ウオッカ「カワカミ先輩、一緒の席で食べてもいいですか？」【SS】

1二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 22:33:04

トレイを持ったまま食事中の先輩に話しかける。
「ええ、喜んで」
にこりと先輩が微笑む。
テーブルにはご飯が山盛りになったどんぶりが置かれていた。
「いつ見てもすげえ量ですね」
「姫たるもの身体が資本ですから。心身ともに力強く！ですわ！」
そう言ってもりもり食べ進める。
あっという間に食べ終わると先輩は立ち上がってどこかへ歩いていった。
戻ってきた先輩の手にはティーカップが鎮座していた。
……若干手がぷるぷるしているが。
「紅茶ですか先輩？」
「ええ。力強く優雅なプリンセスこそ、私の目指す姿ですから」
先輩は席に着いてカップを手に取った。
前に見た時よりずっとスムーズな動きで。
そしてそっとカップに口をつけ───

「あっづぁ！？」
「だ、大丈夫ですか先輩！？」

慌てて水を差し出す。
涙目で唇を冷ます先輩。
その姿は傍から見たらみっともないものなのかもしれない。
それでも。

自分の目指す姿に向かって努力する先輩の姿は、なによりもカッコよく見えた。