【閲覧注意】特攻騎兵スパークル……?

  • 1二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 17:40:51
    【閲覧注意】声なき闇の姫君……?|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/3000152/こちらの続きです。表題は前スレ>>123からbbs.animanch.com

    こちらの続きです。ひたすらキララク。

    表題は前スレ>>119から

    トリとか必要であれば今度からつけます

  • 2二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 17:43:46

    「対話の時間だね。語ることはもうない、かな?」
    「はい……」
    「残りページも少ない。一気に行こうか」

  • 3二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 17:44:47

    乙~

  • 4二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 17:47:55

    「モモちゃん……会いに来たよ」
    「こないで、ください……私がこうしなければ、あなたは……」
    「……え?」
    「私がこうしなければ!あなたは!!戦い続けなきゃいけない!!」
    「……うるさいよ」
    「スパークル……」
    「ああ、そっちの呼び方なんだ。まあどっちも僕だし、どっちでもいいけど……なに?なにが言いたいの?」

  • 5二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 17:49:48

    「あなたは、みんなのために戦う、人だから……」
    「うるさいなあ……ちょっと黙れよ。このわからずや!!僕は……力があるから、君を守ってたんじゃない。君を守るために、君と一緒にいたいから、頑張ってたんだ!君と一緒にいれないなら、こんな力、いらないよ!!だからね!力を奪われても、無理やりでも、一緒にいてやる!!」
    「わたしと、いっしょに……?」
    「ああそうだ。君に愛してほしいから、戦う。君を愛したいから戦う。もちろん、いろんな人が死ぬのは悲しい。でも……でも。
     もし、君がそんな形での結末を望むのなら。僕は君の意思にすら逆らおう。だってそうじゃない?僕よりそんな機械の方がいいなんて、そんなの認められない。最悪だ。一人の男として自信をなくすよ。僕のためにそんな機械の言いなりになる?ばっかじゃないの?こんなこともわからないなんて、単純に腹が立つね。ああ、ホークの言うとおりだ。口にしたら腹が立ってきた。こりゃいいや。たまには考えずに動くのもありだね、本当」
    「えっえっ……」
    (画像はイメージです)

  • 6二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 17:51:44

    「何考えてんの、モモちゃん?ふざけてんの?そういう人だったんだ。へえ。へえ?僕より機械の方がいいんだ。言ったらいくらでも抱きしめてあげたのに。いくらでも抱いてあげたのに。こっちだって抱きしめたかったのに。キスしたかったのに。おっぱいに触りたかったのに。それなのに、そんな機械の中で寝てるか起きてるかわかんないような状態の方が好きなんだ。がっかりだね。ああ、がっかりだ。失望した」
    「そんなこと、言われたこと、ない……一緒にいたいって言ったのに!こうちゃんが私を置いていったんじゃない!!帰ってきてほしいって言ったのに!!私は帰ってくるって言ったのに!いつもいつも、勝手に戦って!傷ついて!私のことを放置して!毎回毎回、何も言ってくれない!!」
    「言ったことなかったからね。今すっごい後悔してるところ。それはごめん。悪かったよ。だからね。僕は君を奪う。君がその力を制御できない?なら、僕が言うことを聞かせてあげる。そんな機械からひっぺがして、僕がめちゃくちゃにしてあげるよ。頭トロトロにしてそんなこと考える隙もなくしてあげるよ。まあその前に、君の言い訳はちゃんと聞いてあげる。君がどうしたいのか。君は何を選ぶのか。一人の女の子として、どうしたいのか。ちゃんと聞いてあげるよ」

  • 7二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 17:53:38

    「わたし、もう、20歳だよ!子供扱いしないで!!」
    「うっさいなあ、僕にとっちゃ君はずっとただの女の子だ。ただのモモちゃんだよ」
    「ううううう!!なによなによ!!スパークルなんて強がっちゃって!似合ってない!!全然似合ってない!!かっこつけ!!ばか、ばか、こうちゃんのばかあああああ!!」
    「いいじゃん、かっこよかったでしょ?……モモちゃんらしくなってきたじゃないか。そっちの方が、僕は好きだ。愛してる。さあ、平和がどうとか、君自身の能力がどうとか、そんな建前はどうでもいい。まずは、僕のこのくっっっそ恥ずかしい告白についてどう思うか、原稿用紙100枚にまとめてもらおうかな!意のままに操れるってんならやってもらおうじゃないか!!僕の告白聞いて顔真っ赤にしている君にそんなことできるとは全然思わないけどね!!
     そうだ。僕は、コウ・ダイヨウトク。俺は、スパークル。モモ・シャイン。モモちゃん。モモ!!君を、一人の女性として、女として、ただ求めるものだっ……!!変身!!」
    (画像はイメージです)

  • 8二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 17:55:37

    「変身機構は封じられたはずでは……?」
    「まあ……そこはさっき言ったとおりだね。そもそもモモは自分の能力を意識してコントロールできてない。本音と建前。意識と無意識。それがコントロールできていない。できてるのなら、『世界を破滅させる存在』なんて判定されないよ。とはいえ。そもそもそれも、モモに対するグリーンの策だったんじゃないかな。不安に付け込み、自分から軍門に下るように仕向けた。と、いうわけで……まあ、こうなるよね」

  • 9二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 17:57:13

    「管理者権限確認……だってさ。ほら。そんな機械使ったって、全然自分の力を制御できてないじゃないか」
    「えっ、なんで、なんで……?」
    「遠隔攻撃システム、飛竜、展開!!
     腹部高エネルギー収束砲、猛火、射撃用意!!
     連結高エネルギー砲、全自動射撃!!
     エネルギーソード、毒蛇、抜刀!!
     君がその機械でこいつらを制御してるっていうんなら!!全部ぶっ壊せばいいんだろ!
     くらえええええええええ!!」
    (画像はイメージです)

  • 10二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 17:57:32

    >>7

    言い方悪いけど歳をとって身体は大きく本質は変わってないって……結構良いかも

  • 11二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 17:59:56

    「ああ、なるほど……合点がいったよ」
    「え?どうかされたのですか?」
    「過去編のラスト。僕はこういったよね?少年である自分と決別して彼はヒーローになった、と」
    「はい……覚えてますわ」
    「でも実際は違ったんだ。そこですれ違いが生じてしまう。そのすれ違いこそが、この漫画の始まりで、そのすれ違いが解消されることで、この漫画は終わる。少年がヒーローだったんじゃない。彼女にとってのヒーローは、いつだって、この少年だったんだ」
    「……!!」
    「さあ、ラストシーン……の前にマロンが大暴れしてるね。本当にこれ、彼女主人公でも一本描けるんじゃない……?」

  • 12二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 18:05:11

    「不死鷹仮面様ああああああ!!」
    「いや、もう、限界なんだけども……?」
    「あれ言ってください!!あれ!!」
    「……やれ、マロン……いや、月の女王よ!!」
    「はい!不死鷹仮面様!!
     抜刀!!対要塞月光刀!!
     月光の力を借りて!!今必殺の!!
     虹色!月光!!一文字ぎりいいいいいいいい!!」
    「……もうあいつ一人でいいんじゃないか……?」
    (画像はイメージです)

  • 13二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 18:07:39

    「すき、だいすき」
    「えーっと」
    「すき」
    「うん……」
    「すきって言って」
    「はい……好きです」
    「うん!」
    「……なんか、うーん。とりあえず、マロンとホークと合流して……」
    「やめた方がいいと思う」
    「え、なんで?」
    「すっごいことしてる」
    「……」
    「……え、こうちゃ、ん……」
    (画像はイメージです)

  • 14二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 18:11:20

    「うん、王道だね」
    「壊れる敵の基地!そこをバックにキス!!そして完!!いいですわ……」
    「ああ、いいね。ラクスの紹介してくれる漫画やゲームはハッピーエンドが多いから」
    「たまにはバッドエンドの物も紹介しておりますわ」
    「スパイスは効かせなくていいからね……?」
    「あの、キラ」
    「なに?」
    「私が……私が、あなたを置いて、どこかに行ってしまっていったらどうされますか?」
    「え?ラクスはそんなことしないでしょ」
    「もしもの話です。私が、もしも、あなたを捨てて、消えてしまったら……」
    「は?」
    「え?お、怒って、らっしゃい、ますの……?」
    「は?なに?ラクスはそんなことしないでしょ。モモとは違う」
    「え、で、でも……もしも……もしもの話、ですわ……?」
    「……うるさいなあ。こうして欲しいの?なに?めちゃくちゃにしてほしい?トロトロにしてほしい?」
    「ひゃっ、き、キラ、えっ、やっ♡あっ♡」
    (画像はイメージではありません)

  • 15二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 18:12:38

    「きら、ひゅごかったですわぁ……♡」
    「それは何よりだよ……ごめんね?でもラクスはそんなことしないよね?」
    「ひゃい……♡」
    「うん……そういえば、番外編だけ後回しになっちゃったね。我慢できなかった……ごめん」
    「いえ……結果的にはすべてよしですわぁ……♡」
    「これかな?あ、作者が違うんだ。それとも成年向けは別……名義……」

  • 16二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 18:13:36

    ~特攻騎兵スパークル・LOVE編~
    作:ヨメ・キラノ
    原案:フワイ・トヤマ・スクウェア(ヨメ・キラノおよびハハ・キラノ)
    敵基地を破壊したコウとモモ。
    彼と彼女の想いが成就したとき、二人は身体を重ねる。
    夕暮れの野外で、若い二人の想いは燃え上がる。
    フワイ・トヤマ・スクウェアのコンビ、その一人が描き下ろす二人の初体験。
    君は、少女の涙を見る……
    (画像はイメージです)

  • 17二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 18:18:42

    時の涙を見るヤメロ笑

  • 18二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 18:22:27

    「ラ!ク!!!ス!!!!!」
    「しゃくせんとは全然違いましたが大成功でしゅわぁ……♡」
    「これ!なにこれ!!全部あれじゃん!!僕と君があそこでやった一部始終そのまんまじゃん!!」
    「これを見てキラが怒りとともに大興奮のはずだったのですが、三歩ぐらい手前でスイッチ入っちゃって大満足ですわ……」
    「うそでしょ……!?すっごいラクスの絵が上達しているっていうか、こんな絵柄描けたの……!?」
    「ぶっちゃけキラの絵を真似ましたわ」
    「絵柄のトレースまでできるようになってる……!!なんなの僕のお嫁さん……!?」
    「キラの上達具合の方が頭おかしいですわ?」

  • 19二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 18:24:26

    「正座!正座!!!」
    「ひゃいでしゅわ……」
    「もういい!うん!大体わかった!!あれだね!これ僕をその気にするためだけに描いたんだね!!」
    「やりましたわ」
    「ドヤ顔やめて!僕はいい!母さんが協力したのもいい!!でも不死鷹仮面ってムウさんじゃん!!」
    「ちなみにマロンはマリュー様ですわ」
    「うそ……え、嘘?全然そんな要素ない……え?」
    「というかホークとマロンのセリフは全部マリュー様が作りましたわ」
    「うそぉ……あ、原案協力に小さく『マリュー・ラミアス』って書いてある……」
    「艦砲少女マロン☆LOVE編はすでにマリュー様に納品済ですわ」
    「うそでしょ……?僕今度どんな顔してマリューさんとムウさんに会えばいいのさ……」
    「大丈夫ですわ、私も一緒に謝りますわ」
    「もおおおおおお!!もおおおおおおお!!」

  • 20二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 18:25:20

    こ れ を 待 っ て た

  • 21二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 18:26:09

    まああれだな……幸せそうでなにより!

  • 22二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 18:29:54

    このレスは削除されています

  • 23二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 18:31:21

    「ん?キラから連絡?
     『今連絡とれますか?ちょっとお聞きしたいことがあるんですけど』?
     一体何が……?」
    「ムウー?ちょっといいかしら♪」
    「やけに機嫌がいいな。どうした?」
    「ちょっとこれ、一緒に読んでくれる?」
    「艦砲少女マロン?……なんだこりゃ」
    (画像は数十分後)

  • 24二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 18:34:32

    ぎゃああああああ
    頒布されてる上に総裁の変態ロマンティクス誘導がコンパスに広がってるうううう

    責任者だれだよ!
    責任者が主犯だったよチクショウ!

  • 25二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 18:45:39

    マロンsideの裏設定とかあったりしません?

  • 26二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 19:06:35

    >>23

    マリューさんまで変態に……!

