[SS] 実は昔はガリ勉だったシャニP

  • 1二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 17:45:57
  • 2121/10/14(木) 17:46:24

    「ねぇ、君ってガリ勉の〇〇くんだよね」
    「なんだよあんた、なにか用か?」
    「えー、クラスメイトの顔忘れるなんてひどくない、それよりもアイドルとかに興味ない?」
    「別に…」
    「じゃあさ、これ観てくれない今わたしがめちゃくちゃ推してるアイドルなんだ。
    ほら、耳かしてイヤホンつけるから」
    「おい…」
    「…………………」
    「どうだった?」
    「まあ…かわいいんじゃないか、歌もダンス上手いし」
    「そうでしょ、そうでしょ!いやー君なら分かってくれると思ってたんだよね
    うん決めた、今から君はわたしとドルオタ仲間!これからよろしくね!」
    「おい、勝手に決めるなよ!」

  • 3121/10/14(木) 17:47:11

    「ねぇ、今度でた新曲もう聴いた?」
    「ああ、サビの部分がよかったよな
    …っていうかなんで俺に毎回絡むんだよ」
    「えー、わたし達ドルオタ仲間じゃん」
    「お前が勝手に言ってるだけだろ」
    「ふーん、そんなこと言うんじゃこの夏フェスのチケットは別の人誘って行こうかなー」
    「えっ!?あのチケット取れたのか!?」
    「うん!わたしとドルオタ仲間って認めるなら一緒に行ってあげるのになー」
    「〜っ!わかったよ!それでいいよ!」
    「ははっ、楽しみにしてるね!」

  • 4121/10/14(木) 17:47:52

    「夏フェス最高だったな、特に最前列の方のノリは激しかったな。あのノリには俺も追ていけないや」
    「うん、わたしも…」
    「そういえば意外だな、お前はもっと激しくノるのかと思ったけど」
    「うん…ちょっと人混みに酔っちゃったのかも」
    「そうか、けど楽しかったな。またライブのチケットとか取れたら一緒に行こうぜ!」
    「うん、そうだね…」

  • 5121/10/14(木) 17:48:36

    「文化祭のステージに参加できなくて残念だったな」
    「う〜、くじ運が悪かった〜」
    「まぁ、来年があるさ、元気だせよ」
    「分かってないなー君は、わたしがどれほどこのステージに出たかったか分かってない」
    「そんなに落ち込んでるのか?」
    「…わたしね、小さい頃からずっとアイドルになりたかったの」
    「えっ?お前が?」
    「今、無理って顔したね」
    「だってお前普通じゃん」
    「そうだけど…そこは絶対なれるよ!とか言ってほしいじゃん…。すごく傷つきました、罰として君には一緒に文化祭を周って焼きそばを奢る刑に処します」
    「なんだよそれ、痛てて…わかったわかった叩かないでくれ奢ればいいんだな」

  • 6121/10/14(木) 17:49:14

    プルル、プルル
    「はい、もしもし…」
    「あっ、〇〇くん?12月24日って予定空いてる?」
    「ええっと…特にないけど」
    「そ、そうなんだ!じゃあ一緒にイルミネーション見に行かない?待ち合わせはあそこの神社の鳥居ね」
    「ああ…って!?」
    「なになに彼女さん?いつからできてたの〜
    ひょっとしてクリスマスデート?」
    「そんなんじゃないよ母さん!クリスマスもいつも通りここで過ごすよ!」
    「あんた、またそんなこと言って〜」
    「そ、そういうわけだから、じゃあな!」
    ガチャ!
    「あっ…バカ…」

