【閲覧注意】俺は闇のトレーナー【第3R】

  • 11◆qxc6n.SpgKwJ25/10/14(火) 09:24:05

    生まれも育ちもロクなもんじゃない

    幸い小賢しい程度には頭は悪くなかった

    だから勉強してトレーナーになった

    金なんてなかったから大検とって大学なんか行けなかったから独学でトレーナー免状を獲った

    それでも経験も実力も実績もあるわけじゃない

    だから口八丁でだまくらかすように担当契約を結んだ

    特に優しく 時に寄り添うように 時に一生添い遂げるかの如く

    実績つんで金になればそれでいい

    そのために他人を騙すことに心が痛む? 良心?

    そんなものは親の腹のなかに置いてきた

    いや……俺が腹の中にできる前からそんなものありゃしない

    こいつらを利用して俺はのしあがる


    前スレ

    https://bbs.animanch.com/board/5726209

  • 21◆qxc6n.SpgKwJ25/10/14(火) 09:25:18
  • 31◆qxc6n.SpgKwJ25/10/14(火) 09:26:33

    サクラローレル :クラシック
    カレンブーケドール:ジュニア
    スーパークリーク :ジュニア
    ジェンティルドンナ:ジュニア

    もうすぐ年末
    競馬場なんて無い、もし見かけてもそれはプロテインのせい、いいね?

  • 4二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 09:27:21


    トレーナー幸せになれ幸せになれ絶対に幸せになれ………

  • 51◆qxc6n.SpgKwJ25/10/14(火) 09:28:10

    【注意点】
    四人の担当チームなのでオムニバス要素あり、会話による時間の前後があります
    史実・ウマ娘アプリと出走レースおよびシナリオの齟齬間違いがあります
    色々キャラ崩壊などありますがご理解頂ける方のみ閲覧ください
    素人なので誤字脱字文脈の乱れなどありますがそうだねプロテインでご容赦下さい

  • 6二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 09:29:46

    >>1

    いつも楽しみにしてる

    埋めた奴次スレぐらいは張られるの待とうね

  • 7二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 09:38:19

    >>1

    ローレル負けるとは全く思ってなかったわ

  • 8二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 09:48:02

    写真判定なってもギリ勝ってると思ってた

  • 9二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 10:02:37

    >>1

    乙、一気読みした。面白かった。とても

  • 10二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 10:03:02

    ――「ご褒美」にデートをなさい

    突然ジェンティルがいってきた
    権力者というのものは気まぐれで突然何かを思いつき農民を苦しめるのだと歴史書に書いてあった気がする
    なぜかそれを思い出した、何故だろう? ジェンティルはこんなに美しい貴婦人なのに
    とはいえ
    以前ブーケにご褒美のティータイムを約束したわけで
    クリークも「ご褒美」の件はメイクデビュー頑張りますと凄いやる気が出てる
    ローレルも菊花賞の休養が終わったら「ご褒美がほしい」とニコニコしていた

    ……
    …………すまんジェンティル、パスで
    俺は丁重に丁重にお断り申し上げたのにジェンティルが俺のこめかみをグリグリしてくる
    いたいいたいいたいあっでも肩こり眼精疲労に聞きそう痛い痛い痛い
    違うんだジェンティル聞いてくれ――金欠なんだ
    正直給料日まで一週間なのに食費が1500円しかないんだ。 ギリギリなんだ
    俺のさみしいさみしい懐事情に深いため息をつくジェンティル

    ――要りませんわ、私がエスコートするデートですもの
    ――そもそもなんでそんなにお金がありませんの? 1年で重賞1着1回2着2回うち1回はGⅠ菊花賞
    ――さらにこれでメイクデビュー2勝ですわよ、実績に伴う給与すらトレセン学園は払いませんの?

    その査定と給与は来年だ、いきなり今月給料あがってるわけがないだろ
    第一驚け上流階級――たとえここで今年GⅠ――有馬と阪神JFとホープフルを全部勝っても対して給料あがりません!これが庶民の現実だ震えろ、俺は震えたぞ!

    ――はあ? そんなわけないでしょう、GⅠを1勝でも上澄みで年間に3勝なんかするトレーナーなら超一流ですわ

    うんうんわかるわかるよジェンティル、俺も全く同じ事考えてた
    でも違うんだトレーナーとして稼ぐにはそれだと50点なんだよ……いやほんと理不尽なんだけどな
    あまりにどす黒い俺の声にジェンティルが眉を潜める

  • 11二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 10:11:21

    まずトレセン学園にはとてつもなく大量の生徒が毎年毎年入学してきます
    生徒はトレーナーに管理されトレーニングを繰り返し「競争能力と健康が良し」と判断されレースに出走します
    健康管理が出来ないトレーナーはぶっちゃけ最悪トレーナー資格を剥奪されるほど厳しいです
    まあ学園に預けて頂く以上無事にご家族にお返ししますよ、という前提で厳しい基準がある
    だからトレーナー契約をしてないウマ娘はレースに出走登録がそもそもできない
    そしてその大量のウマ娘は契約をしないとレースに出れないのでトレーナーは物凄く大量にいる

    ――そいつら全員にちゃんとした給料を与えつつ黒字を維持できると思うか?

    要はトレーナーへの給料という部分は完全に赤字なのだ
    入学金、月謝、レースのグッズなどの売上その他もろもろ――学園の運営費用に一部が入り
    明らかにトレーナーというのは必要なのに運営費用として大赤字な部分だ
    予算は大きく出来ない、でも優秀なトレーナーの数を確保はしなくてはいけない
    しかしそもそもトレーナーの最低の生活も保証しないといけないのだ
    つまり――上澄み側が下の給与を賄うような構図になっていくのである
    こればかりは仕方がない、スポーツ選手の2軍3軍4軍にも給与を最低限払わないといけない
    しかしこのラインの選手はそもそも経済効果がない…集客もグッズも売れない
    だけど層や育成のために必要……そうなればそこは1軍からほんの少し流すしかなくなる

  • 12二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 10:21:14

    トレーナーは一応は超難関を超えてきたエリートたちだ
    なので最低の報酬は実は一般の企業よりはいい、その最低限にして良い環境を保っているのは

    ――本来一流の成績を収めたものが得るはずの賞与給料を回してもらっているから、と

    そのとおり。だから重賞勝利GⅠ勝利でいきなり超高給取りというのは学園がしてあげたくても不可能だ
    勿論ボーナスや奨励金はある。 今回のナリタブライアンのトレーナーはかなりのボーナスを貰ったはずだ

    ――それではトレーナーという職に魅力がありませんわよ? 将来性がないのですもの

    ボーナスの数で稼ぐのもそうだしチームを大きく組むんだよ
    給与基準は大レースよりレースの勝利数や掲示板内の数や抱えてるウマ娘の数によるんだ
    だから一流ベテランのトレってサブトレーナー10人とかえげつない数のトレーナー抱えて大量のウマ娘かかえてるだろ? レース数はURAで1年通して決まってる、だから査定としては重賞とかグレードよりレースそのものの数で計算してる

    正直これも超一流のウマ娘が産む経済効果にぶら下がってるとは思うが……URAすべてを回すってなるとどうしようもなくなる
    あとは……

    ――あとは?

    実はこっちのほうが大きい、副業で収入が入るわけだ

  • 13二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 10:30:39

    超一流ウマ娘――例えばナリタブライアン
    三冠ウマ娘として今社会現象を起こしてるウマ娘
    街を歩けば一度は彼女の映像を目にするし彼女自身にもCMやモデルの依頼が殺到
    TV局のインタビューなどテレビ出演の依頼も数多くオファー
    ……まあ、当然トレーナーも依頼多いよね? 特に専門知識をしょって難関の試験を突破してくる天才たちだ
    インタビューはもちろん学会的な講義や場合によっては専門知識の壇上に立ち特別教授なんて立場もある
    正直講義とかの報酬はものすごく大きい、あと学会発表のレポートとかの依頼もえぐい
    学術書とかの著書が売れたらとかもあるしトレーナーって結局副業も込で「金になる」のが多いのだ

    ――ふぅん……もう一つあるでしょう? 一流どころが受けれる恩恵

    …………

    ――言ってご覧なさい? 超一流トレーナーの名誉、学園トレーナーのヒエラルキーにも関わる超高収入トレーナー

    …………名門お抱えになることです、メジロとか、シンボリとか、サトノとか

    ――ジェンティルとかね

    はい、そうです
    まあ実力があると名門や超大手企業のお抱えってのはある、場合によってはそういうとこの援助を受けるスポンサーもちトレーナーみたいなのもいる。実際金になるし――なにより学園内でハバがきくのだ
    だってそうだろう?メジロのお抱えトレなんて逆らったらメジロを敵に回す可能性があるのだ
    そりゃ学園内の立場もあがろうというものだ

  • 14二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 10:37:18

    ――真面目な話、そんなに薄給とは思わなかったわ……貴方ジェンティル家のお抱えになりなさいな

    なれるわけねえだろ、ジェンティル家のお抱えのトレーナーの過去に傷ありとかライバルの名門から確実につつかれるぞ。 いうほどひもじい給料じゃねえよ、むしろ1年目2年目ならめちゃくちゃいいほうだ
    俺はすねたようにジェンティルの誘いを断る。 ジェンティルのトレーナー自体が突かれる理由には十分なのだがそこは言わないでおこう……ならば一緒ですわねとかなりかねない

