【オリキャラ注意】「ドジって前世を思い出しちまったぜ」外伝その9

  • 11◆A8pWn3jbyg23/02/12(日) 01:41:42

    ナギナギの実を食べてすっ転んだら前世の記憶を思い出しちゃったコラさんの話、の続編。


    SS+ダイス+安価スレになると思います。ただしダイスと安価は要所要所。

    思いついちゃったボスがボスなのでボリュームが広がっていくかもしれない。

    書き溜めゼロなのでライブ感で行くのをご了承ください。

    転載は禁止とさせていただきます。


    【注意事項】

    ・このスレの時系列はごちゃごちゃです。劇場版時系列と思ってください。

    ・ワノ国後っぽい雰囲気が見られたりするかも知れませんが、時系列はパラレル。

    ・ローはK・ROOM、R・ROOM使えるローなのか現状定めていませんが、『凪(サイレント)』は使う事はないと思います。


    前スレ

    【オリキャラ注意】「ドジって前世を思い出しちまったぜ」外伝その8|あにまん掲示板ナギナギの実を食べてすっ転んだら前世の記憶を思い出しちゃったコラさんの話、の続編。SS+ダイス+安価スレになると思います。ただしダイスと安価は要所要所。思いついちゃったボスがボスなのでボリュームが広が…bbs.animanch.com

    最初のスレ

    【オリキャラ注意】「ドジって前世を思い出しちまったぜ」外伝|あにまん掲示板前スレhttps://bbs.animanch.com/board/1079485/の続編です。ナギナギの実を食べてすっ転んだら前世の記憶を思い出しちゃったコラさんの話。SS+ダイス+安価スレになると…bbs.animanch.com

    前作

    「ドジって前世を思い出しちまったぜ」|あにまん掲示板ひっくり返って呆然と青空を仰ぎながら、おれは手に持った一口分齧られた跡があるその実をまじまじと見つめていた。一気に頭の中に起こった記憶の濁流はひどい頭痛と吐き気と倦怠感と悪寒と等々重たい風邪症状をタイ…bbs.animanch.com
  • 2二次元好きの匿名さん23/02/12(日) 01:43:08

    このレスは削除されています

  • 31◆A8pWn3jbyg23/02/12(日) 01:43:52

    【このスレだけのオリジナル設定・オリジナルキャラ】

    ・コラさん
    一応色々あって今世の名前をロシーと自称しているが、ローもとい他の船員からはコラさん呼びされています。
    身長166㎝の伸び盛り。将来的には288㎝(ダイスで決定)
    治安悪めのスラムみたいなとこ生まれだけど特別な血統とか病気とかはないまま育った(安価で決定)
    現在謎の洞窟を調査中。

    ・クオル
    前作からのオリキャラ
    安価で悪い医者と出たせいで徹底的にローと対比を取られつつ、神絵師のネコチャンイラストによって野良猫要素が継ぎ足された属性過多男。悪魔の実の能力者。
    不治の病の治療法を見つけるために勉強中の医者。
    ハートの海賊団に居候中。
    ホーキンスと馬が合っているかもしれない。
    再登場!

  • 41◆A8pWn3jbyg23/02/12(日) 01:45:16

    このスレからの新オリキャラ

    ・マリー
    色付き眼鏡、腕には入れ墨、屋台で威勢のいい掛け声をするファンキーなシスター。
    面倒見のいい姐さんタイプ。
    過去神様にあったことがあるらしい……?
    現在失踪中。

    ・クリストファー
    ギャンブル好きの生臭神父。人当たりはいいけれど結構適当でろくでなし。
    マリーのお父さん。
    右腕は義手。
    元兵士。

    ・レミ
    本名レミリオ。優しそうな丸眼鏡のお兄さん。
    頬から首を渡って大きな傷がある。死んだ兄がいるらしい。
    過去失踪したことがあるらしい……?
    現在何かに乗っ取られている可能性有。

    ・ラミ
    レミのお兄さん。すでに故人。元神父。
    コクレア様を蘇らせようとしていた。
    豹変した姿で登場。何かに乗っ取られている……?
    けれども、霊体のような姿で登場。
    元メモメモの実の能力者。
    誰か恩人がいたらしい。

  • 51◆A8pWn3jbyg23/02/12(日) 02:14:04

    ベポはなんかもうテンションが上がってペンギンを肩車していた。
    ペンギンはあきれ顔だけれど、おれたちの心配を考えてほしい。
    怪我とか病気とかじゃなく、催眠とかそういう得体の知れない力であんな風になってたんだぞ。わかってんのか? ああん???

    「ていうかペンギンはなんでここにいるのさ! ずっと意識がなくて、ちゃんとご飯も食べてないだろ!?」
    「ベポ、そろそろ降ろしてくんねェか」
    「ちゃんと答えろよ!」
    「食った食った。目が覚めてからちゃんと飯を食った!」
    「こいつ軽く絶食状態だったのに分厚い肉食おうとしてやがった」
    「お前告げ口するときだけ会話に参加するよな!!」

    しれっとクオルが間に入り込んできて、しかも内容が無いようだったのでベポの怒りはヒートアップだ!
    肩車しながら走り出している。なんか楽しそうだな。

    「まあ、ペンギンが来るのはわかってたぜ。悪夢で会ったからな」
    「………」
    「お前のその『何言ってんだこいつ』みたいな目やめてくれねェか!? いろいろあるんだってこっちも!」

    とりあえずサングラスかけておけ、とホーキンスから渡されたであろうサングラスをそのまま強引にかけさせた。
    腑に落ちないというか、不満そうな顔をしている。こいつそんなに笑ったりしないくせに、嫌そうな顔だけは妙に表情豊かだ。

  • 61◆A8pWn3jbyg23/02/12(日) 02:46:53

    ――クオル曰く、起きたペンギンが要領を得ないことを言った挙句どこかに飛び出そうとしていたからぶん投げて話を聞いたらしい。
    軽く診察したらしいが特に異常なし。錯乱でもしたのかと思ったけれど受け答えに問題はなかったから、そこでようやく話を聞いたらしい。
    聞いて、まあ、理解したらしいが、『何言ってるんだこいつ』状態だったらしく。
    それでも飛び出そうとするし、他の船員はいないし、さっきまで意識不明の患者だったし、仕方なく自分もついてきたとか。

    「お前いいやつだな……!」
    「最悪だ……あいつみたいなこと言うなよ……」

    あいつ、とはコラさんのことだろう。コラさんは人を褒めることに躊躇ないからな!

    そうこうしている内に、ようやく肩車から解放されたペンギンが疲れた様子でこちらに来た。
    そしてすぐさまホーキンスにサングラスを渡され滅茶苦茶困惑した顔をしている。ていうか開口一番に『なんでてめェがいる!?』だもんな。なんかこのリアクションも懐かしくなってきた。

    「ていうかホーキンスのこと説明しただろ」
    「え、あ、ああ~……確かに……。いや、まあ、うん。助けてくれたんだよな。それでこのサングラスは何?」
    「かけろ」
    「何?????????」
    「お前説明省きすぎだろ困惑してんだろうが!!」

  • 7二次元好きの匿名さん23/02/12(日) 03:23:49

    クオルの反応笑う
    いやわかるけど

  • 81◆A8pWn3jbyg23/02/12(日) 03:39:24

    ……というわけで、ペンギンにはスポーツサングラス、クオルにはスクエア型のサングラスをかけることになった。
    これだけ種類があるのになんでホーキンスはそんなパリピ仕様のゴージャスサングラスなのかおれにはわからん。趣味なの?

    「あ~~……とりあえず、クオルが言ってたムルなんとかについて教えてくれよ」

    そうそう、話を戻さないといけない。
    一応サングラスをかけなきゃいけないことについて説明をしたら、まあ納得してかけてはくれた。
    そりゃ敵の攻撃の対処方がサングラスって聞いたら困惑するよな。わかる。
    とりあえずみんながサングラスをかけた段階で、おれは話を戻す。クオルは花のこと知ってるんだよな?

    「ムルフェニフソ。昔はよく咲いていたらしいが、現代では少なくなった花の名前だ」
    「絶滅危惧種ってやつか……」
    「麻薬のような成分があって、高い幸福感を感じさせたり、異様な興奮状態にさせたりする。反して依存性を高めたり、ひどい幻覚――バッドトリップを起こす。昔は薄めて麻薬にして使用していたと本の記述にあった」
    「役に立つのか害悪なのか……」
    「あるなら、何かしら別の効能は無いか調べるために採取したいが、それがどうしたんだ? というか結局何が起こってるんだ」

    あー、まあ、悪夢の中でペンギンに話したけれど、そこからさらにまた聞きになるとやっぱりあんまり理解できないよな。

    「ペンギンどこまで説明した?」
    「ほどほどに?」
    「だからどこまでなんだよ。……ええとだな、話すと長くなるんだが」
    「簡潔に言え」
    「その花が神様なんだよ」
    「正気か?」
    「お前が簡潔に言えって言っただろ!!!」

  • 91◆A8pWn3jbyg23/02/12(日) 04:20:23

    というわけで出来る限り詳しく説明。
    その間にも、辺りにどんどん樹液が染み出してきている。ここも時間の問題だろうな。

    「……ともかく、ムルフェニフソが人の信仰によって神になった、ということはわかった。わからないが」
    「とりあえずなんとか納得しておいてくれ」
    「一介の花が神になって森を支配する力を手に入れたうえ、悪夢を好きなように見せるような能力持ってる上人を捕食すると言われてそうそう納得出来ねェ」
    「うーん正論……」

    割とハチャメチャな能力だよな。おれが納得したように頷いていると、今度はホーキンスが口を開く。

    「そのムルフェニフソだが、何か麻薬成分とは別に違う特徴はないか?」
    「特徴?」

    その問いかけに目を丸くしてから、何かを思い出すように顎に手を当てるクオル。
    ていうかこんな呼びにくい名前の花をしっかり覚えていて効能まで記憶しているってすげェよな。現代で少なくなってるってことはそうそう見かける機会もないだろうに。

    「……甘い匂いが強い。それから、胚珠と子房の間に、養分を貯めておく袋がある」
    「養分……?」
    「そこを潰されたりなんなりすると、その花は枯れる。ある程度の日数を保管しておくために保護するべき部分だ」

    おい。おいそれって、結構重要な情報なんじゃねェか……?

  • 101◆A8pWn3jbyg23/02/12(日) 04:20:45

    というところで今日はここまでで。
    また保守のご協力をよろしくお願いします!

  • 11二次元好きの匿名さん23/02/12(日) 09:01:25

    合流と同時にハチャメチャ重要情報しれっとおとすクオルくんほんとデキる男
    さすがifキャプテン

  • 12二次元好きの匿名さん23/02/12(日) 19:44:10

    スレ立て乙です
    前スレのざっとした説明
    ・森に攻撃を仕掛けるも手ごたえがないので、シャチの提案でマリーさんを探すことに
    ・マリーさんが消えたことが昔の失踪時と似ていることから、クリスからラミロとレミの両親や記憶の情報提供
    ・ラミロが記憶を扱う系の能力者や悪魔の攻撃の変遷についてローの推察
    ・攻撃中だったので応戦、嫌われていたシャチが怪我を負う、ホーキンスが助太刀
    ・レミの回想
    ・ローにより処置はされたが攻撃が続くのでコクレア様の祭壇へ避難
    ・ベポの嗅覚によりホーキンスの怪我も発覚、シャチが治療する
    ・ローが祭壇を調べる、ラミロの手帳をシャンブルズで取り出す
    ・メモメモの実の能力で花の記憶を島民から消したこと、花の詳細、コクレア様の復活方法、ラミロの決意
    ・そしてクリスへの言伝から失踪時のラミロの両親の行動、ラミロの前任者についても判明
    ・クリスのやるせなさにコラさんが声をかける
    ・巨大な木から花の捜索、2チームに分かれてコクレア様の力が封じられたものを探すことに
    ・催眠対策に全員サングラスを着用(提供:ホーキンス)

    ・コラさん、ロー、クリスのチームにてラミロが残した家にあった手紙と手帳の時期、マリーさんに返すフィルムの考察
    ・レミが乗っ取られた時期にも言及した際に花からの攻撃、コラさんが空中に避難したら洞窟を発見

    ・ホーキンスから貰った飴によって体力が少し回復したシャチ
    ・コクレア様の力が封じられたものがコラさんが持つ鏡ではないかと見当を話すホーキンス
    ・コクレア様の本体について話しつつも、チーム分けがされたついでに花の祭壇を調べるホーキンス、シャチ、ベポ
    ・祭壇の壁に古い文字を発見、刻まれた言葉に疑問を浮かべていたら割り込む声が
    ・クオルとペンギンが参戦、ホーキンスによるサングラスの提供

  • 13二次元好きの匿名さん23/02/12(日) 20:26:30

    ここでクオルとペンギンと合流!!やったぜ!!

  • 141◆A8pWn3jbyg23/02/13(月) 01:54:25

    保守と感想ありがとうございました!


    >>12

    あらすじを書いてくれてありがとうございます!

    滅茶苦茶詳しく書いてくださってとても助かる……

  • 151◆A8pWn3jbyg23/02/13(月) 02:07:23

    「それじゃそれじゃそれじゃ!!!! それってもしかして花の弱点ってことか!?」
    「まあ花自体はそうだが顔が近いうるせェ」
    「いや、ムルフェニフソ自体はそうだとしても、やつは神になったのだから貫かれたら死ぬ、という単純な話にならないだろう。手帳にもそう書いてあった。試してみる価値はあるが、リスクは高いぞ」
    「ぐっ……そんな都合のいい話はない、か……」

    でも、おれには重要な情報だと思うんだ。
    例え今は神様だとしても、それでも花であったことは消えない。
    つまり……逆を言えばさ、“神様じゃなくなれば”効果があるかもしれないってことだろ?
    ……神様じゃなくなる方法があるかっていえばわかんねェけども!

    「ひとまず……鏡のことを確認したいし、キャプテンのところに合流する? それともマリーさんを探す方を優先した方がいい?」
    「んー……ベポ。敵の気配は?」
    「なんか静かになっちゃった。……いや、遠くの方で何か戦っているような音はする、んだけど、キャプテンたちかな……」
    「だったらやっぱり合流した方がよくないか? やつらマジで無限に軍勢出してくるじゃん」
    「そうだけど、……ん、んんっ!?」

    ベポはハッと顔を上げた。それから焦った顔をしながら叫ぶ!

    「急に方向を一気に変えた! ―――こっちにすごい勢いで来る!」

    ……はあ!?

  • 161◆A8pWn3jbyg23/02/13(月) 02:32:14

    そんなことある!?と思いながら、全員が一気に警戒に移る。
    途端、一気に樹液がなだれ込んできた。タイムアップかよ!

    「全員退避!」

    各々木の上に飛び乗りながら、ひとまず退却だと駆け出そうとした瞬間、―――ばきり!と木がぶち折れる音を聞いた。
    それは敵の攻撃かと思ったし――同時に不思議に思った。
    木が折れるって、むしろあいつらにとってダメージになるだろ? だからそういう音を聞くのは不自然というか。

    ばきり! ばきり! ばきり! ばきり! ばきり!