    カガリは正気を保っていたのに

  • 27細かい話24/02/24(土) 19:09:58

    ・前スレ>>177様がほぼ正解です。今回のテーマは「私が見ていたあなた」「あなたを見ていた私」「もしも私があなたを裏切ったら」。あとは「精神年齢幼めのキラとラクス」「私の旦那様はこんなにもかっこいい」。

    ・「いや僕こんなことできないよ……」「解釈違いですわ。私のキラならできますわ。というかこれキラですわ」でイチャコラを狙った総裁。大成功。やりましたわ。

    ・最後のラクスの問いかけの模範解答は、「愛を囁いて抱きしめてくれる」「必ず君を追いかける」。そこからLOVE編で怒りとともにぎゅんぎゅんきた准将に押し倒されロマンティクスを狙った誘い受けの達人総裁。なお大失敗。は?解釈違いなんだけど?僕のラクスは絶対に心折れないんだけど?お互いに自分を卑下しがちだったというオチ。ラクスポイント100億ポイント加算ですわ!!

    ・もしもネタはあまりやりすぎるとネタが多すぎて収集がつかなくなるので、基本再構成なのですがいかがでしょう。ラクスがキラを自分の思うままに操っている可能性があったら曇ると思うのですが、そこはキラがどうにかフォローすると思います。そもそもラクスの思うままキラが動いてたら白馬の王子様にはなれないので。常にキラは私の頭の中のキラを上回ってきますわ!何それ怖いよラクス……

    ・今回は、今までの創作でラクスが本人から得た「キラの心情」をもとに、さらにカリダさんやマリューさんの情報を得て創作が完成しています。最後のコウとモモのやり取りは、砂漠でのキラを知っているマリューさんからの情報提供が前提。口の悪いキラも素敵ですわ!

    ・艦砲少女マロンと不死鷹仮面マスク・ド・ホークが大暴れ。当初のプロットでは、マリューさんがこのネタを書いてムウさんに見せるとかいう話だったのですが、脳内ムウさんが結末まで進めることを許さなかった。おのれフラガ。ムウさんは普通に一緒に読んでる最中にピキーンときて気づきます。そして即。

    ・パロディ塗れだったのはどうかな、とちょっと思いましたが、そもそも1作目からパロディ塗れ。>>25様 マロンと不死鷹仮面は実はモモなんかよりよっぽど危険な存在です。月の光とか言ってますが、別世界のエネルギーとか使ってます。不死鷹仮面も別世界の自分認識してたりします。裏設定。

    ・アスランだけでなく、シン、ムウさんにそれぞれしょぼくれたキラを立ちなおらせたかった。誰もが思いつくif。

  • 28二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 19:28:11

    月に代わってお仕置きですわ?

  • 29二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 19:28:16

    これ協力者がまあまあ増えてきてて、もう噂になってきてんだろ!

  • 30二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 20:12:30

    >>23

    ムウさん、ハイになってない?

  • 31二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 20:25:21

    毎回凄いクオリティ高くてエモい

  • 32二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 20:33:00

    スレ主様リアルタイム時代に個人サイトでSS書きまくってたりしてません……?
    別ジャンル化再構成という発想とか熱量の高さとかがマジで「あの時代」を思い出す

  • 33二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 22:19:06

    マロン(=マリューさん)を「年長者を無理矢理年少キャラに押し込んでるみたい」と読み解いてのける准将はやっぱ格が違ったな

  • 34二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 23:06:35

    これは以前語られてたラクス育成ゲームが楽しみすぎる
    …ってまんまプリンセスメーカーロマンティクスでしかないなうん

  • 35二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 00:26:05

    筆もプログラミングスキルも(←アコード能力でキラから吸…わないかこの子なら)漫画力ももう何でも身に付けちゃった総合エンターテインメント事業P&P(ピンク・アンド・プリンス)ちゃんの今後のタイトルは果たして
    ・ラクス様育成ラブレター
    ・やっぱ続編で作っちゃいたいキラきゅん育成ラブレター
    ・キラが選択を迫られるタク○ィ○ス○ウガ(キラが刺すヤンデレ黒ラクスもいるよ!)
    ・趣向変えて異世界転生モノで
    ・もう我慢なりませんわ!某スタジオ顔負け長編アニメ作品
    ドラマとか考えてそうだけど本人に出てもらう路線になるからここは我慢しなくては…!って悶えてそうだ
    返しのラブレターは絵本で書いてあげたいと思ってたキラ君はタイミングを見失っている(※シリーズにしようか考え中、とか

    いやあれだけ奥さんにむんむんしてて自分は絵本!なキラきゅん、ラクスPt5兆点でわ?

  • 36二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 00:28:05

    ラクスポイントとか言うガバガバ換算好き

  • 37二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 00:32:50

    百合路線(キラ女体化)は邪道でしょうか?

  • 38二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 00:41:59

    新作が待ち遠しい

  • 39二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 00:46:07

    >>37

    ぜんぜん、アリでは

    なんならBLでも全く…キラなら受け入れるというか”理解はしてくれる”、確信ある。


    ああこれ路線次第では「魔道戦士コンパス」とか言って中身プリキュアでもかまわねーのか…

    無敵だなラクスさん

  • 40>>34様 なんか申し訳ない…24/02/25(日) 02:33:48

    「新妻調教~かわいい僕のお嫁さん~……?これはまた直球なものを……。なにこれラクス。いつもの純愛調教ゲーム?」
    「いいえ?私が作った私をキラに調教してもらうゲームですわ?」
    「……なんて?」
    「私が一人で作ったかわいい無垢な私を心を鬼にして鬼畜調教師となったもともとは心優しい白馬の王子様のキラに調教してもらうゲームですわ?」
    「………ついに自分が作ったものを隠さなくなってきたね。けがれないところとかかわいいところはまあ否定しないよ」
    「ありがとうございますわ。キラに汚されきっておりますが、それはそれで。最初は子供のころから私を育成してもらうゲームを作ろうと思ったのですが、これまでの経験で『目の前にいるラクスが好きになったのであって、好きに育成してもラクスになるわけじゃないよね?』という言葉とともに好き放題キャラ作ってエンディング回収するだけの展開が見えてしまったので……?」
    「否定できない」
    「キラはゲーム製作者に対する理解を深めようとしすぎて結果的にRTAになってますわ」
    「ああ……そういう傾向はあるかもね。どうしても最高効率でやろうとしちゃうってのはある」
    「と、いうわけで、明らかに私であれば手心を加えてくれるのではないかと」
    「熱意」

  • 41二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 02:39:46

    「とはいえ、ゲームはゲームだからね。とりあえず一あたりしてチャートを組むのは普通じゃないかな。対象がラクスが作ったラクスっぽいキャラどころか完全にラクスのキャラでも変わらないよ?」
    「よしんば私が声を横であてても?」
    「変わらないね?シャイン・クルスとトリニティでもうやったし」
    「よしんばゲームの中の痴態を私が再現したとしても?」
    「それはそれで楽しむけどね?」
    「よしんば私がこのゲームの通り、生活しても?」
    「そんなことラクスはしないよ。僕が指示しただけのことをする生活なんて、君が望むはずがない」
    「……キラが望むのであれは、私はそれでもいいのですが」
    「はいはい。そんなこと言って、僕のために勝手にいろいろするでしょ、ラクスは」
    「……」
    「抱き着いてきてにやにやするか、僕の背中つねるのかどっちかにした方がいいと思うよ?」

  • 42二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 02:48:18

    「まあとりあえず始めようか。
     ……えっなにこのパラメータの数……怖い……。
     身長、体重、精神状況、満腹感、血糖値、水分量、脂肪率、骨密度……?いやいやいや、これ、もう医学的なシミュレーターになってるんじゃ……。デバッグどうしたの」
    「ソースがフリーで公開されているシミュレーターを元に作りましたの。調教ゲーおなじみの感度とそれぞれのサイズもありますわ」
    「うそでしょ……?全部測ったの……?あっそういえばこの前……」
    「……」
    「僕とラクスの性生活って特殊すぎない?」
    「いまさらですわ?」
    「衣服とかもあるの……へぇ。下着も選べるんだ」
    「今すっと目が鋭くなったのは見逃しませんわ。キラはコスプレ大好きですものね」
    「まあうん……食事メニュー?というか僕の行動パターンまであるじゃないか……」
    「残業し続けると私のストレス値とキラのストレス値が加速しますわ」
    「僕のトラウマ抉るのやめない?」
    「私も自分でトラウマ抉ってるのでおそろいですわ」

  • 43続きはそのうち24/02/25(日) 02:56:32

    「期間は……いや100年単位って。おかしくない?」
    「不死の新妻ですわ」
    「僕が死ぬんだけども」
    「フィクションですわ?虚構の中でも少しでも長い間いちゃいちゃしたいかわいいお嫁さんのわがままですので」
    「自分で言うあたり、大分たくましくなったよね……いや元からたくましいけどさ」
    「ありがとうございますわ」
    「ゲーム終了条件は何かな?」
    「死ぬか、私の好感度が地に落ちると終了ですわ?」
    「手心……手心が欲しい。僕の心の平穏のためにも。というかデッドエンドとかあるんだ……」
    「と、言われると思いましたので、特定の条件を満たすとエンディングに派生するようにしております。本当に死ぬ前に私がキラをひっぱたいて暗転しますのでご安心くださいな」
    「よしじゃあまずはそこの条件を検討するところから始めようか」
    「そういうところですわ、キラ」
    「ラクスの痴態を楽しむためには、全条件をまず確認したいんだけどね。でもこのパラメーター数だと無理筋かなあ……だってこれ、ラクスと一緒にやるの前提のゲームでしょ?」
    「はい」
    「じゃあゆっくりやろうかな……でも、ゲームばっかりでも、ラクスは楽しくないよね?」
    「いえ、私が間接的に調教されるみたいで悦びを感じますので。なんだったらそういうところは現実にガンガン反映しても全く問題ありませんわ」
    「僕か君が辛抱できなくなったらそうさせてもらおうかな……さて」

  • 44二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 05:03:13

    ついにいくところまでいった感があるな…
    最後はキラと自分のサーガを完全に最初から振り返るノンフィクション「機動戦士ガンダムSEED」三部作作って終わりだろうなぁ

  • 45二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 07:20:19

    不死の新妻は笑う

  • 46二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 07:27:26

    >>40

    まあゲームさせたらキラ=RTAにはなってしまうだろうなぁ。

  • 47二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 12:09:31

    「開始時点から要素が全部開放されてる……のかな?」
    「そうですわ」
    「へー、食事が……いや多い多い多い!!なにこれ!?」
    「お義母様に色々教えてもらいましたわ」
    「と、とりあえず完全栄養食で……いやストレス!ストレス上がってる!?」
    「普通に私も全く同じものを三食食べたらストレス溜まりますわ……仕事中のキラではないのですから」
    「いや僕も仕事中でもちゃんと……え?なんでストレスは上がってるのに好感度上がってるの?」
    「だってキラに指示されてますから。『これを食べてね』とキラが言ってくれるだけで私内の好感度はだだもれですわ?」
    「好感度システムの意味がない!!」
    「大丈夫ですわ、ちゃんと調教シーンでバフが乗りますの」
    「うそでしょこのお嫁さん何やってもどんどん調教に乗り気になってく……」

  • 48二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 12:16:41

    「えっと?ストレスは下げるためにはどこが対応してるんだ……?」
    「さあ私検定ですわ?私のストレスを下げるためには何をすればいいでしょうか?」
    「くそ、えっと、運動?デート?あれ、僕とのデート開放されてない……そもそもこれ僕帰ってきてないのか!?」
    「そうですわ。キラは放っておくと職場で激務してますわ」
    「やめてよね!?一緒にいるのに……ああ、あらかじめ予定を入れておかないと僕帰ってこないのかこれ!
     そうだよね、僕軍人だもんね、簡単にここに戻ってこれないよね!!」
    「私イライラですわ?」
    「うっそ、2週間後までラクスのストレス下げるコマンドがない……?いや、そうか!買うんじゃなくて、ラクス自身が料理!料理を作って……」
    「揚げ物祭りで冷蔵庫がいっぱいですわ」
    「やめてよね!?」
    (こんな顔してるけどストレス溜まってます)

  • 49二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 12:23:41

    「あ、あっという間に2週間、あと1日でやっとラクスに会える……」
    「それではバッドエンドですわ?2週間も放っておかれた私は職場に乗り込みますわ」
    「ちょ、まっ……1か月!1か月ぐらいは勘弁して!?」
    「大丈夫ですわ、これはフィクションですわ。
     でもフィクションだからこそガンガン我儘伝えていきますわ」
    「うそでしょこのかわいいお嫁さん僕の職場に殴り込んできてる……本当は行方不明扱いのはずなのに……」
    「当然ゲームオーバーですわね」
    「え、これそういうゲームなの、もしかして……?」
    「いかがでしょう?」
    「帰ってくる!ちゃんと帰ってくるから!!ね、ごめんって、ラクス!?」

