- 1二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 09:45:50
……声が聞こえる
「【私】のお菓子の味を、恋しいと思ってくれるのね〜。その事自体はとっても嬉しいけれど、皆が笑顔になってくれなくちゃ意味ないですよ〜?」
「他でもない、アナタの唯一無二の友で居たかったはずなのだ!……【ワタシ】の代わりを連れてくればいいなんて、そんな淋しいことを言わないでやってくれないか」
「ナンジャモの~?『ドンナモンジャTV』出張版!の時っ間っだぞー!今日はどーしてもこっちの皆の者に伝えたいことがあるんだ!聞いて欲しい、もう一人の【ボク】のこと!」
「カラフの皆は、オイラがいなけりゃなんにも出来んほど、弱っちくはないはずだい!砂嵐にも負けん、活気に満ちた水の町!こっちの【オイラ】だってそう言うさね!」
「言わせてほしいのさ岩のよう、生きているのに霊のよう!そんな時化た面してちゃ、世界ごと湿気って当然さ!【アタイ】が笑って逝けるように、イケてる姿を見せておくれよ!」
「たとえ違う世界でも【リップ】の辞書に哀しみはない。てっぺん超えたって消えないマジックを……お化粧をしてみせる。さぁどうか笑って、もう一人の大切なあなた」
「こっちの【ぼく】、もう熱さ取り戻してたんじゃないかなって思うんだ。じゃなきゃ皆を、パルデアを守るために、死ぬ覚悟で戦うなんてちょっとサムいこと、出来っこないでしょ?」
「……はぁ……【自分】達は今頃怒り心頭でしょうね。守りきったはずの宝物が、揃いも揃ってヤケクソになってるんですから。国ごと暴走すれば実質全員正気なのと同じという事ですか?寝言は寝て言って下さい」
…… ……
……最初から、誰もが分かっていました
貴方は【貴方】ではないこと
誰も【貴方】の代わりになどなれないこと
それでも、尊い犠牲で終わらせたくなかった……!
大切で、大好きで、きらきらの
守りたかった【宝物】
……私たちの世界に、光あれ……
めのまえが まっ
「だから、シンプルにいきましょう。トップ」 - 2二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 10:40:01
過去スレ
【閲覧注意】尊い犠牲でした|あにまん掲示板突如エリアゼロの大穴から湧き出した未知のポケモンたちの侵攻巨大化したいわば『ぬしポケモン』と呼ばれるポケモンたちの大量発生その裏に潜む悪の組織の野望地域に根ざし見守って下さっていたジムリーダーの方々が…bbs.animanch.com【閲覧注意】尊い犠牲でした【その2】|あにまん掲示板……しかしながら残された爪痕はあまりにも深いものです一部地域では未だ大穴から這い出た未知のポケモンやぬしポケモンの現存が報告されています万が一それらしきポケモンを発見した場合すみやかにポケモンリーグ本…bbs.animanch.com【閲覧注意】尊い犠牲でした【その3】|あにまん掲示板「ハッコウジムが未配信のまま残されてたナンジャモちゃんの動画上げてくれててさ」「久しぶりにグルーシャくんの現役時代のインタビュー見返しちゃった」「有志の手によって未完成だったコルサさんの作品が発掘され…bbs.animanch.com【閲覧注意】尊い犠牲でした【その4】|あにまん掲示板元のスレ主じゃないけど立ててみました。迷惑だったらごめんなさい救いは…救いはないんですか?bbs.animanch.com【閲覧注意】尊い犠牲でした【その5】|あにまん掲示板マイクテス マイクテス…… ……お元気ですかこの声が届いた皆さま私はパルデアポケモンリーグ理事長オモダカでも皆さまの知るオモダカではありません皆さまが無事乗り越えて来た過去あるいはこれから辿る可能性の…bbs.animanch.com - 3二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 10:41:42【閲覧注意】尊い犠牲でした【その6】|あにまん掲示板…………ザザッ…………なるほど、そうですかそちらの私は受け入れたのですか……彼らのいない世界を乗り越えて、未来を見据えて時折後ろを振り返りながらも、前に進む事が出来るのだと、そう言うのですね『尊い犠牲…bbs.animanch.com【閲覧注意】尊い犠牲でした【その7】|あにまん掲示板砂埃が舞うパティスリーもう増えることのない芸術作品二度と配信が始まらないチャンネル活気を失ったマリナード市場シャッターの閉まった宝食堂閉鎖されたライブステージ化粧品を見て悲嘆する人々沈黙が響くナッペ山…bbs.animanch.com【閲覧注意】尊い犠牲でした【その8】|あにまん掲示板絵とかSSとか書けないけど続きが見たくてスレ立てました…!他の人が立て直すなら消すのでよろしくお願いします…1https://bbs.animanch.com/board/1398476/2https…bbs.animanch.com【閲覧注意】尊い犠牲でした【その9】|あにまん掲示板なかったようなので立てました何か問題があれば消しますbbs.animanch.com【閲覧注意】尊い犠牲でした【その10】|あにまん掲示板いよいよ10スレ目まだまだ語りたいbbs.animanch.com
- 4二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 10:43:34【閲覧注意】尊い犠牲でした【その11】|あにまん掲示板それは楽園への道標か、あるいは地獄への入り口か。パルデアの大穴からパラドックスポケモンが溢れ出してきて、人々を守るために戦ったジムリーダーたちが全滅してしまった世界線を語るスレです(前スレの建て主とは…bbs.animanch.com【閲覧注意】尊い犠牲でした【12】|あにまん掲示板パルデアに光差す日は来るのだろうかbbs.animanch.com【閲覧注意】尊い犠牲でした【13】|あにまん掲示板いつか、いつかパルデアに光が戻りますようにbbs.animanch.com【閲覧注意】尊い犠牲でした【14】|あにまん掲示板荒れた大地に、光は灯るか。bbs.animanch.com【閲覧注意】尊い犠牲でした【15】|あにまん掲示板古来などない。この地には、それを示す物なんてもう存在しない。未来などない。この地には、それを抱く者なんてもう存在しない。もう後戻りは出来ない。前に進む必要も、ない。…でも、例え悪足掻きだとしても。進め…bbs.animanch.com
- 5二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 11:08:38
ナイス建て
- 6二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 11:09:51
し、痺れる文章…!!
強いぞこの1 - 7二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 12:29:01
取り敢えず建てよう
- 8二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 13:09:53
建て〜
- 9二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 13:56:30
うめ
- 10二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 13:57:13
オレタテー
- 11二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 20:04:53
たて乙!
冒頭の文章が素敵すぎる - 12二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 21:56:02
もう16か…
- 13二次元好きの匿名さん23/06/14(水) 00:06:24
保守あれ
- 14二次元好きの匿名さん23/06/14(水) 07:17:31
アオキの冷静な呆れ混じりの怒り好き
怒鳴ったりはしないだろうなって - 15二次元好きの匿名さん23/06/14(水) 11:40:45
ちゃんと背中を押してくれるアオキgood
- 16二次元好きの匿名さん23/06/14(水) 18:28:43
あげ
- 17二次元好きの匿名さん23/06/14(水) 22:34:49
保守
- 18二次元好きの匿名さん23/06/14(水) 22:38:53
このスレ保守しかしないの?
- 19二次元好きの匿名さん23/06/14(水) 22:44:56
ドーナツホールのお兄さん…お姉さん?
見てますか…
次は何の曲で描くつもりですか…
というか本当に大丈夫ですか無理してませんか…
またこだわり装備でしねんのずつきしてませんか… - 20二次元好きの匿名さん23/06/14(水) 23:50:35
ほし
- 21二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 06:57:08
見てますよ…他に見る人がいなくても過疎でも自分は勝手に作りますよ…
こだわり装備しない自分はもはや自分じゃないので…まあはい
他の人も作らないかなーとちょっと期待してますよ…楽しいよ…楽しいよ…
候補曲
- 22二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 07:16:54
最後まで見届けます
- 23二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 13:39:45
保守あれ
- 24二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 15:03:39
あぁ……終わりが近付いて来ている……
世界が再生して、元凶トンチキ集団をシメに行って、めっちゃ温まってる大人達……
雰囲気的にはウイニングラン? - 25二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 17:42:03
光差す方へ歩くには、我らは既に黒く染まり過ぎた。
暗影に沈み切るには、我らは然し白過ぎる。
我らの向かうべき道は、何処にあるのか。 - 26二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 17:42:46
ヌシサイズに巨大化したカジリガメとの激闘を制したハルト達は、不審者を菱縄縛りで拘束し動けなくした上でハンカチを噛ませて猿轡にした。容赦がなさすぎてネルケもライムも若干引いた。なお縛り方の指導はレホール。余計なこと教えんなクレイジー教師。
落ち着いてきたところでライムは、ずっと頭の片隅に引っかかっていた疑問を解消するのは今ではないか、と考える。マジで色々それどころではない状況が続いたもので。
「ハルト、ちょっといいかい」
「なんですか、ライムさん?」
ギリギリと不審者を縛る縄を腕と脚両方を使って引っ張って、さらにキツく締め上げるハルトに薄寒いものを覚えつつ、ライムは問いかけた。
「ずっと気にはなってたんだけど、アンタにしろ四天王達にしろ、どうやってこっちの世界に飛んできたんだい?装置はこの世界側からしか動かせないし」
「あ、それはアカデミーの近くに出た黒いテラレイド結晶に飛び込んで———」
言いかけて、ハルトはハッとした。此方に来てから今の今まで気にしていなかったが、そういえば。
「……あれ?なんでぼく達、結晶に飛び込めばこっちに来れるって思ったんだろ」
目論見が成功しているのだからいいものの、そうでなければ高難易度のテラレイドが始まるだけなのに。何故かハルト達はあの時、根拠のない確信を持ってテラレイド結晶に飛び込んだ。
どうして?疑問がハルトの脳を埋め尽くした。あの時自分は何故、行けると思ったのか。
うんうん唸って考え込むハルトはそっとしておくとして、ライムは安全確認を兼ねて周囲を見渡す。そこで視界に飛び込んできた、鳥ポケモン。
「ん?」
ライム目掛けて一直線に飛んでくるそのポケモンに見覚えがある。嘴に紙切れを咥えた鋭い緋眼の大鷹———ムクホークは、誰であろうジムリーダーにして四天王三番手のアオキのパートナーである。なんで???