  • 7121/10/14(木) 17:50:19

    「明日はバレンタインだねー」
    「そうだな…」
    「ところで君はお母さん以外から貰える予定はあるのかなー?」
    「……………あるよ」
    「ふーん、ところで君の好みの女の子ってどんな子?」
    「え、ええっと…お、俺のことを好きでいてくれる人とか…か?」
    「ふーん、じゃあ明日もし本命チョコを渡されたら君はどうするのかなー?」
    「えっ!?つ、付き合うとかするんじゃないかなー?」
    「ふーん、じゃあここにわたしの本命チョコがあります。もしこれを明日君に渡したらどうなるのかなー?」
    「えっ!?」
    「答えは明日きかせてね!」
    「お、おい!待ってくれ!」

  • 8121/10/14(木) 17:52:32

    「いやー、君って意外と情熱的だったんだね。まさか教室のど真ん中で告白とは…」
    「う、うるさいな、あの後クラスの奴らにからかわれまくったぞ」
    「ははっ、顔真っ赤だよ。
    でもありがとう…
    とっても嬉しかったよ!」
    「アーッ!クソ!めっちゃ恥ずかしい!」
    「ドルオタ仲間から恋人に昇格だね、おめでとう!」
    「う〜…これからもよろしくな!」

  • 9121/10/14(木) 17:53:09

    「はぁ…はぁ…」
    「おい、大丈夫か?最近お前学校よく休んでるしなんかあったのか?」
    「ううん、大丈夫…大丈夫だから…」
    バタ!
    「おい!先生!誰か保健室の先生を呼んでくれ!」

  • 10121/10/14(木) 17:53:48

    「保健室の先生に聞いたぞ、お前の病気ってそんなに重いものなのか?」
    「ははっ…バレちゃったか…
    うん、ずっと無理してたんだ。たぶん来年からは学校にも行けなくなるかも…」
    「…っ!そんな…!」
    「ごめんね、ずっと黙ってて」
    「…………治るんだよな」
    「…ごめん、わからない…」

  • 11121/10/14(木) 17:54:20

    「ごめんねー、高校生の貴重な夏休みなのに毎日病室の面会に来てくれて」
    「気にするな、俺がやりたくてやってることなんだから」
    「あっ、進路とかもう決めた?そろそろ決めないと危ないよ」
    「ああ、実はやりたいことがあるんだ
    プロデューサーになろうと思ってる」
    「プロデューサー!?君が!?
    …うん!いいね!絶対合ってると思うよ!」
    「それでさ、一番最初にプロデュースするアイドルはもう決めてるんだ」
    「えっ…それって…」
    「だから早く元気になってくれよ」
    「………うん」

  • 12121/10/14(木) 17:55:04

    「なぁ、なにかやりたいこととかないか?」
    「そうだなー…公園で思い切り遊びたいかな
    わたし小さい頃は病院ばっかでそういうの経験してこなかったんだよね」
    「そうか、今度先生に相談してみるよ
    あと、一緒に公園に行った時の予行練習もしておいておくよ」
    「公園って予行練習が必要なくらい危ないの?」
    「ははっ、そうだぞ公園は危ないんだ。爆速ブランコ、入ったら抜け出せないジャングルジム、犬のフンが紛れる砂場。危険がいっぱいだ!」
    「ははっ、楽しそうだね。いつか行けたらいいな…」

  • 13121/10/14(木) 17:56:35

    「ねぇ、受験生がこんな所にいていいの?」
    「大丈夫、俺がもともとガリ勉なのは君も知ってるだろ」
    「そうだけど…」
    「なぁ、いつになったら外に出れるんだ?
    公園デートの予行練習のしすぎで小学生からジャングルジムの王子って呼ばれてるよ。
    あっ、そうだ今年こそクリスマスにイルミネーション見にいかないか?あの時は変な意地張ったけど今度は…」
    「ごめん、行けない…」
    「………どうしてだよ、あの時のこと怒って…」
    「そうじゃないの…わたし君を利用してたの」
    「利用?」
    「わたしね、小さい頃からずっとアイドルになりたかったの。けどわたしはこんなんだし病気だし普通だし…こんな体で学校もあんまり行けなくて友達だっていなかった…
    無理だって何度も思った
    けど諦められなかった、わたしでも誰かの特別になりたいわたしの生きた足跡を残したい、そう思ったの…
    だから、友達がいなそうなガリ勉の君になら仲良くしたら一生わたしのこと覚えててくれるかなって思って、特別になれるんじゃないかって…」

