- 1125/08/09(土) 21:35:37
あたしの名前は、ガリュディアス・モモミーズ。
切札ジョーの、最高の切り札、だったはずの存在。
諸悪の根源ジェンドルのせいでディスペクターとなってしまい戻れなくなったあたしを、ジョーは優しく受け入れてくれた。
最初は互いにもやもやしていたけど、今は違う。ジョーは、こんなあたしでも、ジョーカーズの一員として扱ってくれた。
だから、あたしはモモキングの代わりにジョーに誠心誠意仕えるって決意した。
あたしは、姿が変わってもジョーのそばにいるって決めた。
「皆の桃色!ピンクダーク・モモミです!」
あの女が現れる、その日までは。
↓前スレ(スレ主=前スレ主)
【一応閲覧注意】ジョーカーズ星って凄いのね!|あにまん掲示板bbs.animanch.com - 2125/08/09(土) 21:36:56
ジョーの世界で流行り始めた謎のアイドル「Girl Mage」。彼女達はなぜか魔導具を模した服装を着ていた。ジョーと友人ゼーロJr.は、真相を調べるためにライブに潜入した。
そのトリとして登場した「全員スターズ」の中にいた…「モモミ」を名乗る謎の女。
当然ジョーは硬直した。あたしも、理解ができなかった。
右半分が桃色に染まった髪と、胸の桃を模したブローチ。そして水色の見覚えのある色合いをしたヘアピンと、ブラックホールのような、水色の瞳…。
それは、それは私と同じ、モモキングだった。
そして、それは私と同じ……頂上混成 ガリュディアス・モモミーズ '22だった。
ライブが終わってすぐに、ジョーはモモミという少女に接触しようとした。
「モモキング!!」
あたしであったはずの名前があたし以外を呼んでいる。
「男の子?ここは関係者以外立ち入り禁止ですよ」
「ねえ、モモキングなんでしょ?ねえ!オレはジョーだよ!切札ジョー!」
「なにこいつ……わたしはピンクダーク・モモミです!これ以上は警備員の方を……」
「……ジョーカーズ!君はジョーカーズの一員なんだ」
あの日、あたしを連れ戻すために言った言葉が、あたし以外にも使われる。
でも仕方ない。これで片割れ…なのか?とにかくジョーの元にジョーカーズを連れ戻せるならそれでいい……から。
しかし、彼女の反応はあたしにとってもジョーにとっても予想外のものだった。
「ジョーカーズ?なにそれ?」
あたしよりもずっとモモキングそっくりな彼女は、不愉快そうな顔で答えた。 - 3125/08/09(土) 21:39:56
ここまで導入考えたのであとはモモミーズちゃん曇らせでもジョー曇らせでもモモミちゃん曇らせでも皆様お好きにどうぞ
↓デッキーがいなくてウェディングがいる類似スレ様
ジョー「デッキーがいなくなってからしばらく経った」|あにまん掲示板ジョー「なんやかんやあってジョニーやモモキングとも再開したりキャンベロが女の子になったりモモキングがディスペクターになったりしたけど今度はガルモモが女の子になって増えた」モモキング「ジョー氏!?そんな…bbs.animanch.com - 4二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 21:49:48
曇らせ確定かよ!?
ディスペクター案件はどう分岐しても残酷になるな - 5二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 21:51:34
またジョー君が曇らされてる…
- 6二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 21:57:34
ほら…ジョーは曇らせても美しいしそこから晴らせに向かって逆転する姿も美しいし…
- 7二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 22:02:14
モモミーズと違ってモモミちゃんはジョーカーズマーク剥奪されてるんだよな
- 8二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 22:07:18
ジョーを追い返したあと…
モモミ「なんだったんだろう……」
コンパス「お菓子持ってき……うわっ!?大丈夫!?」
モモミ「?何かあったの!?」
コンパス「いやだって……泣いてるじゃん!」
モモミ「……え?」(ポロポロ) - 9二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 22:24:15
これモモミの経歴次第で更に地獄になるやつでは?
- 10二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 22:27:48
ハッピーエンドルート行けたら追加でジョーカーズマーク書き込んで綺麗に話の〆にできそう
- 11二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 23:18:36
拙いですがssをば…
──
「あ、見て見てデッキー。テレビでGirl Mageやってるよ」
「…ジョー様」
「やっぱり皆すごいよね、テレビで見ても生で見ても──」
「……ジョー様」
「ほらちゃんと見てってデッキー、この子は──あの子は──」
「………ジョー様!」
ジョーは、その時初めて、彼の忠実なるデッキケースにちゃんと意識を向けたかに見えた。とはいえ、ジョーはデッキーの視線も言わんとするところもとっくに分かっていた。分かっていて、この時に至るまで知らんぷりをした。デッキーをテレビという話題に遠ざけようとしたのだ──もしくは自分が逃げ込もうとしたのかもしれないが。
「ジョー様、どう、なさるのですか」
「どう、かぁ」
要領を得ない切り返し。
「あの子は、ジョーカーズかもしれない。確かにそうだね」
「かもしれない、ではありませんよジョー様──」
「かもしれない、だよ」
あの子。
まるで他人だ。ジョーカーズはジョーの家族ではなかったか?
モモキングはそうだった。では、モモミーズはジョーの家族か? こっちのモモミーズはきっと頷くだろう。
では、あの、“モモミ”と名乗る彼女は? - 12二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 23:20:02
「モモミ──さんには、モモキングの記憶がないんだよ? 偶然たまたま、姿と気配がすっごくモモキングに似てるだけのそっくりさん……なのかもね」
「ですが! もしモモキングなら、ジョーカーズなら、ジョー様には彼女を迎え入れる、義務があるのですよ!? ジョーカーズのマスターとして、です!」
「そうかもしれないけど!!」
叫んでから、ジョーは自分の声が想像以上に大きかった事に驚いた。それを冷ややかに感じているもう1人の自分が、胸の中にいる事にも。まるでジョーが2人いる気分だ。
「もし、モモミさんがモモキングだと、しても……今のあの人は、モモミさんだよ。モモキングじゃないんだ」
「……」
「ジョーカーズじゃない、普通のニンゲンで。人気アイドルで。ちょっと特別な人かもしれないけど、オレたちとおんなじように、生きてて」
「ジョー様…」
「ねぇ、デッキー。オレはさ──そうやって生きてる人から、“モモミさん”を盗っちゃうなんて、出来ないよ……!」
ジョーの中にある、デュエル・ウォーリアを打ち倒し元の世界に返した経験。
それを鑑みたのなら。彼女がモモキングだという確証があったのなら。また違ったのかもしれないが。
少なくともジョーには、彼女からヒトの部分を引き剥がすだけの勇気はなかった。
この小さな小さな英雄にできる事といったら──気にしていないフリをする、それだけ。
問題はない、カレーパンが苦手じゃないフリをするのと、大した違いはないのだから。
──
俺の文才ではこれが限界だったよ… - 13二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 23:50:07
モモミーズちゃんはまだモモキングという存在がいたことは認識できていたのに、モモミちゃんはモモキングのこともジョーのことも何も知らない普通の人間なのほんときつい(褒め言葉)
- 14125/08/10(日) 08:12:53
あの日から、ずっと頭から離れない。もう一人の"モモキング"の姿。
モモキングはモモミーズになったんだから、あれは他人のそら似だ。そういって励ましてくれるジョーカーズもいた。
だが、あのあとのジョーやキャンベロ達の態度を思えば……あれがモモキングではない、と否定できないのだ。
何よりあたしが感じている。あれは同一の存在。アルカディアス・モモキングとガ・リューズが合体した、ガリュディアス・モモミーズ。
もしも元々同じ存在で、彼女がモモキング側の魂であるならば……会いにいこう。
バイナラドアを通れば、すぐに片割れの居場所にたどり着く。あたしの姿は美しいらしいから、テレビのスタジオでも怪しまれない。
その姿はすぐに見つかった。ちょうどいい。一人だ。
「ゼニガタったら、まだ戻らないの?」
時計を見てそわそわしている彼女。跳ねた黒色のツインテールは少し青みがかっている。モモミーズと同じような色で。
「モモミーズ」
「うん?」
あたしが声をかけると、モモミは振り向く。
「どうしましたか?……すみません、この番組の出演者、でしたっけ?」
「……」
彼女は、突如現れたあたしに混乱しているようだった。
「一つに戻ろう」
「何を言って……」
あたしは刀を抜き、彼女の前に向ける。
「あなたとあたし。元は同じ存在。あなたがいれば、モモキングが戻ってくる」
「……!」 - 15125/08/10(日) 08:14:26
命の危険を感じたのだろうか。彼女は走ってどこかに逃げようとする。だがあたしはクリーチャー。その程度見極められる。あたしは先回りして、彼女の前に立つ。
「なんなの!あんた!どこのじむ、しょ!?いや不審者なの?」
「ジョーカーズ」
「……!まさか、前あの侵入者の男の子と一緒にいた!」
あたしは何も言葉を返さず、彼女を壁際まで追い詰める。あたしは刀を彼女すれすれに刺す。壁に傷が入った。
「ほ、ほんもの……!」
「この刀は本来、モモキングのもの……あたしじゃない。使うべきはあたしたち」
「ねえ、ドッキリ!ドッキリですよね!早くネタばらし!してくださいよ!」
彼女は涙目で震えながら言う。ドッキリ、とはなんだろうか?
