- 1二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 21:21:15
- 2スレ主24/05/06(月) 21:28:47
まず自分の作りやすい順番で決めさせてもらう。
性別は
dice1d2=
1.男
2.女
パイロットとしてのステータスはガンダム主人公で例えると
dice1d6=
1.アムロ・レイ 未来予知レベルの先読み能力を持つ鬼畜系
2.アセム・アスノ 特殊能力は無いがステータスが異様に高い
3.ガロード・ラン 特殊能力は無いが意思がやたらと強い
4.ヒイロ・ユイ 廃人量産システムの負荷に耐えられる精神力持ち
5.ドモン・カッシュ 素手でMS壊せる
6.該当無し だってレプリロイドだから
- 3スレ主24/05/06(月) 21:29:57
- 4スレ主24/05/06(月) 21:33:06
使う機体
dice1d4=1 (1)
1.AEG2
2.マクロスのバルキリー
3.クロスボーンX1改・改
4.スターフォックスの戦闘機
- 5二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 21:33:56
男でガロードみたいな意思強で機体はAGE2と
- 6二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 21:35:39
コズミック・イラでは珍しいメンタルつよつよキャラ?
- 7スレ主24/05/06(月) 21:36:59
髪の色
dice1d5=5 (5)
1.青
2.金
3.茶
4.黒
5.白
光彩
dice1d7=5 (5)
1.青
2.赤
3.黄
4.緑
5.紫
6.茶
7.黒
- 8スレ主24/05/06(月) 21:39:32
顔のタイプ
dice1d4=4 (4)
1.クール系
2.優男系
3.ショタ系
4.中性的
年齢10+dice1d8=3 (3)
身長140+dice1d40=18 (18)
- 9スレ主24/05/06(月) 21:41:18
軍事関係の知識はあるがガンダムSEEDの知識は
dice1d2=2 (2)
1.ある
2.ない
- 10スレ主24/05/06(月) 21:48:32
キャラシート
名前:ウィル・ピラタ
年齢:13(種開始時)
身長:158
髪:白
光彩:紫
外見タイプ:中性的
初期搭乗機体:AEG2
C.E世界に来ることになった少年。
元の世界ではBDタイプのガンプラバトルが存在する世界でAEG2使いとして活躍していたが
ガンダムシリーズの知識はほとんどない。 - 11スレ主24/05/06(月) 22:03:04
最後に覚えている記憶は、GBNでのミッションを終え、ログアウトしようとしたその時だ。
突然自分の視界は光に包まれ、気が付けばどこかのコロニーの中に居た。
いくらメニュー操作をしようとしても何も出てこないし、頬をつねろうが
頭をぶつけようが痛いだけで何かが変わる気配はない。
正直今すぐに叫びまくりたくなってしまったが、認めざるを得ない。
自分はどこぞのなろう系小説よろしく、異世界に来てしまったのだと。
「どうすりゃいいんだよ……」
何も変わらないとわかっていても、愚痴の一つでも吐かなければやってられない。
いくばくかの時間を経て、ようやく落ち着いた俺は現状確認を知ることにした。
こういう切り替えの早さは俺自身の長所であり短所だ。
愛機であるAEG2のコックピット内が現在地であり、動かし方は完全に染みついている。
しかしコロニー内で下手に動かすのは不味いと理解できる。
仕方ないので、一旦機体を降りてそとを探索してみようと思う。 - 12二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:06:26
よく見たらシンと同い年か?
