- 1二次元好きの匿名さん23/07/06(木) 21:49:05
- 2N123/07/06(木) 21:49:19
雨音にとじこめられたかのような澱んだ風が鼻先を撫でて、適温に保たれた教室の空気に混じって消えた。換気のためにと小指一本分ほど開かれた窓の外は、音なき小糠雨がターフもダートもひとしく濡らす。
灰色雲に太陽が隠された昼下がり。自習を言い渡された教室内は、幾つものお喋りでさんざめく。急遽用意された藁半紙の課題一枚をこなしてしちまえば、チャイムが鳴るまでは降って湧いた自由時間のはじまりだった。
早々と教壇の上、プラスチックケースの中にプリントを提出し浮足立つ生徒も多い。けれど誰もが必要以上に騒ぎ立てないよう声を潜めるのは、授業中かつフリータイムという特別感を、うるさくすることで別の教室の教師にたしなめられないようにするため。
完全に黙り込むことも出来やしないから、それは暗黙の了解であり──私たちそれぞれがベットする『勝負』とも言えるんじゃないかね。
「ヤバ、この問題ぜんぜんわからん。雨にまつわるクラシック音楽のタイトルと作曲家。……なんか……なんとかパンみたいなのおらんかったっけ。パン……パン……ルパン!」
「ジョーダンちゃん、それは怪盗さんねぇ」
「ぴえん。じゃあ〜……マジパン?」
「それは洋菓子じゃねぇ……」
で、自習時間ともなれば自席を飛び出し『仲良し』の元へ移動する生徒も少なからず存在するわけで。
そうして空席となった椅子を引っ掛けてきたトーセンジョーダンは、シャープペンシルとともに持ち込んだ課題のプリントを私の後ろのワンダーアキュートの机の上に置いて、先程からゴールデンタイムのバラエティ番組かなにかのような頭の悩ませ方をしている。
こりゃあアレだ。藁半紙に連なる教養問題の正解が導かれるよか先に、連想ゲームになるぜ? 夕飯のメインディッシュを賭けてもいい。確か白身魚の夏野菜餡掛けだった気がするが。 - 3N223/07/06(木) 21:49:32
友人の多いジョーダンだったが、いわゆる『イツメン』が同じ授業を選択していなければ、『こちら』にやってくることがまれにある。私のところだとか、アキュートのところだとか、私らふたりがまとまった窓際にだとかな。『同期の絆』とかいうおためごかしめいた関係性を表す言葉にさして感慨は抱きゃしないが、私もアキュートもわざわざ来るものを拒む気はない。
そんなわけで。
ラパン、コパン、ジャパンと──窓の外、とめどなく落ちる『雨だれ』に負けじとばかりにジョーダンはアキュートとプリントを相手に連想ゲームを始めていた。勝負は私の一人勝ち。競う相手のいない賭けだから、当然勝ったところで見返りがあるわけじゃあない。
とっくのとうに解き終わったプリントを机の端によけて、私の指先と視線はみずからのスマートフォンに集中させる。通信を必要としないカードゲームは暇つぶしにもってこいだ。もちろん、昼寝に勤しむのも手と言や手だが──
「ん~、もう思いつかん! ね、アキュートさん、ほかにパンのつくことば、なんかあったっけ?」
「そうじゃねぇ……脱藩とか……活版とか……残飯とかはどうじゃろう~?」
「漢字!! ……ねーナカヤマ、ナカヤマも考えろしー! パンのつく言葉!」
──惜しい単語があっても頭はすっかり連想ゲームモードのジョーダンが、こちらに話を振ってこないわけがねぇんだよな。
「……シャンパン。出版。食パン」
「食パン?! いやまちがってねーけど、……あ! ショパン!」
フレデリック・ショパン。『24の前奏曲』作品28の一曲、第15番変ニ長調──ピアノの調べが美しいその名曲は、『雨だれ』呼ばれている。静かな雨音とひそやかな喋り声に身を任せて眠ろうったって、どうせ、この騒がしい同期が眠気を切り裂いて話を振ってくるんだ。
心地よい微睡みが潰える可能性を考えりゃ、わかりきった分の悪い賭けに乗るほど、私は阿呆じゃないってことさ。
やったー! だなんてガキみてぇな歓声とともに、ジョーダンとアキュートが手のひらを合わせるハイタッチの音。空気が動く。窓の隙間から入り込むペトリコールが、ちくちくと私の鼻孔を刺している。 - 4A123/07/06(木) 21:49:45
***
ショパンにドビュッシー、ラヴェル、ブラームスにグリーグ。雨の季節だからかしら、自習中の課題プリントにつづったいくつかのお名前は『雨』がモチーフになっている楽曲の、作曲家さんが多かったみたいじゃねぇ。
「ジョーダンちゃん、こんなときこそ、教科書と、すまほ、を使うとき、じゃないかしら〜!」
ついついあたしもパンで終わることばの連想ゲームにつられちゃったのだけど、持ちこみが禁止されているテストとはちがうんじゃもの。「……それな!」アキュートさん天才か? なんて、ジョーダンちゃんはいつだって、大げさにあたしのことをほめてくれる。それがちょっびりくすぐったい。
窓の外、まるで霧みたいに細かかった雨は、いつのまにか粒の大きさを変えていたみたい。窓に、校舎の側面に、地面に、ばらばら、ばたた、なんて、強めの雨がうちつける。風もすこし出てきたねぇ。嵐のような横なぐりとまではいかないけれど、窓に雨がぶつかってとめどなく水滴がすべりおちれば、すきま風がとどけてくれる雨のにおいもどんどん濃くなっていく。
たしかね、この雨のにおい、名前があったはずなんじゃよ。いったい、なんだったかしら?