    金は大事だ、金があれば回避できる不幸は多いし金が無いのは確実に不幸だ
    しかしあんな事があった以上ジェンティルになにもかも頼って金まで出してもらうのは何か違う
    せめて無敗のトリプルティアラなりそれプラスαがあって初めてそういう話を考えるべきだろう
    なのでデート代を出してもらうのも気が引けるのだが

  • 15二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 10:45:27

    ――あら、わたくしはデート代を出す、じゃなくてエスコートをすると言ったのだけど?
    ――貴方は給料が入ったらわたくしのデートコースのお金が払えると? ほほ、お可愛い事

    お前は俺をどこに連れてく気なんだよ、とはいえまあ事実だろう
    俺の給与では流石に高級ホテルのディナーなど支払ったら財布が消し飛ぶ
    今回はジェンティルにエスコートをしてもらう事にしよう
    そもそもエスコートってなんだ

    ――私に貴方をエスコートさせてもらいたいの、そのままの意味
    ――言ったでしょう? 愛でたい、嫁が欲しい、と
    ――だから、貴方にわたくしをアピールさせて頂戴? とそう言っているのよ

    ……?
    …………はい?
    正直全くわかってない、つまりどういう事?
    俺の問いに本当に深いため息を吐く。 ジェンティルは俺を抱き寄せる
    よくあるお姫様とかヒロインを強引にだきよせるようなアレだ

    ――貴方にわたくしを好いてもらえるように、デートで惚れさせよう
    ――そう言っているのがわからなくて? このまま身体に教え込みましょうか?

    ……はあ!? え、なにそういう本当の男女のデートするよってこと!?
    しかも俺が女みたいな扱い???

    ――拒否権はありませんわ――これ「ご褒美」ですもの

  • 16二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 10:54:33

    ――ところで、専属契約とかもありますわよね?
    ああ……アプリか
    ――アプリ?
    専属一本でそのウマ娘がURA卒業までずっとトレーナーするのをアプリっていうの
    なんでかは知らん、きっとなんかの略なんだろうがわからん
    ――さっきの話だとあれは薄給ですの?
    めちゃ薄給だしあれすると担当にイレ込すぎて卒業後トレもなぜかトレセン辞めちゃうんだよ
    だから学園もあんまし推奨してない
    ――ふうん……貴方は金のためなら今後もっと担当を増やすのかしら
    無理に決まってるじゃん、来年はジェンティルのティアラもブーケのローテもクリークのローテもローレルは凱旋門賞遠征だぞ?忙しすぎて絶対無理、死ぬ、副業だって入れられないマジ無理
    ――……
    なんだよ
    ――……ほほ、お可愛いこと
    なんだよ、なんだよお前、ハッキリ言えよ!!!

  • 171◆qxc6n.SpgKwJ25/10/14(火) 10:57:14

    QKします
    当然トレーナーの給与はオリジナルです
    正直学園の給与が低くても一流どころは副業があるんじゃないかなと思います
    あと学園がURAと直結なのでそういった斡旋もしやすいんじゃないかなと
    でも個人的には貧乏トレであったほうがなんか面白いしネタ作りやすいよねとは思います
    なので世の中にはびこるトレ=貧乏論は私は大好きです

  • 18二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 11:03:10

    おつ
    ジェンティルドンナと仲いいなこのトレ
    続き楽しみにしてる

  • 19二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 14:57:18

    追い付いた、応援してる
    肉食系女子に囲まれながらも頑張るトレは大好物です

  • 20二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 20:16:17

    馬券収入ないからね...

  • 21二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 20:22:32

    >>18

    やっぱり若い頃の父親に似てる面も多いんだろうか

  • 22二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 20:27:46

    もう3レス目か

  • 23二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 22:14:13

    >専属一本でそのウマ娘がURA卒業までずっとトレーナーするのをアプリっていうの


    ここまで直接的な表現は初めてだw

    多分英単語3つの頭文字を繋げて読むとかそんなんだろ(適当)


    >めちゃ薄給だしあれすると担当にイレ込すぎて卒業後トレもなぜかトレセン辞めちゃうんだよ

    だから学園もあんまし推奨してない


    「なぜか」じゃねーよ巫山戯んな!

    闇トレーナー君分かっててぼかしてるだろこれ

  • 24二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 22:43:35

    わめくな

  • 25二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 00:02:40

    何喰ったらこんな色々一本の作品に思いつくんだ
    その割にやたら読みやすいし

  • 26二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 00:16:22

    俺は担当に負けるトレーナーの話が好きだ

  • 27二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 00:45:49

    俺はクリークに赤ちゃんにされるトレーナーの話が好きだ
    それはそれとして壮絶な過去をもったトレーナーが頑張った結果幸せになる話がすきだ

  • 28二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 01:26:41

    闇のトレーナーかっこ笑い
    だと思ったらガチめに闇だった
    でもそれ以上になんでこんな真人間として育ったのかわからねえいい奴すぎる

  • 29二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 01:41:25

    Q:あんな事あったのになんであなたは真人間なんですか?
    A:俺のどこが真人間だクズに決まってるだろ

    俺はこんな闇トレが好きだ

  • 30二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 03:11:17

    過去の悲劇にウジウジしてる系じゃなくマジで全力で生きてて好き
    そりゃジェンティルはこういう人間大好きだろ、というかラモーヌとかルドルフとか色々なウマ娘こういうトレ大好きじゃないか

  • 31二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 04:24:19

    髪をワックスでまとめて
    以前にジェンティルから貰った香水を嫌味にならないように足首にかけ――
    プシュッ
    アドマイザに入れた香水を頭上の空間にプッシュ
    ミストになった香水をゆっくりと頭から浴びる、上品なベルガットの香りを感じながらほんの少しだけ自分に香水の香りをプラスしていく。 嫌なアルコールの匂いは揮発し天井へ
    勿論こんなオシャレな香水の知識があるわけ無い、全部ジェンティルドンナに教わった事だ

    今日はジェンティルドンナの「ご褒美」の日だ
    せめてTPOを合わせようとどこに行くのかを聞いたのだが

    ――そんな事を聞くほど野暮ですの? それとも本当にデートが初めてとか?

    だから!本当にデートが初めてだって言ってんだろ!!DT舐めんな!!!
    勿論チームの4人とおでかけしたことは何回もある
    買い物、食事、ゲームセンター
    二人でお出かけしたこともそりゃあ何度かある
    しかし男女としてデートなんかするわけないしたことなんざない
    そもそも堂々とハッキリとこれは男女のデートでございます「おでかけ」ではございません
    男と女の睦まじき逢瀬でございますなんざそんなのを宣告されたことなんざあるわけない
    ジェンティルドンナが初めてなのだ

    ――これはデートだとそんな風に俺に言い放ち口説いてに誘ったのは

    くそ、相手は担当ウマ娘だぞ

  • 32二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 04:37:33

    ――あら? ちゃんと10分前に到着しようとはしたのね

    時間厳守
    そんな俺が10分前には約束の駅前に着いていようと思ったらすでにジェンティルドンナが待っていた
    ダブルのボタンの私服とか華の女子高生の身につけるもんじゃねえよ
    ジェンティルは私服ではあったがそれは上品で高貴なジェンティルらしいオーダーメイドの上下だった
    刺繍一つにこだわりと気品が感じられる職人技術で織り込まれたソレはド素人の俺が見ても一品物の気品ある出で立ちだった
    ……なあ、やめなよこちらは庶民だぞ?
    ――???
    不思議そうに首をかしげるジェンティル。 俺は待ち合わせだけでジェンティルには叶わないと悟ってしまった
    お前まだ10分前なのにもういるとかどんだけ早く着たんだよ
    俺の憎まれ口に容赦なく頭にチョップが飛んだ。 やめろよセット頑張ったんだぞ

    ――こういう時は「ゴメンな、待った?」でしょう? 待たせておいてへらず口とか何様ですの?

  • 33二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 04:46:25

    うるせえ時間にはおくれてねえよお前が勝手に早く着ただけだろ――
    ――いだいいだいいだい痛いって痛い痛いごめんて頭割れるって痛いって!!
    こめかみを容赦なくぐりんぐりんされて俺は悲鳴を上げる。貴婦人のくせに庶民に容赦のないやつだ
    やり直し、とジェンティルに解放され……畜生と思いながらも残念ながらヒトミミはウマミミには敵わない

    ……待っていたのか、ごめんジェンティル……待った?

