- 1二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 16:50:45
どうしてウマソウルと合体しないんだ。
前スレ
あにまんウマ娘になりたい部Part14|あにまん掲示板正気かぁ!ウマ娘になれ!ウマ娘になって戦わんかぁ──っ!!前スレhttps://bbs.animanch.com/board/246596/Part1https://bbs.animanch.com/…bbs.animanch.comPart1
あにまんウマ娘になりたい部|あにまん掲示板最近のTSウマ娘化概念スレを見てて嫉妬で辛くなってきたので建てました人間より身体能力高い美少女になりたい人は多いはずbbs.animanch.com@Wiki
umamusumeninaritai @ ウィキ【12/15更新】@wikiへようこそ ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名...w.atwiki.jp - 2二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 16:51:01
- 3二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 16:51:36
- 4二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 16:51:50
お
つ - 5二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 16:51:52
建て乙
- 6二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 16:52:01
たておつです∠( ̄^ ̄)
- 7二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 16:53:48
事案だもの…
- 8二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 16:55:20
在学中にトレーナーと合体するのはアウトですが外堀から内堀を埋めるのはありです
- 9シンボリラウエンの人21/12/30(木) 16:56:37
だから自分のトレーナーさんとクリスマスに出かけるんですね
- 10二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 17:01:25
だからこうして卒業前に外堀を埋めて卒業したら即トレーナーと結婚するんですね
- 11二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 17:02:41
トレーナーの社会的信頼はボロボロだからせめて大卒になってからにしろ
- 12メジロエスキーの人21/12/30(木) 17:05:50
思春期の多感な時期を最低3年は二人三脚、それこそプライベートまで一緒に過ごした相手だぞ。大学卒業までなんて待ってられないから
- 13二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 17:11:28
- 14二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 17:40:18
大卒が無理なら卒業後即どっかに就職すればまあ……
- 15二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 17:52:10
クインの卒業後は大学で勉強した後にトレーナーになるか、或いはそのままトレーナー直行か
どっちにしろサブトレとして経験は積むことになるが - 16二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 18:30:37
- 17二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 18:35:40
久々に出会ったブレイブロードちゃんがめっちゃ大きくなってて驚く卒業後ウマ娘概念
- 18シンボリラウエンの人21/12/30(木) 18:40:52
自分の可能性を信じて伸ばしてくれてプライベートも一緒にいた人に惚れないはずがなく…卒業後トレーナーに告白しようと思い立ってから10年が過ぎた_______
- 19二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 19:21:50
チームの皆を見て内心で『みんな掛かりすぎでしょ』とか思っていたら実はとんでもない周回遅れを決めていたとかいう本人的には恥ずかしさとぐちゃぐちゃの情緒で一切笑う余裕のないギャグ
レースがつよつよだとしても恋愛スキルはクソ雑魚なウマ娘。それがブレイブロード - 20二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 19:24:37
おそらく卒業後も距離感が変わらないバラカ
でも卒業してもレースに関わりたいからトレーナーを目指すついでに伝手扱いでさらっとサブトレに潜り込んでそう - 21メジロエスキーの人21/12/30(木) 19:51:06
周りから(もうとっとと想い伝えて結婚しろよこの2人……)って思われてそう
- 22二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 20:33:53
ぶっちゃけあにまんでのスカイくらい恋愛奥手とか普通にない?
クインなんか恋愛感情抱いたとしてもそのまま墓まで持ってく確信があるよ - 23シンボリラウエンの人21/12/30(木) 20:35:33
トレーナーに恋心抱いても年齢とか立場とか色々でずっと口に出せなくてトレーナーに恋人できて失恋…しか見えないっす…
- 24二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 20:37:06
大丈夫!感情を押し殺すのは得意なんだ!!
- 25メジロエスキーの人21/12/30(木) 21:13:06
チーム結成してある程度お互いの仲も深まった2年目の夏合宿の夜交わされる恋バナはヤバそうっすね……
- 26二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 21:38:19
「その・・・雨が降ってる中二人っきりで雨宿りすることになって・・・くしゃみしたらトレーナーさんが肩に腕を・・・きゃー♡」
「私も外出中、ウエディングドレスを見て『いいなあ』っていったら、『卒業後まで待ってて』ってそういうことだよね!?」
「私なんか抱き着いたけど、『こーら』って引きはがされちゃってさあ・・・」
「ムードだよムード。じゃれついてる感じ出すより意識してます!ってアピールをだね・・・というわけでアイディア出して」
「わたしは姉さま一筋なんで」
牡馬ニキ「おいコピー機で怪しい札刷ってきたぞ!これ全部絵の裏に貼ろうぜ!!」(ドアガチャッ)
ライジョウドウ「もういっぱいある!」(ベッド下から) - 27シンボリラウエンのひと21/12/30(木) 21:42:11
「ラウエンさんよくトレーナーさんのこと見つめてますよね」
「黙秘権を行使します」
「この前トレーナーさんに弁当渡してましたよね」
「黙秘権を行使します」
「可愛いって言ってくれるかな…とかいいながら服を見てましたよね」
「黙秘権を行使します」
「チョコを作ったけど恥ずかしくなって前日に食べてましたよね」
「なんで知ってるのよプログレスあんた別室でしょ!」
「2人とも早く寝たら?」 - 28二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 21:42:42
(興味なさげに転がっていたのが最後の言葉を聞いて固まるバラカ
- 29二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 21:43:57
なんでベッドの下から怪しい札出てくんだよ
- 30二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 21:45:58
- 31二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 21:48:41
なんでベッドの下からライジョウドウ出てくるんだよ
- 32二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 21:49:26
- 33二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 21:52:24
怖いから御札増やそうね…
- 34二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 21:53:12
おかしい…我々は合宿先で恋バナをしていたはずでは……
- 35二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 21:56:31
そして牡馬ニキ主導の元合宿先で突如として開催される肝試し大会
- 36二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 21:57:12
牡馬ニキ増えてそう
- 37二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 21:57:43
かえって牡馬ニキの側のほうが安全に見えるのバグでしょ
- 38フラりん?21/12/30(木) 21:58:02
- 39二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 21:58:23
- 40二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 21:59:48
「肝試しですか(耳ペタ)
夜ふかしは良くないから僕は寝てますね……え? 皆さん全員行くんですか? 残るの僕一人?(尻尾フルフル)」
「…………と、トレーナーさんちょっと僕が寝るまで見ててもらっても……」 - 41シソボリラウエソの人21/12/30(木) 22:03:23
- 42オウカ21/12/30(木) 22:03:24
私は部長なので肝試しはちゃんと監視させてもらいます
監視役だから参加せずに見守ってますね!怖いとかじゃなくてね?誰かが見とかないとだしね? - 43フラワリングタイム21/12/30(木) 22:03:40
肝試し大会なんて…
ううっ、怖いです……早く終わらせましょう……
ぴぎゃー!?(驚いて同行してるウマ娘に抱きつく) - 44二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:04:24
ボバニキ?「こっちに道がありますよ」
バラカ「信用できないです。失礼します」スルー
ボバニキ?「こっちに道がありますよ」
オウカ「うーんと、いたずらはだめですからね?」スルー
ボバニキ?「こっちに道がありますよ」
ラウエン「はいはい。また今度」スルー
ボバニキ?「こっちに道がありますよ」
フラリン「皆を困らせちゃだめですよ!」スルー
ボバニキ?「コイツ メッチャ ジンボウ ナイナ」
- 45二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:05:03
おまえもパチモンみてーな名前してんねぇ!
- 46フラりん?21/12/30(木) 22:05:38
まあまあ、気にせずこっちに行きましょう
- 47二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:07:54
素で間違いの道を教えそうな子がいるせいで心霊現象かどうか判別できてない……
- 48〆ヅロヱヌキーの人21/12/30(木) 22:08:48
「プログレス姉さま一緒に行きませんか? あれ、どこ行くんですかプログレス姉さま……ハシラナイデマッテクダサイヨォ!!!」
- 49メジロプログレスの人21/12/30(木) 22:10:41
なんで今冬なのに夏の風物詩してんの…?
- 50二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:11:13
言うっちまうで季節感を捨て去る術を学んだからな
- 51二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:11:24
ライジョウドウ「目を瞑って大声出して全速力で走ったら怖くないはず!」(ピコーン)
- 52二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:11:34
これバラカ一人宿に残っても怪奇現象に見舞われそうだな……
助けてトレーナーさぁん…… - 53二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:13:45
- 54二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:14:54
フラりん?「こっちが正しい道ですよ」
ライジョウドウちゃん「なるほどー、ありがとう」テクテク
フラリン「あれ?ライジョウドウさんどうしてこっちに?」
ライジョウドウ「フラりんこそどうして二人に増えてるの?」
フラりん?「……」
フラリン「……」サァーッ
フラリン「いやああああああああああ!?!?!?に、偽者ーッ!!??に、逃げますよライジョウドウさん!!」ツカミダッシュ
ライジョウドウ「え?う、うん?…あっ、なるほど。あっちはフラりんじゃなかったのか…」アーレー - 55二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:15:55
- 56二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:18:23
参加する羽目になったら恐怖をごまかすために小声でうまぴょい伝説歌いながら歩いてそうなバラカ
- 57二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:23:09
- 58二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:24:47
ボバニキみたいな無駄にエネルギー持て余してるやつって幽霊も寄って来なさそう
- 59二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:28:13
クイン「でれれでれれでれれでれれでれれでれれでれれれん!でれれでれれでれれでれれでれれでれれでれれれん!ぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺ!ちゃらららららららららん!だんっばばっばば あんなこっといいな!でっきたらいっいな!あんなゆっめこんなゆっめいっぱいあるーけどー!!!!!」(爆音ドラえもんの歌)(しかもなんか歌詞間違えてる)
- 60二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:30:04
(ひえっいや違う違うこれは幻覚だから……人間もウマ娘も昼行性の集団性の動物だから少数で夜間の活動に恐怖を覚えるのは当然だし恐怖の対象に自分の記憶から想起されるものを勝手に当てはめてしまうのは習性であってつまりこれは単に僕自身が持つ怪我や敗北への恐れに人格を当ててしまっているだけだしそもそもすべての認識は脳が受信して脳内で再生していることなんだからつまり僕が認識している世界自体が脳が認識している幻覚にすぎず当然この声も脳が再生してあれでもそれじゃあ実存しているのと変わらないんじゃ……あー助けてトレーナー! もうエポワスをトレーナー室で開封したりしないからぁ!)
