禪院家のオリジナルキャラを書きます

  • 1二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 12:00:56

    禪院 賀樂 
    女の子らしからぬ名前をもらった彼女は禪院家にて相伝の術式を得たと言われていた。
    十種影法術、みずからの影を媒介に式神を召喚する術式だ。しかし彼女の身にその術式が宿っていると理解されるまでに長い時間がかかった。その理由は・・・

    「呪力がほとんどない・・・術式がわからぬほどの呪力とは」

    禪院家において術式も呪力も持たないものは人ではない。術式を持たない賀樂はその理の中で本人がなんの自覚ももたぬまま落伍者としての人生を歩み始めた。凄絶な生活のはじまりである。
    子供ながらほかの雑用係と同様の生活を送っていた彼女はそうそうに父に見限られ、母を失って御家の中で孤独な生活を送ることになった。

    「玉犬・・・わんわん」

    仲間内にも馴染めず、一人で影絵遊びをするのが日課。もしかすると術式の片鱗をその時に感じていたのかもしれない。しかし当然ながらそんな彼女を君悪く思う者は少なくなく、扱いはますます悪くなった。
    食事を与えられないこと、失敗を擦り付けられること、いじめを受けること。それらは彼女の日常の一部になった。

    「鵺・・・ぱたぱた」

    時間をみつけては影絵遊びをして、孤独を紛らわせるのが日常。手があかぎれても、ケガをしても。それが彼女の唯一の慰め。止められるはずもなかった。

    「ガラクタ!またお前の不始末か!」
    「ご、ごめんなさい・・・」

    ある時、彼女に災難が襲った。体よく不始末を誰かに押し付けられたのだ。他人の失敗まで数えられては雑用係の中でも失態が多くなるのは必然だったがそれに反論するだけの力も意思もない彼女はただ黙って項垂れるしかなかった。

    「一丁前に日向で遊んでいるからそうなるんだ!」

    無理矢理手を引かれて連れてこられた場所は呪霊を閉じ込めている禪院家の蔵の一つ。薄暗く影もほとんど見えない場所に賀樂は放り込まれた。

    「そこで反省していろ!名前の通りガラクタめ、父にそう名付けられたのだから仕方ないだろうがな!」

  • 2二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 12:01:17

    召使は彼女にとって耐えがたい罵詈雑言を並べ立てた。自身の名前の由来、それは彼女にまったく期待していなかった父が自身の妻と子を嘲って付けた名前。母がせめてと一字を取り、字を決めて整えた心遣いを目の前の男は踏みにじった。蔵の分厚い扉を閉められると中は呪霊のうごめく音と声で満ちており、影もよく見えない空間で賀樂は泣きながら耐えるしかなかった。

    「見えない、影・・・見えない」

    自身の唯一の慰めであった影絵も薄暗い蔵の中ではよく見えず、彼女は恐怖と不安でおかしくなりそうだった。
    そこに、追い打ちが迫った。

    『ふしゅるるる』
    「ひっ・・・」

    偶然か、それとも悪意か、呪霊を閉じ込めていた檻の封印がはがれた。呪霊は本来ならばありつけないはずの獲物をみつけて嬉しそうに口を開けた。

    『ぎぎぎ』
    「ひぎっ・・・あ、開けて!開けてよ!!誰か!助けて!」

    蔵の中を逃げまどい、壁際に追い込まれた彼女は引っ掻かれて背中から血を流しながら扉へとたどり着き、あげられるだけの大声で泣き叫んだ。

    「あけ・・・あぎゅ・・・」

    けれどだれも来なかった。来るはずもなかった。呪霊の爪が腹部を貫き、肩口に呪霊がかみついた。
    ああ、ここで死ぬ、自分は間違いなく死ぬ。助かる手段なんてしらない。ゴミのように放り投げられて蔵のど真ん中であおむけに倒れ伏した。

    (寒い・・・)

    そんな中、走馬灯で死の間際、母の教えがよぎる。

  • 3二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 12:18:05

    『どうしてもつらくなった時のおまじないよ、こうやって、こう唱えるの』

    辛いときのおまじない。彼女は最後の最後にそれに縋った。

    「ふるべ・・・ゆらゆら・・・」

    その刹那、彼女の目の前に巨大な人型の式神が顕現した。
    八握剣異戒神将魔虚羅、十種影法術の中で最強の式神である。調伏を経ずに呼び出すことのできる式神であり、呼び出すことに関して術者の力量を問わないという破格の条件だ。
    しかし、一度とて呼び出してしまえば調伏の儀としてその場にいる参加したと認められる全ての者に魔虚羅は容赦なく襲い掛かる。

    「げぶっ・・・はぶ・・・」

    血を吐きながら賀樂は目の前に現れた巨大な人型をその目に捉えた。そして、その刹那、呪霊をこともなげに八つ裂きにした式神は彼女の元へと歩み寄ると

    「・・・」

    呪力を翳して彼女の腹の傷を塞いだ。負の呪力を掛け合わせて行正に変え、治癒や再生を行う反転術式だ。

    「あなた誰・・・?」

    賀樂の問いかけに式神は触れて、呪力を介することで意思を伝えた。

    「ま、こ、ら・・・魔虚羅・・・っていうのね」

    助けてくれてありがとうと賀樂が伝えると魔虚羅は喜色を満面に湛え、お返しとばかりに片腕に備わった剣を用いて蔵の中の呪霊をことごとく鏖殺、さらに彼女を閉じ込める蔵の扉をこじ開けて彼女を解放した。

    「ありがとう、魔虚羅・・・」

    唸り声しか聞こえない。しかし呪力を介して通じ合った二人はまるで会話を交わしたように触れ合った。

  • 4二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 12:21:52

    「あなたはずっと私の中にいたのね・・・うん、ずっと一緒・・・」

    魔虚羅がまるで影の粒子のように変化すると、彼女の中へと入っていく。目、口、穴という穴から。

    「ふぅ、なんだかすっきりした・・・私ってこんなに呪力があったんだ」

    魔虚羅が彼女の中へと収まると、彼女の瞳も、口の中も、何もかもが見通せない暗闇へと変化していた。
    まるで彼女の中身そのものが影になったように。

    禪院家に、新しい呪術師が誕生した。相伝の術式を備えた幼い呪術師は史上誰も成しえなかった魔虚羅の調伏を
    自らの全ての呪力を数年間にわたって差し出し続ける事、自身の全てを媒介にすることを引き換えに成し遂げた。
    彼女の術式によって顕現する魔虚羅は彼女自身であり、彼女もまた魔虚羅である。
    自身を魔虚羅の一部として、天与呪縛に等しい条件と縛りを重ねる事でこのイレギュラーが成立した。

  • 5二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 12:22:31

    バックストーリーはこんなもんですかね。とりあえず保守っていろいろと情報足していきたい

  • 6二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 12:22:55

    保守影法術

  • 7二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 12:23:12

    保守域展開

  • 8二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 12:23:47

    保守射投影術

  • 9二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 12:23:59

    ほしゅ

  • 10二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 12:24:12

    保守1

  • 11二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 12:24:55

    保守の番

  • 12二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 12:26:39

    >>11

    ありがとごぜます

  • 13二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 13:50:44

    禪院 賀樂 (ぜんいん がらく)
    性別 女
    年齢 10
    身長133センチ
    体重 30キロ+魔虚羅の重量(降ろすと増える)

    術式 十種影法術(イレギュラー)並びに降霊術。
    顕現させられるのは魔虚羅のみ。手足や腹など肉体に魔虚羅を降ろすことで肉体強度を上げることができる。
    その際には肉体が魔虚羅の形にもりもり変形するのでグロイ。
    瞳は影を思わせる漆黒になっており瞳の色は見えない。眼球が黒一色。口の中も一緒。
    影の中に落とし込むことで収納できるので(伏黒の影と同じ)口の中などに物を収納できる。
    ただし口はそんなに大きく開かないので棒状のものや小さいもの限定。

  • 14二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 15:12:47

    とりあえずいじめてきた奴らを退魔の剣で八つ裂きにしようぜ

  • 15二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 19:06:30

    >>14

    まこーら「私は許そう」

    まこーら「だが私のご主人が許すかな!」

    賀樂「そんかことよりおうどん食べたい」

    まこーら「・・・許そう(ふーふー、ずぞぞー」

  • 16二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 21:23:13

    真希真依と絡ませたいけど時代的にどうしようかなぁ

  • 17二次元好きの匿名さん24/01/09(火) 23:10:33

    ほしゅ

  • 18二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 00:31:00

    魔虚羅を顕現させ、十種影法術を会得した賀樂の生活はその日を境に一変した。

    落ちこぼれから、一瞬にして禪院家の当主候補へ。
    無力な子供から、強力な呪術師へ。
    無害な存在から、恐怖の象徴へ。

    「あは、あはは・・・鵺、玉犬、蝦蟇、大蛇、万象、脱兎~」

    賀樂は見せつけるように十種全ての式神を調伏、鏖殺した。調伏しても顕現させられるのは魔虚羅のみ。
    調伏の儀を行ったのはただ、周囲にそれを見せつけるためだった。そして変質した十種の式神は魔虚羅が操る分身として顕現する。

