平子に金髪銀眼で巨乳の彼女ができたスレ5

  • 1◆tx0Ru6T/uBDO23/02/27(月) 23:35:03

    貧乏くじ野郎の平子に可愛い彼女を作って幸せにしたれというスレです

    あれだよね 平子って誰かを幸せにすることで幸せになれるタイプだよね


    前スレ

    平子に金髪銀眼で巨乳の彼女ができたスレ4|あにまん掲示板貧乏くじ野郎の平子に可愛い彼女を作って幸せにしたれというスレですちょっと幸せになってきたかもしれない前スレhttps://bbs.animanch.com/board/1496648/bbs.animanch.com
  • 2◆tx0Ru6T/uBDO23/02/27(月) 23:35:26
  • 3◆tx0Ru6T/uBDO23/02/27(月) 23:37:28

    【平子の彼女】
    名前:明日檜 棗(あすなろ なつめ)
    髪:金髪ウェーブ ロングヘア
    眼:銀
    身長:170cm台
    見た目:綺麗系のわがままボディ
    性格:甘え上手
    血筋:上流貴族(非四大貴族) キショい蔵に好かれてる
    所属:三番隊
    席:四席

    斬魄刀名:華紗波(かしゃなみ)
    解号:畝れ
    能力:ものすごく速く動ける
    強さ:斬80 拳49 走106 鬼26
    卍解:破面編後に習得(能力は後述)

    平子への好感度:157
    平子からの好感度:130(補正ナシ:100)

  • 4◆tx0Ru6T/uBDO23/02/27(月) 23:38:26

    吉良からの好感度:66
    吉良への好感度:92

    元隊長ギンからの好感度:75
    ギンへの好感度:1
    ただし三番隊には志願して入っているので元々はギンを尊敬していた模様

    隊内の評判:18
    低い理由:上級貴族だから


    歌唱力:普通に生きててこんなに音外すとかある???ってレベル
    料理:下手
    酒:下戸
    味:辛党

    【大事な物】
    銀次(ペンギンのぬいぐるみ)
    平子のタイピン
    ピンキーリング


    ●滅却師侵攻では第一次侵攻でなつ/めになる大怪我(生きてる)
    ●跡目争いのせいでたまに命狙われてる(平子との初対面もその最中)

  • 5◆tx0Ru6T/uBDO23/02/27(月) 23:39:30

    【棗の家族】

    父:桜治郎

    母:雪江


    長女:菫  天真爛漫(死神/八番隊)

    次女:日輪(ひのわ) 腹に一物あり

    三女:祭  行動力の塊


    四姉妹イメージ図

    ※菫と日輪は滅却師侵攻時に死亡

     菫は跡継ぎ候補で有力だった


    ★この四姉妹は全員がわがままボディである

  • 6◆tx0Ru6T/uBDO23/02/27(月) 23:39:58

    長男(末弟):竹雄 天真爛漫 

    見た目年齢:12歳

    一人称:ぼく

    現在霊術院生で将来は八番隊に入隊する


    イメージ図

  • 7◆tx0Ru6T/uBDO23/02/27(月) 23:40:20

    親御さん→平子の好感度
    五番隊隊長として   :100
    娘に彼氏と紹介されて :83
    ●平子に婿に入ってほしいが断られている

    姉弟→平子の好感度
    菫 :47
    日輪:94
    祭 :41
    弟 :89

    姉→平子の呼び方:平子様
    弟→平子の呼び方:兄上

  • 8◆tx0Ru6T/uBDO23/02/27(月) 23:41:14

    【家族が増える方向の話】
    初夜 :付き合い始めてから一ヶ月後
    お誘い:平子から
    場所 :浦原さんが気を利かせて手配した現世の連れ込み宿

    頻度 :週1
    主導権:9割がた棗

    将来の子供の数:4人(男女交互に2人ずつ)
    平子の虚の影響:全員にあり
    長男:直祈
    長女:桜
    次男:大我
    次女:鈴歌


    デートの頻度:月に2回(隔週)
    デートによく行く場所:
    ・現世の水族館
    ・大前田家経営の劇場
    ・浦原さんのとこ
    ・本屋さん
    ・空座町

    結婚式  :した
    結婚の時期:一護結婚から最終回までの間

  • 9◆tx0Ru6T/uBDO23/02/27(月) 23:42:12

    【その他】
    ●正式な出会いは平子が隊長復帰してから
     しかし仮面の軍勢が虚化事件で現世に行く前に暗殺されそうになったところを平子に助けられたことがあって平子に春が来るのもいいと思ったローズが再会の場をセッティング

    ●棗は一週間に68回平子に好きと伝え、平子はそれをとても嬉しいと思っている

    ●喧嘩はほぼしない
    ●同棲は結婚までしなかった

    ●棗→雛森に嫉妬心はない
    ●吉良たちと同期ではないけれど交流のある期生で先輩だった

    ●鬼道の才能はあまりなく成長も難しめ

    ●ペペのザ・ラブに逆らうことができる

  • 10◆tx0Ru6T/uBDO23/02/27(月) 23:42:35

    【卍解】
    《効果》(引用)
    卍解『渦座那美(かざなみ)』
    『明日檜 棗という存在・小世界』の超加速。
    身体の動きに留まらず、知覚・認識・思考・霊力行使なども加速される。
    このため始解と異なり加速した動きに知覚・制御が追い付かない事態は通常起きることが無く、霊力の及ぶ限りの加速と加速状態での精密な行動が可能。
    代謝機能の加速により超速再生めいた自己回復も可能


    反面、『自身という世界』の時間と『自身の外の世界』の時間の速度のズレは身体への負担となる。加速度に応じて負担も増大し卍解の維持が困難~不可能となる。肉体も損傷する。
    (実質的に始解時の『知覚・制御可能な速度』に代わる加速の上限になる。卍解の習熟により加速度は向上可能)
    また、濫用・長時間の使用は負荷が蓄積し、存在時間・寿命の短縮にも繋がり得る。

    虚化事件について当時何一つ知らない・関われないで終わったことへの後悔が遠因となって生まれた卍解。


    《デザイン》
    『渦』をモチーフにした構造物を複数展開する。
    背中~肩にかけて2基(左右・錐形)。単純な高速機動用のブースター。
    配置・サイズ自在のものが1or2基(環状)。本体、加速機。
    (※前スレ案取り込みの場合、加速機と減速機の1基ずつ)
      ↑注)スレ1のこと

    《技》
    1 春嵐
    2 桜花
    3 時雨

  • 11◆tx0Ru6T/uBDO23/02/27(月) 23:44:18

    【前回までのあらすじ】
    霊圧泥棒の人権が過去も未来もやばい

  • 12◆tx0Ru6T/uBDO23/02/27(月) 23:47:08

    平子の彼女スレ 5スレ目ありがとうございます
    保守もいっぱいしてもらって申し訳ない

    一連の流れが終わるまでまだしばらくよろしくお願いします
    反応もらえると喜んでいます

  • 13◆tx0Ru6T/uBDO23/02/28(火) 00:08:41

    予定通り宿へ行って 沐浴を済ませて 棗が詠唱破棄したマッチ程度も火の出ない赤火砲をポンポン唱えて髪を乾かしてから 平子は寝台に座って棗を手招きしました
    寝る支度を整えた棗は大人しく平子に寄っていって座っている彼の足の間に膝をつくようにしてキスをします
    その腰を掴み ぐるっと回して平子は棗を隣に座らせます

    「棗 ちょーっと真面目な話がある」
    「胸は揉まないんですか?」
    「揉み始めたら真面目な話しとォのうなるから後や」

    後で揉みます

    「そろそろオマエに真実を気づかせなあかん ショックかもしれんけど落ち着いて聞くんや」
    「はい」
    「オマエ そんなに恵まれてへん」
    「え?」
    「貴族に生まれたっちゅうのは幸運なことや 衣食住に困ったことがないっちゅうのも結構なことや
     でも何度も殺されかかってるやろ
     俺と初めて会うたときもあと何秒か遅かったらオマエは死んどった
     自分から話さへんけど 似たようなこと他にもされてんねやろ?
     オマエの『恵まれ度』はそれで大体チャラやで」

  • 14◆tx0Ru6T/uBDO23/02/28(火) 00:13:03

    棗の銀色の瞳に宇宙が見えます 「私が……恵まれて……ない……?」みたいな顔してます

    「フツーの奴は生きとるだけで殺されかかったり いつ殺されるかわかれへんて警戒しながら生活しとったりはせぇへんねん」
    「でも流魂街後半の治安の悪い地域に住む人たちはいつもそんな生活をしてますよね?」
    「だからあいつらは恵まれてへんやろ」
    「あれ?」

    平子がしているのは棗個人の話ですね
    平民は贅沢な暮らしこそできませんが 普通はどこぞの誰に生まれたという理由で命を狙われたりしません 
    「運が悪くて死にそうになる」と「殺意に晒されて死にそうになる」は違います 
    運が悪いのはその瞬間を回避すれば済むことですが 殺意は追ってくるのですから
    キショい蔵に異常に好かれているという理不尽な理由で命を狙われ続けている棗が恵まれているかと言えば微妙でしょう

  • 15◆tx0Ru6T/uBDO23/02/28(火) 00:26:51

    「エエ飯食うてエエ布団で寝られてもいつ殺されるかて一生ビビりながら暮らすのと 普通の飯と普通の布団やけど命の心配せずに暮らすのと
    どっちにするか選べって言われたら普通でも命の心配せんでええほう選ぶ奴がほとんどや」
    「私はそんなに怖がりながら暮らしていませんでしたよ」
    「すかさず話すり替えようとすんな 危険があるかないかの話や
     あァー でもそっちの話もしよか
     ホンマか? 親戚とか貴族の集まりで『この人らの誰が自分の命を狙うてるんやろ』って思たことあれへんか?」
    「ないです」
    「目ェ見て言え」
    「ないれす」
    「噛まんで言え」
    「……あります」
    「それ怖いってことやで」
    「はい」

    しょげかえる棗に平子は慌てて否定します

    「ちゃうで!? 怒ってるんやないから哀しい顔せんといて!? すまん語気強かったな!?
     せやから 自分が恵まれてるからてその分つらいこと嫌ァなこと耐えようとせぇへんでエエて言いたいねん
     霊術院やほかのどっかでも貴族やからってメッチャ言われたんやろうし これからも言われるんやろうし
    家の変な教え──あああれ親父さんに次会うたとき文句言うか──変な教えのせいで自分が我慢するべきやて思うてまうんやろうけど
    キッツいもう無理ってほどの我慢はせんでええ」

  • 16◆tx0Ru6T/uBDO23/02/28(火) 00:36:50

    棗は黙って 言われたことを心の中で反芻します
    それはどういうことでしょう?
    言われていることはわかります 意味もわかります
    しかし自分は何をどうしたら どう変えたら平子の言うことに従えるのでしょうか
    平子は棗の頭を撫で 長く柔らかい髪に指を滑らせます
    一連の流れで割りと確信していることがありました
    言っておかなければ絶対そうするという確信が

