- 1福丸は俺21/09/23(木) 21:49:50
- 2福丸は俺21/09/23(木) 21:50:34
当時小学生の女の子の間で「プロフィール帳」というものが流行っていた。手帳の中には身長や体重、家族構成、食べ物や教科の好き嫌い、果ては密かに気になっている男子など、事細かに質問の項目が分けられた用紙がたくさん入っていて、仲の良い友達同士で交換するというものだ。
クラスの女子の殆どはそのプロフィール帳集めに夢中になっていた。
集めた枚数=友達の数としてステータスとなっていたし、ある種の同調圧力のようでもあった。
ところが件のクソ女だけは違った。
「ねぇ。あなたも書いてよ」と用紙を差し出したリーダー格の女子相手に「はぁ?なんでそんなくっっっだらないことしなきゃならないのよ」と一蹴したのだ。
その時既に「才色兼備の優等生」というイメージが出来上がっていた彼女の発言に、その場の誰もが耳を疑った。スルメも逆立ちだ。
そんな感じの小さないざこざは何度もあった。
しかし、彼女の立ち回りの巧さもあって大人にバレることもなかった。
でもリーダー格の女子はプロフィール帳を広めた張本人ということもあって、彼女の存在がとにかく面白くなかった。
そこでリーダー格の女子はクラス中の女子に指示を出した。
「これからはあいつを無視しろ」
私は大人しくそれに従った。 - 3福丸は俺21/09/23(木) 21:51:16
ある日、事件は起きた。
件のクソ女はその日は……いや、その日もいつもと変わらず率先して授業に参加し、授業の前後には教師を手伝い、褒められては「そんなことないです〜」と白々しく謙遜していた。
きっかけはなんだったろうか。
……あぁそうだ。拓也君だ。
リーダー格の女子が密かに想いを寄せていた男子、足が速くて喧嘩が強いサッカー男子。それが拓也君だった。
リーダー格の女子が勇気を振り絞って拓也君に告白したところ、なんと彼が好きなのはあのクソ女だというのだ。
リーダー格の女子は激怒した。もうメロスなんて目じゃないくらいにカンカンだった。
そしてとうとうクソ女に真っ向から喧嘩を仕掛ける運びとなったのだ。
その場には私もいた。実際、彼女の言動は私も快くは思っていなかったし、リーダー格の女子に来るように言われ、特に断る理由もなかったので大人しく従った。
というわけで、私達は3対1という有利な形で彼女を呼び出したのだった。 - 4福丸は俺21/09/23(木) 21:51:52
「どうしたの……? こんなところで話って……」
呼び出された場所にやってきた彼女は、私達3人の並ならぬ空気を察してか、いつもの優等生の声で尋ねてきた。
私はその声が嫌いだった。他の二人だって同じだろう。
今からその化けの皮……剥がしてあげる。
まず口を開いたのはリーダー格の女子だった。
「あんたって、人によって態度変えるよね」
「そうそう、猫かぶってるっていうかさぁ。かわいこぶってるじゃん」
私はリーダーの言葉に同調する。彼女に着いていれば間違いはない。
「…………は?」
一瞬で険しい表情になるクソ女。
「ほらっ、こわーい! あんた、本当はそういう感じなんでしょ?」
「…………」
彼女は黙った。私はこの時、勝ちを確信した。
女子の世界では数が正義。そうでなくとも3人に囲まれて勝ち目なんてないはずだ。そう思った。
だが、彼女は泣きそうな顔も絶望の顔もしてはいなかった。
少しの沈黙のあと、彼女は冷たい目をして呆れたようにこう言った。
「……それはあんたたちも一緒なんじゃないの?」 - 5福丸は俺21/09/23(木) 21:52:29
なんのことを言っているのか分からなかった。
私が?人によって態度を変える? そんなこと……
その時、大きな音が鳴った。
リーダー格の女子が彼女を叩いた音だった。
「っ! あんたほどひどくない! ちょっと可愛いからって調子に乗らないで!」
リーダー格の女子が激昂し、叫んだ。
何か思うところがあったんだろう。
「いっ…………!」
それからは二人の掴み合いだった。
私ともう一人の女子は呆然と眺めていた。
「何をしているの!加勢して!」
「あ……う、うん!」
リーダー格の女子の叫び声に慌てて反応し駆け寄った。
その時だ。
その時の彼女の目が私は今でも忘れられない。
「また……何も考えずに従うのね」
彼女の目はそう言っている気がした。 - 6福丸は俺21/09/23(木) 21:53:24
それからのことはよく覚えていない。
騒ぎを聞きつけて教師が止めに入り、事勿れ主義のダメ教師らしく、ろくに事情も聞かずに問答無用の喧嘩両成敗。そんな感じだ。
もっとも事情を詳しく聞かれて損をするのは私達の方だったろうが。
それ以降私達は彼女に関わることはなかった。
リーダー格の女子ともそれからは前ほど一緒に行動する気になれなくなっていた。
でも、それでも彼女のことが嫌いという気持ちに変わりはなかった。
頭が良くて
顔が良くて
人当たりも良い……
だけど性格最悪なキッツいぶりっ子
それがあのクソ女。 - 7二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 21:54:55
ヤベェ面白っ!