    「ふふふ」

    禪院家を我が物顔で歩き回るようになった彼女を咎められるものはいなかった。もはや彼女は人の枠に収まらない。
    当主であってもそれは同じ、良くて同等、下手をすれば当主も・・・。

    「ふむ、次の当主はお前だな。賀樂よ」
    「え、興味ないなぁ」
    「しかし禪院家で最強の術師はおそらくお前だ、ならば当主はお前が継がねばならん」
    「ふーん」

    当主直毘人の前で足を投げ出して座る賀樂に周囲は眉をひそめたが、その背後でにらみを利かせる魔虚羅を前に口に出せるものはいなかった。

    「じゃあさ、私が決めようか?」
    「なに?」
    「強い人で決まるなら、強い人が決めればいいじゃない」
    「・・・それもそうさな」

    直毘人は禪院家で唯一、彼女と真っ向から話せる胆力を持っていた。他の者はどこを見ているのかすらわからない漆黒の眼差しに耐えられず視線を逸らすものばかりだ。

  • 19二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 00:34:50

    「だが相伝の術式を有しているかどうかは譲れんぞ」
    「わかってるよ」

    賀樂は退屈そうにそう言うと話を切り上げて立ち上がった。

    「どこへ行く?」
    「真希姉ちゃんのところ」
    「呪力の無いアイツか?」
    「うん、お姉ちゃん面白いもん」

    真希、禪院家では呪力の無い落ちこぼれと嘲られ、反発して家を出ていった落伍者でしかなかったが賀樂にとっては小さい頃に遊んでくれた数少ない理解者であり、執着の対象だった。
    真希はこの時既に呪術高専に進学しており、禪院家を出ていたが賀樂はその後、呪術界の御三家の一つである五条家に接触して真希の居場所を突き止めていた。

    『君、禪院家の子かい?』
    『うん、おじちゃんだれ?』
    『おじちゃん・・・』

    五条悟をおじさんと呼んでがっかりされたが、その後彼女の呪術師としてのポテンシャルを見抜いた五条によって彼女も呪術高専の予備校生として低年齢ながら進学を決めていた。

  • 20二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 02:15:09

    このレスは削除されています

  • 21二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 07:54:40

    >>20

    なんで?

  • 22二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 08:30:30

    ほしゆ

  • 23二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 09:26:13

    >>20

    なんでー?

  • 24二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 13:01:51

    ほしゅ

  • 25二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 22:17:55

    ほしゅ

  • 26二次元好きの匿名さん24/01/10(水) 23:52:26

    賀樂は無邪気に、それでいて無慈悲に、東京にいる呪霊と呪詛師を探しては狩っていた。
    五条の依頼で、時には冥冥の口利きで、前者は高い報酬が、後者はより危険で歯ごたえのある戦いが得られた。

    「うふふ、どうしたらもっと面白くなるかな」
    「・・・」
    「そう?魔虚羅、そろそろ真希姉ちゃんに会いに行くべきかな・・・君はどう思う?」

    賀樂は部屋の隅で血塗れで震える呪詛師に問いかけた。

    「が、あ・・・やめてくれ!命だけは・・・」
    「嫌だ、どうせあなたも命を奪ってお金をもらってるじゃない」

    質問にも答えてくれないし、と賀樂はつまらなそうに立ち上がると窓から飛び出した。

    「ま、待ってくれよ!コイツと二人きりにしないでくれ!」
    「・・・!」

    魔虚羅は呪詛師にあゆみよると、即座に腕を振り下ろした。

  • 27二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 06:57:01

    保守域展開

  • 28二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 13:12:03

    保守

  • 29二次元好きの匿名さん24/01/11(木) 23:57:10

    ほしゅ

  • 30二次元好きの匿名さん24/01/12(金) 08:20:44

    保守域展開

  • 31二次元好きの匿名さん24/01/12(金) 17:40:03

    ほし

  • 32二次元好きの匿名さん24/01/12(金) 20:54:32

    賀樂は東京の街を行き来しながら冥冥と五条のバックアップの元術師としての力量を磨いていた。
    反転術式、簡易領域、落花の情、そして方陣の単独顕現による耐性の会得など、子供の柔軟な思考と場数がそれらの習得を容易にした。

    「ねえ、悟お兄ちゃん、私一級になりたいな」
    「一級かい?まあ、君なら大丈夫だと思うけど・・・どうしてだい?」
    「だってさ、ウチの人がさぁ、真希お姉ちゃんに嫌がらせしてるんだもん。ぶっ殺したくなるよね」

    賀樂は高専の近くにあるカフェで五条と話していた。彼女はまだ高専に通っていないためフリーの呪術師として活動している。年齢からすれば異例のことではあるが、十種影法術の奥義を自由に扱える彼女は既に一級術師として遜色ない実力を有してしまっている。

    わずか10歳の子供がである。

  • 33二次元好きの匿名さん24/01/12(金) 21:59:27

    >>32

    わずか10歳…小学4~5年生ぐらいの子が…最近の若い子はすごいねぇ(?)…

  • 34二次元好きの匿名さん24/01/12(金) 22:19:58

    >>33

    まこーらパワーが全てを解決する・・・!

  • 35二次元好きの匿名さん24/01/13(土) 07:15:48

    保守

  • 36二次元好きの匿名さん24/01/13(土) 13:07:47

    ほしし

  • 37二次元好きの匿名さん24/01/13(土) 16:48:46

    今の間に熱と斬撃への完全耐性獲得しておこう

  • 38二次元好きの匿名さん24/01/13(土) 19:27:16

    >>37

    預言者現る

  • 39二次元好きの匿名さん24/01/14(日) 00:13:23

    ほしゅ

  • 40二次元好きの匿名さん24/01/14(日) 00:33:05

    賀樂はいつのころからか、高専に出没するようになった。天元の結界は一度侵入されてしまえばどうしようもない。
    禪院家の人間かつ、普段から精力的に仕事をこなす術師でありまだ子供という見方から彼女は放置された。
    危険視したところで彼女をどうこうできる人物など限られているのだが。

    「硝子、最近ここに来てる女の子知ってる?」
    「ああ、あのおかっぱの女の子?知ってるよ、時々私が治療してるの見てるんだ」
    「あの子どうやら結界をすり抜けてるらしくってさぁ上がうるさいんだよね・・・」

    五条は家入にそう愚痴った。実際幾人かが彼女を咎めたらしいが聞く耳持たずであり、しかも捕まえようにも魔虚羅由来の体力は常人には到底追いつけないレベルである。

    「それでさ、いっそのこと此処にくる大義名分みたいなのあげたくてさ」
    「そう言われてもね、私にできることある?」

    家入はめんどくさそうに悟のなにか言いたげな視線に辟易する。きっとめんどくさい事を言い出すに違いない。

    「硝子の反転術式のアウトプット教えてみてくんない?」
    「はぁ?」

    流石に驚いた。

  • 41二次元好きの匿名さん24/01/14(日) 08:44:31

    保守域展開

  • 42二次元好きの匿名さん24/01/14(日) 13:19:16

    保守の番

  • 43二次元好きの匿名さん24/01/14(日) 22:13:35

    ほしゅ

  • 44二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 07:48:15

    保守の番

  • 45二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 13:02:10

    「感覚よ?教えてできるもんじゃないってわかっていってる?」

    家入はそう言いながら学生時代に悟に反転術式のコツを教えた時のことを思い出していた。

    ひゅっとやってひょい

    今思い出してもなんて言い草だろう。これでわかるかと言われれば確かに無理だ。悟がイライラしていたのも頷ける。
    そんな彼女の思い出を他所に五条は飄々と答えた。

    「彼女ならできるさ、できてしまうんだよ」
    「だとして・・・反転術式のアウトプットなんて覚えさせて何させる気?私の後釜にでも据えるの?」
    「できるならそれもいいね、むしろそうして欲しいくらいだ」

    アウトプットができる人間は貴重だ。確かにそれなら硝子の後釜に据えて、彼女を補佐する役目についてもらってもいいかもしれない。しかし五条の言い方に家入はひっかかるものがあった。

    「彼女、呪力の量も相当なもんだ、今は粗削りだけど学習させればなんでもできるようになる」
    「アンタがそこまで言うんだ?」
    「ああ、もちろん。昔に六眼と無下限術式持ちの五条家当主を倒した禪院家の術師と同じ術をもうすでに使いこなしてるから」
    「十種影法術のことよね・・・また、そんな爆弾を」
    「だからこそさ、奪う力より治す力、癒す力に学習を傾けるべきなんだ。あの子の力を破壊にばかり偏らせるのはいろんな意味でヤバい」

  • 46二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 13:24:04

    この時点で彼女に対抗or防戦できるのって特級ズやミゲルくらいか?

