- 1二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 19:44:08
- 2二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 19:44:29
前回のあらすじ
雀に厄介なオススメを吹き込まれたツムリの無邪気な好奇心により、ネクロニカをプレイすることになった英寿たち。今のところダイスの女神の愉悦集中先は道長と祢音だが、この先は果たして……? ちなみに実際のネクロニカの実名プレイはまったくオススメできません!
前スレ:【TRPG】ギーツ×ネクロニカ|あにまん掲示板ツムリ「そういうわけでデザイアグランプリ番外編、TRPG『永い後日談のネクロニカ』を開催します!!」英寿「みんなで遊びたいという話は聞いてたが、なんでよりにもよってネクロニカを選んだんだ? 姉さん………bbs.animanch.com - 3二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 19:46:14
待ってました!楽しみ
- 4二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 19:52:17
ありがとうございます!!
ほしゅ - 5二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 19:52:22
- 6二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 19:54:07
景和「じ、地獄とか煉獄とかあるけど」
英寿「楽園から奈落まで。落差が激しいな」
ツムリ「基本的に敵は奈落〜煉獄に配置されるみたいです。ドールたちは煉獄、花園、楽園から位置を選べますよ」
英寿「射程のことを考えれば、俺は花園でもいいが……お前たちは煉獄配置になるだろうな」
道長「前に出るに越したことねぇだろ」
祢音「基本前のめりだもんね、私たち」
景和「そう言われるといつの間にかデザグラに染まってた気がしてくる……」
英寿「まぁせっかくだしな。俺も煉獄にしておく」
ツムリ(ぼっちは嫌なんですね、英寿) - 7二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 19:57:17
景和「で、"たからもの"に関しては……」
祢音「そういえばパーツと同じ扱いなんだっけ。任意で好きなとこにくっつけてねってこと?」
ツムリ「そういうことになりますね」
道長「……ぬいぐるみって、腕に抱える以外に選択肢あるか?」
景和「確か、"たからもの"が破壊されると狂気点が増えるんだよね。パーツが多いところに置く方が安心ってことになる?」
英寿「まぁ、切断判定に失敗したらそれも意味ないけどな」 - 8二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 19:58:38
英寿:狐耳パーカー→頭
景和:ありふれた人形→胴
祢音:リボン付きバスケット→腕
道長:バッファローぬい→腕
景和「英寿のやつ、頭判定でいいんだ?」
英寿「着用済みの服だろ? それが壊れるとなると、フードがちぎれたってことになるんじゃないかと思ってな」
ツムリ「ちなみにフードは被ってるんですか?」
英寿「被らない。俺のイメージが壊れる」
道長「根性ー!とかハッピー☆とかやっといて今更だろ」 - 9二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 20:12:56
というわけでざっくりシナリオ回していきたいと思います。スレ主は本当に卓初心者なのでミスやら勘違いやら諸々あると思いますが、半目で見守ってもらえれば……。亀更新になってしまいそうですが、見てくださる方がいればよろしくお願いします。
あと前スレ含めてコメントくれた方ありがとうございます!思ったよりも需要を感じて嬉しいです、良いよねネクロニカ…… - 10二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 20:47:26
ネクロニカはいいぞ
戦闘システムと世界観に慣れたらとってもシンプルだし色んな重い感情も出てくるからおすすめ - 11二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 20:53:23
花園ぼっちはイヤな英寿かわいいな
楽しみにしてます!! - 12二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 21:11:43
わー待ってました 応援してます!
ぼっちが嫌で前線選ぶ英寿かわいい - 13二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 21:42:46
キャラメイクだけでも前スレ楽しかったから機会があればマギカロギアで便乗してみようかな……
- 14二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 21:43:53
便乗狙ってる人が他にもいたか…
ステラナイツで便乗しようか悩んでる - 15二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 21:58:21
どんどん便乗してほしい!
- 16二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 22:06:20
- 17二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 22:08:03
大智「やぁみんな五十鈴大智だ。ツムリに頼まれて、シナリオ調整とメインNCを担当することになったからよろしく頼むよ」
道長「出やがったな元凶!!」
祢音「大智くんのシナリオ、嫌な予感しかしないんだけど〜……」
大智「そもそもネクロニカのシナリオは基本的にそんなものだよ。むしろ適材適所ってやつじゃないかな」
英寿「まぁ、それはそうなのが厄介だな」
景和「でもそれを自分で言うのはどうかと思う」 - 18二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 22:28:37
大智「さて、前回君たちが作ったドールの設計図を確認して、シナリオを調整してきたよ。はいツムリ、これ、それぞれに配ってくれ」
ツムリ「これは……?」
大智「NCからPLへのハンドアウトってやつかな。シナリオに合わせて記憶のカケラの内容を少し変更したんだが、問題ないかい?」
道長「……! ……まぁ、別に、これでやってやってもいい」
祢音「私のはあんまり変わってなくない?」
大智「あまりにもPLが動きにくいくらいなら、少しくらいは内容を変えてしまってもいいんじゃないか、というツムリの要望が起因だからね。もちろん、今後のシナリオを考えて変えた部分もあるけど」 - 19二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 22:29:06
景和「俺の、正直見てもよく状況がイメージできないんだけど……」
大智「まぁそのへんは今後のお楽しみってことで。君の場合は『アリス』だしね、自分なりにやってくれればそれらしくなるさ。……っと、そうだギーツ、少し良いかい? 1d10でダイスを振って欲しいんだけど」
祢音「なんのダイスなの?」
大智「これも秘密。回収するかは分からないけど、NCの演出上の裏設定決めみたいな感じかな」
英寿「……へぇ? いいぞ」
【??】dice1d10=3 (3)
- 20二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 00:06:53
(中途半端なので寝る前にドール紹介まで送っちゃいます)
英寿「3か。出目は高くないが……何かイイモノでもくれるんじゃないか? ネクロマンサーさん」
大智「まったく、君は話が早いね……このハンドアウト加えといてもらえるかい?」
景和(さっきから何の話してんだろ……)
祢音(実はあのふたりけっこ〜気が合うよね)
道長(陰湿なんだろあいつらどっちも)
ツムリ「では、改めてドールの紹介からはじめましょうか」 - 21二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 00:07:10
【浮世英寿】
享年:16歳
暗示:絶望
ポジション:コート
クラス:M→レクイエム S→ロマネスク
記憶のカケラ:
〈料理〉料理を作っていた。少しでもあの人に何か食べてほしくて、周りの目を盗んでは調理場に立った。必死の思いで作った君の料理を、あの人は、食べて、くれたの、だったか。
〈覆う影〉黒い影が君に覆いかぶさってくる。邪魔だ、離せ、やめろ。どれだけ叫んでも意味はなく、その手は何も掴めはしなくて。その憎しみを、怒りを、絶望を、君が忘れることはない。
スキル:助言、銃神、銃型、調律
最大行動値:11
初期配置:花園
強化パーツ:
《頭》カンフー、アドレナリン、スコープ、たからもの
《腕》ショットガン
《胴》
《脚》 - 22二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 00:07:44
【桜井景和】
享年:17歳
暗示:幸福
ポジション:アリス
クラス:M→タナトス S→ステーシー
記憶のカケラ:
〈尾行者〉自分につきまとう他人の気配。君はその正体と対峙した、はずだ。懐に手を回した相手を前にし、背後の存在を守らなければと、そう思って、それで。──それから、どうなったっけ?
〈水〉君は水の中にいた。泳いでるのか、潜ってるのか、はたまた身を投げたのか? けれど、そのなかで感じた安堵を、確かに君は覚えている。そのとき、穏やかに思い浮かべた、帰るべき場所のことも……覚えていた、はずなのに。
スキル:癒し、死神、災禍、肉の盾
最大行動値:10
初期配置:煉獄
強化パーツ:
《頭》リミッター
《腕》日本刀
《胴》しんぞう、たからもの
《脚》有刺鉄線 - 23二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 00:08:07
【鞍馬祢音】
享年:13歳
暗示:陥穽
ポジション:オートマトン
クラス:M→ロマネスク S→ロマネスク
記憶のカケラ:
〈凌辱〉どれだけ泣き叫ぼうと、暴れようと、終わらなかった凌辱の日々。怪我は耐えず、血も吐いて、自由なんてどこにもなくて。"ネクロマンサー"という言葉に寒気を感じるのは、きっとそいつが、あいつらと同じ人種だからだ。
〈白い部屋〉
白い部屋、薬、注射器、白い服の人たち。痩せた身体には逃げ出す気力もあるわけはない。日に日に壊れていく自分を感じながら、見上げた屋上さえ、ただ白かった。あの部屋には、二度と、戻りたくない。
スキル:援護、戦乙女、死の舞踏、円舞曲
最大行動値:10
初期配置:煉獄
強化パーツ:
《頭》アドレナリン
《腕》ライトセイバー、たからもの
《胴》スチールボーン
《脚》ワイヤーリール - 24二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 00:09:04
【吾妻道長】
享年:16歳
暗示:罪人
ポジション:ジャンク
クラス:M→バロック S→ゴシック
記憶のカケラ:
〈密室〉狭い部屋に飛び込み、息を潜め、しゃがみこむ。外では自分を探す怒号と足音が響いている。逃げ切れはしないだろう。自分はここで死ぬ。そう分かっていてなお、君は小さく笑みを浮かべた。その理由は、まだ、思い出せないけれど。
〈いじめ〉殴られて、蹴り飛ばされて、踏みにじられて。腹いせに過ぎない暴力。この最低な世界ではありふれたそれ。よく知ってる。君だって、何人もを見殺しにしてきたのだから。弱いやつから死んでいくこの世界で、ついに自分の番が来ただけなのだ。怒りさえもはや感じず、閉じようとした君の瞳を焼いた、一閃の光。その正体は──何だっただろう?
