- 1二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 21:44:30
- 2二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 21:45:24
- 3二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 21:45:57
立て乙
- 4二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 21:54:01
保守
- 5二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 21:59:18
海の広さに思いを馳せたこともあったが、海軍として、鍛錬と自己研鑽と死闘の日々を過ごす内に忘れてしまっていたらしい
…今日も今日とてコックとロロノアが喧嘩をしている
内容は非常に幼稚だ、だが、それがどうしようもなく可笑しく感じて笑ってしまう
海兵だったころなら、あの2人のような喧嘩をすれば双方を怒鳴りつけたであろうが、私も丸くなったものだ
…………コックの料理は悪くない、自己研鑽を怠った己を恥じるべきだ…!
ロロノア・ゾロ!手合わせを頼む! - 6二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 22:04:58
ソゲキングよりもウソップと呼んでいく事にした
というのも、そもそも彼がそれを度々否定しており
一味の一部船員にソゲキングについて尋ねれば、出生は眉唾ものだが、ウソップと鼻がよく似た他人だと言う事が判明した
………面と向かってはウソップと呼んで行くが、彼の狙撃の腕はまさに世界一だと私は思っているので、内申ではソゲキングと呼ばせてもらおう - 7二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 22:15:47
前スレでの女海兵ちゃんの設定まとめ
・二年間の世界徴兵で入った海軍の新入り
・海兵なので剣と銃は確定で使えるし船の整備も一通り習っている
・少なくとも剃と武装色、見聞色を使えるので初期スペックがたしぎちゃんより弱い程度の新世界
・容姿はオルビア似
・それなりに真面目かつ言動からいって若いので伸びしろが多い - 8二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 22:17:05
Z、ゴールド、スタンピードにいたらどんな活躍するだろうか?
- 9元女海兵 現女海賊22/08/01(月) 22:22:48
チョッパー先生の診察が終わり、ご老人は穏やかな表情で礼を言う
「ありがとうチョッパ―先生」
「いや~先生なんて……言われても……嬉しくねぇぞコンニャロー」
穏やかなやり取りの後で、船長とロボ……フランキーが診察室に入ってくる
そこで明らかになった事実に、私は凍り付いた。その義手、バトルスマッシャーは海楼石製だという
(海兵でなければ、そんな代物入手できるわけがない!)
正確には、海兵でも将軍以上の人間だ。私は海軍時代の癖で思わず背筋を正していた。
「おっさん、それどこで買ったんだ?」
「買ったんじゃあない。信じるか信じないかは君たち次第だが、そいつは海軍のイカレた科学者がつけたものだ。除隊して返還する予定だったがな……」
「おっさん、海軍辞めるのか?どう見ても強ぇのに?」
「……俺のやりたかったことは、藤虎がやってくれた」 - 10二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 22:24:44
そうか
ジンベエが居るってことは七武海撤廃済みじゃん! - 11二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 22:25:07
このレスは削除されています
- 12二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 22:28:34
だから女海兵ちゃんが海兵に戻るルートを皆で考えているんだ
- 13二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 22:29:20
ぶっちゃけ大佐程度の実力じゃ新世界だとちょっと強めの海賊に当たったら死ぬからな
戻るにしてもレベリングしてもらわんと - 14二次元好きの匿名さん22/08/01(月) 22:30:39
ゼファー先生についてくか、麦わらの一味に残るかのどちらかかな?
- 15二次元好きの匿名さん22/08/02(火) 02:03:55
そっか世界徴兵組だからゼファーのことあんまり知らないのか
- 16二次元好きの匿名さん22/08/02(火) 02:11:35
コビーやヘルメッポも知らないみたいだから佐官以下とか若い海兵は知らないのかもしれない
- 17二次元好きの匿名さん22/08/02(火) 06:40:20
- 18元女海兵 現女海賊22/08/02(火) 07:34:07
- 19二次元好きの匿名さん22/08/02(火) 08:40:56
いやあ正義とはなにかの下りからしてピュアッピュアよこの子
- 20二次元好きの匿名さん22/08/02(火) 12:00:07
フィルムZみてゼファー先生エミュを習得せねば…!
- 21二次元好きの匿名さん22/08/02(火) 16:16:06
あー、世界徴兵組だったとはいえ正義の在り方で悩むほど生真面目だったから、海軍時代の教えが身に染み付いちゃってた訳だ
- 22二次元好きの匿名さん22/08/02(火) 16:21:02
ゼファー先生にタイマンで話し合いをされ
「俺も、もとは海兵だ…なぜお前ほどの真面目そうな女が海賊船なんぞに乗っていた?」って問われて、話したあと「海賊は皆残らずゴ ミく ズだ!」とゼファー先生が言ったら違うとタンカを切る海兵ちゃんが見たい - 23二次元好きの匿名さん22/08/02(火) 16:42:33
こんなこと言ったらだめだとは分かってるんだけどさぁ、女海兵ちゃん、クリムゾン先生の餌食になりそうだよね!
- 24二次元好きの匿名さん22/08/02(火) 20:19:36
この人をリクエストする声が前スレにあったので
ヤツはどんな賞金首でも必ず殺す…ついた異名は|あにまん掲示板"3割引"…!bbs.animanch.comやらせていただく
ナミの買い物はまだ終わらないだろう、チョッパー医師はロビンと…おそらく、ソウルキングも書店、コックも買い物から離れないから来ないはず、問題は船長とロロノアだが、運良くこちらには近づいてくる気配はない、ジンベエさんは船番でそもそも市街地には居ないので除外する
後ろをつけてくる人物の視線は自分から離れないだろう
手練れの海軍将校か…それと、賞金稼ぎか…
どちらにせよ、一味の休息の時間を邪魔させるわけには行かない
私同様見聞色の覇気をもっているのか、着かず離れずを徹底している
やはり、戦って気絶なり捕縛なりしなければならないらしい…
路地に入り、市街地を抜け、開けた場所に出る
私は、即座に使い慣れたライフルを相手に向けた
思わぬ相手に、身が固まる
賞金稼ぎは基本的に相手を生け捕りを目指す、なぜならば、賞金は生きた状態であれば全額、死んでいた場合は七割しかもらえないからだ
だが、目の前の男は違う、生け捕りなど…決してしない
海軍、海賊共に悪名高き【三割引】!!
「ワリビー……プライス…!!!」
- 25二次元好きの匿名さん22/08/02(火) 20:33:11
身の丈程の包丁を手にした男は頷く
『如何にも、俺がワリビー・プライスだ、死に逝く海賊よ
俺を麦わらから引き離そうとした度胸に免じて、先手は譲らせてやった』
彼は、鋭い瞳は私の動きを全て観察している
私は、射線を頭から胸に変える
勝てる気がしない
「何故…わたしを…?」
男は嗤う
『麦わらの事は調べている、世間では破天荒な狂人、邪智謀略の策士だと言われているが、その実態は人情家で義理を重んじるとな……
だからこそ、貴様だ
貴様を殺し、首を晒せば…
間違いなく必ず麦わらは俺の前に現れる!俺に怒り狂い!俺を殺しに!!必ずくる!!
いや!麦わらだけではない!海賊狩りも!黒足も!狙撃王も!ソウルキングでさえも!俺一人を殺しに来るだろう!
俺はその首を全て値切る!!
如何に四皇であろうと!俺の前では等しく三割引いて終いだ!!』
不気味な笑みを浮かべる男に冷や汗が止まらない、怖い、間違いなく、私は…
「……お前はなぜ海賊を殺す?お前の正義の為か?」
私の最後の質問となる、自分の悩みの答えを聞く
ワリビー・プライスは、真顔になった後に心底つまらなさそうにため息を吐いた
『殺しあいに正義など無用、俺は強さを誇る海賊共を三割引いて貶す為に殺す……それのみよ……』
男の殺気が増した……ここまでか…
- 26二次元好きの匿名さん22/08/02(火) 20:49:45
『【山割り】』
切り上げの斬撃が飛ぶが、ロロノアの斬撃とは比べられないほどに速い!
構えを解き、側転でかわす視線はきらさず相手を見る
『…【海割り】!』
振り上げ獲物をそのまま持ち替えて振り下ろすと大地を揺らすと共に斬撃が
しまった!