すまほ、を使えば課題の穴埋め問題なんてちょちょいのちょい。ばつぐんにすまほを使いこなすことのできるジョーダンちゃんは、水を得た魚みたいにぱぱっとプリントにペンをすべらせて、あたしのプリントと、ついでに前の席のナカヤマちゃんのプリントも教壇に提出してきてくれた。ありがとうねぇ、ってお礼を言うと、いーってことよ! ってジョーダンちゃんはおひさまみたいに笑う。
「なんかさっきより雨強くなってね? 湿気のニオイヤバみひどみデジャみじゃん。つかこれなんのニオイなん?」 - 5A223/07/06(木) 21:49:57
あたしが机の脇に提げたスクールバッグをがさごそと探っていたから、戻ってきたジョーダンちゃんの質問はナカヤマちゃんに飛んでいく。
……ぶしつけだってかんちがいされがちだけど、ナカヤマちゃんって『いい子』なんじゃよね。『パン』についてジョーダンちゃんが泣きつくまでは椅子の背もたれにもたれかかってすまほとにらめっこしていたみたいじゃったけど、話の輪に引き込まれたら、ずらした椅子の背に右腕をあずけて、こちらに身体を向けてくれている。
かわいらしく首をかしげたジョーダンちゃんの視線をどう扱うか、ほんの数秒考えたみたい。ナカヤマちゃんは手にしていたすまほを自分の机に伏せて、考えをめぐらせるみたいに口もとに手をそえた。
「カビ」
「マジ?!」
「とか、埃。土とかアスファルトとかに溜まった塵だとかが、雨に打たれて、こういう匂いになるらしいぜ」
「うへぇ、あんまキレーなニオイじゃないじゃん。なんか、雨が洗い流す的な? そーゆーキレーなやつかと思ってた」
「でも風情があるにおいで、あたしは好きよぉ。たしかちゃんとした名前がついているのよね。なんて名前だったかしら……」
よっこいしょ、なんて、本来ならかけなくてもいい掛け声とともに、あたしはスクールバッグの中からタッパーを取り出した。あたしがいつも持ち歩いている大根のぽりぽりさんとはまた違うタッパーね。「名前あんの?」窓のすきまからはこばれてくるにおいの正体に、ジョーダンちゃんはげっそり顔。雨に降られて匂うか匂わないかの問題だろ、と、ナカヤマちゃんが付け加えて──「ペトリコール」あたしの疑問にもきっちりこたえてくれる。
ペトリコール。別名、石のエッセンス、だったかしらねぇ。雨が地面をぬらす匂い。土のにおい。石のにおい。草のにおい。
あたしがおもむろに取り出したタッパーに、ジョーダンちゃんとナカヤマちゃんの視線があつまる。ぴっちりとはまった青い半透明のフタを持ち上げると、ふたりの前に姿を見せるのは……この季節にぴったりの、真っ赤な宝石が敷きつめられた、カスタードのパイ。
あたたかみのある、ナツメグのあまーい香り。わきたつにおいに、ジョーダンちゃんのお耳がぴん! とまっすぐ立ち上がる。
「さくらんぼのパイ!?」
「昨晩作ったばかりなのよぉ、おやつにどうかねぇ?」 - 6J123/07/06(木) 21:50:09
***
アキュートさんのつくるお菓子は、おいしい。もしかしたらこれ、あたしのアキュートさんに対する、初インプレ、ってやつだったかもしんない。
さっきナカヤマが言ったベット・リコール? をはねのけるみたく、ほっぺたの奥がきゅっとしまりそうなさくらんぼの香りと、ザ・お菓子! みたいなあまいニオイがふわんってふくらんだ。
アキュートさんもまじめに見えてあんがいこーゆーとこ自由だよね。いちおー自習時間なのに、おやつを取り出してくるとか、センセーが見たらひっくりかえるんじゃね?
「めっちゃおいしそー! ねアキュートさん、写真撮ってい? ウマスタにあげたい!」
「タッパーだからあまり映えないかもだけど……」
「ふっふーん、あたしを誰だと思ってんの? 映えないじゃねーの、映やす! これギャルの鉄則な?」
「ばやす」
「……映やす」
テキトーこいただろ、って言わんばかりのナカヤマの視線はかわして、あたしはポケットの中から取り出したスマホをかかげてみせた。カメラ機能を起動して、背面のレンズごしにタッパーをのぞきこむ。
スクバに入るくらいのサイズのタッパーだもん。トーゼン、パイはあらかじめきりわけられてる。ピザのピースみたいな三角形のかたちで、きつね色の生地の上にはさくらんぼのフィリングがつやつしてる。ぷっくりネイルってあるっしよ? ビジュージェル使うやつよ。かたちを残したさくらんぼがほんとそれっぽい。ミラーパウダーでも重ねたみたくきらきら。
側面からはとろりとしたカスタードがチラ見えしてる。あまいニオイのなかにまじる、バニラエッセンス。これでおいしくなかったらウソだし。ま、おいしーにきまってるけど? だってアキュートさんのお菓子だよ?
