- 1二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 23:20:34
チームikzeの概念やSSを投げたり吸ったりするスレです
注意書き
・実在する人や競走馬をテーマとしたスレです
・実在する人やお馬さんの名誉を傷つける表現や過激な描写はお控えください
・ウマ娘化されていない実在の競走馬が多数ウマ娘化されています
・恋愛要素が含まれます
・外部への持ち出しは禁止です
・解釈は無限です
最初のスレ
ikze「あかん、トレーナー室に酒忘れた…」|あにまん掲示板😓「家で飲もうとして置きっぱにしてもうた…ぱっと見ジュースに見えるしあいつらが万が一飲んだらヤバい…流石にないと思うけどな🚪ガラガラ」😷🧹👗📣💤 🇾🇪⚔️「……………………」😨「……………」😷🧹👗…bbs.animanch.com前のスレ
【完走記念スレ】ikze「あかん、トレーナー室に酒忘れた…」|あにまん掲示板前スレが楽しすぎてテンション上がって完走記念スレ立てましたこのスレのスレ主と前スレのスレ主は違います完全にスレ完走してから立てたので誰にも気づかれずに落ちる可能性あります保守おねがいします前スレ→ h…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 23:27:14
保守代わりに書けたところからSS載せますね
⚔さんと♫さんのお話です
関西弁は許してください
一スレの📣ちゃんにもやる♫ちゃん概念お借りしています
しょも、しょも。
トレーナーの背中からそんな擬音が聞こえてきそうである。素直な背中だ。顔に芝が激突して脳震盪を起こしても、教え子のレースが無事終わるまで黙っているトレーナーの気質を考えると、大変好ましい背中だ。
史上最高の先週が揃ったという前評判のヴィクトリアマイルまであと少し。先程までトレーナーが個人練習を見ていたはずのソングラインはいない。
「何かありましたか?」
「デュランダル〜」
彼は眉尻を下げた。しょもしょもしているのにはなにか明確な理由があるのだろう。昼の様子から考えて、恐らくソングラインの個人指導中のトラブルだ。
「ソングラインと何かありました?」
「デュランダルはすぐわかるんやなあ。そうなんよ。『わたしが他のチームに移籍するって言ったらどうしますか』って言われてしもてん」
「ソングラインがそんなこと言ったんですか?」
「結局何にもこっちが言えへんうちに『冗談ですよ』って言われたんやけどな」
「まあ、気になりますよね」
「うん…」
このチームは転入者が多いが転出者は少ない。それはここが才能のある問題児たちが最終的に行き着く場所という一面を持つからでもあるが、それを言い出したソングラインはうちにしては珍しく穏やかなタイプだ。他の強豪チームに勧誘されているという噂もあるため、ありえない話ではない。 - 3二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 23:42:03
が、引っかかるところはある。
私が考えていると、私と同じトレーニングを終えたばかりのカレンチャンがひょっこり顔を出した。
「デュランダルさーん、一緒に帰ろう」
「ああ。すぐ行きます」
「お兄ちゃんとお話中だった? カレンひとりでも帰れるよ」
「ちょうど終わったところだから気にせんくてええでー」
「分かった」
「では、トレーナー。失礼します」
「ばいばいお兄ちゃん」
私は一礼して、カレンチャンは手を振ってトレーナー室を出る。連れ立って歩いていると、カレンチャンが小声で聞いてきた。
「お兄ちゃんとなんのお話ししてたの? カレンも知っておいた方がいい?」
カレンチャンと私は共にスプリンターだ。トレーニングの話を想定していたのだろう。私はソングラインの発言を伝えようか迷って、ある程度濁して伝えることにした。聡い彼女ならそれで十分だろう。
「最近、ソングラインの様子で気になるところはありませんか?」
カレンチャンはそれで察したのか、それ以上追求することはなく「ちょっと思い詰めた顔はしてたけど、カレン的にはエールちゃんのことが気になるかな」と答えた。
「メイケイエール? そうでしたか?」
「うん。エールちゃん、京王杯SCに登録したでしょ。不安そうだった。距離延長が不安なのかなって思ってたんだけど、もしかしたらヴィクトリアマイルのことだったのかも」
メイケイエールはもともと私とカレンチャンと同じスプリンターだった。しかし素質というよりあがり症が理由でメイケイエールはスプリンターであったので、あがり症が改善した今距離延長を試みている。距離延長にあたって、ヴィクトリアマイルは彼女の次の出場レースの候補の一つだった。しかし、段階を踏んでいくべきだというトレーナーの判断で京王杯に決定した。
「メイケイエールがヴィクトリアマイルに出場したかったので後悔している…ということですか?」
「うーん、カレンはエールちゃんじゃないからそこまでは分からないかな。エールちゃん、京王杯に向けて前向きに頑張ってるから、不満そうには見えないもん」
しかし、ソングラインが一方的に負い目を感じているということはありうる。同じチームからは同じレースに複数人出場させないのが慣習であるから、自分のせいだと思っているかもしれない。
- 4二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 23:43:51
「ありがとうございます、カレンチャン」
「カレンでいいよ、デュランダルちゃん。一応カレンの方からソングちゃん気にかけてみるね」
「助かります」
昨日カレンチャンとの会話で生まれた仮説をトレーナーに伝えよう。そう思って朝一番にトレーナー室を訪れると、トレーナーはおらず代わりにヤマカツスズランがいた。
「ヤマカツスズラン、おはようございます」
「おはよう。トレーナーはまだ来てないみたい」
「そのようですね」
ヤマカツスズランは慣れた手つきでスズランの入った花瓶の水を変えていく。トレーナーがこまめに植物の面倒を見ているとは思っていなかったが、ヤマカツスズランが世話をしていたのか。彼女は料理も得手であり、手先が器用だ。
あっという間に水の入れ替えを終えるが、スズランの入っている花瓶の横のヒナゲシが入った花瓶には触れない。
「そのヒナゲシは?」
「これ? これはケンイチが持ってきたやつだよ。水替えしてるのはケンイチじゃなくてジャーニーみたいだけど」
「ドリームジャーニーが?」
「意外だよね」
「はい」
ドリームジャーニーとヒナゲシ。なんとも違和感のある絵面だ。しかし、トレーナーがわざわざ自分でヒナゲシを買ったその意味を考えれば、そしてその意味をドリームジャーニーが理解しているとすれば、納得がいく。
「会えました?」
「姿も見てないんだ。ごめんね」
「そうですか…。私もです」
空気が重くなってしまった。そのことを気にしたのか、ヤマカツスズランは「よっし、水替え終わり!」と明るい声を出した。
「ボクはもう教室行っちゃうけど、デュランダルはどうする?」
「私は一応ギリギリまでここで待ってみます。きっとまたギリギリまで朝ダラダラしてたんでしょうから」
「了解」
「全く、困った物です」
「じゃあ、また後で」
ヤマカツスズランは爽やかな笑顔でトレーナー室を出て行った。静かになったトレーナー室で私はそっと花瓶に歩み寄った。背高のっぽのヒナギク。触ろうか迷い、触ったら茎が折れてしまいそうだったのでやめた。 - 5二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 23:45:29
- 6二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 23:51:14
マカセロ
- 7二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 23:54:48
ありがてえ
- 8二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 23:56:27
毎日の生き甲斐になっとる
- 9二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 00:20:29
ほしゆ
- 10二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 00:21:32
オレハマッテルゼ
- 11二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 00:38:04
- 12二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 00:42:59
なにっ スズがいる!?
- 13二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 08:43:56
朝の保守
- 14二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 14:32:12
昼の保守
- 15二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 14:54:29
続き
手を引き、そのまま元々座っていたデスクに座る。暗い空気が戻ってきた。私がため息をつきそうになったその時、勢いよく扉が開いた。驚いて見ると、飛び出してきたトレーナーと目が合う。
「すまん、学園祭の飲食提供に関する生徒指導案の書類どこにあるか知らん!?」
「またですか。機密情報であった場合問題になるので内容までは見ていませんが、一昨日からデスクの上に放置されていた書類は頼まれた通りに上から二番目の引き出しのピンクのファイルにしまいましたよ」
「お、ああ、あったあった。助かるわあ」
「次からは把握してください」
「分かったで! いつもありがとうなぁデュランダル」
トレーナーはファイルからプリントを出すや否やトレーナー室を飛び出していく。仕方ない人だと思ってファイルをもとあった場所に戻し、ふと気づいた。
「あ」
うっかり肝心のソングラインのことを話しそびれてしまった。
その後、個人指導が立て込んでいるトレーナーを捕まえて話をすることは出来ずに夜になった。ヴィクトリアマイルはもう来週だ。それまでにソングラインの真意を確認する必要がある。
私は練習を終えて簡易シャワーを浴びているソングラインを待ち伏せした。扉の向こうでドライヤーの音が止む。
「あ、デュランダルさん。次シャワー使う?」
ソングラインにそう問われて、私は言葉に詰まった。気が急いてどう話すか考えないままここまで来てしまった。私が言葉を考えている内に「冗談だって。トレーナーから相談されたんでしょ。あれも冗談だってちゃんと言ったのになぁ」とソングラインさんは笑う。はぐらかされてはならないと、私は単刀直入に切り込んだ。
「でも、ソングラインはメイケイエールのこと」
気に病んでいるのではないのですか? そう続けようとしたが、穏やかな彼女の表情が豹変したので思わず黙った。そんな表情をするとは思ってもいなかった。ソングラインは暗い声で「その話、他の人に話を聞かれない場所でもいい?」と言った。
トレセンは広いが在籍生徒も多く、寮すらも二人部屋なので誰もきそうにない場所などほとんどない。私が知っているのはたったひとつ、あんなことが起きてしまった後、チームのメンバーを周囲の目から守るために、一時的にトレーナーが拠点を移したトレセンの外れの掘建小屋だけ。
「分かりました。場所を移しましょう。着いてきてください」
- 16二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 14:56:48
掘建小屋に入ると、しばらく使っていないこともあって埃が舞った。
「確かにここなら誰も来そうにないね」
ソングラインはそう呟くと、私に向き直った。
「どれくらい、分かってるの?」
「本当のことを言うと、何も分かっていません。推測をしているだけです」
「どんな推測?」
「メイケイエールの次走がヴィクトリアマイルではなく京王杯になったことを、ソングラインが気に病んでいるのではないかと、そのような推測です」
ソングラインの口元が歪んで、眉根が寄って、そっと顔を伏せた。私の推測が正解だったようにも、検討外れであったようにも見える反応だった。何も確証がないままここまで来てしまった私はソングラインの言葉を待つしかない。
「デュランダルは優しいね」
ソングラインは顔を伏せたまま、深いため息を吐いた。
「わたしはそんなに優しくなれなかった」
急にソングラインは顔を上げ、自嘲的な笑みを浮かべた。私はそんな顔をさせたいわけではなかった。ソングラインを責めたいわけではなかった。反射的に言い返す。
「私はソングラインも優しいと思います」
「わたし、優しくないよ。未だにメイケイエールのこと恨んでる。あのとき、あの子がぶつかって来なかったら、わたし勝てたかもしれないのに、あの子さえいなければ……!」
そのとき、私は初めてソングラインが恨み言を言うのを見た。メイケイエールに進路を妨害されて、トレーナーが憤慨していた時さえも、メイケイエールが謝罪に来た時さえも、彼女は穏やかだった。
「謝られたけど、謝られたからって何!? 謝ってもらったって、あの試合はやり直せるわけじゃないじゃん、何にも変わんないじゃん! うちのチームに来てもずっと恨んでたよ、ずっと嫌いだったよ、トレーナーにあれこれ指導されてるの見て、ずっと妬んでたよ」
あの斜行事件の後。メイケイエールは前任のトレーナーと一緒にうちのチームへ頭を下げに来た。涙目で、「もう誰にも迷惑をかけたくない」と言って、チームへの入会を希望した。来る人拒まずを信念とするトレーナーはそれを受諾した。そのメイケイエールの姿を見て、事件を起こした後のあの子の姿が思い出されて、私もあの子を受け入れた。
真面目に練習し、あがり症を克服したメイケイエールのことを思うと、彼女を受け入れたことは間違っていたとは思わない。
- 17二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 14:57:55
けれども、そのせいでソングラインは「悔しい」とか「恨めしい」とか「憎い」とか「悲しい」とか、そんな当たり前の感情さえ押し殺すことになってしまった。彼女の感情を尊重できていなかった。
謝りたくなった。ここで謝るのは自己満足でしかないような気がした。
呆然とする私をよそにソングラインは抑え込んでいた感情を発露する。
「なのに、大っ嫌いなのに、エールちゃん、良い子なんだもん!