着地を狙った一撃、揺らされた事で着地が受け身になり次への動作に移るのが致命的に遅れる
ライフルに覇気を纏わせ盾にするが、相手の覇気の方が明らかに上、悪手であるが、それ以外が選択を取れない
…死ぬのか
死をともなった衝撃を恐れて目を強く瞑る
「レディ相手に…手をあげるなんざ…」
聞き覚えのある声
「テメェ…、覚悟しろよ…」
- 27元女海兵 現女海賊22/08/02(火) 22:13:45
(……ばったりと来なくなったな)
軍艦の独房で、私は枷をつけられただ揺れに身を任せている
最初のうちは”麦わらの一味”の情報をこと細かに聞いてきた男たちも、私に話す気が無いと見るや閉口し去っていった
(一味の情報を求めているということは、捕まったのは私だけだったのだろうな)
(……海兵たちには悪いが、これで良かったのだ)
私は賞金頸として処刑されるか、インペルダウンに収容されるかのどちらかだろう。最悪なのは、私が一味の機密を明かすか、”メルヴィユ”に一味が行きそこで万全の態勢で待ち構えた大将や中将たちと戦闘になることだが
(今の海軍に……大将を動かす余裕はないとロビンは言っていた)
徴兵上がりの一兵士でしかなかった自分には、本部の内情など分からない
……彼女の言葉を信じて一味の無事を祈った
メルヴィユという単語はただのハッタリだと思うことしか出来なかった
そう考えていた矢先に独房に巨大な人の影が見えた
「貴方は……」
「……海兵が一体何をやっている」 - 28二次元好きの匿名さん22/08/03(水) 05:04:44
海兵ちゃん、海軍につかまったと思ってる?
- 29元女海兵 現女海賊22/08/03(水) 07:42:20
「……私は海賊です」
「海賊が海兵に敬礼などするものか。何故麦わらの船に乗っていた?」
「……」
「海賊に例外はない。海のクズ共に肩入れすることは、市民を傷つけ君自身を貶める行為だ」
ご老人の言葉に私の中の何かが傷つく
それは海兵への未練か、それとも海賊としての己への不甲斐なさに対してか
気付くと私は、嵐の中で軍艦が遭難し、麦わらの一味に助けられた経緯を
海兵として信頼していた上官の仕打ちを
そして、非加盟国の出身者であっても手を差し伸べることができる可能性を、老人にぶちまけていた - 30二次元好きの匿名さん22/08/03(水) 11:45:48
パンクハザード辺から船に乗っていたら、ドレスローザで七武海の悪行を間近に見れて、藤虎の土下座に正義を感じて、いくつか飛んでトットランドで海賊国家でも平和で笑顔溢れる町並みをみてまた正義が揺らぐ様を見られるんだね!
- 31二次元好きの匿名さん22/08/03(水) 13:15:58
(やっぱ海軍駄目だわ)
というかNEO海軍の一般兵って多分海軍の掲げる正義に疑問持って離反した人結構いそうだし - 32二次元好きの匿名さん22/08/03(水) 16:04:14
- 33二次元好きの匿名さん22/08/03(水) 16:11:41
やっぱ海賊かかわらなきゃ優しいよZ先生
- 34二次元好きの匿名さん22/08/03(水) 17:53:43
そこはホラ…ここがそもそもIfなわけですし、ご容赦いただけますと幅がひろがりましてですねぇ…
- 35二次元好きの匿名さん22/08/03(水) 22:01:13
戦闘の対応力高そう、ライフルでも刀でもサーベルでも素手でも戦えそうなイメージある
- 36元女海兵 現女海賊22/08/03(水) 22:33:18
私の言葉にもご老人は動揺した様子はなかった
むしろどこか嬉しそうに言葉を返してくれた
「海軍が加盟国の海賊を取り締まり……軍艦の補給がきかない非加盟国の海賊は七武海が抑止する
……そしてその枠からも外れた非加盟国を四皇とかぬかす海賊が統治する
そうやって”三大勢力”による平和が保たれてきたが……もう、そんな時代は終わった」
ご老人は、過去の世界情勢をそう語った
そう、過去だ
なぜならばもう、七武海という制度は存在しない
「七武海が無くなった以上、海軍の責任はますます増える」
「では、非加盟国にも手を差し伸べると?」
「……おれたち海軍遊撃隊はそれをやろうとしている」 - 37二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 02:17:47
当たり前だけど映画の内容は未経験か
- 38二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 05:13:45
そうだろうねぇ……海軍サイドの革命派閥みたいなもんだし
というか真っ当な正義を貫きたいZさんは七武海の悪行を藤虎が大衆に土下座してわびたのは嬉しいだろうけど
それでも悪は悪だし
非加盟国の惨状と天竜人の横暴で苦しむ加盟国を見たとき、正義は世界政府に有り!なんて到底言えたものではない
- 39二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 07:28:13
インフレした今の状態でゼファー先生が登場して大丈夫か……?
- 40二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 11:57:42
- 41二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 18:43:36
ありきたりだけどクズな上司(糸目)に家族や友人等を人質に取られてルフィ達に助けを求める女海兵ちゃんはありですか?個人的に戦い疲れて眠っているルフィに「ありがとう」と言っている女海兵ちゃんが見たいんですよね。後、眠っているルフィを見て普段は子供っぽいのに戦いになると〜って意識して顔が赤くなっているとポイントが高くてですね……
- 42元女海兵 現女海賊22/08/04(木) 21:45:54
「女海賊。海賊としてお前に恥じることがないのならば、司法の島でそれを証言すればいい。止めはしない。
……だが法の鎖に繋がれる前に、もう一度海兵として、人助けがしたくはないか?」
(……!!)
ご老人は私にある提案をした
それは危険を伴う任務。ある海賊団への潜入調査だった。不勉強ゆえか、私はその海賊団を知らない
だが、この命を賭けるに値する任務でもあった
「既に過去の遺物になっていた海賊団が、海が荒れた今になって再び騒ぎ出した
傘下の海賊団を増やし、付近の罪なき島の人々を襲って勢力を拡大しようとしている
その中には当然、非加盟国もある。ここは新世界だからな」
私は、ご老人が咄嗟に私を攫った理由を理解した。麦わらの一味に対する人質としてだけではない。懸賞金のついた海賊が欲しかったのだ - 43二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 21:47:10
いいね描いて♡
- 44二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 21:48:44
というかこの子今の海軍からすると将来性に期待できる有望株なのに何で追放されてんの……?
- 45二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 21:56:23
漂流→麦わらの一味が助ける→帰還する→過激派な上司が麦わらの一味にいたからと勝手に裏切り判定→処刑→麦わらの一味が助ける→ほーら、やっぱり裏切り者だってなって賞金首になった、海兵ちゃんは海軍の正義が信用できなくなったの
で正義とは?
と答えが出ない問に悩み続けている
- 46二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 22:14:12
できごとの順番を入れ替えたifもロビンとフランキーとサニー号がいるドラム島やったエピソードオブチョッパーという事例があるからこういうのも想像しがいがあるな
- 47元女海兵 現女海賊22/08/04(木) 22:43:58
それから数日後
突き上げる海流に乗って空島に到達した時、私は囚われていた海軍船が、海賊船に偽装されたものだと知った
無事上陸を果たした私は、海軍遊撃隊の副長である”緑豆のビンズ”さんとともに、メルヴィユの王宮を訪れていた
(海賊が国を支配するなんて……!)
城下町の村落には、碌な物資も無く困窮するひとたちばかりだった。それに引き換え王宮は豪奢で、見る者に支配者の威容を伝えてくる。
海賊に統治能力はない、と言ったロビンさんやご老人の言葉が改めてよく分かる。武力によって奪うことは出来ても、富ますことは出来ないのだ。
「もさもさと歩くな女海賊。我らの使命を忘れたのか?」
「いえ、忘れてはいません。必ず任務は遂行します」
まずは王宮に向かい、傘下としてこの国の王である海賊に認められなければならない
「……ですが、本当に生きているのですか?その……金獅子のシキという海賊が」 - 48二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 07:26:44
この女海兵ちゃん、海兵として仕事出来るとなって生き生きしている
- 49二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 10:06:33
シキ相手になにするきやろうか?