    「で ここが一番の心配や
     今回は俺のことやから俺の周りでやってくれたけど 全然関係ないことで傷ついて つらいしんどいてなっても オマエ多分俺のとこ来ぇへんやろ
     どっか知らんとこで我慢して悪い物食って体壊して 俺にはニコニコしてみせるやろって目逸らすな目逸らすな」
    「いえ それは 真子さんに関係ないことでまで ご迷惑をかけるわけにはいきませんからね」
    「迷惑やと思わんて約束するさかい 傷ついたら我慢せえへんでちゃんと俺のとこ来てや
     好きなだけ甘えさせたる 愚痴も聞いたる
     オマエが知らんとこで泣いてるのは嫌や」
    「────────」

  • 17◆tx0Ru6T/uBDO23/02/28(火) 00:56:34

    音がしました
    恋に落ちる音がコイン一枚が道に落ちる音だとしたら 千両箱を十箱くらい屋根からぶち撒けた音です

    これが棗の旦那さまです

    彼の袖を握って 深呼吸して 返事をします
    過呼吸は起こしませんよ

    「はい」
    「よし エエ子や 俺がダルいときは俺の泣き言も聞いてな」
    「何でも聞きます」
    「ほな真面目な話はおしまい」

    棗は平子の首に手を回して強く抱きしめます

    「好きです あなたがたまらなく好きです 愛してます 幸せです」
    「おおきに 俺もや」
     
    キスを交わし 予告通り平子の手が棗の胸を触ります
    やわやわ棗はそのまま揉まれていましたが ためらいがちに囁きました

    「あの そろそろ……おやすみなさい?」
    「何でや 今これ完全に始める流れやったろ」
    「そうかなって思いましたけど! でもしばらくダメって 昼間も しない代わりに一緒に寝てくれるって言ってたから」
    「言ってた 言ってたな 言ってたわァ~!
     撤回してええかな」
    「はいもちろん」

  • 18◆tx0Ru6T/uBDO23/02/28(火) 01:09:32

    ここまで
    平子はいい男だから可愛い嫁さん貰って幸せになるといいと思います

  • 19◆r3ViwV64FrmF23/02/28(火) 11:10:50

    書いたのに読み返したらなぜか消えてた誤解を招きそうな恵まれについて補足
    棗ちゃんは絶対的に恵まれてないのではなく 恵まれてはいるけど危険な目に遭うことと差し引きしたとき
    恵まれてる度が危険をなかったことにするほど(特に本人が思ってるほど)めちゃくちゃに突出してるわけではないみたいな感じです

  • 20◆tx0Ru6T/uBDO23/02/28(火) 11:11:17

    またトリップミスってる……

  • 21二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 12:07:07

    乙でした

  • 22二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 20:30:56

    今日はよく鯖落ちするな

  • 23二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 21:19:52

    ここんところはかなり頻繁に鯖落ちする 復旧も早いけど
    鯖落ち中のスレ時間切れは管理人に連絡しても復帰する場合としない場合があるんだよね……

  • 24◆tx0Ru6T/uBDO23/02/28(火) 23:27:26

    雪江さんのおっぱい

    dice1d4=1 (1)

    1 大っきい

    2 普通

    3 控えめ

    4 わがままボディ

  • 25二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 05:30:39

    おお

  • 26二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 13:37:00

    ほしゅ

  • 27二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 20:43:44

  • 28◆tx0Ru6T/uBDO23/03/01(水) 23:43:42

    規制と鯖落ちのせいで振りたいと思ったダイスがなかなか振れない


    参加

    dice1d5=1 (1)

    1 夜一

    2 大前田

    3 再び檜佐木

    4 大前田+檜佐木

    5 白哉


    +竹雄

    dice1d2=2 (2)

    1 する

    2 しない

  • 29◆tx0Ru6T/uBDO23/03/01(水) 23:53:25

    竹雄くん残念
    ところでダイス振ってから何なんですが平子や京楽が夜一をどう呼んでるかを知らないスレ主に愛の手を
    呼んだことないっけ?

  • 30二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 08:05:17

    このレスは削除されています

  • 31◆tx0Ru6T/uBDO23/03/02(木) 16:14:22

    漫画と小説をひっくり返して探して解決しました

  • 32二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 20:13:06

    よかった

  • 33二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 00:23:10

    このレスは削除されています

  • 34二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 06:41:53

    良かった
    ちなみになんて言ってた?

  • 35二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 13:12:09

  • 36◆tx0Ru6T/uBDO23/03/03(金) 17:57:41

    >>34

    京楽が夜一ちゃんで平子が夜一って呼び捨てでした

    どっちもCFYOW出典 師匠がチェックしてるから公式呼びでいいはず

    成田が偉大すぎる

  • 37◆tx0Ru6T/uBDO23/03/03(金) 23:53:36

    内容が微妙だけどこれ書かないと話が進まなかったので投稿します

  • 38◆tx0Ru6T/uBDO23/03/03(金) 23:56:00

    「マァ 処理に関しては公明正大で慈愛の権化である私に任せてくれ給え 
     何 悪いようにはしないヨ」

    ちょっと時間が戻りました
    明日檜本邸の蔵ででのことです

    「って言うで マユリ」
    「だからといってボクたちが彼女に何かするってなったら涅隊長の頭を飛び越すわけにはいかないしねえ」

    絶妙に似てると似てないの間でマユリの物真似をした平子の芸に関してはコメントをせず京楽も悩みました
    十二番隊の隊士に対して何かをするのに五番隊と八番隊の隊長が涅マユリに話を通さないのは問題です

    「桜治郎さんどう?」
    「私の立場としては 自分の家の宝を盗んだ上に罪を重ね続けている者の利になることはできないね」
    「まぁそうだよね 他に被害も出てるしね」

    京楽が暗に身内の不祥事として揉み消せないか打診してみましたが無理でした
    盗まれた物を放置するのは事情を鑑みると慈悲です
    しかしその盗品を利用して罪を犯しているのを庇ってやることまでするのは法的にも面子からもできない相談です

  • 39◆tx0Ru6T/uBDO23/03/03(金) 23:57:32

    「十二番隊以外やったら捕まえれば終わりやったのに メンドいことになったのォー」

    他の隊であれば捕縛すれば菊乃は所属の隊長の名と責任で処分が決定され 護廷十三隊から除籍
    霊圧泥棒事件は犯人不明のまま捜査打ち切り 宿紫家は宝玉を盗んだ罪で貴族籍剥奪の上で流魂街に追放といったところが妥当でしょうか
    被害者に貴族もいないのでそれより悪いことにはならないでしょう
    上のお姉さんは残念なことになるでしょうが いたしかたありません

    十二番隊になると最初の『隊長の名と責任で処分』のあたりで菊乃の人権が怪しくなるのです
    一応貴族なので本来なら無下に扱うことはできませんが どうも彼女は捕まったらまず両親からトカゲの尻尾切りをされそうな様子です
    指示されているとしても実行犯 裁きは受けなければなりませんが さすがに人権は守ってあげたほうがいいでしょう 人として

  • 40◆tx0Ru6T/uBDO23/03/03(金) 23:59:55

    桜治郎が尋ねます

    「涅隊長が菊乃に何もしない可能性は?」
    「無くはないけど 運を天に任せる感じだね……」
    「あいつ何も悪さしとらん自分とこの隊士爆弾にして織姫ちゃんたちにけしかけたことあるって噂で聞いたで」
    「それ 本当だから困るんだよ」
    「あぁ……」

    最後の悲痛なため息はずっと黙っていた雪江のものでした
    雪江はもれなく豪奢な娘たちよりも一回り小さいですが どことなく単に子供を五人も生んで少し痩せただけなのでは?といった趣のあるスタイルをしています
    本人は自分のため息がそれほど大きく響くと思っていなかったようで 視線を集めてしまいきまり悪そうにします

    「何でもありませんのよ」
    「何でもないため息じゃなかったよ さっきから雪江さんが黙ったままだったのは気になってたんだけど」

    京楽が促すと雪江は首を振ります

    「どのみち罰を受ける菊乃が哀れで」

  • 41◆tx0Ru6T/uBDO23/03/04(土) 00:04:31

    数十年前 宿紫の当主が代替わりした挨拶に『一家』で明日檜邸にやってきたときのことです
    祝いの膳を設け 女主人である雪江が従者たちにも菓子を振る舞いに彼らの休む部屋に行くと 従者たちは互いに視線を交わして何事か言いたげにしました
    菓子の他に小遣いが欲しい様子ではありません 火鉢にくべる炭も足りています
    どうしたのか訊くと とてもとても言いづらそうに車の中に一人残っている者があると彼らは言いました

    それが菊乃です 紛う方なき宿紫家の娘です
    彼女は親の言いつけで邸内に入ることを許されませんでした

    すぐ中に入れ火に当たらせ お腹を空かせているようなので食事を摂らせましたが雪江は対応に苦しみました
    性根が腐っている貴族は珍しくありませんが このような歪みは理解できません
    しかしこういうことは上からやめろと命じても解決しないことを雪江は知っています
    尸魂界に児童福祉施設はありません
    かといって「扱いが悪いみたいだから」と明日檜家で引き取るのは問題がありすぎます

  • 42◆tx0Ru6T/uBDO23/03/04(土) 00:07:55

    常駐している回道の使い手に痣を治させる以外具体的なことは何もしてやれませんでした
    その後も気になっていて 彼女が死神になってからは独り立ちできると安心していたのですが

    「まさかあの両親から逃げられずに 言われるがまま罪も犯すようになっていたなんて」

    もう蔵の中の空気がお通夜です
    平子はドン引きですし 京楽は表情が苦くなるのを止められず 棗は唇を噛んで涙目です

    「もう俺が口吸われたとか そんなことよかその子親から助けたったほうがようない……?」

    反対の意を示す者はいませんでした



    「それで儂の出番というわけじゃな!」

    そんなわけで 登場を願われたのが四楓院夜一でした

  • 43◆tx0Ru6T/uBDO23/03/04(土) 00:08:59

    ここまで
    よりによって菊乃ちゃんの所属に十二番隊を引いたダイスが悪いんだ

  • 44二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 08:31:40

    他の隊ならなあ

  • 45二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 16:12:34

    やっかいなことになった

  • 46二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 22:33:14

    ほし

  • 47二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 01:05:58

  • 48二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 07:48:42

  • 49二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 14:17:37

    -

  • 50二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 16:54:12

    このレスは削除されています

  • 51◆tx0Ru6T/uBDO23/03/05(日) 16:58:40

    またやった

    過去ダイスとバッティングしてるダイス振ったので消しました>>50

    低脳で申し訳ない

  • 52二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 00:22:21

    どんまい

  • 53◆tx0Ru6T/uBDO23/03/06(月) 00:25:18

    明日檜本邸からの帰り際 「ほな棗は貰うて行きますんで~」と平子がどさくさに紛れて了承したような返事をさせようとし
    しかしやはりその程度の小細工には引っかからなかった桜治郎に「平子隊長の決心がつくのをお待ちしております」と返されてしまった数日後です
    昼休憩にいつも通り弁当を一緒に食べたあと平子にひっついた棗が多幸感に浸っているとき 夜一は颯爽と外から直接登場しました