彼女の桃色の髪が揺れている。苛立って仕方ない。自分は真っ青で、モモキングを思わせる要素などこの刀くらいしかないのに。この身と心に少しでもモモキングの要素があれば、ジョーを傷つけずに済んだかもしれないのに。
でもこれで終わり。一つに戻れば、きっと「頂上混成 ガリュディアス・モモミーズ'22」にモモキングが帰ってくる。そうすれば、ジョーにモモキングを返してあげられるから。
あたしが、彼女に手を伸ばしたその瞬間だった。
「ペタンコブレス!!!」
後ろからジョーの声と共に、デッキーが背中に押し付けられたのは。
続きはまだないです - 16二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 16:39:35
このレスは削除されています
- 17二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 18:19:34
- 18125/08/10(日) 20:12:41
「モモミさん、ごめんなさい」
ジョーは深々と頭を下げる。
「ねえ、あんたは……」
「モモミ!どこー?」
ゼニガタの声がする。モモミは助けを呼ぶべきか、この少年に話を聞くか迷う。
「オレたちのことは忘れていいから。応援してます」
ジョーはそう言って少し苦い笑いを浮かべると、デッキーの口を開き消えてしまった。
モモミが呆然としていると、ゼニガタがやってくる。
「モモミ!あそこで待ってて言ったじゃない……ってなんで泣いてるの?」
「……泣いてる……私が」
また、私は泣いているの?
「モモミーズ!!何をする気だったの!?」
「……元に戻る気だった」
あたしは観念して答える。ジョーはいつになく怒りを見せていた。
「勝手なことしないでよ」
「……だって……ジョー、いつもあの女のこと見かける度にため息つくから」
ジョーははっとして目を大きく開く。
「あの女を知ってから、みんな明らかにあたしへの態度が違うし……特にモモダチの皆がわかりやすかったよ」
気まずそうに眺めていたキャンベロのしっぽが固まり、モンキッドとケントナークの動きが止まる。
「あたしはやっぱりモモキングじゃないもの。あの女の方が……」
「なんでそんなこと言うんだよ!!」
ジョーはモモミーズの言葉を遮る。
「あの人は人間で、モモミーズは今オレの目の前にいる君しかいない……から」
そのジョーの目は、自信がなさげだった。
「いつもジョーは我慢する。あたしが来た時だってそうだった。ジョーは優しいから」
あたしはジョーに背中を向け、逃げるように去る。ジョーは何も言わなかった。
「切札?ああ、私の知り合いに切札家と縁の深い者がいるが」
有名な作詞作曲家である父親、哲也に相談したモモミは、とある伝手を得た。 - 19125/08/10(日) 20:14:19
急募:ここからハッピーエンドへのアイディア
自分に遠慮せず書いていただいて構いませんので誰かこの曇天を晴らす方法ください
11さんのSSすごく好きです - 20二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 20:19:52
- 21二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:14:36
有名作曲家の人と知り合いか…
まさかルシファーが登場するのか? - 22二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:41:43
俺は文章力の弱い男
ジョー様が曇ってる絵面と全部終わったハピエン時空の妄想しか出来ないが許してくれ
──
どうして、という言葉。
何とまあ便利な言語表現だろうか。
理不尽への空虚な憤りを示す、安易な換言。あるいは、自分がただ理解しようとしていないだけの事を、さも理解できない事かのようにしてくれる粉飾。
(どうしてなのかな。)
どうしてモモキングは帰ってこないのだろう。
どうしてモモミーズはここにいるのだろう。
どうしてモモミさんは何も覚えていないのだろう。
どうしてオレは、モモキングをまた描く事ができないのだろう。
どうしてどうしてどうして、どうして?
答えが出てくるはずもないのに、こんな無意味な問いばかりが、ジョーの身体をのたうって回る。さながらムカデのように。
前にはできた。
「さいきょおドラゴン」がなくなってしまった時は、彼だけの「ジョラゴン」を。
記憶をなくした彼の最大の友のためには、2人目の「正義の裁判官」を。
創り出す事が、できたじゃないか。
だが、今のジョーが描いても描いても、モモキングは現れてこない。思い出も記憶もあるはずなのに、ゴールに辿り着く事がままならない。
早く新しいモモキングを描いてしまえば、万事解決、ジョーデキだ。ジョーは無意識のうちにそう決めつけていた。だからこそ、その事実が彼の肩に重くのしかかる。
(これじゃない…これもダメ…やっぱりダメ!) - 23二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:42:45
なぜ描けない。なぜ辿り着けない。完成したらば、モモキングは帰ってきて、モモミさんの事を気にする必要はなくなり、そして──モモミーズはモモミーズでいられるのに。
描け、描け、描くんだオレ。ゴールが遠い事は諦める理由にはならないはずだ、やれ。
出来損ないを丸めて後ろに放る、そのついでに徒労感ごと投げ捨てろ。やらなければならないはずだ、“切札ジョー”。そうすれば、そうすれば!
もう誰も悲しんだりしなくていい。モモミーズだって、自分をあんな風には言わなくなる、きっと──!
「──こうなれば実力行使です! ふゥンッ!」
「──にぎゃっ」
(エ。痛っ──な、なに、なんだ!?)
後頭部を硬いもので思いっきりぶたれた、そんな感じ。でも、誰──まさか、デッキー?
「……様には……少しくらい眠……頭を冷……て、もらいますよ」
なんで。
もうちょっとでモモキングがちゃんと描けるかも、って時に、なんで、なんで邪魔するのさ!
これは、オレ、が…“ジョー”がしな…くちゃ…
(いけ、ないのに……)
……ばたん、きゅー。
──
ジョーがこんな風に自分を追い詰めるだろうか…?と書きながら思ったんですがまあ許して⭐︎ - 24二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 23:26:08
- 25二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 08:01:15
このレスは削除されています
- 26125/08/11(月) 08:04:13
(長すぎたので分割して再書き込みします)
私は、マスクとサングラスをつけお忍びの恰好で喫茶たきがわにやってきた。親の伝手を使い、有名な指揮者であるルシファーの甥っ子であることまで突き止めた。そこを経由すれば会えるかもしれないが、父親もルシファーも多忙でなかなか時間を作れない。いてもたってもいられなくなり、自分から河越にやってきていた。
「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ」
黒い髪の店員に迎えられるが、私は立ち止まる。
「どうしたのかしら?」
「……切札ジョーくんっていらっしゃいますか?」
「ジョー?……昨日から体調を崩してて家で休んでるのよね。今日はこっちには来ないと思うわ」
「体調不良?」
ジョー氏が?一瞬浮かんだその疑問の意味も分からず、私は喫茶たきがわから飛び出した。
足が勝手に動いていた。全く知らない町なのに、どこに行けばいいのかなんとなくわかっていた。橋の向こうに大きな家が見える。
「はあはあ」
マスクを少し緩くして呼吸を整え、私は懐かしく感じる家へと歩く。心がざわついている。
もし私のせいでジョーが苦しんでいて、体調を崩したのなら、拙者は――”拙者”は?何それ。意味わかんない。
でも、足が止まることはなかった。外の入り口までやってきた。チャイムを鳴らせばいいのだろうか。だが、ジョーならともかく他の人が出てきたらなんといえばいいのか。
だが、そんなの考えてられない。
勇気を振り出し、チャイムに指を触れようとしたその時。
「何しに来たの」
屋根の上から、水色の女が飛び降りてきた。 - 27125/08/11(月) 08:06:12
「あ、んた」
胸に陰りが生まれる。あの女が人間とは少し違う存在だと感じる。同時に、自分と同じ存在のようにも感じる。でも自分は両親もいる人間で……自分が揺れる。
「やっと記憶を思い出したの?それとも元に戻りに来てくれたの?」
「違う……切札ジョーくんに会いに来たの」
「なら帰って。今はあたしもあなたもジョーを追い詰めるだけだから」
「だから屋根にいたの?」
水色の女は黙る。私は少し考える。あとで出直した方がいい?でも……
「……私のせいなら、なおさらジョーに会いたい。なんで傷ついているのかも、私は知らない。教えてほしい」
「……」
モモミーズは目を瞑り、何かを考える。するとくるりと背を向ける。
「来て」 - 28二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 08:50:27
続きを全裸待機
- 29二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 10:01:25
- 30125/08/11(月) 11:48:27
オレは、冷蔵庫からお茶を取り出し、自分の分を注いでいた。体調は普通に戻ってきている。でこちゃんはオレの体調が少し落ち着いたのを確認してから遅れて喫茶店に出勤した。
だが、デッキーは外出も何も許してくれない。
「デッキー。昨日は無理してごめんって。もう大丈夫だから」
「ダメです。今日は一日休んでてください。そして明日は友達とでも遊んで全部一旦忘れてくださいね」
