- 1FILM N.G.22/10/05(水) 22:20:30
ONE PIECE FILM N.G. part6 “平和へのアポトーシス”編
前スレ『ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」part4“奏血のパレード”編その2』
ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」 part5|あにまん掲示板ONE PIECE FILM N.G. part5 “奏血のパレード”編その2前スレ『ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」part4“奏血のパレード”編その1』https://bbs.a…bbs.animanch.com4つ目『ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」part4“奏血のパレード”編その1』
ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」 part4|あにまん掲示板ONE PIECE FILM N.G. part4 “奏血のパレード”編前スレ『ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」 part3 “孤独の歌姫”編その2』https://bbs.anim…bbs.animanch.com3つ目『ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」part3“孤独の歌姫”編その2』
ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」 part3|あにまん掲示板ONE PIECE FILM N.G. part3 “孤独の歌姫”編その2前スレ『ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」 part2 “孤独の歌姫”編その1』https://bbs.ani…bbs.animanch.com2つ目『ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」part2“孤独の歌姫”編その1』
ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」 part2|あにまん掲示板ONE PIECE FILM N.G. “孤独の歌姫”編前スレ『ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」』https://bbs.animanch.com/board/969071/http…bbs.animanch.comはじめ『ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」part1“はじまりの風”編 』
ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」|あにまん掲示板 何処かの海――― サニー号の選手で昼寝をしていたルフィのもとへニュース・クーのカモメがやって来た。「……んあ?」「クー!」「ああ新聞か? でもおれ読まねえしなー。要らねえ!」「クー!?」 いつも新聞…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:21:33
縦乙…スレ画一気に怖くなった…
- 3二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:24:29
誓いのマークの文字が血で染まってる...
- 4二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:27:57
覚悟ガンギマリはいいぞー
ハピエンになるように願います - 5二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:28:39
辛い…
- 6二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:29:12
もしかして作者さんスレ画書いた?
- 7FILM N.G.22/10/05(水) 22:29:52
ハーメルン
『ONEPIECE FILM N.G.』
ONEPIECE FILM N.G. - ハーメルンそれは新たなる時代の夜明け 『“太陽”よ“絶望”をはらえ』 ルフィとその仲間達が“歌姫ウタ”と出会う時、新たな物語の幕が上がる! 毎週火曜日更新予定 ※『ONE…syosetu.org一応載せておきます。内容は特に変わりないです
- 8二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:29:53
アポトーシス
意味は自殺行為か - 9二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:31:27
サンジとチョッパーの活躍見れて嬉しい
- 10二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:32:33
ふうん翼が黒いですね…
次回は頭からあれの出番ですかね… - 11二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:34:16
ナイフ刺して意識を保つ……まるで海軍の中でも屈指の有能と呼ばれるモモンガ中将じゃないか……
- 12二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:35:18
痛みで眠気吹き飛ばして失血死するまで何人巻き込めるかなって感じか…
- 13二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:35:39
最初の頃は幸せ路線だと思ってたのにな…
でも続きが気になるもう引き返せない… - 14二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:36:16
バギーがいるからまだなんとも言えない
- 15FILM N.G.22/10/05(水) 22:36:23
- 16二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:36:59
わ...わぁスゴ
- 17二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:37:12
なにぃ!?そうだったのか……
- 18二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:39:07
他スレでも描いてたもんなお主
- 19二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:39:10
エレジアの真実と諸悪の根源がまだだからな
- 20二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 23:34:46
頼むぞニカ
- 21二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 23:53:57
映画本編よりも交流できる時間が長かった分ガチでルフィと決別しようとしてる感じで辛いねぇ…
キノコを封じて正気なせいで『新時代のマーク』を自分で傷つけるぐらいのことをしないと覚悟が決まらなかったと考えると悲しい - 22二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 23:59:47
ウタとしてももう引き返せないって感じなのがひしひしと感じられて辛い…
映画で絶対に傷つけなかったマークも手にかけて… - 23二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 00:49:56
- 24二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 06:08:53
面白い!!最近の楽しみの1つになってる!
- 25二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 06:32:51
まだひきかえせる…キノコ食ってまだ数時間だ
- 26二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 12:43:39
ローとかバルトロメオとかは、お休みかな?
- 27二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 16:53:58
保守
- 28二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 20:37:13
ほっす
- 29FILM N.G.22/10/06(木) 22:50:07
突然配信が切れたことでファン達は心配していた。
「どうしたんだろうウタ……何かあったのかな?」
配信を始めて間もない頃は経験不足でトラブルなどしょっちゅうだった。それも1年2年と続ければ手慣れてスムーズに配信を行えていた。
それがここに来て不意のトラブル。ファン達の不安も一入(ひとしお)。
「やっぱり初ライブ前は色々と大変なのかな」
そうした彼らの心配が膨れ上がる……そんな時だった。電伝虫が映す映像に変化が起きたのは。
『あ。あー。あー。……聞こえる? やっほー? みんな聞こえてる?』
ウタの声だった。そして画面が一瞬だけ砂嵐のように光ると、パッと自然の風景へと切り替わった。
『ごめん皆。心配させちゃったね? こっちの方でトラブルが有ってね』
自然を背景にウタが画面に姿を現わす。
『だからちょっとお色直ししてました!』
そこに居たのは黒いシックなドレスコートに身を包んだウタだった。いつもとは雰囲気の違う装いにファンは驚く。 - 30FILM N.G.22/10/06(木) 22:50:40
『ファンシー系でキめることが多かったけど、今日は夜の雰囲気に合わせて大人っぽい格好でいっちゃうよ!』
普段なら腕や脚を大きく出した活動的なデザインを好んで着ていたが今回はその逆、露出の殆どない落ち着いたデザインを身に纏ったウタはファンへその姿を見せる。
『どうかな? 似合う?』
そう聞けば当然のようにファンは「似合ってる!」と褒めてくれる。それが嬉しくて笑顔を浮かべたウタはヘッドフォンからマイクを展開して声を響かせる。
『ありがとう皆!!! えへへ! ……こうして話してるのも楽しいけど、やっぱり歌わなくっちゃね!!!』
遂に始まる歌配信。真っ赤な薔薇の意匠が鮮やかな左手で夜空を指差す。
『――――――』
静けさが周囲を包む。ウタが発する静謐な空気がファン達の喧騒を立ち所に押し流す。
月明かりのスポットライトが照らす。耳に届くのは自然が運ぶ草木や海のさざめきのみ。誰も彼もが待望する。
我らが歌姫の歌を。 - 31FILM N.G.22/10/06(木) 22:51:04
『―――新時代はこの未来だ―――』
歌声が響く。静寂と寄り添いながら。
『―――世界中全部変えてしまえば―――』
楽器による伴奏など必要としない、圧倒的歌唱力。
『―――変えてしまえば―――』
人々は聴き惚れる。夜更けだろうと関係無い。彼らは眠気など吹っ飛ばして歌姫の声に耳を傾ける。
そう。民衆に聴いて貰うのに特殊な“能力”など必要無い。ただの歌で、世界は彼女に注目していく。
広がる。歌姫が歌い始めたことによって世界に彼女の声が広がっていく。
彼女はただ歌えば良いのだ。この声が世界を包むその時まで、何曲でも何曲でも。
そうして“最後の一度だけ能力を使えば”―――望みを果たせる。
(世界中の皆を!!! “新時代”へ連れて行ける!!!)
瞳に狂気の炎を宿してウタは歌う。不眠絶死の毒にも頼らず、能力にも頼らず、純粋な歌唱力のみで世界を釘付けにする。
窮地に追い込まれたことによって彼女の才能は更に輝きを増して、花開く。
終焉へと向かって、赤い花弁を散らしながら。 - 32二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 22:56:41
これ覚醒フラグか!?
- 33FILM N.G.22/10/06(木) 22:57:48
今日の更新はここまで。保守してくれた方感謝です
ちょっと仕事が忙しいので遅々とした更新になりそうです。ごめんね
読んでくれてありがとう。それではおやすみなさい
全身全霊、全てを賭した戦いの幕が上がります - 34二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 22:58:09
ウタウタ関係無しに世界の7割にライブ見てもらえる歌姫だ
面構えが違う - 35二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 22:58:39
乙乙
ゆっくり進めてくれや - 36二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 22:58:50
カイドウさんが言っていた覚醒の条件…!
追い込まれたウタはそれを満たしつつある…!? - 37二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 23:00:27
海軍上層部や五老星が知らせを受けて飛び起きそう
- 38二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 23:36:56
ゴードンさんが「世界の宝」と絶賛したレベルの才能だからね、仕方ないね…
- 39二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 23:40:30
死ぬ寸前にウタワールドに取り込むから海軍や政府からしたらただのライブしてるだけにしか見えないのがな
ベガパンクやら気付いてるのもいるけど - 40二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 05:14:31
ひょっとしてここからハッピーになるには
マジの特異点なバギー座長が必要説…? - 41二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 06:25:41
>>真っ赤な薔薇の意匠が鮮やかな左手
わ……ぁ……
- 42二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 15:35:25
左手が赤くなっとる
- 43二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 20:07:33
いよいよもって目が離せなくなってきた
楽しみに続きを待つ - 44二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 23:01:09
ほっす
- 45二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 02:01:02
ほ
- 46二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 08:47:25
保守させていただく
- 47二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 09:10:52
ひとしおを一入って書くの初めて知った
- 48FILM N.G.22/10/08(土) 11:18:00
保守感謝ァ!!!