    やり直しという茶番、しかし茶番としてやらされる以上はちゃんと声をかけなおす
    するとジェンティルはふっと柔らかく微笑んで、俺の頬を撫でた

    ――いいえ、今着たところですわ。 それに貴方を待つ時間はとても楽しいもの

    ……
    ……なんだ、これ
    茶番のはずで、ジェンティルはさっきまで俺のこめかみを容赦なくグリグリしてて
    でも――俺に微笑むジェンティルの言葉を聞くと
    なんか凄く――俺を見つめるジェンティルに胸がときめいた

  • 34二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 05:00:09

    ごめん待った? ううん今着たところ
    わかる、いわゆる「お約束」ってやつだ
    しかしジェンティルの微笑みと、ジェンティルから発せられる言葉は
    すごく新鮮で、俺の心をこれでもかもかき乱す
    そんな俺の腕をそっと取り、自分の腕に組ませる。普通は女が男の腕に組み付くように
    俺の腕をそう、ジェンティル自身の腕に組み付かせる
    まるでジェンティルが男性で俺が女性側のように俺はジェンティルの腕に腕を絡ませ
    ……これがエスコートされるってことか?
    とぼんやり考える。とてもとても気恥ずかしいし落ち着かない

    ――最初はそんなものでしょう? 貴方――初デートですもの
    ――安心なさい? 貴方の初めてがわたくしで良かったと満足させて差し上げますわ

    いやいや待て待て――ジェンティルはまるで男慣れしてるみたいじゃないかそのセリフ
    まさかその年で男慣れしてるとかそういうわけじゃないだろうな
    俺のそんな抗議をジェンティルは鼻で笑う

    ――あら、少なくとも貴方の女性経験よりは余程豊富ですわよ? 社交界では殿方から声をかけられますもの
    ――ディナー、ダンス、お話ぐらいの経験なら貴方の言う男慣れはしてますわ
    ――ほほ、女子の高等部なら男慣れなんかしてないとタカをくくっていたのかしら?

    俺の反応をジェンティルはじいっと見て……ほほほ、と笑う
    ――お可愛いこと
    こい――つ!!

  • 35二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 05:12:31

    俺の憤慨の表情をしばらく眺めてからジェンティルは満足そうに微笑む
    俺の腕を強く引き寄せ俺の半身を密着させ、俺の頭をそっと撫でる

    ――ごめんなさい、貴方が可愛くって、つい
    ――でも勘違いはしないで頂戴? 有象無象ではないわたくしが気に入った殿方との逢瀬は初めてですわ
    ――それに……男の貴方がエスコートされるのが初めてなのは当然の事
    ――今日は一緒に楽しみましょう? トレーナーさん

    俺を引き寄せる――まるで俺がジェンティルの肩に寄り添うように誘導するように
    本当に女子が男士にそうするように俺はジェンティルの肩にくっつく
    するとジェンティルは力強く俺の肩を抱き、俺に顔をくっつけた

    ――参りましょう? 今日のデート

  • 36二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 05:35:05

    俺とジェンティルの身長は大差がない
    俺は170cm、ジェンティルは167だったか8だったか
    俺は170cmだ、クリークやジェンティルよりちょっとだけあるはずだ
    ――あるはずなんだ、俺は闇のトレーナー・俺は身長170cmのトレーナー

    ――腕を組んで歩くのは少々骨かと思いましたが良いものですわね
    ――トレーナーさんがちょうどよい腕の高さをしていて

    うるさい!俺は170だ!ジェンティルより低いとかないんだ!
    駄々を捏ねる俺にジェンティルは「ほほ」と笑う。 いつもより穏やかな微笑み

    ――良いじゃありませんの、クリークさんもわたくしも殿方の身長を気にする方じゃあありませんわ
    ――それともトレーナーさんは自分より小柄な子が好みなのかしら?
    ――わたくしやクリークさんのような長身の女性は好みじゃないと?

    ………
    …………
    …………すいません、正直言うとめっちゃ好きです
    長身とかモデルみたいな感じとかグラビアモデルみたいなのめっちゃ好きです
    お姉様な美人大好きです、おっぱいおっきいとか長身とか足長いとか超好きです

    ――あら

    むしろジェンティルが目を少し丸くする。 珍しい……あのジェンティルが本当に驚いてる
    すぐに、ふふ、ふふふっと嬉しそうに笑う、本当に嬉しそうに

    ――ちょっと意外でしたわ。 ブーケさんやローレルさんのような華奢な乙女が好きですもの、殿方って
    ――護ってあげたくなるような可憐な少女――ブーケさんなんかはまさにそのような感じでしょう?

  • 37二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 05:42:04

    わからんでもない。 庇護欲をそそるというか守ってあげたい、支えてあげたいという少女を好きになるという感情は男にはある。カレンブーケドールはまさにその典型だろう
    それはわかるし俺だってカレンブーケドールやサクラローレルにそういう感情を感じることはある。
    自分より背が低い女性が好き、という言葉は恐らく間違いなのだろうが守ってあげたい、庇護欲をそそる少女を好むという意味では自分より背の低い小柄な少女というのはたしかにそうだろう
    わかるし同感できる部分も多いのだが
    俺は元々こう――積極的だったりリードしてくれる女性の方が好みではあるし逆にそういうイメージのつきやすい長身女性はメチャクチャ好きだ
    正直に言おう
    見た目や身長だけで言えばクリークやジェンティルみたいなタイプ――めっちゃ好きです、はい

    ――へえ、ふうん、へー?はーん? ふーん?ほーん?

    やめろ! お前そんな顔するタイプじゃないだろ!
    今まで見たことがないジェンティルの顔、初めて見る玩具を見るような瞳をキラキラさせた表情
    ジェンティルは上機嫌で俺の肩を抱き寄せる。俺に頭に頬を擦り当て

    ――だって貴方もそうだと思っていたもの。 小柄で控えめな少女が好きだろうなって
    ――嬉しいわ……貴方の好みにわたくしがかかっていて

    俺は肩を抱かれ、女の子のようにジェンティルにつれられていく

  • 38二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 05:59:41

    電車に揺られている間
    俺はジェンティルの肩に頭を載せて――実際は乗せることを強要されずっと頭を撫でられていた
    会話らしい会話もそこまでなく、髪の毛をくすぐるように撫でられる
    クリークのナデナデとはちがう、愛でるような手の動き
    愛される――いや彼氏彼女として愛でられるってこういう事なんだろうか
    女扱いをされてるというわけではなく、すごく心地良い。
    ジェンティルの肩に頭を預けて目を閉じてしまいたくなる……そのぐらいに、ジェンティルに頭を預けるのは心地良い

    ――子供みたい……良いですわよ、着いたら起こしますわ?

    肩に載せた俺の頭にジェンティルが頬を寄せて、スンと鼻を鳴らし

    ――これ……わたくしが差し上げた香水?
    ――ふふ、ちゃんと嫌味にならないように上手につけたのね?

    ジェンティルは頬を髪の毛にこすりつける。それがあまりに、心地良い
    ずっと、ずっとこうしていたいと思う。
    俺はそんな事をぼんやり思いながらも、駅は目的地に着く
    大きな水族館に着いて、ジェンティルは俺の手を引き駅を出る

  • 39二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 06:15:24

    水族館がデートの定番コースの一つだというのは分かる
    御嬢のジェンティルなら美術館だとか、コンサートだとかそういうのを選ぶんじゃないかと思っていたが

    ――貴方はそういう方がよろしかった? 美術館やクラシックのコンサート
    ――今日は貴方のエスコートなのよトレーナーさん……無難で申し訳ないけれど
    ――今日は貴方が好きなことを色々知りたいの――もっと貴方のことを知りたいわ

    ……
    ……やめろ、そうやって俺をときめかすな。もっと知りたいとか男が女に言うセリフだろうに
    俺が照れてるとジェンティルはクスクスと笑う
    ぷかぷか浮かぶマンボウを見て、砂に埋もれてるカレイを探す
    砂と保護色といったってそこにカレイがいるなら簡単にみつけられるに決まってると意気込んで
    全然見つけられず大自然の神秘に俺は敗北をする
    イワシの大群が渦を巻く様に口をあんぐりとあけてると、そこに飴玉をつっこまれた。
    イルカとアシカのショーを見るのは初めてで俺はジェンティルがいることすら忘れて歓声をあげてた
    昼食を兼ねた喫茶店で、その事をジェンティルにからかわれる
    だってほら、イルカって海の生き物なのにあんなすっげえ高さに飛び上がってボールを蹴ってだな
    俺が右手をこう上に持ち上げるとジェンティルはその様子を眺めつつ

    ――ショーを見るのははじめて? 貴方は水族館がお好き?

    俺はこくんこくんと素直に頷き、始めてきた水族館に興奮したと語った
    ジェンティルは俺のそんな言葉を頷きながら聞いて、また着ましょう? と微笑んでくれる

  • 40二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 06:23:20

    午後は別のところへ
    水族館はまだ見るところがあったと思うがそれは次の機会にだそうだ
    電車に乗り、水族館の話で盛り上がる。 阪神JFまでの話をしようとしたら唇に指を添えられた

    ――今日はオフでプライベート。 そういう話は禁句ですわよトレーナーさん

    今度はもう少し遠くの水族館に行けばイルカだけでなくシャチのショーもあるらしい
    写真やネットだけでみる世界ではなく実際にその世界に触れたばかりの俺は興奮してそのシャチのショーに胸を弾ませていた
    電車で街にもどると今度はウインドウショッピング
    ――今日の貴方はちょっとフォーマルすぎますわ?
    と、俺は庶民にはちょっとだけお高いショップに連れられる
    ちょっとお高いとはいってもジーウーとかユニケロとかよりは高いファッションショップ、十分庶民派のお店だ
    ゆるっとしたワイシャツとベストを持ち
    ――貴方、どちらの色がお好み?
    と聞かれ「地味な方」と答えるとジェンティルからジト目で見られる
    仕方ないだろ貧乏人ってのは同じ服を使い回すんだから地味めの方が使いまわせんだよ!と抗議して
    そんな抗議を無視され爽やかな薄いグリーンのシャツと上品めなベストをあわせられる

  • 41二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 06:40:08

    いいじゃないか、別にこのスーツのままでも
    とは思うのだがジェンティルはそんな俺の抗議を却下
    少しやぼったく重たいスーツを脱がせて試着室に押し込む

    ――それじゃあ困りますの。いいから着替えなさい?

