- 1二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 23:14:26
- 2二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 23:16:18
過去スレ
1
【閲覧注意】尊い犠牲でした|あにまん掲示板突如エリアゼロの大穴から湧き出した未知のポケモンたちの侵攻巨大化したいわば『ぬしポケモン』と呼ばれるポケモンたちの大量発生その裏に潜む悪の組織の野望地域に根ざし見守って下さっていたジムリーダーの方々が…bbs.animanch.com2
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その2】|あにまん掲示板……しかしながら残された爪痕はあまりにも深いものです一部地域では未だ大穴から這い出た未知のポケモンやぬしポケモンの現存が報告されています万が一それらしきポケモンを発見した場合すみやかにポケモンリーグ本…bbs.animanch.com3
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その3】|あにまん掲示板「ハッコウジムが未配信のまま残されてたナンジャモちゃんの動画上げてくれててさ」「久しぶりにグルーシャくんの現役時代のインタビュー見返しちゃった」「有志の手によって未完成だったコルサさんの作品が発掘され…bbs.animanch.com4
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その4】|あにまん掲示板元のスレ主じゃないけど立ててみました。迷惑だったらごめんなさい救いは…救いはないんですか?bbs.animanch.com - 3二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 23:18:06
5
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その5】|あにまん掲示板マイクテス マイクテス…… ……お元気ですかこの声が届いた皆さま私はパルデアポケモンリーグ理事長オモダカでも皆さまの知るオモダカではありません皆さまが無事乗り越えて来た過去あるいはこれから辿る可能性の…bbs.animanch.com6
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その6】|あにまん掲示板…………ザザッ…………なるほど、そうですかそちらの私は受け入れたのですか……彼らのいない世界を乗り越えて、未来を見据えて時折後ろを振り返りながらも、前に進む事が出来るのだと、そう言うのですね『尊い犠牲…bbs.animanch.com7
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その7】|あにまん掲示板砂埃が舞うパティスリーもう増えることのない芸術作品二度と配信が始まらないチャンネル活気を失ったマリナード市場シャッターの閉まった宝食堂閉鎖されたライブステージ化粧品を見て悲嘆する人々沈黙が響くナッペ山…bbs.animanch.com8
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その8】|あにまん掲示板絵とかSSとか書けないけど続きが見たくてスレ立てました…!他の人が立て直すなら消すのでよろしくお願いします…1https://bbs.animanch.com/board/1398476/2https…bbs.animanch.com9(前スレ)
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その9】|あにまん掲示板なかったようなので立てました何か問題があれば消しますbbs.animanch.com - 4二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 23:18:33
保守
- 5二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 23:22:24
- 6二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 23:23:25
SSも続きが気になるし、ドーナツホールPVも待ち遠しいし、
かなり先になりそうだけど円盤ポケモンの情報解禁されたらここと絡めたいし……!! - 7二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 23:29:22
このレスは削除されています
- 8二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 23:31:48
保守
- 9二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 23:31:48
このレスは削除されています
- 10二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 23:32:53
保守ですの
- 11二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 23:33:51
- 12二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 23:34:43
悪い子ポピーssの者です
書いてるのは自分だけどポピーちゃん無茶しすぎて全部解決したら暫くベッドの上の住人になりそうだなと心配でならない……待って……急に走らないで…… - 13二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 23:39:58
10スレ目という大台来ましたね…!
衝撃の展開から目が離せません、引き続きSSやPV、ファンアートお待ちしております…!
明日何か情報が分かればいいのですが… - 14二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 23:49:04
- 15二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 23:49:39
こっちのレスも楽しみです……!!
- 16二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 00:10:46
前回のスレに犠牲軸ハッサクのイメソンを貼った者だけど、このスレの犠牲軸に似合ってるイメソンとしてずっと紹介したかった曲がコレなので是非聞いてください
もPVもとにかく全部楽しみ!いつもありがとうございます
- 17二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 00:12:12
- 18二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 07:06:16
こっちの犠牲軸オモダカさん、個人的に
ウ○カタララバイのイメージがある
「私がやらなきゃ だから邪魔しないで お願い」 - 19二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 16:33:16
- 20二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 18:56:29
ふと思ったんだけど犠牲軸アオキさんの死体エリアゼロにあったりしないかな、戦闘中に吹っ飛ばされたとかで
んで上に戻ろうにも戻れないからとにかく出ていこうとするパラポケと戦闘してそのまま力尽きる感じ
ここに個人の好み詰め込むなら、そのまま結晶に死体が覆われて数年後にエリアゼロ調査に来た人に発見されて欲しい
損傷は激しいんだけど、まるで死んだのが数時間前であるかのような、結晶の棺で眠るアオキさん…
でも完全に結晶化して永遠に見つからないのもいいなって… - 21二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 20:13:59
親の作ったタイムマシンに端を発した騒乱で、心を病んでしまい
パラポケが視界に入っただけで泣いて叫んで取り乱す廃人チリちゃんを見てしまったペパーの罪悪感ヤバそう
ぶっちゃけると別の世界線で、自身はおろか親でさえ直接的な関係はないにも関わらず激しい罪悪感に駆られてしまいそう
ごめん……チリさん……俺の親がタイムマシンを作らなければこんなことには……
ボタン「いやだからペパー 1ミリも悪くない……ダメだ聞いてないなコレ」 - 22二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 20:26:32
流星は暗雲を切り裂いて、いずれ月虹を誘うだろう。
- 23二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 20:27:27
パラドックスポケモンの群れの襲撃をサワロのパチリスの"ほっぺすりすり"で凌ぎつつ、リップとサワロはリーグへ走る。電気技が効かないイダイナキバとテツノワダチ等には、並走するユキメノコが"ふぶき"を見舞った。
リップは走りながら素直に賞賛する。流石は、教員としてではあれ四天王のハッサクの同僚をやっている男だ。トレーナーとしての力量は、間違いなくパルデアでも上澄みの部類だろう。
リーグへ続くゲートを潜る。その先もまた、戦場であった。
「あっ、リップさんとサワロ先生!」
真っ先に気付いたのは、戦いの歓喜に頬を紅潮させていたネモだった。彼女の前には、パラドックスポケモンの屍(絶命しているわけではない)が積み上がっている。絶好調のようで何よりだと、サワロは突っ込むのを諦めた。
その少しリーグ側で、ボタンのニンフィアがアラブルタケを足蹴にしているのが見えた。サワロは眼だけを動かしてペパーの姿を探せば、ボタンの横でテツノイバラをほねっこ扱いするマフィティフを落ち着かせているのが見つかる。生徒が頼もしすぎてサワロは感慨深い気持ちになった。閑話休題。
「ボタンさん、少し余裕はあるかね?」
「うえっ、はあ……。まあ、今のところどっかでパラドックスポケモン達が詰まってんのか、ここまで辿り着いてくるやつは西側からしか来ないんで……」
「ナンジャモちゃん達が頑張ってる証拠ね。無茶してないといいけど」
「あれ?ナンジャモさんライムさんとハルトと一緒にいなかったんですか?」
「ナンジャモさんはミモザ先生と共にパラドックスポケモンを迎撃しているらしい。そこでなのだが、ボタンさんに一つ頼まれて欲しいことがあるのだが……いいかね?」 - 24二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 20:28:04
身体を登って肩に鎮座するパチリスの顎下を撫でながら、サワロはボタンに確認する。ボタンはウチにできることなら、と緩く頷いた。
「平行世界の観測装置がアカデミーにあるのは聞いているかね?それと連動する、次元移動先の座標演算を行う装置もアカデミーにあるというのだ。ボタンさんには、演算装置の掌握を頼みたい」
なるほど、とボタンは納得した。それなら、今確認できているこの世界に乗り込んでいる面々の中では確かにボタンが適任だろう。
「リップさんのポケモンをチリさん達から受け取ったら、我が輩がボタンさんの抜けた穴を埋めよう。どうか、引き受けてはくれないだろうか」
「そういうことならいいですよ。ウチやります」
予想を遥かに超える速さで承諾された。そんな即決して大丈夫なのかとリップが問えば、ボタンは。
「言っちゃなんですけど、これでもリーグのシステムにハッキング仕掛けた前科があるんで……まあ、座標演算装置でしたっけ?多分ウチなら余裕……」
「サラッとエグいこと言ってない???」
「前科って言っちゃったちゃんだぜ……」
流石にリップも、横で聞いていたペパーも引いた。ああ、だからオモダカも彼女を囲い込んだんだな、と納得もいったが。
サワロとリップは後でまた戻ると言って、ボタン達に後を任せてリーグに足を踏み入れた。上方から戦闘音がする以外は、奇妙なほどに静かだった。
実技試験を行うバトルコートに続く通路への曲がり角に至った時、それは突然のことだった。 - 25二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 20:28:57
ゴガンッ、という破壊音と共にポケモンと人が目の前に吹っ飛んできた。サワロは咄嗟に身体を割り込ませて、壁に激突する前に身体で受け止める。ぐう、と声が出たものの、サワロはどうにか飛ばされてきた人物とポケモンを受け止めた。
「カエデちゃん!?」
「ゔ……リップさん……?」
飛ばされてきたのは、カエデとエクスレッグだった。エクスレッグは一体どれだけのダメージを受けたのか、ぐったりとしている。バトルコートへの通路は、ここからはそれなりに長かったはずだが。
「本当に……ポピーさんに散々ポケモンでも物理でもボコられたんですから、大人しく悔い改めて頂ければ良かったのですが〜」
「メンゴカエデちゃん、前半ともかく後半何??物理って言った???ポピーちゃんが???」
「リップさん下がってください。来るぞ……!!」
サワロが前に出る。パチリスが尻尾を立てて毛を逆立て、ユキメノコが甲高い声を上げた。カエデが飛ばされてきた方、バトルコートから重低音を響かせて、何かが———オノノクスが駆け抜けてきた。
「ユキメノコ、"おにび"!!」
先んじてサワロはユキメノコに"おにび"を指示する。オノノクスは物理攻撃主体であることが多いポケモンだ。やけど状態にすることで、その強みを潰しにかかる。 - 26二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 20:29:39
火傷を負ったオノノクスは痛みに顔を強張らせたが、しかし止まらず速度を落とさず、そのままユキメノコにアイアンヘッドを叩き込んだ。ゴギャ、とあまり聞いていて気分の良くない音がして、ユキメノコが壁に叩きつけられる。すかさずパチリスがオノノクスの足元にその小さな身体を潜り込ませ、飛び上がって股座に"いかりのまえば"を捩じ込んだ。
オノノクスが痛みに野太い絶叫を上げてその場に蹲る。流石のサワロも敵とはいえ、これには男として同情を禁じ得ない。もっとも、パチリスに指示したのはサワロだが。
「何をしているのですか、立ちなさいオノノクス」
無慈悲な声がした。声の主———ハッサクは、バトルコートから此方へと近付いてくる。その姿を認めたサワロは、フウ、とため息を吐き出した。
「勘弁してやってはどうだね。我が輩とパチリスの仕業ではあるが、彼は股間を思い切り噛まれたのだよ」
「股を栗鼠如きに噛まれた程度で膝をつくような情けない竜がどこにいますか」
「竜でもオスなら流石に股間を攻撃されたら悶絶もするだろう」
「ねえなんか聞いてるこっちが恥ずかしいから男の股の話はやめない!?」
顔を羞恥で真っ赤にしたリップが叫んだ。カエデも若干視線が泳いでいる。
オノノクスがプルプルと膝を震わせながらどうにか立ち上がる。少し内股気味なのは、リップの気のせいではないだろう。
「彼方のサワロ先生ですか……。まあ、いいでしょう。相手が誰であれ、小生達のパルデアの為にここで果てていただきます」
僅かに額が赤く腫れ上がったハッサクは、立ち止まる気配は無さそうだった。その後ろから、複数のガバイトに抑え込まれながらもハッサクに掴みかかろうとするコルサの姿を認めて、サワロは。
「参ったな、リップさんのポケモン達を受け取りに来ただけなのだが……まあいい。ボタンさんと交代する前に一仕事行こうではないか」
アイアンヘッドで倒れたユキメノコをボールに戻し、入れ替えるようにブリムオンを前に出した。 - 27二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 20:35:10
SS続きだーやっぱ拘束といて起きちゃったか犠牲軸ハッさん……
- 28二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 21:07:49
倒さなきゃいけないはずなのにオノノクスを応援したくなるな……
- 29二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 23:27:47
みなさん今日のポケモンプレゼンツは視聴しましたでしょうか……ついにエリアゼロの秘密に迫るらしく、ここの概念も新しい境地を開けそうですね……