うれしいことに休みが出来たので更新します
早くバトルさせて~って欲求が有りますが後から後から書きたい部分が出るのでしょうがない
それでは上げます - 49FILM N.G.22/10/08(土) 11:19:37
ウタの計画、それは大勢の人を“ウタワールド”に招き入れて全てが望むままになる『夢の世界で幸福に平和に暮らすこと』。
その世界でならウタは何でも出来る。ルフィ達に見せたように何も無い空間から美味しい食べ物を創造することも、誰もが遊べる遊戯用具や玩具を創造することも。何だって出来る。
全能に近い力を振るえる世界へ誘い、眠る者の肉体を意のままに操る。
強力な“ウタウタ”の能力……だがしかし、その能力にはウタ自身が思う唯一の欠点が存在する。それは―――
(わたしが眠ってしまうと全ての能力が解除されてしまうこと)
能力を宿した歌唱によって発揮される力。だが体力の消耗が大きく多様は出来ない。数曲も全力で歌えば睡魔に負けてしまう。
(皆を夢の世界に連れて来れても、それが直ぐに終わってしまっては意味が無い)
だからウタは求めた。“眠らず”に、尚且つ“夢の世界”を維持する方法……その手段を。
ウタウタの実を食した者は感覚的に理解していることが在る。それは能力を行使しながら眠りに落ちた時に、ほんの僅かに感じ取れる小さな小さな感覚。
(“眠り”と“死”は同列に語られる……でも本質は当然まったくの別物)
眠ることで能力が解除されるのを定められた道筋だと例えるなら、その感覚とは枝分かれした新たな“道”のような物。
だからこれまでウタウタの実を食した彼ら彼女らは本能的に知る。
(眠るのとは違うその道の先に……永遠が存在する)
その道とは“死”。
能力者の死によって完成する楽園。永遠の世界。完全不滅の“ウタワールド”。 - 50FILM N.G.22/10/08(土) 11:38:39
道は見つけた。なら次はどうする?
(方法を。眠らずに死ぬ為の、確実な手段を)
そうして探し求める。そうして医学書を読み漁って気付けたことが有る。
「……あれ~? 即死って難しくない?」
そう、眠らずに息を引き取るというのが想像以上に困難だということを。
自刃だろうと服毒だろうと、果ては投身だろうと。人間は死の直前に“昏睡”や“失神”という状態を挟む。人体に備わった生命維持や苦痛に耐える為の防衛機能なのだが……これがウタの目的の邪魔をする。
(普通に自殺して能力が解除されたら意味が無い。わたしが欲しいのは確実な生から死への移行)
そうして探して探して―――遂にそれを見つけた。
「ネズキノコ。食べた者は数時間後に死に至る毒キノコ。その副作用は……“眠らなくなる”」
これを見つけた時、ウタは天恵だと思った。この世界が自分に目的を果たせと言っているのだと思った。
「これを使ってわたしは―――“新時代”を作る」
ネズキノコの存在によってウタの計画は明確となる。これによって万が一にでもウタワールドが解除されることは無い。大勢の人々を“新時代”へ連れて行ける。
全てはその為に。企画した初ライブもウタにとっては民衆を導く為の手段に過ぎない。
(わたしはこれで皆を辛い現実から救いだす!!!)
ウタは喜ぶ。死への恐怖は無い。
だって肉体が滅んでも心はずっと楽園に在るから。
皆と共に至った“新時代”には、永遠の幸福と平和しか存在しないのだから。 - 51二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 11:50:56
こう見るとこの計画考える時からウタは死に関しての価値観が狂ってたのか
- 52二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 12:27:25
ONE PIECE FILM RED Another versionみたいな感じで、映画化して欲しいくらい面白い
- 53二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 12:34:48
- 54二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 12:44:27
本人は逃げたかったんじゃなかったっけ?
救世主と崇められるのと本当はエレジアを皆殺しにした魔王であるのとの狭間で - 55二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 12:47:23
物心つく前から何でも叶う夢の世界と自由に行き来出来る上に、エレジア来訪以前は海上の船内で過ごす時間の方が長いから出歩ける場所はそのウタワールド位且つ赤髪海賊団海戦中は常に一人留守番だから寂しさ紛らわす為に妄想に浸り…
こうしてみると案外本人が思っていそうな程自由じゃないし、ウタワールド依存止む無しだ
- 56二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 14:07:05
- 57FILM N.G.22/10/08(土) 15:52:02
―――“ウタワールド”で発揮されるウタの拒絶の力は凄まじかった。
「ルフィ!? この状況マズいんじゃねェのか!?」
「ウタちゃんがライブを始めちまった!!!」
「…………」
再び発生した黄金の五線譜。それは七色の燐光を振り撒きながらウタの周囲を包み込み外界からの干渉を一切拒絶する。
同時に五線譜を彩る音符からは絶え間なく戦士達が産み落とされていく。
「斬っても斬ってもキリがねェ!!!」
ゾロが音符の戦士達を越えて五線譜に強烈な斬撃を放って破るも、何重にも張り巡らされたそれが次から次へと展開される。
「まるで鮫の歯じゃな。全く前に進めん!!!」
何とかウタに近付こうと麦わらの一味は全力で押し通ろうとするが、その差し迫った気持ちに反して距離は一向に縮まってはくれない。
「…………」
ルフィはウタに吹き飛ばされた状態、仰向けに寝転がったまま黙って空を見る。
胸の古傷がズキリと疼く。手を伸ばしても届かない鈍い痛みを感じながらルフィは口を開く。
「……これが、“新時代”……?」
ルフィはゴードンから聞いたウタの計画を思い出す。自分が死ぬことで永遠に続く夢の世界を実現するという計画を。 - 58FILM N.G.22/10/08(土) 15:53:09
「……お前が望んだ夢……?」
そして脳裏に浮かぶウタの表情と言葉。
『ここで決着を付ける。これまでの……わたしの“全て”を懸けて!!!』
決意。
『これ以上わたしのかくごをこわさないで』
想い。
『私ね―――やっぱり、それでも……“新時代”を作りたいよ』
責任。
「……ふざけんな……」
飛び上がるように立ったルフィはその勢いのまま走り出す。 - 59FILM N.G.22/10/08(土) 15:53:54
「“ギア4(フォース)”!!!」
覇気で強化した筋肉に息を吹き込む。蒸気を上げながら肥大する肉体が強靱なる覇気を纏う。
「ぉおおおおおおおおおおおおーーッッ!!!」
覇気と空気によって得た巨体と弾性を活用、空中を蹴り弾いて高速疾走する。
構える拳が腕の中へとめり込むように沈みギリギリと音を立てて力が溜まっていく。今にも弾けそうな力を蓄えながらルフィが目指すのはただ一人。
立ち塞がる音符戦士を撥ね飛ばしながら突き進み、そして自らが進む道を遮る五線譜へ向けて蓄積された力を解き放つ。
「ふざけんなよ!!! ウタァああああああああああああああッ!!!」
怒りと共に放たれる“ゴムゴムの猿王銃(コングガン)”が障壁に叩き付けられる。
“覇王色”の覇気さえ纏って放たれた一撃が周囲に凄まじい黒色の稲光を発生させる。余波だけで周囲の戦士は弾け飛んで消滅―――
「これが本当にお前の望んだことならッ!!!」
衝撃が浸透していく。幾重にも張り巡らされていた拒絶の障壁に深い深い亀裂が走る。
「これが本当にお前が目指した“新時代”なら!!!」
突き出した拳が五線譜を破壊した。衝撃が突風となって吹き荒れる。 - 60FILM N.G.22/10/08(土) 15:54:17
砕けた硝子のように舞飛ぶ黄金の欠片。キラキラと光を瞬かせるそれはこの数日共に過ごしたウタの思い出を想起させる。ルフィの記憶に残るウタはいつも―――
「お前は!!! もっと!!! “心から笑えてる”筈だろうがァああああああああああああッ!!!」
「……ッ!!?」
いつも、自分達に辛そうに歪む表情を隠していた。
「止めるッ!!!」
ルフィは怒りで髪を逆立てながら咆える。
「お前にそんな顔させる“新時代”なんて!!! おれがぶっ壊してでも止めてやる!!!」
例えそれが民衆の期待を裏切る結果になろうとも関係無い。彼はその力を大事なものを救う為に振るう。
「―――受けて立ってあげる……ルフィ!!!」
貫いた掌よりも痛む胸の奥、それを噛み殺して歌姫は猛る。例えその果てに幼馴染みを失おうとも、彼女はその力を“己”と民衆を救う為にふるう。
もう、どちらかが倒れるまで……この戦いは終わらない。 - 61FILM N.G.22/10/08(土) 16:06:20
- 62二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 16:18:49
文章が書ける!
絵も描ける!
(スレが)伸びる!
アーロン「何ができねぇんだテメェは!(嫉妬)」 - 63二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 16:22:51
どんなに世界が幸せでもウタが笑えなきゃ意味ないのだ....