    エメラルドグリーンのシャツにほんの少しの金刺繍の入った黒のベスト
    ジェンティルはソレを見て満足そうに頷き、さらに俺に薄手のジャケットをかけてくる
    スーツも濃いグレイであったが黒のベストとジャケットなのにそれはもっと軽くカジュアルだ
    どちらかというとホストのボーイとかのような軽さと上品さがある

    ――まあまあですわね、じゃあ行きましょうか

    俺の腕を取って腕を組むかと思いきや俺を引き寄せ俺にジェンティルの腕を絡ませるように
    まるでジェンティルが彼氏で俺が彼女のようだ。絶対に逆だろ
    と思うのだが、今日はジェンティルのエスコートだ、素直に従うことにする
    うーん、こういうのは
    俺はジェンティルの腕にぎゅっと抱きつき少し体重をかける
    腕だけでなく身体を寄せるように――つまり彼女ってのはこういう風に彼氏にするだろう
    確かにこれはちょっと彼氏に体重がかかって――彼氏というのは頼りがいがある体幹がいるだろうなと思う

    ――ふと、顔をあげれば

    ジェンティルがすごい顔で俺を見ていた。怒っているというより信じられないものを見ているという顔
    思わず俺は両手を離し距離を取る。 いやすまん彼女ってこうするものかなってごめんって
    と謝り倒すとジェンティルはむしろ機嫌を悪くしてしまった

  • 42二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 06:58:00

    ごめんて、いや彼氏彼女が逆ならこうするのかなって思っただけなんだってー
    俺はジェンティルの機嫌を取るように謝るがしばらくジェンティルの機嫌は治らない
    なんだこういうのが好きなんじゃないのかよエスコートされるって難しいんだな
    ジェンティルはこほん、と咳払いをしてから――ん、腕をくの字に手を腰に
    ここに腕をくめというように左にスペースを作る
    俺はジェンティルのその腕と身体の間に腕を通して……
    つれられて着たところはクラブである

    クラブ
    陽キャの集まる陽気な空間
    音楽となぜか存在するDJがゴキゲンなミュージックをかなで
    そして陽キャたちはUFOを召喚すべくそのリズムに合わせ踊る
    あのクラブか――ここ!

    ――あのが、どのかは知らないしUFOが飛来したことはないけれども、そのクラブですわ

    ジェンティルはジト目で俺を見ながら俺を引っ張る
    確かにガチガチのスーツで来るところではないし今の服装なら綺麗めの兄ちゃんで通じる
    しかしジェンティルにこういう趣味があるとはおもわなかったが

    ――あるわけないでしょう? 多少クラシック以外も聞くけれど
    ――貴方……本当に遊び歩いたことがないのね。 ここを選んで正解だったわ

    心底呆れ果てたように俺を引っ張ってクラブへと入ってゆく
    受付でちょっとした手続きをして入ると店内はほの暗くブラックライトやビーム状の証明が回っている
    キョロキョロと俺が物珍しそうに店内を見回してると、さっき以上にジェンティルが俺の身体を引き寄せてきた

    ――暗いのだから足元に気をつけなさいな、もっとちゃんと捕まってなさい

  • 43二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 07:07:04

    てっきりおのぼりさんのようにキョロキョロしてる事を怒られると思ったが以外にそんなことはない
    確かに暗く足元もおぼつかず、人が多い店内。 俺は密着するほどジェンティルに強く捕まって店内を歩く
    ソファとポールチェア、それに小さなカウンターテーブルのあるスペースで俺達は飲み物を飲んでいて
    ジェンティル、こんな店にも来るんだな……少なくとも初めてという雰囲気ではなかったが

    ――一応はライブもするウマ娘ですもの、ダンスだって多少は楽しみますわよ
    ――ほら、店内もウマミミが多いでしょう?

    確かに……思い思いにステップを踏む、特にダンスという言葉に近い踊りをしてるのはウマミミが多い。
    全身でパフォーマーのように表現し周囲から喝采を浴びている。
    一方で多くはリズムにあわせて自由に足踏みをするように身体を動かしてる程度だ
    ふうん、ダンスというからもっとこうステップとか身振り手振りとかあるのかと思ってたが

    ――そういうのは楽しいと思って自分で覚えたいと思ってからで結構
    ――じゃあ、踊りましょうかトレーナーさん

    馬鹿を言え、むちゃを言え、俺は運動音痴なのは知ってるだろうダンスなんか無理に決まってる
    立ち上がってこちらを向くジェンティルにそう言うとジェンティルは笑って見せ

    ――リズムを脚でとるだけでもいいのよ? ただ私の目の前で私のダンスをみてくだされば
    ――さ、トレーナーさん……

    難しいことは考えなくていいと
    俺はジェンティルの手を取って立ち上がり、ジェンティルは俺の手を引くように椅子から少し離れるとリズムを取る。 上品とか気品とかではないカジュアルなクラブにあるダンス。 手足より腰と脚でリズムを刻むダンスだ
    俺はジェンティルと同じリズムを刻むように脚でリズムを取って踊るジェンティルを見つめる
    ジェンティルは段々と乗ってきて情熱的に、足を伸ばし腰を俺に寄せ――ちょんと俺の鼻に触れるだけのキスをして離れてしまう。 びっくりした俺を扇情的に見るような笑みを浮かべ
    俺はジェンティルのリズムに合わせ脚を動かしてるだけで息が上がるが、その時間は楽しかった
    何も考えず音楽に合わせて身体を動かすというのは、こんなにも楽しいものだとは知らなかった

  • 44二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 07:15:05

    すっかり日も暮れた公園
    俺は公園の真ん中でくるくると回っていた。 さっきのクラブの余韻がまだ全然ヌケてないらしい
    今日は凄い遊んだ気がする
    水族館は初めてで、イワシの大群に夢中になってイルカショーに大興奮した
    クラブで踊るなんて一生無いと思ってたけど音楽に合わせてちょっと身体を動かすだけであんなに楽しいとはおもわなかった

    ――楽しんで頂けたようね

    くるくると公園で馬鹿みたいに回ってる俺を眺めながらジェンティルはそんな事を言う
    今日はジェンティルのご褒美デーのはずが一方的に俺ばかり楽しんでいた気がする
    うーん、本当にいいのだろうかこんなので

    ――期待以上よ、貴方――すっごく子供みたいだったもの。

    ……ぬう、そこまで離れていないとはいえ俺のほうが年上なのだが
    とはいえジェンティルは年不相応なほどに成熟している。 肉体がどうこうではなく精神的に
    背伸びだとか無理をして大人になろうとしてるのではなく、この年齢にして自己をきちんと確立して成長したというような女性として魅力的に生きているのだ
    年令に関係なく俺のような人間は子供っぽく見えるのかも知れない――情けないことだが

    ――いいえ、情けないとは思わないわ。 とても好ましいもの
    ――今日無邪気にはしゃいだり、今公園で楽しそうにしてる貴方は学園では見られないものばかり
    ――貴方を今日エスコートして本当に良かったわ。

    ジェンティルは俺に近寄り……俺の前で膝をつくように身をかがめ俺の手を取る
    そっと、俺の手の甲にキスをするジェンティル。 俺は硬直してしまって
    同時に俺の心臓がとてつもなく早く鼓動を打っていた

  • 45二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 07:21:31

    いやまてこういうのって逆じゃないか? そういうのって俺がジェンティルにしなきゃ駄目じゃない?

    ――わたくしはこっちの方がいいの。 お嫌い?私にこうされるの

    膝をついたまま見上げるジェンティルは真剣な顔立ちだ
    俺は顔を伏せ……いや恥ずかしいけど、ジェンティルなら嫌ではない
    どっちかというと逆じゃないのか?という戸惑いがあるだけで――とてもジェンティルらしい
    そしてすごく……ドキドキする
    ジェンティルは立ち上がり、今度は俺の腰に手を当て抱きしめる
    覆いかぶさるような格好でジェンティルの顔がくっつくぐらい近づいて

    ――わたくしは、貴方を口説き落としたいと思ってますわ
    ――夜の公園で二人きり……貴方は満足してくださるかしら

    ――
    ――――

    その後の事はあまり覚えてない。
    頭がぼーっとして、夢の中にいるみたいで
    ああ、デートってお出かけとはちょっと違うんだなと思い知らされた
    一線を超えたわけではないが俺は今日ジェンティルに負けたんだろう
    …………
    寝よう――ジェンティルの夢とか見ないだろうな

    俺はベッドに身を投げ出し、そこでレーンの通知が入った
    ジェンティルからのメッセージが一件

    ――私の勝ち

  • 461◆qxc6n.SpgKwJ25/10/15(水) 07:22:42

    QKします

    ……ディープキスってサイゲから怒られるのかなあ、ぬっちょぬっちょれるれるぐっちゅんはアウトだろうけど

  • 47二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 07:24:00

    で、でたー!「私の勝ち」だぁ!