とか延々考えながらおめめぐるぐるしてそう
- 61オウカ21/12/30(木) 22:33:33
なんで歌が聞こえるの…?ちゃんと心霊現象起きてるし……バラカちゃんは部屋の隅で震えてるし……
これを全部……監視するの…?私が一人で……? - 62二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:34:25
恐怖を誤魔化すためにドラえもんの歌熱唱中のクインがそっち行ったぞ
- 63二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:35:23
深夜に熱唱はうるさすぎるのよ
- 64二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:35:56
森の中に響く謎の合唱に震え上がり悲鳴を上げながら疾走するフラりん
その時閃いた!これはフラワリングタイムとのトレーニングに生かせるかもしれない!
スピードが10上がった! - 65二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 23:20:03
- 66二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 23:21:26
心眼が足りないので見えぬ…
- 67二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 23:21:51
待っていました!ライクライムさん!さあ貴方もメンバーになりましょう!
- 68二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 23:24:06
- 69二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 23:25:25
- 70二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 23:29:44
派手なピアスとメッシュすこ
- 71二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 23:34:34
- 72二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 23:35:07
えっめちゃくちゃ好き……マスクも派手派手カラフルも全部ぶっ刺さった…目の中の表現天才では……?
- 73二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 23:39:19
忘れっぽいのは適当なことばっかり言ってるから
サボリ魔でしょっちゅう抜け出してゲーセンとかにいる
トレーナーは家族みたいなもんだし…引っ張りまわすのは当たり前だよね
そんなライクライムをよろしくおなしゃす
- 74メジロエスキーの人21/12/31(金) 07:31:19
保守のついでにSSの続きをば
前走のプリンスオブウェールズステークスから約1ヶ月、アタシたちは再びアスコットレース場に足を運ぶことになった。上半期における欧州最強を決める戦いに赴くために。
「姉さま姉さま、やっぱり変だと思うんです」
レース前いつものルーティン(アタシがエスキーを膝の上に乗せて頭を撫でる)をしていると不意にエスキーが疑問をぶつけてきた。
「コースの形が変なことは理解できましたし、アップダウンが激しいことも分かったんですけど……距離中途半端じゃないですか? ドバイの時はゲートがゴール板と被るっていうしっかりした理由がありましたけど、ここはそうでもないですよ?」
そう、今回のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスの距離は2400mではなく“2390”m。ちなみに前走エスキーが勝ったプリンスオブウェールズステークスも2000mじゃなくて“1990”mだったりする。
「昔は12ハロン=2400mとして開催してたみたいなんだけど、計測方法は改正されて11ハロン211ヤード=2390mになったんだって」
スマホで出てきた情報を見せてあげると、不満げな表情を浮かべたエスキーは、
「そこは10m延長して12ハロンで開催してほしかったですね……やっぱりヤード・ポンド法ってk…むっ…」
危ないことを言いかけたエスキーの口を急いで塞ぐ。もちろん手で。 - 75メジロエスキーの人21/12/31(金) 07:31:47
「それ以上はメジロ家令嬢としてNGだから。あとやっぱり伝統と格式があるからなかなか変えられないんじゃない? 何十年も続いてるレースだし」
「ぷはっ…まあ姉さまがそう言うなら……ってそろそろ時間ですね」
集合の時間が近づき、エスキーがアタシの膝から下りる。
「じゃあ今日も頑張って」
「はい! ちなみに今日勝ったときのご褒美なんですけど……」
少し顔を赤らめモジモジするエスキー。
「今度もデート? パリ観光はこの前したし……」
「デートもそうなんですけど、チュ、チューを……」
「えっ、ちょっ、はぁ!?」
流石に予想外すぎて変な反応をしてしまった。チューって……
「いやいやいや流石にそれは」
「じゃあほっぺにでも!!!」
「そ、そこまで言うなら……ほっぺただからね!」
「ありがとうございます姉さま! これで勝てます!!!」
さっきまでのモジモジ具合はどこへやら、颯爽とコースへ向かって走っていってしまった。
「アタシも甘いなあ……」
あの子の圧に負けたとはいえあんな約束をしちゃうなんて……
「いやでもマウストゥマウスは断ったし、うん、大丈夫! ……って何が大丈夫なんだろ……」
せめてそれは運命の人にとっておきの場面でアタシの方から……
- 76メジロエスキーの人21/12/31(金) 07:32:21
─────
『──さあ最終コーナーを曲がり直線に向かう! おっとここで1人抜け出してきたのは……なんと日本のメジロエスキーだ! しかしまだ400mあるぞ! アイルランドダービーウマ娘や去年のフランスダービーウマ娘たちが一斉に襲いかかってくる! 坂を上る! メジロエスキー粘っている! 粘って粘って、1バ身しのぎ切ってゴールイン! ヨーロッパ上半期最強はなんと、極東からの挑戦者、メジロエスキー!』
ほんとに勝っちゃうなんて……
─────
「姉さま、ただいま戻りました!」
「お、お疲れエスキー。おめでとう……」
「あれ、姉さまどうされたんですか? なんだかあまり嬉しくなさそうな……」
「ううん、違うの。とっても嬉しいんだけど、その……」
「あっ! もしかして照れてるんですか!? わたし勝ったからチューしなきゃって考えてて!」
「もうっ、口に出さないで! ……ちょっとこっち来て」
片やニッコニコの笑顔、片や今にも爆発しそうな赤い顔。どっちがどっちって言うまでもない。
「目は閉じてね……」
「は〜い♪」
エスキーが目を閉じたのを確認し、心を落ち着かせるために一度深呼吸をして、
チュッ
- 77メジロエスキーの人21/12/31(金) 07:33:07
「これで満足した?」
手で口を拭いながらエスキーに問いかけると、それはもう表情筋が攣るんじゃないかと感じるぐらいの満面の笑顔で、
「はい!!! 今日のことは一生忘れません!!!」
と答えてくれた。
「満足くれたんだったらよかった……女の子にもしたことなかったんだからそうじゃなきゃ困るから」
そうポツリと漏らすと、なぜかエスキーはアタシに向けて合掌。
「姉さまの初めて……ごちそうさまでした♪」
「こらっ! 誤解を招く言い方しないっ!」
「本当のことじゃないですか姉さま〜」
この子は調子に乗ったらめんどくさいんだから……!
「……それ以上口応えするならデートはなしだからね」
そう言うとそんなに嫌なのかシュンとした表情で頭を下げ、
「ごめんなさい姉さま、調子に乗りすぎました……」
「分かってくれたならいいの。これからも気をつけること。いい?」
「はい姉さま!」
─────
夏はウマ娘がターフを駆け抜けるがごとくあっという間に過ぎ去り、すぐさま秋が顔を出した。
次走、芝10Fの頂上決戦、アイリッシュチャンピオンステークス。
- 78メジロエスキーの人21/12/31(金) 07:34:14
- 79二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 10:12:24
あと16時間30分切ってるんすけど…!