- 50二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 16:39:50
- 51二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 18:12:26
革命軍………いやぁ、最新話のあの状態みて革命は…
- 52元女海兵 現女海賊22/08/05(金) 21:55:58
私は海軍では新参者だ
直接の上司が担当していた海域の海賊の名前なら諳んじてみせるが、歴史上に出てきた海賊の顔など知らない
まして金獅子のシキは、戦いなど不可能な年齢のはず
……だから、シキを語る偽物の類だろうと期待して聞いた
「……本物だ。その実力は、”四皇”以上だと思え!」
「!??」
(四皇……以上!?)
メルヴィユの王宮で、私はこの言葉の意味を理解した
いや、させられてしまった - 53二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 22:00:01
劇場版ボスは劇場版補正と登場時期の都合で弱体化してるからな……
- 54元女海兵 現女海賊22/08/05(金) 22:28:39
「……ジハハハハ!よく来たなベイビーちゃん?」
私たち二人は王宮に召し上げられ、謁見の間に案内された
敷居を隔てた先には金獅子がいるが、私たちは膝をついて顔を伏せ、恭順の意を示す。金獅子の顔やその姿を見ることは、できない
私がぽっと出の若い女海賊だと見て帰るように促す海賊も居たが、金獅子に良業物の刀を献上したいと告げると引き下がった
ビンズさんが言うには必要経費らしいが、私は良業物の価値に眩暈がする。業物以上の質のいい刀は、海兵にとっては憧れでもある。剣術に長けた人間にしか支給されない一級品なのだ
まして、ロビンさんやロロノアから聞いた話では、世界政府とワノ国との取引が無い今、品質の良い刀を入手することは以前より困難になっている…らしい
ワノ国産以外にも刀の生産地はあるが、最高品質のものはワノ国に限るそうだ
当然その価値は上昇し、良業物でも数千万の値がつくこともあるだろう
「刀はいい!おれの戦争にはなくてはならないものだ。ベイビーちゃんは刀は好きか?」
「私は、戦える手段があれば拘りはありません」
「……そうか、なら」
「おれの部下と戦ってみろ。勝てばベイビーちゃんたちはおれの部下だと認めてやろう」 - 55二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 22:37:19
ふ~む…部下もなんか強いのいれてそうだなぁ
大抵の武器は使いこなせるし、素手でも割と戦えるわけだから負けはしないだろうが… - 56元女海兵 現女海賊22/08/05(金) 23:06:46
「承知しました。ビーン、お前は控えていろ」
私は戦おうとするビンズさんを制して、腰の数打を抜く
対峙する相手が懸賞金7000万だと自慢している間に、斬撃を繰り出す
「”竜巻”!」
太刀ではなく刀を使った、見様見真似の斬撃による奇襲。だが、相手はそれに盾を構えて対応した
どうやら、飛ぶ斬撃にも問題なく対応できる相手のようだ
(なら接近して”指銃”で……)
「運が悪かったなお嬢ちゃん!」
「!?」
次の瞬間、相手の盾から斬撃が飛び出した - 57元女海兵 現女海賊22/08/05(金) 23:29:55
斬撃の精度も、速度も威力も本職のそれとはかけ離れていたのがよかったのか
私は紙絵で斬撃を避けるも、敵の追撃は止まらない。私自身が放った”竜巻”が、嵐のように私に襲い掛かる
「何でって顔してるな!?”知識”の不足は”実力”の不足と知れ!ここで何も出来ずに死んでいけ!」
(……”貝”か!)
音を封じ込める貝があるのなら、恐らくは斬撃を吸収する貝も存在するのだろう
右に左に上に下にと斬撃を躱しながら、私は敵の能力を考察する
(献上品が刀だったので、私を剣士と見て剣士殺しの海賊をあてがったとするならば、金獅子はいい趣味をしているな……)
(あとでぶっ殺してやる)
しかし、相手にとっては残念ながら私は剣士ではなかった。辛うじて武装色を纏えはするが、一秒だって黒刀化出来たことはないのだ
私は右太腿のホルスターを抜き、正確に相手の盾を撃ちぬいた
「!?」
貝の盾で防御する関係上、上手く隠していても吸収部分は必ず貝だ。武装色を持たない相手が持つ貝なら、鉛玉必発で破壊できるのだ
「……もう勝負はつきました。降参しませんか?あなたに勝ち目はありません」
相手の顔には明らかな動揺があり、戦意を喪失していた。私が銃を構えながら相手に提案したとき、私の全身を黒い稲妻が襲った
「……!?」
その稲妻に屈し、意識を手放しそうになった瞬間、私は咄嗟に刀を足に刺して堪えた。そうしなければ、私は敵の前で無様に気絶していただろう。
そして、目の前で意識を失った海賊のように、金獅子に鉛玉をぶち込まれていただろう
「いーい戦いだったぜベイビーちゃん。今日からベイビーちゃんたちは、こいつの代わりだ。せいぜい尽くしてくれ」 - 58二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 23:45:28
- 59二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 23:49:22
- 60二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 23:51:31
- 61二次元好きの匿名さん22/08/06(土) 00:08:29
- 62二次元好きの匿名さん22/08/06(土) 00:14:52
しかし…先生は何考えてんのかね?相手はシキだぞ?ガチもガチの海賊でリアル黒ひげよろしく部下を気軽に粛清して上下関係植え付けてくるようなクズだぞ?
- 63元女海兵 現女海賊22/08/06(土) 10:19:14
そして私は
全身を強烈な威圧感が襲う中で、姿を現した金獅子の姿を見た
頭部に舵が刺さり、両足を大業物で備えた金髪の……
……皴一つない若い大海賊の姿が、目の前にあった
(!??)
「ベイビーちゃんに最初の仕事だ。そのゴミを掃除しとけ!ジハハハハ!」 - 64二次元好きの匿名さん22/08/06(土) 10:27:21
モドモドぉおおおおお!?
- 65元女海兵 現女海賊22/08/06(土) 16:43:37
「……よくやった新入り。俺たちも活きのいい海賊は大歓迎だ。八つ当たりで俺たちが撃たれなくてよくなる」
「お前はどこの島の出だ?」
シキが去り、海賊の死体を墓地に埋葬した後で、恐らくは傘下であろう海賊たちが私をそう労った
「あれが金獅子のシキ親分……なのですか?それとも金獅子の息子?」
「新入りが知る必要はねぇ。まずは王宮の下働きからだ。きっちり働きやがれ!」
「はっ、承知しました!」
当然と言えば当然だが、ビンズさんもご老人も私に作戦の詳細を説明してくれた訳ではない
金獅子がなぜ若いのか、あれが本物のシキなのかは私には分からない
今回の私の任務は、金獅子海賊団に潜入しその戦力を調査すること
そして、金獅子海賊団が人質として捕らえている島民の居場所を見つけることだ
金獅子に従わされているメルヴィユの住民や、その傘下の島々の重要人物は、親族を捕らえられているのだ
(……待っていて下さい。必ず、探し出してみせます!) - 66元女海兵 現女海賊22/08/06(土) 20:55:21
王宮に潜入して数日
捕まっている市民を捜索せんと意気込んでいた私だったが、思ったより早くその機会はやってきた
カビの生えかかったパンと水だけという悪意にまみれた粗末な食事を、地下に居る”囚人”に届けるようにと仰せつかったのだ
地下には、骨と皮だけになった男たちが力なくうなだれていた。
彼らの気配から覇気を感じ取ることは出来ない。絶望し死を待つだけの生ける屍と化している
(市民を何だと思っているんだ!?)
島民のことを己の船の船員としか思っていないであろう仕打ちである。間違っても、護るべき存在に対するものではない
何より許せないのは、その仕打ちを受けている中に幼い子供も居たことだ。聞けば、植民島の村長の息子だという
「……ここには女性も集められていると聞いたが、少年は何か知らないかな?」「……知らないよ」
ビンズさんの問いかけに答える人がいた
「……女なら後宮に居る。男は、例外なくこの地下牢のどこかにいる」
そう答えた男には、他の島民らしき人たちとは違い腕に羽が無かった
私はふと、ビンズさんの様子がおかしいことに気付く。その男を見てから、彼は涙を堪え拳を握りしめていた
男はにっこりとほほ笑むと、周囲に気取られぬようにそっと唇に人差し指をあてた。
(……もしや、この方も海兵……?)