  • 47二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 14:00:28

    >>46

    領域に閉じ込めて同時に殺すか、魔虚羅に呪力を全部乗せしてる状態で魔虚羅瞬殺じゃないと死なないと思います。

    方陣乗せて自分が受けつつ、魔虚羅を自由行動&適応っていう伏黒宿儺が自身のタフネスを根拠にやってたごり押し戦法の劣化版が彼女はできます。

    まさに知らぬが仏って状態です。五条も適応されたくないので彼女が見てるところでは領域とかは使わないかも

  • 48二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 15:22:07

    >>46

    ただ今の段階なら精神的に諭すか追いつめるかすれば行動不能にはできるかもしれません。

    精神攻撃は呪術ではありませんので、今は適応できないでしょう。

  • 49二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 15:40:00

    五条が珍しく教員のようなことを言い出したので家入は噴き出しつつ、五条が楽観視できないレベルの案件ということで同時に頭痛がやってきた。

    「とにかく、彼女の意向も聞きつつ反転については考えてみるよ。最悪反転術式を使うのが・・・いやなんでもない」
    「術式による適応がいくら強力でも限界があるとは思うし、彼女の心持しだいってのもある。彼女は人に触れるべきだと思うんだよね」
    「人を好きになって、年頃の女の子らしくってやつ?」
    「そう、そういうの。真っ当になってほしい」
    「アンタが真っ当とかいっちゃうんだ?」
    「言うさ、アイツみたいになったら・・・手に負えなくなる。」

    自身に言い聞かせるように、五条はそう言い残してその場を後にした。

    「医療を覚えたからって、そいつが善人になるとは限らない・・・」

    呪術は弱者を守るためにある。かつて二人が良く知る人物が残した言葉だ。しかし今はその守るためにあるはずだった力で・・・。

    「やらなきゃ始まらないか」

    家入は疲れ目をマッサージしながら自身もその場を後にした。

  • 50二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 16:24:29

    「あ、来た来た。定刻通りだね、あのバカにも見習わせたいくらいだ」
    「時間を守るのは大切なことだってみんな言ってるけどなぁ・・・」

    数日の時間を置いて家入は伊地知を通して賀樂に連絡を取った。伊地知曰く彼女は携帯電話を持っていなかったらしく補助監督が使っている携帯電話を持たせてからそのままそれを使っているらしい。それ故に携帯電話の番号はそれなりに知れ渡っているが知らない番号は出ないので。知人を挟まないと連絡がとれないのだとか。

    「反転術式は使えるんだっけ?」
    「魔虚羅と呪力を交換しながら治す感じだけど・・・」
    「なるほど、君のそれもかなり特殊な部類か」

    彼女の場合、魔虚羅の剣が正の呪力に変換されて生成されているのを利用して魔虚羅が彼女へ正の呪力を循環させて体を再生させているようだ。それゆえに片方が無事なら片方は動きながら反転術式を使うことができる。
    術式と呪力の関係が魔虚羅と彼女の間にあると考えられる。ロスの少ない理想的な術式の発露であるがしかしそれは二人に呪力を送り渡すパイプがあるからで、負の呪力を自分で掛け合わせて正に変えているわけではないので反転術式というよりは自前の再生能力に近いともいえる。

    「とりあえずまずは実物を見せるのが早いね、座って頂戴」
    「うん」

    ちょっとごめんね、と家入は賀樂の手を取った。

    「まさかケガまでちゃんとしてくるなんて・・・さすがに律儀すぎるよ」
    「治るから大丈夫って五条のおじさんが言ってたから」

    五条が何と言って家入のところまで来るようにいったのかまではわからなかったが、とりあえず次に会ったら殴ろうと家入は心に決めた。

    「これを・・・こう」
    「わ・・・ケガが消えた」

    呪力による治療、反転術式を経験する。彼女の中で方陣が回転し始めた。
    「あはっ、わかった!」
    「え?」
    「試してみようよ!」
    ガコン!と音が鳴る。音に違和感を感じた家入を他所に賀樂は笑顔で

  • 51二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 16:46:32

    駆け出して行った。

    「ちょっと!賀樂ちゃん!」

    患者はまだ来ていないはず、と家入は賀樂の後を追った。明るい笑い声が聞こえる中で彼女が居たのは診察の受付だった。

    「誰も来てないね」
    「まだ時間外だよ、まったく・・・」

    てっきり刃物でも持ち出して自分を傷つけたりしやしないかとひやひやしていたが家入は彼女がそこまでイカれていないことに安堵した。

    「反転術式は玩具じゃないんだ、できるようになったからっておいそれと使う機会がくるなんて思っちゃだめだよ」
    「うん・・・」
    「飴でも食べてなさい、ほら」
    「わぁい」

    ちょっと不満顔な賀樂を連れて医務室に戻る。彼女の不満を逸らすために飴を買ってきてよかったと家入は思った。

  • 52二次元好きの匿名さん24/01/15(月) 22:51:27

    このレスは削除されています

  • 53二次元好きの匿名さん24/01/16(火) 07:54:13

    保守の番

  • 54二次元好きの匿名さん24/01/16(火) 13:05:48

    保守域展開

  • 55二次元好きの匿名さん24/01/16(火) 21:13:02

    ほしゅ

  • 56二次元好きの匿名さん24/01/17(水) 06:06:33

    保守の番

  • 57二次元好きの匿名さん24/01/17(水) 13:24:10

    保守の呪物

  • 58二次元好きの匿名さん24/01/17(水) 22:39:43

    ほしゅ

  • 59二次元好きの匿名さん24/01/18(木) 09:45:28

    保守

  • 60二次元好きの匿名さん24/01/18(木) 19:23:58

    それから賀樂はお手伝いと反転術式のアウトプットの鍛練が始まった。
    家入は彼女が希少な反転術式の使い手であると同時に自分を遥かに上回る呪力の持ち主であることにすぐに気づいた。

    (確かにこれは・・・危ういわね)

    彼女が反転術式をものにするのにそう時間はかからず、アウトプットも家入の使用するのを見たり自身が受けたりする度に徐々にそれを物にしていく。
    反転術式そのものには元より素養があったのかもしれないがアウトプットに対してはまるで後から覚えていくかのように徐々に使いこなす様子をみせた。

    「賀樂ちゃん、そっちはお願いね」
    「はぁい!」

    家入は賀樂の精神面や成長に対する不安は拭えないものの、彼女の能力についてはその逆で非常に大助かりだった。呪力が膨大なのに加えて彼女は式神を従えているため単純に手数が倍で、しかも本人に高い戦闘能力と実績があるため戦いの際に彼女を同行させるという奥の手ができたのも頼もしかった。
    家入はそのため、難しい治療や反転術式を用いない専門的な治療に集中することができ、教育に対する難しさを除いては彼女に対してなんの不満もなかった。

  • 61二次元好きの匿名さん24/01/19(金) 00:50:05

    hosisi

  • 62二次元好きの匿名さん24/01/19(金) 01:32:19

    魔虚羅ってやっぱチート
    アイツは多分他人の治癒出来るだろうし

  • 63二次元好きの匿名さん24/01/19(金) 08:16:34

    保守

  • 64二次元好きの匿名さん24/01/19(金) 11:34:20

    >>62

    剣とはいえ正の呪力をつくれますもんね

  • 65二次元好きの匿名さん24/01/19(金) 13:27:20

    しかしやはりと言うべきか、彼女に対して家入は普通とは違う配慮を必要とした。

    「賀樂ちゃん、人は貴女のように強くない。治せるからと言ってその場で他者の腕や足を切り落としてはいけないんだよ?」
    「そうなの?そこまで痛いの・・・?」
    「そうだね、それだけで死ぬことがあるくらいには」

    高い耐久性からか、それとも育ちからか賀樂は痛みにとても鈍感だった。ちょっとした痛みならば人並みに感じたりはするが、ある程度になるとそこからはまるで上限が決まっているかのように鈍感になるのだ。
    だから指を傷つけるのと腕を落とすことが同列になってしまう。必要であり、治せるからといって
    なんの準備もなく腕や足を失えばそれが致命的だということに気づけないでいた。