    「出番っちゅーか名前と場所貸してくれればええんやけどな」
    「つまらんことを言うでない どうせじゃ儂も混ぜろ」
    「混ぜろて あんまおもろい話やないやろ」
    「ご無沙汰しております夜一様」

    いきなり会話が始まった中 それでも身分的に欠かせない挨拶を棗がすると夜一は嫌そうにします

    「堅苦しい呼び方はよせと言ったはずじゃぞ 年も近い女同士じゃ気軽に呼べ」
    「それでも『夜一さん』では気が引けるのですが」
    「良いと言ったら良い 呼び捨てでも構わん ……何か言いたげじゃな平子」
    「気のせいや」
    「それにしても平子に女ができたのは聞いておったが桜治郎の娘だったとはの 随分と高嶺の花が手に入ったものじゃ」
    「そうでしょう!?」

  • 54◆tx0Ru6T/uBDO23/03/06(月) 00:33:13

    平子に言ったはずの言葉に棗が応えたので夜一は面食らいました
    棗は平子の腕を抱いて頬ずりをします

    「私のような者が真子さんを旦那さまにできるなんて幸せだと夜一さんも思いますよね!?
     本当 真子さんは優しくて 私でもいいって言ってくださって」
    「夜一 棗は俺のこと世界で一番エエ男やと思うとるさかい俺のほう下におくと話し噛み合えへんで」
    「なるほど 桜治郎の四女といえばいつ訃報が入っても誰も驚かんような娘じゃったのに変われば変わるもんじゃな」

    あと棗がモテないのも自分を指すと思わなかった一因ですね
    平子は言います

    「カワエエやろ?」
    「来たのは間違いじゃった」
    「冗談や
     で 何の用もなく来たんとちゃうやろ 何持って来たん」
    「冗談…… まあ幸せなのはいいことじゃが
     菊乃とかいう娘の情報を持ってきてやったぞ 隠密機動は早くから犯人の特定をしておったようじゃな」

  • 55◆tx0Ru6T/uBDO23/03/06(月) 00:38:08

    平子と夜一、話す言葉の活用が似てる部分ちょくちょくあって書くのが難しい
    のじゃ口調と関西弁ってちょっと似てるんだな

  • 56二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 06:24:05

  • 57二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 10:38:07

    保守

  • 58二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 20:14:09

    鯖落ちしないうちに保守

  • 59二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 00:06:44

    杞憂だったか

  • 60◆tx0Ru6T/uBDO23/03/07(火) 02:20:00

    衝撃の事実です
    隠密機動が犯人を突き止めていたなら この間 平子が予定を繰り上げて明日檜家に行ったのは一体なんだったのでしょうか

    「犯人わかっとったんかい」
    「隠密機動は無能の集団ではないぞ」
    「いつからや?」
    「3、4件目の犯行の後には突き止めていたようじゃな」
    「俺の被害よか全然前やんけ! はよ捕まえろや! とんだ給金泥棒やな!」
    「貴族で 隊士で 明日檜の秘宝を使っておったからのう
     面倒な身分じゃし後ろに桜治郎がいるのであれば下手に捕まえられんじゃろ 明日檜一門はたまにやたら過激なのがおるから不興を買うと後々に響く」
    「あ すみません……」

    夜一の分のお茶を取りに行ったついでに実家からお菓子を持ってきた棗が恐縮がります
    ここでいう実家は彼女用の館です 五番隊舎は近いのです
    彼女が皿に出したもなかを掴み 夜一は一齧りします

    「それで捕縛は保留していた というのが隠密機動の言い分じゃな」

    平子的には複雑ですね
    早く捕まえられていれば平子は被害に遭いませんでしたが 犯人はアレな感じになっていたでしょう
    被害に遭ったので それを避けさせてやることができます

  • 61◆tx0Ru6T/uBDO23/03/07(火) 02:38:26

    「ハァ……俺だいたいこういう役回りや」
    「犯人についても面白い情報を読んだ 菊乃は席なしじゃ」

    席官ではない おや? おかしいですね

    「あいつ瞬歩使ったで? ヒラにできる芸当やないやろ」
    「遠征のたびに班の『菊乃以外の誰か』が必ず目立った戦果を挙げる」
    「手柄を譲ってやっとるんか? 何でそないな真似──あー……」
    「十二番隊の会計方は本人に直接給金を渡すのを禁じられている」

    死神として身を立てられないようにされているのですね
    夜一は指に付いたもなかのカスを吹いて言います

    「こやつの親 最低じゃぞ」
    「改めて聞いても理解に苦しむわァー……どうして姉さん大事にして妹そない粗末にできんねや」
    「腐らず精進しているあたりは見どころのある娘じゃの
     ところで平子」
    「どうした?」
    「なぜそれを止めん?」

  • 62◆tx0Ru6T/uBDO23/03/07(火) 02:56:06

    目上の者の会話に割って入らない棗は話を聞きつつ平子にくっついて彼の手を膝の上に置いて握ったり自分の頬に触れさせたりしていました

    平子の指関節を甘噛みするのが棗の最近のブームなのですがそれは我慢しています


    「気になれへんやろこんなん」

    「うざいことこの上ないわ! 人が黙ってみておれば調子に乗ってイチャつき続けよって」

    「夜一がうざいて言うてるで棗 ほれ離しィ」

    「夜一さん」


    棗は真剣に言いました


    「私は真子さんが大好きで大好きで大好きでたまらなくて できるのであれば一瞬たりとも離れず触れていたくて

    この感情はどうしようもなく御しがたいのですが どこまででしたら許容範囲でしょうか」


    夜一は曰く言い難い表情で腕を組み やや悩みました


    夜一

    dice1d3=2 (2)

    1 離れろ くっつくな

    2 ……隣でくっついているのまでは許す

    3 好きなようにせい

  • 63◆tx0Ru6T/uBDO23/03/07(火) 02:57:34

    夜一がちょっと優しい

  • 64二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 08:28:09

    おつ!

  • 65二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 15:11:06

    ほす

  • 66二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 22:10:30

  • 67◆tx0Ru6T/uBDO23/03/08(水) 00:05:25

    「……隣でくっついているのまでは許す」

    褐色の肌へバシバシに突き刺さってくる『平子が好き』の気持ちに免じて夜一は譲歩しました
    乙女心には優しいのです なぜなら彼女もまた乙女だからです

    「ありがとう存じます」

    夜一の厚意に沿って棗は平子の手を離します
    夜一は呆れます

    「よくここまでぞっこんに惚れさせたもんじゃ
     平子が身を固めるらしいと聞いて意外に思っとったが これだけ惚れられてはのう」
    「こいつ冗談めかしたりもせえへんできっちり口に出すからな こっちもきっちり応えへんと落ち着かんわ
     多分喜助も俺と同じタイプやし オマエも変な意地張っとらんでさっさと……」
    「なぜ喜助の名前が出てくるんじゃ! 何の関係もなかろう!」

    わざとらしく平子は棗に耳打ちしました

    「百年以上ずーっとこれやで 棗爪の垢煎じて帰り土産に持たったり」
    「夜一さんには夜一さんの思惑があるんですよきっと」
    「喜助のほうから来て欲しいだけやろ」
    「平子……どうやら少々痛い目をみたいようじゃな……」

  • 68◆tx0Ru6T/uBDO23/03/08(水) 00:15:34

    ユラッと夜一の毛先が風と関係なく揺れたときです

    棗が腰を上げて机を迂回し 夜一の耳を囲うようにして両手で筒を作ります

    小声でこそこそと何事か囁きます


    「……………………」

    「…………………………」

    「………………………………」


    囁きます

    たまに夜一の眉がピクピクします


    「…………………………で」

    「何話してん」

    「北流魂街の一部にだけ生息する金色のカブトムシが一気に3匹獲れたと思ったら1匹クワガタだったときの話です」

    「その嘘は失敗やな ちょっと俺も聴きたい」

    「祭様が飼っているので真子さんには後日お見せします」

    「本当にいるんかい しかも祭サン飼っとるんかい」

    「わかったわかった! もういい! この話は終いじゃ! 捕り物の話をするぞ!」


    苦虫を噛み潰したような仏頂面で夜一は手を振って棗を追い払います

    平子の隣に戻った棗はすまし顔でした


    「ホンマ何話したん?」

    「殿方には内緒です」


    棗の話

    dice1d2=2 (2)

    1 経験に基づく愛する人を失った後の生活の話

    2 経験に基づくエッチな話

  • 69◆tx0Ru6T/uBDO23/03/08(水) 00:27:34

    きっと上級貴族のお嬢様にだけ通じるそっち系の話が混じってる

  • 70二次元好きの匿名さん23/03/08(水) 05:54:23

    ドスケベかな?

  • 71二次元好きの匿名さん23/03/08(水) 08:59:16

    棗ちゃんはすけべだと思う

  • 72二次元好きの匿名さん23/03/08(水) 17:29:52

    なるほど

  • 73二次元好きの匿名さん23/03/08(水) 20:34:52

    スケベじゃないよ
    興味津々なだけだよ(対象は平子に限る)

  • 74二次元好きの匿名さん23/03/09(木) 00:20:10

    ほしゅー

  • 75二次元好きの匿名さん23/03/09(木) 06:07:59

  • 76二次元好きの匿名さん23/03/09(木) 12:37:09

  • 77二次元好きの匿名さん23/03/09(木) 18:43:16

    ほしゅ

  • 78二次元好きの匿名さん23/03/09(木) 22:19:09

    あぶねえ、落ちてた

  • 79二次元好きの匿名さん23/03/09(木) 23:05:08

    経験に基づくエッチな話

    この後なに話してたか出てきますか!?
    是非!
    是非教えて夜一さん!