- 30二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 23:28:37
明らかな厄ネタが追加されて頭抱えてます(震え声
- 31二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 23:33:47
犠牲軸オモダカ「ウネルミナモ、テツノイサハ 打破せよ!!」
すいませんちょっとした出来心だったんです許してください - 32二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 06:27:37
仮面の鬼と伝説の亀かぁ………
- 33二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 07:05:01
明らかにブルーベリー学園が竜宮城モチーフっぽいのがまた意味深…
某ファンアートでトップチャンピオンを継いだアオキさん(ジムリーダーも営業も辞めてトップと同じ服装してる)概念見たけどこれも凄く良いなとふと思ってしまった - 34二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 07:07:12
追加DLCの話ほぼ一年後か
このスレ落ちちゃっても、DLCの話の時期になったらまたスレ立てすればええかな…… - 35二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 11:23:05
竜宮城が時の流れが狂っているのは有名な話だけど、岩手に伝わる「迷い家伝説」も本来なら有り得ない場所に有り得ない時代の民家が現れるという話なんだよね…
ちなみに迷い家に迷い込んだ者は迷い家にある『 宝物』を一つだけ何でも持ち帰ってもいいと言われていて、持ち帰らなかった場合は『 宝物』の方から流れ着いてくるんだそうな
パルデアの大穴の宝物と言い意図的に被せているんだろうか… - 36二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 18:52:16
パルデア外か......と思ったけどテラパゴスがちょっと気になるな
ウネルミナモとテツノイサハはあの本のやつなのか他の2体もパラドックスで存在して混ざったのかとかまだまだ楽しいな...... - 37二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 19:53:08
仮称 ウネルミナモ
ジョウトの準伝説スイクンに酷似したパラドックスポケモン。パルデアを蹂躙した古代種の中でも群を抜いた凶暴さの持ち主で、道を阻む者は人間・ポケモン問わずひたすらに虐殺していった。晴天下で威力を増す超高温の熱湯を放ち、それを浴びた者は生涯癒えることのない火傷を負ってしまう。そのあまりの強さに、如何なる強豪トレーナーも最強種ポケモン※もウネルミナモを討伐することは叶わず、屍の山を幾つも築いた後に何処かへと姿を消した。現在もパルデアの何処かに潜んでいると思われ、捜索が続けられている。
仮称 テツノイサハ
イッシュの聖剣士ビリジオンに酷似したパラドックスポケモン。パルデアを蹂躙した未来種の中で最も冷酷とされ、念力で生成した実体のない刃を放ち、人・ポケモン問わず的確に命を奪っていった。そのあまりの強さに、如何なる強豪トレーナーも最強種ポケモン※もテツノイサハを討伐することは叶わず、屍の山を幾つも築いた後に何処かへと姿を消した。現在もパルデアの何処かに潜んでいると思われ、捜索が続けられている。
※さいきょうレイドのポケモンたちを指す
せっかくなので、こういう感じの説明文を作ってみた
たぶんパラポケの中でめっちゃ被害だしてる - 38二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 20:11:34
ウネルミナモのハイドロスチームがぶっ壊れ性能だが、みずタイプわざなのでチリちゃんのドオーのちょすいで受けきれ……きれ……あんまり威力高すぎると新無印で1000まんボルト受けきれずでんきエンジン許容オーバーになったエレキブルみたいなことになりかねん……
- 39二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 20:28:06
ヴォーダンの巫女は戦場を駆ける。
エイル、ヴォーダンの巫女に呼応し螺旋の目を断つ。
ヨールに取り残された彼女は、ただの一歩も進めない。 - 40二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 20:29:02
パステルカラーを背に乗せた黒い雷光が駆け抜ける。追随するのは、雷電を喉袋に蓄えた、猛禽のような眼をした軍艦鳥。
「タイカイデン、"おいかぜ"」
凛とした声が発せられた。タイカイデンはその声に従い"おいかぜ"を発動し、パステルカラー———ナンジャモを乗せて走るレントラー共々加速する。風を受けた翼が電気を生み、喉袋に充填される。
ナンジャモはレントラーをアラブルタケの群れに突っ込ませ、"こおりのキバ"で群れの一角を崩しにかかる。倒れたアラブルタケを踏み越えてレントラーに迫る他のアラブルタケを、タイカイデンの"ぼうふう"で薙ぎ払った。散り散りになり、頭数を減らされた群れは、右往左往して瓦解する。
「ジムリーダーやば……。っと、こっちも来ちゃったな」
パラドックスポケモンの群れを二匹のポケモンを蹂躙するナンジャモに感嘆しつつ、ミモザはメブキジカの背の上からスリーパーを繰り出しドレインパンチでテツノイバラを殴り飛ばさせた。
機械が機能停止するように、倒れたテツノイバラの眼から色が失われる。それを避けるように統制の取れた歩みで突き進んでくるテツノワダチの群れを、ミモザはげんなりしながらスリーパーに"さいみんじゅつ"を指示して眠らせにかかる。前列を形成するテツノワダチがねむり状態になり、俄かに隊列が崩れたところにスリーパーの影に隠れるように出したドヒドイデがアクアブレイクを叩き込んだ。 - 41二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 20:29:37
サケブシッポの群れをタイカイデンの"ほうでん"で一網打尽にしたナンジャモは、ヒュウ、と短く口笛を吹く。
「ミモザ氏自信なさそうだった割に全然やれるじゃーん。これならもうちょっと寄りかかっても良さそうかな?」
「勘弁してくださいよ。こっちは三体がかりでやっと勝負できてるんだから」
「またまた謙遜しちゃって〜。……っと、雑談タイム終了かな?」
フ、とナンジャモの視線がミモザから外れる。次の瞬間、サーナイトとエルレイドの合いの子のようなパラドックスポケモン———テツノブジンが手にした薙刃を振り下ろし、二人を乗せたレントラーとメブキジカは横に跳躍してそれを回避した。
「……弱点わかります?」
「資料曰くタイプはフェアリーかくとう」
「オッケー。ドヒドイデ、"どくどく"!!」
端的に対策会議を済ませて、ミモザはテツノブジンに猛毒状態を仕掛ける。ドヒドイデの"どくどく"を受けたテツノブジンは、機械の身体を侵食する毒性に蹌踉めく。その隙を逃す気はないミモザとドヒドイデは、間髪入れずベノムショックを放った。
テツノブジンが後退りする。ナンジャモは追撃しようとタイカイデンに"ぼうふう"を指示しようとして———背後から殺気を感じ取ってレントラーに回避を命じた。
今さっきまでナンジャモとレントラーがいた場所に電撃を纏った拳が叩きつけられる。判断が間に合った為無傷だが、流石にナンジャモは冷や汗をかいた。
襲撃者の正体は、ハリテヤマに酷似したパラドックスポケモン、テツノカイナ。参ったなあ、とナンジャモは苦笑いして。 - 42二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 20:30:13
「ミモザ氏ー、サプライズゲストが凸してきたからそっち一人で任せて大丈夫?」
「うわ、タイミング悪ぅ。まあいいや、ここまで来たらあんま変わんないでしょ」
背中合わせの形になって、レントラーがナンジャモを乗せたままテツノカイナに唸り声を上げ、メブキジカがミモザを乗せたままテツノブジンを睨みつけた。
レントラーが吼えて、テツノカイナに向かって駆ける。それに追随するタイカイデンは再び"おいかぜ"を起こし、特性で発生した電気によって喉袋に充電される。テツノカイナのインファイトがレントラーに向けて放たれる。レントラーはナンジャモを乗せたまま、ナンジャモは身体を屈めて姿勢を低くして、インファイトの連撃を掻い潜った。
「レントラー、サイコファング!!」
懐に潜り込んだレントラーが、テツノカイナの継ぎ目の判りにくい首にサイコパワーを纏った牙を突き立てた。バキ、と金属製の身体がひび割れる。立て続けに、タイカイデンが"でんこうせっか"でテツノカイナの側頭部を翼で殴りつけた。
ズゥン、とテツノカイナが倒れる一方で、ミモザは猛毒に侵されるテツノブジンを倒し切るべく攻撃の手を緩めずにいた。
「ドヒドイデ、ベノムショック!スリーパーとメブキジカは"しねんのずつき"!!」
反撃を許さぬよう、怒涛の猛攻を繰り出す。ミモザはメブキジカから振り落とされぬよう背中に跨るように座り直し、その首にしっかりと腕を回してしがみついた。
三体のポケモンの猛攻を受けたテツノブジンは、その隙間に強引に割り込むように"はたきおとす"をスリーパーに叩き込む。スリーパーは効果抜群の一撃を受けて地面にめり込むが、メブキジカの"しねんのずつき"はテツノブジンの鳩尾を捉えた。衝撃で後ろに飛ばされたテツノブジンは、辛うじて薙刃を地面に突き立て倒れるのを防いだが、身体を蝕む猛毒はより凶悪さを増し、ガクッ、と膝をつく。 - 43二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 20:30:45
その瞬間、テツノブジンの電光モニターのような眼がギラリと明滅した。
ドシャリ、と猛毒のダメージで遂にテツノブジンが機能を停止する。それと同時に身体から不気味なエネルギーが放出され、ドヒドイデを襲った。
「……っ!しまった、"みちづれ"か!!」
テツノブジンから放出されたエネルギーに捕まったドヒドイデは、一瞬のうちに活力を奪われて力尽きた。これは、ある種相討ちと言うべきだろう。
倒れたドヒドイデとスリーパーをボールに戻す。お疲れ様と声をかけて、肺の中の空気を出し切った。
「ナンジャモさん、無事?」
「平気平気ー。ミモザ氏もお疲れ様」
レントラーの背の上で一休みして脱力するナンジャモが、袖を旗のように振って応えた。とはいえ生憎、未だパラドックスポケモン達は続々とテーブルシティ、ひいてはリーグ本部へ向かって行軍を続けている。
呼吸を落ち着けてから、或いは疲弊したポケモン達を回復させてから、再び戦線を押し上げようとして———その時だった。
———ズン……ッ。
ゾッ、と二人の背中を恐怖が走り抜けた。
レントラーが牙を剥き出して威嚇する。メブキジカが蹄で地面をひっきりなしに引っ掻く。徐に、ナンジャモは気配のする方へ身体を捻った。
「…………は?」
サァッ、とナンジャモの顔から血の気が引いた。ミモザがヒッ、と小さな悲鳴を上げる。そこにいたのは。
「———グゥオォオオオオオオオ!!!!」
後に仮称"ウネルミナモ"と呼ばれる、超大型のパラドックスポケモンであった。 - 44二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 20:36:13
ssきた!!新要素取り入れるのはやぁい!
消耗した後の情報なしパラドックスとかだいぶピンチだ…! - 45二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 20:40:22
SSつづkウワアアアアアア早速ウネルミナモ登場だああああ
上にウネルミナモ及びテツノイサハ説明文もどき投稿した者だけどウネルミナモ登場嬉しいです
アカデミーにウネルミナモきたならもしかしてリーグ側にテツノイサハが……? - 46二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 21:16:07
ウネルミナモ、ぱっと見はみずタイプなのでくさタイプポケモンで挑んで「かえんほうしゃ」で返り討ちにされたとかありそう……
しかも今調べたら自力でにほんばれ覚えるっぽいのでこだいかっせい+ハイドロスチーム最大火力を叩き込める環境を自分で整えることができるってことでは……そしたら他の古代パラポケもパワーアップしちゃうう……
わざマでマッドショットも覚えればでんき対策もバッチリという
しかもドラゴン複合だからくさもでんきも等倍までダメージ減らせるっていう
ぐわああこれが古代の準伝か…… - 47二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 21:18:37
- 48二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 21:22:02
しかし、原作軸VS犠牲軸SSがあちこち混戦で佳境を迎えたまさにこのタイミングで新規パラポケ発表されるとは……
- 49二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 21:28:40
テツノイサハも自力でエレキフィールド展開できるんかーい……(ネットで調べた)
状況によってエレキかサイコフィールドを使い分けて踊るように剣技を繰り出し、効率的に人やポケモンを仕留めていく姿は恐ろしいやら美しいやらで……
たぶん真っ先に司令塔×して、統率が乱れたところを一網打尽にしていったんだろうな……
恐ろしや未来種パラドックス…… - 50二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 23:54:12
後に、って言葉がついてることに恐怖が.....
犠牲世界ですらまともな対策案できてないっぽさがすげえよウネルミナモ - 51二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 11:29:20
ふと振ってきたものだけど、原作世界線のジムリ達を呼んだ理由、いまだに対応策ができてないウネルミナモとテツノイサハへの対抗戦力を集める為でもあるんじゃ……と思った
情報も実力も未知数の二体を相手に、傷つき疲弊しきった今のパルデアの戦力では相手するのも厳しすぎるから……
この二体、他のパラポケと比べて出した被害が尋常じゃなさそう
犠牲軸のジムリも何人かコイツらにやられてたりするんじゃ…… - 52二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 11:36:57
自レス
犠牲軸でこの二体にやられたジムリ相当の原作軸ジムリが二体に挑み疑似的なリターンマッチとかやれそう
かつてウネルorイサハにやられたジムリと同じ姿の原作ジムリが、まさにその仇と戦う姿をみて犠牲軸は思うところありすぎるのでは
ピンチになったらとっさに助けに入ったりしそう
- 53二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 14:45:41
レジェンドスレで投稿したのをこっちにも投げます
ウネルミナモも原種スイクンと同じく水面を歩く能力があるので、オージャの湖を一直線に駆け抜けぬしのシャリタツとヘイラッシャと激戦を繰り広げたみたいな目撃証言ありそう - 54二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 14:53:22
飛び掛かってくるポケモンたちを強力なサイコパワーで空中に縫い留め得意の剣技で踊るように切り伏せていくめちゃつよテツノイサハ概念を受信……
あと飛び道具系のわざもサイキネでキャッチして投げ返すとか
テツノイサハのサイコブレードの一刀、いや三刀で切り捨てられ綺麗な断面を晒した建造物があったりしたらお前どこのカミツルギだよって言いたくなる - 55二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 15:00:47
勝手なイメージだけど、未来種ってイバラみたく知能高い印象ある
つまり疲弊したふりをしてわざとつけ入る隙を作り、まんまと引っかかって攻撃してきたポケモンをバッサリ一刀両断するテツノイサハとかもありそうでは…… - 56二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 16:09:35
ウネルミナモやテツノイサハに苦戦してる隙をついて、あるいは戦闘が終わって疲弊してるところを狙って仕留めにかかってきそうなのいない……?だいじょうぶ……??