結局、まだモモキングの絵は完成していない。だが、色鉛筆をデッキーに食われ、ジョーカーズ星に封じられてしまったのでデッキーが許してくれない限り描くことはできなかった。
お茶を飲んでいると、玄関の開く音がした。
「誰だろ?モモミーズかな?」
気まずいのか遠慮しているのかモモミーズはずっと屋根の上にいた。モモミーズにそう配慮させてしまっていることも、自分に焦りを生んでいる。
足音がしたが、それが一つだけではないことに気づく。オレは、モモミーズの後ろの姿を見て、お茶を吹き出しかける。
「モモミ、さん?」
マスクをして髪もおろしているが、それはまさしくモモキングにそっくりな”みんなの桃色"ピンクダーク・モモミであった。 - 31125/08/11(月) 11:50:36
「ジョー、くん、ですよね。体調が悪いと聞いていたのですが」
「モモミさん、ですよね。もう全然治りましたので、あの……お茶、注ぎますね。そこ座ってください」
き、まずい。私はぎこちない動きでダイニングテーブルの一席に座る。ジョーはお茶をもってきて、私の目の前に座る。そこから数十秒の無言の時間があった。ダメだ、私からいかないとなのに。
「自己紹介」
水色の女が真ん中でひょっこりと顔を出す。
「「たしかに」」
私とジョーの声が重なる。
「オレの名前は切札ジョー、小学五年生です」
「私は、桃色ミミ。ピンクダーク・モモミという名前でアイドルやってます」
そしてまた沈黙。先に口を開いたのは私だった。
「あの、あんたは……」
水色の女に問いかけると、はっとした顔で答える。
「まだ言ってなかった。あたしは『頂上混成 ガリュディアス・モモミーズ'22』。モモミーズって呼ばれてる」
「何、そのなんがい名前」
「クリーチャーだから」
「クリーチャー?カードゲームのデュエル・マスターズの?」
「うん」
よくわからなかった。だが、切札ジョーはあの世界を救った切札勝舞の甥っ子だと、事前に調べて分かっている。だからそういうこともある……のかもしれない。 - 32125/08/11(月) 11:51:59
「それともう一人」
モモミーズが視線をジョーの胸のデッキケースに向ける。モモミーズはじーっとにらみ続ける。
「ああはいはいわかりましたって。確かに私がいた方が話がしやすいでしょうね!」
突然デッキケースから男の声がした。
「デッキケースが喋った!?」
「初めまして。私はデッキー。ジョー様の描いた絵から本物のクリーチャーを生み出すことができます」
「……?」
「デッキー、モモミさん混乱してるよ。ごめんなさい。変なこと言っちゃって」
ジョーが苦笑いする。違う、そんな顔させるためにここに来たわけじゃない。
「ジョーくん。ちゃんと教えてください。どうして、ジョーくんが私のことを気にするのか、モモミーズのことも、ジョーカーズのことも、すべて」
「……すべて?」
「一から全部です。私なんもわかんないから。ジョーくんのことも、モモミーズのことも……」
「わかりました。……あのむずがゆいからさ、敬語やめてくださいませんか?」
「わかった。ジョーくんがやめてくれるなら」 - 33125/08/11(月) 13:45:17
ジョーはぽつりぽつりと語り始める。モモキング、というクリーチャーの紹介から始まったが、私の質問が多すぎて、デッキーとの出会いから始めてもらうことになった。
デッキーに出会ったこと。いろんなクリーチャーを描き、生んだこと。2人の切り札がいたこと。たくさんデュエマしたこと。2人の切り札が、ジョーの元から離れることになったこと。
そして、レインボーの力なるものをもらい、モモキングを描いたこと。モモキングを生んだこと。アバクという男に対抗するためにモモキングをパワーアップさせたこと。
「戦いだけじゃなくて、もっとモモキングとの日常を教えてよ」
「いいよ」
ジョーは楽しそうにモモキングやモモダチ、チーム切札の皆との日々を語る。そして、アバクを倒し町を救ったヒーローになり、大会を優勝できたことも笑いながらしゃべってくれた。
だが、”ジェンドル”という男の話題になった瞬間、ジョーの声のトーンが落ちた。デッキーが心配そうにジョーを見ている。
順調にパワーアップしながらジェンドル達と戦っていた、はずだった。だが、敵の謀略でモモキングが奪われてしまった。取り返そうとするが間に合わず、ディスペクター「頂上混成 ガリュディアス・モモミーズ'22」に変えられてしまった――。
「その時溢れた闇の感情でクリーチャーなんか生まれちゃったんだから。それで、……」
闇のジョーカーズや他の仲間の協力があり、ジェンドルを倒し、やっと取り返せた。だが……
「モモキングは元にもどらなかったんだ」 - 34125/08/11(月) 13:48:40
ジョーはモモミーズのことも語ってくれた。だが、その日常はあまりにも痛かった。モモミーズは目線を落としている。
「それで、君を見かけて……モモキングにそっくりだったからオレもモモミーズも驚いちゃって」
ジョーはその時の話もしてくれた。
「でもさ、モモミさんには、ないんだよね。モモキングの記憶」
「うん、ごめん。私は、ただの人間だから」
そういった瞬間、胸に突き刺すような痛みが広がる。なんで?私は、私は……ずっと人間として……桃色哲也の娘として、ガリュメイジのポップアイコンとして、生きてきたのに。
「そうそう。ごめんね、オレたちの勘違いでモモミさんを混乱させちゃってさ」
「……う、うん」
目の前の彼はきっと今も無理している。心配そうな周りの二人の視線を見ればすぐにわかった。
「だから、一発オレが解決するために、モモキング新しく描きなおすことにしたんだー」
ジョーが笑顔をもう一度作り、明るそうな声で言った。
「今度ちゃんと作れたらモモミさんに会わせてあげるよ。オレのドラゴン、すっごくかっこいいんだから」
「……」
「ありがとうございました」
私はジョーの家から出る。ジョーは私が見えなくなるまで、手を振って見送ってくれた。
「私にできること――あるよね」
私の中の勝熱が、今動き出そうとしていた。 - 35125/08/11(月) 15:22:18
次の日、オレはデッキーに言われるがままにキラ達と遊び(どうもデッキーも裏でキラ達に事情を話したらしい)、ラーメンを食べて一枚も絵を描けない一日を過ごしていた。夜、何もすることが思い浮かばずスマホをだらだら見ていると、通知が来る。
『明日、予定は空いていますか?』
モモミさんからだった。
「明日?……学校が終わってからなら別に大丈夫だと思うけど……」
オレは返事を返す。
『ぜひ、ライブに来てください。チケットと場所を送ります』
「ライブ?」
「なんか、会場ちっちゃくない?」
「あの人気アイドル、ガリュメイジの箱には到底見合わないサイズですね」
オレはチケットをスマホで出し、誰も並んでいない小さな受付を通る。古いライブハウスだった。
時間が近づいても、誰も来ない。会場を間違えたのだろうか。だが、受付の人はちゃんと通してくれたし……。
悩んでいると時間になる。音楽が鳴り始め、ライトが点滅する。
「えっほんとに始まるの!?」 - 36125/08/11(月) 15:24:18
だが、全員スターズの前座の他のグループが現れることはなかった。黒と桃色で二つに分かれたツインテールの少女がただ一人脇から走って現れる。その衣装は、いつもモモミーズが来ている服そのものだった。桃のブローチとリボンが目立っている。
「ハートの色は!」
ジョーが戸惑った瞬間。後ろから声が聞こえた。
「ピンク色!」
オレが後ろを向くと、モモミーズを中心とした多くのジョーカーズがいつのまにか外に出ていた。モモミーズの服が見慣れない普通の女の子の服だったが、そんなのどうでもいい。
「実力あれば!」
「本気だぜ!」
オレがステージに視線を戻すと、いつものモモミさんのダブルピース。
「いつもはガリュメイジのポップアイコン、でも今は"あなただけの桃色"!勝熱ピンク・モモミです!」
「えっ……」
モモミさんはオレにウィンクする。
「今日はいつもの曲じゃなくてカバー曲を歌わせていただきます!」
彼女は笑顔を少しほどき、真剣な表情になって中央に立つ。
「『スタート!』」
佐々木李子 「スタート!」MV (テレビアニメ「デュエル・マスターズ キング」ED)
- 37二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 15:30:34
ここでスタート持ってくるのか
スレ主のセンスが良過ぎるぞ - 38125/08/11(月) 16:13:53
「スタート!後悔しないように飛び込んで勝熱燃やしたらまた走り出せるはず」
いつものアイドルとは違う彼女の声が会場に広がる。
歌詞が耳に入ると、過去の記憶が、自分の心情が、頭の中で大きく広がった。
「空の端っこを目指してただ走り続けた 息を切らして」
いつから走り続けていたのだろう。止まるなんて選択肢はなかったから。
「右も左も信じられず闇雲にさまよっても」
いつのまにか自分の筆が信じられなくなっていた。闇雲に描き続けていた。
「巡り巡る過ちもあの日の落とし穴もいつか塞がるかな」
あの時モモキングを奪われたジェンドルの罠も、それに引っかかってしまった自分の過ちも、いつか塞がるのだろうか。
「君の中終わらせないで」
その言葉でオレははっとする。
「未知が標さ 構わず飛び回れ」
モモミさんのパフォーマンスにオレは圧倒される。歌もダンスも表情もポーズも全てが勝熱に満ち溢れている。
それがすべて、自分のためのものなのだ。
「スタート!例え転んでも大丈夫 君は一人じゃないから そばにいる仲間思い出して!」
モモミさんのウィンクが決まる。オレの胸の中に、温かい風がふわっと吹いた。 - 39125/08/11(月) 16:15:14
「逃げたい消えたい泣き濡れていても」
この現実から逃げたかった。みんなに気を使わせてしまうこの場所から消えたかった。
いつも、涙で濡れていたのに、ずっと隠していた。
「会いたい進みたいうまく言えなくても」