翼を羽ばたかせて、ムクホークがライムの眼前に着陸した。何事かと思いながら、ライムはアオキのムクホークで違いないかを確かめる。ムクホークは肯定を示すように頷いて、ライムに咥えた紙切れを差し出した。
受け取ったライムはその内容を確認し———すぐに閉じた。 - 27二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 17:43:27
「何が書いてあったんだい?」
「オモダカからの伝言」
「どっちの」
「アタイらの」
「内容は?」
「"八つ当たりしに行ってきます。御同行していただける方は大空のヌシの縄張り跡地に現地集合、何が来ても驚かないこと"」
「一体何するつもりなんだいオモダカ嬢」
知らないよ、とため息を吐いたライムはムクホークの首を撫でた。これは、一応他の顔ぶれにも話した方がいいだろう。十中八九間違いなく、八つ当たりの対象はこの不審者共の親玉なので。
「でしたら、この不審人物は私が見張っておきましょう。レホール先生、その縄から手を離しなさい」
「ボロ出てるぞグラサンリーゼント」
ライムの指摘におっと、とネルケはリーゼントを整える仕草をしてグラサンを正す。それに重なるようにハルトがああっ!!と声を上げた。
「そうだ、声!結晶に飛び込んだ時声聞こえたんだ!砂が滑り落ちるみたいな音が重なって聴き取りにくかったけど、子供の声だった!」
「あ、答え出たのか」
「出た!!」
元気でよろしい。ライムはすっきりした様子のハルトにオモダカからの書き殴りの言伝を見せる。内容を確かめたハルトはうんうん頷いて。
「ミモザ先生達とボタン達も呼びましょう。多分みんなもコイツらにめっちゃくちゃ怒ってると思うし、ノリノリでカチコミ行くって言ってくれます。何より……みんなで行った方が楽しそう」
「楽しい楽しくないの話なのかいコレ」
まあまあ常人的な感性のライムは冷や汗を流す。残念ながら目の前にいるこの人畜無害そうな少年は一人でスター団のアジトに乗り込み、多勢に無勢を蹴散らした経験を持つ修羅である。そもそもまともな子供はレポート提出義務と引き換えとはいえ、エリアゼロに嬉々として何度も潜らないとか言ってはいけない。
「こっちの世界のオイラ達が殉職したのはコイツらのせいでほぼ間違いないだろうから、また大きな襲撃を起こさせない意味でも根切り自体は賛成だい。何が来ても驚かないこと、っていうのはちっと気になるけども……」
「誰の発案にしろ絶対碌でもないもん持ってくるつもりだろこれ。重機でも持ち込む気か?ブルドーザーとか」
「殺意が高い」
当たらずも遠からずなのだが、ライム達がそれを知る余地はない。そんな二人をよそにハルトはテツノブジンをボールから出して、医務室にいるであろうミモザ達をグラウンドに連れてくるよう言いつけた。 - 28二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 17:44:12
「ぼくはボタン達を呼んでくるから、お願いね。医務室の場所はあっちのモニターで確認できるよ。使い方わかる?」
グラウンドの出入口のモニターを指差すハルトに、テツノブジンは任せて欲しい、と言うように頷く。ハルトはよし、と呟いて一人と一匹は一緒に駆け出した。
すれ違う学生の子供達の恐れを含む視線を受けながら、首元のスカーフを大切そうに押さえて廊下を走るテツノブジン。背負った薙刃が壁を傷つけないよう気を付けながらも、速度は落とさない。医務室の扉の前に辿り着き、ハルトやマスカーニャがやっていた姿を思い出しながら扉に手をかけて開いた。
「えっ、テツノブジン……ハルト氏の?」
セイジのスマホで状況を確認していたナンジャモがテツノブジンに気付いた。キハダとミモザはそれに一拍遅れて続く。テツノブジンは入口に薙刃が引っかからないよう片手で少し縦向きに向きを調整して医務室の中に上がった。以前に一度、ハルトの自室から出る時に薙刃がドアに引っかかって大変なことになったので。
テツノブジンはナンジャモに近付いて、ジャケットの袖の先をクイ、と摘んだ。そしてグラウンド側の窓を指差して、グイグイと引っ張る。ナンジャモは僅かに慌てたものの、すぐにその意図を察した。
「グラウンドに行けばいいの?」
生身の身体を持っていたのならフンスッ、と鼻息を吹き出していたであろう勢いでテツノブジンが頷いた。ナンジャモは一度ミモザとキハダと目線を交差させ、言葉なく意見を交わし合う。そしてセイジにスマホを返却して、前髪を払った。
「セイジ氏、こっちのミモザ氏よろしく。ミモザ氏、キハダ氏、行こう」
「オッケー」
「わかった」
ベッドに寝かせられた此方側のミモザをセイジに任せ、三人はテツノブジンに応じてグラウンドへ向かう。緊急事態であれば、急がなければ。
結論から言うと、緊急というわけではないが、早めの回答が必要な案件だった。
ナンジャモはトップめちゃくちゃ怒ってんじゃん、と肩をすくめる。普段滅多に個人的な欲を見せないオモダカが"八つ当たり"と言う言葉を使う辺りが主に根拠。とはいえナンジャモ自身、不審者グループには大変怒りを覚えていたので参加する気満々である。正直まだ殴り足りない。 - 29二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 17:44:45
「そういやハルトが戻ってくる前に聞いときたいんだけど」
ライムがキハダとミモザへ目線を寄越した。二人は疑問符を浮かべて顔を見合わせ、なんでしょうか、と返した。
「ハルト達は黒いテラレイド結晶に飛び込んでこっちに来たらしいけど、アンタらはどうやって?」
ああ、そのことか。キハダとミモザは合点がいった様子で頷いて、答えることには。
「私たちも同じですね。テーブルシティとボウルタウンの間に出現した黒いテラレイド結晶に飛び込んで、此方へ。ハルト達もそうということは、四天王の皆さんも同じかと」
「そういえば、なんか結晶に飛び込んだ時声しなかったっけ?あたしだけ?女の人の声が聞こえたんだけど」
したした、雑音混じりだったけど。とキハダが同意して、ライムは首を捻った。ハルトが聞いたのは、子供の声だと言っていたが。
「昔のテレビの砂嵐みたいな音に紛れて、女の人の声で"みんなを止めて"って言ってた気がする」
「そうそうそう!それにあの声どっかで聞いたことあるような気がして、言われたらなんだか気になってきたんだけど」
「ここにハルトがまだ戻ってきてなくてよかったな。ジェネレーションギャップでアタイらの方が傷を負うところだった」
ライムが顔を覆って天を仰いだ。そうこうしているうちに、ボタンとペパーを連れてきたハルトもグラウンドに戻ってくる。ペパーは此方側のタイムの手を引いて同行させていた。
「ハルト、サワロさんは?」
「演算装置の防衛のために残るって。代わりにこっちのタイム先生連れてきました」
ハイダイにハルトが答えると、此方側のタイムは目を逸らす。流石に少し、居た堪れない様子だった。
「実際姉さん達からしたらまたとない仇討ちの機会ではあるけど。このメモから察するオモダカのキレ方見るに、アタイらが殴る分残るか不安だよ」
「その心配の仕方はどうなんだい」
ガリ、とライムは帽子越しに頭を掻いた。チラ、と視線を此方側のキハダに向けると。 - 30二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 17:46:48
「アンタはどうすんだい?幼馴染の仇を取るなら乗っかった方が良さそうだけど」
「……私、は」
「早めに決めなよキハダ氏ー。トップがロードローラーでバカ共蹂躙する前に」
「それは流石に死人が出ちゃうだろ!?」
「重機で巨大化させられたポケモンに突っ込むくらいはやりかねないんだい。それくらいの怒りだよい」
「嫌な信頼」
「まあ並行世界とはいえ"パルデア"に手を出されてるわけだし……」
「確かに……」
回答を求めるなら口を挟む猶予をくれ。一言えば十畳み掛けられる状況に此方側のキハダは頭痛を覚えた。誰も彼も自由人か。
頭の痛みを和らげようと眉間を揉んで、細く長く息を吐いた此方側のキハダは。
「……行く、よ。あいつを……リップをあんな目に合わせた奴らを叩き潰すのを、他の誰かがやり切ったのを後で知った時には、いよいよ気が狂いかねない」
「よしきた。じゃあそこのリーゼントと古代オタクメガネにこのアホ共は任せてアタイらは大空のヌシの縄張り跡地に———」
パチンッ、とライムが指を鳴らしてこの場を取り仕切ろうとした瞬間、ハルトがバッ、と手を挙げた。自身に向けられた視線に物怖じせず、無邪気そのものの笑顔で提案することには。
「先にチーム・シェダルのアジト、行きましょう!!」
えっ。全員がハルトを注視して、全く同時に声が重なった。 - 31二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 23:58:26
黒いテラレイド結晶に飛びこんで犠牲軸に来た感じ?
やはり亡くなった方々の想いが止めてほしいと訴えてたのか - 32二次元好きの匿名さん23/06/16(金) 06:14:36
世界線が複数あるせいでわざわざ自分の世界からの伝言って言わないと伝わらないんだ ちょっと笑う
- 33二次元好きの匿名さん23/06/16(金) 07:17:50
やっちゃえハルト!
- 34二次元好きの匿名さん23/06/16(金) 12:52:59
保守あれ
- 35二次元好きの匿名さん23/06/16(金) 19:49:50
タイプ別の活動とかが気になる
例えば水タイプは消火活動とか
フェアリーは回復班とか
ひこうは伝達班とかそういうの - 36二次元好きの匿名さん23/06/16(金) 20:06:32
いわタイプやはがねタイプはてっぺきで壁役とか?
- 37二次元好きの匿名さん23/06/16(金) 22:08:53
ほのお・どく・でんき・こおりetc…の異常状態系のが活躍しそうだよね
- 38二次元好きの匿名さん23/06/17(土) 00:47:54
黒い結晶、もしかして犠牲軸のホームウェイ組が出現させたのか…?
でもちょっと違うか? - 39二次元好きの匿名さん23/06/17(土) 07:15:24
情報伝達を担うひこうポケモンの一団がパラポケに襲われて、どうにか生き残った一匹だけが情報を送り届けて力尽きたみたいな話もありそう
- 40二次元好きの匿名さん23/06/17(土) 16:48:05
あくタイプっていやらしい戦法使ったり罠張ったり頭キレる子多い印象あるからいかんなくそのセンスを発揮して指示出しして欲しい
パラポケとかトンチキ集団の足止めやら多対一の構図を作り出して数の有利を作ったり
害悪サイクル戦がこの時だけは頼もしくなるんじゃないかな - 41二次元好きの匿名さん23/06/17(土) 20:46:12
- 42二次元好きの匿名さん23/06/17(土) 23:11:45
ポケモンホーム解禁でヒスイポケモンもパルデアに来られるようになった事実を踏まえると、
パラポケ進撃にヒスイのすがたのポケモンも紛れ込んでた世界線もありそう
ヒスイのポケモンたちも、パラドックスポケモンといっしょくたにされる……
ヒスイゾロアークの成り立ちを考えると、この世界線 胸が苦しくなる……
その日 人々は思い出した ポケモンは怖い生き物だということを…… - 43二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 09:54:53
画面のヒビも大きくなってる?