  • 48二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 07:26:15

    王子様系ジェンティル概念

  • 49二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 07:27:18

    >>46

    おつ

    早朝から濃厚大容量すぎる電車で読むわありがとう

  • 50二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 07:42:33

    トレーナー身長165ぐらいかあ

  • 51二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 07:52:59

    待ってた助かる
    めちゃ応援してる

  • 52二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 09:19:23

    俺は、このSSが、好きだ

  • 53二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 09:31:54

    したんか? ぶちゅっちゅぶっちゅーってしたんか!?

  • 54二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 09:58:50

    >>46

    俺は小説の上手い下手はさっぱりわからんが貴方の小説は好きだ

    めっちゃくちゃ好きだ

  • 55二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 10:34:55

    ドンナが本気で落としに来ている
    これはまずい

  • 56二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 10:36:49

    まあジェンティルってこういう不器用だけど一生懸命でちょっと熱いトレーナー絶対好きだよね

  • 571◆qxc6n.SpgKwJ25/10/15(水) 11:49:01

    >>1です

    たくさんのコメント、♡本当にありがとうございます

    以前にもお伝えしましたが皆様に御礼の気持ちを伝えたいと共に再度書かせていただきます

    絵もSSも動画やライブ配信も全てリアクション、コメントというのは発信する者にとって

    「ありがたいもの」を飛び越した「エサ」であります

    正直多くの書き手、発信する者にとって「エサ」が無ければ続けていくことは出来ません。 だって虚しいもの

    なので今回沢山の暖かいコメント、沢山の♡を頂けたことが私がPart3までSSを書き上げた一番の理由でありこの原動力はすべて皆様のその「反応」であることを私は強調してお伝えし、深くお礼を申し上げます


    ネタバレや今後の展開に関わるのでコメントには反応できません

    なのでどうしてもネタバレとは関係のない感想だけのコメントにもレスをつけることが出来ません

    やはり不公平感を感じてしまうとそのSSも多少覚めた気持ちで見てしまいます、これはむしろ正しい感情です

    ですが書き手として毎日、毎時間今回の闇トレSSを見ているたびに♡やコメントを見てニヤニヤし、つぎはどうしようかと考える原動力になっています

    特に私はこの先なにも考えずにその場その場の思いつきとその日考えたことばかりで話をすすめてます。 今後どうするかもそこまであまり考えてません。このモチベを支えているのは皆様です。 本当にありがとうございます

    普段コメ返しをいたしてませんが本当にいつも皆様に感謝しております

    素人のSSなので間違い誤字矛盾が多くありますがそうだね京都競馬場だねで流していただければ幸いです

  • 58二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 11:58:56

    先行ジェンティル1バ身リード、続くブーケ・クリークもしかけ始めるか、ローレルは差せるか

  • 59二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 13:16:08

    恋のレースも白熱してきたなぁ(小並感)

  • 60二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 13:54:31

    >>57

    素人とは思えないよすごいよ

    応援してます

  • 61二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 18:24:05

    水族館ではしゃぎ回るとか闇トレの魂は左耳飾りなのでは?

  • 62二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 21:11:00

    >>57

    読みやすく面白いので毎日更新を楽しみにしてます

    応援してます!

  • 63スーパークリーク25/10/15(水) 22:37:20

    実家でお父さん、お母さんと朝食を食べました
    メイクデビュー前に一つの区切りとしてメイクデビューの報告と大事な事を伝えなければいけません
    10年以上前に警察に連れられ保護を頼まれた少年を覚えていますか?
    みなしごの白い部屋にいてもぬいぐるみも玩具も触らなかった子です
    ――はい、母親を刺した子供です。 虐待の末に母親を殺そうとした、あの男の子です
    お父さんもお母さんも言葉を失っていた
    今になれば……お父さんのあの時の言葉も、少年と同じように怯えていたお父さんも理解できます
    きっとあの時託児所で預かれなかったのは仕方がないと思います
    私はあの時の少年がトレーナーになったと伝えました。そして私のトレーナーさんがその少年だと――このまま私があの人のために勝ち続ければいつか分かることですから
    お父さんは私に聞きました

    ――あの子は、あの子はちゃんと、ちゃんと小さな幸せでもつかんでそうか?
    ――今でも怯えたり世の中をこの世界を――いや自分自身を憎んでいないか?
    ――あの子は――いや、あの人はちゃんと、ちゃんと幸せになれそうかい? クリーク

    嗚呼――嗚呼――やはりお父さんは、お父さんだ
    私のトレーナーがあの時の子であった事より――あの時のあの子がちゃんと幸せに生きれるかを心配している
    お父さん、怖かったですよね、あの時あの子を手放して、逃げて――辛かったですよね
    大丈夫――どんな事が起きても、あの人は私が、私が幸せにしますから

    お父さんも、お母さんも……犯罪がどうとか母親がどうとか、その少年が私のトレーナーになったことを止めなかった。クリークがそう選んだのならきっと大丈夫……クリークはもう私たちより立派な一人のウマミミなのだから

    ――それでももし迷ったり、辛かったり、悩む時があったら言いなさい
    ――その時は一緒に考えよう、我々じゃクリークの力になれないかもしれないが……三人寄ればなんとやらだ

    本当にありがとう、お父さん、お母さん
    メイクデビュー、勝ってきます
    そしてこれからURAで勝って、勝って、トレーナーさんをいっぱい喜ばせて
    いっぱいあの人を、誰よりも幸せな男の子にしちゃいます

  • 64二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 22:45:20

    チームのレースで最も「ムラ」があって心配なのはスーパークリークだ
    勿論サクラローレルの脚は心配だしブーケのポジショニング、ぶつかり合いも心配だ
    ジェンティルは最近メキメキとスピードが上がってる分その速度が仇となり脚の故障が起きないかと不安になる時がある
    そっちの心配ではなくクリークは走りそのものがあまりにメンタルに影響される
    元々体質もそうだが脚だってかなり弱い方だ。それなのにメンタルが原因で不調になると走りがガタガタになる
    それでも前に行こうともがくものだからダッシュのような走りになって――脚が壊れるのではと本当に心配になる。
    勿論その時のタイムなんてひどいものだ

    今日はクリークのメイクデビュー戦だ
    ギリギリまで両親とすごしていた、幼い俺と一応は面識のある父親に俺が――あの時の少年がトレーナーだと伝えると。 どのみち俺の顔と名前が出てしまえばクリークの親にはすぐバレるだろうしその方が良いとは思う
    ――そりゃいいんだけど、絶対反対されるよなあ
    この問題はやはりジェンティルだけの問題じゃない。 親御さんからしたらこんな経歴の男が自分の娘の担当トレーナーだと知ればそりゃ気が気でないだろう。 学園に乗り込んで会長に直談判あっても何らおかしくない

  • 65二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 22:47:39

    あの全然そんなことないんだけど?!

  • 66二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 22:52:52

    とはいえ
    流石に幼少期の事件で報道に顔も出たわけじゃない、オレは今や二十歳を超えてる
    ローレルとブーケの御両親が俺を知る接点はおそらくは今はない――今は
    それでもいつか俺の経歴を知ったメディアやファンからそれは知られることだろう
    先に挨拶に行くべきか御両親たちにショックを与えない方法をかんがえなくちゃいけない

    とにかく今はクリークだ
    両親と言い争いや喧嘩になってメンタル的にやられてなければいいんだが
    くそ、送ったあとに後悔した。 こんなタイミングで帰郷させたのはミスだったかもしれない

    控室にクリークがやってきた
    メイクデビューにもかかわらず青い勝負服を身にまとっていた
    穏やかな笑顔を浮かべてはいるが――なんだ?
    なんだこの――俺も見たことのない気合の乗り方は……雰囲気があるというか一目見れば最高の状態だと誰もがわかる、メイクデビューのウマ娘が出して良い貫禄と気合ではない
    脚の動きも肩の動きも文句なし、その場で数回跳ねるといつもより数段高く、まるで天井に届くぐらい跳ねてみせる

    ――はい、絶好調です♪

  • 67二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 23:01:25

    俺の心配はなんだったんだというようにクリークは完璧な状態
    というかこんな絶好調というか「すごい」状態を俺も知らない
    なんだ……この、なんだ!?
    何があった!? とも聞けない、藪蛇というものもある。
    クリークは表情と仕草だけはいつも通りあらあらうふふと頬に手をあて皆と話してるが、ブーケは勿論、クラシック級のローレルやあのジェンティルドンナすら息を飲むほどの何かをまとっている
    ――間違いなく今のスーパークリークは全てにおいて最高に充実した状態だ
    担当の気合十分、絶好調で言葉を失うとかそんな事があってたまるか……あるわけがないのだが言葉を失った

    ――私がトレーナーさんの話をしたら、父はトレーナーさんが今幸せかどうかを真っ先に聞いたんです

    クリークは俺に向かって切り出した。クリークは自分の胸に手をあて、その時を思い出すように

    ――今でも怯えてないか? 世の中を恨んでないか?
    ――ちゃんと一人の人間として幸せを掴めそうか?
    ――お父さんはトレーナーさんの事を心配してました
    ――あの時の少年がトレーナーになった娘じゃなく、あの時の男の子を心配していました
    ――わたしにはそれがたまらなく嬉しいんです……ああ、お父さんはやっぱり優しい人だと
    ――人の幸せばかり願ってるお父さんは……やっぱり立派な人だと
    ――多分ずっと、あの時を後悔してたんだと思います