    「七海、彼女はどう?」
    「どうとは?」
    「そうだね、まず術師としては?」
    「能力は申し分ありません、式神の力はもちろん彼女自身の適応力も高い・・・それはそれとして保護者が必要ですが」

    彼女と仕事を共にした一級呪術師、七海健人は彼女の能力に太鼓判を押した。しかしながら彼もまた彼女の精神面に問題ありと指摘する。

    「補助監督が呪霊の攻撃を受けて毒におかされました

  • 66二次元好きの匿名さん24/01/19(金) 13:30:45

    >>65

    その際に彼女は毒を受けた箇所ごと腕を切断しました」

    「マジか・・・」

    「直ぐに反転術式で治療をし、命に別状はありませんでしたが・・・」


    補助監督は賀樂をまるで化け物のように見ていたと七海は告げる。

  • 67二次元好きの匿名さん24/01/19(金) 22:42:05

    ほしゅ

  • 68二次元好きの匿名さん24/01/19(金) 23:30:12

    五条は眉間を押さえて少し唸ったあと、七海の肩を叩いた。

    「悪いけど、能力だけでもあの子を自由なままにしておくのは良くない。変な知恵や知識を身に着けるのもね。窮屈かもしれないけどあの子が人でいられるか、呪霊もびっくりのモンスターになるかは僕たち次第だ。悪いけど協力してもらうよ」
    「・・・仕方ありませんね、どうせ貴方では難しいでしょうし」

    七海はグラサンを外すと同じように眉間を揉んでマッサージする。そして考えていた。
    もしもあの子が暴走したら自分にそれを止められるだろうかと。

    「あの子が暴れだしたら・・・」
    「無理しないで僕を呼んでよ、死人は出ない方があの子の為だ」
    「でしょうね、そうさせてもらいますよ」

  • 69二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 07:27:00

    保守域展開

  • 70二次元好きの匿名さん24/01/20(土) 19:28:33

    保守

  • 71二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 00:02:03

    ほしゅ

  • 72二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 08:25:34

    保守の番

  • 73二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 13:10:25

    ほししし

  • 74二次元好きの匿名さん24/01/21(日) 23:21:45

    ほしゅ

  • 75二次元好きの匿名さん24/01/22(月) 01:39:52

    精神面での問題とそれに苦慮する大人たちとは裏腹に賀樂はすくすくと呪術師としての力量を高めていた。
    今は反転術式のアウトプットに精力を注ぎ、その精度は本人の呪力量と出力に後押しされて高まっていった。

    「ひゅーっとやってひょい」
    「すげえ、呪霊との闘いでなくなった腕が・・・」

    欠損した部位を修復できるだけの出力を得た賀樂は最近は呪霊討伐だけでなく欠損部位の治療なども行うようになっていった。家入のところも手伝いつつであるから馬鹿げた呪力量であった。

  • 76二次元好きの匿名さん24/01/22(月) 08:07:21

    ほしゆ

  • 77二次元好きの匿名さん24/01/22(月) 15:50:51

    ほしゅ

  • 78二次元好きの匿名さん24/01/22(月) 16:47:34

    賀樂は任務のない日は家入と、任務の日は七海と組むことが多くなった。
    能力向上というよりは倫理観を学ぶ上で最適と判断されたからだ。
    一級術師のサポートという業務では専ら怪我人の救出や七海の任務に同行する他の術師が命を落とさないようにするための保険の形だ。

    「生きてるなら助けられるようにしたい」
    「ぼちぼちでいきましょう。それが長く続けるコツです」

    やる気の賀樂に七海はいつもの調子で答える。

    「はぁい、七海ちゃん」
    「年上にちゃん付けはやめてください」
    「じゃあとんがらし」
    「だれが"しちみ"ですか」
    「博識だね、ナナミン」
    「ひっぱたきますよ」

    終始こんな調子だった。

  • 79二次元好きの匿名さん24/01/22(月) 23:39:48

    順調だった。賀樂は年相応の無邪気さを見せ始めていたし、術式も誰かの治療や救出に使用され
    術師たちの間でも彼女のことをありがたく思い始めていた。

    「ここが現場ですか」
    「ここって・・・公園じゃ・・・」
    「一般人の被害が多いと聞いてます、とにかく一人でも多く救助しましょう」

    この現場を経験してから賀樂の立場はまた変わっていく。

  • 80二次元好きの匿名さん24/01/23(火) 00:13:31

    現場は近くの公園。犯人は依頼を受けた呪詛師だったらしく呪霊を呼び込む呪具をあろうことか公園のど真ん中に埋め込んだと自供したため現場は騒然となった。
    現場では突然消失した家族を探して泣きわめくもの、血溜まりの中で呆然とするものなどで惨憺たるものだった。

    「帳はどうなっていますか?」
    「補助監督が四方を囲んで下ろすとは言っていますがまだ・・・」

    先に配置についていた伊地知は賀樂を引き連れて現着した七海に状況を説明した。しかしながら状況はよろしくなく、現場は混乱している。先に突入した呪術師たちも一般人を避難させるために奔走している様子で原因には対処できていない。

    「けが人の数は?私が対応できる人はどこに集める?」
    「ここを避難所として使うつもりですが・・・最悪足を運んでもらうことになるかと」
    「わかった、じゃあここに魔虚羅を残して移動しよう」

  • 81二次元好きの匿名さん24/01/23(火) 07:42:31

    保守

  • 82二次元好きの匿名さん24/01/23(火) 13:20:39

    魔虚羅を召還すると賀樂はひそひそと魔虚羅の耳打ちしてからお互いの親指を突き合わせた。

    「なんの術ですか?」
    「約束とお願いだそうで」
    「約束?」
    「魔虚羅は彼女の友達だから命令ではなくお願いと約束と」

    式神が友達?!と伊地知は驚いたが七海は慣れたのか普段通りの様子。

    「伊地知のおじちゃん、魔虚羅におじちゃんの言うこと聞くように頼んだから困った事は魔虚羅に頼んでね」
    「あ、はい・・・おじさんか」
    「仲良くなればお兄さんにランクアップしますよ」
    「そうですか・・・」
    「因みに五条さんもおじさんと呼ばれてました」

    伊地知は噴き出した。

  • 83二次元好きの匿名さん24/01/23(火) 16:24:04

    摩虎羅便利すぎん?

  • 84二次元好きの匿名さん24/01/23(火) 17:53:06

    >>83

    まぁ玉犬も似たようなことしてましたし・・・

  • 85二次元好きの匿名さん24/01/23(火) 23:21:05

    保守

  • 86二次元好きの匿名さん24/01/24(水) 08:05:23

    保守

  • 87二次元好きの匿名さん24/01/24(水) 13:05:06

    保守の番

  • 88二次元好きの匿名さん24/01/24(水) 13:30:40

    賀樂はその後、七海の後ろについて呪霊を祓いつつ公園を捜索した。
    そして家入に教えられた事を生で体験することになる。

    「七海ち・・・さん!こっちに人が!」

    賀樂が駆け寄り、反転術式をかけようとした時に七海はそれを制した。

    「七海さん・・・?」
    「賀樂さん、よく見てください。彼は死んでいます」

    ベンチに腰かけていた男性は肩の近くまでを失っており、足元にはおびただしい血溜まりができている。しかし賀樂はそれが理解できず不思議そうに七海を見上げている。

  • 89二次元好きの匿名さん24/01/24(水) 22:20:04

    保守

  • 90二次元好きの匿名さん24/01/24(水) 23:15:18

    「なんで・・・?」
    「私は医師ではありませんが、経験則でわかります。そうなったら人は死にます」

    おそらくは失血死というよりはショック死の方が近いかもしれない。逃げた形跡が見当たらないことから呪霊に腕を肩近くまで一気に食いちぎられたショックで死亡したと思われる。

    「だって、まだ・・・」
    「体が残っていれば助かるというのはもはや人間ではありません。足元の血の量をみてください。2500ml以上出ているのは明白ですし、彼はもう呼吸もしていない・・・」

    賀樂が男性を見上げると驚愕の表情を浮かべたまま硬直しており、ぴくりとも動いていない。
    顔色も悪いというレベルではなく、土気色だ。

  • 91二次元好きの匿名さん24/01/25(木) 07:10:02

    保守域展開

  • 92二次元好きの匿名さん24/01/25(木) 15:29:08

    保守

  • 93二次元好きの匿名さん24/01/25(木) 19:32:02

    保守

  • 94二次元好きの匿名さん24/01/25(木) 22:42:04

    保 守

  • 95二次元好きの匿名さん24/01/26(金) 07:15:46

    術式順天保守

  • 96二次元好きの匿名さん24/01/26(金) 10:34:33

    ほしゅ

  • 97二次元好きの匿名さん24/01/26(金) 11:40:44

    「賀樂さん、辛いでしょうが我々がすべきことは原因を取り除き、少しでも多くの人を救うことです」
    「うん・・・」
    「そのためには助けられる人、助けるべき人を見分ける必要もあります」

