- 1121/11/25(木) 23:48:10
前回
うしおととら、トレセンへ往く|あにまん掲示板※うしおととらネタバレあり。※うしとら最終話後の話(独自設定)が含まれます。※まだ出だししか書いてないです。※どんなウマ娘と絡めるかもまだ考えてないです。※思い付きだけで始めてしまった。bbs.animanch.com※うしおととらネタバレあり。
※うしとら最終話後の話(独自設定)が含まれます。
※思い付きだけで始めてしまったが何とか続きが出来たので少しずつ投下。
※解釈違いとかほんとにすまん。でもうしとらもウマ娘も好きなんだ。
- 2121/11/25(木) 23:49:32
潮の実家のある"みかど市"から、バイクで片道約2時間。早朝にも関わらず道は混んでいたが、整理された道路は思いの外スムーズに進め、約束の時間にはまだ少し時間があった。
「はぁ~ここがトレセンかぁ~でっけーなぁ~」
バイクを押しながら潮は、同じ東京に住んでいるにも関わらずオノボリさんのような事を言うと、通り過ぎる少女達がそれを聞いてクスクスと笑いながら校門に入っていった。
(さっきから通り過ぎる子達がみんなキレーなウマ娘さん達ばっかりで何だか今頃になって緊張してきたぞ…、とらのヤツも痺れきらして先に行っちまいやがって、何処に居るんだか…)
「あのー?おにいさん、トレセンにご用ですか?」
校門前で立ち尽くしていると後ろから声を掛けられてドキリとする。
振り返るとそこにはニコニコと人懐っこい笑顔を湛えた一人の少女が居た。
頭の上の可愛らしい耳、鹿毛の髪に前髪に白いメッシュ(流星というらしい)、
髪と同じ色で少女の背後で大きく揺れる尻尾。 - 3121/11/25(木) 23:50:50
「え?ああ!ごめんよバイク邪魔だったかな!?」
「いえいえ!私もいきなりすいません!その…、私がトレセンに初めて来た時とおんなじ事言ってらしたので、もしかして困ってるのかなぁと…」
「いや、こりゃ親切にありがとう。ここで駿川さんって人と待ち合わせだったんだけど、ちょっと早く来すぎたみたいでさ。そんで、あんまりにもでっかくてキレーな学学ッコだからビックリして眺めてたんだよ」
「ですよね!私も初めて来た時はなまらびっくりして…あっ!たづなさんって事は、おにいさん、もしかして!やよいちゃんが言ってた画家の先生ですか!?」
「いやいやいやっ!?画家の先生なんてトンでもない!俺はまだただの美大生で絵の仕事なんて今回が初めてで…!」
「え~!それってデビュー戦って事じゃないですかー!いいなぁ~すごいなぁ~」
少女がキラキラした目で褒めやそすので、潮も否定しながらも悪い気はしなかった。同時に胸の内に沸々と熱いものが込み上げてくるのを感じていた。
(そうか…デビュー戦か、実力で勝ち取ったものじゃないけど、きっとこいつは大きなチャンスなんだよな…よしっ!気を引き締めないと!)
「ありがとう、まだまだ修行中の身だけど全力で描かせて貰うよ!俺は蒼月潮、よろしくな!」
「あ!これはご丁寧にっ!私はトレセン中等部3年生の"スペシャルウィーク"って言います!これからよろしくお願いしますね!」
そう名乗ったウマ娘の少女は、とても嬉しそうに笑って大きくペコリと頭を下げた。 - 4121/11/25(木) 23:54:22
(スペシャルウィーク!すごい名前だな…でも不思議と変じゃない、むしろとても似合ってて…)
「…すごく素敵な名前だね」
潮は率直に胸にわいた言葉を口にしていた。それを聞いたスペシャルウィークは、ワナワナと震えだし、みるみる顔を真っ赤にしていった。
「うぉっ!?ど、どうした!?何か変な事言っちまったか!?」
「こっ…」
「こ?」
「こっぱずがすうぅ~~っ!!!」
突然そう叫びながらスペシャルウィークは校舎に向かって全力疾走していった。
「えぇ~?…すっげぇはえぇなぁ~…」
潮は訳も判らず、猛スピードで駆ける少女の後ろ姿を唖然と見送るしかなかった。
そう言えば自分は幼馴染みの女子等にアンタはデリカシーが無い等とよく言われていたのを思いだし、彼女に何か失礼な事を言ってしまったかもしれないと少しションボリしていた。
これが蒼月潮の、ウマ娘との初めての邂逅であった。
──スペシャルウィークさーん校内での全力疾走は駄目ですよ~!
