- 1二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 19:34:45
- 2二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 19:35:54
過去スレ一覧
1
【閲覧注意】尊い犠牲でした|あにまん掲示板突如エリアゼロの大穴から湧き出した未知のポケモンたちの侵攻巨大化したいわば『ぬしポケモン』と呼ばれるポケモンたちの大量発生その裏に潜む悪の組織の野望地域に根ざし見守って下さっていたジムリーダーの方々が…bbs.animanch.com2
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その2】|あにまん掲示板……しかしながら残された爪痕はあまりにも深いものです一部地域では未だ大穴から這い出た未知のポケモンやぬしポケモンの現存が報告されています万が一それらしきポケモンを発見した場合すみやかにポケモンリーグ本…bbs.animanch.com3
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その3】|あにまん掲示板「ハッコウジムが未配信のまま残されてたナンジャモちゃんの動画上げてくれててさ」「久しぶりにグルーシャくんの現役時代のインタビュー見返しちゃった」「有志の手によって未完成だったコルサさんの作品が発掘され…bbs.animanch.com4
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その4】|あにまん掲示板元のスレ主じゃないけど立ててみました。迷惑だったらごめんなさい救いは…救いはないんですか?bbs.animanch.com - 3二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 19:37:05
過去スレ一覧その2
5
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その5】|あにまん掲示板マイクテス マイクテス…… ……お元気ですかこの声が届いた皆さま私はパルデアポケモンリーグ理事長オモダカでも皆さまの知るオモダカではありません皆さまが無事乗り越えて来た過去あるいはこれから辿る可能性の…bbs.animanch.com6
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その6】|あにまん掲示板…………ザザッ…………なるほど、そうですかそちらの私は受け入れたのですか……彼らのいない世界を乗り越えて、未来を見据えて時折後ろを振り返りながらも、前に進む事が出来るのだと、そう言うのですね『尊い犠牲…bbs.animanch.com7
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その7】|あにまん掲示板砂埃が舞うパティスリーもう増えることのない芸術作品二度と配信が始まらないチャンネル活気を失ったマリナード市場シャッターの閉まった宝食堂閉鎖されたライブステージ化粧品を見て悲嘆する人々沈黙が響くナッペ山…bbs.animanch.com8
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その8】|あにまん掲示板絵とかSSとか書けないけど続きが見たくてスレ立てました…!他の人が立て直すなら消すのでよろしくお願いします…1https://bbs.animanch.com/board/1398476/2https…bbs.animanch.com - 4二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 19:38:42
過去スレ一覧その3
9
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その9】|あにまん掲示板なかったようなので立てました何か問題があれば消しますbbs.animanch.com10
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その10】|あにまん掲示板いよいよ10スレ目まだまだ語りたいbbs.animanch.com11
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その11】|あにまん掲示板それは楽園への道標か、あるいは地獄への入り口か。パルデアの大穴からパラドックスポケモンが溢れ出してきて、人々を守るために戦ったジムリーダーたちが全滅してしまった世界線を語るスレです(前スレの建て主とは…bbs.animanch.com12(前スレ)
【閲覧注意】尊い犠牲でした【その11】|あにまん掲示板それは楽園への道標か、あるいは地獄への入り口か。パルデアの大穴からパラドックスポケモンが溢れ出してきて、人々を守るために戦ったジムリーダーたちが全滅してしまった世界線を語るスレです(前スレの建て主とは…bbs.animanch.com - 5二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 19:47:16
パラドックス侵攻で犠牲になった人々やポケモンの魂、うらみつらみが集まって
第五の厄災ポケモンが生まれてもおかしくないな…… - 6二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 19:50:06
自分たちの願望のためにパルデアをめちゃくちゃにしてしまうの、
悪の組織と犠牲軸メンツ、そう変わらないことをしてしまってるのが皮肉や……
いや、一部はそうと分かってて突っ走ってるのかな…… - 7二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 19:53:48
前スレで止まれない犠牲ダカさんを止めるには手持ちポケによるダイレクトアタックしかないかも知れないと書いたけど、
スーパーマサラ人の例もあるし(スーパーマサラ人を基準にするな)騒動中に気絶から回復してしまうかも……体力測定一位が犠牲ダカさんにも適用されてるならだけど……
ただ、彼女もポケモンを愛する者であるはずだし、自分の手持ちが強硬手段に出てまで自分を止めようとする気持ちを知ったら、さすがに止ま……止ま……る、かなあ…… - 8二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 19:55:37
- 9二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 19:59:51
- 10二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 20:00:56
そしてそんなオモダカさんを見捨てられないハッさん……
- 11二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 20:23:33
立て乙
前スレのレホール先生が格好良すぎてときめいた後にあまり長くないことを知り絶望しました
これ以上犠牲軸側での被害者出たら余計トップの心労が.... - 12二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 21:57:23
- 13二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 22:00:08
- 14二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 22:50:26
エリアゼロ行った組はひでんスパイスもらったんだっけ?
これを犠牲軸のアルクジラくんにあげて進化とかして戦力に……いやグルーシャくんの了承が必要な案件だな…… - 15二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 23:55:26
- 16二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 07:11:15
保守
- 17二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 16:43:42
慣れるほどデータ消失が頻発してるのは大丈夫なのか……?
- 18二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 19:14:17
犠牲キハダ先生の後悔ってリップの傍にいられず守れなかったということみたいなので
償いとして原作軸の悪の組織をぶっ飛ばすの手伝う時に、リップの傍で戦うことを強く望みそう - 19二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 19:25:22
軍隊を作るためパラポケを狙い、結果パルデアをめちゃくちゃにした悪の組織
楽園(日常)を取り戻すため平和な並行世界のパルデアへ攻め入り、ジムリをさらって
取り戻しにきた人たちと派手に交戦した結果パルデアが再び荒れてる犠牲軸
いったいどちらが……いや、彼らのいったい何が…… - 20二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 19:36:23
原因が悪いに決まっとるじゃろ
- 21二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 19:51:38
とりあえず悪の組織は上から下まで地獄を見せるとして、犠牲軸のみなさんはちゃんとごめんなさいしましょうね!!
- 22二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 00:12:46
悪の組織が犠牲軸リーグに気づかれず事を進められたの、まさかとは思うがリーグ内に悪の組織の内通者とかいたんじゃ……
- 23二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 07:01:49
四災の譲渡先、フロンティアブレーンみたいなバトル施設のボスかな?(強化モードで準伝説を繰り出してくるため)
- 24二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 08:51:52
このスレの新参で、
まだスレ全部見きれてないんですが
初期の頃のナンジャモのSSが書きたいです
パラドックス軍団と戦う前の独り言みたいなやつ
この場合って
スレに原文そのまま載せていいのか
他サイトを使って纏めて提出がいいのか
そもそもスレチで別の所へ書くべきなのか
どうか教えて頂けませんでしょうか… - 25二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 08:54:48
このレスは削除されています
- 26二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 09:00:16
このレスは削除されています
- 27二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 12:02:19
そうだ…夜中起き続けついには睡眠時間が
2時間を切った自分に怖いものはない…!
初期ジャモSSモドキ、投稿します。
既出かもなんですが、
ナンジャモの最期の最初当たりを
昨日の自分がSSっぽく書き出し、
今日の自分が少し修正して提出しに来ました
深夜テンションで書いたので10割ノリですし
エレキン氏が変なキャラで喋ってるし
ナンジャモの過去ちょびっと捏造したし
なにより地の文が存在しねェ!!
ここは違うんじゃないか、
ここはこうするんじゃないか、
みたいなの待ってます
では、お目汚し失礼致します。 - 28二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 12:03:52
【ハッコウシティ:南】
「はーい皆の者ー!災害のルール、お、は、し、もを守って、マルマインより焦らず速く!避難してね〜!!」
「おはこんハロチャオ、ナンジャモさん」
「っうぇ?…えーっとごめんね、誰だっけ?」
「はは…ズピカと泥沼にハマっていた時から全然変わってませんね」
「うげっ!?なんでボクの黒歴史を…っえ、えっまさかエレキン氏!?」
「はい。偶然ハッコウシティに来てたので、会ってみたくなって。…えーっと、次の配信楽しみにしてます」
「…えっリアルで初めて会ったのにそれで終わり!?もっとこう…『死なないでくださいね(キリッ』みたいな映画っぽい台詞ないの!?」
「すいません、本物を目の前にして緊張してます」
「しかもそこ!?今からここ死地になるんだよ!?…えぇー…そんな…えぇ…」 - 29二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 12:04:22
「…フ、ヒヒ…まぁいっか!それよりエレキン氏!!」
「…は、はい」
「まだ今日は終わってないよ!配信は今から!!次の予定はそれが終わったら考えるよん」
「…えっ今から…ですか?」
「そ!この状況で配信して〜!悩めるパルデア民を元気付ければ!!視線は釘付け!登録者数シビルドン登り間違いナシ!!これを逃すのはもったいないでしょ〜!!」
「…だから今からする挨拶、エレキン氏ならわかるよね?」
「!!…は、はは!そうですね!」
「じゃあ今日は古参のエレキン氏にサービス!2人でいくよ!せーのっ!!」
「「おはこんハロチャオ!」」 - 30二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 12:05:47
「…いったかな?…っふぅーッ…さて、と」
「ヘイロトム!配信の準備して!」
ケテー!
「…うん、大丈夫。ボクなら大丈夫」
グラグラ…
「うぉととと…おっ見えた見えた…うへー多くない?キミたちの事情は知らないけどさ、ちょーっとぐらい忖度とか手抜きってのを覚えた方が社会でやってけるよ?」
カンリョウロトー!
「…フヒヒ、キタキタ!サンキューロトム!」
カタカタ…カタ…
「おっ手持ちの皆も準備万端だね〜!それじゃあ…」
「カメラよし!マイクよし!服装よし!メイクよし!そしてぇ〜?最高の笑顔よし!」
「それじゃあ配信〜…スタートっ!!」 - 31二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 12:06:58
- 32二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 12:08:28
「さ〜て本日の挑戦者氏は〜??まさに今!!ボクの後ろから突っ込んできてる謎のポケモン達だっ!!イェイイェイっ!!」
「親愛なる同僚のアオキ氏によると、アイツらは『パラドックスポケモン』!!遠い過去や未来からやってきた、とっても怖〜いポケモンなんだって〜!!」
「だから皆の者は!!道端に知らないポケモンが居てもホイホイ着いてっちゃダメだぞよ〜!?」
エレキン ¥150,000
じゃあどうしてナンジャモさんは…
「…あ!エレキン氏スパチャありが…15万!?えっフヒッちょっと大丈夫!?これからの為に必要じゃないの!?…うんうん、『じゃあなんでナンジャモさんは逃げてないんですか?』」
「ふふーんよくぞ聞いてくれた!!ボクは今きゃっ…今からここで、アイツらをバッタバッタ薙ぎ倒して!!このパルデアのトップになる計画を立てているのだ〜!!」
「だからオモダカさん!!い、ま、は!!トップの座を譲っといてあげる!!皆の者も怖〜い長髪のお姉さんの言うことちゃんと聞いて、自分の事しっかり守ってねっ!!」
「あと今の状況についてなるべく色んな情報ちょーだい!!今日は有益な情報は即採用の、視聴者参加型だからね〜!!」 - 33二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 12:13:45
『ぷりーい!』
ヴォンッ!
