ボーノのSS少なすぎだろ!!!!卌Ⅹ

  • 1二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 21:16:47

    今日は食堂で新作ちゃんこの試食会!
    トレーナーさんと一緒に食材の買い出しへ出かけたけど……夏の暑さが身に染みてくる……!
    遠くの景色は陽炎のように歪み、頭上から容赦なく降り注ぐ日光は痛いほどに肌を焼く。
    あたしは野外活動に慣れてるからまだ平気だけど、トレーナーさんは汗びっしょりで、倒れてしまうんじゃないかと心配になってくる。

    「暑いねえ〜!トレーナーさん、大丈夫?」

    「あ、ああ……けど体が溶けてしまいそうだ」

    「そんな、ソフトクリームじゃないんだから〜。でも早く帰って涼しみたいね〜」

    「ソフトクリーム……そうだ、アケボノちょっと待っててくれ!」

    「えっ?トレーナーさ〜ん……」

    あたしが呼び止める間もなく、トレーナーさんは走っていってしまった。
    一体どこへ……?しかも、いつまで待ちぼうけてもトレーナーさんの姿は見えてこない。

  • 2二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 21:17:20

    そろそろ探しに行ってあげようかなあと思い立ったその時、ようやくトレーナーさんは戻ってきた……暑い中そんな猛ダッシュしなくても、あたしは逃げたりしないのに。
    行きと帰りで変わってたのは、前より汗だくになった体と、両手に小さな荷物が増えていたこと。

    「はあ……はあ……ソフトクリーム買ってきた!」

    「わあ……!美味しそ〜!」

    成程、これを買ったからあんなに急いでたんだね。白と茶色の渦巻きは、この炎天下ではオアシスも同然だ。見ているだけでヨダレが出てくる。

    「じゃあ……バニラもらっていい?」

    「ふぅ……いいよ、じゃあ僕はチョコってことで」

    既に溶けだしているアイスを零さないようそっと……しかし大胆に、大きな一口目をかぶりつく。

    「ん〜♪冷たくてボーノ♪アイスがあるだけで、帰り道がこんなに楽しくなるなんて!ありがとうトレーナーさん!」

    「そう言って貰えるなら、汗だくになった甲斐が有るよ……一刻も早く着替えたいけどね」

  • 3二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 21:18:10

    ハンカチで顔の汗を拭うトレーナーさん。片手で持っているソフトクリームの上半分は当然不安定になる。しかもこの気温、溶け出すのもあっという間で……。

    「トレーナーさん!ソフトクリーム落ちちゃう!」

    「えっ!?あっ━━━」

    食べものを粗末には出来ないもん。トレーナーさんのアイスに手をつけるのは申し訳ないけど、あたしの体はとっさに動いていた。
    上半身を前へ倒し、口でアイスを受け止める!
    けれど、トレーナーさんも考えていたことは一緒みたいで……。
    ガッ!

    「「痛っ!?!?」」

    おでこ同士がごっつんこしてしまった。もがくあたしとトレーナーさん。
    トレーナーさんの手元はまっ茶色、そして悲しいことに、今の衝撃であたしのアイスだったものは、無惨にも地面に白いシミを作っていた。

  • 4二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 21:18:46

    「〜!!ご、ごめんアケボノ!大丈夫か!?あ、アイス……」

    「ううん大丈夫……それより……ぷふっ、トレーナーさん、顔が茶色まみれだよ〜!」

    「えっ……うおっ!アケボノもすごいことになってるぞ!」

    「あたしも?うわあ、ベタベタする〜!」

    たぶん、あたしの口元はトレーナーさんと同じように、チョコ味のお髭を作っているのだろう。
    二人して急いでハンカチを取り出した。
    ……結局、味わえたのは最初のひとくちと、チョコの残り香だけという結果になってしまった。

    「……ごめんな、僕がぼーっとしてたせいで」

    「気にしないで!あたし、とっても嬉しかったんだよ?それに……」

    「それに?」

    「……!ううん、なんでもない!暑いし、みんなもごはんを待ってるから、早く帰ろ♪」

    「?そ、そうだね。時間をくってしまったし、急ごう」

  • 5二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 21:19:33

    少し早歩きに、トレーナーさんの半歩前を歩く。
    陽射しのせいではない、顔の内側からの火照り。多分赤くなってる。それに、変なにやけ顔になっているかもしれない。

    (ぶつかった時の、アイスじゃない……柔らかい感触……)

    それはきっと、偶然がもたらした幸運。
    それはほんの一瞬の出来事で、トレーナーさんは痛みに気を取られて気づいてすらいない。
    ムードなんて全くない、事故みたいなものだったけど……あたしにとってはビッグでボーノな棚ぼた。
    ほんの少しの申し訳なさがスパイスになって、舞い上がるハートの甘さをより艶やかに引き立てる。
    うぅ、今からちゃんこを食べないと行けないんだよね。
    ご飯を全部食べ終わった後だったら良かったのに。

    こんな風に思ったのは、生まれて初めてだ━━━。

  • 6二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 21:19:52
  • 7二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 21:20:39

    あ〜甘い…いいですね…

オススメ

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