- 44二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 15:59:12
保守
- 45二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 18:41:26
力を求めるものの末路は、破滅しかないのだろうか。
力を手放さんとするものは、零れ落ちる何かを掴み直せるのか。
結末を書き換える権利を持つものは、誰なのか。 - 46二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 18:42:06
「……ぁ……っくしゅっ」
片手で口元を覆ってクシャミを一つ。オモダカ達は西一番エリアのSTCチーム・セギンのアジトへ向かうために、経由地であるセルクルタウンへ足を進めていた。ズビ、と小さな音を立ててオモダカは鼻を啜る。状況が状況だっただけにポケットティッシュの一つも持ち込めていないのが口惜しい。
「トップ、大丈夫ですか〜?」
「ご心配無く。……花粉症はないはずなのですが……おかしいな……」
「風邪でもなんでもなく真っ先に花粉症を疑うのは流石に笑いますね」
「アオキさんが言うと冗談なのかマジなのか分かりづらいよ。常真顔だから」
やんややんやと軽口を叩く集団は、側から見ればシュールこの上ない。顔ぶれが顔ぶれなだけに尚更。
それにしたって、とハッサクは周囲を一瞥する。推定ボタンの仕業によりテラスタルエネルギーの注入で急速に成長、再生するオリーブの木々は、畑を通り越して人工林の様相を成しつつあった。幹の中程から折れて朽ちるのを待つばかりだった老木は新たな枝を伸ばして実をつけ始め、根ごと浮いていたと思われる若木は懸命に根を太く長く伸ばし、人々が守ったであろう苗木は瞬きの間にぐんぐんと成長している。
「ビデオテープの早回しを見ている気分になりますですよ」
「全くだな」
おじさん二人が共感し合うその横で、首を傾げる子供三人は思わず言葉を落とした。
「ビデオ、テープ?」
「はやまわし?」
「って、なんですの?」
瞬間、ハッサクが膝から崩れ落ちた。両方。うぐ、だとかうぼ、だとかいった呻き声をカエデの耳が拾う。
「ハッさーーーーーんッ!!!!!」
「ハッサクさんが両方ともジェネギャで死んだーーーー!!!!」
「なんで敵も危険なポケモンもいないところでダメージ受けて落ちてるんですか貴方達!!」
不思議そうに崩れ落ちたハッサク二人を眺める子供達と慌てふためく大人達。なかなか混沌とした状況にカエデは苦笑いを浮かべた。そのすぐ側でアオキも静かに胸を抑えて膝をついていることに誰も気付いていない。此処が地獄か。最後尾に着いていた小さなトドロクツキは、大丈夫?と訊くように此方側のハッサクの背中を鼻先で突っつく。 - 47二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 18:42:50
「あー、そうかネモもポピー達もビデオテープ知らん世代かぁ……」
「今はもうDVDかBlu-rayディスクが主流ですし、なんなら番組を録画して観るより配信サイトで観る人の方が多そうですものね〜」
「おいそこ追い打ちをかけるな!!」
緊張感が来い。隙あらばコントのようなやり取りを始める面々に、此方側のオモダカはこんな連中に敗れ殴られ諭され連行されたのかと思うと自分が情けなくなった。
「……ん?」
崩れ落ちたおじさん達の様子に笑いを堪えていたリップが何かに気付く。テラスタルエネルギーの光の柱が立つポケモンセンターに、野生のポケモンが誘蛾灯に引き寄せられるモルフォンの用にふらふらと近付いていた。何匹か、様子がおかしいものも見られる。
引っ掛かりを覚えた時点でリップは走り出した。それに気付いたオモダカは慌てて静止の声を上げるが、リップはそれを完全に無視する。ボールからクエスパトラを出し、マジカルシャインを放った。
「リップさぁーーーん!!!!」
「行動と判断が早すぎる!!」
クエスパトラに蹴散らされたポケモン達は瞬時に力の差を悟って、タマンチュラを散らすように逃げていく。その中に数匹、背を向けず威嚇するポケモンが数匹。違和感を覚えたリップは手遅れになる前に、とサイコキネシスを命じようとした。
しかし、それよりも早くその内の一匹、自分たちの世界の側ではこの辺りには生息を確認されていなかったモココがその身体を結晶で包み込んだ。
「!!?」
「自力でテラスタル!?」
砕けた結晶から出てきたモココの頭上に輝いていたのは岩タイプを示すテラスタルジュエル。それに続くように、威嚇していた他のポケモン達も次々にテラスタルしていく。その光景に、トドロクツキが怯えてネモの背中に隠れようと身体を丸めた。
はっきり言ってしまえば最終進化も果たしていない、そこまで強くないポケモンばかりだが皆異常に凶暴化している。グルーシャはハルクジラを繰り出して、此方側のオモダカへ向かって叫んだ。 - 48二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 18:43:33
「ちょっとこっちのオモダカさん!?何あのテラスタルポケモンの集団!!この辺りだと確認されてたのってニャースとヤヤコマとディグダくらいじゃなかったっけ!?」
「モココにムクバードにパモットビークインナカヌチャン……セルクルタウンの近くにいるにはちょっと強いような気がしますね〜」
「オモダカ、せつめい」
「ちゃんと答えますから畳み掛けないでください」
此方側のオモダカは額に人差し指を当てる。完全にペースを呑まれ続けているが、とうの昔に逆らうのは無意味だと悟る。一言い返せば十、否、百言い返されるのが目に見えていた。理不尽。
「あの日以降、大穴から噴き出すテラスタルエネルギーの量が大きく膨れ上がり、パルデア全体のエネルギー量がそれこそ並行世界への移動を可能とするレベルに達したことまでは、貴方方も知る通りですが」
虫タイプテラスタル状態のビークインのシザークロスがクエスパトラを襲った。素早くハルクジラが庇い、アイススピナーで撃ち合う。フェアリータイプテラスタルしたパモットが横からハルクジラにローキックを撃とうとして、クエスパトラの"でんこうせっか"に阻まれた。
「その影響で各地に、以前よりも多くのテラレイド結晶が発生。あの日の惨劇を生き残ったポケモン達は自身の身を守る術を、或いはより大きな力を求めて結晶から剥離した欠片やテラピースをそのまま喰らい始めたのです」
「!!」
「それって……!」
その回答に、チリとネモが反応した。二人はエリアゼロで実際にその目で見ていた。テラスタル結晶をそのまま喰らうポケモンの姿を。此方側のオモダカは続ける。
「ですが、テラスタルエネルギーを直接短期間で多量に取り込んだ影響なのか、結晶やテラピースを喰らったポケモン達は次々凶暴化し、人と人と共に暮らすポケモンを襲い始めたのです。……今のSTCは、住居を壊された住民の仮の生活場であると同時に、凶暴化したテラスタルポケモンからの避難所でもあります」
「成る程……スター団は各チームの代表を中心にそれなりの戦闘力を不良集団として知られていた頃から有していたそうですし、防衛にはうってつけですね。パラドックスポケモン相手の場合は、流石に厳しそうですが」
「担当するジムのある街に送迎される時にライドポケモンは使わずに絶対イキリンコタクシーだったの、そういうことですか〜」 - 49二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 18:44:28
バキャッ、とアルクジラの"こおりのつぶて"により、飛行タイプテラスタルしたムクバードのテラスタルジュエルが砕けた。衝撃で怯んだ隙を逃さず、クエスパトラがサイコキネシスでその身体を捉え、地面に叩きつけてとどめを刺す。入れ替わるようにクエスパトラへ突っ込んできたビークインのシザークロスが届くより速く、後ろからポピーのアーマーガアがブレイブバードで迎え撃ち、そのまま突き抜けていった。テラスタルジュエルが砕けて、蹌踉めいたビークインにアーマーガアはアイアンヘッドでとどめを刺した。
岩タイプテラスタルのモココのパワージェムをハルクジラが"とびはねる"で躱す。滞空するハルクジラに対して悪タイプテラスタルしたナカヌチャンが飛びかかり、"ぶんまわす"を放った。顔面にもろ直撃したハルクジラは、地面に叩き落とされるがどうにか受け身を取り、"こおりのつぶて"で反撃する。
「アーマーガアちゃん!ボディプレス!!」
"こおりのつぶて"で体勢を崩したナカヌチャンに、アーマーガアのボディプレスが上から襲いかかる。グシャ、と音がして頭上のテラスタルジュエルが潰れた。
「やっぱり、流石に軟らかいわね」
「まあ元々そんなに強くないっぽいのがテラスタルでドーピングしただけみたいだし、多少ね」
ところで顔、ヤバいよ。やだ、そんなに見つめないでよスケベ。
ちょっとした冗談を挟んで、グルーシャとリップはテラスタルしたポケモン達に視線を戻す。パモットとモココは、血走った眼で歯を剥き出して唸り声を上げた。
「みちあけろ、ですの」
ポピーの言葉に呼応するように、アーマーガアが翼を広げて声を上げた。 - 50二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 19:46:08
う~ん、ポピーちゃんのこの貫禄よ
大丈夫? この子、元の世界に戻ってもちょっとしたきっかけれこのモードで周囲を蹂躙してパルデアに君臨したりしない? - 51二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 20:02:16
テラスタルエネルギーで暴走したポケモンたちが、もしもパルデアじゅうで暴れまわったら、第二次パラポケ進撃の二の舞になる危険性もあるんじゃ……という不吉な予想をしてしまった
SS見る限り、本来パルデアに生息してなかったポケモンも棲みつき始めてるみたいだし…… - 52二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 20:20:17
ふと思ったんだけど
並行世界からの人さらいに反対したアカデミーの教師陣が閉じ込められたなら
ネームドじゃなくてモブでも、反対した人が少数ながらいそう
そういう人は、並行世界への侵攻に賛成した周囲からどういう扱いうけたんだろう……
まあロクな扱いじゃないだろうけど……
反対した人ほど、反対派の教師たちを閉じ込めてまで並行世界へ攻め入るのを敢行したリーグの人間や、賛同したり協力した周囲に強い憤りと失望を抱いてるかもしれない
ジムリーダーたちの命を賭した決意と覚悟を無碍にするなんて、みたいな - 53二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 23:14:31
最近このスレの更新を確認するのが生きる理由になっている……文字書きさんも絵描きさんもそこから想像を膨らませて話を広げてくれる人達も大好きだ
- 54二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 00:40:31
ジェネレーションギャップ…
果たしてここの読者の何人が死んだかな!?(吐血) - 55二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 01:25:29
順調にアジト到着!とは行けませんか
まだまだ一悶着ありそうですね… - 56二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 01:29:05
保守です
- 57二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 01:54:14
- 58二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 07:09:28
- 59二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 16:13:54
最後のガラスをぶち破れ?
- 60二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 20:04:34
なあにでえじょうぶだ、もろビデオテープ世代のワイは致命傷ですんだよ(吐血)
- 61二次元好きの匿名さん23/06/20(火) 04:06:16
ほし
- 62二次元好きの匿名さん23/06/20(火) 07:16:36
ほ
- 63二次元好きの匿名さん23/06/20(火) 07:18:36
なんだよyeahってノリノリじゃねえか!
- 64二次元好きの匿名さん23/06/20(火) 13:31:40
保守
- 65二次元好きの匿名さん23/06/20(火) 19:00:20
- 66二次元好きの匿名さん23/06/20(火) 21:50:39
- 67二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 06:17:03
保守あれ
- 68二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 07:09:28
SSだけでなくイラストも上手い……
- 69二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 17:20:20
保守
- 70二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 23:47:19
初動が速いリップさんかっこいいな
- 71二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 10:29:39
保守あれ
- 72二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 13:36:37
- 73二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 19:40:08
この世界線のブルーベリー学園、後の世でテラリウムドーム内に在りし日のパルデアの風景が再現されたりしそう
- 74二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 19:48:00
姉妹校のブルーベリー学園から色々と支援受けてそうとか思った
- 75二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 07:20:37
クラベル校長とブルーベリー学園のシアノ校長は友人同士らしいけど、友人のクラベルがリーグの人たちによってアカデミーに軟禁された事実知ったら卒倒しそう
- 76二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 07:40:23
保守
- 77二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 17:05:23
- 78二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 17:19:02
>>42 Oh..........