「うわっ危な!!何あれでっかいムウマ!?他にもたくさん…!!」
「…さーて、皆の者おまたせ!!前置きはこんぐらいで、そろそろ始めますか!!」
「題してっ!!」
「パルデア地方ハッコウシティジムリーダー!!エレキトリカル★ストリーマーことナンジャモが!!死ぬ気でパルデア守ってみたっ!!」
「気になったらぜひっ!!チャンネル登録よっろしっくね〜!!」
キターッッッ!!!ナンジャモ最高!!
頑張って下さい!! いけるのかこれ…?
勝ってくれナンジャモ…!!! 頼んだぞ!
ナンジャモさん、後でお話があります。
普段よりテンション高くない?
がんばれなんじゃもちゃん 信じてる!!
声震えてるぞ!無理すんな! 逃げて!!
無理だと思ったらすぐ逃げろよ!!!!
アヴァンギャルド!!!素晴らしいぞ
ナンジャモ、いやナンギャルド!!
他のストリーマーに浮気しててごめん!!
お前が一番や!! なんとか出来ないか
うちの地方のリーグに掛け合ってみる!
頑張ってハラバリー!! がんばれ
しっかり見てるぞ!!!!最高だぜー!!!
「…ふふ」
「光れ キラキラ 豆電球っ!!
集まる 電力 みせちゃるぞっ!!」 - 34二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 12:14:16
はい。まぁこの後死ぬ予定ですけどね。
- 35二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 20:15:50
他のジムリーダーたちも、こうして命がけで奮闘して大事なものを守り切ったんだろうな……
まあその守り抜いたはずのものがとんでもない過ちを犯してるわけですが
さらにさらにジムリ達が命がけで守ったはずのパルデアを守ったはずの人々(というか犠牲ダカさん)が再び荒らしちゃってるわけなんですが
そらポピーちゃんキレる - 36二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 20:20:44
このスレシリーズの最初期あたりに投稿されたアオキさんの最期の晩餐の話好きなんだよな
彼が最期に味わったのが血と砂埃じゃなくて美味しい果実で良かった - 37二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 20:27:01
いいじゃんいいじゃん、ジムリーダー全滅概念を元に色んな妄想をカキシルス所だと少なくとも自分は思ってるし、SSとか絵とかいっぱい見れると楽しい。
自分もよく分かってないけど、SSとかはTelegraph?とやらを使って公開したほうがいいのかな?
絶望的な状況に抗う系大好物です!あとしれっと最後のコメント欄にトップとコルサさんいるのも好き
- 38二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 20:29:40
ナンジャモとエレキン氏の最初で最後の出会いいいなぁ.....動画配信ユーザーとして注意喚起を行いつつも明るくいつも通りの空気のまま最終決戦に望む姿....素晴らしいSS感謝
- 39二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 20:32:34
>ナンジャモさん、後でお話があります
できませんでしたね……
- 40二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 20:49:10
コルサさんまで視聴してて草
.....自分のとこに押し寄せてくる直前まで気にかけてたんだろうなあ..... - 41二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 23:37:20
街が襲撃されたとき、トップも四天王も駆け付けたいけど色んなことの対応に当たってできなかったんだろうなぁ…
- 42二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 23:46:50
前スレでの犠牲キハダ先生とハリテヤマ、割と難易度たかい戦法をサラッとこなしてておったまげた
パラポケとの戦いで身に着けたんかな…… - 43二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 23:53:56
いろんな街に被害が広がり始め、間違いなくアオキが死んだと確信した4人の心情たるや…
- 44二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 23:58:32
叡智の井戸に、鶴瓶を落とせ。
- 45二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 23:59:13
ゴッ、とテツノイバラの喉に喰らい付いたマフィティフが、勢いそのまま押し倒す。一旦口を離して前脚でテツノイバラの顔面を叩きのめして、"かみくだく"で再び喉に牙を突き立てた。そのすぐ近くでビークインの"こうげきしれい"がアラブルタケを取り囲み蹂躙していた。
「で、まだやるのかよ」
ザリ、と地面を靴底で擦って睨みを効かせるペパーは、ボールからスゴヴィランを出した。視線の先には腰が抜けて立てない状態でジリジリ後ろに下がっていく、トンチキな格好の二人組。ボタン達の下へ向かおうとするペパー達をパラドックスポケモンで襲撃してきたこの二人が何者か、ペパー達には未だ知る由もないが、この非常事態の中明確な悪意を持って攻撃を行なってきた以上、敵であることは言うまでもなかった。
ハイダイは倒れたスナノケガワの右足の磁石の付け根に取り付けられた、小さな機械を右手で外す。指の力だけでそれを潰して、トンチキな格好の二人組に視線を向ける。ハイダイにはこの装置が何のためのものであるのか判らないが、間違いなく碌なものではない。
「か、勘弁してくれ!命だけは!!」
一人が命乞いをする。ペパーの隣で見下ろすサワロは、別に命まで取る気はサラサラ無いのだがとため息を吐く。それはそれとして、然るべき法的処罰は受けさせるべきだとは思う。見るからに非合法な手段でポケモンを使役していた以上は。
「お前ら、パラドックスポケモン達によくもこんなわけわかんねえもん着けてくれやがったな。コイツらだって生き物なんだぞ」
ペパーが一歩踏み出してドスの効いた低音で詰め寄る。合わせるようにスゴヴィランが赤い方の頭から火の粉を噴いた。
「反省の色がないなら、多少手荒な真似をせざるを得ないのだが……さて」
サワロの肩に鎮座するパチリスが頬の電気袋から火花を発する。それを見てしまった二人組は、情けない悲鳴を上げる。そして、呆気なくゲロった。自分達がパルデアに齎した惨劇と、その目的を。
「成る程、君たちが……」
サワロの眉間に皺が寄る。内心怒りで腑が煮え繰り返る思いだが、それを堪えるように腕を組んだ。 - 46二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 23:59:47
「とんでもないことをしてくれたもんだい」
頭を片手で抱えて、ハイダイがもう何度目になるかわからないため息を吐く。もう一生分吐いてても驚かない。
「……」
ペパーの表情がより険しくなる。重い足音を立てて近付いて、片方の胸ぐらを掴んだ。
「意味わかんねえ、誰も喜ばねえ目的と手段でこの世界の人たちを不幸にして、ジムリーダー達を死なせたこと、一生牢屋の中で反省ちゃんしてろ」
怒りを噛み殺した静かな声で、そう告げる。突き放すように手を離して、ペパーはそのまま先へ進んだ。ボタン達と合流しなければ。サワロはユキメノコをボールから出し、氷で二人組を拘束する。ハイダイ共々去り際に軽く頭に手刀を落として、ペパーに続いた。
ヒビ割れた道路を歩く。躓かないよう気をつけてください、とペパーが左腕を使えないハイダイに忠告する。苛烈な戦闘の痕跡が残るテーブルシティの街並みを見て、サワロは軽く唸って眉を顰めた。
暫く歩いて、大階段の前まで来てようやく、目指した人影を見つける。ペパーは我慢し切れず走り出して。
「ハルト!ボタン!無事か!?」
「ペパー!?」
ハルトは地面に寝かせている此方側のミモザをミモザとキハダに任せ、ペパーに駆け寄る。ボタンはペパーに視線を向けて、その後からサワロとハイダイが追いつくのを確認すると未だ不審者の首を締め上げる、インナー姿のままのナンジャモを宥めてどうにかやめさせた。此方側のレホールはそれを横目に、もう一人の不審者の背中を踏んだ。特に恨みがあるわけでもないが、コイツらのせいで半壊、或いは全壊した貴重な遺跡や遺構もないわけではなかったもので。
「ちょ、ハイダイ氏どしたんその腕。折れた?」
ナンジャモが指を指してハイダイに指摘する。自分こそあちこち擦り傷だらけだったり、打ち身或いは打撲があることはしれっと棚に上げていた。
「ああ、ちっとドジっただけだい。ただの脱臼だから気にしなくても大丈夫だよい」
「それは大丈夫とは言わない」
肩をすくめるナンジャモの後ろから、ムウマージが脱ぎ捨てられていた上着を持って来た。そういえばテンション上がって脱いだままだった、と思い出して、ナンジャモは上着を受け取り羽織り直す。 - 47二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 00:01:14
「そういやペパー達こっち来るなんてどしたん?リーグの方は?」
「ああ、それがいろんな人が派手に暴れたせいなのか崩落しちまって、ジムリーダーのみんなと合流して話し合って、二手に分かれようってことになったんだ」
「ああ、それでペパー達がぼくら側ってことか」
そういうこと、とペパーが答える。
「ちょうどこっち、めちゃ強パラドックスポケモン二連戦終えたとこだしボタン氏、演算装置だっけ?抑えに行ったら?ボクたちライム氏のとこ救援向かうつもりだったんだけど」
「できればこっちの世界のミモザ先生を安静にさせておきたいから、そっちにも人が欲しいな」
「となると、このメンバーを三分割か……内役としてはどうしたものか……」
一同はううん、と唸って思案する。演算装置にはボタンは確定、作業中の護衛役として二人ほど欲しいところか。戦力的にもグラウンドのライムたちへの救援はハルトに向かわせるのがいいだろう。此方側のミモザの看病の為に医療知識のあるミモザの他は筋力のある人間が望ましい。候補としてはキハダとサワロか。また、此方側のレホールは自分は保有している厄災ポケモン達の性質上、護衛には向かないと忠告した。その他、ハイダイの左肩の負傷等の条件を一つ一つ確認していき。
「では、こうしよう」
そしてサワロが提案する。
座標演算装置の掌握はボタン、ペパー、サワロ。
グラウンドのライム達の救援にはハルト、ハイダイ、此方側のキハダ、及びレホール。
此方側のミモザの看病及び護衛にはミモザ、ナンジャモ、キハダ。
「待ってくれ、何故しれっと私が頭数に入っている」
「えっ?」
顔色の悪い此方側のキハダが待ったをかけて疑問を投げかける。ハルト達は何か問題でもあっただろうか、とすっとぼけて首を傾げた。いや、すっとぼけるな。
「君たちの世界からジムリーダー達を連れ去った人間の一人だぞ。監視をつける目的で信用していないとしても、戦力として数えるか普通」
此方側のキハダは信じられないものを見るような目を向ける。まあまあ正論なのでボタンは苦笑いを浮かべるしかない。
「でも2号との戦いで一緒に戦ってくれたじゃないですか」
当たり前のような顔で、ハルトが言った。は、と此方側のキハダは虚を突かれたように目を大きく開いて言葉に詰まる。
「それ、は」 - 48二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 00:01:59
「それに、先生達だってこのままでいいとは思わないですよね?なんだか悪そうな人たちが騒ぎに便乗して来て、そのせいでミモザ先生が大怪我して、因果関係はともかくテーブルシティはあの怪獣みたいなパラドックスポケモンと、2号との戦いでだいぶ滅茶苦茶になってて、それで先生、本当に黙って見てられます?」
「そんなわけ……っ」
「じゃあ決定ですね!行きましょうキハダ先生、ネルケ……じゃない、クラベル校長が待ってますよ!」
ハルトが此方側のキハダの手を取って走り出す。慌てふためくキハダはしかし抵抗する様子を見せずに大人しく連れて行かれた。子供、思ってるより力が強い。元よりキハダがあの日以前より大きく衰弱しているのもあるだろうが。
「では、我々も行こうか。今校長と顔を合わせるのは少々気が重いがね」
「あまり人の事情を突っつき回す趣味はないから詳しく聞く気はないが、一体何したんだい……」
ハイダイと此方側のレホールがハルト達の後を追ってアカデミーへ向かった。
「はいじゃあキハダ先生、こっちのあたしおんぶして」
「よし、任せてくれ」
ひょい、とキハダが此方側のミモザを背負う。背中から伝わってくる心音が、想定よりも弱々しくて不安になった。何処行くの、とのナンジャモの問いにミモザはひとまず救急道具が揃っていて、ベッドがある保健室を提案する。
それぞれの行くべき先へ向かう背中を見送って、ボタンはペパーとサワロに向き直った。
「じゃ、ウチらも行こっか」
ペパーは拳を掌に打ちつけて、サワロは静かに頷いた。
座標演算装置の所在はサワロが把握していた。此方の世界に来て割とすぐに、ジニアに捕まったのがある種幸運だったと言える。その後は目紛しく状況が変化してそれどころではなかったが。
校舎の階段を駆け上がる。グラウンドの方では、おそらく今もライムと此方側のクラベルがパラドックスポケモンと交戦しているのだろうか、戦闘音が薄ら聞こえてくる。一段飛ばしで三階まで登り詰め、目的の教室のドアを勢いよくこじ開けた。