- 13スレ主24/05/06(月) 22:14:18
情報探索を進める内に、ここはヘリオポリスというコロニーであること。
C.E.(コズミック・イラ)71年で、遺伝子調整を受けて生まれてきた人種であるコーディネーターが
集まってできた国家プラントと、地球の国家が詰まってできた組織である地球連合が1年近く戦争をしている
世界であることが理解できた。
確か、ガンダムSEEDなる作品がそんな設定だったと聞いたことがある。
しかし恥ずかしい事ではあるが、俺はガンダム作品をほとんど見たことがない。
原作知識を生かせない状態なのだどバンテージが存在しないのだ。
(どうしたもんかな……)
できるなら戦争など関わりたくない。
そんなものはゲームだけで十分だ。
しかし後ろ盾無しの未成年である自分ではAEG2で傭兵やる以外に食べていく手段は無さそうだ。
覚悟を決めるしかないと思ったその時、肩に緑色の鳥型ロボットが止まった。
???「トリィ!」
すると茶髪で紫の目をした少し年上らしきdice1d2=が駆け寄ってきた。
1.少年
2.少女
- 14スレ主24/05/06(月) 22:14:45
dice1d2=2 (2)
- 15二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:40:48
アイエTSキラさん!?
TSキラさんじゃないですか! - 16スレ主24/05/06(月) 22:42:13
ウィル「貴女のですか?」
俺が尋ねると同時に、トリィと呼ばれた鳥形ロボットは少女の肩に戻り、今度は俺の手に乗ったりと、
俺と少女の間を行ったり来たりする。
どうやら好かれたらしい。
???「珍しいね、トリィが初対面の人にこれだけ懐くなんて」
ウィル「意外と人見知りなんですね」
正直こんな美少女とお近づき慣れるのは緊張するが、変に警戒されて
このコロニーを出ていく羽目になるは都合が悪い。
俺はできる限り自然な態度をとるよう心掛けた。 - 17スレ主24/05/06(月) 22:42:26
ウィル「俺はウィル、ウィル・ピラタです」
キラ「ウィルか…私はキラ、キラ・ヤマトよ、貴方はここの住人?」
ウィル「いえ、今日来たばかりです」
キラ「ご両親の都合で?」
ウィル「いえ、親はいません……だから根無し草って奴です」
キラ「あ…ご、ごめん」
ウィル「気にしないでください、親が死んでから長いんで」
資産家だった両親は早くに死んでしまい、がめつい親戚が集まって来る光景を見た後だと
大抵のことは気にならないものだ。
ウィル「それで今日の寝床はどうしようかなって思ってたんですよ」
一応確認したが、コックピット内にはノーマルスーツと結構な額の現金があった。
当分は生活できるだろう。
するとヨシと一言いいながら、キラは立ち上がる。
キラ「なら家においでよ、一人ぐらいなら増えても大丈夫だからさ」
ウィル「迷惑じゃないですか?」
キラ「子供が遠慮しないの、トリィが懐くってことは悪い人じゃなさそうだしね」
今の俺は13歳、庇護下に入らなければ都合が悪い。
幸い拳銃なら持ってるから面倒なことになっても逃げられそうだ。
ウィル「それなら、お世話になります」 - 18二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:53:25
ふむ……まだ襲撃の日じゃない感じかな?
この様子だと - 19スレ主24/05/06(月) 22:56:10
あれから数か月たった。
キラの父ハルマと母カリダはいい人で、快く俺を受け入れてくれた。
両親が生きていたころを思い出し、俺は自然と二人を父・母と呼ぶようになった。
ただ、
dice1d3=3 (3)
1.二人の惚気姿を延々と見せられるのはくるものがあった
2.カリダ母さんに着せ替え人形にされるのは辟易とした
3.キラの拘束具の様な趣味の私服はどうかと思った
それからキラの学友であるトール・ケーニヒ、ミリアリア・ハウ、カズイ・バスカーク、
サイ・アーガイル、フレイ・アルスターとも仲良くなった。
どちらかというとマスコット扱いされいるのかもしれないが
- 20二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 23:05:38
やっぱりキラのベルト服はダメだよな
- 21二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 23:07:41
女の子でもあのベルト服なのか…
- 22二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 23:12:32
そういやウィル君は一応コーディ?ナチュラル?
