないことでより過酷な戦争を味わうことになる…そう言われると彼は止まってしまうような性格だ。

    「…まあなに、そうならなければこの話は忘れてくれて構わないんだ。それに今すぐ返事をしなくていい。良い返事を待っているよ。」
    「…………」

    そう言って男は去っていく。残されたのはアウラム一人だけ……のはずだった……

  • 74くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 20:29:04

    数分前

    「………ねえロゼ聴いて。さっきアウラムさんに手首を掴まれた跡がまだ残ってるの。」
    「ホントだ……凄いくっきり…」

    アウラム自身かなり無意識気味だったためか少し強めに握りすぎてしまったようだ。もうしばらくすればきれいに消えるはずだ…
     
    「…いいなレイは。私が行けばよかったかな?」
    「うーん、でももう少ししちゃったら消えちゃうのよね…いっそ痣になるくらい握ってくれたら良かったのに。」

    ……だが、彼女たちは喜んだ。むしろあと少ししたら消えるほどであることを知ってがっかりするほどだった。

    「それにしても…アウラムさんに何の用だったんだろう?」
    「……もう少し話したかったのに…あいつ……」
    「だめだよロゼ、あんなのでも何かあったらアウラムさんのことだから悲しんでしまうもの。」
    「……それもそう。耐えなきゃ。」
    「それよりも、やっぱり何を話してるか少し気になるし…行ってみましょう。」
    「うん。行こう。」

    ……当たり前のような様子で、変わらない日常のような会話で。どこかズレている話が続く。いや、彼女たちにとってはこれが普通なのだ。
    いつからかは解らない。元々レイもロゼも他の誰かのために戦うタイプだった。特にレイは見ず知らずの誰かのために厳しい訓練にもついていくほど…だが、それがいつの日か少しずつ変容していった。
    誰かのためではなく………愛するあの人のために……その気持ちは彼に与えられるものならば……例え傷であっても尊いと思うほどの…もはや信仰の域に達しているほどだった。
    なにはともあれ2人はアウラム達に追いつき、話を聞いてしまった。

  • 75くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 20:29:58

    「………………なんてこと……ごめんなさいアウラムさん、私達が足枷になってしまうなんて……あの人の邪魔になることだけはしたくなかったのに………」
    「………落ち着いてレイ。まだ、なんとかできる………」
    「……落ち着けるわけないでしょう…!あの人が私達のせいで戦争の兵器になるなんて耐えられない…!!そんなことになるくらいならいっそ……!!」

    レイが手を強く握り、爪のせいで血が出そうなほどであったが…それと同じく血が滲むほど手を握っていたロゼは冷静に……冷徹に答えを出す。

    「………今から上を脅しにいこう。」 
    「……脅しに?」
    「アイツラは最悪私達に頼ればいいと思ってる。少なくともあいつは。ダカラ死ぬ気で列強におとなしくさせるようにしないと。」
    「……できるのかしら、彼らに?」
    「しなければアウラムを連れて逃げればいい。」
    「……そっか、アウラムさんが気にするだろうからやりたくなかったけど……しょうがないか……」
    「それにねレイ。足枷になることは、もしかしたらありかもしれない。」
    「…………え?」


    「……どうしようか……」

    アウラムは自室でこれからのことについて悩んでいた。自分が手を出すわけにはいかない……だが……それほどの戦争になった時に彼女たちを守れないのは歯痒い…

    「……はあ………」
    コンコン
    「アウラムさん、少しいいですか?」
    「ん?はーい…レイ、ロゼ?」

    アウラムが悩んでいるとノックと共にレイとロゼがやってきた…その手にはバスケットがある。

  • 76くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 20:30:09

    「晩御飯には……まだ早いよね?」
    「実はいいお菓子が手に入ったのでアウラムさんも一緒にどうかと思いまして。」
    「一緒に食べよ、アウラム?」
    「う……ーん………ちょっと申し訳ない気もするけど…」
    「私達が食べてほしいんです……それとも、私達と一緒ではいやなのですか?」
    「…!?……いや、そんなことはないよ。」
    「それならよかったです!」
    「ありがとう、アウラム。」
    「う、うん…」
    断ろうとしたその一瞬、2人の目から光が消えた気がした。それを見てアウラムは慌てて受けていた。なんとなく、断ったらだめな気がしたからだ。

    「これは…パイか?」
    「はい、それと紅茶もどうぞ。結構いいお茶葉なんですよ。」 
    「アウラムと食べたくてこの前2人で仕入れたの。」 「そっか…ありがとう2人とも。」

    ──2人とも本当にいい子達だ。やはり彼女たちを守らなければならない…

    「それにしても本当に美味しいな、一体何処…で…?」

    呂律が急に回らなくなった、頭がぼーっとして意識が飛びそうになる。意識が落ちるその瞬間にアウラムが見たのは………今まで見たこともないような笑みを浮かべたレイとロゼだった……

  • 77くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 20:30:37

    「………じゃあ………ロゼは……えを……」
    「………った………そっちは………た………」
    「………んん………おれ…は…?」
    「あ、気が付きましたかアウラムさん。」
    「ん……レイ…俺は…いった……!?何で2人とも裸なんだ!?」

    アウラムが目を醒ますとレイとロゼは服を抜いた姿でアウラムの上に跨っていた。決して豊満な身体とは言えないが、均等の取れた美しい体に思わず興奮しそうになるが目をそらす。

    「だめだよアウラム、目を逸らしたら。」
    「うっ…!?」
    「ちゃんと私達を見て。」

    だがロゼはそれを許さなかった。強制的に顔の向きを固定させ2人を凝視させる。慌てて手を使い抵抗しようとしたところで気がつく。

    「…え?なんで俺、縛られて…?」
    「……本当はこんなことをしたくはなかったのですけど、アウラムさんはきっと、抵抗なさるので少しの間大人しくなっていただこうかと。」
    「こうして上に乗ってれば、私達の怪我を気にしてアウラムは無理矢理拘束を解こうなんて思えないでしょう?」
    「くっ……2人ともなんでこんなことを!?」

    アウラムが少しでも解けないか身じろぎしながら、時間稼ぎになればと問いを投げると…

    「…?そんなもの決まってる。愛してるから」
    「……え?」
    「おかしなことを聴きますねアウラムさん。こんなこと…好きな人以外するわけないじゃないですか?私達の裸を貴方以外の男性に見られたらと思うと……正直肌を掻きむしりたくなるほど嫌ですから。」
    「……い、いや、おかしいだろう!?だとしてもなんでこんな無理矢理に!?」

    あまりにも突飛な答えと行動に拘束を解くことすらできずに聴いてしまう。

  • 78くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 20:31:11

    「本当は私もこういうことはしたくないのです…でも、アウラムさんは私達をいつか置いていってしまうかもしれないから。」
    「………なんて?」
    「アウラムの役目を考えれば、いつかは私達をおいてまた別の誰かのためにどこかに行くのでしょう?……そんなの嫌だ。いつまでも私達と一緒にいてほしい。他の誰よりも私達といてほしいのに…」
    「…だから、ロゼが提案したんです。貴方の子どもを産めばいいんじゃないかって?そうしたら…私達は愛する貴方の子宝を授かれて…貴方は私達を気にしてここにいてくれるんじゃないかって…」
    「……………」

    幾らなんでもぶっ飛んでいる…そんなこと考えても…行動に起こすわけがないのに……

    「んっ。」
    「んむっ!?」
    「んっ……れろ♡はむ…♡レロ…♡ぷはっ…♡飲ませれたよレイ♡」
    「分かりました、それじゃ私も……んっ♡レロ……♡ちゅっ……♡はぁっ……♡私もできました♡」
    「けほっ……なにを…!?」

    不意打ちでロゼとレイがキスに乗じて何かを飲ませた…すると体がだんだん熱くなっていく…よく見ればレイとロゼも先程よりも息が荒くなっている…

    「ただの興奮剤だから、気にしないで♡」
    「アウラムさんの箍が外れる時に、拘束を解いてあげますから、それまではきつくても我慢してくださいね♡」
    「「それじゃあ、アウラム(さん)、私を貰ってね(ください)♡」」

    ……閃光は翳り、色に染まる………

  • 79くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 20:31:34

    ふぅ、すっきりした……それじゃあ切腹するね………

  • 80二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 20:33:23

    >>79

    …私はこれはこれでいいと思うんだ

  • 81くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 20:34:48

    >>80

    R-18はやりすぎると死ぬんだ……だから続きはWEBにして生み出した責任者として腹を切るんだ……

  • 82くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 20:36:50

    じゃあ生み出さなければよかったんじゃね?って思われるかも知れないけど昨日見たヤンデレレイが頭から離れなくってエロいの書いちゃったんだ……

  • 83二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 20:39:11

    ヤンデレレイが頭から離れないのはなんかわかる

  • 84二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 20:45:49

    まぁ、やり過ぎなければいいだろうし。

    閃刀姫二人はアウラムと肉体関係を持った事で、創星の使徒になってしまうかもしれない。アポロウーサと同類。
    仕方ないのでディンギルスとジークを参考に、クローラー・ソゥマをアウラム君とニーサンとジャックナイツで創った可能性
    ふと思ったのはリースが使徒転生してアウラム君の元へやってきた訳だけど、元同僚であるチーム・パラディオンのジャックナイツ達もいるんだから、そこでも一悶着ありそう。

    エクソシスターによるアウラム君の発情淫紋浄化の続きを考えねば……どこまで描写していいんだろうか……

  • 85くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 20:57:08

    まあ閃刀姫2人とも子持ちにさせるとかどう責任を取っていいかと言われたらもういくらか技術提供しないといけないっすねこの世界線…
    リースとジャックナイツはまあ確実にひと悶着はあるけど…大人な皆さんならきっとだいじょうぶだいじょうぶ(爆弾忍ばせ)

    ……とりあえずキスまでならなんとか…?あとは具体的な行動にせずピロートーク全振りにすれば……きっといける…!なんか抽象的にすれば……いける…!

  • 86二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 22:50:34

    悪魔の攻撃からエクソシスター達を庇って倒れたアウラムは教会へと運ばれていた。身体に目立った外傷はなく、攻撃ではなく呪いを受けたのだと判断した彼女達は病院ではなく、自分たちの教会で呪いを浄化する事にした。

    「ううっ、くぅ……うあぁ……」

    来客用のベッドに寝かされたアウラムは、全身を駆け巡る熱さと衝動に魘されていた。
    体中が燃え上がるように熱く、思考も定まらない。
    そんな彼を心配そうに見つめながら、ソフィアとステラは看病していた。

    「ごめんなさい、アークロードさん。私たちが油断していたから……」
    「私たちの責任……だから精一杯、看病するね……」

    ソフィアとステラが汗をタオルで拭いてゆく。S-Forceのマークが刻まれたマントや鎧は脱がされ、今はインナーのみの姿であった。
    鍛え抜かれた細マッチョな逞しい男の身体に、二人はドキドキしながらも汗をぬぐってゆく。ムワァ…と立ち昇るアウラムの汗の匂いに自分たちまでクラクラしてきそうだ。

    「んっ♡……これがお兄さんの匂い……♡」
    「んんぅ……♡お、男の人の匂いを嗅いじゃうなんて…イケないよ…♡」

    悪魔の呪いによって付けられた淫紋の効果の一つに『誘惑のシャドウ』と同じように、異性を誘惑する魅了効果を持っていたのだ。本来ならば悪魔族全般の対処法は学んでいるエクソシスター達であったが、魅了してくる相手が悪魔ではなくアウラムであったのが問題だった。
    意中の男が出来てしまった事で、彼女達は無意識に魅了の耐性に穴が出来てしまったのだ。
    (エクソシスター達が姉妹の契りによって同性愛にも発展するパートナー制度があるのは、このような事を防止するためだという説もある。)

    「あの悪魔の呪いの正体が分かりました。」

    そこへ呪いを調べていたエリスとイレーヌの二人が部屋へと入ってくると、慌ててステラとソフィアは姿勢を戻した。
    イレーヌとエリスは上半身インナー姿のアウラムに一瞬だけ目を奪われるが、すぐに気を取り直して口を開いた。

    「模様や位置からしてアークロードさんが受けたのは、淫魔の呪いです。」
    「「「______ッ!!」」」

  • 87二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 22:53:47

    イレーヌが顔を赤らめながら告げた答えに、ボフッ!と他三人のエクソシスターの顔が赤くなる。知識として知っていた呪いの一つであり、色欲系統の悪魔が好んで使う。主に対象者の理性を蕩かして発情させ、異性を誘惑する魅了フェロモンを放つようになるのだ。
    四人の視線の先には、雄々しく屹立した雄の象徴がズボンを突き破らんばかりに自己主張している。

    「そ、それで解呪の方法は私達で浄化すれば良いのだけれど……」
    「な、なら早くしてしまいましょう!いつまでもアークロードさんをこんな状態にしておけないわ!!」
    「そ、そうだよね!!私たちのせいでこんなになっちゃったんだし!」
    「うん……こんな……風に……」

    誘われるように四人の視線が、アウラムの股間へ固定される。肝心の淫紋は下半身のインナーで隠れてしまっているため、誰かが降ろさなければいけない。

    ___ゴクリ、と知識はあっても実践などした事もないエクソシスター達が息をのんだ。

  • 88二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 23:13:48

    「わ、私がやるわ!リーダーとして責任は取らなければいけないもの!!」

    エリスが勇ましく勢いに任せてアウラムの傍に立った。すると雄のフェロモンたっぷりの体臭が彼女の嗅覚を刺激した。

    「んぁぁ…♡…このくらいぃ……♡」

    淫らな誘惑に負けてたまるかと、エリスは気合を込めてアウラムのインナーを降ろした。
    しかし、気合を込め過ぎたのが悪かった。
    気合のままに勢いよく引きずりおろした事で、下腹部どころか完全に脱がしてしまい、彼が持っているもう一つの性なる剣が解放された。

    「……え???」

    エリスは目の前のソレが何なのか理解できずに、呆けた表情で見つめていた。ビクンビクンと脈動するソレは呪いの効果もあって平均を遥かに超えたサイズであった。同時にむせ返るような雄の臭いに思考が溶けてゆくのような感覚を覚えていた。

    「ふぁっ♡……あっ、あぁぁ……♡♡」

    エリス以外の三人は顕になった男のソレに、口元を抑えながらもマジマジと見つめていた。

    「あ、あれが……男の人の……♡」
    「す、すごく大きい……あんなのを入れるの♡」
    「うわぁ……漫画じゃ分からなかったけど、あれが本物なんだ……♡」

  • 89くれくれ幽霊乞食22/04/17(日) 23:20:29

    こいつら浄化の儀式するんだ!!!