  • 80◆tx0Ru6T/uBDO23/03/09(木) 23:34:30

    「まったくなぜ儂が見せつけられたり小娘に妙な勧奨をされねばならんのじゃ……」

    終わりと言いつつブツブツと文句を言う夜一です
    何を話されたんでしょうね?
    概ねの内容をバラしますと棗が言ったのは××が×××××××の×××はとても×××××ですよ とか 自分の×で愛する男性が×××××を×××くれるのは×××××ですよ とか あれのときに教わるアレは使えます とかでした
    何のためにそんなことをって? ただのガールズトークですよ

    「小娘て 年が近い設定が崩れてるで」
    「やかましい!」
    「夜一さん」
    「何じゃ!」
    「今度二人でお茶をしましょう ぜひ」
    「……考えておく」
    「ホンマ何話したん……?」

    ツンデレたようになって言語外言語で「お誘いお待ちしております」と夜一が答えたので 平子には謎が深まるばかりでした 知らないほうがいいよ

  • 81◆tx0Ru6T/uBDO23/03/09(木) 23:54:28

    「今度こそ話を戻すぞ
     京楽の話では隠密機動に捕らえさせて何だかんだと理由をつけ抑留しさっさと裁判にかけてしまえ ということじゃったな」
    「裁判になったら隊のほうに身柄は戻らへん 判決が出たら自動的に除籍になる 一隊士にマユリも執着はせんやろ」
    「隠密機動のトップは今も砕蜂じゃぞ?」
    「砕蜂ちゃんは二番隊の隊長や 隠密機動はオマエでも動かせるやろ? 元々四楓院家の私物みたいなもんなんやし」
    「私物とは失礼じゃな 私情で動かしたことなど……あるにあるが」
    「あるんやないかい」
    「だから協力してやると言うておる」
    「あの いいでしょうか 考えていることがありまして」

    ちょろっと棗が意見を述べます

    「現行犯として捕縛できないでしょうか?」
    「なぜじゃ?」
    「捕縛に私が参加したいんです できれば私自身が縄をかけられるといいのですが」
    「復讐か? やるのか?」

  • 82◆tx0Ru6T/uBDO23/03/09(木) 23:57:06

    宙でパンチをする夜一に棗は両手を前に出して急いで首を振ります

    「いえいえいえ 復讐とかではなく!
     まあ……せっかく真子さんや京楽隊長が菊乃さんの扱いを穏便に ということですので 
     ならば私が捕縛するのが最良かと思います」

    最後のほうになるにつれ若干むくれた気持ちが滲んできていました
    平子が十分に可愛がって甘やかしたので精神は安定しましたが かといってやっぱり犯人を許してはいないのです

    「何でオマエが捕縛するのが最良なん?」
    「明日檜家の宝を盗み利用した罪は重いですのでそれに関しては重罰が予想されます」
    「じゃろうな」
    「犯罪者を捕縛した私が《たまたま》宝玉を盗まれた家の者であり 捕まえた流れで《たまたま》事情を聞いて哀れに思い 実行犯としての彼女の減刑を望むことは不自然ではありません
     《次期当主になるかもしれない心優しい棗お嬢様》の希望は裁判では明日檜家の意向と同等に聞き入れられるでしょう」
    「それで親父さん大丈夫か?」
    「お父様は私が真子さんのために働くことくらいは見越してらっしゃるでしょうに何もするなとおっしゃいませんでした
     お母様も哀れんでいますので そうしても良いということだと思います」

  • 83◆tx0Ru6T/uBDO23/03/10(金) 00:04:54

    許してはいませんが 科されるであろう重罰よりも減刑を望んでいるのは嘘ではありません
    平子はわしわしわしわしと棗の頭を撫でました
    髪が乱れますが 棗は平子の手が自分に触れるのはどこであれ大歓迎なので微笑します

    「実は似たようなことを儂も考えていた
     京楽が減刑してあげたいんだけどなどと言うし まあ同情には値するからの
     減刑を頼んでやるなら儂らくらいの者が言わんと相手にされん」

    京楽自身は隊長としての立場があるのでタッチできません
    夜一は当主から外れ政治的影響力は薄らいでいますが 夜一が望むことは100%現当主の夕四郎が四楓院家の名前で通します

    「さて ひと騒ぎといくかの」

    夜一は悪そうに笑いました

  • 84◆tx0Ru6T/uBDO23/03/10(金) 00:11:18

    保守感謝です

    夜一から引き出されるガチなガールズトークは聞いてみたい


    >>79

    閲覧注意ついてないので伏せ字にしときました

  • 85二次元好きの匿名さん23/03/10(金) 08:31:17

    夜一さんやさしい

  • 86二次元好きの匿名さん23/03/10(金) 18:12:21

    ほーしゅー

  • 87二次元好きの匿名さん23/03/10(金) 23:14:17

    保守

    棗ちゃんの活躍、楽しみにしてます
    事件が落ち着いたら、お互いの隊での日常などあると嬉しいです

  • 88二次元好きの匿名さん23/03/11(土) 07:30:52

  • 89二次元好きの匿名さん23/03/11(土) 12:25:19

    おつ

  • 90二次元好きの匿名さん23/03/11(土) 18:17:54

    保守おつ

  • 91◆tx0Ru6T/uBDO23/03/11(土) 18:29:25

    菊乃は隊舎ではなく家族のいる宿紫の家から出退勤しています
    配属当初 彼女は他の平隊員と同様に寮に入ることを希望しましたが叶わなかったようです
    隠密機動の隊員から 姉の容態が昼頃から悪化し始めたので今夜あたりに動きがありそうだと連絡が入り 棗は退勤後に夜一と合流して宿紫家からさほど離れない場所で待機し続報を待ちます
    その彼女から『これから捕縛になりそうです』との通話を平子は自分の隊首室で受けました

    「ホンマに俺行かんで大丈夫か?」
    『大丈夫ですよ 私これでも三番隊の四席ですよ?』

    暴れる者を取り押さえるのは倒すよりもずっと難しいことです
    棗を弱いとは思っていませんし 菊乃が実力を隠しているとしても四席ほどであるとも思えませんが心配です

    「危ない思うたら無理せんで夜一に任しとき」

    夜一の心配はビタ一文していません 元隊長である彼女がどうにかなるわけもないので

  • 92◆tx0Ru6T/uBDO23/03/11(土) 18:32:55

    結局イメージですね 
    平子は隊の違う棗が戦っているところを訓練ですら見たことがなく バシッと犯人を圧倒して取り押さえる想像ができないのです
    普段見せている振る舞いがあれですし
    それに 恋人を心配するのに理屈は要らないでしょう

    『はい でも本当に大丈夫です 先日卍解も習得しましたし』
    「は? 今なんて言うた?」
    『あ ごめんなさい! 夜一さんが移動すると
     終わったらまた連絡しますね! 真子さん愛してます!』
    「待て棗 切んな……切れた
     あいつ卍解って言いよったよな?」

    平子は通話終了ボタンを押しつつ独り呟きます
    聞き間違いかもしれません 
    卍解は習得するだけで歴史に名前が残るものです
    話のついでにさらっと習得の報告をするものではないでしょう

    「でも棗やしな……」

    でも棗ですからねぇ

  • 93二次元好きの匿名さん23/03/12(日) 00:03:45

  • 94◆tx0Ru6T/uBDO23/03/12(日) 02:58:01

    平子の声を届けてくれた伝令神機に深い感謝を捧げながら 先に移動を始めていた夜一に棗は追いつきました
    最後に平子の画像を映した画面を見てからしまいます
    愛してます! だけ聞こえた夜一が眉を寄せました

    「おぬし 平子が好き過ぎやせんか?」
    「過ぎはしませんよ きっとこれからももっともっと好きになります」
    「あやつのどこがそんなにいいんじゃ? いやあやつのことやおぬしの趣味を侮辱しているのではないんじゃが」
    「ぜ」
    「全部とか優しいとかではなしに」

    表現を二種類封じられた棗は「他の方にわかりやすいのは見た目でしょうか」と答えました

    「見た目……」
    「あと真子さん良い香りもします もちろんそれ一番でもすべてでもないですよ!
     わかりやすいのがそれかなと」
    「むしろわかりにくかったな 他には?」
    「私は面倒な女なのに それでも投げ出すのはあまりにも不憫だと思ってくださるところ
     私のズレている感覚を受け止めた上で真摯にそうと指摘してくださるところ
     私の手からこぼれたものを拾って こぼれ落ちそうなものを支えて こぼれ落ちても仕方ないと諦めようとする私に手放さなくてい 持っていていいと言ってくださるところ」

  • 95◆tx0Ru6T/uBDO23/03/12(日) 03:15:11

    指を折ることもなくどんどん出てきます

    「私を嫁と呼んで 私が旦那さまと呼ぶのを許してくださるところもですね
     恋人を夫婦の関係で呼ぶのは少しイタイ感じもするじゃないですか」
    「それはわかるんじゃな」
    「でもそうすると私が安全になるから 多少浮かれた奴だと思われてもいいって思ってしてくださってるんです」
    「ふむ……」
    「躊躇いはしたようなんですけど 私を抱いてくださったところも」

    ピクッと夜一の肩が動きます

    「お 男なら当然の欲望じゃろ しかしおぬしほどの令嬢が相手なら結婚まで待つのが分別ではないか?」
    「真子さんは分別のある方ですよ 『絶対に手放さない』と伝えてくださったんです
     待つとも言ってくださったので 実際にしたのは私がすぐにしたいと応えたからです」
    「すぐにしたいと 言ったのか?」
    「はい したかったですから 正直に」
    「……はしたないとは思わなかったのか?」

    ふっと棗の表情に虚無がひと刷きされます

  • 96◆tx0Ru6T/uBDO23/03/12(日) 03:26:33

    「真子さんがまたどこかへ行ってしまわない保証はありません
     だから いつでもどんな瞬間も全身全霊で愛したいですし 真子さんが私に求めるものならなんでも差し上げます
     逆に必要なら尊厳とかも全然捨てます
     真子さんの命と引き換えになるなら汚れた靴でも舐めますし 真子さん以外の男性に抱かれるのは本来死んでも嫌ですが余裕で我慢します」
    「そこまで重いと 相手の負担になるとは思わんのか?」

    何か自分の中に思うものがある様子で夜一が尋ねると棗はペカーッと明るくなりました

    「思いません」
    「言い切ったの」
    「以前他の方にも同じことを言われて『重いですか? 迷惑ですか?』と聞いたことがあるので
     お返事は『重いは重いんやろうけど 俺はカワエエとしか思えへんなー』でした」
    「あやつはあやつでおぬしにべた惚れしておるんじゃな……」

  • 97◆tx0Ru6T/uBDO23/03/12(日) 03:42:34

    「夜一さんは ご自分の愛が浦原さんに負担だと思われるんですか?」
    「だからなぜ喜助が出てくる!」
    「お二人とも私の恩人ですので 協力できることがあればしたいです」
    「大きくて余計なお世話じゃ!」

    棗は力強く言います

    「愛する男性と心を通わせながら交わるのは気持ちいいですよ」
    「想像がつくようなことを何度も言わんでいい!」
    「想像の四倍以上です 多幸感は危険を感じるほどです」
    「……そんなにか?」
    「そんなにですね
     人の脳はこんなレベルまで幸福を感じることができるのかと毎回びっくりします」
    「………………」
    「好きな人と愛し合うのが嫌なんですか?」
    「そうは言うておらん」

    夜一が口を尖らせ気味にしつつ否定したので棗は続けてよさげだと判断します

    「ではなぜそんなに拒否なさるんです?」
    「おぬしには理解できまい」
    「聞いてみなければわかりませんよ」

    菊乃の様子が本格的に怪しくなるまで二人は移動しながらずっとそんな話をしていました

  • 98◆tx0Ru6T/uBDO23/03/12(日) 03:45:06

    ダイス振って選択肢出してるとこのスレで終わりそうにないのでもうそのまま行きます


    >>87

    レスが余ったらお応えするかも

  • 99二次元好きの匿名さん23/03/12(日) 12:45:02

    乙した

  • 100二次元好きの匿名さん23/03/12(日) 22:47:38

  • 101◆tx0Ru6T/uBDO23/03/12(日) 23:34:40

    「────ということなのじゃ まったくあやつときたら」
    「それは確かにあんまりですねぇ」

    夜一の愚痴に棗はうんうん頷きます
    女二人が一緒に移動している最中にする話としては極々自然な会話でした
    他の家屋の陰に隠れるようにしながらの移動でなければ完璧でした