犠牲軸ハッさんとかかなり容赦なくなってるからやらかしそうでは……コルさん助けてクレメンス…… - 57二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 16:12:55
自レス、犠牲世界線のキハダ先生がかなり実践的なバトル学教えてるみたいなレスどっかで見かけたし「敵を倒したと思い油断した瞬間が命取りだ」とかなんとか言って不意打ちしかけてきそうな……
- 58二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 16:15:55
念力でテクニカルな戦い方しそうなのはテツノイサハだけど
ウネルミナモはなんていうか、ひたすらに圧倒的なパワーで叩き潰してくる印象
まあ勝手なイメージだけど - 59二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 19:36:36
- 60二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 20:40:11
- 61二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 20:56:53
- 62二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 20:59:55
- 63二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 21:03:43
チリちゃんは動いて話すことはできなくなったけど心は健全でオモダカさんはこれまでとほぼ変わってないのに心は死んでる
…実に対照的ですね - 64二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 21:18:03
今の惨劇見てるとハッサクさんだけなら引き返せたんだろうなと思えるところが余計辛い
でもそうよなあオモダカさん一人になっても絶対止まらないもんなあハッサクさん見捨てられんよなあ…
別世界侵略にパラドックス解放にハッサクさんはじめ味方のみんなも巻き込んで…むしろ正気に戻った後が心配 - 65二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 21:20:29
むしろ正気のまま狂ってるのでは……??
このひとが一番パラドックス(矛盾)な感じが…… - 66二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 21:32:43
ジムリーダーの活躍により被害が抑えられたとはいえ地方の有力者が一気に消えたようなもんだから地方の同様も激しい
おまけにミナモや他のパラドックスはまだいる状態だから油断ならない
そんな状況で奔走してるわけだからネジの5、6本飛んでもおかしくないかなって - 67二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 21:35:33
ふくつのこころが明後日の方向にカッ飛んでる……
- 68二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 21:36:12
レジェンドスレだとジムリ全滅に加え地方全体がパラドックスに制圧されたも同然という……
- 69二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 22:10:56
ハッサクさんが里を継ぐことにした理由ってどこかで語られてたっけ
そのおかげというべきかそのせいというべきか、どんどん冷たい人になってしまったわけだけど… - 70二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 22:23:14
止まれないんです。止まったら罪悪感で死んでしまうから
『 …ところで辰砂という鉱物を知っていますか?かつては賢者の石とも呼ばれ、時の皇帝が愛飲し、水銀中毒で苦しみ悶えながら命を落としたそうです。そう、血のように美しい結晶ですがこれは硫化水銀…生けるものの命を奪う猛毒なのです。…ですが同時にかつて東の国では神を奉る門や船底に塗ることで腐食や腐敗を防ぐ塗料として使われていたそうです。―腐らず、不変。このテラスタル結晶もまた取り込んだものをそのままの姿で閉じ込める。まるで鉱物が他の鉱物を取り込んだインクルージョンの様に…なんて残酷で美しいのでしょうか。まだ生者の様な肌の色艶を遺したまま彼はここに居るのです…』
- 71二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 22:28:38
前スレで言及した「今回の世界で失敗したなら次の世界へ、次も失敗したならまた別の世界へ、上手くいくまで何度でも繰り返す」を本当に敢行してしまいそうなのが……
まあそんなことやったらジムリ達の尊厳どころか廃人チリちゃんの心まで無駄にするじゃすまないし、原作キャラはそんなん聞かされたら大人しく帰るわけにもいかなくなるしで
もうどないしたらええねん…… - 72二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 22:33:24
ミヒャエル・エンデの童話の中に「おとぎ話の中の王子様は失敗した99人の王子様の犠牲の上にいる成功した王子様(うろ覚え)」みたいな下りがあったけど本当に成功するまではやりかねんだろうな…
何をもって成功と見なすかは分からないけど…
- 73二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 22:35:00
ハッサク先生に語りかけてその後に全然違うこと語りだすのが狂ってる感じがして良い
- 74二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 22:38:39
本格的なパラ達との交戦が御労しくて、ちょくちょく脳内でこれらの物語を撮影として終えたジムリ達が共演パラポケ達とお茶してるIF想像挟みながら読み進めてる…
ポケモン怖い…本気で野生させるとやっぱ強い…でも本編にないからこそ楽しめるね… - 75二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 22:42:06
魔法使いは眠らない。
少女の夢を叶える妖精は、悪夢を見ない。 - 76二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 22:42:49
内股気味のオノノクスが床を蹴った。やや蛇行しながらアイアンヘッドでブリムオンに突っ込んでくる。接近戦を嫌がったブリムオンは、サワロの指示でオノノクスの足元にシャドーボールを撃ち込んだ。
床に着弾したシャドーボールの衝撃で、オノノクスが足をもつれさせた。
「リップさん、我が輩がハッサク先生を抑えているうちに、バトルコートへ」
視線だけを向けてサワロに促されたリップは言葉なく頷くと、ヒールを脱いで左手で抱え裸足で駆ける。ハッサクがそれに気付き、コルサを抑えているガバイトの一体を差し向けようと声を上げるより先に、サワロのパチリスが顔に飛びかかった。
「むが……っ!」
「パチリス、そのままハッサク先生を取り押さえていてくれ!」
パチリスを振り払おうとするハッサクの横をすり抜けて、リップはバトルコートに足を踏み入れた。そこにいたのは戦闘不能になったブラスターとケケンカニを介抱するハイダイと、物言わぬチリに抱き抱えられた此方側のポピー。
「リップ嬢!」
「ハイダイさん、チリちゃん達は?」
「屋上のバトルコートにいるはずだい。リップ嬢のポケモン達はポピー嬢が保護しているよい」
「ありがと」
手短に確認を済ませて、リップは屋上へ足を向ける。チラ、と物言わぬチリの方を見た。
ポピーを抱き抱えて、眼の焦点が合わないチリの姿は、精巧に造られたアンティーク人形のようで生気がない。ギュ、と心臓が締め付けられるように痛んだが、今は彼女を気にかける余裕はなく、またリップでは彼女を救えない。
「ポケモンちゃん達を取り戻したら、とんぼ返りしてくるから、待ってて」
それだけ言って、リップは再び走り出した。 - 77二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 22:43:37
廊下を突っ切り、階段を駆け上がり、見えた光と聞こえてくる戦闘音に向かって飛び込む。果たしてそこは、熾烈な死闘が繰り広げられていた。
「ノココッチ、ストーンエッジ」
「クレベース、"ゆきなだれ"」
「デカヌチャン、あごしたにもぐりこんでデカハンマー!!」
いつになく怒り心頭の様子のアオキとポピーが、連携して此方側のオモダカと戦っている。彼らの妨害をさせぬ為、空から攻め込んでくるパラドックスポケモン達に応戦するのは、オモダカ、チリ、ハッサク、グルーシャの四人。そこはオモダカが此方側のオモダカを相手してるんじゃないのか、と思ったが、リップが知る由もないがオモダカはキレ散らかすアオキとポピーに「邪魔だから下がってろ(意訳)」と凄まれた為に最前線から下げられている。理由は知らずとも、心なししょぼくれて哀愁が漂っているような気がしなくもない。
「えーっと、お取り込み中?」
「リップさん!?クッソほんますんません、今ちょお手間取ってますねん!ポピー!!リップさんのポケモン返したって!!」
「む、アオキのおじちゃん」
「わかりました、抑えます。ムクホーク!」
アオキの呼びかけに応えて、パラドックスポケモン達を脚で強かに蹴りつけていたムクホークが急降下する。ブレイブバードでクレベースに突撃し、突き飛ばした。
ポピーはクレベースが離れたのを確認すると、提げている鍵型のポーチからモンスターボールを取り出して、リップに手渡す。リップのポケモンたちが、無事リップの下へ帰還した。 - 78二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 22:44:40
「ありがとう、ポピーちゃん。それじゃリップ、ケツカッチンだから戻るわね」
「なんや一緒にあのけったいな連中しばいてくれんのですか」
「サワロちゃんがこの世界のハッサクさんを抑えてくれてるから、余力がある今のうちに戻りたいの」
「起きたんかいこっちの大将。んでまた暴れとるん?嫌やわータフすぎるやろ。ところでサワロちゃんて誰」
「家庭科担当教諭のサワロ先生ですね。来ていらしたんですか……」
「あ、スーパー総大将復活した?」
「復活したように見えますか」
「ううん?」
「仕事しろそこで女子会してるバリキャリども!!!!」
ちょっと緊張を和らげてただけじゃない、と文句のようなことを垂れて、グルーシャにお叱りを受けた三人はそれぞれなすべき事をする。チリとオモダカは、とうとう壁を登って這い上がってきた陸上タイプのパラドックスポケモンと対峙し、リップは取り戻したポケモン達と共にサワロらの下へ走る。
「バクーダ、"だいちのちから"!ドオー、アクアブレイク!ドンファン、アイアンヘッド!!」
バクーダ、ドオー、ドンファンがそれぞれ登り詰めてきたパラドックスポケモン達に攻撃を加える。"だいちのちから"でテツノイバラの足を吹き飛ばし、縁から登り切ろうとしかかったスナノケガワにアクアブレイクを叩き込んで落下させ、サケブシッポはその軽さからアイアンヘッドの直撃を受けて勢いよく西の方角へ吹っ飛んだ。
最初からそれくらい真面目にやってくれ。グルーシャはマフラーで隠れた口でため息を吐いた。何の気なしに此方側のオモダカに目をやれば、何故だろうか、何かを堪えるように歯を食いしばっているような気がした。 - 79二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 22:45:46
リップにポケモンを手渡したポピーは、ペシッ、と頬を叩いて戦線に復帰する。
「デカヌチャン、ストーンエッジ!!」
復帰早々ストーンエッジでクレベースを攻撃する。クレベースは"ゆきなだれ"でいくつかのストーンエッジを落とし、"かみくだく"で残りをその頑強な顎で砕いた。
くそがよ。ポピーがボソリと呟いたのをうっかり聞いてしまったチリは、冷静に自分のポケモン達に指示を出しながらもちょっとだけ泣いた。アカン、ポピーがどんどんお口も素行も悪なってく。ついでにオモダカも似たような理由で泣いていた。
「いい加減に止まれって……言ってるだろ!!」
アオキのノココッチのハイパードリルが、キラフロルに突き刺さる。
「もう止まれないと、言っているでしょう!!あの日止まった秒針の錆は、やっと落とされた!!ならば、もう……!!」
クレベースが"じしん"で屋上一帯を揺らす。デカヌチャン、ドンファンは咄嗟にストーンエッジの上に乗って跳び回避したが、ドオーとバクーダは鈍重な身体故に回避行動が間に合わず、モロにダメージを受けた。
「ドオー!!バクーダ!!しっかりせえ!!」
「こんっの、おとなしくたおれてくださいやがれですの!!!!」
回避行動で上に跳び上がったデカヌチャンが、そのまま急降下してクレベースの脳天にデカハンマーを叩き込む。顎から床に叩きつけられたクレベースは、しかしギロリとデカヌチャンを睨みつけるとその右腕に噛み付いた。
デカヌチャンが腕に噛み付いたクレベースに"かわらわり"を叩き込もうとした、次の瞬間。
———グラ……ッ。
リーグの建物が、大きく揺れた。 - 80二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 22:47:02
何事だ、と誰もが周囲を見渡す。此方側のオモダカただ一人を除いて。
そして真っ先に一つの仮定に行き着いたのは、オモダカであった。
「……暴れすぎましたかね、我々」
思い当たる節のあり過ぎるチリは、サッと顔を青くした。然もありなん、屋内でも屋上でも散々っぱら死力を尽くすような戦闘ばかり起きていれば、バトルコートのみならばいざ知らずリーグ全体はそう強くできていない。そもそもポケモンがコート以外で暴れることを考慮していない。よって、耐え切れずに崩壊しかかっている。
「……ッ!こっちのチリさんは……!」
「ハイダイさんらもおるから大丈夫や思いたいけど……こっちのハッサクさん起きとんねよな……巻き込まれて怪我でもしたらどないしよ……」
「今は他の場所にいる人のことを気にしててもどうにもならないですよ!どちらにせよ、完全に安全な場所など少なくともこのリーグにはありません!!」
竜と共にパラドックスポケモン達を抑え続けるハッサクが叫ぶ。
物理的にも、タイムリミットが迫ってしまっていた。
一方、屋上のバトルコートの激戦を背後にサワロ達の下へ向かうリップは、素足のまま出し得る全速力で階段を駆け下り廊下を走り抜ける。小脇に抱えたヒールが邪魔くさい。それでも個人的な矜持として、捨て置く気にはなれなかった。 - 81二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 22:48:41
実技試験用のバトルコートのドアを潜って、此方側のチリとポピーを守るように立つハイダイの横を通り抜けて、リップもまた戦いへ飛び込む。視界の先に捉えたオノノクスへ、ボールを投げた。
「フラージェスちゃん、ムーンフォース!!」
ボールから飛び出したフラージェスが、オノノクスの背後からムーンフォースで奇襲をかけた。背中に弱点のフェアリータイプ技を受けたオノノクスは、ダメージの大きさに膝をつく。
「リップさん!」
「……」
サワロの無事を確認したリップは、内心で安堵した。しかしすぐに自分を見る此方側のハッサクの視線の冷酷さに、背筋が凍る心地を覚える。
「……ハッサク先生、投降してください。これ以上争っても、互いに益はありません」
険しい顔で、サワロが言う。事実、どれだけ恐ろしくとも現状追い詰められているのはハッサクで、数も、ポケモンの状態も、優位に立っているのはサワロ達だ。しかしハッサクは。
「それは、できません。小生達は、折れることはできないのですよ。止まることも、休むことも、小生達には許されない」
「そんなことありませんの!!」
物言わぬチリの腕の中にいる此方側のポピーが叫んだ。彼女は止まることができた側だった。チリの言葉で、ポピーの強い心で、引き返すことができた側だった。だから、きっとハッサクも、或いはオモダカもと。
「おじちゃんもトップも、まだまにあいますの!ちゃんと、ごめんなさいをして、それで、アオキのおじちゃんに……ポピーたちのジムリーダーたちにさようならって、おやすみなさいって、まだいえますの!だから、だから……っ!!」
此方側のポピーがしゃくりあげた、その時。
———スパッ。
軽くて鋭い音と共に、外側の壁が斬れた。
ゾッ、と本能的な恐怖心がリップを、サワロを、カエデを、ハイダイを、コルサを襲う。
「……ああ……」
諦めたような、悟ったような、それとも嘆くような。そんな声が此方側のハッサクの口から溢れ出た。
外側に向かって落ちていく壁の向こう、現れたのは。
「———キキキァアアアアアッ!!!!」
後に仮称"テツノイサハ"と呼称される、冷酷な機械の軀を持つ悍ましいパラドックスポケモンであった。 - 82二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 22:56:25
SS続きだー!