  • 90二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 23:28:43

    「と、とと、とりあえず呪いの紋様は出したわ!そそそ、それじゃあ早く浄化よ!」
    「そ、そうですね!二人とも浄化の準備を……」
    「うん……」
    「えっと、聖水と浄化の詠唱……」

    ドキドキしながら浄化の準備をしてゆく四人であったが、バキバキに力強く雄をアピールしているソレが気になって仕方ない。

    「聖水をかける……かける……聖水を……♡」
    「お兄さん苦しそう……♡」

    ソフィアとステラは聖水を淫紋にかけるが、聖水の冷たさで驚いたのか、ビクっとアウラムの身体が跳ねた事で、間近にいたエリスの綺麗な顔にソレが振るわれてしまう。

    「ひゃわあああああああああああああッッ!!???!???!???」

    反射的にソレを握ってしまい、その手で脈動する熱さと固さが感じられて悲鳴を上げてしまうエリス。

  • 91二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 23:43:14

    「うあぁぁ……♡」

    エリスに握られたことで快感を感じたのか、アウラムからは快楽の声が漏れた。
    普段の勇ましさや王子様のような振る舞いからは想像も出来ない、弱々しく情けなく可愛げのある声に、四人の理性にピンクのもやがかかる。

    「ちょ、ちょうど良い機会ですし、アークロード様には悪いですけど、淫魔の呪いがどのようなモノなのか実体験しておいた方が良いかもしれませんね…♡」
    「そ、そうね……これからも淫魔の呪いを受ける人が出てくるかもしれないし……♡」
    「い、いざという時に…恥ずかしくて出来ませんなんて言えないよね…うん……♡」
    「それにお兄さん、可愛い……♡」

    完全に淫魔の呪いの影響を受けてしまっている四人のエクソシスター達、これで淫魔が健在であったのならば堕落のBADエンドを迎えていたところだろう。それほどまでに彼女達の表情は修道女とは思えない程に淫らだった。
    硬さを確かめるように握ったり、揉んだり、先端を撫でたりと、今まで熟成されてきた性への好奇心を爆発させるかのように、四人の手が星の勇者の性剣を好きなように触れてゆく。

  • 92二次元好きの匿名さん22/04/18(月) 00:14:25

    「うああっ♡ひあっ♡あぁぁッ♡♡♡♡」

    四人の手に弄ばれる快楽にアウラムは堪らないとばかりに、甘い声を上げて悶えていた。

    「あはっ♡アークロードさん可愛い♡」
    「ふふふっ♡あんなに勇ましてカッコいいのに、随分と可愛い声を出すんですね♡」
    「あぁ♡お兄さん可愛い♡可愛いよぉ♡」
    「うわぁ♡すごくビクビクしてる……♡」

    もしも呪いをかけた悪魔が生きてここにいたのならば、彼女たちの姿を嘲笑して勝利宣言でもしていただろう。痴女と化したエクソシスター四人の行為は過激になって、興奮で止まらなくなっていた。

    「んれぇろぉ~~♡♡アークロードさんの汗、美味し♡」
    「んちゅっ♡ちゅるっ♡ちゅぅぅぅ♡男の子でも胸を舐められて気持ちよくなれるんですね♡」
    「お兄さん♡ペロペロされて気持ち良いんだね♡」
    「もっと、いっぱい…舐めてあげるね…♡」

    そのまま体中に舌を這わせ、アウラムの全身にキスマークを付けてゆくエクソシスター達。キスマークを付けるたびに彼が自分達のモノになってゆくような気がして、ゾクゾクとした感覚を覚えていた。
    アウラムもいつまでも快楽に耐えれる訳も無く………

    「うああああああああああああああッッ!!!!!」
    「きゃあっ!!?あ、熱い……♡」
    「んぁぁん♡凄く、臭くてドロドロ……♡」
    「これが、お兄さんの……♡」
    「んぅ…♡苦くて…美味しくないけど…興奮する♡」

    四人の美女・美少女が恍惚とした表情で己の白濁で浴びる光景を、ぼんやりとした思考の中でアウラムは淫らで綺麗だと思った。
    一回出しただけで終わる程、淫魔の呪いは甘くない。まったく萎えない己の性剣はエクソシスター達を貫きたがっている。
    だが、このまま純潔を奪ってしまえば、正気に戻った時に彼女達は傷つくだろう。

  • 93二次元好きの匿名さん22/04/18(月) 00:26:30

    それだけは駄目だと気力を振り絞ったアウラムは、誰でもいいから来てくれと祈った。

    「大丈夫ですか!?a-vida!__なっ!!!?」

    祈りが通じたのか思念を察知してきてくれたらしいアポロウーサだったが、眼前に広がる淫らな状況に驚愕の表情を浮かべた。
    それでも何とか四人の動きを封じ、彼女の主である処女神の力で淫魔の呪いは解けた。

    素面に戻ったエクソシスター達は自らの油断から招いた醜態に、今にも自決しそうな勢いで謝罪してきたが、そこは星鍵スケコマシな星の勇者。
    彼女達に感謝や役得だったと口説いて好感度を上げてしまう。それを面白くなさそうにアポロウーサは眺めていたが、感謝の言葉を告げられると尻尾を上機嫌に振ってしまうのだった。

  • 94二次元好きの匿名さん22/04/18(月) 00:32:21

    とりあえずここまで。最後辺りは巻きで進めちゃいました。勢いのままにアウラム君が彼女達の純潔を奪う事を良しとする訳が無いだろうから、本番行為だけはさせませんでした。
    ちなみにソフィアとステラはどこを舐めていたかは決めてないので、好きな部位を舐めさせると良いでしょう。
    エクソシスター達は禁欲しようとしたり、アウラムとの接触を減らそうとするけど、他の女と一緒に居る光景や匂いとかで、嫉妬してしまい積極的になってくるかも。

  • 95くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 00:36:20

    (正直興奮した)
    理性と本能(だいぶ敗北気味)の争いいいよね。(それはそれとしてアウラムよこの逆レ適正はホント一体…?)今日一日で二人の人間に2作品逆レを書かれた彼に救いはあるのだろうか…

  • 96二次元好きの匿名さん22/04/18(月) 00:41:39

    でぇじょうぶだ
    閃刀姫を孕ませようとエクソシスターを堕落させようと小夜丸とマスカレーナにくっ殺しようとキスリィと主従関係になろうとアポロウーサに責任取ることになろうと
    最終的にニーサンが全部どうにかしてくれるはず(丸投げ)

  • 97くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 00:48:45

    ニーさんがアウラムの貞操を守れるわけ無いだろいい加減にしろ!!絶対余計なことするぞ!!
    自分は平行世界設定でやってます。無数にあるバッドエンドの1つだよ。レイロゼのは完全わかりやすいバッドエンドですね。もうちょっと愛を深めましょう。

  • 98くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 01:06:58

    さーて!今週のアストラムくんはー?

    アストラム!リイヴと一緒に後輩に会いに行くの巻!
    アヴラム!アークロード!エクソシスターとの行方!?
    リース!宿敵とくだらない思い出話!

    の3本建ができるかもね!それじゃあみんなまた明日!じゃんけん、ぽん!うふふふふー!

  • 99二次元好きの匿名さん22/04/18(月) 01:15:46

    そういやニーサンって今どんな状況なのか設定固まって無かったよね
    フォルムはギルスのみなのか、それともアウラムみたいにニンギルス、ロンギヌス、ディンギルスを使い分けられるのか
    個人的には後者の方が便利そうだから後者の認識でいたけど

  • 100くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 01:20:20

    同じく後者かな。基本はロンギヌスなイメージ。そのほうが便利なのもそうだし、ニイサンは万が一の騒ぎとか目立ちを抑えるためにそういう姿選びそうだし。

  • 101くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 01:56:39

    そういえばレイに家族がいるらしいことが判明して他キャラ達よりも何かしらイベント起こしやすくなるかもしれないな…みとくか…?

  • 102くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 12:24:49

    それにしてもやったのは自分だけどこの街だいぶ混沌としてるな!!!(S-forceと怪盗とシスターたちと軍人と暴走族と神の使徒と神狙ってたやつと神が入り乱れる街)

  • 103二次元好きの匿名さん22/04/18(月) 12:28:05

    ギルスのボディはavidaがニーサンを再誕させるときにジャックナイツの使命を引き継がせる為に作ったっぽいので
    アウラムくんが双星神パワーで何やかんやすればロンギルスの頃に戻せるのかもしれない

  • 104くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 12:36:13

    まあ困ったときのa-vidaと星遺物パワー。

  • 105二次元好きの匿名さん22/04/18(月) 16:45:24

    ふとアポロウーサとアウラム君の話で思い出したのが4スレ目のa-vida伝承。

    ・リイヴ派のその逆境からの再起と伝承は、現代に至るイヴの旅路。

    ・アヴィダ派の勇者はリイヴの下に帰還したの部分は、クロノダイバー達によるアウラム君とイヴの束の間の再開のこと。ハッピーエンドは未来に続いている希望の示唆。

    ・神樹派の勇者とは離別していない(遺跡で眠りについていた)今でも勇者は世界を見守っている(再び蘇って列強の侵略を止める)

    それぞれの伝承は合ってた。

    列強諸国と戦っているアストラム君を見て、双星神の宗教関係者は沸き立つ。

    列強諸国が実はパラディオンの部族の末裔が作った国家によって構成されており、主な宗教がアヴィダを信仰しており、侵略の大義名分に宗教を使っていたとかだったら、キスリィによって戦争の様子が流され、厭戦ムードが生まれたのも信仰する神であるアウラムが自分の国を止めようとしていたからと理由付けできそう。

  • 106くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 17:08:10

    >>105

    クククッ…………そこまで考えてなかった………

    繋がりとしては実質あり…a-vidaの信仰厄介そうだなぁ

  • 107二次元好きの匿名さん22/04/18(月) 19:06:22

    リイヴの財団とも繋がりがあるa-vidaの教団。

    リイヴの財団が星遺物の管理などを主に担当しているならば、a-vidaの教団は創星神となったアウラムを信仰する集団だろうけど……S-Forceとかはまだしも、キスリィの下でこき使われているのは保護せねば!となりそう。
    今は使命から解放されて楽しまれていると大らかに認めてくれそうでもなさそうだし……

    神樹派は、いつかアウラムが現世に戻ってくるとき自分達もまた蘇るという激重感情の文章が聖典だったりしてそう。ジャックナイツも蘇ったし、パラディオンの面々も蘇る!と各地で信仰が過激になっていきそう。

    エクソシスター達の信仰する神様はキリストだけど、そうなるとエリスに力を貸している大天使ミカエルはミチオン。つまり時戒神であり時間関連でもある。
    エクソシスター的にはアストラムに対する解釈はエノクがメタトロンになったのと同じで、星遺物で神へと昇華した存在……そして元ネタはアブラハムだから神の意志に対する人間の信念の化身として崇拝されている偉大なる聖人の一人。
    エクソシスター達からしてみればとんでもない存在になるし、クロノダイバーなども時間関連で繋がる。