- 79二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 01:01:39
保守あれ
- 80二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 05:34:24
保守
- 81二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 07:13:10
ポピギャルドのおくちの悪さの原因がチリちゃんと判明した時のオモダカさんどうなっちゃうんだろ
- 82二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 11:12:39
光の音が鼓膜を揺さぶる。
喪われた日々を愛しむように。
夜明けを告げる呼び声がする。
託されたものを繋ぐために。 - 83二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 11:13:16
モココの"10まんボルト"がアーマーガアを襲う。アーマーガアは力強く羽ばたいて上へ飛び、クエスパトラがシャドーボールで"10まんボルト"を相殺した。そこへハルクジラがアクアブレイクで突撃し、モココをテラスタルジュエルごと粉砕した。
「クエスパトラちゃん、サイコキネシスでパモットを上へ!!」
「アーマーガアちゃん、アイアンヘッド」
リップの凶暴な声とポピーの淡々とした声が繋がる。クエスパトラのサイコキネシスがパモットを捉え、空中へ持ち上げた。そこにアーマーガアが一気に急降下し、勢いのついたアイアンヘッドで強襲する。テラスタルジュエルの砕けたパモットの身体を鉤爪で掴んだアーマーガアは、そのまま地面スレスレまで降下して思い切りパモットをオリーブ畑の柵に叩きつけた。
「これで全部?」
「みたいね」
「ちょろちょろさんなのです」
コキ、とポピーが首を鳴らした。リップがその後ろで両手を上へ上げて伸びをする。出る幕がなかった、とアオキは手にしていたノココッチのボールを、少し残念そうにしつつそっとしまった。ネモは引いた。
此方側のチリを抱き抱えたままカエデは野生ポケモンに群がられかかっていたポケモンセンターへ駆け寄る。配属されたスタッフの無事を確認して、光の柱の発生源がテラスタルオーブのチャージシステムであることをここで知った。
「ともかく、誰も怪我がないようでよかったですよ〜」
「ふじ……で、よかっ、た」
カエデの腕の中で、此方側のチリはぎこちなく笑んだ。ずっと人形のように手足は愚か表情すら動かすことができなかったためか、かつての快活な笑顔を見ることができるのは当分先になりそうだった。それでも、動くだけずっと快くなってきている。
テラスタルポケモンと交戦した三人のポケモンを回復させて、さてセルクルタウンを突っ切って行こうと再び行軍を始めようとした次の瞬間。
———ぐう〜〜〜〜っ。
誰の、というよりもほぼ全員の腹が空腹を訴える音がした。そういえば平行世界同士のジムリーダー争奪戦という名のゴタゴタが始まってからこっち、まともに食べてないなと一際大きな腹の虫を鳴らしたアオキは考える。オモダカは少し考えて、やむを得ませんね、と一言前置きしてムクロジの店舗へ視線を向けた。 - 84二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 11:14:44
「腹が減っては戦はできぬと言いますし、少し食べて行きますか……こらアオキ!!気が早い走るな!!」
「どれだけ腹空かせていたんだアイツは」
「アオキさん待って!!こっちで使えるお金持っとるん!?待ってアオキさん!!」
「お、おじちゃーん!!ポピーがおかねだすのでおちついてくださいですのー!!」
陸上選手もかくやの綺麗なフォームでムクロジへ走るアオキを静止しようと、チリと此方側のポピーが叫んだ。本当に止まれアオキ、未就学児に金を払わせるな。
はあ、と大変大きなため息を吐いたオモダカはいろんな感情を誤魔化すように眉間を揉んで、此方側のオモダカへ顔を向ける。そして左手を出して。
「というわけで、こっちの世界で使える金を貰えませんか」
「たかるな。よりにもよって私に」
しかも借りるのではなく寄越せときた。先に殴ったのは此方である手前文句を表立って言うつもりはないが、特に金銭関係はもっと慎重になってほしい。喉にミガルーサの切り身の小骨が引っかかったような心情でスマホロトムをLP決済用の画面にして差し出すと、オモダカはそれを引ったくってアオキを追いかけた。遠慮って言葉を知らないのか。
「このショーケースにあるもの全種類、一つずつで」
「貴方この後殴り込みに行くのわかってますか?……すみません、適当にマフィンとクッキーを」
「あーもうアオキさんはホンマに……あ、ポケモン用のケーキも一つ」
人数分のマフィンとクッキー、アオキの大量のケーキ、それからトドロクツキ用のケーキを一つ、LP決済で購入する。此方側のポピーは動揺する店員達に申し訳なく思いつつ、マフィンとクッキーを他の面々に配りに走った。アオキは既にケーキを一つ、半分以上食べている。
「ハッさん……ああ、こっちの世界の、だ。アナタも少しくらい食べた方がいい。身体が保たないぞ」
「……いえ、小生は……」
「いいから食べてくれ。ハッさんがワタシたちと共闘してくれるにしろしないにしろ、空腹で倒れられてもそれは困る。何より今のハッさんがちゃんと食べているところを見ないことにはワタシが安心できない」 - 85二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 11:15:44
手を繋がれたままコルサからマフィンとクッキーを押し付けられて、此方側のハッサクは迷子の子供のような顔をした。コルサは今は何も言うべきではないと考えているのか、自分の分のマフィンに大口(そこまで大きくない)を開けて齧り付いて、わずかに咽せる。お茶をくれ。水分がかなり持っていかれる。
行儀は悪いが、一処で腰を据えて食べる時間が惜しい。配られたマフィンとクッキーに齧り付きながら一同は移動を再開する。向かう先は、STCチーム・セギン。
道中、やはり野生のテラスタルポケモンに襲撃されはしたものの、初動が早いリップとアオキ、ポピーによって秒で叩き潰される。ケーキの片手間にパフュートンにアイアンヘッドで吹き飛ばされる岩テラスタルゴーゴートには、オモダカも同情を禁じ得なかった。
「……すごいことになってますね」
「仮設住宅でほぼ埋まっとるやん。これ全部避難民の?」
「えっと、さいしょにくらべたらすこしずつおうちにかえれてるひともいるにはいますの。でも、おうちがのこってるひとはともかくこわれちゃったひとは、まだ……」
STCに到着したオモダカ達は、敷地内に建てられた仮設住宅テントに目を剥く。此方側のポピーが俯いて、言葉を濁した。避難民に要らぬ誤解を与えないよう、入り口付近でハッサクをお目付役としてトドロクツキを待機させる。ぐぁん、と鳴いたトドロクツキは大人しくハッサクの隣におすわりをした。いい子。
一歩、足を踏み入れる。セギンのアジトを預かる団ボス、ピーニャに対してどこから説明してどこまで詳細に伝えるべきか思案し始めたその時、敷地の奥からドッ、と空気全体を震わせるような音がした。それに合わせるように、大勢の人の歓声が轟く。何何何、何事。カエデは此方側のチリを抱える腕に力を入れた。
「えっと、奥行ってみよっか」
グルーシャが控えめに提案した。
音と歓声の中心へ近付く毎に、その音が音楽であるという輪郭がはっきりとしてきた。歓声は、その音楽への喝采と期待と歓喜によるものであることも。
仮設住宅の密集地を抜けて、視界に飛び込んできたものは。
「皆、DJ悪事のステージライブ楽しんでくれてるー!?」 - 86二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 11:16:18
ワァッ!!と一際大きな歓声が上がった。スクールテーブルを繋げて、その上にビビットカラーで彩色した木の板を被せて作ったステージをステージライトが鮮やかに照らす。その上でターンテーブルを回すのは、見慣れたヘッドフォンにマイクを付けてヘッドセットに改造した、DJ悪事ことスター団あく組チーム・セギン、団ボスピーニャ。
「避難生活してるとは思えない盛り上がり方してるね」
「寧ろ避難生活してるからだろう。おそらくは数少ない娯楽だろうからな」
「確かに、楽しみもない中でいつどうなるかわからない毎日にしがみつくように生きるのはただ疲れるだけですからね」
「ちょっと、たのしそうですの」
「前行ってみる?」
「それはさすがに……」
話しているうちに、ライブの曲が切り替わる。違和感のない自然な繋ぎは、ピーニャの努力と試行錯誤の結実だ。
グルーシャが、何かに気付いた。
「あれ、この曲……?」
より大きな歓声が上がる。ヘッドセットのマイクに手を添えて、ターンテーブルのコンソールでBPMを調整するピーニャはスッと息を吸った。
「前向いて歩きな、明るい明日へ!リスペクトするのはソウルフルビート!雨風負けるな、僕らのパルデア!いつでも前向き、悪
テラスタル!」
グルーシャは確信した。一つ前の曲に合わせるために少しばかりアレンジが入っているが、この曲はライムの曲だ。
ステージが最高潮に盛り上がりを見せる中、此方側のオモダカとハッサクは眼を見開いて呆然としていた。知らなかった。STCが避難所として機能していることまでは把握していたが、それを取りまとめる団ボスがこんなことをしているなんて。ギッ、と心臓が締め付けられる感覚がした。
「流石に今貴女に"ねえ、どんな気持ち?"とか聞くような悪趣味はありませんけど」
オモダカが口を開く。此方側のオモダカはビク、と身体を強張らせた。
「子供が喪失を受け止めた上で、それでも前に向かって進もうとしているわけですが……貴女はどうするのですか?」
ラップと音楽、人々の歓声に呑まれそうになりながら、此方側のオモダカは視界が真白く染まりかけた。 - 87二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 16:51:26
アガガガガガガガガガ
つれぇ…つれぇよぉ…パルデアの人々が「辛い事も受け入れて前に進む」のを選んでいるのに自分は過去の輝きに囚われて色んな人に迷惑をかけた自責を目の当たりにしたオモダカさんお労しすぎるよぉ…
別にオモダカさんだけが悪いわけじゃないしそもそも全部トンチキ野郎共のせいなんだけど最終的に「取り戻す」選択を決定してしまったのはオモダカさんだからアガガガガガガガガガ - 88二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 20:02:12
前を向こうとしてる人たちと言えば、
>>41 のコメントの人たちもそうやね
彼らなりにナンジャモの奮闘を受け入れて進もうとしたのに、
周囲やトレーナーの規範たるリーグが率先してジムリーダーたちやパルデアのために命を散らした人やポケモン達の決意を無碍にする真似をしてしまって、
コメントの人たちも、推し(ナンジャモ)もポケモンたちもあんなに頑張ったのに……ってなる人がいるかもしれない
- 89二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 22:41:16
原作もヒスイポケモンが解禁されたし、この世界線のパルデアのバスラオもイダイトウに進化しそう
ヒスイバクフーンとかは……あちこちにいるだろう幽霊の群れに、物憂げな視線を向けそうやな…… - 90二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 06:03:25
保守あれ
- 91二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 12:16:42
あああああ、ピーニャ君!!!
一度挫折を経験してそれでも立ち直ったSTCの子たちは本当に強くなったんだろうなぁ!!