あたしが画角をきめてるあいだ、アキュートさんはスクバから水筒を取り出してた。あと紙コップをみっつ。アキュートさん、だれかとおやつを食べるの好きなんかな、のみものもいっしょに用意してること、けっこーある気がする。
「ジョーダンちゃん、ナカヤマちゃん、紅茶だけど大丈夫よねぇ?」
「トーゼン!」
「……。こっちは御相伴に与る身だぜ?」 - 7J223/07/06(木) 21:50:22
こぽこぽ、みたいな音を立てて、紙コップに紅茶がそそがれる。ほんのり湯気が立ってるけど、たぶんめちゃくちゃ熱いワケじゃなさそう。加工とアップはあとで! いまははやくさくらんぼのパイが食べてーし! そう決めてスマホをまたポケットにしまうと、アキュートさんはごきげん顔だ。
なんでかって? ナカヤマがどっかしらムッとしてるから。これねぇ、怒ってるわけじゃないんだよね。ナカヤマ、甘いのあんま好きくないくせにゴショーバンにあずかってくれんのがアキュートさんはうれしいの。ゴショーバンにあずかるって意味よくわかってねーけど、なんかいっしょに食べる的なサムシングっしょ? んでさ、いっしょにおやつ食べてくれるよね、っていうアキュートさんのちょっとした期待にこたえるのが、なんとなーく柄じゃねーって思ってんじゃね? ナカヤマのむっとしたフインキは、たぶんそんなカンジ。
サマーシリーズに出走しないあたしだけど、学内の模擬レースをひかえてるから、今日は地爪。ラメとかもおさえめ、クリアカラーのブルーとグリーンのポリッシュは、いつものあたしのハッピーカラーってやつ。
ネイルチップなしだから、トーゼン、サクランボのパイもつまみやすい。爪飾ってっとこまけー作業うまくいかなかったりすんだよね。
「いっただきまーす!」
「いただきます」
「どうぞ、めしあがれ〜」
こういうのなんていうんだっけ。
サンシャサンヨー? にとうへんさんかっけーのさきっちょ、こぼれそうな赤いフィリングをすくうみたいにして、あたしたちはパイを口の中にほうりこむ。
……こっくりとしたさくらんぼの甘酸っぱさと、ふくらむバターのニオイと、ほっぺた落ちそうなぽってり感のカスタードクリーム。
ほらね。やっぱりアキュートさんの作るお菓子って、おいしいんだ。 - 8N323/07/06(木) 21:50:36
***
ワンダーアキュートはソツがない。パイが詰まったタッパーの次、アッサムのホットティーが出てきたと思えば、手拭きのウェットティッシュも差し出してくる。
抜かりなきお茶会のあるじ謹製のさくらんぼパイは、カスタードクリームの重い甘さが気にならないくらいに口当たりが軽く、果実の酸味がほどよく爽やかで、……いつも通り、舌を巻く美味さだった。甘いの、そこまで好きじゃねぇんだが。美味いもんは嫌いじゃねぇし。
台所仕事には多少腕に覚えがある私だが、菓子はざっくり配分の軽食程度のものしか作らない。菓子っつうのは分量厳守なことが多いからな。レシピ通りに作りたくないわけじゃないが、どうしたって遊びは入れづらいだろ。そのくらいの私の練度でも、アキュートの菓子作りの腕は伺えるってもんだ。
「あー、マジうまかったし……」
「ふふ、おいしく食べてくれてありがとうねぇ」
三者三様飲み終えて空になった紙コップをアキュートは机の端に重ねる。次いで、スクバにしまわれていく青いタッパーを見送りながら、ジョーダンは未だ夢見心地の表情だ。ま、正直わからなくもないさ。老舗のケーキ屋にも負けず劣らずのさくらんぼパイ。特別な味わいってのは一口目でわかるもんだ。
それぞれが摘んだ一切れはあっというまに指先から消えて、舌の温度で溶けるんじゃねぇかってくらいとろけるカスタードとたっぷりバターの生地の匂いはいまだ口内に余韻を残す。パイ生地は温紅茶で流しきったっていうのにな。
それに加えてサクランボの甘酸っぱさを嗅覚が思い出すんだから厄介なことこの上ない。 - 9N423/07/06(木) 21:50:47
「やっぱアキュートさんのつくるお菓子、うっまいわー。天才」
「ほめてくれてありがとうねぇ。……これね、前にジョーダンちゃんがいっしょに探してくれた、ケーキ屋さんのさくらんぼパイなんじゃよ〜」
「え?! マ?! あんときのやつ?」
まさに感情のまま、という風にジョーダンが声を上げて、慌てて両手で口許を隠す。出ちまった声が今更潜められるわけがねぇのにな。
窓際なのもあるし、打音が激しさを増す雨に吸い込まれればそう目立ちゃしないさ。意味もなく身を縮めてきょろつくジョーダンにアキュートは柔らかな眼差しを向けている。
「結局、お店にさくらんぼのパイは置いてなかったんじゃけど、れしぴを譲り受けたのよぉ」
「てことはお店直伝の味ってことじゃん! ヤバ!」
オーバーリアクションかってくらいの勢いでジョーダンが身を乗り出したのを横目に、私は手持ち無沙汰だ。別に四六時中行動を共にしてるわけでもない。上がる話題に覚えがないことだって往々にして存在している。