    賀樂はそれでも時折振り返りながら七海の後をついて歩きだした。
    いまだに周囲からは争う声や悲鳴が響いていた。二人が遭遇したのはその中でも凄惨な中央の広場。
    悲鳴を上げる人を襲い、食らう。弄び、殺す。呪霊の、呪いたる所以を感じさせる行動に賀樂はもちろん、修羅場に慣れた七海さえも息を飲んだ。

    「呪霊・・・」
    「ここは私が・・・?!」

    七海が鈍刀を抜こうとした刹那、賀樂が目の前の呪霊を叩き潰した。拳が魔虚羅の拳ように変形し、呪霊を跡形もなく吹き飛ばし、周囲の呪霊に襲い掛かった。

    (この子は・・・)

    「AGAAAA!!」

    怒り狂ったように呪霊を八つ裂きにし終えた賀樂は荒い息のまま叫んだ。

    「弱いものイジメをする奴は皆、皆死んだらいい!生きてちゃいけない!」

    双眸から黒い涙を流しながら賀樂は慟哭した。

  • 98二次元好きの匿名さん24/01/26(金) 12:13:52

    肩で息をする賀樂に七海はそっと肩に手を置いた。

    「賀樂さん、十分です」
    「でも!」

    真っ黒な目を見ひらいて猛る賀樂に七海は努めて冷静に彼女を諭した。

    「貴女は壊すことしかできない私達とは違います。貴女は生きている人を助けられる、違いますか?」
    「・・・!」
    「反転術式は今ここにいる貴女しか使えない。呪力は温存してください」
    「うん・・・わかった、ありがとう七海さん」
    「それでいい、貴女が見るべきなのはこんな惨状ではありません。貴女こそ、感謝されることを知るべきです」

    涙を拭って顔を上げた賀樂に七海は大きく息を吐いて生存者の捜索と原因の究明に走る。

  • 99二次元好きの匿名さん24/01/26(金) 15:26:35

    >>18

    直哉はビビりつつもいつか越えようとしてる感じかな?

    多分、扇達他の面々は100%ビビってる(蘭太くんは少し意見するかも?)

  • 100二次元好きの匿名さん24/01/26(金) 20:44:44

    >>99

    たぶんトウジ君の時と同じ状況でしょう。

    しかしながら年齢が年齢なのでまだ侮りが抜けてませんね

  • 101二次元好きの匿名さん24/01/27(土) 01:03:54

    ほしゅ

  • 102二次元好きの匿名さん24/01/27(土) 08:21:08

    保守

  • 103二次元好きの匿名さん24/01/27(土) 13:14:35

    保守

  • 104二次元好きの匿名さん24/01/27(土) 21:32:53

    保守

  • 105二次元好きの匿名さん24/01/27(土) 23:41:17

    保守域展開

  • 106二次元好きの匿名さん24/01/28(日) 06:34:12

    保 守

  • 107二次元好きの匿名さん24/01/28(日) 07:15:26

    保守域展開

  • 108二次元好きの匿名さん24/01/28(日) 13:26:36

    「うわぁあーあぁぁー!」

    「女性の声ですね」
    「助けないと!」

    響いた女性の声。賀樂は使命に燃えてやる気十分なので気にしていなかったが七海はその声になんとなく違和感を感じた。

    (悲鳴というには随分と勇ましい・・・)

    七海はもしかすると先着した術師が呪霊を誘き寄せるために声を上げているのかとも思った。

  • 109二次元好きの匿名さん24/01/28(日) 22:59:46

    ほしゅ

  • 110二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 01:01:36

    二人が声のところへ到着すると・・・

    「くそっ!この!くるんじゃねえ!」

    おそらく一般人なのだろう、ヤンキー風の女子高生がバットを振り回している。その周囲には低級の呪霊が彼女を取り囲むように集まっている。

    「あの人、なんで逃げないんだろう?」
    「賀樂さん、彼女の足元を。誰か倒れています」

    女子高生の足元には小さな子供が頭から血を流して倒れている。どうやら先んじて呪霊に襲われたらしかった。

    「けが人の保護を、呪霊は私が」
    「わかった!」

    鈍刀を抜いて七海は今度こそ先頭を切って飛び出した。

  • 111二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 06:40:06

    保守

  • 112二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 08:33:22

    保守域展開

  • 113二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 10:56:37

    「おわっ、誰?!」
    「動かないでください、すぐ片づけます」

    七海が数匹を一振りで蹴散らし、呪霊と女子高生の間に割りこんだ。

    「よいしょ、今助けるからね」
    「おお?!今度はちびっ子?」

    頭から血を流していた子供に近づいた賀樂は手を翳して反転術式を行使する。荒い息が穏やかになり、表面の細かいケガがふさがっていく。

    「すげえ、魔法みたい・・・」
    「お姉さん、この子抱っこできる?安全な場所まで案内するよ」
    「お、おう!」

  • 114二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 18:53:46

    保守

  • 115二次元好きの匿名さん24/01/29(月) 19:47:47

    「七海さん!こっちは一旦下がるよ!」
    「わかりました、気をつけて下さい!」

    七海と別れ、賀樂は一旦女子高生と子供を連れて避難することに。

    「こっち、ついてきて!」
    「お、おう!」

    来た道を逆走し、呪霊を避けて伊地知のところへ戻ると避難所には既に数人の怪我人や一般人が逃げて来ていた。

    「伊地知さん!この二人もよろしく!」
    「わかりました、七海さんは?」
    「呪霊と戦ってる、怪我人は?」
    「重傷の人はまだ、顔を出した呪霊は貴女の魔虚羅のおかげで全て祓えています」

    「あの真っ白なのなんだ・・・?!」

    女子高生が魔虚羅をみて呆然としているのを見て伊地知は少し驚いた。

    (見えてる?帳はまだ降りてないはずだが・・・)

    伊地知が空を見上げたのと帳が降り始めるのは同時だった。

  • 116二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 00:34:46

    保守

  • 117二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 06:51:48

    ほしゅ

  • 118二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 08:05:59

    保守

  • 119二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 13:07:55

    保守の番

  • 120二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 13:29:02

    少し驚いたが伊地知は特にそれからは特に気にも留めなかった。死に際や命の危機で呪霊が見えるようになることがないわけではなかったからだ。

    「へー、あのデカいのが私達を守ってくれんのか」

    最初は半信半疑だった女子高生も魔虚羅が呪霊を瞬殺したのを見て納得した。

    「空もなんか変な感じになったし、一時はどうなることかと・・・」
    「細かいことは省きますが、呪霊・・・化け物が見えるようになる結界です。貴女は怪我もありませんね?速く外へ避難してください」

    伊地知は出口を指して避難するように指示する。

  • 121二次元好きの匿名さん24/01/30(火) 23:17:28

    保守

  • 122二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 07:07:44

    保守域展開

  • 123二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 18:54:15

    保守の番

  • 124二次元好きの匿名さん24/01/31(水) 18:54:24

    保守

  • 125二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 01:03:01

    ほしゅ

  • 126二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 01:25:49

    動画化あざます!

  • 127二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 09:06:31

    ほしゅ

  • 128二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 09:28:03

    禪院賀樂
    服装:着物(禪院家で雑用をしていた時の簡易なもの
       もしくは歌姫と同じ巫女服。
       私服は特になし(本人にそういう意識がない

    髪型:おかっぱ、禿さんみたいな感じ(呪術0の幼少期の真希みたいなの。

    服装や髪型に関しては本人におしゃれをするという概念がないので常に同じ、もしくは似たような服装をしてる。 
    本来の瞳の色は水色で非常に珍しい。呪力の無い人は彼女の瞳の色を確認することができる。 

  • 129二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 13:45:21

    イメージです (AI生成

  • 130二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 13:46:24

    呪力の無い人には瞳が見えるのでこんな感じに

  • 131二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 14:59:31

    保守ー

  • 132二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 20:41:06

    「よっしゃ、じゃあここは安全で、外に出るルートもあるってことね」
    「?」

    一人なにやら合点した女子高生は伊地知に名前を告げる。

    「ねぇおじさん!」
    「なんでしょうか」
    「アタシ鈴村鈴鹿!ダチが来たらアタシはもう避難したって言っといてよ!」
    「わかりました、お気をつけて」

    伊地知に頭を軽く下げて走りだした女子高生こと鈴鹿は伊地知が自分を確認できない位置まで走ると藪から回り込んで公園に戻った。

    「ごめんね、メガネのおじさん・・・アタシ、ダチ放って逃げらんないのよ」

    友人を探して再び鈴鹿は走る

  • 133二次元好きの匿名さん24/02/01(木) 23:22:41

    ほしゅ

  • 134二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 07:08:18

    保守

  • 135二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 07:59:40

    ほしゆ

  • 136二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 16:37:03

    保守

  • 137二次元好きの匿名さん24/02/02(金) 23:10:25

    鈴鹿は藪をかき分ける最中にポケットに忍ばせたお守りを握りしめた。

    (バアちゃん・・・アタシに力貸して・・・!)

