[二次創作・SS有]カラミざかりを語ったり妄想したりするスレpart7

  • 1二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 16:02:15

    こちらのスレはカラミざかりについて語ったり、もし自分がカラミざかりのストーリーを書くことになったらどのようなストーリーにするか妄想・創作したりするスレです

    こんなストーリーが読みたい的な妄想もぜひ書いていってください 皆さんの作品お待ちしています

    ※原作・リメイク版どちらもOKです
    ※SS長編どちらも可

  • 2二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 16:02:33
  • 3二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 16:03:23
  • 4二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 16:04:06

    当スレについて

    ・原作リメイクどちらの話もOKです
    ・二次創作投稿者へ迷惑はかけないよう配慮をお願いしたいです
    (感想や質問は気軽に送って頂いて大丈夫かと思います)
    ・ファンボのネタバレですが基本NGとさせて頂きます。ツイッターや公式サイトによる記事はOKです。
    ・あにまん掲示板の鯖落ちがタイミングによっては頻発する時があるので、スレ保守へのご協力をよろしくお願いします
    あと何かしら情報をお伝えする際は、出来ればソース元も明確にしていただければと思います

    現在進行中のメディア展開について

    ・リメイク版のフルカラーVerが更新中
    ・BL版作品(貴史×高成)が発売!

  • 5二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 16:05:27

    現在当スレで更新中の作品
    ・モノクロデリュージョン
    リメイク版完結後の時間軸がメイン。これまでつき続けた飯田の嘘がある日山岸に全てバレた事で物語が大きく動き出す作品になってます
    オリキャラも複数登場!
    山岸と飯田は勿論、様々なキャラクターと複雑にカラミ合うストーリーとなっています。

    ・無色透明の君たちへ
    高成が異世界へ?!そこには飯田似のAIや新山似のAIなどがたくさん働き暮らす世界だった。
    彼女達との子作りを命じられた高成。はたして元の世界に戻れるのか?!

  • 6二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 16:06:26

    モノクロデリュージョンにおける人物紹介
    ・山岸高成
    主人公。サラリーマン。飯田の嘘を知り、自分もかつて大学時代~現在に至るまで秋華やローザら様々な女性と関係を持っていた事を飯田にバラす。大学時代女性用風俗でバイトしていた事があった。
    飯田の告白により立場逆転。どうなる
    ・飯田里帆
    喫茶店で働いている。山岸の告白を受け自分が穢される作り話を日々編み出し彼へ伝えていた。しかし作り話であることが山岸に全てバレた事で彼女の置かれている状況が一変。またある才能が見いだされる事に。
    山岸と立場逆転した彼女ははたしてどうなるのか
    ・茜谷優里
    東大大学院生。山岸に未練がありセフレに
    彼女の体調に異変が…?
    ・立花秋華(オリキャラ)
    山岸と同じ大学出身で同じ会社に勤めている
    おおらかな方言女子
    ・菊川ローザ(オリキャラ)
    山岸の上司で役職は部長。高身長ダイナマイトボディ
    山岸の性癖を知り、飯田の才能を見抜いた聡明な人物
    ・奥山和哉(オリキャラ)
    イケイケなイケメン社長。バイセクシャル。高成に気がある…?
    ・塚原日向
    某VIP専用風俗で働いているコンパニオン(風俗嬢)
    優里とは絶縁関係。ロ シアへ行く予定

  • 7二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 16:07:27

    >>6

    人物紹介②

    ・吉野貴史

    某球団で勤めるトレーナー。山岸とはいまも友人関係が続いている

    怪我により入院生活を送っていたが退院

    ・綺堂衣吹(オリキャラ)

    吉野がいる球団に所属する一流プレイヤー。実はゲイ。吉野に告白するが…?

    ・仮屋崎帆波(オリキャラ)

    大学生。山岸の幼馴染でセフレになった。病弱で入退院を繰り替えしている。

    絵を描くのが好きな模様

    ・新山智乃

    医師になるべく奮闘中。山岸の同級生

    藤野とはやや疎遠気味。そのせいで山岸とやってしまう

    ・矢野かえで

    智乃の後輩で智乃に好意を寄せている

    実はレズ

  • 8二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 16:08:08

    モノクロデリュージョン振り返り再掲

     貴史は衣吹の背中と腰をじっくり揉んでいく。余計な力は加えないよう細心の注意を払いながら指圧していく。
    「吉野さん」
    「何ですか?」
     衣吹は周りにちらっと目線を向けた。今のところ近くには誰もいない。
    「そうだ。吉野さんて、これまで彼女いた事とかってあります?」
    「いた事は、あるけどさ…」
    「今は?」
    「いない」
    「そうですか」
     一呼吸を置いて、衣吹はぽつりと言った。
    「僕と付き合ってくれませんか」

  • 9二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 16:25:42

    たておつです

  • 10二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 16:45:31

    たておつです!
    これからの展開が楽しみですね!

  • 11妄想副題無色透明の君たちへ23/08/03(木) 17:16:38

    「はあ…はあ…」
     高成は全裸でベッドの上で大の字になっていた。周りを同じく全裸のタイプRが横になっていたり座っていたりして休んでいる。
    「あの」
     ここでタイプRの1人が高成に近づいた。
    「まだ…足りないです」
    「でも、もう…」
    (出るかな…)
     高成はふと何気なく天井に目線をやった。そこには黒い点らしきものが見えた。
    「これ…」
    (監視カメラ…?)

  • 12妄想副題モノクロデリュージョン23/08/03(木) 21:40:37

    >>8

    「え」

    貴史の動きがぴたりと止まった。

    「おま、何言って…」

    「僕は本気です」

    「や、でも…」

  • 13二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 08:13:55

    あげ

  • 14妄想副題無色透明の君たちへ23/08/04(金) 13:26:19

    >>11

     高成は立ち上がって、その黒い点を見る。

    「なんだろ」

     手を伸ばして触ってみる。つるつるとした触感だった。ほのかに熱を帯びている。

    「もしかしてやっぱカメラか?」

  • 15妄想副題モノクロデリュージョン23/08/04(金) 17:12:38

    >>12

    「おーい、吉野さんいるー?」

     突如部屋の中に守備走塁コーチが入って来た。驚いた貴史と衣吹は同じタイミングで背中を跳ね上げる。

    「はーい」

    「すまん、俺もお願いしていい?ぶっきー終わってからでいいから」

    「わかりました!」

    「あと、工藤が右足首痛いって言っててさ。病院連れてってってメイントレーナーからの伝言な」

    「了解しました!」

    「あの」

     ここで衣吹が口を挟む。

    「コーチのとこ行ってあげてください。こっちはもう大丈夫なんで」

    「でも、まだ途中っすよ?」

    「いえ、大丈夫です。あとさっきの話は絶対誰にも言わないでください」

     衣吹は台から立ち上がると速足で部屋から出て行った。

  • 16二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 21:25:22

    あげ

  • 17二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 07:27:33

    age

  • 18妄想副題無色透明の君たちへ23/08/05(土) 16:36:21

    >>14

     その高成の様子はカメラを痛じて、里帆らにも伝わっていた。

    「あら、カメラなのバレたみたいね」

     ローザは画面を見ながらくすりと笑う。里帆はずっと目を凝らしていた。

    「ねえ、せっかくだしあなたもしたら?」

    「山岸くんと?」

    「ええ、だってあなたしたそうな顔してるもの」

  • 19二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 21:28:14

    モノクロデリュージョンの更新はお休みとさせて頂きます
    ご了承ください

  • 20二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 07:59:28

    あげ

  • 21妄想副題モノクロデリュージョン23/08/06(日) 13:09:56

    >>15

     部屋には貴史とコーチの2人だけとなる。

    「すまんな」

    「いいですよ」

    「じゃあ、さっさと済ませて」

     コーチへのマッサージを終えると、その足で貴史は工藤の元へ向かった。ロッカーにいる工藤は氷嚢で足首を冷やしている。

    「大丈夫ですか?」

    「靭帯いったかも。自力では立てるけど…」

    「分かりました。じゃあ行きましょう」


     結果。工藤の右足首に靭帯の損傷が見つかった。監督やコーチ、メイントレーナーに報告し宿舎へ戻るともう時計の針は貴史の想定以上に進んでいる。

     自身の部屋に戻った貴史は部屋のドアを閉めると大きく息を吐いた。

    「はあ…」

  • 22妄想副題無色透明の君たちへ23/08/06(日) 15:49:50

    >>18

    「じゃあ、来て」

     ローザは里帆の右腕をぐいっと力強く掴んだ。里帆はそのままローザに引っ張られていく。

     ローザは里帆の部屋の扉を何事もないかのように開いた。

    「え…」

    「あ」

    「うそ、山岸くん…」

     一瞬にして高成がいるベッドルームへワープした。

  • 23二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 21:22:21

    あげ

  • 24二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 07:36:24

    age

  • 25妄想副題モノクロデリュージョン23/08/07(月) 12:39:17

    >>21

     貴史はベッドに座り込み頭を抱える。

    「どう返事すべきか…」

    (やべえ、おれだけでは結論出ねえな) 

     貴史は高成へ話があるんだけど。とラインを送る。

    (高成なら話聞いてくれるだろ)