スキル:随行、狂鬼、再生、肉の宴
最大行動値:11
初期配置:煉獄
強化パーツ:
《頭》よぶんなあたま
《腕》かぎづめ、ほとけかずら、たからもの
《胴》ジェットノイズ
《脚》 - 25二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 00:14:26
- 26二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 02:03:29
- 27二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 02:46:25
英寿結局初期配置花園かあ
ひとかたまりになるなよって説得されたんかな - 28二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 07:56:13
ネクロマンサー五十鈴大智のしっくり感で笑う
- 29二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 15:16:51
どう考えても大智くんはネクロマンサーみたいなものだから…
- 30二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 16:45:54
「どう考えてもネクロマンサーみたいなもの」な味方キャラ、なかなかいないぜ
- 31二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 18:47:14
ギーツ×ステラナイツスレ立ったみたいです、ありがてぇ〜!
【TRPG】ギーツ×銀剣のステラナイツ|あにまん掲示板ツムリ「デザイアグランプリ、特別編『銀剣のステラナイツ』開催です!」景和「ちょ、ちょっと!突然どうしたの!?」英寿「姉さんがみんなと遊びたいらしくてな」祢音「それで、銀剣のステラナイツ?になったんだ」…bbs.animanch.comありがとうミスです!!! 英寿の初期配置は煉獄ってことでお願いします
最初は花園予定だったんだけど、ここの英寿はやっぱぼっち嫌がりそうだなということで煉獄に変えた名残が出ちゃったね…
- 32二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 18:49:42
せっかく二次創作卓なんでキャラに寄せて色々やりたい都合でけっこう自由にやっちゃってますが、好意的に受け取ってもらえたみたいでありがたいです!
ネクロマンサー役に向きすぎている仲間キャラは貴重すぎるのでもう最初から「NCやるなら大智だろうな……」と思ってました
前スレのフレーバーテキストもそれ意識してのものだったので、気配感じ取ってくれてた人がいて嬉しかったしちょっと笑った
- 33二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 18:53:21
大智「ドールの確認も済んだところで、いよいよシナリオに入る……けど、その前に。セッションの流れについてだけ説明しておくよ。ツムリ」
ツムリ「は、はいっ。ネクロニカは1セッションにつき"アドベンチャーパート"、"バトルパート"、"エンドパート"の3つのパートで構成されます」
祢音「バトルが挟まるのは絶対なんだ。クトゥルフとはちょっと違うとこかも」
景和「バトルパートは分かるけど……それ以外は何するの?」
ツムリ「アドベンチャーパートは主に探索、エンドパートは物語のまとめと、次回のセッションへの引き、といったところでしょうか」
英寿「記憶のカケラや対話判定も基本はバトル以外のパートになるみたいだな」
道長「未練が発狂寸前だからな……バトル前に対話判定で減らしとく必要があるってことか」 - 34二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 19:00:10
大智「探索での行動やバトルについても色んなルールはあるけど、他の説明はやりながらしていこうか。そうだな……うん、じゃあタイクーン、君から導入を始めよう」
景和「え、俺?……わ、わかった、がんばります!」
大智「ほかのPCの状況についても説明するから、順次合流させていくね」
祢音「いよいよだね、ワクワクしてきた!」
ツムリ「それでは、シーンを始めますね」
──おめでとうございます、今日からあなたたちは"姉妹"です!
あなたたちはネクロマンサーの崇高な作品として選ばれました。その記憶で、感情で、葛藤で、あのお方の心を満たしてくださいますよう。あなたたちの旅路が、悲嘆にあふれる愉しいものになることを願っております! - 35二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 19:16:35
ゆらゆら。ゆらゆら。
自分を包み込む、水の感触。
ぶくぶく。ぶくぶく。
わずかな反射でもきらきらと光る水面が、この世界ではとうに失われた陽の光のようで。
失くしてはいけない"それ"を手放すまいと、君はぎゅっと右手を握りしめる。あぁ、早く家に帰らなきゃ。あの子はどんな顔をするだろう。喜んでくれたらいいな。食べるものにも事欠くような世界だけど、それでも今日はできる限り、あの子の好きなものを用意しよう。楽しみだなぁ。
穏やかで、幸福な、君の記憶。まぁでも──そんなもの、とっくに終わってしまった人生で、もはや大した意味もない思い出に過ぎないのだけれど。 - 36二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 19:21:47
そして幸福だった君は目を覚ます。ようこそ、何もかもが終わった世界へ。生命は息絶え、跋扈するのは命なき者ばかり。そしてもちろん、君もその一人だ。僕が作った自慢のドール。この舞台の主人公のひとり。──とはいえ、そんなこと、君には分からないか。
「ど……どこだ? ここ……」
薄汚れた、埃っぽいベッドの上から、きょろきょろと辺りを見回す。どこかの施設の寝室か何かだろうか? そう広くはない部屋に、いくつものベッドが並んでいる。カーテンは閉じきられ、照明は割れ砕けて、ひどく陰気な空間だ。 - 37二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 19:23:35
どうして自分はこんなところにいるのだろう。早く帰らなければ。きっと自分を待ってる。だから、帰らないと。……そこまで考えて、君は隠しきれない違和感に気づく。
「……どこに、帰れば、いいんだっけ」
自分を待っているのは、誰だった? 思い出せない。自分には確かに大切な誰かが、場所が、思い出があったはずだ。それなのに、どれだけ頭のなかを探れど、記憶は僅かな欠片を残し、手のひらからこぼれ落ちていく。
その感覚に耐えきれず、思わず立ち上がった君は、必死に周囲を見回して──見つけたようだね。外に出る扉。こんな狭い部屋じゃなく、きっと何かが待つだろう外に向かう。素晴らしい、実にドールらしい判断だ。 - 38二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 19:24:49
「だれか……誰か、」
そう、君に残された人間の心は、この状況には耐えられない。こんな世界、一人でいたら簡単に狂ってしまう。一人でなら、ね。
祈るような思いでドアノブを回し、外に飛び出した君の目には、左右に広がる廊下が映る。そして耳にも「えっ!?」と驚いたような声が届いた頃かな。
「え?」
「わ、ちょっ──」
【行動判定:合流注意!】
景和→dice1d10=3 (3)
??→dice1d10=9 (9)
- 39二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 19:46:41
〜〜〜
景和「いきなり失敗した!!」
祢音「私は9!幸先良いな〜」
英寿「行動判定は6以上で成功、だったか?」
ツムリ「はい。関わりのあるパーツや記憶のカケラを使用することで、ダイスを4つまで増やすことも可能です」
大智「とはいえ、その状態で"大失敗"したら使用したパーツは全て損傷するから注意が必要だね」
景和「大失敗っていうのは……」
ツムリ「判定が失敗、かつ出た目の中に1があった場合は大失敗になります。反対に値が11以上なら"大成功"。クトゥルフで言うクリティカルですね」
祢音「……でも、判定に使うダイスって1d10だよね?」
大智「うん、その通り。つまり何かしらでプラス補正がない限りは大成功は出ないのに反して、大失敗は常に出る可能性があるんだ。気をつけてね」
道長「気をつけようがねぇだろ……」 - 40二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 19:52:42
とりあえず書き溜め分まで、ここからはダイスの女神様次第になるので亀更新になるかと……
あと別ジャンルなのであれだけど、あるネクロニカ卓動画にかなり影響を受けてます 逆に文字でのリプレイはあんまり知識ないので分かりにくかったら申し訳ない - 41二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 20:27:32
ずっと思ってるけどキャラエミュうまいな
- 42二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 23:26:30
ツムリちゃんの今日からあなたは仮面ライダーですの文脈で始まるのめちゃ最悪だけど好き
- 43二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 08:54:24
わかる、最悪で最高の始まり方
- 44二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 08:58:34
いきなり失敗する景和解釈一致すぎて頷きまくってる
- 45二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 09:03:28
パーツを使うか否かはダイスの女神様の機嫌や重要度で判定するといい
- 46二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 11:56:28
〜〜〜
「きゃっ」「ヴッッ」
軽やかな声に振り向けば、相手を視界に捉えるよりも早く、重い衝撃に襲われる。車にはねられる自分。そんなイメージが脳裏に浮かび上がるまでの勢いだったそれに、君は呆気なく尻もちをついた。
「も、な、なに……?」
「あ〜びっくりした……急に出てこないでくれる!?」
上から降ってくるあどけない声に顔を上げれば、むくれたような表情で腕を組んだ少女がじっとりと君を見下ろしている。 - 47二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 11:58:03