モモキングに会いたかった。でも進まなきゃとも思ってた。今の現実を受け入れて。
どっちも間違ってなかった。わからない。うまく言えない。
「叫ぼう合言葉」
ラスサビの前に、ステージの証明が暗くなる。
「スタート!いくつもの道を乗り越えて一緒なら怖くはないさ」
モモミさんの声は優しく、オレの肩をそっと叩くようで。
「閉ざされている扉 開こう!」
今日一番の歌声が、ステージからオレに向かって放たれる。オレの視界はぐちゃぐちゃで。でも、ずっとモモミさんのことを見ていた。
「勝熱燃やしたら」
「ほら走り出せるはず」 - 40125/08/11(月) 16:22:42
音楽が終わる。オレはその場で座り込む。
「ジョー!!」
「ジョー様!!」
後ろからモモミーズがオレに抱き着く。
「ジョーは一人じゃないの!!だから、うまく言えなくていいから!ほんとのこと、もっとあたしたちに言ってよ!!」
「モ、モ、ミーズ」
「そうですよ!私達はいつだってジョー様の味方です!!」
「デッキー」
キャンベロがオレの右手を取り、ヤッタレマンがオレの左腕に触れる。他のジョーカーズたちもなるべく近づいてジョーに励ましの言葉を言う。
「み、みんな……ありがとう」
オレの瞳から大粒の涙があふれてしまう。ステージからモモミさんが飛び降り、オレの前にやってくる。
「ジョーくん、はい」
タオルを受け取り、オレはタオルの中に頭を沈める。
「オレ、オレ、モモキングに会いたい!またモモキングのことちゃんと描きたい!でもモモミーズに悲しい顔してほしくない!モモミさんから桃色を奪いたくない!!なのにっなのにっ!」
ただ、オレは自分の心をわめく。モモミーズは背中を叩いてくれる。デッキーとモモミさんはただ静かにそれを受け止めてくれた。 - 41125/08/11(月) 16:24:10
「ジョー様。やっと全部、全部話してくれましたね」
涙が少し収まった頃、デッキーがそっと言った。オレは顔を上げる。
「オレ、忘れてた。みんながいること。オレが一人じゃないってこと」
「そうですよ」
デッキーの返事の後、モモミーズが立ち上がりモモミさんを押しのけてオレの前にやってくる。ジョーカーズたちもそれについてきた。
「ジョー。これ。今なら」
それは、色鉛筆のケースとスケッチブックだった。
「あっ……うん!!」
難しく考えすぎてたけど……今ならきっと――。
オレのモモ色が描ける。 - 42125/08/11(月) 16:25:48
ジョーがスケッチブックに絵を描き始める。あたしはその様子を近くで眺める。手に何かが触れた感覚がした。横を見ると、モモミだった。
「ねえ、どうなると、思う?モモキングも、私達も」
「……どうにでもなるよ。ジョーだから」
「そうなの?」
「うん。だから、あたし達は祈ろう。ジョーが、もう一人のあたしたちを生むことを」
「うん」
あたしとモモミは手をつなぐ。1つのモモキングだったあたし達が、初めて心を合わせた瞬間だったかもしれない。
そのとき、奇跡が起きた。
『ジョー氏』
あたしたち二人の心の中のモモキングが、声を発した。 - 43125/08/11(月) 16:27:02
完結まであと少しです
エピローグは夜にまた載せます - 44二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 16:30:28
ありがとう…素晴らしい…
- 451725/08/11(月) 17:50:43
- 46125/08/11(月) 19:53:33
~エピローグ~
私は髪を下ろし、サングラスとマスクをつけて喫茶たきがわの前にやってきていた。
「ごめん、待たせた?」
ジョーが手を振りながら走ってくる。
「別に全然待ってないよ。早く行こう。あんたの好きなラーメン屋」
あの日、ミニライブを開いた日、歌いながら記憶がよみがえってきた。前世、といえばいいのだろうか。昔は確かにモモキングだった。ジョーはジェンドルと時空を超え戦っていた。かくかくしかじか色々あった結果時空の歪みでジョーが生まれる少し前に、”拙者”は”私”に転生したのかもしれない……と勝手に推測している。
「おっ、ジョーの旦那もついに春がきたんだな」
「そ、そそそういうんじゃないって!」
私は味噌ラーメンをすする。ジョーも楽しそうに親父と話している。その下でデッキーがこっそり麺をすすっていた。
しかし、現役の大人気アイドルとお忍びデートなんてね……ジョーは何もわかってなさそうだけど。
「ま、いっか。ジョー、これから私にも付き合ってよ」
「いいよ!」 - 47125/08/11(月) 19:58:02
「3・2・1」
機械から音がして、ジョーと私は一緒にポーズをとる。何枚か写真を撮ると、私達は外の画面に移る。
「ジョーったら超写真写りいいんだけど!」
「まあ、何度も撮ったことあるし」
「えージョーにプリクラ一緒にいくような女の子いるの?みえなーい」
「ま、まあね」
「ジョー様、嘘つかないでください。男友達としか来てないでしょう?」
「ぐはっ!!」
そんな話をしていた瞬間だった。
「何やってるの?」
「何やってるでござる?」
私達の間を下からモモミーズが、上からモモキングが顔を出す。
「うわバレた」
「二人きりでデートなんてずるい」
「拙者たちもプリクラ取りたいでござる」
「プリクラってちょっと高いんだよ?次の機会ね」
ジョーがなだめるが、モモキング達は唇を尖らせる。
「ラーメンより安いでござるから、モモミが奢ってくれるだろう?」
「そうそう。抜け駆け秘密デートしてた罰」
「うう、わかりましたよー」
二回目のプリを、私達は四人(+1デッキケース)で撮るのだった。 - 48125/08/11(月) 20:09:39
「あのガチャ、ガリュメイジのじゃない?」
ジョーが指さす。確かデュエマコラボのカード風チェキが発売されてたはずだ。
「よーし。引き金は二度引かねえ、運命回すぜ!ガチャレンジ!」
ジョーがお金を入れて回してくれる。一枚、出てきて裏返すと
「オレの風、ビュービュー吹いてきたぜ!みて、モモミちゃんのだ!」
「お!宣言通り一発じゃん!」
ジョーはチェキをじろじろ見ると、少し悩んだあとに
「これ書き込んでもいい?」
と聞く。私は頷いた。
「うん、いいよ」
ジョーが文字を書き込む。それは、「頂上混成 ガリュディアス・モモミーズ'22」の名前とテキストだった。
「本物のカードみたいでしょ?」
「もう。ジョーだけ落書きしてずるい。私にも描かせて」
私はジョーから金色のペンを取り上げ、サインを書き込む。
「うわあ!……絶対大事にする!」
ジョーが財布にしまおうとすると、
「待つでござる」
モモキングがジョーの肩を掴む。モモミーズがひょっこりと顔を出し、チェキの右上を指さす。
「あたしのカードは書いてあるのに」
「あっ、そうだね」
ジョーは笑って右上に書き足す。
ジョーカーズの一員の証を。(完) - 49125/08/11(月) 20:15:57
皆さまここまで長文にお付き合いいただきありがとうございました
描いていない部分・設定は皆さまの脳内補完に任せます。それをぜひ書き込んでいただけると私は飛んで喜びます(勢いで作ったので正解はないです)
前スレ含めて概念を書き込んでくれたりSSを書いたりスレを広めたりしてくれた皆さま、ありがとうございました
あとはもうトリプルモモキングがジョーを奪い合うのでも単体CPでもなんでもいいのでご自由にお使いください - 5011と2225/08/11(月) 20:22:55
完走ありがとう…ウレシイ…
ssを書く自由をくれてさらにありがとう…
滅茶苦茶面白かったです - 51二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 20:50:15
そうかモモミってジョーカーズマークないのか……
- 52二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 23:46:23
うおおお課題サボって書くssは楽しい!!
単体cpがOKとの事なので書いてみました
──
大昔の、偉いのか偉くないのかは知らないが、とある詩人がこう言ったらしい。
曰く、『しかし、誰が見張りを見張るのか』と。
ジョーって意外と世話焼きなのでは?
そんな事を、モモミは思うようになった。
「ジョー、次は行きたいところがあるの。これを見て──」
「エ、なにここ行きたい!……んだけど……」
「どうかした?」
「……時間大丈夫?」
ああなるほど、とモモミは頷いた。
「ううん、今日は一日空いてるから」
「そうなんだ、じゃあ、連れてってくれる!?」
「ふふ、行ってみたいんだ〜。ジョーは分かりやすいよね」
「そうでしょそうでしょー……あれ、これ褒められてるのかな……」
実を言えば、ジョーがその話をするまで、モモミは時間の事などすっかり忘れていた。全く、楽しい時間という奴は感覚泥棒極まりない。
モモミは人並み以上には周りに気を配れる。そのスキルが自分自身を押し上げると知っているから。そんな彼女でさえ一時的に忘れたものを、この小さなジョーは覚えていた。
(もしかしたら、素がそういう子なのかもしれないな)
世の中色んな人がいる。ジョーみたいな人もいるだろう。だが、なんだか勿体ないように、モモミには思えた。
(もっとわがままになっても良いんじゃない?) - 53二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 23:47:55
けれど聞く気にはならなかった。ジョーはきっとはぐらかしてしまいそうだ。
それに、今聞く事でもないだろうし。そう思ったモモミはジョーの腕を握って、目的地に連れて行く。ジョーの腕は──この歳ではあまりにも当然だが──たいそう細い上に、柔らかかった。
だが、何故だろう。
「……硝子細工みたい、な」
「?」
「?……あ、や、なななんでもない!」
「ふーん……」
「……」
「なんでもないならいっか!」
(嘘でしょ今の信じちゃうの!? 言ったの私だけどさ!?)
