【オリキャラ注意】「ドジって前世を思い出しちまったぜ」外伝その3

  • 1122/12/09(金) 20:50:34
  • 2122/12/09(金) 20:51:59

    【このスレだけのオリジナル設定・オリジナルキャラ】

    ・コラさん
    一応色々あって今世の名前をロシーと自称しているが、ローもとい他の船員からはコラさん呼びされています。
    身長166㎝の伸び盛り。将来的には288㎝(ダイスで決定)
    治安悪めのスラムみたいなとこ生まれだけど特別な血統とか病気とかはないまま育った(安価で決定)

    ・クオル
    オリキャラ
    安価で悪い医者と出たせいで徹底的にローと対比を取られつつ、神絵師のネコチャンイラストによって野良猫要素が継ぎ足された属性過多男。悪魔の実の能力者。
    不治の病の治療法を見つけるために勉強中の医者。
    現在同乗中。

    このスレからの新オリキャラ

    ・マリー
    色付き眼鏡、腕には入れ墨、屋台で威勢のいい掛け声をするファンキーなシスター。
    面倒見のいい姐さんタイプ。

    ・クリストファー
    ギャンブル好きの生臭神父。人当たりはいいけれど結構適当でろくでなし。
    マリーのお父さん。

    ・レミ
    本名レミリオ。優しそうな丸眼鏡のお兄さん。
    頬から首を渡って大きな傷がある。死んだ兄がいるらしい。

  • 3二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 21:03:46

    立て乙です!相変わらずスレ画もよくてニッコリする

  • 4122/12/09(金) 21:05:49

    ・このスレの時系列はごちゃごちゃです。劇場版時系列と思ってください。
    ・ワノ国後っぽい雰囲気が見られたりするかも知れませんが、時系列はパラレル。
    ・ローはK・ROOM、R・ROOM使えるローなのか現状定めていませんが、『凪(サイレント)』は使う事はないと思います。

  • 5二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 21:08:03

    たておつ!うっすら前作の空気が漂うと勝手に嬉しくなる(何一つ意味が分からないって顔するクオルくんとか…)

  • 6122/12/09(金) 21:10:55

    おれたちが船から出ると、仁王立ちで港にどん、と立っているマリーさんが。
    その顔は鬼のように怒りに満ちていて、見た瞬間ひええ……とビビッてしまうし、隣にいるシャチもビビっている。美人のぶちぎれた顔の迫力はとんでもない。

    「いくら名の知れた海賊だからってねェ……! あの隙あらば仕事サボってギャンブル行くボンクラ神父だとしても、渡すわけにはいかないよ! クリスが欲しけりゃアタシを倒してからさ!」
    「大分娘の方がかっこいいなお父さん」
    「うちのマリーちゃん正義感強くてかっこいいんですよ。いいでしょう? まだ嫁には出しませんが!!」
    「ひとまずこの状況を収めような??」

    マリーさんは腕にでっかいフライパンを持っている。あれで普段料理とかするんだろうなあ、と使い込まれたものだ。
    流石にそれで叩かせたりするのは忍びないので、早く誤解を解かないといけないだろう。
    ……まあ、強引に拉致したのはしたので、あながち誤解でもないのだが。

    「マリーちゃ~ん、海賊に攫われた可哀想なお父さんですよ~」
    「クリス! 無事かい! いや、今の一瞬でなんだかんだ読めた。アタシのしていることはただの誤解でクリスは無事ってことだね!」
    「話が早すぎる」

    クリスさんの姿を見て、緩い返答をした瞬間すぐに察しがついている。
    頭の回転が速いというか、神父さんに対する理解が素早いというか、とにかくマリーさんが凄いという結論になる。
    一瞬で誤解が解けたマリーさんだけど、そのまま普通に船に乗り込んできた。この親子度胸がありすぎないか? 仮にも海賊の船だぜ。まあ悪いことはしてないんだけどな!

    ちなみにこの騒ぎの中ホーキンスは座って優雅に紅茶を飲んでいたし、クオルはそれを正気か?見たいな顔で見ていた。一応元凶お前だからな??

  • 7122/12/09(金) 21:11:33

    >>3

    スレ画は感想スレで作ってもらったやつ

    素晴らしいコラ技術ににっこり

  • 8二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 21:17:56

    本当に話が早いんよマリーさん
    普段の親子関係が伺えてなご…和む…?和むぞ!

  • 9二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 21:21:39

    コラ(さんじゃない)技術しゅごい
    というか部外者三人とも肝座りすぎで笑ってしまう

  • 10二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 21:22:15

    前後しちゃったけど
    これまでのざっとあらすじ
    ・補給の為の島に着く前に不思議な生物を見たコラさん
    ・島を巡回中にシスター・マリーさんとダメな父親兼神父・クリスさんと本屋の店員さん・レミさんに出会う
    ・最悪の世代、ホーキンスとエンカウント、不吉な予感を聞く
    ・ペンギンが夜遅くに帰ってきたが様子がおかしい
    ・情報収集中に遭遇したホーキンスから島の怪しい噂を聞く
    ・クリスさんから関係者の情報ゲット、レミさんに情報もらえないかと思ったが拒否され怪しい手帳だけゲット
    ・情報整理の為にクリスさんを拉致したらマリーさんが来た

  • 11122/12/09(金) 22:26:01

    「何、つまり話を聞くにこの島でそのペンなんとかとやらが、何かしらの悪いやつに催眠をかけられたってことかい?」
    「そうそう。それで、島の歴史の中でも同じことが起こったらしいから、調べてみようみたいな感じになって、ちょうど島に詳しい人として連れてこられたんだよ」
    「アンタが詳しい場所って賭場ぐらいじゃないか」
    「失敬な! 私美味しい飲み屋さんも詳しいですよ!」
    「……何か聞きたいことがあるならアタシにいいな。この人に頼っても碌なことにならないから」
    「アレェ!?」

    うん、多分頼りになるのはマリーさんの方なんだろう。こう、全身から頼りになりますって空気出してるし。

    「……曖昧な表現になるが、最近この島で不審なこととか起こっていないか? 他の場所から来た人間を見なくなった、とか、とにかく些細なことでも教えてほしい」
    「不審なこと、ねェ……」

    隣で『この前爆負けしたことですかね、あれ完全にイカサマしてますよイカサマ』とかぶつぶつ言っている神父さんに足を一発入れて黙らせてから思案する。
    関係ないことだと思うけれど、と前置きを入れてから、マリーさんは話してくれる。

    「最近、……妙に甘い臭いがするんだ」
    「甘い?」
    「え、そう?」
    「何か催しとか、店で何かしらやってるのかと思ったが、どうにもこうにも、どこでもするんだよ。だから最近鼻が馬鹿になりそうでね」
    「……そうかあ?」

    おれは鼻をすん、と鳴らしてみるが、全然甘い臭いはしない。
    そんなおれを見て、マリーさんは笑う。

    「アタシの鼻は格別なんだよ。犬にだって負ける気はしないさ」

  • 12二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 22:39:07

    前スレ最後の小ネタを詰めてみた
    いろんな情報が出て楽しかった…!

  • 13122/12/09(金) 23:05:51

    >>12

    神絵師ありがとう。仕事が早すぎてびっくりしてしまった。

    あなたの書かれるクオルが相変わらずアシメの片メカクレでスレ主は手を拝んでいる。

    イッカクと並んでる姿が可愛いし、ちゃんとぼーっとしているクオルに世話を焼いてくれている。それに気振るコラさんで笑ってしまった。虚無顔でラブ&ピースしつつ、それにしんみりするコラさんなど、クオルに対するコラさんの反応が好きです。

    コラさんに対してお兄ちゃんぶるシャチもいいし、また自分の知らないところでとんでもないことを仕出かさないかすごい目をしているローに笑いました。前作での怪我の経歴を考えたら妥当。

  • 14122/12/10(土) 02:16:50

    書けそうかなと思ったけど、眠いので保守だけして失礼します。
    また明日書きにくるのでよろしくお願いします。

  • 15二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 08:46:55

    このレスは削除されています

  • 16二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 16:56:13

    保守

  • 17122/12/10(土) 22:18:41

    保守ありがとうございました。またのそのそゆっくり書いていきます。

  • 18122/12/10(土) 22:42:33

    マリーさんはそう言うが、神父さんは不思議そうに首を傾げているだけ。
    もしやマリーさんだけ甘い臭いを感じているのか?と思っていたら、ローはベポを呼べ、と言ってきた。
    とりあえず別の用を頼んでいたベポを呼んできた。そして、甘い臭いの事を聞いたら『してるよ』とのこと。

    「島に来た時からずっとしてたけど、ここの島自体の匂いじゃないの? お菓子とか、花とか」
    「そんなことはないさ。別段、特徴的な臭いがこれまであったわけじゃない。だから急にしてきたそれがずっと変わらず残っていて気持ち悪いくらいさ」

    そう忌々しそうにマリーさんは言う。……ベポとマリーさんはそう言うが、おれにはまったく感じない。
    ということは、これ、ベポ……ミンク族レベルの鼻じゃないと感じ取れないってことか。
    ……マリーさんマジで犬とかそういうレベルで鼻がいいな!? すげェ!

    「マリーちゃん相変わらずすごいですよねェ。パパも鼻高々」
    「だからあんたが賭場に行っても飲み屋に行ってもすぐにわかるよ」
    「あー! 持病の癪がー!」
    「あんたの持病なんて酒飲んだ後の二日酔いくらいじゃないか! ほら、話進まないから隅っこに行ってな!」

    しっしっ、とやるだけではなく神父さんのお尻もぺちん!と叩いてどかすマリーさん。神父さんはよよよ…と泣き真似をしながら本当に隅に行く。この親子一周まわって面白くなってきた。

    けれども、おれの隣にいたクオルは首を傾げながらぼそりと呟く。

    「……父親が若すぎると思うが、本当の親子なのか?」
    「えっ」

    えっ何々急になんだ?!
    クオルは疑問だけ呟くと、それだけで満足したのか黙り込んだ。
    お前っ! 気になることだけ言って終わらせやがって!!

  • 19122/12/10(土) 22:42:59

    ※ローはデリカシーがあるので言いませんでした。クオルはそこまでないので言います。

  • 20122/12/10(土) 22:44:44

    してほしい質問安価(※親子関係云々はコラさん的デリカシーによるとダメとのこと)

    >>21>>23


    いけそうなら全部聞きます。

  • 21二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 22:53:59

    匂いについて
    強いて言えばどの辺りが強い、弱いがあるか

  • 22二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 22:56:16

    祀ってるの豊穣神だった、よね?
    なら、花関係の逸話とかあるのかどうか、とか?

  • 23二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 23:19:07

    レミとの関係

  • 24二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 23:26:14

    このレスは削除されています

  • 25二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 23:27:20

    ローはデリカシーがあるので言わない
    クオルは言う
    そしてコラさんは気付かない
    三者三様の描写が上手くていいなぁ

  • 26122/12/10(土) 23:29:25

    全部入れさせていただきます。

    ありがとうございました!