  • 50二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 12:31:08

    「わかった……初手で僕の行動を決めるんだ。それで、ラクス自身に料理を作ってもらいつつうまくストレスをコントロールしてもらう。うそ、僕の行動管理大分シビアじゃんこれ……長期の作戦に参加したらアウトでは」
    「大丈夫ですわ、救済措置で私を謎の女パイロットとして准将閣下のお部屋に同行させることができますわ」
    「マイティフリーダムに乗るってこと……?」
    「ちなみにその間ストレスは上がりますし、体調も悪くなりますわ。私を慣れない戦場に連れまわすのですから、しょうがないことだと思いませんか、キラ?」
    「待って?待って?うん、わかる。わかるけども!わかるけどね!!」
    「ちなみに吊り橋効果で好感度は爆上がりですわ」
    「だから!!好感度の!!意味がない!!!」

  • 51二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 12:37:46

    「くそ、頑張れ僕。とにかくストレス値のコントロールだ、どうせこれもバッドエンドのトリガーになるに決まってる……」
    「私はキラが横にいるだけで上機嫌ですわ♪」
    「違うから!ゲームの中のラクスの話だから!!えっと、2週間はあくまでバッドエンドの対象。となると半分?1週間ごとに帰ってきて、いやだめだ!これ無理だ!!ほぼ毎日かえってこないとどうにもならない……!」
    「当たり前ですわ?愛しいお嫁さんと毎日一緒にいないなんて、許されざることですわ?」
    「やばいやばいストレスが全然減らない!2週間先までいろいろ効率が落ちたままだし……うわ、水分足りてない!?」
    「女性は水分が足りなくなりがちですわ?」
    「待って待って!!これシビアすぎる!なんだこれ!!なんだこれ!!」

  • 52二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 12:42:13

    「くそ、甘いものを食べてもらうしかない……!!料理に、趣味に、いろいろやってもらって……」
    「私は食べ物だけで満足する女ではありませんわ?それに……レディがストレスと暴食を押し付けるとはさすがのキラでも許せません……というわけでバッドエンドですわ?」
    「えっ」
    「体重が増えてしまった私を、キラが見つめることに我慢ならない私はダイエットを始めますわ?でもダイエットは長期にわたるのでエンディングとして処理させてもらいますの」
    「何それ!?」
    「バッドエンド・愛しの旦那様と一緒にダイエット、旦那様は私の分までいっぱい食べてくださいませ!ですわ?」
    「なにそれぇ……」
    (仲がよさそうですが一緒にエクササイズ中です)

  • 53二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 12:47:03

    テーマIs『普段どんな思いしてるかご実体験なさいませ!』ってこら!ちょっと!
    何ならそこまで行って本人頗る楽しそうなの!
    どうせこの作品あんまりお願いを単純に叶えるだけでも退屈して好感度下がるとかあるんでしょw!
    女子パラメーターを完全再現ってそれはそれで凄いプログラミングスキルだけど!

  • 54二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 12:49:08

    ついに夫の方を調教し始めたぞ
    しゃーないな可愛いお嫁さんだし

  • 55二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 12:51:57

    しれっと育成ゲーム2パターン提案した(>>35)けれどまさかこう言う形で織り込み済みにしてくるたぁ思うまいよ

  • 56二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 12:53:42

    「……よし。とりあえずストレス管理の方法はなんとなく検討がついた。こっちは作中のキラ・ヤマトの行動がキーになっている。一方で体重……というか体調全体に気を配る。そのためには食事のパラメータを調べて最適化。あとはなんだ?趣味、キラ・ヤマトが家にいるときの行動、いや、明らかにキラ・ヤマトの作戦行動に同行が必要。
     なるほど。なるほど。製作者の意図が読めてきたぞ?これ、かなりのパラメータがバッドエンドのトリガーになるな?何が好感度と生死だ。これは一切の行動に無駄なく進めないと即バッドエンドになるタイプのゲームだ。しかもパラメータが多すぎる。なんて製作者だ……!!」
    「うそじゃないですわ?体重増えた状態で愛しの王子様の前にでるなんて実質死んだも同然ですわ?好感度は初手でゲームをやめる選択肢を選べば条件を満たしますの」
    「いや、運要素がないだけまだましだ。すべてのパラメータから最適解を導き出せ。これゆっくりやるとかラクスと話しながらやるとか、そういうシーン楽しみながらやってる余裕ないぞ……!」
    「わたくしは調教されるのを今か今かと待っていますわ?」
    「心底楽しみにしてるのはわかるからね!ごめんね!!」

  • 57二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 12:54:08

    「今まで全くかまってくれませんでしたよね?」を大前提にしてるから准将のメタ読みRTAスキルが通用してねえw

    頑張れ准将
    ちょっと、いやかなり変態的だが、対話は夫婦円満の秘訣だ

  • 58二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 12:58:42

    ゲームで手間が掛かるラクスをやってわがままに付き合ってもらい、ラクスに付きっきりの旦那様を堪能する高度なプレイだ
    現実のラクスは気立が良くてわがままも言わなくてかわいいね……「は?ラクスはわがままでも可愛いけど?」って声が聞こえた気がする。ごめんなさいラクス様はヤマト准将の可愛いお嫁さんです……

  • 59二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 12:59:15

    『私の女心にたっぷり掻き乱されて下さいませ!』
    これが大天才理系おたくスパコメタか…。

  • 60二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 13:02:08

    「食事はタイプをバランスよくちりばめろ。おそらく繊維質やたんぱく質を重視した食事だ。いや、ストレスがたまりすぎるのに配慮して、適度にデザートも入れていけ。炭水化物・脂質がないと消化器官の機能が落ちる。思い出すんだ。ラクスと母さんの食事を思い出せ……!」
    「ちなみに今日の御夕飯はすき焼きですわ」
    「ああ、うん、ありがとう。楽しみにしてるよ……そうか、鍋物!季節の特性も加味する必要があるのか。よし。これで、うん、若干ストレスが伸びているけどもバランスはいい」
    「私、不満がたまっていますわ?」
    「そうだ。仕事の合間にラクスに会う。特に夕食は必ず一緒に取る。そうすれば、多めに食事を作ることによるストレス低減と彼女が作った多めの食事を僕が摂取することでバランスが取れるはず……!!」
    「大満足ですわ♪」
    「どういたしまして!!休日だからと言って疎かにできない。デート。一緒に運動。そしてまた食事。適度な睡眠……これでいけるはず!!」
    「あっ」

  • 61二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 13:07:42

    「えっ」
    「バッドエンド条件を満たしましたわ?」
    「えっ」
    「新婚ラブラブ夫婦に最も重要なのは何か、忘れてませんか、キラ」
    「えっ」
    「私、1か月1回もキラに愛されてませんわ?」
    「うそ……そこもトリガーになるの……?」
    「ちなみにこの場合、性的に我慢し続けたキラによって私がめちゃくちゃにされてえらいことになるのでゲームオーバーですわ?」
    「なんで!?え!?なにそれ!?」
    「1か月ためにためた獣欲が爆発してキラは仕事もできなくなりますわ。ゲームオーバーですわ」
    「……そっか、そうだよね、これ調教ゲームって言ってたもんね。そういうシーンみないままずっと過ごしてたらそりゃゲームオーバーだ……」
    (幸せそうですがゲームオーバーです)

  • 62二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 13:09:48

    まさかゲームの中には一切グッドEDが入っておらず、隣の奥さんに気付いてハッピーエンドがリアルで発生するって仕掛けじゃないだろうな
    キ ラ に し か 通 用 せ ん ぞ 本 当 に マ ジ で

  • 63二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 13:18:28

    自分じゃなくてキラの獣欲が爆発するように作ったのか……

  • 64二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 13:18:42

    「……よし。大丈夫。なんとなく見えてきたぞ。調教シーンがストレス管理に絡むのか。
     いや、考えろ。毎日帰ってきて、毎日調教シーンに入ってたら全く手が足りない。
     2日に1度?3日に1度?わからない、やってみないと……!」
    「やりましたわ!お楽しみの調教シーンですわ?」
    「えっこれ何……怖い……なにこの部屋……拷問部屋みたいになってるんだけど」
    「新妻調教ですわ?」
    「字面と絵面がかけ離れてる!!」
    「さあ全力で声を当てますわ♪」
    「……もうここは複雑に考えなくていいかな」
    「やっ♡いきなり、そこは、だめですわ♡」
    「うん、ここぐらいは好きにやらせてもらおう……」
    「おっ♡おぅ♡だめ、らめですわぁ♡」

  • 65二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 13:25:50

    「うん……ストレスがちょっと減る以外はあまり悪影響なし。これは攻略に必須なコマンドだね」
    「そうですわぁ……お嫁さんを容赦なく調教するのは円満な夫婦生活に必須ですわぁ……♡」
    「ノーコメント。ただ、相当これ時間的負担が大きいなあ……毎日したいところだけど、それをやると睡眠時間が減る。すると体力が落ちてきちゃうのか」
    「わらくひは毎日でもかまいませんわぁ……♡」
    「うん、それは知ってるかな。いずれにせよ、調教シーンの頻度も決めて、僕の作戦行動も決める。よし」
    「私を調教することがキラの行動の自由を狭めてしまうなんて……」
    「唐突に真面目にならないでよね?ゲームだし。あと僕はラクスとのそういうことに義務感とか感じたことはないから」
    「それは、もちろん、わかっていますが……」
    「ああ、もう……なに?今そういうことしたいわけ?僕はしたいんだけど?」
    「えっ」
    「いいよ、義務感とか関係ない、僕の想い伝えてあげようか?」
    「えっあっ♡あっ♡あ♡」

  • 66二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 13:31:56

    「……いけない。完全に吹っ飛んでしまった」
    「しゅごかったですわ……♡」
    「ラクスは満喫してるなあ……というか、僕もこの間漫画読んだときあたりから歯止め効かなくなってきたような気がする」
    「計画通りですわ」
    「ええい、本当に……いや、いいけどね。僕も楽しいし」
    「はい♪」
    「さ、ゲームに戻ろう。とりあえず、なんとなくわかったのは、とにかくこのゲームはラクスの……お嫁さんの調教とか言っておきながら、重要な部分は作中のラクスの体調管理と僕の行動にかかっていることだ。それらを疎かにすると即バッドエンド。ある意味、現実を嫌な意味で反映している。逆にその分、理想の行動をとれば、適切な頻度で調教シーンに入れる。
     つまるところ、『パラメータの管理がメイン』『調教シーンがご褒美』になってる。
     ある意味で、古式ゆかしい調教ゲームの王道を行くパターンだったわけだ。いい構成だね」
    「恐れ入りますわ」

  • 67二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 13:35:21

    単純に主人公のパラメーターアップとかスキル拡張とか一ターンに取れる行動の数増加とかのゲーム性がないとただの死に覚えゲーじゃねえか!

  • 68続きはそのうち24/02/25(日) 13:44:40

    「正直、このゲーム見たときは、最初こう言おうと思ったんだ。
     『こんなゲームやる必要ある?僕の隣にはラクスがいて、愛し合えるのに』ってね」
    「まあ」
    「でも、今までの経緯で、なんとなく伝えたいことがあるのかな、って思ったんだ。成長したのかな?それとも僕も浮かれてるのかもしれない。それはそれで楽しいからまあいいや。いずれにせよ、いつも通り、製作者の意図を考えてみよう。ラクスも、それでいいよね?」
    「はい、ぜひ♪」
    「最初の出だしで大分バッドエンドを盛り込んだのは、言及があった通り、フィクションだからこその、僕へのわがままだったのかな?
     とはいえ、構成としては悪くない。最初に何度もゲームを中断させて、ルールを覚え込ませる。アクションゲームやローグライクにも通じる……まあ、爽快感はないかもしれないけど。ひとそれぞれだよね」
    「でも体重が増えたところをキラに見せたくありませんので……」
    「目の前にいるラクスはいつでも僕にとってベスト体重だよ?さて、概ね作中で1か月やってみると、パラメータの伸び率や最適化が終わる。そうすると、こういう『育成ゲーム』は袋小路に陥りがちだ。シミュレーションゲームでもそうだけど、最初に躓きながら試行錯誤する方が楽しいのは当たり前だよね」
    「ええ、そうですわね。シミュレーションゲームも作業のターンになるとつまらなくなりがちですわ」
    「じゃあ、こっからどうするのか。もう少し進めてみようか。ラクスの調教ももっとやりたいしね」
    「はい♪」

