【ウマ娘×メルスト】“怪物”を超える撫子と天を戴く鬼

[1 二次元好きの匿名さん 21/11/18(木) 20:20:38]

「しずめきっしずめき〜〜っ！！何処におるのじゃあ〜〜！！」

「あら〜？どうしました？もしかして迷子でしょうか？」

「ま、迷子じゃと！？違う、断じて違うぞっ、わしではなくしずめきの奴が迷子になってしまったのじゃ！きっと今頃は不安で堪らぬに違いない！早く見つけてやらねばならぬ！」

「なるほど〜、それはいけませんね。では私も一緒に探しましょう。どこまでその方と一緒にいましたか？」

「なにっ一緒に探してくれるのか！？何と優しい奴じゃ……、恩に着るぞ！無事見つけたあかつきにはおぬしもわしの百鬼夜行に加えてやろう！」

[2 二次元好きの匿名さん 21/11/18(木) 20:21:37]

「うふふ、立派な角の玩具を着けていると思ったら、妖怪さんごっこの途中だったんですね〜。でも、あんまり夢中になって親御さんと離れてはいけませんよ？」

「ごっこではない！わしは本当に妖怪じゃ！それにこの角は本物じゃぞ！……まあいい、しずめきとは共に旅をしているわしの配下でな。わしが美味そうな和菓子屋を見つけ、駆けよっていった隙に何処ぞへと姿を消してしまった。全く困った奴よ。」

「そうですか、この辺りで和菓子屋というと……、あのお店でしょうか。もう一度お店の辺りに行ってみてその方を探しましょう。」

「うむ、それがいい！かっかっか、これは優秀な奴を見つけたぞ！おぬし、名は何と申す？」

「私はグラスワンダーです。よろしくお願いしますね、かわいい妖怪さん。」

[3 二次元好きの匿名さん 21/11/18(木) 20:22:33]

「グラスワンダーか、良い名じゃ。ではグラスワンダー、おぬしもわしの百鬼夜行に加わらんか？比類なき鬼であるわしの配下になれば、必ずや面白き景色が見られるぞ！」

「私も百鬼夜行の仲間に入れてくれるんですか？ありがとうございます〜。……ふふ、私も鬼になれば、“怪物”を超えることが出来るかもしれませんね。」

「その程度造作もないことよ！鬼ならば妖怪だろうが怪物だろうが、小指ひとつで一捻りじゃ！その胸に驕りを抱き続ける限り、鬼は何者にも負けぬ！」

「驕り……ですか？」

「そうじゃ。欲しい物は全て手に入れ、己が道を塞ぐ壁は悉く吹き飛ばすという驕り。誰もが笑う夢を成すその生き様こそが鬼！皆が畏敬を以って平伏する者よ！」

[4 二次元好きの匿名さん 21/11/18(木) 20:23:27]

「なるほど……。では私は既に鬼になっているのかもしれませんね。私も実は、欲しい物は諦められないんです。絶対に、手に入れるまでは。」

「おお！おぬしもなかなかの驕りを持っているのだな！良いことじゃ、しずめきにも聞かせてやりたいわい。」

「でも、驕ってばかりではいけませんよ？『驕れる者久しからず』と言います。欲しい物を手に入れても、歩みを止めればきっとそれを失ってしまうでしょう。……百鬼夜行の頭領への進言です。」

「むぅ、折角得たものを失うというのは……、とても我慢ならぬな。百鬼を率いる頭領として、配下を失うことなどあってはならぬ……。あい分かった、その忠告しかと胸に留めておこう。……ん？」

「あら、向こうから大きく手を振ってこられる方が……。」

[5 二次元好きの匿名さん 21/11/18(木) 20:24:01]

「しっしずめきぃ〜〜！！何処をほっつき歩いておったのじゃ！わしがどれだけ寂し……いっいや、おぬしを心配したと思っておるのじゃ！」

「お連れの方が見つかって良かったです〜。……では気をつけて旅を続けて下さいね、頭領様。」

「うむ、おぬしも驕りを忘れるでないぞ！グラスワンダー、おぬしにはこの大妖怪、戴天鬼がついておるのじゃからな！」


「切れ者」になった

[6 二次元好きの匿名さん 21/11/18(木) 20:30:54]

以上です。4作も書けると思わなかった。読んで下さりありがとうございました！

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