行き遅れ一流♀トレ概念｜あにまん掲示板

1二次元好きの匿名さん21/11/07(日) 23:11:09

「キングぅ〜……またダメだったよぉ〜」
ベロベロに酔って人の家に転がり込んできておいて開口一番が失敗報告。いつもの事だ。
「また合コンに失敗したの？」
「そりゃもうこっぴどく！一流トレーナーと僕とじゃ釣り合う訳ないですよとかなんとか言われてそのままよ！」
嘆くトレーナー。今や自他共に認める一流トレーナーとなった彼女は、競技者とデザイナーの二足の草鞋を両立させ、どちらでも華々しい結果を──母親の影はちらつくが──出しているこの一流ウマ娘、キングヘイローと未だに契約を結んでいる。(専属と言う訳では無いが)共に歩むと決めた以上、当然の事だ。ただ、トレセン学園に居た頃よりも心身に余裕が出来た私達は……特にトレーナーは、多忙さで誤魔化していた独り身の寂しさというものに気がついてしまった。

2二次元好きの匿名さん21/11/07(日) 23:12:02

「きっと三十路になってもこんな感じなんだぁぁぁ〜！私には王がいるのに王子様が現れないよぉぉおぉ〜ッ！」
王で充分だろう、なんて言葉は流石に言わない。その代わり。
「もう……このキングのトレーナーがそんな情けない事言っちゃダメよ、貴方ならきっと……」
きっと、良い人が見つかる。そう続けようとした喉が貼りついた。自分はこの慰め文句を何度口にしただろうか？その度にトレーナーは泣きながら抱きついてきたり更に激しく泣いたりするものだから。さてどうしたものか。
「アナタそんなに寂しいの？」
「寂しいよ……そりゃ……」
「なら……」

3二次元好きの匿名さん21/11/07(日) 23:12:37

「……私で、良いじゃない」
咄嗟に口に手を当てる。しかし吐いた言葉が戻る訳ではない。
「キング……？」
「いや、その……」
困惑していたトレーナーの表情に、酔いとは異なる赤みが増す。しまった。
「……」
「……」
気まずい沈黙が流れ、慌てた私は突飛な事を口走った。
「い、一緒に住まないかって意味よ！」
……何言ってるの私？
「あ、ああそういう意味ね！なるほど！」
……何納得してるの彼女！？
「そ……そういう訳で！今度物件探しに行くわよ！」
「イエスマイロード！」
とりあえず危機は脱した……のだろうか？