- 64二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 16:44:44
ネズキノコって普通の人が食べたらどれ程苦痛を感じても逃げる事を許さず、最期まで強制的に死を直視させ続ける、恐ろしいキノコなんだなと改めて実感
あんなかわいい見た目なのに今更あのキノコが怖くなってきた
それが、ウタのウタウタの能力と、よりにもよってウタの死生観ともピッタリ合致してしまったんだな
悲劇すぎる - 65二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 16:58:12
- 66二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 21:44:53
ほっす
- 67FILM N.G.22/10/08(土) 22:15:28
現実世界で、ウタは引き裂いたアームカバーで左手の傷を止血をしながら自分に必死で呼び掛けてくる声に耳を傾ける。そうしているからかウタは能力によって眠らせた者の操作を中断しており、彼の声以外は静寂が戻っている。ただ警戒は解いておらずロビン達が少しでも怪しい動きをすれば直ぐに操ったルフィ達によって攻撃を加えられる状態で取り押さえていた。
「―――頼むウタ!!! こんなことはもう止めてくれ!!!」
声の主はゴードン。彼もまたウタウタの眠りから免れていた一人だった。彼はロビン達から隠れているよう言われていたが、彼らが危険な状態に陥った為に意を決して飛び出してきたのだ。
「私が悪かったんだ!!! お前の孤独に気付いてやれなかった……寄り添ってあげることが出来なかった!!!」
「…………」
ウタはゴードンの言葉を聞きながら左手の具合を確かめる。指先を少し動かすだけで声を上げそうになる痛み。それは眠気さえ一時的にだが追いやる程の苦痛。
つまりは絶好調だ。
「だからウタ!!! これ以上自分も友達も傷付けるような真似は止めてくれェ!!! そんなことを続けても自分を苦しめるだけだ!!!」
反吐と流血で憔悴した姿のウタを見たゴードンは涙を流しながら訴え掛けた。幼少の頃から知る彼女の痛々しい様子に心が締め付けられるように痛む。ゴードンはそんな自分が感じている痛みなどウタが感じてきた痛みに比べれば小さいと振り切って説得を続ける。
「聞いてくれウタ!!! わたしは―――」
「もう良いよ。ゴードン」
ウタは優しい声でゴードンの説得を止める。彼女は微笑むとゴードンと正面から向き合う。 - 68FILM N.G.22/10/08(土) 22:16:40
「ゴードンが今まで真相を隠してきたのも、わたしを外の人と交流を持たせなかったのだって……全部わたしの為を思ってしてくれたことだって、ちゃんとわかってる」
ウタは「でもね」と言葉を区切ると笑みを消す。その瞳には強い決意の火が灯っている。
「誰が何と言おうと私は計画を実行する。この辛く苦しい現実から皆を救う為に。その為ならわたしは―――」
取り出す古びた羊皮紙。数枚からなる一つの楽曲。
「そ、それはッ!!?」
それを目にしたゴードンから血の気が引き、青ざめる。ウタは手中で禍々しい気を放つそれを掲げて厳かに告げる。
「その為ならわたしは、邪魔する人全員……殺せる」
冷たい言葉。無機質な、感情の籠もらない……否、押し殺した声でウタは殺すと告げる。
忌まわしい力を使ってでも。
「そう……この“トットムジカ”を使ってでも」
純粋なウタウタの能力とは違う、背筋も凍るような魔力が一帯に吹き荒れる。
「それを使っては駄目だァ!!? ウタァああああ!!?」
“トットムジカ”。エレジアを滅ぼした魔王。それを降臨させる為の歌。
優しい優しいウタが、どうしても直接ルフィ達を手に掛けることが出来なかった優しい彼女が最後に頼った手段。
「さようなら。皆と過ごしたこの数日……すっごく楽しかったよ」
楽譜が宙に浮く。歌われることに歓喜するようにそれはウタの前に整然と並ぶ。別れを告げた彼女の口から―――“破滅の歌”がエレジアの地に再び響き渡る。 - 69二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 22:17:43
うわうわ...
ついに... - 70FILM N.G.22/10/08(土) 23:14:08
【Ado】Tot Musica(ウタ from ONE PIECE FILM RED)
「―――ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᚲ ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᛏ ᛏᚨᛏ ᛒᚱᚨᚲ―――!!!」
その瞬間、世界は確かに震えた。
魔王の顕現によって現実とウタワールドが繋がったことで空間が軋んだのだ。
だが誰もこの異常事態を知ることは出来ない。配信で映される映像はウタの能力によって創造されたまったくの別物。
「―――雨打つ心―――」
その恐怖と絶望によって形作られた魔王を目にしたのは、今この時エレジアに居る者達のみ。
「―――枯れ果てず―――」
魔王の嗤い声が響く。吹き荒れた闇から生まれるように姿を現わす魔王“トットムジカ”。
「“ゴムゴムの”ォーーッ!!!」
道化のような姿に巨大な威容。鍵盤のような長く太い腕が夜の空を撫でる。顕現したてで存在が未だ不安定なのか揺らめく下半身。
そんな見る者に不気味さを感じさせる魔王にルフィは突貫する。
「“猿王回転銃(コングライフル)”ゥーーッ!!!」
蓄積した力と回転によって威力を増した一撃がトットムジカへ放たれる。
- 71FILM N.G.22/10/08(土) 23:15:25
衝突、激音。
「―――死をも転がす救いの賛歌―――」
「ッ!!?」
そして直ぐにルフィは違和感に気付く。
「効いてねェ―――うわっ!!?」
ルフィの一撃は強力だった。今の攻撃を真面に受けて無事な者などそれこそ数えられる程度しか存在しない。
だがトットムジカは無傷。逆に巨大な腕を振るって反撃してきた。それによって弾かれたルフィは城の一部を破壊しながら吹っ飛んでいった。
「―――唯(ただ)海の凪ぐ―――」
魔王が猛威を振るう。ゾロ、サンジ、ジンベエが直ぐにトットムジカに対して攻撃を加えるも……無意味。
「―――その傲岸無礼な慟哭を―――!!!」
「んなっ!!?」
「クソッタレ!!」
「何じゃと!!?」
此方の攻撃は通じず、逆に魔王からの攻撃は一方的に蹂躙してくる。 - 72FILM N.G.22/10/08(土) 23:16:18
トットムジカの口から放たれる怪光線、それによって他の仲間に被害が行かないように3人は攻撃によって軌道をズラす。そうして周囲に飛び散った怪光線はエレジアの地を抉って破壊、火の手が巻き起こる。
「―――いざ無碍に Blah blah blah―――!!!」
ウタワールドの美しかった景色が崩れていく。魔王が立つ舞台に相応しい破壊によって彩られた地へと変貌していく。
魔王は嗤う。哀れで無力な人間を嘲笑って。どれだけ足掻こうと自分に傷一つ付けられないちっぽけな虫ケラを見下して。
「ッ!!! ……舐めやがって」
魔王の嘲りを直感で察したのかゾロ、サンジ、ジンベエに青筋が浮かぶ。トットムジカの“特殊性”を事前に聞いて頭に入っていたが彼らの怒りを収める効果は無かった。
馬鹿にされ良いようにされたまま大人しくしているような者達では無いのだ。
「―――怒れ 集え 謳え 破滅の譜を―――!!!」
黒刀と化した三刀流が斬り乱れ、炎を纏った蹴りが叩き込まれ、周囲の水分ごと物体を破壊する空手が弾ける。
―――だがやはりと言うべきか、そのどれもが有効打になっていない。だが効果が無い訳でも無いのか魔王の動きは鈍る。
「…………」
しかしウタは揺るがない。魔王の力は彼女が一番理解している。トットムジカの頭頂部に立つ彼女は無駄な抵抗を続ける麦わらの一味を冷たい目で見下ろす。 - 73FILM N.G.22/10/08(土) 23:25:23
本日の更新はここまで。読んでくださった方、本当にありがとうございました
おやすみなさい - 74二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 02:35:40
シャンクスやバギーたちはトットムジカ戦で参戦かな
- 75二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 09:48:48
バトル描写格好良いわあ
- 76二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 10:08:04
出してしまったからにはもう倒すしかないか…?
でも現実世界と攻撃のタイミングを合わせるのはどうすれば…
毒キノコによる命の時間制限がない事がまだ救いがあるが、でもこのウタは意識保つ為に現実の自分の体に一体どんな事するか分かったもんじゃないな… - 77二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 17:31:53
保守
- 78二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 21:17:28
ほしゅー
- 79二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 21:18:02
これの展開が気になりすぎて
ジャンプ感覚で待ってる自分がいる - 80FILM N.G.22/10/09(日) 23:04:59
「……シャンクス達だってトットムジカに傷一つ付けることは出来なかった。勝つなんて無理だよ」
トットムジカが咆吼を上げ衝撃波を伴う音波が周囲へと撒き散らされる。ウタワールドの城が破壊の波に晒されて罅割れる。
城が崩壊する。
「きゃあああああッ!!?」
「ナミさん!!!」
サンジが“空中歩行(スカイウォーク)”で崩れる城からナミを救出する。
「おいおいおい!!? これ人間が戦えるような相手なのかァ!!?」
「ここもヤバイ!? 離れようウソップ!!!」
ウソップを背に乗せてチョッパーが瓦礫を跳び移りながら地上を目指す。
そうして危険な場所から退避しようとする者達に向かってトットムジカは容赦無く光線を放とうとする。笑うように大きく開かれた口腔に禍々しいエネルギーが収束していく。 - 81FILM N.G.22/10/09(日) 23:05:41
「“三刀流奥義”―――」
「“魚人空手奥義”―――」
それに真っ向から飛び込む二人。直後トットムジカから放たれる極太の光線。
「“六道の辻”ッ!!!」
「“武頼貫”ッ!!!」
光線が六つに斬り裂かれ、その交差点である中心を拳が打ち抜く。
「ぐっ……!!! おおォああああああああッ!!!」
「ぬゥううううううああああああああああッ!!!」
爆発するような光を放って光線が弾け飛ぶ。強力な攻撃を無力化したゾロとジンベエは余波で飛ばされながらも無事な姿で地面に降り立つ。
「―――チッ!!! ここまでやって手応えが無ェってのも……!」
「ああ! やはり“同時”に叩かねば通用せぬようじゃ!」
自らの強さに自負が在るからこそ彼らは歯痒く思う。それだけ目の前にしている魔王が理不尽な存在の証明。尋常なる手段では魔王には傷一つ付けられないのだ。
そう、“魔王トットムジカ”に攻撃を通すには特別な手段が必要なのである。
「だがどうする!!? 現実に居るのはロビンちゃん達3人だけだ!!! 寧ろおれ達の助けが必要かもしれねェんだぞ!!!」
サンジがそう言うと、彼の手で優しく地面に立たされたナミは神妙な顔で同意する。
「状況は最悪よ! 今のわたし達がこの世界から開放されるにはあの子が眠るか……あれを倒すしかない……ッ!!」 - 82FILM N.G.22/10/09(日) 23:07:07
ナミが言ったのはウタワールドから開放される条件、3つ在る中の二つだった。
一つはウタ自身の意志で開放すること。これは敵対した時点で選択肢から外されている。
もう一つは能力使用で体力を消耗したウタが眠りに落ちること。持久戦に持ち込めばいずれ限界が来るだろが……最後の条件の所為でそれも困難になっている。その最後の条件とは―――
「こんな状況になった時点でおれ達に選択肢は無えェ!!!」
ゾロはバンダナを頭に巻きながら怒鳴る。
「あいつを止めるにもこの世界から脱出するにも!!! あの“魔王”を倒せなきゃ話しにならねぇんだ!!! ならやることは一つだろうが!!!」
刀の一本が凄まじい覇気を迸らせる。妖刀“閻魔(えんま)”がまるで己以外の魔を冠する存在を斬り伏せろと云うように力を誇示し、ゾロはそれを握り締めて己が戦意と呼応させて更なる力を引き出す。
ウタワールド開放の最後の条件、それは―――“魔王の打倒”。
トットムジカの出現によって現実とウタワールドは繋がり、そしてウタワールドの主導権が一時的に『能力者とトットムジカとで二分(にぶん)される』のだ。
それによって能力者が眠りに落ちるのと同様に、トットムジカウタワールドから開放されるようになるのだ。
「現実で攻撃が始まるまで、攻撃が始まってからも!!! おれ達も絶え間なく攻撃を浴びせ続ける!!! それだけだ!!!」
そしてトットムジカに攻撃を通す為の手段が―――『ウタワールドと現実での同時・同箇所への攻撃』なのである。
言葉にするは易し。それがどれだけ困難なことかは今現在麦わらの一味が証明している。トットムジカは彼らの中でも特に戦闘力に秀でた者達でさえ攻めあぐねるような強大な存在、そんな戦力を両方で用意しなければ掠り傷ですら付けられるか怪しいのだ。
状況は正に絶望的と言えよう。 - 83FILM N.G.22/10/09(日) 23:08:06
保守ありがとうございました。次の更新は明日の夕方か夜を予定してます
- 84二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 23:09:25
シャンクスウウウ!!!!!もしくはベガパンクウウウウ!!!早くきてくれええ!!!!