強く握れば、たちまち壊れてしまいそうな。
そんな腕。
ジョー自身は恥ずかしがってあまり話してくれないが、彼の従者兼友人たちが色々教えてくれるが故に、モモミは色々と知っていた。
彼の戦い。彼の歩み。
あるいは、彼の血。彼の涙。
切札ジョーという少年から流されるそれらは、大抵の場合は他人の為のものであるらしかった。
友の為とか、世界の為とか、それからやっぱり友の為とか。
覆水は盆に帰らない。自分ではない何かのために流されたものもまた然り。
血や涙は還元される事なく、結果として彼の身体は乾く。硬くなる。
人を英雄か凡人かでしか測れない者はそれを“強さ”などと呼ぶだろうが、本当にそうだろうか。
乾いて、硬くなって、その結果──生まれ出るのが硝子細工では意味がないだろう?
だからこそ人には潤いが必要なのだ。だからこそ、わがままである事はなにも悪いばかりじゃないのだ。
だが…… - 54二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 23:50:54
「どーしたの?」
「……ううん、考え事してただけ」
モモミは知っている。自分が一丁前に心配する以上にジョーは強く、そしてモモキングを再誕させてみせた事を。そして彼には、強い強い仲間がいる事を。
けれど、それでも。きっと大丈夫だろう、なんて安易な言葉は言えないよ。
『しかし、誰が見張りを見張るのか』
必要に駆られれば……可能な限り、私はジョーを見張ろう。
他者のためにその目を光らす英雄。彼が崖に足を踏み外さないように。あるいは、彼から流れ出ていった血に、彼自身が溺れてしまわないように。
モモキングの義務として以前に、モモミという1人の……1人の……
(ジョーの“友達”……と、して?)
……うーん。
差し当たりはそれでも良いけど、のちのち再考が必要かもね。
──
ジョーとモモミのcp小説なのか…これは…?
ちなみに筆者は「あれモモミちゃんじゃね!?写真撮りたい!てか隣の子誰だ!?」って誰かたちが言ってる時にモモミを慮って他人のフリをしようとするジョーを引き寄せてわざと一緒に写ろうとするモモミが見たいらしいよ - 55二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 08:47:53
そういえばモモミーズの姿は変身で良いのだろうか
- 56二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 09:18:37
上手く言えないけど素晴らしいSSを見た
ありがとう - 57二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 09:23:48
最初にマーク書き足したらハピエンとして綺麗じゃない?って言った者だけど現実に見れるとは思わなかった
- 58125/08/12(火) 16:58:15
自保守がてら2月に書いたけど私情でメモ帳に放置されてたモモミーズのバレンタイン供養します
ーーーーーーーーー
ジョー、地球では女の子が男の子にチョコレートをあげる日なのよね?だからあたし頑張って作ったの。
ちょこっとハウス先生にお菓子の作り方を1から教えてもらって、ヘットル先生とフエートル先生にデコレーションのやり方も教わったの。で、今日はね一人でとびっきりの傑作を作ったの。はい!!
えっ、何を使って作ったのって?えっとすっごいこだわったわ。
まず、先生に分けてもらった素材でしょ。それに、抹茶ップリンのホイップクリームに、グレープ・ダールのぶどう、スーパーしりとりガーのりんご、忠温コタツ丸のみかん。ジョーカーズ星の果物は美味しいからいっぱい入れたわ!もちろんジョーが大好きなラーメンのスープも全部混ぜてみたの!
でも、それだけじゃインパクトが薄いから、隠し味に魔導具のエアヴォにドゥポイズ、ザンバリーの中身もほんのちょっとだけ混ぜたわ。
それでね、仕上げにキャンベロちゃんのきびだんごをトッピングしたの!
どう?すごいでしょ!!ぜひ召し上がれ!
……ジョー、なんで顔を引きつってるの?……やっぱりあたしだから? - 59二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 17:02:52
>仕上げにキャンベロちゃんのきびだんごを
なんならこの一部分だけでもオーバーキル過ぎる
- 60二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 19:01:15
- 611725/08/12(火) 19:32:10
- 62二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 19:37:44
- 63二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 20:57:41
エアヴォ 汚染水が原料じゃねぇか
ドゥポイズ 猛毒じゃねえか
ザンバリー ↑同文
キャンベロちゃんのきびだんご あまりの不味さに毒耐性ができてしまう……はっ!!これで上3つをどうにかしようってわけか!
- 64二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 23:31:51
漫画版では人間のアバクが普通にペタンコブレスでカード化してるのでモモミーズなら特に支障もなくカードになりそう
- 65二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 07:51:30
このレスは削除されています
- 66二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 07:52:04
アバクは鬼の末裔とはいえ人間判定の筈だからな
超獣成分が少しでも混ざってればプレスでカード化出来るらしい - 67125/08/13(水) 07:53:34
モモミちゃんは危ない橋を渡るタイプ、ミーズちゃんはしれっと抜け駆けするタイプだと思ってますよ
ーーーーーーーーー
モモミはジョーカーズ星にやってきていた。デッキーには反対されたが、自分にとっては故郷。ジョーは出入りを許してくれた。私は懐かしいジョーカーズ星を回り懐古の情に浸っていた。すると、
「モモミ!!先日のあれはどういうことでござるかあ!!」
「うわモモキングだ、めんどくせ」
私は走って逃げようとするが、モモキングの巨体に捕まってしまう。
「主人に恋情を抱くとはあってはならぬでござるー!!」
「別にジョーとは一言も言ってない!!」
「じゃあどうしてあんな答え方をした!」
バラエティーの特番で、私はMCから好きな人のタイプは?と聞かれた際に
「"拙者"を生んでくれた人!ですね!」
「えっ?お父さん……ってこと?」
とMCの人を混乱させていた。
「あの匂わせはなんだ!なぜ主人と恋仲になろうとする!?それは武士として……」
「恋仲になりたいとは言ってないし、それに"拙者"時代の武士の心なんてあんたに全部投げ捨ててるわ!」
前世の記憶はあるが、"拙者"の人格は新しく生まれた隣のモモキングに預けてしまった。もう私の中にはこの十数年で築いてきた桃色ミミとしての人格しかない。 - 68125/08/13(水) 07:54:53
「ゆるせぬ!一から叩き込んでやるでござる!」
「うわーたすけてーだれかー」
私がモモキングからわーきゃー言いながら逃げていると、ジョーとモモミーズの姿を見つける。
「ジョー、たすけ……って膝枕!!」
ジョーはなぜかモモミーズの膝を枕に眠っている。モモミーズは幸せそうにその表情を眺めていたが、私達に気づいてぎょっとした顔をする。
「何やってるでござる」
「何やってるの」
モモミーズはしゅんとなって縮こまる。が、ジョーをどかそうとはしない。
「ジョーがラーメン食べて寝てたからつい……」
「「つい、って何(でござる)⁉」」
ジョーカーズ星に来たら絶対ジョーから目を離さない。私はそう決めた。 - 69125/08/13(水) 08:04:39
蛇足になりそうだけど今後もなんか思いついたら投下してきます
あんまり期待しないでね - 70二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 08:57:15
今更だけどモモミーズちゃんは普段からカード通りの服装なの!?