「……かたじけない。よく今まで耐えてくれた……!」
「ビーン。ここに長居しては怪しまれます。すぐに移動しましょう」 - 67二次元好きの匿名さん22/08/06(土) 23:22:10
ルフィ達がインフレしたから全盛期のシキが相手になるんだな
- 68二次元好きの匿名さん22/08/06(土) 23:24:20
女海兵ちゃんじゃ戦いについていけなくない?
- 69二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 08:47:35
万能ではあるが、四皇やその幹部と善戦できるかと言えば…
- 70二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 08:58:12
良い線までいけそうな気はするけど、倒せないな
- 71元女海兵 現女海賊22/08/07(日) 11:47:46
それからしばらくの間、私たちは王宮内の構造を把握して後宮の位置や、兵の配置などを把握した
シキの一味はかつての大海賊の名残か、それともここ最近で兵力を増強したのか、新世界でも通用する強者が揃っていた。ビンズさんならばまだしも、私が単独で対峙すれば敗北は必至であろう強者ばかりだ
今日も今日とて海賊たちに訓練と称して戦いを挑み敗北しながら、私は必死で勝ち筋を考える。連中の得意分野で挑んでも、今すぐに勝てる可能性はない。ならば、連中の弱点を探り罠に嵌めるしかない
シキの部下達は、武装色を硬化させ刀を一時的に黒刀化させられるような強者がダース単位でいる。覇気使いでなかったとしても、一芸に秀でた猛者たちだった。私が最初に戦った海賊は、彼らの中でも新参だったという
(……しかし、これだけの強者たちが何故今まで無名だったのだろう。彼らの手配書を見た覚えがない……)
担当海域が違うから、とは思えない。普通海賊というのは各島を荒らして名声と実力を上げるものだ。何か別の理由があるはずだった
「ビンズさん。敵のおよその兵力は把握しましたが、私たちは何時まで待機すればよいのですか?応援を要請すべきではないでしょうか」
人間に深海の深さが計り知れないように、今の私には彼らの兵力が七武海級なのか、それとも四皇と呼ばれるに値するのかは分からない
ただ、今の我々に兵力が不足していることは明らかだった
「……今は機を待て。機会は必ず訪れる!!」
しかしビンズさんには、勝利への確信があるようだった。 - 72二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 19:42:39
保守
- 73元女海兵 現女海賊22/08/07(日) 21:18:28
実際、機会は私の知らないところで訪れていた
「よっし、着いたぞ!ここが……!」
「……浮遊する秘島メルヴィユ。私たちよく五体満足で来れたものね」
「いい舵取りだったわジンベエ。フランキー、サニー号の状態はどう?」
「いい航海士が居たお陰じゃわい
……空島か。太陽がより近い場所じゃのう」
人知れず、”麦わらの一味”がこの島を訪れていたのだから - 74二次元好きの匿名さん22/08/08(月) 00:00:45
保守
- 75二次元好きの匿名さん22/08/08(月) 00:41:16
- 76二次元好きの匿名さん22/08/08(月) 06:55:27
- 77二次元好きの匿名さん22/08/08(月) 07:20:54
ゼファー先生は青キジ以上の穏健派
Z先生は赤犬以上の過激派ってイメージ - 78二次元好きの匿名さん22/08/08(月) 17:20:15
保守
- 79二次元好きの匿名さん22/08/08(月) 17:33:18
このレスは削除されています
- 80二次元好きの匿名さん22/08/08(月) 17:34:07
このレスは削除されています
- 81二次元好きの匿名さん22/08/08(月) 17:35:29
今の世の中……女海兵ちゃんは麦わらの一味と一緒にいた方がいいと思う……
- 82二次元好きの匿名さん22/08/08(月) 17:49:19
- 83二次元好きの匿名さん22/08/08(月) 21:26:56
- 84元女海兵 現女海賊22/08/08(月) 21:39:19
「……何か周囲が騒がしいですが……」
「オウ新入り共!警戒態勢を敷け!親分が出撃する!」
「出撃!敵ですか!?相手は!」
「敵になるかどうかは分からんがな。麦わらとかいう若造だ!」
その言葉を聞いた瞬間、私は頭を覇気入りの鉄拳でぶん殴られたような衝撃を受けた
(……どうして)
何故彼らは、ここに来たのだろうか? - 85元女海兵 現女海賊22/08/08(月) 22:19:13
「ぼさっとするな、女海賊」
先輩海賊について行こうとした私を引き留め、ビンズさんは自分の部屋に私を連れ込んだ
「ビンッ……ビーン!?」
「流石の金獅子海賊団も、”麦わらの一味”のことは無視できない。腕利き連中の”見聞色”が麦わらの一味に向けられている今仕込みは終わった」
何とビンズさんは麦わらの一味の到着を予期していたようだ。私はそのことについて聞きたい気分だったが、
「仕込み、ですかそれは一体……!?」
「毒草百種の種を王宮各地に撒いた」
「!!」
「繁殖した植物を合図にゼファー先生たちが突入し、捕虜たちを救出し、そして金獅子のシキを打倒する……!!」
この計画を話したということは、ビーンさんや上司であろうご老人から信用された、ということなのだろう
正直、どうして私が信用に値したのかは分からない。だが、海兵からの信用は、今の私にとって命より重い
(麦わらの一味に居た時より前の……
海難事故で死んでいった仲間たちのことを思い出す)
私はそれを振り切るように、ビンズさんにあるものを手渡した
「これは?」
「”ポップグリーンの種子”です。強い衝撃を与えると強力な食人植物が発芽します。ビンズさんの能力があれば、恐らく格上にも通用すると思います」
信用には、こちらも信用で報いるべきだった - 86二次元好きの匿名さん22/08/08(月) 22:39:24
自然あふれるメルヴィユで
モサモサの実の能力者が居る
……強い! - 87二次元好きの匿名さん22/08/09(火) 07:26:26
原作の世界情勢が地獄過ぎてメルヴィユは平和だな……
- 88二次元好きの匿名さん22/08/09(火) 08:11:23
- 89元女海兵 現女海賊22/08/09(火) 18:55:55
麦わらの一味を利用して金獅子を出し抜き、捕虜を救い出す
それが私たちの計画だったし……今、まさに成就しようとしていた
「舐めた真似をしてくれたなぁ、ベイビーちゃん?」
「ぐぅ…!」
私は金獅子に捕まり、麦わらの一味の前に引き出されていた
ビンズさんの姿はない。彼は無事逃げおおせた。計画の成就まで、あともう一歩だった
(あの人ならきっとやり遂げてくれる)
後は私が、時間を稼ぐだけでいい
「他所の船に忠誠を誓っておきながら……
筋も通さずに主を変える。ジハハハハ……笑えるじゃねぇか、なぁ?」
シキが歩き、剣の刃が私の掌を貫いた。葉巻の炎が私の頬を焼く
「うああああ!」
「アンタ……!」
「てめぇ!女海兵ちゃんに何をしやがる!!」「待たんかサンジ、ナミ!」
「良く分かってるじゃねぇか、海侠の。海賊の世界には仁義ってもんがあんだよ!
……ベイビーちゃんは大方、ニューゲートが死んで海兵になったクチだろう?
どこの世界も、そういうニワカ野郎が、海兵や海賊の質を落としていく」 - 90二次元好きの匿名さん22/08/09(火) 21:20:22
- 91二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 07:29:41
シキさん若返っても老害説
- 92二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 08:18:24
思考と経験値は変えられないからな
- 93元女海兵 現女海賊22/08/10(水) 18:24:00
「なぁ麦わらの」
突如激高した金獅子は、あっさりと冷静になった。もう私には用はないと言わんばかりに、私の掌から剣を抜いて麦わらの一味と相対する
「何だ?おっさん」
「お前も政府のカス共には恨みがあるクチだろう?
聞けば兄貴分を助けに行ったそうじゃねぇか。そんな気概のある奴は俺の時代にも居なかった……!
今回の無礼は水に流そう!!