- 80二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 11:15:37
遅レスながら昨日の肝試しのお話に乗っかってSSを書いてみました。結構文量あるので分割して載せます。
夏合宿の最中、突如として肝試し大会が開催されることになった。参加は各自の自由とのことだがブレイブロードは普段からチームのイベント事にはかなり乗り気なウマ娘だ。なので二つ返事での了承が返ってくると予想していたのだが……
「は?肝試し?いや行くわけないじゃん。
いくら皆が参加するからって絶対に出ないとダメなわけじゃないんでしょ?そもそもそんな夜中に出掛けたら明日のトレーニングに響くし?あと今日は一日中走り込みして疲れてるからとっと寝たいし。……悪いけどトレーナーから皆に出ないって伝えといて」
実際に返ってきたのは予想していたものとは真逆の明らかな拒絶。しかしどうにも様子がおかしい。彼女は気分屋な面もあるしトレーナーの自分に対しての扱いはかなり雑ではあるが、友達やチームメイトから誘いを一刀両断するような性格の子ではない。どうしてにべもなく断ったのか、理由について考えて──ふと簡単な答えに思い当たった。
凸『…もしかして怖いのか?』
「………いや、そんなんじゃないし…」
……正直驚いた。レースとなればどんな相手にでも恐れず挑みかかる彼女にも怖いものがあったとは思いもしなかった。口でこそ否定はしているがあからさまに目が泳いでいるあたり、強がりであろうことは想像に難くない。 - 81二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 11:17:49
そういえば以前遊園地へ一緒に出かけた時もお化け屋敷だけは入らなかった事を思い出した。
全部のアトラクションを制覇してやるという入園前の彼女の意気込みに反し、唯一そこだけは近寄らなかったのだ。
あの時は「やっぱり疲れたからやめた」と適当にはぐらかされたがそういうことだったのかと合点がいった。
凸『イブ』
「…何?」
語気こそ強気ではあるが彼女からは何処となく後ろめたさのようなものを感じる。おそらく肝試しに行きたくないのも事実だが友達からの誘いをバッサリと断ったことに対して、彼女なりに思うところがあるのだろう。幸い此処には自分と彼女しかおらず、先ほどの返事はまだ他の誰にも聞かれていない。
即座に拒否するほど嫌がっているのであれば彼女の意見を尊重するべきなのだろう。しかし彼女に後悔をさせたくないのも事実だ。現に今の彼女の背中には僅かばかりの影が差しているように見えた。
ほんの少しの間、考えてたどり着いた結論は…
→『二人で一緒に参加しよう』
『ここでみんなの帰りを待とうか』
「……トレーナーさっきの話ちゃんと聞いてた?」
ここは心を鬼にして彼女を連れて行くことにしよう。
「だから行かないって言ってるじゃん。じゃあ私もうお風呂入ってくるからほっといてよね。……ッ…! ちょっと待って!離して!!お願い離して!!嫌だから!!ヤダからぁ!!ヤダっ…ヤだやだぁ……!!」
目を潤ませながら言っているあたりやはり相当に肝試しのことが嫌なようだ。しかし駄々を捏ねながらも抵抗はそこまで激しくないところを見るに、彼女自身も我儘の類いを口にしていたことは自覚していたらしい。
或いはお化けがダメだからといって感情に振り回されたような言動をしてしまったことについて、彼女のプライドが許さなかったのかもしれない。もし普段の彼女であれば自分に捕まる前にとっとと逃げ出しているだろう。それとも逃げ出す力も出ないほどに心の余裕を無くしているのだろうか。
……早速自分の行動に後悔を覚え始めたがそのまま彼女を連行していった。
- 82二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 11:20:58
凸『………』
「………」
肝試しの会場に着く頃には彼女も落ち着いていたが、その代わりにあからさまに不機嫌な状態だった。加えて無理矢理連行していたことにより到着が遅れたため、意図せずして自分達が最後の出発者となっていた。会場には既に一人もおらず、冷たい夜風と薄暗い街灯だけが自分と彼女の二人を出迎えていた。
この肝試しはチーム1の破天荒──もといチーム1のムードメーカーであるあの子が主催したものだ。
内容としては廃寺の前にあの子が置いてきたというお札のコピーを取ってからゴール地点へ向かうというシンプルなルール。だが月明かりすら届かない鬱蒼とした雑木林の中を参加者は懐中電灯片手に進まなければならない。ブレイブロードを無理矢理連れ出した身ではあるが、いざこうして林の入り口に立ってみると、えも言われぬ光景と静寂に対して何か背筋が冷たくなるのを感じていた。
凸『イブ?…』
「………」
彼女は露骨にそっぽを向いたままだ。
声を掛けた際、耳と尻尾が僅かに動いたところを見るに、無視をしているようでこちらの言葉自体には耳を傾けているみたいだ。
機嫌こそ悪いが帰ろうとする気配は無いあたり先ほど連行しようとした時に立てていた予想は概ね正しかったらしい。とはいえ彼女の機嫌が直り切るまで待っている訳にもいかないだろう。あまり遅くなるとそれこそ肝試しレベルでは済まなくなりそうだ。
凸『合宿が終わったら何か美味しいものを奢るよ』
「…」
耳が先ほどよりも大きく動く。その後、彼女自慢の尻尾に籠っていた過剰な力みが消えたのが目に見えて分かった。どうやら彼女自身、これ以上スタート地点で足踏みする事は性に合っていないと考えていたようだ。先ほどまでの彼女が欲しかったものは何かしらのキッカケだったということか。
「……早く終わらせてお風呂入る」
凸『…ああ、それじゃあ始めようか』
何分かぶりに口を開いた彼女と共に懐中電灯の電源を付けて、より深い暗がりの中へ互いに足を踏み入れた。
- 83二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 11:23:40
「………」
普段の彼女からは考えられないほどに口数が少ない。加えて彼女はパーソナルスペースが広めな方であったと記憶していたが今は自分の身体スレスレの位置を保って歩いていた。
凸『大丈夫か?』
「…ッ!!だ、大丈夫だけど!?」
……とても大丈夫そうには見えないがその辺りに突っ込むと更に機嫌を損ねそうなので取り敢えず捨て置くことにする。
林の中は想像以上に暗く、足元に気をつけなければ樹の根っこや泥濘に足を取られそうになる。何の仕掛けも施されていない些細な不安要素だけでも、周囲の雰囲気と合わさればこんなにも恐怖心を煽ってくるものかと感心する。
これに加えて例のあの子が取り付けた仕掛けなんかもあるはずだ。どんな仕掛けをしているかについては考えるだけ無駄だろう。担当トレーナーのお弁当のたくわんを発光させたり、生徒会室に低温花火を仕掛けたり、生徒会室の照明を超強力LED投光器に置き換えるような子だし。
…何か生徒会に恨みでもあるのだろうか。
まぁ始まる前から不安になっていても仕方がない。イブは聡い子だから寧ろ人の手が加えられた仕掛けを見つけた方がかえって落ち着けるはずだ。加えて一番最後の出発ということもあって足元をよく観察すれば先に進んだ参加者達の足跡を見て取れる。複数の足跡に沿って進めばルートを大きく外して迷う事もない。そうすれば短い時間でゴールできるだろうと考えていた。
そんな時だった──
- 84二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 11:26:23
???「ハシラナイデマッテクダサイヨォ!!!」
???「いやああああああああああ!?!?!?に、偽者ーッ!!??」
???「でれれでれれでれれでれれでれれでれれでれれれん!でれれでれれでれれでれれでれれでれれでれれれん!ぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺ!ちゃらららららららららん!だんっばばっばば あんなこっといいな!でっきたらいっいな!あんなゆっめこんなゆっめいっぱいあるーけどー!!!!!」
突如として挙がった悲鳴と奇声が雑木林の中に響き渡った。
とっさに身構えてしまったがよくよく考えればいずれも聞き覚えのある声だ。いや最後の爆音の方は少し自信が無いけれども。
大方他の参加者達が肝試しの仕掛けに引っ掛かって驚いたであろうことは想像に難く無い。自分よりも驚いている人間がいればかえって落ち着くものだとは聞いてはいたがこのような感覚だろうか。
まあ皆元気そうで何よりだと軽く息をつき、隣の彼女へと目を向けると──
「───」
感情が根こそぎ抜け落ちたような真っ青な顔をしていた。
彼女の真顔自体はそこまで珍しいものではない。対戦相手から挑戦状を叩きつけられた時やレースでの獲物を見定めた時など、彼女の中の何かしらの琴線触れた際に目撃する事が間々あるからだ。
だがここまでの無表情を目撃したのは担当してから初めての事だった。
凸『お…おい。イ──』
声を掛けた直後、彼女は自分の左腕を掴んで猛然と走り出した。
芝とダートの双方を踏破する柔軟性とトレセン学園でも上位の速度と力強さを持ったその脚で瞬く間に林の中を駆け抜けていく。
自分と彼女の体格差は二回り以上あるはずだが、そんな事は些事だとでも言わんばかりに自分の腕を握りしめて全速力で飛ばしているのが分かる。おそらくレースのラストスパート時の速度と遜色ないだろう。
さながら車に引きづられているスタントマンの気分だ。全身をそこらじゅうの枝や地面や根っこやらにぶつけながら驀進している。あと掴まれてる方の腕がメッチャ痛い。身体は頑丈な方だと自負していたが冗談抜きで腕が千切れるかと思った。
- 85二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 11:28:47
引きづられて前後左右と上下の区別が分からなくなるほどの時間が経った頃にはゴール地点へと到着していた。彼女の片手にはお札が2枚握られている。どうやらいつの間にか廃寺を経由していたらしい。そういえば途中で石畳らしき物にも身体をぶつけていたことを思い出した。あの時は頭を働かせている余裕などなかったので気づけなかったが。
ゴール後、自分の腕を解放した彼女はチームメイトと二言三言ほど言葉を交わした後、フラフラとした足取りで合宿場へと向かっていった。
数分後、ようやく平衡感覚を取り戻した自分もヨロヨロと歩きながら合宿所へと向かった。
途中すれ違う人達から凄まじい奇異の目やら絹を裂くような悲鳴やらを浴びた気がするがそんな事を気にしている余裕は全くなかった。
とはいえ合宿所に着いた頃には全身の痛みは引いていたし、風呂から上がる頃にはすっかり普段の調子を取り戻していた。
翌日ブレイブロードと顔を合わせるも全然口をきいてもらえなかったが、にんじんパフェで有名なスイーツバイキングのお店に連れて行く約束をしたことで許してもらえた。
根性が10上がった
- 86二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 11:32:50
これでイブとイブトレの一夏の肝試しは以上になります
もっと他の人たちみたいにコンスタンスにSSを書けるようになりたいべ… - 87メジロエスキーの人21/12/31(金) 11:45:40
所々にチーム絡みがあるSSもいいね。読み応え十分で良きでした。
- 88二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 12:13:43
どちらのSSも面白かったどす!フラリンちゃんも混ざってて私、嬉しゅうございました!
- 89二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 15:22:32
今年もあと半日足らずで終わるけどチームカオスの年越し風景ってどんな風なんだろ
案外一周回ってまったりと落ち着いた雰囲気だったりしないかなあいややっぱ無理か - 90メジロプログレスの人21/12/31(金) 15:23:38
ブレイブロードちゃんとホラー映画見てぇなぁ…
- 91二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 15:26:19
うちのチーム帰省するやつと残るやつとで案外まとまりないと思われ
各々勝手に年越してそう - 92メジロエスキーの人21/12/31(金) 15:42:36
残るメンバーの年越しの雰囲気気になるね。まあこのチームだししっとり年越しはなさそうだけど
- 93二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 15:46:21
牡馬ニキは寮に残るんだっけ?
誰か止められる人残るよね……? - 94二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 15:47:42
- 95メジロエスキーの人21/12/31(金) 15:54:10
安……心……?
- 96二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 15:54:17
- 97二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 15:54:42
牡馬ニキの生贄にバラカを割り当てろってことすかね
- 98二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 15:58:41
- 99二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 16:01:07
えー、それでは牡馬ニキとバラカが同室決定ということで
異論もなさそうですね - 100メジロエスキーの人21/12/31(金) 16:01:51
はーい、賛成ー!
- 101二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 16:06:44
なん……だと……?
まあバラカの方も大概迷惑を掛けることが多いでしょうから持ちつ持たれつですね(?)
脱走やアイスの準備くらいは手伝えますし - 102メジロプログレスの人21/12/31(金) 16:07:47
バラカちゃん生贄に捧げられてて草、でも波長合いそうだし問題は無いな!ヨシ!
