(SS注意)爪の手入れが日課になっているマンハッタンカフェの話

  • 1二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 00:19:52

    「おかえり、カフェ。それじゃあ、おいで」
    「……はい」

     トレーナーさんの穏やかで優しい微笑みと、どこか甘い声色。
     私は、まるでマタタビに誘われる猫のように、ふらりと彼の手招きに応じてしまう。
     トレーナー室の一部が空けられて、そこにはパイプ椅子と様々な小さな道具が用意されている。

     ────これは、トレーニング後の、トレーナーさんと私の『日課』の一つ。

     私は椅子に腰かけて、靴を脱いで、サイハイソックスへと手をかける。
     太腿の、口ゴム部分を少し引っ張ったところで、思わず手が止まってしまった。
     ウマ娘にとって脚とは、とても、特別な部位。
     私達の本能ともいえる『走る』という行為を支える、重要な器官。
     そんな大切な場所を、私は今、トレーナーさんの目の前で晒そうとしている。
     その事実が、私の頬を、少しだけ熱くさせていた。

    「……どうかしたの?」
    「…………いえ」

     トレーナーさんは、不思議そうな表情で、こちらを見つめているだけ。
     ……私の気持ちも、知らないで。
     ただ、それも当然だろう、この『日課』はすでに、何十回、何百回とこなしているのだから。
     恥ずかしいと私が勝手に思い始めたのは、つい最近のことなのだから。
     なんとも身勝手な思考を自覚して、ため息一つ。
     私は目を閉じて、ソックスを、口ゴムをそっと下ろした。
     しゅるりと音を立てて、私の肌が、太腿が、ふくらはぎが、指先が、裸の足が晒される。
     すうすうと冷たい空気が流れ込んで、少し心地良い。
     しかし、直後に、気になってしまう。
     ちゃんとシャワーは浴びて、洗ってきたつもりだけど、匂いや汚れは、大丈夫だろうかと。

  • 2二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 00:20:04

    「それじゃあ、今日も始めて行くね」

     両脚のソックスを脱ぎ去った後。
     トレーナーさんは、そんな私の不安を他所に、何てこともないようにそう言った。
     少しだけ、胸の奥にもやもやとした、不満が募る。
     ウマ娘が、生足を見せているのだ、もう少し反応してくれても良いのではないか。

     ────そして、すぐに我に返る。

     彼が、私のために時間をかけてくれているのに。
     彼は、ただ私のことを、真剣に考えてくれているのに。
     私は一人、何を考えているのだろうか。
     軽い自己嫌悪に陥りながら、トレーナーさんへと言葉を返す。

    「はい……今日も……よろしくお願いします」

     そして私は、おずおずと、足先を彼に向けて、差し出すのであった。

  • 3二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 00:20:15

     トレーニング後の、トレーナーさんと、私の『日課』。
     それは、足の爪の手入れ。
     私の身体はあまり強くはなく、特に足の爪はひどく脆かった。
     それに加えて、異常な体重の増減なども重なり、爪が割れてしまうのが珍しくないほど。
     トレーナーさんは、そんな私に、じっくりと向き合ってくれた。
     ちょっとした異常でも報告したら、すぐに来てくれる。
     色んな手法を勉強して、割れた爪をしっかりと治療してくれる。
     どんな不可思議な現状だとしても、私のため、真摯に、真剣に向き合ってくれる。
     そんな彼のおかげで、今や、私の爪は霊障などに悩まされることもなく、かなり良くなった。
     でも、『日課』は今も続いている。
     トレーナーさんが、今も私の爪に、不安を抱いているから。
     そして────私が、彼に手入れを続けてほしいと、思ってしまっているから。

    「シャワー後だからいらないかもしれないけど、まずは足を温めるね」

     そう言って、トレーナーさんは少し重たそうなタライを、私の足の下に置く。
     そこにはたっぷりとお湯の入っていて、私はそこに両足を浸した。
     熱すぎず、ほど良い温度のぬるま湯。
     じんわりとした温もりが、足先から身体へと抜けて、ほっと溜息が漏れてしまう。
     4、5分の間、今日のトレーニングの話などをして、足を温める。
     やがて、すっかり脚がぽかぽかになった頃、彼は自らの手に、石鹸を泡立てた。