- 8福丸は俺21/09/23(木) 21:55:51
・・・
・・
・
「あ……お、お待たせ……!」
「遅〜〜〜〜い!もう昼休み終わっちゃうじゃん!」
「ご、ごめん……! レポートに手間取ってて……」
「そんなん関係ないし。でさ、それより昨日のノートなんだけど」
「あ……そうだね。はいこれ……」
「助かる〜!来週までにコピーして返すからさ〜」
「いや〜やっぱ持つべき物は友達だよね〜」
「……うん……そうだね……」
「……あ、ねぇ。それ……何読んでるの?」
「ん〜? あーファッション誌。愛依サマが出ててさ〜」
「愛依サマ……?」
「あんたアイドルとか知らないもんねー。ほら見てみなよ。ストレイライトの愛依サマ」
「う、うん…………あれ……? この隣にいるのって……」 - 9二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 21:56:44
伏黒アンチスレ住人説濃厚になってきた
- 10福丸は俺21/09/23(木) 21:57:15
さて、前置きはここまでにしておこう。
私は今、都内の文系大学に通う普通の女子大生。
これから語られるのは……
「これ……黛じゃん……」
あのクソ女……黛冬優子のかつての同級生。
黛冬優子を嫌い、黛冬優子を知る私。
その私がアイドル「ふゆ」とどう向き合うか……そういう話だ。 - 11二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 21:57:24
読み込んじゃう文章なんだがそれはそれとして...なんだその驕ったコテハンは!?
- 12二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 21:57:52
まだ前置きだったのか...
- 13二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 21:58:13
続き期待
- 14二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 21:58:33
続くの⁉︎
- 15二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 21:59:03
- 16二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 22:00:03
なるほど、読ませる文章書くわけだ
- 17二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 22:01:29
なんだそのどっかのこはるちゃんが付けてそうなペンネームは……
- 18福丸は俺21/09/23(木) 22:08:57
🐹今日はずっと黛さんについて考えていました。祝日は休日なので良かったです。
本当は今日全部書きたいと思っていましたが、もう寝る時間なので明日頑張りたいと思います。
もし落ちても前回作ったpixivの垢にまとめて投稿します。 - 19二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 22:12:48
おやすみなさい
pixivはフォローします - 20二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 22:12:50
正直かなり良かった…
これも一種の夢小説ってやつなのかな…
最高…… - 21二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 22:12:56
こういうのを夢女子?っていうのか
初めて読んだけど面白かったです - 22二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 22:25:22
- 23二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 22:26:41
誤字ってたわ
- 24二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 22:51:26
禪院家のご当主様はやいやい言われて大変やなあ……
- 25二次元好きの匿名さん21/09/24(金) 06:58:51
専門学校には通ってるけど呪術高専ではないんだわ
- 26二次元好きの匿名さん21/09/24(金) 17:12:19
ほわっ 保守しますね
- 27福丸は俺21/09/24(金) 19:58:33
黛冬優子と同じ学校に通っていたのは小学生のときだ。
中学や高校では別々の学校に通っていたし、顔を見ることもなければ、人から噂を聞くこともなかった。