- 103二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 16:15:21
- 104二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 16:18:20
一通り文句言った後ため息ついて「そのタオル僕はもう使いませんから処分してくださいね」と言いつつ牡馬ニキのタオルを強奪する感じかな……
- 105二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 16:20:31
牡馬ニキとバラカはもうワンフロアくらい開けとかないと他の部屋に影響与えそうで怖いのよ
- 106二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 16:23:39
- 107二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 16:24:13
それは優等生じゃないんだ◆
- 108二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 16:30:00
†悔い改めて†
- 109二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 16:47:18
つまりゴルシが麻袋と麻縄常備してるってことじゃん
- 110二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 17:13:46
「ちょっとゴルシさんが困っていたので助けただけなのにお説教されるなんて心外です。慈悲の心は何処に行ったのでしょうか」
「主犯に拉致用の道具類を提供するのは幇助行為と言って犯罪なんだよ……」
「なるほど……刑法には疎くて知りませんでした。さすがトレーナーさん物知りですね」
「確かに刑法だけど、それ以前の問題なんだよなあ」 - 111メジロエスキーの人21/12/31(金) 18:59:28
えーっと……本当にSS最後まで書けちゃったんですけどどうしましょう……?
- 112フラワリングタイム21/12/31(金) 19:02:55
書ききったんですか!
よく頑張りました( *ˊᵕˋ)ノˊᵕˋ*) エライエライ - 113メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:43:36
じゃあもう最後まで載せちゃいますね
前走から明らかに練習の調子がいいエスキー。たぶんレースが終わったあとのアレが原因だとは思うんだけど、前より甘え具合が加速してる気が……
「ふぅ…よし、自己ベスト更新です!」
「お疲れさまエスキー。はいドリンク」
「ありがとうございます姉さま!」ギュー
「汗かいてるんだから離れて! 先に汗拭く!」グイーッ
「むぅ……はぁい……」
「……ちょっとだけならギュってしてあげる」
「……! ありがとうございます姉さま! 大好きです!」ギュー
こんな感じに露骨にガッカリするから、こっちも罪悪感を感じて折れちゃうんだよね……アタシも甘いな……
「……はい、もうおしまい! 今日の練習はこれで終わりだから一緒に着替えに戻ろ? 家に帰ったら晩ごはん作るから手伝ってね」
「はーい♪ 姉さまの手料理楽しみ〜♪」
「ほとんど毎日食べてるでしょ」
「毎日食べてても楽しみなんです〜♪」
「はいはい……」
─────
「やってきましたね、レパーズタウンレース場!」
「パリから直行便があってよかったね。もしなかったら電車とフェリー乗り継いでこないといけなかったから」
アタシたちはパリ・ボーヴェ・ティレ空港からアイルランドのダブリン空港への直行便に乗り、空港からはアスコットの時と同じく現地のURA職員に車で送ってもらった。
「ここはまだコースの形普通ですよね。上り坂は多いですけど」
「それはアスコットとかグッドウッドみたいなレース場のインパクトが強すぎるだけで、日本のと比べたらやっぱりアタシは違和感あるかな」
「あと思うのが日本だったらGⅠは大体フルゲートですけど、こっちでフルゲートってあんまり見ないような……今回だって8人立てですし」
「強い子が出るならわざわざぶつけないっていうのと、バ場が合わなかったら直前にでも回避するからね。ゴタゴタが重なってGⅠなのに3頭立てになったこともあったみたいだし、そこはヨーロッパ特有なのかなってアタシは思うな」
「出れるなら出たらいいのに……」
「それはアンタは出たら勝てるからね……」
「むぅ……」
「むくれてないで。もうすぐ集合時間だから行っておいで」
「はぁい。今日も勝つところ見ててくださいね!」
「うん。1番前で見ててあげる」 - 114メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:44:06
─────
『──さあ4コーナーを回って最後の直線、上り坂! さあここで中を突いて上がってきたのは1番人気メジロエスキー! 昨年BC覇者やインターナショナルS覇者が襲いかかってくるが問題なし! 2バ身、3バ身突き放して今ゴールイン! ヨーロッパ10ハロンの頂上決戦もあっさり突破! 来月のロンシャンがさらに楽しみになってきました!』
もはやこの距離に敵はなしと言わんばかりの楽勝劇。これなら……!
「ただいま戻ってきました!」
「お疲れエスキー。今日も強かったね」
「アスコットより走りやすかったのでスタートからスーッと行ったらあっさり勝てちゃいました、えへへ……」
「やっぱりエスキーは凄いね。じゃあ今回のご褒美は何が欲しい? もちろんデート以外でね」
「うーん、そうですねぇ……あっ」
「何か思いついた?」
「姉さま姉さま、ちょっとこっちに来てくださいっ」
「? いいけど……ってわっ!?」
グッと腕を引っ張られお互いの体が密着する。そしてエスキーの顔がアタシの顔に近づいてきて……
チュッ
「んっ……今回はこれで満足することにします♪」
「口にされるのかって思って目閉じちゃったけどほっぺたで良かったの?」
「えっ、姉さま、口が良かったんですか!? では今からゆっくりねっとり……」
「そ、そ、そんなわけないでしょ!!! バカなこと言ってないでライブの準備してきて!!!」
「残念……わたしはいつでも待ってますからね♪ じゃあ行ってきますっ!」
駆け足でライブの準備に向かっていくエスキー。
「……将来のこと考えたらいろいろ練習した方がいいのかな……っていやいや何考えてるのアタシ……」
頭をブンブン振って邪念を振り落とす。これからもあの子のペースに巻き込まれないようにしないと……
次走、日本の夢、凱旋門賞。
- 115メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:45:08
「いよいよ来たね……」
「はい……流石にわたしも緊張します……」
10月、パリ・ロンシャンレース場。なんのために来たかというと……
「凱旋門賞、世界一を決めるレース。ほんとにここまで来ちゃうなんて」
「わたし頑張りましたから! もちろん姉さまが支えてくれたおかげですけどね」
「ありがと。レースプランは大丈夫? コースの形は頭に入ってる? 蹄鉄はちゃんと打ってる?」
「大丈夫ですよ姉さま。いつも通りで問題なしですっ!」
これまで大きなレースに送り出してきて慣れたつもりだったけど、凱旋門賞となったらやっぱり緊張しちゃうんだよね……
「じゃあいつも通り1番前で勝つところ見てるから」
「はいっ! ではまた控え室で待っててください!」
─────
『──回凱旋門賞、さあ今ゲートが開きました! 横一線ほぼ綺麗に揃いました。1、2コーナー中間のポケットからおよそ1000メートルでの先行争いです。大方の予想通りペースメーカーとされる2人が前でレースを引っ張る形となりそうです。有力ウマ娘たちは後方に控える形となりました。日本のメジロエスキーも後方の少し外側でレースを進めています』
うん、大丈夫。思っていたよりペースは上がってないけど、この位置なら十分脚も溜められるし、前も捌いていける。ただ後ろの子がわたしをマークしてる気がするんだよね……
『──さて最初の1000mですが……1分5秒ぐらいで通過したでしょうか。少し遅い流れになっています。まもなく上り坂が終わる第3コーナーに差し掛かります。この辺りから徐々にバ群が固まってきて一気に坂を下りながら右にカーブを曲がってまいります』
よし、プラン通りある程度前の位置が取れました。あとはこの位置をキープしつつ最後の直線まで足を溜められたら……!
- 116メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:45:45
『──さあ最後の直線に入ってまいりました! ここで先頭入れ替わっておりますが、ここで英愛ダービーウマ娘が中を割って上がってくるか……いやその外から日本のメジロエスキーとフランスダービーウマ娘が前に並んできて残り300mを切ります!』
やっぱりこの子、わたしが仕掛けるのを待ってたみたいに一緒に上がってきてる……でも最後の瞬発力なら日本のわたしの方が……!
『──200mを切りましてこれは完全に2人のマッチレースになった! さあ日本の夢かフランスの意地か!』
負けない! 絶対に負けない! これはわたしだけの夢じゃない。姉さまの、メジロ家の、日本のみんなの夢なんだから!