反省して、自分を変えようと思ってて、一緒に練習していく内にどんどん良い子だって分かってきて、友達になって、好きになっちゃうじゃん。悪気はなかったって分かっちゃうじゃん。今でも憎いし恨んでるし大嫌いなのに、どんどん好きにもなってって、こんなに、こんなに大っ嫌いなのにどんどん好きにもなってもうぐちゃぐちゃなの!
苦しい、わたし、苦しい!」
ソングラインの頬に涙が一筋伝う。それを皮切りに大粒の涙がいくつも溢れ始め、彼女は子供のように「うわああああ、うわああああん」と大声を上げて泣いた。私がティッシュを渡すとひったくって勢いよく鼻をかむ。鼻をかむと少し涙は収まったが、感情は抑えきれないらしく、うう、うう、と言葉にならない声が漏れた。
「エールちゃんが距離延長して、これから一緒にトレーニングすることになるでしょ、そうしたら、もっとエールちゃんと接することになるでしょ。トレーナーにエールちゃんが指導されているの見るたびエールちゃんがもっと嫌いになって、それで頑張ってるの見るたびエールちゃんのことが好きになるじゃん。
今でさえこんなに苦しいのに、わたし、そんなの耐えられない!」
立ったまま、プルプル震えるソングラインをそっと座らせた。すると私にソングラインにしはしがみついて、私の胸でまた泣いた。私は堪えきれずに「すみません」と謝った。
「わたし、デュランダルのことも、トレーナーのことも、チームのメンバーのことも恨んでないよ。エールちゃんのこと、大事な友達だと思ってる。離れるのも寂しい。わたし、このチームが好き。このチームにいたい。でも苦しいの。ごめん。わたしもよく分からないの」
「いえ。……ソングラインは悪くありません。絶対にソングラインは悪くありません」
腕の中の小さな体が震える。
そのとき、気まずげにドアが軋んだ。ドアの向こうから現れたのは
「エールちゃん」
メイケイエールだった。
- 18二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 14:58:52
「ごめんなさい。途中から来て、でも、多分ほとんど聞いてました。……ごめんなさい」
ソングラインは私から顔を離して、メイケイエールを見つめた。視線の先でメイケイエールがきまずそうに身じろぐ。メイケイエールはなんどか口を開閉して、意を決したように話し始めた。
「わ、私は、あがり症で、みんなに迷惑かけてばっかりで、も、もう周りに迷惑を掛けたくなくて、このチームに入った…んだけど、全然、自分が何をしてしまったか、わかってなかったん、だと思う」
ソングラインは何も言わない。何も言わずにメイケイエールを見ている。メイケイエールは両手をぎゅっと握り締めながら、言葉を紡ぐ。
「ソングちゃんが、頑張ってるの見て、練習、すっごく、頑張ってるの見て、私、何をしちゃったのか、どんな人が、どんな風に頑張って、どんな風にレースに挑んだのか、分かって、私、すごく、それまでとは比べ物にならないくらい、罪悪感感じて、申し訳なくなって、申し訳なくなった。わ、私、それで苦しくなって、ソングちゃんが優しくしてくれるから、自分のしたことから、逃げたく、なった。それで、ソングちゃんと、友達になりたいって、思っちゃった。
で、でも、『それじゃダメ』だって、『逃げちゃ駄目』だって、『償わなきゃ、相手も自分も前に進めない』って、言われて」
そこでようやくメイケイエールは顔を上げて、しっかりとソングラインの目を見た。
「だから、私もう逃げません! どうやって償えばいいか分からないけど、でも、これからはもう周りに迷惑かけたりしないから、だから、だから」
友達になってほしい。メイケイエールはそう言いたかったのだろうけど、そう言うことを諦めてしまったようだった。ソングラインが自分を憎んでいることを尊重したようだった。
私はソングラインの顔を見た。泣きじゃくって赤みが残っていたが、涙は落ち着いたようだった。ソングラインは静かに言った。
「エールちゃんも、私のこと好きになっていくと、苦しい?」
メイケイエールの目が泳いだ。ソングラインはその目を見つめ返した。メイケイエールは迷いに迷いに迷って、小さく頷いた。ソングラインはそれを確認して、穏やかに言った。
「なら、いいよ」
それは先ほどまで激情を露わにしていたとは思えないほど穏やかだった。
- 19二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 15:00:07
「わたしはもう、エールちゃんのこと友達だと思ってるから。嫌いだけど、大好きだし、苦しいけど、離れるのは寂しいから。エールちゃんも苦しいなら、エールちゃんもぐちゃぐちゃなら、いいよ。
普通とは違うけど、わたしたち、きっとそうしかなれないから、わたしたち、そういう友達でいよう」
ソングラインが手を差し伸べた。メイケイエールは手を差し伸べるのを躊躇い、迷った。だからソングラインがメイケイエールの手を掴んで無理矢理握手した。握手して、何度もぶんぶんと手を振った。
メイケイエールの目に涙が張って、メイケイエールは泣くのを我慢しようとして目をかっぴらいた。溢れそうになった涙が溢れないようメイケイエールは顔を動かして、どうにか無事に涙を引っ込めた。その一連の動きは妙にコミカルだった。張り詰めた空気が緩み、ソングラインの体から強張りが抜けていくのを感じた。
- 20二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 15:02:32
「ところで、メイケイエールはよくここが分かりましたね」
「途中まで二人を追いかけていたんですけど、見失っちゃって、そしたら知らないお姉さんが『きっと二人はそこにいるよ』って教えてくれたんです! 『逃げちゃ駄目だ』ってその人が言ってくれて」
メイケイエールが知らない人で、オルフェーヴルやカレンチャンすら知らないこの場所を知ってる人。そんなの、一人しか思い当たらない。
「そのお姉さんは、鹿毛で、ソングラインくらいの身長で、左耳にヒナギクの髪飾りをつけていませんでしたか?」
「そうです! そんなことまで分かるなんてデュランダルさんすごい!」
「デュランダルの知り合い?」
邪気のないメイケイエールとソングラインの言葉に返事を返している余裕もない。
「メイケイエール、そのあとそのお姉さんがどこに行ったか分かりますか?」
「え、あーでも職員室に挨拶に行くって言ってた気がします」
メイケイエールは私とソングラインの会話をほとんど聞いていた。ということは私とソングラインがここに来て少ししたぐらいで彼女とメイケイエールはここにやって来て、別れたということになる。ここがトレセンの外れとはいえ、あの子がここを立ち去ってからかなり立っている筈だ、恐らくもう職員室にあの子はいない。
私は携帯を取り出した。電源が入るまでの時間も焦ったい。やっと液晶が明るくなると、私は迷わず連絡先を開いてドリームジャーニーの名前をタップする。
「早く、早く出て下さい…!」
無意識のうちに蹄を地面に叩きつけてしまう。2コール目で電話は繋がった。
「もしもし、ドリームジャーニーですか?」
『そうだけど。なんだよデュランダル、あんたが電話なんて珍しいな』
「今すぐ校門に向かって下さい。トレセンと外部を繋ぐ出入り口はそこしかありません」
『は? 理由を説明しろよ』
「あの子が来ています! メイケイエールが会ったと言っていました、今なら間に合うかもしれません」
そう私が言い終わるなり電話が切れた。ドリームジャーニーが飛び出していったのだろう。
- 21二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 15:03:44
私は空気を読んで黙っていてくれた後輩たちに向き直った。説明をしなければならない。でも、どうやって? この二人に、一体どんな風にあの子を紹介すればいいのだ。
私が考えあぐねていると、気を使ったのかソングラインが「もう遅いし、帰るね。道は覚えてるから大丈夫だから」と言った。「じゃあね」そう言ってソングラインが小屋を出ると、メイケイエールもそれに倣って「失礼します」と出て行く。
埃を被った部屋で一人。落ち着かなくなって、伏せられた写真立てを立てる。空だった。当然だ、あの頃記念撮影が出来るような状況ではなかった。でも今となってみれば、無理にでも写真を残しておけばよかったのかもしれないと思う。
私の携帯から軽快な音楽が流れる。ドリームジャーニーからだ。私は着信に応答した。
「どうでしたか」
『いたっちゃいたけど、あいつアタシの顔見た瞬間逃げ出しやがった。アイツはあっという間に校門の外に出て、アタシは警備員に通せんぼ食らうってザマだ』
ドリームジャーニーの息が少し乱れている。本気で走ったのだろう。そしてその上で、交わされたのだろう。
『あんの野郎まだまだ全然走れるじゃねえかよ。アタシから逃げ切るなんて相当だぜ? なんで顔出さねえんだよ、なんで会いに来ねえんだよ。あぁクッソ、腹立つ』
はあ、はあ、途切れた息の隙間にドリームジャーニーが悪態をつく。悪態をつきながら、その言葉には寂しさが滲んでいる。あの子はうちのチームに入ってきたばかりのドリームジャーニーを世話をよく焼いた。そして、それからすぐ、あんなことになってしまった。
ソングラインのこと。メイケイエールのこと。あの子がメイケイエールに言ったという言葉。トレーナーが飾っている背高のっぽのヒナギク。色んなことが脳裏を駆け巡る。
やっと息が整ったのか、ぽつりとドリームジャーニーが呟いた。
「会いたいな」
それがあんまりにも純な願いだったから、私も少しだけ鼻がツンとした。あの子がしてしまったこと。私たちが何もできなかったこと。それでも会いたいと思ってしまうのだ。
掘建小屋を出て空を見つめる。トレーナーにはどのように報告すればよいのだろうか。
- 22二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 15:11:26
このレスは削除されています
- 23二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 15:42:07
- 24二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 15:48:43
自分で脅威とか言ってて笑う
- 25二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 17:37:02
このレスは削除されています
- 26二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 23:22:46
あれ自分のレス消えてますね
間違って消しちゃったかもしれません
この聖剣さん、ドリジャ、ヤマカツスズラン、トールさんは過去スレの方々をお借りしましたが、エミュできた自信がありません
VMが終わったら続き書くかもしれません - 27二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 00:13:35
待ってます
- 28二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 00:39:33