     しかしすぐには既読はつかなかった。貴史はそのままベッドに潜り込む。

    「はあ…」

  • 26妄想副題無色透明の君たちへ23/08/07(月) 21:20:34

    >>22

    「眠たいな」

    智乃は目をこすりながら、勉強を続けていた。

    「はあ…」

    シャーペンを必死に動かしている。

  • 27二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 07:30:59

    age

  • 28妄想副題無色透明の君たちへ23/08/08(火) 12:54:03

    >>26

    「とりあえずこのページ終わらせたら寝よう」

     智乃はそう決めて、目をこすりながら問題を解いていく。

    「ここは、こうで…よし、出来た!」

     大きく息を吐いて教科書を閉じていた時だった。部屋の扉からノックする音が聞こえる。

    「ん?お母さんかな。はーい!」

    「初めまして」

    「…は、初めまして…」

  • 29妄想副題モノクロデリュージョン23/08/08(火) 16:25:12

    >>25

    「こーせーさすがに寝てるか」

     貴史は目をつぶるが、すぐにまた開けてしまう。

    「あー…」

     強引に眠気を出すようにして、布団の中へより深く潜っていった。




    「あー…」

    「はあっ…」

     そして高成はと言うと、全裸のままソファで倒れ込んでいた。彼の傍らには同じく全裸の日向がもつれこむようにして座っている。

  • 30二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 21:27:44

    あげ

  • 31二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 07:15:08

    age

  • 32妄想副題無色透明の君たちへ23/08/09(水) 17:03:25

    >>28

     ローザだ。ローザの視線に射抜かれた智乃は身動きできないまま立ちつくしている。

    「あ、えっと…」

    「あなたが新山智乃ちゃんね。「いつもお世話になってるわ」」

    「え、いや…私なんにも」

    「これを見た方が速いわね」

     ローザはそう言って里帆にも見せたように智乃にも高成の動画をタブレットで見せた。

    「え、うそ、山岸じゃん」

    「そうよ。うちにいるわ。良かったらあなたも来る?」

    「え」

  • 33妄想副題モノクロデリュージョン23/08/09(水) 20:15:29

    >>29

    「もう…出ない…」

    「出しつくした?」

    「うん…」

    「じゃあ、もういっか…」

    日向はきらびやかな天井を見上げながら呟いた。

    「塚原さんはいいの…?」

    「もしかして、私気遣ってくれてる?」

    「うん…」

  • 34二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 21:42:45

    age

  • 35二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 07:36:49

    age

  • 36妄想副題モノクロデリュージョン23/08/10(木) 12:06:07

    >>33

    「ふ~ん…」

     日向はそのまま目を閉じた。向こう側からはローザと和哉の声が聞こえてくる。

    「社長もうこんな時間ですか」

    「今日は泊まりだね」

    「私が支配人へ連絡しましょうか」

    「いや、こっちがするよ」

     和哉は白い昔ながらの内線の受話器を取り、電話をかけた。

    「もしもし?今日泊まりでお願い」

    「わかりました。朝食はどうされますか?」

    「3人分よろしく」

    「了解しました」

  • 37二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 15:44:04

    御池先生のツイッターより新連載が始まったとの事
    どなたかスレ立てなさる場合その他漫画カテになるかな?

  • 38妄想副題無色透明の君たちへ23/08/10(木) 20:32:55

    >>32

    辺りが白に覆われる。智乃はとっさに目を押さえる。

    「わっ!」

    そして静寂。

    「…」

    「…」

    「…」

    目をゆっくりと慎重に開くとそこには真っ白なベッドの上だ。

    「飯田、新山…」

    「山岸くん?」

    「え、山岸?」

  • 39二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 21:34:20

    あげ

  • 40二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 08:04:48

    age

  • 41妄想副題無色透明の君たちへ23/08/11(金) 16:11:40

    >>38

     3人は互いに顔を見合わせる。そして智乃と里帆はある事に気づく。

    「えっ服は?!」

    「…!!」

    「…無い…!」

     いつのまにか服と言う服が消え去り、全裸の状態になっていたからである。

     智乃は顔を赤くして汗をかき始めていた。里帆もまた顔を赤く染めながら丸まるように三角座りをしている。高成は視線をあちこちへ動かしていた。

    「山岸」

    「なっ何?」

    「…見ないでよ」

    「わかった…」

     ここで高成は里帆にちらっと慎重に目線を動かす。里帆と視線がばちっと電流のようにあってしまうと、里帆は視線を右下のベッドへそらした

    「ごっごめん…」

    「…こ、こっちこそ、ごめん」

  • 42妄想副題モノクロデリュージョン23/08/11(金) 20:19:24

    >>36

    こうして。長い長い夜が明けた。高成らは専用のベッドで、里帆は自室で、秋華と優里はラブホで夜明けを迎える。

    「もう朝かあ…」

    優里はベッドの時計を見た。そして分厚いカーテンを開ける。

    「まぶしっ」

  • 43二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 21:20:23

    あげ

  • 44二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 08:02:48

    age

  • 45妄想副題モノクロデリュージョン23/08/12(土) 17:01:01

    >>42

    「うわっ」

     その光に秋華も起こされたのだった。

    「ごめん!寝てた?」

    「いやかまんよ、どうせ起きるとこだったし」

    「そっか…」

    「朝ごはん出るんだっけ?」

     しばらくして部屋中にコンビニで鳴るようなチャイムが鳴る音が聞えて来た。

    「うちがいってくる」

     秋華がドアまで朝食を取りに行った。少したってトレーに乗った朝食が優里の元に運ばれてくる。

    「はーい、食べれる分だけ食べて。あまったらうちが食べるき」

  • 46妄想副題無色透明の君たちへ23/08/12(土) 21:35:03

    >>41

    「あなたたち、来たみたいね」

    ローザがゆっくり歩いてやってくる。

    「あなたは…」

    「さっきの…」

    女子二人は身構える。

  • 47二次元好きの匿名さん23/08/13(日) 08:12:04

    あげ

  • 48妄想副題モノクロデリュージョン23/08/13(日) 16:28:32

    >>45

    「うん。ありがと」

     朝食を食べ、身支度を整えた2人。出る前に優里はスマホで産婦人科を検索していた。

    「立花さんが知ってるとこある?」

    「あー、ここかな。ふいんきめっちゃええよ。お医者さんもう優しくてしっかりしとるき任せられるっちゅーか」

    「なるほーね…じゃあここ行ってみようか」

    「うん、うちもついてこうか?」

     その秋華の言葉に優里はたじろぐ。

    「仕事はいいの?」

    「休むよ。体調不良で」

    「い、いいんだ…」

    「一日くらい大丈夫やって」



    ーーーーー


    「おめでとうございます。妊娠してますよ。しかも双子ですね」

    「え、あ、ありがとうございます!」

  • 49妄想副題モノクロデリュージョン23/08/13(日) 16:38:38

    >>48

    「旦那さんはお仕事ですかね?」

     ベテランの眼鏡をかけた女医さんがたおやかな口調でそう優里に告げる。が、優里は内心焦っていた。

    (結婚してないし、どうしよ…)

    「え、あ、あの…」

    「もしかして、何かありました?」

     ずばっと痛いところを突かれた優里。観念して相手とは結婚しておらずセフレだという事を告げる。

    「そうですか…まあ色々ありますからね…」

    「はは…」

     あからさまに態度を変えられ、優里は何度も苦笑いを浮かべながらぺこぺこと赤べこのように頭を下げた。

    「ただ双子となるとハイリスクになってきますのでね…大丈夫かと思いますが、その…」

    「はい…」

    「もしね、中絶を視野に入れてるなら、なるべくお早めにご決断してください。あとお相手にもこのことはしっかり伝えといてください」

    「は い…」

     朝食を取り日向との別れのあいさつを済ませた高成は、ローザと和哉と共に出社していた。

    「今日も一日頑張りましょうね」

    「はい!」

  • 50妄想副題モノクロデリュージョン23/08/13(日) 16:44:28

    >>49 

     昼頃。高成に元に一本の電話がかかってきた。

    「茜谷さんだ。…もしもし?」

    「高成くん?今いいかな」

    「うん、いいけど…」

    「私ね、高成くんの子供、妊娠したの…しかも双子の赤ちゃん…」

    「え…」

     高成は言葉が出ない上に頭の中には言葉と言う言葉すら浮かんでこない。

    「今日、病院にいったんだ」

    「…」

    「そしたら双子だって、言われて…」

    「そ、そっか…」

    「…高成くん。私と…結婚してくれませんか?」

    「茜谷さん…?」

    (この子は産みたい。中絶はしたくない…)