    「どうせ気でも遣っておるつもりなんじゃろう」
    「そこで気を遣われるのはぞんざいにされるよりも嫌ですよ」
    「わかっておるな そういうことじゃ」

    そこで面頬をした男がやってきて このあたり一帯で最も霊圧の高い者を標的として定めたようだと報告します
    二人は雑談をやめ 霊圧を閉じて菊乃に接近しました
    被害者になるであろう男も確認します
    その男が商店街から抜けるか 横の小路に入ったところを襲うつもりでしょう

    「では 打ち合わせの通りに」

    ターゲットにされた男が被害に遭うまで見ていることはできません 倫理的に
    ですので 犯行が言い訳できなくなるギリギリまで待ち より速い夜一が被害者を抱えて遠ざかり 棗が菊乃を取り押さえる予定です

  • 102◆tx0Ru6T/uBDO23/03/12(日) 23:40:13

    菊乃が瞬歩で逃げようと棗の足には敵わないはずですが 万一取り逃したら夜一に追ってもらうことになります
    それはなかなかに恥ずかしい事態なので棗は気合いを入れ直し 斜めがけにして固定した背負い袋からスムーズに縄と枷が取り出せることを試しました

    「気をつけろ 外套の下に武器を持っておるかもしれんからの」
    「はい」

    家からの通いでは通常斬魄刀は隊舎に置いて帰宅するもので 菊乃も例外ではありません
    しかし何かしらの武器は携帯しているとみたほうがよいでしょう

    何人もの目に見張られていることも知らずに 菊乃は商店街から離れていく男にじりじりと近づいて行きます
    そして 「もし」と声をかけ振り向きかけた男の腕を掴んだ瞬間 夜一と棗は同時に地を蹴ります

    「くっ……!」
    「うわあああっ!?」

    腕を棗に蹴り上げられた菊乃は苦悶の声を上げ 夜一に担ぐようにしてさらわれた男は何が起こったのかわからず野太い声で悲鳴を上げました
    腕を押さえて後ろへ跳躍した菊乃をほとんど同じスピードで追った棗は足を払って転ばせます
    路に付いた手を軸に体を翻し 受け身を取って路を転がる菊乃の背中を踏もうとする棗でしたが菊乃は短刀を抜いて棗の足を切りつけ──

  • 103◆tx0Ru6T/uBDO23/03/12(日) 23:51:37

    ──ようとし 勢いよく見当違いの方へ向かって刃を振ります

    「っ!?」

    困惑と混乱に満ちた表情で体を揺らしつつひゅんひゅんと何度か空振りし 菊乃は自身の腕を切り裂きました

    「あかん 怪我させてもうた」
    「真子さん」

    いつの間にか屋根の上にいて抜刀していた平子に向かって 刃が届かない高さで霊子の足場を作って立っていた棗は両手を上げます

    「俺のことは気にせんではよ捕縛せえ」
    「はい」

    棗は菊乃が取り落とした短刀を蹴って遠ざけ まともに動けないでいる彼女の手首を掴んで捻りあげ枷をつけます
    路に倒し縄で両足を縛ったあと 納刀して降りてきた平子に抱きつきました

    「心配して来てくださったんですか? 大丈夫でしたのに」
    「オマエが気になりすぎること言うからや
     色々聞きたいんやけど 先に手当したったり」
    「そうですね 回道の得意な方 いますか?」

  • 104◆tx0Ru6T/uBDO23/03/12(日) 23:58:52

    近くに隠れているはずの隠密機動に声をかけますが返事がありません
    戻ってきた夜一が命じます

    「治してやれ」

    すると一人姿を現して 観念して動かない菊乃の血だらけの腕に手を翳しました
    平子が申し訳なさそうに彼女に言います

    「ごめんなァ 自分の嫁さんに刃ァ向けられて何もせえへんのは無理やってん」
    「真子さん♡」
    「自分で避けとったから余計な怪我させてもうた……」

    夜一がニヤニヤします

    「だから来なくていいと言われておったじゃろうに 可愛くて仕方ないようじゃの」
    「やかまし メッチャ可愛いわ」

  • 105◆tx0Ru6T/uBDO23/03/13(月) 00:00:40

    ここまで
    たぶん棗ちゃんは夜一さんと友達になりたい

  • 106二次元好きの匿名さん23/03/13(月) 04:27:22

    おつ

  • 107二次元好きの匿名さん23/03/13(月) 11:48:42

    友達になろうじゃないか?

  • 108二次元好きの匿名さん23/03/13(月) 20:43:35

    のろけかわいい

  • 109二次元好きの匿名さん23/03/14(火) 02:25:56

    保守

  • 110二次元好きの匿名さん23/03/14(火) 12:39:22

    保守

  • 111二次元好きの匿名さん23/03/14(火) 16:39:49

    ほす

  • 112二次元好きの匿名さん23/03/14(火) 21:43:46

  • 113◆tx0Ru6T/uBDO23/03/14(火) 22:14:21

    確定申告してたら書く時間がなくなってしまいました
    せめて2日に1回は投稿したかったんですがすみません

  • 114二次元好きの匿名さん23/03/15(水) 06:49:23

    ええんやで

  • 115二次元好きの匿名さん23/03/15(水) 12:05:37

    ほっしゅ

  • 116二次元好きの匿名さん23/03/15(水) 23:10:04

    いちゃいちゃかわいい

  • 117◆tx0Ru6T/uBDO23/03/15(水) 23:59:12

    砕蜂です
    何がって 人目につかないよう隠密機動の極秘の詰め所に菊乃を連行してすぐ 
    夜一が隠密機動を動かしたと聞いて音速(あまり比喩にならない)でぶっ飛んできたのがです

    「選んだつもりじゃったが どうやら儂よりも砕蜂への忠誠心が高い者がおったようじゃの」

    そう言う夜一はどこか嬉しそうでした

    「夜一様!? なぜ私には何も言ってくださらなかったのです!?」
    「あーあー 騒ぐでない 大したことではないのじゃ」

    この場にいると少しはまずい平子は変装というほどではありませんが 細身が映える私服に着替え タイをつけず恋次のように頭に手拭いを巻いています
    普段の羽織姿とは印象がガラリと代わり シルエットも一致しないので顔をよく見なければ誰も平子だとは気づかないでしょう
    その顔を砕蜂に見られないよう 不自然じゃない角度で夜一に詰め寄る彼女に背を向け 顔を見られてもいい棗と向き合って話をします

  • 118◆tx0Ru6T/uBDO23/03/16(木) 00:05:57

    「砕蜂隊長 納得してくださるでしょうか」
    「夜一が譲らへんかったら折れるやろ
     それよか棗」
    「はい」
    「聞きたいことあんねん」
    「はい」
    「心配やったというより……いや心配もあるんやけど つい出てきてもうたのそっちが気になりすぎてん」
    「そうでしたか」
    「オマエ 卍解習得したて言うた?」
    「卍解を習得したと言いました」
    「ホンマに習得したん?」
    「本当に習得しました」
    「いつ?」
    「二週間くらい前です」
    「それから俺に逢った回数なんぼや?」
    「18回です」

    1日に2回逢うこともあります

    「なんで言わへんの?」
    「鳳橋隊長に『奥の手として大事な手段だからあまり言いふらさないようにね』と命じられましたので」
    「ローズには言うたの?」
    「はい」
    「なんで?」
    「私は三番隊ですので 隊長へは報告の義務があるかと」
    「まァ……筋は通っとるけど……それでさっきになってから言うたのはなんでなん」
    「鳳橋隊長には『必要があれば真子には言っていいよ』とも仰せつかっていたからです」
    「必要?」
    「罪人を一人捕まえるくらい ご心配には及びませんと安心していただく必要が」
    「そのくらいの軽さで言うてええならもっと早う言うて欲しかったわァ!」

  • 119◆tx0Ru6T/uBDO23/03/16(木) 00:13:40

    まだ砕蜂と夜一はやいのやいのやっています


    「どないな能力やった?」

    「それは秘密です」

    「ローズは?」

    「隊長には報告しました」

    「いけずせんといて教え」

    「私も真子さんの卍解を知りませんし」

    「俺の教えたら教えるか?」

    「はい」

    「んー……どうしよ」


    「ではなぜ明日檜四席には言えるのですか!」


    砕蜂の矛先が二人に向いてきました

    平子はうっかり振り返りそうになったのを止めます

    夜一はもう超メンドイのを隠さず手をパタパタ振ります


    「棗はたまたま一緒におっただけじゃ」

    「罪人を囚えるのに明日檜四席が一緒にいるのがたまたまですか?」

    「そういうこともあるじゃろう」

    「失礼ながら 夜一様と明日檜四席はそれほど親交が深くなかったように記憶していますが」


    夜一

    dice1d2=2 (2)

    1 友人になったばかりじゃからの

    2 友人の娘じゃぞ

  • 120◆tx0Ru6T/uBDO23/03/16(木) 00:14:40

    夜一さんからの友達認定なし!