「強い!間違いなく強い!このウマ娘の目はもう、世界に向いているのかもしれません!!」
テレビから流れてくる実況。我が妹、オルフェーヴルはこの日をもって第7代のクラシック三冠ウマ娘+初有馬初制覇と言う偉業を達成した。もちろんチームから輩出するのは初でGPには元より強いチームだったが更にクラシック三冠に加え、短距離路線の現エース、カレンチャンのスプリンターズS制覇というこれ以上ない箔がついた。朗報続きで色めき立つチームの中、アタシは年が終わるのを待たずに密やかに競技生活に幕を降ろすことにした。
2年前、有馬記念を制した頃のアタシは絶頂の渦の中心にいた。最強の世代と名高い二個下のエース、ブエナビスタの夢を僅かの所で打ち崩す秋GP制覇。間違いなく会心の走りをしたアタシはトレーナーと喜びを爆発させ、次代を担う者として期待されていた…この時までは。
しかし、ある事がきっかけでそれまで順調に進んでいたアタシの旅路に狂いが生じる。それは、翌年の春天を目指して練習をしていた際、脚に激痛が走った。駆けつけたトレーナーによって保健室に担ぎ込まれ、応急処置を受けてすぐ病院に直行して検査を受けたら右脚の腫れと診断された。幸い、骨や筋肉にダメージを負った訳ではないので軽傷ではあったが大事を取って春天の出走を回避。休養をとり、連覇をかけて挑んだ宝塚記念はフェスタの野郎に掻っ攫われ4着。その後、脚部不安で秋天を回避し、有馬記念に臨んだが…周りのスローペースに完全に振り回されたアタシは脚を限界までためる所かペースを崩され、結果は14着。周りの期待はいつしか失望へと変わり、囁かれるのは専ら引退の二文字。積み上げてきた自信が、大きく音を立てて崩れた瞬間だった。
アタシが失意の底に叩き落とされた次の年、妹が入学してアタシの紹介で我がチームに入った。初戦で初勝利を納めた後、パニクったのかトレーナーをラチにぶん投げた時は流石に笑っちまったが妹はどんどん成長していき…気付けばアタシが出来なかったクラシックの三冠を制覇し、そして今日、有馬記念をも制した。妹の活躍は姉としては嬉しい事この上ないのだが、同じ競技者として叩きつけられた圧倒的な現実。テレビで歓喜の輪ができ、その中心にいる我が妹を見て悟った。
「…ああそうか。ここがアタシの年貢の納め時ってか」
思わず、見ないようにしていた本音が零れた。 - 29二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 00:41:04
次の日、トレーナーに話があると呼びつけ、昨日の自分の決めた覚悟を口にした。
「悪ぃな、時間取らせて。早速本題なんだが…アタシはもう次の年で競技者を辞める事にした」
「…わかった。ほな来年の大阪杯…いや、宝塚を最後に引退する段取りにしよか」
「ああ。…聞かねえのな、理由」
「聞きたいけど、ジャーニーが考えて決めた結果なら俺には反対出来んよ。嫌になったとか、そんなんやないってのだけはわかるけど」
コイツは、こういう時だけは本当に機敏になる。普段は抜けてるようでも妹やアタシ、デュランダルパイセンやスイープという種類の違う問題児と向き合ってきたからこそわかる嗅覚なのだろう。アタシは、思わず本音を漏らした。
「バカ言え、んなタマじゃねえよ。でもさ…昨日の愚妹の有馬を見て何となくだけど自分の限界を感じた。去年、怪我に苦しんで何苦楚の精神でここまでやってきたけどよ…なんかもう、走れる気がしなくなっちまってな」
「自信がなくなった、てとこやな」
「ただでさえガタイでディスアド被ってるアタシが気持ちでもう負けちゃ話になんねえ。お前だって感じてただろ?纏ってるオーラに覇気を感じなかったってさ」
「まあ、弱気になってる感はあったけどジャーニーはジャーニーやった思うでな。…ホンマにすまない、君の引退を早めたのは俺のせいや」
「おい、別に責める気は毛程にねえから顔上げろ。それにアタシはもう、ドリームジャーニーじゃなくてオルフェーヴルの姉であり、それ以上もそれ以下もない存在になるんだから─────────」
「そんな事、嘘でも言うたらアカン!!」
- 30二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 00:41:44
己を自嘲していると、突然飛んできた怒号にアタシは思わずたじろぐ。初めて聞いた声、初めて見た顔。その顔は普段のおちゃらけた顔からは想像もつかないほどに、熱を帯びていた。そして、捲し立てるように続ける。
「確かに自分は三冠ウマ娘、オルフェーヴルの姉や。それ以上もそれ以下もないわ。でもな、ドリームジャーニーという偉大な記録を残したウマ娘である事も変わらんはずやろ!レースウマ娘としては恵まれなかった身体を持ちながら同じ境遇の娘たちの希望になった事実も変わらん!何よりも、内気でどうせウチには無理だとすぐ諦めると嘆いていた自分の妹にヒーローになれる世界がある事を体現したのは他ならぬ自分やろ!自分が否定したとしても俺はオルフェーヴルや他の小さい娘が憧れたドリームジャーニーという背中を絶対に否定させん!ジャーニー、自分だけはそんな事言うたらアカン!!」
そうだった。思い返せばコイツはいつも体当たりでアタシにぶつかって来た。最初の頃はイラつかれようが疎まれようがアタシに接してきた。噛んだりした事も、暴力を振るった事もあった。それでもコイツは、アタシを信じてそばに居続けた。アタシはもう、感情の堤防を堰き止められなくなった。
「あ、アタシ、オルフェに恥ずかしくない姉貴でいなきゃって。アイツが憧れた姉貴でいなきゃって考えながら走って来たけどっ、心とは裏腹に脚が言う事聞いてくれなくてっ。ムチ入れても動いてくれない自分がもどかしくて、悔しくって、なさ、情けなくて…!!」
「んな訳あるか。勝てなくなろうと間違いなく自分はあの娘の憧れや。姉貴が頑張ってるからウチも頑張れるって、バ群の中に閉じ込められても姉貴が突破出来るならウチだって出来るはずって言うてたよ。自分はあの娘の原点であり頂点なんやから」
「アタシ、なれたかなっ。あ、アイツに胸張って、姉ちゃん頑張ったよって言えるウマ娘に…っ、トレーナーが誇りに思う娘にっ」
「…当たり前やろ。俺は、ドリームジャーニーという偉大なウマ娘の夢の手伝いが出来た事を誇りに思う。どこにお出ししても恥ずかしくないけど誰にも渡したくない立派なウマ娘になったと思とる…グエッ」
- 31二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 00:43:49
もう、耐えきれなかった。アイツの弁が終わるや否や思わず胸元に飛び込んで大声をあげて泣いた。野郎の胸で大泣きとかオヤジ相手ですらも無かったが自然と動いた行動だった。アイツは、困惑こそはしていたがアタシが落ち着くまで頭を撫で、首元を優しく叩いてくれた。初めて飛び込んだ異性の胸元は、ひどく安心するものだった。息が整う頃には、陽が西に沈み始めていた。
「…ふぅ。悪ぃな、取り乱した」
「お構いなく。で、辞める意思は変わらんか?」
「ああ、そこだけは譲れねえな。燃え尽きたのには変わらねえし、他の枠をこんな薄汚え意地で奪うのも夢見が悪いんでな」
「そうか…。この話、オルフェーヴルにはしとんか?」
「いんや、まだだな。お前が初めてだよ」
「そうか…、言い難いなら俺から言おか?」
「いらん世話すんな。それはアタシの口で言わなきゃなんねえだろ」
「それもそうか」
「…所でよ、お前今さっきアタシの事を誰にも渡したくない立派なウマ娘とか言ってたな、あれ本心か?」
「うわー忘れてるやろな思とったんに…まあ、本心よ。思わず口に出てもうたけどジャーニーも含めてチームにいる娘は皆俺の誇りや。そっちから希望せん限りは誰一人渡したないよ」
「ふーん…まあいい。ああそうだ、少し屈めや」
「えっ?急やなあ…こうでええか?」
「おーそうだ。そのまま動くなよ」
そう言うとアタシはコイツの首元に甘く噛み付き、跡をつけてやった。
「…!?ジャーニー、何を…」
「簡単な話だ、お前と同じでアタシとてお前をどこぞのバカ共に渡すつもりはねえってこった。それは所有の印。お前はアタシのモノってな。まあ覚えとけ」
アタシは、悪戯っ子のように笑って言ってやるのだった。 - 32二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 00:44:56
この絵文字で紹介されるの見ると毎回だれがだれだかわからなくなる
- 33二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 00:46:20
- 34二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 03:37:35
- 35二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 08:45:37
- 36二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 09:30:01
う〜ん
ドリジャは古き良きヒロイン感があってめちゃくちゃ効くね〜 - 37二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 11:18:31
このレスは削除されています
- 38二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 12:01:43
- 39二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 18:44:42
あーやばい、今更ながら気づいたけど史実ベースで書いてたつもりだけどオルフェの有馬時点でもうジャーニー引退してるのに時期がズレてるなあこれ
引退決意するレース日本ダービーあたりにしとくべきだった許し亭 - 40二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 19:30:14
ikzeが壊れても使い続ける(意味深)ってことか
- 41二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 11:16:29
保守
- 42二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 11:50:45
落ちてなくてよかった
- 43二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 12:47:47
- 44二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 14:12:07
落ちたときのために保守って大切ってことを学んだ
- 45二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 15:51:10
おめでとう ikzeとメイケイエール
- 46二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 15:53:50
エールちゃん勝ちましたね!ikze明日ソングライン任せましたよ!