    拝み屋だと聞いた時、鈴鹿は半信半疑だった。周囲が凄い凄いと言ったところで自分にとっては90過ぎのお祖母ちゃんであったし、自分が話しかけるといつもニコニコしている大好きな普通のお祖母ちゃんでしかなかった。

    「うう、無事に帰れたらホント、マジで、尊敬すっから!」

    お守りには鈴鹿の祖母が力を籠めたとかなんとか言っていた札が入っている。それを握りしめて走り続けていると呪術師らしき人物が呪霊と戦っているのが見えた。

    (ヤバッ、あれが・・・化け物!ってかあの人、手がなんか光ってない?!)

    語彙が良い感じに出てこず頭の中でヤバいを連呼しつつ鈴鹿は戦いの趨勢を見守る。

  • 138禪院 賀樂 作者24/02/03(土) 10:25:49

    「くっ・・・おらっ!」
    『ぎゃぎゃぎゃ!』

    (あれ、ヤバい感じ?)

    戦いを物陰から見守っていた鈴鹿だったが目の前の呪術師が劣勢に立たされていくのを見て焦っていた。
    自分がなにかできるわけではないが、かといって見捨てるわけにもいかない。

    「うわ、わ・・・!」
    『ギャぉ!』

    (クソ、こうなったら破れかぶれだし)

    呪術師が後ずさって転んだのを見て鈴鹿は咄嗟に石ころを掴んで呪霊に投げつけた。

    『ガ?』

    呪霊の意識が他所に向いた隙に呪術師は窮地を脱して体勢を立て直す。そして持っていた呪具で呪霊を叩き伏せた。

    「はぁ・・・はぁ・・・何だったんだ今の?」

    呪術師は不思議そうにしていたがやがて別の場所から聞こえてきた怒号と悲鳴を聞きつけてその場を後にした。

    「ふふふ、やってやった!」

    鈴鹿はアシストが上手くいったことに安堵しつつ、公園の中を引き続き進んでいく。

  • 139二次元好きの匿名さん24/02/03(土) 18:52:14

    保守域展開

  • 140二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 00:29:40
  • 141二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 08:55:24

    ほしゅ

  • 142二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 13:25:09

    そこから暫くすすむと自分と同じアクセサリーが煌めくのが見えた。

    「優子、よかったぁ・・・」

    不安そうにしているがどうやら怪我はないらしい。その事に胸を撫で下ろしているとそこにさらに日本刀を持った男性が近づいてきた。

    『君、此処は危険だ!早く避難を』
    『でも、鈴鹿が・・・』

    自分の名前が出た事で確信を得た鈴鹿は藪から身を乗り出して声を出した。

    「おーい、こっちよ優子!」
    「鈴鹿!よかったぁ・・・」

    互いに手を取り合って再会を喜んだのもつかの間。呪霊がわらわらと二人と呪術師に追い縋って来た。

    「うわぁ、なにあれ!」
    「おじさん!避難所はこっちだよ!護衛よろしく!」
    「お、おじさ・・・わかった!」

    呪術師を殿に避難所を覚えた鈴鹿が先頭に立って逃避行が始まった。
    呪術師は時折追い付いた呪霊を祓いつつ、前を走る二人を追いかけて走った。

  • 143二次元好きの匿名さん24/02/04(日) 21:25:25

    ほしゅ

  • 144二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 06:37:39

    保守域展開

  • 145二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 12:29:24

    ほしゆ

  • 146二次元好きの匿名さん24/02/05(月) 22:26:42

    三人は順調に逃げていけるかに見えたが・・・。

    『ガオォッ!』

    「ひっ!」
    「おわっ!危ない優子!」

    大型の呪霊が飛び出した。咄嗟に鈴鹿が優子を突き飛ばして事なきを得たが優子と鈴鹿は大型の呪霊に分断される形になった。

    「ちっくしょー!このやろう!」

    「馬鹿!刺激するな!」

    呪霊を挟んで呪術師が声を上げる。呪霊は呪術師の方を向いたがすぐに鈴鹿が石をぶつけたので鈴鹿の方へ呪霊が向いた。

    「おじさんは優子を連れて先に逃げて!」
    「そっちはどうするんだよ!」
    「金髪グラサンの強い人の場所知ってるから!そっち逃げるよ!」

    あーくそ!死ぬなよ!と呪術師のヤケクソな反応と共に彼は優子の手を取って走り出した。
    鈴鹿はサムズアップをしてから自分も公園の中央へと逆戻り、一路走り出した。

  • 147二次元好きの匿名さん24/02/06(火) 04:54:41

    寝る前に保守

  • 148二次元好きの匿名さん24/02/06(火) 09:04:27

    >>147

    感謝の保守

  • 149二次元好きの匿名さん24/02/06(火) 13:27:55

    呪霊は決して馬鹿ではない。意思や知能を持つものもいる。
    そんな奴らが標的に選んだのは呪術師から孤立した鈴鹿だった。

    「ひーっ!」

    大慌てで走り続ける。後ろには数体の呪霊が彼女に囓りつこうと口を開けて追いかけている。
    時折歯がカチカチと鳴る音を聴きながら鈴鹿は七海がいるだろう場所まで走る。
    公園は広かったがそれでも懸命な走りで元の場所までたどり着いた。

    「はぁ、はぁ・・・撒けたかな」

    いつの間にか呪霊も居なくなっていて、鈴鹿はホッと一息。しかしながら落ち着いて周りを見てみると嫌な雰囲気は弱まるどころか強く、蜘蛛の糸が肌に触れるような不快感が漂っている。

  • 150二次元好きの匿名さん24/02/06(火) 17:56:29

  • 151二次元好きの匿名さん24/02/06(火) 20:37:31

    保守

  • 152二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 00:58:53

    「なんで・・・?」

    気付けばじっとりと汗をかいている。走ってきたからだけじゃない、これは警鐘だ。
    周囲には誰もいないはずなのに、誰かに見られている。だれかが自分の命を狙っていると本能が告げている。

    「あぶない!」

    不意に誰かに突き飛ばされる感じがして、鈴鹿は体をくの字に曲げた。なにか金属がぶつかるような音がして、頭から血が迸った。

    「いっ・・・なに・・・?!」
    「なんで戻ってきたの!危ないでしょ!」
    「さっきのちびっ子?・・・ごめん、友達探してた」

    自分を救ったのは金髪の男性と一緒に居た女の子だった。鈴鹿はその子に謝りつつ頭の血を確認しながら立ち上がった。

  • 153二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 09:15:30

    ほしゅ

  • 154二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 14:37:42

    鈴鹿が周囲を見渡すと先ほどまで感じていた不快感の正体が分かった。
    先ほどまでの雑多にあふれていた呪霊と違い、彼女でも理解できるくらい明らかにヤバい奴らが増えだしたからだ。

    「私からはなれないでね・・・」
    「言われなくても・・・こっから一人で帰れって言われたらアタシ泣くわ」

    女の子、賀樂と鈴鹿を中心に呪霊がぞろぞろと湧き始めた。遠くではいまだに戦闘の音が聞こえてくるがこちらに近寄ってくる様子はない。情けないとは思いつつも鈴鹿は賀樂の後ろに隠れて周囲を忙しなく見回すことしかできなかった。

