【トレウマ風味注意】「トレーナーさん」【SS】

  • 1二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 15:58:30

    温泉宿にトレーナーさんと泊まった夜。
    いつもならとっくに寝ている時間なのに、アタシは妙に目が冴えて眠れなかった。
    「…うーん」
    このままずっと眠れないまま横になっていても仕方ないかな…
    と、そう結論づけたアタシは夜風にあたろうと外に出た。

    「…あ、月…綺麗だなぁ…」
    ぼーっとただ夜空を眺める。
    なんで今、アタシはこんなに興奮して眠れないのだろう。
    その答えを頭の中で探していると、後ろから声がする。

    『バンブー?こんなところでどうしたんだ』

    聞き慣れた、安心感のある声。
    「トレーナーさんっ!?アタシは眠れないから夜風に…トレーナーさんは?」
    『…こりゃびっくりだな。俺も同じだよ』
    「そんな偶然もあるんスね」
    そんな会話を交わして、そこで会話が途切れる。
    普段なら全く気にしない間が、なぜか今はすごく心地悪い。
    …アタシは今、何を考えてるんだろう。なんでこんなに居心地が悪いんだろう。
    それはアタシ自身にも分からなかった。

    「…トレーナーさん」
    『ん?』
    「アタシにとってのトレーナーさんは…”トレーナーさん”っス!」
    寝る前にも言った言葉を改めて言う。
    一言では説明できない、アタシの大切な存在。
    「じゃあ、トレーナーさんにとってのアタシは…どんな感じっスか!?」
    『お、難しいことを聞くな…』
    トレーナーさんはしばらく考え込むそぶりを見せる。

  • 2二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 15:58:48

    『”夢”…』
    「え?」
    小さく聞き取れない声がトレーナーさんの口から溢れた。
    『いや、なんでもない。また今度…改めて、言いたいから』
    「…わかったっス!それまで待ってるっス!」

    「ふぁ…」
    トレーナーさんと話して、だいぶ気分が落ち着いてきた気がする。
    「あ、そうだ!トレーナーさん、見てください!今日の月、とっても綺麗なんスよ!」
    『え?…お、本当だな…そうだな、俺はこの月を見られたし、死んでもいいかもな』
    「えっ…!?いきなり何を言い出すんスか!?トレーナーさんがいなくなったら、アタシ…」
    『あれ…あああ!違うんだ!言葉のあやっていうか…』
    トレーナーさんはいきなり慌て出す。
    「冗談でもそんなこと言わないでほしいっス!だって、アタシにとってトレーナーさんは…”トレーナーさん”なんスから」

    …”トレーナーさん”。
    過去に出会った誰でもないもの。
    これから、トレーナーさんとの関係はどうなっていくのかわからないけど。
    アタシの中で、今感じてる”トレーナーさん”はきっと、ずっと同じ気持ちだと、そう思える。

  • 3二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 15:59:39

オススメ

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