- 47二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 16:50:02
エールちゃん京王杯おめ
- 48二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 17:13:35
いやー、キツいでしょ
↓
いやー、きつかったですね ←new! - 49二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 17:15:09
- 50二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 17:51:41
いやーめでたい
- 51二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 17:53:52
- 52二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 18:13:52
エールちゃんおめでとう!
明日ソングちゃんも頑張れ! - 53二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 22:24:50
ほし
- 54二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 22:30:30
- 55二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 23:28:34
デュランダルの供給が無限に欲しい
- 56二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 06:25:14
「うーん…」
トレーナーが如何なるものかと言わんばかりに唸り声をあげる。それもそうである。今、我がチームは大事な時期を迎えている。昨日、現スプリントのエースのメイケイエールが重賞レースに勝利しチームは歓喜の輪が出来たがその翌日、つまるところ今日はマイルのエース、ソングラインがヴィクトリアマイルを走る事になる。今年は特に左耳限定戦とは言えど侮る事なかれ、歴戦の猛者と言っても遜色ないメンバーの中、ソングラインもここに名を連ねていた。
だがしかし、ソングラインとて何も箔がない状態でここに臨むわけではない。彼女は、海外遠征を経て異国の地でも自分の力を示して1351ターフスプリントにて1着をとり、それを手土産に凱旋帰国してきたのだ。顔つきも前と少し違う、良い顔をしている。私も香港での走りが刺激や新たな発見に繋がった。とても良い流れがチームの中で出来ているという中、我がチーフトレーナーは不安を隠しきれてなかった。
「チーフ、そのような顔をしては戦う前に負けてしまいますよ」
「…ああ、すまんデュランダル。そんな顔しとるつもりなかってんけどな」
「長年貴方を見てきた上で培われた勘、とでも言いましょうかね。ソングラインの事、ですよね?」
「…はあ〜。ホンマ自分には隠し事出来んわ…」 - 57二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 06:26:14
やはり図星だった。トレーナーとしてもソングラインが得た経験や知識は大いなるものと思っているし手応えを感じているのも事実だが、最悪のケースというものも拭えないというか、拭ってはいけないのだろう。チームを預かる者として軽はずみな事を言えない、かと言って士気を下げるわけにもいかない。チームを持ってから彼は底なしの明るさに少し影を差すようになったと感じることも多くなった。私が卒業した後、サブトレーナーとしてこのチームに関わるようになってから理解した事だったが。
「いやな?期待しとるのは間違いないしやってくれるとも思っとる。ただ、不安な部分はまだまだあるで楽観視するのも危険やなと…。酷いもんや、教え子をちゃんと信じてやれんトレーナーや俺は」
「それは貴方が彼女をマンツーマンで見てきたからこそ見える部分が頭をもたげているのではありませんか。誰しも不安要素を持ちながら臨むわけなのですから、それは貴方1人で気負うものではないかと」
そうは言うけどなあ…と顰める顔。思い返せば、出会った時と比べるとシワもかなり増えた。ピンと張った背中も少し丸くなったように思える。それは、多分だが歳を重ねたからというだけではなく、それだけ責任を背負うようになったから。癖のある娘のスペシャリストと呼ばれた彼は気づけば三冠ウマ娘を育てた名伯楽として名を馳せた。だからこそ増えた責任。顔に刻まれたシワも口にこそは絶対に出さないが長く続けたことで得た心の傷を表しているようだった。話してくれたらいいのに、そう歯痒い思いをする事も増えたように思う。 - 58二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 06:26:27
私が現役だった頃、短距離で追い込みというあまりにも特異的な戦術に誰もが異を唱える中、初めに進言した前トレーナーの話を聞いて快諾してくれたのが今のチーフトレーナーである彼だ。彼は、私たちの個性や自主性に重きを置き、やりたいようにやらせた上で自分のスタイルを確立させていく事に長けていた。スプリンターズSを制したあと、マイルCSも制覇しGⅠ連覇をした時、彼は感極まって私の背中に抱きつき最高だよ、お前!と褒めてくれた事を昨日のことのように覚えている。共に喜び、共に涙を流した私達はこの時、ようやく人バ一体の間柄になれたと思って今日までを過ごしてきた。それなのに、彼は未だ1人で抱え込もうとする。堪えきれなくて、私は彼の背に抱きついた。
「デ、デュランダル?どした?」
「…心配無用、とまでは言いませんが。貴方は私を立派なウマ娘に育ててくれたじゃないですか。私も彼女たちとは比べ物にならぬ程に気性に難があったのに貴方は私の心に寄り添い、向き合ってくれた。だから私は短距離で表彰される程のウマ娘に成長出来たと思っています。大丈夫ですよ。貴方が私に言ってくれたように、貴方は私の【最高】なのですから。自分で信じられなくとも、貴方の【最高】である私が言えば、少しは自信になってくれませんか?」
言い切ると、その背中の奥から聞こえる嗚咽。忘れた訳ではないが彼だって人だ。この、大きく見えていた小さな背中に色々なものを抱え込んで、誰にも言わずに1人で飲み込んでいたのだろう。私は、全てを理解してあげる事はできない。でも、理解出来ずともそばにいる事は出来る。だから彼が楽になるまでそばに居続けよう。それが、彼を救う事になるのなら…。
「…はー泣いた泣いた。すまんなデュランダル、見苦しいもん見せてもうた」
「フッ、なかなか貴重でしたよ。貴方が弱る姿は」
「何やと、もう切り替えたからな!見てみい、元気の塊や!ってか、泣いてたら腹減ったなあ。…カツ丼、食いに行くか?デュランダル」
「言われずともお供致しますよ。ソングライン必勝祈願の験担ぎと参りましょうか」
「よーし!ほな今の仕事かたづけるからちょっと待っとってな!」
うん、やはり彼は笑顔が似合う。弱い姿や泣き言を言う姿を知っているのは、私だけでいい。そう思いながらチーフの顔を眺め、微笑むのだった。 - 59二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 06:27:22
出遅れ癖のあるソングちゃんとデュランダルって似てるなあとか思ってたら何でかデュランダルメインになってた許し亭
- 60二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 08:00:07
サザエさん時空になりがちなこの手の創作でちゃんと時間を進めて、デュランダル引退済み+サブトレーナー概念とは新機軸…
ありがてぇありがてぇ - 61二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 08:54:07
⚔パイセンの安定した正妻感
- 62二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 09:28:23
- 63二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 15:49:50
ソングライン5着
内枠でこの伸びは次に期待が持てる走りでした - 64二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 16:28:08
ソングライン掲示板入り頑張った!
このメンバーだし内枠だしそれでも最後に掲示板入りする人馬の根性すごいよ - 65二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 21:09:58
先生ー!
💤と一緒にいるとき小柄な💤が小学生だと勘違いされて職質を食らい、小学生だと思われたことにキレそうになる💤を抑えながら警官に対応するikzeトレーナーが見たいです! - 66二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 22:00:53
「えーと、白滝、豚肉、牛肉、鶏モモ、豆腐…頼まれてたもんこれで全部か?」
「いんじゃねえの。にしてもスイープが鍋やりたいって言い出したのにびっくりしたけどお前が二つ返事でゴーサイン出したのはもっと意外だったわ」
「んにゃ、あの子には家いる時に面倒見れやん事多かったしあのくらいのわがままなら聞いたらんとってな」
「そんな負い目感じるレベルとかどんだけ放置し腐ってたんだよお前…。見捨てられても文句言えねえぞ」
「や、まあ、起きるとたまに布団に潜り込んでる事あるから甘えられる事がないってわけやないけどな」
「はーん…ま、あの年頃じゃ親に素直に甘えるのは気恥ずかしいもんだわな」
ピピーッ
「お?」
「ん?」
👮♂️「すみません、ちょっと近所の方から通報を受けてきたんだけど少しお話聞いてもいいです?」
「話?この辺でなんか物騒なことありました?」
👮♂️「いやー、この辺で少女を連れ回してる男性がいると商店街の方から通報を貰いましてね…おたくらは何をしてるところで?」
「何ってお前、これ見てわかんねえのかよ。買い物だよ買い物。まさか売り買いの間柄にでも見えてんのか?」
「ちょっと教え子達が鍋パーティーをする言うてたので買い出しに来ただけですよ〜」
👮♂️「ああ、そういうことで…。通報内容が女児を連れた男がいるというものでしたので少し穿った捉え方してました」
「…女児?ちょっ、それは…!!」
「あぁ?何つった?今、誰を、何と、言った?」
「ジャーニー落ち着け!お巡りさん、この子高等部です!れっきとした女学生です!」
👮♂️「えっ?いやでも、その背丈と顔立ちでそれは流石に…」
「…krs…デケェだけの見る目ねえ木偶の棒が…噛み潰す…!!」ガブー
「アダダダダダ!ジャーニー手出したらアカン!あ、いやこの場合口…歯か?てそうやなくて!学生証見せれば済む話…ダッダッダダダダダダ!そこやめて!見えるところ噛むのは痕残っちゃうからやめてぇ!」
👮♂️「ちょ、君たち何してんの!?」 - 67二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 22:01:46
😫😫😫
👮♂️「これは大変失礼しました…。では、懇親会の為の買い物だったと」
「だから最初からそう言ってんだろうが…!目と耳付け替えてから出直してきやがれこのボケが!」
「ジャーニー…。ああいえ、こちらこそ説明不足で時間取らせちゃってすんません」
👮♂️「では、私もこれで失礼します」
「二度と姿見せんなクソが!!…なあ」
「えっ?な、何や?」
「アタシとお前じゃ、そうは見えねえのか?
「そうは…?何のこっちゃ」
「…何もねえよ、クソボケ」
その日、ジャーニーは少しご機嫌斜めだった。 - 68二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 22:03:52
- 69二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 22:14:50
あぁ良い...
- 70二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 22:17:59
えっっっっっっっ!?
筆が早い! こんなに早く自分の投げた概念が具現化したものを吸っていいんですか!?
カップルに見られなかったことで不機嫌な💤めちゃかわだし、すぐ噛む💤は良いし、さりげない父娘は健康寿命を伸ばしてくれます
ありがとうございました…
- 71二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 22:42:52
ドリジャはスイーピーより小さいんか…?
- 72二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 22:51:20
- 73二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 01:09:59
⚔️(またジャーニーですか…。ああ、しかも首元を噛んじゃったから痕残っちゃって少し血も滲んでますね。全くもう、包帯と消毒液はどこにしまったか…)
🧹(ちょっ、ちょっとアレ…朝家出る前に見た時はあんな虫刺されなんか無かったはず…。何したってのよジャーニー!!うううぅ…家帰ったら駄々こね倒してやるんだから!)
🇾🇪(まーた見事に見せつけちゃってくれるね、ジャーニー先輩。多分不可抗力から流れでああなったんだろうけどそこに付けるのはちょーっとカワイクナイなあ。んー、カレンもそれとなく匂いをつけてみよっかな?)