  • 69二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 13:52:58

    いつも気になる引きだ…

  • 70二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 14:05:15

    唐突になってしまうけど


    >>41

    「はいはい。そんなこと言って、僕のために勝手にいろいろするでしょ、ラクスは」

    「……」

    「抱き着いてきてにやにやするか、僕の背中つねるのかどっちかにした方がいいと思うよ?」


    ここに味わい深さを感じた

    キラは「ゲーム製作者に対する理解を深めようとしすぎて結果的にRTAになってます」

    ラクスを真剣に理解しよう、ゲームの意図を汲みとろうとすると

    却っていつものプログラム読み気質が発現してしまうの、ひっそりラクスは見てたんだ

    自分自身相手でもそうなるのを知ってるんだ、自分の”気持ち”さえ「習性」にしてしまうキラを

    愛おしくも寂しく思ってるんだ


    キラ、気をつけろ

    次に来るビッグウェーブはジェネシスとかそんなチンケなもんじゃ毛頭ないぞ

  • 71二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 14:20:34

    珍しくキラが翻弄されっぱなしのパターンでお話を展開してくるとは恐れいった

  • 72二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 14:23:49

    ネタばらしされるまでキラが気付かないから、それを利用して自分がやりたい・やってほしい内容を各人が出し合った合同誌だしたら、客観的にここをこうしたほうがいいんじゃないかなというお悩み相談室代わりにできそう
    部下や知り合いの生々しい欲望を見せられたキラの精神的疲労を除けばノーリスクだし

  • 73二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 14:26:11

    >>72

    ルナマリアが常連客になる未来しか見えない。

  • 74二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 20:32:12

    所々で稼がれるラクスポイント…おれでも見逃さないね

  • 75二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 20:48:03

    こいつらどんな展開からでもイチャつきにもってけるな…

  • 76二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 20:52:04

    ラクスポイントは2つの条件で溜まる。
    キラがその発生源であることと、キラが自分の為の行動を取ろうとすること。
    そのたびにインフレが加速する仕様になっている。

    ラクスにとって、これが増えることはとっても嬉しいんだけど
    言い換えると「キラが、こうするとポイント溜まるんだ」って事を知ってしまうんだ・・・
    と意識することにもなってしまう

    ただでさえ元々、キラは好きな事をやり込みながら生活していたいタイプの人で
    物事をパターンに落とし込むのが上手な研究者気質なので
    ラクスポイントがキラを震源地にして溜まるたび、ラクスはそれを意識してしまうんだ

    間違いなくそんなところも愛おしいんだけど、だからこそ愛おしく振る舞おうって無理したり、
    その為に分析者の目に切り替わるキラに対する寂しさポイントも爆増することになるので
    どうにかキラのそんなコンピュータみたいなところを掻き乱したい、って寂しさが募る

    多分、ラクスもそれを自分がやってて、どんどん歯止めがきかなくなってる自分に気付いてきている。
    わざわざ敢てキラがやりそうにない事を趣味に植え付けたり、キラらしい思考を攪乱するジャンルを模索してるのもそういう気がする

    日に日に溜まってくラクスポイントは、キラ不可避のジェネシスとしていつか打ち放たれる。
    キラの恋心にノイマンはいませんわ。いても躱させるものですか。
    その時になって、キラとラクスがどういう行動に出るのか。だからこのシリーズは目が離せないんだな…。

  • 77二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 23:07:43

    >>76

    凄いな…まるでラクスポイント博士だ

  • 78二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 23:28:28

    キラの性癖・性格・行動・趣味・愛をマルチロックオンするラクスの愛のプロジェクト
    それがヨメ・キラノの真の狙いなのだろうなぁ…。ラブレターどころか多層次元ハグ&キッスやん…。

  • 79二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 23:36:09

    >>76

    おめースレ主だな?

  • 80二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 23:39:09

    >>79

    ち、ちゃいます、ちゃいますってば!

  • 81>>76 何それ知らん…怖…24/02/25(日) 23:43:20

    「ようやく安定してゲームが回るようになってきたなあ……へえ。ポイントがあるんだ。すぐエンディングに行くからわからなかったけども」
    「はい。このポイントを消費して、いろいろな物を購入できますわ」
    「なるほどね。これで、ゲームをもっと安定して進行……え?」
    「衣装ですわ」
    「衣装だね」
    「アクセサリですわ」
    「アクセサリですわ」
    「調教シーンのプレイ内容……」
    「プレイも拡張しますわ。拡張プレイもありますわ?」
    「待って?これコンプするのどれぐらいかかるの?というか、どれだけ手間かけてるの……!?」
    「フリー素材ですので大丈夫ですわ?お義母様とお義父様が手伝ってくださいました」
    「父さんまでなにやってんのもおおおおお!!」
    (画像はかわいい息子のお嫁さんのために素材収集頑張るお義父様)

  • 82とりあえず鯖が安定してるうちに24/02/25(日) 23:49:59

    「ああでもいいなあ。バニーガール……えっバニーガールにも種類があるの……」
    「和風の衣装もございますわ」
    「ああ……いいね。巫女衣装いいよね……」
    「ほら、こちらも見てくださいまし」
    「あ、可愛い。これ絶対ラクスに似合うよ」
    「お義父様お義母様一押しですわ」
    「ごめん。急に父さんと母さんのこと話すのやめて?顔がちらつく」
    「ではでは、ぜひ私に着せたい衣装から手に入れていってくださいまし!」
    「じゃあバニーガールで」
    「欲望に正直なキラも好きですわ」
    「ああ、いいね……バニーガールのままエクササイズするラクスいい……」
    「では今度ご披露いたしますわ」
    「……楽しみにしてるよ」
    「はい♪」

  • 83二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 23:56:02

    「背景に、家具とかもあるんだね」
    「はい、どれもフリー素材ですが」
    「個人製作で一つ一つモデリングしてたら、いくら自動生成ツールがあっても手が足りないしね。フリー素材も大概数あるし」
    「ええ、大助かりでしたわ」
    「でも、アクセサリみたいな小物も含めて、こういうところはゲーム上ではあんまり代わり映えはしないかな……ん?」
    「どうかされましたか?」
    「……いや、うん。ちょっと言葉にできない違和感が……まあ、あとで気づくかな。
     さて、どうしたものかな、これ。ポイントの手に入れられるペースが……」
    「一応、300年は続けられますわ」
    「にしたって……このペースだとなあ。一回やった後、次の周回始める方がいいかもしれない」
    「お任せします。さあ頑張って私を着せ替え人形にしてくださいな」
    「言い方!!」

  • 84二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 23:56:28

    ついにパパ・キラノさんまで来ちゃったよ
    かわいい息子のお嫁さんのためだから仕方ないね

  • 85二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:01:57

    「……カーソルにあわせて、ちゃんと目線くれるのか。細かいところ凝ってるなあ」
    「恐れ入ります」
    「ああ、仕事に絡めて副業すると、結構お金溜まるんだ。でもそうすると、ラクスと一緒にいれないんだよな……」
    「それはそうですわ。キラの身体は一つですもの」
    「そうだよね……パテントとる突発イベントあればいいけど、そういうのないでしょ、これ。
     かなりいろいろなパラメータとかものとか振ってるかわりに、偶発的なイベントがないような気がする」
    「はい。そういう意味では……」
    「一直線だね。やることがわかりやすい。
     ここからは、コレクター的に楽しむ、と。コレクションゲームは大体その得たものでプレイヤー間バトルとかに帰結することが多いけど、こっちは本当に得たもので楽しむ感じかな……ああ、昔やったアイドルゲームとかでそんな感じのものがあった気が」
    「キラはアイドル好きですものね」
    「いや、アイドルみたいな人を好きになっただけだよ?」
    (画像は平和の歌姫)

  • 86二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:08:12

    「うーん、仕事いっぱいしたくなっちゃうな、これ。どうしても」
    「それでもいいですわ?ゲームの中の話ですもの」
    「だよね、でも……まあちょっと多く入れても……いやいや!シビア!!だからこれシビアだって!!」
    「油断したら即バッドエンド。私とキラの逢瀬はキラ自身にも邪魔させませんわ」
    「くそう、どうしてもこういうの見ると一気にポイント稼いで全部開放させたくなる」
    「チートはだーめ♪ですわ」
    「基本的に一度もクリアしたことのないゲームでしないよ、そんなこと。そのうえ、君が作ったゲームだし」
    「あら?では私が作ったわけではないゲームでは?」
    「いじわるな製作者には、それ相応の対応というものがあるんだよ、ラクス」
    「あっすっと目が細くなるキラ好きですわ……」
    (画像は理不尽どころか絶対クリアできないよう製作されたゲームに切れるキラ・ヤマト)

  • 87二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:13:52

    「そういえばアクセサリ見てなかったな。下着も」
    「どういうのがお好きですの?」
    「僕はラクスが着てればなんでもいいけどね。とはいえ、こういうゲームはまた別の趣があるのは確かかな」
    「その眼光を私が服を選んでるときに発揮してくださいませ」
    「そう言われると痛いなあ。え、乳首ピアス?ちょっと、えっぐ。ねえ、ラクス!?」
    「はい?」
    「さすがに拘束具をアクセサリ扱いするのはどうかと思うんだけど!!」
    「一部行動を選択できなくなりますわ」
    「君は僕をどうしたいの……あ、指輪もあるんだ」
    「いろいろありますわ」
    「なかなかモデルでは表示が難しいけど、それでも……あ。そうか。そういう、ことか……」
    「どうされましたの?まだ3年目ですわ」
    「……いや、えーっと。ちょっと。こっちきて」
    「はい?」
    「……」
    「あ……キラ?」

  • 88二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:15:44

    複雑だから、やり込むとキラは隣のラクスの目を離れる。
    隣のラクスにそそのかされると、ゲームをちゃんと進められなくなる。
    ゲームの中でも「平時の自分」択が提示されてて、ラクスはそこに罠を張りまくってる。
    つまり今まで通りゲームに集中すると、寧ろラクスが見えなくなってしまうし、
    ラクスに集中すると、当該のラブレターを最後まで読めない状態になる。
    こうしてジレンマが完成して、キラが「ラクスらしくて分かってたような事」を態度に表す隙を丸っと潰す方に舵を切ったラクス。
    包囲されたキラは―――

  • 89二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:16:50

    「どう、されましたの?」
    「ありがとう……あと、鈍くてごめんね」
    「え……?」
    「いろいろ、いろいろ気づいたんだけども。本当に、いろいろ。ちょっと冷静になれなくって」
    「……はい」
    「何回、こうやって抱きしめあったかな」
    「私も……覚えてませんわ」
    「あと何回……こうやって、抱きしめあえるのかな」
    「キラ……」
    「……うん。ちょっと待って、ね。僕が話すべきことを、話してから」
    「はい……」

  • 90二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:22:14

    「……さて。じゃあ、製作者の意図……ううん、君がこのゲームに込めたものを言語化しようか。
     あっているかどうかわからないけど……まあいいよね?隣にはラクスがいる。
     間違っていたら、いつだって訂正してくれるよね」
    「はい。もちろんですわ」
    「うん、ありがとう。色々あるんだけど、一つ一つ行こう。
     まあ、一番わかりやすいところかな?バッドエンドだ」
    「あれはまさに私の不満ですわ?先ほどキラが言われた通りですの」
    「そうだね。ただ、バッドエンド以外にも、不満があったかな?」
    「え?」
    「これ、ラクス以外にも、隠しパラメータが存在しない?」
    「……わかりましたの?」
    「うーん、細かいところだけどね。カーソルいじくりまわして、ラクスの変な顔見ててやっと気づいた」
    「キラ?」
    「ごめんって!……これ、僕が仕事しすぎると、何か僕の方でパラメータ上がるでしょ」
    「……正解ですわ」

  • 91二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:25:09

    失念してた「100年単位」が許されてるとこもヒントだったか

  • 92二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:28:14

    「なにかなあ。それがわからない。ストレス。体調?なんだろう……ただ、それがたまると、ほんのちょっとだけ、画面の中のラクスは、表情が硬くなる。笑みが、笑みにならなくなる。本物の君とは、全然違うけどね」
    「……よく、見てくださりますのね」
    「そりゃ、好きな人だから。それが解消されるのは、僕が君と……ゲームの中のキラ・ヤマトが、ゲームの中のラクス・クラインと一緒に食事をとるとき。さて、そこから導かれる答えは……うーん。なんだろう」
    「体重、ですわ」
    「え?」
    「だから、体重、ですわ」
    「待って、体重?え?ストレスとか、体調とかじゃなく、体重?」
    「気づいてませんか?キラは、戦艦や前線で戦い続けると、体重が減るか、よくても維持でとどまるのです」
    「……シンに、言われたことはあるね」
    「だから、もっといっぱい、食事をしてほしい。もっといっぱい、食べてほしい……」
    「ああ。そっか。あのバッドエンド。そういうことだったんだ。『私がダイエットしている間も、私はあなたの食事を作ります。私の分まで、食べて』……うん。ありがとう。言ってくれて。気を付けるよ」
    「……はい」