- 85二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 23:16:37
- 86二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 23:28:49
- 87二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 23:29:02
相変わらず素晴らしい文才だ…
- 88二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 23:39:47
油鍋がいくつあっても足りねえな……
- 89二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 23:40:36
- 90二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 07:57:44
ホシュホシュの実の保守人間
- 91二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 14:20:04
保守
- 92二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 16:41:33
俺が保守しておくしかねぇよなぁ
- 93FILM N.G.22/10/10(月) 16:50:38
はー? 脱字しとるんじゃが? いや~すまん
【】の中に書いた部分が脱字分です
トットムジカの出現によって現実とウタワールドは繋がり、そしてウタワールドの主導権が一時的に『能力者とトットムジカとで二分(にぶん)される』のだ。
それによって能力者が眠りに落ちるのと同様に、トットムジカ【が消滅することによって】ウタワールドから開放されるようになるのだ。
それでは書いたらその都度更新していきます
- 94FILM N.G.22/10/10(月) 16:54:26
「―――……“聞こえる”」
そんな中で。
「もう少し……あとちょっとで……」
瓦礫の山から身を起こしたルフィがブツブツと呟く。
「手が、届きそうな気がする……」
強化されたゴムの弾性によってルフィはその場で弾みながら、足先から指先までの感覚を手繰り寄せるように集中する。
「あと、もう少しで!」
ルフィは再びトットムジカへ挑む。
殴り、蹴り、仲間と連携しながら猛攻を浴びせ掛ける。だがやはり魔王には全ての攻撃が通用しない。同じ事の繰り返し。攻めた直後に反撃を受けて吹き飛ばされる。 - 95FILM N.G.22/10/10(月) 16:54:49
「何度やったって無駄なのに」
ウタからすれば無駄な抵抗。ただ殺されるまでの時間を先延ばしにしているようにしか見えない。
「おおおおおおおおおッ!!!」
だが少なくとも一人だけ……ルフィだけは違った。彼は明確な意志を持ってトットムジカと拳を交わす。
聞こえる、聞こえるのだ―――音が。トットムジカとぶつかる度に聞こえる。
“現実に居る己の鼓動”が聞こえる。
気の所為では無い。ルフィはこの鼓動の音が活路に繋がると直感する。
しかし未だ“足りない”。だが何が足りてないのかがわからない。量なのか、距離なのか、はたまた別の何かか。わからないからこそルフィは何度もぶつかるのだ。
―――永遠に続く夜など、存在しないのだから。 - 96FILM N.G.22/10/10(月) 18:45:10
正義の印を帆に掲げた軍艦が海を征く。
その艦に乗るのは大勢の海兵、そして海軍最高戦力“大将”の2人。
「う~ん。のどかな夜だねェ~」
大将“黄猿”ボルサリーノ。
「……嵐の前の何とやら、ですかね」
大将“藤虎”イッショウ。
その2人によって率いられた海兵と軍艦は音楽の都エレジアに向かって昼夜問わず進んでいた。
夜も深く、本来なら眠っている筈の時間に起きた2人は未だ目視すら出来ない目的地へ意識を向ける。
「いやだねェ。悪い予感ほど良く当たると言うしねェ~」
「航海は順調、予定通りライブ当日には間に合いそうですが……確かに、妙な胸騒ぎがしやすね」
そんな2人の予感を肯定するように、ジリリリリと電伝虫が受信を知らせてくる。
「ん~? もしもォ~し? ……あれェ? おっかしいねェ~?」
ボルサリーノは腕に装着した黒い小型電伝虫に声を掛けるが、しかし応答は返ってこず首を傾げる。受信を知らせる電伝虫の鳴き声はずっと続いている。
「……懐の電伝虫じゃありゃしませんかい?」
イッショウの指摘でボルサリーノは気付く。
「あ。あ~~! ……こっちかァ! ……はいはい、もしもし、こちらボルサリーノ」
『おう、寝てたとこ悪いなオジキ。ちょっと緊急でな』 - 97FILM N.G.22/10/10(月) 18:45:42
「おや戦桃丸」
電伝虫の相手は戦桃丸という男だった。今は海軍に所属しているが2年前はベガパンクのボディーガードとして科学部隊の隊長を務めていた経験を持つ強者でもある。
「寝ては無いよォ~? 少し前から起きてて甲板に居たところだよォ~」
『じゃあ出るの遅ェよ!!? もしかしてまた盗聴用黒電伝虫に声掛けてやがったのか!!?』
そう突っ込んで戦桃丸は「いやこのやり取り何度目だよ!!?」と若干キレ気味に叫ぶと、今の状況の緊急性を伝えるのが先決と無理矢理落ち着く。
『……ふー……おいオジキ。そっちに“セラフィム”は着いたか?』
「セラフィム。新兵器のかい? いやァ~? まだ合流出来ては無いねェ」
『……そうか』
戦桃丸は僅かに逡巡すると言うべきことがまとまったのか用件を伝える。
『先ず一つ。歌姫のライブが始まった。“計画”の前倒しの可能性が高いとはパンク野郎の言だ』
「……おォーおォー……」
「それは本当の話ですかい? 随分と早い……いや早過ぎやしませんかい?」
『だが事実、大規模な念波を観測したらしいぜ』
ボルサリーノは「これは参ったねェ~」とどうにも危機感が感じられない様子で呟く。逆にイッショウはわかりやすく眉間に皺を寄せて唸る。 - 98FILM N.G.22/10/10(月) 18:45:56
「あっしらも急いでどうにかライブ当日に着く予定だった身……これはかなり拙い状況じゃありやしませんか?」
『別に責める為の連絡じゃねェ。出し抜かれた形になったのは全員同じだ』
戦桃丸は『だから二つ目』と言って次の内容を伝える。
『“元帥”からの命令でセラフィムがオジキの軍艦を経由し、そのまま直接エレジアに向かう手筈になった』
その伝令を大将が2人が脳内で処理しようとした―――その時だった。
「ッ!!!」
甲板のど真ん中を突き破りそうな勢いで黒い影が落ちてきたのは。
「おやおやァ~? 艦に隕石を落としちゃ駄目だよォ~」
「いやこれはあっしの所為じゃ無く……件(くだん)の“新兵器”でしょう」
冗談か本気かわからないボルサリーノの言葉を適当に流しつつ、イッショウは軍艦に降り立った“それ”と向かい合う。
「はてさて……これから世界はどう動くんでしょうねェ」
「…………」
大将と合流したセラフィムは消していた炎を再び背中に灯すと、感情を全く感じさせない無機質な笑みを浮かべるのであった。 - 99FILM N.G.22/10/10(月) 21:18:36
次の更新は明日の夜かな? もうちょっと上げたかったけど睡魔で頭が回らぬ……すまん
おやすみなさい! - 100二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 01:36:28
さすがに緑牛はなしか
- 101二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 07:12:11
ルフィ頼むぞ
- 102二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 11:05:50
保守
- 103二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 17:33:15
ルフィは何を掴めそうなんだろう
- 104二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 20:20:23
おそらくは…アレだろう
- 105FILM N.G.22/10/11(火) 20:53:32
保守感謝。さてさてルフィは一体何を掴めそうなのか……
しかし本当に面白えぜ「ONEPIECE」!! やっぱ原作は最高だぜ!!