  • 121二次元好きの匿名さん23/03/16(木) 00:53:58

    あなたと私は友達じゃないけど、あなたの親と私は友達〜♪

  • 122二次元好きの匿名さん23/03/16(木) 08:52:05

  • 123二次元好きの匿名さん23/03/16(木) 20:13:37

    保守

  • 124二次元好きの匿名さん23/03/16(木) 22:27:34

    「棗は友人の娘じゃぞ 会えば話をすることもある」

    『友人の娘』表現に寂寥感が漂う棗です
    いや夜一と友達になれたと思っていたわけではないのですけどね
    棗が他人との友好度を上げにくいのは環境と環境によって負ったトラウマのせいなのですが 事情を承知してくれるような一定以上の年齢の者にとって彼女は明日檜桜治郎の娘です
    父の友人 友人の娘 なかなか対等にはなれません
    棗にとって『友人の娘』はつらみのある言葉でした

    で このどうしようもないのを何とかできるようにしてやろうと傍にいさせることを決めたのが彼女の旦那さまです 平子真子っていいます
    平子は僅かに項垂れた棗の頭を撫でます

    「あとで『私とも友達になってください』って言ィ
     あいつ嫌とは言えへんから」
    「はい お願いしてみます 頑張ります」

    これ以上なく適切なアドバイスに棗が頷いたとき 砕蜂の声が悲嘆に暮れて尖ります

    「五番隊に聞かせられる話をどうして私が聞けないのです?」
    「五番隊? 何のことじゃ?」

    平子がびくりとし 夜一はとぼけようとしました

  • 125二次元好きの匿名さん23/03/16(木) 22:31:18

    「鳳橋でも吉良でもないのに明日檜四席が手を握る男が平子真子以外の誰だと!」
    「ハァ!? オマエローズや吉良の手ェ握るん!?」
    「流言の流布に強く抗議します! 
     私は救助活動等やむを得ない事態に遭遇した場合もしくは挨拶程度の握手を除き真子さん以外の男性の手は握りません!」
    「やはり平子真子ではないか!」

    カマかけに見事に引っかかり棗は顔を覆います

    「あなや」
    「こら かわいこぶってもあかんぞ」
    「いや 今のは両方じゃろ 
     人が誤魔化しておるのになぜ手なんぞ握っておるんじゃ」

    腕を組み眉間皺を寄せる夜一に 棗はお腹の前で両手を組み合わせるように握ります

    「夜一さんに父だけでなく私ともお友達になっていただきたくて」
    「うむ ……うん?」
    「だめでしょうか?」
    「それは構わんが 儂と友になりたくて平子の手を握っておったのか?」
    「はい」
    「???」

    まあ 夜一からすると意味がわかりませんね
    しかしなぜかと聞かれ 棗が正直に答えるとそうなります
    内情を説明しだすと長くなるので 平子は棚上げすることにしました

  • 126二次元好きの匿名さん23/03/16(木) 22:44:26

    「こっちでは一応繋がってるんや 勘弁したってくれ
     友達になるのがええなら何でそうなったんか話す機会もあるやろ 今度にしよ」
    「明日檜家の者の結論だけ先に言うくせは何とかならんのか」

    なりません
    戦時の報告とかだといいんですけどね 結論から言うって

    「それは俺も思う」
    「すみません」
    「もうよい 面倒じゃ 砕蜂にはおぬしらから話せ」

    平子のことなんかよりも『夜一様と友人……明日檜家の子女ならば釣り合うか……』となっていた砕蜂に夜一は言います

    「砕蜂 この件は他言無用じゃぞ」
    「はっ 夜一様が黙っていろと言うのであれば墓場まで秘して持ってゆきます」

    えー俺が話すん?と納得のいかない平子でしたが キッと睨みつけるように見上げてくる砕蜂と 『私が話しても構いませんよ』と窺ってくる棗の両方を見て
    棗に話させて不安になりながら横で聞いているより都合のいい部分だけ自分で話したほうがマシやなと思い直しました

  • 127◆tx0Ru6T/uBDO23/03/16(木) 22:53:10

    トリップつけてなかった
    まあ別にいいか
    菊乃ちゃんはこの間縛られたまま放置されてて姉ちゃんの霊圧が消えそうなのにビクビクしてます

  • 128二次元好きの匿名さん23/03/17(金) 00:46:10

    何も悪くないのに苦労してる平子

  • 129二次元好きの匿名さん23/03/17(金) 05:17:00

    まあいいでしょう

  • 130二次元好きの匿名さん23/03/17(金) 08:13:46

    おつ

  • 131二次元好きの匿名さん23/03/17(金) 15:33:48

    保守

  • 132二次元好きの匿名さん23/03/17(金) 22:58:06

    otu

  • 133◆tx0Ru6T/uBDO23/03/18(土) 02:50:01

    「ふん」

    これまでの経緯を聞いた砕蜂は小さく鼻を鳴らしました
    確かに隊士の捕縛の報が入ったら砕蜂は十二番隊に連絡をしたでしょう それが筋というものだからです
    ですからそれを避けようとしたら砕蜂がハブにされるのは仕方のないことです
    夜一が自分に何も言わず人員を動かしたことは納得できました
    しかし夜一様に話して貰えればいくらでも協力したのに……! という思いもあります

    「事情は理解した」
    「そんなら良かった」
    「それはそれとして夜一様の手を煩わせたことは不快だ」
    「こいつもメンドい奴や……」
    「しかし夜一様が是と仰るなら私は何も言うまい」

    砕蜂は縛られている菊乃に哀れみの入った視線を向けます
    職分が全く違うとはいえ下級貴族出身 中途半端な身分での生きにくさについては知っています
    貴族は親子間の上下関係がはっきりしていて そうそう親には逆らえません
    逃げることも難しいです 菊乃のような場合 着の身着のまま逐電しても追っ手を差し向けられますからね

  • 134◆tx0Ru6T/uBDO23/03/18(土) 02:56:11

    同時に話を聞いていた菊乃はまるで怯えてでもいるかのように青ざめていました
    隊長や主家のお嬢様が何人も自分に気を遣ってくれていて もっと喜んでもいいはずですが
    棗は息が上がって苦しそうにしている彼女に黙って寄っていって噛ませてある猿轡を外しました
    目線を合わせます

    「なつめおじょうさま」
    「あのね あなたが襲った一人は平子真子様なの」
    「存じております……あとから気づきました」
    「真子さんは私の旦那さまになる方なのよ」
    「……もうしわけありません……」
    「よし いいでしょう 許してあげる」

    そう言って枷のほうも外し 菊乃の頭を撫でました

    「あなたもつらかったでしょう」
    「……なぜこんなによくしていただけるのでしょうか わたしは咎人なのに」
    「真子さんたち皆さまが優しいからよ 感謝しなさい」
    「優しいとかより人として当たり前な部分がでかいわ さすがにマユリが隊士実験に使うアホやなかったらほっといたしな」

    ある意味では十二番隊で良かったと言えなくもないかもしれません

  • 135◆tx0Ru6T/uBDO23/03/18(土) 03:18:30

    「宝玉は?」
    「ここに」

    軽く着物の合わせを引っ張ると オレンジ色の宝玉が鎖骨の窪みの上に嵌まっていました
    石座になる金属ごと体に直接食い込んでいます 
    もちろん周囲の肉は爛れています 
    全員グロいものは見慣れていますが そこにそれがあることの醜悪さも伴って引きます

    「うわァ痛そ 外せるんかこれ」
    「はァ……私が外せると思います」
    「回道でけへんやろ? どないすんの?」
    「私 あの蔵の中のもの全般に好かれているので……」

    触るだけで棗のほうに来るでしょう

    「あの蔵にとってオマエて何なんや」
    「わかりません 只管キショいです」
    「異様に犬や猫に好かれる奴みたァなもんやろか」

    斬魄刀のように特殊な能力を持っている宝には誰にも気づかれないだけで意思があるのかもしれません
    それらを従えられる棗を嫁に出すのはそりゃあ一族から厭われるでしょう
    まあでも平子の知ったこっちゃないです

  • 136◆tx0Ru6T/uBDO23/03/18(土) 03:21:03

    棗の目の前に砕蜂が液体の入った小瓶を差し出しました

    「麻酔薬だ その様子では取り出すのにも痛むだろう
     通常注射して使うがこれだけ傷口が露出していれば直接塗布しても効く 使え」
    「ありがとうございます」

    棗が受け取る横で平子が砕蜂に目を向けています

    「何だその目は」
    「砕蜂 意外と優しいとこあるでなァて」
    「黙れ」
    「皮肉やないで?」
    「尚更黙れ」

  • 137◆tx0Ru6T/uBDO23/03/18(土) 03:21:55

    ご挨拶編ようやく終われそう

  • 138二次元好きの匿名さん23/03/18(土) 08:51:27

    おつ

  • 139二次元好きの匿名さん23/03/18(土) 12:07:41

    乙です
    やさしいせかい

  • 140二次元好きの匿名さん23/03/18(土) 21:44:19

    やさいせいかつ

  • 141二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 00:04:01

    めでたしめでたし?

  • 142◆tx0Ru6T/uBDO23/03/19(日) 02:00:03

    平子 棗の

    dice1d2=2 (2)

    1 喋り方が気になる

    2 卍解が気になる


    菊乃

    dice1d2=1 (1)

    1 京楽家の使用人になる

    2 四楓院家の護衛になる

  • 143◆tx0Ru6T/uBDO23/03/19(日) 02:05:53

    棗 余計なことを

    dice1d2=1 (1)

    1 思いつく

    2 思いつかない

  • 144◆tx0Ru6T/uBDO23/03/19(日) 02:06:23

    余計なこと思いついちゃったか……

  • 145二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 03:51:15

    余計なこととは

  • 146二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 08:23:37

    おつ

  • 147二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 12:54:45

    保守

  • 148二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 17:56:16

  • 149二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 22:28:31

    あっぶね鯖落ちてた

  • 150◆tx0Ru6T/uBDO23/03/20(月) 00:07:33

    ブチブチ音をさせながら半刻かけて宝玉は菊乃の胸から除去されました
    埋まっていたその場所は大きな窪みになり 手当てをした者に言わせると傷が塞がっても跡やへこみは残るだろうとのことです
    真央施薬院や四番隊の卯ノ花にかかればそれも綺麗にできるのでしょうが そこまではしてやれません
    血だらけの服を替えるために菊乃を脱がせると(平子は後ろを向きました) 彼女はアバラや背骨の一つ一つが数えられるほど痩せていました

    元から痩せている菊乃でしたが宝玉が効果を発揮する度に酷くなる痛みと 命の一部とも言える霊圧を奪う罪悪感によるストレスからほとんど何も食べられなくなっていたのです
    棗は財布から一枚の紙を取り出し 墨と筆を借りて書き込みをしてから自分の指にも墨を塗って拇印を捺します
    それを留置中の管理を夜一からの委託のもと行う砕蜂に渡しました

    「これを明日檜か朽木系列の金融商へ持っていけば40万環まで引き出せますので
    裁判が終わるまでのあいだ彼女に滋養のある食事と清潔な服と柔らかな寝床を用意してあげてください こっそり」

  • 151◆tx0Ru6T/uBDO23/03/20(月) 00:10:02

    「そこまでしてやるのか? 明日檜家は被害者だろう?」
    「宿紫家の ですね
     彼女個人にしてやれることがなかったのをお母様が気にしていました
     足りた環境を整えるのに我が家からお金が出ていれば気が休まるでしょう」
    「そうか そういうことなら使わせていただこう
     表立って厚遇はできないが必要なものは用意する」

    包帯を巻いた上に新しい着物を着た菊乃は床に頭を擦り付けて平伏します

    「ありがとうございます 言われるがまま罪を犯すばかりであった私などにそこまで……
     皆さまのご厚意には言葉もありません このご恩は一生忘れません 
     一体どう報いればいいのか……」
    「せや 京楽サンが放免されたらうちおいでって言うてたで ちょうど別邸で辞める者おるから使用人でよければ雇ったるて
     熱心に奉公したらええわ」

    元より下級貴族の次男次女以降の者にとって上級貴族に仕えるのは無難な就職先です
    死神として得たものが役に立つことは少なくなりますが 無駄にはならないでしょう
    菊乃は堪えきれない涙を流しました

    「ありがとうございます……!」

  • 152◆tx0Ru6T/uBDO23/03/20(月) 00:24:10

    解散してからいつもの店の個室で平子と棗は二人で乾杯しました
    棗はジュースですが

    「裁判が実際どないなるかわかれへんけど これでほぼ一件落着やな」
    「胸のつかえが取れました」
    「許されへんて言うてたのに随分あっさり許したやん」
    「目の前で謝罪の言葉を聞けば許せます」
    「そうか」