    「―――――えっ」

    連続で響く木の破裂音。それは紛れもなく、木が行う攻撃というより――木への攻撃の音のような気がした。

    「……何か来る、けど」

    人?とベポが不思議そうな声をあげる。
    いやでも、人というにはあまりに荒くれていて、乱雑で、獣染みたような攻撃だ。
    逃げるのをやめてその場で立ち止まる。
    こちらへと向かってくる木のつる、植物の化け物、それらが――何かに切り裂かれ、食いちぎられていく。

    そしてそれは。
    呆然とするおれたちの目の前に、爆ぜるような勢いで着地した。

    *

  • 171◆A8pWn3jbyg23/02/13(月) 03:15:34



    この世に善い人がいるとするならば、レミリオのことだろうとおれは思う。

    確かに自分は神父としてそこそこ上手にやっているし、善い人間であろうと努めている。
    だけれども、レミリオは違う。あいつは息をするように善行をするし、それを苦とも思っていない。
    まるで当然のように行われるそれを傍から見ているおれは、いつもそれを眩しく感じていた。

    例えば、痴呆が進んだ老人が糞尿に塗れた手を差し出してきたとき。
    おれは少し躊躇して、レミリオは迷わずそれを握る。
    例えば、蛆虫が集った野良犬の死体があったとして。
    おれは一瞬見て見ぬふりをしようと考えてしまったが、レミリオは埋葬をしようと自分の上着で野良犬を包んだ。
    例えば、島民が悲しみに暮れていた時。
    おれは他人事のようにそれを励まし、レミリオはその悲しみに寄り添いながらともに涙を流す。

    多分、神父に向いているのはレミリオの方だったのかも知れない。
    今となってはおれがこの役目をもらっていてよかったと、心の底から思うけれど。

    おれはあいつほど、心が強く、善い人間は知らない。
    贔屓目かとか、兄馬鹿だとか言われるかもしれないけれど、割と冷静な思考でもって考えているはずだ。
    そりゃ双子だから多少の欲目があったりするかもだが、それを差し引いても。

    もしあいつが、生贄が必要なのだと知ったら、迷わず自分の身体を差し出す。
    うん、そういうところは嫌いだけど。お兄ちゃんのことも考えろって思うけど。
    誰かのために、身を窶すことを厭わない。そしてそれをどうとも思わず、他人の幸福に微笑む。

    だからきっと、両親もそんなレミリオを愛していたし、踏ん切りをつけることが出来なかった。
    愚かな人たちで、だからおれは望みを捨てきることが出来なかった。

  • 181◆A8pWn3jbyg23/02/13(月) 04:00:04

    今からおれは死にに行く。
    全ての呪いを飲み込んで。
    やつに特大の呪いを込めに。

    「……レミ」

    おれの弟。おれの片割れ。最早たった一人の家族。
    おれは死ぬ。どうしようもなく死ぬ。それが悲しかったし怖かった。今もがくがく身体が震える。
    進んで死にたいわけがない。覚悟をしていたつもりだったのに、直前でこんなにも足が重くなるなんて思わなかった。

    それでも。
    それでも、それでも、それでも。

    「おれは、おれの、やるべきことをやらないと」

    祈るように腕を組む。
    本当は、レミリオの方が神父に向いていて、おれはレミリオほど神父に向いてなくて、割と自分のことばっかりで、結構自分勝手だったけれど。
    レミリオみたいに善い人間にはそれほどなれなくて、中途半端なままだったけれど。
    胸にある、強い、強い、愛。
    ――それだけは、本物だ。

    「……神父様、おれはやります。見ていてください」

    前に一歩踏み出す。
    それは、とても怖いことだったけれど。

  • 191◆A8pWn3jbyg23/02/13(月) 04:19:07

    しゅるり、と。銀色の身体がおれの前に出る。

    「……コクレア様」

    随分縮んだその姿。そっと表面を撫でれば嬉しそうにくるる、と鳴く。
    ……うん、威厳とか何もないなァ、と苦笑した。

    「さっきは痛い思いをさせてすみません」
    「くる……」
    「あっ、巻き付かないでくださいって。おれ、今から行くから」

    ね、と笑えば、さらに巻く力が強くなる。痛い。痛いって。
    引き留めてくるおれの優しい優しい神様に、思わず笑みが零れた。
    笑みが零れて、それから一緒に一粒だけ涙も零れた。

    「あとは、頼みます」
    「くるる」
    「どうか、見つけてください」

    あなたの姿が見える、勇敢で、素直で、愛があって、善い子どもを。

    「……それから」
    「くる」
    「……出来れば、コクレア様の力が封印されていたものも、探してくださいね」
    「くる!」

    元気のいい返事が返ってきたけど、大丈夫かなあ。
    優しくて、大好きで、おれの信ずるべき神様だけど。
    ……少し、ドジだから。

  • 201◆A8pWn3jbyg23/02/13(月) 04:26:27

    うん、でも。
    勇気が出た。元気が出た。覚悟も出来た。
    大丈夫。おれには、コクレア様がいる。
    神父様の言葉も胸の中にある。
    置いてきたレミリオも、……置いてけぼりにしたのかもしれないけど、レミリオも、生きていてくれる。クリスとマリーちゃんも、生きて、そこにいてくれる。
    怖いけど、怖くて怖くて怖くて、逃げたいけれど、それでもそこに“理由”がある。
    それでもと言える理由が。

    「くるる……」
    「引き留めないでください、コクレア様」

    真っすぐ見つめる。その鬣を撫でれば、すり、と頬を擦り付けてきた。
    おれに巻き付いていた身体が離れる。
    うん、と頷いた。

    今からおれは死にに行く。
    全ての呪いを飲み込んで。
    やつに特大の呪いを込めに。

    「あなたに、祈りを。すべてのものに救いあらんことを」

    息を吸って、吐く。
    ……クリス。マリーちゃん。
    巻き込んでしまったけれど。本当に申し訳ないけれど。もしかしたら――いつかの未来、君たちを傷つけるかもしれないけれど。そのように、おれは君たちを利用してしまったのかもしれないけれど。

    「どうか、頼むよ」

    身勝手にそう願うことを、許してほしい。

  • 211◆A8pWn3jbyg23/02/13(月) 04:26:44

    というところで今日は終わります。
    また保守のご協力をお願いします!!

  • 22二次元好きの匿名さん23/02/13(月) 09:36:00

    コクレア様まさかの可愛い系ですか……!?
    めちゃくちゃ面白かったです!シャチのアイデアが高くて活躍してるのなんか凄い嬉しい!
    テンポもいいし謎が謎を読んで来る感じとか本当に楽しいです。
    作者様大好きです~!!!!!

  • 23二次元好きの匿名さん23/02/13(月) 13:46:19

    少しドジ、か
    そこでも縁があるのね、コラさんと

  • 24二次元好きの匿名さん23/02/13(月) 23:08:30

    美しくて神秘的で強そうな生き物が「くるる…」って鳴いたりちょっとドジっ子だったりするギャップはな…

    めちゃくちゃ大好きだよね
    コクレア様推しま…いや信仰します(-人-)

  • 251◆A8pWn3jbyg23/02/14(火) 01:24:02

    保守ありがとうございました!
    少しだけになると思いますが、今日も投稿していきます。

  • 261◆A8pWn3jbyg23/02/14(火) 01:48:07

    ――おれたちは、崖を下って例の洞窟へと降りた。
    おれたちが能力者だと知っているクリスが『私が運びましょうか!』と提案してきたわけだが、ローは食い気味に却下。
    結果何故かおれがクリスに肩車されている。なんでだ?

    危なげなく洞窟の中に入りこめた。自然発生した横穴ではないかという疑いももちろんあったけれど、入ってみれば入り口こそ見えづらくなっているものの、天井は高く、地面は出来る限り平らにされた雰囲気があり、恐らく人の手が加えられている。
    中に植物がいる気配はない。その代わりにちょっとぞぞっとするような虫がいたりしたけど、気にしない気にしない。
    そして何故かおれは肩車されたままである。
    いや散々ローに抱えられてたし、まあ、わかるけど。でも今逃げているわけでもないし、足場が不安定ってわけでもないからいいと思うんだけど。というか百歩譲って肩車は違うんじゃねェか?
    でも言い出す機会がないまま、おれたちは奥へと歩いていく。

    その道中、結構風化しているが、壁に彫られている絵などがいくつか見受けられた。
    言葉の代わりに彫られている絵は、祭壇の上に花が飾られている絵、その花に幾つも宝や人間を捧げる絵、そしてその花ごと辺り一面を銀色のドラゴンみたいな魚みたいな長い尾っぽのやつが焼き尽くす絵。
    ……これコクレア様だよな。滅茶苦茶あれだ、怪獣大進撃みたいな感じなんだけど……。

    「……これはこの国の歴史か」
    「でしょうね。それでいて、正しい歴史だ」

    正しい、歴史。
    恐らく、ラミロによって消え去ることになった、本来の歴史。

    「この大火災の時に花は力を削がれた。けれど死してはいなかった……、ラミロによって記憶を操作されていたらしいが、この島に信仰者がまだいたということは、影響は少なからずあったんだろう」
    「はい。そういうことになるならば、同時にコクレア様もかなりの力が削がれたりしたんでしょう。それて膠着状態になった」
    「……そしてその均衡が10年前解かれたってことなのか?」
    「今ある証拠だけで結論を出すのならば、だ」

  • 271◆A8pWn3jbyg23/02/14(火) 02:06:27

    「恐らく花に関してのことは意図的に隠されている。まかり間違っても信仰されないようにだ」
    「信仰が力になる……つまり私たちの信仰パワーがブーストされればアルティメットコクレア様が誕生するということですか……」
    「その不意にクソみたいに頭が悪くなるのをやめろ」

    道を進んでいく。洞窟であるため、暗闇を進むのだろうと覚悟をして松明の準備をしてきたのだが、暗くなるにつれ不思議と青い光が辺りから漂ってくる。
    ロー曰くそれは苔らしい。光を吸収したわけでもないのに、暗闇の中で発光し、太陽の光に触れると途端に枯れてしまうそういう生態の珍しい苔なのだとか。
    それらが洞窟の中至る所に散らばっているから、特に問題なく歩くことが出来た。おれ肩車されてるままだから関係ないんだけどな。
    にしても、ぼんやりと光る青い光が綺麗だ。まるで絵本の中にあるような、不思議な生物がすんでいる幻想的な物語を夢想してしまう。

    「くそ、太陽の光に弱くなければ採取して帰るんだがな」
    「あっ現実に引き戻されちまった……」

    ローはそういうこう、情緒的なアレは無いらしい。
    まあそういう暇はないもんな。でもそういう暇があったとしても、多分そういうだろうな。

    そんな会話をしながら、奥へ奥へと進んでいった先。
    不思議とひんやりとする空気を肌に感じつつ――開けた場所に出た。

    青い苔は途切れている。――そこだけ、上から光が漏れている。
    天井に切れ目があった。そこから見えるのは月の光。
    月が妙に明るく洞窟内を照らしていた。だから、その空間の全貌がわかる。

  • 281◆A8pWn3jbyg23/02/14(火) 02:31:55

    「……天秤?」

    古くなって、苔が(青く光る苔ではない種類の)ついていたりしたけれど、その空間の真ん中にどどんと大きな天秤が一つ、置いてあった。
    けれど、近づいてみるとそんなにすごい古いって感じはしない。年代物っぽい雰囲気はあるけれど、それでもアンティークみたいな感じで飾れそうだ。
    人一人くらい座れそうなほど大きいのは置いておいて。

    「なんだこれ……」
    「天秤ですね」
    「いやわかってるけど!」

    クリスが物怖じすることもなくぺたぺ触る。おい、とローの低い声が聞こえたが、別に何か変化が起こるわけではない。
    肩車されてたおれはそのまま飛び降りて天秤の片側に乗った。ぎぎぎ…と天秤がゆっくり傾く。

    「何も起きないな」
    「見るからにこの場所、何かしらありそうなんですけどねェ」
    「少しは考えて行動しろお前ら」

    ローの苦言が聞こえる。見るからに怪しいでかい天秤があるんだ。お前、そりゃ、乗るだろ……。なんならもう片方にお前が乗ってもいいんだぜ!
    ひとまず降りて改めて天秤を見つめる。
    ……意味がないものとは思えないよな。まさかこれにコクレア様の力が封印されてたり? ……してたら困るな、こんなでかくて重そうなもの。

  • 291◆A8pWn3jbyg23/02/14(火) 02:32:48

    というところで今日はここまでにさせていただきます。
    いつも感想ありがとうございます。感想ばしばし募集中です。SS書きはもらえると活力みなぎる。
    また保守のご協力をよろしくお願いします!

  • 30二次元好きの匿名さん23/02/14(火) 11:42:03

    天秤なら、両方に乗せる『何か』が必要だけど、それが何なのか分からない
    一方シャチ側は、花の邪神の弱点は分かったけど、信仰を引きはがす方法がまだ分からない
    マリーの行方だって不明のまま
    分からない事だらけだけど、一歩ずつ着実に前進しているのは確かだ

  • 31二次元好きの匿名さん23/02/14(火) 22:13:14

    なんだろう……パッと思いついたのはコクレア様の鏡と花の何かを天秤にかけて傾いたほうの勝ち!みたいなのだけど

  • 321◆A8pWn3jbyg23/02/15(水) 02:23:40

    保守感想ありがとうございます、今日も少しだけ書かせていただきます!

  • 331◆A8pWn3jbyg23/02/15(水) 02:34:39

    天秤の周囲を見ていたら、すぐ傍に何やら石の板が埋め込まれていることがわかった。
    そこには何か文字が書かれているが――何が書かれているのか、よくわからない。
    古い言葉だろうか?
    おれがうんうん悩みながら見ていたら、背後から覗き込むようにローが顔を出す。

    「何か見つけたのか?」
    「ああ、いや、ここ。なんか書かれてるだろ。昔の言語か? もしかして歴史の本文と同じ言語!?」
    「違う。でも、古い言葉ではあるな。この崩され方は確か……」

    どうやらローには覚えのある言葉らしい。流石だぜ、と尊敬の目でローを見つめる。途端やりづらそうにしているところは可愛げあるよな!
    長い指が刻み込まれた言葉をなぞる。

    「“魂は――心臓の重さである”」

    お、おお?

    「”魂の重さと身体の重さが同一であることを示せ”、と書いてある」
    「うん……? どういう意味なんだ?」

    ていうかなんか聞き覚えがあるような言葉な気がする。
    ローの眉間の皺が滅茶苦茶深くなっている。
    重さが同一であることを示せって……つまり、秤に乗せろってことか?

    「……あの、それって」

    クリスが困惑したように声をあげる。

  • 341◆A8pWn3jbyg23/02/15(水) 02:41:14

    「つまるところ、その天秤の上に魂と同じ重さのもの――心臓と、身体を天秤に乗せろってこと…ですよね」
    「そうなるな」
    「いやそうなっちゃうと、あれじゃないですか。これ、心臓を置くってなると、こう……取り出さないと駄目じゃないですか」

    無茶でしょ……とクリスが告げる。
    ……確かに! そういうことになるのか!
    え、じゃあこれって、つまり心臓を取り出すこと前提ってわけなのか? じゃないと心臓と身体の重さを正確に測れないだろうし……。
    これは昔の人が考えた装置なのだろうか。
    ……にしては悪趣味だ。だってそれ、どう考えても人が死ぬ前提のものじゃないか?

    ほら、ローも眉間にすげェ皺を寄せながら、自分から心臓を取り出して秤に置いて――――、

    「……………いやお前何してんの!?!?!?」
    「とりあえず試した」
    「さっき『少しは考えて行動しろ』って言ったその口で!?!」

    平然としれっと言ってのけるクソガキ(現在おれより年上)におれは愕然となる。
    コラさんどうかと思うわけよそれ! 何も言わずにやるかそれ!
    そしておれ以上にクリスが目をかっぴらいて驚いている。

    「せ、船長さんが死んだ……?」
    「生きてるぜ」

  • 35二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 02:50:52

    ちょうどおあつらえ向きの能力者がいて良かったね
    それはそれとして、そういうところやぞ死の外科医

  • 361◆A8pWn3jbyg23/02/15(水) 02:54:33

    ローの裏技にも近い能力で心臓を取り出し、天秤の片側に置き、そしてもう片方に乗るロー。
    さっきおれが乗ったときは重さで沈んだのに、片側に心臓が乗っているだけで、ぎぎぎ、と重さを測るように天秤は左右の秤をゆらゆら上下に揺らす。
    そして、それがゆっくりと平行になるように合わされ――ぴたり、と止まった。

    どういう仕組みなんだ、とか。どういう技術なんだ、とか。
    色々疑問に思うことはたくさんあったけれど、それを考える間もなく。

    ゴゴゴ……と洞窟全体が揺れだしたものだから、おれたちはたたらを踏むことになった。

    「……やっぱり決断早すぎだったのでは? これ崩落の危険性ありません?」
    「そうしたら能力で飛ぶ。ひとまず様子を見るぞ」
    「なんでこの人こんなに冷静なんだ…? おかしい、この中では私が一番お兄さんのはずでは」
    「軽口言える時点でクリスも腹据わってるって!」

    というか少しは慌てろ! コラさんめっちゃ慌ててるぞ!
    天井を注意深く目を凝らして探るが、揺れはするものの壁が崩れる気配はあまり感じない。
    それじゃ何がどうなっているのかというと、目の前の岩が崩れて、そこに石の扉が現れ、それがゆっくりと開かれていっているのだ。

    「……命と引き換えという前提をもって、隠した何かか」

    ローがぼそりと呟く。
    確かに……そういうことなんだよな。
    壁画を見る限り、ここは恐らくコクレア様の何かしらに関係する場所なんだと思う。ここに苔以外の植物がないことが、なんとなく花の手が及んでいないことがそれを証明している気がする。
    つまり、花の信奉者ではない誰かが、命と引き換えにしか開かないようにするほどの重要性を持って隠した何かがここにある。そういうことなのだろう。
    ……とんでもないものがありそうだな、これは。

  • 371◆A8pWn3jbyg23/02/15(水) 02:56:03

    というところで今日はここまでで
    また保守のご協力をお願いします!