そういうさ! そういう子が、そういう子に支えられてる人がいるってことに目を向けられたら、あるいは…!という辛さがあるね
みんないっぱいいっぱいだったから仕方ないかもしれんが…とてもツライ - 92二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 12:46:40
- 93二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 21:53:32
ライブで歴代アニポケソングも歌ってそう……
傷ついても前に進む歌の代表曲としては
「そこに空があるから」(アドバンスジェネレーションED)
「ひとりぼっちじゃない」(ラティ兄妹の映画の主題歌)
あたりが思い浮かんだ - 94二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 22:40:22
理由が理由だから・・・
- 95二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 23:01:15
- 96二次元好きの匿名さん23/06/26(月) 00:53:34
落とし所はどこだろうな…もう二度と平和な世界線に来ないようにするのは前提として
- 97二次元好きの匿名さん23/06/26(月) 07:15:15
ほ
- 98二次元好きの匿名さん23/06/26(月) 19:00:03
宴が、始まる。
- 99二次元好きの匿名さん23/06/26(月) 19:01:07
ライブステージの最後の一曲が終止符を打つ。ありがとうございましたー!と丁寧なお辞儀と元気な挨拶をしたピーニャは、ドドゲザンの介添でステージから降りる。観客がばらけ始めたのを見計らって、セギンの団員達が手製のステージを片付け始めた。
「行こか」
チリが一歩踏み出した。後に続くようにネモも前へ進む。一瞬驚いて足を止める人波の中を割って進み、ピーニャの元へ。
ステージの後片付けの指揮を取るピーニャの前まで足を進めたチリ達は、よお、と極東地域の居酒屋の暖簾を潜るような気楽さで声をかけた。
「邪魔すんで」
「あ、え……っ?貴女は……ていうか貴女達は……!?」
「急にごめんね。多分全然理解が追いつかないと思うんだけど、私たちキミにお願いがあって」
動揺するピーニャを護るようにドドゲザンが前に出て威嚇する。すまんすまん、とチリは眉尻を下げて困り笑いを浮かべた。その後ろから、オモダカはスーツの襟を正してチリ達の前に出る。そして、学生時代からの友人にペットボトル飲料の回し飲みを要求するような気楽さで。
「スターモービル、貸して頂けませんか?」
「過程をすっ飛ばして結論だけ言われても困りますよ!?」
せやな。嫋やかな笑顔で両手を合わせ、少女のように首を傾けるオモダカに対するピーニャのリアクションに、全員が同意した。
致し方なし、とチリが説明を始める。自分たちは平行世界からジムリーダーの奪還の為乗り込んできて、結果的に解放こそ叶ったもののこのまま帰還するには此方の世界に問題が多すぎること。その一つである、この世界を散々荒らしてくれやがった反社組織のアジトの大凡の場所が推測されたため、八つ当たりの意味を込めた殴り込みを考えていること。その為に、可能であればスターモービルを借りて威圧したいということ。スターモービルが用意できないのであれば、改造モトトカゲを人数分用立てて欲しいこと。これらを噛み砕いて煎じ詰めて話すチリに、ピーニャは成る程と頷いた。 - 100二次元好きの匿名さん23/06/26(月) 19:01:40
「スターモービル自体はすぐにでも動かせますけど……ただ、今のモービルは戦闘には適さないと思います」
「と、言いますと」
「知っての通り、今のSTCはパラドックスポケモンの襲撃と暴動で自宅が壊されてしまった人たちが避難生活を送っているわけなんですけど、その為に必要な物資を運ぶ為にスターモービルを修理の際に改装しちゃってるんです」
ああ、と皆納得した。避難民のためにより多くの物資を一度に運ぶのであれば、モトトカゲで荷車を引くよりモービルをそれ用に改装して積み込む方が早いだろう。実際に見せていただいても、とオモダカが聞けば、ピーニャは素直に了承した。
モービルを待機させているテントの垂れ幕を潜る。原始的な照明を点灯させて、ピーニャはそこにある大型の"乗り物"を見上げた。
「スターモービルはあくまで、ブロロローム専用の強化外骨格みたいなものです」
照明器具に照らされたスターモービルは、静かにそこに佇んでいる。ライブステージを思わせる屋根は電飾を取り払われ、スピーカーは小型化。後部をトラックのように荷台に改装されていた。
スターモービル自体は自立稼働はしない。コントロールするブロロロームに装着"される"ことで稼働する。ブロロロームだけでは制御に難ありなのとパワー不足の為、補助輪としてブロロンを二匹、活動エネルギー補助としてグレンアルマ二匹を同伴させていた。
「エネルギー補助はグレンアルマでなければならない理由があるのですか?」
「グレンアルマ……っていうか、カルボウ自身がエネルギー源の塊みたいなポケモンだから、なんですけど……十分なエネルギー量を確保できるならどのポケモンでも、どのタイプでも問題ないはずです」
「であればチリ、ポピー」
「はいはーい」
「がってんですの」
ピッ、と敬礼のようなポーズを取ったチリとポピーが、ボールを手にした。ポイ、と放ったボールから飛び出す、バクーダとジバコイル。
「そんじょそこらの炎ポケモンよりも火力出るでぇ、ウチのバクーダは」
「ポピーのジバコちゃん、おおあなのうえをとんでるこよりもカッチカチですので!でんきエネルギーもドバドバーですの!」
どこに乗せたったらええの、とチリが聞く。ピーニャはモービルの補助動力スペースのドアを開いて、バクーダとジバコイルをここに乗せればいいと答えた。 - 101二次元好きの匿名さん23/06/26(月) 19:02:17
その様子を窺っていたネモは、ピーニャがブロロロームを出してスターモービルを装着させるのを確認して、少し考える仕草をした。そして、閃く。
「あの、ちょっと提案なんですけども」
ショルダーバッグの中を漁りながら声をかける。どうかしましたか、とオモダカが返せば、ネモは少し気まずそうな顔をして。
「あいつら、しょうもないし情けないけど馬鹿じゃないから、多分私たちが乗り込んだら普通に迎撃してきますよね?応戦すればいいのはそうなんですけど、やっぱり流石に本命を叩く前に消耗するのってよくないので……」
「結構ガッツリ罵倒しましたね」
なんだかんだで、ネモもよっぽど奴らの所業を腹に据えかねていたようだった。当たり前と言えば当たり前か。此方の世界のジムリーダーのみならず、自分の死因にかなり直接的に関わっているのだから。
ショルダーバッグから取り出されたものを見て、チリと、後ろから様子を見ていたリップがおっ、と声を溢した。
「ブロロロームにスパイスを食べさせて、パワーアップさせちゃうのはどうでしょうか」
流石に却下されるだろうか、という不安を隠しきれない顔でネモが提案した。後ろの方でカエデが、ネモちゃん天才か?天才でしたね、と嘆息するのが聞こえる。
ブロロロームが、首を傾げていた。
鉄製のバリケードで囲った敷地内に設置された野営設備の中で、珍妙な服装で統一された集団が何度も右へ左へ駆けずり回る。一際派手な装飾を付けた男の怒号をBGMに、下っ端達は与えられた仕事をこなしていた。 - 102二次元好きの匿名さん23/06/26(月) 19:03:16
「先行部隊からの連絡は?」
「途絶えたままです」
「集めたひでんスパイスを全部出せ!捕獲したパラドックスに食わせろ!!」
「第二班を編成しろ!さっさと死に体のリーグにトドメを……」
指揮を取る男が言い終わる前に、バガンッ、とバリケードとポケモンが飛んだ。動き回っていた一人が飛んできたポケモンを見れば、それは見張りのメンバーの手持ちだった。何事だ、と考えるよりも先に風に乗ってロック調のギターサウンドが聞こえてくる。それに紛れて見張りの悲鳴が響き、バキバキとバリケードが破壊される音が続いた。
ガガーッ、ザッ。ノイズだらけの拡声器の音。何度か調整するような音がして、それから聞こえてきたのは、女の声。 - 103二次元好きの匿名さん23/06/26(月) 19:03:27
「あー、あー、ご機嫌麗しゅうございます。ドブカスクソッタレのクソダサコスチュームの皆様方」
随分な言い草である。下っ端は上司の額に怒りの程を示す青筋が浮かび上がるのを見てしまい、萎縮した。そんなことは露知らず、声は続ける。
「私、パルデアリーグ委員長、兼トップチャンピオン、兼グレープアカデミー理事長を勤めております。オモダカです。今回限りの縁になるので、覚えなくても結構です。———お前らに地獄をデリバリーしにきてやりましたので、覚悟の程よろしくお願いします」
音楽が近付いてくる。それと一緒に、エンジンの排気音が重なって、音に重量感を与えた。下っ端の背中を悪寒が走る。
遂に、それが姿を見せた。
ゴッ、と、おそらくは見張りのポケモンが飛んできたのを見て迎撃に向かったであろう下っ端の手持ちのフリージオが、エルレイドのインファイトで殴り飛ばされてきた。同じく迎撃に駆り出されたらしいトリトドンが、アマージョのトロピカルキックで宙に浮く。デカヌチャンのデカハンマーでイシヘンジンが叩き潰され、ルチャブルがモスノウの"ふぶき"で氷像と化した。その向こうから、下っ端を足蹴にする紫の髪の女と、ウォーグルを侍らせる草臥れたサラリーマンの男が人相の悪そうな表情で中指を立てる。そのもう一つ後ろ、音楽を取り回しやすそうな大きさのスピーカーから爆音で流す巨大なブロロロームの上に、品の良いスーツに身を包んだ宇宙のような髪の女が拡声器を片手に仁王立ちしている。
「さて、それでは……八つ当たりの時間だぁあああああ!!!!」
ピーーーッ!!と耳鳴りがしそうな高音が拡声器から響く。スーツの女———オモダカが拡声器に向かって叫ぶのに呼応するように、同伴していたトレーナー達は腹の底から雄叫びをあげた。 - 104二次元好きの匿名さん23/06/26(月) 19:52:22
やつあたりの時間だぁぁぁぁぁ!!!
- 105二次元好きの匿名さん23/06/26(月) 19:58:43
- 106二次元好きの匿名さん23/06/26(月) 20:00:22
「「「「オオオオォォォォォォォォ!!!!!!!!」」」」
- 107二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 00:35:51
保守あれ
- 108二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 07:09:02
みんなで力を合わせて前へ進むって意味では「XY&Z」もばっちり当てはまるので、ライブで歌ってほしみあるけど、カロスの部分をパルデアに言い換えてそう
へい!パルデア照らすあの朝日のように
さあ!進もうぜいつでも準備はOK - 109二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 11:57:53
保守あれ
- 110二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 21:08:17
レジェンドSVスレ落ちちゃったのでここで語るけど
キタカミの里とブルーベリー学園、エンディング後かストーリー終盤で救援としてDLCのキャラが駆けつけてくるとかでもいいな
スレチですまない - 111二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 23:53:13
寝る前保守
- 112二次元好きの匿名さん23/06/28(水) 07:17:45
ほ
- 113二次元好きの匿名さん23/06/28(水) 16:07:36
保守
- 114二次元好きの匿名さん23/06/28(水) 20:23:45
ジムリーダーたちは死んだ!もういない!
だけど俺たちの背中に、この胸に!
一つになって生き続ける!
「取り戻す」事が愛と言うなら
喪った痛みを抱きしめて
創ってみせる パルデアの明日!
俺たちを誰だと思っていやがる! - 115二次元好きの匿名さん23/06/28(水) 23:37:23
ヒャッハー!汚物は消毒だー!!!!!ですね、待ってました!!
トンチキ集団は消し炭が残るといいですね?(にっこり) - 116二次元好きの匿名さん23/06/29(木) 00:20:03
音割れオモダカ…
- 117二次元好きの匿名さん23/06/29(木) 07:17:28
ほ
- 118二次元好きの匿名さん23/06/29(木) 12:08:30
保守あれ
- 119二次元好きの匿名さん23/06/29(木) 14:47:09
あげ?