    >>25

    そういう誉め言葉を言われるとスレ主は浮かれてしまうアレ。

    多分シャチとかもホーキンスとかも気づいてたりします。ホーキンスはデリカシーとかではなく、別に気にしてなかったやつ

  • 27122/12/10(土) 23:42:47

    ……ひとまず、クオルのことはいいとしよう。
    マリーさんと神父さんの関係性も気になりはするが、今はそれどころじゃないのはわかっている。
    幸いなことに、おれたちのやり取りを知らないローが突き詰めて質問していた。

    「……その匂いの詳細だが。もし怪しいものだと思うのなら、どこが発生源なのか――特に強い臭いかわかるのか?」
    「それがね、アタシも調べてみたんだよ。そうしたら街の中で一番濃いのが、教会近くと来た」
    「エッそうなの!? マリーちゃん私に何も言わなかったじゃん!」
    「言ってどうするってんだいこのボンクラ。つまりそういうわけで、最近の悩みの種だったわけだよ」
    「そうか……」

    確かに、不思議だよなあ。甘いもの作ってるわけじゃないのに、ずっと甘い臭いがするなんて。
    でもなら、と今度はおれが口を開く。

    「それじゃ、どんな種類の甘さかわからないか? 砂糖みたいな感じ、とか」
    「……どちらかといえば、花の方に近い気がするね。花は嫌いじゃないけど、お菓子のような幸せな気分にはならなかった」
    「マリーさんお菓子好きなのか?」
    「そこは突き詰めなくていいよ! ちょっと気恥ずかしくなったじゃないか!」

    少し照れたようなマリーさんにあらかわいい……とほんわかした気分になる。見たら神父さんもほんわかした顔になっていた。もとからそうだけど、やっぱり親子関係云々は気にしないことに決めた。あれ親バカの顔だぜ。

    気を取り直して。次は何を聞こうか、と思っていたら、今まで黙っていたホーキンスが問いかける。

    「お前たちが祀っている神は、豊穣の神の側面があると聞いた」
    「……なんだいそれ。クリスが言ったのかい?」
    「ほら、輪転の神である限り、例えば植物は地に還り、土を育み肥えさせ、やがて新たな芽吹きとなる。そういう風に考えればそういった側面もあるかもしれないじゃないですか」
    「あー、まぁ、一理あるね。普段そういう風には見てこなかったけど」

  • 28122/12/11(日) 00:09:37

    「甘い臭いを花に似ていると言ったが、ならばお前たちの神には花の逸話があるのか?」
    「どちらかといえば、と言っただろう? でもそうだねェ……、アタシの知る限りではないよ。無論アタシの知らない範囲の話は知らないが」
    「……そもそもコクレア様って何がどうして祀られている神様なんだ?」

    似たようなものを見てしまった身としては落ち着かない。
    もしおれが見たのが本当なら、今もそこに、本当に存在する神様だってことになる。
    身震いしそうになるのを抑えて問えば、マリーさんはやや難しい顔をした。

    「そも始まりは、この島に降り立ったんだよ。コクレア様が」
    「降り立った?」
    「降りたって、何かしら救ったらしい」
    「……なんでそんな曖昧なんだ」
    「前任者にもろもろ教えてもらえる前に、その前任者が死んじまったからね」

    そう、眉を下げ、困ったようにマリーさんが言う。
    おれはその言葉を聞いて――ふと、勘が働いたというべきか、思いついたことをそのまま言う。

    「もしかして、その前任者って店員さんと関係ある?」

    マリーさんはおれの言葉に振り向いた。

    「……よくわかったね。そう、あの人の兄が元々前任者……、というか、あの子の家系がそもそも聖職者の家系だったんだよ」

    そう、だったのか。
    あれ、でもそうだとしたら、なんで今店員さんは古本屋にいるのだろう。

  • 29122/12/11(日) 00:38:22

    「でも、家族が事故で死んでしまって、レミとラミ、二人で生きてきたらしい。レミの方がどうして古本屋をやっているかは知らないが、もともとはラミがこの教会の神父だった。そうだろ、ボンクラ」
    「パパどころか名前ですら呼んでもらえなくなってきた。いや、まぁそうですけど……」

    困ったように後頭部を掻きながら神父さんが答える。
    ……じゃあ、店員さんには年の離れた兄ってのがいたってことか? どうにも、マリーさんの方が歳近そうだし。

    「アタシがまだ子どもの時の話だからね。答えられるのあんたしかいないよ」
    「わかってますって。でも、ラミは死んだし、レミも答えられること、ないと思いますよ」
    「それは、店員さんはまったく教会のことに関わってこなかったってことか?」
    「それもありますけど……ええと、うーん、プライベートなことだし……でも……」

    神父さんは答えづらいようで、だいぶ口ごもっている。
    ……何か、事情があるのだろうか?
    答えさせるのも、悪い気がする――けれど、些細なことでもおれたちは調べないといけないのだ。
    こっちだって仲間の危機なのだから。

    どうお願いしようか困っていたら、じっとしていたシャチが前に出た。
    そのどこか鬼気迫る切羽詰まった様子に、まさか乱暴するんじゃ、と止めに入ろうとしてしまう。
    ……けれど、そんなことはなくて、シャチは神父さんの前で頭を下げた。

    「頼む。……おれの大事なやつが、危ないんだ。もしかしたら関係ないかもしれないけれど、何かがとっかかりになるかもしれない。……ペンギンを、救いたいんだ」

    ――信用してなかったのはおれは、と自分を恥じた。
    真摯にそうやって頭を下げるシャチに、神父さんは目を大きく見開いた。

    「……不思議だ。海賊が頭を下げている」

    ぽかんと、さも意外だと若干失礼なことを言うが(いや、世間一般的な海賊のイメージはそういうものか。かくいう海軍としてのおれもハートの海賊団が割と特別にいい奴らが揃っていることをなかなかに稀有なことだと思っている)、そんなシャチの姿に、神父さんは眉を下げた。

  • 30二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 00:57:54

    シャチ……!

  • 31二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 01:16:45

    神父さん古本屋にも着いてきてくれたしラミさんやレミさんについて話す口振りからわりと二人と親しい感じだったのかな…?

  • 32二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 01:18:41

    そういやレミさんがレミリオならラミさんも愛称なの?

  • 33122/12/11(日) 01:53:23

    「……レミくん、ラミくんが死んだことに関してちょっと……記憶の混濁のようなものがあるらしいんですよ」
    「え?」

    困った顔は変わらないまま、気まずそうに神父さんは口を告げる。

    「ラミくんが死んだことがあまりにショックだったんでしょうね。たった一人の家族ですから。自分の兄が死んだときの詳細を彼は覚えていないようですが……しきりに『海賊に殺された』と言っていて。その事実だけ残っていたみたいです」
    「そんなことが……」

    ……そりゃ、海賊を怖がるわな。
    あの時、本気で怖かったに違いない。それでも親切にしてくれたことは変わりない。痛ましくて、おれは思わず目を伏せる。

    「あの日、レミくんが消えて、それをラミくんが探しに行きました。そして帰ってきたのはレミくんだけで、何があったかほとんどの記憶を無くしていた。断片的に、海賊に殺されたことだけ覚えて――」
    「おい待て」

    ローが何かに気付いたように口を挟む。

    「人が消えているじゃねェか。失踪者が」

    ……あ。
    ホーキンスが言っていたことを思い出す。

    ――『この島では定期的に……数年に一度ほどのスパンだが、失踪者が複数人出るらしい』

    で、出てる! 確かに、レミくん話を聞く限りじゃ”失踪者”の一人に近い!

  • 34122/12/11(日) 02:03:34

    数年に一度のスパン。消えた店員さん、もといレミくん。それを探した結果、ラミくんが死んで、レミくんだけ帰ってきた。
    それを海賊の仕業だというのは簡単だけど……。でも、この島には、少しばかり曰くというのがありそうでならない。
    神父さんは困惑した顔をしていた。今までおれたちの話を聞いていたわけだが、関係ないと思っていたらしい。

    「え、えぇ……でも……」
    「ちなみに、レミくんとラミくんっていくつ離れてるんだ?」
    「え、ああ、同じ年ですよ。双子です彼ら」
    「双子!? そ、そうなんだ……」

    立派に神父をやっていたみたいだから、もっと歳が離れていると思っていたけど……。
    あっもしかしてレミくんもそこそこ歳いってる? 顔はめちゃくちゃ童顔だけど!

    「………」
    「………」

    ホーキンスとローが考え込んでいる。おれよかずっといい頭で、難しいことを考えているのだろうということはわかる。

    「――島の歴史に詳しいやつはいるか?」
    「え?」
    「話を聞きたい。それから」

    帽子の唾を軽く触りながら、まっすぐ神父を見た。

    「教会を調べさせてもらおうか」

  • 35122/12/11(日) 02:04:22

    ダイスするタイミングがなかなか無い……これダイススレでもあるのに、いい感じのダイスポイントを作れない反省。
    というところで今日はここまでで。
    また次回は明日やります。物語を動かしたい。
    出来れば保守の方、ご協力お願いします。

  • 36二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 02:07:54

    レミくんが消えて探しに行ったラミくんが死んでレミくんだけ戻って来れたのか……
    なんかペンギンとシャチがこんな風になる可能性もあったのかなとか考えてしまったこわいね

  • 37二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 09:49:21

    ん〜何だろ……1人を助ける代わりに1人が犠牲になるとか……本当はラミ君は海賊に殺されて無かった説も出てくる…

  • 38二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 14:39:36

    自分をレミだと思い込んでるラミ?
    何かがあってレミがラミを殺害→自己防衛の為に海賊が殺したと思い込んでいる?

    どっちも思い込みかぁ...思考が凝り固まっておる...

  • 39122/12/11(日) 17:34:38

    保守ありがとうございます。今日も少しずつ書いていきます!

  • 40122/12/11(日) 17:37:37

    島の歴史を聞く面子、教会に行く面子で二手にするか。


    1.二手に分かれる。

    2.順番に行く。

    3.安価


    二手に分かれる場合はダイスで分ける。


    dice1d3=3 (3)

  • 41二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 17:38:15

    そういえばマリーさんご飯出来たからクリスさん呼びに来たとかあるのかなと思ってしまった
    考察に全然関係ない疑問でスマン

  • 42122/12/11(日) 17:40:04

    >>41

    そういえばお昼時かもしれない


    マリーさんのご飯が

    1.出来ている

    2.出来ていない

    dice1d2=2 (2)


    安価

    >>44の行動を行います。

  • 43二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 17:41:48

    全員で順番に行く

  • 44二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 17:51:16

    マリーさんのご飯食べたい

  • 45二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 17:51:23

    全員で順番

  • 46122/12/11(日) 17:56:08

    !? ちょっと予想外で笑っちゃった……食べに行くか……

  • 474422/12/11(日) 17:57:11

    ごめ、ごめんなさい
    協会行くことには変わりないだろうから許してください……

  • 48122/12/11(日) 18:03:44

    教会を調べるということに、マリーさんは嫌そうな顔をしたが、それでもシャチが頭を下げるのを見ていたのだろう。『何か壊したら承知しないよ!』とだけ言って、許してくれそうだった。
    歴史に詳しい人については、この町の代表(町長とか村長とか市長とかそういうのひっくるめた代表らしい)だったら何か知っているとか。御年100を超えているから、……と言っていたけど、100歳越えじいちゃんが代表で大丈夫なのか……? そんなに溌剌としているのだろうか。

    二手に分かれるか、全員で行くか。どうしようかと思っていた時。
    ぐぅ~…と大きなお腹の音が鳴った。
    ……おれと、神父さんから。

    「………うぐぐ」
    「お腹すきましたねェ」
    「……あはは! クリスはどうでもいいとして。そうだね、もう昼前だ」

    気前よく笑ったマリーさんがこちらに近づいてきて、おれの頭をくしゃくしゃに撫でてくる。

    「あんたはアタシと一緒に教会においで! 飯食べさせてやるよ」

    どうせ調べるんだろ? ならこのままおいで、とどうやら子どもに優しいらしいマリーさんにそう言われてしまって、おれは勢いよくうん、と頷いてしまった。
    神父さんは私は?という顔でマリーさんを見ているが、綺麗にスルーしている。お父さんに厳しいな……。

    「……というわけでロー! おれは教会でごちそうになるぜ!」
    「なんであんたはほいほいついていくんだ……」

    まぁいいが、というが、どうにもローは頭が痛そうにしている。

    「ふむ。ならおれは代表のところに話を聞きに行くか」
    「……おい病理屋。お前ホーキンスについていけ。変な行動しようとしたらすぐ能力使え」
    「なんでおれが」

  • 49122/12/11(日) 18:04:07

    >>47

    気にしなくていいですよ! 面白いな…と思ったんで……。

  • 50122/12/11(日) 19:36:38

    ――ローの指示のもと、おれたちは教会に行くことになった。
    ホーキンスはこのまま代表のところに行くようだったので、同じ能力者のクオルに見張りを頼んだ次第らしいけど、こき使っているとクオルはため息を吐いていたが、これローなりの信頼でもあると思うんだよな。もちろんこき使っているのもあろうだろうけれど……。
    ローとシャチはおれたちと一緒に。ベポはクオルたちと一緒に。そんな感じに二手に分かれることになった。他の船員は変わらず情報収集、ペンギンの看病だ。

    「ベポ、お前の可愛さでこう……ホーキンスとクオルを和ませてやれよ」
    「納得いかないよ~……」
    「コラさん、無茶をさせるな。病理屋。ホーキンスが余計なことをしようとしていたら本気で能力使って止めろよ」
    「だからなんでおれが」

    ……ともかく! おれたちは教会の方へ行くことになった!

    船を離れて教会の方へと歩く。歩いているだけで、マリーさんに島の人たちがたくさん声をかけていて、慕われていることがわかる。
    その代わり神父さんには無し、または野次飛ばされているんだけどどういうことだろう。

    「神父さん、普段何してるんだ?」
    「……ツケをためすぎましたかねェ」
    「ほんとろくでなしだな!?」

    神父でいいのか!?と凝視すれば、なぜか照れられた。一ミリも褒めてねェんだけど。

    「ところで、神父さん、じゃなくてクリスとかクリストファーでいいですよ。私島の人たちにあんまり神父扱いされないからなんか落ち着かなくって」
    「神父やめたらどうだ」

  • 51122/12/11(日) 19:57:49

    教会につく。一通り中を調べるが、どうやら聖堂の他にいくつか個室がある。客室、倉庫、厨房。泊まる場所がない人を泊めたりすることもあるようだ。それから懺悔室のようないかにもって場所もある。ちなみに二人とも教会に住んでいるようで、奥の方に自室があるらしい。

    どの部屋にも立ち入って(さすがに二人の私室までは入らなかったが)ローは何かを調べている。

    神父さん、もといクリスはそれに付き合って一緒に行動している。シャチも一緒だ。


    そしておれは、マリーさんに引っ張られて厨房にいる。


    「……で、何食べたい?」

    「リクエスト聞いてくれるのか?」

    「あはは! 子ども優先さ。あんたいくつだい?」

    「えーと、13歳だけど」

    「13歳! にしては結構もう随分大きいじゃないか。いいねェいいねェ! 大きくなれよ~!」


    そういって太陽みたいに笑うマリーさん。本当子ども好きなんだなあ……。

    けれども、リクエストと言われても。

    うーん、と腕を組んで悩む。……なんか、言われると思いつかねェなあ……。


    「んじゃ好きなものは!」

    「梅干し!」

    「なんとまあ……」

    「あ、あとキャベツとレタスも好きだぜ!」

    「……全部入れてチャーハンにでもするか……」


    おお! なんか全部取り入れてくれた!