  • 38二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 11:05:40

    扉の先にコクレア様に関わる何かがありそうでワクワク
    マリーもそこにいてくれたらいいのだけど
    ところで、クリスが「私が一番お兄さん」と言っていたけど何歳だっけ?26よりも上なのは確定していると思うけど、もし既出だったらごめん

  • 39二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 18:39:25

    オペオペの実って本当に便利なんだなって改めて認識したわ
    それにしてもクリスさんの反応新鮮だなぁ…普通そんな反応するよね…

  • 401◆A8pWn3jbyg23/02/16(木) 02:07:18

    今日は投稿できそうにないので、また明日書きにきます。

    保守のご協力をよろしくお願いします。


    >>38

    そういう設定は割とあやふやにしているけど、マリーさんが拾われた頃まだ20代(もしかしたらギリ10代だったかも知れない)ので大分若いです

    なんでクオルが親子関係言及みたいなデリカシーないこともぱっと見で言えました

    つまり現在30~35くらいの年齢かな~って感じです

  • 41>>3823/02/16(木) 10:48:10

    >>40

    なるほど、教えてくれてありがとう!続き、いつも楽しみに待ってる

  • 42二次元好きの匿名さん23/02/16(木) 19:28:34

    そう言えば、あの天秤は描写からして随分昔からあったらしいが、もしやラミロがたびたび触れていた『教会のお仕事』と関係あるのかな
    だとしたら、あの反応も納得できる

  • 43二次元好きの匿名さん23/02/16(木) 20:11:01

    前スレ分からちょっとまとめて読んだんだけどやっぱりキャラとキャラの掛け合いが楽しすぎて皆大好きになってしまう
    ホーキンスの自由さにベポとシャチがコイツ…!ってなりながもちょっと正論だから強く出れなくて二人で耐えてるところとかにこにこしてしまったしクリスさんが喋る度にオモロなのに時々かっこいい(逆…?)のズルくて大好き
    あとラミロくんにじゃれるコクレア様にノラ的な可愛さを感じてそういう感じなんだ!と心踊りました可愛い

  • 441◆A8pWn3jbyg23/02/17(金) 01:39:48

    保守感想ありがとうございます、今日も少しだけ書いていきます。

  • 451◆A8pWn3jbyg23/02/17(金) 01:46:38

    扉が開かれた先には通路があった。
    おれたちは顔を見合わせてから、その石の扉の先へと歩いていく。
    例の光る苔のおかげで、通路は青く発光しているから進むのに困らない――が、何度か転びかけているため、おれはローに襟首をがっつり持たれている。いやそんな犬猫じゃないんだからさあ。

    そして、向かう最中、苔の他に青く光る鉱石……のようなものが、洞窟の至る所にだんだんと生えてきているのに気が付いた。
    まるで水晶のようなそれが、内部からの発光によってぼんやりと光っている。

    「綺麗だな、これ。なんなんだ?」
    「鉱石のようだが……見たことも聞いたこともないな」

    クリスに目線をやるが、クリスも知らない、とばかりに首を振る。
    けれど、ふと何かに気付いたように真面目な顔になった。

    「……売れば金に」
    「先に進むぞ~」
    「ああ」
    「アッ置いて行かないでください」

    この場で考えることが金になる当たり、多少極悪なところあるよな。
    別に神父だからって善人でいなさいって言うわけじゃないけど、多少取り繕ってもばちは当たらないと思うぜ。

  • 461◆A8pWn3jbyg23/02/17(金) 02:00:25

    先に進むたびにその鉱石が増えていき、だんだんと壁や床を覆うようになってきた。
    地面からも突起がいくつか生えていて、おれの転ぶ確率も倍増である。
    平らな面をしっかり見定めながら歩いて行くと――なんだか、不思議な雰囲気を肌で感じた。

    なんて言えばいいんだろう。殺気とかの逆バージョンみたいな。
    例えが悪いけど、ほら、殺気って感じるだけで肌がぴりぴりしたり居心地が悪くなったり気分が悪くなったりするだろ。
    でも、なんだろう。今おれが感じるのは、なんか穏やかな……マイナスイオンたっぷりというか。
    不思議と落ち着くのだ。

    「……ラミロはこの場所を知ってたのかな」

    ふと思いついたことを口に出す。

    「どうでしょう。この場所に来るためにそこそこの身体能力が必要じゃないですか。ラミくん、結構どん臭かったんですよね」
    「なかなかにずけずけ言うなお前も……」
    「えっ、いや、あの、愛嬌って話で……」

    慌てて取り繕うクリス。うん、短い付き合いだけど割と失礼なやつだってのわかってるぜ。でもまあ悪意がないから……。
    クリスの言っていることが本当なら、ラミロはこの場所は知らなかった、または知ってても来ることが出来なかったわけなんだよな。
    そんな場所におれらが来ているのはなんだかこう、不思議な気分だ。

  • 471◆A8pWn3jbyg23/02/17(金) 02:13:08

    そうこうしている内に、通路の先にこれまた大きな扉があった。
    今度はさっきの天秤みたいなギミックは無いみたいだ。
    かなり古いものだから、開けるのには単純に腕力がいるやつだ。
    けれども、おれたちがどうこうする前に、クリスがふん!と身体中に力を入れて押せば、ぎぎぎ…と軋んだ音を立てながらだんだんと開いていく。
    ……やっぱりお前って結構な力持ちだよな!?

    「あ~~重たい! こってりとした肉と酒でいっぱいやりたい!」
    「俗物だよなあ!」
    「それでマリーちゃんに怒られたい!」
    「……ちゃんと会えるからなァ!」

    ちょっと切ない気分になりつつ、見事開ききったクリス。
    おれたちはその扉の奥へと、警戒を忘れずにしつつ、一歩踏み出す。
    薄暗くてよく見えなかったけれど――それでも、十分暗さに慣れた目だから、少し凝らせば、すぐそれがわかって、そしてその全貌も理解した。

    「……………え?」

    驚きとか、色んな感情が一気に湧いてきたから、逆にぽかんと、間抜けな表情をしてしまったんだと思う。
    ローは言葉を失っているし、クリスも似たような反応だ。
    いや、何かあるんじゃないか、と思っていた、けれど。
    けれども!


    ――――――途方もなく大きい、青く発光する水晶の柱。
    その中に、銀色の体躯を持った、ドラゴンのような魚のような、長い胴体を持った何かが、眠っている。

  • 481◆A8pWn3jbyg23/02/17(金) 02:13:46

    というところで今日はここまでで。
    また保守のご協力をお願いします!

  • 49二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 11:14:48

    えええ!!!???先にあるのは何かしらのアイテムだと思っていたのに、いきなりコクレア様本人(神)来ちゃうの!?

  • 50二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 18:31:39

    コクレア様がそこにいるなら、その力が込められたアイテムはシャチ達が見つけるのかな?
    いやまあ、ダイスの結果からしてそうなるのは妥当ちゃ妥当だけども、まさか本人がいるとは思わないじゃん!

  • 51二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 19:34:11

    >>50

    力が込められたアイテムコラさんの持ってる鏡みたいなことホーキンス言ってなかった?

  • 52>>5023/02/17(金) 20:19:10

    >>51

    あ、そうだった!びっくりし過ぎて頭から抜けていたわ、教えてくれてありがとう!

  • 531◆A8pWn3jbyg23/02/18(土) 03:33:49

    こんな時間だけどちょっぴり書かせていただく
    保守感想ありがとうございます!

  • 541◆A8pWn3jbyg23/02/18(土) 03:44:57

    「……………なんだ、これ」

    たっぷりの長い沈黙の末、出てきた言葉はありふれた驚きだ。
    しばらくその場で固まってしまっていたけれど、これ、そりゃあさ、驚かないやつはいないって。
    ハッとしたローが柱――恐らくコクレア様であろうそれに、唇を引き結び強張った顔の状態で向かっていく。
    かくいうおれも、記憶の中――潜水艦から見た生物そのままの姿をした、巨大な体躯を持つ神々しい何かに、引き寄せられるように歩いていく。

    「これって、……死んでるんですか?」
    「……わからない。完全に遮断されている」
    「遮断?」
    「……能力が適用しない。ここにあって、ここにない。おれもこんな感覚は初めてだ」

    ローの張る“ROOM”。そしてスキャンを行うが――それでもわからない、らしい。
    ……そりゃまあ、人の想像を軽く超えているっていうか、神様、だもんな。
    人の理解の範疇の外にあるのも、不思議ではない。

    「死んでるようにはなんか、思えないな。ここからだ心臓が動いているのも呼吸しているかもわかんないのに」
    「剥製に見えなくもないしな」
    「ええ……コクレア様の剥製なんて考えたくもない……やめてくださいよ……」
    「一応そんな風には思えるのか」
    「あの、私どのように思われてるんです? クソ野郎? ちゃらんぽらんのアンポンタン? 否定できませんが……」
    「否定できるような努力をしような??」

  • 55二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 03:53:53

    このレスは削除されています

  • 561◆A8pWn3jbyg23/02/18(土) 03:58:45

    とりあえず、目の前にあるものが生きているのかどうかを置いておいて、だ。
    おれは気になっていることを素直に口に出す。

    「これって……これ、あれだ。コクレア様の力を封印しているものと関係があると思うか?」
    「……思わないな。少なくともこれがやつの力だとは思えない」
    「だよなあ」

    だとすると本物ってことになる。コクレア様そのもの。
    ……コクレア様を蘇らせるってそういうことなのか? このコクレア様を目覚めさせることが蘇りに繋がるのだろうか。
    それじゃラミロは、この場所のこと自体は……知っていたのかもしれない。

    「あの水晶の中からは出せないんだよな?」
    「ああ、無理だ。……見えてはいるが、存在していないんだ。そこにありながら、無いものを出せるような能力じゃない」
    「……ややこしいな」

    人の想像を超える能力ってのは、咀嚼して飲み込むのに時間がかかる。
    にしても、あんな天秤を作ってまで、隠したかったのはこれなのだろうか。
    ……確かに弩級の秘密だな、これは。信仰する人たちにとって傍からでもあるのか。仰々しい仕掛けにふさわしい顛末だ。

    そう納得していた時――ふと、思い出したことがある。

    「あ、……わかった」
    「? どうした、コラさん」
    「いや、天秤の前に文字が書いてあっただろ。ローが読んでいたやつ。あれ、どこかで聞き覚えがあるな~って思っていたら、手帳だ」
    「……ああ」
    「手帳、あの天秤のことを書いていたんだ」

    ローもすぐに思い至った様子だ。

  • 571◆A8pWn3jbyg23/02/18(土) 04:08:54

    手帳の文章がこれだ。

    “■■=■”
    “■■は■の重さである。そしてそれと■の重さは同一である。これを以て■に■■を■げ、片側に■を置き同一にしなければならない”
    “つまり誰かは死ななければならないのだ”
    “目を隠せ”

    この文章が

    “心臓=魂”
    “心臓は魂の重さである。そしてそれと体の重さは同一である。これを以て秤に心臓を捧げ、片側に体を置き同一にしなければならない”
    “つまり誰かは死ななければならないのだ”
    “目を隠せ”

    ―――恐らく、こういうことになる。


    「……この手帳の作者は、ここまで来ていたのか?」
    「随分昔だろうがな。読める範囲だけを確認すると、……なるほど、こいつもあの花の攻略法を探していたのかもしれない」

    全部読めないことが悔やまれる、と呟く。
    確かにそうだな。全部読めたらもう少し手がかりが書いてあったかも知れない。

  • 581◆A8pWn3jbyg23/02/18(土) 04:11:37

    「………でもとりあえず、とんでもなく重要なものがあったな」

    それだけでも重要な進歩だろう。

    とりあえず、この場所にコクレア様がいるってことをちゃんと覚えておこう。
    このコクレア様がどういう存在なのかは、これっぽっちもわからねェが。

    そういう感じで、わからないことがわからないことのまま――理解できない存在として、そういうものなのだと飲み込んだ時。
    不意にクリスがはっと背後を見た。

    「クリス?」

    すわ襲撃かと思い、同じく背後を見たが――何もない。何かの気配がするわけでもない。
    けれどもクリスが、ここではないどこか遠くを思い描くように、じっと今まで来た道を振り返り……、ぽつり、と雨の降り始めのような声を零した。

    「なにか、」
    「おう」
    「……何か、今すぐ外に出なきゃいけない気がするんです」

    勘みたいなものですが。そう戸惑いながら言うクリスに、おれは迷わず口を開く。

    「なら戻ろう」

    こういう時、不意に思い至る直感は大事だぜ。

  • 591◆A8pWn3jbyg23/02/18(土) 04:13:02

    というところで今日はここまでです。
    また保守のご協力をよろしくお願いします。

  • 60二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 09:49:39

    >「……何か、今すぐ外に出なきゃいけない気がするんです」

    この直感は何かしらの危機が迫っているのか、それとも別の何かが起こるのか

    なんとなく後者の気がする

  • 61二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 09:55:41

    神様は信仰を力に変えているんだろ?だったら、『人の願い』から作られた悪魔の実の力ってどうなんだ?
    願いと信仰は=なようで=ではないと個人的には考えている、だからコクレア様に残されていた信仰の力が、悪魔の実の力をはじいたのかな

  • 62二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 19:35:30

    「あるけどない」ってのが神様感ありありでなんか好き

  • 63二次元好きの匿名さん23/02/19(日) 01:47:41

    このレスは削除されています

  • 64二次元好きの匿名さん23/02/19(日) 10:14:17

    レミさんとマリーさんの情報は今のところなしか
    毎回挟まれるクリスさんのダメさ加減とかコラさんのツッコミに笑わされます面白い

  • 65二次元好きの匿名さん23/02/19(日) 20:38:41

    読み返してたけど、クリスが地図をよく覚えてたの、さすがもと兵士さんだなって

  • 661◆A8pWn3jbyg23/02/19(日) 22:20:14

    感想保守ありがとうございます。
    忙しい別件の合間だったのですが、気晴らししたくてスローペースで書いていきます。

  • 671◆A8pWn3jbyg23/02/19(日) 22:39:50

    ローもこれ以上調べても何も出なさそうだと、ここを出ることを拒否することはなかった。
    そのままおれたちは今まで来た道を歩く。
    水晶に囲まれた洞窟のような道を歩き終わる頃、ふとおれは天秤のことについて気付いたことを話す。

    「……つまりさ、あの天秤はコクレア様を隠しておくための……鍵ってことだったよな」
    「ああ、そうだろうな」
    「にしては鍵が厳しくねェか? どうやってあんなものを作ったのは謎の古代技術で納得するとして、だけどもローみたいな裏技を使わないと、人ひとり死なないと入れないだろ、アレ」
    「つまりそういう覚悟を持って開けろということか、――開けるつもりがなかったってことか」

    ……まあ、人の命が鍵になるんなら、それ相応の覚悟とか、もしくは残虐さとか、開けることそのものを拒絶させることとか、あったんだろうな。
    でもそのために命を捨てる可能性があったのは……嫌だな。単純に。

    やけに速足で前に進む歩くクリスについていく形でおれたちもついていく。
    クリスの直感、妙に気になるよなあ、と思いながら、天秤のある広間を抜け、再び青い苔が光る洞窟の通路を通り抜け、出口へと到達する。
    おれは抱えられながら一気に崖の上へと飛ぶ。
    それから、辺りを警戒しながら森の中へと入っていく、が。

    「……敵の数が少なくなっている気がする」
    「え、なんで?」
    「知らねえ」

    敵の数が少なくなっている? いや、あいつほぼ森の全部を支配しているみたいなもんだよな。
    なんで敵の数が減るんだ?

  • 681◆A8pWn3jbyg23/02/20(月) 01:03:42

    「……?」

    ローが訝し気に森の中を確認する。

    「何か……なんだ、あれは。……獣?」
    「ロー?」
    「何かいる」

    えっ、何かいるって……花か? 花の手先か?
    ……というには、ローの反応が妙におかしい。
    表情的にシャチたちじゃないんだろうけれど、っていうかなんて言った? 獣?

    ――けれど、次の瞬間、辺りの木が一斉に揺れる。まるで威嚇するように枝をめちゃくちゃに振りはじめ、おれたちはまともに立っていられなくなる。
    下樹液なんですけど!? 普通に落っこちそうになったおれはローに身体を掴まれ、そのまま宙に飛び――、何故か、クリスは棒立ちだった。

    「ってクリス!?!」

    なんで!? とおれが叫び、ローが能力を発動しようとした瞬間――弾丸のような速さで、何かがクリスの身体を攫うのがわかった。
    って、はァ!?