ポピーちゃんどんどんお口が悪くなっていく……そしてテツノイサハも参戦……
というかリーグ崩壊まで秒読みでは……!?
まさかとは思うがアカデミーまでぶっ壊れたりしないよね……?そこまでいったらもう取り返しつかなくなっちゃう…… - 83二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 23:49:03
廃人チリちゃんが現状をはっきりと拒絶する言葉をぶつければ犠牲軸ハッさんさすがに迷ってくれ……くれ……くれるかなあ……
死者の言葉を伝えられるライムさん、現状に否定的な廃人チリちゃんの言葉がもしかしたらもしかすると辛うじて止められそうな鍵かもしれない - 84二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 23:50:25
- 85二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 23:56:20
どっかのスレのときに犠牲軸のポピーちゃんにチリちゃんは逃げてるだけだって言われてたチリちゃんの時もそろそろ動くべきだと思うんだ
- 86二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 06:51:31
気が早い話だけど、テラパゴスも詳細わかったらここの概念にぶち込みたいなあ
- 87二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 15:19:49
保守
- 88二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 19:41:26
そういえばSSハルトってミライドンかコライドンどっちなんだろ
過去に縋る犠牲軸の対比で明日へ進むって意味でミライドンというチョイスもあるかも…… - 89二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 19:48:55
犠牲軸レホール先生がどこにいるか定かじゃないけど、たぶんジムリ「奪還」が終わるまで反対派の先生方とどっかに閉じ込められてそうではあるけど
現在アカデミーに古代パラドックスのウネルミナモが襲撃してきてるから、歴史好きのレホール先生としてはウネルミナモ襲撃現場に立ち会えなかったの痛恨の極みなのでは
「なっ……なにぃ!? 古代のパラドックスポケモン……それもジョウトの準伝説スイクンに似たポケモンだとぉ!? アカデミーに来ているというのか!? ウッヒョー!好奇心が溢れんばかりだ! さっそく捕獲を……な、離せクラベル!クソォ!」 - 90二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 19:50:26
レホール先生はさあ……
- 91二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 20:05:37
- 92二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 20:34:53
(自由にならない身体と傷つき疲弊しきった心にやきもきしながら蛮行を止めなきゃでも自分はこんな時に動けない誰か二人を止めてと心で叫んでいるたまたま会話を聞いていた廃人チリちゃん)
- 93二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 21:39:19
悪夢の国でチェシャー猫が嗤う。
鏡の国のセイウチはペビーオイスターを飲み込んだ。
名無しの森のジャバウォック、ボロゴーヴを喰らい木々を縫い飛び。
ハンプティダンプティは二度と元には戻らない。
最期の夢から醒めるのは、果たして何某か。 - 94二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 21:40:03
ゴッ、と力強くぶつかり合うブレイズ種ケンタロスとルチャブル。ケンタロスは"しねんのずつき"を、ルチャブルはフライングプレスで眼前の敵を叩き潰そうと技を放つ。
一瞬拮抗し、しかしタイプ一致による補正のかかったルチャブルに軍配が上がる。地面に叩きつけられたケンタロスは、ルチャブルを一瞬睨みつけてレイジングブルで反撃した。
「"がんせきふうじ"」
掠れて冷たい声が、しかしはっきりとルチャブルの耳に届く。ケンタロスを囲うように岩が落ち、纏った炎を掻き消した。
「まるで進歩がないな。そんなザマで此方に来たのか、お前は」
窶れた顔で、濁った眼で、此方側のキハダはキハダを睨む。キハダは流石にムッとして、腕を組んで唇を尖らせた。
「失礼な、考えなしに敵陣に踏み込むほど馬鹿ではないぞ。それに、奇襲されてここまで持ち込めてるだけ上等な方だろ本来は」
ケンタロスが力を振り絞り、レイジングブルで岩の囲いを強引に抜け出した。その勢いのまま、ルチャブルに"しねんのずつき"を喰らわせる。ルチャブルは"しねんのずつき"をまともに受けながらも、シザークロスで間合いを取りフライングプレスでやり返した。
ダンッ、とケンタロスが蹄で地面を叩く。ガリッ、とルチャブルが脚の爪で地面を引っ掻く。数秒睨み合って、しかしとうに限界を迎えていた二匹は崩れ落ちるように倒れた。
「渡さない。渡さない。渡さない、返せ。リップは私が護る。今度こそ、私がちゃんと———……!!」
此方側のキハダは倒れたルチャブルをボールに戻し、入れ替えるようにハリテヤマを出す。そして掲げるのは、テラスタルオーブ。
オーブを上空に投げ、ハリテヤマの身体が結晶に覆われる。頭上にかくとうテラスタルジュエルを冠し、テラスタルした。 - 95二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 21:40:42
「返せ、はこっちのセリフだ。リップも、他のジムリーダー達も、私たちの世界に返してもらうぞ」
ケンタロスをボールに戻したキハダは、ハリテヤマの入ったボールに手をかけて———考え直して、別のボールを手に取った。
「チャーレム!!」
投げたボールから飛び出したのは、普段バトル学の授業でも連れているチャーレム。キッ、と目を釣り上げて、チャーレムはテラスタルしたハリテヤマを睨む。
「チャーレム。久しぶりにだが、いけるか?」
キハダはテラスタルオーブを手にチャーレムに確かめる。顔だけをキハダに向けたチャーレムは、力強く頷いた。
「昨日の自分も、明日の自分もまとめて越えていけ!勝利の為に、押忍!!」
気合いを入れたキハダがテラスタルオーブを投げる。結晶に覆われたチャーレムがテラスタルする。その頭上に冠するものは。
「———……」
ギリ、と此方側のキハダは歯を食いしばって掌に爪が食い込むほど拳を握り込んだ。ふざけるな、と声にならないまま叫ぶ。
チャーレムの頭上で輝くテラスタルジュエルは、エスパータイプを現していた。
「それは、リップのものだろ」
喉から絞り出された言葉に、キハダはそうだな、と同意を示す。示しながら、それでもそうすることを選び、そうすべきだと判じた。
「私にとってエスパーと言えばリップだからな。だから、私がエスパーテラスタルを使うのは、戦術として有りでも心情としては無しだった。だからこそ今私は、エスパーを使うんだ」
ポケットの中にしまった口紅に触れる。心の中でごめん、勝手に使うぞ、とリップに謝罪する。なんとなく、リップは笑って許してくれそうな気もした。 - 96二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 21:41:34
先に動いたのはチャーレム。素早く踏み込んでハリテヤマの懐に潜り込み、"かみなりパンチ"を腹目掛けて放つ。ハリテヤマは腹に一撃受けながらも大きな手でチャーレムの腕を捕まえて、動けないチャーレムに至近距離からストーンエッジを喰らわせた。
「エスパーテラスタルを使ったからって、私に勝てると思ったのか。リップが私にいつも勝っていたのは、リップが強いからだ!」
「知ってるさ。リップは強い。強くて、その上あれで負けず嫌いで頑張り屋だからな。だから、子供の頃と違ってもう私が守る必要性がないとも言うが」
「そうだ、リップは強い。……強いから私は甘えてしまった。あいつは強いからきっと大丈夫だ、なんて甘えが、あいつを独りで死なせた!!周りを振り切ってでもあいつの側に行かなきゃいけなかったのに!!あいつを独りにしたらいけなかったのに!!」
「それしたらリップは絶対怒るぞ。"キハダちゃんは先生なんだから、生徒の側にいて支えてあげなきゃダメじゃない"って正論で殴ってくるぞ。絶対言う」
「それでもリップを独りで死なせるよりはずっとずっとマシだ!!せめて一緒に死んでやれたら、私だってここまで苦しまなかった!!」
どうだか、とキハダは肩をすくめた。自分がリップの立場だったら、まずリップが生き残ることを優先しそうだ。例え自分が独りで無惨な死体と成り果てることになったとしても、それでリップが無事なら、命の保証が成されるのなら正直安い買い物だと思ってしまう。ここにミモザ辺りがいれば、割れ蓋に閉じ蓋か!!と突っ込まれそうだが。 - 97二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 21:42:17
ストーンエッジを至近距離からモロに喰らったチャーレムは、しかし怯むことなくテラスタルの恩恵を受けた"しねんのずつき"でハリテヤマを下から突き上げる。衝撃で浮き上がったハリテヤマは、しかしヘビーボンバーでそのまま反撃に応じた。
「今度こそ守るんだ。今度こそ護るんだ。私の命に替えても、リップだけは———!!!!」
ハリテヤマがインファイトを構え、チャーレムが再び"しねんのずつき"をかまそうとした、その時。
ドゴンッ、という音と共に、人とポケモンが飛んできた。
「っ!?ミモザ先生!!?」
「あ!キハダ先生!?あんた何して……危ない!!」
飛んできたのはミモザとナンジャモ、そして二人のポケモンのレントラー、タイカイデン、メブキジカ。ミモザはキハダを一瞬視界に捉えると、すぐに自身が飛ばされてきた方に視線を向け直した。
咆哮。腹の底を揺さぶるような重低音が響くと同時に、湯気の立つ高圧水流がキハダたち目掛けて———正確にはミモザとナンジャモ目掛けて飛んできた。チャーレムとハリテヤマは咄嗟に後ろへ跳び、高圧水流を躱す。
ズシン、と震脚のように重い足音が鳴る。キハダはその姿を認めると、ヒュッ、と息を呑んだ。
超大型パラドックスポケモン、仮称"ウネルミナモ"の進撃は終わらない。同じ古代のパラドックスポケモン達さえ蹂躙して、ウネルミナモは雄叫びを上げた。 - 98二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 21:50:30
SS続きだウッヒョー!
- 99二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 05:59:03
まだ新しいパラポケとリアルで会えてないがお強くていい…
あと>>93でベビースターと空目したのは内緒だ
- 100二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 07:07:59
レホール先生「古代種パラドックスポケモンの進撃だと……!?ああ、この目で見たい……!!
