釘崎の関係者生やしたい(ダイス) その11

  • 1二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:46:12

    夏彦と真希が呪霊と戦う!

  • 2二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:46:55

    ほしゅ

  • 3二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:47:32

    ほしゅ1

  • 4二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:47:53

    ほしゅ2

  • 5二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:48:47

    ほしゅ3

  • 6二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:49:05

    ほしゅ4

  • 7二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:49:22

    ほしゅ5

  • 8二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:49:42

    ほしゅ6

  • 9二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:49:52

    ほしゅ7

  • 10二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:53:12

    立て乙!

  • 11二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 23:31:55

    呪霊と夏彦たちの戦闘が激化する中で花御の援護を受け、攻撃方法を切り替えた影羅が徐々に真希を押し始めた。

    「くっ」
    「体も頑丈、齧っちゃうか」

    爪が肩を掠める。見た目が人間のそれであることに反して呪霊の指は指や皮膚を引き裂くほどに鋭い。

    「がぁ・・・ぐ」
    「くっ!きたねえな!」

    口を大きく開けて噛みつこうとするのを游雲の真ん中の部分で受け、蹴りを入れて距離をとる。

    「ああ、もう・・・でかいのからやるか」
    「逃がすと思うか?」
    「追いかけられるかな?」

    気だるそうな表情のままにやりと笑うと根に紛れて姿を消した。

    「ちっ、悪知恵が働きやがる。夏彦!気を付け・・・がっ!」

    夏彦に注意喚起をしようとした際に後頭部に衝撃が走った。
    「ひっかかったな、馬鹿なやつ」
    「ぐ・・・あ」

    視界が滲む中でけらけらと笑う影羅。真希は頭を押さえながらなんとか立ち上がろうとする。

    「ふんっ!」
    「いった・・・こんどは誰?」

    影羅はイライラしながら自身を蹴飛ばした男をにらむ。

  • 12二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 23:43:39

    「呪詛師・・・いや、呪霊か?大丈夫か真希」
    「東堂か・・・くそ、油断した・・・」
    「あまり動くな、血が出てるぞ」
    「見たことないやつだ、こいつも呪霊なのか」

    真希のピンチに駆け付けたのは東堂と虎杖だった。二人は真希を庇うように立ちはだかると拳を構える。

    「増えた・・・めんどい」

    目に見えて面倒くさそうな影羅は真希と東堂、虎杖のペアをみて溜息を吐いた。

    「はぁぁぁぁぁ・・・花御、私帰りたい・・・」
    『もう少し頑張りなさい』
    「でも、増えたんだけど・・・」
    『あなたなら持ちこたえるくらいは訳ないでしょう、こちらもなかなか・・・手強い』

    夏彦を伸ばした根で追い払いつつ花御が影羅と合流して話合っている。

  • 13二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 00:04:14

    今日はここまでにしときます!また明日!

  • 14二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 00:06:06

    乙〜

  • 15二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 00:11:55

    本スレも11か、米をつけてくれる人がいてありがたい限り。
    夏彦と別スレのキャラが登場する関係で敵対勢力もまだまだ暗躍しています。
    これからもよろしくお願います。

  • 16二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 08:11:59

    保守

  • 17二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 11:27:49

    保守

  • 18二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 19:58:01

  • 19二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 22:07:15

    再開します!


    「東堂先輩!」
    「夏彦、ここは俺とマイフレンドに任せて下がれ、真希のケガが心配だ」

    夏彦が合流すると夏彦はケガをして蹲る真希に駆け寄った。

    「真希ちゃん、ちょっと見せて」
    「どうってこと・・・ない」
    「意地はらない、指何本に見える?」
    「三本」
    「一本だよ、そんな状態じゃ戦えないでしょ」

    東堂と虎杖は夏彦が最初から指を三本立てていたことは気にしないことにした。たぶん治ったら怒られる奴だが
    夏彦は自分以外の人間のケガには敏感なのだ。

    「おーっす、迎えに来たぞ、真希は任せろ」
    「パンダ先輩!」
    「夏彦、先生たちも来てる、お前は虎杖たちを援護してやってくれ」
    「わかりました、頼みますよ先輩」
    「任せろ」

    パンダーッシュ!とパンダは掛け声を上げて真希を抱えて走っていった。

    「よかった、減った」
    『結局頭数はそれほど変わっていないのではありませんか?』
    「やる気を保つのが大変だから・・・言わないで」

    花御と影羅は夏彦たちのやり取りを聞きながら話し合う。

  • 20二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 23:07:49

    「さて、誰が誰とやるかだが」
    「あの小さいのは?」
    「よくわからないけど物陰とかに体のサイズを無視して隠れたりできるらしい。見た目に反してパワーがヤバい」
    「あのデカいのはさっき見てたが樹木を操って戦うようだな」
    「そっちは攻撃範囲が広い、範囲攻撃とそれに紛れて襲ってくるトリッキーなパワータイプがコンビだから厄介なんだ」
    「あのデカいのは俺も見た、花とか咲かせたりするんだよな」

    攻めきれない、と夏彦は頭を掻いた。夏彦のジャケットの背中やズボンの一部には影羅の妨害らしいひっかき傷がついている。東堂と虎杖は

    「作戦会議してる?ちょうどいいからだらだらしたい・・・」
    『時間稼ぎがこちらの目的ですからね、真人は上手くやっているだろうか・・・』

    花御は三人があれこれ話し合っているのを遠巻きに見ていたが・・・。

    『そろそろ仕掛けます、影羅も頑張って』
    「はぁーい、んじゃま・・・帳が上がるまでもうちょい頑張るか」

  • 21二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 23:21:04

    重くて入れなかったゾ

  • 22二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 23:25:28

    >>21

    こっちも21時から書き始めて二回しか投稿できてません。今日ヤバいですね

  • 23二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 23:26:23

    このまま書いてると虎杖が黒閃未経験のまま呪霊組撤退しそう・・・どうしよう!

  • 24二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 23:38:18

    >>23

    やっちゃえ日産…

  • 25二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 23:38:54

    黒閃

  • 26二次元好きの匿名さん24/03/02(土) 23:43:13

    「さて、それじゃあデカブツは東堂先輩と虎杖君に任せましょうか」
    「わかった、無茶はするなよ夏彦」

    心配する虎杖の肩を叩いて夏彦は影羅の方へ向かう。

    「そっちも十分休憩しただろ?再開しよう」
    『影羅、その男は任せます一人なら文句もないでしょう?』
    「りょうかい、やっちゃる」

    花御と影羅も話がついたようだ。夏彦と影羅が対峙する。

    『マイフレンド、お前が黒閃を決めるまで、俺はお前を助けないぞ』

    「黒閃?花御相手になにかこだわるつもりなのか・・・無謀だ」
    「黒閃ね、狙ってだせるもんでもないだろうけど・・・東堂先輩なりに悠仁に期待してる感じか」

    指の関節を鳴らして、夏彦は虎杖がこれから迎えるであろう成長に期待を膨らませる。

    「こっちはこっちで、やることやろう」
    「そうだね、ぼちぼちやって、勝てればラッキー程度に」

    夏彦はダウナー気質の影羅に思わず吹き出しそうになった。殺し合いをしているはずなのにまるで組手かなにかを
    しているような感覚に陥りそうだ。

  • 27二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 00:06:38

    今日はここまでにしときます!また明日!

  • 28二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 00:11:42

    乙!

  • 29二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 08:14:29

  • 30二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 17:04:26

    保守

  • 31二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 22:07:31

    再開します!



    「ぼちぼち・・・ね」

    夏彦は影羅の言葉を反芻しつつ、彼女を視界に捉える。

    「その前に色々、借りを返したいね」

    ギリリと拳を握りしめる音が響く。
    真希がケガをして、蹲っていた事、皆が危ない目に遭っていたこと。
    虎杖が何故、秘匿死刑にならなければいけないのか。もろもろの苛立ちが夏彦の呪力を研ぎ澄ましていた。

    「なにキレてるの、気楽にいきなよ」
    「切れてなんか・・・いや、嘘はよくないな」

    夏彦の姿が一瞬にして影羅の視界から消えた。

    「あ、これやばい奴」
    「すぅ・・・ふんっ!」

    術式と感情の高ぶりによって研ぎ澄まされた感覚からはじき出された身体能力が瞬時に距離を詰める。

    「『黒・・・閃ッ!』」

    奇しくも花御と戦う虎杖と夏彦が影羅に放った拳打は、同時に、まるでそれそのものがそうであるように。
    黒い閃光となって両呪霊を打ち抜いた!