    「な、ぁ、ありゃなに!?」

    速すぎて見えなかったんだけど!?

  • 691◆A8pWn3jbyg23/02/20(月) 01:16:54

    クリスの身体を抱えるようにして飛び去った何かは、そのまま凄まじい勢いで木々にぶち当たっていく……いやあれ、多分足で蹴って向きを変えている。
    それでいて、蹴られたあとの木はことごとく破壊されているものだから、その勢いの威力も伺える。
    っていうか何。
    何あれ!?

    思わずおれがローの意見も聞こうと顔を向けて――そして、何かに気付いたように目を見開くローがいた。

    「……確か、言っていた。何かを手渡されたって」
    「ロー?」
    「けれどそれが何かわからなかった。覚えていなかったのだろうが、もらったものを覚えていない……思い出す余地もない。つまりそれは今現存していないということだ」

    何を、言っているのだろうか?
    おれは首を傾げながらも、ローが独り言のように言葉を紡ぐのを聞く。

    「なぜ攫ったのか疑問だった。よりにもよってピンポイントで。他の失踪者より先に、コクレアという神の関係者に手を出すのは差し障りがあるはずだ。花とコクレアは天敵で、さらにはコクレアの力で島が守られていた側面があるのなら、そのシスターにも連れ去るのに負担がかかる」
    「おい……、それマリーさんのことか?」
    「それでも捕らえたのは……無理をしてでも、始末するため」

    ばきり、と音を立てながら、クリスを抱え、着地する何か。
    そして気付く。見覚えのあるシスター服なことに。
    けれど――その顔は明らかに豹変している。

    まるで爬虫類のような鱗と、ドラゴンのような突き出た口と牙。
    肩付近から袖は破れて、剥き出しになる入れ墨が入ったファンキーな肌と、指先の長い爪。
    スカートの下からは長い尾っぽが出ていて、ばしりばしりと木を叩いていた。
    ローが半ば叫ぶようにその答えを出す。

    「悪魔の実、“幻獣種”―――コクレアってことか……!」

    は、はああ?!

  • 701◆A8pWn3jbyg23/02/20(月) 02:44:09

    クリスはぽかん、とされながら抱っこされている。
    両手を重ねて縮こまった状態でお姫様抱っこされていて、なんだかビジュアルに違和感がある。
    人型のドラゴンというべきか。ドラゴンという科、魚というか、蛇というか。コクレア様自体を見たときは判別しづらかったけれど、こうして見るとドラゴンっぽいよな、……ってそうじゃなくて!

    銀の鬣のような長髪を風に靡かせる、銀色の竜をじっと見つめるクリスは。
    眉を下げながら、ふにゃりと頬を緩めた。

    「……とんでもなく美人さんですねえ、マリーちゃん」
    「ふん、アタシ見て一番の感想がそれかい。光栄だね!」

    そう皮肉気に言いつつ、照れたようにそっぽ向いているのは微笑ましい……けども、そうだけども!
    いや、あの、おれ衝撃の連続っていうか。

    「キャプテ~~~~~~ン!!」
    「お嬢マジ早すぎ、これ俺たちの面目たたなくね?」
    「一周回ってありな感じはある」
    「ドラゴンだし」
    「ドラゴンだしな……」

    先ほどまで一緒に居たのか、マリーさんが来た方からシャチたちもやって来る……待ってペンギン!? ペンギンが起きてるんだけど!?
    ローもペンギンの姿を見て傍へと向かう。
    それに気づいたペンギンは――少し申し訳なさそうに後頭部を掻いた。

    「遅くなりました、キャプテン」
    「……大遅刻だな」

    ぽすん、と拳で軽くペンギンの肩を叩く。
    おれはちょっと泣きそうになりながら、待ちわびてた仲間の目覚めを喜んだ。喜びすぎてローから落ちかけて抱え直された。いや仕方がねェじゃん……。

  • 711◆A8pWn3jbyg23/02/20(月) 02:44:34

    というところで今日はここまで。
    入れたかった部分を入れられてよかった!
    また保守のご協力をお願いします。

  • 72二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 04:13:07

    きゃ〜!!マリーちゃ〜〜ん!!!(ペンラを振る)

  • 73二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 08:08:15

    ニカがいるんだからほかの神様が悪魔の実になっててもおかしくない〜
    (マリーちゃんかっこいいといううちわを振り回しながら)
    いやーめちゃめちゃテンション上がります!!

  • 74二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 11:42:58

    マリーも見つかったし、皆と合流できたし、後はコクレア様に力を返す(取り戻す)のと花の邪神を倒すだけだ!
    悪魔の実の能力者としてのコクレアと本物のコクレア様がいる状態だけど、悪魔の実があるのは目から鱗が落ちた
    二カと言う前例があったのに気付けなかった、伏線回収上手いな

  • 75二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 22:14:02
  • 76二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 22:40:31

    >>75

    マリーちゃんに姫抱っこされてるパパのポーズが乙女で笑っちゃった

    神〜🍢🍢

  • 771◆A8pWn3jbyg23/02/21(火) 01:48:00

    感想と保守ありがとうございました!

    滅茶苦茶忙しいけれども息抜き目的で少しだけ書かせていただきます。


    >>75

    ウワーーー!!前作に引き続きありがとうございました。

    サングラス、全員分を、さらには描写したそのままの形で描いてくださった……。

    一応これが似合うかな~、と想像しながら書いていたので本当に嬉しいです。特にペンギン。

    それからさりげなくホーキンスのサングラス、かなり最初の方で自分絵で出したやつを反映してくれているので本当にすごく細かい……。

    あとクリスのビジュアルがいい感じに胡散臭そうで好きです。壺売ってきそう。

    ここ好きポイントも、散りばめたギャグを拾ってくれてありがたい限り。

    それからシスターのイメージ絵もありがとうございました! めちゃくちゃ美人だし、色付きグラスに入れ墨の柄もしっかり反映してくれている……。

    スレ主ケモみ多めの獣人姿好きだから、半ドラゴン形態も書いてくださってすごく助かりました……

  • 781◆A8pWn3jbyg23/02/21(火) 01:55:20

    ペンギンの登場に喜んだおれたちだったが、さりげなくクオルも来ていてびっくりしていた。いや、ちゃんと着いてきてくれたのか。こういうことに関しては律儀だよな……。いつも通り釈然としない顔をしてるけど……。

    「あ、そうそう、情報共有しねェと……」

    こちらはとかく聞きたいことも言いたいこともたくさんあるのだ。
    あの隠された場所に仕舞われたコクレア様のこととか伝えたいし、マリーさんがどうして今ここにいるのかとか、戦っているのかとかも知りたい。
    そういうシャチたちも同じ気持ちのようで、早口で話しかけてくる。

    「コラさん鏡持ってますよね!?」
    「え?」

    鏡?と首を傾げかけて……ああ持ってた!と懐から取り出す。
    割れないようにホーキンスのスカーフでくるくると鏡面を巻いた鏡!
    なんでシャチが知ってるんだ? ああ、ホーキンスに聞いたのか。
    そう納得しつつ、訝し気にこちらを見てくるローに、そういえば話してなかったな、と伝えようとした時、

    「それ、もしかしたらコクレア様の力が封印されている一品なのかも知れないんすよ」
    「えっっっっ??????」

    ローとクリスが二度見する。
    おれも手の中にある鏡をじっと見た。
    それから、恐る恐るシャチたちを見上げる。

    「ええと、おれ、森に入る前から持ってたんだけど……やらかした感じ?」
    「情報共有って知ってるか?」
    「あああおれがさっき言った言葉……いやでもローに言われたくないような」

  • 791◆A8pWn3jbyg23/02/21(火) 03:12:58

    色々衝撃的な可能性を提示されたわけだが、よくよく考えればかなり怪しいのに、その可能性にこれっぽっちも思い至らなかったおれってかなりのドジなのでは……?と冷や汗を流しつつ、ひとまずおれたちは知っていることをそれぞれ共有し合った。
    どうにもマリーさんは唐突にシャチたちの前に現れたらしい。しかもあの姿で。
    そりゃあ驚いたし、一見マリーさんとは思えず戦闘態勢を取ったけれども、聞き覚えのある声で一喝されてひっくり返るかと思ったのだと。
    ……まあ知り合いが急にドラゴンになっていたら驚くよな。まさか悪魔の実(?)を食べてたなんて思わなかったみたいだし。
    驚きはしつつも秒で受け入れ、今もマリーさんにお姫様抱っこされているクリスがちょっと図太いのだ。というかお姫様抱っこからそろそろ降りたらどうなんだ?

    「……アタシもね、状況は全くわかってないんだよ。木のつるが急に身体に巻き付いたと思ったら、そのままどこかに連れ去られてさ。けども不思議なことに、森の真ん中あたりで木のつるがぶちっと切れて、それから周囲が急に枯れだして。不気味で仕方ないったらありゃしない」
    「枯れて……?」
    「……まあ、コクレアの力によるダメージだろう。最早理屈で説明できないが、『コクレア』という神そのものと、それにまつわるものすべてがあいつの天敵で、弱点なんだろう?」
    「つまり今ここではマリーさんが最強ってこと…?」
    「ハッ……私の娘超最強プリティー魔法少女ってことですか!?!」
    「魔法少女どっから出てきた?」
    「そろそろ降りな!」

    ようやく降ろされたクリスはちょっと残念そうな顔をしていたけれど、気に入ってたのか??

    「……まあ、アタシの攻撃が聞いてるってのは否定しないよ。よくわからないけど、なんかこう……力任せになんでもやって、そのすべてが妙に効くんだ」
    「やつらにとっては常にマリーさんの攻撃と一緒に毒を浴びてる、みたいなもんなのかな」
    「マリーちゃんこんなに綺麗な姿になってしかもかっこよくて強いってやっぱり最強じゃないですか」
    「親馬鹿は一旦しまおうな??」

  • 801◆A8pWn3jbyg23/02/21(火) 03:23:08

    「……辺りが枯れてもね、攻撃が止まなかったわけじゃない。至る所からよくわからない怪物が出てきて、アタシを殺そうとするからね、さすがに気が滅入ったよ」
    「は???」
    「クリス、どうどう。ロケットランチャー置いてくれ。ていうかさっきから情緒不安定すぎる」
    「マリーちゃんにようやく会えたので……」
    「ああうん……それを言われると……」

    マリーさんが消えたときの豹変具合を知っているからなんとも言えない。ようやく愛娘に会えたんだもんな……。そりゃテンション上がるよな……。
    でも妙なテンションのクリスはマリーさんにひっぱたかれて無理やり鎮静されていた。無慈悲。

    「アタシに攻撃しようとしても、向こうが傷ついたり、枯れたりしたもんだけど……それでも構わないのかとんでもない量の木のつるとか怪物が来てね。そりゃその物量に押されてしばらくはこう、ズタボロになったもんだよ」
    「は!?!?!?!?!?!?!!?!?!?」
    「話が進まないから黙っときな!!!」

    がばっとクリスが反応したけれどマリーさんはクリスの額を即座にひっぱたく。
    いやでも、そんなズタボロって、いくらなんでも、マリーさんは女の子だ。例え過去戦場でクリスに拾われた過去があったとしても、今は普通にシスターとしてみんなから愛されている普通の女性なのだ。
    だからそんなの怖くないわけがない。辛くないわけがない。
    きっと物凄く恐ろしい時間だったのだろう……。

    「んで腹立ったからもうぶちぎれて、だったらこっちから向かってやつらを枯らして殲滅してやるって突っ込んだらなんかあの姿になってた」
    「やばい、予想の数倍たくましいぞ……」

    悲壮感とか何も見えない。やり遂げた、という誇らしさすらあった。

  • 811◆A8pWn3jbyg23/02/21(火) 03:23:33

    というところで今日はここまで
    明日は投稿できないと思いますので、保守のご協力をお願いします!

  • 82二次元好きの匿名さん23/02/21(火) 10:57:09

    そりゃあまあ、クリス(と皆)にとっては情報量が多いよね
    自分の命よりも大事な娘が突然攫われて、銃やロケットランチャーを持っていざ救出に向かったら、花の邪神が散々妨害してきてなかなか見つからない中、ようやく再会できた時には悪魔の実の能力者(モデル:コクレア様)としての姿だったから、ご乱心するのも割と納得ができる
    と言うかこの様子だと、能力を発揮する機会が今までなかっただろうから当然と言えば当然だけど、マリーが能力者だって知らなかったようだし

  • 83二次元好きの匿名さん23/02/21(火) 16:10:55

    声聞く前に一目見て娘を娘と確信してるクリスさんももちろんなんだけど、ぶっ飛んで来てクリスさん姫抱っこで確保するマリーちゃんもマリーちゃんでかなりアレよな?
    クリスさんが強いのは十分知ってるんだろうけど(今の自分と違って一応普通の人間だし)こんな場所に来てるって知って心配だったのかな…大好きなんだろうな…って思っちゃった

  • 84二次元好きの匿名さん23/02/21(火) 23:11:33

    読み返してたんだけどマリーさん8つの時にコクレア様から直接悪魔の実手渡されてるってことだよね…?
    めちゃくちゃ秘蔵っ子だし実際めちゃくちゃ特攻持ってるしこれは敵対する豊穣の神としては無理をしてでも始末しときたかったんだなぁって納得した…おもしろ…

  • 85二次元好きの匿名さん23/02/21(火) 23:59:27

    このレスは削除されています

  • 86二次元好きの匿名さん23/02/22(水) 09:15:23

    このレスは削除されています

  • 87二次元好きの匿名さん23/02/22(水) 19:18:01

    ラミくんは元々クリスさんは巻き込む覚悟だったっぽいけどここへ来てマリーさんもめちゃくちゃくい込んで来てて面白い~~マリーさんが悪魔の実を食べるのはどのくらい意図されてたんだろ
    まだ全貌は分からないけども弟のことは日常の中に置いておきたかったっぽいのが「兄」だなぁって人間味も感じてとても良い…

  • 88二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 00:52:08

    半ドラゴン形態で神父をお姫様抱っこするシスターなんて大好きになっちゃうに決まってる…テンションあがっちゃう…

  • 89二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 04:09:20

    このレスは削除されています

  • 90二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 10:45:37

    マリーさんがごく自然にお嬢呼びされてるのとっても似合う

  • 911◆A8pWn3jbyg23/02/23(木) 16:58:47

    保守ありがとうございました!
    ドラゴンシスターケモ型マリーさんを好んでいてくれる人がいて嬉しいです
    続きを書いていきます

  • 921◆A8pWn3jbyg23/02/23(木) 17:30:33

    「まあ、それでいてなんかあいつらしつこかったからね、どんどん攻撃の手がとんでもなく多くなってきて大変だったから、人と合流出来てよかったよ」
    「もしかして、おれたちへの攻撃の手数が少なくなってきてたの、マリーさんにその分向かってたからなのかな」
    「かもしれないな。それほどまでにやつはコクレアの残滓を潰すのに余念がないってことか」
    「コクレア“様”だよ!」
    「……」

    似たようなことをクリスにも言われたことあったよな。ローがいかにも面倒くさそうな顔をしているぜ!

    「……という経緯あって、追われていたところにベポたちと合流したのサ」
    「理解したが、悪魔の実を食べていたことに今まで気が付かなかったのか?」
    「悪魔の実……アタシよく知らないんだよね。ここは田舎の島だし。名前だけ聞いたことがあるようなないような」
    「あ、私は知ってますよ。でも、この島わりと荒事とは無縁だったので、わざわざ知ることもなかったんですよね。……いや、ラミくんは悪魔の実の能力者だったらしいですが!」
    「は? なんだいそれ」
    「あ~~~~~~~」

    まあそりゃ、悪魔の実をよく知らないやつらもいるよな。
    それこそ戦いとは無縁の場所にいるやつにとってはそうそう見る機会もないだろうし。
    じゃー、なんだ。あれだ。マジで何もかも知らなかったし自覚もなかったのか?
    ……というわけで、ある程度悪魔の実の情報を伝える。その中でもっとも特徴的な、海に嫌われることについて話すけど。

    「……風呂なんて行水だからね」
    「湯舟とかないですもんねェ」
    「わざわざ水浴びにもいかないし」
    「海は近くにありますけど、別に遊ぶとかもないし」
    「「………うん」」
    「OK、気付ける要素はまったくなかったってことだな」

    それでもこう、違和感とかなかったのかな……不思議……。

  • 93二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 18:10:47

    このレスは削除されています

  • 941◆A8pWn3jbyg23/02/23(木) 18:12:40

    ひとまずマリーさんのことはいいとして、他の情報についての共有を行う。

    おれたちが向かった洞窟に居たコクレア様のこと、シャチたちが向かった祭壇にあった文言。

    ……それでいて、おれの鏡のこと。

    別にそうと決まったわけじゃないけれど、確かに唐突に現れたこれが怪しいのは事実。

    深く考えてなかったのだが……鏡は自然発生で現れない。なのに急に現れたってことは、それは何かの意志があるのだ。


    「……これを祭壇に置いたら、コクレア様が復活すんのかなあ……」


    鏡はかなり怪しい…のだろう。うん、それはわかる。

    わかるけど、おれは祭壇についてちょっと思うことがあるのだ。


    「ほら、あの祭壇、写真とちょっと違ってただろ。台座」

    「そうなのか?」

    「あ、ローにそのこと伝えてなかったな。写真にはうっすらだけど、台座みたいなのがあったんだよ、あそこ」

    「妙にスペースがあるとは思っていたが。……なるほど、欠けていると」

    「うん。それって……大丈夫なのかな」


    ただの想像だけど、欠けている祭壇でコクレア様の力が復活するのかな、という不安がある。

    じゃあその台座はどこなんだって話だけど。

    ……わかんねェんだよなあ!


    「ホーキンス、なんか占いでわかんねェ?」

    「ふむ」


    つい聞いてみたけど、占いでわかるもんかなあ。



    ホーキンスの占い結果でどこの場所が出たか(出た場所全部ダイスで%を決めます)

    >>95>>97

  • 95二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 18:17:32

    教会

  • 96二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 19:23:55

    森で一番最初に見つけた建物(神殿)

  • 97二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 20:07:43

    本屋

  • 98二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 22:34:44

    ホーキンスなんかもうすっかり頼れる仲間として見ちゃう好き
    クオルとはするっと仲良く(?)なったしシャチとも色々あって仲良く(?)なったもんだ…
    コクレア様悪神説の可能性を唱えて教会組をピキらせたりもしたけど概ねなんとかなってるな人間関係

  • 99二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 22:53:16

    もちろん自分の生還のためってのもあるけどコラさんの占いリクエストわりと気軽に聞いてくれるのなんか嬉しくなる

  • 1001◆A8pWn3jbyg23/02/23(木) 23:19:25

    「おいコラさん、占いに頼るのかよ」


    何故かシャチがぶすくれた顔をしているけれど、どこにあるのかさっぱりな今、占いに頼ってもいいだろ!

    だって死相がわかるくらいなんだから、こう、……占い師としてすごそうじゃねェか!

    なんて、もにゃっとした理由だけれど。


    ホーキンスは特段嫌がるわけでもなく、すんなりカードを手に取る。

    それから、カードを一枚手に取った。



    教会 dice1d100=71 (71)

    最初に見つけた神殿 dice1d100=21 (21)

    本屋 dice1d100=66 (66)

  • 1011◆A8pWn3jbyg23/02/23(木) 23:27:19

    「……教会と、本屋の確率が高いな」

    「おお?」


    幾度かカードをめくるのを繰り返していたホーキンスは、そう告げる。

    教会と、神殿?

    まあ確かにありそうっちゃありそうだけれど、二つの名前を出されたらどうすりゃいいか困ってしまう。

    もしホーキンスの言う場所を探るとしても、選択肢を複数出されたらその分だけ移動が増える。

    多分、探しに行くとしても複数に分かれるだろうし……。人数が少なくなるのはこの森では特に危険だ。


    「一つに絞れねえの?」

    「……まあいいだろう。確率は変動する。完璧な未来予知はおれにもまだ不可能だからな。特にどちらの確率が高いか、さらに精度を深めて占ってみる」

    「なんか“まだ”ってところがいずれ完璧に未来予知をしてやるって風に聞こえて気に喰わねえ」

    「シャチ」

    「うっす」



    教会 dice1d100=25 (25)

    本屋 dice1d100=8 (8)

  • 1021◆A8pWn3jbyg23/02/23(木) 23:35:25

    「……教会、だな」

    しばらく考え込んでいたホーキンスが出した結論がそれだった。

    「教会?」
    「クリス、覚えはないか?」
    「覚えがあったら教えてますって! ……んー、んんん、マリーちゃん、見たことあります?」
    「さっぱりだ。台座……写真を見せられてもわからないね。漬物石によさそうなサイズだけど」
    「まさか……マリーちゃん……」
    「してないっての!」

    うーん、教会の二人も知らないと言っているけれど……。
    でも確かに、祭壇にあったはずのこれがなんで教会にあるんだってことになるよな。
    じゃあどこにあるんだって言われたら答えられないけれど。

    「……ベポ」

    どうしたものかと思っていたら、ローが何かを考える声を出しながら……ベポに声をかけた。

    「キャプテン、どうしたの?」
    「お前の鼻で、台座を探し出せるか?」

    その問いかけに、ベポはきょとんとしてから――真剣な顔になる。
    言われた意味がわかったのだろう。おれはぽかんとしながらそのやり取りを見つめた。

    「街には他の船員もいるはずだ。クリス、教会を少し壊すがいいな」
    「ええこれ……滅茶苦茶嫌だけど断りづらい……」
    「アタシらの住居なんだけどもね」
    「修理もする」
    「それならまあ……?」

  • 1031◆A8pWn3jbyg23/02/23(木) 23:59:45

    「ええ……キャプテンこいつのこと信用するんすか?」

    ペンギンがちょっと嫌そうに言っているし、その横で堂々とシャチが嫌そうにしている。
    なんかここまで来たらおれは少しホーキンスに仲間意識を持っていたので、そこまで嫌そうにしなくてもいいと思うのだけれども。

    「ただホーキンスの占いだけで決めたわけじゃない。コラさんの鏡のことがある」
    「鏡……あ!」
    「もし運んだのが人でないなら、……なんの理由があるのかは知らねェが、同じように教会にあるんじゃないかと思っただけだ」

    違うなら、同じ町にある本屋も同時進行で探してもらう。
    そうローは言うが……それもホーキンスの占いで出た場所だ。理屈はつけれるけど、ローも参考にするくらいにはホーキンスのことを信用しているんじゃないだろうか。

    「クリス、その理由ってなんだと思う?」
    「えー? あれじゃないですか? 祭壇の一部だろうし、コクレア様パワーが染みついてて、それが教会を守護してくれていたとか」
    「ああ、確かに、そういう線も……、いやこれありそうだぞ」
    「適当に軽口で聞いたのに有力そうな理由出してくるんじゃないよ!」
    「これで怒られちゃうの理不尽では?」

    そんで、それをしたのが、多分おれたちの味方でなんか動いてくれてそうなコクレア様……とか、普通にありそうっていうか。

  • 104二次元好きの匿名さん23/02/24(金) 00:19:23

    今も教会にラミロくんの回想の時みたいな縮んだ状態のコクレア様がいたりするのかな
    直接関係ないけどコラさんが潜水艦から見た姿とマリーさんが10年前に森で見た姿と水晶漬けになってる姿もそれぞれ微妙に違ってたりするんだろうか

  • 1051◆A8pWn3jbyg23/02/24(金) 01:54:23

    「ベポ、いけるか?」
    「……任せて! 滅茶苦茶不安だけど行ってくる!!」
    「余計な文末をつけるな」

    自分の鼻を信頼してのことだと、ベポが胸を張って頷く。
    まあ、自信が少しないのはご愛嬌ってやつだ。
    でもそんな風に言いながらも、ハートの海賊団に居るだけあって十分強い。シロクマのミンク族だけあって純粋に力が強いし、ジャンバールを持ち上げていた時は二度見したぜ。

    「……臭いで探すのなら、アタシも行くかい?」
    「いや、お前はその悪魔の実のこともある。純粋に対抗策に」
    「マリーちゃんも行った方がいいと思います!!!!!!」
    「……おい」
    「そちらこそ、思い出してください。マリーちゃんは18歳の超絶可愛い女の子ですよ。私のめっちゃ可愛い娘です。キュートでプリティーでお嫁さんにしたいランキング第一位のマリーちゃんを戦力にするつもりですか」
    「………」
    「すごい、言ってることは最もだけど、言い方がアレすぎてローも何も言えずに絶句してる……」
    「気持ちは嬉しいけど余計なもんつけるのやめな! 普通にいたたまれないっての!」

    マリーさんがドラゴン姿だけどほっぺたを赤くしてぷりぷり怒っている。
    そしてクリスは真顔で一連の言葉を言い切った。ある意味男らしいというべきか。親馬鹿極まれるというやつか。
    そりゃ気立てのいい娘さんだってことはわかるけど、恥ずかし気もなく言えるってすごいよなあ。

    「でも、確かにそうだよなあ。いくら悪魔の実の能力者だからって、だから戦力にしますってのは違うよな」

    うん、おれも戦力として見てしまっていたから、反省。
    ……と思ったら。

    「いや、アタシはこっちで戦うよ」

    ……マリーさん?!

  • 1061◆A8pWn3jbyg23/02/24(金) 03:22:34

    「ママママリーちゃん?! なんでそういうこと言うの!? 反抗期!? パパ怒るよ!」
    「怒ってみな」
    「………」
    「アンタはアタシに危害が加われば起こる癖に、アタシに対しては本気で怒れない、典型的な駄目親だね!」
    「ぐう」
    「おお、ぐうの音が出た」

    言われてみればそうだけれど、手心ってやつをだなあ!
    そう思っていたら、マリーさんはふっと笑うと、ぎゅっとクリスを抱きしめた。

    「でもそんな駄目親のアンタが好きだからね。アタシがアンタを守りたいって思うのサ」

    ………。
    ……………。
    あ、あわわわわわわわわわわ………!!」

    おれは隣にいるローをばしばし叩く。ローはすさまじく迷惑そうな顔をしていたけれど!
    なんだかんだクリスにあたりがきつかったマリーさんがデレた!
    いやデレたって言い方するの失礼かな?!
    あー!! クリスがかちんこちんに固まってる!
    そりゃ普段のだめだめっぷりから見て怒られるのが常だろうしな! こんな優しくハグされてこんな言葉かけられたら固まっちまうよな!
    あーほら! シャチとペンギンが乙女になってる!!

  • 1071◆A8pWn3jbyg23/02/24(金) 03:42:52

    というところで今日はここまでとさせていただきます。
    また保守のご協力をよろしくお願いします。

  • 108二次元好きの匿名さん23/02/24(金) 08:19:39

    このレスは削除されています

  • 109二次元好きの匿名さん23/02/24(金) 08:37:50

    別に言うほどのことでもないかなと思ってたけどスレ主の「もにゃっ」っていう表現好き
    かわいくて

  • 110二次元好きの匿名さん23/02/24(金) 08:53:54

    ぷりぷりドラゴンマリーさんカワヨと思ってたら純度100パーセントのデレがきてコラさんと同じ反応になってしまった
    よかったなぁクリスさん!!

  • 111二次元好きの匿名さん23/02/24(金) 15:24:23

    マリーちゃ~~~ん!!!元々歯に衣着せないけど素直になれないってタイプの子でもないんだろうな
    焼き菓子口に突っ込んであげてた時からパパ大好きな感じはあった…尻も蹴飛ばすし愛情表現もしっかりするイケメンだ

  • 112二次元好きの匿名さん23/02/24(金) 23:39:44

    なんだろう双方に失礼な例えかもしれないけど構いすぎるから普段は愛猫に塩対応されてるのに飼い主が熱出したら親みたいな顔して虫取ってきて世話してくれた話みたいなときめきがある…
    えっ庇護対処!?そんな風に思っててくれたの!?みたいな感動…不意打ちと嬉しさでキュンキュンになってしまう

  • 1131◆A8pWn3jbyg23/02/25(土) 03:55:14

    今日の投稿は無理そうです!

    また明日の夜書きに来させていただきたいと思うので、保守のご協力をよろしくお願いします…!


    >>109

    多用している自覚があったのでそう言ってもらえると嬉しい

    もにゃってしていることをもにゃって書いてしまうんだ

  • 114二次元好きの匿名さん23/02/25(土) 12:37:03

    ここでいったんベポが離脱かな、がんばえ~!
    そういえば教会はクリスさんが落としたシャンデリアがそのままだな…

  • 115二次元好きの匿名さん23/02/25(土) 21:22:37

    ペンギンとマリーさんが完全復帰したしコクレア様もラミレミくんも助けてあげたいね…(ラミくんの肉体はもう食われてると思うけどこう魂的な意味で…)

  • 1161◆A8pWn3jbyg23/02/26(日) 02:14:04

    保守感想ありがとうございました!
    少しだけ書いていきます!!

  • 1171◆A8pWn3jbyg23/02/26(日) 02:22:12

    ……ひとまず、落ち着いたあと。
    マリーさんの強い希望でこちら側に残ることになり、街の方へはベポが向かうことになった。
    街につき次第他の仲間を集めて教会を調べ尽くすとのこと。頼もしいぜ……!
    ちなみにさりげなくローにおれも街の方へ向かうように誘導されかけたが、コクレア様が鏡をおれに渡したということはそれ相応の意味があるだろう、という理屈で乗り切った。そこに意味があるかはどうかは知らないが、おれを危険からなるべく遠ざけようとする節があるんだよな~~~。流石に今生ではそうそう死なないって!

    ところで、クリスなんだけど、一回りくらい体格がよくなっている気がするんだけどやっぱり気のせいかな。
    心なしかムキムキになっているように見える……。

    「あの、クリスどうしたんだ?」
    「パパは父性が爆発しました。これからパパに任せてください」
    「一人称がパパになっている……」
    「親馬鹿を周囲に巻き散らかすのはみっともないからやめな!」

    ……まあ、うん。元気なのはいいことだな!

    ベポはローからいろいろ指示をもらって、それをうんうん、と素直に聞いている。
    一人で行かせて大丈夫かな。いや、そりゃおれよりずっとベポは強くて頼りになるってわかっているけれど、それでもこの森は異常だから、仲間が一人で行動するってこと自体があまり好ましくない。
    今は攻撃が落ち着いているけれど、いつ激化するかわからないのだ。
    ここはやつの腹の中。おれたちの位置なんて、とっくに知られているかもしれない。

    けれど、そんなおれの不安そうな顔に気付いたベポがおれの方へと近づくと、そのもふもふの手でおれの頬をむにっと挟んだ。
    に、肉球が……おれのほっぺに……!

  • 1181◆A8pWn3jbyg23/02/26(日) 03:27:26

    「コラさん、心配しないで! 台座はおれが見つけてくるから!」
    「ベポ……」
    「それとも、おれは信用ない?」
    「んなわけねェ! ベポは頼りになる航海士だ。信用しているに決まってる!」
    「ならドンって構えておいてよ。おれは可愛いだけのシロクマじゃないよ!」
    「お前可愛いって自覚あったのか」
    「これ突っ込みどころだったんだけど!」

    笑っていた顔が怒った顔になる。
    その様子におれは噴き出した。
    ……うん、大丈夫だ。ベポならきっと見つけ出してくれる。

    「じゃ、行ってくる。キャプテン、待っててね。シャチたちもキャプテンのこと頼んだよ!」
    「おう、任せろ!」

    おれたちに見送られてベポは動き出す。普段羽割とのんびりした動きがおおいベポだけれど、いざとなればシャチたちのような速さで木から木へと飛び移って言っている。
    森から街の距離はそう離れていない。だから街に着くまで左程かからないとは思うが、……駄目だな、ちょっと焦る気持ちがある。森の中にとんでもない化け物がいるものだから、マリーさんが攫われたという前提がある以上、いつ街の人たちに危害が及ぶかわかんねェんだよな。

    「……ところでクオルは行かなかったのか? こっちにいるより戻りそうなもんだと思ったけど」
    「戻って寝たいが、それで死ぬのはごめんだ。おれがここに居ることが邪魔になるなら一緒に行ったが、やれることを思いついちまったもんだから仕方なく残ってる」
    「不思議な言い回しだな?」

    やれることを思いついちゃったってどういうことだよ。
    ……まあでも、自分がやれることをやろうと思える分、やっぱりいいやつだよ、お前は。

  • 1191◆A8pWn3jbyg23/02/26(日) 04:27:59

    「……それから、残ったおれたちはどうするかだ」

    ベポが行ったのを確認してから、ローは全員を見渡す。

    「行動を提案する前に、一つ気になった点について伝える。何故今のタイミングで花がマリーを攫ったかだ」
    「……まあ、マリーさんがコクレア様の悪魔の実を食べていたからってのが攫った理由だとしても、それがどうして『今』なのかわからねェよな」

    特別な何かがあったわけじゃあるまいし。
    でも、それはそれこそ今気にすることか?

    「おれはこう考えた。推測だが――、あいつはずっと待っていたんじゃないか?」
    「待っていたって何を?」
    「これまでの探索結果から、花はコクレアが天敵で、やつがいればその身すら焼けるという。やつは意志を持つ花だ。ならばすぐにでも始末したかったはずだ。特にコクレアの力を得ているとなると、それを使いこなすようになるまでに消さなければならない」

    ……確かに、やつにとっちゃそれこそ悪夢の実をもってコクレア様の力を得たマリーさんを喜ばしいと思うはずがない。
    先ほどまで執拗に追っていたのもそうだけれど、そもそも“攫った時点で”花にその悪意があったことはほぼ確定と見ていい。

    「じゃあなんで今のタイミングか―――、待っていたんだ、殺せると確信できる時を」
    「……ッ、……つまり」
    「かつてコクレアによって大幅に損なわれた力。けれど今、自分の身を焼くほどの天敵であるだろうマリーを殺せると確信できるほどの力を、再び得ている」

    つまり、とローが顔を上げた。

    「…かつて損なわれた花の力は――今現在、ほぼ全盛期に戻っている」

    ―――その瞬間、がくんと足場や揺れた。

  • 1201◆A8pWn3jbyg23/02/26(日) 04:28:35

    というところで今日はここまでです。
    また保守のご協力をお願いします。

  • 121二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 10:28:41

    力が全盛期に戻っているなら、まさか島民達の信仰が戻って来た……?
    べポ、気を付けてね

  • 122二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 14:00:41

    >流石に今生ではそうそう死なないって!


    フラグ建築士みたいな言い回しはやめるのだ!!

  • 123二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 15:18:23

    クリスさんただでさえ力持ちの部類だったのにちょっと作画変わってそうで草生えちゃった
    病は気からの逆みたいな感じだな!

  • 124二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 16:05:49

    クリスの作画ワンピースから北斗の拳になってるの想像して草

  • 125二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 18:42:52

    今万全の状態のメンバーはクリスマリークオルペンギンかな?
    前二人はなんかパワーアップしてるし層が厚くなったの頼もしい

  • 1261◆A8pWn3jbyg23/02/26(日) 23:06:29

    保守ありがとうございました!
    今日も書いていきます。

  • 1271◆A8pWn3jbyg23/02/26(日) 23:14:24

    「うわっ……!?」
    「ッ……!」

    おれはローに引っ掴まれて、そのまま飛び上がる。
    飛び上がった瞬間分かった。――森全体が揺れている。
    おれたちに向かって木のつるが一斉に伸びてくる。何十、何百なんて可愛いものじゃない。何千、何万ほどの圧倒的な弾幕……!

    「森全体が活性化してやがる。……本気を出してきたな!」

    忌々しそうにローが叫ぶ。今ここで活性化って……一人で街の方に行ったベポはどうなるんだ!?
    けれども追いかける余裕は今更無い。おれはローの背中に移動してそのまま首元にしがみつく。その状態のままローが“ROOM”を張ったかと思うと、一気に刀を振りぬいた。

    「――切断(アンテピュート)」

    瞬間、一気に木のつるが幾つもバラバラの輪切りとなる。
    広範囲のROOMによって辺り一面の木のつるは活動不能になる――けれど、その後ろから新しい木のつるが大量にこちらに向かってくる!
    くそ、ここ森だから弾数はいくらでもあるってか!

    「こ…の、くそったれ……!」

    次にマリーさんがその能力を生かして、弾丸のようなスピードで木のつるに突っ込んでいく。
    腕や足を使って、力任せにつるを破壊したり、引きちぎっていくのが見えた。
    獣型の状態だけあって、人の姿の時の何倍もの身体能力を発揮するようだ。
    背後からマリーさんを襲おうとする木のつるは、クリスが銃で正確に撃ち抜いていく。二人とも頼もしいぜ!

  • 1281◆A8pWn3jbyg23/02/27(月) 01:05:04

    「キャプテン、どうしますか! このままじゃまともに行動するのも難しいですよ!」
    「森全体が化け物か。笑うしかねェな」

    どうするか、とローが歯噛みをする。
    けれど、ローに変わるようにホーキンスが口を開いた。

    「あの巨大な木に向かいたい」
    「木って、急に生えてきたやつだよな?」
    「ああ。あれが本体ではないとしても、あれに意味がないとは思えない」

    ……今も森から堂々と天高く伸びている、幹に幾つも金色の目をつけた不気味な木。
    出来れば目を反らしていたいけれど、確かに見るからに怪しいのだ。
    だからと言って進んで近づきたいものじゃないけれど……。うん、でも、確かに気になるよな。
    ホーキンスの言葉にローは眉間に皺を寄せるが……それでも、他に何をするか思いつくことがなかったのか、そうだな、と静かに呟く。

    「だが、あの場所に行く前にこの森の猛攻をどうにかしないとならねェ」
    「……それはそうだ」

    彼らの実力なら、この森の襲撃を潜り抜けることも可能だろう。
    でも、恐らくそれでもかなりのダメージを喰らうだろうと予想できるし、ボロボロの状態でもしやつに相対してしまったら――、無事でいられるとは思えない。

    「ちなみに、おれたちがベポのもとへ行って一緒に台座を探すのを手伝うってのは?」
    「そうしたらやつらの手が街に及ぶだけだろうな」
    「うへぇ……ならおれらは囮も兼ねてるってことですね」

    ペンギンの疑問に端的に答えられる。そりゃだめだ。絶対にだめだな。

  • 1291◆A8pWn3jbyg23/02/27(月) 01:23:39

    「……こりゃ苦労しそうだな」

    今現在も、木のつると怪物を模した植物が360度すべてにいることがわかる。
    その中でおれはローの背中にしがみついているお荷物だ。
    ……お荷物になるくらいだったら、ベポと一緒に行った方がよかった? いや、そしたら逆にベポの邪魔になる。
    ああくそ! ここで役立たずがいたら致命的だろ……!

    「ひとまず全員“ROOM”で近くまで移動させる。いいな」

    再びローが能力を行使しようとする。
    けれど、ただでさえこれまで幾度も能力を使っているのに、そんな広範囲の能力仕様なんてしていいのかよ。
    休めだ時間なんてほとんどないってのに……。

    けれど、何も出来ないおれはそれを止めることが出来なくて。
    唇を噛んだ時だった。


    「待て、トラファルガー」

    ……唐突にクオルが声をあげた。

    「病理屋。まさかここまで来て行かないって言わねえよな」
    「そのまさかだ。おれは行く気はない」

    そう面倒くさそうに堂々と言う……エッここまで来て!?
    周囲の視線を集めながら、クオルは心底嫌そうにため息を吐く。

  • 1301◆A8pWn3jbyg23/02/27(月) 01:56:41

    「というか、行けねェ。近すぎても狙われるのがオチだ」
    「え、ええええ~~! ここまできてどういうことだよ~~~~!」
    「話を最後まで聞け」

    やっぱりクオルは嫌そうだ。その嫌そうな顔がデフォルトなのかって言うくらいで嫌そうだ。
    いや、でも! でもこれ緊急事態だし、いくら面倒くさがりでも、ちょっとくらい協力してもいいんじゃねェか……!?
    ――と、思ったけれど。
    同じくして何かを言おうとしたローを止める。

    「おれもここで死ぬ気はないんでね。だから必要なことをやるだけだ」

    そう言うと、クオルは差し迫る木のつるに顔を向けた。
    そしてそれを迎撃することもなく、手のひらを出すと―――その木のつるを手のひらに貫通させた。
    嫌な音を立てながら貫かれた手のひらから、ぼたぼたろ真っ赤な血が流れる。

    「グッ、」
    「っクオル!?」

    思わずおれとシャチがほぼ同時に叫ぶ。けれど、駆け寄る前にクオルが口を開いた。

    「インフェクション・ディジーズ―――樹熱」

    クオルの右腕が、黒く染まる。その状態のまま逃がしはしないとばかりに、貫通したのも構わず、その手で強く木のつるを掴んだ。

  • 1311◆A8pWn3jbyg23/02/27(月) 02:42:25

    「――病魔促進」

    クオルがその場に膝をつく。
    その瞬間、四方八方からこちらを狙ってきていた木々が――動きを止めた。
    クオルは、アプアプの実のアンプル人間――自分がかかったことのある病気の菌を身体の中に保有することが出来る。
    けれど、そのたびにその症状がクオルの身の内にも出ていたはずだ。それは――あの塔の戦いの中で知った。

    「っおい、クオル! 血が……!」
    「……血じゃねェと効果が薄い。おれはこの場から動けねえ。だからお前らだけで行け」

    ああ、そう、そうだよ。言い方露悪的なところあるけれど、そういえばそうだった! だからおれは何か言おうとしたローを止めたんだよ。
    ――こいつ、クソ律儀だった!

    木のつるは動きを止めている。というか、動こうとするたびにぎちぎち軋んだ音を立てている。
    森の騒めきが止まって、サイレントをかけたようにひどく静かだ。
    おれはごくり、と唾を飲み込む。
    まさか、とは思ったけれど、でも、間違いない。――クオルの能力で一気に森全体を病気に感染させたんだ。
    森に感染症が効くのか、とびっくりなわけだけど!

    「え、ええと、大丈夫ですか……?」
    「このままおれが能力を発動している間は森の攻撃を弱められる。でもここから遠ざかるほど効力は弱くなるだろうが――それでもあの木までは保証してやるよ」
    「いやそうではなく、あなたが」
    「このまま続けたら死ぬ。その前に能力の発動を止める。それが森を制御できるタイムリミットだ」

  • 1321◆A8pWn3jbyg23/02/27(月) 02:43:39

    というところで今日はここまでとさせていただきます
    以前のスレでクオルが能力発動することを予知していた人がいて悔しみ
    また明日書きに来るので保守のご協力よろしくお願いします!

  • 133二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 07:30:10

    ク、クオル~~~!また病魔促進が聞けるとは…
    やっぱりそのキャラにしか出来ない仕事ってめちゃくちゃテンション上がる

  • 134二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 13:15:01

    読んだ!皆かっこいい!(脳死)
    コラさん背中に装備したままROOMと鬼哭使うローのアクションもドラゴンマリーさんとクリスさんの前衛後衛バディ感もかっこいい
    コラさんの中でまたちょっと自身の存在意義がゆらゆらしてる感じが胸が痛むけど…
    そしてクオルはそうだったやりたくない事でもやるべきだと思ったらやり通す律儀さと我慢強さのあるやつだったって噛み締めました

  • 135二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 14:18:58

    マリーさんとクリスさん親子のコンビネーションも素敵だしクオルもすごい
    募集されたやつ使ってもらえてる……⁉

  • 136二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 19:20:50

    >>135

    なんか募集してた?

  • 137二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 19:37:26

    >>136

    前シリーズの感想スレで、クオルの能力のデメリット?制限?を募集してた

  • 1381◆A8pWn3jbyg23/02/28(火) 01:34:03

    保守感想ありがとうございました!

    今日も少しだけ書いていきます!


    >>137

    その節はとてもありがとう……。

    あれだ、敵キャラの時は打ち倒すのを楽しくするためにいくらでも能力盛っていいけど、味方キャラにしたら戦いがぬるくなるから制限つけなきゃならないのはしょうがないね

  • 1391◆A8pWn3jbyg23/02/28(火) 02:07:41

    大丈夫なんですか…?とクリスが心配そうにしているが、でも、これはクオルがくれたチャンスだ。
    確かに今なら森の動きがほぼなくなっている。この周囲一帯樹熱とかいう病気に感染させたのだろう。
    主に血液を介しているし、思いっきり木のつるがクオルの手を貫通していることは気にかかるところ! だけど!
    でも、そうまでして作ってくれた機会を無駄にすることが一番いけない。

    「……でもその状態で、お前、身動き取れないだろ。もし敵が来たらどうするんだ?」
    「ある程度の自衛は可能だ。いざとなればさっさと逃げる」
    「んー、でも誰か他に残った方がいいんじゃ」

    ――だって、常に自分を状態異常にしてくるような敵は真っ先に始末するだろ。
    おれが心配そうに見つめれば、クオルはただでさえ愛想のない顔をさらに怖くする。

    「おれに構ってる暇はあるのか? このまま立ち止まっていても、その例の神のやらが反撃してこないとは限らない」
    「そうだけどよ!」
    「――じゃあ、おれが残るよ」

    急に挟まれた声に驚きつつ顔を向けると、ペンギンが軽く掌をひらひらさせながら立候補していた。

    「クオルには看病してもらった恩があるからな。もちろん後からおれも合流するけど」
    「別に必要ねェ」
    「わかった。じゃあペンギン頼んだ。おれたちは行くぞ」
    「いらねェ」
    「アイアイキャプテン! よし、ペンギン、クオルをちゃーんと守るんだぞ」
    「話を聞くやつはいないのか」

    クオルが嫌そうな顔をしているけれど、仲間みたいなものなんだから、ちゃんと助け合おうぜ。
    少なくとも手を傷つけてまで自分に出来ることをやろうとしているお前を、信用していないやつはいないと思うから。

    ……まあクオルからのおれたちへの信頼はあるかどうかは知らないけれども!

  • 1401◆A8pWn3jbyg23/02/28(火) 02:22:19

    クオルのことはペンギンに任せ、おれたちは森を駆けていく。
    目指すはあの天高く聳え立つ不気味な木。
    ぎょろぎょろと金色の目が至る所を見ているのは普通に怖い。
    明らかに真っ当な木じゃないし、まともじゃない。
    夜の中、瞳だけが発光しているかのようにはっきりと明るく見えている。眼球の中に幾重にも円が重なっているのも鮮明にだ。

    「……やっぱりあれが本体なんじゃねェの? 滅茶苦茶怖いぞアレ」
    「怖いですよねアレ。私もめっちゃ怖いです。あっマリーちゃん怖くない!? パパが抱きしめてあげようか!?」
    「アンタには反抗期をプレゼントするよ」
    「やだー!!!!」
    「うるせェ!」

    ……なんか怖くなくなってきた! やっぱりこういう時、賑やかなのが大切なんだろうな。

    「ベポの足なら、一直線に全速力に向かったとして、そろそろ教会についていてもおかしくない。船員たちも街中に散らばってるはずだ。もしかしたら既に探索を開始しているかもしれない」
    「見つかるといいな、台座!」
    「なくても最悪その鏡突き刺したらどうにかならねェかな」
    「神事に用いる道具は欠けていてはならない。道具の用意からそれ一連の儀式の一つだ。つまり強引に押し通そうとするのは単純な人間がやることだな」
    「ホーキンスてめェ!!!!!」
    「うるせェ!!」

    ……うん、やっぱり怖くなくなってきた!
    そんな賑やかな道中のまま、木へと向かっていく。

  • 141二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 02:24:23

    ペンギンがさらっとかっこいい
    この状態のクオル一人で残るのは心配だからめちゃくちゃ頼もしいよ良かった…

  • 142二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 02:28:14

    すぐ珍道中風味になるのこのメンバーの才能だよ

  • 1431◆A8pWn3jbyg23/02/28(火) 02:42:37



    「どうしようか、ラミロくん。有り金全部スッてしまった」
    「神父様って清廉な人じゃなくてもなれるんですね」
    「あっはっは! 毒舌に磨きがかかってるねェ! 泣きそう!」

    いやあ困った困った、と困っている様子を欠片ほども見せないで、神父様が教会に並んだ長椅子にどかりと座る。
    おれはその前の長椅子に座って、背もたれを掴みながら反対側――神父様がいる方をを向く。

    「神父様、おれのお小遣い分けてあげようか?」
    「ちょっ……とそれは、さすがに私のなけなしのプライドが崩れるからやめておくれ」
    「プライドまだあったんだ……」
    「ウッ皮肉でもなんでもないありのままの純粋な感想はこう、胸に来る」

    駄目な大人でごめんなさい……と沈みだした。えー、と呆れながらも、おれはしょうがないなあ、と笑った。

    「大丈夫、駄目な大人でも、おれは神父様のこと好きだよ。博打で有り金注ぐのはどうかと思うけど」
    「アッハイ」

    ……慰めたつもりだったけれど、何故かさらに落ち込ませてしまった。どうしてだろうか。
    神父様は困ったように笑いながら、おれに手を伸ばしてわしゃわしゃと髪の毛を撫でてくる。
    それを受け入れながら、ねえ神父様、と再び口を開いた。

    「コクレア様ってどんな神様なの?」
    「おや、またそれを聞くのかい? 好きだね、ラミロくんも」
    「うん」
    「ふふふ、まあいいさ。教えてあげよう。何せとんとラミロくん以外に話せる機会があまりないものな」

  • 1441◆A8pWn3jbyg23/02/28(火) 03:01:23

    神父様は、この教会の神父様だ。
    いつからいるのとか、どういう人なのかとかよく知らない。父さんと母さんはこの人のことをあまり好いてないから、どうせ聞いても教えてくれない。
    だけど、おれが生まれるよりこの島にいて、それでいてこの島にずっとあるらしい、寂れた教会に住んでいる。
    コクレア様とかいう神様を信仰していて、それを広めようとしているけれど、まあうまく行っていないみたいだ。
    むしろギリギリ村八分になっていないだけマシだろう。それもこれも、このちょっと間抜けな人柄のおかげだろうけれど。

    一見聖職者としてふさわしいような、常に穏やかな風貌で、落ち着いた笑みを浮かべている人だけど、楽しい時は普通に大口を開けて笑うし、割とうるさい。それでいて楽しいことが好きなもんだからギャンブルにハマって大負けするのが形式美。
    この前なんて海で意気揚々と泳いでいたと思ったら海王類に追いかけられていた。そのあと命からがら浜辺に上がって『死ぬかと思った!』と三十回くらい言っていた。でも多分懲りていない。そんな常に日々をエンジョイしているエンジョイ神父様である。


    「―――コクレア様は、生と死の神――または輪転の神。命は死に、天に至る。そして天に至った命がそこで注がれ、再び地に戻ってくる。それを輪転と言い、それが自然のあるべく姿。それを教えてくれる、“螺旋”の神様」
    「うんうん」
    「それでいて、食いしん坊で、ちょっとドジなところがあって、好奇心旺盛な可愛いところがある神様ですよ」
    「その付け加えがいまいちペットに関して言っているように聞こえるんだよなあ」

    犬猫を溺愛してるようなあれそれの。
    神父様はそんなおれの発言に不本意!という顔をしているが、多分言い方が悪いと思う。うん。
    ――でも、本当に、本当に。神父様は、そのコクレア様のことを、尊敬と親愛を持って信仰していることがわかるから。
    だから、この人からコクレア様の話を聞くことが好きなのだ。

  • 1451◆A8pWn3jbyg23/02/28(火) 03:01:50

    というところで今日はここまでです。
    また保守のご協力をお願いします!

  • 146二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 07:42:41

    クリスさんにしては長椅子に座る仕草が…?と一瞬思ったらラミロくんの恩人の方の神父様だ!
    初代ギャンブル好き愉快神父様……

  • 147二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 15:51:12

    クリス長椅子に座る動作特徴的だっけ?
    まぁどかりと座らなさそうなのはわかる

  • 148二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 23:26:39

    クリスさんチャーハン上品にもりもり食べてたから仕草全般わりと品のあるイメージだったんだよね個人的に

  • 1491◆A8pWn3jbyg23/03/01(水) 00:24:15

    保守感想ありがとうございました。
    続きを書いていきます。
    ところでローの呼び方クリスはクリス、マリーはマリーってそのまま呼ばせているけど、~屋だったらなんて呼んでたのかな。神父屋とシスター屋??

  • 1501◆A8pWn3jbyg23/03/01(水) 00:45:39

    「いいなあ、コクレア様の方がおれは好きだし」

    おれは背もたれから腕を離し、背中を持たれ駆けさせる。そのまま長椅子に深く座って、ぷらぷらと足を動かした。

    「こっちの神様は信仰しないと何もしてくれないみたいだ。だから、信 者が神父様が一人しかいなくても、可愛げがあるコクレア様のが好き」
    「ううん、言ってることは嬉しいけど、可愛げだけじゃなくてちゃんと立派に仕事をしてくれてるからね?」
    「だいたいなんで神父様しか信仰している人がいないのさ」
    「先代の神父は大往生したからねえ……。まあ、転輪とかいうよくわかんないことよりも、わかりやすく豊穣を謳った方がお得感満載なんだろう。ほら、商品半額みたいな」
    「一気にチープになったし、例えとしてあんまり上手くないよ」
    「相変わらずの毒舌っぷり……」

    また神父様が落ち込んだ。おれ間違ったことを言っていただろうか? 反省しないと。
    ともかく、この教会には神父様一人だけで、コクレア様の信仰者も神父様だけ。
    でも、本当は、信仰者は二人。
    おれはこっちの神様の方が好きだから。だから、お得感を感じるんだったら、こっちのがいい。

    「本当はこっちの神様は胡散臭いんだ。父さんと母さんも何か隠している気がするし」
    「いやあ、そんなこと言うもんじゃないよ。そんなことを言ったら聞かれてしまうかもしれない」
    「別にいいよ。ここでしか言わないから。おれって外面はいいからね」

    そう。割と外では品行方正にしているのだ。わりと。
    好き勝手に言えるのは神父様くらい。この人は飄々として、おれがどんなこと言っても結局は受け入れてしまうのだから、つい甘えてしまうのも仕方がない。
    その他の人には行儀のいい自分を見せて。レミリオには、格好いい兄ちゃんの自分を見せて(これは仕方ない。弟にはかっこいい姿を見せたいのが兄の心情というものなのだ。双子だからって兄は兄である!)、神父様にはちょっとぐうたらした自分を見せる。うーん、二面性ならぬ三面性だろうか。自分で言うのもあれかな。

  • 1511◆A8pWn3jbyg23/03/01(水) 01:46:15

    「いっそ、みんながコクレア様を信仰したらどうなるかな。おれの方の神様の記憶もみんなから消えちゃって」
    「そんなことになったらそっちの神様がお怒りになられるよ。いやでも、信仰が力になるとする、そうしたらアルティメット最高コクレア様が爆誕する可能性も……」
    「今時子どもでもそんな言い方しないよ」

    でも、そうだな。そっちの方がいいなあ。
    おれがみんなの記憶とかそういうの操れたらいいのに。
    特にさ、父さんと母さんから神様の記憶をすっぽりと抜き取っちゃえばいい。
    それでコクレア様がこの島の守り神になりました。……めでたしめでたしだろ。

    「ねえ、神父様」
    「うん? なんだい」
    「もっとコクレア様のこと教えて。いろんなことを」
    「あっはっは! いいとも。でもなんだ、私の跡継ぎになりそうな勢いだなァ!」
    「うん、いいよ」
    「えっ」
    「神父様の跡継ぎになってあげる」

    にこ、と笑うと、神父様はぽかんとしてから、嬉しそうな、気まずそうな表情を見せた。
    なんだよ、喜んでくれると思ったのに。

    「いや、いち神父として宗旨替えには複雑な気持ちがあるので……」
    「宗旨替えじゃないよ。最初から信じてないから」

    いや、最初は信じていたのかもしれないけれど。同時に不信感も持っていただけ。
    両親が傾倒し、信じ込むさまを、おれはずっと好ましく思えなかったから。

  • 1521◆A8pWn3jbyg23/03/01(水) 02:21:30

    「本当は今両親に師事してるのだって、レミにおれの役をやらせないためなんだ。あいつはおれと違って、本当に立派なやつだから、絶対におれより向いてるから」

    ……そう。最初はそうじゃなかったけれど。
    レミリオは、本当にいいやつで。心の綺麗なやつで。
    人の喜びを共に心から喜んで、人の悲しみに一緒に泣ける。
    そこに嫉妬心とか優越感をこれっぽっちも挟まないものだから、割と普通の性格であるおれは、あいつの兄でいることに少しだけ苦労している。だってレミリオのやつ、おれのことを両親の仕事を進んで手伝って、お役目を果たすために精進していると信じ込んでいるため、すごく尊敬した目で見てくるのだ。
    その苦労もこれも兄冥利というのだろうか。

    「おれなんて、最初は普通にモテそうって理由で手を上げたんだよ。レミにバレないかいつも戦々恐々としてる」
    「割と真っ当に年頃の理由だねえ、微笑ましくなってきた、飴をあげよう」
    「いらない」

    そんな不純で軽い気持ちで、だからおれはちっとも信仰する気持ちなんてなくて、好き嫌いでコクレア様の方がいいなあって思ったりしている。
    そんなおれのことを神父様は怒るわけでもなく、笑うだけだった。
    微笑ましいって、おれそんな子どもじゃないし。ちなみに飴は無理やり渡された。好きじゃない味だった。

    「ラミくん」
    「なに?」
    「もし本当に、コクレア様の力になってくれるなら、いろいろ教えてあげるよ。誰も私の跡を継いでくれないのはちょっと……困るからね」
    「本当?」
    「……それに」

    それに、君のこと、コクレア様も好きになりそうだから。
    目を伏せながらそう言った神父様は、内緒だよ、と唇の前に人差し指を立てていたずら気に微笑んだ。
    そして次の瞬間――おれの背中に、不思議な生き物の重みを感じることになる。

  • 1531◆A8pWn3jbyg23/03/01(水) 02:47:25



    「どこにあるのさ~~~~~!!」

    おれはハートの海賊団のみんなを集めて、ひたすら教会を引っぺがしていた。
    コクレア様の匂い、っていうか、正常な綺麗な空気の匂いは感じるけれど、それはこの教会全体から感じる。
    だから、ここだ!……ってのが見つからないし、もしかしたらここにはないんじゃないかって嫌な予感だってひしひし感じてる。
    だって、そもそも言い出したのがホーキンスだし! ……まあ、キャプテンも後押ししていたけどさ。

    「困った…これは困ったぞ。でも今更別の場所を探せって言われても……わからないし」

    どうしよう、と言いながらキッチンの下に頭を突っ込む。ない!
    他の団員も至る所を捜索しているようで、がっしゃんどっかんごろんごろんと騒がしい音が聞こえる。
    多分いくつかものを壊しているだろうし、島の人たちから見たら海賊の蛮行に思われるんだろうな。少し悲しい。
    でも、そんなことを考えている暇はないのだ。
    今はとにかく、キャプテンたちの予想を信じて、それでいてホーキンスの占いもちょっ…とだけ信じて!
    おれがやれるべきことをやらないと……。

    「うーん、おれだったらどこに置くかなあ……」

    台座だとしても大事なものだし、綺麗な場所にしまっておきたいものだけど。
    そう思って一番きちんと整頓された部屋に入ったら、女の子のいい匂いがして慌てて男たちみんな部屋から出て行ったりした。あそこはイッカク任せだ。メスのくまじゃないけど、おれも気まずいもんね。

    「うーん……」

  • 1541◆A8pWn3jbyg23/03/01(水) 02:47:46

    というところで今日はここまでで。
    また保守のご協力をお願いします!

  • 155二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 04:44:53

    コクレア様の御利益がとっ散らかり気味なの花の記憶を島民から消して編集した結果なんだなあ…色々繋がってきて面白い
    そして前任の不意にクソみたいに頭が悪くなるとこ含め色々クリスそっくりで笑う
    ラミくん絶対ここも含めて後任にしただろ

  • 156二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 13:55:56

    このレスは削除されています

  • 157二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 22:14:13

    ラミロのおもしれー男ムーブは幼少期から変わってないみたいですね…
    ローからクリスとマリーの呼び名はいいのが思いつかないな
    過去編ではシスターって呼んでたのでシスター、神父かシンプルに名前に屋号あたり?

  • 158二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 01:15:35

    神父様とクリスさんの属性被ってて笑っちゃったな
    ラミくんはクリスさんに仕事紹介する時点でいいやつな事は見抜いてたけどまさかこんなに寄るとは思ってなかったんじゃないかな…おもしろ…
    ローが○○屋で呼ぶとなんか親しみを感じるからそうして欲しいけど素敵なやつが思い浮かばない…伴天連屋…?シスター屋…巫女屋…

  • 1591◆A8pWn3jbyg23/03/02(木) 01:49:19

    保守感想ありがとうございました!
    今日も少しだけ書いていきます。

    ~屋云々も考えてくださってありがとうございました!
    個人的に伴天連屋好きだな……。このSS内では名前統一となると思われますが、心に仕舞っておこう。

  • 1601◆A8pWn3jbyg23/03/02(木) 02:07:29

    「……匂い」

    おれに出来ることで、みんなより秀でていることで、この場で使えそうなこと。
    それはキャプテンにも言われた通り、匂いを嗅ぐことだ。
    でも、コクレア様の台座の匂いと言ったって、あの祭壇は確かに空気が綺麗な感じがしたけど、特に何か匂いがしたってわけじゃない!
    花の臭いが遠ざかってはいたけれど、だからこそ特徴的な匂いはないってことを証明している。

    「ううう、これで見つからなかったらキャプテン怒るかなあ……」

    怒るどころじゃないな。だって、見つからなかったらきっと、コクレア様の復活の儀式が出来ない。
    キャプテンたちの方で見つかればいいんだけど、本当にどこにあるのか見当もつかないものだから、そうそう楽観的に考えることなんて不可能だ。

    役割をもらって、自分がやるのだと使命感を持って、意気揚々と走ってきたわけだけど、――でも、最初からこの場所になかったのなら、どうしようもない。
    やっぱり他の場所を探すべきなのだろうか。ホーキンスの占いなんか信用せずに、もっと、話し合って、

    ……でも、あいつ、おれたちが悪夢を見ている時、身体を張って守ってくれていたんだよなあ。

    ホーキンスのことは嫌いだ。好きじゃない。でもそれでも、助けてもらった事実は本当で。
    それでいて、あいつも船に戻りたいって思って、真剣におれたちに協力しているのも本当で。
    そんなあいつのことを、好きじゃないからって理由で信じないのは、自分にはできなかった。

    「……匂い、匂い、匂い……」

    それが自分に出来ること。
    だから考える。タイムリミットはどのくらいだろう、という心境が心に冷たい針を刺すのを感じながらも。

  • 1611◆A8pWn3jbyg23/03/02(木) 02:27:16

    「……」

    考えて、考えて、考えて。
    ふと、脳裏に呑気そうな声がよぎった。

    『えー? あれじゃないですか? 祭壇の一部だろうし、コクレア様パワーが染みついてて、それが教会を守護してくれていたとか』

    「……もし、本当に力が染みついているのなら」

    そうしたら、どうなるだろう。教会の中は比較的清浄で、花の臭いはあまり感じない。
    感じないけど、おれの花は少しばかりの甘い臭いを感じ取ることが出来る。
    でも、もし祭壇にあるような台座がこの教会にあったとしたら、――その僅かばかりに感じる甘い臭いも、完全に感じなくなるのではないか?

    そう思ったおれは教会内を駆けまわった。信じられるのはおれの鼻。シロクマの嗅覚ってすごいんだぞぅ!と自分で自分を励ましながら、ひたすら嗅ぎ分けていく。
    キャプテンに任されたんだ。
    だから、おれがやらないと。
    コクレア様の復活に必要だとするのなら――、絶対に、見つけ出さないといけないんだ。

    そう思ってひたすら教会内を探し続けていたら、礼拝堂が他の部屋に比べて甘い臭いが少ないように感じて、その場所でさらに隅から隅へと鼻を押し付けていった。

    「うう、ありそうなのに……」

    きっとどこかにあるはずだ。そう思って、もうコクレア様に懇願するように祈りながら探し続けて、
    ――そうしていたら、ふと、背中に何か、何か乗ったような不思議な感触があることに、気付いた。

  • 1621◆A8pWn3jbyg23/03/02(木) 03:08:05

    今日も短めですがここまでにさせていただきます。
    また保守のご協力をお願いします!

  • 163二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 08:38:58

    これは…かわいい(もふもふ)とかわいい(くるる…)の共演くる…?

  • 164二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 19:15:53

    ベポに限らず好き嫌いは別として信じるに値するところを見たらちゃんと信用できるのいいな
    礼拝堂にいたとしたら最初に入った時から知らず知らずのうちに接触してたのか

  • 165二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 19:16:20

    マスコット(めっちゃつよい)は惹かれ合う運命なのでしょうか…

  • 1661◆A8pWn3jbyg23/03/02(木) 23:15:14

    保守と感想ありがとうございます!
    続きを書いていきます!

  • 1671◆A8pWn3jbyg23/03/02(木) 23:24:43

    「……そういえばフィルム!」

    大木へと向かう道中、いろいろインパクトが強い出来事がたくさん起こったため押し流され、すっかり忘れていたことを思い出した。
    そうそう、確か最初はそのフィルムにはいかにも重要そうなことが書かれていそうだぞ……、という意見が出てマリーさん探しが始まったんだけど、なんだかんだマリーさんの方から来たし、水晶の中に居たどでかいコクレア様、それからペンギンとクオル、一気に勢力を増した森、云々いろいろな出来事が立て続けに起こったものだから……。

    「ロー! フィルムをマリーさんに渡そうぜ! マリーさん! 受け取ってほしいものがあるんだ!」
    「なんだい、ラブレターかい?」
    「は? 許しませんが」
    「こらふざけるな」

    ラブレターではないぜ! 恐らくマリーさんは冗談で言っているのに、背後にいる人が冗談そうに見えない表情で威嚇してくるのやめてほしい。ちょっと怖い。
    ある程度ラミロの能力については軽く説明してあるけれど、フィルムとか、その背景についてはきちんと説明していなかった。
    けれどそれに関してはローが理路整然とした口調で手早く説明してくれる。マリーさんもマリーさんで頭の回転が速いから、ローの説明を受け、すぐに内容を理解する。

    「……なるほど、そのメモメモの実の能力でアタシの記憶が奪われていたってことか」
    「ああ。コラさん、渡してくれ」
    「おう!」

    フィルムはおれの荷物袋に入っている。
    ちなみにこれは腰に巻いてベルトでしっかり取り付ける類のもので、主にイッカクが縫ってくれ、ペンギンとシャチが強度を確かめてくれたものだ。ハートの海賊団のマークもついているぜ!

  • 168二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 23:29:45

    バッチバチにドジ対策をされている
    もうなんか全員かわいい

  • 1691◆A8pWn3jbyg23/03/03(金) 00:34:05

    フィルムをドラゴンの指で慎重に受け取ったマリーさんだけど、ここで問題が発生した。
    ……記憶とやらはどうやって戻せばよいのだろうか。
    マリーさんの顔は依然ドラゴンのままだが、困惑しているのが見て取れる。破かないように爪先でぷらぷらと揺らしているが、やがて意を決したように自分の額にばちん!とフィルムを押し付けた。
    そうしたらしゅるしゅるっと頭に収まっていったものだから。……それでいいんだ!?

    「なんだい、あっけないもんだねェ」

    マリーさんは平然とした顔でそれを受け入れている。肝が据わってるなあ。
    大して父親の方は隣でずっとハラハラした顔をしている。うん、この構図もう慣れてきたな。

    「マリーちゃん、それで記憶の方は……?」
    「ううん、まだよくわからないね。まあ別に、昔の記憶だろう? そんなぱっとすぐわかるほどの、ような、ことは……」
    「……マリーちゃん?」

    だんだんとマリーさんの声が途切れていっている。
    そして、黙り込んで、呆然と、して。
    ――次の瞬間、ドラゴンの姿が掻き消えた。
    そこに残るのは、少女であるマリーさんだけ。
    どうして急に変化が解けたのかと思ったら、――マリーさんは、膝から崩れ落ちる。

    「ッ…!? マリー!?」

    クリスが慌てた様子で抱え起こす。
    マリーさんは愕然と目を見開いて――その目から、ボロボロと涙をこぼし始めた。

  • 1701◆A8pWn3jbyg23/03/03(金) 00:36:25

    唐突ですが、ここで前任の神父様の名前安価

    >>171>>173までからダイスで決めます

  • 171二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 00:45:28

    「アルヴィン」
    名前の意味が「大いなる精霊の友」という、前任神父さんっぽい感じがするので

  • 172二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 01:13:40

    サルヴァドール(もしくはサルバドル)

  • 173二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 01:15:32

    ラマッス
    信仰を持つ者を守るというのが神父っぽい

  • 1741◆A8pWn3jbyg23/03/03(金) 01:22:49

    1.アルヴィン

    2.サルヴァトール(サルバトル)

    3.ラマッス


    dice1d3=2 (2)

  • 1751◆A8pWn3jbyg23/03/03(金) 01:31:44

    格好いいのでサルヴァトールにします。愛称はサルヴァかな。

  • 1761◆A8pWn3jbyg23/03/03(金) 02:07:35

    えええっ、急にどうしたんだ!?
    マリーさんは口元に手を当てながら、これでもかってくらい涙を零している。
    花に攫われた時もへこたれた様子なんてなかったのに、なんで、いや、そうか、それほどまでの衝撃が記憶にあったのか……?

    ボロボロ、ぼたぼた、とたくさんの涙を流したマリーさんは、強い力でクリスの腕を握った。
    それから、血を吐くような声で叫んだ。

    「サルヴァのやつ……! あのくそやろうが……!」
    「ま、マリーちゃん……?」

    ……サルヴァ? 誰だ、それ。

    「ああ、くそったれ! ちくしょう、ちくしょう……! なんなんだ、なんで忘れてたんだ!」
    「落ち着いて、マリー!」
    「……自分の無事を勘定に入れないやつは、嫌いなんだ……!」

    クリスにしがみつくように握られた腕ではない方の手で、強く木を殴りつける。
    何度も、何度も。
    激しい怒りがそこにある。
    ひたすらに、泣きながら怒っていた。

    「ま、マリー! そんな力で殴ったら怪我をしてしまう!」

    クリスは何が起こったかわからないといった様子で固まっていたが、すぐにマリーさんの状態に気付き、止めるために両手でマリーさんの両手首を掴む。
    そうしたと思ったら、今度はクリスの胸に頭突きを始めた。……何かを叩くという意思が強い!

  • 1771◆A8pWn3jbyg23/03/03(金) 02:08:24

    というところで今日はここまでで。
    また保守のご協力をお願いします。
    ちなみにマリーさんはでかくなっても謎技術でシスター服は伸び縮みしません。

  • 178二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 09:44:42

    動物系の皆様の服ってなんかそんな感じですよね
    服も自分の1部認識で一緒に変化してる説とかあるけどまああれだな!不思議服だな!
    そしてサルヴァトール氏何したんや…この感じだと自己犠牲系ぽいか…?

  • 179二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 14:50:35

    サルヴァ神父かっこいい名前だ!表記揺れもあるけど救いの、救世主、とかの意味があるんだな

  • 180二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 17:59:07

    元は少女だけど簡単にパパ(2m超え)抱っこできる人獣型やっぱりそこそこでかいよねってときめく
    人型に戻って服がびろびろに伸びてたりビリビリの布状態になってたら居た堪れないので謎技術グッジョブ

  • 181二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 01:25:37

    めちゃくちゃ重要情報来る予感でわくわくしてる
    いやマリーちゃんそれどころじゃないけど

  • 1821◆A8pWn3jbyg23/03/04(土) 02:50:19

    今日は投稿できなさそうです!
    また明日書きに来るので保守のご協力をお願いします!

  • 183二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 11:24:50

    マリーが前任者のサルヴァと面識あるってことはクリスと島に来た時はまだ生きていたのか?
    ……つまりちょっと駄目な大人が二人もいたことになる?

  • 1841◆A8pWn3jbyg23/03/04(土) 14:54:36

    保守ありがとうございました!
    続きを書いていきます。

  • 1851◆A8pWn3jbyg23/03/04(土) 15:02:15

    「ま、マリーちゃん、落ち着いて、」
    「あいつ、あいつか、ラミか! ラミ、あいつ、あいつが記憶を消したのか、なんで、なんでこんなッ……!」
    「マリー!」

    大きな声で名前を呼ぶと、ようやく頭をクリスに打ち付けるのをやめた。
    そして、そのままがくりと膝をつきそうになるのを、クリスが支える。
    目から涙がとめどなく溢れて、花は真っ赤。表情は悔しさと悲しみと怒りがぐちゃぐちゃに混ざり合っている。

    「くそっ、くそ、くそ……!」
    「マリー、いったい何を思い出したんですか……?」

    あまりの様子にクリスは眉を下げながら問いかける。けれども、マリーさんから出た答えは、おれたちの予想とはまったく違うものだった。

    「……クリス、アタシの年齢は幾つだと思う?」
    「は……?」

    唐突な質問にクリスが面食らったように首を傾げる。……いや、なんで急に年齢の話?
    クリスも疑問に思ったのだろう。けれども、マリーさんの問いかけに言われるがままその質問に答えた。

    「18、ですよね。この前誕生日を迎えて、」
    「いいや、違う」
    「えっ、私勘違いしてました!?」
    「そうじゃない」

    クリスに支えられていた身体だったけれど、なんとか持ち直したのか、しっかりと両足で地面を踏みしめる。
    そして、ひどく苦し気な状態のまま、クリスの胸に額を押し付けていた。

    「“19歳”だ」
    「19……?」

  • 1861◆A8pWn3jbyg23/03/04(土) 15:50:25

    うん……? 18だと思っていたけれど、19だった?
    それってつまりどういうことだ?
    一瞬疑問に思って、――けれど、すぐにその理由に思い至った。

    「……一年のずれということは、その一年は、」
    「ああ。消されたか改変されていた。……その部分のフィルムが隠されていたようだがな」

    つまり丸まる一年分? それがあのフィルムに収まるのか?
    人の記憶を弄ることが出来るメモメモの実、その恐ろしさにごくりと喉が鳴る。
    直接的な攻撃力は無いかもしれないけれど、結構やばい実だなこれ!
    けれど、その隠された一年間。それをクリスも自覚していないとなると、クリス自身もラミロによって消されたのだろう。
    いったいどうして、消されたんだ?
    ……それに、“サルヴァ”という名前の人物も気になる。

    「マリー、落ち着いてください。いったい何を思い出したんですか?」

    クリスが穏やかな口調でマリーの背中を撫でながら、問いかける。
    マリーさんは苦しそうに呼吸をしながら、掠れた声を張り上げる。

    「アタシと、クリスはこの島に来て、サルヴァに……サルヴァトールって神父に教会の仕事について教えてもらっていたんだ」
    「え? いや、それはラミくんがしてくれてたんでは?」
    「いいや、違う。ラミはそっちじゃない。ラミはあの花の方だ」
    「あの花って、」
    「あいつの家系はコクレア様を信仰する聖職者だったんじゃない。あの悪魔を信仰する教徒だったんだよ」

    ……えっ!?

  • 187二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 20:44:56

    自分の中から人一人分の記憶、一年分の記憶が編集されてたってそりゃあすごい衝撃だろうな…!?
    サルヴァ神父、クリスさんとも似てるけどマリーさん曰く「自分の無事を勘定に入れない」ところはラミくんと似てる……というかラミくんが似ちゃったのかなぁ

  • 1881◆A8pWn3jbyg23/03/04(土) 23:35:29
  • 189二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 23:44:08

    ラミレミくん、サルヴァさんに関して現在公開可能な小ネタがあったら知りたいです!
    なんとなくサルヴァさんもクリスさんくらい身長高いのかな

  • 1901◆A8pWn3jbyg23/03/05(日) 01:01:28

    >>189

    レミくんはマジモンの善人ですが、ラミくんは割と俗です。

    スケベ本は家の近くの土に埋めていたりするし、ケーキを切り分けるときはしれっと自分の方を大きくするし、本気で女の子にモテそうと思って家業を継ぐことを決めるし、外面は滅茶苦茶いいものの要領がいいため、しれっと自分の仕事を任せたりすることも

    で、レミくんはマジモン善人なので、スケベ本は見ないし、ケーキを切り分けるときはたまに自分の分も誰かにあげるし、自分の趣味が誰かの役に立てばいいなあ、とか思うし、ドジっ子だけど損するほどの善人っぷりなので、レミくんの仕事を誰か手伝おうとしてもいいよいいよおれがやるから、とするので、そういう時はラミが仕事をそれとなく分捕ります

    なおラミはそういう俗な自分は隠してよい兄ちゃんをしていた模様

    仲良しでした


    サルヴァ氏は身長はクリスと同じか、クリスより高いくらいです

    というわけで210~220あたりで……

    実はちょっとシスターにするか迷ったんですが、そういえば前に神父様って書いたな…と思い出して男になりました

    ライブ感ライブ感

  • 1911◆A8pWn3jbyg23/03/05(日) 04:03:45

    【小ネタ】
    サルヴァ氏の年齢はマジで決めてないです
    なのでクリスほどの年代から初老くらいまでお好きにイメージして大丈夫です
    どちらにしてもギャンブルはするしエンジョイしてます

  • 192二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 09:09:24

    ラミレミくんのエピソードが全部良すぎるし最後の仲良しでしたを強く噛み締めてしまう
    人獣型マリーさんが出てきた読んでてかなりテンションが上がったのですが、皆のリアクション?感想?はどんな感じだったか教えてもらえたら嬉しいです
    パパのベタ褒め好き…

  • 193二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 11:59:45

    ラミくん、俗というか、潔癖じゃないからこそほかの宗教の人と仲良くできたんだろうな
    豊穣の神が他宗教に寛容とは思えんし

  • 194二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 22:39:57

    今更ながらマリーの記憶が取り戻した1年分の記憶にクリスが思い至らなかったってことは
    島民全員含めて1年間の記憶抜いたってことだよね?ラミロ力技が過ぎない?
    あくまで花に関する記憶や不都合な部分だけなんだろうけど
    クリスのマリーに関する記憶少しでも消してるんだとしたら悔しがりそう

  • 1951◆A8pWn3jbyg23/03/05(日) 22:47:44

    >>192

    みんな男の子なのでおおよそ好意的です(例:ロボット)


    コラさん:ドラゴン!??!?!!?!? ……すげー! かっこいい~~~!!

    ロー:正直言うとちょっとかっこいいと思ってる

    シャチ:うわー!? ドラゴンー!?! かっけー!!

    ペンギン:敵か!? それはそれとしてかっけー!!!

    ホーキンス:ノーリアクション 悪くはない

    クオル:????????(それはそれとしてドラゴンは嫌いではない)

    クリス:なんでドラゴンになってるんですか!?それはそれとしてドラゴンになってもマリーちゃんは美人さんですね流石私の娘……この子私の娘なんですよ……いいでしょ……


    マリーさん:……!? アタシなんかドラゴンになってる……!? ……まあいいか! オラァ!!(敵に攻撃)

  • 196二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 00:57:04

    ラミくんの俗なところと努力と信念で良い奴であろうとしてる良い奴なの好きだしレミくんは本編で語られてたもの(レミだったらこんな時ってやつ)も含めて本当に稀有でかけがえのない優しい奴だ…サルヴァさんも今後語られるのが楽しみ…
    あとドラゴンマリーさんへの反応が各々らしすぎて笑ってしまったクオルやホーキンスも目に浮かぶようだ…
    比較的ヤングな男の子のベポもきっと目を輝かせてましたよね!

  • 1971◆A8pWn3jbyg23/03/06(月) 01:57:07

    >>196

    ベポがもしその場にいたら驚きつつやっぱりドラゴンと目を輝かせるかな…

    男の子はみんなドラゴンが好きなので……(※革命家ではない)


    【小ネタ】

    ペンギンが悪夢を見た場合、白い雪の中腹から大量の血を吐き出してるシャチの姿を見ます

    その状態のシャチを叔父がずるずると引きずっていくのを、動けない状態の子どものペンギンがじっと見ている感じ

    そんなペンギンの後ろで、船が二人を置いていきます

    でもベポが出てきて、ペンギンは助けを求めますが『ペンギンもシャチもおれをいじめたのに?』と言って去っていきます


    それを悪夢に潜入中のシャチが叔父をボコって子どものシャチを手当てしながらどったどった走ってきて、子ペンギンと子シャチを抱えて『仲直りしようなああああ!!』と叫びながら沈みかけている船に飛び乗ります

  • 198二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 11:56:30

    お出しされたペンギンの悪夢がつらいんですけどぉ…!
    コラさんたちが発見した洞窟と森にあったコクレア様の神殿ってやっぱり洞窟の方が年代が古いで合ってます?

  • 199二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 16:49:54

    (革命家ではない)で笑ったしシャチのスピード感にもっと笑った

  • 2001◆A8pWn3jbyg23/03/06(月) 21:58:49

    >>197

    【小ネタ】の訂正

    >それを悪夢に潜入中のシャチが叔父をボコって子どものシャチを手当てしながらどったどった走ってきて、子ペンギンと子シャチを抱えて『仲直りしようなああああ!!』と叫びながら沈みかけている船に飛び乗ります

    それを悪夢に潜入中のシャチが叔父をボコって子どものシャチを手当てしながらどったどった走ってきて、子ペンギンと子シャチと子ベポも一緒に抱えて『仲直りしようなああああ!!』と叫びながら沈みかけている船に飛び乗ります


    子ベポ入れるの忘れていた! 三人はわちゃっとしてないと……


    >>198

    どちらも同年代ですね! つまりどちらもめっっっちゃ古い

    でもどちらも長い年月の間に継続して手を加えられてきた箇所がありそうです

オススメ

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