パーマGoGoGo!

  • 1二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 20:31:17

    待ち遠しかった時が来た。ようやく自動車免許を取れる年齢になったんだ。
    免許を取った私は、早速パーマー号でドライブに出た。あての無い気ままな旅路、誰にも縛られない私だけの自由な道行。
    ……とはいっても一応まだ学生の身だから、トレーナーに同伴してもらっているけど。
    けど、念願だったパーマー号でドライブする夢が叶って、テンションテンアゲって感じ!
    もう何処までだって行ける気がするんだ!
    「と、トレーナー次どっち!?ガソリンなくなっちゃう!?」
    「えっ!?ちょっと待ってくれ検索するから……」
    「しし信号変わっちゃうって!」
    「急かすな急かすな……よしこのまま真っ直ぐ!近くにガソスタあるから!」
    「センキュー!行くよー!」
    ……気がするってだけで、旅の現実はトラブルだらけ。行き当たりばったりなんだから、当たり前だよね。
    迷子なんて当たり前、時には崖の隙間を縫うような山道に入ってしまったりもした。
    笑って焦って……そんな忙しないドライブは続く。

  • 2二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 20:32:09

    窓を開ける、潮風が海の香りを運んでくる。海岸線に夕日が沈んでいく。どこまでも続く海、あの向こうにだって……世界にはまだまだ行ったことのない場所がこんなにもあふれているんだ。
    「Fu〜!! 気持ちぃー!!」
    「爽快だなー!」
    今日は本当に楽しかった。そして、心から思う。メジロの枷をぶち破って、1歩を踏み出して良かったと。
    「ありがとねトレーナー!」
    「急にどうしたー!?」
    風の音に負けないよう、声を張り上げる。
    「トレーナーが着いてきてくれなかったら、今頃立ち往生してたよー!」
    「気にするなー!それが俺の役目だからなー!」
    道は長い。気づけば日はほとんど沈み切り、空はオレンジから紫へ、更には夜の星を散らそうとしている。
    肌寒くなって来たので窓を閉め、ほっと一息。
    「そういえばパーマー、寝床は考えてるのか?」
    「…………全然!」
    「だよなぁ」
    張り切って言うことではないけど、考えてないものは仕方ない。
    「今からどこかのホテルは……うん、検索したけど無理だな」
    「どしよっか?任せるよ」
    結局、トレーナーが近くに海水浴場があることを調べてくれたから、そこの駐車場で車中泊をすることにした。

  • 3二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 20:33:31

    こんなこともあろうかと……って言うのは準備してたトレーナーの台詞だけど。毛布1枚だけは荷物の中にあったから、それを2人で分け合う。
    車内という小さな世界の中で、誰にも邪魔されない二人だけの時間が過ぎていく。
    ダッシュボードに置いた簡易照明が、顔だけを照らしていた。
    「運転ってケッコー疲れるんだね〜」
    「一日中運転してたから当たり前だよ。ホント色んなとこに行ったなあ」
    「アハハ、荷物もかなり増えちゃったね」
    「飯も買ってたよな?俺、お腹がすいてきたよ」
    「オッケー、ちょっと待ってて━━━」
    後部座席に身を乗り出し、お土産の山を漁る。おにぎりを取り出して……そして、ふとあるものが目に付いた。
    沢山買った中でたったひとつだけ、トレーナーに選んでもらったもの。
    アクセサリーショップで買った、黒のチョーカー。

    『この辺りの地域は革製品が特産なんだってさ!トレーナーはどれがいいと思う?選んでよ〜!』
    『そうだなあ、俺のセンスでいいなら……』

    ベルト型のそれを手に取る。
    「あ、それ昼に俺が選んだ奴か」
    「うん……ありがとね」
    ベルトとか財布とか、他にも色々アイテムはあったのに。あの時の私は、自然とチョーカーへとトレーナーの視線を誘導していた。

  • 4二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 20:34:44

    昔、バレンタインの日に伝えたことがある。
    自由に生きられるようになったら、思うままに旅して暮らすのもいいかもって。
    相談に乗ってくれる人がいれば、それでいいんだって。
    今日、こうしてホントに旅して気づいたのは、一人だと自由に動き回り過ぎちゃうってこと。
    バイブスに従うままだから、トラブルとも正面衝突待ったナシだよ。
    だから、隣に誰かがいて欲しいんだ。
    わがままな私の自由を肯定して、それでいて時には手を引いてくれる人。
    暴走しちゃう私の、手綱を取ってくれる人。
    そして叶うならそれは……貴方がいい。
    私の中に貴方を、刻みつけて欲しい━━━ずっと、どこまでも。

  • 5二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 20:35:31

    「あのさ……せっかくトレーナーに選んでもらったから、トレーナーにつけて欲しいかな〜なんて……」
    「ん?いいぞ。お易い御用だ」
    トレーナーは快諾する。私のちょっとした欲望に気づかないまま。
    「はい、じゃあお願いします……」
    「じっとしててな……暗いからよく見えないんだ」
    トレーナーの手が私の首元へ伸びる。
    「んッ……んぅ……」
    皮の冷たい感触が急にやってきて、鳥肌が立つ。暖かくて固いトレーナーの指が肌をまさぐる。手元が暗くて安定しないのか、時折指遣いは乱暴になる。
    今、私は彼に全てを預けている。
    そう思うだけで、体の奥から淫靡な熱が湧き上がってきた。
    「……ふう。できたぞ」
    「……どうかな。似合ってる?」
    「ああ……バッチリだよ」
    「へへ……」
    首を撫でる。今までになかった異物が、私の首を締め付けている。
    これは、彼が私にくれたモノ。
    彼が私を縛るモノ。
    彼が私を━━━支配するモノ。
    ああ、こんなにも苦しくて━━気持ちがいい。
    背筋を伝う、ゾクゾクとした甘い痺れを脳内に焼き付ける。
    この感触を、私は一生忘れない。

  • 6二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 20:42:37
  • 7二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 20:43:03

    いいっすねぇ…

  • 8二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 22:29:55

    なんかここ湿度高くない?

  • 9二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 22:53:55

    ネチャッ、ベチャッ、パーマー

  • 10二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 22:55:55

    マッハGO GO GOとはまた懐かしい物を

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