     その頃。里帆が働く喫茶店にて。

    「っ…」

     里帆は背中の痛みに耐えながら業務に励んでいた。更に吐き気も知覚している。

     しかし彼女が無理をしている事は喫茶店のマスターやその奥さんからも明白だった。

    「里帆ちゃん、体調悪いの?」

    「あ…いえ、大丈夫です…」

  • 51妄想副題モノクロデリュージョン23/08/13(日) 16:54:01

    >>50

    「でも顔色悪いわよ?姿勢も変だし休んだ方が…」

    「っ…っぷ…」

     ここで里帆は我慢できず膝から崩れるようにしてその場で座り込んでしまった。

    「里帆ちゃん‼」

    「はあ…はあ…」

    「私が里帆ちゃん病院に連れて行くから、あなたお店頼むわね!」

    「分かった…!」

    「里帆ちゃん歩けれる…?」

     しかし里帆の足はおろか下半身に力が全く入らない。そのまま視界もだんだんと黒くぼやけていく。

    「救急車呼んだ方が…」

     結果。里帆は救急車で智乃がいる大学病院まで運ばれる事となった。

     搬送された里帆は病室のベッドの上でようやく目を覚ました。

    「飯田さん、お加減はいかがですか?」

    「あ…」

     智乃と同期にあたる女医が里帆に話しかけた。外で智乃が聞き耳を立てている。

    「ここは…」

    「○○大学付属病院です。どうやら職場で倒れたようで…」

    「あ、はい…」

    「結論から言いますと…飯田さんは妊娠しています」

  • 52妄想副題無色透明の君たちへ23/08/13(日) 17:04:58

    >>46

    「さっさと言って出た方が速そうね」

     ローザは小さく呟く。

    「とりあえずあなたたち、ここでセッ クスしなさい」

    「は?」

    「山岸くんは「偽物」ばかりの相手、もう飽きたでしょ?」

    「…え」

    「もう何名かは無事妊娠したし、そろそろ元の世界に戻してあげてもいいのよ?」

  • 53二次元好きの匿名さん23/08/13(日) 21:21:14

    モノクロの高成は重荷を背負っていけるのか

  • 54二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 07:19:02

    age

  • 55妄想副題モノクロデリュージョン23/08/14(月) 16:15:54

    >>51

    「え」

    「後で産婦人科の医師が来ると聞いていますので、詳しい事はその方にお聞きください」

     その後。女医は病室から退出し、入れ替わるように産婦人科医の中年の男性が入室してきた。彼が詳細について説明するも里帆は全く声と言う声を出せない状態だった。

    「里帆…っ!」

     しかもタイミング悪く、里帆の母親が入室してきたのだった。

    「お母、さん…」

     里帆の顔はこれまで誰にも見せた事が無かったほど、天に引っ張られるように引きつっている。

    「先生、その、里帆は…!」

    「お母様ですかね。結論から申し上げると飯田さんは妊娠してらっしゃいます。体調不良で倒れたのもそれが原因かと」

     医師はよどみなく言い切る。

    「そんなっ…里帆はそう言う事をする子じゃ…!」

    「こちらがエコー写真です。はっきりとお子さんが映ってらっしゃいます」

    「あ…」

     すぐさま刃のような目線が里帆に向いた。その勢いで里帆の左ほおをバシッと叩く。

    「っ!」

    「なんでっ…!なんでまたそのような事をしたの!!」

  • 56妄想副題モノクロデリュージョン23/08/14(月) 16:20:45

    >>55

     しかしあの文化祭の時とは違い、里帆の母親は医師と近くにいた看護師数名、そして聞き耳を立てていた智乃によって取り押さえられた。

    「ちょっ…離しなさい!!」

    「当院での暴力行為は固く禁じられております。これ以上は警察を呼ばねばなりませんので…」

    「なんでよっ!」

    「お分かりいただけないなら警察に通報します。そういう決まりですので」

    「わ、わかったわ…わかったわよ…」

     ここでようやく里帆の母はしおれる花のようにおとなしくなった。

    「あ」

    「智乃ちゃん…」

     目線が合った里帆と智乃。互いにすぐさま視線をそらす。

    「里帆、それで相手は誰なの?」

    「それは…」

    「相手がだれか分からないなんて事、無いわよねえ?」

    「…山岸くん。高校時代の同級生…」

  • 57妄想副題無色透明の君たちへ23/08/14(月) 16:52:33

    >>52

    「え?」

    (元に戻れる…?)

     高成にはまだ心の底から信用できない、そのような引っ掛かりを覚えている。それは里帆と智乃も同様だった。

    「本当ですか?」

    「ええ、本当よ」

  • 58二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 21:34:43

    あげ

  • 59二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 23:45:50

    保守

  • 60二次元好きの匿名さん23/08/15(火) 07:28:10

    age

  • 61二次元好きの匿名さん23/08/15(火) 11:26:01

    桂先生のTwitterよりカラミざかりが再びAV化したみたいです
    里帆はリメイク版よりの見た目かな?

    あとスレチになりますが御池先生の新連載と桂先生原作担当の新連載それぞれ読んでる方っていらっしゃいますか?

  • 62妄想副題モノクロデリュージョン23/08/15(火) 12:30:52

    >>56

     すべての糸が高成に通じている。医師に呼び出され里帆の母親は病室を一旦退出した。智乃は周りにちらちら目線を向けながら、里帆に声をかけた。

    「里帆、ほんとに山岸の子なの?」

    「うん。…間違いないと思う」

    「本当に?…まあ、産んだ後DNA検査すれば分かる事だけど」

    「うん」

     里帆の目線は智乃が知る中で最も力強かった。

    (マジって事ね)

    「分かった。でもさ、どうする気?」

    「…」

    「子供産むって楽じゃないよ。私が言うのもなんだけど」

    「…分かってる」

  • 63妄想副題モノクロデリュージョン23/08/15(火) 12:39:05

    >>62

    「新山さーん今いいですか?」

     ここで看護師が智乃を呼んだ。智乃ははーいと大きな声で返事をすると、部屋を出ていく。

     去り際、もう一度里帆に視線を向けた。

    「後悔、しないようにね」

    「うん」

     そして里帆はスマホを取り出し、高成の元へラインを送った。

    『今日の夜、電話したい』



    ーーーーー


    「結婚…」

     高成は全く覚悟は出来ていなかったのは事実である。また優里もその覚悟は半分程度しか出来ていなかった。

    (ひとりで育てるなんて無理だ…)

     不安に推し潰れそうな中、優里が頼るようにして出た言葉が「高成と結婚」だった。

    「お、おれは…」

    (飯田もいるし、帆波ちゃんも…)

  • 64二次元好きの匿名さん23/08/15(火) 15:46:28

    >>61

    どちらもカラミざかりとは雰囲気が大きく異なる作品だとは思いますね

    御池先生側はいわずもがな、桂先生側もそうかと。どちらも共通しているのはコメディ要素が多めと言う部分でしょうか(桂先生の新連載は作画は違う方が書かれてらっしゃるようですが)

    キャラクターもどちらもかなり毛色が違うようには見えます

  • 65妄想副題無色透明の君たちへ23/08/15(火) 16:47:04

    >>57

    3人は互いに顔を見つめる。

    (ここは言う通りにした方が…)

    (でも罠だったらどうしよう)

    (見られながらやるのか…)


     その頃。貴史は処置室にて搾精が続いていた。

    「ひぐ…もうでねえって…」

     貴史はぐったりと横たわる。そんな彼の顔は汗と涙と唾液でぐしょぐしょに濡れていた。

  • 66二次元好きの匿名さん23/08/15(火) 17:11:29

    >>61

    御池さんのファンなんで「ラブコメ〜」の方だけ読んでます

    女の子が可愛く気楽に読める感じなので良いと思います。(半強制的な)自分の行動が原因で想いびととの距離が縮まっていく話なんだろうなという印象です


    ネット広告には「カラミざかり」の別のリメイクの漫画が出てきたりしてますね

    高成がやられていました笑

  • 67二次元好きの匿名さん23/08/15(火) 21:22:59

    >>66

    BL版広告は私も見ましたね

    続編期待してたりしてます

  • 68二次元好きの匿名さん23/08/15(火) 21:24:20

    モノクロの結末どうなるんでしょうね
    里帆と優里の同時妊娠発覚…高成はどう決断するのか

  • 69二次元好きの匿名さん23/08/16(水) 07:37:33

    age

  • 70二次元好きの匿名さん23/08/16(水) 17:28:11

    モノクロの人です
    体調不良につき今日の更新は二作ともお休みさせて頂きます。ご了承ください

  • 71二次元好きの匿名さん23/08/16(水) 21:32:15

    あげ

  • 72二次元好きの匿名さん23/08/17(木) 07:32:30

    age

  • 73妄想副題モノクロデリュージョン23/08/17(木) 12:35:40

    >>63

    「ごめん、電話変わっていい?」

    「う、うん」

     すると電話の声は優里から秋華へと変わった。

    「こーちゃん、うちやで」

    「立花さん…!」

    「ごめん、会社には嘘ついて休んどるき。この事は内緒な」

    「そ、そっか…」

    「それで手短に話すけど、今日の夜3人で会わん?これからの事について話しとくべきやと思って」

     秋華の提案に優里は頷いて同意を示す。高成も分かった。と伝えた。

    「じゃあ、こーちゃんの家に集合って事で」

    「了解」

     秋華は優里へ他に伝えたい事は無いか?と聞いた。優里は首を振ってもう電話を切っていいと告げた。

    「じゃあ」

    「じゃ…」

     電話を切って高成はようやく里帆からラインが来ている事に気づく。

    「電話したい、か…」

  • 74妄想副題モノクロデリュージョン23/08/17(木) 12:46:29

    >>73

     しかし先ほど優里と秋華と約束をしたばかりである。高成は思い切って里帆に電話をかけた。待っていたと言わんばかりに里帆はすぐに電話に出る。

    「もしもし」

    「山岸くん…」

    「電話って…何?」

    「あのね、私、山岸くんの子供…妊娠したの」

    「え」

     優里と全く同じ状況である。

    (おれの子供…?茜谷さんと飯田が揃って…)

    「え、あ…」

    「本当だから…嘘じゃないから」

     里帆の言葉に嘘は全く無いのは高成は無論理解していた。高成の為にずっと嘘をつき続けてきた里帆の事だ。お腹の子も絶対に自分の子なんだろうというのに高成はちゃんとたどり着いていた。

     しかし、優里との同時妊娠も合わせて現実として受け入れるのを拒否しそうになっているのも又事実であった。

    「…」

    (なんて言ったらいいんだよ…)

  • 75妄想副題モノクロデリュージョン23/08/17(木) 16:22:20

    >>74

    「私、それとね…」

    「な、なに?」

    「山岸くんと暮らしたい」

    「え?」

    「もう…このままじゃお腹の子に何かあったらって思うと…」

    「もしかして何かあったの?飯田のお母さんとか…」

     里帆は観念したように頷く。

    「うん、今は落ち着いてるけど…」

    「そっか…」

     ここで高成の始業時刻が迫って来た。この事を里帆に伝えると里帆は分かったと言い電話を切った。

    「はあ…まじか」

     高成は空を見上げる。雲一つない快晴だ。

  • 76妄想副題無色透明の君たちへ23/08/17(木) 16:28:31

    >>65

     ここでタイプOがある機械を持ってやって来た。その挙動からしてどうやらセンサーのようなものがついているらしい。その機械を貴史の睾丸付近に当てると、センサーの先が赤い光を放つ。