😷(あ、姉貴…公衆のど真ん中でトレーナーに噛み付いたんスか?しかも首を?ある種すげー度胸としか言えんっス…。そもそも何がどうして噛みつくんスかね姉貴も。…あいつ、噛んだらどんな味がするんだろう)
👗(うわ、トレーナー首元真っ赤だ。しかもなんか歯型?みたいなのもあるし…。ジャーニー先輩がやる分には戯れる小型犬みたいに映るだろうけど私がやったら絵面が…うん、想像すんのやーめた)
📣(わわ、アレってもしかして噂に聞いたジャーニー先輩に噛まれたトレーナーさん!?所有権というか自分のものだってあの痕が語ってるみたい。…でも、なんか、面白くないな。モヤモヤする…)
🎵(おー…首に汗疹でも出来たのかなってくらい真っ赤っか。しかも噛まれた痕もくっきりだ。周りに敵を作りまくるって聞いてるジャーニー先輩でもトレーナーさんとはそれくらいのスキンシップも許せる位心を通わせてるのかな…。私ももっともっとトレーナーさんと仲良くならないと!)
- 74二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 01:10:38
明日の仕事が休みになったので痕を見た面々の反応を書きました
匙加減が難しいです - 75二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 09:26:52
- 76二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 11:58:42
逝くな逝くな
- 77二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 13:15:05
ソングライン5着おめでとう
ikzeお疲れ様
ウオッカローテに挑戦するようです
ソングライン。クラブ更新。ヴィクトリアマイルに出走し、5着。レース後、疲れの回復が早ければ、次走は6/5(日)東京 安田記念(GI 1600m)に出走予定。 — ブエナビスタ (buena_vista23) 2022年05月15日
🎵絶対にエールちゃんより先にトレーナーさんにG1をプレゼントするんだから…絶対に…!
- 78二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 18:17:06
📣はセントウル→スプリンターズS→香港S?
🎵は安田→関屋→富士→マイルCSの国内にいるのか、それともBCマイルターフやジャックルマロワ賞に出てくるのか - 79二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 23:20:43
保守あげ
- 80二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 23:26:43
概念投げるね
ikzeさん宛のチョコのお返しを全員分代わりに用意してあげてる聖剣さんはいます(強い意志)
なんならikzeさんが渡して回れないぶんは代わりに巡ってお返しするんだ…… - 81二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 00:08:26
- 82二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 00:24:15
- 83二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 08:46:28
カレンチャン自炊するか〜
- 84二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 10:51:32
待ってます!
- 85二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 15:08:21
保守
- 86二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 17:24:10
書けたので投下していきま〜す
「…ねえ、お兄ちゃん。その咬み傷またジャーニーちゃん?」
「ん?…ああこれか。朝練の時にまたがぶーっとやられてもうたわ」
「……そういえば、お腹の辺りに痣もあるよね。あと足にも」
「腹はオルフェ、足はワンピースやな。あいつら、ことレースになると手ェつけられんくなるからなぁ。まあ闘争心の表れやし俺がやられる分には全然良いんやけどね」
「……………はぁ〜〜〜〜〜」
「??カレンどないしたんや?そんなクソデカため息ついて…」
「な〜んでもないよ?💕」
ため息もしたくなる。教え子に物理的に傷痕付けられてそんな平気で笑ってられるの、お兄ちゃんだけだよ。と、心の中で小声で呟く。
オルちゃんもジャーニーちゃんもワンピースちゃんも、お兄ちゃんが嫌いなわけじゃない。むしろ好きすぎるからこその照れ隠しと言えばいいのだろうか、マーキングに近い様なものなのだ。それにしてもその行為、もとい好意はカレン的にちょっとカワイくない。
デュランダル先輩やエールちゃんもそうだ。さっきの3人ほどじゃないけど、距離感が近いから自分の匂いをうんと擦り付けてる。エールちゃんは意図的なのかわからないけど…あとスイープちゃんはお兄ちゃんとの関係上、いつでもワガママを通じて甘やかしてもらうことができる、チーム唯一の権能を持っている。
カレンだってみんなのことは大好きだし、チーム自体の居心地も良い。ただ、お兄ちゃんの事に関してだけは物申したいのだ。
…いや、物申すというよりも単なるヤキモチ、嫉妬だ。カレンがあの手この手で画策しても、結局あの子たちの火の玉ストレートに持ってかれてしまう。器用なカレンより、不器用な彼女たちの方が明らかにお兄ちゃんとの距離が近い。 - 87二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 17:25:29
カレンが壁を一枚一枚丁寧に避けてお兄ちゃんの下に行くのなら、あの子達は壁を正面から壊してお兄ちゃんの下へ走る。カレンが持ってない、その不器用さ故の勢いに、嫉妬と羨望を抱いているんだ。
「……カワイくないなぁボソ」
カワイくない。こと、お兄ちゃんが絡むと中々カワイくあれない。今のカレンの脳内はカワイイとは真反対、醜くドロドロしてる。
レースでも、メディアの前でも、常にカレンは、あの始まりの日に夢見た、究極のカワイイを追い求めそれを掴んできた。努力したとしても報われるかわからない栄光を、それでも手に入れられてきた。勿論、カレン1人の力だけじゃないけどね。
贅沢な悩みだ。これ以上を欲す自身をつくづく強欲だと思う。それでも未だに、カレンが1番欲しいものは、この手に掴めていない。それは、沢山を掴んできたカレンの手からでさえ、溢れてしまうものなんだ。
チームに入る前はこんなに悩むことなどなかったのに。カレンの周りは、物理的にも精神的にも刺激がいっぱいだ。
「(…考えるのやーめた。これ以上はカワイくないし、久しぶりに2人きりでトレーナー室にいるんだから、お兄ちゃんとお話ししよ…って今はお仕事中だ)」
益体のないことを考えるより、こうしてお兄ちゃんを眺めて英気を養う方がずっと良い。そう思い、流し目でお兄ちゃんを凝視する。さっきからずっと、パソコンと睨めっこしたまんまだ。
- 88二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 17:26:39
「(…お兄ちゃんすっごい疲れてるなぁ。目元がいつもより少し暗い。最近、というか先週末は大忙しだったもんね…)」
英気を養うつもりがお兄ちゃんの心労を憂うことになった。でもお兄ちゃんの日々のちょっとした変化に1番気づけるのはカレンだと自負している。デュランダル先輩にだって、負けてない。
そう。そうだよ。カレンにはカレンにしかできないことがあるんだ。みんなが持ってるものはカレンにはない。けど、みんなが持ってないものをカレンは持ってる。
それを再認識して、立ち上がり、お兄ちゃんの所へ歩く。
「お兄ちゃん」
「どないしたんや、カレン…って、ちょっ、どーしたん?」
「詰めすぎはカワイくないよ?お兄ちゃん」
正面からぎゅっと抱擁して頭を撫でてあげる。無理しないで、と言ってもやめないだろうから無理矢理にでも動けないようにしちゃう。
「…お兄ちゃんはいつもカッコいいけど、でもカッコつけすぎも身体に悪いよ?お兄ちゃん倒れたらカレン泣いちゃうなー」
「それ、カレンも大概やと思うけどなー」
「カレンは特別なの!…だってそれがカワイイでしょ?」
「…ほーんまカレンには敵わんわ」
…カレンがお兄ちゃんの安らぎになればいいんだ。気を張ってみんなの前でカッコつけて、それで倒れそうになる前に、お兄ちゃんが甘えられる存在になれればいい。ううん、絶対になるんだ。
それが、お兄ちゃんとカレンの繋がり。カレンだけの特権だから。
- 89二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 17:27:22
「…せやな、今日はこれくらいにしとくわ。食堂でお茶でもしよか、奢るでカレン」
「やったー♪お兄ちゃんだーい好き💕」
そうして束の間の抱擁が終わる。カレン的には名残惜しいけど、目的は果たせた。それだけで充分だ。
「カレンいっぱい注文しちゃおっかな〜♪」
「おう任せとき!じゃんじゃん頼んでええで!…そや、カレン」
「な〜に?お兄ちゃ……ふぇ?」
完全に気を抜いていたから、何が起こったか一瞬分からなかった。
そして、一拍置いて自分の状況を理解した。…お兄ちゃんが、カレンを、抱きしめてる。
「ぇ?え?お、お兄ちゃん、どうしたの?」
「いや〜元気もらったお返しみたいなもん…あと、カレンの目が寂しそうやったから、さ」
「………お兄ちゃん」
「…ちゃんと、カレンのことも見とるで。だから安心しいや」
そう言って、カレンの頭を優しく撫でてくる。その破壊力たるや、凄まじい。
悩みを自己完結させたと思ったらただの大間違い。しっかり見透かされていた。その恥ずかしさと、お兄ちゃんに抱擁されて、撫でられて、[カレンを見てる]なんて言われてしまった現実によって、カレンの情緒はさっきよりめちゃくちゃだ。
あ、やばい。ダメだ。抑えないと。好きが、止まらない。止められない。
- 90二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 17:28:40
「お兄ちゃん!!」
「おわぁっ!か、カレン!?」
勢いで押し倒してしまった。ダメだよこれ以上はダメ、抑えないと!
わーっ挫けそう!負けそう!頑張れカレン!!頑張れ!!
「…な、なにやってんスか…姉御…!!!」
「あ……お、オルちゃん…!ていうかみんなお揃いで…」
気がつくとチームのみんなが部屋に来ていた。普段は統一感ないのに今は全員唖然とした表情を浮かべている。まあ、状況的に仕方ないけど。
「…どういうことか説明してもらおーかikzeさんよぉ」
「kmi、krs…」
「不潔!パパ最低!」
「あまり健全とは言い難いですね…」
「…………………ムシャムシャ」
「え、え?トレーナーさん!!?!?!えええあああ!?」
みんなバーサーカーモードになっちゃってる。どうしよう…きっとこの後カレンが何言ってもお兄ちゃんが強制的にお仕置きされちゃうんだろうなぁ。それでまた、みんながお兄ちゃんの身体に傷とかつけて…つけて…?