……未来種?リーグにテツノイサハ? 未来種はどうでもいい(スンッ)」 - 101二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 17:41:23
レホール先生がブレなさすぎて安心しつつ保守
- 102二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 19:43:51
犠牲軸の大将総大将が揺れなさ過ぎて、どうやって止めればいいか考えた結果
「これ以上この人に罪を重ねてほしくない」と思った犠牲軸ダカさん&犠牲軸ハッさんの手持ちポケモンが断腸の思いで主人にダイレクトアタックをぶちかまし、意識不明の重体に追い込む、物理的に止める
というのを思いついたが、これ7スレめで原作チリちゃんが犠牲軸ポピーちゃんに説教した「ポケモンで人を攻撃しちゃいけない」ってのがめっちゃ重くなる気がする……
だってこのパターンだと、命じられるまでもなく己の意思で自分のトレーナーを攻撃してるし、手持ちポケモンをして「そうでもしないと止まらない、それしか方法がない」と思わせた訳であり……
この先 一生傷つくとしても、今とめなければ取り返しのつかないことになる……
まさにそんな状況やし…… - 103二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 19:47:36
- 104二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 19:53:48
原作VS犠牲軸で自分VS自分やジムリ誘拐妄想はあれど、どんな風に着地するかの妄想は見たことなかったので、自分でやってみる
ジムリ誘拐に加担したアカデミー教師は責任を取って自ら辞職するだろうな……
仮に原作軸に犠牲軸と同様の悲劇が迫りつつある場合、犠牲軸の面々は償いとして自分たちが知る情報を提供し、原作軸が同じ悲劇に見舞われるのを防ぐとか
償いと同時に、ジムリ奪還の根源の願いであろう「自分の大切な人を救いたい」が達成できる可能性がある
並行世界の別人とはいえ、大切な人を救ったことで結果的に願いが満たされるというの - 105二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 20:05:07
取り返しのつかないことをしてしまった自分はもう子供に偉そうに勉強しろなどと言えないな、と教師を辞しアカデミーを去る犠牲軸キハダ先生
……を呼び止める原作リップさん「……待って!」
「巻き込んでしまってすまなかったな、向こうの世界のジムリーダー
悪いが、君とのバトルに負けたとしても、教師に復帰する気はない
何故なら君は、私にとってのリップではないのだからな
それでは、私はここで失礼する。私が言えたことではないが、どうか元の世界で元気にやってくれよ」
教職を辞しふらっといなくなる犠牲軸キハダ先生&そんな彼女にかける言葉が見つからない原作リップ&「……キハダちゃんの、バカ」と唇をかみしめる犠牲軸の幽霊リップ
現実を受け入れリップを解放してくれたものの、誰も幸せになれないビターエンド
あくまで騒動が収束した後の、妄想のひとつです キャラエミュに解釈違いがあったらすいません - 106二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 21:09:56
黄昏に沈む夕焼けを想う。
星亡き夜空を泳ぐ月を憂う。
光喪き大地を踏み締める異邦者よ。
夜明けの水平線へ飛翔せよ。 - 107二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 21:10:42
リーグの壁を斬り捨てて侵攻してきたテツノイサハの姿に畏怖していたサワロ、リップ、カエデ、ハイダイ、コルサはすぐに我に帰り、交戦の構えを取る。テツノイサハの額から伸びたエネルギー体の刃に、深緑のエネルギーが蒐集される。それを見て真っ先に動いたのは、カエデだった。
「ワナイダー、スレッドトラップ!!」
ボールからワナイダーを出してテツノイサハの真正面に構える。振り下ろされたテツノイサハの深緑のエネルギー刃、リーフブレードをワナイダーのスレッドトラップが絡め取った。
「いやおっっも……」
ギチギチとワナイダーの糸を今にも引きちぎらんとするテツノイサハに、カエデは背中に悪寒と冷や汗が伝うのを感じる。
「ハッさん!!アイツはなんだ!?トップチャンピオンから渡された資料にはあんなパラドックスポケモンはいなかったぞ!!」
ガバイト達の拘束から片腕だけを抜け出させ、ボールからアマージョを出したコルサが叫ぶ。ハッサクはコルサを一瞥して。
「……なんでしょうね。小生も、エリアゼロには何度か潜りましたがアレを見るのは初めてですよ」
他人事のように答えるハッサクは先程までの冷酷なまでの覇気を無くし、力無くテツノイサハを見つめていた。
此方側のハッサクでさえ見たことがない、ということは情報がないということだ。であれば、まずすべき事は。
リップはリキキリンとエルレイドを出す。フラージェスを後ろに退がらせて、キッとテツノイサハを睨みつけた。 - 108二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 21:11:34
「リキキリンちゃん、"しねんのずつき"!エルレイドちゃん、インファイト!!」
ドッ、とリップの指示を受けたリキキリンとエルレイドがテツノイサハへ突貫する。ダメージは期待しない。とにかくパラドックスポケモンの中でも一際危険度の高いと推測されるこのポケモンを、屋内で暴れさせるわけにはいかなかった。だから、奴が入ってきた壁の穴から力尽くで押し出す。リップの思惑を察したコルサとカエデ、ハイダイは後に続くように。
「アマージョ、トロピカルキック!!」
「ワナイダー、"じごくづき"!!」
「ウミトリオ、トリプルダイブ!!」
ゴッ、ドゴッ、ガンッ。テツノイサハに三体のポケモンの打撃攻撃が立て続けに叩き込まれる。踏ん張り切れずにテツノイサハは壁の穴から外に押し出された。
落ちたテツノイサハを追いかけるようにリップは脱ぎっぱなしで抱えていたヒールをカエデに押し付けて、フラージェスと共に壁の穴から飛び降りる。
「リップさん!?」
サワロが慌てて手を伸ばす。リップはそれをサッと避けて、そのまま床の縁を蹴ってリーグの外へ落ちていった。後に続くように、リキキリンとエルレイドも飛び降りて行く。
「フラージェスちゃん、着地シクヨロ!!」
地面に落ちて下から睨めつけるように見上げるテツノイサハに向かって、リップはフラージェスと共に重力に任せて落ちていく。フラージェスは地上まで後僅かというところでサイコキネシスを使い、リップとリキキリン、エルレイドをふわりとパラシュートのように着地させた。
素足が草を踏み締める。キキキ、と機械音のような音で鳴くテツノイサハはリップを認識すると、バチッ、と足首に当たる関節部から電気を発した。 - 109二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 21:12:09
前脚を振り上げて、ズンッ、と地面を踏み締める。足首から発せられた電気が広がり地面に走る。エレキフィールドが展開された。
「そう、それがあなたが一番輝くステージなのね」
エレキフィールドの電気がリップの素足を傷付ける。それでもリップは痛みで顔色を変える事はなく。
「それでも、今この瞬間一番輝くのはリップと、リップのメイクで素敵に無敵に進化したポケモンちゃんたちよ」
エルレイドが地面を蹴ってテツノイサハに肉薄した。リキキリンがリフレクターを張り、テツノイサハの攻撃に備える。フラージェスが甘ったるさすら感じる声でテツノイサハに"あまえる"を放った。
「エルレイドちゃん、シザークロス!!」
エルレイドの腕の鋭い刃が、テツノイサハの胴を薙ぐ。リップは先の短い交戦で、テツノイサハのタイプを大凡当たりをつけていた。
ワナイダーのスレッドトラップをあわや引きちぎりかけたリーフブレードの威力を見るに、草タイプは入っていそうだ。エルレイドのインファイトとリキキリンの"しねんのずつき"は、衝撃こそあれダメージは軽く見える。アマージョのトロピカルキックとウミトリオのトリプルダイブはおそらく等倍、ワナイダーの"じごくづき"はかなりクリティカルだと思われる。つまり。
「エルレイドちゃん、手を止めないで!!連続でシザークロス!!」
推測されるテツノイサハのタイプは、草エスパーの複合。であればこそ、虫タイプの技は大きな効果を発揮する。 - 110二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 21:12:47
エルレイドの畳み掛けるような連続攻撃に、テツノイサハはしかし冷静そのものの様子で一撃と一撃の間に割り込み、サイコパワーでできた刃———サイコブレイドでエルレイドの右肩を撫で斬った。フラージェスの"あまえる"とリキキリンが張ったリフレクターのおかげで最大打点こそ与えられてはいないが、それでも一瞬痛みに怯みかかったエルレイドはしかし、キッと顔を引き締めてシザークロスを放つ手を止めない。
斬っ、とエルレイドのシザークロスがテツノイサハの喉に直撃した。キリキリと警告音のような鳴き声をあげてテツノイサハは悶えて足をふらつかせる。
このまま押し切る。リップは素足の皮膚を焼く電気に遂に顔を顰めながらも、声を張り上げて号令をかけた。
「エルレイドちゃん、シザークロス!リキキリンちゃん、"かみくだく"!フラージェスちゃん、ムーンフォース!!!!」
リップの号令に従って、三体は一斉にテツノイサハへ渾身の一撃を見舞った。
———ドッ。
一瞬、リップは理解が追いつかなかった。
確かに間違いなく弱点を突いて、大きなダメージを与えていたはずだった。弱って足がよろめいたのを見間違えたつもりはない。なのに、何故。
深緑のエネルギーで形成された刃が煌く。倒れ伏すのは、リップのポケモン達。それが意味する事は、即ち。
「キキキューーーーーゥア!!!」
追い込んだのはテツノイサハで、嵌められたのは、リップの方だった。
金属製の光沢を思わせる機械の身体が不気味に光を反射する。パラドックスの脅威は、未だ終わらない。 - 111二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 21:31:51
短い交戦で敵のタイプを見抜き、即座に対抗策を練り上げるのは流石ジムリーダーの判断力
……いや、わざと自分のタイプを相手方に推察させるような行動して、あえて懐に誘い込んで切り伏せた、のか?テツノイサハ……なんという頭脳プレー……
描写みた限りそんな感じが……間違ってたらすまん…… - 112二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 21:58:48
脚力つよそうなウネルミナモ、空飛ぶポケモンに跳躍力で文字通り食らいついて地面に引きずり落したとかやってそう……
パラポケ騒動の際に飛行ポケモンに乗ってウネルの対処に当たってたトレーナーも一緒に嚙み砕かれたとか嫌な想像しちまった - 113二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 22:00:10
「キキキューーーーゥア!!!」って鳴き声が「弱点を突いた程度でワタシを倒せるとでも?」みたいな煽りに聞こえたのは気のせいかな……
- 114二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 23:20:24
いつもひっそり読ませてもらっていたのですが、トップやハッさん達のあまりのお労しさに、在りし日に想いを馳せて1本書いてしまいました。(最初のスレの99の内容が刺さってずっと抜けず、使わせていただきました)
こちらのサイトに小説を載せるのが初めてで、不手際あったらすみません。
いつもみなさんの投稿楽しく見させていただいてます。
犠牲軸のみんなも本編軸のみんなも幸せになれますように……
北極星が傾く前のお話荒廃した土地に、砂埃が舞う。あの未曾有の一件以来、対策本部としての役割を担うことになったポケモンリーグには、多くの職員たちが出入りしていた。せわしなさとは裏腹に、そこに輝きは一切ない。職員たちの表情は沈み、あるいは硬く、必要以上の会話をする者はいなかった。
「本日、カロス地方から援助物資が届きました。それぞれ担当の地域に届けてください」
そんな中、方々に指示を出すのは、パルデアポケモンリーグ委員長、オモダカ。凛とした声が静まりかえった今のポケモンリーグに不自然に響いていた。
パルデア復興の為に臨時で組み分けされたリーグ職員たちは、順番に物資の入った段ボール箱を受け取り、ライドポケモン、あるいはひこうタイプのポケモンと共に配達に向かった。
「よろしくおねがいいたします」
オモダカは次の職員に物資を手渡そうとする。
しかし、救援物資の入った段ボール箱を差し出しても、今日の彼はいつまでたっても受取ろうとはしなかった。
「どうかされましたか」
「…………すみません」
長く間が合って、絞り出されたその声は、つい先日まで、トップのお役に立ちたいと、絶望の中でも強い目をしていた若人とはまるで別人のようだった。
「こ…telegra.ph - 115二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 23:23:52
自レス
止まれない犠牲軸ハッさんを大粒の涙を流しながらドラゴンクローで攻撃するカイリュー
「テラバースト」を指示された時に敵ではなく犠牲軸ダカさんに向けて至近距離でテラバぶっ放すキラフロル
とか想像しただけで辛すぎる
- 116二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 08:46:50
未来パラのポケモンて軒並み知能高そうなとこ怖いよな
人間的な頭の良さじゃなくてAIの知能的な怖さ - 117二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 09:26:14
みちづれ仕掛けてきたテツノブジンとかね……
- 118二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 09:34:22
- 119二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 09:37:22
SSだとアカデミーにハルトいるんだっけ?