    色々と繋がりが生まれてくる。

  • 108くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 20:31:55

    まあパラディオンはパラディオンで絶対重いだろうなって思ってます。復活させた恩人なのもあるし彼だからこそ集まったという面もあるし。

    あ、ちょっとながいのいきまーす

  • 109くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 20:32:46

    「ここがトレジャーハンターが集まる街、か…」
    「かうっ!」
    「そうだね、ここならもしかしたらアウラムに会うための方法が見つかるかも。」

    アウラムと再会するための方法を探す少女イヴは相棒のイムドゥークを連れてこの街へ来ていた。トレジャーハンターが集まる街……といえば聴こえはいいが実際は閑静な街である。イヴも期待しすぎずに、といった心持ちだった。

    「……かう?……かぅっ!?」
    「どうしたのイム?……え?星鍵が光って…!?きゃー!?」

    だが、どこにでも例外はある………星鍵が謎の反応をしたとイヴが感じたその時にはイヴとイムドゥークは光に包まれ消えていた………

    遥か先の未来、a-vida内部にて。

    「a-vida.今よろしいでしょう…か…」
    「ん?あぁ、アポロウーサか。ごめん、少し暇だったから鍛錬を…顔赤いけど大丈夫…?」
    「だ、大丈夫です……私は処女神の遣い……この程度の煩悩……」
    「う、うん……?よくわからないが無理しないようにな?」
    「………そ、それはどういう…」
    「って、何か用があったんじゃないの?」 
    「はっ…そうでした…!」

    閑話休題。双星神の中で鍛錬というのも変な話だがこうしてないと落ち着かないらしい…だが今後はせめてインナーくらいは着て上半身裸での鍛錬は(ちょっとやばいので)やめてほしいと怒られるa-vidaであった。

    「さて、今回なのですが…実は帝王の一部が動いているようなのです。」
    「帝王?」
    「はい。世界の破壊者…正直神サイドとしては迷惑この上ないですが、今回は数自体は少ないので貴方の力をお借りして追い返していただきたいのです。」
    「なるほど……まあ、そういうことならわかったよ。」
    「貴方ならそう言ってくださると思っていました。では、私も現地でサポートしますので早速参りましょう。」

    こうしてa-vidaは地上に降り立った。

  • 110くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 20:33:55

    「……ここ…どこ……?」
    「かぁう………?」

    そう嘆くのはイヴとイムドゥーク。彼女たちが嘆くのは無理もない。先程まで閑古鳥がなくほどに賑わいのなかったはずの街にいたはずなのに打って変わって人が行き交う賑やかさになっている。

    「どこかに飛ばされた…?でもこの街の外の風景は大まかにはあってる…多少のズレもあるけど…」
    「かうっ!」
    「……町の看板も一緒だね…ってことは……場所は変わってない……っていうか…」

    「タイムスリップしたってことー!?」

    門の前で急に叫ぶ彼女に視線が集まる。慌てて彼女は周囲に頭を下げイムドゥークと共に走り去る。

    「どうしようイム…ここが未来か過去かもわからないけど、このままだと帰れない可能性も……」
    「かうぅ………」 
    「とにかくこの辺りの情報を──あたっ!?」
    「わぁ!?」

    考え事をしながらとにかく走っていたイヴだったが誰かと激突した。見るとかなりの荷物を持っていたようである。

    「ご、ごめんなさい!前見てなかった!」
    「いえ、いいんですよ。私もあまり見えてなかったのでお互い様です。」
    「えっとこれとこれて……こっちがこうかな…はい、どうぞ。」
    「わぁ!ありがとうございます!」 
    「(……なんか食べ物の荷物多い?……それにしてもこの雰囲気…アウラムにそっくり…)」

    人懐っこそうで明るく、どこか人を寄せ付ける雰囲気を持つ少女に幼馴染の姿を幻視する。

  • 111くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 20:34:43

    「あの?」
    「あ、はい!なんですか?」
    「良ければそちらのお茶屋で休みませんか?荷物を拾って頂いたお礼もしたいですし。」
    「え?でも悪いですよ。私からぶつかったんだし。」
    「これも何かの縁と思ってなのですが…だめですか?」
    「………分かりました。」
    「やった!ありがとうございます!」

    一瞬しゅんとした様子の彼女にこれ以上断るという選択ができず結局押し切られてしまう。

    「(…なんというか…本当に彼そっくりだなぁ……)っと、そうだ、私はイヴ。あなたは?」
    「エクレシアです!よろしくイヴさん!」


    一方その頃。この地にたどり着いたa-vidaは街を歩きながらアポロウーサと具体的な方針を話していた。

    「……ってことは、帝王がいつ出てくるかはわからないのか。」
    「はい。本日であるのは間違いないとは思いますが、流石にどれくらいかまでは…」
    「そうなると街の人を避難とかもやりにくいな…なにより俺たちよそ者じゃあ急にそんなこと言ってもあしらわれるだけか…」
    「そうなりますね、できれば街の上空で被害が出ないよう戦いたいところですが…」
    「…俺あんまり飛べないんだけど?……っと。」
    「っ、悪い、前見てなかった。」
    「いや、大丈夫だよ。」

    そんなことを話していたら目の前を歩く人物と軽く当たってしまう。

  • 112くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 20:35:42

    「すごい荷物だな…?」
    「連れがよく食べるんだ…まあ、その連れとは逸れてるんだが…」
    「って大変じゃないか!?」
    「探している様子ではなかったですが…大丈夫なのですか?」
    「集合場所は決めてるから大丈夫だ。」
    「そっか…なら良かった…っと、そうだ。もしよければこの街について教えてくれないか?代わりと言っては何だけどその荷物を少し持つからさ。」
    「え?」
    「a-vida?」
    「せっかくならこの街について少しでも知っておきたいし…なんとなく彼他人の気がしなくてさ。」
    「もう…貴方の悪い癖ですよ?」

    アポロウーサが軽く叱る様子から相手の少年は「夫婦か何かなのだろうか?」と聞きそうになるのをぐっと抑えた。
    一方a-vidaはこの少年の真っ直ぐな目と同時に一人で解決してしまいそうな雰囲気からイヴと、なんとなくイムドゥークの面影を感じていた。

    「俺はあう……a-vida。よろしく。」
    「アポロウーサと申します。」
    「………俺はアルバス。まあ、よろしく。」

    こうして別々の場所で彼らは巡り合った。

  • 113くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 20:36:18

    「へぇ、イヴさんは色んなところを旅しているのですね。」
    「うん。色々あって人探しも兼ねてるんだけど…なかなか見つからなくてね。」
    「…そうですか…見つかるといいですね…」
    「ありがとう。エクレシアさんはこの街にいるってことはトレジャーハンターなの?」
    「はい!といっても最近なったばかりなんですけどね…」
    「トレジャーハンターか…なんだかいいなぁそういうのも…彼を見つけたら私も名乗ろうかな?」
    「いいですね!その時はぜひ会いに来てください!」
    「あはは…ありがとう…」

    そもそも戻る手段も見つかってないのに大丈夫かな…と1人悩むイヴであった。

    「そういえば、さっき話題に出た連れの子ってどんな人なの?」
    「アルバスくんですか?そうですね…ちょっとぶっきらぼうで無茶をしたりして…でも私のことを助けてくれたり色々あって落ち込んでたときに寄り添ってくれて……本当は優しい男の子なんです…」
    「……………応援するねエクレシアさん。」
    「ど、どうしたんですかイヴさん!?」

    彼女の初々しさと相手に何かどっかのあんぽんたんと同じ気配を感じて感情移入をしまくるイヴであった

  • 114くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 20:36:55

    「へぇ…この街に来たのは最近なのか。」
    「あぁ。トレジャーハンターになったの含めてな。」
    「でもどうしてまた?トレジャーハンターってよほどの理由がないとならないイメージもありますが。」
    「え、俺だいぶ憧れてるんだけど…」
    「貴方は神でしょうa-vida…」
    「(神…?)そうだな…俺たちの場合逃げてきたが正しい。」
    「逃げてきた?」
    「……俺を拾ったツレは自分が傷つくのも自分の居場所がなくなるのも恐れずに立ち向かった。あいつは優しすぎるんだ…会ってすぐの俺なんかのために……だから今度は俺が守ってやらないと……」
    「……そっか、頑張れよアルバス。」
    「……頭撫でんな。」
    「…こう、素直じゃない子なのですね…」

    その在り方に共感を示しa-vidaはつい頭を撫でていた。眉をしかめるアルバスだったが拒否はしないあたりに人の良さが出ているというか、素直でないというか…

    こうしてそれぞれが楽しげな、少しの運命の悪戯によってできた縁を享受していたその時。異変は起こった。

  • 115くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 20:37:59

    「!!」
    「a-vida!!」

    「…なに、何が来たの…!?」
    「ぐるる………!!」

    「これって一体…?」 

    「何が起こっている…?……エクレシア…!」

    初めに気がついたのは神に関連するa-vidaとアポロウーサであった。次に気がついたのは星遺物の出来事からこういったことへの変化に敏感になったイヴとイムドゥーク。そしてまだ未熟な面もあるが大きな素質を持つ少年と少女もまたそれぞれ気がついた。

    そしてそれは的中する。空が大きな雲に覆われ……そこから何かが降臨した。

    「………小さき者たちよ………我は氷帝メビウス……貴様らを破壊する……」

    その言葉と同時にメビウスと名乗る帝王は巨大な……この街一つを多い潰すほどの氷を生成して……落とす……

    「アポロウーサ!」
    「はい!」

    「はああぁ!!!」

    いつの間にかa-vidaは建物の上に登り星の剣の力でそれを砕く。

    「はっ!!」

    砕かれた氷をアポロウーサの弓で大半を撃ち落とし街への被害はかなり少なくした……だが……

  • 116くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 20:39:06

    「くそ…だめだ、あそこまで高いところにいたんじゃ攻撃が届かない…せめて飛べたら……」
    「おい、大丈夫か!?」
    「アルバスか…大丈夫、それよりも避難を…」


    「……小さきものよ…抵抗をするな……楽に終わらせてやろうというのだ…」

    メビウスが指を鳴らすとどこからともかく低級の使い魔たちが街を襲い出す。

    「くっ…一匹一匹は弱いですかこれは…」
    「数が多い…!!あいつを倒しにいかなくてはならないのに、このままじゃ…!」
    「……エクレシア…!!」

    一方イヴとエクレシアは町民の避難誘導を開始していた。

    「今の光って……」
    「イヴさん!少しずつですが避難する人が増えていますがやっぱり混乱がひどいです…!」
    「…!やっぱりそうよね…あんな化け物と…こんな奴らが攻めてきたんじゃ…ね!!」

    そう言って人混みに向かい襲ってくる魔物を星鍵を使い切り捨てる。イムドゥークの飛行能力も用いてどうにか対処しているという状態だ。

    「イム、もう少しお願いね。」
    「かうっ!」
    「イヴさん!幾らなんでも危険ですよ!一人で全部の魔物を相手しようだなんて…!」
    「…そうしないと、避難に集中できないでしょう?」

    イヴはあまり戦士向けの戦い方はしない。旅をする中で多少の心得はできたがその基礎は魔法使いのもの、本来一人で戦うことはかなり厳しいはずだ…だが…

  • 117くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 20:39:49

    「はっ…!!」
    「キィ!?」
    「はああああぁ!!!!………くそ、やっぱり届かないか…!」

    一方a-vidaはどうにか一撃でも帝王に入らないかとエネルギーを収束させて剣より放つが、やはりはるか上空では難しいようだ。アポロウーサも周囲に来るものはすべて打ち倒すが、いつまでも持つわけではない。

    「…だめだ、a-vida、アポロウーサ。逃げたほうがいい。あれへの対処はそもそもきついぞ…」
    「いいえ、逃げれません…少なくとも、a-vidaが戦ううちは…」
    「なら逃げれないな…!俺はあれを倒すまで絶対に引かない…!」
    「……何故そこまで。不可能な相手だぞ。」

    飛行手段など持ちあわせていないa-vidaては有利不利の話では無い……だが…


    「「この地で生きる人がいるのに……それを壊そうとしてる奴らがいるのを黙って見過ごせない…!!」」

    生きた年数も時代も場所も別々となったa-vidaとイヴ…しかしその意志は、戦うための理由はいつまでも1つであった。

  • 118くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 20:40:27

    「……わかりましたイヴさん…でもやっぱり、私も貴方のお手伝いをします!」
    「え?でも…」
    「大丈夫ですよイヴさん!この街はあなたが思っているほど弱くない…そうでしょう皆さん!」
    「……俺達は戦うことはできないし嬢ちゃんたちに任せることになるが…多少の自衛と、ちっとはマシな避難くらいできる!」 「嬢ちゃんら!俺たちのことを気にしすぎず自分のことも守ってくれよ!」
    「……本等だ、とっても強いねイム。」
    「かぁう!」
    「エクレシアさん!イムくんに乗させてください!」
    「えぇ、どうぞ!……それじゃあ、行きましょうか!」