それでは投稿します - 106FILM N.G.22/10/11(火) 20:54:08
現実世界でロビン達はひたすら逃げていた。
駆け抜けた背後で光線が炸裂、爆音と共に石畳や建物が瓦礫と化す。
「おいおいおい!! 流石にこりゃ手が余るぜ!!?」
フランキーはジンベエ、ゾロ、サンジを抱えて走る。
「あの“魔王”を相手取るには少々……!! 戦力が足りませんね!!」
ブルックはゴードンを背いルフィを頭に乗せて走る。
「でも私達が何とかしなければ……皆はウタワールドに取り込まれたままよ」
そしてロビンがナミ、ウソップ、チョッパーをハナハナの能力で流すように運搬する。戦況はそれ程までに一方的だった。
現実世界にも顕現したトットムジカ。同時攻撃でしかダメージが入らない特性によってロビンとは能力相性が悪くフランキーとブルックの技ですら効果が無いとくれば逃げるしかなくなる。
一つだけ、この状況になって良かった事と言えば―――
「だが何で突然ルフィ達が操られなくなったんだ!?」
眠る仲間達。彼らは先程までと違って眠りながら襲い掛かってくることは無くなっていた。トットムジカが顕れるのと入れ替わるように倒れ伏したのだ。
「あくまで推測だけど、能力の大半をトットムジカの維持に回したんじゃないかしら?」
「つまり……ルフィさん達を操る余裕が無くなったと?」
この面子で唯一、過去トットムジカについて体験しているゴードンが何か知ってはいないかと彼らは目向ける……が、彼は首を横に振る。 - 107FILM N.G.22/10/11(火) 20:55:34
「すまないが、天井画に残された記録以外で知っていることは君達と大差無い。ウタが力尽きて眠るまで暴れる、それだけしか……」
「いえいえ。無いなら無いで問題ありません。我々だって何もしらないのですから。ヨホホホ!」
トットムジカは謎に包まれた部分が多い。知っていれば褒められこそすれ、知らなくて責められる謂われなど無いのだ。
「力尽きるまで待つならこのまま逃げ続けるのもアリだけど」
ロビンは自分達に敵意と嗜虐を向けてくるトットムジカを横目で見ながら走る。そのタイミングを狙ったかのようにトットムジカに目で見える変化が起きる。
「……どうやらそんな余裕も無くなりそうね」
額から汗が流れる。それは事態が悪化したことに対しての物。
「まさか冗談だろ!!?」
「ここに来て更に……魔王の“尖兵”と言った所でしょうか」
トットムジカの周囲に小さな黒い靄(もや)が幾つも発生、そこから姿を現わすのは―――ウタワールド内でウタが生み出していたのと同様の“音符の戦士”。
「魔王だけでも手一杯だってのによォーー!!! ふざけんじゃねェぞコラ!!!」
「アレのように無敵という訳では無さそうですが……ッ! 厄介なことに変わりありませんね!!!」
飛翔しながら襲い来る音符戦士をフランキーとブルックが迎撃する。人を抱えながらでも何とか倒せる強さの戦士……だが、生まれてくる“数”が拙かった。瞬く間に100を越える戦士が生まれ、しかも時間が経過すると共にその数は増していっている。
本来なら“ウタワールド”内部でしか出来ない筈の創造の力。それがこうして現実でも可能になっている。これが現実とウタワールドが繋がると云うこと。12年振りに解き放たれた魔王はまるで神のような力を振るいながら高笑いする。
「ぐっ!? 魔王と同時にこれは……ッ!」
ハナハナの能力で一気に数十単位で倒すロビン。トットムジカとは違って音符戦士との相性は良いのだが……当然ながら音符戦士が来る間もトットムジカは甚振るように攻撃を加えてくる。
現実での状況は最悪へと近付いていた。 - 108FILM N.G.22/10/11(火) 22:13:10
ウタワールドでも大きな変化が起きていた。
「な、何だありゃァああ!!? “魔王”の形が!!」
ウソップがその変化を見て共学の声を上げた。最前線で戦っていたルフィ達もその異変を感じ取ってトットムジカから距離を取る。
そして……魔王の体から禍々しい力が瘴気の如く噴き上がった。
鍵盤の腕が大きく地面を叩く。その直後に更に“2本”、鍵盤状の部位が突き出して強く地面を打った。それは脚、トットムジカに脚が生まれた。
「散歩でもする気か?」
「そりゃ無駄足ってやつだろ」
ゾロとサンジは様子見を止めてトットムジカへと一息に詰め寄る。現実世界の状況がわからないからこそ攻撃の手を緩める訳にはいかない。
同時攻撃を狙うにしろウタに負荷を掛けるにしろ、攻めて攻めて攻め続けるのが現状最善の手段なのだ。
「足引っ張るなよアホコック!!!」
「ぬかせクソマリモ!!!」
音符戦士を薙ぎ倒しながらトットムジカへ肉薄した2人は渾身の技を叩き込む為に構える。
「“鬼気九刀流”……“阿修羅”!!! ―――“抜剣(ばっけい)”!!!」
「“悪魔風脚(ディアブルジャンブ)”!!!」
そして炸裂する。
「“亡者戯(もうじゃのたわむれ)”!!!」
「“焼鉄鍋(ポアル・ア・フリール)”!!!」
突進しながら斬り裂く斬撃と頭上からねじ伏せる蹴撃がトットムジカを攻めた。強敵との戦いを経て更に強くなった2人の攻撃が凄まじい衝撃を生む。 - 109FILM N.G.22/10/11(火) 22:13:32
「ッ!!? うお!!?」
「おわァあああ!!?」
―――しかし変異したトットムジカは更なる難敵と化していた。
回転しながら大きく振るわれる両腕がゾロとサンジを弾き飛ばす。そこへ更に新たに生まれていた脚による追撃が走る。巨体だけでは無い凄まじいパワーに2人は建築物を突き破りながら吹き飛んだ。
「2人とも!!?」
ナミの悲鳴、だが心配は杞憂で2人は直ぐに戦線に復帰してくる。
「大丈夫だぜナミさん!!! ……しかしあれはかなりヤバイぜ」
「ここまで来ると怒りを越えて呆れてくる」
特性は承知しているが、それでもここまで大技を立て続けに浴びても掠り傷一つ負わないトットムジカに一味は苦い顔をする。
「同時に攻撃って言っても外の皆じゃ手が足りない……!」
「何か! 何か状況を打開する何かは無いの!?」
ウソップとナミが後方で援護しながらこの絶望的な状況に頭を抱える。現実世界の仲間達が心配なのだ。幾ら頼れる仲間とは言っても限界が在る。
―――そしてその心配は正しく……ロビン達は今、大きな危機に陥っていた。 - 110二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 22:38:43
なんか生えたァ!?
- 111FILM N.G.22/10/11(火) 23:11:26
怪光線が大地を抉る。
「ああァ!!?」
「ロビンさん!!? ぐあああああーー!!?」
「危ねェお前ら!!!」
光線の直撃は免れた……しかし近すぎた。ロビンが吹き飛ばされ次いでブルックが、そうして一番被害が薄かったフランキーが慌てて倒れる仲間達の前に飛び出す。
放たれる2度目の怪光線。
「フランキ~~!!! “ラディカルビーム”!!!」
迎え撃つフランキーのレーザー。この威力もかなりの物であったが……僅かな拮抗の後にレーザーは怪光線に蹴散らされ、フランキーに直撃する。
「~~~~ッ!!?」
体を盾に後ろの仲間達を庇うフランキー。レーザーで怪光線の威力が減衰されていたお陰か後ろに被害が行くことは無かった。
「フランキー!!?」
「……ああ、クソっ……しくったぜ」
だがやはり身を挺したフランキーは無事とは行かず、体表を焦げ付かせてその場に倒れ伏した。
「これは……万事休すですかね」
倒れたフランキーの代わりにロビンの前へと出たブルック。しかし短くない時間大群相手に戦いながら走り回っていた影響かその動きにいつもの精彩さは無い。“第2楽章”へと変化したトットムジカは最初よりも強大な圧力(プレッシャー)を周囲に与えながら嗤う。
傷付き倒れる麦わらの一味。それを見てゴードンはウタに向かって叫ぶ。
「ウタァーー!!? こんなことは間違っている!!! これ以上酷いことはしないでくれェー!!!」
魔王の力で人を傷付ける。それによってウタ自身の心も深く傷付いているのをゴードンは理解しているのだ。12年も一緒に居たのだ。彼女の優しさは彼がよく知っている。だから何度もゴードンはウタに呼び掛けるが、しかしその声を彼女は聞き届けてはくれない。 - 112FILM N.G.22/10/11(火) 23:20:57
そんな折に、一体の音符戦士が地面に転がるルフィへ槍の穂先を向けて突進してくる。意識の無い彼に避ける術は無い。
突き出される凶器。
「―――ぐぅ!!?」
「ッ!!? いけません!!」
それをゴードンは割って入るようにして槍を受け止めた。鋭い穂先がゴードンの脇腹を引き裂く。ブルックが慌ててその戦士を斬り倒す。
「だ、大丈夫……傷は浅い」
内蔵は無事、しかしゴードン自身が言う程その傷は決して軽くは無い。手で患部を抑えるも出血はジワジワと服を赤く染めていく。
「ッ! 動かないで。今、手当てするわ」
何とか起き上がったロビンがゴードンに応急手当を施す。その間も音符戦士の襲撃は絶え間なく続いており、ハナハナの能力が幾ら優秀と言えども仲間を守りながらでは分が悪かった。
そんな奮闘虚しく力尽きようとする彼らにウタは冷たく声を掛ける。
「……随分頑張ったみたいだけど、もう終わりだね」
血の滲む左手でウタは麦わらの一味を指し示すと、それに応えるようにトットムジカは大きく口を開き、口腔にこれまでで最大の力を集束させていく。
「この一撃で……“お別れ”にしよう」
トットムジカが両手両脚で地面を掴んで反動に備える。それだけの威力を秘めた怪光線が放たれようとしていた。 - 113二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 23:47:45
ああああああああああああああああ!