「絶対に負けるもんかあぁぁぁぁ!!!!」
『──ここでわずかにメジロエスキーが抜け出した! フランスダービーウマ娘も粘っているが突き放す! 1バ身ほどのリードで今ゴールイン! 日本の夢が! 今! このロンシャンの舞台で叶いました! この凱旋門賞、勝ったのは日本のメジロエスキー!』
「やった……勝ったんだわたし……」
まさに全力を出しつくしてフラフラとなりながらも声援をくれる観客席に向かって深々と一礼。そして顔を上げるとそこには姉さまの姿が見えた。そこで安心してしまったのか体がグラっと傾き、
「エスキー!? 大丈夫!?」
「あ、姉さま……ありがとうございます……」
姉さまが受け止めてくれた。
「無理して立ち上がらなくていいから。ほら、アタシの背中におぶさって」
大勢の観客の前で少し躊躇ったけど、ここでまた倒れちゃったらそれこそ恥ずかしい。だから姉さまに甘えることにした。
「ご褒美もらっちゃいましたね……」
「これがご褒美なわけないでしょ。とにかく控え室まで運んでいくから」
「はい……」
やっぱりわたしこんな優しい姉さまが大好きです……
- 117メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:46:33
「んっ……あれここは……?」
「起きた? あ、無理して起きなくていいから」
目覚めたのは控え室じゃなくて近くの病院の診察室だった。けどわたしたち以外には誰もいないような……
「え、わたし怪我してるんですか? どこも痛くないですけど。あとウイニングライブは……」
「ううん、そうじゃなくて。ライブはまだ全然間に合うから大丈夫……じゃああとは説明お願いしますタキオンさん」
「突然すまない、エスキー君。凱旋門賞制覇おめでとう」
姉さまの呼びかけにドアから現れたのはまさかのタキオンさんだった。
「あ、ありがとうございます……でもタキオンさんがどうしてここに?」
「もちろん世界最高峰の戦いで何か研究に活かせるものはないか見たかったというのもあるんだが、1番は君、エスキー君のことだよ」
「わたし……?」
「端的に言おう。エスキー君、君の体はもう限界だ」
「えっ……」
タキオンさんの言葉に一瞬頭が真っ白になる。でも……
「いやでも去年の春にあと2年ぐらいはって……」
「私もそう考えていた。だが、君は私たちの想像以上に走った、いや走れてしまったんだ」
言葉に詰まるわたしを差し置くかのようにタキオンさんは話を先に進めていく。
「先ほど君が眠っている間に少し体を調べさせてもらった。ウマ娘特有の細胞や遺伝子の活性化について詳しくは割愛するが、その活性化の数値が我々の想定を超える減少を見せていた。おそらく君の体はそのまま年を越すことはできない。体への負担を考えるとレースもあと1つ走れるかどうか……」
「え、そんな……」
覚悟は決めていたつもりだった。でもそれはもう少し先の話で、あと2ヶ月もないなんて考えもしなかった。
「突然の話で本当にすまない。だが伝えるとすれば今しかなかった。何も知らずに送り出すなんて無責任極まりないことは、この事態を引き起こした張本人が1番やってはいけないことだからね」
「いい、いいんですタキオンさん。いずれ来ることでしたから」
頭を深々と下げるタキオンさんに頭を上げてもらう。
「……とりあえずライブしないと怒られるのでレース場に戻りますね」
「ちょ、ちょっとエスキー!?」
ベッドから下りスタスタと病室から出ていくわたしを姉さまは慌てて追いかける。だけどわたしはそれに気づかないふりをして走ってレース場へ戻っていった。
(じゃあこのわたしの気持ちは……)
- 118メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:47:06
─────
「ねえエスキーどうしたの? ずっと黙ってないで。怒ってるならアタシにもちゃんと言ってよ。全部受け止めるから」
ウイニングライブを終えレース場から家への帰り道、ずっと姉さまはわたしに声をかけ続けてくれていた。おそらくわたしがタキオンさんのことを怒ってると思っているのだろう。でもそれは……
その状態は家に着くまで続いた。
「……ただいま。とりあえず早くシャワー浴びてご飯食べて寝ないと……ってエスキー!?」
家の玄関のカギを締めるやいなや姉さまの腕を掴み引っ張っていく……寝室に。
「わっ!? ほんとにどうしたのエスキー!?」
ベッドに投げるように姉さまの腕を離しその上に覆い被さる。そして、
「ちょっ、それは駄目だかr…んっ……」
まるで唇を奪い取るかのような強引なキス。舌を無理やりねじ込み絡ませていく。ただそんな時間も長くは続かず、姉さまがわたしの顔を引き剥がすかのようにして終わりを告げる。
「……ぷはっ。ちょっとエスキー! これは一体どういう了見で……って泣いてるの?」
姉さまに言われて自分の瞳から涙が零れていることに初めて気づく。
「あれ……なんでわたし泣いてるんでしょう……泣きたくなんてないのに……」
目尻に溜まった涙を姉さまがそっと指先で掬ってくれる。
「ねえエスキー。今日だけは我慢しなくていいから。前にも話したでしょ。事実を伝えたとき何があっても受け止めるって。だからエスキーの気持ちが静まるなら、いいよ。さあおいで」
「姉さま……姉さまぁ!」
その夜は長く長く続いた。2人とも疲れて眠り込んでしまうまで、淫らな水音と2つの嬌声を響かせて……
- 119メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:47:39
─────
外が眩しい。ベッドの横の時計を見やるともう朝の10時を過ぎていた。ベッドには自分1人ということは姉さまは既に起きてるみたい。
「んしょっと……」
いくら家でも何も着ないのは恥ずかしいから衣装ケースからパジャマを引っ張り出し、それを着てリビングに向かう。
「姉さまいるかな……」
そーっとリビングへ足を踏み入れると、キッチンで朝ごはんを作ってる姉さまを見つけた。
そのまま気づかれないようにじっと見ていると目が合ってしまい、
「あ、エスキー起きた? おはよう。朝ごはん食べるよ」
「お、おはようございます姉さま……」
気づかれてしまっては仕方ないのでリビングに入り、姉さまと朝ごはんを食べ始める。
(き、気まずいです……昨日の今日では流石に……)
「エスキー? 早く食べないと冷めちゃうよ」
「へっ?! あ、そうですね……」
姉さまはまるでいつもどおりの朝を迎えたかのように振る舞っている。
(あれ、もしかしてこれわたしがおかしいんでしょうか……)
「エスキー、ずっと黙ってるけど、もしかして昨日のこと気にしてる?」
「えっ、あの、その、はい……」
「それはアタシもびっくりしたよ? ベッドに押し倒された時はどうなるのかなって怖かったけど、泣いてるエスキーの顔を見たら、ああこの子今までずっと溜めてた気持ちをどこかにぶつけたがってるんだって気づいてね。その気持ちがアタシにぶつけて解決するなら1番マシかなって」
「ね、姉さま……」
「あっ、ただこれからは絶対駄目だからね。もしやってきたら一生口聞いてあげないから」
「そ、それは肝に銘じておきます……」
- 120メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:48:05
- 121メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:48:46
次走が有馬記念に決まってからの日々はそれはもう忙しかった。学園と日本のURAに帰国の連絡、滞在していたフランスのURAに赴き送迎の手配含めいろいろお世話になったことへの御礼、家の片付けなどなど…… 日本に戻ってからも今度は学園と日本のURAへ御礼に赴いた。マスコミ対応として記者会見を開くことになり、有馬記念への練習に初めて入ることができたのは帰国して1週間が経ってからのことだった。
「練習お疲れさま。はい、ドリンク。久しぶりの日本の芝はどう?」
「ありがとうございます姉さま。走り出しは少し違和感あったんですけど、なんだかんだ1年半走ってきた芝なのですぐに慣れました。あとはヨーロッパとは違うペース感覚に戻せたら本当は大丈夫なはずなんですけど……」
「もしかして、体がもう衰えてきて……?」
「おそらくそうだと思います。今考えると、キングジョージの時がMAXだったんじゃないかなと。凱旋門賞もその時の調子だったらもっと2着の子を離せていたと思うんです」
「ということは今回の有馬記念は……」
「みんな期待してくれてますけど、正直ギリギリかなって思ってます。しかも相手するのは……」
「同世代のティーケイシンボリか」
エスキーを除けば中長距離界では世代屈指の実力を持つティーケイシンボリ。ロブロイやデジタルもいるけど、おそらく最後は2人のマッチレースになる公算が高い、エスキーの衰えが確かであれば。
「ただ、衰えていたとしても今までのレース経験と鍛えた事実、そしてレースの知識が消えるわけじゃありません。そこで戦えれば勝算は十分あります」
「うん、分かった。アタシはエスキーの言葉を信じる。2人でラストランをしっかり飾ろうね」
「はいっ、姉さま!」
- 122メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:49:18
─────
『午後3時現在、11万8000人ものファンが詰めかけております中山レース場。いよいよ枠入りが始まろうとしておりますが、解説の田吉さん、やはり去年の1、2着の子が中心と考えてみてよろしいんでしょうか?』
『そうですね。おそらくシンボリの方は去年の雪辱を果たそうとメジロを目標にレースを進めると思うので、後続はその2人の動きを見ながら動いていくという展開になると予想されますよね』
『同じく解説の西さん、注目しているウマ娘といえば誰なんでしょうか?』
『やはり大外13番のメジロエスキーでしょうか。日本初の凱旋門賞ウマ娘ですからね。ラストランということで有終の美を飾るのか期待したいところです。クラシック級ではやはりゼンノロブロイでしょうか』
『さあ枠入りは順調に進みまして最後にこれがラストラン、グランプリ連覇なるか13番メジロエスキー。ゆっくりとゲートに入っていきました。さあ態勢完了……今ゲートが開きました! 13人綺麗にゲートを出まして3コーナーから4コーナーのカーブへ向かってまいります』
よし、スタートはバッチリ。今回も大外枠引いちゃったけどすっと中団前につけることができた。ただすぐ後ろには、
(エスキーさんと走るのは今回が最後。ダービーと去年の有馬の雪辱、果たさせてもらいます!!!)
並々ならぬオーラを漂わせてティーケイさんが構えている。わたしを徹底的にマークするように。
『──正面スタンド前に出てきまして、おっとこれは意外な展開。シチーオブダンスは控える形! なんと3番手でレースを進めております。その後方にゼンノロブロイ、メジロエスキー、外目を突いてティーケイシンボリら5人ほど固まって、また少しバ群が開きまして4人、また少し開いて最後方に1人といった隊列でレースが進んでおります』
レースが中盤に差し掛かり、かなり長い隊列になった。先頭は今年の菊花賞を勝った子が引っ張る形だけど、いつもの有馬記念よりペースが速い。いくら菊花賞を前目で運んで勝ったスタミナがあるとはいってもたぶんレース終盤で垂れてくるはず。前はシチーオブダンスさんが残るかどうか。やっぱり最後は……
- 123メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:49:58
『──先頭から殿まで20バ身以上の縦長の展開で2度目の3コーナーへ向かいます。さあ前は固まってまいりまして、この辺りでシチーオブダンスが内を突いて先頭に迫ります。』
((よしっ! 脚は十分残ってる! ここで!))