だったらウネルミナモVSミラコラという伝説対決みれるかな
どっちもドラゴンタイプだし弱点突き合ってるな
自レスだけどハルトが大怪我したらホームウェイ組めっちゃ曇るな、特にペパー
ペパーは今回の事態に人一倍 心痛めてそうだし
- 120二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 09:56:11
- 121二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 11:17:44
命は、闘争によって強く鋭く磨かれる。
- 122二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 11:18:43
テツノイサハがサイコブレイドを構える。リップが動揺したのはしかし一瞬。倒れたフラージェス達をボールに戻し、入れ替わるようにサーナイトとクエスパトラがボールから飛び出す。サーナイトがテツノイサハを睨み、クエスパトラは威嚇するように声を上げた。
「サーナイトちゃん、顎下に向かってエナジーボール!!クエスパトラちゃんは"でんこうせっか"で足を引っ掛けて転ばせちゃって!!」
ヒュンッ、とクエスパトラがテツノイサハの懐に飛び込む。"でんこうせっか"で急接近した勢いそのまま、テツノイサハの前脚を思い切り自身の脚で絡め取って引っ張る。そのタイミングに合わせるように、サーナイトのエナジーボールがテツノイサハの顎下を掬い上げるように叩きつけられた。
バランスを崩しかかったテツノイサハは、ギロ、とクエスパトラを睨んでサイコブレイドをリーフブレードに切り替える。後ろ脚で踏ん張り地面から離れた前脚を強引に地面につけると、クエスパトラにリーフブレードを振り下ろした。
クエスパトラは"でんこうせっか"で無理矢理躱す。尾羽こそ斬られたものの、ダメージは恐れていたほどではない。リップは瞳孔を開き切ったまま、思考する。
あのパラドックスポケモンは、リップの想像を大きく超えて狡猾で冷酷だ。故にこそ、ここからは常に最悪を想定しながら戦わねばならない。リップは今までにないほど脳が高速で回転しているのを自覚した。足元を駆け巡る電気の痛みが、遮断されるほどに。
クエスパトラはテツノイサハから距離を取るように後ろへ跳ぶ。サーナイトが牽制するようにマジカルフレイムを放ち、機械の身体を焼く。テツノイサハは身体を覆う炎を首から伸ばした刃で斬り払い、サイコブレイドでクエスパトラを追った。 - 123二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 11:19:37
リップがクエスパトラにシャドーボールを指示しようとした、その時。
「ウェーニバル、アイススピナー!ヌメルゴン、"れいとうビーム"!!」
グァア!!と声を張りながら氷を纏って飛んできたウェーニバルが、テツノイサハの顔に回し蹴りを放つ。それに追随するように、"れいとうビーム"がテツノイサハの左前脚を凍てつかせる。
リップが振り返ると、そこにはゼェゼェと息を切らしながらも、歓喜で頬を紅潮させたネモがいた。
「リップさん!私も一緒に戦っていいですか!?あ、リーグの正面は大丈夫です!全然パラドックスポケモンの数少なすぎて、二人だけでも問題ないから行ってこいって背中押されてきたんで!!あとサワロ先生が戻ってきて、リップさん助けてやってって!!」
テツノイサハ———未知のパラドックスポケモンに興奮した様子のネモは、若干早口気味にそう言った。なるほど、サワロの差金か。
「ありがとう、ネモちゃん。ならお言葉に甘えちゃおっか」
リップはそう言うものの、開いた瞳孔は戻らない。ネモは珍しいな、と思う。
テツノイサハがヌメルゴンに向かってサイコブレイドを振りかぶる。ネモはそれを阻もうとウェーニバルの"つばめがえし"で首を叩いた。リップはそれに合わせるように、クエスパトラのシャドーボールでテツノイサハの胴を撃ち抜く。
テツノイサハはギロリとウェーニバルを睨み、ヌメルゴンへ叩きつけるはずのサイコブレイドをウェーニバルに振り下ろした。ウェーニバルはアクアステップで加速しながらそれを回避するが、僅かに脇腹を掠める。アイススピナーでテツノイサハの横腹を蹴り付けてやり返し、すぐさま後ろに飛んで体勢を立て直した。 - 124二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 11:20:25
ヌメルゴンが"ヘドロばくだん"を撃ち込む。テツノイサハがサイコブレイドで"ヘドロばくだん"を斬り裂くと、それに合わせてサーナイトがマジカルフレイムでヘドロごとテツノイサハを焼き尽くしにかかった。
ゴオッ、とヘドロが燃える。ネモはショルダーバッグからハンカチを出して慌てて口元を覆う。有毒ガスでも出ていたらこっちも危険なのだが、リップはそのままテツノイサハを睨んでいる。
「リップさ———」
口と鼻ハンカチか何かで覆っておかないと、と言おうと呼びかけて、ハッとする。
笑っていた。リップが、見た事ないほど。それこそメイクアップアーティストとしてメディア出演もしている普段の彼女からは想像できないほど、獰猛に。
歓喜だ、愉悦だ、興奮だ。ネモはリップの笑顔の分類に心当たりがありすぎた。ハルトと勝負する時は、ネモも同じ顔をするから。ハルトもネモやクラベル校長、オモダカと戦う時に同じ顔をしていたから。
口角が限界まで釣り上がっている。白い歯が剥き出しになって、普段はあまり目立たない犬歯もはっきり見える。目を大きく見開いて、瞳孔は完全に開き切っているのがネモから見てもわかった。
リップはメイクアップアーティストとして高名だが、それ以上にどうしても、ポケモントレーナーであると改めて実感する。多かれ少なかれ、ジムリーダーになるほどの実力者の闘争本能が、弱いわけがない。 - 125二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 11:21:18
「クエスパトラちゃん、走りながら連続でシャドーボール!!!!!!」
ドッ、と地面を蹴る。クエスパトラがテツノイサハの周囲を駆けながらシャドーボールを叩き込んだ。テツノイサハがリーフブレードでシャドーボールを斬り払い、前脚が凍ったままクエスパトラを追う。そこ目掛けて、ヌメルゴンの"りゅうのはどう"がテツノイサハの頸を貫いた。
「ハ、アハハ……ハハハッ」
リップは遂に声まであげて笑い出した。命の危機が付き纏っていることに変わりはない。しかし、この極限の闘争がリップの腹の底の更に奥を刺激して、眠っていた本心を、理性で押さえ込まれてきた本能を引き摺り出した。ポケモントレーナーという生き物は、本質的に獰猛だった。今なら追い詰められて笑ってたオモダカの気持ちがわかる気がする。
ウェーニバルのアイススピナーが掬うようにテツノイサハの胸を蹴り上げる。サーナイトのマジカルフレイムが顔を直撃した。ヌメルゴンの"れいとうビーム"がテツノイサハの後ろ脚を凍りつかせ、クエスパトラがマシンガンのようにシャドーボールを撃ち込む。
油断はしない。後少し、と気を緩めた瞬間奴はこちらの喉笛を喰い裂きに来る。だから、手は決して緩めない。
「ウォオアァアアアアアアア!!!!!!」
咆哮。人の喉から出たとは思えない声で、リップは吼えた。流石のネモもこれにはビビった。テツノイサハがサイコブレイドを地面に叩きつけて包囲から脱却を図る。それを逃す二人ではない。サーナイトがサイコキネシスで右後ろ脚を拘束した。ヌメルゴンが上から"だくりゅう"でテツノイサハの身体を押し潰した。ウェーニバルのアイススピナーが前脚を叩き折る。 - 126二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 11:21:45
「クエスパトラちゃん、全身全霊、ありったけの力でシャドーボール!!!!!!」
地面を蹴って跳ぶ。クエスパトラはテツノイサハを見下ろすように睨みつけ、持てる力全てを出し切った特大のシャドーボールを叩きつけた。
ドォンッ!!と轟音が鳴る。着地したクエスパトラはふらつきながらも油断を断つように、シャドーボールが着弾した地点を睨む。
土煙が晴れる。テツノイサハは全身から火花を散らして、電光掲示板のように明滅する眼をフツフツと暗転させて。
「キキ……キィー……」
ノイズまみれの電子音のような鳴き声をあげて、遂にガシャンと崩れ落ちた。リップは継戦態勢を崩さずテツノイサハを睨む。
テツノイサハが、そのまま動く事はなかった。
「……勝った」
ポツリとネモが溢した。
「……倒した、のね」
リップが確かめるように呟いた。
緊張が解けて、一気に身体の力が抜ける。ネモがホッと一息ついて、やりましたね!とリップに駆け寄ろうとした、瞬間。
———ドサッ。
「リップさん!?」
リップが膝から崩れ落ちるように倒れた。体力も気力も限界を超えていて、気を失ってしまったらしい。そこでようやく、ネモはリップが靴を履いていないことに気付いた。
「え、ちょ、どどどどうしよう!ウェーニバル、リップさん背負ってくれる!?」
グァ、と応えるように鳴いてウェーニバルはリップを丁重に抱き抱える。クエスパトラとサーナイトは自分たちの主人を心配するように見つめた。
一つの戦場が終結する。しかし、戦いは終わらない。 - 127二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 11:41:28
SS続きお疲れ様でスター!
テツノイサハ戦はひとまず終わった、かな?
でもまだ犠牲軸ハッさんと犠牲軸ダカさんが控えてるし、リーグは崩壊寸前だし
なやみのタネが盛りだくさんである…… - 12811823/03/04(土) 11:45:56
子供のハルトが大怪我して、「こんな小さな子にケガさせてまでやりたいことなのか!!」って言われたら流石に犠牲軸の教師陣は戦意喪失しそう
ハルトくんはハルトくんで、無理するなって言われても「ここで自分が逃げたらみんなが危ない」と楽園防衛プログラム戦のように逃げないんだ……パルデアの新チャンピオン…… - 129二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 11:52:03
自レス、当のハルトは手持ちや大人たちの心配をよそに、テツノイサハ戦のリップさんのようにものすごい強敵と戦える興奮に闘争本能が刺激されて笑ってるのもありそう
「よくわかんないけど、すごく痛くて苦しいのに、すごく楽しいんだ……!!」
- 130二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 11:58:14
テツノイサハは倒れたっぽいが……どっかで急に起き上がって第二ラウンドとかしたりしない? 大丈夫?
- 131二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 12:11:11
SSのハルトはミライドンかコライドン、どっちか判明してないっけ?
個人的にはコライドンvsウネルミナモで恐竜対決というのもアリかも - 132二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 12:34:35
デジャヴみたいな状況になればショック療法みたいにならんかなとか外道な事考えてしまった
デジャヴはss書いてる人にもよるけどね
例えば前のスレにあったハッサクさんの目の前で死んだコルサさんみたいな状況で自分(犠牲軸)はまた間に合わなくて原作軸若しくはコルサさん自力で突破とか
アオキさんとチリちゃん(原作軸)でもいいかもしれない - 133二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 14:07:28
並行世界観測装置や移動するにあたりアクロマさんが一枚嚙んでたりしないかなーという妄想
だってウルトラサンムーンで別世界から来た人を元の世界に転送するマシンとか開発してたし…… - 134二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 17:03:13
犠牲時空のミラコラのどちらかがハルトと協力してくれないかなーと思ってる。こっちの時空だと過去未来どちらのパラドックスポケモンも出てきてるっぽいから、コライドンがハルトのポケモンなら犠牲時空のハルトはミライドンとか....
- 135二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 20:29:56
自レス、調べた限り、キハダ先生ってリップさんの「負けた方が勝った方のいう事を聞く」勝負に負けたからインストラクターの仕事してる感じ?
この世界線だとインストラクターも辞職してそうなのが……
原作リップを解放しようがしまいが、どっちに転ぼうと犠牲軸リップちゃんとの約束を破る事態に……
- 136二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 20:34:34
走りながら書いてるので着地点が自分でも分かりませんがチリちゃんとキハダ先生(本編軸)の胃が壊れる事は確定しつつあって震えながら書いてます。ポピーちゃんとリップさん落ち着いてもろて……もろて……
- 137二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 20:34:55
原作軸と犠牲軸のレホール先生は歴史トークで盛り上がりそうかもと思ったが、話すうちに互いが知るパルデアの歴史に微妙な差異があることに気づき、お互い早々に興味を失くしてサヨナラしそうとオモタ
- 138二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 20:39:38
原作軸キャラ、今回の騒動で友達や仲間が傷ついたりしたら犠牲軸の面々に「お前らが攻めてきたりするから……!!」ってキレそうなのがちらほらいる気がして……
犠牲軸の面々は自分の大事な人と同じ顔した並行世界の人物が傷ついたのを見て、ようやく取り返しのつかなさを思い知ってしまう
両方とも大ダメージやんこれ…… - 139二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 20:41:57
- 140二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 20:48:27
- 141二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 20:50:01