    棗は自分が許せないことに苦しんでもいたので それがなくなったのもよかったですね

    「霊圧泥棒事件 檜佐木副隊長が広く取材して回っていましたよね
     記事にできないとは思いますが教えて差し上げましょうか?」
    「せやなァ あいつ口固そうやし 教えたろか
     ニュース記事にできんでも面白おかしいネタ記事に変えて紙面埋めるのもええやろ
     ところで棗」
    「ふぁい」
    「なんで最近俺の指噛むん?」

  • 153◆tx0Ru6T/uBDO23/03/20(月) 00:28:22

    細い人差し指の第二関節を横からそっと噛んでいた棗は首を傾げます


    「痛いですか?」

    「痛ないけど 意味がわかれへんねや」

    「意味はありません」

    「ないんか」

    「ないです

     しいて言えば真子さんをわああってしてしまいたい気持ちが落ち着きます」

    「結構意味ありそうやん 止めたら俺はどうされるんや」

    「私が我慢しなければわああってされます」

    「その『わああ』て飯屋でして大丈夫なことか?」

    「だめだと思います」

    「よし 噛んどき」


    お墨付きを得た棗は平子の手を両手で握って指先にキスをします


    「好きです」

    「好きなら卍解の能力くらい教え」

    「そんなに知りたいですか?」

    「なんでローズが知ってるオマエのこと俺が知られへんねん」

    「……もしかして嫉妬してくれてるんですか?」


    嫉妬

    dice1d2=1 (1)

    1 してる

    2 してない

  • 154◆tx0Ru6T/uBDO23/03/20(月) 00:30:01

    次で終わるかもしれないし 終わらないかもしれない

  • 155二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 06:48:02

    おつ

  • 156二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 16:23:11

    嫉妬するのか
    かわいい

  • 157二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:28:52

    このスレと平子好きスレいつも同じレス数

  • 158二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 00:34:18

    >>157

    つまりどういうことだ?

  • 159二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 08:34:51

  • 160二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 12:35:15

  • 161二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 21:15:10

  • 162二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 23:09:49

    ほしゅ

  • 163◆tx0Ru6T/uBDO23/03/22(水) 00:27:21

    平子は指で棗のほっぺたを押します

    「せーやでェ~ 誰も知れへんのやったら言いたないこともあるやろな~てなるけど 他の男が知ってるんやったら別や」
    「他の男って鳳橋隊長ですよ? 真子さんとも古くからのご友人ですよね?」
    「隊長でも友人でも男は男や
     教えてくれへんのやったらローズが次から飲み会に誘われへんくなるで
     それか俺が妬きすぎて泣くで」

    しょうもない宣言をされて棗は意外そうに目を丸くしました

    「真子さんって私のこと好きなんですね」
    「待って……答え次第では別の意味で泣いてまいそうなこと聞いた……
     俺オマエに好きやて何遍も言うてるし 親にも挨拶行ってるし 実はどこのブランドの指輪買うたろかな~ってデザイン考えたりもしてんねんけど
     『私のこと好きなんですね』て何……?」
    「『嫉妬してくれるほど』好きなんですねって意味ですよ! 好きじゃないとは思ってません!」
    「うわ 涙出そう
     嫉妬もせえへん程度だと思われとったん?」
    「それは……はい? 真子さんは優しい人なので嫉妬なんてしないものかと」

  • 164◆tx0Ru6T/uBDO23/03/22(水) 00:31:37

    「あー 分かった 俺に嫉妬っちゅう感情が出てくるてオマエが思てる『好き』のメーターの位置がごっついちゃうねんな! 良かった!
     って何も良うないわ 俺のことどんだけ聖人やと思てるんや 嫉妬くらい普通にするわ
     いやオマエが思てるメーターでも嫉妬するくらい好きやわ
     この際やから言うとくけど他の男と仲良うしたらあかんぞ」
    「竹雄様も?」
    「親父と弟は許す それ以外はあかん」
    「鳳橋隊長も?」
    「せや」
    「吉良副隊長も?」
    「……砕蜂ちゃんも名前出しとったけどオマエ吉良と仲良いん?」
    「仲がいいというか 私が吉良副隊長を慕っています
     雛森副隊長と同じ霊術院の後輩でぼっちの私にいつも親切にしてくれます」
    「『ぼっちの私に』聞けへんかったことにならんかな……吉良オマエに昔から親切なんか」
    「はい 吉良副隊長からすると親切ではなく普通だとのことですが それが普通だと思う人柄も好きです」
    「好きですて聞くとあかんて言いたなるな!」

    思えばただでさえ彼女交友関係が狭いのに相手をさらに制限するのがどうでしょうね
    友好を感じている相手に近寄るなと言うのは可哀想じゃないでしょうか?
    嫉妬心と思いやりの背反に平子は2分ほど苦しみました
    食事の最中に2分の沈黙は長いですよ

  • 165◆tx0Ru6T/uBDO23/03/22(水) 00:33:30

    「……全体的に無闇に触ったり二人だけで飯行ったりしたらあかんくらいの程度で弁えてや」
    「わかりました 
     それなら真子さんも女性に無闇に触ったり二人きりでお食事に行くのはだめですからね」
    「……………………」

    言われてみて平子は我が身を振り返ってみました
    もしかしたらそれは困りますね?

    「桃やひよ里に飯奢ったるのは良うない?」

    さっきと言っていることが違う気がして棗は眉をひそめます

    「私が鳳橋隊長や吉良副隊長にご馳走していただくのは良いんですか?」
    「良うない……」

    平子は女性の友人も多いです 珍しく会えば食事くらいはしたいです
    副隊長である雛森にもたまには慰労の意味を込めて奢るくらいはしたいです
    でも棗がローズと二人で食事に行くのは嫌です
    つまり平子は棗に『俺はいいけどオマエは駄目な!』と言っています

    「ちゃうねん……そういうつもりやないねん……」
    「はあ……」

    平子の言っていることに整合性がないので棗も困ります
    ぶっちゃけ『俺はいいけどオマエは駄目な!』と言っても棗はしょんぼりしつつ従うんですけどね
    しかしそれは平子が望む健全な関係ではないんですねぇ
    棗のほうは キスがアウトなのは当然としても 女友達や雛森との食事程度ならセーフなようなので余計に複雑です

  • 166◆tx0Ru6T/uBDO23/03/22(水) 00:36:55

    「ええと 私はどうしたら?」
    「……俺だけの棗チャンでいてや……」

    いつになく面倒なことを言い出した平子にもちろん棗はにっこりしてこう応えます

    「いつでもあなただけの棗ですよ?」

    しかし急に表情が曇りました

    「真子さんは違うんですか?」
    「俺もオマエだけの真子サンやけど
     あー 俺自分がそんなにメンドい奴やと思てへんかったわ……」

    古来より恋愛感情が面倒な感情ですからね
    しかし彼の人生の様々な艱難辛苦を思えば「彼女が他の男と仲良くするのが嫌だ」という悩みなんて幸せな悩みではありませんか?
    特に数ヶ月後に棗は真っ二つになり一度死亡したと聞くのですから きっとそのときも「あんなん幸せな悩みやった」と思うことでしょう

    「ローズらと 飯とか 行ってもええけど 俺には聞かせんといて」
    「わかりました」

    最終的に 『観測できないことは起こっているうちに入らない』的な結論に落ち着きました
    間違いなく平子はこの先「このあいだ桃と飯行ったとき……」というような話を棗にしますが 棗はそれを聞いて怒らないので解決です

  • 167◆tx0Ru6T/uBDO23/03/22(水) 00:38:09

    終わらなかった
    でも棗ちゃんが余計なことを思いつくまであと1レス

  • 168二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 08:11:34

    おつでした

  • 169二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 16:59:07

    もうちょっとかな?

  • 170二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 22:35:32

    保守っとb

  • 171二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 07:22:19

    ほしゅー

  • 172二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 18:09:55

    まあいいでしょう

  • 173◆tx0Ru6T/uBDO23/03/23(木) 23:19:15

    「棗がいけずするから俺が妬くはめになんねん
     なんで言いたがらへんのや」
    「言いたくないわけではないですよ
     真子さんの卍解教えてくれたら教えます」
    「棗の教えてくれたら教えたるわ」

    好きな人を聞き合う女子のような様相になってきました
    平子も少し酔ってきています
    棗はローズに「真子の卍解をまだ聞いていないんだったら交換に聞くいい機会じゃない?」とアドバイスされていたので勿体ぶっていました
    話すと言ったなら平子がそれを反故にすることはないでしょう
    説明する言葉を考えつつお茶を口に含むと 全く別の天啓が降ってきました

    「やっぱりいいです」
    「何が?」
    「卍解 教えてくださらなくても」
    「教えてくれへんでええから教えへんはなしやで?」
    「はい その代わりにこれから避妊するのをやめましょう」
    「何言うてんのオマエ?」
    「するときに避妊具の使用をやめましょう と」
    「イヤイヤイヤそれは最初だけて言うたやん」

  • 174◆tx0Ru6T/uBDO23/03/23(木) 23:23:57

    酔いが飛んだ平子に棗はてれてれしながらもたれかかります

    「積極的にではなくても……授かるに任せるというか……真子さんの子供欲しいです」
    「卍解教える代わりに胤寄越せてレートがおかしいやろ!」
    「だめ?」
    「アレやろオマエ 俺がその顔に弱いの学んでるやろ
     子供は籍入れてからや」
    「えー」
    「えー言うな」
    「ちぇー」
    「ちぇーてなんやねん可愛いなそれ
     棗が平子になったら何人でも拵えたるから大人しく待っとき」
    「お父様いつ折れてくださるかわかりませんよ
     子供ができたら諦めてくださるのではないかと」
    「親父さんその手の予想してないと思うか? たぶんそうなったら逆にこっちを囲い込む準備くらいしてるで
     早まった奴が身重の棗襲いにくるかもわかれへんし 態々そんな危険冒すことないわ」

    跡継ぎ問題だけでなく 明日檜の名前で虚混じりの子が生まれてくるのを嫌い 棗ごと亡き者にすれば平子とは縁が切れて一族は安泰だと考える者もいるでしょう
    ていうかいます

  • 175◆tx0Ru6T/uBDO23/03/23(木) 23:25:27

    「真子さんの子供欲しいんですよ」
    「気持ちは嬉しいで おおきにな」
    「三人欲しいです」
    「三人でええんか?」
    「できればたくさん欲しいですが もしものときに私が抱えて逃げられるのが三人なので」
    「ほんなら目標六人で頑張ろか 籍入れたらな」

    いい雰囲気になってキスをします
    このとき 平子は酒を口にしたあと水を飲んでいませんでした
    唇経由でアルコールを摂取し酔った棗が避妊具の何枚かに鋏を入れるイタズラをし そろそろ……というところでバレて揉めるまであと73分です

  • 176◆tx0Ru6T/uBDO23/03/23(木) 23:26:55

    終わりかけでスレが埋まる恐怖が
    次こそ終わりたい

  • 177二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 06:58:35

    おつー

  • 178二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 13:07:22

    保守ー

  • 179二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 19:37:27

    ホシュルクエスト

  • 180二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 20:01:09

    上等な乳は下等な乳より丁寧に扱っても、顔色は伺ったらあかん
    好きなように揉んだらええ
    それで満足して貰えへんかったら、観賞用だったっちゅうだけの話や

  • 181二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 00:11:06

    どういうことなの

  • 182二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 08:27:18

    ほす

  • 183二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 12:56:21

    久しぶりに来たから分からんのだけどハーメルンには行かないの?

