- 1二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 20:32:28タフのSSを書いた|あにまん掲示板上げていい? 時系列はジェンダーレス戦とドラゴン・ラッシュの中間あたり もしかしたら解釈違いになるかもbbs.animanch.com
このマネモブ氏に影響受けて書いてみたんスよ
上げてもいいっスか
- 2二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 20:33:03
いいですよ!ニコニコ
- 3二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 20:33:05
しょうがねぇなGW初日からタフカテに入り浸ってるって時に・・・
- 4二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 20:33:22
なんでもいいですよ 朝昇のSSっスか?
- 5二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 20:34:12
あざース(ガシッ)
自分は一気読みした蛆虫なので多分ここ違うだろ蛆ップって部分あると思うけど勘弁してほしいのね - 6二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 20:35:30
「はい、実戦ならこれで一本頂きました」
「いでででで!ギブ!ギブ!」
都内某所のシュート・ボクシング・ジム、「シュート・ファイティング・アカデミー」にて。
朝田昇こと朝昇は練習生相手に腕を絞めていた。
「オラーッお前ら一回くらいやり返してみろ!」
その様子を見ていたジムの代表、マナブは情けないとばかりに声を上げる。
もっとも、彼自身も練習生では朝昇相手に手も足も出ないことはわかり切っていたが。
数時間後、ヘロヘロになった練習生を尻目に、マナブは朝昇と向き合う。
「久々に会いたいって言うから、せっかくだし練習に付き合ってもらったがやっぱりこうなったか」
「いえいえ、皆さん筋がいいですよ。流石はマナブさんが見ているだけありますよ」
そうは言いつつも、笑みを浮かべる朝昇は汗一つかいていない。
「お前ら、俺はコイツと話してるから片付けやっとけよ」
「オッス!お疲れさまでした!」 - 7二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 20:36:22
言い忘れましたが時系列はTOUGH開始前くらいっス
- 8122/04/29(金) 20:37:30
奥の応接室に入った二人は椅子に腰かける。
「で、話ってなんだよ」
「はい、実は…アメリカで道場を開きたいと思ってまして」
「おいおいマジかよ」
朝昇はTDKで世界レベルの選手と戦い、自分はまだまだ井の中の蛙に過ぎなかったと悟った。
アメリカに行けばもっと強い相手とやり合えると確信したのだ。
そしてもう一つの理由を語った。
親友である宮沢喜一…キー坊の灘新影流当主襲名式にも彼は参列していた。
父親が心神喪失の状態になり、まだ二十歳にも満たないキー坊が当主に。
きっと不安で仕方ないだろうと思っていた。
だがキー坊は晴れやかに笑い、堂々とした姿で当主を襲名した。
それはひとえに、父親宮沢静虎の教えがあってのことだ。言わばキー坊は静虎の生きた証。
そこまで恰好の良いものではないが、自分も誰かに技を、精神を伝授する立場になりたい。
そう思ったのだ。 - 9122/04/29(金) 20:39:34
「まぁお前が決めたことだ。俺はとやかく言わねぇよ。向こうでもしっかり極めて来いよ!」
「はい!」
んかぁっのポーズをしつつ別れの挨拶を済ませ、彼はジムを後にした。
渡米するとなれば当然色々と準備が必要だ。
考えを巡らせながら駅の構内へと足を踏み入れていく。
ここも彼にとっては思い出の場所だ。
マナーの悪い若者を注意したところリンチにあい、さらに通行人などから侮蔑の目を向けられた。
その時の悔しさが彼の原動力にもなったのだが。
一人心の中であの時のことを思い出しつついると
「ひーっやめてくれーっ!」
突然、男の悲鳴が聞こえてきた。
見れば壁際で小さな人だかりができている。
四人の所謂今風の若者が、これまた所謂ホームレスと思しき男を囲んで暴行していたのだ。
「臭ーんだよオッサン!」
亀の様に縮こまったホームレスに若者の一人が蹴りを入れる。
「おげっ!た、頼む!勘弁してくれっ!」
「っるっせーんだよっ!」
通行人たちは関わり合いになりたくない、と言わんばかりに目を背け通り過ぎていく。
しかし朝昇は真っ直ぐにそちらへと向かっていった。 - 10二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 20:39:46
あーっいい雰囲気なのん
- 11122/04/29(金) 20:41:27
「君たち、やめましょうよ」
「あぁん!?ンだよてめぇ!」
以前の自分ならそう怒鳴られた時点で怖気づいていたかもしれないが、今はどうということはない。
「その人痛がってるじゃないですか。それに警察だって呼ばれるかもしれませんよ」
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねーぞオラァ!」