  • 32二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 22:13:47

    夏彦が白閃だけではなく黒閃まで決めるとは…しかも同時

  • 33二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 22:14:34

    >>32

    白閃はやめたげて…シリアスが死ぬ

  • 34二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 22:15:41

    すまねぇ

  • 35二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 22:19:34

    >>32

    やめろw呪霊とはいえ女の子殴ってるんだぞw

    白閃したら修羅場になっちゃうw

  • 36二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 23:03:07

    「なったな・・・さすがだ、ブラザー!」

    東堂が虎杖の成長に喝采を送る。その隣では同じく黒閃を決めた夏彦の拳打の威力が風圧となって東堂の頬を叩いた。

    「ふ、ブラザー、よく見ろ。あれが怒りを力に変えるタイプの呪術師だ」
    「おお、すげえ・・・」
    『が・・・影羅!ぐっ・・・』

    黒閃の威力にふらつきながら花御は木の根を伸ばして虎杖を引きはがし、影羅の元へ向かう。

    「い”だい”・・・」
    「さすがに特級、一撃じゃ無理か」

    顔面が完全に陥没していたがどうやら死んではいないようだった。

    『影羅ッ!』
    「っと、悠仁の拳を食らってまだそんな元気があるのか」

    それまでにも結構殴ったはずだけどな、と夏彦は零しつつ大きく後ろに下がった。

    『影羅、動けますか』
    「うい、まだ大丈夫・・・けどそろそろヤバくない?私小手調べで死にたくないんだけど」

    変形した顔をぶんぶんと振って元に戻すと影羅は花御に耳打ちする。

    「でしょ、帳が上がる前に逃げてもいいじゃん」
    『真人が目的を果たすまではダメだといったでしょう。せめて帳が上がってからです』

  • 37二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 23:16:16

    すいません、今日はなんだか不調だ。明日は早いんで今日はここまでにしときます・
    また明日!

  • 38二次元好きの匿名さん24/03/03(日) 23:25:39

    >>37

    乙〜お疲れ様でした

  • 39二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 07:22:10

    保守

  • 40二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 11:21:34

  • 41二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 21:16:40

    ほしゅ

  • 42二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 22:00:45

    ヨワヨワ鯖

  • 43二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 22:30:40

    再開します!

    「ああ、もう、だるい!」

    影羅はがしがしと両手で頭を掻いた後、影羅は花御の前にずいっと進み出た。

    「お前ら、鬱陶しいから・・・潰す!」
    『やっとやる気になりましたね、影羅』
    「やかましーっ!下がってて!」

    くすくすと笑う花御に怒りモードの影羅は三人に向かい合うと・・・

    「影泳模倣、『アルティメットキャノン』!!」

    両手を前に突き出した瞬間に両手からレーザーを放った。

    「何ッ!」
    「うおっ?!」

    爆発を引き起こすレーザーの照射に東堂と虎杖はもちろん、夏彦もその爆発に巻き込まれて派手に吹っ飛んだ。

    「しねしねしね!おっちね!『アルティメットキャノン』!」

    「うわあ!むちゃくちゃだコイツ!」
    「あれはメカ丸の術式!術式の模倣が奴の術式なのか?」

    東堂は物陰に隠れ、吹っ飛んで木に引っ掛かった虎杖と合流しつつ全員は影羅の術式について話し合う。

  • 44二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 23:04:02

    「これほどの術式、連発はできないはずなのに・・・うおおおっ!?」
    「本家より威力が落ちるが連射速度がえげつないぞおおっ!?」

    もはや戦うというよりも逃げるのに精一杯の三人。隠れてはその範囲をまとめて吹き飛ばされ、それに追い立てられるようにまた逃げては隠れての繰り替えし。

    「このままでは埒があかん、俺の術式を解禁する!」
    「ぎえーっ!どんなのー?」

    東堂が吹っ飛んでいく虎杖を受け止めながら二人に言う。

    「俺の術式は!」

    手をパン!と叩くと両手を突き出している影羅が夏彦の立っていた位置に立っていた。

    「手を叩くことで相手と一定以上の呪力を持ったものの位置を入れ替える!」
    「え?・・・ぎゃっ!」

    両手を突き出してぽかんとしていた影羅に蹴りを入れて東堂はにやりと笑みを浮かべる。

    『な、なにが・・・はっ!ぐがっ!!』
    「余所見厳禁!」

    影羅が突然移動して戸惑う花御を夏彦が急襲。がら空きのボディに夏彦の拳がめり込む。

  • 45二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 23:08:53

    東堂の術式やっぱり便利やな強いし

  • 46二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 23:13:01

    >>45

    しかも多対多になってるのでさらに凶悪になってます

  • 47二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 23:23:29

    >>46

    ウーン強い!

  • 48二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 23:41:45

    「なにがあった?!このっ!」

    アルティメットキャノン!と叫ぶ影羅を再び東堂が手を叩くと

    『影羅ッ?!』
    「花御ッ!?」

    反撃しようとした両者が相打ちの状態になってダメージを受ける。

    「さて、これでさっきのように飛び道具は使えないな」

    「あぐぐ・・・」
    『っ・・・』

    東堂がにやりと笑い、京都、東京のフィジカルモンスターがそろい踏みする。

    「いくぞ超親友!夏彦!」
    「おう!」
    「わかった!」

  • 49二次元好きの匿名さん24/03/04(月) 23:43:10

     ゴ リ ラ 三 人 衆

  • 50二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 00:05:38

    三人が同時に駆け出し、足の速さから順に虎杖、夏彦、そして大局を見極める意味も込めて東堂が最後尾を走る。

    「おおっ!」
    『くっ!』

    虎杖が花御に飛び掛かり。

    「ぶん殴る!」
    「だっるー!」

    夏彦が影羅に蹴りを見舞う。そしてその合間に夏彦が術式で瀬戸の郎党を召喚し、東堂がそれを利用して瞬時に様々な場所に移動しつつ花御と影羅の攻撃を妨害していく。

    (やばい!これは・・・)
    《抜け出せない・・・!》

    夏彦が蹴り、虎杖が殴り、東堂がカバーしながら殴ったかと思えば今度は虎杖が蹴り、夏彦が殴り、東堂が殴る!
    これに夏彦の術式による目くらましと瀬戸の郎党の追加攻撃が二人を絶え間なく責めてる。

    そして・・・

    「「「黒閃ッ!」」」

    三人の黒閃が、容赦なく二人を襲う!

  • 51二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 00:06:42

       死 

  • 52二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 00:07:15

    そうか郎党と組み合わせ出来るのね…死ゾ

  • 53二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 00:08:22

    黒閃三連発は宿儺でもヤバそう

  • 54二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 00:26:47

    「あああああああもう!!!!いいかげんにしろぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

    叫びと共に三人の拳が違和感を覚えた。

    黒閃を放った閃光がまるで沼に沈むように溶け込み、三人にそのまま衝撃が返ってくる。

    「ぐぶっ!」
    「がっ・・・?!」
    「ぬうっ!?」

    咄嗟の違和感に気付いた東堂が踏み込みを浅くしたため難を逃れたがインパクトをずらし損ねた虎杖と夏彦は自身の黒閃の起こした衝撃をモロに食らい派手に吹き飛ぶ。

    「はぁーっ・・・はぁーっ・・・花御ぃ・・・生きてる?」
    『助かりました、影羅・・・しかしこれは・・・不利と言わざるを得ませんね』
    「もう、無理!私帰りたい!」

    よく見ると自身の体と花御の体を纏うように影が伸びている。どうやらこの影を使って黒閃の衝撃をはじき返したようだ。しかし影羅は肩で息をしており、消耗が激しいのは誰がみても明らかで、花御もまた疲労を滲ませていた。

  • 55二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 01:00:08

    今日はここまでにしときます!また明日!

  • 56二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 02:10:16

  • 57二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 07:45:02

    保守

  • 58二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 14:49:04

  • 59二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 19:59:01

    保守

  • 60二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 22:44:59

    再開します!

    『これだけは使いたくなかった・・・』
    「あ?あれをやるの花御」
    『二人は動けません。ならば三人を巻き込む攻撃を行えば少なくとも二人は取れる』

    警戒し距離をつめない東堂を見つつ影羅と花御は話し合う。

    「アイツはこちらと場所を入れ替えるよ、自爆する気?」
    『そこまで馬鹿ではありません。ですが選択肢にははいるやも』
    「わかった、私はじゃあ先に離脱するわ。後始末もあるし」
    『お願いします』

    影羅が影に沈むように姿を消したのを見て東堂は訝しむ。

    (影の呪霊が下がる・・・?しかしこちらも下手には動けんな・・・)