    「こっち、走って!」

    賀樂が走り出すと同時に前に手を翳した。鈴鹿には知覚できなかったが賀樂の手がその際に淡く光り、光に触れた呪霊をことごとく弾き飛ばしていく。

    「すご・・・これって魔法みたいなの?」
    「せつめいむずかしい!とりあえずちゃんとついてきてね!」

    翳した手を時折振るうとそのたびに道を遮る呪霊が弾け飛んでいく。そうして進んでいくが・・・。

    「!・・・あぶなっ!」
    「むぐっ!」

    咄嗟に差した影を見て鈴鹿が賀樂を抱えて後ろに飛んだ。盛大に尻もちをついたその少し前に大きな石や倒木が転がって行く。

    「いったぁ・・・なんか飛んできた!」
    「危なかった・・・」

    二人が立ち上がって周囲を警戒すると先ほどの大型の呪霊がこちらをにらんでいた。どうやら鈴鹿と賀樂を狙ってこの個体が石や木を吹き飛ばしたのだろう。

  • 155二次元好きの匿名さん24/02/07(水) 23:50:37

    ほしゅ

  • 156二次元好きの匿名さん24/02/08(木) 07:08:48

    保守域展開

  • 157二次元好きの匿名さん24/02/08(木) 13:27:28

    「げぇっ?!さっきのやつ!」
    「知ってるの?」
    「アタシあいつに追いかけられて此処まで来たんだよね」

    鈴鹿があからさまに嫌そうな顔をしたので賀樂も同じように嫌そうな顔をする。

    「ね、あの手を翳す奴でやっつけてよ!」
    「デカいから難しい。触れるかひっぱたくかしないと・・・」
    「じゃあ一発・・・」
    「でもそれだとお姉ちゃんを守れない・・・」
    「あー・・・」

    話している内に呪霊は再び倒木をひっつかむのが見えた。

    「に、にげるが勝ちでしょ!」

    鈴鹿は賀樂を抱えると呪霊と反対側に走りだした。

  • 158二次元好きの匿名さん24/02/08(木) 23:30:15

    保守

  • 159二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 07:22:38

    ほしし

  • 160二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 13:06:10

    ほっしゅ

  • 161二次元好きの匿名さん24/02/09(金) 22:41:44

    保守域展開

  • 162二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 08:02:00

    保守

  • 163二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 10:36:45

    鈴鹿は賀樂を抱えたまま驚異的なスピードで逃走する。倒木や石が飛んできたがそれを躱しながら減速することなく
    公園を駆け抜ける。

    「はぁ!ひぃ!」
    「がんばえー」

    どんどんと避難所からは遠ざかっていく。鈴鹿が必死に走る最中で民間人に混じって呪術師たちが死傷しているのが見える。

    「優子、無事だといいけど・・・」
    「七海さんと合流できたら反撃できる・・・もうちょっとがんばって」
    「燃やせ燃やせ!命をぉぉぉ!」

    中央にやってくると呪霊と戦う七海の姿が見えた。さすがの一級の実力か、まとめて数体の呪霊を吹き飛ばす圧巻の実力で中央の呪霊はほぼいなくなりつつあった。

    「?・・・なんでもどってきたんです?」
    「追われてる!助けて!」
    「まったく・・・」

    明らかに呆れている七海は後ろからついてきた大型の呪霊を見て鈍刀を持ち直し、ネクタイを解いて右手に巻いた。

    「片付けます、賀樂さんはそのまま彼女を守りつつ術師の救護を」
    「はぁい」

    戦いつつも呪術師も消耗が激しく、公園中央でできたわずかな空白地帯で適度に休憩や応急処置を行いつつ戦いを続行している者もいる。

    「こっち、仲間を助けないと」
    「え、でもあのひと助けなくていいの?」
    「七海さんはあれくらいじゃ負けない、それより助けられる人を助けないと」

    賀樂は鈴鹿を連れてケガをしてうずくまっている呪術師の元へ向かう。

  • 164二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 18:37:27

    ほしゅ

  • 165二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 20:12:42

    「だいじょぶ?」
    「え、子供?!」

    賀樂と鈴鹿がやってくると呪術師は驚いた。しかし鈴鹿が応急処置を始め、賀樂が反転術式を使い始めるとさらに驚いた。

    「え、貴女たちは?」
    「私は一応呪術師だよ」
    「アタシはただの逃げ遅れでーす」
    「は?え、は?」

    なんで逃げ遅れが?という真っ当な反応と手際の良さに呪術師達は混乱しつつも即復帰可能なレベルまでの高出力の反転術式に驚きっぱなしだった。

    「逃げ遅れはどれくらい?」
    「もうほとんど残ってないはずです、あとは原因の呪物を探すだけで・・・」

    呪物の場所がわからないとどうしようもない。術師達は頭を抱えていた。

  • 166二次元好きの匿名さん24/02/10(土) 23:43:41

    ほしゅうううううううう
    めちゃおもろい!

  • 167二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 08:03:32

    ほしゆしゅ

  • 168二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 09:03:39

    ほっしゅ

  • 169二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 13:09:28

    保守

  • 170二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 13:21:42

    dice1d2=1 (1)

  • 171二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 13:28:06

    >>170

    スレ主が振りました。





    「とにかく、原因があるんだね・・・」

    「ええ、埋めたという話なのでどこかにあるはずで」

    「よっしゃ!じゃあアタシも探すし!」

    「ダメです、貴女はもう避難してください」


    鈴鹿が呪術師と話し合っていたところで鈴鹿が立ち上がったのを七海が押し留めた。


    「うっ、でも・・・」

    「ダメです。先ほど補助監督から連絡がありました。貴女の友人、優子さんは無事に帳を出たと言っています。貴女ももう此処に居る理由は無いはずです」

    「わかった・・・その代わり、お兄さんが案内してよ?」

    「ええ、今度こそ帳の外に出てもらわないと危ないですから」


    七海がそう言うと鈴鹿はしょんぼりしながら、了承した。

  • 172二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 13:37:25

    「というわけです、賀樂さん。貴女はここで他の術師達とここに安全地帯を作ってください。向こうの安全と避難所の撤収がすんだら魔虚羅とともに戻りますので」
    「わかった、気をつけてね」

    七海は鈴鹿を連れて再び避難所を経由し、帳の境界線まで向かうことに。

    「あの子、大丈夫なの?」
    「ええ、このような現場に出すこと自体が不本意ですが」

    七海は相変わらずの淡々としたリアクションではあったが、言葉の端々に不本意さを滲ませていた。

    「止まってください」

    不意に、七海が前方を見つめて立ち止まった。

    「え、何・・・」

    鈴鹿が立ち止まって七海の視線の先を辿ると。

    「やぁ、七海。元気そうでなによりだ」
    「夏油さん・・・」
    「?」

    僧形の男性がにこやかな笑みを浮かべて立っていた。

  • 173二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 13:46:59

    「夏油さん、あなたがここに居る理由を伺っても?」

    七海は努めて冷静を装いつつも、鈍刀を握る手に力が籠る。

    「あぁ、そんなに身構えなくてもいいよ。僕も呪霊を集める呪物に興味があっただけだから」
    「え、知り合い?」
    「悪いが猿に興味はないんだ。声を出さないでくれるかい」
    「なにーっ!」
    「怒ったところがますます猿だな」

    にこやかな笑顔を消して忌々しそうに夏油は顔をしかめた。

    「鈴鹿さん、彼に構わないでください。殺されますよ」
    「いっ?!そんなにヤバい奴なの?」

    ギョッとした鈴鹿を他所に夏油は殺気すら放ち始める。

  • 174二次元好きの匿名さん24/02/11(日) 21:59:53

    保守

  • 175二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 00:05:05

    「猿は遠慮がない、慎みもないのかい?」
    「むむむ・・・」

    構うなとは言われつつも散々な言われように鈴鹿は夏油をにらみつける。

    「じろじろと・・・不愉快だ」
    「っ!」

    夏油が手を翳すと空間が歪み、そこから呪霊が飛び出した。咄嗟に七海が呪霊を殴り飛ばしたが、二射目が七海の肩を射抜いた。

    「ぐっ!」
    「七海さん!」
    「君も損な性分だね、猿を庇ってケガをするなんて」

    血が滲み、シャツを赤く染めていく。鈴鹿はそれを見て顔を青くしていたが・・・すぐに首を振って七海に駆け寄った。

    「大丈夫?!」
    「こちらは大丈夫です、ですが・・・少し大人しくしてください。こっちがもたない」
    「でもあいつ猿猿うるさいし・・・」
    「勝てない相手です、刺激しないで」

    七海がそう諭したが、夏油はそれを構わずに追撃で呪霊を召喚する。

  • 176二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 07:06:06

    ほしゆ

  • 177二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 13:24:03

    「茨の道のりだが、七海らしい。私もそれに試練で答えようじゃないか」

    夏油が呼び出した呪霊は皆鋭い槍のような嘴を持っている。刺されたら無事じゃ済まないことは明白だ。ポーカーフェイスの七海もこれにばかりは冷や汗が頬を伝う。

    「それっ」

    「ぐぅおおおっ!」

    飛び来る呪霊を拳と鈍刀で叩き落としながら七海は猛る。鈴鹿はその迫力に気圧され、呆然と立ち尽くすことしか出来なかった。

    (ヤバいヤバいヤバいヤバい!七海さんがヤバい!なのに!アタシ動けない!このままじゃ・・・)

    そんな混乱の中で、鈴鹿はポケットに入っていたお守りを取り出して握りしめる。
    その時に一緒に出てきたのは偶然持っていたリップだった。

    (そ、そうだ・・・バァちゃん、今だけでいい!力を貸して!)