  • 68二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 23:06:02

    ――わたし、凄く怖かったんです。
    ――あの時の男の子がトレーナーになったと聞いたら私を心配するんじゃないかって
    ――担当契約を考えるように言われるんじゃないかって
    ――もし……もしそんな事になったら
    ――私はあの時のお父さんも今のお父さんも、許せなかった
    ――でも違った……お父さんはずっと心配していたんです、貴方を……あの時の男の子を
    ――それが父親としてとても嬉しくて――嬉しくて

    立派なお父さんなんだな……
    俺は父親の顔も声も知らない、俺がうまれてすぐに蒸発した
    何故かは知らないが母親は女を作って逃げたんだといつも言っていた
    だから、理屈や知識ではわかっていても父親や母親の愛情や機微はわからない
    でも――クリークのお父さんはどんな事より他人を、相手を思いやれる立派な人なのはわかる
    それは理屈で、道徳でわかっていてもいざこんな風になったとき本気で思える人はいない
    魂も感情も、そんな物わかりがいいものではない

  • 69二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 23:13:17

    ――トレーナーさん……言いましたよね?私を利用するために声をかけたって
    ――私ならG1、重賞の一つ二つは取れるって。 報酬のために契約をしたって

    呼吸が止まる。しかしクリークは微笑んだまま、俺を真正面からぎゅうっと抱きしめる
    優しく、暖かく、心から愛するように俺を抱擁する

    ――私がレースに勝ったら……トレーナーさんは嬉しいですか?

    そうか……ああ、そうだよな、クリークは
    皆の笑顔が見たくて、俺を喜ばせたくて走りたいって言ってたもんな
    正直言うと、俺は人間関係や本当に誠意のある付き合いが苦手だ
    担当たちには誠実に、そう思っていてもまともな家庭でそだってないから根本的なコミュニケーション能力がない、ただただフリを必死にやっているだけだ。良い人のふりをしているだけだ
    そんなのは四人にはとうの昔にバレてる
    だから全部正直に正直に言ってるだけだ。 まともなキャッチボールや機微がわからないならせめて嘘はつかないようにしてるだけだ
    だけど――それでも
    今のクリークに『頑張れ!応援してる!』なんて言っちゃいけないのはわかるよ
    クリークは俺に喜んでもらいたくて――俺のために走るって言ってくれたもんな
    だったら――頑張れじゃないよな

  • 70二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 23:19:20

    クリーク――お願いだ――勝ってくれ
    俺はクリークに勝って欲しい。 翼が生えて跳ぶように走るクリークが見たい

    ――はい、わかりました

    クリークの抱擁が強くなって――俺をゆっくりと離す
    まっすぐに立ち、前を見るクリークは――その場の俺達四人が言葉をかけられないほどに
    これからのレースに集中する「スーパークリーク」の表情になっていた

    ――行ってきますね♪ 私頑張っちゃいます。うふふ♪

    口調もおっとりさもいつも通り、声色が変わったわけでもない
    しかしそのスーパークリークは明らかに今までとは別人だ
    皆の笑顔のために、と言っていた彼女がメイクデビューを勝つこと、それだけに集中している

    ――母はつよし、ね。 トレーナーさん

    軽口を叩くジェンティルの表情にも余裕がない
    ジェンティルが気圧されるほどの競争者としての威圧感があった

  • 71二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 23:27:03

    メイクデビューは阪神2000m
    正直クリークならいつもの実力を発揮できれば楽勝だろう
    体質改善やトレーニングの難航に苦しんでいたクリークはもういない
    疲労を抜ききってしっかりと身体を作り上げたおかげでトレーニングの質も量も充実した
    元々の才能も一流なのだからしっかりとトレーニングできれば負けようがない

    ダンッ
    一斉にゲートが開く。 ほぼ横一線のスタートからするすると前に抜け出るスーパークリーク
    ん? んん? んんんん?
    双眼鏡からみるクリークの表情には焦りも気負いもない
    しかし先頭集団から引き離し単騎で逃げてしまう
    ――なんで逃げを? トレーナーさんの指示ですか?作戦ですか?
    ンなわけねえだろクリークは先行かロングスパートの差しまくりだ。 逃げ戦法なんかしたことねえよ
    サクラローレルのの問いに思わず素が出てしまう。
    気合が入りすぎてかかっているのかと思ったが双眼鏡でクリークの表情を見ると意外そうなのはむしろクリークで……真剣さはあれどいつものおっとりとした空気をまとってそうな表情にも見えてくる
    まさか……まさかとは思うけど
    クリークはゆっくりと、ゆっくりと、じわじわ、じわじわと道中でさらに先頭集団を引き離すように更に前にでてしまう。
    スーパークリークの大逃げに会場もどよめきと歓声が混じっていて

  • 72二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 23:37:40

    第三コーナーにスーパークリークが差し掛かると流石に後続――といっても先頭集団がスパートをかけてとらえようとする。 我慢が足りない、とは大逃げ対策として思うのだが……ここで会場がさらにどよめくことになる

    ――さらに大きく大きくスーパークリークはストライドを伸ばし、スパート体勢に入ったのだ
    他のウマ娘の数歩をたった一歩で跳んでしまうような大きな大きなストライド
    まるで空を飛ぶような――伝説の生き物天マのような――そんな走り
    クリークに――翼が生えた

    第三コーナー途中から更に加速するクリーク
    後続はすがりつくどころか逆にスタミナ切れを起こし崩れていく
    そのまま阪神の直線を跳ぶようにはしり切り――スーパークリークが2000mのジュニアレコードでゴールインした
    強いだとか圧勝だとかではなく――このレースがすべて彼女のためにあったような
    すべての観客が終始圧倒的だった強さと――その空を飛ぶようなその走りに魅了された
    ゴール直後には静寂……皆が言葉を失い
    そして

    ――おおおおおおおおおおおおおお!!
    ――うわあああああああああああああ!
    ――すげえ!スーパークリークすっげえ!!
    ――あの「天マ」トウショウボーイみたい……いやそれ以上だ!!

    阪神競馬場は大歓声に包まれた。
    俺達も全員言葉を失った――あれが……スーパークリーク
    いや――心身ともに完全に充実した真のスーパークリークと言うべきか
    伝説上の天マの異名をもったトウショウボーイが色褪せるほど――彼女はジュニアメイクデビューにしてその強さを知らしめた

  • 73二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 23:48:49

    そんな事はありえない、そんな非常識な事は本当にあるわけない
    しかしスーパークリークはもしかしたら気分よく、そして一生懸命に走っていただけなのかも知れない
    もっとも自分が気分よく実力を出せるようなスピードに乗った先行策
    それが結果周囲が着いてこれず先頭に出てしまった、 そのまま気分良いペースで走るとさらに外を引き剥がしていく――本当にあり得ない話なのだがレース序盤で彼女がみせていた戸惑いと困ったような表情は予想以上に周囲を引き剥がして単騎逃げになった事に自覚のない不安をもったのだろう
    軽自動車とF1カーでレースをするようなもの――しかしこんなのは中央と地方でも起こり得るものじゃない
    道中からしてクリークのスピードに誰もついていけない――そんな事があるはずがないのに
    今日のクリークはそれを成し得てしまった

    ――ねえ、トレーナーさん

    ジェンティルドンナがまっすぐにクールダウンにコースを走るクリークをみつめつつ声をかけてくる

    ――トレセン学園のウマ娘――その一流どころというのはみんなこうなの?
    ――私は最強の自負があったのだけれど。 ブーケさんといい、クリークさんといい
    ――数日数ヶ月でどんどん別人のようにつよくなるのだけど

    お前もだろ鬼婦人ジェンティルドンナ……とはいえ今日のクリークは別格がすぎる
    調子が良い時はストライドも長く、軽やかに走り翼が生えたよう
    とは俺もそう思う。 クリークの走りを表現するにはそれしかない。 かつての天マトウショウボーイを引き合いに出すのもよくわかる
    ふわりふわりと一人だけ空をとんでいるのかと評されたトウショウボーイ
    しかし最後の直線……スーパークリークの背に翼を幻視したのは絶対に俺だけじゃないはずだ

  • 74二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 23:57:30

    ウイニングライブを踊るクリークはダンスも軽やかで長い手足が舞うたびに魅了される
    スーパークリークが帰ってくるのが待ち遠しい
    速かった、強かった
    ――なにより間違いなくあの瞬間、クリークの背には翼があった
    クリークがライブを終えて控室に戻ってくると俺はクリークに飛びつくように詰め寄ってしまっていた
    すごかった、すごかったクリーク
    調子いい時の大跳びが、ラストスパートでさらに伸びて
    ほんとに空を飛ぶみたいに! クリークの背中に翼があって……!