    「な、なんだよ…」

    「残量確認。まだ行けます」

    「では処置続行します」

    「えっ?!」

     タイプO、そしてタイプTが引き続き貴史の処置にあたる。水色のゴム手袋越しにそれに力を加え続けた

    「あ“っ…もうう、無理だってええ…!」

  • 77妄想副題モノクロデリュージョン23/08/17(木) 16:35:08

    >>75

     夜。高成の自宅に優里と秋華がやって来た。

    「こんばんはー」

    「こ、こんばんは…」

    「かつおのたたきとマックのフライドポテトとナゲット買ってきたき、皆で食べよ」

    「うん…」

     高成は2人を部屋に招き入れた。リビングの茶色い机に向かい合うようにして座る。

    「高成くん、晩御飯まだなんだっけ?」

    「うん、まだ作ってないや」

    「じゃあ何か作る?」

     話し合いの結果、炊き込みご飯を作る事になった。すすいだ白米ににんじんと油揚げとぶなしめじにめんつゆで味を調えると、炊飯器のスイッチを押す。

    「じゃあ出来るまでこれ食べよっか」

    「だね」

    「食べながら話す?」

     秋華の問いに2人は頷いた。

    (飯田の事も、言わないとだよなあ…)

  • 78二次元好きの匿名さん23/08/17(木) 21:29:39

    次回予告
    里帆の妊娠を優里と秋華に打ち明けた高成。優里は絶句するが秋華の提案は…?
    更に貴史は衣吹に…?
    そして高成の異動が正式に告げられ、妊娠した里帆はとうとう待望の瞬間を迎える。光溢れるその場にいたのは?

    いよいよエンディングが近くなってきました。彼らの物語をどうぞお楽しみに

  • 79二次元好きの匿名さん23/08/18(金) 07:31:01

    age

  • 80妄想副題モノクロデリュージョン23/08/18(金) 12:08:26

    >>77

    「あのさ、実は…」

    (仕方ない、言うしか…)

     高成は里帆も自らとの間に子をもうけた事を包み隠さず伝える。

    「え…里帆ちゃんも」

    「そうなんや…」

     優里は目を丸くし、口を真一文字に結ぶ。秋華もじっと高成を見つめた。

    「だから、その…」

    「こーちゃん…」

     優里は言葉が出ない。出そうとしても声にならないでいる。

    (私だけでなくて、里帆ちゃんも…嘘でしょ…)

    (でも…私とは元をたどればあれからずっと疎遠で、高成くんは里帆ちゃんとずっと仲良かったんだもんね…なんだろう、嫉妬だけじゃないこの感情…)

    「優里ちゃん?」

    「茜谷さん…ごめん…」

  • 81妄想副題モノクロデリュージョン23/08/18(金) 12:24:46

    >>80

     静寂が流れる。誰もごはんに手を付けようとしなかった。そのまま時間が流れていく。

    (どうすれば…)

    (いいのかな…)

     そんな中静寂を打ち破ったのは秋華だった。彼女はちょっとええかなといつも通りの朗らかな口調で右手を挙げる。

    「あんな、うちはこーちゃんが誰かを選ぶ必要は無いと思う」

    「ど、どういう事…?」

    「1つの家で皆仲良く暮らしたらええんや。皆一緒に仲良く暮らせば…」

     彼女らしい提案だが、とても現実的では無い。高成と優里は理解してはいるが誰も傷つけずに済むという点ではこの方法しかないという事も理解しつつある。

    「一緒に暮らす…」

    「そうや」

    「立花さん…」

     ここで高成のスマホが鳴った。着信主は帆波だ。

    (こんな時間に帆波ちゃんから?)

    「もしもし」

     しかし電話から聞こえてくるのは帆波の声では無い。帆波の母だった。

    「高成くん?ごめんね。今いい?帆波が倒れて…!」

    「え…?」

  • 82妄想副題モノクロデリュージョン23/08/18(金) 16:28:27

    >>81

     ここ1週間、高成は帆波とは会っていなかった。連絡しても既読はつかなかった。

    「え…」

    「高熱を出して今入院してるんだけど…また肺に炎症が出たみたいで」

    「そうですか…」

    「もしよかったら明日お見舞い来る?点滴と酸素吸入で今は落ち着いるから」

     高成は秋華と優里に目を通す。会話の内容は2人にも聞こえていた。

    「分かりました。では明日伺います」

     電話を切った後、秋華は高成に声をかける。

    「うちらも行っていい?優里ちゃんも行こうよ」

    「えっ…う、うん」

  • 83二次元好きの匿名さん23/08/18(金) 16:29:26

    モノクロの人です
    モノクロがエンディング間近と言う事で、完結するまで無色透明の更新はお休みさせて頂きます。
    ご了承ください

  • 84二次元好きの匿名さん23/08/18(金) 21:29:41

    あげ

  • 85二次元好きの匿名さん23/08/19(土) 07:44:10

    age

  • 86妄想副題モノクロデリュージョン23/08/19(土) 13:15:10

    >>82

     その後。炊き込みご飯と秋華らが買ってきたナゲットたちをおかずにして夕食を食べ進めていく。

    「うん、美味しい」

    「これなら食べれそう」

     優里はどうやら食べれるようだ。そんな中またしても高成のスマホが鳴った。智乃からだった。

    「もしもし?」

    「とりあえず手短に言うとね、うちの病院に今里帆がつわりで入院してるんだけど」

    「…まじか。おめでたなのは聞いたけど」

    「里帆の目ガチだったからあんたの子なのは間違いないと思う」

    「…うん」

    (そういや新山がいる大学病院、帆波ちゃんのかかりつけだったような)

     ここで高成は帆波がいるかどうか智乃に聞いた。

    「ちょっと見てみるわ…」

     1.2分ほどして智乃からの声が返って来た。

    「膠原病内科の病棟にいるね」

    「成程、ありがとう」

    「一応さっきの話個人情報のあれこれからしてやばいから、里帆の含めて内緒ね」

    「了解」

     電話はここで終わる。

  • 87妄想副題モノクロデリュージョン23/08/19(土) 15:57:09

    >>86

     明日、会社終わりに病院へ集合する事となった。里帆も帆波も優里も智乃も秋華も一斉に交えた話となる。夕食を食べ終えると、3人は一旦解散となった。

    「じゃあ、また明日」

    「うん」

     家には高成が1人取り残される。

    「はあ…」

    (まさかこうなるとは思わなかった…)



    ーーーーー


     約束の時間が訪れた。帆波は車イスでなら移動が出来るまでに回復していたようで、デイルームにて一同が顔を合わせる事になった。

    「こんばんは」

    「高成くん、来てくれたんだ」

  • 88二次元好きの匿名さん23/08/19(土) 21:37:22

    あげ

  • 89二次元好きの匿名さん23/08/20(日) 08:07:29

    age

  • 90二次元好きの匿名さん23/08/20(日) 09:34:01

    お疲れ様です!
    モノクロ編も佳境を迎えておりますね
    果たして山岸の決断は⁉︎
    どうなるか非常に気になるところですが気になると言えば帆波さんですね
    山岸への想いの重さを山岸本人がどう受け止めているか
    ラストに向けて展開を注視していきたい
    スレ主さんいつも山岸達の「生」を感じるストーリーをありがとうございます!

  • 91妄想副題モノクロデリュージョン23/08/20(日) 12:29:49

    >>87

    「うん」

    「周りは…」

     こうして話が始まった。智乃はいつも通りの白衣姿。里帆も車いすで参加している。

    「…始めよっか」

     高成は目を閉じて頷いた。

    「実は飯田と茜谷さんがおれの子を身ごもった。同時に」

    「…!」

    「それで先に茜谷さんと立花さんと色々話したんだけど、おれは…」

     高成の発言に皆目線を向けている。

    (あの時は茜谷さんを傷つけてしまったけど、今はもう誰も傷つけたくない。傷つくのはおれだけでいい)

    (皆、みんな…なら…立花さんが言ったように…)

    「皆と一緒に暮らしたい」

    「!」

  • 92妄想副題モノクロデリュージョン23/08/20(日) 16:36:44

    >>91

     秋華と優里が家から去った時からずっと高成は考え続けていた。

    (みんなと仲良く暮らす。確かに難しいかもしれないけどこれしかない)

    (飯田からの頼みもある。なら…一緒に暮らしたいし仲良くしたい。誰かを傷つけてまで選ぶ必要性も感じられない。おれにとって皆大事な存在だから)

     高成の目は女性陣すべてを力強くとらえている。

    「…」

     静かな時間。そんな中声を上げたのは帆波だった。

    「ごめん、こんな話してる中悪いんだけど…トイレ行きたくて。高成くん連れてってくれる?」

    「あっいいよ」

    「一応私も行くわ。山岸だけじゃ心もとないでしょ?」

     智乃の発言に帆波はそんな事無いよ。と低い声音で言った。

    「頼りになるから大丈夫」

     智乃は帆波の顔を見て失礼しましたと頭を下げて謝罪する。高成は帆波に言われるがままに車いすを押した。多目的トイレにつき扉を開けると、帆波はもう大丈夫だと言って入っていった。

    「ふう…」

  • 93妄想副題モノクロデリュージョン23/08/20(日) 16:38:31

    「あら、山岸くん?」
     高成はその声を聞いて後ろを振り向く。なんと声の主はローザだった。
    「部長!お疲れ様です」
    「山岸くんとここで会うなんて思ってもみなかったわ」
    「それで、部長は…」
    「友人の出産祝いにここに来たの」
    「そうなんですか」