    そのまま材料を取り出して、手際よく調理を始めた。手伝おうかと思ったけど、『子どもは遊んでな!』と言われてしまった。いや、今のおれは13歳だけどさ、人に任せて遊ぶのはちょっと……。


    んー何をしようかな。



    >>52>>54まで行動安価

  • 52二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 20:01:55

    教会内部を探索

  • 53二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 20:04:39

    ステンドグラスをもう一度見に行く

  • 54二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 20:05:55

    経典を探す。神様について知るために

  • 55122/12/11(日) 20:39:54

    1.教会内部を探索

    2.ステンドグラスをもう一度見に行く

    3.経典を探す。神様について知るために


    dice1d3=1 (1)

  • 56122/12/11(日) 20:52:00

    とりあえず、おれもローたちに合流していろいろ調べてみるか!
    と思い立ち、厨房から出てローたちを探す。
    まあそんなに広いわけでもないので、少し歩けば物音が聞こえたのでそこ部屋を覗く。そこはどうやら懺悔室のようだ。
    懺悔室って名前だけ聞くと物々しく感じるけれど、中は小綺麗で、懺悔する場所には小さな椅子がある他に、綺麗な花とかも飾ってあって、多分マリーさんがセッティングしているんだな、と察せられた。
    おそらく懺悔をする場所なのだろう、椅子の前にある大きな壁のしきり。そこに小さな穴が空いてあって、そこにさらに黒い布が被せられていて、決して壁の向こうから顔が見えないようにしてあった。
    壁には扉が取り付けられていて、恐らくそこから向こう側へと行けるのだろう。
    扉から覗けば、中にローたちがいたので、おれはふと思い立ち椅子に座った。

    「えーと、懺悔します」
    「おや! ……迷える子羊よ。話を聞きましょう」
    「何してるんだ」

    おれが話し出すと、いそいそと神父さんが向こうに座ったようだ。呆れたローの声も聞こえる。
    いや、ふざけているんじゃなくて。
    ……なんか、こういう形じゃないと言えないっていうか。

    「おれ、海賊船――海を潜水している時に、銀色の、長いドラゴンみたいな……この教会のステンドグラスに描かれているような、何かを目撃しました」

    壁の向こうで、息を呑む音が聞こえた。
    けれどその動揺は一瞬で、落ち着いた声が響く。

    「それは、あなただけが見たのですか?」
    「……はい。今まで言わなかったけど、」

    なんか、こんなことになって。流石に何か関係ある気がしてきて。
    そう緊張しながら言えば、向こう側からローがこちらに飛び込んできた。

    「……どういうことだ」

    あー! 怖い声!! 今懺悔中なんだから来るなよ!!

  • 57二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 21:12:04

    懺悔室ごっこ始まるのかなコラさんもクリスさんもお茶目なんだからと思ったら思いのほか真面目な話だ
    コラさんずっとジワジワ不安そうだったしクリスさんも腐っても神父さんだなって感じで納得するしドキドキするな

  • 58122/12/11(日) 21:17:43

    「教会に来たからさあ、いいかげん言わないとって思ったんだけど」
    「……なんでもっと早くに言わねェんだ」
    「だってあんまりにも非現実でさ、夢だって思われる方が自然だし!」

    ローは信じられるのかよ!と言えば、信じる、と言われてしまったのでおれは白旗を上げた。『こういう時のあんたは嘘をつかない』なんて言われちまったら、もう敗北宣言しても仕方ねェだろう。理解していらっしゃるようで……。

    「……でも、そうしたら。ここにいる神は本当に存在していることになる」
    「そういうのって存在するものなのか……?」
    「信仰っていうのは多種多様なものだからな。いないものを信仰することもあれば、そこらにある石や木を信仰することもあるだろ」
    「そうかもだけど……なぁクリス、コクレア様、って実際に存在するのかよ」

    懺悔室、穴の向こうに問いかけてみれば、少し間が空いてから『え、あぁ!』と我に返ったような声が聞こえた。

    「いるんで……しょうかね」
    「おい神父」
    「いえ! ラミくんが言っていたことを思い出して」

    ラミくんが、言っていたこと?
    壁の向こうで、恐らく真剣な顔で――そんな風に予想されるくらい、お気楽な雰囲気は抜けている。

    「『コクレア様は守り神でもあるんだよ。ちゃんと僕たちを守ってくださっているんだ』と、常日頃から言ってまして。けれど不思議だったんですよね。輪転の神であり、見守る存在であるその神は、果たして守り神の側面すらあるのかと」
    「………」
    「あなたは神をその目で見たとおっしゃる。もしそれが戯言でないとするならば……」

    「―――あなたは、神に害を為すものなのでしょうか?」

  • 59二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 21:20:35

    コラさん天竜人だから、そういう意味では異教の神なんだよな、もとから。

    ただ、転生してるから、肉体はマリージョア産でないけど

  • 60122/12/11(日) 21:26:53

    心臓がどくん、と音を立てた。
    別におれが害を為そうとかそういうことを考えちゃいない。当たり前だ。なんでそんなことをするんだ。
    ――けど。
    もし、おれの存在そのものが、神様の目に余るようなものだとするなら。

    だって、転輪って、そういうことだろ。
    あるべき形として、おれは多分間違っている。死んだはずのおれの魂は天とかに向かうべきであって、ドジって落っこちてまた生まれてきちまったのは……やっぱり違うだろ。
    顔が青ざめていく。
    もしかしたら、本当にコクレア様ってのはおれのことを存在しては、だめだって、思ってるかも、しれない。
    ……はは、生まれ変わったって、存在しちゃだめだってか。

    「おれは、」
    「こんなガキがその神とやらに害を為すだなんてふざけてんのか?」

    落ち込みかけた思考を切り裂くようにローがおれの頭をぽんと叩く。

    「そうしたら、とんでもねェ悪神だな。こんなガキに何が出来るって? まさか、こんなガキにいいようにされる程度の神なのかよ」

    そんなことを傲岸不遜に言う。
    ……それもそうか。おれ程度にどうとかされるって無いよな! 今おれガキだし! 弱いし! ドジだし! 言ってて
    悲しくなってきたなコレ!

    「―――……それはそうですね。申し訳ない、口が過ぎました」

    壁の向こうで、クリスは素直に謝罪する。

    「実際にその目で見たといわれ、少々動揺してしまったようです。決して、あなたを責めるような意図はありませんでした。……すみません」
    「い、いいよ! むしろ信じてもらえるとはあんまり思ってなかったし!」

    謝らせてむしろ申し訳ねェ!

  • 61二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 21:34:47

    ローがコラさんの言う事を信頼してるのとコラさんの事を何度もガキって形容するのがなんか恩人としてのコラさんでもあり庇護対象としてのロシーくんでもあり…という感じでこう…いいな(ろくろ)

  • 62二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 21:38:18

    語彙力足りないから上手く言えないが、やっぱりローとコラさんが好きだ!

  • 63122/12/11(日) 21:43:20

    「じゃあなんで、あなたが神を見ることができたのか」

    本当に、あなたが神を見たと仮定して。

    「潜水艦の中で見たとしても、だからこそ海中は確認するでしょう? ……エッ潜水艦? あなたたちの船って潜水艦なんですかスゲー!!」
    「話進まねェからそれはあとでな」
    「ええ、潜水艦についてもっと聞きたいんですけど……。あっ、壁越しじゃ話しにくいんでそっち行きますね」

    そういってからすぐにクリスが扉からこちらに来る。一緒にシャチもついてきた。そっか、みんなそっちの部屋にいたんだよな。

    「なんでしたっけ。ああ、そうそう、他の船員は見えなくて、あなただけに見えた。それには何かしらの意味があるのかも知れない。害を為すものでないなら、なんというか」

    うーん、とクリスは考え込む。
    ……結構真剣に考えてくれるんだな。ちゃらんぽらんのろくでなし神父ではあるけれど、そういえば人に対して文句とか言ったりしてないし、口調も丁寧だし。人柄自体はおれも結構好ましいって思う。

    「……何かしらの波長が合って、そんなあなたに、何かを伝えようとした……とか」

    考えこんだクリスはそう結論付けたけど、やっぱり違うかなあ、と思いながら天を仰いだ。

    ――その時、『飯が出来たよ!』と厨房の方から声が聞こえた。
    おれは椅子から立ち上がる。

    「……ともかく、マリーさんがご飯作ってくれたし行こうぜ」
    「そうですね。マリーちゃんのご飯は絶品ですから。暖かいうちに食べましょう!」

  • 64122/12/11(日) 22:00:19

    今日はいつもより早いですがここまでとさせていただきます。
    また保守のご協力をどうかよろしくお願いします……!

  • 65二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 02:37:40

    保守

  • 66二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 12:15:00

    保守

  • 67二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 16:15:46

    もし何か伝えようとしてるならやっぱり死んでしまう
    原因……?

  • 68122/12/12(月) 22:13:25

    今回も保守ありがとうございました。
    ちまちまとやっていきます。

  • 69122/12/12(月) 22:41:11

    厨房に行けば、大盛りのキャベツとレタスが入った梅チャーハン、だけではなくでっかい肉のステーキやら刺身やらスープやら盛り沢山だった。
    ……いや短い時間にこんなに作れるもん!?と思ったけど『残りもん温めなおしただけだから気にしなくていいよ!』と言っていたから、そういうことなのだろう。

    ひとまず腹ごしらえだ、とチャーハンを掻き込む、……前にローに静止された。目で『冷ませ』と促され、おれはおとなしくふーふー息を吹きかける。流石に作ってくれた人の目の前でふきだしたらだめだもんな。ローおれよりおれのことわかってねェか?
    ちょうどいい熱さになっただろうそれを口に含めば、ちょうどいい塩加減、酸っぱさ、米のぱらつき具合、すべてが完ぺきな配合でうめェ!と叫ぶ。よくよく味わえばしらすが混じっているのがいいな。細かく切ってはいるけど具沢山だ。
    何よりおれの好きなものが全部詰まってるのがうれしい! ニコニコしながら食べれば、マリーさんが微笑ましいものを見るような目で見てきて気恥ずかしくなった。
    ……うん、今のおれだいぶ子どもっぽいな!

    「例の神のことをもう少し詳しく聞きたいんだが」
    「食事中喋るのはやめな!」
    「………」
    「あ、マリーちゃんこういうとこ厳しいんで……」

    ちなみにローは梅チャーハンに手をつけていない。
    ローってば食べないって決めたものに対しては本当に食べないからな。現にマリーさんローのこと『なんだこいつ』って目で見てるぜ!

  • 704422/12/12(月) 22:44:40

    うわーー!!ありがとうございます!!!
    梅チャーハンはローの分までいっぱい食べな……
    それはそれとしてマジで美味そう、腹痛じゃなかったら食べたかった

  • 71122/12/12(月) 22:45:40

    対してクリスはもぐもぐと上品に食べつつ勢いは素早い。シャチはがつがつ食べてる。

    ……ともかく、腹ごしらえもすんだ! 元気いっぱいなおれたちは、改めてコクレア様について聞くことにする。


    質問安価

    >>73>>75

  • 72122/12/12(月) 22:46:17

    >>70

    腹痛がよくなったらぜひ作ってね!

    こちらこそ料理の描写少しでもできるのはうれしい。ごはんすきだから……。

  • 73二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 22:48:29

    他にコクレア様を見たことがある人はいなかったのか
    もしくはコクレア様と伝わってる姿じゃなくても、異質な存在を見たことがある人はいるのか

  • 74二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 22:52:40

    失踪者とコクレア様に関連があると思う?
    (神隠しや生贄の儀式など、神様が人をさらったりささげられたりすることがよく伝承であるから)

  • 75二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 22:54:53

    コクレア様ってどのくらい熱心に信仰されてるのか。一部の人だけ信仰してるならその人たちに共通点とかないか?