- 142二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 20:59:19
正直 原作軸でも犠牲軸でもポピーちゃんがめためたに傷ついたらアオキさんのトラウマがフラッシュバックしちゃうのでは廃人チリちゃん……
- 143二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 22:41:22
- 144二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 00:44:37
犠牲軸ハッさんと犠牲軸ダカさんの凶行を止めるべく手持ちポケモンが二人を攻撃する概念を上げた者ですが、彼らは二人が立ち止まれば罪悪感に苛まれること、犠牲軸ハッさんの方は「自分を終わらせたい」というトレーナーの願いを薄々感じ取ってたため、彼らの奥底の願いを叶える為という理由も込みで主人を攻撃したのではと思いますが
なんにせよ地獄である - 145二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 01:08:07
仮に犠牲軸が並行世界侵攻をやめたとして、そこに至るまでに原作キャラが大勢ケガしまくってたら「ここまでのことをして、どう責任取ってくれるの……?」みたいにキレる人はいそう
その償いとして犠牲軸で得た情報を提供して、実は原作世界線に迫りつつある犠牲軸と同じ危機を未然に防ぐとかそういうのでいけたりしませんかね…… - 146二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 01:21:12
犠牲軸ハッさんが「上手くいくまで何度でも繰り返します」とか並行世界からの略奪を何度でもやるなんて言い出したら流石のコルさんも閉口しそう
でもコルさんもコルさんでせっかくのシリアスをギャグ落ちさせたんだしおあいこで……(おあいこではない)(そういう問題じゃない) - 147二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 01:46:00
サンムーンだと、野生ポケモンが他のポケモン呼び出すなんてシステムあったな
ウネルかイサハが叫んでさらなるパラポケの増援を呼んだりしたらどうしよう
犠牲軸のアオハルの相棒ミラコラ助けてクレメンス…… - 148二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 01:58:32
- 149二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 02:39:41
並行世界の観測装置の原動力に、テラスタルエネルギーだけじゃなく、出力増強とかで∞エナジーが使われてるんじゃないかという恐ろしい想像をしてしまった
この場合、トレーナーたちの規範であるべきポケモンリーグの人間が、ポケモンの生体エネルギーを利用するなんていう悪の組織も同然なことをしでかしてしまってる 犠牲軸の大将総大将が自分たちに止まることを許さないのは、ポケモンの生体エネルギーを利用するなんていう暴挙に出ているから……ということになってしまう
この事実を知ってるのは二人だけで、ポピーちゃんやアカデミーの教師たちには真相は伏せられてそう
真相がバレたら即離反されるだろうし……
まあ∞エナジーが本当にポケモンの命を奪う技術なのかどうか定かではないけど…… - 150二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 07:32:14
保守
- 151二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 11:49:22
いつかアナタは翼を畳んで、大地を駆けてその光を抱くだろう。
- 152二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 11:50:01
タイムに別れを告げて、ハルトとライムはグラウンドへ向かう。平行世界の観測装置を抑え、パラドックスポケモン達と戦うナンジャモ達と合流する。それがおそらくは最善手であるとハルトは考える。機械関連はハルトはあまり得意でないし、ライムも詳しくない。だから、誰も装置に手出しできないようにする以外の方法がわからなかったが、それで十分でもあった。
走っていると、外からズゥン、という音がした。何事だ、と窓から外を見る。断続的に轟音が響き、土煙が立ち昇る。僅かに遠目から見えたのは、ハイドロポンプが甘っちょろく見えるほどの高圧水流。
「なんだ、アレ……?」
ハルトは見えたものを自身の記憶と照らし合わせた上で、疑問を口にした。ハルトの知るパラドックスポケモンに、あんな技を使うポケモンは少なくともいない。
ナンジャモ達は無事だろうか。不安そうなハルトの背中をバシンと叩いて、ライムは。
「シャキッとしな。任せたのはアタイ達だ。だったら信じて、アタイ達がやるべきことをやり遂げてからでも遅くはないよ」
ハルトを鼓舞する。ハルトは少し驚いた顔をして、ギュッと制服のシャツの裾を握り締めて。
「はい!」
キリッ、と表情を引き締めて返した。
グラウンドには問題なく辿り着いた。ハルトはグッと拳を握り、ライムはヒュッと息を呑む。
グラウンドの、トラックの邪魔にならない位置に設置された観測装置は、カメラのレンズのように円形のパーツと絞りが重なった形をしていた。その形はゼロラボのタイムマシンをそのまま横に倒したようにも見えて、ハルトはコレが紛れもなくタイムマシンの技術の流用、及び応用であると確信する。
「こいつが……」 - 153二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 11:50:48
ライムが一歩、観測装置に近付く。今は待機状態のようで、電源が入っていつでも使える状態であることを示す音だけが鳴っている。
人の姿はない。パラドックスポケモンから逃げた生徒やテーブルシティの住人は、ここまではこないらしい。或いは、許可なく立ち入ることを何者かが禁止しているのか。
「なんか、あんまりぼくたちが何かしなくてもよさそう?」
「人来ないっぽいしね。どっちかが見張りでもしておけば制圧したことにできそうだな」
「演算装置はどうしましょう」
「人手が圧倒的に足りてないんだよなアタイ達側の。パラドックスポケモン共の対処に割く分とこっちで装置の掌握に当たる分とオモダカ達を殴る分とで」
「平行世界の別人だからって殴らせようとしないでください」
割と過激なライムに思わずハルトは突っ込んだ。なお現在此方の世界のオモダカは四天王四人がかり+グルーシャとオモダカと、パラドックスポケモン共々交戦中である。ハルトたちが知る由もないことだが。
さて、どうしたものか。観測装置自体はこうして実質制圧できたものの、どちらかが残りどちらかがナンジャモ達の加勢に向かうべきだろうとは思うのだが。
次の一手を話し合うハルトとライムは、観測装置へ視線を向けて、すると。
「っ!!」
空からパラドックスポケモンの群れの一部が、本隊から進路を変えて此方に向かってくる。何故、一体何が目的で。
ライムは思い出す。ナンジャモが見つけた資料に記載されていた、観測装置の動力源が何であるか。
「テラスタルエネルギー!!」
ポケモンのタイプを一時的に変え、機械の性能を限界以上に引き上げるテラスタルエネルギー。パラドックスポケモン達の目的はそれであると気付く。そして、観測装置はパルデアの大穴から放出されるテラスタルエネルギーの上澄みを蒐集して利用していた。 - 154二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 11:51:32
「ハカドッグ!ストリンダー!」
「マスカーニャ!ソウブレイズ!」
ポケモンを出す。幸にしてグラウンドはバトル実習のためのコートが用意されている程度には、バトルの衝撃に強い。観測装置が破壊されないようにだけ気を付けて、迎撃する。
「ハカドッグ、"こおりのキバ"!!ストリンダー、オーバードライブ!!」
パラドックスポケモンの先駆けのトドロクツキとテツノコウベに、先手必勝とライムはハカドッグ達をけしかける。冷気を纏った牙がトドロクツキの前脚を噛み切り、轟音に乗せられた電撃がテツノコウベを飲み込んだ。
「マスカーニャ、"つじぎり"!ソウブレイズ、アイアンヘッド!」
後に続くように、マスカーニャがテツノドクガの金属製の羽を"つじぎり"で叩き折り、ソウブレイズが跳躍しハバタクカミをアイアンヘッドで地面に叩き伏せた。
羽を叩き折られ落ちていくテツノドクガの胴体を足場代わりに、マスカーニャは跳ぶ。次々と侵入しようとする空を飛ぶパラドックスポケモン達を迎撃するため、普段は光の反射で隠した茎で飛び込んでくるトドロクツキの足を絡め取った。急な重量の増加に怯んだトドロクツキに、隙は逃さないとばかりにハカドッグの"じゃれつく"が見舞われる。
ソウブレイズの"かげうち"がヘドロウェーブを構えるテツノドクガの尻を突き上げた。下からの襲撃に体制を崩されたテツノドクガはヘドロウェーブをあらぬ方向に放ち、その流れ弾を受けた他のテツノドクガ達が隊列を乱した。それをまとめて一掃するようにストリンダーの"ばくおんぱ"が襲う。
「Hey!そんなもんかいパラドックス!ちょろいもんだねデンジャラス!OK!?」
ライムが煽る。パラドックスポケモン達に意味が通じるかはわからないが。
「!!ライムさん、アレ!!」 - 155二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 11:52:21
ハルトが指差す。トドロクツキの群れが、アラブルタケとイダイナキバを運んでくるのが見えた。そんな知能あったのかお前ら、とライムはかなり失礼なことを考えた。ほんとに失礼だな。一方でテツノコウベの軍勢も、テツノツツミとテツノカイナを運搬してくる。
「マスカーニャ、トリックフラワー!!ソウブレイズ、"むねんのつるぎ"!!」
トドロクツキがイダイナキバを降ろすより早く、マスカーニャはトリックフラワーでイダイナキバの脳天を爆破する。ソウブレイズも同様に、テツノコウベからテツノツツミが降りる前に"むねんのつるぎ"で斬り伏せた。それでも侵入阻止が間に合わなかった陸生パラドックスポケモン達を、ストリンダーとハカドッグが威嚇する。
観測装置を背に、ライムはパラドックスポケモンの群れを睨む。ハルトは緊張した面持ちで拳を握る。マスカーニャがシャーッ、と牙を剥いて毛を逆立てた。ソウブレイズの頭部の炎が勢いを増す。
「ハカドッグ、"じゃれつく"!!ストリンダー、"ばくおん「ラウドボーンさん、フレアソング!!」えっ」
ライムがパラドックスポケモン達に攻撃しようとした時、割り込むように壮年の男の声が届き、炎で出来た鳥がパラドックスポケモン達に突撃した。何が起きた、とライムは声の方を振り返る。 - 156二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 11:53:09
「よお、おれも一緒に戦わせてくれよ」
ス、と一昔前の不良漫画に出てきそうなリーゼントを整える仕草をした眼鏡の男が、そこにいた。
え、ツッコミ待ちか?これ。
ライムは動揺して言葉が出ない。ハルトは何故か嬉しそうな様子で。
「ネルケ!こっちの世界のネルケだ!」
「そう、おれはネルケ。そういうことにしといてくれ」
「いや誰ぇ……?」
ライムだけがついていけなかった。いや本当にどちら様?
「急にタイム先生が来たと思ったら、どういうつもりなのか外に出して貰えてな。聞けばハルト達を助けてやってほしいと言うじゃないか。世界は違えど共にスターダスト大作戦を完遂した同志、力を貸すのにそれ以上の理由は必要ないだろ?」
「ありがとう、ネルケ!ライムさん、これで百人力ですよ!!」
「すまんホントにすまん、情報量!!」
遂に頭を抱えた。ネルケの顔をどこかで見たことあるような気がするのに、脳が理解を拒否している。
ネルケが無駄に良い姿勢のまま前に出る。ラウドボーンとギャラドスが吼えた。
「さあ、ここからが本番ですよ!!」
「ヤンキーなのか紳士なのかどっちかにしろ!!」
ライムは遂に耐え切れずに突っ込んだ。 - 157二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 12:01:44
こ…ネルケ!!頼れるやつが来たな…
それはそうと原作と犠牲の違いは犠牲の場合過去、未来の両方からパラドックスがやってきてることなんだろうか
こっちのホームウェイ組が帰ってきてないことを考えると2号コライ、ミライが両方居たりして… - 158二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 13:56:41
本編ミモりんと共通の養護教師の試験再チャレするレベルのふくつのこころが悪い方向に働いた犠牲軸ミモ臨先生が「たとえトップが倒れたとしても自分一人になっても、リップちゃんに嫌われたって成功するまで何度でも繰り返してやるんだから!」って悪い方向に覚悟決まるパティーン受信してしまって俺僕私
犠牲軸メンツのふくつのこころが完全に悪い方に作用してるの好きなのよね……
あとハルトの手持ちにソウブレイズいたのか、超絶カッコいいよねソウブレイズ - 159二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 13:59:21
自レス
急いで打ったから誤字してしまった ミモりん先生や 臨やなくて
そういえば今アカデミーにボタンが向かってるわけで、仮にハルトが戦いの中で大怪我したの見てしまったらボタンちゃん発狂しそう
でもハルトはボタンに演算装置の方にいくよう促すんや……
- 160二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 14:00:55
SS犠牲軸ジニア先生の好奇心に忠実なとこ見る限り、今回の事件が収束しても責任を取るというかたちで教職を辞したあとふらっと行方をくらましたのち、ひとりで並行世界の研究つづけてそうな気が……
- 161二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 14:11:24
校ちょ……ネルケが外に出られたってことは犠牲軸レホール先生も出てきてるってことなのでは
「あ……あれが古代に生きていたポケモン……!! まさかこの目で見られるとは……!!