「わっ」
ボタンは思わずたじろいだ。
演算装置自体は取り立てて特殊な形状をしているわけではない。ただ幾つかのモニターに格子状の図表とパルデアの全体地図が表示され、メモリとグラフが一秒ごとに変動しその推移が別のモニターに記録されている。 - 49二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 00:03:16
問題は装置と床の設置面に、僅かながらテラスタル結晶が霜のように張り付いていることだった。
「此方のジニア先生によれば、観測装置も演算装置も大穴から流出しているテラスタルエネルギーを蒐集して稼働しているのだったか。結晶が付いているのはその影響か?」
「多分そうだと思う。父ちゃんのAIも楽園防衛プログラムが起動した時、テラスタルの影響で身体に結晶が発生してた」
「まあでも、装置が丸ごと覆われてるわけじゃないならどうとでもできるかな。ちょっと作業するから見張りお願いします」
ボタンがスマホロトムを取り出して、イーブイリュックからUSB端子の付いたコードを引っ張り出した。ペパーとサワロはドアの側に位置取って、横目で外を伺う。
「えーっと、これがこうなっててあれがこうで……あれ、これ一部LPシステムとそう変わらん?あっ、じゃあここをこーして……」
なんか今絶対聞き捨てたらダメな単語が聞こえた気がした。ペパーもサワロも視線が思わず下を向く。二人の様子に一切気付かないボタンはスマホを操作して演算装置のハッキングを進めていった。
カチ、と音を立ててボタンが繋げていたコードのUSB端子を抜いた。そして追加で何かスマホでセッティングを行なって、宣言することには。
「演算装置と観測装置の管制システム、全部掌握してウチのスマホからしか操作できんようにしたったよ。これで一先ず安心じゃない?」
「言ってることがヴィランちゃん過ぎる」
いや頼もしいしそもそもそれ目的だったけども、とペパーは肩をすくめた。経緯と理由はどうあれ、このヤバ過ぎるハッカーをとっととリーグで囲ったオモダカの英断をサワロは讃えたい気持ちでいっぱいだった。ボタンのハッキング技術そのものは情報として知ってはいたものの、実際目にしてみるといかに恐ろしいかよくわかる。
ボタンは演算装置のモニターを見つめて、じっと動かない。サワロがどうかしたのかね、と聞くとボタンは。
「や、エリアゼロだけじゃなくて地上の筈の学校にまでテラスタル結晶発生してるん、まだ小さいけど危ないなと思って」
それは確かに、とペパーとサワロはボタンの言葉に頷いた。ただでさえ以前よりも大気に満ちるテラスタルエネルギーが増えているというジニアの発言もある。ましてやアカデミーにはエネルギーを蒐集する観測装置が設置されていれば。 - 50二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 00:03:46
「なんで、いっそドカッと使ってしまおうかと思うのだが」
シームレスにボタンの口調が変化した。いやそれよりも、今なんと。
「え、ど、どういう意味だよボタン」
「昔観た極東地域のアニメ映画で、神格化されたポケモンが宝物を奪われて暴れ回り、森が枯れて大地が荒れ果ててしまったというのがあってだな。オチとしては主人公とヒロインが奪われた宝物を取り返し、神格化されたポケモンに命懸けで返してその場を治めるというものだったのだが」
なんの話だろう。なんの関係があるのかもわからず、そして二人ともアニメなどの話は詳しくないのでいまいちピンとこない。ボタンは続ける。
「エンディングで、荒れ果てた大地が瞬く間に緑に覆われて若い木の芽がまばらに顔を覗かせて、そう遠くないうちに森は元に戻ることを示唆するシーンが流れたのだ。まあ、ネットの考察勢曰く極東地域の森林は本当に再生力が高いらしいが生憎此処はパルデアだからな。そこまでの再生力は無い。ならどうするか」
ボタンはニヤリと笑う。スマホを操作して演算装置のモニターにパルデア地図を映し出す。
「自前で無いのなら、別のエネルギーで補填すればいい」
モニターの地図上のいくつかのポイントにマーカーが付く。ペパーはなんだか凄いことになってきた気がして、内心胸が躍った。
「パラドックスポケモンの侵攻で傷付いたパルデアの大地を、エリアゼロから溢れ出るテラスタルエネルギーで再生する。これだけの規模になれば、消費されるエネルギーはタイムマシンとも、並行世界の観測装置とも比べ物にならない桁になるだろう」
ボタンはスマホの画面をペパーとサワロに見せた。画面に表示された文字列を見て、二人は驚き目を見開く。ボタンは二人の反応を見て手応えを感じた。
「名付けて、"リ・テラフォーミング大作戦"!!この地に溢れるテラスタルエネルギーで、パルデアの美しい大地を甦らせるのだ!!」
希望の灯火は、いつの時代も可能性を持つ子供達の手の中にあった。 - 51二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 00:10:15
ものの〜け〜たち〜だけ〜
- 52二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 11:09:12
保守
- 53二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 11:17:27
保守
- 54二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 14:12:45
ボタンの口から説明される映画ぜったい有名な元ネタあるだろ!とじっくり読み進めてエンディング説明でようやく気付いた…!モチーフのそっくり感だけならゼルネアスっぽい首が出てきてそうだけど土地を考えるとアヤシシの資料から着想得てそうだなぁ(
此方の世界にもすごく希望のあるエンディングが見えてきたのでは…??楽しみだ - 55二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 14:23:05
でもパルデア壊滅の引き金となった悪の組織は、まだ遠くの地方で健在なんだよな……
パルデアが復興したおりにもう一度攻めてくる可能性もゼロじゃないし、そうでなくても放置すれば他の地方がパルデアの二の舞になりかねないし、根っこから叩き潰しておかなきゃ……() - 56二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 20:25:20
- 57二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 23:00:39
ボタンちゃんさっすが~! 俺たちのマジボスは最高なんだ!!
さぁて、悪の組織は一回地獄見ておこうね? - 58二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 23:04:19
- 59二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 00:06:29
- 60二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 00:13:46
- 61二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 00:14:49
うわぁぁ追いついたぁぁ!!
これ本当おもろいな… - 62二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 03:44:10
はい
- 63二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 07:05:55
犠牲軸でホームウェイ組という光が絶たれたのが本当に痛手すぎる
- 64二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 10:25:08
失ったものは帰ってこない
死んだものは何も言ってはくれない - 65二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 16:48:15
やっと追いついた!ここの概念好き!!
- 66二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 22:28:50
バーサーカーキハダ先生もいいけど、実は隠れバーサーカーなミモザ先生で!!
- 67二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 00:58:06
ご新規さんがここまで追いついてきてくれてるの嬉しみ
ここまで来ると、何がしかの罰を受けなきゃいけないよね……
犠牲ダカさんも自分の罪は裁かれるって言ってたし……
ぱっと思い付いたものではパルデア締め出しを喰らうとか?大切な宝物から拒絶され追い出されるとか罰にぴったりだと思うの……
そしてそのままパルデア壊滅の元凶となった悪の組織にカチコミに((
まあ物理的にダイレクトアタック喰らうとか事故って大怪我を負うとか、そういう方面の罰もありかもしれない
行動不能に追い込んでもう同じことをできなくするの……
- 68二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 01:17:39
(並行世界からのジムリ誘拐がパルデアの総意というなら、パルデアそのものに罰が降りかかってもおかしくないとか考えてしまった定期
いや おいうち かけすぎか……) - 69二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 11:09:17
- 70二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 11:13:25
たとえ大地が再生されようと、深く傷ついた人やポケモンの心までは癒えない……というのが辛いところよな……
ポケモンの方は、先の騒乱に加え、並行世界からの拉致誘拐なんていう蛮行に加担させられた良心の呵責からくる心の痛みも大きいかもしれない……
前スレの犠牲軸ポピーちゃんのデカヌチャンや、犠牲ダカさんのゴーゴートとクエスパトラみたいな描写けっこう好きなんよ - 71二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 20:06:00
保守
- 72二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 21:04:28
罪は罪、償いは償い
それらはまた別物であるからね
賛同してしまった犠牲軸全体で背負うべきものだから - 73二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 07:04:56
保守
- 74二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 12:27:21
過去スレにパルデア捨てて新天地で生きようってレスがあったから、いっそ そうなるのもアリかもしれない
テラスタルエネルギーでパルデアの大地は蘇ったけど、その影響で原種ポケモンやパラドックスポケモンが活性化したりあちこちに無造作にテラスタル結晶が生えまくったりしてとても人の住める環境ではなくなっていき、人々はパルデアを立ち去るしかなくなる……というの
大切な宝物に拒絶され追い出される形になる、これも罰になるのではないか……
しかし、騒動を受けた犠牲軸レホール先生が(自分の好奇心ゆえの行動とはいえ)先が長くない状態になってしまってるので、これ首謀者の誰かも同じ目に遭わなきゃいけないとか、そんなことは…… - 75二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 14:56:33
新アニポケ視聴したけど、リコちゃんパルデアから離れてるから
仮にアニポケ時空で尊い犠牲が発生しても、リコちゃんたちが巻き込まれる心配はないのかもな……
(ただしリコちゃんは故郷が大変なことになる) - 76二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 15:33:57
パルデアから離れてる人たちが故郷が大変なことになった!!家族は、友人は無事なのか!?って急いで帰ってきて二次被害にあう幻覚見ちゃったな…
- 77二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 20:06:04
アニポケのリコのペンダント、どうみてもテラパゴス絡みっぽいし
そこらへんの詳細が判明したら尊い犠牲概念さらにえげつないことになりそう……
おあつらえ向きにエクスプローラーズとかいう悪の組織もあるし…… - 78二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 21:36:32
保守
- 79二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 23:27:24
まだ悪の組織と決定したわけじゃないから…(女の子一人を複数人で追い回す姿から目を逸らしつつ)
- 80二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 06:23:50
- 81二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 07:08:35
完成を楽しみにしています……!!
