【SS】憧れの先輩

  • 1二次元好きの匿名さん22/07/25(月) 22:40:15

    「いっちに、さんしっ…よしっ!」
    トレーニングコースの片隅で、1人ストレッチをするウマ娘がいた。
    「…バンブー。気合が入ってるな」
    「オグリ先輩っ!だって、先輩との並走っスから!」
    目を輝かせてオグリを見つめるそのウマ娘は、バンブーメモリー。
    G1勝利を飾ったこともある、期待のウマ娘だった。

    「はっ、はっ…はぁっ!!!」
    「…っ!へへっ、やっぱ先輩はすごいっス…!でも、アタシも負けてられないっ…!!!」
    2人は加速し合い、熾烈なデッドヒートが繰り広げられる。
    側から見れば、並走ではなく本気のレースに見えただろう。

    「…だーっ!負けたっス!」
    「…でも、いい走りだった」
    「ほんとっスか!?…いやいや、いい走りってだけじゃダメっス!いつか、オグリ先輩を超えたいんで…!」
    「それを私に直接言うのか…?」
    「言うっス!だって、言わない理由もないし…」
    それは一切の曇りのない眼。
    裏の意図はないだろうとは思えたが…
    「…挑戦状と取られることもあると思うぞ?」
    「別に問題ないっス!…出し抜いて勝っても意味ないっス。だったら最初から挑戦状出した方がアタシ的にはスッキリするっス!」
    「なるほど…そう言う考えなんだな」
    「っス。…『マイルCS』本番では負けないっス!正々堂々、勝負をしましょう!」
    「…ああ!」

  • 2二次元好きの匿名さん22/07/25(月) 22:40:27

    「…現在先頭はバンブーメモリー!オグリキャップは2番手で…」
    (…ダメだ…このままじゃ抜かせない…!)
    前を走る彼女を抜かすのには、左右に移動しなければいけないが…もうそんな余裕は…
    (…?なんで、前を塞がれないんだ…)
    脳裏に、あの日の会話が思い浮かぶ。

    「…正々堂々、勝負をしましょう!」
    「…ああ!」

    そうだ。彼女は正々堂々と勝負をしようとしている。
    前を塞ぐつもりなんて毛頭ないんだ。

    「…はああああああっ!!!」
    「…!しゃああああああっ!!!」
    2人はゴールへと駆けていく。
    「負けられないオグリキャップ!譲れないバンブーメモリー!」
    その日の勝者は…良きライバルに恵まれた。

  • 3二次元好きの匿名さん22/07/25(月) 22:41:30

オススメ

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