    イヴとエクレシアは避難民のための露払いをする。上のものは……きっと、イヴの想像が正しければ、なんとかなるから…
    きっと彼ならば、こうすることを望むから…

    「……俺ならば。お前を上に運ぶことができるかもしれん。」 
    「…!本当かアルバス!?」
    「俺はドラゴンに姿を変えれるんだ。その力でa-vidaを運べば或いは…でも、人を乗せての戦闘なんて初めてだからうまくできるか…」
    「…大丈夫だ。きっとね。」

    アルバスの肩を叩き、やや抽象的なアドバイスが送られた。アルバスとしてはなんとも頼りのない言葉であるが…

    「……そうか、なら。やろう。」

    何故か今は誰よりも信じられる言葉な気がした。

  • 119くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 20:41:14

    「私は下で雑魚を抑えます、a-vida、アルバス。頼みますよ!」
    「「おう!」」

    2人が走り出し光が包む。星遺物の力か別の力か或いは両方か…とにかくアルバスの中で力があふれる……今ならばいけると、確信する。

    「行こうa-vida!!」
    「頼んだよアルバス!」

    本来交わらない星の勇者と白の龍が混ざり合う。それによって新たな竜、新たな騎士、新たな力が目覚める

    ──星刻竜機士 アルバス・ナイト

    白く輝く竜となったアルバスにa-vidaは乗り星遺物と双星神の力を全開にする。

    「愚か…!!」
    「その攻撃は!!」
    「もう見たんだよ!!」

    再びの巨大な氷の塊をa-vidaの剣で再び切りアルバスのエネルギーを用いた光線で跡形もなく消し去る。

  • 120くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 20:42:04

    「我らに逆らうか、小さき者…!」
    「逆らうんじゃない…!」
    「下に守りたい奴らがいるだけだ!!」

    アルバスナイトの突進を受けてメビウスはさらに上空へ飛ばされ…

    「「パラディウムエンブレム!!」」

    a-vida,アルバスの全力のエネルギー波を受けてメビウスは消えた…残された使い魔たちも主が消えたのを感知して姿を消していく。

    「……やったなa-vida。」
    「ナイスだったよアルバス。」

    「やりましたねイヴさん!イムくん!」
    「えぇ、お疲れ様エクレシアさん、イム。」
    「かぁう!」

    こうして帝王の脅威は去り……分かれの時間が来た。
    「それじゃあ、俺たちはこれで帰るよ。」
    「街を見ていかなくていいのか?」
    「そうしたいところなんだけど…」
    「だめですよ?まだいつ仕事が来るかわからないのですから。」
    「……だそうなので…」
    「…大変だな…」

    前に顕現したときに仕事を忘れて観光をしすぎていた(しかもアポロウーサに内緒で)彼の自業自得ではあるが…それでも本当に疲れた顔であった…

  • 121くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 20:42:46

    「…また会えたら会おう。その時は俺の大事なやつを紹介する。」
    「うん、また会おう……その人を、しっかり守るんだよ。」
    「言われなくても。」
    「またお会いしましょうね。」

    こうして3人は握手を交わし別れた。

    一方イヴとエクレシアは。唐突にイヴとイムが光りだしていた。

    「ど、どうしたんでしょうこの光!?」
    「え、えっと…ここに来るときにもなったから…たぶん私達の時間に戻れる…のかな…?」
    「私達の時間…ってイヴさんタイムスリップしたんですか!?」
    「あっやば…」
    「かぁう……」

    最後の最後に天然で爆弾発言をするのは血筋なのだろうか…そう考えるイムドゥークであった。

    「…そうですか…もう会えないかもなのですね…」
    「…そうかもしれない…でも、エクレシアさんに会えて良かった。楽しかったよ。」
    「かぁう!」
    「…はい!私も楽しかったです!」
    「それじゃあ、私達は帰るけど…アドバイスです!好きな男の子の手は離しちゃいけません!アイツラ一度どっか行くと戻らなくなったりするから!」
    「す、好き……ですか…!?」
    「うふふ、そこまで意識してなくても、大事な人といつまでもいられるよう…頑張ってねエクレシアさん。」
    「…はい!イヴさんもイムくんも、大事な人にちゃんと会ってくださいね!」 
    「「約束!」」

  • 122くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 20:43:14

    そう言って笑いあった2人と一匹はその直後に消えたが…エクレシアは悲しみはなく、爽やかな別れとなった…

    「(………遠くで君の気配を感じた、どういうことかわからないけど…もしかしたら君はいたのだろうか…)」

    「(あの光は…貴方以外…いないよね…きっと貴方は多くの人を救うために来たのでしょう。)」

    「(……まだ会うことはできないけど、いつか会えたなら…今日出会った友達の話をしよう。)」

    「(もしも会うことができたなら、貴方に今日巡り会えた友達に会いに行きたいね…)」

    「「(そして願わくば、君(貴方)によく似た彼(彼女)が、大事な人と共に生きられますように…)」」

    そして時計は、正しく進み出す。

  • 123くれくれ幽霊乞食22/04/18(月) 20:45:52

    ぼくはねぇ、前作主人公と現在主人公が組んで戦う姿やアストラムがドラゴンに乗る姿が見たかったんだ…

  • 124二次元好きの匿名さん22/04/18(月) 23:55:00

    星鍵スケコマシ野郎なアウラムも良いけど
    たまにはニーサンとチャンバラごっこしてうっかり山一つ地図から消したりクロノダイバーから押し付けられたエロ本を女性陣に見つかって誤解されたり男だけでバカ騒ぎしたりして
    青春してる青少年アウラム君も見たいです

  • 125くれくれ幽霊乞食22/04/19(火) 00:04:57

    >>124

    なんだとぉ…?私も読みたい。隙間を作ってやるか……

    たぶんアウラムはあんまり性癖とか好みとか考えたことないだろうなぁという想像はある。好きな人が性癖になるみたいなタイプそう。

  • 126二次元好きの匿名さん22/04/19(火) 00:16:55

    おお、竜の背に乗って戦うのは王道で格好いいな!!アルバスとエクレシアは良い未来を掴んでほしいものだ(最近出た新規カードからは目をそらしつつ)
    ヒャッハー帝集団は超迷惑な存在だけど、そういう次元侵攻してくる敵を察知するのもS-focreの仕事の一つなのかも。確か災害の防止もやってたはずだし(災害扱いされる帝集団)。出現箇所や時間を特定できれば、事前の避難で被害を減らせそうだ。

  • 127くれくれ幽霊乞食22/04/19(火) 00:22:50

    >>126

    やっぱドラゴンに乗るのは男の子の夢だぜ。

    実は最初S-forceの仕事にしようかと思ったんだけど、それだとイヴを引っ張ってこれないので(イヴが何万年も前の人間設定にしちゃったので)じゃあイヴもアウラムも一緒のタイミングにタイムスリップするかと言われたら動機が面倒なことになりそうなので…神様時代…a-vidaの彼の仕事はどういったものなのか?という視点で作りました。

  • 128二次元好きの匿名さん22/04/19(火) 09:00:26

    アウラムくんは異性に対して胸がデカいとか小さいとかそういうことは言わないだろうな
    好きな人のそれが好きみたいな感じ
    そもそもエロ本の概念を知っているのかどうか

  • 129二次元好きの匿名さん22/04/19(火) 18:22:39

    保守

  • 130二次元好きの匿名さん22/04/19(火) 21:11:59

    マスカレーナがアウラム君とセフレになって、今はこの関係が楽しいと、複雑な距離感となるのはどうだろう。

    峰不二子みたいな感じ。

  • 131くれくれ幽霊乞食22/04/19(火) 21:21:35

    >>130

    お前ー!!!それは~!!!…!!………どきどきする。良い文明

  • 132くれくれ幽霊乞食22/04/19(火) 23:04:07

    「そこまでだ。」
    「ふぅ……お疲れ様ふたりとも。」
    「お疲れさまです……また一本取れませんでしたね…」
    「……あと少しなのに。」
    『いやいや、惜しかったよ。』

    閃刀姫2人とアウラムによる戦闘訓練。今回は珍しくニンギルスと蒼穹とガラテアが見学をしていた。 

    「久しくお前の戦いを見たが、腕を上げたな。」
    「いやー、最近レイやロゼに負けてられないのもあるし、対悪魔とか色々やってたらだいぶ調子を取り戻したみたい。」
    「まだ全盛期じゃないんですね…」
    「a-vidaの中にいたときはずっと動けなかったからね…」コソッ
    「……あのアポロウーサって人とは何もなかったの?」
    「あぁ、彼女は弓師なのもあったし近接での暴れはできなかったから…あの、なんか言い方に含みと視線を感じるんだけど…」
    「気にしたら負けよアウラム。」

    その真意が何もないと信じたいもののあからさまに嬉しそうなロゼであった。

    「そういえばニンギルスさんはアウラムさんのこと色々知ってらっしゃるんですね?戦い方とか…」
    「俺はこいつの実質的な師でもあるのだ。」
    「師匠!?」
    「俺の戦い方の基礎とかはニンギルス直伝だったんだよ。当時からニンギルスには負けっぱなしだったけどね。」
    『まさに古い時代の剣と槍最強の戦士二人組って感じね。』

    実際当時のパラディオンリーダー。オルフェゴール創始者。あの時代の最高戦力の中でも最強の戦士の2人の激突を肌で感じたことのあるガラテアの発言には強い実感がこもっており、閃刀姫の2人もその言葉が嘘ではないことを察した。

  • 133くれくれ幽霊乞食22/04/19(火) 23:04:35

    『あ、でもさ。今は色々変わっただろ条件?どっちが強いんだ?』
    「そりゃあ。」「そうだな…」 
    「「俺だろうな。」」
    「「え?」」

    蒼穹の保護者目線から来る疑問は火種を生んだ。

    「………いや、ほら。俺経験で言えば色々と危ないのとぶつかったりしたから、実戦ならニンギルスにも負けなくなってると思うなぁ。」
    「お前はa-vida内ではあまり訓練できてなくて鈍っていると言っていただろう。俺は世界を見守るためにも鍛錬を欠かさなかったぞ。」
    「「……………」」
    「く、空気が張り詰めてます…」
    「まさかアウラムがあんなに負けず嫌いとは。」
    『悪いことしちゃったかなぁ。』
    「………2人とも、ちょっと休憩しててくれ。すぐに終わらせるから。」
    「ちょうどいい、最強の槍を見せてやろう。」

    バチバチと火花を鳴らしながら2人はフィールドに立つ。

    「……負けず嫌いなのはあると思うわ。でも、それ以上にアウラムの方は憧れを超えたくて、ギルスの方は色々迷惑もかけて顔も合わせられないけど、それでもかっこいい兄貴分でいたいのよ。」
    「……男って大変ですね。」
    「そんな男に惚れたのでしょうあなたたち?」
    「…………」
    「うん。あのアウラムもかわいい。」
    『女の子の輪に混ざるには私はきついかもなぁ…』

    外野で4人が話している間に2人は準備が終わった。

  • 134くれくれ幽霊乞食22/04/19(火) 23:05:20

    「昔からのやり方でいい?石投げて落ち終わったら開始。」
    「良いぞ。投げるのはお前のタイミングでやるといい。」
    「分かったよ。それじゃあ遠慮なく」

    手頃に拾った石をちょうど二人の真ん中に落ちるよう投げる。石はきれいな弧を描き

    カツン

    「「はああああああ!!!!」」

    凄まじいまでの衝撃が二人を中心に走った。 

    「くっ…余波がここまで…!!」
    「…剣の軌道も槍の一撃も見える……けど、反応するまで私達だと時間がかかるレベル…あれ、本気の本気じゃない?」
    「お互いそこまでやっても問題ないって判断なのでしょうね。」
    『やばめの信頼だねぇ。』

    ロゼの言うように2人とも攻撃は急所を狙う実践形式だがお互いにその攻撃を弾き逆にカウンターをするといった打ち合いを何合も繰り返している。


    「くっ…防がれるの込で嫌なところを攻めてくるなぁ…!」
    「お前もしっかり武器を持つ手ごと切りに来てるのだ、お互い様だ。」

    『レイ嬢。ロゼ嬢。閃刀姫からみたらどう思う?』
    「え?…そうですね…単純なパワーはアウラムさんの方が少しだけ上回っていると思います。拮抗してたらさっきから若干ニンギルスさんが押され気味ですし…」
    「逆にニンギルスのスピードと手数はアウラムを遥かに上回ってる感じ…なんで槍のあの速さを維持しながら切り返しがあんな早いんだろう…」
    「それに関してはギルスだからとしか…でもその圧倒的なスピード差を縮めて渡り合っているのはアウラムの戦闘センス…というよりも経験値からくる直感でしょうね。」
    『解説ありがとうね。まあつまりスペックはやっぱりオルフェゴールが優位だ…だが。』