ウッヒョー! 好奇心が溢れんばかりだ! 変事も悪いことばかりではないな!」
「先生自重してください」
ふと思ったが、レホール先生どさくさに紛れて古代種のパラポケ捕まえる可能性
あると思います - 162二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 14:24:13
犠牲軸の面々は防護ベスト身に着けてるイメージがある
前スレで防護ベスト着てたキハダ先生のFA影響かな - 163二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 14:38:13
- 164二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 14:42:39
ただでさえパラポケの大群&ウネルミナモ大暴れでたいへんなことになってるアカデミーにさらに凶暴な2号コライが強襲してきたらウネルミナモと戦い始めてアカデミーがさらにやばいことになりそう
助けて新チャンピオンと相棒ミラコラ!……え?もし誰かが大怪我したらどうするって?うん - 165二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 14:46:19
2号はオリジナル博士をやってしまった疑惑があるし、もしそれで人の味を覚えてしまってたとしたら真っ先に人間を狙いにいくのでは
ヒェッ - 166二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 16:37:39
- 167二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 19:37:47
自分たちが始めた騒動で廃人チリちゃんが傷ついたとあれば、流石に総大将たちも止まるかな……
いや、彼女を傷つけた以上もう絶対に止まれないと思いつめてさらに突っ走るか、どっちになるか……
後者だと、もう手持ちポケモンが総大将コンビを攻撃するしか止める道が思いつかない…… - 168二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 19:43:33
その生体エネルギー、主な材料元はパラドックスポケモンだったりして…
- 169二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 20:00:56
- 170二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 20:06:02
- 171二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 20:13:02
- 172二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 21:54:05
罪も悪も飲み干して、ポラーシュターンは失墜する。
聖銀を携える幼き闘士は、誰よりも気高くあれと謳う。
去り行く英雄達に、鎮魂の歌ぞあれと。 - 173二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 21:54:54
ゴッ、と鉄鎚が振り抜かれる。雪の塊が頭上から怒涛の勢いで落ちてくる。ポピーは此方側のオモダカを真っ直ぐ睨みつけたまま、ダンッ、と床を踏み鳴らした。
「デカヌちゃん、クレベースのしたにもぐりこんで"かわらわり"!!」
これが幼子の声か?と誰かの疑問が聞こえた気がした。それ程までにドスの効いた、覇気のある声だった。何せチリもオモダカもハッサクも、ポピーがここまで激情を顕にしているのを見たことがない。
下から突き上げるように"かわらわり"を喰らったクレベースの身体が僅かに浮く。ギロリと睨み返したクレベースは、ボディプレスで反撃した。デカヌチャンはハンマーでそれを受け止める。
ポピーが不機嫌そうに舌打ちしたのをチリは聞いてしまった。このままだとポピーが本格的に不良になってしまう、とそんな場合ではない危惧を抱く。壁をよじ登って乗り込んでくるパラドックスポケモンを屋上から地上へ叩き落としながら、オモダカも頭を抱えていた。頭を抱えながらもしっかりキラフロルのテラバーストでテツノツツミを叩き潰す辺り、トップチャンピオンは伊達ではない。
「クレベース、"かみくだく"。ミガルーサ、アクアブレイク」
クレベースがデカヌチャンの胴体に噛み付く。ミシ、と嫌な音がしてデカヌチャンは悲鳴を上げかけ、しかし寸前で留まりストーンエッジでクレベースの顎を撃ち抜いた。
一方で、ミガルーサがノココッチにアクアブレイクで突進する。ノココッチはドリルライナーで迎え撃ち、ミガルーサの纏う水が弾けて飛び散った。
「ノココッチ、ドラゴンダイブ」
アオキは立て直す隙など与えないとばかりに、素早く指示を飛ばす。
尻尾を地面に叩きつけ、その反動で跳躍したノココッチがミガルーサに向かって降下する。竜のエネルギーを纏ったノココッチがミガルーサに突撃した。ミガルーサはサイコカッターで威力を殺しにかかり、僅かに減速したのを確かめるやアクアジェットで側面に回り込んでノココッチの節を貫いた。 - 174二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 21:55:58
「チッ……性格悪いな」
「貴方が言いますか」
「自分は至って平々凡々の善良な小市民だって言ってるはずだろ。こっちの自分も」
「アハ、その憎たらしいほどの太々しさも今にして思えば愛おしさすら覚えますね」
「やめろ悪寒がする」
怖い怖い怖い。言葉だけなら気さくさすら感じるやり取りのはずなのに、滲み出る棘が聞いている側の恐怖を煽る。おそらくお互いの表情のせい。歪で不自然な笑顔の此方側のオモダカに対して、眉間に皺を寄せて睨むように———というか睨みつけている———眼を細めるアオキ。ただただ怖い。チリは思わずオモダカの腕にやんわりしがみついたし、オモダカも無意識にチリのネクタイの端をキュッと掴んだ。
ノココッチがストーンエッジでミガルーサの顎を下から叩く。ミガルーサは仰け反りながらもギョロ、とノココッチを睨み、"こおりのキバ"でその尾の付け根を噛んだ。
「とっととたおれろですの!!デカヌちゃん、デカハンマー!!!!」
クレベースの顎から逃れたデカヌチャンがギン、と眼をかっ開く。大きく振りかぶって、追撃の"ゆきなだれ"を喰らいながらも怯まずクレベースに渾身の力で鉄鎚を叩きつけた。
ガゴンッ!!とクレベースの身体が岩のように撃ち飛ばされる。此方側のオモダカの真横を通り過ぎて、屋上の縁に激突した。
「……」
「こーふくしなさい、オモダカ!!いまのあなたたちがほんとうにアオキのおじちゃんたちにむねをはってかおむけできるのですか!!?」
「……出来ないでしょうね」
「わかっているなら、なんで……っ!!」
「……チリが、日に日に痩せ細っていった」
「!!」 - 175二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 21:57:19
此方側のオモダカの言葉にポピーは息を詰まらせる。安楽椅子のヴァルキュリアは、当然だが急激にではなく、徐々に変じていった。
「ハッサクは、泣くことができなくなり、拒んでいたはずの里長の地位を継ぐことを選んだ。ポピーは、子供らしく笑うことがなくなってしまった。私が至らなかったから」
「それは違います!!小生達は貴女の日記を見ましたですよ!貴女は懸命にこのパルデアの為に尽力していたではありませんか!だからこそ、小生には疑問に思えてならないのですよ。何故、傷付いた人々の為に身を粉にしてきた貴女が、この様な暴挙に!!?」
一体何が、貴女をそうさせたのだと。ハッサクは腹から声を出した。
「私が、あなた達が思うよりもずっと弱かった。ただ、それだけですよ。だから私は、愛すべきパルデアを踏み荒らし、ぶち壊した絶望すら利用して、あなた達を捻じ伏せる。この世界とあなた達の世界、二つの世界が相争う道を選んだ以上、必然、こうならざるを得ない———!!」
クエスパトラとゴーゴートがボールから飛び出す。良心と忠誠で揺らぐ苦悶の表情を浮かべたまま、此方側のオモダカの前に立つ。
「なってたまるかこのクソボケですの!!!!」
ポピーはボールからダイオウドウを出す。ズシン、と着地したダイオウドウが鼻を振り上げ威嚇した。
ゴーゴートがビルドアップを使い、攻撃力と防御力を上げる。クエスパトラがリフレクターを張り、ポピーのポケモン達が得意とする物理攻撃に備える。しかしすかさずデカヌチャンが"かわらわり"でリフレクターを粉砕し、ダイオウドウは"10まんばりき"でクエスパトラに殴りかかった。
「クエスパトラ、ルミナコリジョン」
偏光するサイコエネルギーがダイオウドウを襲う。タイプ相性によりダメージこそ半減されるものの、此方側のオモダカの狙いがダメージではないことをポピーは理解していた。ルミナコリジョンは追加効果で、相手の特防をガクッと下げてしまうのだ。 - 176二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 21:58:05
だがポピーは、それがどうしたと息を大きく吐き出した。
「ダイオウちゃん、ヘビーボンバー!!」
前脚を持ち上げ後ろ脚で立ち上がったダイオウドウが、その巨体をクエスパトラに直接叩きつける。ドシンッ、と身体ごと叩きつけられたクエスパトラは、潰れたような声を上げつつもマジカルシャインで反撃した。
その横で、ゴーゴートのウッドホーンとデカヌチャンのデカハンマーがぶつかり合う。一瞬拮抗し、ギリ、と鉄鎚と角が擦れると互いが互いを弾き飛ばした。
デカヌチャンが着地と同時にストーンエッジを放とうと、ゴーゴートが切り返すと同時にビルドアップで更に物理能力を高めようとした瞬間。
———ピシッ、ピシピシッ、バキッ。
バトルコートに亀裂が入った。床が大きく傾いたと思えば、ガゴンッ、と何かが崩れ落ちる音がした。おそらくは、リーグの壁と支柱が遂に限界を迎えたらしい。
「やっば……ッ!!」
チリは全身から血の気が引く思いがした。何せ、地面使いのチリの手持ちには空を飛べるものがいない。このままリーグが崩落すれば、空へ逃げる手段のない自分は無事では済まないと確信していた。
此方側のオモダカは歪に微笑んだまま、重力に身を委ねて崩落するバトルコート共々落下しようとしている。
「チリ!!こちらへ!!」
オモダカがチリを腕尽くで抱き寄せた。空でパラドックスポケモンとフライトチェイスをしていたキラフロルを呼び戻し、上に乗る。
ハッサクはカイリューの背に掴まる。グルーシャはチルタリスの足にしがみついた。アオキはウォーグルを出して自身の腕を掴ませる。そして、ポピーは。
「ポピー!?」
チリが慌てて手を伸ばす。ポピーは真っ直ぐ走り出して、崩れるバトルコートを突っ切って此方側のオモダカに向かって行った。
「にがすかこのヤローですの!!!!」
タンッ、と瓦礫と化した床を蹴る。空中でボールからアーマーガアとジバコイルを出して、此方側のオモダカに勢いよく飛びついた。ぐぅっ、と此方側のオモダカは想定外の腹部への衝撃に呻き声を漏らす。二人は諸共落下して、その後をアーマーガアとジバコイルが追った。
「ポピー!!ポピィイイイイイイイイ!!!!!!」
チリの絶叫が、響いた。 - 177二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 22:11:27
ポピーちゃん何回 体張れば気が済むんやああああああ!!!
- 178二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 22:52:58
あかんポピーちゃんの行動力が凄まじくてチリちゃんとオモダカさんの胃がしんでしまう…!!!
- 179二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 23:00:30
感謝ぁ…励みになるよ
文体の描写が細かいのであちこち良いシーンありすぎて抜粋一つに絞るの勿体無く感じてる
ss続きキタァ!相変わらずバトルがカッコイイけどアオキ達の剣幕にビビるオモダカさん想像したら可愛すぎて禿げる…ネクタイの端っこ握っちゃってるとか、これもう彼らが怒る理由理解してるんだろうけど怖すぎて頭が拒絶してるやん
- 180二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 01:36:38
良心と忠誠で揺らぐ苦悶の表情……
手持ちポケモンたちにとっても、望まない戦いなんだ…… - 181二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 01:47:00
- 182二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 07:14:30
犠牲軸のチリちゃんが弱っていったことが総大将が凶行に走った原因の一端っぽくて、このこと廃人チリちゃんぜったい気に病んでるだろってなった
- 183二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 17:25:13
- 184二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 19:07:16
保守
- 185二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 19:37:17
並行世界観測と演算の装置がタイムマシン理論の流用だとして、
そのタイムマシンはエリアゼロ最深部の濃厚なテラスタルエネルギーで十全に稼働できる
しかしテラスタル結晶が侵食しているとはいえ地上ではエリアゼロ最深部ほどのテラスタルエネルギーは見込めない
かといってパラドックスポケモンが跋扈するエリアゼロに装置を設置するのは危険すぎる
ではどうやって並行世界観測・移動を可能とするほどのテラスタルエネルギーを用意したのか?
その答えは、ポケモンの生体エネルギーを利用する∞エナジー(元ネタ・カロスの最終兵器)
その力でテラスタルエネルギーを増強した
なんて妄想を綴ってみたが、地上ではエリアゼロほどの濃厚なテラスタルエネルギー見込めないと思ってたけどSS読んだら大穴から放出されてたなテラスタルエネルギー……
∞エナジー×テラスタルエネルギーの掛け合わせをやってみたかっただけなんです許してつかあさい……
もしこの世界線だと、ポケモンの命を装置の燃料にしてると知っているのは、犠牲軸のトップとハッさん含めた一部の人間だけで、チリポピやアカデミーの教師たちには真相は伏せられていそう
ただ廃人チリちゃんは装置の真相について知ってる・知らない・トップとハッさんの会話の端々から薄々察してるでもどれでもおいしい
しかしこれだと大将総大将が止まれないのは、ポケモンの命を燃料にしてると知ってるからで
犠牲ポピーが引き返せたのはポケモンの命を燃料にしているなんて知らないから、なんて構図が出来上がってしまう…… - 186二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 20:04:28
チリちゃんとトップが健全に怯えたり頭を抱えたりする度に、もう犠牲軸の皆は『天真爛漫』で『良い子』な『普段』のポピーちゃんとのギャップに心配するチリちゃんも、怒りまくってるアオキさんにちょっと怯えてるお茶目なトップの姿も見れないんやなっておもうと、とても可愛……可哀想ですね(微笑)
- 187二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 20:18:51
- 188二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 20:49:14
仲良しなトップとチリちゃんが可愛いんだけどこれを見せられる犠牲軸トップの気持ちがよぉ……いや、もう見えてないか……
- 189二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 20:51:18
シリアスずっと続くとしんどい(書いてる方も読んでる方も)のでちょこちょこ笑えそうな小ネタを挟んだら地獄味が増してるの読み返して笑っちゃった字書きの顔
- 190二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 23:29:15
地獄っていうのはね……単体の地獄と、相対的な地獄があるんだよ……平和で暖かな世界があるほど、後の地獄の冷たさが肌に染みるんだ……
と言うわけで会話文だけのどこに需要があるかわからない平和な内容の小話が書けたので置いていきますね。なんて平和な日常なんだ。まぁ明後日にはジムリーダーは全滅するしチリちゃんは廃人になるんですけどね
定例会議「ふぁあ、おはよーさん……」「チリさん、おはようございます……随分と眠たげですね」
「んー、ちぃと昨晩テレビでやってた映画に夢中になってしもたわ。そういうアオキさんこそ、随分はやいんとちゃいます?いつもは『時間厳守はサラリーマンの基本です』ゆぅて、時間ぴったりに来てトップに渋い顔されてるのに」
「そのつもりだったのですが、トップに仕事を押し付けられまして……」
「いつも通りとはいえ、アオキさんも大変やなぁ。で?他のメンツはそろっとるん?」
「概ね。ただ……」
「あ、まちぃ。当てたるわ……コルサ、ナンジャモ、リップ、トップがおらん!どうや?」
「当たりです」
「なはは!せやろ!困ったわぁ。チリちゃんただでさえ属性過多やっちゅーに、名探偵属性までついたらいよいよもってパルデアに収まらなくなってまうわ!世界に羽ばたいてまう!じめんタイプつかいやのに!」
「相も変わらずよく回る口ですね……」
「お?そんなこといってええんですか?この愛嬌たっぷりな口をチリちゃんから取ったら、気のいい親しみやすいお姉さんから、伏し目が似合う物憂げではかな~い幸薄無口美少女になってまうで?アオキさんがうっかり惚れても責任取れ――」
「…telegra.ph - 191二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 23:41:47
- 192二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 23:50:20
最後の議題が不穏だな…
- 193二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 06:53:11
これ見せつけられた犠牲軸トップの側からしたら、何言われても「満たされた立場で偉そうなことを言わないでいただきたいのですが」にしかならなさそうなのが……
- 194二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 07:07:07
伏し目が似合う物憂げで儚い幸薄無口美少女 って一文がシャレにならんのよ ホントになっちゃってんのよ
廃人チリちゃんはこのありし幸福を繰り返し夢見てるイメージかな
少し目を開けるたびに、状況はどんどん悪くなって、また幸福な夢に沈んで、その繰り返し
自分でもそれはダメだと思っているのに、なかなか抜け出せない
そんな時に原作軸チリちゃんが目の前に現れたので、力を振り絞って
とんでもないことをしでかしてしまったみんなを「叱ってやって」と伝えた……
- 195二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 10:10:43
これそろそろ次か?
- 196二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 11:14:19
次のスレ立ては夕方の人がいる時間まで待った方がいいと思うな
うっかり落とさないためにも - 197二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 18:55:38
- 198二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 19:07:22
- 199二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 19:09:29
- 200二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 21:43:58
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