  • 94二次元好きの匿名さん23/08/20(日) 21:03:04

    あげ

  • 95二次元好きの匿名さん23/08/21(月) 07:22:46

    age

  • 96妄想副題モノクロデリュージョン23/08/21(月) 12:46:55

    >>93

     ここで用を足し終えた帆波がトイレから出て来た。

    「高成くん終わったよ」

    「わかった」

    「あら、山岸くんの友人?」

    「あっ、初めまして。仮屋崎帆波です。高成くんの幼なじみです」

    「そう、私は菊川ローザです。よろしく」

     軽く挨拶を交わした後、帆波は高成に車いすを押すように頼む。

    「折角だし、私もお話に加わってもいいかしら?」

    (部長…)

  • 97妄想副題モノクロデリュージョン23/08/21(月) 15:56:41

    >>96

    「高成くんどうする?」

     帆波の問いに、高成は黙ってしまう。

    (確かに部長には話した方がいいのかもしれないけど…でも…)

    「あら、邪魔なら無理しなくていいのよ」

    「…いえ、ぜひ同席お願いします」

    「そう、分かったわ」

     高成は帆波とローザを連れて部屋に戻る。

    「失礼します。ごめんね大人数だけど」

    「菊川部長…!」

     女性陣はローザに一斉に目線を向けた。

    「それで…話聞かせてくれるかしら」

    「山岸、もっかい話そ」

    「うん」

     高成の説明が終わるとローザは一瞬口をへの字に開けたがすぐに閉じる。

    「そんな事があったのね…」

  • 98二次元好きの匿名さん23/08/21(月) 21:39:17

    あげ

  • 99二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 07:31:52

    age

  • 100妄想副題モノクロデリュージョン23/08/22(火) 12:39:32

    >>97

     ローザは仕事中と変わらない口調で話を続ける。

    「で、山岸くんはどうするつもりなの?」

    「皆と一緒に暮らしたいとは思っています」

    「二兎追うって事ね」

    「そうです」

     高成の目は真剣にローザを捉えていた。そんな高成とローザのやり取りを最も注視していた人物がいる。里帆だ。

    (あの時、あの人は私に小説を書くように勧めて来た。それで、今の私がある…)

    (私があんな事言わなければ、こうはなってなかったのかな…)

    「あの…」

     弱弱しい里帆の声が響いた。

  • 101妄想副題モノクロデリュージョン23/08/22(火) 16:21:49

    >>100

    「あれからどう?」

     先に明確な言葉を発したのはローザだった。里帆はゆっくりと執筆についての近況と今後の目標について話す。

    「っていう感じです」

    「そう、頑張ってるのね。諦めなければきっと賞取れるわよ」

    「ありがとうございます…」

    「それでさっき何か話したげにしてたけど…遮っちゃってごめんなさいね。話聞かせてくれる?」

    「はい…実は、こうなったのは全て私の責任だと、思うんです…」

    「飯田…」

    「え、里帆?」

    「里帆ちゃん、どういう事?」

     事情を知らない里帆以外の女性陣は一斉に里帆の方を向く。

    「山岸くん、全部…言っていい?」

     里帆の硬い視線に高成は覚悟を決めて頷いた。

  • 102妄想副題モノクロデリュージョン23/08/22(火) 16:34:53

    >>101

    「先に私達の関係から…振り返りながら話します。私達は、恋人とは違う特別な関係です」

    「高校の時、おれは飯田に彼女が犯される話を聞きたいって言いました。それから飯田はずっとおれに、飯田が男に犯される「作り話」を聞かせてくれました」

    「山岸くんは特別な存在だったので、他の男性とするのは…できませんでした。だから作り話を聞かせてました」

     ローザがええ、そうよねと頷く。優里と帆波はじっと高成の方を、秋華と智乃は里帆の方を見ている。

    「それから作り話がばれて、そして…執筆活動の為に私は山岸くんにあるお願いをしたんです。それは山岸くんが他の女性としている話を聞かせてほしいという事でした」

  • 103二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 18:17:01

    どうなる?

  • 104二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 21:36:37

    あげ

  • 105二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 07:44:01

    age

  • 106妄想副題モノクロデリュージョン23/08/23(水) 16:04:01

    >>102

     立場が逆転した事が今回の騒動に繋がったと里帆は語る。

    「…ごめんなさい」

     最後に里帆は周りに向かって深々と一礼したのだった。場の空気は静寂に包まれる。

    「…」

    「…」

    「ねえ」 

     静寂を打ち払ったのはやはりローザだった。

    「皆はどうしたい?」

    「…」

  • 107二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 21:41:48

    あげ

  • 108二次元好きの匿名さん23/08/24(木) 07:33:21

    age

  • 109妄想副題モノクロデリュージョン23/08/24(木) 13:04:31

    >>106

    「私は…一緒に居たいです」

     里帆は小さく静かに、だけれども力強く答えた。

    「出来る事なら…皆ともいたい」

    「里帆ちゃん…」

    「うちもおんなじや。皆で分け合って仲良く暮らしたらええんや」

    「立花さん…」

    「優里ちゃんはどう思う?」

    「わ、わたしは…」

  • 110妄想副題モノクロデリュージョン23/08/24(木) 17:30:33

    >>109

    (確かに高成くんとは一緒に居たい、けど…独り占めしたいっていう気持ちがあるのは否定できない)

    (でもさっき、立花さんは分けあうって言ってた…)

    「ねえ立花さん」

    「何?」

    「さっき、皆で分け合うって言ってたけど」

    「うん、だって独り占めするんはようないき。おばあちゃんもよーそうゆうとったんや」

    「そうなんだ…」

    「うん、何でも戦争中食べ物とか色々苦労したとかで」

    「そっか、そうなんだ」

     秋華の目を見て優里は改めて自分の考えを脳内でまとめはじめる。

    (そうだよね、独り占めはよくない。皆で平等に分け合えば…それに困った時もみんながいれば多少は楽にはなる)

  • 111二次元好きの匿名さん23/08/24(木) 20:58:44

    あげ

  • 112二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 07:24:34

    age

  • 113妄想副題モノクロデリュージョン23/08/25(金) 12:27:15

    >>110

    「私は、やっぱり高成くんと一緒に居たい…」

    「茜谷さん…」

    「それで、もしよかったら皆とも一緒に居たいかなって」

    (そうだ、あの時里帆ちゃんに嫉妬したのも間違いだったんだ…)

     はっきりと自分の想いを言った優里に周りから暖かい目線が向いた。

    「帆波ちゃんは…」

    「私も同じ。高成くん達と一緒に居たい」

  • 114妄想副題モノクロデリュージョン23/08/25(金) 17:18:14

    >>113

    「皆山岸と一緒に居たいんだ」

     ここで智乃がそう頷きながら呟く。

    「そうみたいだね」

    「私はいいと思う。離れているより一緒にいる方がモチベーションとかも関係するだろうし」

    「智乃ちゃん」

    「…それに山岸なら多分大丈夫だって」

  • 115二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 21:40:00

    あげ

  • 116二次元好きの匿名さん23/08/26(土) 07:58:16

    age

  • 117妄想副題モノクロデリュージョン23/08/26(土) 12:22:55

    >>114

    「新山?」

    「こうして見てると山岸はみんなに好かれてるんだなって思ったよ。じゃなきゃ一緒に居たいなんて思わない」

    「…」

    「がむしゃらでこれだけ好かれていて二択をきちんと選べる山岸だもん。大丈夫」

     智乃の顔は穏やかな笑みにあふれていた。

    「…ありがとう」

    「で、結論は皆と一緒に暮らすって事?」

    「うん」

    「うんうん、その方が丸く収まると思う」

  • 118妄想副題モノクロデリュージョン23/08/26(土) 17:21:07

    >>117

    「後は…」

    「ご家族さんがどうでるか」

     ローザのその言葉を聞いた里帆は途端にうつむいてしまった。

    「…」

    「説得、出来るか、どうか…」

    「うちはあんなんだから大丈夫だとは思うけど、その2人は…」

     帆波は優里と里帆に目線を向ける

  • 119二次元好きの匿名さん23/08/26(土) 21:24:32

    上げ

  • 120二次元好きの匿名さん23/08/27(日) 08:00:12

    あげ

  • 121妄想副題モノクロデリュージョン23/08/27(日) 16:05:24

    >>118

    「なんとか、するしかないよね…」

    「うん…」

     こうして、会合は終わった。

     それから時間は流れ、高成は優里と里帆、帆波と同棲を始めた。

     里帆の妊娠発覚と同時に里帆の母方の祖父が脳梗塞で倒れ母親は実家へと戻ったため幸か不幸かはわからぬものの高成のもとで暮らす事が出きたのだった。

     しかし、この生活に新たな問題が生じていた。

    「どうしても、ですか」

     この日。高成のいる会社にはマリオがブエノスアイレスから直々に訪れていた。

    「この通り、お願いしマス」

     高成のブエノスアイレス行き。高成は正式に話を受けてからは断りの意志を示していたがマリオは譲らなかったのである

  • 122妄想副題モノクロデリュージョン23/08/27(日) 17:25:58

    >>121

    「帰って家族と相談させてください」

     高成も丁寧に頭を下げる。和哉はマリオに目線を向けた。

    「正直無理強いはよくないけど、色々あるしねえ。とりあえず相談の時間は与えてやって」

    「分かりました。1週間程滞在する予定なので、また3日後くらいにお返事くだサイ」

    「わかりました」


    ーーーー


     あれから新たなマンションへ引っ越し、以前より広くなった部屋で里帆は待っていた。

    「おかえりなさい」

    「ただいま、茜谷さんは?」

    「バイトだって」

  • 123二次元好きの匿名さん23/08/27(日) 21:36:11

    モノクロデリュージョンの人です
    来週をもっていよいよエンディングを迎える予定です
    その後無色の完結後、いよいよ新たな妄想副題シリーズ開始となります
    お楽しみに!