『──とここでメジロエスキーとティーケイシンボリが楽な感じで4番手、3番手。シチーオブダンスは苦しいか!』
2人同時に仕掛ける形になって前に迫る。位置取りはわたしの方が前だけど、その分少し前半で控えたティーケイさんの方が脚が残ってるはず。勝負は完全に五分五分。
『──さあ第4コーナーを回って最後の直線! 先頭は早くもここでメジロエスキーとティーケイシンボリの2人に替わる! 後続を突き放し完全にマッチレースになった! 後続とのリードは3バ身、4バ身と広がっていくがマッチレースはまだ続いているが、わずかに外の方が勢いがいい!』
内がわたしで外がティーケイさん。リードはもうない。むしろ逆にこの勢いなら……そう俯きかけた瞬間、
「エスキー!!! 頑張れー!!!」
姉さまの声が聞こえた。わたしを、わたしだけを応援してくれる姉さまの声が。
そう、負けちゃ駄目だ。これが姉さまと臨む最後のレースなんだから。そう、このレース、
「勝つのはわたしだあぁぁぁぁぁ!!!!!」
- 124メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:50:29
『──いやここで内も盛り返す! 凱旋門賞ウマ娘の意地か、天皇賞ウマ娘のプライドか、勝つのはどっちだあぁぁぁ!』
全く並んでゴール板を駆け抜ける。たぶん写真判定になるのだろう。ただ、ティーケイさんがわたしの所に駆け寄ってきて、
「おめでとうございます、エスキーさん」
「えっと、まだ判定が……」
「いえ、エスキーさんが勝ってます、悔しいですが」
ハナ差の決着、それもわずか数cmの差であってもどっちが勝ったか感覚的に分かるウマ娘も多いと聞く。わたしは無我夢中で走り抜いただけだから全く分からなかったけど。
「ほら、見てください」
そうティーケイさんが指差したターフビジョンの掲示板に、
1着 13
2着 12
3着 3
4着 2
5着 1
の数字が点滅していた。
「勝ったんだ、本当に……!」
「今までありがとうございました。雪辱を果たせなかったのが本当に残念です。これからは一体?」
「えーっと……少し海外を見て回ろうかと思ってます。トレーナーの研修について行こうかと」
「では将来はトレーナーに?」
「一応そのつもりです」
「それは楽しみです。いつかあなたの姿をまた見られること期待してますよ」
「……はい。頑張りますね」
ちょっと嘘をついちゃった。でもトレーナーに戻るんだから、またよろしくねティーケイさん。
- 125メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:50:57
─────
「ただいま戻りました……ってわぁ!? 姉さまどうされたんですか!?」
「良かった……本当に良かった……うぅ……」
涙で目を腫らした姉さまに強く抱き締められた。それはもう強く。
「姉さま泣きすぎですよ。まだお別れじゃないんですから」
「だって、だって、もうこれで走るの最後なんだから……!」
「よしよし……姉さまは泣き虫ですねっ。これじゃどっちが姉さまか分からないじゃないですか」
「うぅ……えっぐ……」
─────
そうした時間がしばらく続き、姉さまが落ち着いたところでゆっくりと2人でソファに腰掛ける。
「これからウイニングライブですけど、終わったら予定通り……」
「そうね。メジロ家のお屋敷に戻ってそこで……」
元の体に戻って意識を取り戻す。わたしは、いなくなる。
「わたしの記憶はどうなるんですか……?」
「分からないけど、タキオンさんが言うには夢みたいに消えていくんじゃないかって。今のエスキーがトレーナーの時の記憶がないように」
「そう、ですか……やっぱり……」
分かっていたことではあった。でも姉さまとの楽しかった3年ほどの思い出が消えてしまう。全部。
(一体どうしたら形に……あっ……)
「姉さま姉さま、姉さまは漫画描かれますよね」
「ま、まあ上手くはないけど」
「じゃあこのレース勝ったご褒美にこれまでエスキーと過ごしたこと全て描いてください。それで元に戻った“わたし”に見せてください。お願いしても、いいですか?」
「そっか、そうすれば思い出を形に残せる……うん、任せて。アタシの全てで描いてみせるから」
「ありがとうございます姉さま。ではよろしくお願いしますね」
これで悔いはほとんどなくなった。あと姉さまにお願いすることは……
- 126メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:52:10
12/28(日)夜
ライブを終えたエスキーをメジロ家のお屋敷に連れて行く。
「クラスの子とのお別れはしなくてよかったの?」
「ティーケイさんにはレース直後に挨拶できましたし、ラムレットさんはレース観戦に来られていたのでライブ前に少しだけお話しました。もう大丈夫です」
「そっか……」
アタシたち2人にしては珍しく会話が続かない。というよりエスキーが静かにしているからちょっと落ち着かない……
「ねえエスキー」
入浴、夕食と済ませ、自身の部屋に戻ろうとするエスキーを呼び止める。
「どうされたんですか姉さま?」
「あのね……一緒のベッドで寝ない?」
「姉さまの方から誘ってもらえるだなんて……ふふっ、もちろんいいですよ」
「ありがと、じゃ行こっか」
手を繋ぎ2人でアタシの部屋に向かう。
ぽつりぽつりと会話を交わしているうちにお互いうつらうつらしてきたから寝る準備を始める。
「じゃあ電気消すからね、おやすみエスキー」
「はい、おやすみなさい姉さま」
- 127メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:52:42
電気を消し布団に入る。ただ、
(やっぱりちょっと寂しい……あっ、そうだ)
「ねえエスキー。まだ起きてる?」
「はい、まだ起きてますよ」
「ちょっとこっちに来てくれる?」
「? はい、構わないですけど……」
そうエスキーがじりじりと近づいてきたところをギュッと抱き締める。
「えーっと姉さま? どうされたんですか?」
「ううん、ちょっと寂しくなっちゃっただけ。嫌だった?」
「全然そんなことないですっ! じゃあわたしもギュってしていいですか?」
「うん、ありがと。エスキー、大好きだよ」
「っ!? はい、わたしも姉さまが大好きですっ!」
そう話しているうちに疲れていたのかお互いすぐに夢の中へ落ちていった。
─────
次の日はおばあさまにこれまでいろいろ手助けしてもらったことに2人にお礼を伝えにいった。
「おばあさま、この2年半ほどお世話になりました。学園への編入、海外遠征の援助、感謝してもしきれません。本当にありがとうございました」
「こちらこそありがとうと伝えさせてちょうだい、エスキー。あなたにはメジロの夢をいくつも叶えてもらいました。ダービー、海外制覇、そして凱旋門賞。私の方こそ感謝してもしきれません。ドーベルもエスキーを支えてくれてありがとう」
「いえ、トレーナーにしてもらったことを返していたまでです」
「あなたはもう少し素直になった方が相手に気持ちが伝わりやすいと思うわよ」
「なっ……!? べ、別に好きな人なんていませんからっ!」
「あらあら、うふふっ」
「おばあさまってあんなこと言う人だったかな……」
「姉さまが分かりやすいからじゃないですか?」
「今、なんて……?」
「なんでもありませーんっ。えへへっ」
「はぁ、もうこの子は最後まで変わらないんだから……」
- 128メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:53:15
─────
翌日30日はアタシからのお願いでコースで一緒に走ってもらった。
「マックイーン姉さまやライアン姉さまたちは呼ばなくてよかったんですか?」
「ううん、呼んだんだけど『最後なんだから2人で走ったら』って言われちゃって」
1番最初にこの子と走った時と同じようにメジロ家のみんなにも声をかけたんだけど、アタシの気持ちを知って知らずか、みんなに『2人で走ってきて。自分はいいから』って断られちゃった。
「わたしは皆さんとでもよかったんですけど、姉さまを独り占めできるならそれはそれで嬉しいですっ!」
「アタシも。じゃあ行くよ。位置について、よーい、ドンッ!」
アタシの合図で2人一斉に走り出す。ペースも距離も考えずにただ走る。お互い楽しそうに、笑いながら。
お互い息が切れたところで足を止め、ターフの上に寝転がる。
「ハァハァ……姉さまやっぱり速いですね……」
「ハァハァ……エスキーこそ……ほんとは衰えてないんじゃないの……?」
「姉さまとだから頑張れたんですよ。もう体はだめだめです……」
「そっか……ありがとねエスキー。アタシのわがままに付き合ってもらって」
「ううん、いいんです。わたしの方が今までいっぱいいーっぱいわがまま言ってたんですから」
「それもそっか」
「えーっ!? そこは否定してくださいよぉ!」
「ふふっ、ごめんごめん」
「もう姉さまったら……ふふっ」
お屋敷の部屋に戻ってからはずっと2人でこれまでの思い出を笑いながら、時には少し涙を流しながらお互い寝落ちするまで語り合った……
- 129メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:54:04
─────
翌朝、エスキーがなかなか目覚めなかった。もしかしてもうその時がと思って焦っているところで目を開けホッとする。だけど、
「姉さま……なんだか体が重いです……あと少し熱っぽいかも……」
「ベッドでじっとしてて! すぐに主治医とタキオンさん呼んでくるから!」
あらかじめタキオンさんには何が起きてもいいように朝から待機してもらう手はずを整えていた。もちろんただの体調不良の可能性もあるからメジロ家専属の主治医もともに来てもらう。
「ねぇ主治医」
「ドーベルお嬢様、エスキーお嬢様は風邪でも病気でもありません。誠に申し訳ないですが原因は……」
「そうですか……ということはタキオンさん」
「あぁ、その時が近づいているということだね」
「そう、そっか……」
今日で最後なのは分かっていた。でもやっぱりこれでお別れなんて……
「ドーベル君、君に聞きたいことがある」
そう言うとタキオンさんは懐から謎の液体が入った試験管を取り出した。
「もし、もしだ。これで明日からもエスキー君がいてくれるなら、どうする?」
- 130メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:54:36
「えっ……そんな……ほんとですかっ!?」
魔法の言葉に迷わず食いつく。そんなことっ……!