  • 14121/10/14(木) 17:57:07

    「けど、そんなのわたしのエゴだよね
    これ以上わたしで君の人生を縛りたくないの。
    だから、わたしと別れてほしい」
    「…ずいぶん勝手だな」
    「ごめんね、巻き込んじゃって…」
    「…嫌だ!俺は別れたくない!
    これから先にどんな結末があるのかわからない
    けどここで君から離れたら一生俺は後悔する
    だからお願いだ!
    俺を最後まで君の側にいさせてくれ!」
    「………ははっ、なんかプロポーズみたいだったよ今のセリフ」
    「プロポーズだよ、指輪も結婚式もあげられないけど俺の本当の気持ちだ」
    「ありがとう…不束者ですが最期までよろしくお願いします…」

  • 15121/10/14(木) 17:58:05

    ハァ…!ハァ…!
    ガチャ!
    「〇〇くん…来てくれたんだ…」
    「……先生から聞いた、これが最後の面会だって」
    「はぁ…はぁ…ドラマとかでこういうシーンあったよね。本当に…あんな感じなんだね」
    「……………」
    「どうだった…わたし…おしゃれもできなくて歌もダンスも何もできなかったけど…
    君を笑顔にする…アイドルになれたかな…」
    「……君は俺にとって最高のアイドルだよ」
    「ごめんね…最期になんて言おうか5万回くらい考えてたけど…やっぱりこれしか出てこないや…」
    「……………」
    「ありがとう…あなたと会えて幸せだった…」
    「……………ああ、俺もだよ…」

  • 16121/10/14(木) 18:00:15

    「………………」
    「どうしたんだい君?こんな雪の日に傘もささずに…」
    「…約束をしてるんです…この鳥居で待ち合わせを…」
    「だとしても傘をささないと風邪を引くぞ、ほらコレを使え。どれほど待ってたんだ君は…約束相手にすっぽかされたんじゃないのか?」
    「いいんです…これはただの罪滅ぼし…ただ俺が待っていたいだけなんです…」
    「……そうか、私もここで約束をしていてね。ずっと待っているんだ…」
    「…………」
    「そんな先輩からのアドバイスだ、見えない星を待っていてもただ辛い、全てを忘れて逃げ出すのも一つの手だということを…」
    「そうですか…でも、俺は忘れたくないんです。それに星は今は見えないだけでそこにあるんですよね。だったら伝えようとすればいつかは伝わるはずです。少なくとも星が消えてしまった俺よりはきっと伝わります」
    「…君」
    「すいません…変なこと言っちゃいましたね
    傘ありがとうございました…」
    「おい君、待ちたまえ………行ってしまったか
    伝えようとすればいつかは伝わる、か…
    今からでも遅くはないだろうか…」

  • 17121/10/14(木) 18:01:06

    「やっぱり、大手の346とかは書類の段階で落とされちゃうな…ガリ勉のままだったら通ってたのかな、なんてな…ははっ…」
    「次は…おっ、新しいプロジェクトのためのプロデューサー募集中…283プロダクションか…
    よし!次はここを受けるか!」

    見ててくれ、君に負けない最高のアイドルをプロデュースしてみせる!

    本編へ続く

  • 18121/10/14(木) 18:05:27

    以上です。

    いい設定だからみんなも一緒に妄想しよう

  • 19二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 18:18:10

    このssを書いてくれたスレ主に感謝を

  • 20二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 18:31:07

    いいね、グー

  • 21二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 21:14:29

    あああああああああ


    元スレのスレ主です………!!

    サイッコーーーです、本当にありがとう………!!!

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