- 120二次元好きの匿名さん23/06/29(木) 21:42:17
スター団が「スター」という名の通り、星々のようにパルデアを照らしてる……テラスタル……
- 121二次元好きの匿名さん23/06/29(木) 22:05:57
慢心するなかれ。
光満ち、煌輝溢れる時にこそ、影は静かに背後に迫り来る。
盲目なるべからず。
前へ進む事ばかり見据える時、足下に亀裂は走るだろう。 - 122二次元好きの匿名さん23/06/29(木) 22:06:37
「オラオラオラァ!!轢かれたない奴はさっさと退いて道空けぇ!!これがジョウトのドラテクじゃあ!!」
「ドラテクじゃー!ですの!!」
「走ってるのはブロロロームだが」
スターモービルの荷台部分の縁に足をかけ、頓珍漢な制服を着た反社組織の下っ端を煽り散らすチリと、便乗するポピーにコルサは冷静に指摘する。実際スターモービルを動かしているのはチリではなく、装備者であるブロロロームである。その後ろで、此方側のオモダカが口元を手で覆って項垂れていた。うぶ、と吐き気を堪えるような呻き声が漏れているので、おそらくきっと車酔い。残念ながら酔い止めの用意はしていないのでもう暫く苦しむ羽目になる。かわいそう。
ギャギャギャギャッ、とスターモービルのタイヤが拠点の設備を薙ぎ倒し踏み潰す。迎撃に駆り出されたポケモン達は先走って飛び出したリップとアオキが蹴散らし、勢いよく宙に舞った。その光景に若干の恐怖を覚えつつ、ネモは拠点の最奥の方向へ視線を向けて眉間に皺を寄せた。
「トップ、私ちょっと先に奥の方行ってもいいですか?」
「おや、理由を聞かせていただいてもよろしいですか。チャンピオン・ネモ」
険しい顔つきのまま許可を求めるネモに、オモダカは問う。ネモがスッと、指を指し示して答えることには。
「あいつらが溜め込んでるスパイス全部燃やします」
「やっておしまいなさい」
即答だった。無事オモダカの許可を得たネモがトドロクツキに飛び乗るように跨って、お願いね、と頭を撫でるとトドロクツキはぐぁん、と鳴いて羽ばたいた。あ、と声をあげた此方側のポピーは慌ててアーマーガアを出し、待ってくださいですの、と叫びながらその背中に乗って後を追った。
「トップ、こっちの世界のトップが乗り物酔いでグロッキーなんだけど」
「袋渡してほっといてください」
迎撃しようとしてポケモンを蹴散らされた下っ端の悲鳴を、爆音で流すBGMの荒波の中に微かに聞き取って、オモダカは風圧で乱れた髪を掻き上げた。正直まだまだ唾飲は下がらない。徹底的に、再起不能なまでに叩き潰さないことには気が済まないし安心できない。先んじてスターモービルを飛び降り鉄砲玉を買って出たアオキとリップの暴れ様にいいぞもっとやれ、と内心で煽りながらオモダカはドドゲザンをボールから出した。 - 123二次元好きの匿名さん23/06/29(木) 22:07:33
「薙ぎ払いなさい、ドドゲザン。ドゲザン」
ドンッ、と重い音を立てながらドドゲザンがスターモービルから飛び降りた。落下の勢いのまま頭の大刃を振りかぶり、着地と同時に近くまで迫っていたデカグース達をドゲザンでぶった斬る。続け様に飛びかかってきたカエンジシの腹をストーンエッジで下から叩き、顔を上げたのと同時に足を振り上げ蹴り飛ばした。おそらくはトレーナーに似たのだろうが、大層足癖が悪い総大将である。
なかなか速度出てるなあ、と帽子が風で飛ばぬよう抑えるカエデは、此方側のチリが落ちないように左腕でその身体を支える。チリも振り落とされぬように、カエデの服を今出せる限り全力の握力で掴んだ。
ハッサクのオンバーンがフワライドの集団を"りゅうのはどう"で吹き飛ばす。一部が特性、"ゆうばく"で爆ぜたが、遠隔攻撃を行うオンバーン相手には意味を為さなかった。フワライドの起こした爆煙からモルフォンが飛び出し、オンバーンを撃墜せんと"サイケこうせん"を撃った。オンバーンは"サイケこうせん"の射線の隙間をすり抜けるように飛び、"ばくおんぱ"で一息に蹴散らす。
「数だけ揃えて質は低いっぽいね」
グルーシャが呟く。カエデは本当に、と同意した。ポケモンを乱獲して飴やらなんやらでドーピングして、そこそこ戦える程度に整えたレベルの強さ。そりゃ歴戦のジムリーダーや四天王にはチョコレートムースを潰すようにボコボコにされるわけだ。哀れ。
バコンッ、と音がしてスターモービルに撥ねられたタギングルが宙を舞った。ギャギャギャッ、とモービルをドリフトさせて核であるブロロロームはダークアクセルで迫っていたポケモン達を薙ぎ払う。視界の端でアオキとリップが下っ端に怒鳴り声をあげていた小隊長と思われる男をボコボコに殴っているのを見つけて、カエデはそっと目を逸らした。あの二人に限らずだが、此方に来てから暴に振り切っている人がなんだか多いような。貴女のことだぞそこでデカヌチャンにジャンピングデカハンマー指示してるカチカチ幼女。
だから、それをカエデが視界に捉えたこと自体はほんの偶然である。ちょっと怖い光景から目を逸らしたら、その先にたまたま見つけただけなのだ。 - 124二次元好きの匿名さん23/06/29(木) 22:08:13
カエデは筋力はともかくとして動体視力には自信がない。元アスリートのグルーシャや、高速戦闘を得意とする飛行タイプを扱うアオキのように、一秒と一秒の僅かな隙間にある刹那、フレーム単位の一瞬を見切るような眼は無い。バトルの中で数秒先の技の射線を見抜く、その程度の凡人である。そんなカエデが、偶然とはいえ見つけたそれを放置するわけにはいかなかった。アオキは死角で見えていない。リップはそもそも今回の元凶をぶちのめし倒すのに夢中になって気付いていない。ハッサクとグルーシャは制空権を維持する為に視界を上に固定している。気付いて、動けるのは自分だけ。
ボールからワナイダーを出して、カエデは此方側のチリをオモダカに押し付ける。動揺して何を、と問うオモダカを無視してスターモービルから飛び降り、ワナイダーの糸を使って滑るように着地した。
「それ、は……っ!流石に……!!」
流れ弾で頬を掠めるタギングルの毒液や飛行ポケモンの風の刃など気にしている場合じゃない。いくらなんでもそれは、トレーナーとしてどころか人としてダメじゃない……!!
つんのめるようにして、身体全体でアオキを突き飛ばす。アオキのそれなりに鍛えているはずの大柄な体躯が横に飛ぶ。リップが咄嗟にアオキの腕を掴んで倒れるのを阻止しようと、足の痛みを堪えながら踏ん張る。そして、カエデの身体に。
———ドスッ!!
左肩の前後を斜めに、先端の鋭く研がれた鉄の棒が貫いた。ムクロジの店長用の制服の袖に血が滲む。額からドッと脂汗が滲んで、カエデは塊のような空気を喉に詰まらせた餅のように吐き出した。ギ、と睨む先で、手製感満載のボウガンを構える小隊長が悲鳴をあげて腰を抜かした。
「カエデさ———」
「ワナイダー!!スレッドトラップでそこのゲス野郎捕まえちゃってくださいな!!!!」
アオキが何か言う前に、カエデはワナイダーに指示を出す。ワナイダーは一瞬だけカエデを案じるような視線を向けて、すぐに命令通りトンチキ制服の小隊長をスレッドトラップで拘束した。
「トレーナーの風上にも、置けないような小物は……ハァッ、そこで身動き取れないまま……ハァッ……打ちひしがれていて、くださいね〜」
鉄矢で射抜かれた左肩から下を力無くだらりと下げたカエデは、無事な右手の親指で首を掻き切るジェスチャーをした。 - 125二次元好きの匿名さん23/06/29(木) 22:31:55
カ、カエデさぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!! んん、でもお強い!流石ジムリーダー!!!!!
- 126二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 00:10:35
カエデさん!!!!!!パティシエは繊細な手が資本なのにぃぃぃぁぁぁ!!!
マジで許し難いぞトンチキども…!!! - 127二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 04:04:13
ガエ゛デざん゛!(泣)ってなると同時にアオキさんが致命傷くらった最悪パターンも想像してひい!ってなった
拉致った結果アオキさんの犠牲TAKE2なんて犠牲軸四天王&トップ今度こそ壊れちゃうし原作軸の彼等が誰よりも怒髪天を突くと思うんだよ!
上澄みの中の上澄み達のメンタルの急所を一度にぶん殴れる可能性があるだけに一挙一動が怖いわ! - 128二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 11:31:38
なんってことや…
- 129二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 19:56:31
当たりどころによっては致命傷にもなりえたよ…まじで許せん;;
- 130二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 23:52:00
保守
- 131二次元好きの匿名さん23/07/01(土) 07:15:39
よくよく考えたらこのトンチキ集団、パラドックスポケモンをけしかけて犠牲軸ジムリを全滅させやがった実績持ちだから油断は禁物だ……!!
- 132二次元好きの匿名さん23/07/01(土) 12:10:48
あげ
- 133二次元好きの匿名さん23/07/01(土) 12:15:01
いやな実績だなオイ
- 134二次元好きの匿名さん23/07/01(土) 13:46:04
手段を選ばんというクソ実績
よし、やっておしまいぃぃぃ!!!!!! - 135二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 00:01:57
オレホシュー
- 136二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 11:33:37
保守
- 137二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 13:14:06
- 138二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 14:06:17
死ぬほど不穏!!!
- 139二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 20:05:41
アラホラサッサー!
- 140二次元好きの匿名さん23/07/03(月) 00:23:06
ほし
- 141二次元好きの匿名さん23/07/03(月) 07:18:00
ほ
- 142二次元好きの匿名さん23/07/03(月) 10:47:25
あなたに命が戻るなら 届くなら
私はどうなろうと構わないのに - 143二次元好きの匿名さん23/07/03(月) 16:15:27
保守
- 144二次元好きの匿名さん23/07/03(月) 23:17:36
キタカミの里とブルーベリー学園は
パルデアからかなり離れてるっぽいしパラドックスポケモン進撃には巻き込まれなかったか - 145二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 07:19:09
hosyu
- 146二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 12:22:32
ホシュバババ
- 147二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 19:41:18
真打は遅れてやってくる。
- 148二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 19:43:10
半狂乱状態のイキリンコの集団の間を、トドロクツキとアーマーガアがすり抜けていく。後ろから猛追するカラミンゴを、トドロクツキの背に乗るネモはトドロクツキが覚えている技をスマホで確認する。
「"かえんほうしゃ"に"こわいかお"に"りゅうのいぶき"、ドラゴンクロー……まあ、なんとかなるか」
スマホをしまって前を向く。前方から迎撃のために向かってくるアオガラスの群れを見据えて、ネモは指を指す。
「横一線に、薙ぎ払うように"りゅうのいぶき"!!」
ネモに言われるまま、トドロクツキがぎゅっと目を瞑って懸命に"りゅうのいぶき"を放ち、その首を右から左へ大きく振った。皮膚を焼くドラゴンの息を受けたアオガラスたちは、痺れとヒリヒリとした痛みに襲われて落下していく。逆上したイキリンコ達がトドロクツキを襲うが、此方側のポピーを背に乗せたアーマーガアがアイアンヘッドで撥ね飛ばした。
「……っ!ポピーちゃん危ない!!トドロクツキ、"こわいかお"!!」
アーマーガアの背後から炎を纏って突っ込んでくるファイアローに気付いたネモが叫ぶ。トドロクツキが口を大きく開けて牙を剥き出し、唸り声(2号と比較してそんなに威圧感を感じない)を上げる。恐怖というよりも突然唸り声をあげられた驚きで速度を一瞬落としたファイアローへ、逆にアーマーガアがブレイブバードを叩き込んだ。
「ネモおねえちゃん、ありがとうですの」
「気にしないで。さあ、急ごう」
トドロクツキの背中からネモは下を見下ろした。目当てのひでんスパイスの保管場所と思われるスペースを見つけて、トドロクツキの首の後ろを軽く叩いて降下指示を出す。それに続いて、ポピーとアーマーガアも地上へ降りた。スパイスを奪われまいと人の壁を作る下っ端達を睨みつけて、ネモはパーモットをボールから繰り出す。
「そこ退いて。それはアナタたちみたいな悪い人が持ってていいものじゃないんだ」
バチ、とパーモットの全身から電撃がショートする。怖気付いた下っ端の一人が、やぶれかぶれになってボールを投げた。中から出てきたヘルガーは、パーモットを睨みつけて口の端から火の粉を洩らす。 - 149二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 19:44:07
「パーモット、インファイト!!」
ドンッ、と地面を蹴る音がして、雷光よりも速くパーモットの拳がヘルガーの胸へ直撃した。ゲホッ、とヘルガーが肺の中の空気を一気に吐き出し、それでも手傷の一つ付けなくてはと毒素の混じった"おにび"を放つ。首と肩の間に火傷を負ったパーモットは、ギリ、と歯を食いしばり顔を顰めたが痛みを無視してヘルガーを蹴り飛ばした。
ヘルガーが倒れたのを見た他の下っ端たちは焦ってポケモンたちを出してパーモットに差し向ける。それをアーマーガアがアイアンヘッドで突き飛ばし、その体躯を隠れ蓑にネモはミミズズを繰り出してロックブラストで撃ち抜いた。
「チャンピオンのポケモンちゃんはあしぐせがわるいルールでもありますの?」
「そんなことはないと思うけどパーモットの場合、ウェーニバルと一緒にトレーニングしてることが多いからなあ。ウェーニバルも腕の使い方鋭いし」
「ああ、おたがいがおたがいににてきているのですのね」
雑談もそこそこに、ネモは戦闘の衝撃で足下に転がってきたプラスチックのパイプを拾う。トレーナーとして、ポケモンに人を攻撃させるわけにはいかない。とはいえ、ネモにはアオキのようにステゴロで暴力を振るう度胸はない。というか運動音痴気味な自覚もあるしそもそんな筋力無い。となると。
ザ、と土を踏み締める。下っ端の一人が腰を抜かして尻餅をつきヒィ、と悲鳴をあげる。ネモはパイプを握る手に力を込めて、下っ端を見下ろして睨んだ。
「邪魔だから、寝てて」
パイプを振りかぶって、ネモは野球のバットをスイングするように思いっきり振り抜いた。
ぼたぼたと、左腕を伝って指先から血液が地面に落ちる。肩で息をするカエデは、ワナイダーを近くに呼び寄せて左肩に突き刺さった鉄の矢を掴んだ。
息を大きく吸って、ゆっくり長く吐き出す。
「ワナイダー、糸よろしく」
痛みに呻きながらもカエデは鉄の矢を引き抜く。患部を埋めていたものが取り除かれて、血がドッと蛇口を捻ったように溢れ出た。失血を最低限に留めるために、ワナイダーが自身の糸で傷を覆って縛った。 - 150二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 19:44:55
「はい次!!」
パシンッ、と動かない左腕を叩いてカエデは駆け出した。唖然としていたアオキはハッと我に返り、横から飛びかかってきたタギングルをウォーグルのブレイククローで叩き潰した。カエデの逞しさが頼もしいが、切実に無理はしないでほしい。リップは既にルチャブルの集団をエルレイドでポップコーンのように打ち上げながら、かなり遠くまで突っ込んでいる。鉄砲玉どころかライフルの弾だろあの人、とアオキは全力で自分を棚に上げた。
ギャギャギャギャッ、とスターモービルが加速して、フリージオを撥ね飛ばす。荷台部分からアーマーガアが飛び立ち、全速力で突っ込んで来た。
「カエデおねえちゃんになにしてくれやがるですか!!!!!!」
全速力で飛ぶアーマーガアの足に掴まって、ポピーが叫ぶ。おかしいな、鉄砲玉は自分とリップだけのはずだったのに。アオキは思わずため息を吐いた。パッと手を離して落下するポピーは下っ端の一人に思い切り頭突きをかまして、続け様にドロップキックを顔にぶち込んだ。強い。
「カエデおねえちゃん、むりはしないでですの」
「ご心配なくポピーちゃん。ちょっと腕が動かないだけですので〜」
「しんぱいするなというほうがむりですの!!」
本当にな。下っ端を踏み台にしてカエデの背中をぽこぽこと叩くポピーにアオキは全面的に同意する。カエデが動かなければ、射られていたのは自分だったのだろうけど、それはそれだ。
「あっ、やべっ」
グルーシャが思わず声を洩らす。モスノウの"ふぶき"をすり抜けて、眼が血走ったドンカラスがスターモービルの荷台へ突っ込んで来た。視線の先には、オモダカと彼女に抱き留められている此方側のチリ。
危ない。オモダカは咄嗟に此方側のチリを庇うように抱きしめた。コルサがウソッキーのボールを手に取る。ハッサクが飛び込むようにドンカラスとオモダカたちの間に割って入ろうと床を蹴る。此方側のオモダカがよろつきながら袋を握りしめて青い顔のまま立ち上がった。 - 151二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 19:47:53
ドンカラスが迫る。オモダカはチリを抱きしめたままぎゅっと目を閉じた。そして———。
「タイカイデン、"でんこうせっか"!!」
ズドムッ、とドンカラスの胴体に横から鋭い嘴が突き刺さり、ゲェ、と胃液を吐いて吹っ飛んだ。来ると思っていた痛みが来ないことに気付いたオモダカは顔を上げる。その先にいたものは、翼を大きく羽ばたかせて、鬨の声のように鳴き声をあげるタイカイデン。
「おっ待たせ、しましたぁあああああ!!!!!!」
ドッドッドッ、ギャンギャンギャンッ、ギューンッ、とオモダカたちが乗るスターモービルのスピーカーとは別の音源が重なるように響く。輪唱のようにズレて耳触りの良い不協和音を生むのは。
ドゥンッ!!と崖を飛び越えて、赤い炎のようなペインティングを施されたスターモービルが、所々に電撃を走らせながら戦場に飛び込んで来た。
「チャンピオン・ハルト!?」
「ウッソでしょあっちもスターモービル持ってきた!!?」
考えること一緒かよ。グルーシャが唖然とする一方で、チリは荷台の縁にしがみついて大声で笑い転げた。最高やなハルト、と手を叩いて称賛するチリに、コルサはマジかこいつ、と言う顔で視線を向ける。オモダカたちの乗るスターモービルにハルトたちが乗った赤いスターモービルが爆音で音楽を流しながら並び、荷台からハルトと共に乗り込んでいたキハダが身を乗り出した。 - 152二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 19:50:11
「理事長!!リップは何処に!?」
「向こうで迎撃してきたポケモンを打ち上げ花火にしている、帰ってくるトマホークミサイルがそうですね」
「ありがとうございます!!それはそうと人の幼馴染をマップ兵器扱いしないでいただけると!!」
「んぐっふっ」
キハダとオモダカのやり取りに、思わず後ろで控えていたミモザは噴き出した。キハダはスターモービルから飛び降りて、ブレイズ種のケンタロスをボールから出してその背に跨りリップが暴れている場所まで駆けて行く。
「カエデ!アオキ!ポピー!アンタらも無事かい!?」
ハルトの背後からライムが声を張った。張ってすぐに、ライムは気付く。カエデの左肩から先を染める、夥しい量の血に。
「———は?」
ゾッとした。カエデの怪我の重さよりも、それを認めた隣の男の、知る限りでは聞いたことのないような底冷えのする低い声に。地上でワナイダーを伴い前線へ向かおうとしていたカエデはやべ、と口の端をひくつかせた。
そっとライムは視線だけ隣の男に向けた。そしてすぐに後悔する。
「……———許さん」
それは黒く唸る海を荒れ狂わせる嵐のように。穏やかな海は既に面影を失していた。
普段おおらかで温厚で滅多に怒らない人を怒らせるものじゃない。般若の形相で怒りを表に出したハイダイの姿に、赤いスターモービルに乗り込んだ全員は人生一の恐怖を覚えた。 - 153二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 19:55:38
わ、わぁ…お師匠さん、激オコ~
激流に巻き込まれるのか濁流に押し流されるのか、どっちでしょうね!!?? - 154二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 20:35:59
ないんだい……
お前に明日はないんだい - 155二次元好きの匿名さん23/07/05(水) 00:56:37
うーんこれは激流料理人
- 156二次元好きの匿名さん23/07/05(水) 07:21:06
ホ
- 157二次元好きの匿名さん23/07/05(水) 14:26:42
シ
- 158二次元好きの匿名さん23/07/05(水) 18:40:32
ュ
- 159二次元好きの匿名さん23/07/06(木) 00:04:00
ウ
- 160二次元好きの匿名さん23/07/06(木) 09:12:46
ノ
- 161二次元好きの匿名さん23/07/06(木) 13:22:41
ジ
- 162二次元好きの匿名さん23/07/06(木) 15:19:28
カ
- 163二次元好きの匿名さん23/07/06(木) 17:56:59
ハイダイさんって昔は荒っぽかったんだっけ?
違うかも
そんな人のゲンコツとか喰らいたくないねぇ… - 164二次元好きの匿名さん23/07/06(木) 21:14:23
カエデさんの怪我が無事に完治しますように……
- 165二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 04:48:56
保守あれ
- 166二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 07:07:39
- 167二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 14:08:39
保守あれ
- 168二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 21:21:54
ミサイル呼ばわりされてるリップさん好き
- 169二次元好きの匿名さん23/07/08(土) 07:15:11
テツノイサハ戦から戦闘本能が目覚めちゃったリップさん……
- 170二次元好きの匿名さん23/07/08(土) 16:39:51
目覚めちゃならんものに目覚めてしまった人がちらほらいるんですが…
一体この落とし前、どうつけてくれるんでしょうかねぇ??とんちき集団(元凶)さんはよぉぉぉぉ????? - 171二次元好きの匿名さん23/07/08(土) 23:43:44
光に向かって保守
- 172二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 10:55:09
保守
- 173二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 20:06:26
尊い犠牲にしたくなかったなら
何にしたかったんだ!
お前たちの宝物は替えが利くものだったのか、
そうじゃないだろ!
彼らが守りたかったのは、その程度の奴らなのか!
彼らの決意が、覚悟が、無意味なものでしかなかったと、
お前たちが証明してしまったんだぞ!
そんなお前たちに、このパルデアを愛する資格はない!
みたいな説教文が降ってきてしまった、許されよ…… - 174二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 22:26:25
保守
- 175二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 07:20:40
ほ
- 176二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 15:49:18
カエデさんの肩、どうにか後遺症なく綺麗に治るといいなパティシエって繊細な作業もパワーが必要な作業もあるから
アオキさんを狙った上カエデさんの大切な肩を怪我させたトンチキボウガン小隊長ほんと無期懲役になれ - 177二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 17:38:19
- 178二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 18:12:53
白き氷河の巨拳蟹、天の水受け槌と成し。
荒れ狂う海を創りて激情の表れを奏でん。 - 179二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 18:13:36
ドッ、と土が蹴り飛ばされる勢いで、ケンタロスが迎撃に突っ込んで来たポケモンをレイジングブルで蹴散らしながら駆け抜ける。キハダは両手でケンタロスの立て髪を掴み、全身に風を受ける感覚に身を委ねつつ最前線で暴力を振りかざす幼馴染の姿を探した。
斜め後ろからモルフォンが"サイケこうせん"を構える。キハダは、気配に勘付いて上半身を後ろに捻り、右手でチャーレムのボールを取った。次の瞬間、キハダの横の髪を数筋断ち切って、質量を持たないサイコパワーの刃がモルフォンを斬り裂いた。視線を前に戻すと、エルレイドが汚れを払い落とすように刃物状の腕を振るのが見える。その隣に目当ての姿を確認して、キハダは安堵するようにホッと息を吐いた。
「無事みたいだな、リップ」
「キハダちゃんこそ、怪我はなさそうね」
すっかり髪が乱れてぐしゃぐしゃになったリップが、汗と血で僅かにメイクの崩れた顔に細かい裂傷を作ってそこにいた。キハダはケンタロスの背から降りて、リップに駆け寄り頬についた汚れを指で拭う。
「化粧直しの時間はいるか?」
「モーマンタイ。荒野を走り抜けるバイオレンスなマキアージュ。ワイルドで少しだけ危険なリップは、キハダちゃんは嫌いかしら?」
「まさか!これはこれで意外性があって好きだぞ」
「……あー、もう……この、人タラシはさぁ〜〜っ」
バシッ、とリップはキハダの肩を叩いた。対して痛くもなさそうな顔で痛い、とキハダが苦笑する。短くて濃ゆい別離から再開を果たした幼馴染二人は気安く軽口を叩き合って、クスクス、カラカラと笑った。その二人の背後から鋭い鎌を振り翳すストライクを、邪魔をするなと言わんばかりにケンタロスがレイジングブルで撥ね飛ばす。
「まだ走れるか?」
「フルマラソン走れるくらいには元気いっぱいよ」
「それは有り余り過ぎでは?」
美しい顔をした獣が愉快そうに笑う。キハダは肩を竦めて、苦笑いを浮かべながら鼻で息を吐いた。この存外負けず嫌いな幼馴染が、何があったかは知らないがいつの間にかアーティストの仮面で覆い隠した本性を曝け出すことに躊躇がなくなっているじゃないか。ポケモントレーナーというものは、多かれ少なかれ基本的に血の気が多いので。 - 180二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 18:15:06
ピリ、とキハダの首周りの皮膚が自分達に向けられる害意を感じ取った。次の瞬間、ガシッ、と横から飛んで来た棒状の何かを、キハダは少しだけ身体を仰け反らせて掴む。掴み取った手を改めてみれば、それは金属の矢。
キハダは眉間に皺を寄せて、矢を握力だけでボキリと折った。普段快活で朗らかな幼馴染がわかりやすく、過去一機嫌を損ねたらしいことにリップが気付く。喜怒哀楽がハッキリしているこの体育会系の幼馴染は、怒りが頂点に達すると却って静かになるタチだった。
「トレーナーの風上にも置けないゴミ屑がいるな」
「罵倒が火の玉ストレートすぎてクリビツなんだけど。肋骨までは許すわ」
「よしきた」
キハダは折った鉄の矢を煙草の吸い殻のように放り捨てた。矢が飛んで来た射線の始点、粗雑な廃材製のボウガンを構える下っ端の一人が、上官にせっつかれてもたつきながら二射目をセットしている。装填が終わる前に、キハダは転がっている廃材の中からひしゃげたパイプを拾い一足飛びに距離を詰めて、思いっきり下っ端とその上官の胴体目掛けて振り抜いた。わかってはいたが、キハダも大概フィジカルエリートがすぎる。
転がった下っ端が持っていたボウガンを蹴り飛ばし、上官が伸ばした手を踏みつける。痛みに悲鳴をあげた上官を見下ろして、キハダはパイプを肩に添えた。
「あと二、三発、殴ってもいいんだぞ」
「キハダちゃん、後でリップにも蹴らせて」
下っ端とその上官は、顔の穴という穴から液体を垂れ流して恐慌した。
あー、これやばいなあ。制服穴空いちゃってるし、この血絶対クリーニング出しても落ちないし、困ったなあ。カエデは左肩の痛みを忘れるほどに現実逃避を始めていた。赤いスターモービルの荷台から、師であるハイダイが見たことないほどお怒りになっているのが見えてしまったので。多分、修行時代にマナリードタウンの市場で起きた喧嘩に首を突っ込んで勝ち切った時よりも怒っていた。
カエデはハイダイが憤怒の形相になっているのが自分の怪我が原因だと察してはいるものの、自分だって此方の世界のポピーとチリを庇って脱臼して、左腕を吊っているのにそんなに怒ることかと言い訳じみた疑問を抱く。そういう問題じゃない、と指摘してくれる人はいないし、そもそも口に出していないので指摘してもらえるわけもない。 - 181二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 18:16:02
ハイダイがボールから繰り出したケケンカニが、地上に着地した。ボールの中から状況は把握していたようで、主人の怒りを感じ取って同調しているようだった。有体に言えば、めちゃくちゃブチ切れている。向かってくるデカグースの集団をアイスハンマーを円を描くように振り回して吹き飛ばし、そのまま地面を殴りつけて凍らせた。凍った地面に足を取られて、カエンジシ達は滑ってまともに立てずにいる。
「ケケンカニ!!」
ハイダイの声が二台のスターモービルのスピーカーから流れる音楽を突き破って、ケケンカニに届く。右手にはテラスタルオーブを携えて、エネルギーが光となって収束した。
「岩をも砕く激流のように、全てを飲み込み流しされい!!」
テラスタルオーブを投げる。結晶に包まれたケケンカニが頭上に噴水のようなテラスタルジュエルを冠し、雄々しく声を張った。
ハイダイが右手をスッと上げる。それに合わせて煌々と煌めく水テラスタルジュエルを冠したケケンカニもまた、右腕のハサミを高く掲げた。テラスタルジュエルから水のエネルギーが迸り、掲げた右ハサミに纏わりつく。
「いやでっっか……」
赤いスターモービルの荷台からそれを見ていたボタンが呟くのを、ハルトの耳が拾った。ヒュッ、と岩タイプのエキスパートである此方側のタイムの喉が恐怖から空気を通して鳴る。それもそうだろう。ケケンカニの右ハサミに集まった水のエネルギーは、瞬く間にその規模を増していき巨大な水の槌を作り出していた。そこらのパラドックスポケモン相手でも、あの大きさはちょっとオーバーキル。
ハルトが口の端を引き攣らせていると、ボールが一つ、二つカタリと揺れた。多分ミライドンとテツノブジンがボール越しにビビってる。ミライドンは水半減なんだから怖がらなくてもいいだろう、と思わなくもない。
スターモービルから降りて反撃に興じていたアオキは、アッこれはマズいな、と悟ってカエデの右腕を引き、ウォーグルの背に強引に乗せた。普段であればセクハラだのコンプラだのですぐに平謝りするが、今はそんなこと言っていられない。こっちに来てからそんな状況ばっかりだな、とアオキの頭の片隅に過ぎる。カエデの抗議の声を聞き流しつつポピーにもアーマーガアに乗るよう促して、ウォーグルの脚に掴まって上昇を命じた。果たしてアオキの勘はすぐに的中する。 - 182二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 18:18:56
「ケケンカニ、クラブハンマー!!!!」
怒号にも似た指示の声を受けたケケンカニが、宝石のように燦光する巨大な水の槌を力いっぱい振り下ろした。ハサミに纏われ水の槌を作り上げていた水エネルギーが地面に叩きつけられた衝撃で爆散し、辺り一面を飲み込む。陸地に在らざる大波に攫われたポケモン達は流し去られ、逃げ遅れた下っ端もそれに巻き込まれて殆ど掃けた。無事なのはスターモービルに乗り込んでいた面々と、空に逃げていたアオキ達だけで、それを見てあらまー、という特に同情もしてなさそうなポピーの感嘆の声が耳に届く。下っ端に関しては完全に貰い事故なのでどうしたものか、とチリはその光景を前に遠い目をした。
「どっかの神話にあったな。神の起こした人の世を滅ぼす大洪水と、唯一生き残ることを許された者として選ばれて、方舟を作り難を逃れた男の話」
「スターモービルが方舟ですか」
コルサの講評はそんなもの。頭を抱えるハッサクに向けて笑い話にもならないな、と自嘲して、コルサは肩を竦めた。
何はともあれ、ハイダイのケケンカニによるテツノオロチも真っ青な一撃のおかげで、当初の予定よりもスムーズに最奥まで突っ込めそうだ。ハイダイの常に無い剣幕に若干引いていたオモダカは、しかしすぐに切り替えてスターモービルを加速させた。 - 183二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 19:16:25
ノアオキさんか……
- 184二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 20:26:20
スターモービルの なみのり!
こうかは ばつぐんだ! - 185二次元好きの匿名さん23/07/11(火) 07:09:37
ほ
- 186二次元好きの匿名さん23/07/11(火) 18:08:08
保守
- 187二次元好きの匿名さん23/07/11(火) 20:18:30
禁l断のlレlジlスlタlンlスの歌詞が
犠牲軸で傷つきながらも、それでも懸命に進もうとする名無しモブたちの心情にも聞こえてきた
運命のlogicに踊らされた 虚夢の楽園
そこに、意味はあるのか?
瞳に映ってる その幸せは誰のモノなの……?
いま、真実を超えて……
ここらへんのフレーズ、並行世界から喪った人々と同一人物を連れてきて「取り戻した」と歓喜する者たちを皮肉ってるようにすら聞こえる
水樹奈々『禁断のレジスタンス』MUSIC CLIP(Full Ver.)
- 188二次元好きの匿名さん23/07/11(火) 21:51:10
こんな恐いハイダイさんを見る日が来ようとは.....
そりゃ弟子が下衆な方法で傷つけられたら師匠は黙って見てられんよね - 189二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 06:41:32
オレホシュ-
- 190二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 17:51:19
「踏み出さなきゃ、見つからない」は
犠牲世界線の人々にこそ必要な言葉かもしれない……
踏み出しちゃ行けない方向に踏み出してるって?まあ…うん… - 191二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 20:22:59
あーそっかぁハイダイさんのところで修行してたカエデさんのこと、ケケンカニもよく知ってるだろうしね
ハイダイさんの怒り×ケケンカニの怒りという相乗効果になってのあの威力かなー?
しんだか…大人しくしんでて… - 192二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 03:13:07
しゅ
- 193二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 07:19:46
ほ
- 194二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 18:04:32
ほー
- 195二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 20:42:02
ほ
- 196二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 20:57:59
反対派の人たちを閉じ込める時、並行世界からの誘拐を敢行したトレーナーたちは(質の悪いことに)実力者揃いだったので、ポケモンバトルで勝って黙らせたりしたのかなと思うなどした
そんなバトルに駆り出されるポケモンたち…… - 197二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 07:13:48
どうしよう、カエデさん傷ついちゃった責任の一端は
無理矢理誘拐してきた犠牲軸メンツにもあるんじゃ…… - 198二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 18:40:51
保守
- 199二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 19:08:19
埋め
- 200二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 19:12:56
終