──はうぅごめんなさぁーいぃ - 5121/11/25(木) 23:55:06
れ違いで緑色のスーツ?を着た女性がパタパタとこちらに向かって走ってきた。
「すいませ~ん!蒼月潮さんですね?お待たせ致しまして申し訳ありません~!理事長が寝ぼ…いえ、雑務に手間取ってしまいまして…!」
深々と頭を下げる緑色のスーツの女性。きっとこの女性が駿川たづなさんだろう。
「いえいえそんな!俺もさっき着いたばかりなんで全然気にしないで下さい!いやー!それにしても立派な学校ですねー!同じ東京に住んでるのにビックリして感動してたんですよ!」
「まぁ…お気遣いありがとうございます。それに本学園をお褒めに預かりとても誇らしい心持ちです。」
「申し遅れました。理事長秘書を勤めております、駿川たづなと申します。蒼月さん、私ども日本ウマ娘トレーニングセンター学園は貴方を歓迎致します。」
そう言って駿川さんは丁寧に潮へ礼をすると右の掌を上に向け、彼をトレセン学園へ招き入れた。 - 6121/11/25(木) 23:58:17
- 7121/11/25(木) 23:59:38
「陳謝っ!私の父が蒼月殿の絵を大層気に入って今回の件で無理を言ったと聞き及んでいるっ!父に代わり御詫び申し上げるっそしてっ」
秋川理事長はぴょいと向かいのソファーに腰掛けると、扇子をくるりと翻した。
「感謝っ!我が学園の創立記念日の晴れの日の為にこの依頼を受けてくれた事をとても嬉しく思う!蒼月殿っ!我々は貴殿の仕事を全力でサポートする腹積もりだ!何かあればこの秋川やよいと秘書の駿川たづなに申し付けて欲しいっ!」
扇子の裏面に書かれた"感謝"という、これも随分達筆な字を見せながら、秋川理事長はまたカラカラと笑った。
「あ、ありがとうございます。未熟者ですが全身全霊で描きます。よろしくお願いします!」
(…本当は俺の親父の方が無理を言ってやらせて貰う筈なのに気を遣ってくれてるんだろうなぁ、小さいけど流石理事長さんだなぁ…俺も頑張らねぇと…!) - 8121/11/26(金) 00:01:16
- 9121/11/26(金) 00:02:14
「重畳ッ!生徒会長殿に紹介したい御仁が参られたので多忙を承知で呼び立てたッ!こちらの御方が先立って話していた蒼月潮殿だッ!蒼月殿!彼女が我が学園の生徒代表、シンボリルドルフ生徒会長だッ!」
秋川理事長が潮を紹介すると、シンボリルドルフはハッとしたように潮に向き直った。見開いた瞳は美しくアメジストのようで、強い光を湛えていた。
「え、えっと…蒼月潮です。よろしく。」
「あ、…貴方が蒼月"画伯"…」
「が、画伯!?」 - 10121/11/26(金) 00:03:19
「ご紹介に預かりましたシンボリルドルフと申します。非才ながら学園の生徒会長を勤めております。蒼月画伯にお会い出来てを光栄に思います。」
「ちょっ、ちょっと待ったっ!俺は画伯なんて大層な呼ばれ方をするようなもんじゃ無いよ!誰かと勘違いしてないか!?」
「フフフ、ご謙遜がお上手だ。貴方の作品を拝見したが実に愉快で素晴らしいモノばかりでした」 - 11121/11/26(金) 00:05:22
「一見、大ミミズがキャンパスの上でのたうち回った様な荒々しいタッチから引かれた味わい深い線、まるで幼児がはしゃぎながら塗りたくった様な色合いから奇跡的に産まれた調和…」
「おぉぅ…」