- 114二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 23:48:46
🥁待機
- 115FILM N.G.22/10/12(水) 00:04:37
絶体絶命。
ロビン達は音符戦士を倒しながら最後まで諦めずに立ち向かおうとする。だが気持ち一つで状況が好転する訳も無く、皆覚悟を決めた顔になる。
そして遂にその時は訪れて……恐るべき魔王の顎から怪光線が――― - 116FILM N.G.22/10/12(水) 00:05:05
「“ROOM(ルーム)”―――“シャンブルズ”!!!」
放たれる直前、その声と共に摩訶不思議な結界が展開され―――次いで彼らの前に声の主とは違う別の男が転移してくる。
「“バリアボール”!!!」
その男は現れるなり指を組んでその場に居る全員を包む球状のバリアを生成した。 - 117FILM N.G.22/10/12(水) 00:06:10
そこでトットムジカから極太の怪光線が放たれ、破壊の渦が周囲を砕きながら男と麦わらの一味を飲み込む。
その怪光線が過ぎ去った跡を見て、ウタは眉根を寄せた。
「……何? 誰?」
バリアが解除され、トットムジカの怪光線を防いだ男と彼を転移させた男の姿が月明かりに照らされ正体を露わにする。
「―――全く……こいつらが居る所はトラブルばかり起きやがる!」
“死の外科医”トラファルガー・ロー。懸賞金30億ベリー。
「うぉおおおおおお!!? ルフィ先輩また会えて嬉しいべ~~!!! 寝てるけど!!!」
“人喰いのバルトロメオ”。懸賞金2億ベリー
そんな予期せぬ2人の登場にロビン達は目を見開き驚く。ウタはその様子を見て彼らが知己であると予想して次の行動に移る。
「……誰かは知らないけど……ルフィの知り合いで守る気なら容赦はしない」
一度は防がれたが、二度は? それ以上は? そんな考えの元でウタはトットムジカに更なる怪光線の追撃をさせようとし――― - 118FILM N.G.22/10/12(水) 00:18:55
「この無礼者めがァあああああーーッ!!!」
「ッ!!?」
その空を割らんばかりの怒声によって思考が一瞬白くなる。声の方へ目を向ければ此方に向かって疾走してくる1人の影。それも恐るべきスピードで。
「ルフィを傷付けるなど……このわらわが許さんッ!!!」
大地を砕きながらの高速疾走でトットムジカに急接近、その影は一定の距離まで近付くと地面を蹴って跳び上がる。
そして放たれる強力無比なる一撃の蹴り。
「頭が高い!!! 平伏せ!!! ―――“大芳香脚(パフューム・フェムル・マグナ)”!!!」
炸裂。
大砲のような爆音と衝撃波が発生する程の一撃によって発射直前だった怪光線が掻き消えた。それによって発生する突風に顔を顰めつつウタは3人目の闖入者を睨み付ける。
大地に降り立ったその者は立ち位置など関係無いとばかりにふんぞり返る……ふんぞり返り過ぎてあらぬ方を見上げて声高々に告げる。
「よく聞け小娘!!! わらわは“麦わら大船団”所属、“女帝”―――!!!」
そしてウタはその者の“美貌”に目を奪われる。
「ボア・ハンコック!!! 愛しき者の窮地に馳せ参じた!!!」
“海賊女帝”ボア・ハンコック。懸賞金16億5900万ベリー。
トラファルガー・ロー、バルトロメオ、ボア・ハンコック。この3人の登場により絶望的と思われた状況が……今、はっきりと変わったのだった。 - 119FILM N.G.22/10/12(水) 00:20:17
本日の更新はここまで。次の更新は明後日になるかも……ごめんね
読んでくれてありがとう
一度はやってみたかった味方ラッシュでした - 120二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 00:22:11
勝ったな風呂に楽譜沈めてくる
- 121二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 00:22:22
味方ラッシュ熱いって思ったらハンコックさん!?
- 122二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 00:23:00
ハンコックさりげなく麦わら大船団はいってるうううう!!??!?
- 123二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 00:36:39
元七武海2人に超大型ルーキー!麦わら大船団傘下の大海賊達が勢揃いだ!!
- 124二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 05:14:54
ここにバギー率いるクロスギルドに、
海軍陣営、藤虎・黄猿・コビメッポ・セラフィム、
そして、赤髪海賊団…。
勝ったな! - 125二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 10:24:22
このレスは削除されています
- 126二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 10:34:47
熱い展開だが、RED原作よりルフィが周りから慕われてるのが強調されてる分、ウタの孤立無援っぷりが際立ってて見てて辛い
- 127二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 10:51:16
ハンコックいるならもう勝ったも同然やん
- 128二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 12:45:45
マムが生死不明になった今世界最強の女となった海賊女帝
- 129二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 14:59:44
勝つとか負けるとかそういう話じゃないんだ
みんなウタを助けてくれ… - 130二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 15:09:13
トットムジカに魅了通じたら笑う
- 131二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 20:12:54
麦わら大船団って突き詰めてしえば「勝手に子分を名乗る集団」だからハンコックが勝手に名乗っても問題ないわけか
- 132二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 22:17:04
ハンコックがいるなら安心だな
- 133二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 01:59:48
保守保守
- 134二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 07:30:13
保守
- 135二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 09:25:34
ハート付け忘れてない?wow wow
- 136FILM N.G.22/10/13(木) 10:09:13
はろーはろー。感想スレ保守ありがとう!
本作が完結までどれくらいになるか作者自身詳しく考えていませんが、今が折り返しぐらいの気持ちで書いているのでこれからもお付き合いお願いします!
書き溜めとかは無いのでチマチマ投稿していきます! - 137FILM N.G.22/10/13(木) 10:13:50
この窮地に於いて頼もしい増援。しかし見れば見る程にこの3名の繋がりがわからない。
「どうして貴方達がここに?」
ロビンが口に出した疑問はもっともだった。それにローは難しい顔で返す。
「各々に事情は有るが……まあ簡単に言えば」
言葉を引き継ぐようにバルトロメオは元気良く答える。
「ウタ様のライブに来る途中で女帝様に拾われたんだっぺ~~!!!」
「拾われた」
余計わからなくなった。ただバルトロメオの服装には“UTA”のロゴがプリントされ背中には“愛羅武勇(アイラブユー)”の文字……何処からどう見ても『わたしは歌姫のファンです』と言った装い。
「ニワトリくんはわかるけど……ローも歌姫のファンなの?」
「違う。おれは―――」
ローは自分の後ろを指し示す。そこに姿を見せるのは彼の仲間の一人。
「ベポの付き添いだ」
「すいません……」 - 138FILM N.G.22/10/13(木) 10:14:00
バルトロメオ以上に奇抜な格好をした白熊のミンク族、ベポが背中に絡繰り式“UTA”応援扇を広げて頭を下げる。ライトアップ機能と賑やかな音楽も搭載されており視覚的にも聴覚的にもうるさかった。
ロー本人はウタのファンでは無いがベポはそうである為共に参加。バルトロメオは言わずもがな。
「じゃあ貴女は?」
「ふん! 決まっておろう!」
ハンコックは髪を掻き上げる。そんな仕草すら人の目を惹き付けててやまない艶(あで)やかな彼女は偉そうにロビンを指差しながら答える。
「ライブに参加する為じゃ!!!」
意外や意外。ロビンは予想していなかった答えに驚き目を見張る。あの噂に名高い“海賊女帝”が一歌手のファンなどと考えられなかったのだ。
「ウタのファンだったの?」
「あんな小娘になぞ興味など無いわ!!!」
「えー……?」
ファンじゃ無かった。もう訳がわからなかった。 - 139二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 12:39:27
保守
- 140二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 16:50:58
- 141二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 17:18:54
- 142FILM N.G.22/10/13(木) 17:32:12
- 143FILM N.G.22/10/13(木) 17:33:40
―――そんな“姉”の様子を見ていた妹2人、サンダーソニアとマリーゴールドが笑みを浮かべながらやって来た。
「姉様に私達がお願いしたのよ」
「歌姫のライブに行きたいと」
「……ふん。その通りじゃ。わらわは可愛い妹達の願いを聞いてここにやって来たまで!」
凜々しい表情のハンコック。しかし眠るルフィに目を向けて相好を崩す。
「べ、別にルフィに会いたいから妹達の言に乗ったわけでは無いのだからな!?♡ そこは勘違いするで無いぞ!?♡」
「…………」
すごくわかり易い。そう思ったロビンだったが彼女は賢いので口に出すことは無かった。
それもそうだ。元七武海で高額な懸賞金を付けられている大物海賊が一人の男に会いたいという理由だけで易々と動けば……その影響が何処まで波及するかなど予想出来ないのだから。
(……まあうちの船長も幼馴染みに会うという理由だけで航路を決めたわけだけど)
この海で名を馳せた者は少なからず我が道を征く気質が在るということか。ロビンは一人納得する。
「……でもやっぱり貴女があの2人を船に乗せて来たのだけは想像が付かないわ」
九蛇の民からなる九蛇海賊団が男を乗せてやって来るなど誰も思わないだろう。そこまでの経緯が気になると云う物。
「そこまで知りたいと言うのであれば教えてやろう……わらわ達がここまで来た経緯を!」
ハンコックはローとバルトロメオにトットムジカへの警戒を自然と押し付けながらルフィを膝枕しつつしつつ当時の出来事を語り始めた。 - 144二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 17:38:30
この女帝様余裕しかないな
- 145FILM N.G.22/10/13(木) 18:29:41
あれは2ヶ月近く前のこと。麦わらの一味に一本の電伝虫が掛かってきたことから始まる。
ジリリリリと受信を知らせる電伝虫。
「おう、誰だ!」
一番手近に居たルフィが受話器を取った。そうした電話相手と云えば―――
『ル、ルフィ……!♡ ひ、久し振りじゃの♡』
「お前ハンコックか! ひっさしぶりだなァ~!」
自然と話し始めるルフィと電伝虫の相手があの“海賊女帝”と知って驚く仲間達。シャボンディ諸島で再集結した後にアマゾン・リリーに居たことをルフィから聞いていたがこうして直接連絡を取ってくるとは思ってもいなかったのだ。
「どうした? なんかあったのか?」
そんな仲間達とは正反対にちっとも気負ってない友達感覚で用件を尋ねるルフィ。そんな彼にハンコックはまごつきながら口を開く。
『じ、実はそなたにお願いが在って……』
「ん? 何だ?」
『わらわを……その……』
会話するだけでドキドキしているのかハンコックは深呼吸を挟むと、勇気を振り絞るようにそのお願いを言葉にする。
『……わらわ達“九蛇海賊団”をそなたの“大船団”に入れては貰えぬか?』
その願いとは九蛇海賊団を麦わら傘下に入れて欲しいと云う物であった。 - 146FILM N.G.22/10/13(木) 18:29:51
「「「「ええええェ~~~~ッッ!!?」」」」
その驚きの内容に声を上げる仲間達。
「えー? お前も入んのか? ヤダなー」
「「「「ええええェ~~~~ッッ!!?」」」」
渋い顔で嫌だと言うルフィにもっと驚く仲間達。
『そ、そんな……っ!? ……はぁ……』
『姉様!!? しっかりして!!』
電伝虫越しにハンコックが倒れた音が聞こえその心配をする彼女の妹の声がした。どうやら断られるとは思っていなかったらしい。
ショックで意識を朦朧とさせるハンコック。そんな彼女にルフィは笑顔を浮かべて伝える。
「だってお前らとはもう友達じゃねェか! いちいちそんなのに入る必要なんかねェよ!」
朦朧としていた意識にズドンと突き刺さる愛しき人の言葉。
『ッ!!! ル、ルフィ!♡ 入る必要が無いとはつまり……! わらわ達は既に同胞(はらから)だったと云うことじゃな!!!』
「え? そうは言ってねェ」
『これが……嫁入り……!!!♡』
幸福の頂きに立っているハンコックにルフィのツッコミは聞こえて無かった。
『で、では……♡ わらわと“九蛇海賊団”を今後とも末永くよろしく頼むぞルフィ♡』
「なーんであいつらもお前も押し掛けてくんだろうーなー?」
傘下だの子分だの窮屈で堅苦しいだけだろうと思うルフィだが、もうハンコックの中では九蛇海賊団は麦わら大船団に入ったという認識になってしまった。だからもう純粋に友達がこれからも宜しくと言った風に受け取る事にしたのであった。 - 147二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 18:33:21
あかんこれじゃサカズキの胃が死ぬゥ!