自由に着替えられるのに? - 711725/08/13(水) 10:14:08
- 72二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 19:20:07
Girl Mageの他メンバーも転生体なのだろうか
プロデューサーの正体はクリーチャーかも - 73二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 23:12:23
ジョー×金トレモモミーズとジョー×モモミのCPってなんて言い表せばいいんだ
- 74二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 23:41:13
不味いよssでちょっと泣いちゃったよ
- 75二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 07:49:55
王来MAXはどうなるのだろうか
- 76二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 10:36:16
ハッピーエンドなんだからこれ以上触れてやるなという気も、ジョーのことだからどうせろくでもないことに巻き込まれてそうという気もする
- 77二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 11:44:09
- 78二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 16:20:22
- 79125/08/14(木) 17:47:24
- 80二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 22:10:54
最近オフはどこかに行く(聞いてもはぐらかされて教えてくれない)事が増えたモモミが気になって好奇心からオフのモモミを尾けてみるGirlMageのメンバー概念、あると思います
そういえばアニメでもカバまろ尾行回あったな… - 81二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 23:21:29
- 82二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 08:24:09
- 83二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 08:26:12
- 84二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 08:31:28
- 85二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 08:38:46
デルパンサーは猫に転生して
プロデューサーの家で飼われてそう - 868425/08/15(金) 09:03:02
- 87125/08/15(金) 10:24:13
キングMAX一話ネタです
「そう、オレは今日から……小学六年生。大人になったのさ」
朝からジョー様のテンションがおかしいのです。
「ジュースは子ども。大人はコーヒー」
苦いコーヒーを吹き出しながら飲んでいます。
「何にも変わってないじゃないですか」
「変わってるし」
確かに身長も伸びているし、いつもより早く用意できるようになっていますね。なら私も……
「身長伸ばしてみました!」
通学路で私が体を伸ばしてみると、ジョー様は突っ込みます。
「いや普通にキモイし。じゃあジョーカーズ星にレッツゴー!」
「えええ!?」
ジョー様は私の口をこじ開け無理やりジョーカーズ星にやってきました。
「学校は?どうしてジョーカーズ星に?」
「6年生になってもよろしくって挨拶しに」
「そんな姿ドン引きされ……ってみんな揃っておとなぶってる!」
ゲラッチョ男爵やヤッタレマン、バイナラドア……スーツやら付け髭やら思い思いの「大人」っぽい恰好をしています。バカなんでしょうか。 - 88125/08/15(金) 10:25:41
「ぶってるんじゃなくて大人なんだよ」
モモキング達もスーツを着こなし、カクテルなんか振ったりしてバーを開いています。
「モモミーズは!あの子への教育に悪いですよ!!モモキングがこんな感じなら……」
私は思い浮かべます。あの子がモモキングと同じくバー的な方向で進んでしまったら、
「ジョー、今日は何がいい?ワイン?ウイスキー?それとも、あ・た・し?」
セクシーすぎて日曜八時半に合いません。キングMAXは初回で終了です。
「ジョー、おはようございます」
モモミーズの声が聞こえ、私とジョー様が振り返ると、眼鏡をかけ、髪を1つに結んだキャリアウーマン風のモモミーズがいました。ビジネス本らしき本を持っています。
「よし八時半!!」
「モモミーズも大人だねえ、ほらデッキーだけ遅れてるよ」
「大人の階段、のぼっちゃった」
モモミーズが本で口を隠しながら私をじっと見ます。
「よく見るとその本ひっくり返しじゃないですか!!」
仕方ありません。私も大人ぶるとしましょう。私がポーズをとると、
「あんなので大人とか」「いきなり大人ぶって」「バッテンバッテン」
ジョーカーズたちは冷たい目を向けてきます。 - 89125/08/15(金) 10:29:52
「あんなのに言われたくないです!!」
というか私はとうの昔に大人です!!
「ジョー氏に描かれた拙者たちはジョー氏と共に大人になったのだ。拙者たちとジョー氏にはキズナがあるからな!」
「だよねー。逆にどうしてデッキーはそんな子どもなの?」
「私のどこが子どもですかー!!」
ジョー様との絆……うらやましいです。しかし、あれ?モモミーズがこんなのってことはモモミの方も……
『今日から新学期!今日はハーフツインにしちゃった♡』
「今日から私も大人になっちゃうんだから」
モモミが髪型や衣装を意識していると、カワイに肩を叩かれる。
「キャラ被るからやめなさい。全員スターズはあなた以外みんな年上系キャラなんだぞ」
「はい……」
モモミはしぶしぶツインテールにいつもの恰好に戻るのだった。
この続きを書くとせっかく完結したのにジョー達がかわいそうだし蛇足になりそうなので今のところは…
皆さんが想像する分には全然大丈夫です - 90二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 11:10:18
良いねぇ…このスレ…
この後アバク襲来が来なければ良いのに… - 91二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 11:19:08
- 92二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 11:20:58
- 93二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 13:42:03
言われてみたらモモキング要素は刀だけなのか
- 94二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 14:45:27
- 95二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 16:44:52
後はリボンの所に少しだけしかないアルカディアス・モモキングの要素もある
- 96125/08/15(金) 17:54:10
- 97二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 18:08:50
スレ主じゃないけどssです
添い寝展開を書こうという試みだったんです
──
「ん……んぅ」
眠りから覚める事は、しばしば水面への浮上に喩えられる。睡眠という深みから、現実へと意識が浮き上がる、というわけなのだろうか。
「う、ううん……」
だが、今夜のジョーには、“浮き上がって”目が覚めた心地はまるでしなかった。気がつくと自分の部屋の寝床に居たというべきか、そんな感覚──今まさにこの空間で、ジョーはジョー自身を見つけたような気がしていた。
少し前までの彼にはあり得なかった、変な目覚め方だ。
そして、ここからが問題だが、これは何も初体験ではない。
(……まただ)
「Zzz……」
(っと、デッキー起こさないように、しなきゃ……起こしたら悪いもんね) - 98二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 18:10:00
最近、“そこそこ”の頻度で、夜中に目が覚めるようになった。
(数々の奇妙で壮大な冒険譚を除き)健康的な一般小学生である切札ジョーにとって、これは十分に異ジョー事態だ。
原因は何か?
「……調べてみよっと」
「? 何がですジョー様?」
「何でもなーい」
「怪しい……」
うーん、寝不足──デッキーはそういうのにうるさい。生活習慣の乱れ──同上。加齢──そんなまさか!
口うるさいデッキー含め、ジョーカーズに余計な心配をさせたくないため、ジョーは調査を実施した。その結果として、何も分からない事が分かった。示される推測のどれも、彼に当てはまらないのだ。ただ一つ、ストレスという可能性がないわけではないが、これは個人的に……
(ちょーーっと……信じたくないな……)
自分の身の回りのものがストレス? そんなわけないし、あって欲しくない。
そんなわけで、ジョーは原因を考えるのをやめていた。たぶん大した事じゃないでしょ、というのが彼の考えだ。解決法も見つけたのだし。 - 99二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 18:11:18
「……よ、いしょ」
……ぎしり。
ジョーの部屋は少し特殊で、物入れ棚が階段代わりとなって、布団のある高床と部屋の床を結んでいた。その擬似階段が僅かに軋んで、不埒な夜ふかし者の存在を控えめに主張するが、聴衆はいない。
(夜ふかし厳禁、正義じゃない……分かってるけど、ちょっとくらいは良い、よね?)
数段降りたところで、ジョーは腰を下ろした。
「……」
さて、これが解決策。
何かって? 窓から月を見るのだ。月に睡眠を促す効果があるのかをジョーは知らないが、心が落ち着きそうだから──あとちょっとかっこいい感じがするから──という理由で、彼は月を見るようになった。
「……きれい」
ヒトリゴト。口からこぼれ出て消える。
相変わらず聴衆はいないし、月が笑う事もない。ジョーカーズ星とは大違いだが、静かのは明確な美点といえる。
「Zzz……」
デッキーの眠りが深いのが、こういう時にはジョーにとってありがたかった。
今この部屋で起きているはジョーだけ。一人になりたいわけではないが、こういう時間だって欲しい。彼は無意識に大人の階段を登っているのかもしれなかった。 - 100二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 18:13:52
──月は何も言わない。ジョーも何も言わない。聴衆はいない。
ジョー以外の全てが凍結してしまったかのような世界。
──誰も何も言わない。聴衆はいない。
息づく生命はたったひとつ。
──演者はいない。聴衆はいない。
この世にジョーがたった一人。
──何もいない。何もいない。
切札ジョーはたった独り。
たった一人の、小さな──英雄?
否だ。
聴衆はいないというのは──たった今覆ったのだから。
「──ジョーっ」
「っ、!?」
少年の背中を、華奢な影が包み込んで。
ガラスで出来た静寂が砕けて散る。
動き出す。 - 101二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 18:15:01
「……ふふ、つめたい」
「く、くすぐったいから、離れてくれるとうれしいなー、なーんて──」
「だめ。身体冷やすよ?」
「デスヨネ、サーセン──て、ていうか! モモミーズ、起きてたんだ……どど、どうしてかな〜……?」
「んー、まぁ……夜は“あたし”の領分だから、かな」
卍夜の世界はドルスザクのセカイ。確かにその通りだ。モモミーズの半身はそういう生命なのだから、何も間違ってはいない。
間違っては、いない。
「あははー、そうだよねー……ハハ……」
「それより。ねぇ、ジョー」
「ハイ」
問題は、さっきまでモモミーズはこの部屋にいなかったという点である。
ジョーカーズ星からわざわざ出てきた? もしそうなら……
「あたし一つ、聞きたい事があるのだけど」
「……ナ、ナンデショウ」
モモミーズは極めてにこにこしていた。少なくとも確認し得る限りでは。
「……なんで、こんな時間に起きてるの?」
……ジョーのいわゆる“ちょっとした悪事”の尻尾は、がっちり抑えられているという事だ。
──
客観的に見てジョーは全然深刻な状態ではなくちょっと疲れただけなんだろう事を理解してるけど、理解するのと納得するのはまた別なモモミーズです、ご査収下さい
続きは未定 - 102125/08/15(金) 22:51:35
時系列的には春休みのSSです
私とジョーとモモミーズとモモキングで喫茶たきがわでランチを食べていた時のことだった。モモダチ達は隣のシートでなにか食べている。
カランコロンという音と共に、見覚えのある人物が店に入ってきた。
「こんにちはー。あージョー君だー!」
「「ももちゃん」」
私とジョーの声が重なる。
「ひさ……」
「……あれ?あなたに会ったことあったっけ?ジョー君、隣の子は?」
私はきょとんとした後、急いで持ち直して言う。
「ううん。初めましてだよ。ジョーから話を聞いていたの。私はモモミ。よろしくね」
「あ、言わないんだ」
ジョーのつぶやきが耳に入る。
「よろしくね。ももはうららかももだよ」 - 103125/08/15(金) 22:53:57
「じゃあ、拙者がどくでござるよ」
「モモキング、ありがとう。おばさん、砂糖マシマシミルクコーヒーくださーい」
モモキングはシートから立ち上がり、隣のキャンベロ達のところへ行く。ももちゃんは私の隣に座った。
モモミーズは相変わらずジョーの隣、私の目の前でお子様ランチをぱくぱくと口に入れている。
「モモキングに、モモミーズちゃんに、モモミちゃんに、そしてもも!みーんな"もも”なんだねー」
ももの声は純粋で明るい。ジョーは心なしか先ほどより笑顔が深まったような気がする。私は胸に広がった靄を隠すようにブラックコーヒーに口をつける。
ももちゃんは良い子だし、拙者が生まれるときにも深くかかわったし、拙者はジョーと結び付けようとしたけど……
私がジョーの"桃色"になるには超えなきゃいけない存在ね。
ーーーーーーーーー
どんどんモモミーズちゃんの小動物感が増している気がします - 104二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 07:17:09
モモミちゃんは何歳ぐらいなのだろうか?