- 91二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 17:30:34
なんかやっぱりずるくないそれ?うん、みんなずるいね。ずるいよ。ずるいから。ほんとはカレンだって、お兄ちゃんに直接…
「まず話を聞けや!カレンも説明したってくれ…カレン?え、ちょ、顔近……っ!!」
「「「「「「!?!?!?!?」」」」」」
衝動に駆られて、カワイくないことをしたのはこれが初めてだった。でも、今はどうでもいい。
「ん…………ぷ、は」
しちゃった。
直接。
唇に。
甘くも酸っぱくもない、何の味もしない。感じたのは、熱。それだけ…
カレンの下にいるお兄ちゃんは何が起きたのか分からないような顔をして固まってる。顔をあげると、今度はみんなが、デュランダル先輩までもが大口を開けてビックリした表情で固まってる。
それがなんだか、心地良くてしょうがなかった。
- 92二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 17:31:04
「…あは♪お兄ちゃん、食堂で待ってるね💕みんなも一緒にどう?カレン、先に行ってるね!」
呆けてる7人を尻目にトレーナー室をあとにする。不思議と、心は落ち着いていた。
「やっぱりカレン欲張りだから、ね?」
カレンも、お兄ちゃんに消えない印を、刻みたい。お兄ちゃんが甘えられる存在にもなりたいけど、カレンだってお兄ちゃんに甘えたい。
「みんながずるいから、カレンもずるい子になっちゃうね♪」
この気持ちは誰にも、カレン自身にも止められないから。
可憐なる閃光のように、お兄ちゃんには一生消えない、眩い思いを刻みこんでしまおう。
さっきまでの葛藤はどこへやら。今はただ、あの熱が忘れられない。一生忘れない。
「覚悟してね、お兄ちゃん💕」
そうしてトレセンの閃光乙女は、軽やかに走っていくのだった。
- 93二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 17:34:31
以上カレzeでした。
このカレンチャンはチームikze所属なのでアプリとちょっと違うと思いますけど、周りに影響されたということで。
みんなもカレンチャンもっと書いて💕 - 94二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 17:36:22
- 95二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 17:38:01
- 96二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 18:12:10
カレンチャンはチームikzeの中だと特殊な立ち位置だよなぁ
- 97二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 18:24:33
Afterのikzeの顔が城之内感あって好き
- 98二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 19:29:34
しょうがねえなプライベートで副反応に苦しんでる時に…
「なあスイープ〜、そう怒らんと機嫌直してや…」
「ふん!曲がりなりにも聖職者が学生とあんな事するなんて信じられない!フケツ!すけべ!」
アタシは、言いようのない怒りの渦中にいた。それは、夕方のトレーナー室で起きた一件。スプリント担当のカレンチャンが事もあろうにこのパッとしないパパの口にチ、チュウ…をしていた所から始まった。その時、茫然自失となっていたアタシたちだったがカレンチャンが部屋から出たのを皮切りに他チームメンバーからこってり絞ってやり、今我が家に帰ってきた所である。
「そもそも俺にも何であの子がそんな行動に出たんかあまり見当がつかんでな…。というか頭撫でるのってそんなにヤバいん?」
「当たり前じゃない!しかも抱き締めたって…!!相手の捉え方次第ではセクハラで解雇待ったなしよ!?何でそんなバカな事するの!」
「…カレンが、今にも壊れてしまいそうやったから」
ポツリと溢れた、あの時誰にも言わなかったパパの本音。とても真剣な眼差しから漏れた言葉に思わず空気の変化を感じ息を呑み、次の言葉を待つ。
「カレンは…ウチのチームの中じゃより気配りが出来る子やろ?チームの運営や広報にも絡んでもらってるし今日だって俺がここの所忙しいのを心配してくれてた。でもな、カレンは強くて優しい娘やけどその分無理して自分を演じてると思ったんや」
「…いや、アレはそういう娘でしょ。良くも悪くも」
- 99二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 19:30:27
カレンチャンという少女は、いわゆる流行のアンテナを常に張っている人気ウマスタグラマーであり、事あるごとに飲み物やお菓子、遠征に行けばその地で撮ったものを投稿してはファンから絶賛の声が帰ってくる。その面を評価されてパパからチームの広報役として任命され、当初どん底にあったチームイメージの回復に一役買っているカワイイの究道者。でも、それはカレンがあくまでそんな性分だからというだけで無理をしているようには見えなかった。
「うん、確かにあの娘はそう思われる部分も多いけどな?ヒトもウマ娘も同じで自分の本心をうまく言えるんのと言えんのがおる。特に、カレンは自分の立場から我慢をする場面が多かった思うし俺にも深く理解はしてやれんけど【カワイイカレンチャン】という自分で確立した偶像に加えて本音を語る事を良しとしないせいかそれを壊さないために生来の自分そのものを壊そうとしてる気がしてな」
「で、でもでも!だからって、ぎ、ギューする必要はどこにあるのよ!?」
「んー…こればかりは俺にもわからん。勝手に身体が動いたとしか。でも、皆からは非難轟々やったけど俺はアレで正しかった思てる。担当が抱え込むなら隣で寄り添って聞いてあげるのも俺の仕事やでな」
言葉が出てこなかった。別にカレンが抱え込んでるのが見ていられなかったからとかなんてもう二の次。アタシの心を支配していたのは、そんなに他人に寄り添えるのにどうして長い間アタシを放ったらかしにしてたの?という黒い感情。 - 100二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 19:31:50
パパがお仕事熱心で家に帰らない事に文句付ける事はあったが否定をする事はなかった。普段からパパへのいたずらやワガママで困り果てながらも満更でも無い顔をするパパを見るのがある種の生き甲斐みたいなものだった。デュランダルとだけ組んでた時からかなり2人の時間が減って不満を感じてたが、嬉しそうにレースの事やデュランダルの話をするパパを見て辟易こそはしたがアタシもレースウマ娘になったらもっと構ってくれるのかな、そんな思いはめんどくさがり屋のアタシをレースの世界に引き込み、GⅠ三勝という箔もついた。
しかし、アタシの活躍は皮肉な事によりパパのお仕事の激務につながり、より疎遠なものとなった。家に居ても1人の時間が続き、学校でトレーナー室に行っても目の前のデスクの文字に目が囚われている。聞けば、他の娘の次のレースの作戦立てやどこで休養入れるかとか、中には同伴してお出かけなんかもあった。パパは気づいたら皆のトレーナーとなってしまい、アタシだけに困ってくれるパパではなくなっていた。
ねえ、どうしてアタシだけのパパで居てくれないの?ワガママじゃなくて良い子になればもっと構ってくれるの?お願い、行っちゃヤダ。黒い感情が抑えきれなくなりアタシは、
「っつぅ、うう…」
「ちょ、スイープどうした!?ほら、鼻チーンして!」
涙が溢れた。顔が歪むや否や慌ててティッシュを差し出すパパを無視して胸元に飛び込み、自分の激情を言葉にして吐き出す。
「何でよ…何でそこまで気を配れるのにアタシのことはほったらかしにするのよ…!!家帰っても一人で過ごして、パパが帰ってきても寝てばっかで何もしないで昔みたいに構ってくれなくなって…!イヤよそんなの、もっとアタシのワガママに振り回されなさいよ!もっとアタシを見なさいよ!見てよぉ…お願い…」
「…ごめん。灯台下暗しやないけど一番爆発しそうな娘の機敏に気付けんかった。しかも実の娘…。ごめん、ごめんなあ本当。寂しい思いさせて。俺はダメなパパや」
「っ、そうよ!パパはダメダメなんだからぁ!うわあああああああああああん!!!!」
- 101二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 19:33:51
それからは、パパにしがみついて枯れるほど泣いてやった。慰めている間、パパから聞こえてくるごめん、だったり今まで辛い思いさせてもうたな、と話す声は震えていて、父娘共に泣きに泣いた。それでも、パパはアタシの背中をトントン、と優しく心臓の鼓動のように叩いて落ち着くよう促してくれた。涙腺が決壊したアタシはその優しさに甘えて大泣きするのだった。
泣き始めてから30分経ってようやく落ち着いたが、正直離れたくない。だって、冷静に立ち返ると久々に感じるパパなんだから。おじさん臭いだの何だの言ってきたがアタシはこの嗅ぎ慣れた匂いが大好きだから。パパも何も言わずにギュゥっとアタシを包んでいる。恐らく気が済むまで付き合うつもりだろう。埋めたまま、アタシはパパに問う。
「…ねえ、パパにとってアタシって大切?」
「当たり前やろ。目に入れても痛くない、自慢の可愛い娘や。彼氏でも連れてきようもんなら相応しいか尋問開始する位や」
「プッ、何よそれ」
久々にする、父娘のやりとり。その尊さとパパの身も蓋もない冗談に思わず吹き出す。多分もう大丈夫…だけど。こーんなに可愛い娘ほっぽり出してお咎め無しは流石に許されざるんじゃないかしら?
- 102二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 19:34:42
「ふん、本当に申し訳ないと思うなら今度のお休み付き合いなさい。あ!もちろん泊まりよ!?パパの貴重な休み娘に費やさせて振り回してやるんだから覚悟しなさいよね!ざまあないわね!」
「えー…今度やと来週やろ?来週のレース激アツなんやけど」
「イーヤー!行くったら行くのー!!」
「ああもうわかった!どこでも付き合うでそんな癇癪起こさんの!…もう、ホンマこの娘には敵わんわ…」
「あともう一つ!今日は一緒に寝なさい!」
「え、何で?スイープ俺の匂い嫌やー言うてたやん」
「さ、寒いから人肌が恋しいのと泣き喚いたせいでちょっと1人じゃ不安なの!今日だけ特別!」
「何か釈然とせんけど…まあ嫌われてるよりかはマシか。わかった」
「あ、後ちょっと目を閉じなさい」
「え、まさか張り手?いやいや、ウマ娘の勢いで叩いたら俺首が二回転すんで?パパ死ぬで?」
「いいから!早くしなさい!」
「いつにも増してワガママ姫や…優しくしてな?うぅ」
吃りながら目を閉じるパパの頬にアタシは手を添えて──────────────────
(オン・レーカ・トピーア…)チュッ
「!?す、スイープ…?喉に何した?」
「…ナイショ!さ、ご飯食べてとっとと寝るわよ!魔法少女の朝は早いんだから!」
ふふん、これからどうやって振り回してやろうかしら?溜まったツケはちゃーんと支払ってもらうんだから覚悟しなさいよね?