SEEDの世界だし転生特典でコーディにされててもおかしくなさそうだが - 23スレ主24/05/06(月) 23:19:02
おまけにキラ・ミリアリア・フレイに着せ替え人形にされたり、
キラと一緒にゼミの教授から出されたプログラムの修正作業をしたり、
没頭するキラのストッパーを務めたりと今のところ平和だ。
だがドンパチ戦争をやってるガンダム世界、油断はできない。
夜中にこっそり抜け出してAEG2のコックピットで難易度EX(歴代主人公とそのライバルが
最強のコンディション+最強の搭乗機で襲ってくる)をこなしたり、
コックピット内に水と食料、酸素ボンベを詰め込むなど準備を怠らない。
新しい義両親と、優しく繊細な義姉を戦争に巻き込みたくないのだ。
現在のウィルとキラの関係、一緒過ごした時間の20に+
ウィル>キラ dice1d100=88 (88)
キラ>ウィル dice1d100=74 (74)
50以下で仲のいい兄弟
60以下で自覚は無いけど異性として見てる
70以下で自覚ありで異性として見てる
80以下で夜のおかずにしてる
それ以上だと二人きりの時に押し倒しそうになる
- 24二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 23:21:45
ウィ……ウィルくん……ませ過ぎでは……?
いやキラもキラなんだが - 25スレ主24/05/06(月) 23:25:59
なんせ俺はキラを完全に異性として見てるからな。
おまけにやりたい盛りな10代男子の体のせいで私欲を我慢するのに一苦労だ。
ナチュラルの俺ならコーディネーターのキラとも子供を作りやすいみたいだし。
とにかく、何時巻き込まれてもいいようにできる限り準備をしておこう - 26二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:13:55
あっナチュラルなのか君い
- 27スレ主24/05/07(火) 06:10:03
サイ「はいこれ、追加の品だってさ
見せればわかるって言ってた」
キラ「うぇぇ、また?」
ウィル「キラねぇのこと便利に使いすぎじゃないか?」
本日もまたゼミの教授から出されたデータの解析という名の残飯処理を押し付けられている。
これでも元の世界では勉強してSEの資格とったので、これぐらいはできるのだ。
ウィル「しっかし、教授もよくやるよ」
カズィ「どうした?」
ウィル「これMS用のOSだぞ、粗悪品以下の出来だけど」
俺の呟きを聞いた5人が固まる。
ウィル「何驚いてるのさ、中立はあくまで[ドンパチやる際にはどっちの味方もしない]ってだけ。
その立場を守るには圧倒的な力が必要。そして現代戦の主役はMSだから、自前で開発を進めるのは
当然のことだろ?、ジャンク屋からジンを買えるだろうし」 - 28スレ主24/05/07(火) 08:06:24
トール「……あれ? お客さん?」
ところで、トールが壁にもたれかかっている見慣れない姿の少年を見つけた。
硬質な金髪をし、帽子を深めにかぶっている……おそらくはキラたちと同い年だ。
サイ「教授のお客さん。ここで待ってろ、って言われたみたいだ」
カズィ「お客さん?へえ……」
きな臭い物を感じる。
何というか、ガンダムの第一話の始まりみたいな危機感が。
その時、大きな地震が起こった。
部屋が揺れ、俺達は姿勢を崩す。
キラ「──隕石!?」
ミリアリア「いったい、何が!?」
室内は停電を起こし、キラ達はパニックに陥った。
ウィル「隕石じゃない!この揺れ方は……襲撃だ!」 - 29スレ主24/05/07(火) 08:36:16
「────襲撃!? どうして!」
一般市民からその言葉を受けて、キラ達はその言葉を疑った。
「さあ、わからんよ!いきなりザフトの連中が、ここに攻撃を仕掛けて来たんだ!」
ここは中立国──それは、地球軍にもザフト軍にも組みさない──〝オーブ〟が所有するヘリオポリスの内部だ。
そこへ、ザフトのモビルスーツが突如、襲撃を仕掛けて来た、というのだ。
避難している、一般人の男性が言った。
(ということはハードだけだけど、オーブがジンより高性能なMSを完成させた。
それを技術協力で連合が手にするを恐れて奪いに来た。
あるいは連合がここにあるモルゲンレーテ社と共同開発していたのを奪いに来たか、だな)
「考えるのは後でいい! 君たちも早く、近くのシェルターに避難するんだ!」
言われ、トールたちはすぐさま貴重品を身に着け、避難の準備を開始する。
その時、シェルターへと避難しようとするトール達とは反対側の方向に、キラが駆け出していた。
ミリアリア「え、ちょっとキラ!どこ行くの!?」
キラ「なんか、さっきのお客さんがこっちに!大丈夫、すぐに連れ戻して私もシェルターに避難するから!」 - 30スレ主24/05/07(火) 08:36:26
キラが言うには、先程の[教授のお客さん]がこの震動と共に血相を変えて、
シェルターではない方向に駆け出してしまったのだという。
キラはそれを、連れ戻そうと行動しているのだ。
ウィル「dice1d3=」
1.俺も行く、キラねぇ一人だと怪我じゃ済まなそうだ
2.バカ!とろいキラねぇが言ってどうするんだよ、俺が行く
3.何言ってんだよ!?逃げるのが先だろ!