    リップを取り出して、鈴鹿は手鏡を覗くと口元に紋様を描く。
    拝み屋の祖母が呪術を扱う際に自身に施す化粧だ。

    「できた・・・あとは、一度だけでも・・・」


    「七海、そろそろおしまいかな?」
    「ぐっ、く・・・まだまだ!」

    ボロボロになった七海を見ながら夏油は再び呪霊を攻撃態勢に移させた。

  • 178二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 13:41:05

    「さよならだよ七海!」

    夏油が再び手を挙げようとした刹那。七海が一か八かの攻撃に出ようとした時だった。

    「むっ!」
    「鈴鹿さ・・・?」

    口を固く結んでいた鈴鹿とその口元の化粧に驚いた七海を他所に鈴鹿は大きく息を
    吸い込んで叫んだ。

    「『動くなっ!!』」

    キィーーーン!とハウリングのような響きと共に放たれた言葉は夏油を中心に呪霊達を金縛りにした。

    (呪言?・・・まさか、呪術を使うとは!)

    忌々しそうな顔を一変させて喜色満面になった夏油は自分を鋭く睨み付ける鈴鹿に
    嬉しそうに手を叩いた。

  • 179二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 17:36:45

    この話好きだ保守

  • 180二次元好きの匿名さん24/02/12(月) 23:49:38

    ほっしゅ

  • 181二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 08:21:49

    保守

  • 182二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 13:12:14

    ほししし

  • 183二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 13:30:07

    「驚いた、猿だとばかり思っていたが・・・」
    「ふんっ!」
    「おっと」

    七海の鈍刀が一閃し、夏油が呼び出していた呪霊が真っ二つになり吹き飛ぶ。
    夏油はそれを飛び上がって避け、七海を蹴り飛ばして距離を取った。

    「はぁ、はぁ・・・」
    「鈴鹿さん、今のは?」
    「わ"がん"な"い"・・・げほっ」

    七海が鈴鹿の様子を確認すると彼女の握りしめているお守りから呪力が漏れでているのが見えた。

    (あれが彼女の術式を発動させたのか・・・、呪具代わりのお守りから呪力を得て術式を使うとは)

    七海はお守りに籠められた呪力が彼女と親和性の高いからこそ術式を発動できたのだろうと推測する。しかし初手から遥かに格上の夏油と多数の呪霊に対して呪言を使用した反動から鈴鹿は喉を押さえて目を白黒させている。

    「しかし奥の手もせいぜい次が限度じゃないかな?」
    「かひゅっ・・・ま"だま"だ!」
    「ダメです!それ以上は!」

    大きく息を再び吸い込んだ鈴鹿は声を出そうとした刹那、血を吐いた。

    「ゲボッ・・・がはっ」
    「騙し討ちは二度通じるものじゃない。ここまでだね」

    喉を押さえて血を吐きながら膝をついた鈴鹿に夏油はとどめとばかりに呪霊を飛ばした。

  • 184二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 21:48:10

    ほっしゅ

  • 185二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 22:23:49

    このレスは削除されています

  • 186二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 23:39:58

    ざしゅっ

    「あ・・・え」

    血しぶきが飛び散り、鈴鹿はそのまま力なく膝から崩れ落ち、正座の体勢でピクリとも動かなくなった。

    「鈴鹿さん・・・?」
    「呪言師は厄介だからね、それに・・・呪術師かとおもったら呪具を使うだけの猿じゃないか」

    どうりで呪力を感じないわけだ。と吐き捨てるように言う。
    そんな中で虚ろな瞳で地面を見つめている鈴鹿。七海は踵を返して立ち去る夏油をにらみつつ駆け寄ると鈴鹿の様子を確認して言葉を失った。

    「ッ・・・なんということだ」

    鈴鹿の額から上、左半分が無くなっていた。

    「七海さん!」
    「が、賀樂さん・・・」
    「酷い怪我・・・どうして・・・っ!そ、そんな・・・」

    賀樂が七海を追いかけてやってきたらしかった。慌てて七海に反転術式を使用しつつ、鈴鹿の容態を確認して賀樂も悲しそうな表情を浮かべる。

    「すみません、力不足で・・・」
    「・・・いいんだよ、しかたないことだもん・・・」

    泣きそうな顔をしながら、賀樂は鈴鹿の遺体に手を添えて反転術式を使用し始めた。

    「賀樂さん、彼女はもう・・・」
    「わかってる・・・でも、綺麗な体でおうちに帰してあげたいから・・・」

  • 187二次元好きの匿名さん24/02/13(火) 23:50:33

    無駄だとわかっていても、七海は止めることができなかった。

    「塞がらない・・・もう少し強い呪力を使えたら・・・」

    そう言うと賀樂は右手首を左手で掴んで呪力を集中させる。するとメキメキと鈍い音を立てて賀樂の右手から刃物が生えてきた。

    「賀樂さん・・・それは?」
    「魔虚羅の剣、正の呪力でできてるから・・・これを使えばもしかすれば・・・」

    ごめんなさい、と謝りつつ剣を鈴鹿の欠損した頭に差し入れる。するとじりじりとまるで溶接しているかのような音と、ぽこぽこと何かが湧きたつような音をさせ始める。

    「大丈夫なんですか・・・?」
    「もう少し待って・・・もうじき・・・塞がるから」

    七海が目の前の事を信じられないといった様子で眺めている。死体になった鈴鹿の頭部が元通りになっていく。
    そして、剣をゆっくりと引き抜く頃には欠損していた額は復活して小さな刺し傷程度の傷になっており、その傷も反転術式によって塞がった。

    「はぁ・・・はぁ・・・ふぅ」
    「凄いですね、傷が完璧に・・・」
    「集中力が、かなりいるけど・・・できた・・・」

    賀樂は涙を浮かべながら鈴鹿に抱き着いて、守れなくてごめんねと呟いた。

  • 188二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 09:51:49

    ほしゅ

  • 189二次元好きの匿名さん24/02/14(水) 19:04:18

    賀樂と七海が鈴鹿の遺体を修復し、一段落した時に突然爆発が起こった。

    「わっ!」
    「今度は何が・・・」

    二人が身構えた時、聞き覚えのある声と姿を確認できた。

    「生きてるかい、二人とも」
    「五条さん」
    「呪具は僕が破壊しておいたけど・・・遅くなってすまないね」

    血塗れの七海と泣いた跡が見られる賀樂を見て五条はすまなそうに言う。

    「原因が取り除かれたなら、私達の頑張りは無駄じゃなかった。あとは助けられるだけの人を助けて撤収しましょう」
    「うん・・・」

    七海は鈴鹿を抱き上げ、賀樂を伴って避難所へ。

    「七海さん!大丈夫っすか!」
    「猪野君、お疲れ様です。そちらも無事なようでなによりですよ」

    避難所は一般人の退避は終了したのか、術師達が治療をうけつつ適宜報告を済ませて
    ぼちぼち帰り始めていた。

  • 190二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 00:31:15

    保守

  • 191二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 07:15:21

    保守域展開

  • 192二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 10:16:51

    保守展開

  • 193二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 13:15:54

    ほしゆ

  • 194二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 17:31:56

    保守

  • 195二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 19:11:15

    「七海さん、その子は・・・」
    「すみません猪野君、話は後でお願いします」

    そこまで言うと猪野は何かしら察したのか七海に道を譲る。七海は軽く頭を下げて賀樂と二人で医療班の場所へ。

    「すみません、この子もお願いします」
    「この子はどういう・・・」
    「一応心肺停止で、医師の確認をお願いします」

    七海の物言いが少し引っ掛かったが医療班は鈴鹿を一応救急車の方へ誘導した。

    「あの、死んじゃった人・・・綺麗にしてあげたいんですけど・・・」
    「え?いや、それは葬儀の方が・・・」
    「おねがいします!」

    医療班は少し困った様子だったが賀樂の事を見知った人がいたらしく、安置所へと案内してくれた。

    「ここです。くれぐれも無理はしないでくださいね」

    賀樂は心配してくれる医療班の人に賀樂は頷きながら右手の剣を抜いた。

  • 196二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 22:01:45

    そろそろ次建てます!

  • 197二次元好きの匿名さん24/02/15(木) 22:04:12
  • 198二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 07:45:34

    >>197

    あざす。うめぇ

オススメ

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