俺と一緒に、世界を奪らねぇか?」
……その言葉に、私は凍り付いた - 94二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 19:00:14
- 95二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 22:33:08
- 96元女海兵 現女海賊22/08/10(水) 22:42:11
捕まってないですめっちゃ元気です
シキ親分にメルヴィユを観光させてもらって空の旅をしながら宮殿に招待した時に、一味が女海兵ちゃんのことを捜している&女海兵ちゃんが一味の実質仲間みたいなもんで仁義も切らずに来たと知って女海兵ちゃんにブチギレました
フランキー兄貴とロビン姉貴が船番です
「……っ!」
”麦わらの一味”と”金獅子のシキ”がもしも手を組んだら
自由に空を飛び越える手段を一味が、新世界のあらゆる天候を乗り越える手段をシキが手に入れたら
それはこの世の終わりを意味する
「悪いけどいいよ、剣のおっさん。この島を案内してくれたのは楽しかったけどよ……
同盟は友達とするもんだ
俺たちはそいつに話があって来ただけだ。そいつ、俺の友達だからよ」
「…!?……!!!?」
金獅子のシキは明らかに驚愕していた
「心配したぞ女海兵。チョッパー、手当頼むな」
「任せろ!!」
- 97二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 23:14:55
思い人に告白してフラれるのはこれで二度目のシキさん
尚前の男が忘れられない模様 - 98二次元好きの匿名さん22/08/11(木) 08:09:12
保
- 99二次元好きの匿名さん22/08/11(木) 08:20:09
まーたふられてやんのw
- 100二次元好きの匿名さん22/08/11(木) 13:58:59
シキさんの中のロジャーポイント+1
- 101元女海兵 現女海賊22/08/11(木) 14:39:04
「……正気かいお兄ちゃん
おめぇ今……世界の支配者になる権利を手放したんだぜ……?」
私はチョッパー先生の手当を受けて立ち上がり、二人の対立を固唾を飲んで見守った
動きたいのに、明らかに標的は隙だらけなのに、金獅子から放たれる威圧感が私に行動の自由を許さない
「……おれは海賊王になりてぇんだよ!支配したい訳じゃねぇ!!
支配なんてしたらおれは自由じゃなくなっちまうだろうが!」
ルフィの返答は変わらず
その答えを聞いた金獅子は、何を思ったのだろうか
「……!!そうか……!お前も所詮は浮かれたニワカ野郎だったか!
いいだろう!
高みに昇った気になった若造には!
決して届かねぇ場所があることを教えてやる!
野郎どもぉ!!戦争だ!!!」 - 102元女海兵 現女海賊22/08/11(木) 17:10:57
その言葉と共に金獅子海賊団の精鋭たちが入り込み、メルヴィユ全体が揺れた
「地震か!?空だろうここは!」
「ナミさん、海兵ちゃん、俺に捕まって♡」
「結構だ!気を付けろ!”金獅子のシキ”は、触れた物質を浮かせて操る!今、奴はこの島を…」
「ゾロ!来るぞ!」
私が警告を言い終わらない内にルフィの警告が飛ぶ
シキが島全体を動かし不安定な足場の中で、一人影響を受けない金獅子の斬撃が一味に迫る
(……あ……)
小手調べでしかない、しかし明らかに格の違う一撃
死を覚悟する暇も与えられず私がその斬撃に飲み込まれようとした時、三刀の黒い光が斬撃を阻んだ
「俺たちを殺したけりゃあ……四皇でも連れてくるんだな!」
「活きの良い部下が居るじゃあねぇか、麦わらぁ!」
「ゾロ!サンジ!ここでシキ達をぶっ飛ばすぞ!」
「「了解!!」」
「…ではワシらは露払いといこうかのう。女海兵、事情を聞いてもええか?」
「筋を通さず一味を抜けたことは謝る!だがここには、海兵たちが囚われているんだ!」 - 103二次元好きの匿名さん22/08/11(木) 17:21:51
このシキだと武器を浮かせて飛び道具にしたりするとかみたいな安易なわざじゃなくて島を割って押しつぶすくらいは、やる
- 104元女海兵 現女海賊22/08/11(木) 20:32:46
「…そうか、それは難儀じゃったのう。しかし島民を救出するにも、まずはここを切り抜けねばならんな。……”唐草割正拳”!!」
ジンベエ親分が迫ってくる幹部を殴り飛ばし、魚人空手の一撃で追撃を加えながら言う。口調とは裏腹に余裕はない
魚人空手も魚人柔術も、水中で使う技術であるため親分の戦闘能力には全く影響しない。だが、熟練の覇気使いがダース単位で攻撃してくるのだ。親分はその対応にかかりきりになった
私も斬撃を飛ばし、あるいは銃でそれに加勢する。大した威力ではないが、無いよりはマシだろう。
「ジンベエ、これを使って!”レイン・テンポ”!!」
劣勢になりかけたところで、ナミが雨を降らす。迫りくる四皇幹部は水浸しになり、ジンベエ親分は効果的な援護を受けてその体の覇気を強めた
「ナミ、これは助かる!”海流一本背負い”!!」
水で出来た巨大な槍が、月歩で飛びかかって来た幹部に直撃し幹部を吹き飛ばす。吹き飛ばされた幹部に、そげキングの追い打ちが突き刺さり彼らは動く事さえできなくなる
(……格が違う……!)
私から見ても圧倒的な強者だった金獅子海賊団の船員たちは、次第にその数を減らしていた - 105二次元好きの匿名さん22/08/12(金) 06:33:56
保守
- 106二次元好きの匿名さん22/08/12(金) 06:38:20
二年後のそれも四皇倒せた一味だもんな、クッソ強い
- 107二次元好きの匿名さん22/08/12(金) 10:43:23
一方、金獅子のシキと対峙するルフィ達は……蹂躙されていた
自らの手で宮殿を破壊し、自在に空を飛ぶシキに対して、ゾロは地上から斬撃を飛ばし、ルフィは”バウンドマン”を使いサンジと連携して空を舞う
……そうしてシキの見聞色を上回り攻撃を与えた瞬間、上空から武装色を帯びた”獅子雪崩”の直撃を受けたのだ
無数の武装色を帯びた巨大な隕石の流星群は、攻撃力と速度だけなら大将藤虎のそれを上回る
本拠地を傷つけぬように、シキはあえて上空に二人を誘い込んでいたのだ
釣られて飛び出してきたゾロに駄目押しの”威国”を与え、能力と斬撃による遠距離からの飽和攻撃を仕掛ける
「どうした?俺をぶっ飛ばすんじゃなかったのか?案外骨がねぇじゃねぇか、ガキ共ぉ!!!」
シキも決して無傷ではない
体にはいくつかの刀傷と打撃の跡があり、船医の治療も必要だろう
しかし、ゾロとサンジという両翼は膝をつき、シキに立ち向かえるのはルフィのみとなっていた
「骨なら幾らでもある!ハァ……ハァ……!”スネイクマン”!!」
”麦わら”と”金獅子”の激闘によって荒れる空を、老兵と海兵たちが眺めていた
「……これよりおれたちは王宮に侵入する!総員突撃ぃ!」 - 108元女海兵 現女海賊22/08/12(金) 22:05:00
「地下牢の島民と海兵たちを解放する!地下牢はこっちだ!」
「混乱を拡大するためにはそれも必要じゃな」
「あ、今パンツ見えちゃいました…!」「ブルック!後でしばきたおすわよ!?」
ジンベエ親分を先頭に、金獅子海賊団の猛攻を凌ぎながら私たちは地下牢へと向かう
思いのほか海賊団の数が少なかったのには理由があった
……ビンズさんの工作によって、金獅子海賊団の主力は多種多様な毒草の中に埋もれていたからだ
特に強力な覇気使いの部屋に催眠効果のある毒草の種子を仕込んでおき、戦闘する前に奇襲する
いかな武装色の使い手でも不意打ちで複数の猛毒を喰らえば、本来の実力は発揮できないというわけだ
「……地下牢!」
そして目的の地下牢に到達したとき、私たちはあのご老人と再会した。老人の背後には、牢から解放された少年や羽毛を生やした島民、そして海兵と思われる男たちの姿もあった。私は島民たちが解放されたことに、安堵のため息を吐く
「げぇっやべえ!!逃げようぜナミィ!ジンベエ!」 - 109二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 07:22:25
保守
- 110二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 08:07:16
海賊よりもエゲツねぇ
- 111元女海兵 現女海賊22/08/13(土) 08:55:37
「……!女海賊!ビンズはどうした!?」
ご老人はまずジンベエ親分を見て、それから私を見た。ビンズさんの居場所を問いかけるその姿には、その顔には、これまでにない焦りの色があった
捕まっていたメルヴィユ人達は、困惑した様子で事の成り行きを見守っていた
「宮殿で逸れました!」
「焦ったか…!ヴェット!難民をつれてここを避難しろ!女海賊!”後宮”への道は分かるか!」
「承知しています!」
「どうやら争っている時間は無さそうね!共闘して捕虜の解放と行きましょう!」
海兵にとって”四皇”となった麦わらの一味は不俱戴天の仇でもある。だが、それを利用でもしなければ、あのシキに勝つことなど到底出来ないのだ
「そこまでだ!メルヴィユ人共!家族を皆殺しにされたくなければ全員牢に戻れ!……何でお前がここに居る!?」
話がまとまりかけたところで、シキの部下たちが地下牢に到達する。その中には、私と懇意にしていた先輩海賊や魚人族の傘下海賊の姿もあった - 112元女海兵 現女海賊22/08/13(土) 17:31:47
「申し訳ありませんが、私は金獅子海賊団の敵です!」
そう宣言しながら、私は海兵たちの後ろにいる島民から遠ざかり、金獅子海賊団との交戦に入る
これで相手は私を集中して狙うだろうし、戦闘の余波で島民が傷つくことも無い…筈だった
甘かった
私は、どうやら自分で思っていた以上に世間知らずだったらしい
「おい、何で牢に戻ってんだおっさん達!?」
「!??」
……咄嗟に後ろを振り返れば、まだ幼い子供を除いて、解放した筈の島民たちが海兵の手を振り払って自ら牢に戻ろうとしていた
それを見た魚人族の海賊が笑う
「当然の判断だ!!腕に羽根の生えた珍しい人種!例えるなら”鳥人族”てとこか!?