    最初は何事かと目を丸くしていたクリークが「まあまあまあまあ」と嬉しそうに両手を合わせる
    興奮して語彙を失った俺の背中をゆっくりと撫でつつ、しかし嬉しそうな顔でニコニコと俺を見ている
    最後の方は語彙力もIQも失った俺がクリークは天マか天使なんだ、背中に翼の生えたウマ娘なんだ
    そのぐらい今日の直線はすごかった!
    と小さな小さな子供のようにクリークに同じ言葉を繰り返してたのだ
    そのぐらい興奮してたのだ
    俺は闇のトレーナー……帰りにその記憶が蘇り今にも線路に飛び降りそうな顔で寮にもどり
    ベッドであーあーあーあーあーあーとわめきながら転がり続けるのだ
    何をしてるんだ俺は、成人式を追えてる大人が
    もうちょっとまともな言葉を言え

  • 75スーパークリーク25/10/16(木) 00:05:17

    トレーナーさんは喜んでくれるでしょうか
    スタートした後は機嫌よく走ってたら皆さんより前に出てしまって
    でも今日はどこまでも加速できそうだったので気分よくそのまま進んで
    第三コーナーからスパート、脚もよく動いて身体も軽くて最高のレースでした
    ……トレーナーさんは喜んでくれますか?
    トレーナーさんの周りにはすごいウマ娘ばかりです
    ブーケちゃん、ドンナちゃん、ローレルちゃん
    私の走りでも――皆の走りみたいに喜んでくれるでしょうか?
    控室に戻ったらトレーナーさんが私に食いついてきました
    すごい私を褒めてくれます
    私の事を天マだ、天使だと言います
    すっごく子供みたいに興奮してなんどもなんども私を褒めていくと段々と語彙力がなくなっていってます
    本当の子供みたいにキラキラした瞳で私を見て大喜びの子供のよう

    ああ、嗚呼駄目ですトレーナーさん
    そんな事だと――私はトレーナーさんをトレーナーちゃんにしなくてはいけなくなります
    駄目ですトレーナーさん……よろこんでほしいですがよろこびすぎです
    私がおかしくなってしまいます

  • 761◆qxc6n.SpgKwJ25/10/16(木) 00:06:35

    寝ます、おやすみなさい

  • 77二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 00:38:31

    私はトレーナーさんをトレーナーちゃんにしなくてはいけなくなります

  • 78二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 00:49:06

    イイハナシダッタノニナー

    イイハナシダッタノニナー

  • 79二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 04:44:47

    ひょっとしてこの文豪オチをつけないと死んじゃう病じゃない?

  • 80二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 09:18:52

    もしかしなくてもこのトレーナーかわいいのでは?

  • 81二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 09:27:00

    >>80

    素になってる時は若干のパピー味を感じる

  • 82二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 09:34:23

    自分にこれだけ真剣に向き合ってくれてたまに子供のようにはしゃぐ闇トレが悪い
    クリークじゃなくても母性本能刺激されまくってトレーナーちゃんにしたくなるわ

  • 83二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 10:19:39

    年相応の子供やってる場合じゃなかったからな…
    あの頃に忘れてきた子供らしさを今楽しんでいるのかもしれない
    いいんだもっと甘えろ

  • 84二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 12:07:32

    右脚第一指剥離骨折
    クリークはそう診断された――クソ、嫌な予感とは言わないが念の為が当たってしまった
    メイクデビューでのレースはすごすぎた。 大跳びのクリークに翼を幻視したほどに
    しかしそのスピードは着地する脚にすべて負担がかかっている。 特に前に前に脚を伸ばす大跳びは足先にかかる負担は大きい
    診断結果にクリーク自身がびっくりするほど痛みは無かったようだが年末のホープフルはもちろん皐月賞も厳しいだろう。というかメイクデビューのみの勝利だ、トライアルに間に合わない、ダービートライアルに間に合うかどうかだ
    速さを求めるクセに究極の速度を手にすれば脚に故障が起こる――ままならないものだ

    ――ごめんなさいトレーナーさん……せっかくメイクデビューであんなに喜んで貰ったのに

  • 85二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 12:16:52

    謝ることなんか何一つ無い
    怪我は競技人生にはつきものだしクリークのそれは自身のあまりにも速いスピードが原因だ
    痛みがないだけ本当にありがたい。 痛みが原因で全力で走れなくなるなんて事は本当に良く聞く話だ、本当にありがたい――あの走りがもう二度と見れないとか残念が過ぎる
    メイクデビューを思い出す俺をクリークはじっと見つめる、うふふ♪と 機嫌の良さそうな笑顔で

    ――トレーナーさん、すっごい嬉しそうです

    ああ?ああ、ああ――すまん、メイクデビューのクリークの走りを思い出してた
    ウマ娘にはそれぞれの走りの魅力がある。同じ長いストライドでもサクラローレルの走法は力強さとはつらつとした元気さのあるもの、力強くタンっと地を蹴る脚で加速するのは見ていて気持ちがいい
    ストライドと真逆な凄みがあるのはナリタブライアンだろう、上半身を大きく屈めグンっと加速するあれは野生の獣を彷彿とさせるものがある
    元々クリークは軽やかな大跳びのウマ娘だ。足の長いクリークのそれは軽快で見ていて気持ちのいいものだ
    だがあの時のそれは本当に軽やかですごかったのだ。こう、翼が生えてて、地面にはただ軽くふれるだけのこう――
    …………なんだかずっとずっと同じ言葉を繰り返してるな、俺に語彙力はないのか

    ――そんなにすごかったですか? 私の走り

    ああ、ああ凄かったとも!
    俺の言葉に松葉杖で歩くクリークは幸せそうに目を細めていた

  • 86二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 12:29:48

    これで全員がデビュー
    スカウト時の予想を遥かに上回る出来映えの三人は間違いなくGⅠ級 今後は重賞戦線だろう
    しかし同時に問題もある――レースバッティングが起こり得るということだ。 彼女たちはクラシック以上の距離適性がモロに被っている、今後は同レースで一着を奪い合う事が起こる
    できる限り重賞を同レースに出す事は避けたとしてもGⅠは確実にぶつかる
    事実としてティアラ路線同士のカレンブーケドールとジェンティルドンナは速ければオークスで激突するだろう
    ブーケはマイルより明らかに中距離以上向きのウマ娘だ。 それも2000mより2400向き

    ――クラシック路線に行きます

    そうだよな、ブーケは1600の桜花賞より2000mの皐月賞の方がいいよな……
    ……へ?
    ……ええええっ!? ブーケクラシック路線いくの!?
    俺はトレーナー室で大声をあげてしまっていた
    ブーケもジェンティルも互いをライバル視している面があると思っていた。バチバチなライバル関係、というわけではなく互いの実力を認める好敵手のような
    だからてっきりブーケはオークスでジェンティルにぶつかると考えてたし1600桜花賞はともなく2400ならブーケにも十分勝機はあると思っていたのだが

    ――はい、菊花賞は考えが少しあります。 少なくとも春のダービーまでは、クラシックで

  • 87二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 12:44:45

    しかしなんでまた……ジェンティルに気を使ったとかそういう?
    正直クリークはダービーも休養空けで出走そのものがあやうい。 そうなればジェンティルを避けたとてダービーに出走できるという理屈は間違ってはいない
    しかしそれは出走させるトレーナー側の理屈であってウマ娘は各自の夢と信念のために走るレースを決めるべきだ。 ブーケはクラシックよりティアラに夢を抱いてた節があると思っていたが
    ブーケはいくつか理由があると――少なくともジェンティルドンナとは戦いたい、あの人を超えたい気持ちは強いと語った上で

    ――桜花賞1600mでジェンティルドンナに勝つのは自分では厳しい、2400mが最も戦いたい距離
    ――でも……ジェンティルさんが望む『最強』は強者に勝つ事。 ならば私もあの人と対等な冠がほしい
    ――だから自分は皐月賞とダービーを獲りたい、あの人に胸を張って挑戦状を出したい

    いや……ジェンティルもブーケはライバルとしてもう認めてる、そこは間違いない
    今現在ジュニアでジェンティルとまともに戦えるのは正直スーパークリークとカレンブーケドールぐらいだ
    自分たちの教え子を贔屓目、親馬鹿目線というわけではない。 ジェンティルを含めたこの三人の実力はずば抜けてる。
    三人――だ。 ジェンティルだけがずば抜けて強いとは思わない。 ジェンティルだってそうは思っていないだろう。 模擬レースでもブーケはジェンティルに真っ向から挑んでる。 ぶつかり合いはともかくそれをいなしかわすテクニックもある。
    メイクデビューのレースが証明してる。 バ群をかいくぐり2番手につけたあれは天才のそれだし上がりタイムは33秒ジャスト。 ジェンティルの末脚を凌ぐあの切れ味を持つ世代最強の一人だ

  • 88二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 12:53:03

    うーん……
    考える俺にブーケは少し困惑した顔をする
    いや……その……嬉しくて仕方がないのだ。 ブーケがこんなにも堂々とジェンティルにぶつかろうとしてることが嬉しい。
    ブーケは本当に実力は凄くてレースカンも良くて、ただ一つ優しすぎて闘争心が無い
    自分なりに戦えることができればと思っていたブーケがあの貴婦人ジェンティルドンナと真っ向からぶつかろうとしてる、ジェンティルに立ち向かう強者になろうとしている
    すごいなあブーケ、あの貴婦人に勝つことをちゃんと考えるようになってる。