- 31二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 08:36:45
このレスは削除されています
- 32スレ主24/05/07(火) 08:53:45
dice1d3=3 (3)
- 33二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 18:00:41
ほほう……?さてさて、どうなるかな?
- 34スレ主24/05/07(火) 19:08:52
俺が制止するが、キラは構わず駆けだしてしまう。
ウィル「くそ!」
おまけに、爆発のせいで道がふさがってしまう。
ウィル「しかたない、皆はシェルターに」
ミリアリア「皆って、ウィルはどうするの!?」
ウィル「まだ俺一人なら通れそうだ、キラねぇの安否を確かめてくる」
躊躇したようだが、俺が語尾を強くして促すと、
サイが率先して皆を誘導した。
(時は来た……ってところか)
俺は懐からdice1d5=5 (5)
1.SAMURAI EDGE バリー・バートンモデル
2.HK45 TACTICAL
3.マテバ 2006M
4.MK23 SOCOM ピストル
5.マテバ モデロ6 ウニカ
を取り出し、AEG2の元に走る。
生身で追いかけるよりもMSで救出した方が早い
- 35二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 19:11:35
AGE2の誤字がそろそろ目につき始めた
- 36スレ主24/05/07(火) 19:49:38
全然ザフトのモノアイMSが少ない。
どうやら襲撃は歩兵部隊が主力なようだ。
ようやく、AGE2の元にたどり着いた俺はエンジンを始動させてグリップを握る。
俺のAGE2は白ベースにパープルをアクセントカラーにした塗装を施しdice1d4=3 (3)
1.ノーマルにダブルバレットとダークハウンドの機能を追加した全部乗せ
2.クロスボーンガンダムの機能を持たせている
3.アーウィンの機能を持たせている
4.ウルフェンの機能を持たせている
おかげで原型期よりも異形感が増したデザインになっているし、
胸のAGEシステムを搭載している場所は発行するジョリーロジャー(海賊旗)を模したデザイン
なので悪役っぽい。
個人的は結構気に入ってるのだが。
確認すると、青、緑、黒の三機のガンダムらしき機体がコロニー外に出ていくのが見えた。
どうやらざふとにうばわれてしまったようだ
- 37スレ主24/05/07(火) 20:23:32
一応アーウィン(スターフォックスの戦闘機)のスペック。
最小旋回半径 17sm
推進機関 プラズマエンジンNTD-FX壱型
重力制御系 G-ディフューザーシステム(反重力発生装置)
最大出力 5000万SPW
最高速度 M4.2(大気圏内)
武装 レーザー砲×3門(最大出力なら巡洋艦を一撃で撃墜できる)
スマートボム(巡洋艦を撃沈できる広範囲爆弾)
防御装備 エネルギーシールド発生装置
ローリングシールド(回転することで光学・実弾両方を防げる、格闘というか大質量は無理)
上記の機能をAGEが持っている。
ただし、ワープや太陽表面の飛行はできない。
そこまでの再現技術は持ってなかった。 - 38二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 23:37:27
なんだこの化け物戦闘機……
- 39スレ主24/05/07(火) 23:51:22
- 40スレ主24/05/08(水) 10:58:15
ウィル(キラねぇ)