話に混ざれないことに惑ってるわけじゃないぜ? そういう子どもっぽい感情からはとっくのとうに卒業しているし、そういうのでもない。
それに。
「あのね、ナカヤマちゃん。このあいだね、ジョーダンちゃんに、思い出のケーキ屋さん探しを手伝ってもらったんじゃよ〜」
ワンダーアキュートはソツがない。窓に風が吹きつけて、再びのペトリコール。草木に満ちる匂いは、私の中に燻る、いつかの甘くはない記憶をひっかける。 - 10A323/07/06(木) 21:50:58
***
ざあざあ、と、たえまなく降りそそぐ雨音にまぎれちゃわないように、かくかくしかじか、あたしはつい先日のできごとを、ナカヤマちゃんに向けて、ゆっくりと振り返っていたの。
外出の帰り道、あたしのトレーナーさんがお腹をすかせてしまったから、ふぁみれすに寄ったこと。
そこでタルマエちゃんとリッキーちゃんと会って、みんなで限定のアップルパイに舌鼓を打ったこと。
そうしたらふっと、むかし家族といっしょにケーキ屋さんで食べたさくらんぼのパイのことを思い出して──どこにあるのかわからなくなってしまったケーキ屋さんを、ジョーダンちゃんが探すの、手伝ってくれてたのよねぇ。
どうどう? あたしすごくね?? って、ジョーダンちゃんは得意げなお顔をする。ジョーダンちゃん、ほんとうにすまほの使い方が上手なんじゃよ。ぼんやり覚えているケーキ屋さんの外観を伝えたら、すぐにぱぱっと検索してみてくれたのよ。
「ジョーダンちゃん、あのときはほんとうにありがとうねぇ。あのお店のさくらんぼのパイが再現できたおかげでね、いいことがたくさんあったんじゃよ」
「イイコト? 幸運のさくらんぼパイだったってコト?」
ジョーダンちゃんが聞き返して、ここまであたしの話に静かに耳をかたむけてくれていたナカヤマちゃんのお耳がぴくりと反応する。運を天に完全に任せるわけじゃないナカヤマちゃんだけど、験担ぎはしておきたいタイプだものね。
でもざんねん、そういうのじゃなくて── - 11A423/07/06(木) 21:51:08
「あのさくらんぼのパイを食べたきっかけがね、かけっこ競争で、はじめて一着を取ったから、っていうのを思い出してねぇ。ゴールテープを先頭で切ったときの、うれしかった気持ちだとか、楽しく走れたなって記憶が、よみがえったんじゃよ。ふしぎよねぇ」
あたし、この季節になると、さくらんぼパイ自体はちょこちょこ作るんじゃよ。お財布にやさしいアメリカンチェリーとか、ファンの方がわざわざ送ってくれた佐藤錦だとかでね。
フレンチパイのときもあれば、アメリカンパイのときもあるわ。果実のフィリングだけのときもあるし、今日みたくカスタードを詰めたりもする。
種類はあるけど、いつも作る、あたしの味。あたしの甘さ。
でもねぇ、あのケーキ屋さんから譲り受けたレシピで作った、ナツメグの香りのさくらんぼパイは、やっぱりどこかちがうのよ。
あたしのさくらんぼパイじゃたどり着かなかった記憶。それを引き出したのは、あのお店のさくらんぼパイ。
「思い出の味、って、きっとこういうことを言うのねぇ。……なぁんて」
「や、わかるよ。そーゆーの、ある。あたしもさー、ママが送ってくる味噌玉のおみそしる飲むとさ、実家のこと思い出すし。野菜いっぱい入ってるやつ! にんじんとかーごぼうとかー。おいしーにはおいしーんだけどさ」
ジョーダンちゃんたら、苦虫を噛みつぶしたみたいなお顔! ジョーダンちゃん、ご両親の方針で、食卓の制限が多かったみたいなんじゃよね。
いやなこと思い出させちゃったかしら、ってすこうしだけ焦ったけど、ちょっぴりオーバーな表現をしてみせてくれただけみたい。「アキュートさんも飲む? うちのママの味噌玉みそしる」ありがたいお誘いにはぜひ! って返したところで、ゆるい相づちを打ってくれていたナカヤマちゃんが、小さく口を開いたわ。
「……プルースト効果か」
って。 - 12J323/07/06(木) 21:51:21
***
「プル……なんて??」
べっとりコールといい、プルなんとか効果といい、きょうのナカヤマはカタカナことばをよくしゃべる。ま、もともとナカヤマってこーゆー雑談になると口数すくなくなりがちなんだけどさ。会話に巻き込めばおしゃべりしてくれっけど、そうじゃなかったらはしっこのほうで静かにしてる。ナカヤマって、そーゆーやつ。
でも、聞いてなさそうで、てきとーに受け流してそうで、ちゃんと聞いてるの、あたしもアキュートさんも知ってんだよね。
だからきっと、プルなんとか効果ってやつも、ここまでのおしゃべりにカンケーあるやつ、なんだと思う。
「なになに、なんのこと? プルなんとか。プルーン? あ、プルオーバー?」
プルプルプリンとかだったりした? とか、続けてみたけど、ナカヤマの反応はなんだかにぶちん。こーゆーナカヤマ、けっこーめすらしー気がする。思わず口に出しちゃった的な? 言うつもりはなかった的な? いつもしてやられる側だし、こーいうチャンスは逃したくないけど、……なんでもねぇよ、なんて、ごまかすこともせずだまっちゃったの見ると、あんま軽いキモチでつつくもんじゃ、ねーのかも。