でもすぐに分かった。この“かわいい”顔は、この“媚びた”笑顔はどこまでもあのクソ女、黛冬優子の物だ。
黛冬優子がまさかアイドルになっているとは、思いもしなかった。スルメも逆立ち。
昼休みが終わり午後の講義へ。
大学の講義の出席確認というと昨今ではICカードでタッチする物が増えていると思う。
一方私の通う大学では、未だ出席カードに名前や学籍番号を手書きして提出するシステムになっている。
先程会っていた友人も同じ講義を履修しているのだが、彼女は面倒だと言って帰った。
そういうときは私が彼女の分の出席カードを提出する。あとでノートを貸し出さなければならないので板書も丁寧に。責任重大だ。
しかし、この日ばかりは黛のことばかり考えてしまって、どうにも講義に耳を傾ける気にはなれなかった。あとで彼女にどやされた。 - 28福丸は俺21/09/24(金) 20:04:26
大学の後はアルバイトだ。
みんな大好きハンバーガーショップ。
「見ろ!手が汚れてしまった!」なんて怒鳴りつける御老人も、店員を殺害する悪魔も当店には来ないので特筆することはない。
強いて言えば、動いている間は黛のことを忘れられたので良かった。
『今からァ……浮きましゅ……』ピョンピョン
ははっ。しょーもな。
夜遅くヘトヘトになって帰宅。明日も大学で朝早いので、少しの自由時間。
いつものように動画アプリで暇潰しだ。
「…………」
そこであの女、黛冬優子の存在が頭をよぎった。
ちょっと……調べてみようかな…… - 29福丸は俺21/09/24(金) 20:14:06
“黛冬優子”の名前で検索すると出てくる出てくる大量のサイトに写真や動画。
うわぁ……すご、あいつ本当にアイドルなんだ……
その中からいくつかのサイトを開いてみる。
「ふゆちゃんのここがすごい!」「ふゆちゃんの笑顔に癒される!」「この前のライブが〜」と、どのサイトも書かれていることは同じようなものだった。
「ふわぁ…………ん」
ネットサーフィンにも飽きてきたのでそろそろ寝ようかな。そう思いながら検索結果画面をスクロールしていると、他とは一風変わったページを見つけた。
そのページのタイトルは……
“代黒アンチスレ”
「だい……こく……?」
どうして関係のない人の名前が出てくるんだろう。不思議に思い、ここを最後に見てから寝ようと決めてページを開いた。
うわぁ……なんだろう。これ…… - 30福丸は俺21/09/24(金) 20:18:30
匿名シャニまん民 21/09/21 17:41:0914
あいつ愛依様と距離感近すぎない絶対愛依様のこと狙っているでしょ
匿名シャニまん民21/09/21 17:42:4211
ぶりっ子バレてんの分かってないんかな笑
愛依様ぜったいメーワクしてるよ顔見ればわかる
匿名シャニまん民21/09/21 21:05:1811
は?コイツほんと無理(笑)
愛依様に近づくのほんとやめろ
見ててムカっ腹が立つんだよねこーいうぶりっ子
私を救ってくれた愛しのアイドルを
穢すな
匿名シャニまん民21/09/22 18:57:0710 ぶりっ子っていうか、ホントに頭も弱いんじゃない?愛嬌だけで生きてきて、まともに勉強とかしないから常用漢字もまともに読めずに、「ふゆに教えて♡」とか愛依サマに絡んでるのが透けて見えるのよ。
匿名シャニまん民21/09/22 19:14:27
明らかぶりっ子してんのバレバレで見ててしんどい…😰
自分でやってて恥ずかしくなんないのかな…🤔 - 31二次元好きの匿名さん21/09/24(金) 20:32:04
唐突にぶち込まれる代黒アンチスレに草生える
- 32福丸は俺21/09/24(金) 20:34:40
出てきたのはこの世の地獄。
どうやらネット掲示板のようだが、その内容は“代黒”さんとやらに対するヘイトスピーチばかり。
「あれ……?」
えっ、これってどう見ても黛のこと……だよね?
“ふゆ”だとか“愛依サマ”とか言ってるし……
えッえッどういうこと!?
黛がどうして代黒になるの……?
「あ……」
そこで気がついた。
黛の字を上下で分けて代黒。
私は感心して思わず笑ってしまった。よく考えるなぁこういうの。
本名でなく、あえて別の呼び名を使うのは本人の目から逃れるため?それともある種の仲間意識?
どちらにせよ惨めだなと思う。
隠れて悪口を言うことしか出来ない卑怯者。
あーキッツいなぁ…… - 33福丸は俺21/09/24(金) 21:04:14
「でさぁ〜明後日合コンやるから。アンタも来て」
「え……?」
翌日。昼休みのランチ中に唐突な合コンのお誘いだ。
「どうしても一人足りなくってさぁ〜ちょっと冴えないけどもうアンタでいいわ」
合コンって……あの合コン?合唱コンクールとかじゃなくて合同コンパ……?