- 103二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 19:37:59
- 104二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 20:07:36
- 105二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 20:21:18
スレ覗いてSSがある幸福感ヤバいな
カレンチャンの特殊な立ち位置だからこそ見えてくるものが胸にくるものあった
カレンチャン優しいんだよな〜〜〜そしてikzeさんはそれにちゃんと気づけるトレーナーなんだよな〜〜~
わがままスイープかわいいしかわいいから負けるなカレンチャン! - 106222/05/17(火) 20:26:02
京王杯とVMの結果とインスタライブ(見れなかったのでレポ頼り、悲しい)を踏まえて今ちまちま♫ちゃんと📣ちゃんのお話の続き書いてます
多分今週中に投稿できます - 107二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 20:29:19
- 108二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 20:45:13
ikzeのインスタライブ聞いてて思ったんですけど甘え上手で先輩後輩と仲が良いのがよく分かりましたよ...りゅーせー君もせーなちゃんも居ましたしね
- 109二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 21:27:56
待っとるで
- 110二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 23:12:01
スイープはほんま可愛ええなぁ
- 111二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 00:24:47
このレスは削除されています
- 112二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 00:26:00
カレンチャンにチュウされた後ikzeがどんなふうに絞られたのか…瀕死直前までいってそう
- 113二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 00:38:42
あ、そう言えばさっき書いた中でスイープが心の中で発した呪文は復縁であったり失った仲を修復、再構築するいわゆるあらゆる縁を蘇らせる力がある呪文だそうです。ぽっかり空いてしまった父娘の仲を蘇らせるという意味ではぴったりなのかなという事で採用しました
- 114二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 01:33:20
- 115二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 01:49:06
- 116二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 11:04:26
- 117二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 12:51:51
- 118二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 15:09:57
保守
- 119二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 20:37:12
「…では、説明願いましょうか」
「したいんやけど吊さんでもええんちゃう?」
カレンの騒動の後、取り残された私達はおそらく元凶と思われるトレーナーを掛け布団でふん縛って吊るしていた。これは、トレーナーや他の娘がやらかした際の基本的な措置なので多分問題ないはず。
「お前よぉ、事もあろうに教え子からキスされておいて身に覚えがないですは通ると思うか?」
「こんなんに入れ込んでるのはアタシだけと思ってたのに…おかしいっスよこんなの…」
黄金の姉妹はかたや目に見えてイラついており、かたや目から光を失った状態で聞き取れないほどのか細い声でブツブツ言っていて正直怖い。だが、気持ちはわからなくはない。私とて平静を保とうとしているが心は乱れっぱなしなのだから。
「んー…そういう関係なのは知らなかったけどこの部屋でするのはちょっと…ね?」ユサユサ
「ちゃうねんブラスト、俺とカレンはそんな関係ちゃうんや」
「ええっ、そんな関係でもないのにしちゃうもんなの…?中央のトレーナー怖…」ユサユサ
「みみみみ見たソングちゃん!?先輩とトレーナーさん、キスしてたよね!!」
「う、うん。マウストゥーマウスしてた…大人だぁ…」
年少組はブラストが比較的まだ落ち着いてる方か…いや、そうでもない。彼女は心理的負荷が課せられると足癖が悪くなる。つまり、現在進行形で貧乏ゆすりがとんでもないことになっている。エールとソングは、まあ何ともウブらしい反応である種癒しである…が。問題はこの子だ。
「うぅ…!!すけべ!えっち!変態!ロリコン!」
「じ、実の娘にボロカスに言われるのキツすぎる…あたっ!スイープ箒で叩くのやめてや!おふっ!」
「お、落ち着きなさいスイープ!貴方の気持ちはわからなくもありませんが短絡的な気持ちに支配されてはなりません!」
「離しなさいデュランダル!ダメパパにお仕置きするのよ!離して!」
そう、この子である。飛び級で入ってきたからか所属年数自体はチームでも2番目の長さだが年齢だとエール達より一個上。つまりブラストよりも年下で精神的にはまだ少し幼さがある。ましてや、自分の父親が女学生とキスする現場を見てしまったのだ、それはもう…心の整理をしろと言う方が無茶な話だ。彼女は時間がかかりそうだ…。 - 120二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 20:40:02
「せ、せやからな?俺はただカレンとお互い大変やなって話をしてたら…相当なんか溜まってたんかな、急に押し倒してきて…。でもな、あの娘は考えなしでそんな事せん娘や思うでもし気の迷いやったとしてもそうやなかったとしても拒絶せずに受け入れるのが最善択や思って抵抗せんかった…俺からはそうとしか言えんわホンマ」
「…貴方からした訳ではないのですね?」
「カレンを悪者扱いする気はないけど…そうやな。なす術がなかったのは事実や」
詳細を語ろうとしない部分に引っ掛かりを覚えるが、恐らく彼女は彼の優しさが自分が本来抑制している本能に届いたのだろう。それで、抑えきれなくなって…というところか。はあ、本当にこの人は昔からこうだ。親身に担当と向き合う姿勢に見惚れて隠れて恋慕する者もいると聞く。…面白くない。
「貴方の1番は私なのに…ズルい…」
「…デュランダル?」
それは、誰にも聞かせられない私の本音。いけない、と照れ隠しに咳払いし、続ける。
「…いえ、独り言です。それよりも、このままでは正直収拾がつきません。なので、トレーナー。私達の望みを一つ聞きなさい。一応、こちらも問題のない範疇に留めます。暴力は禁止、淫靡なのも禁止。これで手を打ちましょう。皆も構わないな?」
「噛むのはダメか?」
「…禁止です。身体が資本のトレーナーの身体的リスクは避けるべきですから」
「ご飯の食べ放題奢ってもらうとかはいいの!?」
「許可しましょう。ただし、それだけで済ませるように」
「…トレーナーの部屋の掃除はダメっスか」
「許可しましょう。ただし、ブラスト同様にそれだけで済ませるように。泊まりは禁止です」
「えと、日帰りで温泉旅館への旅行とかはどうですか!?」
「…まあ、ギリギリ容認という所ですかね」
何とか軌道修正し、ほぼ全員の望みを言わせ、各々付き合うということで今回は解放した。だが、あくまで私が処理をしたのは比較的まだマシな、処理しやすい者達を上手く卸したというだけ。問題は…。
「うぅ〜…!!」ベシッベシッ
「す、スイープ〜、そんな怖い顔せんでや〜…というか尻尾痛い…」
「うっさい!ばか!すけべ!」
まともに願いを言う事なく終始癇癪を起こしていたスイープだろう。こればかりはトレーナーに何とかしてもらうしかない。頼みましたよ、トレーナー。
- 121二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 20:45:10
自分で書いたスイープのやつと繋げられるように書きました許し亭
ジャーニーは結局一緒に授業をサボる、デュランダルはトレーナーの手料理を振舞ってもらうというところで納得してもらったってことに自分はしてますがその辺は皆さんのご想像で補完下さいませ - 122二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 21:27:37
- 123二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 21:57:16
デュランダルパイセンあざとい〜
- 124二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 23:07:10
待ち受けだし大丈夫でしょ(適当)
- 125二次元好きの匿名さん22/05/19(木) 08:29:30
- 126二次元好きの匿名さん22/05/19(木) 15:08:58
禁止令出されたけど各々隙を見て脱法行為してそう
- 127二次元好きの匿名さん22/05/19(木) 20:19:27
- 128二次元好きの匿名さん22/05/19(木) 23:19:55
- 129二次元好きの匿名さん22/05/20(金) 06:41:48
⚔️「いや、しませんよ流石に。彼から信頼を受けて皆をまとめる立場にいる者が一時の激情に流されては話になりません。私の望みも一応スイープの監視があるものを敢えて選択しましたし。彼女の精神面への負担が心配でしたから…」
⚔️「まあ、蓋を開けてみると何か蟠りも取れたようで安心しましたよ。彼と私だけ、専属だった時に見たワガママ盛りの彼女を久々に見ましたし。形はともあれ、親娘とはかくあれと思わせる和やかな光景で良いものが見れましたね」
⚔️「あ、そうそう。自分で望んだとは言えご馳走になってばかりでは背中が痒かったので皿洗いをお手伝いしたら1人だと全部やるのは大変やから助かると言ってましたね。スイープに振ってもヤダ!の一点張りだから親孝行について教える必要がありそうですかね…や、あんなようで見えない所で優しい子なんですけどね、彼女も。でも、彼と並んで何かするのも悪くなかったですよ。2人だけの時に戻ったみたいで」
- 130二次元好きの匿名さん22/05/20(金) 08:49:19
💤😷👗📣🎵「………(アンタが1番ずるいよ…)」
- 131二次元好きの匿名さん22/05/20(金) 11:56:55
💤「…まあ、アタシはアイツ巻き込んで授業サボってやったけどな」
😷(あ、姉貴が張り合いに来た)
💤「トレーナー室に匿えっつって他愛のねえ事話して暇潰してたんだけどよ、飯時にあの全身緑の口うるさいのが来やがってよ」
👗「あー、理事長の秘書さんです?」
💤「それそれ。バレたらまずい手前、隠れようとしたがおあつらえ向きのもんがそんななかったんだがよ…ある種アタシ限定のスポットがあったんだわ、どこだと思う?」
⚔️「…?ジャーニーのみ、ですか」
💤「ヒント出すなら…そうだな、スイープならギリ行けるかってとこだな。ブラストは無理かな」
😷「…あっ。あ、姉貴?まさか…机の下、スか?」
💤「おー流石愚妹、ご名答だ。より自然に隠れる為にあいつに座ったままで、な」
📣「そ、それって…トレーナーさんのお股が…ピャー!!」
🎵「お、落ち着きなさいエール!で、でもそんなの…そんなの…ピェ」
⚔️「ジャーニー…淫靡なのは禁止と申したはずだが?」
💤「おいおい、最後まで話を聞けよ。アタシはアイツに何もしてねえぜ?隠れてただけ、だが…アイツもバレたらやばいと思ったのか緊張しててからか濃い臭い飛ばしてきてよお…。そそられるのを必死に抑えるのが大変だったわ」
😷「姉ちゃんズルい!ウチも嗅ぎたかった!」
💤「お前キャラ保てよ、実家のノリになってんぞ」
⚔️「こ、この子は本当にもう…」 - 132二次元好きの匿名さん22/05/20(金) 12:16:36
もしかして、💤😷は淫乱なんじゃないっスか?
- 133二次元好きの匿名さん22/05/20(金) 15:21:11
かー!卑しか!