  • 184二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 21:58:46

    ハーメルンとかのサイトに乗せるのは無理だって言ってた

  • 185◆tx0Ru6T/uBDO23/03/26(日) 06:06:10

    尸魂界の流魂街からさえ遠ざかった辺境で二人は手分けして周辺をよく見回りました

    「おーし 誰もいてへん」
    「虚の影もありませんでした」
    「蟻サン元気か?」
    「お砂糖食べてます」

    棗が持ってきた取っ手付きの箱の中を覗いて答えました
    中にはそれぞれ何匹かの蟻を入れた虫かごがいくつか収められています
    平子は蟻に向かって謝ります

    「ごめんなぁ できるだけ怪我せえへんうちに解除するからな」
    「では置いていきますね」
    「カメラ 全部持つと重いから気をつけ」
    「はい う……」

    平子から虫かごと同じ数のカメラを受け取ろうと棗はいったん手を出しましたが 受け取る前に顔をしかめてお腹を押さえます
    真っ二つになったあの日から 傷は跡も残らず治ったのに時たま分断されていた部分が痛むようになりました
    押さえているのはお腹ですが 背中の方も痛いです

    診察した山田清之介は「気の所為」と断じました
    「気の所為と言うと気分が悪いなら錯覚と言い換えようか 体が治っても脳は下半身を失ったことを覚えている
     そのときの喪失感やショックを何かの拍子に思い出して痛いような気がするだけだ」
    とのことで あの戦いから数ヶ月しか経っていない現在 まだ結構な頻度で痛みます
    姉を二人も亡くしましたし 心の傷が癒えていないのも関係しているのでしょう

  • 186◆tx0Ru6T/uBDO23/03/26(日) 06:14:40

    カメラの入った鞄を地に置いて平子は棗を抱き寄せ背骨のほうを撫でてやります

    「大丈夫や 棗の体はちゃんと繋がっとる」
    「わかっているんですけど……痛くないはず 痛くないはず」
    「痛う感じるのに無理せんでええ そのうち脳みそも体がくっつかっとるのに納得するやろ
     焦らずゆっくり治し」
    「はい」

    少しのあいだそうしていて 棗は息をついてお腹から手を離します

    「ごめんなさい おさまりました」
    「謝れへんとき 棗は何も悪ない」
    「ありがとうございます 大好きです真子さん
     では行ってきますね」

    棗は虫かごとカメラを持って平子から離れていきます
    二人が何をしようとしているかというと 修行です
    ここ最近のデートの日は一緒に修行をしています
    瀞霊廷がまだしっちゃかめっちゃかで娯楽に興じるデートをするような状態ではないのもありますが 二人共あの戦いには多くの後悔がありました

    前回は平子の卍解の効果範囲から棗が離脱できるまでの時間を測りました
    これで同時に卍解を始めれば 隣にいても平子が「卍解 逆様邪八宝塞」と言い終わる前に離れることができると判明しています
    スピードが売りの棗の卍解は展開が完了するまでが速いのも大きなアドバンテージです

  • 187◆tx0Ru6T/uBDO23/03/26(日) 06:19:56

    今日のテーマは卍解の効果範囲の細かな計測です
    巣穴が同じ蟻を集めて 平子から段々離して置いてゆき どの距離から蟻が同士討ちをしなくなるかを映像に映しリアルタイムで観察します
    一人でやろうとすると大変な作業ですが 足の速い棗が協力すればさして時間はかかりません

    数分後 平子の伝令神機が鳴りました
    『設置しました そちらはいかがですか?』
    「おおきにー こっちのパネルにも全部映ってる
     棗はもう離れてるか?」
    『はい』
    「ほな始めるわ」

    左手で映像パネルを持ち 右手で逆撫を回します

    「──卍解── 『逆様邪八宝塞』──」



    虫かごの距離を調整しながら卍解を展開し 範囲の境目を絞っていきます
    この範囲も平子の体調や精神状態 そして逆撫のやる気にも左右されるので また日を変えてやる必要があります
    平子は把握しうる限り自分の状態を伝令神機のメモ機能に書き込みました
    お付き合いいただいている蟻が限界を迎える前に本日は終了です

    「これお礼よ 食べてね」

    わけがわからんことをされて疲れた蟻を元の巣の近くに離し 砂糖水を入れた皿代わりのもなかの皮と砕いた油せんべいを近くに置きます

    「またよろしゅう~て言いたいとこやけど 二度目のお付き合いは蟻も勘弁やろなァ」
    「運が悪い子がいるといけないので次は瀞霊廷の反対側で集めましょう」
    「棗もありがとさん」
    「いいえ 使いやすくなるほど真子さんも安全ですし 最後までお傍にいたいですからね」

  • 188◆tx0Ru6T/uBDO23/03/26(日) 06:26:04

    ここからはただただイチャイチャするだけのデートです
    瀞霊廷に戻り余計な荷物を置いて 町で温かいお茶を仕入れ 棗の亡き姉日輪の作っていた庭園に行きます
    娘を二人同時に亡くした桜治郎は愛娘たちの遺したものの整理を下の子供たちに委託したので 棗はこの庭園を貰いました
    庭師の尽力によりいつも花が咲いていて心が落ち着き 二人が羽を休めるのにちょうどいい隠れ家のような場所でした

    「先日夜一さんと女子会なるものをしたんですよ」
    「二人でか?」
    「それがですね 夜一さんが七緒さんやルキアさんたちを誘ってくださって
     女性同士でとても充実したお話ができました……」
    「どんな話したん?」
    「色々です 流行りの着物や 趣味や 悩み事の相談なども」

    女性同士複数人であんなにも楽しくお喋りをしたのは霊術院に入った後 部屋に爆薬がブチ込まれる少し前以来でした
    嬉しそうな棗に平子も相好を崩します

    「良かったなァ 俺もそこにいたかったわ」
    「ダメですよ 女子会は男子禁制です
     男性は男子会をやらないんですか?」
    「男が寄り集まってもそんな名前はつけへんな……
     ああこないだ大前田んちには行ったわ あいつなんややたら戦時中のこと恩に着てくれとってしょっちゅう誘うてくんねん
     断ってばっかりいるのも悪いし そんとき修兵も来るて言うから何かの集まりやと思て行ったんやけど」
    「けど?」
    「修兵がいるのはいつものことやて 金欠になると喰わせて貰てるらしいで」

  • 189◆tx0Ru6T/uBDO23/03/26(日) 06:29:00

    『明日檜さんにバラさないでください!』という檜佐木の声が聞こえてきそうです

    「喜助にぼったくられとるのは知ってるけど あいつ副隊長の給料毎月使い切るほど何を買うてまうんやろか」
    「聞かなかったんですか?」
    「バイクのガソリン代が高いとかどうとかは言うてたけど 絶対それだけやないやろ
     纏まった金必要になったらどないすんのか他人事ながら心配になったわ」
    「稀千代さんならお願いすれば融資してくれるんじゃないでしょうか」
    「気前良く無利子で貸してくれそうな奴おるから気兼ねのう使てるんやないやろな……」

    そんなことありません 使うときはちゃんと悩んでます
    でも纏まった金が必要になったら借りようとは思っています

    「……『稀千代さん』?」
    「あ すみません大前田副隊長でした」
    「なんで下の名前呼びなんや」
    「うちも五人 あちらも五人姉弟でいらっしゃるので 大前田さんだけだとどなたか区別がつかないんですよ
     きょうだいが多い家あるあるです」
    「あるあるなんか……」

    なら大前田のほうも棗と名前で呼ぶのか尋ねたかった平子でしたが 嫉妬っぽくなりそうなのでやめました

  • 190◆tx0Ru6T/uBDO23/03/26(日) 06:42:11

    「姉弟といえば 竹雄様が今度死神見習いになるそうです」
    「人手不足解消のアレか」

    霊術院のカリキュラム変更などについて話しているうちに日が傾き 空が茜色に燃えてきます
    太陽の反対側の空が群青になるのと同時くらいに棗が体温の下がった指先を無意識に擦り合わせました

    「寒なってきたな 戻るか」
    「そうですね」

    立ち上がると 思い出したように平子が言います

    「あァ 棗 プレゼントあるんやった」
    「嬉しい 何でしょうか?」
    「いつもの俺とキザったらしい俺 どっちが見たい?」

    平子はニヤーッとしましたが棗は意図がつかめず即答し損ねます

    「キザ、ですか?」
    「せや いつものでも構めへんで」
    「そうですね ちょっと見てみたいです キザな真子さん」
    「ほな二度とやれへんからよう見とき」

    と ニヤニヤしつつ袂に手を入れて小箱を取り出しました
    片膝を突き 小箱を開けます

    「明日檜棗さん──どうか俺と結婚してください」

  • 191◆tx0Ru6T/uBDO23/03/26(日) 06:42:37

    もちろん そこには輝く金剛石を戴いた指輪がありました

    様々な事情が重なって用意できるまでに時間がかかってしまっていた指輪です

    平子はそれを棗の左薬指に嵌め 手の甲にキスをします


    「……………………」

    「……一応返事してくれへん?」


    dice1d3=2 (2)

    1 「はい 不束者ですが末永くよろしくお願いいたします」

    2 ときめき過ぎて人の言葉を忘れた

    3 過呼吸を起こした

  • 192◆tx0Ru6T/uBDO23/03/26(日) 07:10:51

    終了!

    終われてよかった
    平子を幸せにしたいで始まり6スレ 約3ヶ月お付き合いどうもありがとうございました

    ログは需要があるようなのでダイス部分繋げたのをそのうちどこかに置くつもりです
    ハーメルンにはアカがないのでpixivにしようかと思ってましたがハーメルンのほうがいいんですかね?
    まあこのスレを見ていてくれた人がふと思い出したときにそれ系のサイトをそれっぽいワードで検索したら見つかる感じと思っていただければよいかと思います

  • 193二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 12:02:16

    完結乙です

  • 194二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 13:23:06

    完結ありがとうございました!
    平子の苦労が全面的に報われる話で本当に良かった

  • 195二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 00:57:44

    ここだけの話だけど他のスレで平子が不憫というレスを読んでて
    「でも平子には嫁いるしな」って思ってから我にかえって「いねぇ!原作の平子には嫁いねぇ!」ってなったことがある

  • 196二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 08:34:45

    乙です

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