話、変えたほうがいいかもね。きょとんとした表情を浮かべるアキュートさんに目配せして、あたしはスカートのポケットをごそごそ探る。スマホ入ってないほうね。
そんで、アキュートさんの机の上に取り出したのは──ベースコートと、プチプラのネイルポリッシュ。いつでもどこでも誰かの爪を飾れるように、いっつもセットで持ち歩いてんだよね。今年の夏の流行色、シアーピンクは、派手色ってわけじゃないからセンセーの目もごまかしやすい。
さて、どっちの爪を狙っちゃろうか! アキュートさんとナカヤマ、ふたりを交互に見てたら……ハァ、なんてなげやりなため息が、あたしの耳に届く。
「別に、気を遣われるようなことじゃねぇよ」
「そーなん?」
「……調べてみても、いいかねぇ?」
「どーぞ」
アキュートさんも気になってたみたい。そそくさとケータイを取り出して、小さな指先が、ゆっくりと文字を打ってってるから──あたしは、アキュートさんの机の上に放られていたナカヤマの手を取った。
ギロ、って音でもなるかってくらいにナカヤマの視線がつきささる。でも、手をはねのけられたりとかは、しない。 - 13J423/07/06(木) 21:51:34
「いーじゃん、塗らせてよ。アキュートさんウェットティッシュもらってい?」
「はいはい、どうぞぉ?」
だって、せっかくポリッシュ取り出したし? 塗らなきゃもったいないじゃん? やめろ、とか、なかなか言われないのをいいことに、あたしはナカヤマの指先をウエットティッシュでていねいにぬぐう。あいかわらずベースコートすら塗ってねー素爪なの、いろんな意味でうらやましい。ケアしなくても頑丈なのさ、いいよね。あたしも手の爪は脚の爪ほどよわっちくねーけどさ。
ついでにほんのりあったかい手をもみほぐす。ネイルする前のハンドマッサージって、けっこー重要なんだよね。さすがにオイルは持ってきてないから、痛くならないていどに、だけど。
「ぷるーすと効果、出てきたよぉ」
「聞かして聞かして!」
「ええとねぇ……かんたんに言うと、においと記憶は結びつきやすい、ってことみたい」
アキュートさんいわく。
目で見る景色、とか、耳で聞く音、とか、舌で感じる味、とかは、脳にたどりつくまでにいくつかまわりみちをするんだけど、鼻で嗅ぐニオイ、だけは、脳の中の記憶にかかわるところに、直接アクセスできる、らしい。
で、記憶だけじゃなくて、そのとき感じた感情まで、いっしょに思い出すんだとか。
……たぶん、あたしがわかるように噛み砕いてくれてるよね、これ。
「しっくりきちゃったわ。……あたし、きっと、ナツメグとさくらんぼの香りの組み合わせで、かけっこ競争でうれしかったときのこと、思い出したんじゃねぇ」
「んじゃあたしはママのおみそしるのニオイで、ガミガミ言われたこと、ちょっと思い出したんかも」
ってことは、だ。
ベースを塗ったあと、ネイルポリッシュの刷毛をナカヤマの爪に這わせながら、あたしは、さっきまでのことを思い出してみる。プルースト効果、出てたんだろーね。しかも、あたしみたくあんまよくない方向で。
アキュートさんの解説はつづく。マドレーヌの話とか、タイコのむかしの話とか。
そうこうしているうちにナカヤマの爪を塗りおえて、今度はアキュートさんの番。 - 14J523/07/06(木) 21:51:46
なんとなく、ね。
ふと思い立ったことがあってさ。
アキュートさんの手を取りながら、あたし、言葉にしてみたんだ。
「ね、アキュートさん、ナカヤマ。……ふたりってさ、あんま、ネイルの趣味ないよね」
「そうねぇ、ジョーダンちゃんみたいに、ちょくちょく、は、やらないかもしれないわねぇ」
「気が向いたらな」
「ん、それでいーよ」
窓の外は、まだ、雨が降ってる。すこしずつ薄まってんのかな、灰色と白のまだら雲。
かすかに開けられた窓からは、あいかわらずの、ペトリコール。紅茶のにおいも、ナツメグとさくらんぼのパイのにおいも、いつのまにか吹き飛ばしちゃった。
でもかわりに、あたしたちのまわりをうろちょろするのは、鼻につんとくる独特の、ネイルポリッシュのニオイだ。ベースコートのニオイも、シアーピンクのポリッシュのニオイも、そこそこキョーレツ。
「ふたりとも、きっとさ、この先ネイルするとき……ポリッシュのにおい、かいだとき、今日のことを思い出すんじゃね? ……おいしいさくらんぼのパイ食べて、ジョーダンさんがかわいく爪をぬったげた、悪くねー記憶!」
ニオイが記憶を、うれしーこととか、楽しいこととか、そういう感情もひっぱってくるんだったらさ。
こうやって、新しい思い出を作るのも、きっと悪くない。
あらまぁ、そうねぇ、なんて、アキュートさんはなんだかくすぐったそうに笑ってる。ナカヤマは……あっ、鼻で笑ってね?! 肩なんかすくめちゃって、あたしをからかうときの顔してんじゃん! ポケットもっと探ればネイルシールのひとつやふたつ、出てくんだぞ?! もっと飾りつけちゃろか?! なんて、声に出そうとしたそのときだ。
静かにカーテンを引いたみたいに、窓の外が明るくなる。雲が引いて、ぽっかりとおひさまが顔をのぞかせる。
雨はまだ止んでない。だから、おひさまの光に、雨が、木の葉っぱが、窓が、……世界が、きらきらとかがやいていく。
サンシャサンヨー、ことばも忘れて、あたしたち、窓の外に目をうばわれる。 - 15J623/07/06(木) 21:52:05
ね、アキュートさん、ナカヤマ。
……きっとこれって悪くねー記憶をこえて、『とくべつな思い出』になるんじゃないかって、思っちゃったりすんだけど、さ。
それってやっぱ、あたしだけ? ……じゃ、ないよね! - 16二次元好きの匿名さん23/07/06(木) 21:52:18
おしまい
いつもは会話文のみのSSなのですが、無性に地の文を書きたい気分だったので、読みづらくとも自分の好きなように書きました。
ここまで読んでくださった方、いらしたらありがとうございました。
かしわ記念の公式イラストに成仏しかけてたんですが、ひさびさ青春してもらいたいという気になったので。この掲示板にこの世代のお話を投下しはじめて半年ちょっと過ぎた気がするので、以下、ここまでのSSを(自分用に)まとめておきます。 - 17まとめ23/07/06(木) 21:53:19
①【会話文SS】うまったぁの使い方
【会話文SS】うまったぁの使い方|あにまん掲示板「うまったぁ?」「そ、アキュートさんはウマッターのアカウント持ってない系?」「あかうんと……カウンターならある程度経験はあるけどねぇ。ジョーダンちゃんはうまったぁでチャンピオンを目指すのかしら?」「ウ…bbs.animanch.comまだジョーダンの一人称を「アタシ」だと思い込んでいたころの話です。
書き始める前にジョーダンのキャラスト読みに行って確認したはずなのに。
アキュートさんがウマッターを使うかどうか、ナカヤマとジョーダンが賭ける話。
- 18まとめ23/07/06(木) 21:53:40
②【会話文SS】ヘアケアどーしてる?
【会話文SS】ヘアケアどーしてる?|あにまん掲示板「うーん……」「どうしたんだい、ジョーダンちゃん。なやましげなため息をついてるけれど」「アキュートさん聞いてくれんの? なんか〜最近、髪が傷んでんだよね。ぜんぜん上がらん」「おやまぁ……見た目はいつも…bbs.animanch.comまだジョーダンの一人称が「アタシ」
ウマ娘ちゃんたちがふつーの女子高校生みたいな会話してるのが好きです。
こちらは金曜夜のクイズスレにてイラストをいただいてしまいました……。
うれしい……。
- 19まとめ23/07/06(木) 21:53:52
③【会話文SS】Gaze on Me!
【会話文SS】Gaze on Me!|あにまん掲示板「ジョーダンちゃん、ナカヤマちゃん、待たせちゃってごめんねぇ」「アキュートさん日直おつ〜! レッスン室借りられた?」「バッチリよぉ、二人とも、付き合わせちゃってごめんなさいねぇ」「約束さえ果たしてもら…bbs.animanch.comまだジョーダンの一人称が以下略
ウマ娘ちゃんたちのダンスレッスン風景とかのエピソードもっとほしい。
- 20まとめ23/07/06(木) 21:54:02
④【会話文SS】ポケットにお手手
【会話文SS】ポケットにお手手|あにまん掲示板「ねぇねぇアキュートさん、ナカヤマ〜」「どうしたんだい、ジョーダンちゃん」「今度の土曜日、ハロンタワー行かね?」「はろんたわぁ……、今年も楽しそうなクリスマスイベントをやってるって聞いたわねぇ」「そー…bbs.animanch.comまだジョーダンの以下略
スノースマイルっていいよね。って思いながら書きました。
このあたりから現行イベに沿った話書くの楽しいよねって思いはじめた。
- 21まとめ23/07/06(木) 21:54:14
⑤【会話文SS】ナカヤマさんのおべんとう
【会話文SS】ナカヤマさんのおべんとう|あにまん掲示板──教室──「ナカヤマちゃん、ナカヤマちゃん」「ん、どうしたアキュート」「お弁当、ご一緒してもいいかしら」「いいぜ。……相変わらずの減量飯か。アンタも大変だな」「もうすぐレースだからねぇ。お腹は空くけ…bbs.animanch.comこのあたりでやっとジョーダンの一人称が「あたし」になりました。長い間ごめんねジョーダン。
台所仕事には覚えがあって弟妹のお世話もがっつりしてた女がキャラ弁作るのヘタクソなわけがないだろ! って気持ちで書いた。でも本職の方々には敵わないとは思いつつ。
- 22まとめ23/07/06(木) 21:54:26
⑥【ほぼ会話文SS】クリプレ交換したくない?
【ほぼ会話文SS】クリプレ交換したくない?|あにまん掲示板2022年と2011年の時空が入り乱れている、そんな09年同世代会話です。全部で5レス。bbs.animanch.com2011年の有馬記念を下敷きに書いたお話。
とにかくジョーダンがアキュートさんとナカヤマの爪塗ってるシーンを書くのが好きです。
- 23まとめ23/07/06(木) 21:54:36
⑦【会話文SS】ガレット・で・王様ゲーム
【会話文SS】ガレット・で・王様ゲーム|あにまん掲示板あけおめ09年同世代会話です。全部で6レス。スレ画をうまく三人でおさめたい。bbs.animanch.comお正月といえばガレット・デ・ロワだよね! という気持ちで書きました。
アキュートさんがほいほいお菓子作ったりごちそうしたりするので甘いものがそこまで好きじゃないナカヤマがいつも脳内で苦い顔をしています。
- 24まとめ23/07/06(木) 21:54:47
⑧「ぷり、撮って帰らないかい?」【09会話文SS】
「ぷり、撮って帰らないかい?」【09会話文SS】|あにまん掲示板「『幼稚園の』『訪問ボランティア』『実習』、『つつがなく』『終わりました』、確定、と……ナカヤマちゃん、あとはなんて送ったらいいかねぇ」「これから帰校する、くらいでいいんじゃねぇか? ……アキュート、…bbs.animanch.com三人でプリ撮ってほしいって気持ちで書きました。
もともとはTwitterのフォロワーさんが描かれた09年同期のイラストを拝見し、情景を書いたところから前をふくらませた仕様です。
文末のアキュートさんのSSがそれにあたるのですが、実際はもう少しだけ長い。
テレグラフで置いておきますのでよろしければ。
interlude いまが食べごろのおみかん、八朔や金柑でもいいかもしれないわ。この時間帯の電車内は、窓から夕陽が差し込んで、まるでオレンジピールみたいな色であふれている。日々のおしごとを終えたひとたちの帰宅時間よりはすこし早くて、学生さんたちがお家に帰るよりほんのすこし遅いからなのかしら、車内はゆったり空いていてね。
あたしたちを含め、ぽつぽつと思い思いの席に座るお客さんは、車窓から見える夕映えに目を細めながら、それぞれ金色をまとっているの。
「むにゃ……」
電車の走行音を縫って右耳のすぐ近くで聞こえてくるのは、ジョーダンちゃんのかわいらしいねごと。
あたしたちウマ娘はみんなそれぞれ体力に自信はあるけれど、レース以外──たとえば、授業の一環で訪れることになったボランティアだとかだと、またちょっと違ってくるんじゃよね。
キラキラで可愛いお姉ちゃんとして、子どもたちとたくさん遊んでいたジョーダンちゃんも、ちょっぴりつかれてしまったみたい。すうすう、すやすや、やさしい寝息が、あたしの右耳をくすぐるの。
左隣には、おなじくおねむのナカヤマちゃん。
おしゃまな女の子たちと遊んでいたジョーダンちゃんと違って、ナカヤマち…telegra.ph - 25まとめ23/07/06(木) 21:54:59
⑨【会話文SS】恋とはどんなものかしら
【会話文SS】恋とはどんなものかしら|あにまん掲示板「ね〜アキュートさん、ナカヤマ〜」「どうしたんだい、ジョーダンちゃん」「コイバナせん?」「せん」「即答! ええ〜いいじゃん〜しよーよコイバナ」「おやおや。ジョーダンちゃん、お勉強に飽きちゃったのかい?…bbs.animanch.comとにかくウマ娘ちゃんにふつうのJKぽい会話をしてほしい委員会。
コイバナをしてるウマ娘ちゃんが見たいんだよォ!!!
- 26まとめ23/07/06(木) 21:55:14
⑩「今日はめでたいジョーダンさんのジョータンでーす!」【09同期会話文SS】
「今日はめでたいジョーダンさんのジョータンでーす!」【09同期会話文SS】|あにまん掲示板ジョーダンお誕生日おめでとう!!! な09世代同期会話文SS。全部で7レス予定。bbs.animanch.comジョーダン誕生日に書いたやつです。
ジョーダン、いろんな子からお誕生日プレゼントもらったんだろうなあ。
- 27まとめ23/07/06(木) 21:55:27
⑪「カワイイナカヤマチャン!!」【09会話文SS】
「カワイイナカヤマチャン!!」【09会話文SS】|あにまん掲示板「というわけで来週の土曜日にカレンとカワイイ勝負をすることになった」「は?!」「おやまぁ……」bbs.animanch.com⑤でフラワーとお弁当勝負をしてもらったときには考えてたカレンチャンとのカワイイ勝負。ナカヤマにね……カワイイ格好を……してもらいたいんですよね……という欲望にまみれた話です。
- 28まとめ23/07/06(木) 21:55:42
⑫「あたしたち、友ちょこを作っているのよ」【会話文SS】
「あたしたち、友ちょこを作っているのよ」【会話文SS】|あにまん掲示板2月中ならまだバレンタインデーの範疇だと聞きました。バレンタインデーのチョコレートと願掛けされるナカヤマのお話。全部で9レス。作中のクラスメートあれこれについては推定です。bbs.animanch.comウマ娘ちゃんたちの学年がわっかんないんですよね……ということでこのお話はナカヤマとアキュートさんが高2前提でお送りしています。
バレンタインデーのお話。
- 29まとめ23/07/06(木) 21:55:53
⑬「スイメモっしょ? トーゼン知ってるし!」【会話文SS】
「スイメモっしょ? トーゼン知ってるし!」【会話文SS】|あにまん掲示板実写版『スイートメモリー・ティータイム』を見に行く09年同期3人のお話です。全部で7レス予定。実写版を映画に捏造した上にイベント内に出てきたエピソードの前身となる部分も捏造しています。全体的に捏造して…bbs.animanch.comライアンとアイネスのバレンタインイベに出てきた漫画スイートメモリー・ティータイムを下敷きにしたお話。恋愛観を話してるウマ娘ちゃんが見たいんだよぉ!!!
- 30まとめ23/07/06(木) 21:56:08
⑭「……ふたりとも、お祝いのことば、ありがとうねぇ?」【会話文SS】
「……ふたりとも、お祝いのことば、ありがとうねぇ?」【会話文SS】|あにまん掲示板数日遅れですがアキュートのお誕生日をお祝いする09年同期3人のお話です。全部で6レス予定。アキュートさんはなんだかんだでお強いといいな。bbs.animanch.comアキュ誕に書いたお話。
09世代三すくみの法則は、ナカヤマはジョーダンに強く、ジョーダンはアキュートさんに強く、アキュートさんはナカヤマに強い、です。
- 31まとめ23/07/06(木) 21:56:22
⑮「わたしと出会ってくれて、ありがとう」【会話文SS+α】
「わたしと出会ってくれて、ありがとう」【会話文SS+α】|あにまん掲示板遅刻しましたがナカヤマのお誕生日をお祝いする09年同期3人の会話文のみSS(前半)と、その日の放課後のナカヤマと『先生』のSSです。ナカヤマ育成ベースです。【Best wishes for a hap…bbs.animanch.comナカヤマ誕。一推しがナカヤマなので、会話文SSと、ナカヤマと先生のSSの二部構成です。
- 32まとめ23/07/06(木) 21:56:37
⑯「えす、えむ、える、えっくすえる。どれでもたーんとおあがりよ?」【会話文SS】
「えす、えむ、える、えっくすえる。どれでもたーんとおあがりよ?」【会話文SS】|あにまん掲示板https://twitter.com/uma_musu/status/1653957624558391296かしわ記念の記念イラストに感謝。この記念イラストを元に妄想した09世代同期会話文SSです。…bbs.animanch.comiPhoneの待ち受けにしてるおかげか最近ようやく現実なんだなとしみじみすることができるようになりました。
<a href="https://twitter.com/hashtag/ウマ娘" target="_blank">#ウマ娘</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/ゲームウマ娘" target="_blank">#ゲームウマ娘</a>
・「かしわ記念」記念プレゼント
マニー×50000 — ウマ娘プロジェクト公式アカウント (uma_musu) 2023年05月04日かしわ記念の記念イラストを元にしたお話です。
- 33まとめ23/07/06(木) 21:56:56
⑰こもってなんなん? れびはレビるのレビだよね?
こもってなんなん? れびはレビるのレビだよね? 春のおひさまが好き。紫外線対策とかかったるいけどさ。シチーとかモデルやってっからすっげー注意しててさ、スクバに日傘入ってんの、ひかえめに言ってすごくね? プロ意識高いっつーか? ジョーダンも持っときなよ、って、こないだ遊んだときに選んでもらって買って帰ったけど、……寮の部屋のテーブルの上ですっかりインテリアになってたりする。ウマ娘ってさぁひなたぼっこ好きな子多くね? って最近思うんだよね。夏みたいにきっつーいのはダメなんだけどさ。なんだかんだ教室の席がえするとき、窓ぎわ人気だもん。お昼ゴハンのときとか、カフェテリアじゃなくて購買とかで買ったのとかおべんとうとか持って外で食べてる子けっこういるし。日当たりサイコーな屋上でおひるねしてる子とかもね、けっこういるくね?
春の芝のにおいも好き。ターフにしかれてる芝じゃなくてさ、ふつーの芝ね。なんか春っぽいにおい、せん? あたしあんまりうまく言えんのだけど。
夏だとさ、暑くてかさかさしてるじゃん。秋だとやせてるかんじ。冬になるとつめたくて元気ないかんじ。でも春はちがう。ふっくらしてるっていうの? 芝もあたしたちみたいにひなたぼっこしてるからかな。ふわふわして…telegra.phこの掲示板には載せてないのですが、一緒にまとめておきます。
これもTwitterのフォロワーさんが描かれたイラストを元にして書いたもの。
ジョーダン視点、とある日曜日、学校でのお話です。
- 34二次元好きの匿名さん23/07/06(木) 21:59:08
- 35二次元好きの匿名さん23/07/06(木) 22:09:37
チラリ覗かせていただきました。
いつも楽しみにしてます。これからも沢山のお話を期待してます。 - 36二次元好きの匿名さん23/07/06(木) 22:14:12
今作も読ませて頂きました
いつもながら三人の掛け合いと、ちょっとした身振り手振りの描写から思考と感情を導き出す手腕の鮮やかさにほれぼれします
バニラとナツメグの香るカスタードのチェリーパイ、今度からついつい探してしまいそうです
その他にもペトリコールやポリッシュの匂いなど、描写から鮮やかに鼻腔に香りが漂ってくる見事さ
今回も良い作品をありがとうございます
大変勉強になりました! - 37二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 07:26:11
コメントありがたき!
帰宅したらまたお返しさせてください! - 38二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 17:47:41
一度あげます!
- 39二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 20:38:05
- 40二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 23:35:42
知らない作品がけっこう有る…こうしてまとめて頂けるのはありがたい 次回作も楽しみにしてます
- 41二次元好きの匿名さん23/07/08(土) 07:28:05