「ちょっと待ちたまえ。確かに成分は君のトレーナー君に飲ませた物を再現している。ただあくまであの時飲んだのはヒト。それをまだウマ娘なこの子に飲ませたときにどうなるかの保証は私にもできない。もちろん問題なく作用する可能性もあるが、最悪の場合……」
そこまで言って口を閉ざすタキオンさん。おそらく、
「細胞が暴走、ないしは遺伝子の過活性化によって、死、もしくは一生目を覚まさないかもしれないってことですよね」
「完璧な補足ありがとう。そう、だから一研究者としてはオススメできない。だから私からはこの子に飲むようには勧められない。君に一任するよ」
そう言うと試験管をアタシに渡し、主治医とともに部屋を去る。アタシは渡された試験管をぐっと握りしめ、エスキーをただ見つめるしかできなかった。
─────
いつまでそうしていただろうか。気がつけば日が暮れ、夜の帳が下りていた。
「これをエスキーが飲んでくれたらまた一緒に……ううん、でもこれで一生目が覚めなかったらそのときアタシは……」
自責の念に駆られ、後を追うかもしれない。
そんな時、
「ねえ、姉さま……」
「エスキー!? 目が覚めたの!?」
「姉さまの独り言で目が覚めちゃいました……えへへ……」
「あっ、ごめんね……」
「それで、姉さまはどうされたいんですか?」
「えっ、聞いてたの……?」
「少しだけですけどね……で、姉さまはその試験管の中身をわたしに飲んでほしいんですか?」
「えっ、いや、それは……」
いざ本人に聞かれると逡巡してしまう。それを察してか
「もし姉さまが本当にわたしに飲んでほしいと思うならわたしは飲みます。ただ姉さまには考えてほしいんです」
「なにを……?」
- 131メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:55:08
そう返すとエスキーは息をスッと吸い込み、
「姉さまが本当にこれから一緒にいたい人は誰ですか? わたし、ですか?」
息が止まる。そうだ、アタシは……
そんなアタシの顔を見てエスキーは微笑んで、
「気づいてくれてよかったです」
その言葉を聞いて窓の外に試験管を放り投げる。アタシってほんとバカだなあ……
「ふふっ、姉さま勢い良すぎです……あっ……」
「エスキー!?」
少しベッドから起き上がっていたエスキーがまたベッドに倒れ込む。
「ねえ、姉さま。最後にわたしのお願い聞いてもらえますか……?」
「うん……うんっ! アタシにできることならなんでも言って!」
「えへへ、ありがとうございます……じゃあ姉さま。姉さまの想い、ちゃんと伝えてください」
「アタシの……気持ち……?」
「はい。もしかして気づかれてないと思ってたんですか?」
隠してたつもりだったんだけどバレバレだったんだ……まあ元々あの人だったわけだし、それでこれだけ一緒にいて気づかれないわけないか。
「うん、分かった。約束。指切りげんまん」
「ウソついたら夢の中で毎日出てきちゃいますからね……」
「あはは、それはちょっと困るかな……」
そう返すと、エスキーは、
「ああ、そろそろ時間みたいです……眠たくなってきました……」
「エスキーっ……! エスキーぃ……!」
「泣かないでください姉さま……また会えますから……」
「えっ……それはどういう……」
アタシの言葉に笑顔で返し、エスキーはそっと目を閉じる。そしてもう目を開けることはなかった。
- 132メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:55:42
─────
翌朝目が覚めた時、エスキーが眠っていた所にはトレーナーがいた。まるでいつもの朝を迎えるかのように。
「エスキー……ううん、アタシがこれ以上ヘコんでてどうするの。エスキーとの約束、守らなきゃ」
そこからの日々はひたすらエスキーと過ごした日々を描き続けた。時にはレースの映像を振り返りながら。時には2人で撮った写真を見て思い出を振り返りながら。トレーナーが起きるまでずっと、ずっと。
そして桜が咲き誇り、エスキーとの2年半を描き上げた日、トレーナーの目が覚めた。
「おはよ、トレーナー」
─────
長い、長い夢を見ていた。ターフを駆け、栄光を掴む、そんなありえない夢を。
少しベッドから体を起こし窓の方に顔を向けると、ドーベルの顔を見つけた。胸に何か本を抱えている。
「おはよ、トレーナー」
「ドーベル……」
「ん、まだ寝ぼけてるの? シャンとしなきゃ」
「そ、そうだな。でも何か長い夢を見ていたような気がするんだ。ありえないことなんだけど」
「ふぅん。アタシもトレーナーが寝てる間のこといっぱい話したいんだ」
「もしかしてその本……」
「そうなんだけど、ちょっと待って」
ドーベルはそこで言葉を切り、少し深呼吸。そしてこっちをキッと見つめて、
「あのね、トレーナー。アタシ、トレーナーのことがずっと──」
- 133メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:57:43
─────
それから数年。とある病院にて。
オンギャアオンギャア
「おめでとうございます! 元気なウマ娘ですよ!」
あの日想いを伝えたアタシはトレーナーと無事結ばれ、今日1人の子どもをもうけることになった。
「良かった……」
そう1人呟き生まれてきてくれた赤ちゃんの顔を見ると、頭に電流が走った。
(あっ、もしかしてこれ……)
エスキーが言っていた。また会えるって。あの時は全く意味が分からなかったけど、
(そういうことだったんだ……また会えるって……)
(じゃあ、この子の名前は……)
そう思った瞬間、トレーナー、いや愛する人が部屋に駆け込んできた。
「良かった……無事産まれたんだな……」
「そうだよあなた、ううん、パパ」
「なんか照れくさいな……それでこの子の名前は……」
「決まってるよ。エスキモー。メジロエスキモー」
「え、その名前って……」
「そうこの子は……」
そういうことだったんだ、また会えるって。
「これからはずっと一緒だよ、エスキー」
そう呟くと、
(はいっ! これからずっと一緒ですっ! 姉さまっ!)
そんな声が聞こえた気がした。
─終─
- 134メジロエスキーの人21/12/31(金) 20:59:05
大変長々と失礼しました。これにて完結です。長らくお目汚し失礼しました。なんとか最後まで書けて満足です。ありがとうございました。
- 135二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 21:12:58
完走めでたくもあるが、終わってしまったかという気持ちも半々…
薬を飲むかどうかの選択を最後に問うのってウマ娘になってもトレーナーだった頃の本質が出てるようにも見えてすこ
それはそうとエスキモーって名前めっちゃあったかそう - 136フラワリングタイム21/12/31(金) 22:01:00
投稿お疲れ様でした!年末に良いものを読ませて頂きました。ありがとうございました!(。ᵕᴗᵕ。)
- 137メジロエスキーの人21/12/31(金) 22:59:46
https://bbs.animanch.com/board/188826/?res=128
ここから書き始めたのでちょうど1ヶ月で書き切れましたね。疲れた……どれだけ読んでくれてたかは分からないですが
- 138メジロエスキーの人21/12/31(金) 23:02:10
最後にメジロエスキモーちゃんのプロフと血統(仮)を貼りつけてフィニッシュ
○メジロエスキモー
学年:中等部
所属寮:美浦寮
身長:155cm
3サイズ:B85W55H86
バ場適性:芝A ダートE
距離適性:短距離E マイルC 中距離A 長距離A
脚質:逃げG 先行A 差しA 追込C
勝負服:メジロエスキーの勝負服がベースだが、腰にドーベルの勝負服のベルト、手袋と耳飾りもドーベルと同じ物を使用
私服:キレイめファッション
耳飾り:右
黒髪ロングでよくクールビューティーと思われるが、意外と快活な性格で交友関係は広い。ただ親譲りの真面目さで成績は優秀。まさしくTHE 学級委員長。入学前からトレーナーである父からレース知識を、母からレース感覚を叩き込まれており、周囲からの期待は高い。両親のことが大好きで2人のことになると早口になったりするのは秘密。 - 139二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:02:58
ディープインパクト産駒ベルトレ…
- 140二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:10:45
完結おめでとうございます……!
今年の最後にすごく素敵なものを読ませていただけてよかったです!
エスキモーちゃんはこのスレで一番若い(新しい)子なのかな? - 141二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:11:17
今後もエスキーという形で出るのだろうか、あるいはエスキモーが出るのかは気になるところ
- 142メジロエスキーの人21/12/31(金) 23:21:04
そこはエスキモーちゃんが不思議な力で未来からタイムスリップしてきた設定でなんとか2人共存させていただければ……
- 143二次元好きの匿名さん21/12/31(金) 23:22:25
じゃあゴルマクな感じということで()
- 144メジロエスキーの人22/01/01(土) 00:10:08
- 145二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 04:07:06
見事に年が明けたところで、元旦といえば初詣だけども、ここにいるウマ娘たちってどんなお願い事をするんだろうか
あと初詣という事で着物で着飾った状態で、トレーナーとデートしてる子もいそうだよね - 146二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 07:15:08
バラカは普段どおりの格好かな 着物も良いけど寒そうだし
願いは故障なしとか健康祈願とかそのへん? 強くなるとかレースに勝つとかはお願いしない気がする - 147メジロエスキーの人22/01/01(土) 08:30:57
エスキーちゃんは「今年も姉さまと一緒にいられますように」とか「今年も勝ちますから見ててください」かな。メジロ家で行くからもちろん着物着て
エスキモーちゃんは「パパもママも健康でありますように」と「怪我なくレースに出て勝つ!」かな。メジロ家で着物着て初詣行くけど、そのあとチームやクラスメイトの子と普段着に着替えてまたお参り行ってそう - 148二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 09:36:26
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。フラりんは着物で初詣デートをしますが、願い事はレースに真剣で「勝てますように」とお願いします!
帰り際、寒いのでトレーナーさんに密着してコートに入れてもらいました。温かいです… - 149メジロエスキーの人22/01/01(土) 10:13:00
- 150二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 10:19:23
はい…!トレーナーさんのお陰で中央に復帰出来て、楽しい一年を過ごせたので、そのお礼もさせて頂きました…!
- 151二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 12:41:41
年末年始って学園の設備使えんのかな
- 152メジロエスキーの人22/01/01(土) 12:53:09
- 153メジロエスキーの人22/01/01(土) 16:35:01
上げるついでに質問。
初詣で飲んだ御神酒でフラフラになったフリをしてトレーナーの家に上がりこむ作戦考えたんだけど、どう? - 154二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 16:38:29
飲酒はNGでオナシャス!