ジョーより少し上かなと思いつつ、でもガリュメイジ最年少なんだよなと
ジョーの1つか2つ上? - 105二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 08:18:43
もしかしてモモミーズは12歳の少女に刀突き付けて冷たい目で見降ろしてたの!?
ジョーがいつになく怒りを見せるのも納得した
見た目年上のヤバい女に殺されそうになって涙目でパ二くってるモモミは凄く見てみたいな - 106二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 11:00:55
- 107二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 15:11:09
モモミ以外のメンバーは年上系キャラ……
もしかしてモモミは実年齢16歳以上だったり? - 108二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 15:57:37
そう言われると金トレモモミーズがヤンデレに見えてきた
- 109二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:38:39
- 110二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 22:22:50
- 111125/08/16(土) 22:54:13
ミーズちゃん:スザクとして生を受けてからだから、2~3歳かな
モモミちゃん:モモキング時代1年+桃色ミミが12年よ!
モモキング:ディスペクターになる前の1年とモモミの中にいた12年でござる!
って本人たち"は"思ってるみたいなイメージで書いてますね
あくまで自分の中でのイメージなので参考程度に - 112二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 07:00:19
この概念めちゃくちゃ好きでモモミーズ欲しくなっちゃった
- 113125/08/17(日) 07:36:12
「ジョー、洋服がほしい」
「ようふく?」
ジョーは首を傾げたあと、コーディネイ人を指差す。しかしモモミーズは、
「あいつださい」
「ガーン!!」
コーディネイ人は衝撃で固まったあと肩を落としてその場から去る。
「モモミーズも女の子。モモミさんのファッションを見て感化されたのでは?」
「……うーん、それじゃオレの絵じゃ満足しないか」
ジョーは財布を見て少しこめかみを叩いて言う。
「しま◯らなら」
「わーい!……し◯むらってなーに?」
モモミーズが跳び跳ねて喜ぶなか、デッキーがジョーに耳打ちする。
「ジョー様ケチですね」
「いやいやいや女の子の服買ったらおこづかい尽きるって!?どうせ何枚もせがられるんだから、最初から安いとこ言った方がいいだろ」
「確かに……」
「ファッションセンター!なんて素敵な響きなの!」
モモミーズは駐車場でくるくる回る。
「し◯むらでこんな興奮するんですね」
「し◯むらなら何百種類の服が置いてあるファッションの中心地!シャツ、スカート、コート、ズボン、靴、何でもある!!!モモミーズにぴったりな服も絶対見つかる!!さあ好きな服を探してこい!」
「はーい!!」
「ジョー様誇大広告では…」
「嘘は言ってないし調べたけどしま◯らは…」
ジョー達に構わずモモミーズは一目散に店に入り、一枚いちまい楽しそうに見ていく。
「これは、ジーンズ?これはスカート?どれがいいかしら!」 - 114125/08/17(日) 07:37:36
「あそこで試着もできるよ」
「しちゃく!試しに着ていいの!?わかった全部着るわ!」
「勝手にしてくれ」
かごいっぱいに詰めて、モモミーズは試着室に入る。数十秒後、
「ジョー!服の着方がわかんない!!」
と、ドレスを脱ぎ捨てた状態で飛び出してきた。
「ストーップ!!服来てっ!!」
「えっダメ?」
「ダメ!!」
「わかったジョーが中に入ればいいんだわ」
「それも色々ダメ!!」
「なんで!!」
モモミーズは駄々をこねようとしたが、ここでジョーが不機嫌になったら強制帰還かもしれないことに気づく。素直にジョーの指示を聞き、色んな服を着ていくのだった。 - 115125/08/17(日) 07:40:09
「よかったですね、洋服。あれくらいで済んで」
Lサイズの袋一つがパンパンになる量だった。モモミーズは袋を抱えて鼻歌を歌っている。
「確かに、2袋くらいは覚悟してたら良かったけど、流石に開店から夕方までいるとは思わなかった」
「全部着る勢いでしたもんね」
「くつも全部履いた気がする」
長時間吟味した結果お気に入りのものが見つかったらしい。
「でも、これじゃあイオンとかに連れてったらどうなるだろ」
「やめましょう、あの子には早い」
軽くなった財布を手にモモミーズの後ろを歩いていると、ミーズは突然ジョーの方に振り向く。
「ジョー!今日はありがと!」
そんな満面の笑みを見るとまあ、悪くないかもな、とジョーは思ってしまうのだった。
ーーーーーーー
奇跡的にうまく描けたので絵おいておきます - 116二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 09:29:21
- 117二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 12:35:48
モモミは小学生なのだろうか
- 118二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 14:03:08
仮に小学生としたら小5〜6くらいかな?
- 119二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 15:52:18
- 120二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 16:35:18
かわいい(かわいい)
- 121二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 17:01:18
このレスは削除されています
- 122125/08/17(日) 17:04:31
続きありがとうございます!
ミーズちゃんかわいい!!ラーメンわたあめと美味しいもの食べたのにきびだんごは劇物すぎる - 123二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 17:14:53
キャンベロのきびだんご、毒耐性付くぐらいマズイからね…
- 124二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 19:34:12
の後半が書き終わったので、修正してまとめてみました
スレ主じゃないのにいくつも書いちゃって流石に忍びない…これで一区切りっス
悪い子ズ | Writening── 「ん……んぅ」 眠りから覚める事は、しばしば水面への浮上に喩えられる。睡眠という深みから、現実へと意識が浮き上がる、というわけなのだろうか。 「う、ううん……」 だが、今夜のジョーには、“…writening.net - 125125/08/17(日) 19:42:42
- 12612425/08/17(日) 19:55:28
- 127二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 21:19:42
ちゃんとEXライフのエフェクトあるの細かくて好き
- 128125/08/17(日) 23:19:30
Writeningのサイトを試しに使ってみるために本編エピローグまでの自レスをまとめました
特に修正した部分はなくコピペしただけですが
ジョーカーズ?なにそれ? | Writeningあたしの名前は、ガリュディアス・モモミーズ。 切札ジョーの、最高の切り札、だったはずの存在。 諸悪の根源ジェンドルのせいでディスペクターとなってしまい戻れなくなったあたしを、ジョーは優しく受け入れ…writening.net - 129二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 07:20:27
- 130二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 08:02:02
姉妹グループ「黒朱雀(くろすざく)」の方にデスザークが居るのかも
- 131二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 10:02:24
- 132二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 15:04:24
モモミと一緒にお風呂に入るモモミーズを想像してみたけど
ガリュミーズ素体なら性欲とか存在しないのだろうか - 133125/08/18(月) 17:43:05
ピンチになったら帰ってくるはずのジョニーがジョーの危機にどこに消えていたのかとか、ハイド達まじどうしようとか考えていた結果本編ほどではありませんが長編SSが完成しました
少しずつ投げていきますのでお付き合いしていただけると幸いです
私の文脈に構わず他の話題も書き込んでくださって大丈夫です - 134125/08/18(月) 17:47:11
時系列は始業式を終えて数日後、特にアバク達は襲ってこなかったものとします。
ーーーーーーーーー
馬のひづめの音がする。パカパカという音。だが、それは少しずつ自分から離れていく。オレは銀色の馬に乗った赤い男を見つける。だが彼は自分に気づかない。地平線の彼方にまっすぐと馬を走らせている。彼の影はどんどん小さくなっていく。
「ジョニー!!!」
オレは覚醒する。目の前には自室の天井……ではなく、モモミーズの顔があった。オレの意識は一気に夢から覚める。
「モモミーズ!?」
「ねえ、ジョニーってだーれ?だーれ?」
「もしかして寝言言ってた?」
オレはモモミーズをどかしながら体を起こす。
「ジョニーは昔の切り札だよ。今は旅をしてて、さっき夢に出てきたんだ」
「ジョーカーズなのにジョーの元から離れてるんだ?」
「ジョニーにも事情があるんだよ。オレがピンチの時は帰ってきてくれるし」
オレは目をこすりながら言う。
「嘘だ。だってジョニーは"あたしの件"で帰ってこなかったじゃない」
「……ジョニーにも事情があるんだよ」
まあ、事実だ。自然文明の件やキラが消えた件には帰ってきてくれたが、残念ながら小5の時には一度もかえってこなかった。モモキングが奪われた時、ジョニーとジョラゴンがいてくれたら自分で戦いにいけたのに、と思ったことはあった。その度にジョニー達に甘えてはいけないと自分を律してきたけど。 - 135125/08/18(月) 17:48:49
「で、モモミーズはなんでそんな早起きなんだよ」
「寝てないわ!今日はみんなでおでかけでしょ!だから楽しみで寝られなかったの!」
嫌な予感がして、オレは時計を見る。デッキーは今もスヤスヤと眠っていた。
「まだ4時半じゃん!寝る!!」
オレはまた寝転がり、布団をかぶる。
「えー、なんでー!」
モモミーズが起こそうとするが、オレは無視して目を瞑る。集合は9時。さすがに早すぎる!