  • 135くれくれ幽霊乞食22/04/19(火) 23:06:12

    「……そこ!」ガッ
    「くっ…蹴りか…」キン
    「いやなんで武器不意に蹴っ飛ばされたのにすぐ体勢戻して攻撃に移れてるんだよ!?」
    「そのくらいのお前のそのばその場の対応には何度も付き合ったからな。」

    『というように、意外性であれば少年も負けてはいないさ。』
    「あの…たった今その意外性の優位揺らいだんですが…」
    「……技術チート…」
    「それに関しては否定できないわね…」


    だが4人の予想に反して精神的にはニンギルスもアウラムも同じくらいに追い詰められていた。

    「(打つ手打つ手が冷静に返される…!鍔迫り合いに持ち込めば押し込める可能性もあるけどその状態にさせてくれないしなによりパワーは同じくらいだから結構ギリギリだ…!)」
    「(先程から弾いてはいるが、攻撃はほとんど読まれている…なにより次に不意を打たれて反応できるとは限らん…コイツが何を仕掛けてくるかなど実際あの頃から分からんのだからな…」

    2人とも決め手にかける千日手になれば自分の不利は免れないことを知っている…故に…

  • 136くれくれ幽霊乞食22/04/19(火) 23:06:32

    「……こうなったら、一気に決めるぞ!」
    「やはり…お前もそうなるか。」

    2人が一度動きを止め、エネルギーを貯める…一気に勝負を決めるために……ために……エネルギーを………

    「…………いやそれこのあたり危なくないですか!?」
    『あの2人が全力で打ち合ったらここワンチャンぶっ壊れるかもね…さっきの余波ですらあの衝撃だったわけだし…』
    「………完全に頭に血が登ってるわね……欠いてるのは冷静さの方みたい…」
    「あ、ため終わったみたい。」

    外野が何を騒いでいるのかも気づかず乗りに乗ってる2人は腰を低く落とし、突撃の構えを取る。

    「……今日こそ超えるよ、ニンギルス…!」
    「まだ俺の壁を超えるには早いぞ、アウラム…!」

    「ふ、2人とも待ってくださ…」

    レイが止める間もなく2人の姿は一瞬消え。

    「「うおおおおおおお!!!!!!」」

    凄まじいまでの衝撃が島を……海を揺らした…

  • 137くれくれ幽霊乞食22/04/19(火) 23:07:18

    「……それで?申し開きはありますかお二人共?」
    「………ないです……」
    「ギルス。貴方仮にも兄貴分なのでしょう?貴方が冷静に判断しなくてどうするのです?」
    「……すまない…」

    あの後蒼穹が予め用意していた衝撃バリアによって島自体は無事に済んだが2人が戦っていた訓練場は消滅。気がついたら海に投げ出された2人を引き上げ現在レイとガラテアが説教をしていた。 

    『いや、甘く見ていたよ…結界の強度があと少し低ければ…或いは衝撃の時間がもう少し長ければ我々も一溜まりもなかっただろう。』
    「アウラム、楽しかったのは理解できるけどもうこんなことはめっだよ?」
    「……反省します。」
    「もう……今回のことは私がどうにか説得しますから…次はやるとしても被害の少ないやり方で解決してください。」
    「ごめんなさい…」
    「ギルス、貴方もいいわね?次やったら貴方の力、私の承認制にセットして普段は使えないようにするから。」
    「………今後ないようにする…」
    『いやぁ…大変だねぇ…それじゃあ私は紫宵が呼んでるからこれで…』

    蒼穹がそそくさ退場しようとしたところをガラテアとレイが止める。

    「……だめですよ蒼穹さん…あなたにも…」
    「結果的にとはいえ2人を煽った責任というのがあるのだから…」
    『……や、優しくお願いします…』
    「(御飯の時間きたら皆の正座止めてあげるか)」

    この日男性陣は「一度肝の座った女の子は強い」ということを学んだという。

  • 138くれくれ幽霊乞食22/04/19(火) 23:08:08

    意地張って張り合う男の子はかわいいですね(そしてそれを叱ってくれる人がいるのは貴重なことであるし永遠それで気ブレる

  • 139二次元好きの匿名さん22/04/20(水) 07:02:25

    思いついたエクソシスター達に素性がバレたアウラム君のイベント。
    教会に来たら、偉大なる聖人アストラム様とか言われる。何の事!?と戸惑っているとエクソシスター達の宗教ではアウラムは偉大なる聖人であり、神の元にまで辿り着いた救星主。巡礼者イヴや贖罪者ニンギルスと共に聖書の一員に取り込まれている。
    それに今までアウラムやアークロードとして自分達を見守ってくれた守護聖人として役割を果たしてくれていたと信仰される。
    特にイレーヌは元より神樹派にして神樹のパラディオンの一族の子孫。アストラムと再会するという悲願を成し遂げた事で信仰過熱。
    淫魔の呪いで精を浴びたのは、本当は洗礼だったのだとエクソシスター達は娶られたいと言われる。
    彼女らの背後に見える爺と逆ギレ糞女堕天使、うちのアポロウーサと結ばれるのよ!とキレてるアテナ、こっちに来ませんか?と誘ってくるワルキューレとオーディン。

  • 140くれくれ幽霊乞食22/04/20(水) 07:40:48

    >>139

    そういえばイレーヌさん神樹さんとちょいと立ち姿とか似てるからそういう線はあるなぁ…星の勇者の物語この世界だとおとぎ話と聖書どっちでも語られてそうだな。

  • 141二次元好きの匿名さん22/04/20(水) 10:15:44

    >>140

    髪色も緑系なので、下手すれば生まれ変わりの可能性も………

  • 142くれくれ幽霊乞食22/04/20(水) 10:49:50

    >>141

    イレーヌさんが重い女に…いや割と最初の想定からしてそうだったわ…やや過激信仰路線は他にないしありかもしれない。

  • 143二次元好きの匿名さん22/04/20(水) 13:24:28

    イレーヌさん重い女路線なら、生まれの家に保存されている神樹さんの日記など、個人的な感情が綴られた激重ラブレターがあったりして……偶然にも幼少のイレーヌさんが読んでしまい、アストラムに対する信仰が育っていったとか。

    そして彼女が一番好きな部分が『再び貴方が戻ってくる時、私は生まれ変わってでも逢いに行きます』

    そこへアストラム復活、自分が生まれ変わりなのでは?と考えてしまうイレーヌさん。今まで助けてくれた事や出会いもまた運命だったのだと、恋愛乙女フィルター全開になる。

  • 144くれくれ幽霊乞食22/04/20(水) 13:53:30

    ………書くかぁ!!

  • 145二次元好きの匿名さん22/04/20(水) 21:12:05

    星杯組はニーサンとイヴが兄妹でアウラム君は二人の幼馴染なわけだが、三人で家族のような結びつきも少し感じるな
    それはそれとして村で何事もなければアウラム君とイヴは将来結婚してたと思うけど
    星遺物との邂逅のイラストが関係性よく現れてていいよね…

    ソロモの描写見ても三人(+イム)はいつも一緒にいるようなイメージあるけどそういえばアウラム君に家族いたんだろうか

  • 146くれくれ幽霊乞食22/04/20(水) 21:19:05

    >>145

    なんとなく本当の兄弟みたいなニンギルスとアウラム。少年漫画よろしくアウラムくんたちの両親はしんでそう…

  • 147くれくれ幽霊乞食22/04/20(水) 22:37:28

    ずっと昔のこと、まだステラとソフィアが小さく。エリスとイレーヌが「妹」の立場であった頃のこと。

    「イレーヌ!一緒にかくれんぼしよう!……って、またご本読んでるの?」
    「うん!エリスも一緒に読む?」
    「うーーーん……かくれんぼしたかったのに……それにそのご本、「星のゆうしゃ様」のお話なんでしょう?」 
    「そうなんだけどね!絵本よりもいっぱい色んなこと書いてるの!」

    「星の勇者」…何十万も前を舞台にして星の勇者と呼ばれる男が仲間と一緒に巨悪を討ち、神として召し上げられるまでを題材にした絵本である。だが実際はとある聖書を元に作られた話でもあり、世界には彼の存在を示す遺跡や文献も見つかっている。
    イレーヌが持っているのは彼女の先祖から代々受け継がれてきた書……嘘か真か、「神樹の一族の日記」を写したものであるという。

    「えっと…星のゆうしゃ様がしんじゅの長様を仲間にするところ?」
    「うん……ここがすごい好きなんだ……ゆうしゃ様が何度もしんじゅ様を仲間にしたくてアプローチするのがすごい一生懸命な感じで…」
    「……わ、私もやっぱり読む!」
    「うふふ、いいよ。一緒に読も。」

    この教会では恋に関する本は少ない。本来ここの教会としてはシスターたちがこういったことに傾倒しすぎないようにするため制限しているのだが数少ないこの日記はイレーヌの私物であること、聖書のような扱いを受けていることから制限を免れているのだ。故にイレーヌとエリスにとっては心に響く恋愛小説となった。

    「……私もいつかゆうしゃ様みたいな人と出会えたらいいなぁ…」
    「そうだね…でも私は…ゆうしゃ様と会いたいな。」
    「ずっと昔の人なのに…?」
    「うん、だってね──」

  • 148くれくれ幽霊乞食22/04/20(水) 22:38:03

    時は現在に飛び、サバイバー都市。時刻は昼。たまにはエクソシスターの皆で外に出てみるかということになりちょうどそのタイミングで様子を見に来たアウラム(アヴラム)も交えて買い物に来ていた。

    「じゃじゃーん、どうかな?」
    「白のワンピースか…エリスらしくてよく似合ってるよ。」
    「おぉ…そんなにストレートに褒めてくれるなんて…ありがとうねアヴラムくん…あの、アークロードさんはこういうの好きなのかな…?」
    「うー……………ん……………清楚系が好きだからたぶん………?」
    「そ…そっか………ありがとう……」
    「アヴラムくん…こちらの赤とこちらの青、どちらがいいでしょう…?」
    「うーん……赤いのも良いと思うけどイレーヌはもう少し露出控えめなそっちの青の方が魅力的だと思うよ。」
    「そうてすか…ありがとうございます。……あの人に喜んでいただけるといいなぁ…」

    現在はエクソシスターたちが服を買いに来てそれに付き合っていた。エリスやイレーヌはこれ幸いと弟(と思われている)アヴラムを参考にアークロード好みの服を探していた。(まあ、決してアウラムの言ったことは嘘ではなく本当の感想でありもっというと好みも本当である。だからこそ若干自分の好みバラシてる気がしてとても居心地が悪いが。)

    「お兄ちゃん、私はどうかな?」
    「アヴラム…どう?」
    「ステラはエリスと同じくワンピースか。エリスと違ってオレンジ色が元気な君に合ってかわいいと思うよ。」
    「えへへ…」
    「ソフィアは黒のジャケットか…ボーイッシュ気味な君の魅力も上げつつ中の淡い桃のインナーがかわいくて良いね。」
    「……ありがとう……すごい褒めてくれるね…」
    「あはは………色々あってね…」

    大昔にイヴの服に何にでも似合うといった結果適当を疑われて具体的にどこがいいかをしっかり言わないと伝わらないということを理解しての成果なのだが、流石にそれを言うことをしないだけのデリカシーは彼にもあった。
    実際褒められた2人は少なからず想っている相手にここまで褒められて顔を赤くしながら嬉しそうにしているしそういうことにしたほうがいいのだ。

  • 149くれくれ幽霊乞食22/04/20(水) 22:38:47

    いずれにせよなんとも平和な時間である。ここまでお出かけをエンジョイしているのもエクソシスターの4人はだいぶ久しぶりといえる。
    だが、こういう時は得てして何かが起こるものである。それは良いものであったり。

    チリン……

    「「「「「!!」」」」」

    悪いものも含めて…

    「…皆、今のは感じた?」 
    「うん…悪魔の気配ろでもなんか…いつもとちょっと違う…?」
    「そうですね…何か違和感はあります…ありますが…」
    「今は退治に専念しよう…幸いまだ暴れてはいないみたいだし…こんな人の多い場所で暴れられる前にケリをつけよう。」
    「そうだね…気配はまだ消えてないし、これなら追いかけれるはず…俺が先行するから皆は下がっ…」 

    ここまで言ってアウラムは自分の今の姿を思い出ししまった…と思った。

    「何を言ってるのアヴラム君。君はS-Forceだし責任があるかもしれないけど、悪魔はとても危険なのよ?」 
    「素人の子どもである貴方に先陣を切らせるわけには行きません…ステラと共に中衛でしたで控えていてください。」
    「お兄ちゃんは私が絶対守るからね…!」
    「……は…はーい……」 
    「それじゃあ行こう、気配が消える前に…」