「しかし、貴方の作品の肝はそこじゃない…!私を痺れさせたのは、それらの絵に込められたであろう、強く熱い"想い"…!【父娘の絵】【飛行機の中の勇気】【お守さまと白の少女】【兄妹】…おそらく、どの作品も一個人に向けられた想いで溢れていて、第三者の私には全て汲み取り切ることは出来ないまでも、その心揺さぶる"想い"に知らずの内に涙が溢れていたのは初めてでした…!」
「そんなに…!」
シンボリルドルフの上げた作品名は、彼女の言うとおり、全て友人に贈った絵で、部活動報告で高校のホームページに写真だけ掲載されたものだ。
学校関係者以外であのホームページをチェックしている者が居たことに驚いたが、自分の絵をここまで評価してくれる人物が居たことに潮は感動していた。
「ありがとう!!俺、頑張るから!!」
「はい!戮力協心、微力ながら私達生徒会もご協力致します!」
互いに涙を流しながら手を取り合う二人を、理事長とその秘書は、生徒会長の意外な一面に彼女のキャラクター性を疑いながらも生暖かく見守り続けて居た。 - 12121/11/26(金) 00:07:45
うしおの出会い編終わりです。次はとらのターンです。
- 13121/11/26(金) 00:09:49
- 14121/11/26(金) 00:14:21
- 15121/11/26(金) 00:21:57
とらは、既に飽き飽きしていた。
数刻前に潮を置き去りにしてトレセン学園までやってきたが、何が出来るわけでもなく暇をもて余していた。
───数刻前
『なぁーうしおー、さっさといこーぜー、遅せーよこのバイクー』
ベムベムベムベム
「だぁー!うるせー!ヘルメットを叩くな!人様の世の中には交通ルールってもんが在るんだよっ!」
『チッ、あのシンゴーってやつかー、わしの力が万全ならよぉあんなもん全部吹き飛ばしてやんだがよー』
「万全でも絶対やんなよ!?確かに赤信号に掴まるとイライラするかもしれねーけど、アレが無くなると車やバイクは1mmも動けなくなんだよ」
『ケッ、ニンゲンってのは相変わらずせせこましくしてやがんだな。だったらあのヒコーキってヤツで飛んできゃいいじゃねーか』
「そりゃいいや!自家用飛行機でびゅーんとちょっとそこまで、ってみんな飛んだら今度は空が渋滞するわ!」 - 16121/11/26(金) 00:23:36
(前のバイクのアンチャン、さっきからずっと一人で騒いでるな…)
- 17121/11/26(金) 00:27:35
とらは暇をもて余し空高く飛び上がった。上空から見る街並みは相変わらずゴチャゴチャしてて狭苦しく感じたが以前のような不快感はなかった。
『相変わらずクルマどもはうるセェしクセーしニンゲンはごちゃごちゃ多いが…まぁ慣れちまって昔ほどウザったくもねーけどよ』
誰に言うでもなしに呟くと、大きく欠伸をして下に降りようとした時、遠く前方に広大な敷地を持った建物を見つけた。
『おーいっ!うしおーっ!あのだだっ広い所は何だー!?』
「いや俺には見えねーよ!多分そこがトレセンなんじゃねーかー!?」
それを聞いて、とらはニンマリと笑う。
『うしおーっ!先に行ってるぜーっ!』
「なっ!?ズリィーぞとらぁっ!」
『カカカッ!悔しかったらオメーも飛べるようになんな!ノロマのカメうしおーっ!』 - 18121/11/26(金) 00:28:55
- 19121/11/26(金) 00:31:01
続き出来たら落ちてなかったらここに書きます。
うしおととらのやり取り書いてる時が一番楽しいです。 - 20二次元好きの匿名さん21/11/26(金) 00:41:05
乙
続きたのしみ - 21二次元好きの匿名さん21/11/26(金) 07:35:31
保