    「それじゃあ、まずは足を洗っていくよ……まあ、カフェの足は十分きれいだけど」
    「…………いえ、お願いします」

  • 4二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 00:20:32

     それを、やめるなんて、とんでもない。
     それも含めて、毎日、楽しみに思っているのだから。
     トレーナーさんは私の言葉にこくりと頷くと、泡立った手で、そっと足を包んだ。
     そして、優しく揉み込むように、じっくりと、入念に足を洗い始める。
     かかと、つちふまず、指と指の間まで。
     少しごつごつとして、石鹸でぬるぬるとした彼の大きな手が、私の足をまさぐっていく。
     
    「ひゃっ……んんっ……ふあっ……」

     くすぐったさと、もどかしさと、心地良さが、神経を撫でつけていく。
     思わず、私の口からは嬌声が漏れてしまうものの、トレーナーさんはじっと足を見続けていた。
     普段は、少し緩んだ表情で、ほわほわとした雰囲気のトレーナーさん。
     今はその顔がきりっとした、鋭い顔つきで、真剣な表情で私の足を見つめている。
     いつもの優しい顔も好きだけれど────今の表情も、私は好きだった。
     
    「うん、足はこんなものかな、それじゃあ今度は、これで」

     そう言って、トレーナーさんは一旦、私の足から手を離す。
     そして、小さいブラシを取り出した。
     毛先が柔らかそうで、歯ブラシのように毛並みが揃った一品。
     彼はそれを片手に、再び私の足を手に取ると────爪先に、毛先を這わせた。

    「ふっ……んっ……! んんっ……~~っ!」

     しょりしょりと、優しく、弱々しく、丁寧に、じっくりと。
     爪の表面、爪の間、爪の横溝に、指の間が、彼の手とブラシによって、洗われていった。
     先ほどよりも繊細な感触が、私のより敏感な部分をこしょこしょと刺激する。
     甘ったるい声が出てしまうのが我慢できず、両手で口元を押さえるも、耐えられず身悶えてしまう。
     びくびくと身体を反応させてしまいながら、私はこのこそばゆい快感を、必死に受け止める。

  • 5二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 00:20:46

    「これで良し、と、うん、良く我慢してくれたね、カフェ」
    「……はっ……はい」

     いつもの、優しくて、暖かい微笑みで、私を見上げるトレーナーさん。
     私は少し火照って、乱れた呼吸のまま、ぼーっとした頭で返事をする。
     次に、彼は足に軽くマッサージをしながらも、石鹸の泡をお湯で洗い流していった。
     そして、ふわふわなタオルを手にとり、優しく足を包んで、丁寧に水分をふき取っていく。

    「……」
    「……♪」

     トレーナーさんが私の足を拭ってくれているのを見ていると、自然に尻尾が踊ってしまう。
     先ほどまでとは違って、落ち着いた気持ちで、彼の真剣な顔と、姿を観察していられるから。
     …………それと、これはちょっと、良くないことなのだけれど。
     彼が、私の前で跪いて、私の足を手入れしているという状況に、少しどきどきしてしまっている。
     妙な背徳感というか、優越感というか、そういうものを感じてしまっている私がいる。
     本当に、良くないこと、なのだけれど。

    「少し、爪が伸びてきたけど、どうする?」
    「えっ、あっ…………よっ、よろしく、お願いします」

     物思いに耽っていた私は、トレーナーさんの言葉に、慌てて反応する。
     そんな、失礼ともいえる私に、彼は嫌な顔一つせず、了解、と言葉を返してくれた。
     ……終わったら、美味しい珈琲でお礼をしないと、と心に決める。
     爪の手入れの、お返しの珈琲も、私達の『日課』の一つ。
     全てを含めて、私にとって至福の時間である。