- 82二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 09:33:43
もうじゃんじゃん書いちゃって下さい
- 83二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 16:51:24
SSなんてなんぼあってもいいですからね
- 84二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 17:56:24
甦れ、蘇れ、黄泉返れ。
母なる大地よ、よみがえれ。 - 85二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 17:56:58
「で、テラスタルエネルギーで大地を甦らせるって、どうすんだよそんなの」
ペパーは壮大過ぎるボタンの作戦に首を捻る。興奮と困惑で脳が軽く混乱していたのだ。必要なテラスタルエネルギーを蒐集することができたとして、それを大地に送り込む手段などどうしたら。
「ペパー、我々の使うテラスタルオーブは何処でチャージする?」
「は?そんなの、テラレイド結晶から取り込むかポケモンセンターで……」
ボタンのクエスチョンに答えようとして、ペパーはハッと気付く。テラスタルを駆使するトレーナーにとっては当たり前すぎて、その存在が頭から抜けていた。
ボタン曰く、おあつらえ向きにパルデア各地に点在するポケモンセンターには、テラスタルオーブのエネルギーをチャージする設備が整っている。主にジムを擁する街に配置されたポケモンセンターのテラスタルオーブチャージシステムをハッキングで掌握し、アカデミーの装置で集めたエネルギーを分配、大地に向かって放出することで大地が失ったエネルギーを補填し、再生力を高めようということだった。
「ただ、その為には私のスマホだけでは少々厳しい。この世界のネット回線が繋がったパソコンが必要だ」
「成る程、よく考えればその通りだな」
演算装置にはコードを直接繋ぐ有線式で介入したが、インターネットを介して遠隔かつ複数のシステムに侵入するには、この世界のインターネットに繋がるパソコンが必要なのは当然である。ボタンのスマホはこの世界のものでないため、そもそもが圏外である。
「我が輩が探してこよう。ペパーくん、ボタンさんを頼んだ」
「任せろちゃんだぜ!サワロ先生、気をつけてくれ」
サワロが教室を出てパソコンを探しに行った。ペパーは窓から外の様子を伺う。パラドックスポケモンの影は少なくなってきているが、油断はならない。あの不審者たちの仲間が何をしてくるかわからない。
ボタンはスマホを操作してプログラムを組み始めた。時間は有効活用するべきだ。サワロがパソコンを手に入れて戻ってきたらすぐにでも作戦を実行できるように、事前にテラスタルエネルギーに指向性を持たせるためのプログラムを作っておき、パソコンに繋いでインターネットを介し、ポケモンセンターのオーブチャージシステムにダウンロードする。 - 86二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 17:58:11
「容量ギリギリかもしれん……いや、やるぞ。やってやるぞ。ウチが出来ることは全部やったる……」
眉間に皺を寄せながらプログラムを組み上げるボタンに、ペパーは背負ったバックパックからパンとジャム、ホイップクリームを引っ張り出して簡単なジャムサンドを作って差し出した。
「頭使うことには甘いもんが一番ちゃんだろ?そうでなくてもこっちきてからなんも食べてないし、腹になんか入れとけよ」
「ありがとペパー」
ボタンはジャムサンドを受け取って、片手で食べ始める。視線はスマホの画面を注視したままだが、ジャムサンドの甘さによるものだろうか、眉間の皺は少し薄まった。それを確かめたペパーは、自分の空の胃袋に詰める為のサンドウィッチを用意する。ハーブソーセージを手早くケチャップとマヨネーズを塗ったパンで挟んだ。レタスも欲しかったが、ジムリーダー達の奪還にどれだけかかるか予測できなかったので生物は持ってきてない。流石に、此処まで混沌とした状況になるとは全く想定していなかったけれども。
「ハルトとネモにもなんか渡しときゃよかったな」
「そんな状況でもなかったし気にせんでよくない?あとハルトなら自分でなんか持ってきてそう」
「それもそうか」
ハルトはもうグラウンドに着いただろうか。ネモは今どこにいるだろうか。教室の外を警戒しつつ、ペパーは別の場所で戦っている筈の親友たちに思いを馳せた。
ボタンとペパーがリ・テラフォーミング大作戦の下準備を進める一方で、サワロはパソコンを手に入れるべく廊下を走った。デスクトップは流石に持ち運びの観点から難しいが、ノートパソコンであれば配線も必要ないし重量もない。
あるとしたら職員室だろうか。走りながらノートパソコンの手に入りそうな場所に当たりをつけるサワロは、視界の端に一瞬光を捉えた。
「っ!!パチリス、"ほっぺすりすり"!!」
反射的に、肩に乗っていたパチリスに指示を出す。パチリスはサワロの肩から飛び降りて頬の電気袋から電気を弾けさせながら駆ける。サワロが光を見たところに飛びかかって、電気袋を押し付けた。 - 87二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 17:58:55
そこにいたのは、テツノツツミ。テツノツツミは"ほっぺすりすり"のダメージで首を伸ばし、痺れた身体はドシャリと崩れ落ちて不規則に痙攣した。伸びた首の管に、見覚えしかない小さな機械を見つけて、サワロは周囲を警戒する。パチリスはテツノツツミを踏み台にして、尻尾を立てて威嚇した。
ガタン、と音がした。サワロはバッと音の方へ振り返り、パチリスがバチッと電気袋から激しく火花を散らした。案の定、例の不審者と同じ組織と思われる男が慌てるように逃げ出して、チヲハウハネとテツノワダチをけしかけてきた。
「くっ……パチリス、"いかりの———"」
「ルガルガン、ストーンエッジ」
えっ、とサワロが虚を突かれて一瞬固まる。チヲハウハネとテツノワダチが下から迫り上がるストーンエッジによって天井に突き上げられた。赤い毛並みの二足歩行のオオカミ、ルガルガンが不審者の背後から遠吠える。それに恐れをなした不審人物は、ベシャ、と腰を抜かして尻もちをついた。
「此方の世界のタイム先生!?」
ルガルガンの後ろから歩いてくるのは、此方の世界のタイム。サワロは僅かに動揺しながらも、腰を抜かしたまま這うように逃げ出そうとした不審者の腕を掴んで後ろに回して床に押さえつける。
「どういう風の吹き回し、と聞くのはこの状況では野暮でしょうな」
「そうかもしれませんね。とはいえ、サワロ先生の疑問も最もですもの」
タイムはルガルガンを撫でて、天井から落ちてそのまま気絶したパラドックスポケモン達を見る。身体に着けられた小さな機械は、ぶつかった衝撃で潰れていた。
「赦してほしいとも、思ってはいません。ただ、少しだけ考えたんです。このまま何もせずただ状況に流されたままなのは、きっと、妹に怒られるんじゃないかって」
況してや、息を潜めていた反社組織の残党が今になって行動を再開したとなれば。償いとなるわけでもないが、タイムは動かずにはいられなかった。
「何か、協力できることはあるかしら?戦力として使い潰してくれても、物資の在処の案内でも、わたしにできることなら何だってしますね」
「であれば、ノートパソコンが欲しいのですが何処にあるかわかりますか?一応、職員室など当たりをつけている場所はあるのですが……」
サワロの問いに此方側のタイムは少し考えて、それならば旧式ではあるけれど、と前置きして。 - 88二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 17:59:36
「此処からなら校長室が近いわね。この人はルガルガンに見張っててもらいますから、着いてきてください」
「申し訳ない」
ルガルガンに不審者の監視を命じ、タイムはサワロを案内する。勝手知ったる校舎ではあるが、ところどころ、立ち入り禁止テープなどで区切られた通路も見受けられた。目を凝らせば、テープの向こうには割れたガラスや落下して壊れた照明が、今なお片付けられることを忘れられたままになっているのがわかった。
タイムの案内で校長室に辿り着いて、サワロは真っ先に二列並んだデスクの上に安置されたノートパソコンに近付いた。一度電源を付けてみて、状態を確認する。小さな起動音が鳴り、モニターにログイン画面が表示される。よかった、使える。
「パスワードはどこにあるのかしら……」
「ああ、そこは大丈夫かと。使うのはボタンさんですのでハッキングして開けられますから」
「ハッキング」
デスクの引き出しを開けようとするタイムを制して、サワロが言う。そういえばそうだったわ、とタイムは少しだけ遠い目になった。
とにかくこれで必要なものは確保できた。後は演算装置の部屋にいるボタン達の元へ戻るだけ。サワロは適当な布で閉じたノートパソコンを包んで、脇に抱える。
急ぎましょう。サワロの言葉に頷いたタイムは、窓の外を一瞬見る。パラドックスポケモンの姿はほとんど無い。おそらくはグラウンドに集中しているせいだろう。平行世界の観測装置は、テラスタルエネルギーを蒐集する機構が組み込まれているが故に、今この瞬間においてパラドックスポケモン達を誘う誘蛾灯のようになっていた。
目的も手段も歪んでしまっている。どのような結末を迎えるにしろ、全てが終わった後オモダカも、ハッサクも、キハダも、ミモザも、タイム自身も、果たしてどうなってしまうのか予想できない。いずれにせよ赦されるつもりはないが。だが、それでも。
「サワロ先生」
ボタン達の元へ戻る道中、タイムはポツリと溢した。
「貴方達の世界は、間違えないでくださいね」
そうあって欲しいという願望だった。それを聞いて振り返らず、しかしサワロは当然だとその言葉に返した。 - 89二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 18:24:23
お待ちしておりました!
- 90二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 19:32:33
お待ちしておりました!!
タイム先生~!! もともと善属性だもんなぁ、むしろ肯定派の中でもかなり無理してたんじゃないの、精神的に… - 91二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 19:40:07
そりゃお前妹亡くしてんだから…
- 92二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 20:22:43
騒動が終わった後のタイム先生、教師を辞めて妹がジムリーダーつとめてたフリッジタウンで墓守とかしてそう……
- 93二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 02:07:25
脳内でLemonが流れてる
今でも貴方は私の光 - 94二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 07:12:21
妹さん亡くして、ショックで一時的に冷静な判断力を失ってしまった感じかな……
- 95二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 10:33:10
オレアゲー
- 96二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 17:01:38
オレモアゲー
- 97二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 19:16:45
ナゲー
>>80の人間ですがSS書けませんでした……。
元々前後編分けるつもりでしたが気づいたら前編だけで4000文字超えてました。
ただただ長いし読みづらいので暇で暇で仕方ないときにでも…。
後編は月末くらいに投げれたら、いいなあ……。
Xデーは一分後※五つ目のスレ冒頭の過去宛タイムカプセルを受け取ったアオキさんによるジムリーダー生存if※アオキさんに夢を見てる人間が書いてます
※長いです。4000文字越え
※頭空っぽにしてお読みください
※なんだこれ受け付けねえ!ってなったらピッピ人形を投げてください
"なげつける"のは勘弁してください
チャンプルタウンのジムリーダー兼、パルデアリーグ四天王副将兼、パルデアリーグ営業。三足の草鞋を履いて日々を過ごす男、アオキはその能力の非凡さに似合わず平凡を求める男であった。
しかし今日この日、彼は平凡な日常から追い出された、否、出ていくことを余儀なくされた。
眼前に迫るは、一般的に知られるポケモンたちによく似た姿の、全く別種のポケモンたち。彼らは相対する敵、アオキとアオキのポケモンたちを蹂躙せんと現在進行形で襲いかかっていた。後にパラドックスポケモンと呼ばれる侵略者たちを相手に奮戦するアオキたちであったが、戦況は良いとは言えない。
アオキの手持ちのポケモンたちは侵略者相手に必死に戦っているものの、明らかに劣勢であった。一匹の実力であれば決して劣りはしないのだが、その実力を凌駕してしまえるほどの数が敵にはあ…telegra.ph - 98二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 19:22:52
ア"オ"ギざん"ッッッ!!!!!!