「あ、あの……それって、知らない男の人とか来るんだよね……?」
「は?当たり前じゃん合コンなんだから。T京H成大の男とか来るし、アンタもそろそろ彼氏作ったら〜?」
「お酒とか飲むんだよね……?」
「当然じゃん合コンなんだから」
「私たち未成年……」
「今時酒飲むくらい普通っしょ」
嫌だ……行きたくない………
「で、でも……もうすぐ試験あるし……」
「そんなん前日に勉強すりゃいいじゃん!」
「ね、行くよね? うちら友達っしょ?」
困ったなぁ……逃げ場を失った。
「ぴゃい……行きます……」
大切な友達のお願いなので、せっかくだし引き受けることにした。
わーいわーい合コンだー。イケメン来るかなぁ。 - 34福丸は俺21/09/24(金) 21:16:19
大変なことに気がついた。
せっかくの合コンなのに、私はお洒落な服を持っていない。
これはいけない。大切なお友達のあの子に恥をかかせるなとどやされてしまう。
という訳で服を買いに街に出た。お金よりも友情が大事だ。
買い物を済ませ、駅まで歩く途中。
私はそこで信じられぬものを見た。
「…………」
──黛冬優子だ。
──黛冬優子がウインドウショッピングしてる。
……スルメも逆立ち。 - 35福丸は俺21/09/24(金) 21:22:39
以前言ったかもしれないが、私が黛と最後に言葉を交わしたのは例の事件のあのときだ。
あの時教師に強要され、仲直りの握手こそさせられたものの「和解した」とは到底言えない。
あぁ、でもそうだ。気不味いのは黛だって同じ。
私を見ても気づかない振りをしてやり過ごしてくれるかもしれない。
いや、それを言うならそもそも私のことなんて忘れてるのではないだろうか。
黛は色々な意味で人気アイドル。それに対して私の人生は名前すらないモブキャラのようなもの。
思考を加速させていると、黛がこちらへ歩いてきた。
あぁ、さっさと通り過ぎればよかった……いや大丈夫。私なんて認識されない。
知らぬ顔をして……
「わぁ! 久しぶり!」
クソ女、黛冬優子はニッコニコの素敵な笑顔を向けて話しかけてきた。
……嘘でしょ。 - 36二次元好きの匿名さん21/09/24(金) 21:30:45
ふ、冬優子つえぇ……
- 37福丸は俺21/09/24(金) 21:41:59
「あ、あ、あ……」
「もしかしてふゆのこと覚えてないかなぁ? 小学校で同じクラスだったんだけど……」
「お!ぼえてる……!」
「ほんと? 良かったぁ」
「ふゆなんて、地味でクラスで全然目立たなかったから、覚えてないかと思った〜」
意味が、分からない。
どうしてそんなフレンドリーに、何もなかったかのように話しかけてくるの……?
どうしてそんなあの頃大人と話していたときみたいに媚びた笑顔を私に向けるの……?
「ま……黛さんは……!」
「? なぁに?」
あんたは、あのときのことを、私のことをどう思ってるの?
「あ……」
「……アイドル……やってるんだよね……?」
「わぁ!知ってたの? 嬉しい〜!」 - 38福丸は俺21/09/24(金) 21:56:55
その後、私は少し黛と話した後別れた。
別れ際に黛は「今度お茶しようね。他のみんなとも会いたいなぁ」なんて言っていた。
その言葉を聞いた時、私は感じた。
あぁ、この先私たちが交わることはないんだな。と、そう感じた。
小学校でのあの一件、あのときの黛の目。
それと同じ物を感じた。
あの日……黛冬優子は黛冬優子のまま私たちと喧嘩をした。しかし今回は違った。
黛冬優子は最初から最後まで“ふゆ”として私に接していたのだ。
今回黛冬優子は私のことなんて少しも相手していなかった。私のことなんて最初から全く見ていなかったのだ。
あー……キッツいなぁ…… - 39福丸は俺21/09/24(金) 22:16:04
その日の夜、私は再び代黒アンチスレを覗いていた。
「愛依サマに近づき過ぎ」「腹黒いくせに」「匂わせうざ」
相も変わらず黛に対するヘイトスピーチ。
最新の書き込みを見ると「ツイスタ見た!? 代黒ほんとウザい!」と書かれていた。
うわ……どんどん書き込み増えてく。勢いすごいなぁ……
あーそういえば会ったときに垢教えて貰ってたっけ……と、試しに開いてみると……
「ブフッ」
黛が愛依サマとのツーショット写真を投稿していた。
「大好きな愛依ちゃん 大切なお友達です♡」だって。これ絶対アンチを煽るためにやってるでしょ……
アンチの発狂を見て画面の向こうで高笑いする黛を想像して何だか笑ってしまった。
「…………」
キーボードに文字を打ち込む。
何度も消しては打ち直して。
うん。これでいいや。
匿名シャニまんまん21/09/2319:19:37
あんたら黛のこと何にも分かってない
黛はあんたらが思ってるよりずっと腹黒くて強かでかっこいいから - 40福丸は俺21/09/24(金) 22:20:19
それは決して大した文ではなかった。
薄っぺらくて中身のない。
叩かれるかもしれない。
スルーされるだけかもしれない。
でもそんなのどうだっていい。
だって私がこの掲示板を覗くことは、もう二度とないだろうから。
動画アプリでストレイライトのライブ映像を見た。
その映像の中で輝いていて……
私は不覚にもかっこいいと思ってしまった。
彼女の強さが羨ましいと思ってしまった。
いや、それはあの日からずっと感じていた物なのかもしれない。
あぁ
ほんと
──ムカつくなぁ - 41福丸は俺21/09/24(金) 22:28:37
「でさ、明日の合コンなんだけど」
「……行かない」
「は?」
「合コンには、行かない」
「なにそれ、急にそんなん言われても──」
「昨日言い出せなかったのはごめん!でも、私、行きたくないから……!」
「それから!ノートはもう写させない!代返もしない!課題も写させない!」
「ちょ……」
「だって、私ばっかり何かして……!言うこと聞かされてばかりで……!」
「そんなの……! 友達じゃない……!」
「ちょ、タンマ! 分かった!分かったって!」
「確かに甘え過ぎてたっつーか……嫌なら無理には言わないっつーの……」
「ほ、ほんと……?」
「てかさ……あんた、なんか変わった?」
「え?あ……服、昨日買った服着てきたからかな……」
「んー……それもあるかもだけど……」
「……なんか、かっこよくなった」 - 42二次元好きの匿名さん21/09/24(金) 22:31:44
お前だったのか……
- 43福丸は俺21/09/24(金) 22:37:18
子どもの頃の思い出。
私は今でもときどき思い出す。
それは小学生のときのクラスメイト……
頭が良くて
顔が良くて
人当たりも良い……
だけど性格最悪なキッツいぶりっ子で
嘘みたいに腹黒くて
けれども誰よりもしたたかで
強くて
かっこいい
それがあのクソ女
そんなクソ女との間に起きた出来事だ。
私はぼろぼろの仮面を外してしまったけれど、彼女はいつまでもその鉄仮面を脱ぎ捨てることはないだろう。
私はあんたに憧れてしまったけれど、その強さを少しでも借りたいと思ってしまったけれど。
でも私はあんたのファンになんかなってやらない。
だって私はあの頃からずっとあんたが大嫌いだから。
精々輝いてろ。クソ女。
終わり - 44二次元好きの匿名さん21/09/24(金) 22:37:57
ブラボー!!
- 45二次元好きの匿名さん21/09/24(金) 22:41:36
乙、面白かったよ
アンチスレの発言にいいね押してきたぜb - 46二次元好きの匿名さん21/09/24(金) 22:43:07
おつおつ
読ませる文章にこぎみ良いテンポ、その他色々とネタが凝ってて良かったよー - 47二次元好きの匿名さん21/09/24(金) 23:02:42
乙乙
これ冬優子もスルーしなかったんだよね - 48福丸は俺21/09/24(金) 23:03:26
🐹読んで下さった方、参考に立てた代黒アンチスレで協力してくれた方、前回書いたのpixivでブックマークしてくれた方ありがとうございます
- 49二次元好きの匿名さん21/09/24(金) 23:04:08
あれはこれの布石だったのか……面白かった
- 50二次元好きの匿名さん21/09/24(金) 23:40:35
めっちゃ面白かった〜!!!
コテハンがタツキ先生みたいってコメントの伏線回収されてて笑った
スレ主さんも冬優子も最高…! - 51二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 06:54:44代黒アンチスレ - あにまん掲示板代黒アンチスレ|あにまん掲示板欲しいんだよね 参考資料向こうの世界にいるアンチになったつもりでお願いしますbbs.animanch.com
- 52二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 17:05:52
代黒アンチスレ地味にしぶとくて笑った
- 53二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 19:05:32
- 54二次元好きの匿名さん21/09/26(日) 07:09:32
面白かったけどお前は福丸じゃないよ
- 55二次元好きの匿名さん21/09/26(日) 08:57:24
ぴゃ……! コイトスピーチ……!
- 56二次元好きの匿名さん21/09/26(日) 11:51:43
俺が、俺たちが福丸小糸だ
- 57二次元好きの匿名さん21/09/26(日) 11:57:12
乙