近くのイベント会場に、ラーメン屋のキッチンカーが並んでいる。受付を通り、会場に入場した。
「ラーメンフェス、ついてきてくれてありがとね、ボルツ、モモミちゃん」
「ラーメンフェスなんて面白いイベント逃したくないもの!」
モモミちゃんは勿論オフの姿だ。ボルツには彼女がアイドルであることもモモキングであることも話していない。
「オレちゃんもラーメン屋で修行中の身。リサーチは必要だからな。しかし……」
ボルツは後ろのモモミーズを見る。モモミーズはイベント会場を一望すると目を輝かせている。
「ほんとに連れてきてよかったんかよ」
「大丈夫だって。というか今回は無料でラーメンが食べられるんだよ。モモミーズの腹もオレの腹も絶対いっぱいにしてやるんだ」 - 136125/08/18(月) 17:51:38
「食べるのもいいが……デュエマの大会もあるらしいから参加しねえか」
ボルツが看板を指さす。
「そんなのいいよ、デュエマしてる時間があったらラーメン食べたいし」
「一位の景品は、有名店ラーメンのクーポンと最高級色鉛筆とスケッチブックらしいぜ」
オレは足を止める。
「何それ!?ほんとにラーメンフェス?」
「協賛企業に文房具屋でもいるんじゃない?」
「へー。モモミーズの服代で画材に使いたかったお小遣い消費しちゃったしな……参加しようっと!」
オレはラーメン屋の前に大会の受付に向かう。
「なんてジョー様に都合がいい大会なんでしょう。不自然なほどに……」
デッキーの不穏な言葉は、会場のにぎやかさにかき消された。
大会は順調に勝ち進みつつ、ラーメンは大量に食べまくり、オレとモモミーズとモモミちゃんとボルツはそれぞれ思い思いに楽しんでいた。
「マジでBADだぜ!」
「大会、準決勝はオレたちになりそうだね。負けないぜ」
「おう。オレちゃんも本気で行くぜ!」
「ジョー、頑張って!」
メガネをかけているのにアイドルスマイルが隠しきれていない。これはボルツに勝たなきゃ。
「ジョー、あのお店すいてる。試合の前にいこ!」
モモミーズはオレの腕を引っ張って、豚骨ラーメンのお店を指さす。オレは頷いて屋台に並んだ。
そして準決勝。オレとボルツはデュエマをし、激闘の末ギリギリでオレが勝利したのだった。 - 137二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 18:13:51
- 138二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 18:28:56
- 139二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 21:03:12
このレスは削除されています
- 140125/08/18(月) 21:04:33
オレたちは本日8個目となるラーメンの屋台に酔って、塩レモンラーメンを食べていた。もうボルツとモモミちゃんは食べていないのだが、本当に食べなくていいのだろうか?ボルツはデュエマステージを見ている。
「あっ準決勝第2試合終わったな。ジョーの決勝の相手は……なんかあの三人組見たことないか?」
宝石や高級な服をまとい、セレブのような恰好をしているのに、うさ耳も身に着けていて変な人達なのはわかる。
「ボルツ、知り合い?」
「いやー?でもどっかで見たことある気がするような」
オレはラーメンをすすりきる。モモミーズも同時に食べ終わったようだ。
「じゃあ、決勝行ってくるよ。モモミーズ、カードに戻って」
モモミーズをペタンコブレスし、ボルツ達に手を振ってオレはステージへと走った。
オレがステージに上り、相手の前に行くと真ん中の女性が手を開く。
「切札ジョー、久しぶりだわさ!」
あれ?どこかでお会いしたことあったっけ?こんな成金みたいなやつらと……。背の高い男がくいっとモノクルを上げる。
「ワタシの考えた罠にまんまとひっかかり来てくれるとは……」
「カバですめえ~」
- 141125/08/18(月) 21:06:22
「今日こそジョニー様を渡してもらうだわさよ!」
「ごめん、その……」
「そうでありますか、切札ジョーは今の状況が分かっていないようでありますね、一から教えましょう!」
男はステッキをくるりと回し叩く。
「ワタシたちはあなたの母親であるあの魔王から逃げたあと……」
あーでこちゃんの知り合いかー。そのあと聞いてもいないのに、彼らは貧乏生活から抜け出し富豪になるまで語っていた。
「……そしてわたし達はこの富を使い、切札ジョー、お前を呼び寄せる罠を構築したのだわさ」
「まさか……」
「そう!ラーメン無料でおびき寄せ!デュエマの大会にあなたの好きなお絵かきに必要な道具とラーメンのクーポンを用意してあなたとデュエマができる場を整えたのはワタシたちであります!!」
「カバですめえ~!」
「嘘だろ!!」
彼らはオレの趣味を熟知し、大量のお金をもってすべて整えたというのだ!
「この会場にいる人もまさか、みな……」
デッキーが言うと、男は答える。
「そう、エキストラでありますよ。会場の人数の割にやけにスムーズに屋台を回れたでしょう?」
「た、たしかに!」 - 1421(モモミーズどこ?)25/08/18(月) 21:10:09
不自然なことはいろいろあった。デュエマの大会の相手はみんな弱かったし、屋台は並ばずに何店舗も回れた。彼らの手の者に囲まれているだろうモモミちゃん達は大丈夫だろうか。ボルツがいるからなんとかなる、だろうか……?
「それで、何が目的なんだ!」
「もちろん、あんたが持ってるカード、ジョーカーズ、そして……ジョニー様!!!」
「じょにー?いないけど」
オレは呆けた顔をする。
「嘘をつくなだわさ!このイベントの間ずっとジョニー様の香りがぷんぷんしてただわさ!」
「何それ、きもっ……オレのストーカーか何かですか?」
「どちらかというとぴょんこ姫はジョニーのストーカーであります」
「大佐、何か言っただわさ?ジョニー様とわたしは愛で結ばれてるだわさ~!」
オレは冷たい視線を向ける。本当にジョニーのストーカーなのか……。
「……ジョー様、私思い出しました。多分このひとたち強いカードを狙うウサ……」
「強いカードを狙う……まさか!ガットルズの残党!?」
オレがそう言った瞬間だった。
「こんな低俗なものがガットルズなわけがないだろう」 - 143125/08/18(月) 21:24:46
上から声が聞こえ、何かが飛び降りてくる。すたっと黒い髪の男がオレたちの間に着地する。
「お前は、確か……ガットルズの……」
「ガットル1、ハイドだ。ジェンドル様の意思を継ぎ、貴様を倒す」
背中に悪寒が走る。体が震える。この感覚知ってる。あの時。モモミーズに会ったときと同じ。
あいつは、オレの描いたオレのクリーチャーを持っている。
「ジョー様?大丈夫ですか?」
「なんで、だわさ、おまえ、ジョニー、さま、を……」
「ぴょんこ姫、どうしたでありますか!?」
ハイドはにやりと笑う。
「どうした、切札ジョー?まさか、このカードと知り合いか?」
ハイドは1枚のカードを取り出す。オレはそのカードにくぎ付けになる。沸騰する怒りが自分の体に走る。
「ジョニーに、……ジョニーに何をしたあああああああ!!!」
ジョルト・ザ・ジョクスト。そのカードには、そう名前が刻まれていた。
ーーーーーーーーー
またジョー君曇らせてる…… - 144二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 21:44:37
- 145二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 22:11:34
やっぱウサギ団は成金になった際にデッキ-の存在を知ったのでは?
ジョニーが居ない事だけ調べて無いのはウサギ団らしいけど
カード状態でもジョニーの匂いを判別出来るのはどうかと思う - 146二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 22:55:14
- 147二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 23:00:35
あまり大きな声で言えないしジョーに申し訳ないのは百も承知だし、何より私は表向きは曇らせたら晴らせ派閥の人間なんだ
でもジョーの晴れるか分からない曇らせは心を仄暗いもので満たしてくれるんだ - 148125/08/19(火) 07:16:09
おはようございます、スレ主です
諸事情でIPアドレスが変わってしまい管理できなくなってしまいました
どうするべきですかね?自分としてはスレを落として新スレを立てようかと思っています - 149二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 08:45:26
新スレは立てて良いと思います
このスレはすぐに落とす必要は無いと思います - 1501◆dRwnnMDWyQ25/08/19(火) 08:55:29