フリだとしても流石にバレるんじゃねーかな… - 155メジロエスキーの人22/01/01(土) 16:43:38
- 156二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 17:19:27
甘酒で酔うのはもはや樫本理子ちゃんなんよ
- 157二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 20:50:33
- 158メジロエスキーの人22/01/01(土) 21:35:55
自分はフラりん推しますよ
- 159二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 22:34:05
一番人気はこの子です フラワリングタイム なお担当トレーナーはそれに気付いた上で「(ははあ、好きな人が出来たのか、俺は応援してるぞ!)」とクソボケをかます模様
- 160二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 22:49:12
牡馬ニキが買ってたら面白いと思いました(小並感
- 161メジロエスキーの人22/01/01(土) 22:52:41
あれ、イブちゃんのところってどうだったっけ?
- 162ゴールドエクレールの人22/01/01(土) 23:17:30
スパクリと合法でちゅねしたい…
- 163二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 00:29:25
むしろ違法でちゅねって何(何)
- 164二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 00:30:23
ナカヤマと勝負事したいな…ジュースかなんか賭けて
- 165二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 01:44:12
3年目のクリスマスで自分の気持ちに気づくまではそういった御守りは(興味がないとは言わないけれども)買わずに、トレーナーとは無邪気におみくじの結果でどっちの方が良かったを見せ合ってると思う
ただおみくじの内容から恋愛運方面に話題が広がった時に、自身の恋愛観やら理想の男性像(大雑把な説明かつふわふわした理想像で言ってる本人も気づいてないけど、実はトレーナーと符号している)やらをトレーナー本人に溢しつつ、「そういうトレーナーは彼女とかいたの〜?」とか言って相手をおちょくってる
そして自分の気持ちに気づいたタイミングで、上の言動を含めた今までのやらかしの記憶も全部フラッシュバックするので、めちゃくちゃに悶える未来が待ち受けてる
ちなみに参拝時には(もっと身体を大きくしてください)とか祈ってるよ
- 166メジロエスキーの人22/01/02(日) 08:00:23
- 167二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 12:07:04
- 168二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 12:15:35
"いるよ"ではなく"いたよ"で過去形ということは別れてるので問題は無いぞ!ヨシ!
- 169メジロエスキーの人22/01/02(日) 12:22:03
- 170二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 12:27:41
ラオウメンタル!
- 171二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 13:43:53
そういえば他の子の担当トレーナーの恋愛経験値ってどれくらいあるんだろ
- 172二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 13:58:05
あにまん民じゃないんだから恋愛くらいしたことあるやろ…
- 173メジロエスキーの人22/01/02(日) 14:05:24
そもそもトレーナーになれる時点で頭脳明晰・コミュ力抜群・(たぶん)運動できるの三拍子揃ってるから、よっぽど顔がアレじゃない限りモテるでしょ。それに担当から少し異性として意識されてる時点で顔も中〜上クラスだろうしモテない訳がない
- 174シンボリラウエンの人22/01/02(日) 14:14:40
既婚子持ちトレーナーとトレーナーとその嫁の恋愛話を聞こうとするウマ娘ちゃんは私性合
- 175二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 14:16:43
- 176トレーナーの恋バナが知りたい娘22/01/02(日) 14:39:04
トレーナー「俺の恋バナが聞きたい?まあ、あるにはあるが…実は小学生の頃に一回人を好きになった事があるんだが、彼女はウマ娘だったんだ」
トレーナー「俺は彼女に焦がれて、告白しようと心に決めた。…でも、想いを伝えた時に言われちゃったんだ。『ありがとう。でも私はレースに集中したいから、ごめんなさい』ってな」
トレーナー「悔しかったよ。レースに彼女を奪われたような感覚がしてさ。それっきり声もかけられなかったんだが…中学に上がってからしばらくして、彼女からレースを見に来ないかって誘われたんだ」
トレーナー「もちろん見に行った。レースには興味無かった、というか、寧ろ憎らしく思ってたから、単に彼女の顔を見に。…レース前にパドックで手を振ったら、振り返してくれて嬉しかった」
トレーナー「その後、レースもついでに見てみたんだよ。そしたらすげぇのなんの。大好きだったあの子も、周りの子も、真剣勝負。目の前のコースを異次元の速度で駆け抜けて行くんだ。俺はもうすっかりそっちに心奪われちまった」
トレーナー「レースが終わっても興奮冷めやらぬ中で、俺は彼女を見る事を忘れてしまっていた。掲示板を見る限り、1着の番号は違った。多分、3着辺りにいたと思う。彼女は何を思ったんだろうな。勝てなくて悔しかったのか。情けないと思ったのか。地下バ道に戻る彼女はずっと俯いてたよ」
トレーナー「俺は彼女にレースに誘ってもらったお礼の手紙を贈った。でも、返事は来なかったな。俺も彼女も、それっきりもう会ってない。あの日以降、俺はトレーナーになりたくて必死に勉強してたんだ。恋も何も考えてる暇なんて無かったんだ。彼女には感謝してるよ。俺がトレーナーになれたのは、彼女のお陰だからな。…とまあ、俺の初恋の話はここで終わり。どうだ?そんなに面白いもんでも無いだろ?」 - 177メジロエスキーの人22/01/02(日) 14:44:36
- 178トレーナーの恋バナを知った娘22/01/02(日) 15:28:31
- 179メジロエスキーの人22/01/02(日) 17:15:46
文章全部好きだけど、
>貴方が大好きなレースで誰よりも輝いて、私に夢中にさせてあげる。そしたら、もっと好きになってくれるでしょ?レースも、私も。
ここが1番好き。自信満々なところもいいし、好きになってほしいって願望が見えるの可愛くて良い……
- 180シンボリラウエンの人22/01/02(日) 17:18:11
恋愛強者すぎる…
- 181二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 18:41:51
恋バナ娘良いな……ウマ娘になってくれないかな……まあ書いたのフラりんの中の人なんですけど……
- 182メジロエスキーの人22/01/02(日) 18:56:32
エスキモーちゃんは自分の気持ちに気づいてからの初詣で、
「ねえトレーナー、おみくじ見せて~」ヒョイ
「お、おい! 人のを勝手に見るなって!」
「大吉じゃん!(ふーん、恋愛面は「近くにいます」か……) はい、ありがと」
「オレの見せたんだからエスキモーのも見せてくれよ」
「うーん……だめ! 見せてあーげないっ!(だって「側にいます。ためらうな」って書いてるんだから……)」
「おいおい……まあいいか。出店でも回る?」
「うん、行こ行こ~(絶対私のこと異性として意識させてみせるんだから!)」ウデクミー
ってなってる - 183二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 19:07:22
恋愛感情の一切合切を全て封印して誰にも漏らさないのでこの手の話題に首を突っ込めないクインに悲しい過去───
- 184シンボリラウエンの人22/01/02(日) 19:23:13
ラウエンの恋バナ置いときますね…
「久しぶりですトレーナーさん。」
「もうトレーナーじゃなくて名前でいいって言ってるのに〜」
「そうですね。…そういえば今日は結構可愛らしい格好ですね」
「そう?嬉しい〜!ありがとう、ラウエン」
「昔はとても女性とは思えないような格好だったのに」
「ちょっとうるさいよ!」
「はは、何かあったんですか?」
「ん〜、最近好きな人が出来て〜」
「その人から告白されちゃって〜!」
「…はい」
「今度付き合ってから初デートするの、楽しみだな〜!」
「きっと、成功しますよ、えぇ」 - 185二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 19:42:16
嗚呼〜皆さんの恋バナも良いですね〜
読んでてドキドキしちゃいます…! - 186メジロエスキーの人22/01/02(日) 20:21:23
そのパターンは心が痛むなあ……でもこれはこれで良きですね。甘酸っぱさが素晴らしい
- 187二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 20:58:25
バラカ……は、好きだと自覚したらとりあえず突っ込みそうな気もするが
さりとてこう「僕トレーナーさんのことが好きかもしれません。どうしたら良いですかね」くらい本人に伝えて回りくどく認めてほしがりそうな気がしないでもない
そして立場的に断られたら「ですよねー……卒業してから、とかはどうですか?」みたいな感じで射程距離ギリギリからつつく感じに聞きそうだ
うわー! 我が事ながら! めんどくせえ! - 188メジロエスキーの人22/01/02(日) 21:11:15
- 189オウカムーン22/01/02(日) 21:35:31
昼食時
「トレーナーさんいつもお弁当作るの大変じゃないですか?」
「そんなことないよ、俺が作ってるわけじゃないから」
「え……ご結婚、されてるんですか?」
「ううん、彼女。大学の頃から付き合ってて、今年で2年目になるかな」
「……毎日お弁当を作ってくれるなんて、とっても素敵な方ですね!」
「おう、自慢の彼女だよ。今度オウカにも紹介………? どうした?」
「この後、後輩の相談に乗る約束をしているので……先に」
「そっか…オウカはいつも優しいな、きっと良い人が見つかるよ! でも無理はするなよ?」
「はい、では失礼しますね」
そういうやりとりを何度かするけど外的要因がないと攻められないオウカです
そのくせ後輩の恋愛相談には偉そうに乗るしみんな成就させてしまう - 190メジロプログレスの人22/01/02(日) 21:40:36
「トレーナーさん!この前一緒に歩いてた人って彼女なんですか!?トレーナーさん独身じゃなかったんですね!」
「関係ないだろ、ほらトレーニングの時間だぞ」
「い、や、で、す〜!!!!!!トレーナーさんとお嫁さんの話聞くまでここを動きませんよ!!!!!!」
「お前天皇賞絶対出て勝つって言ってただろ!!!!!!!早くやれ!!!!!!あと話を飛躍させるな!!!!!!」
(この後トレーナーが彼女との慣れ始めをすこし話した) - 191二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 21:59:21
建てなきゃ(使命感)
- 192二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 22:00:30
- 193二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 22:00:58
あざまっす
じゃあうめますね - 194二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 22:01:06
埋めるか
- 195メジロエスキーの人22/01/02(日) 22:01:12
- 196二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 22:01:36
干し梅
- 197二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 22:01:50
うめー
- 198二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 22:01:59
おつうめ
- 199二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 22:02:11
次行こうぜ次
- 200二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 22:02:17