(めちゃくちゃになった感情で言葉に詰まる様子) - 99二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 19:25:25
うわああああああアオキさーん!!
- 100二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 21:25:04
犠牲軸のパルデアはゴーストタイプが多いと前スレで聞いたような
命を落とした人やポケモンが転生したり思念が集まってポケモン化したとかが多いゴーストタイプ、
パラポケ進撃で何かを喪って悲しんだり憤った人やポケモンたちの思念や怨念が集合して新種のゴーストポケモンが生まれてもおかしくないんじゃ……
並行世界の同一人物で失った大切な誰かを取り戻す、というところに着目して
「並行世界間の移動や物質の持ち出しを可能とする」能力持ちのゴーストポケモンいけるんじゃねと考えたけど、それはもうフーパがいたわ…… - 101二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 22:04:41
マ"ッッッッッ!!!!!
- 102二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 07:06:55
- 103二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 09:52:39
あげ
- 104二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 10:30:28
- 105二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 16:58:08
「どうしたらおじちゃんは死なないんですの?」ってやつね あの考察はとても良い
- 106二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 17:43:03
保守しとこう
- 107二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 20:09:46
アカデミー内にも悪の組織の残党いるっぽいのまずくない……??
まさかアカデミーに悪の組織のスパイが……とか不吉なこと考えちゃった…… - 108二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 21:57:42
これ受け取ったのがアオキさんだからアオキさん自己犠牲かますけど、アオキさん以外のジムリでも四天王でも、誰が受け取っても自己犠牲かますと思うんだ…
- 109二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 07:12:05
オレアゲー
- 110二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 09:07:33
オレモアゲー!
- 111二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 16:30:48
アゲアゲ―!
- 112二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 21:35:25
保守。ってかこのスレ13個目なのか……
- 113二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 23:02:42
夜の帷に安らぎを求める眼で、暗闇を払い除けることの何と愚かなるや。
緑の大地を夢見る手で、若木を切ることの何と愚かなるや。 - 114二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 23:03:21
ふらふら、ゆらゆら。夢と現を揺蕩う意識が浮上する。濁った赫い眼が僅かに澄んで、世界を、現実を映し出した。
「———チリさん?」
もぞ、と腕の中で身じろぎした此方側のチリに、カエデは気付いた。チリの視線は、此方側のオモダカへ向けられる。グッ、とチリはカエデの肩を押して、離れようとした。
「ちょ、待っ、チリさん!?危ないですよ〜!?」
降りようともがくチリを止めようとカエデの腕に力が入る。チリは眉間に僅かながら皺を寄せて、か細い声で呻いた。足をばたつかせて、勢い余ってカエデの脇腹を蹴り付けてしまう。うぐ、と少しながらダメージを受けたカエデの腕が緩んだところで、チリは身体を捩って抜け出した。
「チリちゃん!?」
此方側のポピーが駆け寄る。ドサ、と落ちた此方側のチリは、浅い呼吸を繰り返しながらも弱って震える腕で上体を起こし、這いずって此方側のオモダカの方へ。ハッサクが止めようと手を伸ばすが、コルサが空いている方の手でそれを制した。
「好きなようにやらせてやってくれ、ハッさん。おそらくは、彼女に必要なことだ」
真剣な顔でそう言われ、ハッサクは伸ばした手を渋々降ろす。お前そんな顔できたんか、とオモダカは既に現実逃避を始めていた。そろそろ頭の容量がいっぱいいっぱいになりつつあったので。
目を見開いて動けない此方側のオモダカへ、チリはゆっくり、しかし確実に這って歩み寄る。服が土と瓦礫屑に塗れて黒く汚れ、掌に細かい傷が付く。それでも、もうどうにでもなれと、投げやりになって咳き込みながら進んだ。元より、既に失うものなど命の他は全て失くしているのだから、これ以上失うものなどあるものか。
ベシャ、と此方側のオモダカの前にチリの掌が落ちる。ゼェ、ゼェ、と息を切らして力を振り絞り、身体を起こして座り込んだ。
「ち、チリ……」
此方側のオモダカがしゃがんでチリに手を伸ばす。チリは息を整えて、少しだけ高い位置にあるオモダカの顔を見上げて伸ばされた手に自分の手を伸ばして———払い除けた。 - 115二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 23:04:06
「えっ……」
何が起きたのかわからない、という顔で此方側のオモダカは唖然とする。そんなオモダカの様子には目もくれないチリは、払ったまま横に伸びた手をオモダカの顔目掛けて振り抜いた。
———ぺち。
ほとんど、痛くない。音も、響かない。蒲公英の種子を飛ばすような弱々しい力で、スナップも効いていない平手打ちが此方側のオモダカの頬を打った。赤く腫れるわけもなく、顔の向きもほとんど変わらない、その程度の威力しかなかったが、オモダカにとっては頭を鈍器で思い切り殴られたような衝撃に等しかった。
「……れが」
掠れた声がチリの喉から絞り出される。その場にいた誰もが静かに息を殺す。
「だれ、が……とりもどして……いうた……っ!?」
「……え」
滲み出る怒りが、此方側のオモダカの、そして此方側のハッサクの心臓を貫いた。
「だれ、も……あいたい……いうて、ない……!だれも、むかし……に、もどりたい……いうてない……!よそ……から、うばって……まで……またあした、は……ほしくない……!」
叩きつけられた本音は、オモダカ達の行いの否定。チリは求めていない。望んでいない。欲しくない。そう叫ぶ。
「チリちゃん、いいわけに……すんな。パルデア……いいわけ、に……すんな……!じぶん、に……うそ……つくな……!!」
言い切って咳き込む。ハッと我に返った此方側のポピーが慌てて駆け寄って、肩を支えて背中を撫でた。チリは少しだけ、さっきよりも深く息を吸って、吐いて。此方側のオモダカのスーツの襟を力いっぱい掴みかかって。
「おわかれ、させてえ……や。おやすみ……いわせ、てえや。せや、ないと……アオキ、さん……どこにも、かえ、れへん……!」
血を吐くような声で、嘆くようにそう言って、チリは糸が切れた人形のように倒れ込んだ。此方側のオモダカはそれを何とか抱き止めて、背中に回しかけた腕をしかし躊躇して彷徨わせた。
チリは疲れて眠ってしまったらしい。衰弱した身体に鞭打って、命に別状ないことだけが幸いである。
「……だ、そうですよ」
肺に滞留していた二酸化炭素を吐き出して、オモダカは別世界の自分へ向けて肩をすくめた。視線が訴える、チリにここまで言われてなんか思うところないのかと。 - 116二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 23:06:36
「……」
此方側のオモダカはそれに沈黙で応えた。思考が纏まらない。今の自分の求めるものを、目指すものを表すのに適切な言葉が浮かびかかっては泡のように霧散した。だって、チリが、そんな。
ガリ、と静観していたグルーシャは髪を掻いた。此方側のオモダカの様子にサムくなって、両手をポケットにしまって空を見上げる。
「———は?」
視界の果ての果てに、グルーシャは見た。何かが飛んでくる。あれは———、ヘリ?
「え、ちょ、ま……、みんな空見て!なんか、来てる!」
マフラーを右手で少しだけ下ろして声を上げる。グルーシャの慌てた様子にその場にいた全員がグルーシャの視線の先に目を向けた。
まだ遥か遠くを行く故か、殆ど豆粒ほどの大きさのそれは、辛うじてプロペラの回転が視認できるようなできないような様子が見受けられ、グルーシャの察する通りヘリであろうと思われた。いやよく見えましたねグルーシャさん。カエデは内心で感心する。
転がされていた不審者のうちの一人がニヤリと笑った。
「本隊だ。我々の決起に本隊が気付いたんだ!!ザマを見るがいい!お前達もここで終わ———ぶべらっ!?」
言い切る前にアオキが顔面に膝を叩き込んだ。倒れた不審者はピクピクと痙攣しながら意識を飛ばしてしまっている。
「やはり暴力…….」
「言わせませんよ」
カエデが口元を手で覆って呟きかかったのを、すかさずオモダカは割り込んで止めた。これ以上口より先に手が出る派閥を増やしてはいけない。
「どうするトップチャンピオン。これ以上面倒ごとが増えると収拾つかなくなるのではないか」
「それは本当にそうなのですが……ここからあのヘリまでの距離をピンポイント狙撃可能なポケモンいます?」
「いないな」
「なので待ち構えて迎撃以外の選択肢が殆どないのですよね……困りました」
オモダカの眉間に皺が寄る。そろそろ胃薬が欲しくなってきた。そんなやりとりをしているうちにヘリはどんどん此方へ近付いてくる。オモダカはキラフロルが控えるボールを手にして、細く長く息を吐き出した。 - 117二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 23:08:30
「マズイな、パラシュート着けて降下しようとしてる」
「すみませんそんな場合じゃないのは承知の上で言わせてください。本当によく見えましたね???」
歯噛みするグルーシャに思わずオモダカはツッコミを入れた。一体どんな視力をしているんだ。この場にチリがいないことが惜しい。早く帰ってきてツッコミ。尚残念ながらそのツッコミは現在エリアゼロでバックドラフトを起こしてネモに怒られている。
空を睨みつけていたポピーは、ボールからデカヌチャンを出した。視線と指先の動きでいくつかの瓦礫と、空を行くヘリのプロペラを指し示して、一言。
「うちおとせ」
え、と全員がポピーへ視線を向けた次の瞬間、デカヌチャンが指し示された瓦礫の一つをハンマーで、ゴルフのドライブショットよろしく空に———ヘリに向かって打ち上げた。
ガキーンッ、と打ち上げられた瓦礫が一直線にヘリのプロペラ目掛けて飛んでいく。そのままプロペラの根本、回転軸をバキッ、とへし折って、揚力を失ったヘリはバランスを崩して落下する。ヘリの中で降下準備をしていたと思われる珍妙な格好の大人が数名、落下するヘリから大慌てで脱出し、パラシュートを開いた。ポピーはそれを認めると、デカヌチャンにパラシュートの端をヘリと同じように撃ち抜けと指示し、ドータクンを出して不審者達が落ちてくるであろう地点へ待ち構えさせた。エスパー複合であるドータクンの念動力で、落ちてきた不審者達を空中で固定して捕縛する。
「かずのぼうりょくも、うごくまえにたたけばむいみですの」
「誰ですかポピーに鬼畜教育したのは」
あまりに惨い。全員の心が奇跡的に一つになった瞬間であった。 - 118二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 07:09:46
犠牲チリちゃんよく言った……!!
ふと思ったのだけど、並行世界からの誘拐に加担してしまった犠牲ハッサクさん、里長を降ろされるうえに里から追放処分を受けそうでは……
あと犠牲軸の面々が罰を受けなきゃいけないのは分かったが、まさか手持ちポケモンまで一緒に罰されなきゃいけない……なんてことはないよね……?
ポケモンたちは人間の都合で巻き込まれただけで、彼らになんら罪はないはず
ない……はず…… - 119二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 16:49:19
保守
- 120二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 18:15:06
保守
- 121二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 18:58:48
- 122二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 21:28:12
尊い犠牲で投稿されるSSやイラスト、どれもステキで世界観の解像度あがるのええな……
10スレ目の犠牲ダカさん奮闘するSSで、ハルトやネモたちと友達で、絶望のあまり自〇しようとしてた女の子いたけど、その子がVS犠牲軸SSの騒動で原作軸のハルトたちと会ったらどんな反応するかな……
縋り付いてしまうのか、別人だと割り切って突き放すのか、でもなまじ外見がほとんど同じなので何かしら感じそうではある
個人的には、別の世界で元気に生きている彼らがいると知って、それがかすかな希望になってほしいとは思うけど…… - 123二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 21:43:30
ポピギャルド流石ポピギャルド!!
優しいしいい子だけど、慈悲はない! まぁ悪(阿呆)の組織が相手だから許されるよ(^^) - 124二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 21:55:33
犠牲軸コライドンくんも原作軸の悪の組織撲滅に参戦してくれるかな……楽園の守護竜(ガチ)やってるから難しそうだな
でも守護してるテリトリーのポケモンたちに背を押される形になったらワンチャン
なんやかんやで原作軸の悪の組織やっつけて、つい反射でハルトのもとに駆け寄ろうとしたら
一足はやくミライドンがハルトにじゃれついて、ともに勝利の喜びを分かち合ってるのを見て
ああ、自分はこの光景を守れなかったのか……自分は、大切な宝物(ハルトやホームウェイ組)を守れなかった
って切なげに立ち去る犠牲軸コライドンを受信して勝手に辛くなっちまった - 125二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 21:55:59
デカヌチャンが手持ちにいればこう育つのも必定だったかもしれない.......
- 126二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 00:39:29
あげ
- 127二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 02:28:18
前スレのSS読んで、犠牲ハッさんが犠牲チリちゃんに全部終わったらピクニック行きましょうとか言ってたり、原作アオキさんが騒動が終わったら(犠牲軸の)チリさんをピクニックに連れて行ってあげてくださいってセリフを見つけたけど、
罰うんぬんを考えたら、もうピクニックの約束を果たせなくなってしまうという罰もあるのかもしれない
いや、罰としてパルデアを追い出された先で、色々と落ち着いたらピクニックの約束を果たすという手も…… - 128二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 10:52:32
保守
本編軸オモダカさん事態が収束しても頭抱えてそうで可哀想可愛いなと思いながら今後の展開を練るなどする(スーパーパルデア人ポピーちゃん)(バーサーカー覚醒リップさん)(その他ガッツ溢れる有力トレーナーの皆様) - 129二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 14:40:27
- 130二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 17:13:03
- 131二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 22:19:02
しかし悪の組織に利用され操られたパラポケ、人間を憎む可能性もないとは言い切れないのが……
- 132二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 22:40:20
立場に雁字搦めになったまま走りきったのが犠牲軸のオモダカさんなのでこっちのオモダカさんはぜひ立場振り切ってはっちゃけて欲しいですね
- 133二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 00:35:17
オレホシュー!
- 134二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 05:50:37
保守あれ
- 135二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 12:41:14
- 136二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 12:52:02
- 137二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 12:57:12
- 138二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 12:59:43
- 139二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 13:35:21
探せ。暗闇の中に一筋を光を。
探せ。悲嘆と絶望の泥の中から希望の宝石を。
探せ、探せ、探せ。
あの美しい世界に恥じることなく、誇りを胸に歩き続ける道を。 - 140二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 13:36:00
上下左右、道が入り組んだ洞窟を歩く。地面や岩壁から生えたテラスタル結晶に映る不自然な鏡像を不気味に感じながら、チリ達は最下層に位置するゼロラボを目指す。それに追従するトドロクツキは、あまりあの隠れ家から出ることがないのだろう、好奇心に引っ張られて首をあちこちに向けて僅かに開いた口から感嘆の声を漏らしていた。
「———って、なんで一緒に着いてきてもうてんねん!!」
「あ、やっと突っ込みましたね」
「誰も何も言わないからこのままこの子連れて行くのかと思ったわ」
ぎゃんっ、とチリがジョウト人の血が騒ぐように声を張り上げた。当のトドロクツキはよくわかっていないのか、首を傾げてぐるると喉を鳴らす。君のことだよ、とネモは苦笑しながらその頭を撫でてやる。
「まあ、今更この子だけ帰らせるわけにもいきませんよ。あそこに匿われてたってことはそんなに強くないか、戦うの苦手かなんですし」
「それはそうやけど……」
「万が一道が途切れてたりしたら、この子に乗せてもらうこともありそうだしね。リップ達の目的が終わるまでは少なくとも一緒にいた方がこの子も安全だと思うわ」
「ぐう……」
現実的な意見で挟まれたチリは何も言い返せなかった。気落ちしたチリのアンテナのような髪の束が下を向く。トドロクツキはよくわかってはいないようだが、とにかくもう暫くチリ達と一緒にいてもいいのは理解したようで機嫌良く尻尾を振った。ドラゴンポケモンのはずなのに、体格も骨格も大きく違うのに、何故かチリはこのトドロクツキが図体のでかいパピモッチに見えて仕方なかった。
「……そういえば、リップさん第四観測ユニットで見つけた仏さんの服ん中弄ってたけど、なんかありました?」
「ああ、これね」
気を取り直そうとチリに問われたリップは、掌に収まる程度の大きさのデバイスを見せた。結晶に取り込まれた第四観測ユニットの側で見つけた、ダサい———もとい面白おかしい格好の死体が持っていたものだ。何らかの理由で電源が壊れてしまったのか、どのボタンを押してもうんともすんとも言わないものの、ある種この世界で起きた惨状の真相を解明する鍵になりうると判断して回収した。 - 141二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 13:36:41
「何のための機械なのか現状だと判断つかないけど、どうせロクでもなさそうなのはわかるわ」
「そもそもこないなとこに勝手に侵入するような奴がまともなわけないやろ」
「ふぐうっ」
何気なく言ったチリの相槌がネモを突き刺した。ちがうもん、博士に呼ばれて潜ったから無断侵入じゃないもん、と誰にでもなく言い訳をするネモに、トドロクツキは不思議そうに瞬きした。尚、実際に博士に呼び出されたのはペパーとハルトであり、ネモとボタンはペパーとハルトが独断で協力者として呼びつけたことは頭から抜け落ちていた。
暫く、時に途切れた道を繋ぐように生えた結晶の上を通って道のりを短縮しつつ一同は下へ下へと潜る。地面から生えたテラスタル結晶は、潜る程に大きな物が増えていった。
そして、一同はついにそこへ至る。
ス、と先頭を歩くチリが右手で静止を促した。視線の先には入口以外の全てがテラスタル結晶に覆い尽くされたゼロラボと、結晶に齧り付いて欠片を喰むパラドックス、或いは既存種のポケモン達。唯一覆われていないゼロラボの入口は、内側から食い破られたような穴になっていた。
「戦る?」
ボールを手にしたリップが言う。
「ちょお待って。流石にあの数トドロクツキ守りながら相手すんのはしんどいわ」
「でも流石にあのポケモン達に気付かれないようにゼロラボに入るの、無理ですよね?どうしたって音とか匂いとか、気配とかでバレちゃいそう」
「それなんよなあ。かと言って誰かが囮になろ思たら負担大き過ぎるし」
「リップはいくらでもいけるけど」
「こん中で一番の怪我人は黙っとれ」
物陰に隠れて思案する。チリはいっそのこと自分のポケモン達で、危険を承知で一斉に"じしん"を撃ち一掃してしまおうかと考えた。そこに。
「ぐぁん!」
トドロクツキが鳴いた。三人は一斉にトドロクツキに視線を向ける。リップのスカートの裾を前脚でちょちちょいと突っついてから、首を自身の背中に向けた。
「トドロクツキちゃん?」
他の同族よりも心なし丸みを帯びた目をして小柄な体躯のトドロクツキは、身体をリップに対して横に向ける。それを見たリップは、まさか、とその背に跨った。
ぐぁんぬ!トドロクツキが一吼えして、翼を広げて羽ばたいた。 - 142二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 13:37:53
「リップさーん!?」
チリは慌てて手を伸ばす。残念ながら間に合うはずもなく、リップを乗せたトドロクツキはゼロラボのテラスタル結晶に群がるポケモン達の頭上へ飛んでいった。ポケモン達がトドロクツキに気付くと、空を飛べるものが飛び立ちトドロクツキを狙う。飛べないものは高所へ向かって駆け出した。
「何で一人で囮なんのはキツい言うた端からー!!」
「もうこうなったらリップさんとトドロクツキを信じましょうよ。ほら、ゼロラボの入口周り、ポケモンいなくなりましたよ」
んがぁー!と頭を抱えるチリの服の袖を引いて、ネモがゼロラボの入口を指差す。大きくため息を吐いて、チリはゼロラボへ足を進めた。ネモはその後ろについていきつつ、でもこの人も私たちに相談せず密閉空間で爆発起こしてるんだよなあ、と苦笑した。まさに五十歩百歩、ミニーブの背比べである。
警戒するようにチリとネモを遠巻きに睨む、リップとトドロクツキに釣られなかったポケモン達は唸り声こそ上げるものの近付かない。そのまま来るなよ、と思いながらチリはゼロラボの中へ足を踏み入れた。結晶の欠片を踏んでガリ、という音がする。そこまで長くはない通路を進んで、穿ち破られた壁の穴を抜けて辿り着いたラボの中は。
「……こーらまた」
うんざりしたようなチリの声。ネモはラボの中のホワイトボードに貼り付けられた写真を見て、キュッと眉を顰めた。
「あ、チリさんちょっと」
ネモはふと思い出して、そのままエレベーターに乗り込もうとするチリを制止する。足を止めて振り返ったチリは何事かと尋ねた。
「もしかしたら最下層のボールロックシステムが動いてるかもしれないので、ここで護身用にポケモン出しておきましょう。何かあってからじゃ遅いですし」
「あー、それもそうやな」
チリが納得してくれたのを確認したネモは、ボールからパーモットを出した。チリも誰を出すか少し考えて、選んだのは手持ちの中で比較的小回りの利くドンファンだった。
「ほな、行くで」
チリにネモは頷いて、二人と二匹はエレベーターに乗り込む。流石に多少狭くはあったが、幸い重量制限に問題はなかったようで一安心する。 - 143二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 13:38:27
ネモの心臓が早鐘を打つ。背中を冷や汗が伝って、喉が渇き始めた。何か、この先に怖ろしいものが待ち構えているような、そんな予感を覚えたネモは膝が震えているのを感じる。それに気付いたパーモットは、くい、とネモの服の裾を引っ張ってから手を差し伸べた。
「……ありがとう、パーモット」
パーモットの気遣いにネモは僅かに緊張を解いた。差し伸べられた手に自分の手を重ねて握る。ふかふかの獣毛とぷにぷにと弾力のある肉球が、ネモの心を支えた。
ガコン、と音がしてエレベーターが停まる。ドアが開いて、タイムマシンのある最下層へ足を踏み出したチリたちは、覚悟こそしていたものの、そこで見つけた。見つけてしまった。
「———……っ」
ネモがパーモットと繋いでいない方の手で口元を覆った。チリの眉間の皺が深くなる。
タイムマシンを中心に、制御台も、壁も、テラスタル結晶に覆われていた。結晶に覆われた制御台には緋い本が差し込まれていて、そこに凭れ掛かっていたのは。
「———"フトゥー博士"や、ない?」
そこにいたのは女だった。野生みを感じる服装の上から白衣を羽織り、閉じた目元はどことなくペパーと似ているような気がした。その身体は、テラスタル結晶が疎に纏わりついている。生きているのか死んでいるのか、それともそもそも生き物なのか遠目では判断つかない。
彼女は、一体。
「———……」
ピク、と白衣の女の指先が動いた。ギギ、と軀を軋ませて、閉じていた瞼を開けて俯いていた顔を上げる。それを見たチリは思わず身構えて、ドンファンが鼻を振り上げ威嚇した。
「———ハロー、四天王チリ。そしてチャンピオン・ネモ」
僅かにノイズの混じった声で、女が言う。ガク、と一瞬ふらついて、痙攣しながら立ち上がった。
「ワタシはオーリム———の、人格と頭脳を複製したAIだ。よくぞここまで来てくれた、分かれた枝葉の先より現れた、賓達よ」
「なんやて……?」
チリは目を見開いた。チリはオーリムを知らない。しかし、エリアゼロに閉じこもり研究を続けていた博士が自分と寸分違わぬAIを搭載したアンドロイドを作ったことは資料で把握していた。つまり、彼女は。
「ペパーのお母さん、ですね」
ネモが確信を持って言う。あくまでもこの世界の、ではあるだろうが。
オーリムと名乗ったAIは、困ったように眉を下げて微笑んだ。 - 144二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 17:43:24
ああ~、そっかこっちではオーリム博士なんだ
向こうはフトゥー博士だったから、いるのは父親のほうだと思ってたんだ - 145二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 17:49:41
遂にAIとご対面した…!
原作軸との分岐点を多分見ていた人だよね、何を語ってくれるんだろうワクワクしてきた(犠牲軸帰宅組の存在からの目逸らし) - 146二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 20:27:59
テツノイサハ戦からなんかのタガが外れちゃってるやんけ、リップさん……
犠牲軸のキハダ先生がみたらなんて思うか…… - 147二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 06:33:20
ほしゅ
- 148二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 07:13:01
犠牲軸はスカーレット寄りかな?
- 149二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 10:52:54
保守
- 150二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 19:50:49
新アニポケみてたらここの概念と融合して
パラポケの波に呑まれ炎上する街(住民避難完了済み)を背景に
フリード博士&キャップVSアメジオ&ソウブレイズが激戦を繰り広げてる光景が脳内にありありと広がってきた……
なんでそんな危険地帯でバトルしてんだというツッコミは置いておいて - 151二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 20:01:46
まぁ一歩間違ったら本編軸ジムリーダーvs悪の組織で再現されるから大丈夫!!
- 152二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 23:05:23
あげ
- 153二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 07:13:20
- 154二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 16:44:43
あいつらはなんか何があっても大丈夫な安心感がある
- 15515323/04/25(火) 19:31:50
自レス
周囲が悲壮なことになってても、ムコニャはなんかパラドックスポケモンの大群に追われて「たすけて(くれ)(ニャ)(ソーナンス)~~~~~~!!」ってなってる様が自然に浮かんでくる
そして追突されてお約束のやなカンジ~~~でお空の星に
ムコニャにパラポケ仲間に入れてほしさある……
パラポケ進撃でどさくさに紛れてゲットしたやつ
ムサシはサケブシッポがあいそう なんか髪型が似てるし
コジロウはテツノツツミもいけそうと思ったけど、コジロウにひっつく くさタイプの伝統でアラブルタケもアリかもしれない
古来未来のパラドックスポケモンはニャース通訳できるかな……
- 156二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 22:11:16
ほ
- 157二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 22:24:41
オーリム博士から一体何がかたられるのかwktk
- 158二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 07:10:54
- 159二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 09:44:41
オレホシュー
- 160二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 19:42:21
- 161二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 20:04:22
氷のように凍てつく真実の楔は、求める者の心の臓を貫くだろう。
されど、知らなければ道を切り拓くこと能わず。
信念という鍵を手に、真理という錠を開き、明日という宝珠を得ん。 - 162二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 20:05:14
岩壁スレスレを、リップを乗せたトドロクツキが飛ぶ。リップは左手でトドロクツキの背中を掴んで身体を後ろ向け、ボールを構えた。視線の先には、テラスタル結晶の捕食の影響か攻撃的になったドロンチやテツノコウベ、ハバタクカミなどの群れ。
「エルレイドちゃん、リーフブレード!!」
ボールを投げて、飛び出したエルレイドがリーフブレードでハバタクカミの喉元を斬り裂いた。落ち始めたハバタクカミを踏み台にして跳び、ドロンチにサイコカッターを放つ。ドロンチは"りゅうのはどう"で迎え撃ち、ぶつかり合った技が爆発を起こした。重力に任せて落下するエルレイドを、トドロクツキは懸命に飛んで受け止める。爆風を突き抜けて向かってくるテツノコウベが両手を含めた三つ首の顎を開いた。
「!!ツキちゃん、急いでアイツから離れて!!」
ピリ、と肌で殺意を感じ取ったリップはトドロクツキに命じた。トドロクツキはそれに従い必死で飛んで、テツノコウベから距離を取ろうと試みる。
ゴォッ!!と衝撃波———否、音の波が叩きつけるようにリップ達を襲う。やはりハイパーボイスだ、と身体をこわばらせて耐えるリップは、ギラ、とテツノコウベを睨んだ。
エルレイドが警告するように声を上げた。リップが差し示された方へ視線を向けると、高台へ登ったジヘッドがリップ達目掛けて全速力で助走をつけて、足場の端で踏み切り跳ぶ。ドラゴンダイブで強襲しに来たのだと悟り、リップはトドロクツキにしがみつく。
「上!!」
「ぐあんぬ!!」
ブワッ、とトドロクツキが上昇する。空気抵抗と重力でリップは思わず空の腹の中から胃液を吐きかけ、それでもなけなしの理性でもってギリギリのところで堪えた。その真下をジヘッドのドラゴンダイブが通り過ぎる。間一髪、と言ったところか。
「フロシチウ」
ゾワ、と背中に悪寒が走る。振り返れば、そこにはキリキリと結晶の花弁を擦り合わせて威嚇するキラフロルが三体。クソがよ、思わずリップは舌打ちする。エルレイドがサイコカッターで牽制し、トドロクツキは大きく旋回してサイコカッターを迎え撃つキラフロル達のパワージェムを掻い潜った。
迫り来るポケモン達に捉えられぬよう、石の道が入り組んだ空間をトドロクツキは糸を通すように飛ぶ。その先に待ち構えていたテツノワダチ達が、一斉にアイアンヘッドで突っ込んできた。 - 163二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 20:06:54
「エルレイドちゃん、インファイトで蹴散らして!!」
エルレイドがトドロクツキから飛び降りて、テツノワダチ達へ向かって駆ける。両腕のブレードでの防御をかなぐり捨てた連続攻撃が、テツノワダチの牙を砕き、脚部をへし折り、ホイールに穴を穿った。機能停止したテツノワダチの身体を踏み越えて、エルレイドは右腕を伸ばす。トドロクツキは伸ばされたエルレイドの腕を掴んで引き上げ、再び今度は緩やかに上昇した。
「チリちゃん達はゼロラボに侵入できたかしら。確認したいけど流石に厳しい感じね」
リップは視線だけ後ろに向ける。トドロクツキを追い立てるドロンチ、テツノコウベ、キラフロル、ハバタクカミ。岩壁を走ってくるのはクエスパトラにニューラ、ダグトリオ。地上にはキョジオーンやガバイトにジヘッド、真夜中の姿のルガルガンがリップ達が降りてくるのを今か今かと待ち構えていた。
リップの手持ちに、チリのように広範囲に散らばる大勢の敵を一息に一網打尽にするような技を覚えたポケモンはいない。一ヶ所に集めて一気に蹴散らしたいが、しかしどう誘導したものか。
放たれるハバタクカミのシャドーボールやキラフロルのパワージェムなどの遠隔射撃を回避しつつ考える。
「———ツキちゃん、限界まで上に飛んでくれる?」
「ぐぎゃんっ」
リップがヒュウ、と息を吸い込む。トドロクツキは口を真一文字に結んでグン、と地下洞窟の天井ギリギリまで上昇した。飛行できるポケモン達はそれを追いかけ、飛べないものは岩の道を登って行く。リップはボールを二つ手にして、ポケモン達をギリギリいっぱいまで引きつけた。
「エルレイドちゃん、ツキちゃん、フォローシクヨロ!」
フッ、とリップはトドロクツキの背中から身体を投げ出す。身体の力を抜いて、重力に任せて落ち始めた。トドロクツキが驚いて大きな声で鳴く。
「さあ、一番弱い獲物はこっちにいるわよ!!鬼さんこちら!手の鳴る方へ!!」
落ちながらリップは愉しげに手を叩く。我先に追いかけるテツノコウベ、後に続くドロンチとハバタクカミ、キリキリと音を立てて後続するキラフロル。
リップは落下先の地面にルガルガンやサケブシッポ、テツノワダチにジヘッドなどが集まっているのを認める。手にした二つのボールを追ってくるポケモン達の間を抜くように投げ、そして。 - 164二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 20:08:40
「クエスパトラちゃん、サイコキネシス!!サーナイトちゃん、マジカルシャイン!!」
最後尾のキラフロルの上に、ボールから飛び出したクエスパトラとサーナイトが現れた。サイコキネシスがハバタクカミとキラフロルを薙ぎ払い岩壁にまとめて叩きつけ、マジカルシャインがテツノコウベとドロンチを焼き払う。落下するテツノコウベ達を避けながら、全速力で飛ぶトドロクツキに乗ったエルレイドがリップを抱き留めた。
サーナイトとクエスパトラがサイコパワーで自身の身体を岩壁に寄せる。自らの足を壁につけて、サイコパワーで姿勢を支えながらトドロクツキに追従するように駆け降りた。その先に待ち構えるポケモン達に、シャドーボールとエナジーボールの雨を降らせる。
「エルレイドちゃん、ダメ押しいっちゃって!」
愉しそうに嗤うリップに少しばかり呆れた顔をしたエルレイドが、トドロクツキの背中から跳び眼下のポケモン達へ向けてサイコカッターを振り抜いた。土煙と破壊音が視界いっぱいに拡散する。ぐるる、と不安そうなトドロクツキの首を撫でて、リップは地の底を見下ろした。
「……一先ず、これで安心かしら」
力尽きて倒れたポケモンたちを認めて、リップは大きく息を吐く。後でチリ達に怒られそうな気がするが、終わりよければ全てよしの精神で開き直った。エルレイドに頭を叩かれはしたが。シンプルに痛い。
「ツキちゃん、降りられる?」
ぐぅん、と鳴いたトドロクツキは、リップに負担をかけないよう気を付けながらゆっくり降下する。ひと足先に壁伝いに底へ降りていたサーナイトとクエスパトラの側に、緩慢な動きで着地した。
「チリちゃん達の後追ってもいいけど、見張りも必要よね」
ゼロラボの入口を見据えてから、周囲に目を向ける。スロープの真ん前に陣取って、リップはそこに座り込んだ。
「あくまで、今からワタシが語ることはワタシのメモリー内に記録されていた映像であって、私が見たものではない、という前提だけ理解してもらいたい」
台座から緋い本、スカーレットブックを抜き取ったオーリムAIはそう前置きした。その意味を、ネモは察する。
「楽園防衛プログラムに主導権を取られたから、ですね」
その通り、とネモに対してオーリムAIは申し訳なさそうに笑う。カメラアイ越しに記録映像の形で事実を把握できただけ、マシではあるだろうが。 - 165二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 20:10:29
「ワタシが楽園防衛プログラムとしてコライドン2号を子供達にけしかけて、それに対抗してハルトが1号と共に戦った。ここまではキミたちの世界と同じかな?」
「流れとしてはあんまり変わらないと思います。ボールロックされたことも含めて。こっちはミライドンでしたし、エリアゼロに籠っていたのはフトゥー博士でした」
「ふむ、ではここからだ。テラスタルした1号が2号を追い込み始めた時点で、止まっていたはずのエレベーターが稼働したのが映っていたよ。子供達は気付かなかったようだがね。そして、2号が大技の反動で身体が動かなくなって、1号が最後の一撃を放とうとした時だ」
目を伏せる。ここから先が分岐点であると、ネモもチリも察していた。
「何かが、ハルトの背中を切り裂いた。背負ったカバンのお陰で即死こそ免れていたが、出血多量で落命することは必須だった。後でこの記録を見て、この機械仕掛けの身体に嫌な電流が流れたものだ。…….下手人は、オリジナルが呼び出していないはずの、バンギラスに似た鉄のポケモン……キミたちは確か、テツノイバラと呼称していたね。そいつだ。そいつの爪がハルトの背を裂いていた。驚きこそしたが、そうだ、そもそもオリジナルがタイムマシンを完成させるより以前から、パラドックスポケモンはこのエリアゼロに存在していた。ヘザー達探検隊が遭遇したイダイナキバのように、タイムマシン無しで異なる時代のポケモンが召喚されることはあり得ないことではなかったということだ」