問答無用とばかりに殴り掛かってくる若者。
しかしこんなパンチ、バークレーのものに比べれば猫の手のようなものだ。
掴んで一瞬にして締め上げる。
「いっでえええええ!離せ離せよ!」
「あまり暴れない方がいいですよ。変に折れると治らなくなるかもしれない」
その言葉にぞっとしたのか、若者は暴れるのをピタリと止める。
「お、おいコイツもしかして…朝昇か!?」
「なにっTDKに出てた!?」
若者の一人がそう言うとうずくまったホームレスも含めて全員、肩を震わせる。
TDKの第一回戦を思い出す。あの時はリングに上がった自分を誰一人として知らなかった。
それが今ではこうして名前を憶えられているのだから不思議なものだ。
参戦させてくれたアイアン木場に心の中で感謝する。 - 12122/04/29(金) 20:44:18
「おい!もう行こうぜ!」
「ち、ちきしょう!」
「ま、待ってくれよぉ!」
そそくさに逃げていく若者たちを横目に見つつ、朝昇はホームレスに声をかける。
「終わりましたよ。動けますか?」
「あ、ああ…ありがとう…」
顔を上げたホームレスに朝昇は、どこかで見た顔のような気がした。
会ったことがあるか、そう言いかけたとき。
「兄ちゃんよぉ!アンタあの時の人だよな!」
「えっ」
「ここで今みたいな奴らにボコボコにされてたよな!」
そこまで言われて彼ははっと思いだした。
朝昇がリンチにあった時、一人のホームレスが小さく罵声を放ったことを。
(ウヘヘヘバ~カ) - 13122/04/29(金) 20:47:14
少し気まずい思いになった朝昇だったが、ホームレスの方は全くそうではなかった。
「俺ぁよ、もの拾いしてるときに電気屋のテレビで見たんだ。兄ちゃんがTDKっつーデケー大会で戦ってるのをよ!」
「そうだったんですか」
「兄ちゃんアンタスゲーよ…きっと目いっぱい頑張って強くなったんだよな…俺ぁクズだけどよ、勇気を貰ったんだ!」
目に涙を浮かべながら語るその姿に朝昇も目頭が熱くなる。
「なんとか這い上がってやろうと思ったんだ…けど結局、さっきみたいに何もできなくてよ…」
「……」
「でも助けられて今度こそ思ったんだ…絶対に復活してやるって!なぁ、俺兄ちゃんみたいに強くなれるかなぁ…!?」
ホームレスは両手で朝昇の肩を掴みながら声を震わせる。
その声に、朝昇はこう答えた。
「はい!強くなれますよ!」
涙を流すホームレスに別れを告げると、朝昇は駅のホームへと向かう。丁度電車が来たところだ。
思いがけずファイティング・スピリットを養うことができた。
…そうだ、せっかくだしイメチェンをしよう。
メガネを換えて、いや、いっそ髪型も変えてみようか。
静かに、だが軽やかに朝昇は電車に乗り込んだ。
終 - 14二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 20:49:34
フフフ...いい話だったのん
- 15二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 20:50:33
そうか!
君は頭が良くて文章かくとりえがあるから
SS書いて原作補完できるんだね
すごいね… - 16122/04/29(金) 20:50:38
- 17二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 20:51:35
しゃあ!けどまるで外伝オトンみたいに尊さが足りてたわ!
- 18二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 20:53:49
なんだか清々しい気持ちになれたのん
- 19二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 20:56:52
俺はSSを書くのが上手い奴は無条件で尊敬する
原作から"解釈一致"のSSを作り出すことは人間に与えられた才能の中でも最上のものだからな - 20二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 20:58:33
見事やな
- 21二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 20:58:38
尊いSSやのォ……
尊敬するでっニカッ - 22二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 21:18:00
>>1に勲章を与えたいよ
- 23122/04/29(金) 21:32:27
- 24二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 21:34:04
- 25二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 21:56:14
モンキー・ファクトリーの門を開けろぉ!
新たなる猿文豪の誕生だぁっ! - 26二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 22:09:33
朝昇好きなんだなって伝わるいいSSだったっス
よかったら続きもまた読みたいんだ