  • 76122/12/12(月) 22:56:33

    よし、行けそうだから全部やります。

  • 77122/12/12(月) 23:06:53

    「まず、一つ目。コクレア様とやらがいるわけで、コラさんはそれを見たと言っていた。だったら他のやつらもその神の姿を見たことがあるやつがいるのか?」

    「あんたコクレア様を見たのかい!?」

    「……話を進めたいから神父、お前が説明しろ」

    「あ~ハイハイハイ」


    マリーさんに丁寧にクリスが説明する。半信半疑な様子だったけれど、マリーさんは一応納得の姿勢を見せた。


    「……まあ、うん。納得できることじゃないがわかった。そうさね、コクレア様の姿は―――」



    1.目撃者がいる

    2.目撃者はいない

    3.マリー自身が見たことがある


    dice1d3=3 (3)

  • 78二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 23:16:55

    おおお!?

  • 79122/12/12(月) 23:17:30

    「あるよ。あるともさ。コクレア様を見た者はいる」

    やけに断定的な口調で言うものだから、おれだけじゃなくローも、シャチも、それから何故かクリスも訝し気な顔をしたり、首を傾げたりしている。おい、おれらはともかくお父さん!!

    「えっとマリーちゃん。それ私聞いたことなんですけど」
    「言ったことがないからね」
    「アレェ!?」
    「まさか、島に関係ないガキが見たっていうなんて思わなかったけど」

    ため息交じりにマリーさんは口を開く。

    「教えてやるよ。アタシがこの島に来て間もない頃、あたしはどでかい銀の竜のような生物を見たことがある」
    「そうなの!?」
    「そうさね、8つ頃だろうよ。あんたがギリまだ真っ当に働こうとしていた頃だ」
    「私今も真っ当に働いているつもりなんですが」
    「話進まないから黙ってような」

    なんで毎度話の腰が微妙に折れるんだ??
    ……と思いつつ。詳しい話を聞く。

    「まァ、ガキの頃の記憶だからね。薄らぼんやりしているけれど。アタシはどこか森の奥深いところに立っていてね、うっすら霧がかかっていたかな。アタシは見上げるように、その銀色の――そう、コクレア様がアタシをじっと見つめていたから、見返していた。
    そうしたら何かを手渡されて……そう、そこで記憶は途切れていて、気付いたらあんたにおんぶされていた。クリス、あんただよ。あんたこそ何か覚えていないのかい?」
    「へっ!?」

    私!?と困惑するクリス。黙って話を聞いていたローにじっと見つめられ、冷や汗をかきながらなんとか思い出そうとしている。
    ……にしても妙に神秘的な体験をしているんだな。
    深い森、森にかかる霧――、……いや、なんかこれ、いかにもって雰囲気だな。
    なんかそういう、神様の領域的な……本の物語とかで見るような勝手なイメージだけど……。

  • 80122/12/12(月) 23:25:16

    「8つ頃、マリーちゃんが、……ううんと、それって、」

    ラミくんが死んだ時期と重なるんですけど、と声を落とす。

    「確かその時、マリーちゃんは家に、教会に居たはずだったんですけど、なぜか森の入り口で眠ってたんですよね。だから私慌てちゃって。そう……そう、そう、思い出してきた。そう、その前にレミくんが消えて、ラミくんが探しに行って……島の人たちも同じように街の中を捜索していたんですけど、私は街の外側をぐるっと移動していたから、森の入り口付近まで行って……それでマリーちゃんを見つけた」
    「実のところ、アタシもそこら辺の記憶は曖昧なんだよね。なんというか、思い出せそうで思い出せなくて――ただ、コクレア様を見ていたアタシは……それを、クリスに言わなかった」

    けれど、おかしいね、とマリーさんは自問自答する。

    「なんでアタシは、クリスに言わなかったんだろう。別に隠し事じゃなかったはずなんだけど」

    額を押さえながら、難しそうな顔をする。
    眉間にしわを寄せるマリーさんを見ながら、ローは口を開いた。

    「……つまり」
    「うん」
    「その時、失踪者は二人いたということか?」

    ラミ、とお前が。そうローに指をさされて、マリーさんは顔をきょとんとさせる。

    「そういう……こと、なのかね」

    マリーさんにしては自信がなさそうな声だった。
    きっと、思ってもなかった事実なのだろう。

  • 81122/12/12(月) 23:26:58

    (結構オリキャラとの疑問提示からの回答箇所多いけれど、もし長すぎだったら教えてくれると嬉しいです。
    適宜これからの文章で修正していけたらいいと思ってるので……)

  • 82二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 23:36:49

    個人的には全然大丈夫ですよ

  • 83122/12/12(月) 23:38:18

    「―――失踪者と神に、関連がある。ということでいいな?」
    「いいなって……まあ、そりゃ、レミくんは聖職者の家系で、マリーちゃんはあの時教会にいたわけですけど……」

    でも、レミくんは神父として働いていなかったし、マリーちゃんはただの子どもでした。
    そうクリスが言うけれど、ローはさらに言い募る。

    「古今東西、伝承では神隠しが存在するし、もっと言えばかつて神に捧げる生贄だってあった」
    「……!?」
    「生贄に捧げるなら、聖職者じゃない。聖職者は捧げる側の立場であって、ならば捧げる生贄はいつだって、その時立場の弱いものや、女子どもだ」

    淡々と言っているけど、内容はかなりとんでもないぞ……!? 現にクリスもマリーさんも目を見開いている。

    「い、いや! そしたらラミくんが二人を生贄に捧げたってことになりますよ!? ……いえ捧げてないじゃないですか、死んでるのラミくんじゃないですか! というか彼海賊に殺されたわけで!?」
    「別におれは自分の推理を披露しているわけじゃない。ただ事実を並べているだけであって、……ラミがそんな真似をしたと言ってはいない」

    ただ、この事態にもし今も存在する神が関係しているのであれば、すべての可能性を考えておくべきだ。
    ……なんて、周りの空気を無視して言ってのける。
    そうだった、ローはこういうやつだった! 空気は読めるけど、ばっさりそれを切り裂いてきやがる!

  • 84122/12/12(月) 23:51:50

    >>82

    ありがとうございます! その個人的が助かる……。

  • 85122/12/13(火) 00:08:38

    「……別にハナから神が何かをしたと考えているわけじゃない。悪魔の実の能力者と言われた方がよほど現実的だ」

    だが、間が空きながらも、幾度か失踪者が出ていることが証言にあるうえ、その神が”存在しているかもしれない”ときた。

    「なら関係ないだろうと切って捨てるわけにはいかない。おれたちはすぐにでもペンギンをどうにかしたい」

    その言葉に顔を若干俯かせていたシャチが顔をあげ、やや情けない顔で『ローさん……』と声をあげる。

    「そのコクレア様というのはどのくらい熱心に信仰されてる?」
    「……一番熱心な信徒はラミくんでした。ですがそれ以降は、なんていえばいいんでしょう。熱心というほどでもなく……」
    「アタシらが言うのもなんなんだけどね。まァ、聖職者というより街の人たちの悩みを聞いたり、よりよくしたりするための方に力を入れてるね」
    「………」

    ローがまた、何かを考え込んでいる。
    おれはなんだか複雑な話になってきたなァ、と思いながら、これから何をどうするべきか考えるばかりだ。
    ……これはホーキンスたちの話を聞いてから動いた方がいいんだろうか。
    そう思っていたら、急にローが立ち上がる。

    「コラさん、あんたが買ってたあの手記を見せてくれ」
    「は? え、ああ、いいけど」

    そのままローに手渡す。ローは手記をじっと見つめながら、小さく静かに『いけるか?』と口を動かした。

    「……”スキャン”」

    静かに紡がれたそれは――、やがて、ローの目を大きく見開かせることになった。

  • 86122/12/13(火) 00:11:55

    「お、おい、ロー。どうしたんだ?」
    「………」

    手記をじっと見つめ、小難しい顔をしたローは、次の瞬間大きな舌打ちをする。

    「悪い、コラさん。シャチ。ここで待っていてくれ。確認したいことができた」
    「はあ?! おい、だからどうしたんだよ!」
    「それを答えるために確認してくる。大丈夫だ、確認が終わったら能力を使ってすぐに戻る」
    「おい!」

    ローに手を伸ばす。伸ばした瞬間、ローの姿は消えていて、おれはすっぽ抜けてその場に転がることになった。
    沈黙。
    ……おれは、慌てておれを抱き起してくれるシャチに向かって低い声で問いかけた。

    「……おれに対して一人で行動するなと言っていて、あの独断専行はなんなんだ?」
    「それはもっと言ってやってください。マジで。おれらも困っていることなんで」

    そういればドレスローザ、ハートの海賊団はいなかったよな? 麦わらの一味は多少いたけど、ローの仲間たちはいなかったように思える。
    ……おい、ロー!!!!!!!!!!

  • 87122/12/13(火) 00:14:59

    というところで今日はここまでにさせてもらいます。
    保守の方をよろしくお願いしたいです。
    あと個人的に、感想なくても書き続けるけど、でも感想くれたら嬉しいです。
    SS書きだから飢えてるの……。

  • 88二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 00:25:19

    了解れす
    個人的には目で冷ませって言ってくるローさんが
    これまでの船でも冷ましきれてなくてふき出すことあったんだろうなぁと思えて好きれす

  • 89二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 00:43:37

    すごく面白いです
    あなた様の書かれるコラさんが本当に大好きで、このスレを読むのが最近の日課であり楽しみです
    コラさんとローの会話も楽しいし、島を襲うであろう謎を解き明かす今の展開もミステリーちっくでドキドキします
    あとホーちゃんがいい味を出していて良いと思います

  • 90二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 00:48:34

    前のスレから読んでいます
    語彙力がなくて感想書けていなかったんですが、新しいお話をまた読むことができている今本当に幸せいっぱいです
    コラさん大好きだし、作者様の書かれるコラさんが個人的に解釈一致していてコラさんの新しい軌跡を読むのが楽しいです

  • 91二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 08:48:03

    保守

  • 92二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 12:17:09

    今回も面白かったです!!!
    更新が来るたびに大喜びして読んでいます。感想嬉しいとのことなので張り切って書いていきます。
    銀の竜(コクレア様)をコラさんが見たのが海中だったので水棲の生き物だと思っていましたが、マリーさんの口ぶりからして陸上も行けるみたいですね。あと見える条件が何かしらあるのだと考えてるのですが、子供には見える、とかですかね? トトロみたいだな。正体が気になってワクワクします!
    それからローは何に気が付いたのでしょう。スキャンして分かった、ということはインクや紙の成分がおかしかったのか、本のどこかに何か仕込んであったのか。というか何かに気が付いて、「確認してくる」と一人で行動するってミステリーなら次の犠牲者確定ですよ!! 誰か連れていけ、せめて情報を落としてから行け!!! そういうとこだぞ !!!戻ってきたらコラさんに存分に叱られてほしいですね。

  • 93二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 16:06:31

    リアタイできたり数日分まとめて読んだり色々なんだけど更新きてるととっても嬉しくなる…個人的に前作から世界観が繋がってるところが大好き
    クリスさん何となく勝手に若くて顔がいい(優男っぽい)イメージがあってマリーさんといるとダメな兄と強い妹みたいだなと思っていたのでクオルくんのぶっ込み発言に心臓ドキドキしました
    逆にラミくんとレミくんはめちゃくちゃ血縁っぽい…

  • 94122/12/13(火) 21:51:16

    本当に感想いっぱい書いてくださってうれしいの極み……。

    うれしいので前レス返信しちゃう。


    >>88

    恐らく船で何度も同じことをしているので、近くにいる人が注意するのが習慣づいてます。多分ローがしなかったらシャチが止めてた。


    >>89

    ありがとうございます、前回とは違う雰囲気で進めたかったので、ミステリーって言ってもらえてうれしいです。ミステリーっぽい雰囲気って難しいので……。


    >>90

    語彙力なんてとんでもない! 語彙力がないとは思いませんが、あってもなくても感想うれしいです!

    前のスレから追いかけてきてくれてありがとう!

  • 95122/12/13(火) 21:57:04

    >>92

    いっぱい書いてくれてありがとう! 不思議竜についていろいろ考えてくださってうれしいです。安価で生まれた不思議竜くんですが、重要ファクターになったわけなので物語にめちゃくちゃ絡めていきます。

    ローのくだり、こういうことあるよな、と思ってくれてうれしいです。一人で行動するのはミステリーのつきもの!


    >>93

    クリス自体は恐らく30代半ば行くか行かないか、みたいな見た目ですね。多分優男風で顔がいいの合っています。ギャンブルに酒に遊びに元気いっぱいのろくでなし生臭神父ですがマリーちゃんに関しては張り切ってパパをしている模様。でもマリーちゃんからはパパ扱いはされてないです。

    ラミレミ双子は多分見た目も性格もそっくりかと。ただ兄は外交的で、弟は内向的な違いかな……。



    お風呂入ったあと、またSS続き書きにきます!