- 134二次元好きの匿名さん22/05/20(金) 16:06:07
👗「…これじゃただご飯食べただけの私がなんかバカみたいな…」
⚔️「いや、そもそもそれが約束ですからね?」
💤「ま、ああは言ったがやった事自体は駄弁ってただけだから気にするだけ損だぞ」
📣「そういえばブラスト先輩はお食事に行ったんでしたっけ。どちらに行かれたんです?」
😷「まあブラストの事だし食べ放題とかじゃないっスかね」
👗「え?いやそんな打ち上げで行けそうなとこチョイスしませんよ〜。隣町のホテルの一番お高いディナーご馳走してもらっただけです」
🎵「え!?それって割と夜景綺麗なとこじゃありませんでしたっけ!?私、家族で一度行った事あるので知ってますけど…結構ロマンチックな雰囲気だった気が…」
👗「え、そなの?トレーナーにお高い所連れてけ〜ておねだりしたらそこだったから私がチョイスしたわけじゃないんだけどね」
😷「ソング、もっとそこの詳細を話せ」
🎵「は、はい。記憶違いじゃなきゃ昼間はバイキングが楽しめて夜は歌手の方を呼んでディナーショーをするから特に男女ペアからの人気が高くて予約制だったと記憶しています」
⚔️「思い返せばソングのお家は名家でしたね。そこに行った事があるのも頷けます。いかがでしたか?ブラスト」
👗「美味しかったし量も多かった!私達が行った時はマジックショーみたいなのしてて楽しかったです!また連れてけ〜て言ったらお船と相談やな…深刻な顔しながら遠い目してました」
💤「んだよ、しょげてた割にはちゃっかりしてんじゃねえか」
📣「良いなあブラスト先輩…夜景の綺麗なお店…憧れます」
👗「おや?私も意外とトレーナーから気になられてたり?トレーナーも隅におけないなあもう、ナッハッハッ」
😷「…」
🎵「せ、先輩…無言で机眺めるの怖いです…」 - 135二次元好きの匿名さん22/05/20(金) 22:55:27
これ多分それぞれやることやってんなぁ…
- 136二次元好きの匿名さん22/05/21(土) 01:05:27
順番的に次オルフェか
- 137二次元好きの匿名さん22/05/21(土) 05:26:08
(全員分書くの?😫)
😷「パイセンのみならず後輩にも出し抜かれ、実の姉貴にもちゃっかり抜かれてて…これで相棒だなんて滑稽なもんスね本当に…」
⚔️(目に見えてへこんでますね…)
💤「でもお前だって掃除しに行ったんだろ?良いじゃねえか」
😷「…それなんスけどね、叶わなかったんスよ」
👗「えっ?何でです?チーム部屋に写真送り付けてたじゃないですか」
📣「…?あ、もしかしてトレーナーさん…」
🎵「掃除してた、とか?」
😷「そーなんスよ!!ウチが来るまで掃除していいなんて誰も許可してねえのにやってやがったんスよアイツ!酷くないスかこれ、どう思います!?」
⚔️「いや、あるべき姿かと思いますが…」
💤「むしろ自分のトレーナーにダメ人間である事を強要してるお前の方が余程アレだぞ」
😷「いやもう本当、ウチの担当ならそれ位理解して然るべきっスよ!考えらんねえ本当に…」
👗(2回も本当にって言ってる…相当だったんだなあ)
📣「え、じゃあどうしたんです?」
😷「呼び鈴押しても出ないんで個人で入るぞって飛ばしてから合鍵使って入ったんスけど、スイープと寝てたんで起きるの待ってから買い物行ってメシ作ってやったっス」
🎵「へー、オルフェ先輩のお料理トレーナーさん仕込みなだけあって美味しいですもんね…え?」
⚔️「待ちなさいオルフェ。合鍵…とはどういう事だ。まさか貴方、無断で複製…」
😷「や、トレーナー宅に掃除行く機会が多かったんでトレーナーから寝てて気付かないこともあるから自由に入っていいよって渡されたんスよ。ウチなら信頼出来るからって」
💤「おい、姉ちゃんそれ初耳だぞ。何でもっと早く言わねえんだコラ」
📣「あ、合鍵を渡される仲…流石無二の相棒と呼ばれるだけあるなあ」
😷「え?皆持ってないんスか?てっきり全員持ってるもんかと…。ん?つまりアイツから見てウチは…フへへ、まあ相棒っスからね。バディーの体調管理くらいナンボっスからウヘヘヘヘヘ」
👗「目に見えて機嫌良くなった…でも良いですねえ、そういう全幅の信頼を寄せ合ってる仲って。眩しく見えますよ」
😷「お?ブラストは素直で可愛いっスねえ。後でにんじんチップスたくさん作ってやるっスよ」
👗「シャオラやりぃ!」
⚔️(合鍵は私も貰ってますが…この喜びよう見てると黙っておくべきですかね)
💤「絶対ぇ見つけ出す…」
🎵(良いなあ先輩方…皆ズルいよぉ!) - 138二次元好きの匿名さん22/05/21(土) 11:38:27
後日デュランダルも持ってるの知って絶不調になってそう
- 139二次元好きの匿名さん22/05/21(土) 13:36:50
- 140二次元好きの匿名さん22/05/21(土) 16:21:58
- 141二次元好きの匿名さん22/05/21(土) 17:01:22
- 142二次元好きの匿名さん22/05/21(土) 22:54:50
保守あげ
- 143二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 00:14:00
- 144二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 00:44:41
天才か貴方は
- 145二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 00:51:33
どっかで見た概念だけどウイニングランを双方合意の上でトレーナーが担当を姫抱きしながらするってのあったな
- 146二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 05:42:54
💤「そういや下2人はどうしたんだよ結局」
📣「私達は日帰りの温泉旅行ってのが被ってたので日程の事も考えて2人一緒に連れてってもらいました!」
😷「おー、なら近場に行った感じっスか?」
🎵「そうしたかったんですけど…ちょうど行楽シーズンと被っててご飯だけ楽しむプランも満員だったのでならばとスパ施設にしました」
👗「お、そこって国内じゃ最大規模のとこじゃん?行楽シーズンも加味したらよくチケット残ってたねえ」
📣「お父さんがそこの高額のスポンサーでタダで優待券を貰えるそうなので相談したらいつもお世話になってる友達とトレーナーさんの為ならと二つ返事で取ってくれました!」
⚔️「忘れかけてたけどエールも御令嬢でしたね…。普段の佇まいを見てれば納得するんですが」
🎵「私もお父さんに聞いたらせっかく行くんだから美味しいものでも食べてくるズナって園内のレストラン無料券を用意してくれました。」
💤😷(この2人揃いも揃って名家の出身か…)
👗「何それ!?私も誘ってよお〜」
📣「今回はソングちゃんと私のおねだりという事だったので…。今度全員で行きましょうよ!」
⚔️「で、でもそこ確か水着で園内を徘徊するんですよね?肌を晒すなんて…恥ずかしい…」
🎵「大丈夫ですよ!きっとトレーナーさんも先輩の姿に見惚れちゃいますよ!」
⚔️「そ、そうですかね…?なら、嬉しい…な」
😷「…うん?という事はキミら2人はアイツに水着姿晒して何ならアイツは2人に自分の上裸姿を晒したって事っスか?」
🎵「っ、それ言わないでくださいよお…。考えちゃうと悶々としちゃうから言わないようにしてたのに」
💤「話せ。詳細を。一切合切。話せ」
📣「えと、まあ…。トレーナーさんって着痩せするタイプなんだなって…ハイ」
👗「わー赤くなっちゃって、可愛い〜。所でトレーナーはちゃんと2人の水着姿を褒めてくれた?」
🎵「ま、まあ…。あまり言うとセクハラになるからって自主規制してましたけどベタ褒めしてくれました」
📣「一緒に可愛いの買いに行った甲斐あったね、ソングちゃん!私もめんこいなあって褒めてくれました!」
😷「…水着、新調しにいくっスかね」
💤「着痩せ…着痩せ着痩せ着痩せ着痩せ着痩せ…。決めた、噛む。」
⚔️(彼の上裸は見た事あるけど…多分あの頃よりも更に逞しくなったのでしょうね)
👗「水着か〜…あり、去年の入るのかな…」 - 147二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 09:25:58
age
- 148二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 09:28:59
気性難ではあるが学生らしくキャッキャしているチームikzeは健康に良い
- 149二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 09:29:45
このレスは削除されています
- 150二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 09:33:46
保守
- 151二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 11:47:21
うーんどいつもこいつもやることやってますね〜
- 152二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 12:01:09
このレスは削除されています
- 153二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 12:04:07
このレスは削除されています
- 154二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 12:08:03
このレスは削除されています
- 155二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 12:34:10
このレスは削除されています
- 156二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 12:43:00
このレスは削除されています
- 157二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 12:47:01
このレスは削除されています
- 158二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 12:50:00
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- 159二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 15:12:40
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- 160二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 15:15:13
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- 161二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 15:16:04
このレスは削除されています
- 162二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 15:16:47
このレスは削除されています
- 163二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 15:20:59
このレスは削除されています
- 164二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 15:24:07
このレスは削除されています
- 165二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 15:35:14
スレ主頼むわ
- 166二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 15:36:42
このレスは削除されています
- 167二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 15:40:31
このレスは削除されています
- 168二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 16:19:47
削除してるレスがまばらすぎる
- 169二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 16:34:11
ルージュエヴァイユは6着でしたね
- 170二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 16:40:34
実在の騎手SSにしてるのはここくらいだろ
- 171二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 16:43:46
まぁ、初めてのG1で6着は良い方だと思う
- 172二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 17:39:54
スク水オンリーだな(確信)
- 173二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 17:43:14
- 174二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 17:49:23
- 175二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 17:53:28
- 176二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:01:23
今週の中央のikzeは1-0-2-6か
悪くはないけどもっと勝つところが見たいのがファン心かな… - 177二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:07:12
14000回騎乗おめでとう!
…いや文字にしてみるととんでもないな…
これで史上19人目、現役14人目なのがさらに恐ろしい - 178二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:12:06
- 179二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:13:58
死ぬわ
- 180二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:15:42
グランプリ男の意地を見せるか!お転婆娘が池添をノックアウトするのが先か!
- 181スレ主22/05/22(日) 18:34:36
スレ主です。今回はスレ管理出来ずに荒らしを放置することになってすみません。
自分が確認した時には荒らしのレスはほとんど削除されており、残っていた荒らしのレスや荒らしへの返信のレスを一括して消させていただきました。完全に状況を把握できているわけではないので、消す必要のないレスを消していたらすみません。消え方がまばらだったのはスレ主ではなくスレ民さんの通報を受けた管理人さんが消してくれたからだと思われます。スレ主が対応できない状況で通報してくださった方々ありがとうございます。
今日は用事があって見れませんでしたが、こまめにスレを覗くようにするので基本的に荒らしはスルーして通報をお願いします。
自分はikzeさんとお手馬たちが好きなのでこのスレでikze会の概念を投げたり吸ったりするのが楽しみで、これからも平和に続けていきたいと思っています。スレ民の方々も注意書きを守って治安維持をお願いします。
管理できなくてごめんね!!!! 荒らされてめっちゃ悔しいし反省!!!! スレ民さんたちこれからもよろしく!!!! あとこの長文レスは気にせず話続けてね!!!!! - 182二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:36:39
- 183スレ主22/05/22(日) 18:37:42
スレ立てありがとうございます
- 184二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:38:18
- 185二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:39:44
- 186二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:40:12
埋め埋め
- 187二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:41:01
うめ
- 188スレ主22/05/22(日) 18:41:13
- 189二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:41:36
梅
- 190二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:41:53
松
- 191二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:42:04
竹
- 192二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:42:14
うめー
- 193二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:42:44
スレ主お疲れ様…
- 194二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:43:30
お疲れ様。良い概念いつも楽しみにしてます
- 195スレ主22/05/22(日) 18:43:34
- 196二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:43:57
まあガワはナマモノである以上目つけられやすいから気をつけよう
- 197二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:44:34
某コントレイルスレとかも前に荒らされてたな
- 198スレ主22/05/22(日) 18:44:37
- 199二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 18:45:22
うめ
- 200スレ主22/05/22(日) 18:45:50
このスレも楽しかったです!
次スレもよろしくお願いします!