    ――あの、あのトレーナーさん? ほっぺた緩んでますよ……

    ブーケの言葉に我に返って、しかしそれはダービーでクリークに当たる可能性もあるし菊花賞は確実にクリークとぶつかる。 変則で秋だけ秋華賞に出走する気だろうか?
    ブーケは曖昧な笑みを浮かべ、いえ……考えてることはあるのですがとりあえず今は、春までだけで
    とはぐらかされてしまった
    まあ確かに全てクラシック、すべてティアラで統一しなくてもいい。 変則も飛び飛びも十分ありだ。
    しかしそこは人の子、皐月賞、ダービーを獲った場合菊花賞で三冠達成だ
    そこには超高速のステイヤースーパークリークが待っているわけだが

  • 89二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 13:12:10

    専属契約と違ってここらが本当に悩みどころだ
    何よりブーケがオークスを譲るというのに少し悩んでる
    2400mは絶対にブーケのベストな距離だ。 2000でも2500mでもなくカーブも大回りな東京2400という部隊はブーケが最も実力を発揮できる場所だろうなと思う
    確かにジャパンカップはある、有馬記念だってある
    だが――レースは1度きりじゃない。 ジェンティルとオークスで闘って次ジャパンカップ、有馬で再戦したっていい、本当に望んでるのはどちらなのだろうか
    ブーケは優しい――優しすぎる性格だ。だからどうしても俺はジェンティルにティアラ三冠を譲ってるのではないかなと思ってしまう。
    俺はブーケに正直にその事を聞いてみる。 ブーケは少し思案して

    ――今年のジャパンカップに出たいです

    ……ジャパンカップ。 ティアラでもクラシックでもなく、ジャパンカップ
    …………
    …………恐ろしい予感がした。 いや、だって
    それは誰も想像してない未来のはずだ、俺だってそれはまだ想像できない世界だ
    しかし、しかしジャパンカップ――今年のジャパンカップに出たいと


    ――今年のジャパンカップで、ジェンティルさんと……ローレルさん、ナリタブライアンさん全員に、勝ちたいんです

  • 901◆qxc6n.SpgKwJ25/10/16(木) 13:13:27

    少し休憩します

  • 91二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 13:36:44

    ブーケさんが本気になった…
    いよいよ闇トレ捕食者杯が本格化する…!

  • 92二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 13:48:49

    怪物はナリタブライアンだけじゃなかった

  • 93二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 14:02:53

    ある日
    俺は数人の記者に囲まれた――俺が記者にインタビューされる世界線!?
    朝日杯FS 阪神JF ホープフルS
    そして来年のクラシック本命に一躍名をあげた三人のウマ娘
    入学当初から最強の呼び声すらあったジェンティルドンナ・そして疾風のような切れ味で圧勝したカレンブーケドール・天マトウショウボーイの再来とも言われるスーパークリーク
    それらのニューヒーローが同じチームに所属してるとなれば注目されるもの――らしい
    注目……そうなのか注目のトレーナーなのか
    多分俺は鼻の下が伸びてた――情けないがこんな立場なんか味わったことは当然ない
    最近は他のトレーナーに声をかけられたり相談されたり自分の扱いがちょっと違うことにも気がついては居たが

    ――ところでトレーナーさんのチーム名は

    大体はわかりやすくチーム名がある、スピカだとかカノープスだとかもっともっとシンプルだと自分の苗字とかをチーム名にしてるトレーナーも多い。 チーム六平だとか
    最近はチーム薩摩藩とかもあるらしい――ほんとなんでもありだな
    そういえば考えたことがなかった
    うーむ、うーむ……チーム名

    と、言うことで

    ――うちはチーム:ブロッサムになりました

  • 94二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 14:15:47

    ジェンティルドンナは高貴な赤い薔薇。それも一輪ではなく王族の庭園にある一面の赤い薔薇園のような
    サクラローレルは名前の通り。 その走りは春の桜吹雪のよう
    クリークは暖かいひまわりのような女性だ、俺は彼女を花に例えるならひまわりと即答するだろう
    ブーケは柔らかく優しく、胡蝶蘭やマーガレット、鈴蘭だろう

    どの娘も花のような女の子だしぴったりのチーム名だ
    俺はめちゃくちゃ自身満々にミーティングで四人に発表したのだが――反応は思ったより薄かった
    あっれーーー???ここは俺のセンスに盛り上がるところじゃないの???あっれー?
    やれブロッサムは木に咲く花の事だから一輪草じゃないですフラワーじゃないですとブーケに怒られ
    ブロッサムならサクラでいいじゃないですかとローレルにはからかわれ
    ジェンティルにはあまりにも安易でしかも間違っているせめてROSE GARDENのようなとお叱りを受け
    クリークにはひまわり幼稚園がいいと言われた
    ひどい
    滅茶苦茶自信あったのに…やはり世の中は理不尽だ
    年末のファン投票はやはりぶっちぎりでナリタブライアンが1位だった
    サクラローレルは堂々の5位。 青葉賞2着までクラシック出走はなくセントライト1着菊花賞2着でこれはすごいことだ。 それだけあの菊花賞での走りはファンの心を掴んだのだろう

    ――レースの魔術師サクラローレル

    有馬記念特集でのサクラローレルにこんな見出しがついていた

  • 95二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 14:27:00

    菊花賞での第四コーナーでサクラローレルは瞬間移動を演じてみせた
    京都の下り坂から第四コーナーにぶつかり全員が外に膨れたあの瞬間たった一人だけインに切り込みたった一人先頭に立ったアレは芸術的なレースだった
    ――センスいいな、レースの魔術師
    当然ナリタブライアンは有馬記念に出走。 サクラローレルも有馬記念に出走し雪辱を晴らす
    菊花賞京都レース場のような絶対の奇策がなくともサクラローレルの実力は劣っていない、サクラローレルも集中して気合の入ったトレーニングをしている。 そのために11月のジャパンカップは回避したのだ
    直線は短いが三角前からのスパートを得意としているサクラローレルには十分中山2500は勝算のあるレース場
    しかし二つ名が着くほどかあサクラローレル……いいじゃん、いいじゃん
    とニヤニヤしてる俺をじっとサクラローレルは覗き込んでいた
    気恥ずかしいがニヤニヤもしようというものだ。サクラローレルを育ててきてそれが認められて
    今ではファンにもサクラローレルならナリタブライアンに勝てると期待されているのだから

    ――凱旋門賞は、ちょっと残念ですけど……ブライアンちゃんに勝つって夢はまだ消えてないですから

  • 96二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 14:35:13

    ――行くぞ? 凱旋門賞。 まあ個人的な遠征になるけど
    URAや業界主導で組織的には行けない。 それはもう絶望的だろう
    正直いってまだ日本は凱旋門賞を舐めている。日本とは全く違う組織的にレースを勝つ事を由とする欧州の凱旋門賞に個人個人で挑んでも勝率は極めて薄い
    URAが主導し帯同をつけある程度の作戦と組織をもったうえで個々が1着を目指すぐらいでないと凱旋門賞は勝てない
    だが、正直今期サクラローレルがそれを主導するのは不可能だろう。 たとえ春三冠をとったところでインパクトが足りない――社会を動かすような、社会的なムーブメントを起こせる期待がURA的にはない
    春三冠が凱旋門賞に挑戦です、これはURAは応援するだろうが今までしたことのないURA主導で組織的に凱旋門賞を勝ちに行くというには至らないのだ
    なにより春三冠路線にはナリタブライアンもシニアの猛者も立ちふさがる。 そんな簡単にいくものではない
    ならば個人渡航しかないだろう
    限りなく勝率は下がるが――それでも勝率はゼロじゃない。 奇跡を望むようなものでもない
    出来ることを全力で行って凱旋門賞に勝ちにいくしかない

  • 97二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 14:42:53

    勝率は大きく下がるけど諦めるべきのレースじゃない。 記念出走とかじゃなく勝ちに行く
    ――諦めたのか? 凱旋門賞
    サクラローレルはぶんぶんと首を振って否定し俺の手を両手で握る
    ――行きます!勝ちます!凱旋門賞!
    そのためにもナリタブライアンとかいう怪物に勝たなきゃな……あの走りはちょっとやばい
    有馬記念でもサクラローレルが追い詰めれば同じように覚醒する可能性は高い
    最終的に精神、肉体ともに限界を超えたそれに行き着けた方が勝つようなそんな超越レベルの勝負だ
    1月に引退をしようとしていたサクラローレルが
    今本当に、URA最強をかけてナリタブライアンと戦おうとしてる……
    自覚あるか? ブライアンちゃんに勝つのも、一番強いウマ娘になるのも――夢じゃなく今叶えようとしてる現実になってる事
    ほんとすげえな、ローレル。我慢して、頑張って、他のウマ娘より全然トレーニングできなかった奴が今本当に花開こうとしてる。
    有馬記念でナリタブライアンに勝てばサクラローレルには大きな区切りがつく。 それは次の目標――凱旋門賞にすべてを集中できるようになるのだ。
    勝ちたい――ナリタブライアンに、勝ちたい

  • 981◆qxc6n.SpgKwJ25/10/16(木) 14:45:12

    QKします

  • 99二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 15:05:15

    おつ
    ここのクリーク

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