誕生日プレゼントは…トレーナーが欲しいわ……

  • 1二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 20:12:42

    「さっきのお店!とっても素敵な所だったわね!!あんたにしては中々良いチョイスじゃない!」

    「ははは…気に入ってもらえたなら苦労して探した甲斐があるよ。今日はスイープの誕生日だからね。スイープに沢山楽しい思い出を作って欲しい」

    「……!!ふ、ふん!!こ、この程度じゃ満足出来ないわ!あたしに満足して欲しいなら、まだまだあたしと一緒にいなさい!」

    「もちろんだよ。使い魔として、偉大な魔女様に満足してもらうまで傍にいるさ。
    あの時、大人として、君のトレーナーとして……君の気持ちに真剣に向き合うって決めたからね」

    「ふ、ふ〜ん……(まったく…どうして……あんたはいつも私が欲しい言葉をくれるのかしら……)
    ……そういえば、晩御飯食べてから結構歩いてるけど一体何処へ行くのよ?」

    「ふふ…それはね……あっ、どうやらもう着いたみたいだ。今日はね、スイープと一緒に見たいものがあってさ。それにはここが一番美しく見えるかなって思ってここまで来たんだ。

    ……ほら、見てごらんスイープ。綺麗な夜空だ…」

    「わぁ……!!」

    そこには多くの星達がよく見える、雲一つない夜の景色が広がっていた。

    「すごい…とても…とても綺麗だわ…!!星だけじゃなくて月も……!!」

    しばらくの間二人ともトレセン学園からは滅多に見れない景色を静かに堪能していたが、やがてスイープが再びトレーナーに話しかけた。

    「……それにしても、どうしてここに…?」

    「……この前、おばあさんのようにちゃんと魔法が使えなくてスイープが泣いていた事があっただろう?
    (あれから君は落ち込んだままずっと調子も悪い。でも僕はそんな悲しい顔した君を見たくないんだ……)
    だから、今日はスイープが立派に魔法を使えるように少しサポートをしたいと思ってね。
    (そして、いつもの君のように元気な姿を見せて欲しい…)」

  • 2二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 20:12:58

    「…サポート……?」

    「うん、手を出してみてごらん」

    「こ、こうかしら…?」

    「うん、OK。そのまま手を出しておいて。
    …ちょっと失礼するね……」

    そういうと、トレーナーは慈しむように、大切なものに触れるように、スイープの手を優しく握った。

    (!?なななな…なにを……)

    「僕がスイープに魔力を分けてあげるからさ、スイープは今から僕が言う呪文を唱えてみてごらん? いくよ?─────」

    (じゅ、呪文!?アタシが知らないものまでトレーナーが知ってるなんて……なんだかよく分からないけど、呪文を唱えれば良いの?
    でも、出来るのかしら……今のアタシに魔法なんて……アタシはグランマのようには……)

    不安で手に少し力の入ったスイープの手を、トレーナーは彼女を勇気づけるように握り返した。

    「……大丈夫。出来るよ。天才魔法少女スイーピーなら。それに僕もついてる。きっと上手くいくさ」

    「……トレーナー………
    (なんだかトレーナーの手…おっきくて…あったかくて……ずっと…握っていたくなる……
    アタシがこの世で一番大好きで、信頼できる人の手……
    トレーナーがそう言ってくれるなら……)
    ……うん…分かったわ。やってやるんだから!!天才魔法少女スイーピーの活躍、しっかり見ておきなさい!!

    いくわよ……スプラッシュ・アストランティア!!」

  • 3二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 20:13:40

    スイープがトレーナーに言われた通り呪文を唱えてからどのくらい経ったのか。
    数十分?数時間?───スイープにとっては長く感じているだけで、実際は数秒だったかもしれない。

    「何よ……やっぱり……グスッ……何も起こらないじゃ……え?」

    呪文を唱えても何も起こらず、スイープが『やっぱり自分はダメな魔法使いなんだ』…と、そう思ってしまいそうになった時だった。
    ────夜空に一筋の光が輝いた。それだけではなかった。後に続くように次々と光が降り注いでいく。

    「さっきの呪文は僕のとっておきの魔法だよ……
    大量の……流れ星が見れる魔法さ。いつでもは使えないんだけど、今日は特別だからね」

    「す……凄い…すごいわトレーナー!!こ…こんな魔法も使えるのね……!!!」

    「いや、この魔法を成功させたのは僕じゃない…君だよスイープ。君が『魔法を使いたい』って真剣に祈り続けたから出来たことだ。僕は君にほんの少し魔力を与えただけだよ。
    (……調べてみたら、今日のこの時間帯に〇〇流星群が見れるって書いてあったけど…どうやら本当に当たってたみたいだ。
    良かった…内心外れたらどうしようかと不安だったからね……)
    これが僕からの誕生日プレゼント…かな。もう一度改めて…お誕生日おめでとう、スイープ」

    「ぐすっ……ありがとう……トレーナー……あたし、すごく嬉しいわ……!!こんなに凄い魔法が見れて…こんな綺麗な景色をトレーナーと見れて……

    ねえ、トレーナー……アタシ、またいつもと同じように魔法の研究…続けてみるわ!
    それで、いつか誰の手も借りずに一人だけで魔法を使える立派な魔女になって見せるから!!」

    「うん…その調子だよスイープ!それでこそいつもの君だ!!やっぱり君はそういう風に笑ってる顔が似合うな……」

  • 4二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 20:14:20

    「な、何よそんなに褒めて…照れるじゃない……

    あっ、そういえばさっきこの景色が誕生日プレゼントって言ってたわよね……
    でも…アタシ……もう一つ……もう一つだけ、欲しいものがあるんだけど…」

    「えー?まだ欲しいものがあるのかい?……しょうがないなぁ、今日はスイープの誕生日だしね……奮発するよ。
    よし…欲しいものは何か、いってごらん?」

    「うん、教えてあげる……教えてあげるから、あんた…こっちに近づいて…もう少し頭下げなさい」

    「? こうかな……?」

    スイープの言う通りに、トレーナーが彼女の目線の高さと合うぐらいのところまで頭を下げる。

    すると、スイープは彼の唇に自分の唇を重ね───────

    「!? すすすすスイープ!?いいいい、今のは……!?」

    「さあ……何かしらね…?……あっ、それより願い事しましょう、願い事!!せっかく流れ星が大量に出てるんだから、今のうちにやっておかなくっちゃ損よ?」

    「い、いやいやいや…!!ちょ…ちょちょちょ…ちょっと待って……!!あ、頭の整理が……!!
    え?え?え?…い、今のってもしかしなくても……」

    (あははっ……何よその面白い顔…ちょっと可愛いかも……その顔も、アタシの前でだけ見せてくれたら……なんて……

    ふふっ……それにしても、返せないプレゼント…貰っちゃったわね……まあ…返すつもりもないけど………♪)

  • 5二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 20:14:23

    😄

  • 6二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 20:15:40

    神「そんなトレーナーや、スイープトウショウを彼女にしたいか?」

  • 7二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 20:19:22

    >>6

    トレーナー「もちろんです」

  • 8二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 20:51:42
  • 9二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 20:54:04

    スイ×トレはいいぞ……見るだけで寿命が延びる、いい幻覚だ……良き……

  • 10二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 22:37:20

    ああ…良い…

  • 11二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 00:46:55

    良い…

  • 12二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 00:49:37

    良いものを見た…

  • 13二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 12:09:14

    みんな語彙が消失してる…

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