”外”の世界に出たら最後、メルヴィユ人は”奴隷”として売りさばかれる!
……コイツラは支配されることで、親分に”守って”もらってんだよぉ!!」 - 113二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 21:34:30
シキの統治は奴隷として売られないだけカイドウよりマシ程度か
なおダフトグリーン - 114二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 21:36:21
どっちも地獄
- 115元女海兵 現女海賊22/08/14(日) 09:26:01
「
「黙りなさい!貴方たちはただ、支配する口実が欲しいだけだろう!
……皆さん諦めないでください!海軍は必ず……」
「てめぇらを奴隷にする!親分に家族を殺されたくなかったら持ち場に戻りやがれ!!」
「このっ…!」
海賊というものは船乗りだ。先の見えない航海を続ける人種にとって、何よりも大事なのは大衆を先導し意思を統一させるべく大衆を扇動するための弁舌であり、声の大きさだ
魚人族の海賊は新参者でありながら、それを備えていた
「島民の皆様
……家族に、会いたくはありませんか?」
そこで、今まで黙っていたご老人が島民に優しく語りかける
「……そりゃあ会いてぇよ!俺の家には寝たきりの母親が居るんだ……!でもっ!」
「元”海軍大将”黒腕のゼファーが約束します
……ここには報告すべき”珍しい人間”など居ない!
ただ、家族に会うべき人たちが居るだけだと!」
それは海軍としての矜持か、それともご老人が持つ信念か
市民に希望を与えるため、ご老人の説得は続いていた - 116二次元好きの匿名さん22/08/14(日) 15:36:16
(ふむ……)
一方、ジンベエは冷静に状況を観察していた
島民たちに刻み込まれたシキ、そして外界の海賊に対する恐怖は相当なものだろう
世界政府に対して事実に則した教育も行われていることを考えると、脱出への希望が先の見通せない絶望に変わることは充分考えられる
ジンベエ達麦わらの一味が説得したところで、島民たちが海賊の言葉を信用することは無い
(唯一可能性があるとすれば
あの老兵しか居らんじゃろうな)
島民たちが信頼できる身元の確かな人間。それが必要だと、ジンベエは判断した
「皆手出し無用じゃ。ここは海兵を信じよう」
「何言ってんだ正気かジンベエ⁉」
「ヨホホホ……いいえ、あのお若い義手の方は中々の御仁ですよ?ご覧下さいウソップさん」
島民たちを牢に戻すべく、魚人族の男が女海兵を圧倒しようとしていた
「覚悟ぉ!裏切り者がぁ!」
魚人空手、三千枚瓦正拳を女海兵に撃ち込もうとするその瞬間、老兵が動いた
”剃”すら使用せず、ただの一歩で女海兵の前に割り込むと、差し出された魚人海賊の右腕をとり、相手の力を利用して投げる
(今、腕が折れたのう)
「今は話し合いの最中だ。寝ていて貰おうか」
自らの力を利用され飛ばされた魚人海賊は、何が起こったのかも分からずに気絶した
「流石は”かつて金獅子のシキを倒した”海軍大将の一角じゃ」
ここぞとばかりにジンベエは老兵を持ち上げる。シキを打倒したのはゼファーではないが、大将に敗北したことは事実でもある
「え、金獅子を……?」「おじさん、シキを倒したの!?」
「皆さん、我々海兵は海賊”金獅子”を倒す策があります
ここは我々を信じて、避難していただけないでしょうか」
島民たちは老兵に従い、海兵に誘導されて避難を開始した - 117元女海兵 現女海賊22/08/14(日) 22:50:35
「ゲホ……!」
私はチョッパー先生の背に乗せてもらい、銃で味方を援護していく。魚人空手で受けた痛みでわき腹が悲鳴を上げるが、今は気にすべきではない
痛みを嘆くのも己の浅はかさを恥じるのも、全てが終わってからでいい
覇気使いの強敵は、ジンベエ親分が水浸しにした後にナミの……いや、ゼウスの猛攻を喰らい撃破されていく
何故か若返ったという古参の金獅子海賊団幹部たちは、ソウルキングやそげキングの奇襲を受け、ご老人や海兵たちに捕らえられる。捕まえた海賊たちを移送するために、海兵たちの数も徐々に減っていった
(奇跡だ……!)
絶望的な戦力差の筈だった。それを覆したのは、ビンズさんと麦わらの一味
彼らに報いる為にも、もうひと働きと弾丸を補充したところで、海賊たちが持っていた電電虫からシキの声が響き渡る
『ジハハハハ……!そこまでだヒヨッコ共!
随分と無駄な抵抗をしているようだが、本物の海賊に……太刀打ち出来るなんて思っちゃあいけねぇよ……!!
”麦わらのルフィ”はこのおれが討ち取った!!!』 - 118元女海兵 現女海賊22/08/15(月) 10:15:11
管制室の映像電伝虫には、巨大な水に捕らえられたルフィと、それを解放しようとシキに挑む両翼の姿があった
シキも無傷ではないようだが、両翼を相手にしてまだ余裕がある口ぶりだった
「ルフィが…!?」
私は愕然とする。微かに灯った筈の希望が、跡形もなく消し飛ばされたような気さえする
「ルフィが負けっぱなしで終わる訳がねぇ!」
「……問題はあの水をどうするか、ね。ジンベエ、あんたの”魚人空手”でアレを解放出来る?」
「”魚人柔術”ならば可能じゃ。あえて知らせたのはこの先に進ませたくないが故の釣りじゃろうが……
乘らんわけにもいくまい!」
「俺も行くぜジンベエ!ルフィがやられるのを黙って見てられるかよ!」「私も同行させてくれ!」
麦わらの一味のうち、ブルックとナミ以外の面々は管制室を離れ、ルフィの解放を目指す。私も海兵から狙撃銃を受け取って、それに同行することにした
大した戦力にならなくとも、武装色で弾かれようと、狙撃手が居るというだけでシキに圧力をかけることは出来るだろう
……ルフィを解放しなければ、この戦いには勝てないのだから - 119二次元好きの匿名さん22/08/15(月) 10:32:57
海兵ちゃん…!健気でかっけぇよ…!