  • 93二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:33:29

    「さて。次だ。このゲームに込められたものは、多すぎる。要は、ラクスの愛が詰まってる。今までのゲームと同じだね」
    「そうですわ?製作の原動力はほぼキラへの愛ですので」
    「ありがとう。本当にね……さて。とはいえ、主軸はそこじゃない。愛は原動力。となると、それで突き動かされて表現したかったものはなんだろう。一つは間違いなく、『私がしてほしかったこと』。要するに、バッドエンドだ。今まで、僕がやらかして、君に悲しい思いをさせたこと。それを、わざわざ……冗談めかして、言ってくれた。本当に、ラクスはできたお嫁さんだよ」
    「だから、そんなかわいいお嫁さんを一日たりとて放置してはいけないのですわ」
    「だね。その通りだ。……さて。もう一つのテーマかな。これはもう、誰がどう見たって、明らかかな?『私がこれからしてほしいこと』。調教ゲームという形でずっと僕にたたきつけてきた思い。そうだよね?」
    「……はい」

  • 94二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:39:49

    「調教シーンだけじゃない。たくさんの衣装。たくさんのアクセサリ。これは、君が僕に選んでほしいもの。
     昔……うん、覚えてる。僕は、ちょっと前、君がわざわざいろいろな服を着せてみせたのに、そこにいる君がいいから、と『なんでもいい』と答えた。正直、これに関しては、宗旨替えする気はない。いつだって、僕にとっては目の前にいるラクスが一番かわいいし、綺麗だし、美しいと思ってるんだから」
    「っ……いじわるですわ」
    「うん。だけど、そんな唐変木な僕に、君は考えた。じゃあ、目の前にいるラクスじゃなかったら?ゲームの中の自分だったら?そう考えた君は、いろんな衣装をゲームの中の自分に着せることにした。まあ……正解は、見ての通りだよ。お見事。降参」
    「あら」
    「これでも僕は、まあ、普通の学生だったから……非日常にあこがれる部分はまだ残ってるんだ。そういうのが好き、というのは確かにあるかもしれない」
    「では、バニーガールで、と」
    「いやいやいや、それだけ、というわけじゃ……」
    「では女忍者ラクスではいかがでしょう?」
    「うそでしょ、このお嫁さん、言ったこともない僕の性癖見抜いてる……」

  • 95二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:46:36

    服装要素にまでラブレターとちょっとした不満を込めてるのすごい……すごくないこのお嫁さん??
    一体どこまでキラを見てるの?いや、ずっと見てたもんな、そりゃ当たり前だ……

  • 96二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:46:51

    このレスは削除されています

  • 97二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:48:03

    ああ外れたかなと思ったらばっちり回収されちゃった(

  • 98二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:48:42

    「まあ、それはそれとして。背景、家具もそうだね。一緒に選んでほしいもの。現実でも」
    「はい。いろんなところに行きたいですわ……キラと一緒に」
    「そうだね。一緒に指輪も選ぼう」
    「はい……」
    「さて。最後の話になるかな?最後のこれが、僕がこのゲームを今、中断した理由だ」
    「……」
    「最初に気づくべきだった。というより、僕はあんまりにも酷いことを言っちゃったね。
     『隣にラクスがいるのに、こんなゲームをやる必要があるのか』と。でも、それは間違い。
     致命的な間違いだったんだ……本当に、鈍感で、嫌になる」
    「キラは……鈍感なんかでは、ありませんわ。いつも、私のことを……」
    「いや、ここはちゃんと反省しないとね。
     最初で気づくべきだった。ヒントはあったんだ。
     ヒントは……ラクスが言っていた。『不死の新妻』。あるいは、100年単位のスケジュール。あるいは、バッドエンドにはなっても、死なない君と僕」
    「……」
    「いいよ、無理しないで。答えはもう、わかってるから」

  • 99二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:50:25

    本当に伏線の張り方と回収が見事で一つの作品としてもキララクの創作としても読みやすいんだよな

  • 100二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:50:44

    あ、ああ……そういう、ことか……そういうことかぁ……
    うごぐっごぐぐああああ……っっ(呻くしかない読者の図)

  • 101二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:55:35

    「衣装。背景。あるいは、調教シーンもかな。ああ、多すぎる。多すぎるよ、ラクス……」
    「キラ……」
    「うん、きっとそうだ。君は、僕とやりたいことが、あまりにも多すぎたんだ。女の子だよね」
    「……」
    「そう。僕は……今はまだ比較的状況が安定しているから、ここに帰ってくることができる。でも、あるいは、今後、滅多に帰ってこれなくなるかもしれない」
    「1か月、会えなくなることも……」
    「あるかもしれない。言い訳を作って、常に一緒にいるにしても、それは君に負担を強いることになる。いつも、戦艦に乗ってもらうわけにはいかない。だって、君には向いていない。僕にも向いていないかもしれないけど、ね……」
    「やさしすぎます、キラは」
    「君もだよ、ラクス。うん。じゃあそんな、限られた時間で。何が起こるかもわからない状況で。ラクスは、自分のしたいことを、懸命に考えてくれた。その結果がこのゲーム。いわば、このゲームは、ディスプレイだ。君の夢。女の子の夢。あるいは、君が思う、僕の夢かな?精一杯に詰め込んだのが、このゲーム」
    「……」
    「でも、致命的に……時間が、足りなかった」

  • 102二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 01:01:35

    「そう。君がやりたいことをすべてやり遂げるには、時間が足りなかったんだ。不死になって、100年過ごしても、まだ足りない。あの服を着て。あの場所にいって。僕といろんなことをしたい。足りない。足りないよ……」
    「そう、ですわ……全然。全然……足りなかったのです」
    「うん。だからこそ、このゲームは作られた。一つは、仮想空間であっても、それを達成するため。このゲーム、テンポが非常にいい。食事シーンも、調教シーンも、うまく省略されている。だから、あっさりと100年を経過させることができる。だから、君がやりたいことを、全部、疑似的に達成できる」
    「……」
    「だからこそ。このゲームを、効率重視でやっちゃいけない。それが、僕がこのゲームを中断した理由」
    「……」
    「いいよ。ゆっくりやろう?もうチャートはできた。あとはコレクション要素だけ。なら、きっと、このゲームは、数十時間で終わらせられる。だから、進めよう。最後まで。君のやりたいことを、できるだけ」
    「……キラ」
    「うん……」

  • 103二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 01:04:45

    「そして、もう一つ。このゲームをすることで……きっと、実際に何をしたいかが、見つかる。
     うん、このゲームをした後、実際に一緒にどこかに行こう。一緒にご飯を食べよう。愛し合おう。
     そうすれば、きっと……君の夢を全てかなえることはできないにしても。ああ、よかった、と言えるはずだから」

  • 104二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 01:13:51

    「……ひゅごかったでしゅわぁ……♡」
    「ラクス毎回それ言うよね……」
    「……キラ?何をやっているのでしょうか?」
    「いや、今回のゲームで得れたラクスのやりたいことを、いろいろ端末に記録しておこうかな、って……」
    「必要ないですわ?」
    「え?でも……」
    「大丈夫ですわ。あなたの答えは、いつでも……私にとっての正解なのですから」
    「……そうかな?」
    「ええ。初めて会った時から、ずっと……」

    ~End~

  • 105二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 01:18:46

    拍手何年やっても足りないな…まったくう

  • 106二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 01:19:09

    良い話すぎてビックリしちゃった

  • 107二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 01:20:04

    こいつらロマンティクスしたんだ!
    いやするんだ! 

    今回も面白かった…

  • 108二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 01:20:20

    解像度がエグくて拍手しかない……こんな才能を目のあたりにできる幸運を噛み締めてる

  • 109二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 01:21:28

    リアルタイムでこの作品を追える我々は幸運なのではないだろうか

  • 110二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 01:23:05

    >>104

    そうだったね…ラクスにとっては一目惚れだもんね…

    泣いたわ

  • 111二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 01:24:00

    一生いちゃついてろ!
    このシリーズに出会えてよかった

  • 112二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 01:24:46

    あまりにも世界の速度が急すぎるからなあ…
    たったの数年であのフリーダムまでもが型落ち、新型は可変機になるわ、
    たとえばカガリならたったの数年しか任期がない少女が護国の象徴になっちまうわで…

  • 113二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 01:25:05

    去り際のロマンティクスをこんなにBGMにしたくなる作品に出会えてよかった

  • 114細かい話24/02/26(月) 01:28:41

    ・乙女の夢をくらえ。全乗せだこんちくしょう。
    ・テーマは全部キラが言ってくれました。
    ・構成としては、ギャグでオチをつけるのではなく、ギャグではじまってからシリアスへつなげる構成。なんとなくわかったかと思いますが、「前半で笑いとともに撒かれたラクスの問いかけ」に「キラが真剣に解答を出す」という構成になっています。ラクスに振り回されるキラという概念は、新しい剣などにもみられるようにすでに定型になっているのではないでしょうか。私を振り回してくださいませ!と言って准将を振り回す総裁。ただ映画を見てから、ベッドではつよつよな准将概念も増えた気がします。かく言う私もそんな概念に殺された一人。
    ・いろんな方のいろんな考察ありがとうございます。大体正解です。キララクに対する解答は大体同じのはず。幸せになれ!!という一点。でもラクスポイントがチャージ式でいつか暴発するものだったなんて、知らなかったそんなの……。
    ・ちょいちょい本編要素は入れていますが、個人的には今回は短編的な箸休めのイメージ。まあ構成が全く違いますので。普段は惚気ですが、今回は直球でキラへの希望を叩きつけています。私の夢を聞いてくださいまし!!
    ・ゲーム内で二人とも気づいていない要素として、妊娠があります。このゲーム、妊娠はしません。二人とも自分たちに子供はできないと思っているのではないでしょうか?実際の設定でどうなるかは、某所で明らかになっておりますので、語る必要はないかと。おいおいこいつら幸せになるわ。

  • 115二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 01:30:41

    キラが考えてくれることそのものが嬉しいんやろな

  • 116二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 07:36:45

    良いモノ読ませて頂きました…

  • 117続きは3月に入ってから24/02/26(月) 07:44:05

    「風の騎士と海の姫……?なにこれ?ファンタジーもの?」
    「はい、なかなか面白い視点からラブロマンスを描いた小説ですわ。挿絵もありますの」
    「へぇ……根無し草の騎士が姫に拾われて出世する話かな?面白そうだね」
    「ちなみに今回もそういうシーンはいっぱいありますわ。ただ……」
    「ただ?」
    「視点が独特ですので。一度読んでみて、感想をいただけますでしょうか?できれば……一緒に」
    「いいよ?あまり厚くないね。すんなり読めそうだね……作者はどこかの新人さん?」
    「リベル・テディーバという作者ですわ」
    「ふーん?あまり聞かない作者だね。じゃあ読もうか。こっちくる、ラクス?」
    「はい♪では……」

  • 118続きは3月に入ってから24/02/26(月) 08:00:14

    私は剣である。私は魔剣である。私は聖剣である。意思はある。魂はある。だが性別はない。
    あるいは一生そんなものとは縁がないのかもしれない。意思を持つ剣とはそういうものなのだ。この世界で私以外の意思を持つ剣に出会ったことはないが、おそらくそういうものなのだろう。
    さて、私は剣である上、現在は鞘に入った状態で保管庫に入れられている。周囲のことなど何もわからない。
    銘はある。風の剣。またはアルベルト。いい名前である。とはいえ、誰もその名で呼ばない。いや一人呼んでくれる相手がいた。彼女。海の国の姫。美しい声と、その思想は類まれなるものではあるが、まだつぼみのようなもの。いずれ開花し、国を背負って立つのは間違いないであろうが、まだつぼみである。そんな姫は、常に世界を憂いている。同盟国の婚約者とも上手くいっていないようだ。
    いい出会いがあればいいのだが、そのような偶然や運命など望むべくもない。情けないが、鞘に入れられた状態の剣ではなにもすることはできない。
    優しく、彼女を姫ではなく一人の娘として直視できるような、そんな男性はどこかにいないものだろうか……。
    (画像はイメージです)

  • 119二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 08:04:45

    ・・・Diva Liberte
    敢てDiva pacificaにしなかったのは”平和の歌姫”は外側からの記号だから、とかじゃないよな
    開放された自由な歌姫はキラの前にしかおらんのだ

  • 120二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 08:15:07

    もしかしてフツノミタマ(人格ハインライン)視点だったりするのか…?

  • 121二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 08:15:48

    素晴らしい作品を読ませていただきありがとうございます

  • 122二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 08:17:41

    あるいはフリーダム視点というのもあるかもしれぬ……さてはこの考察が正しければ流れの騎士様がいま佩いている剣は……

  • 123二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 08:55:11

    どんどんコンパス内に、
    生死不明なはずの新妻の
    協力者が増えていってる

  • 124二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 09:09:33

    終わったと思ったら次の新作できてるのヤバない????
    前にも言われてたけどこんなところで吐き出していい才能か?????

  • 125二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 10:01:40

    思わぬところに天才は潜んでいるものである

  • 126二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 10:20:27

    散々ギャグ調にしといてしっとりシリアスで切なさを交えてくるのガチの構成すぎてびっくりした
    次回作が推定キラの「刃」にスポット当てるとかまだ引き出しあるのか……というか味変の一環だったのかよ育成ゲームによるガチな「甘え」回!?
    滅茶苦茶周回遅れな感想だけど、喘ぎにちょっとはしたない音が混ざってるのリアルラクスがキラに甘える深度が増してる感あっていいな
    あと「時間が致命的に足りない」が余りにも切なくて好き、愛し合ってるからこそいくらあっても足りない時間がこの二人には他の人以上になさすぎるのをキラもラクスも認識してるだけに……ゲームの中でくらい欲張りたいよな……

  • 127二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 12:13:00

    今スパークル読み返してて気づいた、これ種自由のアスランをなんだかんだ一部ムウにやらせてるのかっw。
    勿論種自由のあのシーンラクスは見てないだろーけれど、無意識に「助けに来て来れたのアスランのお蔭だろうな」でムウに立場与えてたんだったらどんだけあなたアスラン根に持ってるんだってなるの味が濃い(

  • 128二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 12:23:34

    >>127

    "あのくだり"ならアスラン含めていろんな人にやらせてるぞ

  • 129二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 17:02:14

    >>117

    毎回予告代わりに導入を置いてってくれるから次作を楽しみに待てるわぁ

  • 130二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 18:00:44

    素晴らしいキララクをありがとうございます
    ※ファンアートですが、問題があれば削除します

  • 131二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 21:50:53

    3月楽しみにしてますね

  • 132二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 00:41:59

    後書き読んで見返すとまた違った視点で楽しみ方が増える

  • 133二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 08:12:18

    スレ主ほんとに天才だよね
    続き楽しみに待ってる

  • 134二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 12:18:54

    自分の胸の内や想いを読み取りなおかつ自分の想いも伝えてくれるラブレター以上の愛にしっかり応える
    心と心のロマンティクスって見ててドキドキする‥

  • 135二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 20:59:14

    保守

  • 136二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 00:38:42

    いやあ良いスレに出会えたよ

  • 137二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 01:34:02

    最初はこんな感動の話になるとは思わなかった

  • 138二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 03:16:44

    ほしゅ

  • 139二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 08:03:46

    >>137

    感動とエロとドキドキが混ざってるがな、これは

  • 140二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 10:03:03

    この二人にはこういう穏やかでラブラブな日々を過ごしてほしい

  • 141◆/yBOOiWWwwOh24/02/28(水) 12:53:45

    トリップテストです

  • 142保守がてら 本格的な続きは3月24/02/28(水) 12:56:09

    「しゃべる剣かあ……あ、でもしゃべるとは書いてないね」
    「いわゆるインテリジェンス・ソードですわね。複数の神話やTRPGにも出てきますけれども……」
    「そういえばTRPGをやったことはなかったね。そのうち時間があればやりたいけど、あれもわりと時間がつぶれちゃうんだよね……わざわざ視点を固定した、ということは何かしら仕組みがあるのかな」
    「またキラの悪い癖がでていますわ?」
    「でもせっかくラクスと二人で読んでるんだし、いろいろ考えて読みたくない?」
    「……もう。もう。もう。キラはずるいですわ」
    「ラクスの可愛いところが見たいからね。さて、まだ主人公……いや、この剣が主人公かな?表題の騎士は出てきていない。読み進めよう」

  • 143二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 19:25:53

    >>142

    楽しみにしてますわ!

  • 144二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 19:42:03

    「またキラの悪い癖がでていますわ?」
    そうだよ、”悪い”くせなんだよ、キラがしてくれるから愛おしいだけで・・・
    それも優しさだって知ってるから…

  • 145二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 23:02:01

    息を吸うようにポイントを加算するな…

  • 146二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 23:08:09

    メタ読みする→ズルいけどそういうとこがキラだよね
    ラクスと二人で→もっとズルいことしてきた!!
    ラクスの可愛いところが見たい→畳み掛けてきた!!!!
    これは100点満点中10000000点のラクスの王子様

  • 147◆/yBOOiWWwwOh24/02/29(木) 04:41:15

    さて。最近姫……パシフィール姫が、よく一人の騎士の話をするようになった。流浪の騎士の話だ。なんでも、盗賊に襲われたところを助けられたらしい。まるで恋する乙女のような口ぶりである。……だが、危うい。それこそ、再会したら、その騎士に肩入れしてしまいそうな危うさである。一国の王族としては思いやられる。
    一国の王族が、女性としての幸せを得ることなどできようもない。
    ただの剣としてはいかんともしがたいことである。

  • 148◆/yBOOiWWwwOh24/02/29(木) 04:51:11

    「え、騎士と姫の出会い省略するんだ」
    「剣視点ですから、しょうがないのでは?」
    「ボーイミールガールだから、ここが重要なんだけどなあ……それとも描きたい物がそこじゃないのかな?」
    「と、いいますと」
    「この視点だと、まだ出てこない騎士と姫の恋愛は描きにくい。じゃあ何を……ってことになるけど……あれ?ラクスはラブロマンスって言ったよね、確か」
    「ラブロマンスですわ」
    「ラクスにとってはそうでも……ということはあるかな。宣伝と作者の意図が異なる、なんていうのもよくある話ではあるし」
    「私の感想ですので」
    「そうだね。最後まで読んだらラクスの感想も聞かせてほしいな、ネタバレありで」
    「ふふ、ぜひ」

  • 149二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 05:01:08

    このレスは削除されています

  • 150続きはそのうち24/02/29(木) 05:02:00

    姫が、あの騎士に再会したという話を笑ってしている。なんでも客として、城内で静養してもらっているとのことだ。果たしてそれは喜ぶべきことかどうか。
    何度も言うが、剣の身としてはいかんともしがたい。
    騎士に再会する前から、話題の大半がその騎士の話ではあった。だが、最近はほぼすべてが騎士の話だ。
    かなり浮かれているようにも見える。
    ただ、その一方で、どうも昨今の情勢にも気を病んでいるようだ。あるいは、笑って騎士の話をするのは気晴らしかもしれぬ。
    そんな日々がしばらく続く。姫が騎士のことを笑って話す、そんな日々。
    が、そんな日々は終わる。姫が、ある日、一人の少年を伴って、私の前に現れた。
    「アルベルト様……この方が、サンティ。何度もお話しさせていただきました騎士様でございます」
    バカな。少年ではないか。話を聞く限り、かの騎士は一騎当千の兵のはず。それが、こんな、幼さすらまだ残す少年だとは。
    「サンティに、力をかしていただけますでしょうか、アルベルト様……」
    否はない。もとよりこの身は剣。持ち主が望むのであれば、誰であろうとその力を貸す。
    そして久方ぶりに、私は戦場へと赴いた。
    (画像はイメージです)

  • 151二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 12:36:59

    今更だけどフリーダム視点ってことになるのか?

  • 152保守がてら24/02/29(木) 19:43:50

    「うーん」
    「どうされましたか?」
    「やっぱりこれ、ラブロマンスというより、英雄譚じゃないかなあ」
    「私には愛が見えますわ」
    「姫が騎士に対して好意を持ってる、というのは言及されてるけどね」
    「恋ですわ。私にはわかりますわ」
    「ラクスの感覚を信用していないわけじゃないけども……いや信用できないかなあ。普通の調教ゲームでも愛があるとか言われたときにはさすがに僕もどうかなと思ったよ?」
    「愛がそこにあれば調教も幸せのための布石になるのです」
    「確かにラクスを調教するのは愛しているからだし僕も幸せだけれども」
    「私も幸せですわ……愛しているから調教されるのです」
    「意外と豪胆だよね僕のお嫁さん」

  • 153二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 20:20:12

    意表をついて振り回すとキラも反応くれるから味を〆ちゃったなこの浮かれポンチコンパス総裁さん
    総裁「これくらいはしませんとキラポイントをちゃんと使えませんもの」
    …わかるけどその数百倍はキャッシュバックされるからインフレになってるんですよ。

  • 154二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 20:22:29

    そっか、ラブレターを創作にすればデートとレターを同時に…って規模じゃないぞもはや。
    1人キラ専総合コンテンツメーカーになってるぞ。そのうち雑誌形式とかで作り始めても疑わないぞー。

  • 155二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 01:56:04

    騎士の甲冑。それらは、彼の体躯にまったく見合っていない。そして、私という剣もまた、そうであろう。
    少年騎士は、私を握り、戦場に立つ。私は一本の剣。そこに、戦場の意義を理解する思考はない。
    馬を駆っている最中も、彼はただとりつかれたように一つの言葉をつぶやいていた。
    "早く。早く。早く……"
    数日。たどり着いたそこは、戦場だった。彼はすさまじい勢いで戦場の真っただ中を馬から降り、己の足で駆ける。
    魔法を用いた機動。手足は最早風のごとく。まるで戦場の中心になるべく早くたどりつこうと言わんばかり。
    バカな。雑兵の表矢はともかく、あきらかに彼を狙って放たれた、熟練の兵士の矢すら彼には届かない。
    そもそもなんなのだ。この甲冑を着て、そもそも最初は魔法すら使っていない状態で、なぜ動ける。
    私が振るわれる。飛んでくる矢をわかっているように断ち、槍を切る。剣を折り。兜を弾き飛ばす。
    ……殺していない!なんなのだ。首を飛ばせばそこで殺せただろう。狂っているのか。戦場で、武器を奪っただけで止まる者などいない。どうせ刃を奪っても、その兵士は敵国の兵士に殺されるだけ。
    慈悲とでも言うのか。わからない。が、私はただ振るわれるだけ。その熟達という言葉も生ぬるい超絶した技量と、魔法の後押しがあるとはいえ、超人的な肉体。彼が叫んだのは、いつだったか。その戦場の中心で、彼は、その少年は、高い声で吠えた。
    「双方、刃を引け!!撤退しろ!!この陣地は間もなく大量破壊魔法によって破壊される!!」
    そこで、やっと少年騎士の意図が読めた。だが、それにしても――
    「戦いを止めろ!!死にたいのか!!」
    蹴り飛ばし、風のように舞う。間もなく。
    光。舌打ちとともに、彼はその光から遠ざかるように駆ける。一瞬、音が遅れてきた。
    (画像はイメージです)

  • 156二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 02:10:05

    「……これは、また」
    「キラ?」
    「相手を殺さずに戦う主人公、というのはまあファンタジー……創作の主人公としてはたまにある類型だけど。
     創作ですら、ちょっと傲慢さが目立つね」
    「そうでしょうか……?私にはこの騎士は、傲慢であるようには見えません。ただ、必死なのではないでしょうか」
    「少なくとも、この剣……アルベルトはそうは思っていない。『なぜ』と言っている。
     これはアルベルトから騎士……サンティへの問いかけだ。なぜあなたは兵士を殺さない。なぜあなたは武器だけ壊し、命を奪わない。そして、読者からサンティへの問いかけでもある。まあ、僕らは前提として、創作の主人公がそういった主義主張で戦うと言ったことも理解できるわけだけど、それでも納得のいく説明を求める。
     とは言っても、まだアルベルトはサンティに出会ったばかり。読者にとっては、少年騎士は登場したばかり。相互理解はまだ始まっていないのだけど……」
    「ではこの先で、説明されるのでしょうか?」
    「そうだね。見てみようか」

  • 157二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 02:32:00

    私は剣である。私は魔剣である。私は聖剣である。剣ではあるが、そもそも魔に類するものであり、聖に類するものである。
    刃は壊れることなく、こぼれることなく、数多の敵を切り裂き続ける。風の剣。アルベルト。それが私の名である。
    私を扱う少年騎士は、私に呼び掛けない。だが、私は彼を見ている。
    一つ、わかったことがある。彼は、殺さないことに執着しているのではない。なるべく殺したくないのだ。
    刃としては、それはある意味でありがたいことではある。不壊とはいえど、血は刃にこびりつく。その銘にあるように魔力によって生み出された風を以て払えるとはいえ、それも十全とは言えない。常時刃に風を纏ってもよいが、それはそれで疲れる。なので、肉を切り、血を纏わないその騎士の戦い方は、私の切れ味を鈍らせない。
    確かに鎧や剣は堅いが、相応の技量を持つ剣士を持った私にとっては、切れないものではない。そして、その少年騎士の技量は何度も言う通り隔絶していた。
    ……なので。ある意味で、私にとってそれは比較的効率のいい戦い方ではあった。
    また、殺したくない、というのも理解できぬ話ではない。魔法を扱い、相手を殺す者たちに比較して、刃を以て直に戦う人間というのは、殺せば殺すほど、恨まれる。殺せば殺すほど、戦は長引く。戦場における感情を煽る。故に、『殺しすぎない』というのは戦場で重要であるのだ。いわば、数多の戦場をかける強者が得た分別と言ったもの。殺すべきは殺せ。活かすべきは生かせ。逃げる者は追うな。根切にするのは皆殺しを目的とした戦場のみ。
    が。おそらく彼が殺さないのはもっと単純なものだろう。それをわかったのは、彼が武器を壊し、腕を潰して。なお立ち向かう相手に相対したとき。彼は一瞬で相手の首を撥ねた。
    だが。彼はその瞬間、嗚咽とともに泣いた。肉を裂いた瞬間、腕が震えた。だが、手は鈍らない。そのまま次の相手に向かう。
    ああ、と気づく。その少年騎士は技量は卓越している。戦場に一人、最後までたち続けるだけの技量と肉体がある。
    だが、彼は兵士でも、騎士でもない。少年のまま、戦っている―――

  • 158二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 02:54:11

    「なるほどね……モビルスーツ、機械あるいは銃火器による戦闘。その前。
     拳、剣、あるいは槍による戦争における特色なのかな」
    「と、いうのは?」
    「うん……えーっと。ラクスは人を殴ったことはあまり……ほとんどないと思うけども」
    「確かに、あまり記憶にございませんわ」
    「まあ普通に拳が痛くなるんだ。アスランに言わせると、訓練で拳が痛くなくなりはするらしいんだけど、それでもまあ殴った、ということはわかる。相手に痛みを与えた、ということがわかる」
    「……」
    「ナイフでも同じなんだろう。あるいは武器でも。残念ながら、僕はそういう訓練を本格的に受けたことはないけど、まあ殴ったり蹴ったり、というレベルなら何度かあるんだ。直に自分の肉体を通して相手に痛みを与える、というのは誰かを守るためでも結構しんどい」
    「キラに守ってもらえる方は幸いですわ」
    「ありがとう。僕はラクスを守るためならなんだってする覚悟はあるよ……それはそれとして。まあ、そういうことなんだろう。心を殺して相手を一方的に殴れる人間なんてそんないない。刃で殺せる人間も。なんならモビルスーツを介した今でも、PTSDになる兵士なんて後を立たない。それが近接武器による戦争となれば、言わずもがな、だね。少年騎士は、それに苦しむ。だから、殺さない。割とまっとうな思考、というかある意味当然の防衛反応だね」
    「……キラ」
    「うん?」
    「もし、あなたが……」
    「大丈夫。これは創作で、僕が言っているのは一般論だよ。むしろ、こう言ったことを話せるようになってるだけ、僕は大分まともになってる……と、思う」
    「……後悔しています。この本を選んだことを」
    「どちらかというと、こんなことを話題にだしちゃった僕の方が後悔するべきなんだろうけど。ごめんね。ラクスが寂しそうな顔をするなら、読むのを止めたくなるけど……どうしよう?」
    「いえ、私は大丈夫ですわ」
    「うん……じゃあ、読み進めようか」

  • 159二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 03:35:08

    サンティ卿は戦い続ける。
    海の国の王が殺され、パシフィール姫は女王となった。女王の騎士となったサンティ卿は彼女の剣となり、戦う。
    サンティ卿は流浪の騎士であったが、とある国の女王の弟であった。かの国の国難にて、彼は戦った。
    パシフィール姫が女王となったことで、かつての婚約者との婚約者は解消された。その婚約者の父は、周囲の国を破壊する大規模破壊魔法を開発する。その国を止めるために戦った。
    彼の戦う原動力とは何か。私には、それは平和のために戦っているように見えた。その実、彼が何を思っていたかはわからない。ただ、ひたすら苦悩し、人を殺めることに涙し、苦しみながら剣を振るう。
    泣いて、泣いて、泣いて、いつしか、彼の涙は枯れた。
    平和のために戦う少年は、いつしか、涙なくただ戦いを止めるための機構と化した。
    少なくとも、私にはそう見えた。あるいは、パシフィール姫……いや、パシフィール女王なら、何かわかるのだろうか。
    (画像はイメージです)

  • 160二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 03:46:04

    「ここで問題提起だね」
    「これは私にもわかりますわ。なぜサンティは戦うのか……ですわね?」
    「うん。アルベルト視点では一貫している。平和のため。戦いを止めるため。
     でも、その一方でアルベルト自身もそれに疑義を呈している。なぜ戦うのか。そもそも、なぜ平和をもたらそうとしているのか」
    「優しいから、では?」
    「人格に帰結してしまうのは簡単だし、多分それが一番あり得る話だね。
     優しい。じゃあ優しい彼は何がしたいのか。平和を得て、何がしたいのか。
     ラクスの直感は間違っていないかもしれないけど、そもそも描写が少ない。これは、あくまでアルベルトの視点だ。戦場のサンティ。戦うサンティ……少年として戦場に立ち、いつしか機械のように戦を止めるために戦うようになったサンティ。いや、それとも、少年として戦場に立った、という記述がそういうことなのかな?普段のままの彼が戦場に出ている、ゆえに、平常の彼はそういった殺し合いに怯える普通の少年、とも読める」
    「キラは何か別に理由があるとお思いなのですか?」
    「うーん、まだ読み切れないなあ……次に進もう。ああ、敗北シーンだね。サンティが負けるシーンだ」

  • 161二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 03:59:11

    サンティ卿の姉。彼女の国での戦いで、サンティ卿は敗れた。
    それは、必然の敗北だった。
    サンティ卿の太刀筋はすべて読まれていた。私の風による妨害も、相手は知っていた。さらに、後方にいる将を守りながらの戦い。甲冑の合間をぬった刃が、サンティ卿を貫き、彼が振るった私は、相手方の騎士の刃の前に折られた。
    私は剣である。私は魔剣である。私は聖剣である。壊れないと思っていたが、同等の剣にはおられることもあるということを理解した。魔であるがゆえに、聖であるがゆえに、折れた程度では自我は消えない。
    だが、彼を守れなかったのは痛恨であった。サンティ卿は、彼女の姉の兵に伴われ、海の国に戻った。
    私が状況を理解したのは、海の国に戻り、パシフィール女王が久方ぶりに私に話しかけたときだった。
    「今一度、彼に戦うための力を」
    彼女の目は暗い。かつて恋する姫だった彼女は、今や国を率いる女傑であった。
    彼女は、かつて恋した騎士が死に瀕していることも意に介さず、ただ私に呼び掛けた。
    多数の魔導士が私に魔力を注ぐ。
    「平和をもたらすための力を、彼に」
    力。力。力。かつての姫だった女傑は、ただそう言った。

  • 162続きはそのうち24/03/01(金) 04:12:28

    「……うーん。認識の食い違い?いや、どうだろうこれは」
    「どうされましたか?」
    「あー……うん、ごめん。結論から逆算して今の状況を考えちゃった。これはあまり作者的には意図していなかった考察かな」
    「どういうことですの?」
    「まああんまり重要じゃないことだから、気にしないで。確信が持てたら言えばいいかなって。
     ここはパシフィールのシーンだね。サンティは敗北したけど、その復活はすでに示唆されている」
    「パシフィールが姫から女王へと変わった……ということですのね」
    「うん。彼女の騎士であるサンティ卿。卓越した技量を持ち、人外じみた肉体を持つ彼も、無敵の戦士ではなかった。ここで負けてしまう。だが、アルベルトもさるものだね。折られてもまた蘇る。
     刃を折られても戦い続けるサンティ。彼の目的は不明のままだ。久しぶりに登場した彼の君主であるパシフィールの目的もそうだね。でも、そう。一国の女王であるパシフィールにとって『平和』とは非常にわかりやすい目的ではある。だから必然、サンティも彼女の意のままに戦っている、という読み方でいいのかもしれない。そういう意味でも、姫から女王への変化、ということなんだろう。なので……ここでは、二つの変化が示唆されている」
    「パシフィールは姫から女王になり、姫を助ける騎士だったサンティが女王の剣になった、ということですのね」
    「これもまた、アルベルト視点での話だけどね。さあ次に進もうか」

  • 163二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 12:38:48

    保守

  • 164二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 12:47:29

    お嫁さん、お話の中の置き換えとはいえ、
    自分で自分を女傑と言ってのけるのは度胸が只者じゃないぞ(

  • 165二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 18:51:36

    かくしてサンティ卿は戦い続ける。女王の騎士として、平和をもたらすために戦い続ける。
    何度も起動される大量破壊魔法の術式。そのたびに、彼は世界を跨いで駆け回り、その魔法を潰した。
    だが、力を求める国は後をたたない。繰り返される殺戮。繰り返される国同士の争い。民の疲弊を憎しみが上回る。争いはやまない。
    いつしか、サンティ卿の眠りは浅くなっていった。他の人間とのつながりも薄れていく。
    最後にパシフィール女王に謁見したのもいつだったか。彼は、ただ戦いを止めるためだけに戦い続けた。
    1か月の遠征が終わり、戦を止めたサンティ卿が、久方ぶりに国に戻ろうとしたとき。彼は関所で止められた。
    「女王の命でございます」
    ぷつり、と何かが切れる音が聞こえた。なぜ、とつぶやき。だが、そこで暴れることもなく。
    少年のころから平和のために、女王のために戦い続けた騎士は国を追われた。
    (画像はイメージです)

  • 166二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 19:05:49

    「なるほど。ここでなぜ、が生きるわけだ」
    「サンティの戦う理由、ですわね」
    「うん。サンティはパシフィールのために戦っていた。パシフィールの命だ、というだけではなかったんだ。あるいは、そこにはラクスの言う通り愛があったのかも」
    「はい……」
    「敬愛していたのか、あるいは一人の女性として愛していたのか。彼女のために剣を捧げ、戦い続けたサンティは、いつしか彼女に会うことすらできなくなる。結果が、これだ。会えないということは、必然、心の距離もまた離れる。いつか訪れる結末だったのかもしれない」
    「パシフィールには、サンティへの愛はなかったのでしょうか」
    「どうだろう。彼女の描写はほぼここにはない。かつて騎士を慕った姫は、もうすでに変わっていることしかわからない。ただそもそも、これは本当にパシフィールの命なのかな」
    「何者かが、女王の名を騙り、サンティを追放した……?」
    「そういうことも考えてしかるべきだよね。だけども……サンティはそれ以上に、女王が自分を追い出した、ということに心を折られてしまった。そんなはずはない、とは言わず、ただ、なぜ、とつぶやいたんだ。それだけ、女王のことを信頼していた、いや、やっぱり愛していたのかもしれない。だからこそ、会えなかった自分が不甲斐なかった。だからこそ、追われてしかるべきだと、自分で納得してしまった……のかな」
    「ですが、女王の名を騙っている何者かがいるとすれば」
    「うん。ここからが山場だね」

  • 167二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 19:17:52

    私は剣である。私は魔剣である。私は聖剣である。魔に類するものであり、聖に類するものではあるが、あくまで剣である。心を折られた騎士を立ち直らせることはできない。
    サンティ卿は、一人宿に泊まり、ぼう、と窓の外を眺め続けた。
    食事をとらない。言葉を口にすることすらない。恨み言も言わず、ただ惚けているだけ。日に日に、サンティ卿はやせ衰えていったが、私には何もできない。
    時は流れる。数日。一週間。二週間。
    サンティ卿はただ窓を眺め続け、いよいよ生気が失われてきているようだった。かつて、戦場を縦横無尽に駆け巡り、数多の戦乱を食い止めてきた騎士の最後としては、あまりに空しいものだった。
    が、そこで、変化が起きた。海の国の国境。宿場町として栄えていたそこが、急に人通りが激しくなった。
    サンティ卿は、その変化に気づいているのかいないのか、ただ虚空を見つめている。
    それは、海の国から逃げ出していく民。口々に彼らは言う。
    宰相が、女王を操っている。あるいは、女王は気が触れてしまった。
    決して手をだすことのなかった、大量破壊魔法をついに海の国の魔導士が使い始めた。
    戦場になる。なるべく、海の国から遠くへ逃げよ。
    その言葉を聞いたとき、騎士は立ち上がった。
    (画像はイメージです)

