- 1二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 19:02:10吸血ウマ娘スレ|あにまん掲示板ある時からウマソウルが変質して生まれるようになった存在人間の血を吸わないと飢餓感に襲われるようになる人間には感染しないウマ娘の血を吸うと感染させてしまう吸血ウマ娘の血はまずい、悪魔の実とかそのレベル感…bbs.animanch.com
「ハイッ!この学級委員長をお呼びですかトレーナーさん!」
「ええーッ!?今日はお休み……!?なぜですトレーナーさん!バクシン的に説明を!」
「調子が悪そう、ですか……むむむ、言われてみれば少し体がだるい、ような」
「他に?ええと最近、妙に日差しが眩しかったり、お腹がすぐ空いたり、あとは……」
「トレーナーさん?急に怖い顔をなさって一体どう……口の中?了解です!……あー」
「……ちょわーっ!?トトト、トレーナーさん!?どうして袖を捲っているのです!?」
「……血を、飲むのですか?私が……トレーナーさんに、噛みついて?」
「あのー、そ、それは余りにも模範的ではないというか、なんというか」
「ぐぐぐぅ……わかりました。トレーナーさんがそこまで言うのです、信じましょう!」
「えー……では、その。失礼します……トレーナーさん、ゴメンナサイッ!!」
- 2二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 19:03:20
「おはようございますッ!トレーナーさん!今日の調子はバクシン的花丸ですッ!」
「やはりトレーナーさんの言うことは正しかった!私バクシンオー、感動しています!」
「えー、それでですね。もしトレーナーさんがよければ、今後も、その……」
「……良いのですか!?ありがたい!それでこそ模範的優等生のトレーナーさんです!!」
「(……なんて。模範的なのはトレーナーさんだけですね)」
「(私はトレーナーさんを傷つけて、自分だけ得をしています)」
「(これのどこが、模範となるべき学級委員長の行いなのでしょうか)」
「(すぐに、はやく、やめなければ。……でも)……あと少し、すこし、だけ……ううっ」 - 3二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 19:03:45
──吸血も驀進してミイラができそう
- 4二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 19:04:20
「はぁ、はぁ……ト、トレーナー、さん、少し……はぁ、休憩を、下さい……はぁ」
「日陰に入って……ふぅ~……学級委員長たるこの私が……不甲斐なしぃ~」
「うーん、このところ日差しが辛く感じるんですよね~。まさに焼けるよう、というか」
「元気のみなもとであるご飯も、どーしても食べられないものが出てきてしまったり」
「より速く!より長く!バクシンできるようにはなったのですが、これでは……」
「おや?トレーナーさん、どうなさいましたか?……2000mのタイム計測、ですか」
「……ええーっ!?2000mって、中距離ですよねっ!?……いいでしょう!了解です!」
「太陽に雲のかかっている今こそ!新たな目標へ向けて!いざ!バクシーーン!!」 - 5二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 19:05:17
文字通り桜のように散ってしまいそう
- 6二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 19:05:21
『──鉛のような厚い雲が空を覆う東京レース場、バ場状態は良との発表です』
『──秋の中長距離G1、今年の天皇賞・秋の盾を手にするのは果たして誰か!』
『──注目はやはりサクラバクシンオー。短距離の王者がまさかの電撃参戦です!』
『──さあ、ゲート入り完了、出走準備が整って……今スタートしました!』
『──最終コーナー、大ケヤキを超えて、優駿たちがスパートをかけていく!』
『──最初に飛び込んだのはサクラバクシンオー!だが後続も負けじと追いすがる!』
『──サクラバクシンオー逃げる!強い!強い!これがスプリンターの速度か!』
『──だが後続も差を詰める!残り200!さあゴール板は目前だ!どうだ!どうだ!』 - 7二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 19:06:07
「──トレーナーさん、模範的学級委員長の走り、見ていてくださいましたか」
「──私、勝ちました……勝ちましたよっ!中距離G1の天皇賞・秋、制覇ですッッ!!」
「ええ、ええ!この勝利は私とトレーナーさん、2人で勝ち取ったものです。故に!」
「2人で高らかに笑いましょう!さあご一緒に!ハーッハッハッハッハッハ!」
「……ふぅ~っ。ウイニングライブもバクシン的大成功、これぞ優等生!さすが私!」
「おや、トレーナーさんは何やらお忙しそうなご様子ですね。雑誌の取材でしょうか」