- 120二次元好きの匿名さん22/08/15(月) 10:57:52
最後どうなるか気になる…!
- 121元女海兵 現女海賊22/08/15(月) 17:23:11
「シキの注意を惹くために、私だけ別行動するのはどうだろう?」
相手は麦わらのルフィに勝った大海賊。単純に狙撃したところで、万に一つの勝ち目も無いことは明らかだ
ならば、シキにとって鬱陶しい狙撃手を本命のジンベエ親分とは別に配置して、ジンベエ親分にルフィを解放してもらうべきだ、と私は考えた
「いいやワシに策がある!四人全員で一丸となって動くぞ!チャンスは一度きりじゃ!」
ジンベエ親分の立てた策は無茶なものではあった
恐らく海軍であればこんな無茶は許可されない。だが、ここに居るのは海兵ではなかった
「全員が力を出し切れば、必ずやれる!船長たちを解放するぞ!」 - 122元女海兵 現女海賊22/08/15(月) 17:36:18
私は狙撃が可能な場所に移動し、既に満身創痍でありながらシキに立ち向かう両翼と交戦し笑みを浮かべているシキの隙を伺う。
(”見聞色”は、対象の気配を察する覇気だ。シキが持っていないはずもない。私の居場所を察しているかもしれない…)
女海兵の掌に汗がにじむが、必死でシキの動きが止まる瞬間を待つ。サンジとの空中での高速戦闘をこなすシキは、目で追うことすら困難だ。女海兵は雑念を捨て、狙撃することだけに神経を集中させていく
幸運なことに、シキの注意は今、両翼に向けられていた
金獅子のシキにとっての優先順位は、何よりも強者を支配することだ。その心を折り、屈服させ、自らの傘下とすることこそ、全盛期の肉体を得たシキにとっての信念
(…麦わらも、その部下も)
かつてロジャーの時に成しえなかったことを、今成し遂げる
その欲望が、シキ本来の広範囲の見聞色を弱らせていた
……そして、好機は訪れる - 123二次元好きの匿名さん22/08/15(月) 17:45:17
いけ…!
- 124二次元好きの匿名さん22/08/16(火) 00:14:15
保
- 125元女海兵 現女海賊22/08/16(火) 09:57:38
「”魔神風脚 首肉ショット”!!!」
「”閻王三刀龍 飛龍侍極”!!!」
飛行するシキの上下から、両翼の奥義が放たれる
速度も威力も最早人間の出せる限界を超えたそれを
シキはその覇気と能力でもって防ぎ切る
「”斬……」
シキが自分により深い傷を与えるであろう、”覇王色の覇気”の使い手…ゾロに対するカウンターを試みた瞬間
私はシキの左太腿に向けて引鉄をひいた - 126元女海兵 現女海賊22/08/16(火) 15:48:12
シキの誤算は幾つかある
私を敵として認識し警戒しなかったことは全くもって正しい
シキと私とでは、力量に文字通り天と地の差があるからだ。本来ならば、いくら強者と戦っていても不意打ちなど成功しない
シキの誤算は、王宮に海兵たちが突入したことだ
彼らが所持し、彼らから借り受けて私が使った狙撃銃は、海軍のSSGが開発した最新式のものらしい
22年間の技術と経験の蓄積によって、金獅子の時代よりも弾速、威力、射程全てが向上している
一握りの天才たちが寝る間も惜しんで開発したものが凡人たちの手に渡り、怪物と凡人に存在する天と地の差が僅かに縮まった
だからこそ、圧倒的な力量差にも拘らず狙撃が成功したのだ
「……まだだ……!」
私はすぐさま二発目の銃弾を放つ
(シキに当てられなくてもいい……
ただ牽制になりさえすればいい……!)
シキが私に向けて能力を使った隙を逃さず、ゾロの渾身の一撃がシキの義手となっていた左足の名刀を斬った - 127二次元好きの匿名さん22/08/16(火) 21:35:10
保守
- 128二次元好きの匿名さん22/08/16(火) 22:37:57
- 129元女海兵 現女海賊22/08/16(火) 23:40:29
「”必殺緑星 バクン草”!!」
「”毛皮強化”!!!」
私に向けられた死の獅子達が、そげキングの射撃によって喰らわれていく
バクン草を躱し私たちを押しつぶさんとする獅子は、チョッパー先生の毛皮によって阻まれた
「ありがとう、ウソップ、チョッパー先生…!」
「良いってことよ!チョッパー、動けるか!?」
「ハァ……!ビッグマムの攻撃に比べたら、大丈夫だ!」
こうして、私たちは辛くもシキの攻撃から生き延びた
そうしている間にも、シキと両翼の激しい攻防は続いている。片足を失ったシキの動きは、片足を失う前よりも激しさを増していた
左太腿を撃ちぬかれた痛みなど無い。あるのは、遥か格下からの傷を許した自分に対する怒り
(ジハハハ……おれもヤキが回ったようだが……
何も怒ることはねぇ!失った木枯らしの代わりは、目の前にあるじゃあねぇか!
……それも、三本もだ)
結局、シキにとって麦わらの一味は”格下”なのだ。空を統べる男として、冷静に能力と覇気を使い追い詰めていけば負ける相手ではないのだ
その大海賊としての奢りが、シキにとって予想だにしない事態を招く
「”魚人柔術 海流一本背負い”!!!!」
……水の牢獄に囚われていたルフィが、ジンベエの手で解き放たれたのだ - 130元女海兵 現女海賊22/08/17(水) 10:22:29
「ざまを見ろ!高いところから見下ろしているから、足元を掬われるんだ!」
私はシキをそう挑発する。後はルフィを避難させ、ご老人たちが最後の捕虜を解放するまで時間稼ぎをすればいい
だからこそ、ここでシキを更に怒らせねばならない
だが、シキの反応は冷めていた。絶対的な支配者の威厳と余裕を崩さず、私達全員を見下した
「ジハハハハ……!”心綱”の勉強でもしてな、ベイビーちゃん?」
「!?」
「……ルフィの気配がねぇ……!」
「その通りだ。”麦わら”は死んだ……!
若い割には骨のある奴だったが、所詮はミーハーな……!?」
シキがその言葉を言い終わる前に、周囲に音が響き渡る
「何だこれは…?地震…?」
「いや、こりゃあ…!」「あの時の音だ!」 - 131元女海兵 現女海賊22/08/17(水) 15:35:46
「……?」
まるで太鼓の鼓動のような、聞いた人間の心臓に訴えかけてくる音
その音と共に、死んでいた筈のルフィが生き返った
(いや……ジンベエの人口呼吸と心臓マッサージが間に合っただけのはず……)
なのに、そうとは思えない。
ルフィの様子が今までとはまるで違う。髪は逆立ち、全身が白く輝き、そして…
笑っていた
あの金獅子のシキを前にして、屈託もなく笑っていた
「ありがとう皆!あと待たせてごめん!」 - 132元女海兵 現女海賊22/08/17(水) 23:24:18
それから私は、目玉が飛び出るくらい驚いた
いや、本当に目玉が飛び出ていたかもしれない
「……何者だてめぇはぁ!??」
「俺はルフィ!海賊王になる男だ!」
シキとルフィとの激闘は、それまでとは明らかに何もかもが違った
空を跳ね、雲を掴み、雪を泳ぎながら戦うルフィに、メルヴィユの別島をぶつけんとするシキ
その戦いは、あまりにも自由過ぎた
空を支配していた筈のシキが、小さく見えるほどに
「ボーっとするな女海兵!おれはゾロを診に行くから、サンジを頼むぞ!全身が切り刻まれてる!」
「わ、分かった、チョッパー先生!」
…そして私が診察したサンジは、鼻血を出して倒れた - 133元女海兵 現女海賊22/08/18(木) 09:50:57
……シキとルフィの激闘は続く
ついに本気を出したシキが複数の島をルフィにぶつけ、ルフィが島を砕くという段階に至って、私たちが居る王宮も傾き始める
「島が傾いている!?」
シキは最早、麦わらのルフィを倒すこと……それしか頭に無いようだった
「フランキーに連絡じゃ!サニー号で脱出の準備をするぞ!」
「……」
私は考える
ここで脱出するか、それとも残るかを
「……私は残る。残ってこの戦いを見届けたい」 - 134二次元好きの匿名さん22/08/18(木) 15:41:36
ニカは強い
- 135元女海兵 現女海賊22/08/18(木) 22:15:06
「では、わしも残ろう」
一味の中で最も傷が浅いジンベエ親分も、船には戻らずここでルフィを回収するつもりのようだ
私は、ジンベエ親分と共にいつしか嵐の中に突入したメルヴィユを月歩で駆ける
この戦いの結末を見届けるために
そして空では、シキとルフィとの戦闘が、互いの信念と矜持が対峙していた
私はそこで、恐ろしいものを見た
「麦わらぁ!何故てめぇはその力で”支配”しようと考えない!?