- 148二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 19:50:15
もう死んでるからセーフ(?)
- 149二次元好きの匿名22/10/13(木) 21:17:44
保守
- 150二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 21:22:42
ルフィには窮地で味方をしてくれる人がたくさんいる
ウタには支持してくれる人はたくさんいるけど窮地で味方をしてくれる人はいない - 151二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 21:25:43
- 152二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 02:25:37
ハンコックって戦力的には心強いけど、ウタの心を救うにはどうなんだ……?
- 153二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 02:50:27
続きが気になって寝れねぇ
- 154二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 07:24:45
気にかけることはあんまし無いと思うけど、逆に周りの空気読まなくて薬飲ませたりとかしてくれるかもしれない……?
- 155二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 09:12:40
保守
- 156FILM N.G.22/10/14(金) 12:22:35
そうして九蛇海賊団は無事に麦わら大船団の一員になれた……しかしハンコックには未だとても大事な目的が在った。それは―――
「……はぁ……ルフィに会いたい」
やはり本人に一目会いたいと云う物だった。
電伝虫での連絡を取った最後にハンコックは大船団に入った流れで一度合流でもしようかと企んでいたのだが、ルフィは「じゃあおれ達これからエレジアに行くから! お前らも元気でな!」とあっさり通話を気ってしまったのだ。まごついてた所為で本命の願いを切り出せずに終わったハンコックはショックで落ち込んだ。
「…………」
そんな可哀想な姉を見かねて妹のサンダーソニアとマリーゴールドは一計を講じることにした。
「ねえねえ、姉様。ちょっと良い?」
「……何じゃ。言うてみよ」
普段よりしおらしいハンコック。ルフィと話した直後は大体こうである。そんな彼女に妹は“トーンダイヤル”を取り出して言う。
「日取りは少し先だけど、エレジアで歌姫のライブが有るの」
「わたし達の話しというのはそれに行きたいという物なの姉様」
行きたいなー行きたいなー、ライブに行きたいなーとサンダーソニアとマリーゴールドは二人でハンコックにおねだりする。そんな妹達にハンコックは眉根を寄せて「ライブじゃと?」と言う。
「わらわは歌姫になど興味無いが―――」 - 157FILM N.G.22/10/14(金) 12:22:46
「ほら姉様。ルフィだってエレジアに行くようだし」
「ッ!!?」
「ライブ行く次いでに久し振りに顔合わせ出来るんじゃないかしら?」
「……な、なるほど! そうか! その手が!」
ハンコックはまるで天恵でも得たと言うように晴れ晴れとした表情で船頭に立つ。
「聞けお前達!!! わらわ達はこれより進路をエレジアに向ける!!!」
その言葉に異を唱える者は誰も居ない。だって電伝虫のやり取り全員聞いてたから。
「人生余興も必要であろう!!! よってわらわ達は歌姫のライブに参加する!!! さあ行け遊蛇(ユダ)よ!!! 凪の海(カームベルト)を突っ切り最短で駆け抜けるが良い!!!」
その類い希なる美貌を更に喜色で輝かせるハンコックを九蛇海賊団の面々は微笑ましく見守りその号令に従うのであった。 - 158二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 17:06:05
保守!どうか、救われてくれ!!
- 159二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 17:27:51
ハンコック「付き添いじゃ」
ロー「付き添いだ」 - 160二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 17:47:41
どうなるのかね、これ?
ウタ救われてくれ・・・本当に。 - 161二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 17:50:29
ルフィもシャンクスもゴードンもウタへの対応が甘過ぎたしハンコックみたくきつく言ってくれるような存在は必要かも
- 162二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 17:55:37
- 163二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 17:57:57
- 164二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 19:59:14
- 165FILM N.G.22/10/14(金) 21:36:47
やあ、色々と予定があって中々進まないね。今ちょっと書けたから投稿するよ!
一応言っておくと発禁描写は書いて無いし書き始めの部分だけなので見る時は自己責任で
[閲覧注意]pixivにウタのR-18小説が|あにまん掲示板少ないことを教える。ただ需要はあり過ぎるのか♡100以下がほとんどないことも教える。つまり書ける人はどんどん書いて欲しいことを伝える。bbs.animanch.com - 166FILM N.G.22/10/14(金) 21:41:00
―――そうして意気揚々とエレジアに向かって出発した直後。
「蛇姫様!!! 大変です!!!」
海を監視していた仲間の一人が慌てながらハンコックに駆け寄ってくる。ハンコックはサロメに身を預けてゆったり座りながら対応する。
「そんなに慌ててどうした」
「む、向こうに!? その……ル……!!」
「る?」
そうして見えた物を見えたまま報告する。
「“ルフィの船”が!!!」
「何じゃと!!?」
予想外の報告にハンコックは立ち上がる。麦わらの一味が居るのはこことは違う海域、よってルフィの船が発見されるなど有り得ない。
「一体どういうことじゃ!? もっと詳しく報告せぬか!!!」
「え、えっと……ルフィの船としか言いようが無く……」
「ええい! 要領を得ん! わらわが直接確認するどの方角じゃ!!」
ハンコックは仲間が見たそれを自身も甲板の縁に立って瞳に映す。 - 167FILM N.G.22/10/14(金) 21:41:20
「な!? ……なん……じゃと……!?」
そうしてハンコックの目に入ったのは紛れも無く―――
「……ルフィの船じゃ」
あのモンキー・D・ルフィを船首に象った“ルフィの船”。
帆に描かれた文字はBARTO CLUB……つまり彼女達が目にした船とは“ゴーイングルフィセンパイ号”であり、それに乗船するはバルトロメオ率いる海賊団“バルトクラブ”だったのだ。
「……海は広いべー、良い天気だべー」
バルトロメオは陽気な空にほのぼのしながら隣りに居る人物に目を向ける。
「お前もそう思うべ、トラファルガー」
「知らん」
「相変わらずスカした奴だべ。そっちの白熊君と足して2で割りゃ丁度良いんじゃねェべか?」
「アチョー!」
ゴーイングルフィセンパイ号にはローとベポも乗船していた。ライブを盛り上げる為の踊りをバルトクラブの面々にチェックしてもらうベポを指差すバルトロメオだが、当のローは取り合うことはせず座って聞き流していた。 - 168FILM N.G.22/10/14(金) 22:00:02
「まったく折角乗せてやったのにノリの悪いやつだべ」
「おれは頼んだ覚えは無い」
実際、ローがこの船に厄介になっているのはベポが発端だ。
歌姫ウタの熱心なファンであるベポ。しかし他の仲間にわざわざライブまで観に行こうと思う熱心な者は居らず、仕方無くローが彼の付き添いとして二人でエレジアに向かっていたのだ。
その道中偶然出会ったのがバルトクラブ。二人に声を掛けたバルトロメオの格好が何故かウタのファン装束だったのでベポが大いに反応、熱心なファン同士で通じる物が在ったのか歌姫について長々と語り合った後に「目的地が同じなら一緒に行くべ!!!」「アイアイ!!!」と意気投合。この状況に至る。
あくまで付き添いであるローはベポとバルトロメオの熱意に付いて行けず船の上では距離を置くようにしていた。
「……それより航海士が居ねェ船だと? イかれてんのか」
ただ相乗りしてからこの船の異常さを身を以て味わうことになってしまい心労が溜まりっぱなしのローは長い溜息を吐く。そんな風に一人落ち着いて海を眺めていたからだろう、彼が“それ”にいち早く気付けたのは。
「……!!! おいテメェら!!! やべェ船が近付いてくるぞ!!!」
そう言いながらローは自分が今乗ってる船も違う意味でヤバイ船だったなと思ったが脳の奥へと蹴り込んだ。 - 169FILM N.G.22/10/14(金) 23:15:18
ゴーイングルフィセンパイ号に近付いて来たのは―――海王類さえ避ける毒蛇“遊蛇”に牽かれた船、九蛇海賊団の海賊船だった。
ハンコックから話しを聞いたロビンは成る程と呟き締め括る。
「……そうして貴女は見つけたトラ男君とニワトリ君と白熊君を船に乗せたのね」
「そうじゃ。中々に見所の在る船に乗っておったからな。ルフィの子分を名乗るに相応しい素晴らしい船じゃった」
「いや~そう褒められると照れるべ~♡」
「……あれを褒める女帝屋も照れるテメェもおかしいだろ」
ローはハンコックに船に乗せられてからの航海を思い出して……思い出して……
「やっぱ思い出したくねェ……何が楽しくて麦わら屋の話しを延々と聞かされなきゃならねェんだ」
この数十日、ずっとルフィの話しかウタの話しかで埋め尽くされていた日々にローは本当にげんなりしていた。船内に大きく引き延ばされたルフィの写真が貼ってあったのを見つけた時は幻覚でも見ているんじゃないかと思った程だ。
そんな経緯でエレジアに辿り着いたハンコックと九蛇海賊団、ローとベポ、バルトロメオ達。遊蛇のお陰で凪の海を突っ切る最短ルートのお陰で随分と早く目的地に着いた。そこまでは良かったのだが―――
「だがまさかあの歌姫がこんなヤバイ奴だったとはな。―――“切断(アンピュテート)”!!!」
鞘を投げ捨て振り抜く妖刀“鬼哭”。その一振りによって直線上“ROOM”内に存在する音符戦士の全てが切断されて消滅する。
「本当にどうなってるんだべェ~!!? どうしてウタ様があんな怪物従えて暴れてるんだっぺかァー!!?」
トットムジカの広範囲攻撃を“バリア”によって弾くバルトロメオは状況を知らず勢いで参戦した物だから半分パニック。しかし仕事はしっかり果たすのだから頼りになる。
「相手が誰であろうと関係無い!!! ルフィに仇為す物は全てわらわの敵じゃ!!!」
見下し過ぎて逆に見上げているお馴染みのポーズでウタを指差すハンコック。ルフィを膝枕している状態で器用なものである。 - 170FILM N.G.22/10/14(金) 23:46:19