  • 168二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 19:31:28

    「こころの拠り所を失ったサンティが、また、立ち上がりますわ」
    「ああ、結局はこの問いがついて回るんだ。なぜ、戦うのか。
     サンティは、なぜ、立ち上がるのか」
    「女王への愛ですわ?」
    「言い切るね、ラクス」
    「言ったではないですか。これはラブロマンスですわ」
    「僕にはそうは思えないんだよね……僕には、サンティが別の理由で立ち上がったように見える。
     もう壊れてしまった騎士。少年のまま、戦い続けた彼が、それでも立ち上がる理由は、もう一つしかない」
    「……キラは、どう思いますの?」
    「怯える人々を見て彼は立ち上がったように僕には見えた。怯える人々を救いたい。
     もっと単純に言うなら。目の前にいる人たちを、助けたい……かな」

  • 169二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 19:45:27

    「私はここにいるぞ!」
    そうサンティ卿が叫んだ。
    魔法を使い、駆けながら彼は叫ぶ。
    平原の真ん中。周囲には人はいない。森を背にして、彼は城にめがけて叫ぶ。
    私の力を使い、声を敵に届けている。
    「海の国の宰相よ!汝に理無し!!人を鏖殺せんがため、血税を用いるなど言語道断!
     我は風の騎士!人民を守り、平和を希求する者!
     女王に仕えし風の騎士の名において、貴様に裁きを与えん!!」
    城塞から声が聞こえる。
    「逆賊ぞ!!魔法を放て!!女王の命ぞ!!」
    掛け声に呼応して、光が放たれる。大量破壊魔法。平原をサンティ卿ごと焼き払う。
    死んだ、と魔法を放った者たちそう思っただろう―――だが。その程度で死ぬようであれば、とうの昔に彼は命を落としている。
    空を舞う。風のごとく。その二つ名のごとく、駆け抜ける―――
    (画像はイメージです)

  • 170二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 19:48:38

    ここにきてフリーダム暴れん坊将軍説を彷彿とさせる挑発口上を剣士様があげるの、

    タイミングが神がかってるな

  • 171二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 19:50:11

    「かくして宰相は討ち果たされた……結局、サンティ卿は、何のために戦っていたのか。
     その結論は、読者に委ねられた格好だね」
    「キラは、やはり愛ではないと?」
    「わからない。姫の……女王の描写が少なすぎる、かな。サンティ卿の愛はわかるけども、女王の側はさっぱりだ。
     ああ……でも、これで終わりなんだね。愛の物語、というよりも、戦い続けた一人の英雄の話、といった方がいいのかもしれない。少なくとも、僕にはそう思えるかな」
    「残り数ページですわ」
    「あとがきまで一気に読もう」

  • 172二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 19:58:17

    あとがきもまた楽しみ

  • 173二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 19:59:28

    私は剣である。私は魔剣である。私は聖剣である。
    故にしゃべらない。故に私は意思を人に伝えることはできない。ただ思うだけである。
    彼は何を考えているのか。彼は何を思っているのか。
    女王は死んだ。宰相が殺したという。サンティ卿は、その亡骸を見ることすらできなかった。
    最早涙は枯れ果てている。サンティ卿に残るのは、目の前にいる者たちを救い、戦いを止めるために戦い続けるだけ。
    その目は遠くを見ている。彼は結局、海の国から立ち去った。
    一人、彼の姉が納めし国を目指す。たった一人で。最早感情が抜け落ちたような面持ちで、だが彼は歩く。
    戦わなければ。目の前にいる者たちを一人でも多く救わなければ。そこに、彼自身の幸せは存在しない。
    だが。
    「―――騎士様!」
    彼の足についてきた者が一人。
    「助けてくださいまして、ありがとう、ございました……」
    女性。サンティ卿と同じ年ごろの女性だった。
    誰なのか、私にはわからない。
    ただ、その顔を見て、サンティ卿は、笑っていた。
    いつか助けた誰かなのだろう。サンティ卿は、無数の民を救ってきた。なれば、彼を慕う者もいるだろう。
    願わくば、彼の道行が幸いなものであらんことを、私は祈るばかりである。

  • 174二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 20:06:27

    あとがき

    私が彼にお会いしたのは、かの騒乱の前の年でした。
    とても穏やかで、とてもやさしく、とても戦うことを得手としているような方には見えませんでした。
    どこか遠くを見ているようで、あるいは病んでいるかのようで、あまりにも悲痛でした。
    彼の方は、自分の愛する人を失い、今も戦い続けていると聞きます。
    願わくば、彼の道行が幸いなものであらんことを。

    本書を彼に捧げます。

    リベル・テディーバ

  • 175二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 20:11:08

    「終わり……かな」
    「終わりですわ」
    「やっぱり、これ、ラブロマンス、じゃ……んん?ラクス、その手に持っているのは」
    「では、こちらを読みましょう、キラ」
    「あ、同じ絵の人が書いているけど、なんか雰囲気違うね。『風の騎士と海の姫~愛の物語』……?」
    「ぜひ読んでみてくださいませ、キラ」
    「外伝?それとも公式の解説本なの?」
    「この物語にいかなる愛があったのか、それを語る本ですわ」
    「……んん?」

  • 176二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 20:19:36

    私が彼に会ったのは、16の時でした。
    初めて会った時の印象は、よく覚えておりません。
    ただ、彼が私を救ってくれた―――というのはわかりました。
    馬車を襲ってきた者たち。彼らを全員打倒した彼は、泣いていました。
    「戦いは終わったのですか?」
    そう声をかけたとき、彼は震えていました。
    「……優しいのですね、あなたは」
    そういったとき、彼は目を反らしました。
    そんな姿が、どうしようもなく、愛おしかったのです―――
    (画像はイメージです)

  • 177二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 20:23:49

    「すごい重要シーンが外伝で描かれている……」
    「姫と騎士の出会い。王道のボーイミーツガールですわ」
    「王道?王道かなあ……王道だったら、颯爽と騎士が助けて、姫に手を差し伸べるとかじゃないかな」
    「かっこいい騎士様も好きですが、少し頼りなくて、人を傷つけたらすぐ泣いちゃうような騎士様は私好きですので」
    「たまにラクスの王道が僕はわからなくなる……あ、でもサンティは確かにそんな感じだったね」
    「……さあ、次のシーンですわ」

  • 178二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 20:28:45

    それが王道になったのはC.E.よりはるか昔、オーブの起源とされる国で90年代に流行ったアニメの文脈なんやでぇ…ラクスはん…w

  • 179二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 20:29:34

    ああ、なんという幸運!なんという偶然!なんという運命でしょう!
    サンティ様とまた会えるなんて!!
    流浪の騎士様―――サンティ様、いえ、サンティと私が再会したのは、あの別れから数か月後のことでした。
    私の国の、魔導士を擁する盗賊団。それを撲滅し、我が国の民を救ってくれたのがサンティだったなんて!
    彼は傷つき、城に運び込まれました。
    私が呼び掛けると、彼は!
    「……パシフィール?」
    ああ、私の名前を憶えてくれているなんて!!これは運命にちがいありません!!
    (画像はイメージです)

  • 180二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 20:32:51

    「待って。待って?テンションすごい高くない?こんなキャラだったの、姫様……」
    「本編では全く描写がございませんでしたわ」
    「確かに……。ああでも、浮かれているってアルベルトは言ってたね」
    「恋する乙女ですので」
    「そっかぁ……作者の人、ずっと硬い感じで本編書いてたから、ついはっちゃけちゃったのかな……」
    「……恋する乙女はまだ止まりませんの」
    「うそでしょ……?」

  • 181二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 20:37:40

    傷ついたサンティが、戦場に戻るとおっしゃいましたので、私は剣を差し上げることにしました。
    我が国の宝剣。風の剣。アルベルト、という名があるらしいですが、本当に意思があるかは私はわかりません。
    ですが、サンティがいいものだ、と言ったので間違いないでしょう。
    何より!
    「僕に、こんな剣を……君は……」
    彼は、まっすぐに私を見てくださいました!一国の姫ではなく、少女としての私を!
    わかります。私にはわかります!!
    「私はパシフィール。ただのパシフィールです、騎士様……サンティ」
    もはや告白ではないでしょうか!!

  • 182二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 20:41:24

    めっちゃお花畑やん……
    …本編もそうだったわ……

  • 183二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 20:42:35

    「軽い!!うっそ、ちょっと待って!?
     結構おどろおどろしい雰囲気の剣じゃなかったっけ、アルベルト」
    「ですわね」
    「戦場に戻るというので、ってノリであげちゃっていいものじゃないよね!?」
    「恋する乙女ですのですでに覚悟は到来しておりますわ」
    「うっそぉ……ああ、でも確かに肝は据わっている感じだね、彼女」
    「恋に生きる乙女は恋した男性に全力で尽くしてしまうのですわ」
    「恋に生きる乙女は強いなあ」
    「ただ、それが原因で後々後悔することになりますので……」
    「ラクス、君が落ち込むと僕も悲しいよ?」
    「そういって抱きしめてくれるキラに私は恋していますわ?」

  • 184二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 20:44:19

    ……ラクスを演じられる人間はフレイを演じられる人間でなければ、という監督評がよくわかるね

  • 185二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 20:45:03

    珍しく硬派だなー、ラブ押し出してこないなー、フリーダム視点でキラの優しさに触れてるんだなーって思ったら外伝で全部ぶっちゃけちゃったよこのお姫様
    今までにない脳の端までピンクなのを隠さないスイーツっぷりですよ

  • 186二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 20:48:36

    そうなんだよな  
    フリーダムって普通あげますって言ってあげられるようなもんじゃないよな

  • 187二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 20:50:34

    父が死に、私は女王になりました。
    私が泣いたとき、彼は抱きしめてくれました。
    ただ。彼はずっと戦い続けている。……そこで初めて、私はとんでもない過ちをしたのではないかと気づきました。
    優しい彼に、力を与えたこと。愛しい人を、戦場に送り出すということ。
    女王になって、初めて気づいた、姫だった愚かな私の行動。後悔しても、もう遅い。
    「生きて、帰ってきてください」
    何度も何度も私はそう言いました。
    そう言うたびに、彼はこう返しました。
    「君も、気を付けて」
    帰ってくる、とは言ってくれませんでした。
    (画像はイメージです)

  • 188二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 20:50:43

    >>186

    いずれにせよあのときはパトリックの暴走でケツに火がついてるから、抑止となる存在へ全BETするのは悪い判断ではないんだが、

    そこにラクスの乙女回路が介入してないかというとな、うん

  • 189二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 20:55:10

    「ああ……なるほど。浮かれていた描写がここに繋がるんだ」
    「ええ……」
    「でも、サンティは力を与えられたことに、喜んだとしても、恨んだりはしなかったと思うよ?」
    「それは、今ならわかります。ただ」
    「ただ?」
    「剣だけではありません。パシフィールは女王となりました。彼女の命でサンティは戦場に赴くのです。愛した人が戦場に赴くのに、慣れる女性はおりません。そのきっかけが自分であればなおさら」
    「……大丈夫。僕は必ず生きて帰ってくるから」
    「ええ、知っておりますわ……」

  • 190二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 20:59:38

    負けた。あの剣が折れて、彼は負けた。彼は死にかけた。
    より大きな力を。彼が死なないような力を。でも、本当にそれが正しい?
    わからない。わからない。わからない。わからない。
    私にあげられるものならなんだって彼にあげる。
    愛だって。体だって。でも、そんなものでは、彼を強くしてあげられない。彼が生きるのになんの役にも立たない。
    力をあげればいいの?あの剣をもっと強くすればいいの?
    女王なのに。私は、彼を戦場に追いやるだけ。
    恋をして。ただ、幸せになりたかっただけの私は、もう遠いところにいる。

  • 191二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 21:06:08

    「女傑、ね……」
    「強いように見える人間の中身なんてこんなもの……増してや、剣などにわかるものではないと思います」
    「ラクスも?」
    「キラが一番知っているはずですわ」
    「そうかな。僕の知っているラクスは本当に強い人だよ?」
    「あなたがいないと私は強くあれません」
    「僕なんか、君がいないとまともに生きていけないからね……」
    「お揃いですわ」
    「そうかな……いたた、だからつねらないでって」
    「つーん、ですわ」
    「ほら、ラクス?次行くよ?」

  • 192124/03/01(金) 21:10:37
  • 193二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 21:17:41

    >>192

    おつおつ

    やっぱり面白い

  • 194二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 21:21:09

    うめ

  • 195二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 21:21:50

    うめうめ

  • 196二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 21:23:36

    よくこんな手を変え品を変え物語がかけるもんだわ

  • 197二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 21:25:09

    一貫して愛がテーマだけど見せ方が上手い

  • 198二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 21:28:13

    うめ

  • 199二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 21:28:51

  • 200二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 21:28:57

    スレ主のペースでいいからこれからも定期的に読ませて欲しいわ

オススメ

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