    東堂はちらっと虎杖と夏彦を見る。頑丈さが取り柄の二人だが黒閃の衝撃をカウンターでもらった影響かまだ目を白黒させている。今攻撃が来たら確実に逃げ遅れるだろう。

    「俺がやるしか・・・ッ!?」

    東堂が覚悟をきめた瞬間に帳が上がり始めた。

    『帳が・・・!五条悟か・・・』
    「間一髪といったところだな・・・」

  • 61二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 22:51:02

    始まった

  • 62二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 22:52:18

    歯を軋らせる花御、しかし仲間が離脱を始めた状況は花御にとっても悪いタイミングではなかった。

    『退きます、五条悟と戦うほど・・・驕っていない』
    「う・・・く、待て!」
    「待て超親友、巻き込まれるぞ」

    頭を押さえながら立ち上がった虎杖を東堂は制止した。そしてその直後に

    『虚式『茈』』

    凄まじい轟音と破壊の光が花御のいる場所を通過していく。樹木の根に体を隠して花御はすかさず姿を隠した。

    「ちっ、ヤバい威力のが来た・・・ま、いいように利用させてもらう」

    影羅は瞬時に伏黒たちの前に現れた。

    「呪詛師!?」
    「人じゃねーよ、お呼びじゃない。下がってなよ」

    驚いた伏黒達を掻い潜って炎を操る呪詛師の傍に寄ると男を抱え上げた。
    「とんずらさせてもらうよ、証拠はあんまし残したくない」

    茈の光が迫る中で影羅はにやりと大男を見やると

    「影泳模倣『不義遊戯』」

    大男と自分の位置を入れ替えた。
    「なっ!」
    「じゃあ、ばいばーい」
    大男と男の居た場所を茈が通過していく。

  • 63二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 23:10:18

    「テメエ!」
    「ギャハハハハハハハハハハハハ!!!やっぱいいね!間抜け面がよ!助けるとおもったのかよ!ばぁぁぁぁか!!!」

    影羅は大男と男が茈に飲み込まれたのを手を振りながら確認し、ひとしきり大笑いする。

    「仲間じゃねえのかよ!」
    「あー?お前もおつむが間抜けか?呪霊と、人間が!どうやって仲良くすんだよ!馬鹿じゃねえの?」

    夏彦と東堂、虎杖にボコボコにされて相当にフラストレーションがたまっていたのか影羅は
    仲間のはずの呪詛師をあっさりと切り捨てたことに抗議する釘崎を見て舌を出した。

    「お前らの間抜け面でお釣りがもらえるなぁ!アハハ!んじゃ、花御が心配だから帰るわ」
    「逃がすと思うのか?」
    「はーん?聞こえないね」

    伏黒が渾を呼び、他の面々が攻撃体勢に入るなか影羅はわざと耳に手を当てて聞こえないふりをする。

    「そんなに戦いたいんなら置き土産をやるよ!『アルティメットキャノン』!」
    「危ッ、避けろ!」

    薙ぎ払うようにレーザーを撃つ。全員が爆発を避ける為に飛び退ったが、砂煙が収まるころには影羅はいなくなっていた。

  • 64二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 23:10:54

    コイツの術式も結構強いな

  • 65二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 23:19:12

    このレスは削除されています

  • 66二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 23:28:33

    「くそ、逃げられた・・・」
    「さっきの、メカ丸のよね・・・模倣術式?」
    「わかりません、だがやつの口ぶりからするに奴も呪霊なんでしょう。五条先生が会った奴の仲間なのか・・・」

    伏黒は影羅が逃げたのを確認した後に先ほど通過していった茈の破壊痕に目を移した。

    「五条先生の術式か・・・」
    「この威力じゃあアイツは・・・」

    抉れた地面を見て伏黒は大男の安否を気にしていた。

    「悪い奴じゃない感じだったけど・・・」
    「呪詛師だし、しかたないんじゃない?」
    「どうなんだろう、呪詛師ですらないかもだけど・・・」

    西宮たちが話している。伏黒はぽっかりと開いた溝を覗き込んだが・・・

    『暗いよー!怖いよー!』

    「なんて奴だ、生きてるぞ」 
    「え、マジ・・・?」

    釘崎はドン引きした。

  • 67二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 23:37:43

    デカブツフリーレン草

  • 68二次元好きの匿名さん24/03/05(火) 23:56:32

    「いまのはこわかった」
    「マジで頑丈だなお前・・・」

    崖下からどうにか引っ張り上げられた大男は伏黒の腰にしがみついた。

    「さすがにあの一撃は死ぬかとおもったんじゃない?」
    「ひかってからまっくらになったのはこわかったぞ」
    「威力の話じゃねーのかよ」

    釘崎が呆れる中、皆は帳が上がったことと呪霊達が引き上げていったことなどを踏まえてホッと胸を撫でおろした。

    「とりあえず、ケガの治療ね。あちこち痛むわ」
    「まったく、さんざんね」

    ぞろぞろと高専メンバーが引き上げる中・・・。

    「ふしぐろ、はらへった」
    「お前ついてくる気かよ・・・」

    大男は伏黒に懐いた。

  • 69二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 00:13:04

    今日はここまでにしときます!また明日!

    野球編どうしよう・・・

  • 70二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 00:13:25

    メスガキはボコらなきゃ…大男は飼う

  • 71二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 00:14:06

    >>69

    乙〜大体の流れでいいですぞ 最悪ダイジェストでも…

  • 72二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 00:21:24

    とりあえず大男の名前をざっくりと決めときます。

    粟立 柏 (あわだち かしわ)君!

    名前のモデルはどちらも大きく育つ雑草から。生命力も強いのでモデルとならんで彼の名前にぴったりと思いますので。

  • 73二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 00:30:51

    >>72

    いい名前でねぇか

  • 74二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 00:31:04

    素晴らしい

  • 75二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 08:50:55

    保守域展開

  • 76二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 13:08:06

  • 77二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 16:46:14

    保守

  • 78二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 22:07:58

    再開します!

    「呪霊たちの気配が消えたな・・・けど一件落着、とはいかないか」

    五条の六眼が忌庫方面で激しい呪力のぶつかり合いを観測していた。それが収まったのちにかかってきた電話には
    『ごめん、逃げられた』
    の返信が。五条は侵入した呪霊と呪詛師たちの処遇を考えつつ、とりあえずの生徒達の無事と成長を喜ぶことにした。

    「んで、恵。誰、この人?」
    「ああ、すいません、コイツなんかついてきちゃって」

    夜蛾たちが状況報告に走り回る中、五条は切り上げて生徒達との鍋パに参加するべくやってきたのだが・・・。
    東京校のメンツの中に見慣れない大男が混じっているのに気が付いた。

    「・・・なんでもいいんだけどさ、僕の分ある?お茶碗とか足りてないんだけど」
    「すいません、コイツが使ってるのがそれです」
    「あ、五条先生、追加作るからちょっとまってね」

    東京校の面々は全員がほぼ無傷に近い状態で一日目を終えたので全員が集まって鍋を突いていた。
    一応五条も頭数に入っていたが・・・。

    「あー、デカブツ!鶏団子ばっか食うんじゃねーよ!」
    「うまい!」
    「キロ単位で買っとくべきだったかなぁ」
    「もう野菜しかねーぞ・・・」
    「めんたいこ」

    「わるい悟、立ってるならひき肉とバラ肉買ってきてくれよ。こいつが全部食っちまった。ついでに白菜も」
    「・・・まあ、いいんだけどさ」

  • 79二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 22:24:58

    仲良くなっとる

  • 80二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 22:31:33

    馴染むの早いな…コレはナチュラルな味方化

  • 81二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 23:05:58

    大男がどこから来たのか、本人に身分証的なものがほとんどなかったが来ていた服の一部に名札がついており
    「粟立 柏」の文字が確認できたため東京校の面々から鳥団子をよく食べることも合わせて全員から柏とよばれるようになった。

    「ふぅ、彼につられてかなり食べちゃったな・・・ところで恵、話ってなに?」

    五条を外に連れ出した恵は大男こと柏から聞き出した情報を五条に伝えた。

    「夏油・・・彼がそういったのかい?」
    「ええ、呪霊を食べる変な奴だとも・・・」
    「となると最低でも呪霊躁術を扱う呪詛師が呪霊と組んでるってことか」

    五条は十中八九の、自分の中で肯定できるだけの材料から目を背けようとしている自分に気付き苦笑した。
    あり得るはずがない、そんなはずがない。だって奴は
    「僕が殺したはずなんだ・・・」
    「五条先生?」
    「なんでもない、それで・・・情報はそれだけ?」
    「写真なんかがあればアイツの記憶と照らし合わせることもできますけど」
    「彼が嘘をついてる可能性は?」
    「とてもそんな頭があるようには・・・それと、呪霊が先生の茈に奴を放り込んで口封じをしようとしたので逆に信憑性があるかと」

    伏黒の言葉に五条は確かにね、と肯定した。そしておそらくは・・・。
    そう思っていたときだった。柏が紙を手にやってきた。

    「ふしぐろ、これだ、かけたぞ」
    「書けた?」
    「げとうだ」
    「どれどれ・・・」

    五条は柏が持ってきた絵を見て、今度こそ現実を直視せざるを得ない状況に陥った。
    目の前の、大男が描いたであろう精巧なかつての親友の似顔絵を前に。

  • 82二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 23:10:03

    コイツ便利〜絵まで描けるハイスペックじゃん

  • 83二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 23:14:48

    今日はちょっと早いですがここまでにしときます!また明日!

  • 84二次元好きの匿名さん24/03/06(水) 23:30:05

    乙〜

  • 85二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 07:01:54

    保守

  • 86二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 13:08:32

  • 87二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 19:52:23

    保守

  • 88二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 23:01:56

    重す 落ちてた

  • 89二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 23:03:54

    再開します!


    「絵、うまいね」

    フィルムが流れるように、溢れたたくさんの思い出に圧倒されながら。五条が絞り出せた言葉はそれだけだった。
    彼の記憶と違うところ、それは額に増えた縫い痕だけだ。

    「恵、とりあえずこの情報は僕らだけの秘密だ。わかった?」
    「え、いいんですか?報告しなくて・・・」
    「コイツが本物にしろ偽物にしろ生きてるってなると面倒だからね。それにどっから情報が漏れるかもわからないし」

    そこの彼も、こっちで身柄を預かることになるよ。と五条は告げて、似顔絵を握りしめたまま歩き出した。

    「そうなのか、ふしぐろ。おれはここにすんでいいのか」
    「俺に聞くな、けどまあいいんじゃないか?」

    五条の様子が少しばかりおかしいことに伏黒は気づかなかった。

  • 90二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 23:04:18

    >>88

    重くてなんども上げれなくてヤバいです

  • 91二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 23:19:42

    翌朝、集まった面々は交流会の続行の是非について話し合うことに。

    「それで、どうなるの?これだけ滅茶苦茶になったら中止?」

    真依が言う。周囲の面々の中には少なからずそうではないかと考えているものもいるだろう。

    「いや、もちろん続行だ」

    それに待ったをかけたのは東堂だった。

    「死者を悼むのは親しい者の権利だし、なにより俺たちは呪術師だ。俺たちは敗北を噛み締め、それを次の勝利のための糧にしていかねばならん。そのためにも中止なんてもってのほかだ」

    なにより、学生時代の不完全燃焼は一生残るからな。と続ける。

    「それではこの箱を」
    「なんですかそれ?」
    「この中に次の種目が掛かれた紙が入っている」

    夜蛾の持ってきた箱に虎杖が手をいれてごそごそとさぐって一枚の紙を引き抜くと・・・。

    「次の種目は・・・やきゅう?」
    「野球ゥ!?」
    「野球じゃと?」

    こうして唐突に東京校対京都校の野球対決が始まった。

  • 92二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 23:25:15

    野球の時間だー!
    あと今日だいぶキツそうね

  • 93二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 23:30:53

    >>92

    サーバー的にも体力的にも結構きてますね!誰か、誰か私の脳に反転術式を!

  • 94二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 23:38:23

    チーム分けの際に複数名が何故か勝手に参加表明したので混乱を来した。

    「あれ、ちょっと!そこの凸凹コンビ!アンタらなに?」
    「すけっと」
    「助っ人」
    「なら京都の方に入りなさいよ!東京校ばっかり人増やしてどうすんの!」
    「「えー」」

    歌姫の待ったが掛かり、柏と賀樂がじゃんけんを開始。

    東京校メンバー
    一年生 虎杖、釘崎、伏黒
    二年生 真希、パンダ、狗巻、
    助っ人 賀樂

    京都校メンバー
    一年生 夏彦
    二年生 真依、三輪、メカ丸(大破のため不参加)
    三年生 西宮 加茂 東堂
    助っ人 柏

    となった。

  • 95二次元好きの匿名さん24/03/07(木) 23:53:06

    先攻に京都校が決まり、全員が守備についた。
    「よーし、団体戦ではいいとこ見せられなかったし・・・頑張ります!」
    「頑張れー」
    「がんばれ、あおいひと」
    (だれなんだろうこのひと・・・)

    チームメイトと見知らぬ男に応援されて三輪はバッターボックスに立った。

    賀樂と夏彦、それに柏が入ったことで人数をカバーする術式のメンツがいるため一応ポジションが埋まり、野球らしくなるようになったが・・・。

    「柏くんね、いい?ボールを掴んだからって相手を殴っちゃだめなのよ?」
    「わかった!おれのたっくるはむてきだ!ぼーるもってるやつふっとばす!」
    「ちがうわ!それは野球じゃなくてアメフトでしょ!」
    「大丈夫かしら・・・」

    歌姫が柏にルールを教えようとしているが難航しているため先攻になった経緯は割愛する。

    「えいっ!」
    「いただきっ!」
    「あ、打ち上げた!・・・馬鹿!西宮まだ走るな!」

    歌姫の怒号も虚しく、西宮は普通にアウトになった。

    「ルール知らないならそう言いなさいよ!」
    「打ったら走るんでしょ!?」
    「シンプルに馬鹿!」
    「ぼーるもってるやつふっとばす!」
    「シンプルに馬鹿その2!」

    歌姫はがっつり疲れた。

  • 96二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 00:18:03

    さらにこまったことに加茂が棒立ちで三振したため京都校は一回表を無得点で終えた。
    「わーい」
    「重・・・」

    「歌姫先生、あのデカい人西宮先輩の箒にロープ巻きつけてぶら下がってますけど・・・」
    「あの方が安全よ、彼は完全に乱闘要員だわ」

    三輪の疑問に歌姫はげんなりした様子で答えた。

    「よーし、滾ってきた!マイブラザー虎杖との一騎打ち!」
    「うわ、こいつかよ・・・まあいいわ、東北のまーくんと呼ばれた私の腕前見せてやる!」
    「がんばれとげちゃん」

    キャッチャーに夏彦、ピッチャーには本人立っての希望で東堂が立候補した。

    「ぬぅぅん!」
    「はやっ・・・このっ!」

    東堂の投げる豪速球をなんとかバットに当てた釘崎は俊足で内野安打を勝ち取る。

    「つぎは俺か・・・」

    伏黒がバッターボックスに立つ。すると・・・

    「ふしぐろ!『ろんぐらん』だ!」
    「ホームランじゃないの?」
    「それ!それだ!ほーむらんだ!」
    「相手チームの応援すんな!」

    外野からヤジ?が飛んでくる。

  • 97二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 00:25:54

    何故だろう錦鯉のまさのりさんが薄っすら脳裏をよぎる…

  • 98二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 00:37:23

    >>97

    柏「あぁ~バナナぁ!」

    歌姫「こらっ!」(頭パチン!

  • 99二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 01:02:16

    今日はここまでにしときます!また明日!

  • 100二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 08:50:36

    保守域展開

  • 101二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 10:45:31

  • 102二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 20:37:17

    保守

  • 103二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 22:48:59

    再開します!

    「伏黒恵、おまえの連れがそう言ってるぞ?」
    「連れって言われても・・・」

    振り子のように振れながらホームランを連呼する柏に伏黒は普段のむすっとした表情のままだった。

    「ふん、つまらんな」

    東堂はそれに対して再び落胆した様子で投球の体勢に入った。

    (やはりバント・・・しかし俺の球はそう簡単には転がせんぞ!)

    バントの体勢に入った伏黒だが

    「おらっ!」
    「なにっ!」

    バスター打法の体勢からバントと見せかけての強振に東堂は思わず反応が遅れ、ピッチャーの股下を抜けて外野へと転がっていく。

    「すげぇ!伏黒!」
    「やるじゃん伏黒!」

    「おろして!ころがってく!」
    「見上げるな馬鹿!見えるでしょうが!」
    「なにが!?」
    「聞くな馬鹿!」

    柏を釣り上げていた為に西宮は反応が遅れ、外野の中ほどまでボールは転がっていく。

  • 104二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 23:14:03

    「おっしゃ!一点め!」

    釘崎がホームインし、伏黒はセカンドで止まった。

    「ふしぐろ、すごいぞふしぐろ!」
    「わかった!わかったから守備に戻れよ!」
    「これがおれのところまできた!」
    「押し付けるな!こら!やめろ!」
    「はいはい守備にもどるよー」
    「あー・・・」

    伏黒に柏が執拗に絡むので再び釣り上げられる。伏黒はそれに溜息をつきつつプレイの再開を待つ。

    「まったく・・・」
    「懐かれてるわねぇ、人徳ってやつかしら?」
    「俺に聞かないでくださいよ、それに人徳ってのは夏彦みたいなのを言うんでしょ?」
    「ま、まあそうなんだけど」

    真依が面白半分にからかってくるのを夏彦をネタにガードする。夏彦を持ち上げると真依は大人しくなる。
    案の定というべきか、真依はどことなく機嫌がよさげにキャッチャーをしている夏彦を見ている。

    「恵が強打を狙うとはな、私も負けてらんねえ」
    「頑張れ、真希ちゃん」
    「お前、敵チームを応援してていいのかよ」
    「スポーツはフェアプレイの精神だよ真希ちゃん」

    バッターボックスに立った真希を夏彦は素直に応援し、真希は若干呆れつつも奮起する。

  • 105二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 23:15:14

    伏黒強い

  • 106二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 23:16:28

    キャッチャー夏彦思い切りぶつかられてもジョージマッケンジー(城島健司)みたいに立ち上がってきそう

  • 107二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 23:27:39

    「おらっ!」
    真希は東堂の豪速球をものともせず快音を響かせる・・・が。

    「あ、やべっ」
    「アアアアウッ!」
    「うるせえぞ!悟!」

    豪快に打ち上げたのが災いして西宮にキャッチされてしまった。

    「おい!箒で飛ぶのずるいぞ!」
    「こんぶ!」
    「柏君吊るしとかないと伏黒君の周りうろうろするからしょうがないでしょ!」

    抗議の声があがるも即座に歌姫から反論され

    「それもそうか・・・」
    「つなまよ・・・」
    「おい!それで納得すんなよ!」

    虎杖と狗巻はあっさり引き下がった。釘崎が叫ぶも柏が自由に動くと収拾がつかないのであきらめた。

    「次は俺か・・・」
    「頑張れ虎杖!」

    虎杖がバットを片手に登場すると東堂のボルテージが否が応でも上がる。うるさいくらいに。

    「来たなマイブラザー!お前との一騎打ちを俺は心待ちにしていた!」
    「お、おう・・・」

    硬球を握りつぶさんばかりの迫力に虎杖はドン引きしつつもバッターボックスに入る。

  • 108二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 23:34:02

    いけー!マイフレンド!マイフレンドも頑張れー!

  • 109二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 23:34:37

    >>108

    どっちか分かんなくて草

  • 110二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 23:44:56

    「マイブラザー!俺はお前との一騎打ちを待ち望んでいた!この時をな!」
    「お、おう」
    (ここまで反応に困ってる悠仁初めて見たかも・・・)

    夏彦はドン引きする虎杖にどう声をかけたものかわからなかったが東堂に本気で投げられると集中しないと危ないので仕方なく夏彦は東堂にサインを送る。

    (外角から・・・)
    「却下だ!ど真ん中ストレートでいく!」
    「サイン無視すんな東堂!」

    歌姫の怒号が響くも完全無視、血走った目で東堂は第一球を振りかぶった。

    「いくぞぉぉぉ!」
    「おう、こいやぁ!」

    ヤケクソの虎杖。緊張の第一球は・・・

    「ふんっ!」

    快音が響く。力と力の応酬だ。

  • 111二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 23:49:41

    虎杖の渾身のフルスイング!真っ向からかち合った一打は・・・

    「ふぐおっ!?」

    東堂を直撃した。強烈なピッチャー返しである。

    「「東堂(先輩)ぉぉぉぉぉ??!?」」

    昏倒した東堂に夏彦と虎杖が慌てて駆け寄る中

    「ナイバッティン!」
    「ナイバッティン!」
    「ナイバッティン虎杖!」
    「ナイバッティー」

    各所から響くナイスバッティングの声。伏黒は普通に三塁を回った。

    「「無茶苦茶嫌われてる・・・」」

    二人の声はハモった。

    「おおおお!」

    そしてそれに追い打ちをかけるように西宮の牽引から解放された柏が

  • 112二次元好きの匿名さん24/03/08(金) 23:50:08

    「ばっくほーむ!」
    「え?」
    「ちょ、東堂先輩はボールじゃない!」

    ボールのめり込んだ東堂ごとホームインしようとした伏黒にむかってぶん投げた。

    「やばっ」
    「あぶねっ」

    伏黒は避け、審判役の五条も普通に逃げたため東堂は後ろの金網にぶつかって引っ掛かった。

    「東堂!」
    「東堂先輩!」

    二人の悲痛な叫びを他所に、東堂はなぜか満足気な顔で失神していた。

  • 113二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 00:04:44

    「あのおじさん大丈夫?」
    「大丈夫でしょ、特級と戦ってもピンピンしてたし」
    「まあ一応反転かけとくけど・・・」

    京都校チームに入っていた賀樂は虎杖と夏彦に心配されている東堂の安否を気にしていたが全員から
    それほど心配すらされていないことを感じて困惑と哀れみを感じていた。

    「ねえ、そのおじさん大丈夫?」
    「あ、賀樂ちゃん!よかった、この人のケガ頼める?」
    「うん、わかった」
    「頼むってどうすんの?」

    まあ見てて、と夏彦が言うので虎杖は賀樂が東堂に手を翳すのを見つめる。

    「おお、なんか光った」
    「反転術式だよ、かなり強力なやつだ」
    「すげー!」

    淡い光とともにパンパンに腫れた東堂の顔や金網にぶつかってできた傷などが消えていく。
    虎杖はそれに驚き、感心しながらそれを見ていた。

  • 114二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 00:05:05

    ナイっスゥー!

  • 115二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 00:07:04

    どうせ(治るから)ええやろ

  • 116二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 00:16:19

    今日はここまでにしときます!また明日!

  • 117二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 00:23:09

    乙〜

  • 118二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 08:41:08

  • 119二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 13:22:05

  • 120二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 21:29:40

    ほしゅ

  • 121二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 22:20:06

    再開します!

    野球大会が名目上は東京校の勝利となり、それから数日・・・。

    「ふしぐろ、きょうはしごとか」
    「そうだ、大人しく留守番してろよ」
    「わかった、そういえば・・・ふしぐろ、このひとだれだ?」
    「これ、お前何処でこれを・・・」

    任務に出かける前に柏に言い含めておくのが日課になった伏黒はいつの間にか姉の津美紀の映った写真を持っていた柏に呆れつつもそれを取り返した。

    「ごじょうがくれたぞ」
    「なんで上げてんだよあのバカ・・・」
    「それより、ふしぐろ」
    「なんだよまだなんかあるのか?」

    これから仕事なんだが・・・、と伏黒は呟いたが柏は首を傾げて不思議そうにたずねた。

    「ゆーじがな、へんなにおいがするんだ」
    「変なにおい?ああ、そういえば家系のラーメン食ったとか・・・」
    「ちがう、そうじゃない。ゆーじもじゅれいをくうのか?」
    「なに?」
    「あいつからじゅれいのにおいがするぞ。へんなにおいだ」

    伏黒はそう言われて柏の感覚の鋭さに再び驚かされた。似顔絵などもそうだが柏は感覚が鋭い。
    拙い喋り方と幼い感情表現に騙されがちだが侮れない感覚の持ち主なのだ。

  • 122二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 22:35:46

    「ああ、それは・・・奴は呪物を食ったんだ」
    「じゅぶつ?のろいのこもったものを?」
    「そうだ、だからあいつは呪力が使える」
    「そうだったのか、ゆーじもへんなやつだな。じゅぶつなんておいしくないのに」

    理由がわかっても疑問は尽きないのか柏は不思議そうにしつつも部屋に戻って行った。
    「確かに、へんな奴だ」
    伏黒はそう言いつつ、任務へと向かう。なんでも自宅マンションのエントランスで呪霊に殺 害されるというもの。
    その調査に伏黒たち一年生が抜擢された。

    「ひまだな・・・」

    柏は部屋でごろごろしつつふと、同じくひまを持て余してる人物に思い当たり連絡をとることにした。

    「ええと・・・ひーふーひーの・・・これか」

    固定電話の番号を押してしばらく待つと幼い声が受話器から聞こえてきた。

    『もしもし?』
    「がらく、おれだ、かしわだ」
    『あー、柏、どうしたの?』
    「たいくつだ、なにかひまつぶししたいぞ」
    『なるほど、わかった・・・ちょっと待ってて』

    賀樂から了承を得たので柏はその場で屈伸したり飛び跳ねたりしながら待つことにした。

    「うっせーぞ!デカブツ!」
    「ご、ごめん」

    真希がキレた

  • 123二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 23:02:47

    規制から脱出できました、出先だったので申し訳ない

  • 124二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 23:51:21

    何回か落ちてる

  • 125二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 23:52:36

    このレスは削除されています

  • 126二次元好きの匿名さん24/03/09(土) 23:58:44

    伏黒のお兄ちゃん…?

  • 127二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 00:00:19

    >>126

    伏黒のお兄ちゃんの(話)ね、ってことで・・・

  • 128二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 00:02:51

    >>127

    あっ…すまぬ

  • 129二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 00:03:12

    それからしばらく電話の近くでいじけていたが軽い足音が近づいてきたので顔を上げた。

    「そこでなにしてるの?」
    「まってた」
    「ここでなくてもいいのに」

    賀樂と二人で出かけることにしたが、当然行先など決めていない二人である。

    「がらく、はんてんじゅつしきってなんだ?」
    「反転術式?ケガを直す術式のことだよ、欠損したところとかも直したりできるけど・・・それがどうかした?」
    「いや、ふしぐろのおねえさんびょういんいるっていってたから」
    「ああ、伏黒お兄ちゃんの家族の話ね。呪われたとか言ってたかな・・・」

    そう言われて賀樂も少し考えた。突然誰かに呪われたという彼女。病院で寝たきりになっているということだが
    呪いの症状を見せている彼女が未だに放置されている状況はよろしくない。

    「どうにかしてあげたいな」
    「そうだね・・・」
    「お見舞いでもいこうか」
    「どこにいるのかわかるのか?」
    「聞いてみればすぐわかるよ」

    賀樂は携帯電話を取り出すとあちこちにかけ始めた。

  • 130二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 00:04:21

    なんか申し訳ない理解力0なんだ

  • 131二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 00:05:52

    >>130

    気にしないでください、あとからみたらそう見えるのは作者あるあるなんすよw

  • 132二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 00:12:29

    今日はなんか落ちまくるのでここらへんにしときます。また明日!
    明後日は朝が早いので短くなるかも・・・。

  • 133二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 00:24:42

    乙〜

    >>131

    優しい

  • 134二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 11:30:55

    ほしゆ

  • 135二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 18:48:30

    保守

  • 136二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 22:14:05

    スレ主ですが、禪院家のオリジナルキャラ書きますで書いてたんですけどあっちはここよりさらに人がすくなくて保守もままならない状況なのでここに統合しようと思います。
    禪院賀樂ちゃんは虎杖たちの世代では年齢は11才。向こうのスレでは10歳で夏油の額に縫い目が無い時代から
    特異な呪術師として行動しています。

  • 137二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 22:17:14
  • 138二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 22:18:20

    ぬ?了解です

  • 139二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 22:18:41

    なるほどあの作者さんでしたか

  • 140二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 22:22:24

    >>139

    しってくれてるっぽくてうれちい

  • 141二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 22:25:13

    賀樂ちゃんの話題に関しては本編での懐玉とかみたいなタイミングでできたらとおもいますので
    渋谷事変前らへんか起首雷同編が終わってからになるかもしれません。ちょうど賀樂ちゃんが関わってますので。

  • 142二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 23:08:45

    今回は一回か二回くらいになるか・・・とりあえず再開します!

    「もしもし、伊地知さん?・・・うん、うん・・・そう」
    「けいたいでんわもってるのか、がらくはおとなだな」
    「大人の基準・・・、ううん、こっちの話・・・そう、伏黒のお兄ちゃんの家族の・・・」

    賀樂はどうやら伊地知に連絡を取っているらしい。補助監督の中で統括する立場に近い彼なら知っているかもしれないと踏んだようだ。

    「うん、うん・・・ありがとう、わかった」
    「どうだった?」
    「うん、都内の病院だ。ここから遠くないからタクシー・・・なら」
    「?」
    「乗れる・・・?」

    賀樂は柏の体格を見て少し不安になった。




    「お客さん、着きましたよ」
    「ついた?もうそとでていいか・・・」
    「うん、大丈夫だよ」

    タクシーで現場の病院へと向かった二人だったが柏がでかすぎたため後部座席で丸くなる形で押し込まれようやく乗れた。賀樂との身長差が一メートル近くあるのは伊達ではない。
    ドアを運転手に開けてもらい、芋虫のようにうにうにしながら這い出した柏は地面に転がり、そのまま大の字になった。

    「がらく、おれにくるまはむいてないきがするぞ」
    「そ、そうだね・・・」

    立ち上がって腕や首の関節を鳴らしながら柏は固まった関節を解し、賀樂について病院の受付へと向かう。

  • 143二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 23:36:30

    今日はここまでにしときます、また明日!

  • 144二次元好きの匿名さん24/03/10(日) 23:38:15

    乙です

  • 145二次元好きの匿名さん24/03/11(月) 07:25:13

    保守

  • 146二次元好きの匿名さん24/03/11(月) 15:19:40

    保守

  • 147二次元好きの匿名さん24/03/11(月) 19:07:52

  • 148二次元好きの匿名さん24/03/11(月) 22:53:28

    再開します!

    「はいこれ」
    「なんだこれ?」
    「帽子、柏は目立つからね」

    柏は手渡されたベースボールキャップを被る。これですこしは目立たなくなった・・・?はず。

    「すみません、こっちに伏黒津美紀ってひといますか?」
    「あの、どういった御関係で?」
    「親戚、伏黒恵お兄ちゃんと、お姉ちゃんが従姉弟なんだよ」

    病院の受付の人は訝しんだが賀樂が自分と恵の父親である伏黒甚爾との関係をつらつらと語ったことで一応信用された。

    「さてと、お見舞いの許可が下りてよかった」
    「うけつけのひととちゅうからおればっかりみてたな、てれる」

    賀樂はともかく包帯で顔をぐるぐる巻きにした大男となれば怪しさ満点だが御三家の苗字のパワーでごり押しした。
    病院には呪いを受けてこん睡状態という情報が病院の関係者の一部にもたらされていたためだろうか。

  • 149二次元好きの匿名さん24/03/11(月) 23:05:47

    ハジマタ

  • 150二次元好きの匿名さん24/03/11(月) 23:13:20

    「えっと、病室はここか・・・」
    「ふしぐろ、つみき、こしつだな。おかねもち」

    賀樂がネームプレートを見ている内に柏がノータイムで部屋のドアを開けた。

    「あ、ちょ!洗浄中ですよ!」
    「なんではだかにしてる?まだなつじゃないぞ」
    「ちょ!体拭いてくれてるんだって!一旦外出て!」

    うっかり看護婦さんが津美紀の体を拭いているところに出くわした。柏がまったく悪びれていないので一瞬戸惑ったが賀樂に手を引かれて慌てて部屋を出た。

    「がらく、なんではだかになってた?」
    「ずっと眠ったままだからお風呂に自分で入れない人はああやって体を拭いてもらってるの、そもそもほかのひとの部屋に突然入っちゃだめでしょ!」
    「そうなのか・・・?」

    頭に終始?を浮かべたままの柏の説得は諦めて賀樂は再びノックし、柏をしめだして入室した。

    「私が良いって言うまで入っちゃだめだよ」
    『わかった』
    「あなた達は?」
    「親戚です、父方の親戚で禪院賀樂っていいます」

    面会許可の書類を見せると看護婦はようやく信用したのか洗浄を終えて服を着せるとそのまま別の患者のところへ行った。

  • 151二次元好きの匿名さん24/03/11(月) 23:22:44

    伏黒怒りの布瑠部ゆらゆら

  • 152二次元好きの匿名さん24/03/11(月) 23:50:00

    看護師が部屋を出る際に出待ちしていた柏に出くわして悲鳴を上げたが柏はそれを気にも留めずにドアが揺れるくらいのノックをして部屋に入ってきた。

    「おわったか?」
    「終わったけど、私が入っていいって言ってないけど?」
    「そうだった・・・まあ、きにするな」

    柏はずんずんと入ってくると津美紀のところにやってくる。

    「このひとがふしぐろのおねえさんか」
    「そうみたい、どことなく似てるかな?」
    「にてないようなきがするな・・・」

    正確には連れ子の津美紀と恵には直接の血縁関係はないが、柏の頭の中では伏黒は常にムスッとした顔だったのでそれも手伝ったかもしれない。

    「のろわれた・・・っていってたっけ?」
    「うん、それでこん睡状態だって・・・だれも解呪できないみたい」

    いくつかの事例が報告されていることは賀樂の耳にも入っていた。呪霊による傷害でこん睡状態に入った者ならば賀樂なら蘇生することも可能だろうが呪術によるこん睡、しかもそれがかなり高位の術式ということで迂闊に手が出せないでいた。

  • 153二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 00:05:54

    「のろわれた・・・か」

    柏は眠ったままの津美紀を見下ろしつつ、ふと、何かきになったのか彼女の顔をずいっと覗き込んだ。

    「どうしたの?」
    「・・・へんなにおいだ」
    「え?」

    体は拭いてもらったばかりだけど?という賀樂を他所に柏はくんくんと犬のように津美紀の匂いを嗅ぎ始めた。

    「ちょ、なにやってるの・・・」
    「へんなにおいがどこからするか、わかるきがする・・・」
    「へんなにおいってなに?」

    くん、と嗅ぎまわった結果、額に柏の鼻は戻ってきた。

    「ここだ、ここからへんなにおいがする」
    「だからその変な匂いってなに?」
    「ゆーじとおなじ・・・じゅぶつのにおいだ」

    柏が手に呪力を纏って額をなぞると、津美紀の額に呪印らしき紋様が浮かび上がる。

  • 154二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 00:10:37

    >>151

    伏黒の身長だと柏の頭にげんこつは落とせないのでセーフ!

  • 155二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 00:22:54

    「呪物?じゃあ、津美紀さんは呪われたんじゃなくて・・・呪物を無理やり取り込まされた?」
    「じゅぶつはどくだってきいたぞ、それがのこってるからねたままなんだな」

    賀樂も彼女の額に触れてみる。呪いではなく、頭の中に呪力を帯びたものを探すイメージ。
    隠されていると仮定して注意深く調べていくと・・・。

    「たしかになにか・・・ある」

    開頭手術を術式で行ったことのある賀樂だからこそわかる違和感。呪力と医学の観点から導き出したもの。
    それは高度な結界術による隠蔽と、呪物を体に打ち込む悪辣な手法。

    「原因が取り除けないんじゃ呪いを消すことはできないわけだね」

    原因が巧妙に隠されているのだ。はたから見れば消しても消してもまた復活する不可思議な呪いに見えた事だろう。

    「とりのぞけるのか?」
    「家入お姉ちゃんと協力すればあるいは・・・、此処で取り除くのもいいけどそれだと・・・」
    「それだと?」
    「津美紀お姉ちゃんが呪力に目覚めちゃうかも、それと同時に呪物が反応してお姉ちゃんの体を乗っ取って受肉するかもしれないんだよね」
    「そうなのか、じゃあむりなのか」
    「うーん・・・」

    正直脳の部分でなければ無問題だった。しかしこの場合は賭けになる。
    賀樂は迷った。家入に相談し高専に移すべきだろうか。しかしそれだと下手をすると呪物を埋め込んだ犯人が津美紀の体に何かしらの細工をしているかもしれない。
    もしもは尽きないのだ。

  • 156二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 01:17:14

    今日はここまでにしときます!また明日!

  • 157二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 02:02:56

    乙〜

  • 158二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 08:58:52

    保守

  • 159二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 15:16:59

  • 160二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 22:05:10

    再開します!
    「取り出すなら物理的になる。結界が物理的に呪物を守るのか、どうかもしらべないと・・・」
    「じゅつしきなら、おれがとりのぞけるぞ」
    「そうなの?」
    「うん、たぶんだいじょうぶだ」

    それなら私達で取り除こう、賀樂はそうつぶやくと着物の袖から結界の構築に使う呪符を巻いた石を取り出した。
    それからベッドを柏の力を借りて部屋の中央に移動し、石を配置して結界を作る。

    「これでしばらくは外からは干渉されないし、呪力や呪霊が外にでることもない」
    「すごいな、そんなこともできるのか」
    「さて、ここからは集中力がいるよ、妨害とかは柏に任せるからね」

    襷を結んで袖をまくると賀樂は右手に呪力を集中させる。

    「彼女の頭から呪物を取り出す・・・手術を開始するよ・・・!」

    右手から皮膚を突き破って魔虚羅の剣が顕現する。それを額に差し入れると額が一滴の出血もなく開かれ、頭蓋骨を割って中身を切りひらいた。

    「これ、いたくないのか?」
    「だいじょうぶだよ、何回も練習したから・・・」

    大丈夫だから話しかけないで、と賀樂に怒られて柏は口を塞ぎつつ。施術の様子を見守る。

    「においがこくなった、やっぱりここでまちがいない」
    「呪力が漏れてる、結界の残穢ね・・・非術師にこんなことするなんて」
    「じゅつをとくぞ、いいか?」
    「おねがい」

    津美紀の頭にふれて柏が呪力を流すと津美紀の中身の部分が微かに揺らぎ、額を抜いて撃ちこまれたであろう釘のようなものが出てきた。

  • 161二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 22:12:24

    「これが呪物、カプセルみたいなのに包まれてるのが呪物なのかしら?」
    「くさいくさい、これでまちがいない」

    賀樂は召喚した魔虚羅に釘を抜かせる。自分はできた隙間に出血や傷がないかを剣先と呪力に伝わる感覚で知覚しながら治療に集中する。

    「抜けた、これをここに入れて・・・」

    カプセルらしきものを取り出し、呪符を貼った袋に入れて封印すると津美紀の額を完全に塞いだ。

    『ウロロロ・・・』
    「うるさい」

    途中で出てきた呪霊らしきものは柏に握りつぶされて消し飛び、治療は滞りなく終了した。

    「ふぅっ・・・これで、おねえちゃんが目覚めるといいけど」

    汗を拭って、賀樂は大きく息をついた。

  • 162二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 22:20:44

    なんか新キャラ二人で手術しとるな…あと悲劇回避 ストーカー処理完了

  • 163二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 22:44:01

    「おどろいた、がらくはいしゃだったのか」
    「医者っていうか、反転術式で他の人を治せるんだよね。それで、なにかと脳に縁があって・・・」

    柏はなにかいいにくそうな賀樂の態度を見て、なんとなくだがそのことについては追及しないことにした。

    「おきるといいな、ふしぐろもよろこぶ」
    「そうだね・・・」

    賀樂は呪物を見つつ、津美紀の事を考えてみる。
    なぜこんなことを?非術師に呪物を打ち込んだところで大抵は呪物の毒に負けて死んでしまうか呪霊になってしまう。
    それをわざわざ死なないように調整までして、こん睡程度で済むように調整する意味がわからない。

    「なにか合図があればこのカプセルと釘が消えて、呪物が溶け込むような感じになってるのかな」
    「どういうことだ?」
    「この人に呪物を取り込ませた人が決めたタイミングで呪物を取り込ませることができるようになってるっていうのかな・・・、彼女が呪物を取り込めるようになった段階で目を覚ますようにしてるというか・・・」

    とにかく変な感じ、と賀樂は唸る。柏はもちろん何を言っているのか全く分からなかった。
    柏がベッドを元の位置に戻し、お見舞い用のお菓子を置いてしばらく二人は部屋で休憩することにした。

  • 164二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 23:03:28

    柏良かったな今日は伏黒の奢りだぞ(邪悪な顔)

  • 165二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 23:07:53

    「う、ううん」

    柏がたびたびお菓子に手を伸ばそうとしては賀樂と魔虚羅に手を叩かれるのを繰り返していたところでベッドから
    声が聞こえて三人は思わずベッドを覗き込んだ。

    「・・・あの、ここはどこですか?」
    「おきた!」

    津美紀が目を覚ましたので柏と魔虚羅が互いに手を取って踊る。大男二人が踊る中で賀樂が津美紀の手を取ってほほ笑んだ。

    「初めまして、津美紀お姉ちゃん」
    「はじめまして、伏黒津美紀です。あなたは?」
    「父方の親戚で賀樂っていいます」
    「そうなんですか、ところで・・・そこのふたりは?」

    二人?といいつつ賀樂は部屋で踊っている魔虚羅と柏を見やる。

    「えっと、あの、白い人が見えてます?」
    「え?はい・・・あの、なにかの仮装とか?寒くないんですか?」
    「あ、それは多分大丈夫です」

    そう答えつつ、賀樂はまたやってしまったかと頭を抱えた。彼女の持つ退魔の剣は正の呪力で出来ており、それを反転術式に転用することで高出力の再生治療を行うことができる。しかしそれが欠損を修復するなどで脳に強く当たると対象の脳が呪術師のそれに近くなってしまうという他言できないオマケがついてきてしまうのだ。

    (しまった・・・欠損を治療したわけじゃないから大丈夫だと思ってた・・・)

    今まで賀樂は意図せず非術師を呪術師へと生まれ変わらせるという前代未聞の行動を何度か行ってしまっていた。
    それは五条悟や家入の尽力で内内に処理され、誤魔化されてきたのだが今回もまたやってしまった形になる。

  • 166二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 23:30:56

    「ああああああ・・・どうしよう・・・」
    「もしもし?」

    津美紀は目を丸くしたままどうにか起き上がろうとして自分の体が酷く衰弱していることに気が付いた。

    「う、体が・・・」
    「ながいことねたきりだった、むりするな」
    「長い間・・・どれくらいですか?」
    「わからん、でもひとつきとかそんなものじゃないだろ」

    そう言われて津美紀も驚いたと同時に、これから高校とかどうしようと考えて・・・

    「「あああぁぁぁぁ・・・」」

    頭を抱える人が二人に増えた。そして魔虚羅と柏も真似をして頭を抱えた。

  • 167二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 23:32:19

    よし!()

  • 168二次元好きの匿名さん24/03/12(火) 23:59:06

    四人が揃って頭を抱える中で、ようやく落ち着いた二人はとにかく体を治すことを最優先にし、一旦解散した。
    翌日に意識が戻ったことを賀樂は恵が浮足立たないように彼女の意識の回復は恵が帰ってきてからということにした。

    「早く恵に会いたいなぁ」
    「たくさんたべるとすぐげんきになるからがんばれ」
    「さすがにそんなにはたべれませんけど」

    お見舞いで持ち込んだ菓子パンを食べながら柏が言う。メロンパンが二口で消える勢いを見て唖然としつつ津美紀ももそもそとパンをかじった。賀樂も一緒になってお菓子を齧りつつ津美紀のリハビリのメニューを一緒に聞いたりしていた。そんな折、伊地知から電話がかかってきた。

    「はいもしもし、伊地知さん?」
    『賀樂さん、今どちらに?』
    「病院です」
    『そうでしたか、任務で?それとも津美紀さんの場所に?』
    「ううん、任務じゃないけど津美紀さんのところだよ」

    でしたらすこしお願いが、と伊地知は言う。

    『伏黒君が任務先で厄介な呪いに遭遇したと・・・』
    「厄介な呪い?」
    『ええ、場所はバラバラですが同じような手口で、おそらくマーキングした相手を襲撃するタイプです。伏黒君から
    彼女の護衛をしてほしいと』
    「わかった、伏黒のお兄ちゃんには一級相当が偶然居たって言っといて」
    『わかりました、それではお願いしますね』

    メールで任務でわかったことの詳細を知り、賀樂は訝しんだ。

    (突然呪いが活性化したように見える・・・伏黒のお兄ちゃん大丈夫かな・・・)

  • 169二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 00:06:32

    今日はここまでにしときます!最近筆が乗ってて書きやすいからいいわぁ・・・
    しかし虎杖たちが頑張ってる間こいつらお菓子ばっか食ってるのなんか草なんだ。

  • 170二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 00:10:28

    >>169

    草しゃーない 乙〜

  • 171二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 08:53:50

    保守

  • 172二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 12:56:19

    ほしゆ

  • 173二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 22:20:13

    再開します!

    (それとなく聞いてみるか・・・)

    賀樂は現在伏黒たちが奮戦している八十八橋の事件について肝試しの経験などにぼかして聞いてみることにした。

    「そういえば伏黒のお兄ちゃん、仕事の関係で卒業した中学校に行ってるらしいよ」
    「そうなの?恵、やんちゃだったから・・・」

    津美紀の思い出話を聞きつつ、賀樂は八十八橋について尋ねてみた。

    「それで、今、肝試しの件で調査してるらしいよ」
    「なにそれ?」
    「肝試しに行った人がお化けに襲われたって話が出てて、皆で調べてるんだって」
    「えー、私も行ったんだけど・・・」
    「いまはおれたちがいるからもんだいない」

    柏が自慢げにポージングをする。柏の腕は賀樂の胴回りはありそうだ。

  • 174二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 22:27:07

    ちなみにゴリラ三人のパワーの種類は実はちょっと違います。

    虎杖→バランス型(物理攻撃の威力が高く、体捌きや移動スピードそのものがそれぞれ高い)
    夏彦→テクニック型(物理攻撃の威力と攻撃スピードの両立系、素早く威力の乗った攻撃ができる)
    柏→パワーとスタミナ(フルパワーで稼働できる時間がケガや出血に左右されにくく、影響が出るまでの時間がぶっちぎりで長い。重量物に対するアクションでは柏が断然強い)

  • 175二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 22:38:07

    ゴリラ3様

  • 176二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 23:15:26

    >>175

    虎杖が移動も含めて素早いゴリラ、夏彦は手数が多いゴリラ、柏は頑丈で重いものがもてるゴリラ




    「それに、襲われた人はみんな玄関だってさ」

    「玄関?」

    「そ、古くから彼岸を渡る行為、八十八橋の下に川がながれてるでしょ?そこを渡ってしまった人がおそらく呪われた。そして敷居であることを利用して玄関を境界に見立てて外側の境界から自分の場所と繋げて相手を襲った・・・そんなところでしょ」


    死人が出ていること以外は彼女にとって大したことではなかった。状況証拠と見識があればそこに繋げるのは難しいことではないからだ。むろん、その状況証拠を集めてくれた虎杖たちの成果の賜物ではあるが。


    「建物の中っていうのは一種の結界、外界と隔てられた世界なんだよ。だからこそ、中で生まれた怪異ならともかく外からきた怪異はなにもできないよ」


    そもそも入院中で外でれないでしょ。と賀樂に言われて津美紀はホッとした。

  • 177二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 23:17:34

    ちょっと短いですが今日はここまでにしときます! 明日は朝が早いので・・・。
    もしなんかリクエストあったら明日それから始めてもいいですよ!

    といいつつ、選択肢的に

    三輪の不運な日、真依がちょっと真希に甘える日、賀樂の過去話のどれかになりますが。

  • 178二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 23:45:55

    乙〜 真衣真希でお願いいたします…(強火)賀樂ちゃんも気になる

  • 179二次元好きの匿名さん24/03/13(水) 23:49:24

    >>178

    了解です、真希真依で行きます! 賀樂ちゃんは渋谷事変前後の時系列に到達したら本編の懐玉みたいな感じに描くかもしれません。

  • 180二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 07:18:36

    保守

  • 181二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 18:49:02

    保守

  • 182二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 22:17:28

    再開します!今回は真希真依のショートから。


    「・・・」

    「加茂、どうして真依はあんなに機嫌が悪いんだ?」
    「私に聞くな東堂・・・こんな時に夏彦がいたら・・・」

    とある京都校での話。任務とプライベートの遠征と、諸々が重なり真依と東堂、加茂が行動を共にしていた。
    加茂と真依は任務、東堂は高田ちゃんの握手会に赴くために途中まで三人が補助監督の運転する車に同乗していた。

    「真依、私と東堂はここまでだが、ちゃんと連携して任務をこなすんだぞ」
    「わかってるわよ、アンタたちことさっさといきなさいよ」

    普段の三割増しのつんけんした態度に加茂は内心傷ついた。しかしながら加茂には真依の心情を推し量ることはできなかった。理由というのも夏彦が東京校の一年生と合同で任務に当たっており、それだけでも面白くないのに自分はどういうわけか真希と組むことになっていたからである。

    「なんで私と夏彦のペアじゃダメなのよ・・・」

    イライラが収まらず真依は任務のある予定の住所を目指して速足で向かっていた。

    「真希!さっさと終わらせましょ」
    「真依、まあ落ち着けって・・・」

    現着して開口一番、不機嫌丸出しの妹に真希は少し不思議に思ったが後輩の釘崎が夏彦と組むことで嬉しそうに出かけて行ったのを知っていたのですぐに腑に落ちた。

    (わかりやすいやきもちだな・・・)

  • 183二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 22:21:41

    焼き餅

  • 184二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 22:33:26

    夏彦と一緒にいると楽しい。なんというか、夏彦からは強烈な癒しオーラみたいなものが出ている気がする。
    真依はなんだかんだ言って寂しがりで甘えん坊な気質があることは姉である真希にとっては既知の事実であったので
    彼女の不機嫌についてもまあ、そうだろうなと思う程度の内容だった。

    (しかも野薔薇と組んでるのが余計に嫌なんだろうな・・・)

    野薔薇と夏彦は自分たちよりも先に知り合っていて、仲が良かったという。
    自分の知らない夏彦を知っていること、そして自分よりも仲がいいかもしれない異性と夏彦が一緒という事実が
    真依を焦らせているのだろう。

    「真依、焦らずしっかり終わらせんぞ」
    「言われなくたってやって見せるわよ」
    「あー、また夏彦と飯食いに行きたいなぁ」
    「そうね、ところでどこにいったの?」
    「焼肉」
    「夏彦全然食べないけどそんなとこ行って大丈夫なの?まさか無理矢理食べさせたりしてないでしょうね?」

    真希はそっぽを向いた。真依がなにやら抗議していたが真希はしらない顔をした。

  • 185二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 22:46:57

    任務は恙なく、二人は夕闇の中で帰路についた。

    「途中で合流するかな、とりあえずなんか食いに行こうぜ」
    「そうね、向こうも終わったって?」
    「恵が合流しますかって連絡寄越したからもうじき・・・」

    真希が携帯から顔を上げると一年生たちが歩いてくるのが見えた。真依が声を掛けようとして
    そして辞めたのにも、真希は気づいた。

    「真希さん、任務完了です!」
    「おうお疲れ、お前らが無事でなによりだよ」

    釘崎の元気な声と、その手は夏彦の手と繋がっているのが見えて、真希も少しだけ胸がキュッとなるのを感じる。

    「今からどっか行こうかって話してるんですけどどうですか?」
    「今日はいいよ、一年で楽しんで来い」
    「そうですか、わかりました」
    「よっしゃー!今日は肉よ肉!」

    夏彦は少し何か言いたげだったが、真希がそう言ったので釘崎に引っ張られる形で一年生たちと繁華街へと消えていく。それを見送った二人は喧噪とは裏腹に、少し寂しさを感じて

    「悪ぃ、真依。私もあの輪には、今はちょっと入れそうになくてさ・・・」
    「いいもん、今は・・・おねえちゃんがいるから・・・」

    申し訳なさそうに言う真希の袖を掴んで、真依は小さくつぶやいた。

  • 186二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 22:55:49

    夏彦からマイナスイオンが出てるのは学会でも有名だからな…

  • 187二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 23:04:39

    袖を掴んでいた手を握って、夕闇の中、二人は歩いた。
    結局、コンビニで買ったパンをかじって、空腹だけを紛らわせたが。

    「二人で居たのって・・・どれくらいぶりかな」
    「さあな」

    素っ気ないやり取りを重ねて、真希の自室に招かれた真依は一組しかない布団に揃って入ることになった。
    なんとなく、今更別れて別々に行動する気も起きなかったからだ。

    「・・・ねえ、おねえちゃん」
    「どうした?」
    「・・・もういなくならないでね」

    真希ははっとなって真依の方を向いたが、その時には真依はもう寝息を立てていた。寝言だったらしい。

    「ばか・・・私は一度だって・・・お前を置いてったつもりなんてないんだよ」

    一組しかない、小さな布団だから。そう理由をつけて、真希はそっと真依を抱きしめた。
    今だけは、不器用な妹が安心できるように。

  • 188二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 23:18:45

    この世界なら…この世界なら必ずハッピーになるはずだ…

  • 189二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 23:32:02

    >>188

    ふふふ・・・しかしそれも夏彦の寿命次第・・・死亡フラグが立たなければの話・・・!

  • 190二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 23:59:48

    さて、次から本編にもどります。ここの世界線の真依ちゃんはやっぱり甘えん坊
    その前に次スレ立てるか・・・?

  • 191二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 00:00:26

    立てます?

  • 192二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 00:02:03
  • 193二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 00:11:49

    ここの残りでなんかしようかなー・・・

  • 194二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 00:28:31

    安価もどきで次スレに真依ちゃんの続きかくかどうか。

    次の日、京都に夏彦と一緒に帰った真依。夏彦と手は繋いだと思いますか?

  • 195二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 00:50:22

    >>194

    そりゃね…

  • 196二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 00:55:58

    それを見た釘崎は?

  • 197二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 01:33:30

    ジェラッ…

  • 198二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 01:34:13

    いつの間にか昼ドラが始まっている

  • 199二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 01:42:17

    真希パイセンがフォローすると思うのでそこはまあ、ね?

  • 200二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 02:06:18

    200なら修羅場

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています