【ウマ娘SS】【トレ♂×ウマ】運命の2人と見守る1人

  • 1121/11/25(木) 21:55:56

    ライスとお兄さまの新婚もののSSですが、今回のSSはトレーナー同士の会話です。

    [ウマ娘SS]汚泥に沈む貴方に青いバラを【閲覧注意】|あにまん掲示板注意事項トレ♂×ウマです。物語の展開上人が死にます。まだ書いている最中ですが「あっ重いなコレ」ってなるぐらい重いです(一応ハッピーエンドです)bbs.animanch.com

    ↑のSSの続きです。

    登場人物

    マヤトレ

    トレセン学園のトレーナーさん。マヤノトップガンのトレーナー。顔がいい。故にモテるが本人はマヤ一筋。女遊びはしていない。していないってば。お兄さまの友人。


    お兄さま

    トレセン学園のトレーナーさん。顔がいい。ライスシャワーと結婚した。あーだこーだ言いつつ友人と一緒にいるのは結構好き。でもライスと一緒にいるのが1番好き。

  • 2121/11/25(木) 21:59:06

     とんとん。さすさす。
     とんとん。さすさす。
     「どうした『お兄さま』?老けたのか?」
     「違うし、つーかお前はライスじゃないだろ」
     隣で腰を労りながらこちらを睨みつける男はライスシャワーの元トレーナー、通称『お兄さま』だ。何故『元』かというとライスシャワーは今年の春、トレセン学園を卒業し、その際にトレーナー契約が切れたのだが驚くのがここからで、なんと、卒業式のその日に婚約したのだ。しかも婿入りで。
     2人はお似合いだし、まぁ早いうちにくっつくだろうとは思っていたがまさかこんなに早くゴールインするとは思わなかった。流石にトレーナー間で物議を醸したが、「ウマ娘の卒業後、トレーナーと結婚するのは珍しくない」とたづなさんがそう言っていたので騒動はひとまず落ち着いた。(少々早すぎると苦笑はしていたが)
     それに、あの2人の幸せそうな様子を見るとねぇ…文句を言うのは野暮だと感じた。その光景を見たマヤの俺を見る目が最近変わってきているがな。

  • 3121/11/25(木) 22:00:27

     「で、腰、どうしたんだ?ガンバリすぎか?」
     「部屋の模様替えをガンバッた。それ以外は無い」
     「模様替えねぇ…」
     お兄さまはこちらに一瞥もくれず、あっけらかんと返事しながら弁当のウサギ型リンゴをシャクシャク食べる。あの弁当、ライスちゃんが作ったものだろう。
     それはさておき、最近はお兄さまの新婚生活をからかうのにハマっている。今回もちょっとからかってみることにしてみた。
     お兄さまは隠し事や演じることが得意なので直接聞いたところで事実を聞き出せないだろう。なのでからかうヒントがないか過去を少し遡ってみる。

     『ここが2人の愛の巣か、テーマパークに来たみたいだぜ、テンション上がるなぁ〜」
     『かーえーれ。かーえーれ』
     『なんだよ〜、せっかく手土産持ってきてやったのによ〜』
     『それだけ置いてかーえーれ』
     2人が結婚して数日後、結婚祝いとしてお高いすき焼き用の肉を片手に(アポ無しで)部屋にやってきたことを思い出してみる。確かに一人暮らしの頃と比べると物が増えている。が、既に整理がされているし、模様替えには少々早すぎるのではないだろうか。…いや、そこをツッコんだところではぐらかされるのがオチだろう。
     なら、カマをかけてみるか。

  • 4121/11/25(木) 22:01:44

     「なあ、首のところどうした?赤い跡がついてるぞ?」
     「は!?え!?嘘だろ!?」
     お兄さまが顔を真っ赤にしながら慌てふためながら首を隠しつつ勢いよく立ち上がる。ああ、面白い。面白すぎて腹が痛ぇ。結婚前なら想像できなかったのに今じゃ随分人間らしくなったなと思う。
     「いや…そんなはずはない!出かける前にシャワー浴びてきたし、そのときには…あっ!」
     ようやく気づいたのかピタリと忙しなく動いていた腕が止まり、こちらに怒りの形相を向ける。
     首の赤い跡は嘘だ。まんまと引っかかった。
     「フッ、大・勝・利!」

  • 5121/11/25(木) 22:02:29

     そう勝ち誇るとお兄さまは怒りからか羞恥なのか顔を真っ赤にしながらスタスタとその場から立ち去る。
     「…悪かったって!もうこれ以上聞かねえから!」
     「うるせえ!お前なんか食あたりしちまえ!」
     「…あ!そこ!用水路の蓋がはまってな━━」
     「うガッ」
     止めるのが一足遅かった。お兄さまの片足が用水路にはまり、その際にのけぞって腰をやってしまい、断末魔の悲鳴をあげてゆっくりとその場から倒れ込んだ。

  • 6121/11/25(木) 22:03:32

     完全に腰をやってしまったお兄さまを保健室に連れて行き、検査をした。その結果、幸いにもぎっくり腰やヘルニアの類ではなく、筋肉痛が酷くなっただけだった。とはいえど今日一日安静にすることが勧められてしまった。
     「ホントにごめん。もうからかわないから…」
     返事は無い。当然だろう。恥をかかされた挙句、体を痛めたのだから機嫌なんてすこぶる悪い。
     「……すき焼きの肉」
     「え?」
     「…ライスがまた食べたいって言ってた」
     「そ、そうか…そいつは何より…」
     「その倍買ってくれるならそれで手打ってやる」
     「ぐっ……わ、わかったよ」
     スマホを取り出し、通販サイトを開き、あのお高いすき焼き用の肉を注文する。

  • 7121/11/25(木) 22:04:46

     ぶんむくれたお兄さまを見て少し前のことを思い出す。
     こいつは過剰な程にライスちゃんに尽くしていた。側から見てもトレーナーと担当をという関係を超えているのではないか?と思うぐらいに。
     ライスちゃんは謙虚でいい娘だから増長しなかったからいいけど、もし、増長するような娘なら?ましてや悪女と付き合うようになったら?
     …おそらく、何もかもソイツに差し出して破滅していただろう。そんな危うさがこいつから感じられた。だからライスちゃんと結婚したときは心の底から安堵したし、以前と比べて感情豊かになったときは親でもないのにちょっと泣きそうになった。
     この学園ではライスちゃんの運命の人はお兄さまという風潮があるが、こいつにとってもライスちゃんは運命の人だった。友人としてこの2人を引き合わせたことを神に感謝する。

     「ホイ、肉買ったぞ」
     「野菜セットも」
     「野菜もぉ!?」
     「今度ウチで飯食いに来いよ。ライスも待ってる」
     「ハァー…わかったよ。肉ももういっちょ追加な!」
     「よっ、太っ腹!」
     「太ってねーよっ!」
    おしまい

  • 8二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 22:07:34

    前作読んでたよ、続きがくるとは…!
    よかったなぁホント…ありがとう

  • 9121/11/25(木) 22:39:34

    あー!エピローグ書きたい!でも眠い!

  • 10二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 22:56:09
  • 11121/11/25(木) 23:12:54

    >>8

    新婚ライスシリーズ読んでいただきありがとうございます。



    >>10

    はい、私が書きました。マヤトレはチャラいけどいい奴ってイメージです。

  • 12121/11/26(金) 09:12:44

    エピローグ

     「すき焼きは関西風だ!関東風はただの牛鍋じゃねーか!」
     「何を言う!関西風なんか雑に醤油と酒と砂糖をぶっかけてさあ!味がわからなくなるじゃないか!」
     「ふ、ふたりともっ!しーっだよ!しーっ!」
     あのお高いすき焼き用の肉と野菜セットが届いてすぐにあの2人の愛の巣に向かって、すき焼きをタカりに、もとい、ご相伴に預かった。
     最初はすき焼きの作り方で揉めたが、ライスちゃんに叱られてじゃんけんで決めて、関西風にした。お兄さまは最初は文句を言っていたがいざ食べると「うまいじゃないか…」って言って食べてた。チョロい。
     が、シメのうどんを食べてる最中にお兄さまが水と間違えて俺の酒を飲んでしまってひっくり返ってしまった。倒れる直前に「謀ったな…!」と恨み言みたいなことを言われたが、こいつが自爆しただけなので謀もクソもない。
     しかし、ライスちゃん噂通りに食べるなあ…肉も野菜もうどんもモリモリ食べてた。次飯食いに行くときは肉のランクを下げておかないと破産するかもしれない。

  • 13121/11/26(金) 09:15:02

     本来の目的は果たしたし、お兄さまはベッドに放り込んでおいたのでそろそろお暇しようとする。
     その前に、友人としての頼み事をライスちゃんに託そうと思う。
     「なあ、ライスちゃん」
     「は、はい!」
     「あいつは、いい奴だよ」
     「…うん!お兄さまは本当にいい人だよ!」
     お兄さまはライスがびっくりしないように優しく声をかけてくれるし、2人でお散歩するときには歩幅を合わしてくれるし…などなどと笑顔でお兄さまとの惚気話をすらすらと話すライスちゃん。
     その様子から2人との幸せな光景が目に浮かぶようだ。だからこそその幸せを壊されないように頼む。

  • 14121/11/26(金) 09:16:28

     「ただ、あいつは都合の『いい奴』とも言える」
     「えっ?」
     「ああ、あいつは信頼した相手には自分のことを全く勘定に入れずにとことん尽くすタイプなんだ」
     「…確かに…」
     「だから俺は心配してるんだ。悪い奴に漬け込まれて、利用されて、何もかも奪われそうで…」
     「……」
     「で、ライスちゃんに頼み事がある。…あいつのこと、そんな奴から守ってくれないか?」
     「守る…!うん!わかった!」
     力強く頷くライスちゃん。この娘は気弱でマイナス思考の持ち主だけど、本当に大切なものは譲らないという強い心を持っている。この娘と一緒ならあいつが道を踏み外すことはないだろう。
     「よし!いい返事だ!俺も出来る限りのことはするからな!じゃあな!」
     「うん!今日はごちそうさまでした!」

     (あいつは本当にいい奴なんだ。だからあいつが幸せにならなければ不公平だろ?…頼むぞ、ライスちゃん。…あいつだけのヒーロー…!)

  • 15二次元好きの匿名さん21/11/26(金) 09:29:57

    良い…

  • 16二次元好きの匿名さん21/11/26(金) 11:46:32

    昼age

  • 17二次元好きの匿名さん21/11/26(金) 19:03:12

    ライスとお兄さま…
    もしかしてえっちなことしたんですね!?

  • 18二次元好きの匿名さん21/11/26(金) 23:29:09

    夜age

  • 19121/11/27(土) 07:01:14

    >>17

    詳しくは言いませんが昨日お兄さまはガンバったので腰が痛くなってしまいましたとさ

  • 20二次元好きの匿名さん21/11/27(土) 15:33:48

    >>19

    ふーんえっちじゃん

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