本日の更新はここまでです。読んでくれてありがとうございます
もっとストーリーを進めたいのですが中々うまくいきませんね。それではおやすみなさい - 171二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 23:48:32
乙
- 172二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 23:55:38
ハンコックの安心感やべえわ
トットムジカを蹴り飛ばせるとは - 173FILM N.G.22/10/15(土) 00:10:08
見下し過ぎて逆に見上げているお馴染みのポーズでウタを指差すハンコック。ルフィを膝枕している状態で器用なものである。そして相手が何者であろうとハンコックのスタンスはぶれない。
「ウタはルフィの幼馴染みだから出来れば話し合いで解決したいのだけれど」
「幼馴染みじゃと羨ましい小娘め!!? そこから下りきて話し合いに応じよ!!!」
ルフィを膝から下ろすとハンコックはウタに対して「さっさと下りて来ぬか!!!」と怒鳴り散らす。スタンスはぶれて無いが変わり身は早かった。さっきまで暴力で解決する気満々だった。 - 174FILM N.G.22/10/15(土) 00:10:34
すまん本当はここまで更新するつもりでした
これで本当におやすみ - 175二次元好きの匿名さん22/10/15(土) 00:59:48
このレスは削除されています
- 176二次元好きの匿名さん22/10/15(土) 10:08:22
保守!
- 177二次元好きの匿名さん22/10/15(土) 17:24:17
ほしゅ
- 178二次元好きの匿名さん22/10/15(土) 21:38:53
保守
- 179FILM N.G.22/10/15(土) 23:54:11
保守感謝です。時間とれない……ちまちま更新すまぬ
では書けたの更新します - 180FILM N.G.22/10/15(土) 23:55:48
「…………」
ウタはそうして集まった彼女達を見下ろす。左手に空いた穴から流れ落ちる液体で指先がぬめるのが不快だった。
「ルフィ……友達がたくさん出来たんだね」
瞳に赤い輝きが灯る。それはトットムジカの目と同じ、視界に映る全てを焼き尽くすような赤い輝き。
「でも海賊の友達なんだね……皆を苦しめる、悪い海賊……!」
トットムジカから湧き出す力が膨れ上がり周囲の空間が震えて悲鳴のような甲高い音を発する。
「なんかヤベェ!!? 今のウタ様うまく言えねェけどすげーヤベェべ!!?」
「見りゃわかる!!! “ROOM”―――」
ローは直ぐにウタを結界内に収めて能力を行使しようとする、が。
「―――ッ!!? 動かせねェだと!? どうなってやがる!!!」
しかしそれが不発したことにローは困惑する。
“オペオペの実”の力は特定条件下では万能とも言うべき能力。それでも確かに能力の通じにくい相手が居たのも事実だが、ウタはそのような手合いとは違う。
「覇気じゃねェ! 能力が“擦り抜ける”!?」
手応えがまるで無いのだ。過去“ROOM”で動かせなかったビッグマムやカイドウは覇気による抵抗で動かせなかったのだがウタの場合は何故か抵抗が全く無い……そこに何も居ないかのように。
「トラ男君。私のハナハナの力も今の彼女には通じないの。咲かせられない」 - 181FILM N.G.22/10/16(日) 00:24:52
ローの感じたその不可解な感覚は既にロビンも感じていた物。トットムジカから仲間を連れて逃げる途中に幾度かウタを拘束する目的で手を咲かせようとしたのだが―――
「……おそらく、今のウタは“存在が不安定”なのよ。その所為で私達の能力が空振りする」
「何だそれは。わかるように説明しろニコ屋」
「それは―――」
ロビンはローに“魔王トットムジカ”について説明する。この現実世界と空想である“ウタワールド”を股に掛けて顕現する恐怖の存在、その異常性と攻略法を。
「―――つまり私はトットムジカによってウタの肉体にも何かしらの影響が及んでいると考えてるの」
「二つの世界を繋げる魔王……確かにそんな物を呼び出して術者に何の影響も無いなんてのもおかしな話しだからな」
「物理的な攻撃はトットムジカや兵士で防いでいるから実体はちゃんと在るみたいだけど……」
「……ちっ! 能力で直接狙おうとすると不具合が起きるってか! 面倒な!」
ハナハナとオペオペ。過程は違うが“対象を認識して影響を及ぼす能力”という点では似ている。それが両方ともウタを対象にすると正常に機能しなくなる。2つの能力はそこに居る筈のウタを“居ない”と判断している。無い物にハナハナは咲かせられないし、オペオペは無い物を改造出来ない。
ローは想像以上に厄介な状況だと理解して苦虫を噛み潰したような顔になる。
「ふん! 何ということは無い!」
しかしハンコックはそんな状況でも驕る姿勢を崩さない。
「あのデカ物が夢と現実の両方で叩かねばならない存在であるならば!! 夢に囚われたルフィ達と攻撃のタイミングが合うまで攻め続けるだけのこと!!! そなた達もルフィの友人なら気合いを見せてみよ!!!」
「友達じゃねェ!!?」
「と、友達だなんてそんな……照れるべ」
ハンコックに言われるまでも無くローは“ROOM”による効果が直接通じないなら別の切り口で攻めようと考えていた。
「こいつらの守りは任せるぞ人喰い屋とニコ屋」
ローは能力を鬼哭に付与する。それは音符戦士の集団を一振りで両断した時と同種の力。こうして物理的に直接攻撃すれば先程のような擦り抜けは発生しない。 - 182二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 00:29:30
人食い屋ってこええなって思ったがロメオか・・・
- 183FILM N.G.22/10/16(日) 01:00:18
「おれと女帝屋が攻める。ホネ屋とロボ屋も動けるようになったら加勢しろ」
ローとハンコックが前線に並び、その後ろに仲間のベポ、サンダーソニアとマリーゴールドが控える。
「わらわの足を引っ張るなよ」
「誰に物言ってやがる」
トットムジカが召喚した音符戦士が彼等に向かって進攻する。それに一切臆さないローとハンコックは各々の力を存分に振るう。ただの戦士は“ROOM”の影響を受けて一瞬の内にバラバラにされ、投げキッスで生成されたハートの矢の雨によって石化して落ちる。大軍が溶けるように消えていく。
今は剥奪されたが互いに“七武海”に数えられていた大海賊。その圧倒的な力によって戦況を一気に引っ繰り返す。
「やっぱ強ェべトラファルガー!!! そのまま魔王も倒すべー!!!」
快進撃にテンションを上げるバルトロメオ……その直後だった。
「ッ!!?」
魔王の腕が振るわれた。
ローもハンコックもそれに対抗しようとしたが余りにも呆気無く叩き飛ばされた。砲弾のような勢いで吹き飛んだ二人が建物に突っ込む。瓦礫が崩れ落ちる音が響き土埃が舞い上がる。
「……だ!!? だだだだ、大丈夫だべか二人ともー!!?」
叫ぶバルトロメオ。強烈な攻撃を受けた二人が無事なのか確認しに行きたいがこの場には眠る者達と傷付いた者達が居る。守りの要である彼は軽々に動くわけにはいかないのだ。
だが心配は杞憂だったようで二人は直ぐに瓦礫から飛び出してくる。
「なんだ無事だったべか」
「無事なもんかクソがっ!!!」
「ルフィの前でわらわは無様な姿を……ッ!!! 許さぬぞ魔王めェ!!!」 - 184二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 07:33:05
やっぱキツイよなー
- 185二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 11:45:48
ほしゅ
- 186二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 18:53:58
ほっしゅ
- 187二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 23:03:44
保守
- 188二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 03:08:45
そろそろレス数厳しくなった
- 189二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 07:39:10
次スレいくか?
- 190二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 07:57:55
- 191二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 08:08:11
- 192二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 08:31:14
スレ主が次スレ作るのか?新しく作った方が良いのか?
どっち? - 193二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 09:04:54
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- 194二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 09:05:16
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- 195二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 09:05:44
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- 196二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 09:06:04
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- 197二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 09:06:34
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- 198二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 09:07:12
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- 199二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 09:07:25
アホが居るな
- 200二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 09:07:34
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