  • 96122/12/13(火) 22:39:09

    今日予定があるのをすっかり忘れてました……。
    のでSSはまた明日書かせていただきます。
    感想だけもらっておいてすみません。でも書きたいので、一つ二つ書けたらいいなという気持ち。

  • 97122/12/14(水) 02:00:32

    「……なんかあんたらも大変だねェ」

    マリーさんがおれたちの様子を見て呆れたように笑う。

    「ああいうの、なかなかに我が強いタイプじゃないか。海賊ってのはみんなそういうものなのかね」
    「そういうもの……かもしれないけど、ローはなんかもう、自由気ままなところがあるから」

    でも、そういう自由気ままになったのって、置いて行かれる方は大変だけど、個人的にちょっとうれしいところもあるんだよな。
    ローに振り回されるのは嫌じゃないし、それはきっとハートの海賊団のみんなも同じなんだろう。

    「キャプテンなら大丈夫だと思いますけど、あの人怪我していたこととか隠す人ですからね」
    「あー……確かに心配かけさせまいとするとこあるよな」
    「そうそう。ドレスローザの一件では腕を切断されたらしいんですけど、麦わらのやつらに聞くまでおれらまったく知らなくて」
    「は???????」
    「あれっ」

    えっ、待て。初耳だが。初耳なんだが!!!!!
    いや待て、確かおれローにドレスローザでのこと聞いたことあったよな。あって、怪我したかって聞いて、してねェって言われたよな。
    ……あいつ嘘ついてるじゃね―――か!!!!!

    「断固抗議だ」
    「おお……コラさん知らなかったのか」
    「知らなかった。これは説教ものだ。あいつ怪我してないって言いきってたのに」
    「あー……キャプテンほら、カッコつけたがるとこあるから。あんたの前だと特に」
    「それでも腕がぶった切られてるのは一大事だっつーの!!」

  • 98二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 02:06:03

    ばれた!前作越しの大嘘がついにばれた!
    ローの心境もコラさんの心境も分かるのに笑ってしまう

  • 99二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 02:07:41

    前スレのローの嘘が回収されてて笑顔になった
    ローはたっぷり愛の説教を受けろ

  • 100二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 02:10:38

    ロー(もう縫合痕もないからノーカンだな)「怪我してねェ」

  • 101二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 02:11:08

    ノータイムできっぱり言い切ってたのめちゃくちゃウケたし熱かったんすよね……
    今お互い無事だからこその笑い話なんだけどそれはそれとしてお説教は受けような

  • 102122/12/14(水) 02:13:37

    ドフィ相手に怪我してないとかは流石にないだろうな。やっぱり多少怪我とかもしたんだろうな、とは思っていたさ。気を使ってしてないって言っていただけで。
    でもさ!! 腕とか切れたら普通人間は出血多量で死にます!
    おれだって銃弾打たれて血をいっぱい出して死んだし!! あれこれ人のこと偉そうに言えねェやつか!!!

    そんなおれたちの話を聞いていたクリスが、首を傾げながら問いかけてくる。

    「あの人腕が切れたんですか? どちらも綺麗に繋がっているように見えましたけど……」
    「えっと、まぁあいつ腕のいい医者だから」
    「医者が自分で切断された右腕を繋げなおした……? 天才すぎやしません……?」
    「天才だから……」

    実際のところどうなんだろう。オペオペの能力を使って自分で治療したんだろうか。でも自分で自分の腕を繋げるってできるもんなのか? 他に腕のいい医者がいたんだろうか。

    「すごいもんですねェ。私の腕も治療してもらいたかったな~」
    「あ、そういえば……」

    クリスのカソックと、白手袋の間に見える銀色の地肌。おれの目線に気付いたのか、ああこれですか?とクリスは気を悪くした様子もなく、軽く袖をずらして見せてくれる。
    そこにあるのは、銀色に鈍く輝く腕――義手だ。

    「切れちゃったけど、まあ繋げるの普通に無理だったんですよ~」

    あはは。と笑っているけど、普通に笑いごとじゃないと思うだが。

  • 103二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 02:20:19

    そういえば安価の結果とは言え欠損や怪我してる人多かったね
    なんかの代償だったりするのかな

  • 104122/12/14(水) 02:20:26

    「えっと……もしかして借金のカタとかで……?」
    「私のことどんな風に思ってるんですかね! まあ自業自得ですが!」

    事故ですよ事故、となんでもないように答える。

    「詳細はこう……グロいことになるのでぼかして言うと、爆発事故に巻き込まれてぐちゃっと」
    「うわ……」
    「でも右腕以外後遺症ないのすごくありません? 火傷のあとすらなく健康体! いやあ、ラッキーですねェ」
    「爆発に巻き込まれている時点でラッキーではないと思う……」

    ギャンブルそう勝ってなさそうだし、普段運が無さそうな様子が感じられるけども、爆発に巻き込まれるってのはどんな運の無さなんだ。
    ……いや悪運が強いって言うべきかここは。
    なるべく誉め言葉になった方が人間うれしいもんな。そういう考えかたの方向性で行こう。

    「義手は運よく良いのがもらえたわけですけど、もし自分で自分の腕を繋げられるほどの素晴らしい医者なら私の腕も治せたんですかねェ」
    「いや、だから自分で繋げたかどうかはわからないって」

    シャチに視線を向けたが、首を振られた。多分船員にも詳しい話してないんだろうな。
    いやしろよ、と思う。本当に思う。
    これはちゃんと説教タイムだな……ローが帰ってきたらコラさんががつんと言わねェと……。


    けれど、ローはすぐ帰ってくると思ったら、そういうこともなく。
    先に教会に到着したのは、ホーキンスとクオル、そしてベポの三人だった。

  • 105122/12/14(水) 02:26:38

    前作のネタを覚えている人が多くて嬉しい! 反応多くてほくほくです。

    しらっとした顔で嘘をつく悪い男なローは説教確定させます。でもコラさんも人のこと言えないやつ。


    今日はここまでとさせていただきます。少しでも書けてよかった。

    また明日書きに来るので、どうや保守の方ご協力お願いします。


    保守ついでに

    ホーキンスとクオルが険悪か否かを安価で決めようかな……。

    二人の様子。(ベポは可愛いので二人からの好感度実は高いです)

    >>106~108

  • 106二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 02:31:32

    お互いをなんだコイツ…って顔で見ている

  • 107二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 02:34:42

    マイペースなところといい、結構気が合う
    周囲から見ると独特なテンポで会話している

  • 108二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 02:36:57

    原作のドレークとホーキンスのような関係
    友達でなければ仲間でもないが、一緒にいて居心地の良い関係

  • 109二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 03:19:34

    クリスさん万事ノリが軽いけど自分の欠損に関しても殊更軽いよ…!火傷跡もなしってことは結構ピンポイントな爆発事故だったのかクリスさんが意外に頑丈ボディなのかシンプルに悪運が強いのか
    ホーキンスとクオル波長は似てそうだけどどんな感じになるか楽しみ

  • 110二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 09:25:20

    保守ほしゅ

  • 111二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 15:07:47

    さらっと流してしまったけどマリーさんもこの島の生まれじゃなくて外から来た人だったんだ
    約10年前にラミレミくんの失踪とマリーさんのコクレア様目撃事件があって生還者の二人はちょっと記憶に不可解な点もある…ペンギンが催眠状態なのとも関係ありそうな

  • 112二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 15:56:57

    ロー……?

  • 113122/12/14(水) 20:43:41

    保守ありがとうございます。今日も恐らく少な目ですが投稿していきます。


    ホーキンスとクオルの様子


    1.お互いをなんだコイツ…って顔で見ている

    2.マイペースなところといい、結構気が合う 周囲から見ると独特なテンポで会話している

    3.原作のドレークとホーキンスのような関係 友達でなければ仲間でもないが、一緒にいて居心地の良い関係


    dice1d3=2 (2)

  • 114二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 21:04:02

    お…馴染んでる!って静かに歓声を上げてしまう(大袈裟に騒ぐと逃げる野良猫を見守る人のイメージ)

  • 115122/12/14(水) 21:15:04

    ベポは疲れたような顔をしていたけれど、ホーキンスとクオルはぽつぽつと何か会話をしたりしていた。
    雰囲気はそう悪いような感じでもなく、特にクオルも左程不機嫌な様子は見られない。
    けれどもベポはおれたちのことを見た瞬間がばっと抱き着いてきた。流石に今のおれじゃ支えきれないぜ! と思ったけど背中をシャチが支えてくれたのでなんとか倒れずには済んだ。

    「うわ~ん!! 疲れたよ~!!!」
    「もふもふ……」
    「コラさんコラさん、堪能してないで」

    あまりの魅惑のもふもふに全てを忘れかけたが、はっ……と我に返ったおれはよしよしとベポを撫でてやる。
    うん、まぁ、あの二人に挟まれるの大変だよな。独特の雰囲気あるもんな、二人とも。

    「とりあえず、今はローはいないけど話聞かせてくれよ。どうだったんだ?」
    「あれっ、キャプテンまた一人でどっか行ったの?」
    「また一人でどっか行ったんだよ」
    「“また”って言われるくらい一人で行動してんのかよ……」

    突っ走る癖をローによく怒られてるが、お前もまぁまぁ怒られるべきポイント多い気がすんだけどよ!

    ……とりあえず、それはともかく。
    ひとまず、三人の話を聞くことにした。
    そしてホーキンスはいつの間にかマリーさんに紅茶を淹れてもらっていた。
    お前はなんか変わらないままだな……なんかいっそ安心するよ……。

  • 116二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 21:17:47

    そういや最初の目的にクオルの仲を取り持つのありましたね
    目標達成?(他船の人だけど)

    船長なんてだいたいそういうもんですよ…
    我が道を行く

  • 117122/12/14(水) 21:39:50

    「えーと、ちなみにクオルとホーキンスはどんな様子だったんだ?」
    「クオルがホーキンスのやつのタロットカードの絵を興味深そうに見てたから、見せてもらってたみたい」
    「わりとマジで仲良くしてないか?」

    クオルが人と関わっていて嬉しいような、それが他の海賊船の船長だということが複雑なような。こっちでも周りのやつらと仲良くしていると思いたい…けども!

    おれたちは早速、この街の代表からどんな話を聞いてきたかを話してもらうことにした。街の歴史を聞くのだと言っていたけれど……何かこの島独自の変わった文化とかあったのだろうか?
    それとも、やっぱりコクレア様の話かな。
    熱心な信 者みたいなのはいないかもしれないけれど、それでも立派な教会もある、昔から伝えられてきたのであろう神様だ。歴史の中に絡み合っていてもおかしくはない。

    口を開いたのはホーキンスだった。
    ……前々からわかっていたけれど、おれたちに協力的だよなあ。
    いや、自分の目的のために行動しているのかもしれないけれど、それでもちゃんと協力してくれるのはありがたいぜ。

    「この島は古い歴史があるようだが、きちんと書き記されたり、口伝で後の世に伝えられ始めたのは途中からだろう。だから、唐突ではあるが、とある神が凡そ数百年前、存在していたという事実から始まる」
    「とある神……」

    コクレア様か、とおれは頷く。
    これはさぞ二人も気になる話だろう……と思ったら、マリーさんは水場でおれたちが食べ終わった皿を洗っていて、クリスはうたた寝をしていた。
    ……気になる話だと思うんだけどな!!

  • 118二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 21:40:43

    クオルくんの友達第一号(?)がホーちゃんになるとはこのリハクの目を持ってしても……

  • 119二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 21:42:50

    関係者!話を聞きなさい関係者!
    でもあまり思い詰めないところは長所でもあるよなこういうシチュにおいて

  • 120122/12/14(水) 22:33:26

    「当時、神と人間は実際に対話をしていたという。対話の内容は記されてはいなかった。恐らく、何かしらのやり取りを行うのがその時は当たり前だったのだろう」
    「へぇ……だいぶ濃い内容だな。代表も詳しいのか」
    「こいつある意味すごかったよ。代表のおじいちゃんめちゃくちゃボケてて同じことばっかり言うのに表情ぴくりとも動かさないで聞いてるし」

    へー……。ていうか代表のじいちゃんボケてるのかよ。ボケたじいちゃんが代表やって大丈夫なのか???
    にしても、今じゃ考えられないけれど、昔の人は神様と話をすることができたのか。どんな話をしてたのだろうか、単純に気になる。

    「だが、一度この島に大火災が起きた。その時以降神との対話を行ったような記録や、存在したような伝えは残っていないらしい」
    「大火災?」
    「何か恐ろしいものに襲われたという記述があった。幸いにも人死には出なかった。神が最後の力で守ったのだろう、という形で終わっている」
    「最後の力って……つまりコクレア様は死んだってことなのか?」
    「それ以上はわからなかった」

    島で大火災が起こった。今となってはわからないが、昔すごい災害があって、それをコクレア様は助けてくれたってことなのか。
    うーん、すごい話だ。一応これ、本当のことなん……だよな? こう、よくあるおとぎ噺じゃなくて。代表のじいちゃんから聞くってことは。

    「死んだから祀られ、神として名を上げたのかもしれない」

    そのホーキンスの言葉に繋げるように、今まで黙っていたクオルが口を開く。

    「にしては、年配者からの信仰も左程あるわけじゃない。宗教というのは多かれ少なかれ、こんな小さな島だとするなら、もっと広まっているべきだ。なのに屋台の飯が美味いとそればかり。名前すら知らない者もいた」
    「ちゃんとクオル聞き込みしてたんだよ。偉いよね」
    「……やっぱりなんでおれが」

  • 121二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 22:55:04

    どうしてコクレア様信仰はそんなに根付いていないのか…ちゃんと聞き込みする律儀なクオルと補足するベポになごむ

  • 122二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 23:00:00

    むしろ失踪者たちの様子があるからこそ根付かないんじゃないか?
    話さなくてもいいと思う&失踪者の事件がコクレア様絡みだと島民は気づかない

  • 123二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 23:31:59

    >>122

    そうかもですね

  • 124二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 00:04:28

    夏祭りや初詣で何度も行ったことがある地元の神社でも、祭神の名前を言えるやつ何人いる?
    興味があって聞くか調べるかしないと知らなくてもおかしくないんじゃないかな

  • 125二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 01:38:32

    「にしては、年配者からの信仰も左程あるわけじゃない。宗教というのは多かれ少なかれ、こんな小さな島だとするなら、もっと広まっているべきだ。なのに屋台の飯が美味いとそればかり。名前すら知らない者もいた」
    クオルのこの説明からしてもコクレア様信仰が根付いていないのには何か理由がありそうだけどな 気になる

  • 126122/12/15(木) 02:27:10

    今日はこれ以上更新できなさそうなのでここまでにさせていただきます。
    用事は終わったけど眠たくてしゃーない。
    いろいろ想像してくれてうれしいです!
    また保守の方、よろしくお願いします!