「急にって……ぶつかってきたの君だろ……? 転んでるの俺だけだし……」
「それはそれで体幹弱すぎ! そんなひょろひょろで大丈夫、な、の……」
さすがに言われっぱなしでは納得できず、もごもごと言い返した君の言葉さえ、彼女は簡単に蹴散らしてしまう。なるほど、相性は良さそうだね。そんな少女も、ふいに状況を思い出したらしい。我に返ったように口を止め、大きな瞳を丸くする。
「っていうか、あなた誰!?」
「こ、こっちのセリフだよ!」
「ここの人? ねぇ、ここってどこなの? 目が覚めたら知らない場所で、記憶もありませんなんて、ホントに意味わかんないんだけど……!」
話を聞いているのかいないのか、少女は君のもとへしゃがみこむと、矢継ぎ早に疑問を紡ぐ。声を上擦らせた彼女の姿に、君もようやく気づいたことだろう。彼女も、自分と同じなのだとね。 - 48二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 11:59:29
「え、君も……?」
「……『も』って、もしかして……あなたも?」
「うん。気づいたらそこの部屋にいて……どこか帰らなきゃいけない場所があったと思うんだけど、目が覚める前のこと、ほとんど思い出せないんだよね」
「私も同じ! 少しだけ覚えてることはなくはないけど、……」
少女はそこで言い淀むように目を泳がせた。そうだね、君たちそれぞれには同じように、わずかな記憶のカケラだけが残されている。けれどそれが、必ずしも幸福なものであるとは限らない。君とは違って、ね。 - 49二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 12:00:16
「……? どうかした?」
「ううん、なんでもない。役に立ちそうにはないなってだけ! 変な知識はしっかりつけられてるみたいだけどね、ホンット悪趣味」
「……知識? ごめん、何の話──」
「──だから、着いてくんなッ!」
違和感に首を傾げ、君がそう聞こうとした瞬間。荒々しくドアを開ける音と、そんな怒声がふたりの間に割って入った。
【対話判定】
景和→祢音〈保護〉dice1d10=8 (8)
祢音→景和〈友情〉dice1d10=10 (10) +1(「癒し」)
- 50二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 16:09:22
ツムリ「おめでとうございます!いきなり大成功ですね!」
英寿「タイクーンのアリス補正があるとはいえ、早速当てるのは引きが良いな」
祢音「えっへへ、まぁね〜」
道長「ドール設計は何だったんだ……?」
景和「ねぇ俺も!俺も今回はちゃんと成功してるからね!」
大智「対話判定における大成功だから、ダイスを振って出た未練に変更するか否かを選べるよ。大失敗した場合は強制変更だけどね」
祢音「発狂内容的に、景和の場合は大抵"友情"よりはマシになりそうだけど……えいっ」
祢音→景和:dice1d10=6 (6)
- 51二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 19:46:21
祢音ちゃん出目良いなぁ
あとシステム上仕方ないんだけど短い友情でちょっと笑う - 52二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 19:55:04
出会い頭で得ていた友情を喪失した男…
そう考えると確かにシュールね - 53二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 20:18:13
まあ変更しないも選べるけど友情発狂って効果きついしなぁ
サプリぶち込んででヒーラー作ればまた違うのかもしれんが - 54二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 20:40:04
前スレ覗いてきたけど6って対抗か
- 55二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 21:41:56
6:【対抗】
発狂内容→【過剰競争】戦闘開始・終了時、任意の狂気点に+1
祢音「対抗かぁ〜、発狂はわりと重いなぁ……」
景和「RP的にはちょっと分かるけどね、今の会話だと」
道長「もう何がマシか分かんねぇな」
英寿「まぁ他の未練見ても、ナーゴは狂気点追加要素は少ない方だしな。前衛に合わせたパーツ損傷よりは良いんじゃないか?」
景和「う、ご迷惑おかけしてます……?」
祢音「う〜ん……そうだね、戦闘まで発狂しなきゃ+1で済むわけだし……変えます!」
大智「了解、変更しておくよ」
祢音→景和:〈友情〉▶〈対抗〉 - 56二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 21:46:12
大智「それから二人は忘れずにお互いの未練の狂気点をひとつ減らしてくれ」
ツムリ「ちなみにですが、1セッション内で減らせる狂気点の数は、持っている記憶のカケラの数と同数になります」
道長「セッション内で新しく記憶のカケラを入手した場合はどうなる?」
大智「そのぶん減らせる狂気点の数が増えると考えて構わないよ。今のところの上限は2、だけどもし記憶のカケラを手に入れれば、上限は3になる、という感じでね」
英寿「となると記憶のカケラの入手も重要になってくるわけだな」
祢音「スタートからいっぱいいっぱいだもんね、狂気点って」
景和「とりあえず開幕からハイライト案件は避けれたみたいでよかったよ……」 - 57二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 22:00:59
〜〜〜
「だから、着いてくんなッ!」
「そう言われてもな。道はこっちにしかないし、こんな状況だ、バラバラになるのは得策じゃないだろ……ん?」
君が出てきたドアの右側、廊下の端にあった扉から姿を現した二人組……なの、だろうか。片方はかなり苛立っているし、それに反してもう片方は飄々とした態度だ。「足並み揃っている」とは、はじめましての君たちにも思えないだろうね。
腕を組み、余裕のある様子で廊下の先を見据えた青年は、君たち二人を見つけたらしい。彼はわずかに目を見開いて、それから、へぇ、と妙に楽しげな笑みを浮かべた。 - 58二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 22:02:30
「な〜んだ、他にもいたのか。よかったよ、仲間がこいつだけじゃなくて。俺だけじゃ手に負えなくてな」
「どういう意味だ……!」
「だ、誰……?」
「いや、俺も知らない……」
やたら馴れ馴れしく話しかけてくる彼に、少女は警戒心を覚えたらしい。自分に身を寄せ、ぎゅっと服を掴んでくる彼女に、君もただ首を横に振る。
だけど、本当にただ"知らない"だけの相手かな? よく見てみるといい。記憶はない。知識もない。だけど君の、君たち四人の心は、互いに引き付け合うはずだ。だって君たちは"姉妹"。四人で一つの作品として作られた、僕の最高傑作なんだから。 - 59二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 22:05:12
保守
- 60二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 22:05:24
「え、っと……あなたたちは……?」
「お前たちと同じだよ。ネクロマンサーに蘇らされた死人。記憶もないっていうのに、落ち着きのない暴れ牛といきなり鉢合わせて困ってたところだ」
「こっちは寝起きでいきなり腹踏みつけられてんだよ!!」
「床で寝こけてる方が悪いだろ」
「一言くらい謝れねぇのかお前は……!」
少女の圧に押され、おそるおそる口を開いた君の前で再び始まる口論。なるほど、どちらが悪いか、という点では難しそうな内容だ。なにこの人たち……とすっかり毒気を抜かれた少女は呟いた。
【対話判定】
英寿→道長〈保護〉dice1d10=5 (5)
道長→英寿〈対抗〉dice1d10=8 (8)
- 61二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 22:25:37
道長の対抗の安心感よ
- 62二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 22:29:02
〜〜〜
祢音「う〜ん、ただの道長じゃない?」
景和「なんか懐かしいなぁ」
道長「微笑ましげな顔やめろ!」
英寿「俺もバッファへの〈保護〉はバトル前に変更しておきたいところだが……先は長そうだな」
大智「良いRPがあったら補正はしていくつもりだから頑張って。大失敗で変える手もあるけどね」
英寿「ふ、心配するな。神様は大失敗なんか出さないんだぜ」
ツムリ(どうしてそんな丁寧にフラグを……?) - 63二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 22:32:11
〜〜〜
あぁ、でもみんな、よく見てあげて。一人だけ、この状況についていけてない子がいるんだから。
「ちょ、ちょっと待てよ!」
声を荒げた君に、三人の視線が突き刺さる。不思議そうな顔。訝しげな表情。なんでそんな顔をされなければいけないのか、君にはわからない。だっておかしいのは、彼の言葉の方であるはずだ。
「死人とか、蘇ったとか、どういうこと? 確かに俺も、自分のこと全然思い出せないけど……君の言い方じゃ、まるで、俺も君も、死んでる、みたいじゃん」
「……みたいもなにも、死んでんだろうが」
「え?」 - 64二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 22:39:02
「お前ら二人はまだ身綺麗な方だが……、こんなナリしてんだぞ。俺らがまともな人間に見えんのか?」
それまで共に来た青年に噛み付いてばかりだった彼は、そう言って軽く両腕を広げた。左手には鋭い鉤爪が生え、右手を覆うツタは服の中にも伝っているようだ。彼の身体を包む"変異"。よくよく見れば、さっきまでが嘘のように黙り込んだ彼の片目にはレンズらしきものが埋め込まれているし、先程ぶつかった少女の身は、その見た目には不釣合いなまでの重量感を持っていた。 - 65二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 22:41:46
- 66二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 22:43:29
フード被って隠してるんじゃないっけ?
- 67二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 22:44:20
さらに──君は自らの下半身へと目をやる。ボトムの上から巻き付けられた有刺鉄線。布地を隔てているといえど、肌にくい込んでいるはずのそれは、けれど少しの痛みも伝えることはなくて。
「大体、こんな明かりもないような場所で、人間ならまともに見えるわけねぇだろ……寝ぼけてんのか?」
あぁ、彼の言葉に自覚してしまう。理解してしまう。そうだ、ここは暗すぎる。窓もなく、照明も壊れている廊下。光のひとつもなかったはずの部屋。普通なら、薄暗い、なんて感じることさえできないはずだ。それなのに──自分はどうして、彼らの姿を認識することができている?
【狂気判定】
景和:dice1d10=3 (3)
- 68二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 22:47:37
さすがに見た目がホラーすぎるから上着のフードで隠してるイメージです! スレ主の文章力が足らなくて描写入れられなかったんだ、すまない
- 69二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 22:56:55
〜〜〜
景和「失敗したー!?」
ツムリ「はい、狂気点1増やしてくださいね」
景和「む、無情……」
祢音「というかこれ、景和ってもしかして……」
英寿「知識が与えられてないな、一人だけ」
景和「そんな気はしてたよ……!!」
道長「……混乱してるRPとかじゃねぇのか?」
景和「いや、だってハンドアウトに書いてあるもん、『自分が死んでいるなんて、夢にも思わないだろう』って! てっきりみんなそうなのかと……」
祢音「基本的に、自分が死んでる〜とか、ネクロマンサーに蘇らされた〜みたいな知識はあるものなんだよね?」
ツムリ「そのようですね。世界が既に滅んでいることや、自分は死に、そして自分を蘇らせた存在がいることは、最低限の知識として植え付けられている……というのが基本設定になります」
景和「……大智くん…………?」 - 70二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 22:58:58
大智「まぁほら、なんだ、持ちネタだろう? 一人だけ持ってる情報量が少ないの」
景和「持ちネタなわけないだろ!!」
英寿「逆にやたら情報だけは得てたからな、こいつは」
大智「冗談だよ。君のドールの背景にも関わることだし、まずはRPがんばって。狂気点の追加も忘れずに頼むよ」
景和「うぅ、俺アリスなのに……とりあえずさっき減らした祢音ちゃんへの未練に振ります……」
ツムリ「アリスが苦労するのはわりとあるあるのようですから……」
道長「…………」
英寿「お前の言い方に関わらず、どのみちタイクーンの狂気判定は発生してたと思うぞ」
道長「べ、別に、分かってる」 - 71二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 23:00:01
翻弄されてこそ景和 みたいな思想を感じる大智くんNC
- 72二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 23:23:22
- 73二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 00:16:20
スレ主さんのエミュやRP表現が上手いからか、未練変更みたいなシステマチックな所も自然に心情想像出来て楽しい
祢音の対話大成功の上で友情→対抗は「いい人落ち着く!いや私だって!」とかかな?とか…
景和の一度減った保護が状況理解した途端にまたもどるのとか… - 74二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 07:22:19
ある意味で暗示幸福のアリスらしいな…
- 75二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 14:21:28
何気に英寿→←道長と景和→←祢音の未練関係が同じになったんだな
英寿→祢音も対抗だから、対抗の四角関係みたいにもなってるけど - 76二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 20:12:47
景和のドールは自覚してないだけなのかNCがなにか手を施しているのか…
- 77二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 02:10:20
- 78二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 08:06:35
対話判定頑張って…と発狂が見たい気持ちが2つある
- 79二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 10:56:52
なんか景和の依存発狂ロールプレイは上手そうという偏見がある
本編でたっぷり幼児退行起こしたくなるような目には遭ってるだろうし
大体41話 - 80二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 10:57:16
このレスは削除されています
- 81二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 19:43:01
ほしゅ
- 82二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 20:24:52
「ちが、う、違うッ、おれ、俺は……」
自分が、死んだ? そんなわけがない。そんなはずがない。だって自分の〈しんぞう〉は今、こんなにまでに高鳴っているのに!
咄嗟に自分の胸元を強く握りしめた君の視界で、ふわりとした茶髪が揺れた。
「ちょっと、大丈夫?」
君を覗き込んだ少女の、猫にも似た大きな瞳。まだ幼さを残した顔に浮かぶ不安げな表情が、狂気に呑まれかける君の意識を引き戻した。自分よりも幼い子を守るのは、君にとっては当然のこと。きっと記憶を失う前から変わらないだろう矜恃を手繰り寄せて、君は寸前で正気を保つ。 - 83二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 20:25:15
一度落ち着けば、君にも理解できるだろう? 死んだものを生者のように蘇らせる技術──ネクロマンシー。その知識自体はたしかに君の頭の中にあるんだから。
まぁ、とはいえ。絶望も喪失も知らずにいれた君の心には、この現実は重すぎるのも事実かな。でも大丈夫、こんな世界で心を保つために必要な存在と、君はもう出会っているからね。
「も〜っ、しっかりして! ほら、どう!?」
黙りこくったままの君に痺れを切らしたんだろう。その繊細な見た目が嘘のように雑な手つきで、少女は君の頬を思いきりつまんだ。 - 84二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 20:57:33
「わっ、い、痛い痛い!って、……あれ?」
痛く、ない。引っ張られる皮膚の感触に反し、予想される感覚はいつまでもやってこなかった。君は頬に手をやりながら、呆然と呟く。痛くない、ということは。
「……ワンチャン、夢、とか」
「バカか……」
「バカだなぁ……」
呆れきった二人の視線に、君は情けなく身をすくめる。自分が死んだことさえ分かっていないアンデッド。本来なら滑稽で仕方ないような存在だろうけれど──君の場合は特別だ、幸福なアリス。 - 85二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 20:59:00
このレスは削除されています
- 86二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 21:11:59
祢音ちゃんへの未練保護がいい感じに効いてるなぁ
- 87二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 21:57:55
荒廃したこの世界で、死人にあふれたこの世界で、汚れも歪みも知らない君の在り方は、姉妹の癒しとなるだろう。だからこそ君に与える知識は少しだけ調整させてもらったわけだけど。悪趣味? そんなの、自ら自分たちの生きる世界を終わらせた愚かな人類に言ってほしいね。
ほら、現に、その効果はあるようだし。
どこか考え込むような表情で騒ぎを見守っていた青年は、けれど僅かに口角を上げ、「つまりだ」と口を開いた。 - 88二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 21:59:38
「お前も含めて、俺たちの身体はとっくに死んでる。だから痛覚は鈍いが、生きていた頃には不可能なことが可能にもなった。俺たちは目で見ているわけでもないし、脳で情報を処理しているわけでもないからな」
「死ん、でる……俺が…………」
「ま、人間でもアンデッドでもない何かだったなら話は別だけどな。よっと」
「いや人をUMAみたいに言わないで──うおっ!?」
彼の軽口に弱々しく言い返そうとした言葉は、突然首にかけられた負荷によって遮られた。
崩れかけた体勢をなんとか保って視線を下げれば、首元からぶらさがっていたらしいシルバーのそれを青年の指が掴んでいる。ネックレス? まさか、"たからもの"でもあるまいし。
それはドックタグ。君たちに授けた、僕のドールであるという証。君たちは既に死んでるわけだから、プレートは一枚で十分というわけさ。 - 89二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 22:03:26
このレスは削除されています
- 90二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 22:29:23
「"桜井景和"。──"タイクーン"、か」
「た、タイ……なに?」
聞き馴染みのある七音と、反対に少しの覚えもない五音。訳も分からないまま、圧迫感の錯覚から解放された君はぽかんと青年を見上げるが、彼は意に返さずに隣の少女へと腕を伸ばした。
「そっちのお嬢さんも、失礼」
君への対応とは異なる丁寧な物言い。その扱いの差に君は眉を寄せるが、それでも、彼女の意に沿うものではなかったようだ。ぺちん、と軽い音を立てて、彼の手が振り払われる。
「ちょっと! 名乗るならまず自分から、が礼儀じゃない?」
「……ふ、そうだな。君の言うとおりだ」 - 91二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 23:08:53
手厳しい態度を向けられても、彼はむしろ上機嫌な様子で目を細める。そしておもむろに懐からそれを取り出すと、君たちの前で揺らして見せた。君たちの持つそれと同じ、銀色に鈍く光るプレート……が、二つ。
「俺は"浮世英寿"、または"ギーツ"……らしい。こっちは"吾妻道長"、あるいは"バッファ"だそうだ」
「おい、何勝手に……って、何でお前がそれ持ってんだ。さっき捨てたはず……」
「こんな状況なんだ、少しでも手がかりになりそうなもんは持っといた方がいいだろ。ほら、もう失くすんじゃないぞ」
「落としたわけじゃねぇ! 分かって言ってんだろ!」 - 92二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 23:32:36
道長を煽りまくる英寿…こういうのが見たかった
- 93二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 23:53:12
青年──ギーツが差し出したドッグタグを、バッファと呼ばれた彼はひったくるように受け取った。その反応にギーツは笑みを深め、それから、改めて君たちへと向き合う。
「俺たちのどちらも、ここで目を覚ますまでのろくな記憶は持ってない。お前たちもそうだろ?」
「あ、う、うん……」
「どこの誰が、何の目的で俺たちを蘇らせたのかも、他に頼れるやつがいるのかも分からない。同じ状況に置かれた者同士、協力できることがあると思うが……どうだ?」 - 94二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 23:53:53
自分たちと同じ状態にあるとは思えないほど、どこまでも落ち着いた様子の彼。けれど、と言うべきか、だから、と言うべきか。その堂々とした語りに、君は揺るぎない何かを見るだろう。彼になら、寄り縋っても平気だろう、なんて甘え。信頼というにはいささか盲目的だけれど、それを指摘するようなまともな人間は、もうみんな滅びてしまったからね。
それに、彼へそんな印象を持ったのは隣の彼女も同じだったようだ。返事の代わりとばかりに、彼女は首からシルバーを外すと、自分で見るよりも先に、それをギーツへと差し出した。うやうやしい素振りでそれを受け取った彼は、そこに刻まれた文字へと目を落とす。
「"鞍馬祢音"。……"ナーゴ"、だな」
「……、……ナーゴ……?」
ギーツが紡いだその名に、音に、少女のなかで何かが揺れた。
【行動判定:この名前は……?】
祢音→dice1d10=4 (4)
- 95二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 00:20:03
今日はここまでです、とりあえず自己紹介までいけてよかった…… いつもながらコメントもありがとうございます
ちょっと毎日更新できるかは怪しくて申し訳ないんですが、なんとかエンドパートまでは持っていきたい - 96二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 00:27:50
スレ主がんばれ!楽しみにしてます!
- 97二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 08:27:17
無理はせずに自分のペースでやってください
しかし景和に痛感なくて良かった… - 98二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 15:27:19
NC大智が本当にハマりすぎてて笑っちゃうけどわくわくするなあ 続き楽しみ
- 99二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 16:42:35
面白いので読ませていただいてる
TRPG全くやったことなくて申し訳ないんだが、ダイスの成功失敗基準って何? - 100二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 16:52:53
このゲームのダイスは
5以下…失敗
6以上…成功 - 101二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 17:00:46
- 102二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 17:08:38
- 103二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 20:16:05
弄っていた方なんだら…
- 104二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 00:22:52
もしかしなくてもギーツ1話のオマージュちょいちょいある?見てて楽しい
- 105二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 07:14:06
みんなダイス目は極端には悪く無さそう
- 106二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 15:38:00
戦闘で愉悦を発揮するのかもしれないから油断はできない
- 107二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 15:57:38
今のところダイスの女神はそんなに非情ではないな
五十鈴大智が何か企んでるだけ - 108二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 20:14:10
暗示の幸福はマジで幅が広いからな…
- 109二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 03:53:07
今後もなんか仕込んでそうだよね
- 110二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 09:32:01
景和だけ普通知ってるはずのことすら知らないってのが…大智くんどんな設定つけてるんだろ
- 111二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 12:06:04
- 112二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 20:18:47
頭いいし悪意もあるからいいNCなんだよね…
ついでに沙羅さん経由の愛もあるのも強い - 113二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 20:46:45
「………………」
何か、思い出せることがあったような。けれどそれはろうそくの火のように掻き消えてしまって、君のなかには小さな違和感だけが残された。
「えっと……祢音ちゃん? 大丈夫?」
「え?」
「ぼーっとしてたみたいだけど、気分でも悪い? おんぶする?」
顔を上げれば、心配そうな瞳と視線が重なる。まるでさっきとは反対だ。ついさっきまで狂気に捕らわれかけていたはずの彼は、第一印象そのままに人が良いのだろう。それが君の小さな反抗心に火を灯す。だって、さっきまで狼狽してたのは彼の方だったのに! - 114二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 20:47:46
「ううん、全然平気。だいたい、景和に背負ってもらうほど弱くないから、私!」
「う、否定できない……」
「あぁ、頼りになって助かる。俺も負けていられないな」
「ふふん、でしょ? ついてこないと置いてっちゃうからね〜?」
とげとげしい言い方になっても、彼は肩を落とすだけで怒りはしない。ドッグタグをギーツから受け取りながら、君は無邪気にそう笑う。初対面であるはずなのに、軽口さえ言い合える距離感が心地よい? 当然さ、君たちはたった四人の姉妹なんだから。お互いを大切に、コミュニケーションは欠かさずに頼むよ。……ほら、端っこで居心地悪そうに突っ立っているそこの君も。 - 115二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 20:48:59
「……いつまでだべってんだ。さっさと行くぞ」
「はいは〜い、道長はあれだね、一匹狼って感じ?」
「いや、案外あれで面倒見の良いやつだと見た」
「話聞いてねぇのか??」
言ったそばからきゃいきゃいと息ピッタリに話し出す二人を睨みつけながら、君は床にへたりこんだままの彼の前へと立つ。
「お前も。いいかげん転がってないで立て」
「え? あ、ご、ごめん」
じとりと見下ろせば、彼は慌てて床に手をつく。ほら、今しか弁明のタイミングはないけど? - 116二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 20:50:19
「…………」
無言のまま、君はおずおずと彼に手を差しのべた。目を丸くしてその手を見つめる彼を急かすように「悪かったな」と低く呟けば、察しの悪い彼は「へ?」と首を傾げる。
「だから、……俺も、無神経、だった、かもしれねぇ、から」
まごついてはいるものの、ナーゴの言う通り、一匹狼気取りの君にしては素直な物言い。うん、上出来だ。直感めいた姉妹たちへの感情を無視できるほど、君たちの心は頑なではないらしいね。純然たる好意。奇妙なまでの愛着。それが自分のなかで燻っているのを、君も感じているだろう? - 117二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 20:56:55
「あ……ううん、気にしないで」
まぁ、彼から返されるのが同じ感情だとは限らないんだけど。まだ困惑を残しながらも表情をやわらげた彼もまた腕を上げ、二人の手が重なった。強く握り、引っ張り上げる。手のひらに感じる体温は、自らの冷たさと相まってやたら熱い。
「ありがとう。怖い人かと思ったけど、意外と優しいんだね」
「………………」
「道長さん?」
ぬくもりの均衡を失くした感触。それを君は知ってるね。君が一度死んだとして、無かったことになどなりはしない。だってそれが、君の罪なんだろう?
【行動判定:つめたいからだ】
道長→dice1d10=1 (1)
- 118二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 21:13:13
ここでもファンブル芸人道長…
- 119二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 22:25:45
序盤からファンブルか…ある意味道長っぽい
- 120二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 08:07:57
パーツ使ってないだけ良かった…のかな?
- 121二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 08:11:10
ベロバが道長推す理由分かってきた気がするよ
だって見てて面白いもん、ファンブル芸人道長 - 122二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 09:05:22
〜〜〜
「「「あっ」」」
ツムリ「初の大失敗出ちゃいましたね……お悔やみ申し上げます?」
大智「というか君達まったく記憶のカケラを取る気がないね??」
道長「こればっかは仕方ねぇだろ……!」
祢音「そうだそうだー!」
景和「大失敗しちゃってるけどこれどうなるの?」
ツムリ「今回の場合はパーツも使ってないので損傷はありません。通常の失敗と同じ扱いで大丈夫です」
大智「動きを伴うものならともかく、思い出せるか出せないかの判定でしかないからね、今回のは」
英寿「だそうだ、よかったな」
道長「くそ、異様に悔しい」
祢音「TRPGの不思議なとこだよね〜……」 - 123二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 09:06:20
英寿「そういえば……記憶のカケラを得るタイミングはどう決めてるんだ?」
大智「これは卓によっても違うだろうけど、今回は決めた設定に合わせて、渡せそうなタイミングで行動判定を振ってるよ」
祢音「このときの行動判定って絶対なの?」
大智「実はそういうわけでもない。場合によっては判定なしで渡すときもあるかな」 - 124二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 09:08:20
ツムリ「記憶のカケラに関しては、かなりNCの裁量が大きいといいますか……。セッション内で一つは獲得できるように調整しますので、あまり気にされなくても大丈夫です」
大智「知識はあっても、僕も実際にプレイするのは初めてだからね。やりながら感覚を掴んでいくつもりだよ」
景和「あ、そうなんだ。まぁそりゃそっか、大智くん友達いないもんね」
大智「……、うん、まぁ、流石に否定はしないけど」
道長「相変わらずだよな、お前……」
祢音「今日も絶好調だね」
英寿「あぁ、なによりだ」
景和「??」 - 125二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 10:42:09
景和本当しれっと酷いいなぁw
- 126二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 10:44:34
安定の煽りクリティカル景和
- 127二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 12:39:34
〜〜〜
あぁ、意外と臆病だったのかな。無意識に、君は既視感を取りこぼす。蓋を開けてしまえば、もう後戻りはできないのだと本能的に理解しているんだろう。まぁ、背負った十字架から逃がすつもりは毛頭ないけれど……今がその時じゃないというなら、まだ見逃してあげてもいい。
きょとんとしたタイクーンに「なんでもねぇ」とだけ返して、握ったままだった体温を振り払う。にまにまとしながら「確かに英寿の言った通りかも」「だろ」と和やかに話している残り二人を睨みつけながら、君は廊下の一番奥に続く扉へと向かった。 - 128二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 12:45:52
【対話判定】
英寿→
景和〈友情〉:dice1d10=3 (3) +1+1
祢音〈対抗〉:dice1d10=2 (2) +1
道長〈保護〉:dice1d10=7 (7) +1
景和→
英寿〈依存〉:dice1d10=2 (2) +1
祢音〈保護〉:dice1d10=6 (6) +1
道長〈独占〉:dice1d10=5 (5)
祢音→
英寿〈依存〉:dice1d10=1 (1) +1
景和〈対抗〉:dice1d10=8 (8) +1+1
道長〈執着〉:dice1d10=1 (1)
道長→
英寿〈対抗〉:dice1d10=4 (4)
景和〈友情〉:dice1d10=4 (4) +1+1
祢音〈友情〉:dice1d10=2 (2)
大智(処理が……処理が多い!)
ツムリ(推奨人数上限ギリギリですからね……)
- 129二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 12:51:59
〜〜〜
景和「なんか全体的に出目低くない!??」
祢音「わ、ふたつも1出てる!?」
道長「っぶねぇ……!!」
大智「僕はものすごく先行きが不安になってきたよ。よかった修正値与えといて……」
ツムリ「ええと、修正値込みで処理するので少し待ってくださいね」 - 130二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 13:04:27
このレスは削除されています
- 131二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 13:07:04
このレスは削除されています
- 132二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 13:10:40
このレスは削除されています
- 133二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 13:11:43
(ごめん、完全にミスしてたので直しました!)
成功:英寿→道長〈保護〉、景和→祢音〈保護〉、祢音→景和〈対抗〉、道長→景和〈友情〉
大失敗:祢音→道長〈執着〉
ツムリ「……急に荒れてますね、祢音様」
祢音「ダイスの女神様に弄ばれてるよ〜〜……」
大智「まぁ一応これでギーツ以外は現状の上限まで狂気点を減らしたね」
道長「マジで余裕ねぇな、これ……」
英寿「……」
景和(あ、ちょっと焦り始めてる?) - 134二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 13:12:41
景和「でも俺の〈癒し〉以外にもけっこう補正くれてるよね」
ツムリ「はい、さっきも少しありましたが、良いRPがあればNC判断で"修正値"を与えることができるんです」
大智「今回の場合は、君たちらしい対話って部分と……率先的なRPをよく頑張りました、ってことで。特にバッファは最後の最後でよくやったんじゃないかい?」
道長「…………」
祢音「どうどう」
英寿「実際これで命拾いしてるとこもあるからな、ありがたく受け取っておけ」
大智「僕らとしても狂気点はできるだけ減らしてほしいしね。出し惜しみする気はないから、対話には力を入れてほしいかな」
祢音「はあい……とりあえず大失敗の処理するね……」
景和「が、がんばって!」 - 135二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 13:22:41
大智「繰り返しになるけど、対話判定においての大失敗は未練の強制変更になるからよろしく」
景和「〈執着〉ってどうなの?まだマシな方?」
道長「迷惑ではある」
景和「まぁそれは大体そうかもしれないけど……」
英寿「ただバッファは〈対抗〉もあるし、バトル中に両方発狂すると厳しいかもな。さて、どうなるか」
祢音→道長【大失敗】:dice1d10=9 (9)
- 136二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 13:34:16
9:〈憧憬〉
発狂内容→〈贋作妄想〉戦闘中、未練の対象と同エリアにいる間、自身or対象の「移動」以外の行動が取れない
ツムリ「憧憬!何気に初出ですね」
祢音「う〜ん……まだなんとかはなる、かなぁ……?」
英寿「状況によっては痛いかもしれないが、まぁどうにでもなるだろ」
道長「これ俺が強制的に移動させられるパターンもあんのか……」
景和(祢音ちゃんに投げ飛ばされる道長さん、想像するとちょっと面白いな) - 137二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 16:10:41
また道長に対してファンブルだぁ
女神様ベロバの同類だったりする!? - 138二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 16:49:13
道長本人も修正値もらえてなかったら全失敗だったからな…
- 139二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 21:26:58
どっちも前衛だけど移動スキルはあるからトントンって感じかな?
- 140二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 07:35:10
保守
- 141二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 14:47:46
大智「さて、やっと導入も一段落ついたことだし、ここでカルマを発表するよ」
祢音「カルマ?」
ツムリ「セッション内での目標のようなものですね。達成すると、セッション終了後に与えられる"寵愛点"を追加で獲得できます」
大智「寵愛点はパーツや未練の回復のほか、新たなパーツやスキルとも交換できる……つまりはドールを強化できるんだ。増やしておいて損はないよ」
英寿「なるほどな。寵愛点は、ネクロマンサーがドールを自分の想定通りに動かすための餌ってわけか」
ツムリ「嫌な言い方しますね……」 - 142二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 14:48:47
景和「まぁネクロマンサーの意図はともかく、『NC的にはこうしてほしい』っていう意向みたいなものってことだよね?」
大智「うん。とりあえずカルマの達成を目指してもらえればストーリーは進むから、そこは信用してほしい」
祢音「了解! それで、今回のカルマは?」
大智「まず全員に共通で決められている『記憶のカケラを獲得する』。それからこのセッション独自のカルマが『"家"から出る』。今回はこの二つになるよ」 - 143二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 14:50:40
景和「あ、いきなり誰も達成できてない……」
英寿「そこはダイスの女神とNCのフォローを信じるしかないな。二つ目のは……」
道長「“家"……って、今いる場所のことでいいのか?」
ツムリ「そのへんはおいおい分かってくると思いますので、ストーリーに合わせて判断して下されば大丈夫です」
祢音「字面だけ見てると平和そうだけど……そう単純な話じゃないんだろうなぁ」
大智「ふふ。じゃあ続きに入ろうか」 - 144二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 14:54:17
〜〜〜
さて、君たちが今いる廊下には四つの扉がある。そのうち三つは君たちのそれぞれが既に通ってきたものになるね。改めて覗き込んでみても、特に何かこの状況のヒントになるようなものは見つからないだろう。何の変哲もない──というにはかなり寂れているけれど、これといって目につくものもない寝室やシーツ室だ。 - 145二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 14:58:03
〜〜〜
英寿「いきなりストップをかけて悪いが、NC、それらの部屋に人がいた形跡などがないか、ドールが感じ取ることはできるか?」
大智「うん、いいよ。行動判定してくれるかい?」
祢音「私たちも振っていい?」
大智「あぁ。これ以降も、気になることがあれば適宜確認してくれて構わない。その後の判定に有利になることもあるかもしれないからね」
ツムリ「部屋の状態……となると、『めだま』を使うこともできますが」
「「「「使わない」」」」
ツムリ(皆さますっかりダイスにビビってますね……)
【行動判定:室内の様子】
英寿:dice1d10=3 (3)
景和:dice1d10=9 (9)
祢音:dice1d10=9 (9)
道長:dice1d10=6 (6)
- 146二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 16:13:26
なんとなくスタート地点って研究所とか工場とかの施設っぽいとこが多いイメージだけど「家」なんだな、面白い
- 147二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 20:24:01
"家"かぁ…ネクロニカだけに不穏だな
- 148二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 05:38:19
英寿だけミスってる…
- 149二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 14:24:31
保守
- 150二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:15:52
「私が起きたのはあそこだけど……ベッドしかない部屋だったよ。ホコリっぽくてすぐ出てきちゃった」
「俺も同じかも。ベッドはたくさんあったけど、それくらい。……でもかなり古そうだったし、人が使ってるって感じじゃなかったな」
「俺は倉庫みてぇなとこで起きたが……そこも似たようなもんだったな。どこもかしこも埃被って、使えるようなもんはなかった。ギーツ、お前がいたのはその奥だろ」
「あぁ、バッファがいたのはリネン室、俺はその隣の……おそらくはランドリールームだろうな。悪い、他に話せるようなことはないんだが」
「え、意外。実は、起きてすぐはけっこう動揺してたり?」
「その部屋から出た瞬間、変なもん踏んじまったからな。その驚きで記憶が飛んだ」
「いい加減にしろよお前……!」
「わーちょっと、ケンカしないでってば!」 - 151二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:16:38
探索系がほしいならケモみみや英寿なら冷静のスキルはあるけどそこは方針やら狂気点次第だよな…
- 152二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:17:34
独特なコミュニケーションの取り方をしてくるギーツと、煽り耐性がまったくないらしいバッファ。そしてその間に慌てて割り込むタイクーンの奮闘は一度放置し、ナーゴは改めて目の前の扉に向き直る。
これまでの薄い板でしかなかったドアとは違う、大きめの二枚扉。出口があるとしたらまさにここだろう──と眺めていたところで、そのつま先が硬い感触にぶつかった。
「あれ?」
影になっていて見えにくかったが、通路の片隅に木でできた箱が置かれていたようだ。それなりに重量がありそうで、少女の細腕ではとてもじゃないが持ち上げられはしないだろう。……あぁごめん、もうただの少女ではなくなった君には関係のないことだけど。 - 153二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:19:11
「ねぇ三人とも!コレ見て、コレ」
やいのやいのと背後で騒いでいた年上たちの目が自分の方を向いたのを確認し、ナーゴは木箱を指さす。
「んだそれ」
「分かんないけど、なんか入ってそう! 道長、開けて?」
「はぁ?……仕方ねぇな」
一瞬不満げに顔をしかめたバッファは、けれど文句を言うことはなく。ため息混じりに歩み寄り、箱に手をかける。蓋を持ち上げれば、それは呆気なく口を開けた。
「……これは」
箱の底に並ぶ、三つの武器。バッファが首を傾げていれば、横から伸びてきた腕がそのうちの一つを掴み上げた。 - 154二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:21:06
「なるほどな、ショットガンか」
「……英寿くん、それ、本物?」
「持ってみるか? 弾も入ってるようだし、完全に実戦用だけどな」
「え、遠慮しとく!」
ぶんぶんと首を振るタイクーンに小さく笑みをこぼしながら、ギーツは手にした銃を抱え直す。それを横目に、ナーゴもまた箱の中へと腕を突っ込んだ。手のひらサイズの銀色の筒。経験などないはずなのに、身体はこの物体の使い方をたしかに理解している。これがあれば、何かが自分たちに害をなそうとしても、光と熱の刃で立ち向かうことができるだろう、と。 - 155二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:23:25
「……おい、これ、お前のじゃねぇのか」
「え?」
自分の獲物は、既に自身の身体に組み込まれている。そんな確信ゆえに、バッファは残った一振を持ち上げ、一人手持ち無沙汰になっていた彼へと突き出した。
「でも、こんな物騒なもの……」
「この先に何があるか分からない以上、武器はあるに越したことねぇだろ」
「バッファの言う通りだ。どこかの誰かさんがご丁寧に用意してくれたものらしいしな。もらえるものはもらっておけ」
「……うぅ、わかった」 - 156二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:24:25
二人に言い含められ、タイクーンはようやく頷くと、おずおずとそれを受け取った。一振りの日本刀。ずっしりと重みのあるそれを両腕で支える。
「別にムリしなくてもいいよ? 景和のことくらい、私が守ってあげてもいいし」
「いやさすがにそれは、色々とまずいって」
「緊張感のねぇ奴らだな……」
「いいんじゃないか? 怯えてばかりいるよりかはよっぽどな」 - 157二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 20:28:11
~~~
祢音「あれ、武器持ってなかったんだね?」
ツムリ「初期装備として持っていてももちろん良いんですが、今回はこちらの方が自然かと思いまして」
大智「知識なしのドールもいたからね、いきなり武器持ち歩いてても変だろう?」
景和「俺のせいみたいに言うけど、それ大智くんのせいだからね?」
英寿「……NC、これでパーツは全部揃ってるのか?」
大智「良い質問だ。正解はNO、『たからもの』を今の君たちは持っていないよ」
道長「はぁ!? 早く言えよ!」
ツムリ「パーツの所持はあくまでPL知識ですから」
景和「たしかにそれはそうだけど……どっかで手に入れるイベントがある、ってことになる?」
大智「察しが良くなってきたね、タイクーン」
祢音「流れに従えってことね、了解了解っ」
道長「なんでお前らはんな適応してんだよ……」 - 158二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 23:44:06
たからものなんとなく目覚める前から持っているイメージだったけど違うのか…
- 159二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 00:17:46
つまりキツネ耳パーカーをこれから見つけて着る…?
- 160二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 08:19:14
たからものも早めに見つかるといいな…
- 161二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 16:01:51
たからものに関する記憶のかけらもでそうかも?
- 162二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 20:50:09
ダイスの女神さまはまだ優しいね…
- 163二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 21:22:51
~~~
それぞれに武器を携えた君たちは、意を決して扉の前に並ぶ。耳をすませど向こうの音は聞こえず、状況を掴むためには、このドアを開けて未知へと踏み出すしかない。
「……鍵はかかってないらしい。開けるぞ、準備はいいか?」
ドアノブに手をかけたギーツが姉妹たちに目を向ける。各々が頷きを返せば、不愉快なきしみを響かせながら、ゆっくりと扉が開かれ──瞬間、和やかな笑い声が君たちの心を穏やかに揺らした。 - 164二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 21:24:50
「おなかすいたぁ」「もー遅いよー!」「こらぁ、つまみ食いしないっ」「今日はなにするー?」「おままごとしよ、おままごと!」「えー、かけっこがいい!」
わいわい。がやがや。そう形容するしかない賑やかしさに、君たちは揃って面食らう。部屋の中央に置かれた大きなテーブルと、そこに集まる何人もの子どもたち。窓からは柔らかな日差しが差し込み、彼らが上げる無邪気な声と相まって、どこまでも平和な光景に映った。
あぁ、そういえば。君にとってはこの景色も懐かしいものになるのかな、ギーツ。
【行動判定:こどもたちの記憶】
英寿:dice1d10=4 (4)
- 165二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 22:12:35
ファンブルとか大きな失敗しないから目立たないけど、英寿絶不調だなぁ珍しい
- 166二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 00:27:17
(以前やったダイススレでも英寿の出目が不調すぎたことがあったのでやや不安になってきました 俺は英寿を信じる!)
「え……こ、子ども?」
「……どうなってんだ、これ」
備わっていた、あるいは教えられた知識に反した光景に、君たちは違和感を覚えるだろう。呆然と立ちすくんでいれば、いつのまにやら、幼い少女が君たちをじっと見つめているね。
「……新しいおにいちゃんと、おねえちゃんだ!」
【行動判定:少女の手】
英寿:dice1d10=7 (7)
景和:dice1d10=7 (7)
祢音:dice1d10=9 (9)
道長:dice1d10=10 (10)
- 167二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 10:10:31
詳細わかんないけどだいぶ不穏なシーンっぽいから全員成功で安心
- 168二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 20:29:44
意外とダイス神て判別つくし空気も読むよね…
- 169二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 01:47:33
保守
- 170二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 07:26:36
このレスは削除されています
- 171二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 08:35:43
このレスは削除されています
- 172二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 15:38:05
少女たちはまともなのな否なのかで変わるからな
- 173二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 20:40:24
いい目で良かった
- 174二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 21:07:19
心苦しくて消しちゃったんだけど保守めちゃくちゃ助かってます、ありがとうございます!!!
スレ主の浮上率がガバガバなばかりに申し訳ない… - 175二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 21:10:43
研ぎ澄まされた警戒心ゆえかな。パッと顔を輝かせた彼女が伸ばした腕に、君たちは反射的に身を引いた。掴む先をなくした彼女は少しだけよろけて、不思議そうに君たちを見上げる。悪意も邪気もありはしないその瞳に罪悪感を感じる姉妹もいるかもしれないけれど、少女はさほど気にした様子はなく、踊るようにくるりと背中を向けた。
「おにいちゃんたちが起きたよ、おねえちゃん──冴おねえちゃん!」
「はいはい、聞こえてるから。あんたも早く座って、ご飯にしな」 - 176二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 21:15:54
君たちよりもずっと幼い子どもたちのそれとは異なる、低く落ち着いた声。うんっ、と元気に頷いてテーブルの方へと駆けていく少女から目を離しそちらを向けば、そこには一人のアンデッドが立っている。
新たな姉妹? いやいや、まさか。君たちも直感的に理解したことだろう。同じアンデッドであっても、彼女やあの子供たちは、君たち姉妹とはまったく異なる存在なのだと。他には替えられない唯一無二の繋がり。未練とさえ言い換えられなるような激しい感情。そんなものは君たちと彼女の間にはない。ありふれたつまらない存在ってわけさ。……とはいえ、モブ役だって元は人間。君たちが往く道の手がかりくらいにはなってくれると願いたいね。
「ずいぶんな寝坊だね、四人とも。小さな子たちだってもう支度を終えてるっていうのに」 - 177二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 07:33:40
冴さん!?
- 178二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 07:34:46
冴さんか…
ただネクロニカなんだよな… - 179二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 14:21:11
こんなに穏やかで明るいのが怖い
- 180二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 20:30:53
ヤバい気がする…
- 181二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 23:57:54
呆れたように、けれど慈しむように。腕を組みながらため息をついた彼女は君たちを見やって、ふ、と表情を緩めた。
「冗談。目が覚めたばっかだしね、仕方ないよ。でも明日からはちゃんと仕事してもらうから。昔から言うでしょ? 働かざる者食うべからずって」
「え、ええと……?」
「英寿と景和は料理が得意なんだっけ? 早速発揮してもらうことになるかな。見ての通り、ここは小さい子ばっかだから。道長には力仕事を任せたいし、祢音には裁縫を手伝ってほしい。私だけじゃ手が足らなくてさ」 - 182二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 23:58:26
「ちょっと待て、なんで俺らもここに住む前提になってんだ」
「というか、どうして私たちの名前知ってるの? ……私たち、知り合いだった?」
口を挟む暇もなく、一方的に話を進めていく彼女に切り込んだバッファに続き、ナーゴもそう尋ねる。そう、君たちには分からない。人間らしく見た目を整えているらしいけれど、そんな彼女の姿にさえ見覚えはなく、馴れ馴れしい言動だけが違和感として浮き上がっていた。
はたと瞬いた彼女もまた首を傾げる。何を言っているか分からない、とでも言いたげに。 - 183二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 07:29:58
冴えさんといえどこの状況で名前知られてるの怖い…
- 184二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 17:24:46
保守
- 185二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 17:38:31
「なんでって……家族が一緒に住むのは当たり前でしょ?」
「……家族?」
「そう。私はお姉ちゃんで、あんたたちは弟と妹。心配しないで、ここには、私たちの家には、怖いものなんて何もないから」
「……、……おねえ、ちゃん」
家族。家。その言葉に、覚えがある。ただの単語とは異なる、特別な意味合い。まるでずっとこの瞬間を待っていたかのように、瞬間、いつかの記憶が脳内に弾けた。 - 186二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 17:42:47
────
──
ずっとずっと苦しくて。痛くて、痛くて痛くて、悲しくて。あの部屋から逃げ出しても、息苦しさは影のように自分につきまとっていた。
だって、なんにもない。帰る場所も、大切な人も、何もいない。自分を連れ出してくれた彼には感謝してるし、好きだけど。だけどきっと彼は、自分じゃないだれかを見ているから。
なにもない。どこにもない。この手のひらは空っぽだ。……誰からも、望まれてなんていないのに。わたしは、どうして生まれてきたんだろう?
『──……だったら、ここにいればいいよ』
『……え?』 - 187二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 17:43:51
『うちにいたらいい。狭い家だし、大したものは出せないけど……寝る場所くらいは用意できるし、君がいてくれたら、▅▅▅だって喜ぶだろうし』
発熱だけじゃない理由で潤んだ視界に彼の顔が映る。冗談でも気休めでもないらしい、真剣な色。ぎゅう、と握ってくれた手は今の自分のそれより少しだけ冷えてて、それが心地よかった。
『だから、そんな悲しいこと、言うなよ。君は……君だって、きっと──』
あの日、彼は、なんと言ってくれんだっけ。大切な言葉だった。希望をくれた言葉だった。こんな人生でも、なにかが変わるかもしれないと、信じられてしまうくらいに。
祢音:記憶のカケラ【家】獲得
目的地のない君たちの旅路。何も持たない空っぽの君。そんな君に、君たちに手を伸ばしてくれた人がいた。生まれて初めて、「ここにいたい」と思える居場所を、彼らはくれた。 - 188二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 17:48:15
────
──
消毒液の匂いと、ガーゼや包帯の感触。だから、もう十分だと思った。
『俺たちを助けてくれたのは感謝してる。だが、お前も彼女も、お人好しが過ぎるんじゃないか』
『…………』
『こんな世界だ、他人のことに構ってる余裕なんてないだろ。お前たちは互いのことだけ、』
『同じだよ、君と』
意外なほどの強い声音に遮られ、思わず言葉が止まる。閉じた扉の向こう、まだ眠っているはずの彼女を想うように視線を向け、それから自分を見た、頑固な眼差し。
『こんな世界でだって、手が届くなら掴みたい。君だってそう思ってたから、あの子たちを助けたんじゃないの?』
『……、俺たちがここにいれば、お前たちまで危険な目に巻き込むかもしれないぞ』
『よく分かんないけど……それこそ今更でしょ。このへんはまだ平和だけど、いつ、何がどうなってもおかしくないって、俺たちだって分かってる』 - 189二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 17:49:08
『だから、行くあてがないなら、ここにいてよ。何があったかしらないけど、一緒にいれば……なにか、変えられることがあるかもしれないだろ?』
何も知らないくせに。何も分かってはいないくせに。伸ばされた腕は頼りなく、あぁだけど。ようやく差し込まれた光を拒絶できるほど、人の心は強くはなくて。
……この選択をいつかきっと後悔すると、自分には、分かっていたのに。
英寿:記憶のカケラ【家】獲得
行くあてもなく、やがて行き倒れた君たちを拾ってくれた人がいた。呆れてしまうほど人の良い二人。本当は跳ね除けるべきだったその誘いを、けれど、君は……。 - 190二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 17:55:05
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──
『ねぇ、待ってって、ば!』
『……なんで着いてきてんだ』
『きみが勝手にどっか行こうとするからでしょ〜!?』
『俺は病人でもないし、あいつらのツレでもない。お前らの世話になる理由なんかねぇよ』
ざくざく、山道を歩きながら、自分を追いかけてくる彼女に言葉を吐き捨てる。それでも引く様子のない彼女は、なるほど、たしかに彼に似ていた。
『道長くんは、帰る場所あるの?』
『……寝所くらいは、適当に用意できる』
『ご飯は?ちゃんと食べれてる?』
『しつけぇな……!あそこじゃ、奪い合いや暴力なんて日常茶飯事だ。いつ死んだって、仕方ねぇと思って生きてきた……お前らとは違ぇんだよ』 - 191二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 17:55:47
悲しくも、辛くもない。だってそれが当たり前だったから。それが自分の世界だから。他の生き方なんて分からない。彼らのようには、生きられない。
『だったら、うちにいたらいいじゃん!』
それなのに、彼女たちは。まるで何でもないことのように、あっけらかんとそう言い放つものだから。
思わず足を止めた自分の手を取り、彼女は無邪気に笑う。
『一緒に帰ろ? きっと、みんな待ってるよ』
まるで、小さな子どもに語りかけるような。彼とよく似た瞳と、ぬくい手のひら。この日から、自分の世界は、形を変えてしまったのだ。
道長:記憶のカケラ【家】獲得
こちらの言い分なんて蹴飛ばして、君はある家に連れて行かれた。あたたかくて、やさしくて、穏やかな世界。自分には不釣り合いなその場所を、君は……どう思って、いたのだろうか。 - 192二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 18:06:02
────
──
助けなければ、と思った。
助けてやってくれ、と必死に訴えられた瞬間から。連れてかれた先で、ひどい高熱に弱りきった少女と、傷と泥にまみれた少年の姿を見たあのときから。
『帰る場所も、ないんだって。詳しくは話してくれないんだけど……何か色々、ワケありみたいで』
傷口を洗うのに使ったお湯を捨てながら、おそるおそる彼女を見上げる。簡単に言っていいようなことじゃない。それは分かっている、けれど。
『うちだって、余裕があるわけじゃないのは分かってる。もしかしたら、危ないことに片足突っ込みかけてるのかもしれない。だけど、俺』
『みなまで言うな、景和!』
仰々しく、まるで舞台役者のように右腕を突き出した彼女にふいをつかれる。思わず口を止めて目を瞬かせれば、その口元が優しい笑みを形作った。 - 193二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 18:08:35
『助けたいんでしょ? あの子たちを、一人にしたくないんでしょ? ……わかるよ。あんなボロボロな子たち、放ってなんかおけないもんね』
『……じゃあ』
『ここにいてもらお。怪我がよくなったら、家のこととか仕事とか手伝ってもらったらいいし!』
その反応にほっと息をつけば、反対されるとでも思ったの?と、彼女は強気に笑ってみせる。
『何年あんたの家族やってると思ってんの。あんたがあの子たちを連れて帰ってきた時点で、そう言い出すだろうなって、こっちは分かってたんだから』
『……、そっか。ありがとう──姉ちゃん』
景和:記憶のカケラ【家族】獲得
たった一人の家族とともに生きてきた。大切なあの人の顔さえ今はおぼろげで。彼女は、ちゃんと幸せに生きられたのだろうか? どんな些細なものでもいい、その記憶を、取り戻したい。 - 194二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 20:53:56
おおう…沙羅さんがどうなったか次第でかなりしんどい展開になりそう
- 195二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 21:01:19
景和のドールの生前3人を助けたのかな?
- 196二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 22:16:05
- 197二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 01:32:23
次スレありがとうございます!展開が進んできてますます先が気になりますね!
- 198二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 02:21:59
今回も面白かったです!今後の展開も楽しみにしてます!
- 199二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 08:49:31
ありがとうございます〜!埋め埋め
- 200二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 09:08:17
ありがとうございます!うめ