    なんとかバレずには済んだが正直かなり不服である。とはいえ自分の正体を明かすわけにもいかずどうしたものか考えながら彼女たちの後を追う。
    気配を追っていると不思議なことにどんどん人通りが少なくなっていく。それを見てエクソシスターたちは変身して戦闘態勢をとるが…

  • 150くれくれ幽霊乞食22/04/20(水) 22:40:12

    「…妙だね…なんでこんな人から離れたところに…?」
    「悪魔ならむしろ人通りに紛れてもいいはずなのに…」
    「……もしかして誘われて…」

    ソフィア……アソフィールがその可能性に気づいた時、黒いモヤのようなものが最前のミカエリスを襲う。

    「危ない!!」
    「えっ…!?アヴラムくん!?」
    「くっ…!」

    すかさずにミカエリスをアウラムが突き飛ばす形で庇うが自分のことまでは回らず囚われてしまう。

    『小さきものよ…』
    「…!?この気配…帝王か!?」
    「帝王…!?」
    「なに…それ…?」
    『ほう、我らが主を知っているか。だが我は帝王様ではない。恐れ多くもかの方々から力を授けられた悪魔にすぎん…』
    「そっか…だから悪魔に混ざって変な感じがしてたんだ…」
    「どっちでもいい!その子を離しなさい悪魔!!」

    ミカエリスは剣の切っ先を向けるが悪魔は嘲笑う。

    『愚か。コヤツの命我が掌としれ…武器を捨てよ。』
    「聞く必要ない!!早く浄化を!」
    「………くそっ…」

    従っても悪魔が約束を守るなど思わない…思わないが…それでも4人は武器を捨てざるを得ない。

  • 151くれくれ幽霊乞食22/04/20(水) 22:41:00

    『愉快…貴様らにどれほど同族が祓われたか……あの方たちのためにも邪魔者になりそうな貴様たちはまっさきに殺したかった…』
    「……最初から私達狙いだったんだ…」
    『何をしている。頭を下げよ。』
    「この…!」
    『我は帝王様の眷属。それ相応の態度を見せてもらわねばな…』
    「うっ…」

    悪魔は嘲笑う。アウラム…力のない子どもを人質に取った時点で勝ち…どうやらこの男はこの者たちにとってよほど大切らしい。でなければ…

    「……申し訳ありませんでした……」
    「あなたの仲間を…いっぱい祓って…すみませんでした…」
    『ふはははははは!!!!愉快よなぁ!!しっかり目に刻めよ小さき者!!貴様のために女達が体を張るのだからな!!』

    こんなことはまずしないだろう…
    一方捕らえられていたアウラムは…

    「………………」

    静かに怒っていた。相手にではない。彼女たちの足手纏になっている自分がだ。このレベル本来であれば彼女たちならすぐ祓えたはずだ…だが自分が守るつもりが守られてしまっているこの状況はアウラムにとって苦痛以外ない。

    「……本当は。この姿を明かすつもりはなかったんだ。」
    『…なに?』
    「彼女たちを騙していて、合わせる顔がなかったから…でも…彼女たちが傷ついてる中自分のために動かないのはさ……勇者じゃないよな…!!」

  • 152くれくれ幽霊乞食22/04/20(水) 22:41:30

    彼の体を力が迸る。それと同時に悪魔が抑えられぬほどに力が強まる。

    『な…なんだこれは…!?なんだこの記憶は…!?貴様一体…!!!』

    見たことのない景色。ドラゴンに乗り帝王…主が1人を切り捨てた男の姿が脳裏に浮かぶ。その男はまるでこの男のような………

    「………星の勇者アストラム。または…」

    シン…

    『……なに、を?』
    「双星神a-vida…お前達帝王は俺が対処する。」

    名乗りを終わると共に悪魔は消える。切り口から炎に包まれ星の力により存在を許されぬほどに消される。
    完全に終わりだ。

    「………アストラム……」
    「アヴラムくんが…アークロードさんになって…星の勇者…?」
    「(うーん………どう怒られるかな……)」

    問題は彼女たちである。自分たちが騙されたことを知ればいい気はしないだろう。言い訳せずに受け入れねばと彼が振り返ると…再び頭を下げた四人がいた。

    「…え、えっと…どうしたのみん…」
    「お会いできて光栄です…聖アストラム。」
    「…えっ…聖アストラム!?」
    「聖アストラム…度重なる御無礼をお許しを。」
    「待って待って!?俺謝る覚悟はしてたけど謝られる覚悟はしてないよ!?とにかく頭を上げて!!」

  • 153くれくれ幽霊乞食22/04/20(水) 22:42:02

    とりあえず4人とも変身を解きアウラムも天穹に姿を変えて騙したお詫びとしてクレープを奢り休憩場所で話をすることになった(あのスピカですら遠慮していたためアウラムはちょっと寂しそうにしていた) 

    「俺が世界的に信仰されててしかも聖人扱いになってる!?」
    「はい。星の勇者の絵本はあくまで貴方の偉業をわかりやすく子どもにも伝えるべく作られたのが世間的にハマったもので元々は聖書として残されているのです…ご存じなかったのですか?」
    「え、絵本は知ってたんだけど…あの、エリスその敬語はすごい寂しいんだけど…」
    「…仕方ないよ、私達にとって聖人は憧れなんてレベルじゃない。私達の信仰する神とは関係が直接あるわけではないけど、それでも私達も憧れてたの。」

    ソフィアは随分と落ち着いたのか比較的いつも通りを装いながら会話しようとするが多少萎縮してしまう。エリスに至っては憧れが先行しているのかかなり畏まっている。

    「……おにいちゃ…アストラム様…私と、これからも遊んでくれる…?」
    「ステラ!」
    「……もちろんだよステラ。こっちからお願いしたい…みんなと仲良くしたいのは、嘘じゃないんだ。」
    「…!!ありがとう、お兄ちゃん!」
    「………わ、私もいいかな…アス…アーク……アヴラム…」
    「当然だよソフィア。これからもよろしく頼む。」
    「……うん、よろしく。」

    それでも妹組は頭が柔らかく、「聖アストラムだとしてもアヴラム」と考えいつもどおり接することに成功する。

    「……ごめん、私はまだちょっと飲み込めきれてない……私はアストラム様の物語、すごい好きだったから憧れもすごくてさ…でも、うん……アークロードさんが過ごした私達とのことは…アストラム様でも変わらないんだね?」
    「変わらない。」
    「……私すごい変なこと言うかもだし失礼なこともいったかもだけど大丈夫?」
    「それを言ったら俺はずっとみんなのことを騙してたし…俺がエリスと仲良くしていたいんだが…だめか?」
    「……だめじゃないです……改めてよろしくね、せ……アストラムさん…」
    「…!あぁ、よろしく!」 
    「ううっ……」

    一瞬のしゅんとした顔とそこからの満面の笑顔でキュンとしながらもなんとか耐えたエリス…と、着々と4人ともいつも通りとなりつつあったが。 

  • 154くれくれ幽霊乞食22/04/20(水) 22:42:52

    「あ…あの…聖アストラム……わ、わた……わた……」
    「イレーヌお姉ちゃん、すごい緊張してる…」
    「私達の中でアストラムさんの話を一番読んでたのも一番憧れてたのもイレーヌだからね…」
    「私姉様に星の勇者のお話読み聞かされるたびに色々と語られた…」
    「あー…イレーヌ?」
    「ひゃ、ひゃい!!」

    ガチガチである。いつもの淑女さながらの物腰が嘘のようである。



    「俺のことそんなに遠い人に見えるか?」
    「い、いえ、違います!!……ただ…」

    イレーヌは顔を赤くしたまま俯かせ、再び顔をあげる。

    「……私の一族は神樹の一族の末裔と呼ばれていて…私は色々あって教会に育てられましたが、貴方のことはご先祖の日記でよく知っていました…」
    「神樹のって……まさかヴェルスパーだの!?」
    「はい…」
    「そっ……か……なんかどこかで見た雰囲気だと思ったら…」
    「……ご先祖様と貴方の出会いのお話は何度も読み返しました。」
    「うっ…なんかしつこいところ見られて恥ずかしいな…」
    「そんな事ありません!貴方様のあの行動に先祖は喜んでおいでだったのが日記でありました!」
    「私もそのあたり結構好きだった…」

    エリスの言葉にほか二人も同意している。

  • 155くれくれ幽霊乞食22/04/20(水) 22:43:24

    そのままイレーヌは話を続ける。

    「…そして、日記にはこう締めくくられていました。『星の勇者はいつの日かこの世界に戻ってくるはず。ならば私達はこの世界を未来永劫守り、彼が守った世界を繋げていくべきである…いつの日にか。彼がこの世界に戻ってきたときは。私も生まれ変わり今度はこちらから会いに行きます」と…」
    「…ヴェルスパーダがそんなことを…」

    エクソシスター3人は「無粋だけど重い……」とは思ったが口には出さなかった。

    「……私、嬉しいのです……アストラム様は会いに来てくださった……私が先祖の生まれ変わりと言うにはおこがましいかもしれませんが……一族の悲願が果たされたのです……貴方に会いたかった……会えて良かった……」

    イレーヌは普段泣くことはない。常に穏やかに、強い芯を持っているからだ…だがそんな彼女が嬉しさで泣くほどに待ち望んでいたのだ、この出会いを。

    「……イレーヌ、涙は止めてくれ。」
    「…アストラム様…」
    「……生まれ変わりとか、そういうのはきっとイレーヌが望むように思えばいい。でも…これだけは言わせてほしい…俺と俺の仲間を信じてくれてありがとう。俺も君に会えて良かった…」

    彼女の涙を指で拭ってやりながら感謝の念を伝える。何万年も昔の存在である自分が帰ることを…そしてそう信じた自分の仲間を信じてくれた彼女に会えたこと…それはアウラムにとって何にも勝る嬉しさなのだ。

    「………ほわっ……」ボフン
    「えっ!?」
    「イレーヌお姉ちゃんが倒れちゃった!?」
    「いや……あれは分かる……私もドキッとした……」
    「しかもずっと憧れてた人に言われたからね……姉様キャパオーバーしちゃったんだろうなぁ…」
    「イレーヌ!?イレーヌ!?」
    「はわわ……………」シュ~~

    このあと彼女を介抱するためにしばらくこの場で休むことになったがその間ずっと羨ましそうに他の3人が見てきのであった………

  • 156くれくれ幽霊乞食22/04/20(水) 22:43:53

    おまけ 

    「そういえば聖書の俺ってどんな風に伝わってたんだ?」
    「えっと…恋愛漫画の王子様みたいな?」
    「女の人にいつもすごい発言してる。」
    「かっこよくて…素敵な人だったよ!」

    『笑っておくれ愛しい君…君のかわいい顔が涙で濡れてしまうのは、僕も悲しいんだ…』

    「「「例で言うとこんな感じの」」」
    「一ミリも掠ってないよ!?」

    いや10cmは掠ってる。そう一斉に思うエクソシスターたちであった。

  • 157くれくれ幽霊乞食22/04/20(水) 22:46:20

    概念を合体しこねくり合わせてできあがったのがこちらになります(?)実際アストラムくん上に召し上げられたあたりが聖人度すごい高いからすげーわ。

    私事ですが3週間連続投稿達成です

  • 158二次元好きの匿名さん22/04/20(水) 23:17:28

    良い。神樹の一族の末裔イレーヌというネタが文章化されると、やっぱり嬉しい。

    ふと思いついたのが堕天使+帝王による侵攻。堕天使達からしてみればエクソシスターや神の使いを排除するため。
    帝王達からしてみれば最大の障害排除のため。
    アストラムを倒そうと攻めてくる帝王、神様への嫌がらせも兼ねている失楽の堕天使、神となった人間であり聖人と認定されたアウラムという元ネタ的に地雷も地雷なルシフェル。

    そんな相手に対抗するために、エクソシスター、アポロウーサとパラディオン・テスタメントするアストラムという光景。

  • 159くれくれ幽霊乞食22/04/20(水) 23:39:46

    >>158

    いい概念貰ったので気合い入れた。

    堕天使と帝王とかいう敵にするには便利すぎる奴ら。まあなんというか、帝王からしたら現状アストラムとか邪魔でしかねーし堕天使は普通に性格悪いからありそう。ルシフェルはなんかうまくやればリースと同じく「なんだあの勇者(聖人)病気持ち悪!」ってなりそうだな。

  • 160くれくれ幽霊乞食22/04/20(水) 23:40:38

    テスタメントパラディオン展開は普通にできそうなんだよなぁ……シスター4人に神の使い1人なわけだし…

  • 161二次元好きの匿名さん22/04/21(木) 09:14:12

    何気に名前の由来が旧約聖書から来てるアウラムくん
    宗教の習合や派生で同一の存在でも宗教によって別の役割が与えられることは歴史上でもあるから、双星神の神話では「アウラム」=神だけど、カウンター罠の神を信仰する宗教では「アウラム」は元ネタのように神の祝福を受けて群衆を率いる聖人として伝えられてたりするのかもしれない

  • 162くれ22/04/21(木) 09:27:37

    >>161

    なんとなく名前をいってはいけないあの人タイプの信仰というか、神としてよりも英雄とか人としての側面が強そう。

  • 163くれくれ幽霊乞食22/04/21(木) 09:31:59

    ところで直接関係ないけどレイちゃんが13歳位であることが判明して多分ロゼもそのくらいなのでアウラムくんの彼女たちに対する保護欲ましてくると思います。13歳を軍人に…?

  • 164二次元好きの匿名さん22/04/21(木) 10:37:55

    レイも読んでそうな『星の勇者』

    エクソシスター達が、ニンギルスはともかくリースまでもがアウラムの傍で従者をしている事を聞くと、更にアウラムの慈悲深さに信仰度が上がりそう。
    レイとロゼに協力して戦争終結させた英雄、今もS-Forceで平和を守っているとなるとイレーヌの信仰ポイントがあっという間に1億ポイント貯まりそう。

    ついでにアストラムに愛される妄想で毎日慰めてそう。

  • 165くれくれ幽霊乞食22/04/21(木) 12:30:35

    >>164

    なんとなくのイメージとしては星の勇者は現代の人にとっては割とメジャーなおとぎ話って感じかな。聖書の方はぼちぼちだけどこっちの世界で言う桃太郎みたいな(絵本用に色々改変されてるところもありそうだけど)

    星の勇者が憧れの通り星の勇者してるのでまあエクソシスターたちの信仰度はあがる。たぶんイレーヌさんは自分がその時代での神樹さんだったときの妄想で耽ってることあると思います。

  • 166二次元好きの匿名さん22/04/21(木) 16:21:11

    エクソシスター達に素性がバレてからというモノ、アウラムは彼女たちとの親交を深めていた。
    特にエクソシスター達からしてみれば、憧れの勇者から直々に聖書の内容を聞けるという、世界中の宗教家が金を払ってでも聞きたいであろう勇者の旅路を、本人から聞けるのだ。
    聖書の内容の大筋はあっていたが、所々に権威付けなどのために誇大解釈など誇張された部分などがあり、ソフィアやステラが真偽を確認するという畏れ多い事をしながらも、全員で聞き入っていた。
    特に前半の自らの未熟さによって、幼馴染である星杯の巫女イヴの自決の話は、沈痛な様子で聞いていた。
    「でも、やっぱり贖罪者ニンギルスの話は盛り過ぎだと思う。」
    「そうよね。なんでも一人で出来る完璧超人過ぎて、嘘にしか思えないわ」
    「いやぁ、それが本当なんだよ。ニンギルスって昔から何でも出来たから……」
    ソフィアとエリスの疑問に、アウラムは苦笑いしながら語る。死んだ妹を生き返らせるためだけに世界に刃を向けた兄貴分のトンデモスペックは、第三者からしてみれば信じがたいモノだろう。
    「でも、ニンギルスの気持ちも分かる気がします。私も妹を失って取り戻せるなら、思ってしまうでしょう」
    「そうね。私もお姉様にまた会えるならって考えてしまうもの」
    イレーヌの言葉に同意するエリスの表情には影があり、彼女もまた失ったことがあるのだろうかとアウラムは考え、触れないことにした。
    「ねぇ、アウラム。貴方から直接パラディオン結成の話が聞きたいわ!特に貴方から見たパラディオンの話!」
    キラキラと瞳を輝かせたステラの言葉に、他の三人も食い入るように見てくる。特に熱烈なファンであるイレーヌなど普段の落ち着いた姿を放り出し、幼い子供のように目を輝かせてワクワクしていた。
    「う〜ん。あまり面白くないと思うけど良いよ。」
    そうしてアウラムの口から語られるのは、聖書や絵本では分からなかった当時のパラディオン達のありのままの姿。それは聖書に描かれた偉大な姿ではなく、どこまでも彼ららしい仲間の姿だった。

  • 167二次元好きの匿名さん22/04/21(木) 16:40:43

    アウラムの冒険譚は続く。機会仕掛けの悪魔の軍団『オルフェゴール』を率いて、世界に反逆したニンギルス。彼を食い止めるべくアウラムが率いるパラディオンの激突。次々に倒れゆく仲間たち、そして全て黒幕である邪悪なる妖精リースの復活。
    オルフェゴール・ガラテアの自己犠牲によるイヴの復活。
    「誰かの器として造られた存在だったとしても、その心は彼女だけのモノだったのね……」
    暴走したデミウルギアを止めるべく、アストラムへと覚醒し特攻をかけた先、科学者リースとの邂逅と選択。
    アストラムとなってデミウルギア内部で何があったのかは聖書には書かれておらず、そのまま神となったと伝わっているだけであった。
    「そんな事があったのですね……」
    「それにしても悪魔リースの執念は恐ろしいわね。主と同じ場所に至るために世界を滅ぼし、長い時間を待つだなんて…」
    「怖いね。ジャックナイツ様達も頑張ってたんだね。」
    聖書の神や天使も機械仕掛けの鎧を依代として降臨するとあるので、ジャックナイツは神話において人類を監視する天使で、悪魔リースを探していたと書かれているらしい。
    アウラムの旅路は、リースに利用されたとはいえ人間が自立してゆくための試練と解釈する声もある。

  • 168二次元好きの匿名さん22/04/21(木) 16:52:49

    「まぁ、この後からは俺じゃなくてイヴの物語で、俺はアヴィダになってからは眠ってたり、アポロウーサ達と一緒に帝王と戦ったり、君たちの神様とあったりもしたよ」
    「主にお会いになられたのですか!?」
    流石に自分達が信仰する神に会ったともなれば驚くだろう。四人とも驚愕と羨望の表情を浮かべていた。
    「うん。いかにもって感じのお爺さんだった。ただ何度注意しても懲りるどころか逆ギレしてきた窃盗癖のある聖女の事で相談されたりしたけど…」
    「あの背教の聖女ですか……」
    「流石、悪魔リースと並ぶ邪悪として聖書に記されるだけはあるわ…」
    「人間に嫉妬して堕天したルシフェルよりも酷い逆ギレ女。」
    「良い年して怒られても、主の慈悲を受けても反省しない悪ガキおばさんなの!」
    口々に失楽の堕天使となった聖女に対して辛辣なエクソシスター達。同時刻に堕天使達の間でヒステリックな癇癪の声が響いたのは偶然だろう。

  • 169二次元好きの匿名さん22/04/21(木) 17:22:18

    「そういえばアストラム様は現在S-Forceとして、この街の平和を守られているとの事ですが、どこに住まわれているのでしょうか?」
    「え?そ、それはその……」
    イレーヌの質問に言葉に詰まるアウラム。実は怪盗コンビの居候で小間使いなどしてますなどと知れば、彼女たちは確実に怒りの聖戦を起こすだろう。
    「も、もしですよ?アストラム様がよろしければ、その……こ、ここへお住まいになられてはどうかと思いまして……」
    今にも倒れそうなくらいに真っ赤になったイレーヌの誘い。聖人として信仰する主とも関係があるアウラムが教会にいてもおかしくない。
    「もっ、勿論!アストラム様のお手伝いもさせていただきますし!身の回りの世話なども喜んでさせていただきます!!」
    「いや、そこまでして貰わなくても……」
    「いえ!偉大なる星の勇者!聖アストラム様にご苦労をかけさせるわけには!!」
    猛烈なアタックをかけてくるイレーヌに、アウラムは素性を明かしたことを少しだけ後悔するのだった。
    「あんな事言ってるけど絶対建前よね?」
    「うん。憧れの勇者様とひとつ屋根の下で過ごしたいって欲望が漏れてる」
    「お姉ちゃん、ちょっと怖い」
    イレーヌの豹変ぶりにやや引き気味な三人、そして猛アタックにたじたじなアウラム。
    「いや!ほら!レイやロゼとも訓練あるからシスターが軍の関係者と一緒は良くないだろ?」
    「「「「は?」」」」
    何とか断る口実としてレイとロゼとの事を口にしたアウラムだったが、逆に火に油を注いでしまう結果となった。
    「戦争を止めるために閃刀姫と共闘した事は知っていましたが、訓練とは?」
    「いや、たまに一緒に訓練したり出かけたりするってだけで……」
    「ふーん……デートするんだぁ……へぇ…?」
    「アポロウーサさんも責任とか言ってた!!」
    「いや、手出してないよ!?何もしてないからね!」
    「外典に書いてある多くの女の人に手を出したっていうのも間違いじゃないのかも……」
    「待って!!?見に覚えがない!!」
    エクソシスター四人に詰問されるアウラム。そこに星の勇者としての面影など一切なく、修羅場で追い詰められている星鍵スケコマシ野郎でしかなかった。

  • 170二次元好きの匿名さん22/04/21(木) 17:22:38

    そこへ救いの手が差し伸べられるように、教会の扉が開かれた。
    「暇だから遊びに来たよ、アウラム」
    「す、すいません。たまたま休みになったのでロゼが遊びにいきたいって……」
    やってきたのはレイとロゼ。二人は救いの手のように思えたが……
    「アウラムさん?シスターさん達と何してるんですか?」
    不思議そうに問いかけるレイ、そしてロゼはズカズカと囲まれているアウラムに近寄ると……
    「私のアウラムから離れて」
    「「「「はっ?」」」」
    空気が凍りつく爆弾を炸裂させた。

    その後、何が起こったのはかは神のみぞが知る……

  • 171くれくれ幽霊乞食22/04/21(木) 17:43:49

    偉人本人が語る物語とかその後死んでもいいレベルだなぁ…あと神様に関してはまあ……ご愁傷様です…

    よく考えたらアウラム、ここだと怪盗に拾われて小間使同然になってて軍人の傭兵もどきもしてなんなら怪盗の力借りて時空超えたりしてるの割とゲームセットって感じだなぁ…知られたら最悪勇者争奪戦が起きかねない…

  • 172二次元好きの匿名さん22/04/21(木) 21:25:23

    人から神へとなったアウラム君と対になるように、ドラゴンから人へ変わるアルバス君。
    ここではアウラム君と邂逅し融合した事で、双星神の力が残っている可能性もある。

    星神竜騎士アルバスとか、そんな感じに覚醒しそう。

    大導神がホールから呼ぼうとしている闇の力こそ、チーム・パラディオンが星鍵で何とかしようとしていた存在なのかもしれない。
    それとも烙印の世界こそ、星遺物世界の過去、チーム・パラディオンの前の世界なのかも。

  • 173二次元好きの匿名さん22/04/21(木) 21:58:00

    閃刀姫VSエクソシスターのアウラム争奪戦を停戦させるために、アウラムは教会にお泊りする日を作る。
    キスリィは文句を言うけどヤバいんだって!というアウラムの焦り具合から、ま〜た女をコマして修羅場ってんな?と見抜かれる。

    そうしてやってきたアウラムに襲いかかるのは、リトさんばりに引き起こるラッキースケベ。
    着替えている所に突入してしまったり、妙に短いスカートを履いたイレーヌが落とし物を拾おうとして屈むと、アウラムに見えてしまう黒のTバック。
    どうかな?とエリスが胸元を強調した谷間を見せつける服装を見せてきたり、ステラとソフィアが一緒にお風呂に誘ってきたり、背中を流そうとするイレーヌやエリス。
    最後はネグリジェやら勝負下着でアウラムと一緒に寝ようとするエクソシスター達。

  • 174くれくれ幽霊乞食22/04/21(木) 22:29:36

    >>172

    ドラグマの辺りと星遺物の時間関係はちょっと気になるよなぁ。まあ別世界扱いだろうからそういうのはないのだろうけど……それでもチームパラディオンが止めたがっていたものがそれだったらと考えると夢がある。双星神の力が残ってたとしてそれが吉と出るか凶と出るか…姉貴分失ったうえアルバスくんまで失うことになったらエクレシアがかわいそうすぎる………


    >>173


    かー!!!見んねぇキスリィ!!イヴ!!卑しか女たちばい!!

