【SS】風邪を引いてしまった……

  • 1オペアヤベ21/09/24(金) 00:44:38

    頭がボーッとするし、身体の節々が痛い。食欲はあるけど喉が痛くて何も食べる気にならない
    心当たりは……夜の自主トレかなあ。すっかり冷え込んで来てるのを忘れてた
    同室の子のカレンにうつすと悪いから、今は許可をとって学園の保健室で寝泊まりしている。いくら孤立してるからといって、無闇矢鱈に病気を移したくないし……
    と、思っていると何やら足音が聞こえる。保険医の人だろうか

    「アヤベさん! 風邪を引いたらしいが、大丈夫かい?」

    ……喧しいのが来てしまった。私が風邪を引いたなんてどこで聞いたんだ

    「君と同室の子が不安げだったからね。事情を聞いてみたら、体調を崩したそうじゃないか。そこで、この覇王が看病をしようと思ったのだよ!」

    カレン、できれば……こいつを止めてほしかったなぁ。ただでさえ重い頭が更に痛くなる。あー、もう、本当に頭が痛い。ちょっと、本当に寝ておこう

    「おや、本当に調子が悪いみたいだね。だが安心するといい。ボクが看病すれば、病の方から逃げていくさ!」

    なにか言っている。けど、私には何も理解できていない。あー……喉、乾いてきたな……ぽーっとしてきた

    「辛そうだね。さぁ、この覇王特製の栄養ドリンクを飲むがいい。もちろん、ストローも忘れてはいないさ」

    口元に細い筒らしきものが押し付けられる。朦朧としながらもそれを口に含み、吸い込む。優しい甘さと塩味が口の中に広がり、喉の痛みと乾きが少しだけ和らいだ気がした

    「うーん、かなり具合が悪そうだね。しかし、覇王たるもの、看病も一級品さ。さぁ、リンゴをすりおろしてあげたから、ゆっくりと食べるが良い」

  • 2オペアヤベ21/09/24(金) 00:44:49

    今度は口元に冷たい感触がぶつかる。朦朧とした視界のなか、口を開けてリンゴを飲み込む。普段の私なら自分で食べれると突っぱねてるはずなのだか、それも出来ないくらいに重症のようだ。こいつの看病を心から感謝しているのもその証拠だろう

    「風邪をうつすまいと気遣う姿はボクにも負けず美しい。だが、一人で病と戦うのは心細いものだ。しかし、ボクと共に居れば百万の病さえも怖くはないだろう? 安心して身を委ねるがいい」

    相変わらず自信過剰で、だけどどこか頼もしい言葉だ。ふと右手に意識を向ければ、温かい感触がする。おそらくはこいつが手を握ってくれているのだろう
    そうだ、こいつはそういう性格だった。自信過剰で傲慢に見えて、優しくて他者の行動に肯定的で。それでいて誰も卑下しない。ああ、だからこそ慕う人が多いのだろうか
    頭がくらくらする。右手の温かさが心地良い。だけど、私の為だけに時間を割かせるわけにもいかないだろう。私は、この温もりを手放さなければならない。だめだ、もう、意識が……

    「……行か、ないで……」

    何を口走ったのか、最早私には分からなかった


    「……心配せずとも、ボクはここに居るさ。おやすみ、アヤベさん」



    数日後

    オペラオーが風邪を引いたらしい。明らかに私のせいだろうし、看病しに行ってあげなければ
    はぁ……起きたときには右手を繋いだままのあいつが居るなんて。本当にお節介なやつ
    意識が飛ぶ前に何かとんでもない事を言ってしまった気がするので、そこも問いただしてみよう

  • 3オペアヤベ21/09/24(金) 00:50:49
  • 4二次元好きの匿名さん21/09/24(金) 00:52:08

    しゅき

  • 5二次元好きの匿名さん21/09/24(金) 00:53:49

    Good!

  • 6二次元好きの匿名さん21/09/24(金) 00:59:17

    有難う有難う。。

    オペアヤベ、アヤべさんが意外とオペに感情的になったりするの良いよね、かなり好き。

  • 7二次元好きの匿名さん21/09/24(金) 01:05:49

    ほんとにすき

  • 8二次元好きの匿名さん21/09/24(金) 01:09:54

    ほんとに続けて👍

  • 9二次元好きの匿名さん21/09/24(金) 01:12:19

    あざーす!夜更しは良くないけど、これを読めてホント良かったです!!

  • 10二次元好きの匿名さん21/09/24(金) 07:16:23

    良い……

オススメ

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