  • 127二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 06:18:21

    保守

  • 128二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 14:00:36

    保守

  • 129122/12/15(木) 21:53:10

    保守ありがとうございます。今日も予定があるため少しの投稿になると思います。

  • 130122/12/15(木) 22:14:01

    「とりあえず、コクレア様が昔実際に存在していたのかもってことはわかった。んでも、それと人がいなくなることに関係があったりするのか?」


    ローが言っていたような不穏なことはないと思いたい、が。

    ホーキンスはそうだな、と一言置いてから、おれの疑問に答えるように口を開く。


    「失踪者についての記述はなかった。だがしかし、その当時人死には多発していただろう」

    「えっ、なんで?」

    「飢饉だ」


    飢饉。……それは確かに、人がたくさん死ぬ、だろうなあ……。

    想像しただけで暗い気持ちになる。歴史どころか、食うものに困ってる人は今の世にいくらでもいる。

    かくいうおれも前世でいろいろあったあと、ゴミ捨て場から食料を拾っていたし、現在路地裏生まれの路地裏暮らし。これまたゴミ捨て場から食料を拾って……ゴミ捨て場ばかりだな!?

    まあそのおかげでナギナギの実をうっかり食っちまって、なんかよくわかんねェけど前世思い出したからやったー!ってとこなんだけども。何が功を奏するかわかんねェな。


    「ん? ……でも、コクレア様って豊穣の神様なんだろ? 豊穣の神様がいるのに飢饉ってのが起こるもんなのか?」


    シャチが不思議そうに疑問を投げる。確かに、それはそうだな。しかも実際に対話してるってのに。


    「いえ、ですからそういう一面もあるかもしれないってだけで、大本は輪転の神様なので……」


    うたたねをしているかと思ったらいつの間にか起きていたクリスが困ったように言う。ってかどこから聞いていたんだ?


    うーん……。

    なんか、こう、なにかに気付きそうで気付けない、このもやっとした感覚。

    いや、だっておかしいよな。

    そういえば豊穣の神様って、手帳に書かれていただけで、だからコクレア様が豊穣の神様なんだって思ってたけど……。



    アイデア(50以上で成功)

    dice1d100=57 (57)

  • 131122/12/15(木) 22:29:15

    いや、やっぱりおかしいよな。
    だって輪転の神様って説明受けたし、豊穣の部分も言われてみたらって感じだっただろう。クリスもマリーさんも。
    そもそも豊穣の神様って、それは手帳に書かれていたから、この島の神様であるコクレア様がそうなんだって勝手におれが思っていたことで……だとするなら。
    もしかして手帳の内容はまったく別のことをさしているのか?

    「コクレア様は豊穣の神様じゃなくて、豊穣の神様が別にいるのか、それとも豊穣の神様っていう言葉自体が何かを指すワードなのか……?」

    豊穣の神様って文字がゲシュタルト崩壊を起こしそうだ。
    おれの言葉を聞いて、ホーキンスがおもむろにタロットカードを広げる。
    おいおい、こういう時も占いなのか?
    ……そしてクオルがホーキンスのタロットカードを後ろから覗いている。
    お前実は興味津々だな?! 占いとかまったく信じてなさそうな顔しているのに意外すぎるぜ!

    「……ところで」

    ホーキンスがカードをめくりながら、おれに問いかけてくる。

    「トラファルガーはどうしたんだ?」
    「……おれも知りたいよ、それは」

    すぐに戻ると思ったのに、どこまで行ってるんだ。
    手帳のことについて意見聞きたかったんだけどよ。

  • 132二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 22:53:24

    ローは虫食い状態になってた手帳もスキャンして内容が読めたのかな…今は一人で何をしてるのか……

  • 133二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 23:42:13

    ローは強いし大丈夫だ! という気持ちと
    でもあの人わりと捕まったりするじゃん……という不安がどっちもある

  • 134二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 23:47:30

    ミステリー風味でもあるんだが、ちょっとCoCを読んでる感もある………ひゃ〜〜続きが気になります!

  • 135二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 00:37:39

    ≫133


    圧倒的説得力過ぎて涙が・・・>強いけどそれはそれとしてよく捕まってるロー

  • 136122/12/16(金) 02:08:17

    「なあ、お前に聞きたかねェけどさ……、お前は結局、この事態が誰のせいだと思うんだよ」

    シャチがホーキンスに向かって苦々しそうに問いかけている。
    嫌そうではあるけれど、なし崩しに協力関係のような状況になった今、喧嘩を売るようなことはせず、ちゃんとシャチ自身も協力しようとする姿勢を見せている。
    ホーキンスは、黙ったままタロットカードを見た後、おもむろにため息を吐いた。

    「おれにもまだ見えない」
    「その占いとかでわかるもんじゃねェのか」
    「占いは予言や予知ではない。可能性だ。見えない答えを出すようなものじゃない」
    「えっと、つまりどういうことなんだ?」
    「おれがしていることは計算機ではないということだ」

    おれの疑問にホーキンスは答える。でも確かに、タロットで全部答えがわかったらとんでもないよな。極論ワンピースのことまでわかっちまうってことじゃん。だったら占い師が海賊王になっちまう。
    でもホーキンスもわかってないのか。一緒だな。
    ……でもいったい、ホーキンスはなんのタロットカードを見ていたのか。そっと覗き込めばカードには月のような絵柄が描かれていた。これどういう意味なんだろう。
    そんなことを考えていたが、シャチが俯くのが視界に入って、そちらの方を向く。

    「……コクレア様って神様のこととか、歴史のこととかよくわかった。でも、それでペンギンの意識を取り戻せるのかよ」

    絞りだしたような声が響く。
    ……恐らく、それはずっとシャチの胸の内にあった疑問なのだろう。
    そうか。だからホーキンス相手にも、迷わず協力出来る。敵船相手にも、相棒を助けるためにならなんだって出来る。そういうことなのかもしれない。

  • 137122/12/16(金) 02:21:50

    最後に一つ投稿できたところで、今日はここまでにさせていただきます。

    また保守のご協力をお願いします!


    >>134

    スレ主はCoCが好きでな

  • 138二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 06:59:39

    保守

  • 139二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 12:29:17

    保守

  • 140二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 13:07:18

    このレスは削除されています

  • 141二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 18:15:34

    前作のかっこいい敵役が癒やしネコチャンになってるのがどうしても草

  • 142二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 18:20:33

    タロットカードの月の意味が気になって調べたんだけど、
    正位置:不安定、幻惑、現実逃避、潜在する危険、欺瞞、幻滅、猶予ない選択、踏んだり蹴ったり、洗脳、トラウマ、フラッシュバック。
    逆位置:失敗にならない過ち、過去からの脱却、徐々に好転、(漠然とした)未来への希望、優れた直感。

    なにか意味があるのかな…
    あるとしたら後者の方だったらいいな…

  • 143二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 00:23:30

    最初ラミくんがコクレア様が化けた姿だと思ってたのをここに告白します
    まぁクリスさんたちも見えてる&知ってるなら、ないなと思い直した
    子どもたちが遊んでたら知らない一人が増えてたとか座敷童系かなと思ってたんだ

  • 144122/12/17(土) 00:37:23

    今日かなり遅くなったけれども投稿します。
    いろいろ想像してくれるの嬉しい。

  • 145122/12/17(土) 01:11:59

    「お前の船員の意識が戻るかどうかはわからない。だがしかし、現状他に悪魔の実の能力者がおらず、けれど何十年にかけて定期的に失踪者が出ているのであれば、かつて存在して、今も存在しているのかもしれない何かしらの関与を疑ってもいいだろう」
    「あの、それってコクレア様が犯人みたいなこと言ってません?」
    「ハートの海賊団の船員が教会周辺から現れた。それ以前の情報が止まっているのなら、十分疑う理由になる」

    もしくは、お前たちが犯人かもしれない。
    その言葉にさしものクリスも言葉を無くす。いやホーちゃん。そう思っていたとしても当人の前で言うのはどうよ!?

    「証拠もないのにそんなのありです? そんな近くにいたからって……」
    「それ以前どこにいたのか一切の確証がないのだとしたら、今ある手がかりをもって人を疑うにはベターだ」
    「ひええこの人全然表情変わらない……私らは無実なんです……おお神よ……」

    両手を組んで神に乞い願う仕草をする。けれどもホーキンスの表情はマジでピクリとも動かない。クリスさんも心折れかけな表情している。

    「………死相はいまだ、ここにいる全員から消えていない。むしろ色濃くこの後降りかかるだろう運命を映し出している。島民関わらず一様にそれが示されているのなら、あるのは虐殺か、天災か」
    「物騒なことを言うなよなぁ……」
    「ならばこう言おう。神と崇められているものが存在したとして、――それが祟りを押さえるための悪神を祀ることによってそうしたものが、一つの宗教観を生み出したとするならば?」

    ホーキンスの言葉にクリスの軽い口が本当に言葉を失う。
    おれも呆然とする。

    「つまり、そのコクレア様というのが悪神であり化け物の類であるならば十分可能性はありえるだろう」

    こ、こいつ、この教会というか、この宗教というか、長年ここで祀られてきた神様に関わる全てに喧嘩売りやがった!

  • 146二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 01:18:04

    日本がそうだし、日本=ワノ国だとするとホーちゃんがそこに行き着くのは妥当なんだろうなぁ...

  • 147122/12/17(土) 01:19:36

    「こいつぶん殴っていいかい」
    「ま、マリーさん、どうどうどう」

    洗い物が終わったのだろうマリーさんが途中から話を聞いていたのか、フライパンを両手でしっかり掴んでいる。
    クリスは『こわ……』と言った風に呆然とした目でホーキンスを見つめている。
    それからはた、と我に返って、ホーキンスを指さしながら近くにいたおれに顔を向けた。

    「し、し、失礼な人だ……!」
    「うん、わかるよ。デリカシーどこにもないな」
    「仮にも私神父ですよ!? それなのに悪神とか化け物とか、そういうの言います!? ま、まぁそこのサングラスの人ならわかります。大変なことになってますし。でもこんな落ち着いた様子で、堂々と言われちゃ私の、このもやもやもちゃもちゃ気持ちは……!」

    手で空気をこねるような動きをするクリス。うん、本当にごめんな。ホーちゃん、マイペースというか、自分のペースでしか話をしてくれないところあるから……。

    「やっぱりぶん殴っていいかい?」
    「マリーさんも落ち着いて落ち着いて」


    ……。
    と、少し場が荒れつつ。なんとか収束。
    ホーキンス多分教会二人の好感度下がったぞ。おれそんな気がする。

  • 148二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 01:28:54

    日本の神道って割と神さまの荒魂の面もあるしそういう考えが読者にとっては馴染み深いよな
    でもそれを信仰してる人の前で言うのはデリカシーないの一言に尽きるよホーちゃん…

  • 149122/12/17(土) 02:02:45

    「それで、結局これからの行動はどうするんだ」

    話を進めるように、壁に寄りかかりながらジト目でずっと場の様子を見ていたクオルが声をかけてくる。
    確かに、ここでずっと話をしても仕方ないよな。
    けれども行動指針、というのが定まらない。ホーキンスの、少しばかり説得力のある発言を信じるならば、もしかしたらコクレア様に関することがこの一連の事態にあるのかもしれないけれど、だからどうするのかって話だ。
    まさか本当に会って会話とかするってのか? それで、ペンギンのこともどうにかなるのだろうか。

    うーんわからねェ……。
    ……と思っていたら、普段嗅ぎなれない、けれども嗅ぎなれた匂いがふと鼻につく。
    見ればクリスがタバコを口にくわえてジッポで火をつけていた。
    えっ、今???

    「おいクリス」
    「うん、なに? ……あっ」
    「あっ、じゃないよ。あんた無意識にタバコ吸う癖どうにかしなよ」
    「あー! これ一本、一本だけ」

    ……………いいなあ………タバコ………。
    おれローに禁止されているんだよな……ただでさえ精密機器が多い潜水艦だ。タバコの煙一つで命取りかもしれない。
    そしてタバコは子どもの身体に悪いんだと! うーん、ぐうの音も出ねェ! だから甲板で吸ったとしてもダメだって言われるんだな。
    ちらっと見れば、クリスのタバコはタール数が高いものだ。
    ……いいなあ……。
    タバコの匂いにひたすら羨ましさを覚えていたら―――ふと、思い出すことがあった。

    「あのさ、甘い臭いって今もしてるのか?」

  • 150122/12/17(土) 02:05:09

    というところで今日はここまでで
    また保守の方よろしくお願いします!

  • 151二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 02:20:43

    了解です
    お昼ごろに保守かカキコしておけばいけますね
    甘い花のような匂いかぁ…、でも幸せにはならないような匂い…

  • 152二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 08:05:47

    今更だけど甘い匂いで危ないのってクロロホルムとか…

  • 153二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 16:46:21

    そもそも甘い匂いの原因が人為的なものか怪異系によるものなのか分からないからなぁ
    教会が特に匂うっていうのも疑えばどっちとも取れるし
    でも島の全域で匂うってことはそこまで広範囲に渡るものってことで怪異系統なのかね
    それとも島特有の何かが偶発的に引き起こしたガスとかなのか?

  • 154二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 20:37:16

    人工的な匂いじゃなくて花の匂いっていうのが気になるな 薬とか毒ガスじゃなさそうなのに「幸せにならない匂い」?

  • 155122/12/17(土) 22:42:09

    ポケモンのメインストーリーの最終戦を号泣しながら終わらせてきたので続き書きます。
    保守ありがとうございました!

  • 156122/12/17(土) 23:06:42

    「してるよ」
    「してるね」

    マリーさんとベポが同時に答える。おれは当たりをくんくんと嗅いでみるが、二人のようにわかる気が全然しない。やっぱりどんな嗅覚なんだ。

    「教会近くって言ってたけど……結局具体的にどこら辺、ってのはあるのか?」
    「うーん、この辺り教会含めた一帯が一番濃いね。そこを具体的に言われると困るけど」
    「……発生源はなんだろうなあ」

    甘い臭いってのも気になるポイントだ。この事態に関係あるのかどうかわからないけれど、突然発生して、今も変わらず残り続けているってのも不思議な話だ。

    「まさか薬品とかそういうやつじゃ……」
    「それは違う。だったらすぐにわかる」

    おれの不安にクオルが即答する。……なるほど、わかるのか。だったらローもわかりそうだな。
    薬品とかそういうものではないなら、自然発生? 唐突に?
    いやでも、なんか急に教会の庭にお花が咲いただけかもしれない。花の臭いなんで近くで嗅がなきゃそんなにわからないし、だからこそ嗅覚鋭い人にだけ感じ取れるんだろう、って理由も簡単に思いつくぞ。

    「あー……ダメだ。考えすぎて頭痛くなってきた。外の空気吸おう……」
    「あ、じゃあおれもついてく。キャプテンからコラさんは一人にしたらなんかいつの間にか何かしらに巻き込まれるって言ってたし。ドジなうえあんまり運もないから」
    「理由ある過保護におれは涙ちょちょぎれそうだ」

  • 157122/12/17(土) 23:23:48

    優しいけれど言ってることはやや辛辣なベポとともに、みんなに断ってから教会の庭に出る。
    庭には結構な花が咲いていた。けれども雑草は少なく、ちゃんと手入れされていることが伺える。やってるのどう考えてもマリーさんだよなあ。逆にクリスは何をしているんだろうか。

    「あ、ベポ。花が咲いてるけど、ここから甘い臭いはするのか?」
    「うーん、しないなあ」
    「そっか~……」

    しないのか。じゃあおれの想像は外れってことで。だったらやっぱりその甘い臭いが何かしらこの事態と関係あるのかないのか。
    ……あったとしても、なんの関係がって言われるかもしれねェけど。

    「あ、ちゃんとミント分けて植えてる。偉いな~」
    「ミント分けねェとどうなるんだ?」
    「花壇すべてがミントになる」
    「こわ……」

    知ってる花や知らない花をなんともなしに眺めながら、教会の庭を一周する。
    ふわあ、と大あくびを一つ。
    なんだかんだ、昨日はあまり寝られなかった。……ペンギンのことがあったためだ。
    船に残ったやつらが見ているはずだけれど、少し状態がよくなったりしていないのか。やはり、目を離している今、考えちまうと気になってしまう。

    そんなことを考えながら庭を散策して――、ふと、目の端に何かが映る。
    ぽつん、と取り残されたそれを見て、おれは息を呑み、駆け寄った。

    「お、おい、ベポ」
    「うん、どしたの、コラさん」
    「なんで、これがここに落ちてるんだ?」

    そう言いながら、おれはベポに向かってそれを見せる。
    それは間違いようもなく――ローが普段被っているファー状の帽子だった。

  • 158122/12/17(土) 23:47:12

    一瞬にして嫌な想像が駆け巡る。
    だって、帽子だ。普段どこにいても被っているのに、置き忘れるようなことなんてあるか?
    別に脱げて落ちたとしても、ローならそのままにしないし、横着するなら能力を使えば一瞬で戻ってくる。
    だから、こんな……まるで“何かあった”と言いたげに取り残された帽子に、おれは心臓が嫌な音を立てながら早くなるのを感じた。

    ベポが駆け寄って、おれが持っていた帽子を掴む。
    何があったのだと、うまく目の前にあるものの意味を咀嚼できていないような顔だ。震える手でその帽子を掴みながら、どうして、と小さく呟いた。

    「こい……」
    「ベポ?」
    「きゃ、キャプテンの帽子から漂ってくる甘い臭いが、一番濃い!」

    この場にある何もかも以上に!
    まるで悲鳴のように叫ばれた言葉に、おれは一瞬思考が停止する。
    なるほど、関係があったというわけか。
    その事実だけ、せり上がり喉を焼く胃液のように理解しながら、ごくん、となんとか飲み下した。

    「……すぐに戻るって言ってたじゃねェか」

    嘘つきめ。

  • 159122/12/18(日) 00:53:27



    優しい声が聞こえる。血の気を失って、冷え切った手を、暖かい手が握る。
    どんどん身体の力が失われていく。意識が遠のいていく。待って、と手を伸ばした。

    「大丈夫」

    行かないで。行かないで。行かないで。
    力が入らない。指一本動かせない。声を発することも出来ない。ああ―――甘い、臭いが、

    「大丈夫」

    励ますように、諭すように、落ち着かせるように、笑うように。いつも通りの姿で、声で。
    いかないで。
    どうか、いってしまわないで。

    「大丈夫さ。すべてが上手く行くよ」

    なにをどうして。なんで、そんな風に。信じられない。信じられるわけがない。

    「愛しているよ。だからどうか、生きなさい」

    嫌だ。やめて。お願い、やめて。

    「どうか、幸せに、生きなさい」

    ――――やめてくれ!

  • 160122/12/18(日) 01:04:02

    おれは急いでみんなのもとに戻ってローの帽子のことを伝えた。
    何があったのか聞いたシャチはがたんと椅子から立ち上がって今にも飛び出しそうだったが、その直前にクオルに頭を押さえつけられ椅子に座らされる。
    押さえつけてきたクオルに激高しそうだったのを――ベポが止めた。

    「シャチ! ……冷静に、なって」

    そういうベポも、ひどく押し殺した声だ。苦しく、不安な気持ちを押し込んで、なんとか強い視線でもってシャチを静止する。流石にそれにシャチも否やということはできず、大きく舌打ちをしながら、机を殴りつけた。
    ホーキンスは指を顎に当てて、考え事をしている。
    ……おれは、シャチと同じように、今にも飛び出しちまいたい衝動を抑えて、必死に思考を冷静にしようと拳を痛いほど握りしめた。

    ロー。
    普段の性格と、状況証拠だけ揃えるのならば、帽子を置いてどこかにいくなんて考えられない。
    ならばどうしたか。
    ……何かがあって、連れ去らわれた。そう考えるのが、自然だ。
    けれど、ローを捕まえることが出来るほどの何かがいるのか?
    他でもない、億越え海賊。新世界の海を渡る実力がある、そして悪魔の実の能力者でもあるローを。

    「……ローが、何を調べようとしていたのかさえわかれば」

    そうすればどこに行くか予想が建てられたのかも知れないのに!
    なんて、文句を言っても仕方がない。
    今はとにかく、これからすべきことを考えなければ。

  • 161二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 01:04:56

    ううん、コラさん自己犠牲に走るなよ…

  • 162二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 02:07:35

    不穏だけど面白い~~~>>158のコラさんの嘘つきめ。が >>97のあいつ嘘ついてるじゃねーか!の時とテンションも文脈も全然違うのドキッとして大好きだな…ローは嘘つきで困ったね誰に似たのか……

  • 163122/12/18(日) 02:28:52

    手帳を再度確認する。確認しても、読めないところは読めない。けれどローはこれを見て、何かに気付いた。

    「……スキャンしたってことは、何かわかったんだよな」

    何かおかしい点があったんだろうか。例えば紙の成分から何か検出した、とか……。
    いや、というかスキャンで何が読み取れるのか、おれよくわかんねェんだよな。
    けれどそんなおれの疑問は、おれよかずっとローの傍にいたシャチが答えを出してくれる。

    「たとえ読めなくなっていたとしても、書かれた痕跡があるのなら、紙にわずかに残った、ペンの筆圧だけを読み取ることは可能かも……しれないです」
    「そんなこと出来るのか!? ……最近気づいたけど、なんでもありだよな、オペオペの実って」

    ローが戦うところを見ているが、そこまで出来るの!?とおれは驚くことばかりだ。

    「でも、それなら……ローは手帳の中の何かを読み取って、それで何かを確認しに行って、そして……捕まった、ってこと、だよな」

    ……やはり、そこが一番わからない。だってあのローだ。そうやすやすと敵に後れを取るなんて思えない。
    いったい、ローは何を見たんだ。そして、……何が、あったんだ。

    「……探しに、行きたい」

    探しに行きたくてたまらないのに、どこにいるのか見当もつかない。
    それが悔しくて悔しくてたまらなくて、ガキの身体は勝手に目に涙をためちまうから、厄介だ。
    例え大人になって、おれより強くなって、頼りになるキャプテンだとしても、それでもおれの中には、あの頃の小さなガキのローがいる。
    今はもうおれの方が小さいガキになったけれど……それでも、それは変わらない。変えようと思って変わるものじゃないのだ。
    それこそ、何をしてでも助けてやりたいって思うくらいには。
    でも、その何をする、というのが思いつかない。

    もう少し。
    もう少し、手がかりがあれば。

  • 164122/12/18(日) 02:31:09

    >>162

    面白いって言ってくれて嬉しい!

    本当誰に似たのかな……。


    というところで今日はここまでにさせていただきます!

    また保守の方をお願いします。

  • 165二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 09:02:15

    筆圧! その発想はなかった。


    >>159は誰の目線なんだろう。ローさん?

    つよつよローさんももちろん好きだが、囚われのローさんも好きなのでワクワクしてます。

    続きが楽しみ!

  • 166二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 09:47:58

    意外とローはミスリードでレミくんラミくんだったりするんじゃない?
    回想とか昔の夢とかありそう

  • 167二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 10:48:46

    保守

  • 168二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 17:17:19

    島全体に不自然にコクレア様が知られてない事、島全域に漂う甘い臭い、島にいる全員に出ている死相…なんとなくこの島自体が何か大きな存在の胃袋みたいなそういう薄ら寒さを感じる……
    ローを探しに行きたくて感情が涙腺にきちゃうコラさんにそうだよなぁ今は子供なんだよなぁって改めてなる

  • 169122/12/18(日) 18:37:43

    保守ありがとうございます! 今日もゆっくり更新していきます。

  • 170122/12/18(日) 19:10:19

    「―――この島の地図はあるか」

    何かを考え込んでいたホーキンスがふと声を上げた。
    気まずそうにずっと話を聞いていたクリスが、びっくりしたようにホーキンスを見たあと、『地図……ありましたっけ』なんて頼りにならない返事が。
    けれどもマリーさんが『そんなもんないから適当に書くよ』と言ってさっさと取りに行き――そして、すぐに紙を持って戻ってくる。

    机の上に広げられたそれに、マリーさんはすらすらと書き込んで行く。
    途中じっと机の上を見ていたクリスが、途中口出しをして距離を訂正していく。これは意外だけど、マリーさんよりもクリスの方が正確に覚えているようで、マリーさんに代わってさらさらとクリスが書き込んで行った。

    「普段からよく歩き回っているおかげですね。美味しい飲み屋さんも書きましょうか?」
    「必要ない」
    「あと、一応書いたのは大きな通りだけですけど、細かい部分も必要なら言ってください」

    そう言って迷いなく書いていく。
    あっという間に書かれた簡略化された地図を、おれたちは受け取った。

    「ホーキンス、地図でわかることがあるのか?」
    「そのペンを貸してくれ」
    「おい、無視か?」

    疑問をスルーされた……?と思いきや、クリスからペンをもらうと、それをおれにそのまま手渡してくる。

    「これに、お前のところの船員の足取りを書いてみろ」

    足取り……? それってペンギンの足取りってことか?

  • 171122/12/18(日) 19:12:36

    (わかりにくかったらごめんなさい。地図がちゃんとあった方がいいかな!と思って急いで書いたら、なんかもちゃっとした……)
    (地図には本来いろいろな店が書かれていたはずですが、こちらから見ていてわかりやすいようにかなり簡略化して教会と古本屋だけ書き込んだことをご了承ください)

  • 172122/12/18(日) 19:16:46

    えっ待っ 生存IF……?????

  • 173二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 20:03:42

    森が教会まで延びてる??

  • 174122/12/18(日) 21:15:34

    言われた通り、船員たちが調べたペンギンの目撃箇所を書き込んで行く。
    黒だけじゃわかりにくいから、青色はペンギンが失踪する前、赤色はペンギンが失踪した後と分ける。

    そう――確かペンギンはシャチと別れて備品の買い出しをしていた。
    だから様々な店を回っていた。主に日用品とか消耗品を担当していたはず。

    「これで……いいか?」
    「ああ」

    ホーキンスは地図をまじまじと見つめる。
    ――何を考えているのだろうか。

  • 175二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 21:33:47

    あっこういうの推理小説みたいでめちゃくちゃワクワクする……(スレ主もゲーム情報に反応してるのクスッとしたコラさんおめでとうヤバい)

  • 176122/12/18(日) 21:46:52

    「なら行くか」
    「行く? おい、ホーキンス、どういうことだよ」

    立ち上がってどこかに行こうとするホーキンスの服を掴む。ホーキンスはなぜ理解していないのかわからない、といった風に首を傾げた。

    「トラファルガーの帽子が見つかった。つまりは何かしらの痕跡が残っているかもしれない」
    「え?」
    「つまりだ。お前のところの船員も連れ去られたというなら、トラファルガーの帽子のように何かしらの痕跡が残っている可能性が高いというわけだ」
    「………」

    痕跡。証拠。――手がかり。
    動向に注目するばかりで、おれは全然そういったことを思いついていなかった。それはベポやシャチも同じだろう。
    だから、目から鱗だというか。

    「おれも仲間のもとに戻らなければならない。だからこんな場所で死ぬわけにはいかない。それならこの事態をどうにかするために少しでも動いて」
    「ありがとうなホーキンス!!」

    おれはホーキンスの腕をがしっと掴んでぐいぐい引っ張る。
    なんかベポがそれを見てあわわわという顔をしているが、おれにはそれを気にする余裕などない。
    やっぱり、おれはずっと考えるより、動く方が性にあっている。
    見つけ出すのだ。ローを。そしてペンギンを助ける方法を。

  • 177122/12/18(日) 22:17:11

    どこを調べるか


    1.①

    2.②

    3.③

    4.④

    5.⑤

    6.⑥

    7.⑦

    8.⑧

    9.⑨


    dice1d9=4 (4)

  • 178122/12/18(日) 22:19:48



    ――ペンギンが船まで歩いてくる道中の場所だ。
    目撃者の証言では、ふらふらと覚束ない足取りで歩いている姿が発見されたらしい。
    人のいい男性が酔っていると勘違いして声をかけたが、無視されたとのこと。

    周辺には漁師が捕まえてきた魚が売られている。
    生臭い臭いが強い。
    ベポ曰く、海の臭いが強くて、甘い臭いは薄いとのことだった。

    他特におかしな箇所は見られない。

  • 179122/12/18(日) 22:20:58

    どこを調べるか


    1.①

    2.②

    3.③

    4.⑤

    5.⑥

    6.⑦

    7.⑧

    8.⑨


    dice1d8=8 (8)

  • 180122/12/18(日) 22:29:34



    古本屋近くの場所だ。目撃者の証言では、買い出しを行ったのだろう、両手に荷物を持ちながら歩いている姿が目撃されている。
    周囲を確認するが、特に何か痕跡はない。
    古本屋の前には落ち葉が散らばっているが、レミが掃除をしている様子はない。

    ベポ曰く甘い臭いは教会ほどではないが感じるらしい。
    古本屋の近くでは木や植物がやけに生えているが、これが落ち葉がよく落ちている原因のようだ。

    他特におかしな箇所は見られない。

  • 181122/12/18(日) 22:30:48

    どこを調べるか


    1.①

    2.②

    3.③

    4.⑤

    5.⑥

    6.⑦

    7.⑧


    dice1d7=5 (5)

  • 182122/12/18(日) 22:39:48



    失踪する前、やや教会に近いこの場所で買い物途中のペンギンがここで目撃されている。
    人通りの多い場所なのでここで捕まったとは思いにくい。
    近くで出ていた肉の屋台で肉の串を買って食べ歩いていたとのこと。

    甘い臭いはそれなりに強い。
    屋台が多い通りらしく、いくつか並んでいる。

    他特におかしな箇所は見られない。

  • 183122/12/18(日) 22:40:44

    どこを調べるか


    1.①

    2.②

    3.③

    4.⑤

    5.⑦

    6.⑧


    dice1d6=1 (1)

  • 184122/12/18(日) 22:45:47



    ペンギンの出発地点だ。ここでシャチやジャンバールと何を買いだすか打ち合わせをしてから街へと繰り出した。
    先日行った島からそう日数もたっておらず、補充する品物は一人で十分持てる量だったので、一番重いものをジャンバールに担当してもらい、あとはそれぞれ三人バラバラに行動していたらしい。
    シャチはペンギンと合流する予定だったとのことだが、ペンギンが戻ってこなかったため、今に至る。

    甘い臭いはほとんど感じない。
    海には漁師が繰り出している。

    他特におかしな箇所は見られない。

  • 185二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 22:55:07

    淡々とした記述が緊張感あってこわい……

  • 186122/12/18(日) 23:09:38

    どこを調べるか


    1.②

    2.③

    3.⑤

    4.⑦

    5.⑧


    dice1d5=3 (3)

  • 187二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 23:18:44

    来た!5だ!
    教会そばの森!

  • 188122/12/18(日) 23:24:12



    失踪後のペンギンが初めて目撃された場所だ。
    この時点ですでにふらふらとした状態で歩いていたらしい。
    周辺を確認すれば、教会が傍にあるようだ。さらに近くには小高い丘、そしてその奥は切り立った崖だ。
    教会の横には森があるが、浅めの木立のようだ。

    甘い臭いはかなり強く感じるが、それでも教会の方が強いらしい。
    近くには小枝や葉が他より多く散らばっているように思える。
    まさか森に居たのか……?

    他特におかしな箇所は見られない。

  • 189二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 23:28:07

    森ってマリーさんがコクレア様見たところだっけ
    教会近くの森とは限らないけど

  • 190122/12/18(日) 23:29:24
  • 191122/12/18(日) 23:41:52

    【小ネタ】
    『その頃のコザー』

    「さて、頼りになる戦力もいなくなったことだし、これって危ないんじゃねェかと思い始めたこの頃」

    どうしたもんかな、とため息を吐きながらじいさんからもらったパンをもしゃもしゃ食べる。
    なんだかんだ戦力として有能だったんだよあいつら。ダニエルとクオル。大抵の海賊なら一発で追い払うし、負傷者が出ることもない。出たとしてもクオルが治療する。マジで頼り切ってた部分がある。

    「今更戦力呼べねェしな……」

    なんとかこう、人材漂着しねェかな、とつい考えてしまう。
    のんびりとしながらもこれからの展望を神頼みのように考えていた、そんな時。海兵が慌てた調子で室内に飛び込んできた。

    「おいノックしろよ」
    「センゴク元帥、……じゃなくて大目付がこちらに来ました!」
    「なんでェ!?」

    思わずずるっと滑りそうになりながら突っ込む。いや聞いてない聞いてない。おれ何も聞いてないが!?

    「どうやら観光らしいです」
    「あのじいさん何してんだ!!」

    じいさんってパン屋の方じゃなくて大目付の方のじいさんだ。ってそうじゃなくて! おれは汗をだらだら流しながら、今の現状を考える。
    今まで悪魔の実の能力者二人にまかせっきりだった海軍。もしそのことがバレたらとんでもないことになる。
    嫌な想像が百も二百も頭に浮かび、自分の顔がどんどん青くなっていくのを自覚する。
    とりあえず出しっぱなしだったウォッカをしまい、海軍のコートが汚れてないか確認した。
    それから自分の出来る限りの真面目な顔をして、部屋から出る。

    ―――まあ、ツケというのはそのうち払わされるものだ。それをようやっとのこと思い知りながら、おれは部屋を出た。

  • 192二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 23:49:39

    おおおお!コザーのそれからが読めるとは!

  • 193122/12/19(月) 00:01:52

    【小ネタ】
    『その頃のアフロミンゴ』

    「アフロミンゴ様~! 舞台のセッティングが終わりました!」
    「アフロミンゴ様! ファンレターもらいましたよ!」
    「あっ! アフロミンゴのおにおねえちゃん! お花買ってきたよ~!」

    わいわいがやがや。アフロミンゴは、椅子に座ってリンゴをかじりながら、首をかしげる。

    「なんか知らないけど、アタシ好かれてない?」
    「それ今更っすよアフロミンゴ様」

    不思議そうにしているアフロミンゴに、デコはため息交じりに呆れた声を上げた。
    航海途中、なんやかんやで旅一座を海賊船から助けだしたアフロミンゴ一派は、その旅一座を引き連れて今現在新たなる地でダンスショーを開催したりしている。
    新たな船を用意したら、当たり前のように旅一座も乗ってきた始末。既に彼らはアフロミンゴ一派の一員だった。

    「アフロミンゴ様は、こう……恩とか、そういうの気にしませんよね。自分が相手に何をしたのかこれっぽっちも。ちっとも」
    「アラ、最近アナタ生意気なこと言うようになったわね! お仕置きされたいのかしら」
    「これ褒めてるんすよ。しかも全力で」
    「そうなの?」

    よくわからないわねェと言いながら、フラムと一緒にせっせと働いている旅一座を眺めている。
    自覚はないのだろう、とデコは確信している。この人はたまに残酷だし、自分勝手だし、自分の好きなことしかしないし。たまにそれにこちらが迷惑を被ることがある。
    けれども、――それに救われたものは、総じてこの特別変わったぶっ飛んだ人が、どうしたって心に焼き付く。
    ど派手なのもいけない。見てしまったら、二度と忘れられなくなる。

    「はあ」
    「アタシの前でため息をつくなんていい度胸ね。アタシが笑顔にさせてあげるわ、さあ一緒にダンスタイムよ!」
    「ああ~~~~~勘弁してくださいアフロミンゴ様、僕はリズム感ないって言ってるじゃないですかあ~~~~~~~~~~!!!!!」

  • 194122/12/19(月) 00:13:54

    【小ネタ】
    その後のクオル(時間軸は出航してすぐ)

    「ロー! クオル何してんだ?」
    「仕事終わったからって寝に行きやがった」
    「えっ」

  • 195二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 00:15:06

    気まま~~
    猫チャンじゃん…

  • 196122/12/19(月) 00:19:09

    【小ネタ】
    コラさんですが、多分船に乗ってから新衣装になっているはず。
    おそろいのつなぎは、まだ仲間になっていないので着ないけど、再び船に乗ったとき着る予定。

  • 197二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 00:22:45

    やったー!
    ベポより身長デカくなる予定だから再会した時に用意してたヤツが無駄になる一幕もあるかもしれない?!

  • 198二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 00:31:45

    うわ~~~!懐かしい顔がいっぱいでめちゃくちゃ嬉しい!!大目付に会う前に正義コートチェックするコザーあざとい……フラムちゃんとデコくんのアフロミンゴ評がめちゃくちゃ解釈一致…嬉しい……

  • 199二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 00:32:57

    コラさんを船乗せるとき身体検査と健康診断してるかもしれないのね

  • 200122/12/19(月) 00:34:32

    >>199

    感染症の検査までしっかりばっちり

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています