キタサンブラック「スカイさん？なに見てるんですか？」【SS】

1二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 22:18:18

「……キタちゃんか」
スカイさんは柵に頬杖をつきながらグラウンドを眺めていた。
視線の先をたどると、スイープさんとフラワーさんが仲睦まじそうに話している。
そんな様子とは裏腹にスカイさんは随分と機嫌が悪そうだった。
「あの、スカイさん……どうかしたんですか？」
「別に」
ふとあることを思いつく。
「……耳、絞っちゃってますよ」
スカイさんがさっと耳を抑える。
「すみません、見間違いでした」
ぺろりと舌を出す。
スカイさんはやや赤らんだ頬を膨らませて抗議をしてきた。
「……あんまり先輩をからかうもんじゃないよ」
「スカイさんがそれ言いますか？」
「……たしかに」
思わず二人で笑いあってしまう。

2二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 22:18:52

不意に脇腹に衝撃が来た。
振り返ると耳を絞ったスイープさんがいつもよりきつい目つきでこちらを見上げていた。
「なに他のやつとヘラヘラしてるのよ！」
「えっ、別にヘラヘラなんて……」
「してた！」
助けを求めようとスカイさんのほうを見る。
……あちらはあちらでフラワーさんに抱き着かれていた。
「ふ、フラワー？ほらキタちゃんたちも見てるからさ……」
困惑するスカイさんと目が合った。
そしてようやくお互いが置かれている状況が理解できた。
少し身をかがめてスイープさんと目線を合わせる。
「その、ごめんなさい」
「……ふんっ」
顔を背けているスイープさんの手を取ると、彼女の熱が手から伝わってくる。
立ち上がって手を放そうとするとスイープさんが力を込めてきた。
「……もう少しだけ、つないでおいてあげる」
大きな帽子越しに赤くなった頬が見えた。
「そっちも仲直りできたかい？」
声のほうを向くと私たちと同じようにスカイさんもフラワーさんと手をつないでいた。

お互いの様子にまた笑いあってしまう。
……その代償としてスイープさんに足の甲を強めに蹴られてしまった。