  • 6二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 00:20:59

    「気を付けるけど、痛かったりしたら言ってね」
    「ふふっ…………大丈夫ですよ……アナタを…………信じていますから」
    「……期待に添えるように頑張ります」

     トレーナーさんは照れたように苦笑して、やすりを手に取った。
     そして少しずつ私の爪を削り、慎重にその形を整えていく。
     私は、あまり爪切りなどは得意ではないけれど、トレーナーさんになら安心して任せられる。
     …………だから、ずっと、してくれると、嬉しいのだけど。

     ────だったら、さっさと自分のモノにしろ。

     耳元に、どこからともなく、聞き慣れた静かな声が響き渡る。
     “お友だち”は、愉しそうに笑いながら、その『具体的な方法』を提案してきた。
     ……その、あまり、イケない内容にまで、踏み込んで。

    「……っ!」
    「……どうかした?」
    「なっ……なんでも……ありません……っ!」

     “お友だち”の語る、あまりに生々しい内容に、私の顔は燃え上がってしまう。
     それを不思議そうな顔で見るトレーナーさんの顔が、妄想と重なって、更に顔は熱くなる。
     そんな私の様子を見て、“お友だち”は、けらけらと大笑いをしていた。
     じろりと、彼女を睨みつけるも、まるで気にした様子もなくどこかへと消え去ってしまう。
     全くもう、トレーナーさんに対して、そんなこと…………そんな、こと。

  • 7二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 00:21:11

    「カフェ?」
    「ひゃっ、ひゃい!?」
    「…………ごめん、驚かせたかな、もうすぐネイルオイルも塗り終わるけど」

     気づいたら、すでにやすりによる手入れは終わっていて。
     いつの間にかトレーナーさんは、仕上げのネイルオイルを塗り終わる直前に入っていた。
     ……それも堪能したかったのに、少し残念。
     “お友だち”を恨めしく思いながら、私は彼の言葉を待った。

    「もう片方はどうする? 今日のカフェ、ちょっと反応が変だったし、やめておく?」
    「……いえ、絶対に、お願いします」
    「……うっ、うん、わかった」

     思わず、少し圧の強いの声が出てしまい、トレーナーさんは少し困惑していた。
     それにしても、片方で終わりだなんて、とんでもないことである。
     これで、半分。
     まだ半分あるという高揚感。
     もう半分しかないという絶望感。
     そんな複雑な想いを胸の内に抱えながら、私は反対の素足を、彼へと託した。
     
    「それじゃあトレーナーさん……私を、私の足を…………よろしくお願いしますね?」

  • 8二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 00:21:51
  • 9二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 00:38:16

    控えめに言って最高

  • 10二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 00:43:29

    脚フェチ我輩、興奮のあまり死亡 エロは一切ないはずなのになんかエロスを感じる……

    それはそれとしておともだちが語った内容について詳しく

  • 11124/04/17(水) 07:19:25

    >>9

    ありがとうございます

    そう言ってもらえると嬉しいです

    >>10

    素足は何故こんなにも魅力的なのか

    お友だちの話していることは公共の電波には乗せられないから……

  • 12二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 08:02:54

    エッチなことしたんですね?(早計)

  • 13二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 09:43:24
  • 14124/04/17(水) 20:00:36

    >>12

    足の手入れだからセーフ

    大健全ですね

    >>13

    みんなが思い描くシチュなんですよね

  • 15二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 05:51:12

    特におかしなことはしていないはずなのに、なぜこんなにKENZENなんだろう

  • 16二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 08:41:34

    ただお手入れしてるだけなはずなのにそこはかとなく漂うインモラルな香り

  • 17124/04/18(木) 10:12:29

    >>15

    カフェはどことなくインモラルな雰囲気がするからね

    仕方ないね

    >>16

    なぜこの子はこういう感じの空気が似合うのか

    調査員はこの謎を調べるためトレセン学園へとt

  • 18二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 10:13:40

    爪の手入れってエッチだなぁ…(褒め言葉)

  • 19124/04/18(木) 21:49:35

    >>18

    敏感な部分の手入れだからね

    声くらいは出ます

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