  • 124二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 07:36:07

    age

  • 125二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 16:31:10

    このレスは削除されています

  • 126妄想副題モノクロデリュージョン23/08/28(月) 16:36:41

    >>122

    「そっか」

    「多分もう帰ってくると、思うけど…」

     2人のお腹の子は順調に育っていっている。検診も忘れる事無く通っている。

    「先にごはん食べる?」

    「うん」

    「ただいまー」

     優里が戻って来た。こうして3人で食卓を囲い、寝る毎日が続いていた。

     そして高成のブエノスアイレス行きは、優里と里帆の子が無事に産まれるまで保留となった。マリオはいつでも待っていると穏やかな視線を投げかけ一旦ブエノスアイレスに戻ったのだった。

     和哉も憑き物が尽きたかのように、高成へはこれまでよりも穏やかな雰囲気で接するようになった。

     ある日。里帆の元へ電話がかかって来た。

    「はい、そうです。はい…えっ」

     電話を終えると里帆の目は大きく開かれた。

    「○○賞、取れた…!」

  • 127二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 21:38:26

    あげ

  • 128二次元好きの匿名さん23/08/29(火) 06:50:23

    age

  • 129妄想副題モノクロデリュージョン23/08/29(火) 16:14:25

    >>126

    「うそっ」

    「ほんとに…取れた!」 

     場が一気に明るい歓喜の輪へと変わる

    「おめでとう!」

    「おめでとう…!」

    「ありがとう…!」

  • 130妄想副題モノクロデリュージョン23/08/29(火) 16:18:20

    >>129

     そして授賞式が始まる。高成は身重の里帆に付き添うため共に会場に訪れていた。

     優里とローザはパソコンから見守っている。

    「では「カラミざかり」の作者、山田成美さんのご登場です」

     里帆が暖かいスポットライトを四方八方から浴びる

    「この度は授賞おめでとうございます」

    「ありがとう…ございます…」

     爽やかなはにかみを向けている里帆に、なにかが一筋の光のように迫る。

    「?!」

  • 131二次元好きの匿名さん23/08/29(火) 21:17:12

    あげ

  • 132二次元好きの匿名さん23/08/29(火) 22:53:27

    まさか里帆の母親?!

  • 133二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 07:16:52

    age

  • 134二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 17:49:00

    >>132

    まさか…

  • 135妄想副題モノクロデリュージョン23/08/30(水) 21:06:38

    >>130

    「里帆…」

     それは、里帆の母親の成れの果てともいうべき姿だった。この場にはふさわしくないと言えるほどの簡素な服装に身を包み、手には包丁を握りしめている。

     しかし里帆の1メートル前まで近づいた所で近くにいた警備員たちにあっという間に取り押さえられた。

    「里帆…私の里帆…どうして汚されていくの…」

    「…」

    「…すみません、人違いです」

     里帆の口から出た言葉はあまりにも威力が高すぎたのか、里帆の母親だったものは何も言うことなく警察へと連行されたのだった。

  • 136妄想副題モノクロデリュージョン23/08/30(水) 21:10:25

    >>135

     授賞式の数日後。高成たちの元にある老婆がやってきた。

    「おばあちゃん…」

    「里帆、無事で良かった…」

     彼女の話曰く里帆の母親が事件を起こしてすぐ祖父は施設へ入所したようで今は独り身になっているのだという。

    「ずっと話して無かったわね」

    「うん…おじいちゃんは元気なの?」

    「ええ、ぼけてもないし元気よ」

    「それと…」

    「あの子はもう…壊れてしまった」

  • 137二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 21:24:46

    里帆の母がここまで里帆に固執するのは何でだろうか
    本ウソ本篇ではある程度里帆に理解をしてたのだけど、またこじらせたのかな

  • 138二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 21:46:12

    >>137

    もしかすると里帆が未婚の母になったのがトリガーだったりするんでしょうかね?

  • 139二次元好きの匿名さん23/08/31(木) 07:26:11

    age

  • 140妄想副題モノクロデリュージョン23/08/31(木) 12:03:38

    >>136

    「なんで…?」

     この時里帆はある場面を思い出していた。それは自身が職場で倒れ救急搬送され、妊娠が判明した時の母親の様子だった。あの時ひどく取り乱した母親の様子。里帆の脳裏にははっきりと記録されていた。

    「…里帆、今妊娠してるんだってね。そのお腹を見れば聞かなくてもわかるけど」

    「…うん」

    「原因というには言い方悪いけれど、そうだと思う」

    「…」

    「あの子はね、心の中で理想の里帆像とも言うべきものがあったと思うのよね。一度里帆が家出した時自分の行動を反省してたようだけれど、本当は完全に切り替えられた訳じゃなかった」

    「理想の飯田…」

     理想の里帆像。それは高成の中にもあったものだ。しかし里帆の母親の中にあったものは高成のものとはまた違ったものらしい。

  • 141妄想副題モノクロデリュージョン23/08/31(木) 12:26:30

    >>140

    「やっぱりだめだったという事?」

    「そうね…無理してたみたい」

     かつて自分の考えを母親に押し付けられた事を鬱屈に感じていた里帆。高成の告白によって新たな自分を得て母親からの押し付けには蓋をしてきた。それを里帆は深く自覚したのだった。

    「…飯田はどうする?」

    「…」

     里帆から言葉は出ない。そこで優里が口を挟んだ。

    「一度、会って話してみる?」

    「…それで何も変わらなくてだめだったら」

    「…私なら、もうそれで諦めるかも。変わるのは自分だから」

    「優里ちゃん…」

  • 142妄想副題モノクロデリュージョン23/08/31(木) 12:33:19

    >>141

     午後。里帆たち3人は里帆の祖母に付き添われ里帆の母親がいる拘置所へと訪れたが、面会は叶わなかった。

    「それだけ、拒絶されているって事ね…」

    「…」

     さすがの里帆もショックを隠せずにいた。

    「飯田…」

    「…っ」

    「里帆ちゃん…帰ろっか」

    「うん…」

     とぼとぼと帰り道を歩く4人。その途中里帆は考えていた。

    (私は山岸くんと一緒に居たい。だって今の自分が好きだから…)

    (でもお母さんは今の私を受け入れられないんだ…)

     里帆の母親は極度の男嫌いである。そして里帆はこれまで自身の父親を知らないで育ってきた。

    (お母さんはきっと山岸くんの事も、受け入れる事は出来ないだろう…優里ちゃんだって、多分…)

    (それなら…もう…)

    「皆、ありがとう」

  • 143妄想副題モノクロデリュージョン23/08/31(木) 12:40:40

    >>142

    「飯田?」

    「ついてってくれて、ありがとう…」

     里帆はその場で立ち止まる。

    「私、もうお母さんに会う事は無いと思う」

    「里帆…」

    「今の私を受け入れられない程ショックなら、もう、少なくとも…こっちからは会わない方が、いいかなって」

    「…」

    「もし、無理せず今の私や山岸くん達を、受け入れる事が出来るようになったら、その時は改めて…会えたらなとは、思う」

    「…私もそれが良いと思う」

     真っ先に同意したのは優里だった。次に高成と里帆の祖母が頷く。

    「おれもそれが良いと思う」

    「私もそれでいいと思うわ。里帆、また何かあったら私を呼んで。すぐ行くから」

    「おばあちゃん…ありがとう」

  • 144妄想副題モノクロデリュージョン23/08/31(木) 12:52:33

    >>143

     里帆の母親との決別。これは長年にわたった因縁に決着をつけた瞬間でもあった。そして迷う事無く今の人生を謳歌出来て、愛する人にこの身をささげられる。里帆は感慨深そうに雲一つない爽やかな青空を見つめていた。

    「これから、新しい人生が…始まる」

    「うん…」

    「改めて。私、山岸くんが好きです。愛しています」

    「飯田…おれも好きだ」

    「そして優里ちゃん…これからも、よろしくお願いします」

    「うん」



    ーーーーーー


     時は過ぎ。

    「おめでとうございます。元気な女の子ですよ」

     里帆に元気な女子が誕生した。ちなみにこの一週間くらい前。優里には帝王切開により男女の双子が誕生しており山岸家は一気ににぎやかになった。

     帆波と秋華とも同居を始め、今は一軒家で幸せに賑やかに暮らしている。

  • 145妄想副題モノクロデリュージョン23/08/31(木) 12:59:57

    >>144

     里帆の作品は飛ぶように売れ、なんと芥川賞にもノミネートされた。執筆活動は好調で今も彼女の書きあげた文を高成が誤字脱字をチェックするという体制が続いている。

     智乃は藤野先輩と結婚生活を送り、仲睦まじい様子を見せている。かえでとは時折会って話しているようだ。

     ローザも和哉も元気に仕事を務めている。日向もロ シアでの生活を満喫しているようだが、近々ヨーロッパの別の国へ移住するようだ。

     そして貴史。彼は衣吹からの告白に頭を悩ませていたが結局高成へ相談する事は無かった。代わりになんとか自分なりに答えを見つけたのだった。

    「正直、恋人と言うのは難しいと思う。でも親友にはなりたい。心の友ってやつ」

    「…わかりました。じゃあそれで行きましょう」

    「…すまん」

    「吉野さんは悪くないですよ。でも心の友ってなんかいいですね」

    「へへっいいだろ?アオハルらしくてさ」

  • 146妄想副題モノクロデリュージョン23/08/31(木) 13:09:03

    >>145

     山岸家。それぞれ退院し自宅へと戻った里帆は娘の里成(りな)を、優里は優成とゆなの2人を抱っこしたりベッドでの様子を見たりとしっかり育児をこなしている。

     なお里帆は喫茶店でのアルバイトを辞めたが、優里はアルバイトを辞め休学届こそ出したものの大学院に引き続き在籍している。

     高成も帆波も秋華も積極的に育児と家事に参加している。なお帆波もいずれ大学院へ進学するつもりのようだ。高成と秋華は今までと変わらず仕事を頑張っており、高成は育児休暇を取った。なお休暇を取り終えたのち、ブエノスアイレスに行く事が決まっている。