「あれ、ヘザー達が遭遇したんてテツノワダチちゃうん?」
チリが疑問を抱いて待ったをかけた。チリが読んだヴァイオレットブックには、テツノワダチの写真が載っていたはずだ。
オーリムAIはスカーレットブックを開く。パラ、とページを捲って二人に見せたページには。
「……イダイナキバ……?」
「どうやら、やはりこの世界とキミたちの世界、双方を照らし合わせると細かな差異が存在しているようだ。コライドンがミライドンであるように、キミたちの世界にはスカーレットブックは存在せず、代わりとなる本がある。そうだろう?」
チリとネモは頷いた。それこそが、ヴァイオレットブックである。オーリムAIは話を戻そうか、とスカーレットブックを閉じる。 - 166二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 20:11:17
「動いていたエレベーターが開いていて、その向こうにお世辞にも洒落ているとは言い難い格好の連中がいてね。手にしていたデバイスでテツノイバラを操っていたらしい。最初にそれに対して怒りを見せたのは、ペパーだったよ。ボタンはすぐにスマホロトムを出して、ボールロックシステムの解除に再び挑んで、ネモはハルトの背中の怪我を一刻も早く止血しようと自分の制服の裾を裂いて巻きつけていた。侵入者達はテツノイバラ以外にも、サケブシッポやテツノカイナと呼ばれるパラドックスポケモン、アラブルタケを引き連れて、制御台を奪おうとした。……ああ、そうだ。惨劇と呼んで差し支えないだろう。ボタンとネモを守るために、ペパーと1号が侵入者に使役されるパラドックスポケモン達に立ち向かって行った。1号は当然消耗していたし、ペパーは自分でも言っていた通り、ポケモン勝負があまり得意でなかったからね。少しずつ追い詰められていっていたよ。それでも、ボタンがシステムをハッキングして、ボールロックを取り払う時間を懸命に稼いでいた。———そのうち、ハルトは出血多量で遂に絶命した。止血を試みていたお陰で長く保った方だ。最期にネモに、自分のポケモン達を託していた。次にペパーが、テツノカイナによって壁に叩きつけられて逝った。骨があらぬ方向に折れていたのが、後から確認してわかったよ。……ネモ、気分が悪いようなら、席を外すかい?」
オーリムが気を遣ってネモに退席を勧めた。ネモはそれでもふるふると首を横に振る。ここまできた以上、最後まで知る義務がある。続けてください、とネモはパーモットの手を握る力を強めた。 - 167二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 20:11:48
「……1号はハルトとペパーの死をオリジナルと重ねたのかもしれない。咆哮を上げて無軌道に、めちゃくちゃに暴れ出した。侵入者達は通信機を使って、同胞に連絡を取っていたよ。すぐにエレベーターが動いて、戻ってきた時には大勢のパラドックスポケモン達が大挙してきた。1号はそれに対してがむしゃらに、ハルトとペパーの遺体をこれ以上傷つけられぬように奮戦していた。一撃、流れ弾で侵入者の持っていたデバイスが叩き飛ばされて、エラーを吐いていた。それとほぼ同じタイミングで、ボタンがボールロックシステムを解除できたようだ。ボタンはペパーの遺体に駆け寄って、彼のボールを全て手にした。……パラドックスポケモンに襲われながら、必死で走って、自分の分も含めた全てのボールを、ネモに託していた。すぐに横から飛び込んできたサケブシッポのサイコファングと思われる技で、腹に喰らいつかれてしまった。……ああ、その通り。最後に残されたネモが、託された総勢24体のポケモン達と共に、侵入者とパラドックスポケモン達を蹂躙した。そして……それなりに発育していても、まだ幼いと言っても差し支えない身体は、その負荷に耐えられなかった」
それで終わりだ。オーリムAIは目を伏せた。ネモは下唇を噛んで、チリは口元に手を添えて考え込む。コライドンのあの古傷の由来が、ここで判明するとは。しかし。
「こっちのハルトらはここで死んだんやんな?なら、遺体は?何処にも見当たらんで」
「落ち着いた後に、1号が全員分持ち去って行ったよ。何処へ持って行ったのかは、ワタシにはわからないがね」
さよけ、とチリは息を吐いた。 - 168二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 20:40:02
続ききた〜!
うっ帰宅組……そっかぁ………
殿で24体使役ネモ想像したら超カッコ良いから画になるだろうな、いいよねよくない - 169二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 22:06:26
ドーナツホールの方ですか!?
- 170二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 23:16:26
ホームウェイ組~!!!
前半の命投げ出しバーサーカーリップさんに笑ってたら、とんでもないものが!
…ひぃん、やっぱりかぁ
お洒落()さんたちホントに地獄に沈めよ? - 171二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 00:07:36
犠牲軸のネモちゃん、よぉ頑張ったわホンマに
- 172二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 09:04:09
犠牲軸のホームウェイ組は コライドンが弔ったのかな
- 173二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 14:21:56
ポピギャルドが犠牲ポピーちゃんにもうつったらどうしよう……
- 174二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 14:45:50
犠牲軸の面々が償いするとして、
ジムリーダーたちが命捨ててまで戦ったんだから自分たちも命捨てる覚悟で償わないと!……なんて決意固める人が出てきたりしない……?
というところまで考えてしまった うん自分は疲れてるんだきっと - 175二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 20:19:34
悪の組織の連中、もしかしてホームウェイ組の後をつけてたのか……??
そして原作軸も少しでも歯車が狂えば犠牲軸の二の舞に……ヒエエ! - 176二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 01:01:36
オレアゲー
- 177二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 07:17:37
オレモアゲー
- 178二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 09:25:56
サラニアゲー
- 179二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 19:11:19
>>97の人間です
正直に言います。思ってたより反応貰えて調子乗りました。
結果後編のはずなのに前編の約3倍の長さです。
キャラ崩壊してる気もしますがキャラ崩壊が怖くて創作は出来ないの精神で書きました。
前編以上に暇なときに混乱状態で読み飛ばしながら読んでいただけると!
あとCPにならないようには気を付けたつもりですが、そう見えると思います注意!
ポピーちゃんとハッサクさん出番あげたかった!
ボーナスタイムは半年後※五つ目のスレ冒頭の過去宛タイムカプセルを受け取ったアオキさんによるジムリーダー生存if※アオキさんに夢を見てる人間が書いてます
※長いです。前半の約3倍です
※頭空っぽにしてお読みください
※キャラ崩壊注意
※なんだこれ受け付けねえ!ってなったらけむりだまを使ってください
「アオキ、あなたがチャンプルタウンのジムリーダーに就任するにあたって、もう一つお願いしたい業務があるのです。」
「……業務命令なら仕方ありませんね。」
ジムリーダーとしての役目を与えられたその日、アオキはゼロゲート及びエリアゼロの警備役に就任した。二つの辞令を受けて、彼は疑問を感じた。
なぜ自分のような平凡な男がジムリーダーとして危険地帯の警備を任せられたのか。
ジムリーダーとはその地方の顔といっても良い存在であり、ことパルデアにおいては良くも悪くも話題性の強い人間がその役目に就いていた。そんな中、アオキは平凡な男であった。愛想はなく、人付き合いも得意ではない。顔つきも平均的だし、何か凄い技術を持っているわけでもない。注目を集める要素が何一つないし、正直いてもいなくても変わらない、そんな地味な存在。少なくともアオキは自身のことをそう評価していた。…telegra.ph - 180二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 19:39:52
待ってました!
- 181二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 19:42:19
このレスは削除されています
- 182二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 19:43:31
読ませていただきました!みんなかっこいい!
そしてアオキさん、あなたってばホントにもう!
生還おめでとうございます!! - 183二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 19:59:48
アオキさんはさあ……チリちゃんほんとグッジョブ
- 184二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 20:00:31
- 185二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 23:50:34
『良』
- 186二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 07:30:54
いのちだいじに
- 187二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 11:35:29
ポピギャルドその気になればヘルメット被ってアイアンヘッドぶちかませそう……
- 188二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 14:25:34
あげ
- 189二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 20:03:24
- 190二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 20:21:39
- 191二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 20:35:10
- 192二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 21:19:10
ありがとう!!埋めようか
- 193二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 21:19:41
- 194二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 00:24:09
ハッピーエンド探してこうぜ
- 195二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 02:02:28
埋めようか
- 196二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 03:40:09
埋め
- 197二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 03:40:22
梅
- 198二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 03:40:48
埋め埋め
- 199二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 03:40:59
梅梅
- 200二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 03:41:17
埋め梅