  • 175くれくれ幽霊乞食22/04/21(木) 22:29:59

    リースはこの時代に来てからストレスが溜まっていた。

    「……この時代はルール厳正すぎるでしょ……私の時代くらいまで文明が戻ったせいよねたぶん…アイツラの時代なら色々やれたんだけどなぁ…」

    文明が発達するということはそれだけルールやマナーというのが増えるのだ。早い話色々他人の目が気になる時代になった。特に自分が好きに力を振るうために神を目指した彼女にとっては息の詰まる日々であった。

    「神の使徒特権でなんとか……してもあの女に弓でぶち抜かれるわね……」

    だが彼女にもこの時代で気に入った物があった。それは…

    「ふふっ……この食に関する進化だけは認めてやろうじゃないの下等生物共……テイクアウトしても暖かさを保つ技術と意欲は褒めてやるわ……」

    食。とりわけ1人外で食べる弁当は彼女にとって癒やしとなっており弁当屋で買ってきて食べるのが最近の日課である。今日の弁当は牛丼である。

    「ふふっ…それじゃあ…」
    「「いただきまー……あ?」」

    同時に聞こえてきた声にそちらを向くとそこには弁当を膝の上に同じように広げた忌々しい勇者、アウラムがいた。

    「………なんであんたがこんなところにいるのよ…」
    「いや…この辺りで仕事できてたんだけど解決したときにはもう昼ご飯時だったからここで食べてくことにして…」
    「神のくせにキリキリ働くなんてご苦労なことね?」
    「そういうそっちは?」
    「………最近はここで食べるのが日課だったのよ…バイトこのあたりだし…」
    「え、バイトしてるの…!?」
    「仕方ないでしょう!?この時代にしばらく滞在するならお金が必要なんだから!!」

  • 176くれくれ幽霊乞食22/04/21(木) 22:30:28

    リースが一方的な噛み付いているという形だがやはりこの2人は相性が悪い。因縁としてもしょうがない話ではあるが。

    「……別のところで食べなさいよ。私はここ移動するの嫌なんだから。」
    「せっかく一緒になったんだし良いじゃないか。一緒に食べようよ。」
    「正気なのお前!?私あんたのこと嫌いって言ったわよね!?」 
    「でもそれと話すか話さないかは別だろ?一応同じ仕事するようになったんだし…」
    「…そうだ、こういうやつだったわ…」

    先程まで戦っていたジャックナイツと同調できるようなやつに何を言っても無駄であった。

    「でもお前とこうしてまともに話すのは久しぶりだな。」
    「私としては1万年は共にいたわけだしそもそもあんたと話すなんて願い下げだけどね。」
    「あの一万年お前不安定だったじゃん」
    「ほぼ一定でローだったあんたのほうがどうかしてるわよ!!」

    1万年は正気をある程度保ってた時点で2人とも立派な化け物である。

  • 177くれくれ幽霊乞食22/04/21(木) 22:31:13

    「んで、アンタその弁当なによ。手作りみたいだけど。あんたにしては慣れてなさそうな感じね。」
    「あぁ、先輩からパトロール行く前に渡されたんだよ。たぶん戻ってくるときには食べてる暇ないからって。」
    「へぇ…いい先輩に恵まれてんのね勇者様は……ん?先輩って女?」
    「ん?そうだけど。」
    「………確かあんた今あのライバー?とかいう奴らと暮らしてるわよね?」
    「そうだよ?」
    「んでなんか私のこと敵視してくるシスターどもとおっない武器持った小娘共のところによく行ってるわよね?」
    「あぁ、エクソシスターのみんなはまだここに来たばかりだし、閃刀姫の2人は俺のことある程度把握してるのと、なんか放っておけなくてさ。」
    「んで、あの女……アポロウーサとはこの前現代観光してるわよね?」
    「普段アポロウーサは仕事多いからね。こういう時くらいは楽しんでもらいたくって。」
    「…………………(愚か者を見る目)」
    「何だその目!?」
    「……いや、刺されるのは勝手だけど私のことその時は巻き込まないでよ?」
    「何だその物騒な想定!?」

    これに関して言えばきっとあのニンギルスとガラテアでさえ同意するしイヴもグチを言い始めるレベルである。

    「あんたあの時代ですらイヴとあのエルフみたいな奴に取り合われてた癖に…」
    「エルフみたいなって…ヴェルスパーダか?……2人とも仲間だよ。あっちからもそれ以上はない…はず……」
    「本気で言ってるなら流石に呆れるわよ?」

    リースらしからぬ本気なのか?という視線に耐えかねてアウラムも過去を振り返る。

  • 178くれくれ幽霊乞食22/04/21(木) 22:31:49

    「……まあ、多少……想われていた自覚はあるよ…」
    「ほら見たことか。」
    「それが恋かは分からなかったけど「あ?」いや最後まで聞け……たぶん、仲間としてだけでなく大事な…それこそ彼女たちの前から消えたら傷を残してしまうのだと、そういうことは思ったよ。」
    「じゃあなんで答えてやらずアイツラの前から消えたのかしら?分かっててやったなんて随分と勇者らしからぬ性格の悪いことじゃないの。」
    「1つはあれ以外に皆を救う方法がなかったこと…あのままだと全滅だったからな。もう1つはお前を神にさせないためにあの選択をしたんだ。」

    思い出されるのは選択のあの瞬間。神となり皆を救うが自分は彼らの前から消えるか、皆で共に死に、リースを神にさせることになるか。どちらがみんなの幸せになるのかを考えたアウラムは、後者を選んだのだ。

    「あの時あんたが自分可愛さに逃げたのなら私の力でみんな一緒に消してあげたのに。あぁ、かわいそうね彼女たちは…星の勇者様に裏切られるなんて、思ってなかったでしょうねぇ…?」
    「そうだな…彼女たちを裏切ったことに…罪悪感はある…もしも皆のところに戻れたらも考えてるさ。」

    アウラムはそこまでいって持ってきていたお茶を少し飲み口の中を潤す。

    「でも後悔はしていない。それで、皆が積み上げたものをすべて無駄にするのは許せなかったし…なにより皆に生きてほしかった。だからお前に何を言われようと、俺は揺れないよ。」
    「………本当に……腹が立つほどまっすぐね…」
    「…ところで。そろそろ昼休みの時間終わりそうな時間だけど大丈夫なのか?」
    「え?………あっ…!?」
    「ごちそうさま。」
    「ちょっ…あんたから話してきたくせになんであんたはもう食べ終わってるのよ!!」
    「俺はさっさと食べるの慣れてるし…」

    そう言ってアウラムは弁当を片付けていく。対してリースの弁当はまだ半分ほど残ってる。

  • 179二次元好きの匿名さん22/04/21(木) 22:32:25

    このレスは削除されています

  • 180くれくれ幽霊乞食22/04/21(木) 22:33:43

    「それじゃあまたなリース。食べ物詰まらせないようにな。」
    「この野郎!!いつか覚えときなさい!!!!」

    アウラムは振り返らずにそのまま歩き去っていく。残されたリースはその背を冷たく見る。

    「でもやっぱり残酷ね貴方。現代でもそれを繰り返そうとしてるのだからある意味神様らしいわ。そういう自分勝手なところは、私達よく似てるわね。気に入らないけど。」

    それも見ものであると嘲笑う。勇者というのは繰り返す生き物のようだ。それがいい意味でも……悪い意味でも………

  • 181くれくれ幽霊乞食22/04/21(木) 22:34:14

    おまけ

    「ちょっと困るよリースさんどこまで行ってたの?」
    「……すみません……」
    「昼休憩中どうしようが勝手だけどね、流石に十分も遅れられるのはうちも困るんだよ。」
    「はい………」

    あのあとリースはバイト先の上司に怒られアウラムへの怒りを更にためたという…

  • 182くれくれ幽霊乞食22/04/21(木) 22:36:00

    リースとちょっとした昔話。因縁の相手とこうやって思い出話する展開結構好きなんですよ。 
    リースがなんか草臥れたOLみたいになってしまったけど元を考えるとヘイト管理的にちょうどいいのかもしれない。

  • 183二次元好きの匿名さん22/04/21(木) 22:57:59

    ラッシュデュエルで最大クラスの爆乳であるハンディーレディ。普通にサバイバー都市にいそう。
    最近は宅配サービスばかりやってるけど、キスリィの同業者で知り合いになってたりとか……

    メイカ・エトランゼは小夜丸ちゃんが忍者なので、その線から知り合ってそうなくノ一。

  • 184くれくれ幽霊乞食22/04/21(木) 23:29:31

    この都市色いろなものを受け入れまくるな…メイカちゃん地味に好みの子なのでポンコツにするね…(歪んだ癖)

  • 185くれくれ幽霊乞食22/04/21(木) 23:51:05

    あれなんか一個余計に書いてるやんけ…消しとこう…

  • 186二次元好きの匿名さん22/04/22(金) 09:46:10

    シスターには異性に恋心を抱くことに葛藤してほしいという性癖
    神に仕える者にも関わらず相手に邪な気持ちを持ったり周囲の人々に嫉妬心を覚えてしまう自分に罪の意識を感じつつ、それでも抑えきれない想いを自覚するところが見てぇ

  • 187くれくれ幽霊乞食22/04/22(金) 10:08:25

    >>186

    しかも相手がここだと聖者であり憧れの勇者だからしょうがないね、たくさん迷おうね

  • 188二次元好きの匿名さん22/04/22(金) 12:41:54

    >>187

    迷いに迷って、知らず知らずのうちに自分に都合の良い解釈をしてしまうエクソシスター達。

    修道女は神の妻という女性保護の建前に、アストラムは聖人にして神、つまり私達はアストラム様の妻でもあるのだ。そして星の勇者という救世主の血筋を絶やすわけにはいかない。私達が後継者を産まなければならないのだと信仰心と恋心の暴走。


    結果、どんなにはしたない振舞いも仕方ないと言い訳が出来てしまう。

  • 189くれくれ幽霊乞食22/04/22(金) 14:16:00

    >>188

    ねえこれ大丈夫?止めに来たはずのアポロウーサまで加わりかねなくない?まだリースのほうがブレーキ役になれるんだけどどういうことなの?

  • 190二次元好きの匿名さん22/04/22(金) 14:57:13

    >>189

    純愛だよ。


    リースだけは絶対にアウラム君を好きにならないという信頼があるので、ある意味では絶対の信頼がおける存在。


    失楽の堕天使は閃いた。アストラムを寝取って堕落させれば爺への嫌がらせになるのではないかと。

  • 191くれくれ幽霊乞食22/04/22(金) 15:00:10

    >>190

    リースが良心になるとはニンギルスの目を持ってしても見抜けなんだ。

    禁じられた男遊びやめろ(たぶん今までで一番暴動でそう)

  • 192二次元好きの匿名さん22/04/22(金) 18:11:39

    みんな勝ち確定のガラテアちゃんを羨ましがってそう

  • 193二次元好きの匿名さん22/04/22(金) 18:20:01

    ただ少なくともニーサンはガラテアちゃんのことをそういう目では見てない気がする
    個人的には嫁とかじゃなくて手のかかる父親を持つ娘的な立ち位置だと嬉しい

  • 194くれくれ幽霊乞食22/04/22(金) 18:28:30

    取り合えず自分のやつだと
    ガラテアちゃん→後方正妻面(他に妻になれそうな人がいない)
    ニーサン→親心と幾らかの罪悪感
    おかしいニーサンがガラテアちゃんにぶん殴られても文句言えなくなってきた…

  • 195二次元好きの匿名さん22/04/22(金) 21:24:34

    エクソシスター達と一緒に近所の子ども達を集めて朗読会を行う事になったアウラム君。まさか美化された自分の絵本を朗読させられるという羞恥プレイに恥ずかしくも、子供達のキラキラした瞳を裏切れずにやり遂げる。
    勿論、神樹のパラディオンはイレーヌが担当することになり、子供の頃から大好きだったシーンを自分がヒロインで勇者本人と一緒に朗読するという最高の幸せを味わうイレーヌ。幸せ過ぎて思わずアドリブでポロっと想いを溢してしまうも、アウラムが即座に合わせる。
    もしもあの時、神樹さんに想いを告げられていたら……と思いながらアウラムは答えてゆく。するとイレーヌもどうしてか言葉が自然と出てくる。
    完全に絵本にも史実にもないIFのアドリブ。大筋は変わらないがアウラムと神樹の切ない恋物語が加わった話。
    朗読会が終わった後、イレーヌは憑き物が落ちたような表情になっており、思い残しが消えた感覚になっていた。
    その後、即興で出来たIFのアドリブは大反響になる。

    イレーヌが神樹さんの生まれ変わりなのを活かして、前世での思い残しなどを解消させる話を思いついた。

  • 196くれくれ幽霊乞食22/04/22(金) 22:23:26

    (終わったあとアウラムからはアドリブすごかったよって本心から言われるけどまさか本当だとは思ってないだろうし他の姉妹とかに後でズルいって言われるんだろうなぁ…)

  • 197くれくれ幽霊乞食22/04/22(金) 22:25:06

    次作ったらリンク9ってマジ???

  • 198二次元好きの匿名さん22/04/22(金) 22:26:39

    リンク数がアライバル超えてる怖

  • 199くれくれ幽霊乞食22/04/22(金) 22:31:32
  • 200二次元好きの匿名さん22/04/22(金) 22:33:18

    200なら新樹・エトランゼ・アポロウーサ参戦

オススメ

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