    「みんなと一緒って、いいね」

    「うん、いいよね。適度ににぎやかっていうかさ」

    「ひとりで部屋にいるの寂しかったから、こっちの方が良いかも」

    「ただいまー」

    「山岸くんと立花さん帰って来た」

     高成は仕事用のバッグに大きな買い物バッグを持っている。そこからは白菜とふとネギが見え隠れしている

    「今日はお鍋しよっか」

    「いえーい!!」

  • 147妄想副題モノクロデリュージョン23/08/31(木) 13:16:42

    >>146

    「もう、あと少しでブエノスアイレスかあ…」

    「こーちゃん単身赴任だっけ?」

    「うん。半年ね」

    「半年ならすぐ高成くんとも会えるよね」

    「それまでが…長い…」

    「まあまあ、うちらがおるき」

     家族のだんらん。暖かく和やかな空間である。

    (ずっと欲しかったなあ…幸せだ)

    「飯田?」

    「ただ…幸せだなって」

    「へへっ…」


     空港。いよいよ飛行機が来る。

    「こーちゃん何かあったらすぐ連絡するんやで」

    「うん。立花さんも仕事頑張ってね」

    「高成くん。頑張って」

    「帆波ちゃん。ありがと」

    「高成くんいってらっしゃい」

    「茜谷さん。いってきます」

    「山岸くん。私からも…いってらっしゃい」

    「飯田…いってきます」

  • 148妄想副題モノクロデリュージョン23/08/31(木) 13:22:53

    >>147

    (飯田の嘘がばれてから色々あったなあ…そして皆変わっていった。おれも変わる時だ。皆に感謝しつつ、仕事を頑張らないといけない)

    (おれの中には飯田だけでは無い。皆がいる。そして理想の飯田像は、もういない。だって必要無くなったから)

     彼の中にあった理想の像は全てモノクロの世界へ昇華された。昇華された事で里帆も新たな道を切り開いた。

     高成は前を向いて歩く。

    「大丈夫」

    「皆、ありがとう」


     半年後、また「皆」で会おう。それまではアディオス。



     これにてモノクロデリュージョン完結となります。皆さんお読み頂き誠にありがとうございました。

  • 149妄想副題無色透明の君たちへ23/08/31(木) 16:38:01

    >>76

     高成たちのいる部屋ではくじ引きが行われようとしていた。ローザが用意したものだ。

    「山岸くんは当たり引いた子と先にやるのよ」

    (出来れば飯田としたい…)

     高成は目を閉じてくじを引く。すると当たりは里帆だった。

    「じゃ、じゃあ…」

    「先に里帆だね。…私は、どうしよっか」

    「見ていなさい。なんなら加わってもいいのよ」

     ローザに促された智乃は高成の背面に周った。里帆は高成の正面から抱きつき、2人はたどたどしい動きでキスをしながら互いの体を触っていく。

  • 150二次元好きの匿名さん23/08/31(木) 21:27:50

    あげ

  • 151二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 00:49:00

    >>148

    モノクロ完結おめでとうございます!

    山岸達の今後に幸あれ

  • 152二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 06:28:13

    >>148

    多忙の中モノクロ編完筆お疲れ様です

    無色透明編と次回作お待ちしております

  • 153二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 08:01:38

    あげ

  • 154二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 09:14:58

    >>151

    >>152

    モノクロの人です

    コメントありがとうございます!体調崩したり色々ありましたがなんとか完結出来てほっとしています

    新たな道へ進む彼らに幸あれ

  • 155二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 09:17:09

    >>154

    追記

    またモノクロについてアンケートを取りたいと思います


    ・作品についての感想

    ・一番印象に残ったエピソード

    ・印象に残ったキャラ


    このあたりについて教えてほしいです

  • 156妄想副題無色透明の君たちへ23/09/01(金) 16:03:20

    >>149

    「脚、広げて…」

    「うん…」

     里帆の濡れつつあるそこを高成は舐める。毛が鼻にあたってむずがゆいのと、塩味とは違うしょっぱい味が高成の舌にじんわりと降りかかる。

    「んっ…」

    (ここかな)

    「あっ…!あっ」

     次第に里帆の声が大きくなってきた所で、里帆がちょっと、と高成に声をかけた。

    「もう、だいじょぶ…」

    「飯田…」

  • 157二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 21:12:29

    あげ

  • 158二次元好きの匿名さん23/09/02(土) 08:17:38

    age

  • 159妄想副題無色透明の君たちへ23/09/02(土) 12:24:05

    >>156

    「山岸くん、これ使いなさい」

     ローザが高成へゴムをばらばらっと5枚ほど手渡した。高成はそれを装着し、硬くなったものを里帆の中へと入れた。

    「んっ…」

     締め付けが熱くきつい。しかし高成が想定していたものよりかは割とすんなりと入ったので、高成は心の中でほっと一息吐いた。

    「はあっ…」

    「動くよ」

    「うん…」

     そのまま2人は熱く快楽に溺れていく。

    「あはっ…あっ」

    「んっ…ん」

    「ね…山岸…」

     高成の背中から智乃の声が響いた。

    「こっちも…」

     智乃は里帆の横に移動すると、里帆と同じように脚を広げる。高成は智乃のそこに指を入れた。

     にゅるっとした感覚が指から全体へと瞬時に渡っていく。

  • 160二次元好きの匿名さん23/09/02(土) 15:10:11

    >>155

    お疲れ様です!

    拙い感想で良ければ…

    ・感想

    人物が多い分各キャラに割かれる分量が制限される中バランスが大変だったと思いましたのでお疲れ様でした!

    山岸が社会人になってもやはり山岸していたので上手く差配されているなと感じました

    飯田も飯田なりに成長しているところが見られて良かったです

    ・エピ

    やはり飯田が自分の道を自分なりに切り拓いたラストエピですね

    ・キャラ

    病弱体質の帆波ですね

    作品的に珍しい体質設定なので注目しておりました


    現行作品の行方も楽しみにしております!

  • 161妄想副題無色透明の君たちへ23/09/02(土) 16:06:22

    >>159

    「んっ…」

    「やばいっ…」

     そのまま腰と指を動かし続ける。それはこれまでの作業のような行為よりも熱意とやりがいが溢れるものになった。高成の心情はこれまでAI達と交わしたカラミよりも、穏やかなものになっていた。

     里帆の次は智乃、智乃の次は里帆…と言うように順番に抱いていく。

    「はあ…」

    「んっ…んうっ…」

  • 162妄想副題モノクロデリュージョン23/09/02(土) 16:36:44

    >>160

    ありがとうございます!

    やはり今作でも山岸はモテモテ(?)でしたが、もっと彼の心理面を深堀&行動を増やしたりはしたかったなとは今更ながら少し後悔してます。その辺は機会があれば加筆していきたいです

    あと飯田が自らの道を切り開いていく場面は今作のテーマともいうべき描写だったので自分も書いてて楽しかったです。

    帆波の病弱設定はありでしたね、最初は少し不安だったのですが何とかなって良かったです。彼女の描写ももっと書きたかったですね。


    無色透明の君たちへと次回作もお楽しみにいただければ幸いです

  • 163二次元好きの匿名さん23/09/02(土) 21:24:23

    あげ

  • 164二次元好きの匿名さん23/09/03(日) 08:11:27

    age

  • 165妄想副題無色透明の君たちへ23/09/03(日) 12:57:50

    >>161

    「あっゴムがもう…」

    「まだあるわよ」

    「あ、ありがとうございます…」

     3人は夜が明けるまで寝ることなく絡み続けたのだった。

     朝10時頃。高成ら3人は着ていた服に着替えて食堂へ移動するとタイプRのAI達が朝食を持ってくる。焼き鮭に卵焼きとウインナー、そしてみそ汁に卵のふりかけが乗ったごはんをそれぞれ白いトレーに乗せて運んでくる。

    「えっ」

    「嘘…まんま里帆じゃん」

     高成からすればもう慣れていた事だったが、初めて見た里帆と智乃からすれば異様な光景に映っていた。

    「えっと、この人達はAIなんだって。飯田とくりそつだけど別」

    「山岸マジで?」

    「マジ」

    「そうなんだ…」

  • 166妄想副題無色透明の君たちへ23/09/03(日) 13:10:09

    >>165

    「てかさ、うちらいつ帰れるの?」

    「あ、そうだった…」

    「じゃあ今日帰る?」

     どうやら後ろからローザが聞き耳を立てていたようだ。

    「帰れるんですか?」

    「ええ、もう帰れるわよ。…代わりもいるしね」

    「「「や、やったーーーーー!!!」」」

     こうして高成ら「3人」はようやく元の世界へと戻れたのだった。高成が失踪した時に合わせて帰宅出来たという事もあり家族らもなんら変わらぬ様子だった。

     互いに安堵の表情を浮かべて3人は学校生活を再び送り出したが、少し変化も見られた。

    「あのさ、山岸くん…」

    「飯田?」

    「良かったらうちで勉強していかない?」

     高成は里帆と親密な関係を築いたのだった。


     そうそう。貴史はその後2週間AI達による搾精の日々を送った後、ようやく元の世界へと戻って来れた。げっそりとした顔つきからは一瞬で苦労が分かるほどだったという。

    「もうこりごりだわ、やりたくねえ…」


     これにて無色透明の君たちへも完結となります。

     お読み頂きありがとうございました。

  • 167二次元好きの匿名さん23/09/03(日) 15:22:34

    無色透明お疲れ様です
    妄想副題シリーズの貴史は苦労人属性が出てますね

  • 168二次元好きの匿名さん23/09/03(日) 17:56:52

    ノーカラー編完結おめでとうございます!
    お疲れ様でした!
    貴史はまあ散々搾り取られても大丈夫でしょう(笑

  • 169二次元好きの匿名さん23/09/03(日) 20:54:32

    コメントありがとうございます
    なんだかんだ最後まで搾り取られた貴史なのであった…

    そしてあさってより新作投稿開始します!
    時系列は現在リメイクと同じ高校時代に戻ります。
    主役はもちろんあの子…ですが、今までとはガラッと変わる部分があります。ぜひお楽しみに

  • 170二次元好きの匿名さん23/09/04(月) 07:32:03

    age

  • 171二次元好きの匿名さん23/09/04(月) 12:19:49

    あげ

  • 172二次元好きの匿名さん23/09/04(月) 20:55:26

    モノクロの人です。明日より新作更新スタートします
    タイトルは「乱れ黒髪」となります!
    お楽しみに

  • 173二次元好きの匿名さん23/09/05(火) 07:18:08

    age

  • 174妄想副題乱れ黒髪23/09/05(火) 12:11:06

     新作開始です!