「お先に、控室に、戻ります、と。送信!フフン、連絡もバッチリな学級委員長です」
「……控室に戻る前に、少し夜風に当たりましょう。少しなら大丈夫のはずです」 - 8二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 19:09:48
「おお!つまりあなたは私の、サクラバクシンオーのファンなのですねッ!」
「しかも私のバクシンロードに憧れて下さっているとは!委員長冥利につきますね!」
「こうして世代を超え、ウマ娘の皆さんの模範として受け継いでいってほしいものです」
「記念にハグ?いいですとも!ええ、特別に許可します。特別ですよ?さあ、どうぞ!」
「ふふふ。ぎゅ~っと!(夜風で冷えたからか、この子の体温がやけに熱く感じます)」
「(小さな体。しかし熱く滾るウマソウルが、走りたいと叫んでいるのがわかります)」
「(……白い、白い、首筋。美味しそうな、匂い。無垢なウマ娘の血はさぞ……)」
「──ッッ!!……あ……トレーナー、さん……」 - 9二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 19:11:27
「あ……は、はい。それでは、さようなら!風邪には気を付けて下さいねー!」
「……トレーナーさん。私、今……」
「血を、吸おうとしていました。私を慕ってくれている、何も知らない、あの子の血を」
「止めて下さって、ありがとうございます。あのままでは、今頃……」
「……帰りましょうか。注意した私たちの方が、風邪をひいてしまいますから」
「(私は無意識に、衝動的に血を吸おうとしていた。となれば、もう、これは)」 - 10二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 19:12:44
「……ありがとうございます。最後まで、私のわがままに付き合って下さって」
「はい。頭から煙が出そうなくらい考えて、決めたことですから」
「私、サクラバクシンオーは、皆さんの模範たらんと心に決め、バクシンしてきました」
「しかし吸血衝動を抑えきれなくなってしまえば、それは模範的とは到底言えません」
「──ですから。完全に模範的優等生でなくなってしまう前に、私は消えるのです」
「皆さんの手本を示す、学級委員長たる私ではなくなってしまう。その前に」
「折角です。最後にもう一度だけ、トレーナーさんの血を吸わせていただけませんか」
「……ありがとうございます。そういえば、結局一度も断られませんでしたね」
「フフン。さすがは私のトレーナーさんですね。ええ……それでは。いただきます」
「……ん、ンむ、……ふう。ごちそうさまでした……はい。これが、最後です」 - 11二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 19:14:08
「……もうすぐ、夜明けですね。トレーナーさん」
「おっとと……急なハグは委員長NGですよ、ちゃんと許可を……まあ、いいでしょう」
「トレーナーさんは温かいですね。今の私とは大違いです」
「……色々ありました。楽しいことも、辛いことも。でも、これでお別れです」
「トレーナーさんは口がうまいから。だからこれからも、きっと上手くいきますとも」
「あなたの愛バ、サクラバクシンオーが保証します。ええ、きっと大丈夫です!」
「だから……前を向いて、あなたの信じる道を、驀進してください」
「──さようなら。私の、大好きなあなた」 - 12二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 19:17:48
- 13二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 19:19:37
おお……素晴らしい
ありがとう…そしてありがとう… - 14二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 19:29:20
b(バクシンの沼に親指を立てながら沈む)
- 15二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 19:33:37
月姫思い出した
- 16二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 19:44:21
最高だった…ありがとう……!!!
- 17二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 19:59:46
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- 18二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 21:14:47
その愛が灰となって永遠に残りますように。
- 19二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 22:27:48
好きだから、吸わない系ウマ娘