”大将”も”CP0”も!てめぇを阻むものは何もない!ニコ・ロビンの知識があれば”古代兵器”すら手中に出来るだろう!
俺と組めば”世界”を手に入れられる!何でそれが分からねぇ!」
黒い稲妻のようなものを身に纏った、圧倒的な覇者。”金獅子のシキ”がその信念でもって島を、海を、その稲妻で覆いルフィにぶつけていく
「お前と組んだって”世界”なんて手に入らねぇ!」
ルフィは巨人となって島を掴み、海をゴムのようなものに変えてシキに投げ返していく - 136元女海兵 現女海賊22/08/19(金) 07:25:42
「ここに来た時、村のガキが心の中で泣いてたぞ…”飛びたい”って!」
「そうか、見聞色の覇気か……」
「見聞色は人の心まで読めるのか!?」「”声”を聞くことは可能じゃ」
「シキ!
お前は単に自分より高い場所に人が居ることが許せねぇんだ!
だから人が飛べねぇように怪獣たちを作って村を囲ったんだろ?」 - 137二次元好きの匿名さん22/08/19(金) 18:44:27
ほしゅ
- 138元女海兵 現女海賊22/08/19(金) 23:21:12
麦わらのルフィと戦いながら、金獅子のシキは怒りに震える
こんな能力はあの時代にも存在しなかった
こんなふざけた戦いはあり得なかった
(何故今になって出てきやがった……!)
”麦わらのルフィ”はあろうことかあのガープの孫だ。だが、全ての海の中で最弱の東の海の男でもある
それが若造たちと組んでリンリンと、見習い小僧だったカイドウを殺した。”ジョイボーイ”となって
カイドウが待ち望んだ男
そしてロジャーが望んだかもしれない男が
「俺たちの時代に!生まれてもいねぇ若造がぁ!」
何故、俺の時代に居なかったのかと
……シキは、ロジャーが作った現在の時代を、ルフィが作る未来を望まなかった
彼のその在り方そのものが、見聞色を極め未来を視るという選択肢を取らせなかった
シキは己の覇王色を全て武器となるメルヴィユ島に注ぎ込む。覇者としての矜持こそが、金獅子のシキの最大の武器だった
そしてそれが、シキの敗因となった
「シキが!?」
女海兵は、シキの体が突然老いていくのを見た - 139二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 09:37:14
保守
- 140元女海兵 現女海賊22/08/20(土) 16:37:00
威厳ある若き大海賊の肉体から、突然力が失われていく
それはつまり、ご老人たちやビンズさんが本来の目的を達成したということ
「……シキの覇気が……!」
島全体を覆っていた覇気が、急速に失われていく
「ハァ……ゼェ……舐めるなガキ共!若かろうが老いていようがおれは”金獅子”だ!ゴムだろうが”窒息”は出来るよなぁ!?」
シキは覇気が失われたにも拘らず、その能力には全く衰えがない
メルヴィユの分島を操り、ルフィを挟み撃ちにしようとする
「ゴムゴムの……神風船!」「!!???」
ルフィはいきなり巨大化し、巨大な風船のように膨らんで島を跳ね返す
私はその時、シキの表情に絶望を見た
高みに昇った人間が落ちていく時の顔を、確かに今のシキはしていた
「ししし……!おれもシキも時間切れだ!帰るぞジンベエ!」
しかし、ルフィの奇妙な変身も失われていく。白く輝いていた髪は、いつものように黒髪に、巨人よりも大きな体は、人並みの身長に戻っていく
「時間切れだぁ!?ふざけるな!おれを誰だと思ってやがる!
戦いはまだ終わっちゃいねぇ!
強者だけが生き残る時代を、この俺が作る!作ってみせる!」
尚もルフィと戦おうとするシキの前に
「いいや終わりだ!そんな時代、誰も望んじゃいない!」
嵐の中で雷を放つ怪鳥に乘ったご老人が立ち塞がった - 141二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 18:59:21
ほしゅう!
- 142二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 19:50:17
Z!!
- 143元女海兵 現女海賊22/08/20(土) 22:32:15
「誰だてめぇは!?」
シキは突然現れた老齢の海兵に困惑する。シキの脳内に”黒腕のゼファー”の記憶は、ない
ゴッドバレーでシキ達の野望を打ち砕いたのは”英雄ガープ”であり、長年シキを追跡し、22年前にガープと共にシキを打倒したのは”仏のセンゴク”だ
シキと直接対峙した訳でもない元大将など、記憶にある筈もなかった
「お前の望み通りに過去から来た海兵だ!名乗る義務はない!おれの部下に手を出した落とし前は、ここでつけさせてもらう!!」
シキはご老人がバトル・スマッシャーから発射した銃弾や、雷鳥が放つ雷を軽快に躱す。シキが反撃に放った”斬波”に対して、老人はバトル・スマッシャーを盾にして己と雷鳥の実を守る
老いによって、”覇気”を充分に使えなくなったにも関わらず、二人の反射神経は異常だった。とても老人とは思えず、女海兵の片手の斬撃で援護出来るものでもなかった
それどころかシキが制御し切れなくなった島から、土砂や家屋が降り注ぐ。私はそれを躱しきれず、ジンベエ親分の正拳で守ってもらう始末だった
(…ここまでの差が…)
差があることは分かっている。ただ、悪の頂点にいるような人間に対して今、何もすることが出来ない
その己の不甲斐なさに、私は唇を噛んだ
「……悔しいなら、どれだけ悔しくとも生きることじゃ。生きて、鍛えて、己のすべきことのために戦う
……何かを守りたいなら、乗り越えなければならん」 - 144二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 09:54:54
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- 145二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 10:16:10
ほしゅ
- 146元女海兵 現女海賊22/08/21(日) 11:05:52
獅子威し、獅子・千切谷、隕石落とし、海流操作による感電の誘発
あらゆる手段によってご老人を落とそうとするシキに対して、老人はついに勝負を仕掛けた
「”剃刀”!」
バトル・スマッシャーによって隕石を打ち砕き、雷鳥から降りると打ち砕いた隕石の破片を蹴ってシキに向けて加速
下から雷鳥が、上からご老人が挟み撃ちを仕掛ける
「ジハハハハ!判断を誤ったなぁ馬鹿め!!」
この時、シキは自身の勝利を確信したのだろう。私はシキが嗤ったのを見た
”覚醒”したフワフワの実の能力ならば、生物以外の物体を触れずに浮かすことなど造作もない
たとえバトル・スマッシャーが海楼石で出来ていようとも、武装色の覇気によって守っていなければ防ぎようがないのだ
雷鳥という足場を失ったご老人のバトルスマッシャーを浮遊させ、身動きの取れない彼に、残った片足の刃を向けようとして
「スマッシャーは外せるんだよ!!」
「!?」
ご老人は、己の最大の武器だった筈のバトル・スマッシャーを強引に爆発させ、己から切り離した
そのままバトル・スマッシャーを蹴り飛ばしてシキに迫る
もしも、シキに両足が残っていれば、この状態からでもご老人に勝つことは出来たかもしれない
だが、そうはならなかった。片足から放たれた”斬波”は、老人の”鉄塊・剛”に阻まれる
「……このおれが、負ける筈がねぇ……!
ロジャーの弔い合戦をするまでは……!」
「引導を渡してやる!お前は”東の海の男”と……!
……ただの海兵に負けるんだよ……!!」
ご老人の拳が”金獅子のシキ”を打ち砕くのを、私は確かにこの目で見た