     
     季節は夏。うら若き高校生達が制服に汗を滲ませながら学校生活を過ごしている。
    「成美ーご飯食べよ」
    「うん、食べる食べる」
     この2人の女子高生。名を山岸成美と吉野史子と言う。黒髪のミディアムな内巻のボブヘアをしたのが成美、茶髪をポニーテールにして制服のYシャツをスカートからだしたギャルスタイルをしているのが史子である。
    「史子ってから揚げ好きだよね」
    「だって美味いじゃん。から揚げなら何個でも行ける。ってかさ彼氏ほしくない?」
    「かっ彼氏?!」
     いきなりの事で成美は思わず、声を荒げてしまった。自分が大きい声を出したと理解した成美は思わず辺りを見回す。

  • 175妄想副題乱れ黒髪23/09/05(火) 12:12:10

    >>174

    「えー驚く事じゃないじゃん。アンナだって彼氏いるんだしさー」

    「まあ確かにそうだけど、今は部活優先と言うか」

    「それはわかるよ。でもさ、今作らないとチャンス逃しそうでさ」

    「…分かった。竹内先輩の事でしょ」

    「はあっ?!アンタなんで」

     史子が声を上げた時。史子の後ろから男子が2人やって来た。

    「お前らほんと仲良いよな」

     そう言いながらにやにやと笑っている金髪のチャラ男風な見た目の男子は新山智也。その横にいる黒髪のショートヘアの男子は飯田里日人(りひと)と言う。

     成美は穏やかだがどこか儚い雰囲気を持つ里日人にひとめぼれし、好意を寄せている。

    「なにーガールズトークに男子が来るとかキモー」

    「はあ?!吉野が言うなよなー」

    「何それうっざ!!」

    「てかさ、あんたらみたいなギャルに彼氏できないだろ。男はもっと清楚っていうかさ」

  • 176妄想副題乱れ黒髪23/09/05(火) 12:16:20

    人物紹介

    山岸成美(やまぎし なるみ)
    TS山岸。水泳部のJK

    吉野史子(よしの ふみこ)
    TS貴史。今作のギャル枠

    飯田里日人(いいだ りひと)
    TS里帆。今作の飯田はこれまでよりある部分が更にとんがって?ます

    新山智也(にいやま ともや)
    TS智乃。 わりと貴史に似てるかも?

  • 177二次元好きの匿名さん23/09/05(火) 16:31:52

    あげ

  • 178二次元好きの匿名さん23/09/05(火) 19:02:27

    まさかのTSできましたか…
    これは楽しみですね!

  • 179二次元好きの匿名さん23/09/05(火) 21:40:24

    age

  • 180二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 07:29:23

    age

  • 181妄想副題乱れ黒髪23/09/06(水) 12:21:31

    >>175

     智也と史子の喧嘩が始まった。それを成美は横目で見ていると、里日人が成美に話しかけてくる。

    「山岸は十分清楚系だと思うというか、あんま気にしないで。吉野も良いやつだと思うからさ」

    「え、ああ、うん…ありがと…」

    (なんか飯田くんに褒められた、嬉しい)

     いつの間にか智也と史子の喧嘩が終わる。史子は弁当を食べ、智也は里日人とトイレへ向かっていった。

    「はあ~新山まじむかつく。てか成美、飯田と何話してたん?」

    「ああ、まあちょっとね…気にすんなって言ってた」

    「ふーん、ああ見えて飯田優男なんじゃん。いっつも黙ってんのに」

     弁当を食べ終えた所で予鈴が鳴る。片付けて席に着く。

    (飯田くん…)


     


     成美が里日人を眺めていると、里日人が振り返り目が合った。

  • 182妄想副題乱れ黒髪23/09/06(水) 12:22:10

    >>181

    (やばっ)

     すると里日人がにこっと笑ってくれた。

    (…尊い)

     里日人の笑顔が脳裏に刻まれた事で、成美は尊さを感じていたのだった。

     この日からはテスト期間という事で部活は休みになる。帰ろうとした所で担任の教師は史子と智也を指名し、職員室へ手伝いに来るように言った。

    「えー…」 

    2人とも嫌だと言いつつ渋々と担任の教師についていく。廊下には成美と里日人が残された。

    「…」

     静かになる。成美はなんて話しかけようとした瞬間、里日人の口が開いた。

  • 183二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 21:05:30

    あげ

  • 184二次元好きの匿名さん23/09/07(木) 07:16:45

    age

  • 185二次元好きの匿名さん23/09/07(木) 14:47:09

    あげ

  • 186妄想副題乱れ黒髪23/09/07(木) 16:07:22

    >>182

    「山岸ってさ、夏休みどっかいくの?」

    「え、ああ…予備校と部活だけど」

    「水泳部だっけ」

    「うん。小学校の時からずっとやってる。…飯田くんは?」

    「おれも予備校かな。あと智也と海行けたらいいねって思ってはいるけど…あいつも予備校行くって言ってたからなあ」

    「そうなんだ…」

    (飯田くんと海行きたいなー!)

    「あっ!飯田くん!皆で海行かない?!新山くんと史子も誘ってさ!」

    「えっ」

     このタイミングで智也と史子が戻って来た。

  • 187妄想副題乱れ黒髪23/09/07(木) 16:08:11

    >>186

    「成美お待たせ~かえろかえろ」

    「うん。…飯田くん、じゃ」

    「うん」

    (結局返事聞けなかったなあ…)

     成美は史子と帰宅の途についていると、途中でまたもや智也と里日人に遭遇した。智也は変わらずにやにやと笑っている。

    「うわっ!新山じゃんかよ」

    「うわっ!ってなんだよ」

    「何?またなんか言いたいの?」

    「まあ、うん」

     智也は目をそらしながらそう答える。

    「あのさ、お前らが水着来てるとこ見せてよ」

    「へ?」

  • 188二次元好きの匿名さん23/09/07(木) 21:13:11

    あげ

  • 189二次元好きの匿名さん23/09/08(金) 07:31:14

    age

  • 190妄想副題乱れ黒髪23/09/08(金) 12:32:00

    >>187

     智也の目は真剣だった。

    「…史子はどうすんの」

    「あっ…いいよ。見せたげる」

    「えっマジで?」

    「他のやつには言うなよ。成美も水着あるでしょ?今日授業で使ったやつ」

    「うん。あるよ」

     こうして、一同は史子の家へ行く事になった。

    (まじか…)

     成美はうつむきながら、史子の家に入った。ふと横目でちらっと里日人を見ると、目が合う。

    「あっ」

    (気まずい) 

     成美は急いで目を背ける。

  • 191妄想副題乱れ黒髪23/09/08(金) 15:55:46

    >>190

    「はいここ」

     史子がドアを開ける。そこは彼女の自室だ。

    「思ったよりシンプルなんだな」

    「思ったよりってなんだよ」

     ベッドと勉強机と筋トレに使うダンベル以外はあまり物は置かれてないようだった。

    「で、水着見せてほしいって?」

    「うん…」

    「じゃあ着替えるから出てってくれる?」

    「いや、着替えてるとこも見たい」

    「「はあ?」」

     史子と成美が思いっきりハモりながら、智也の方を見た。

    「…じゃあ、良いけど」

    「えっ」

     史子はぶっきらぼうにバッグから水着を取り出した。

  • 192二次元好きの匿名さん23/09/08(金) 21:45:31

    あげ

  • 193二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 08:01:20

    age

  • 194妄想副題乱れ黒髪23/09/09(土) 12:41:48

    >>191

     史子はけだるそうにしながらスカートをはいた状態でパンツを脱ぎ、水着を履いた。

    「え…史子」

    「成美も着替えなよ」

    「え、うん…」

     成美も渋々水着を取り出し、着替え始めた。男子2人はじっと彼女たちの着替えを見ている。スカートを降ろし、シャツも脱いで着替え終わると、智也はおおっと声を上げた。

    「うわ…」

    「どう?新山?」

    「…思ってたよりエロいじゃん」

  • 195妄想副題乱れ黒髪23/09/09(土) 16:00:28

    >>194

    「成美は着替えないの?」

    「えっあっ…」

     ここでまたしても成美と里日人の目が合った。

    「あっ」

    「…山岸」

    (期待してる様な…) 

     成美は覚悟を決めると、水着をバッグから取り出して着替え始めた。着替え終わると、史子と共に男子2人の元へ向き直る。

    「どうよ?」

    「…似合ってるじゃん」

     智也が立ち上がって、そのまま史子に抱き付いた。史子は特に抵抗する事も無く、智也にされるがままになっている。

    「んっ…」

     目の前で智也に胸を揉まれながらキスをしている史子を見た成美は、動く事が出来ない。里日人も動かずその場にとどまっている。

    (…飯田くんと、出来るチャンス…?いやいや!ビッチに見られて嫌われるのは嫌だし…)

  • 196二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 21:30:39

    あげ

  • 197二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 08:10:59

    age

  • 198二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 12:30:51

オススメ

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