焦燥感を必死に宥め、俺はキラが向かったであろう方向に
ストライダー形態のAGE2を飛ばす。
仮にコロニー内の戦闘になれば、使える武器はビームサーベルを改造した
ビームカトラスと、追加した頭部バルカンしかない。
他の武装は強力すぎてコロニーを壊してしまうだろう。
ウィル(アーウィンを再現したのはやりすぎだったな)
キラが居るであろうモルゲンレーテ工場に付くと、ジン一機。
それとトサカみたいなメインカメラが特徴がガンダム、それから
初代ガンダムを思わせるカラーリングのガンダムが居た。
ジンはトリコカラーのガンダムに襲い掛かり、
トサカのガンダムは離脱する。
(てことは、トリコカラーの他は取られちまったってことか) - 41スレ主24/05/08(水) 17:08:24
トリコカラーの足元を見ると、サイ達がいる。
欠陥機なのか、それともパイロットがへぼ以下なのか、ガンダムの動きが悪すぎる。
このままではサイ達は踏み潰されてしまうだろう。
ウィル「させるかーーーー!!」
覚醒後のアセム・アスノを100とした場合、
ウィルの技量は元の世界での経験と難易度EXのシュミレーター(最強状態のコンデションと機体を備えた
歴代主人公とライバル、ラスボスが次々と襲ってくる)で50+dice1d100=19 (19)
種最終決戦時の種割れしていないキラは50とする
- 42二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 23:09:43
あれそんな上がってねえなあ……?
流石にシミュが化け物すぎるからか……? - 43スレ主24/05/09(木) 07:42:04
MS形態に変形し、ドッツライフルを左腕にマウントしてから
サイドアーマーのビームカトラスを引き抜き、二刀流で構える。
ウィル「民間人、巻き込んでんじゃねぇ!」
一太刀で右腕を切り落とし、二太刀目で剣ごと左腕を切り落とす。
ビームシールドごと相手を叩き斬る為の武器だ、あんなちゃちな剣で防げるわけがない。
そして最後にコックピットを串刺しにして勝負を決める、制圧完了だ。
下手に爆発させたらコロニーに穴が開くからな。
一息つきたいところだが、キラを探すというやることが残っている。
とろい動きしかできなくてもそれぐらいの手伝いはできるだろうと、俺は
トリコカラーに接触通信を入れる。
ウィル「パイロット、聞こえるか?」
キラ『その声はウィル!?』
ウィル「キラねぇ!?なんで!?」 - 44スレ主24/05/09(木) 19:42:18
驚いたことに、トリコカラーのガンダムに乗っていたのはキラだった。
モニターを見ると、キラと一緒に茶髪でスタイルのいい妙齢の美女がコックピットに居る。
キラ『教授のお客さんをシェルターに入れたんだけど、もう一杯で私は入れなかったの
それで他のシェルターを探していたら、ザフトと連合の戦いに巻き込まれて……』
ウィル「付いて無いにもほどがあるでしょ」
無事を喜べばいいのか、巡り合わせの悪さに呆れればいいのか。
キラ『それよりそのMS、それも連合が作った機体なの?』
ウィル「いや、これは俺が足として使ってた自前
それよりもバッテリーは大丈夫?」
この世界では宇宙世紀と違い、核融合炉の実用化はできていない。
小型化できた分裂炉はニュートロンジャマーで使えない。 - 45スレ主24/05/10(金) 07:40:34
だからMSもMAもバッテリーに充電した電力で動いている。
充電が切れたらただのでくの坊になってしまうのだ。
消費電力がどれほどの物かは分からないが、こんな状況では満足に充電はできてないだろう。
キラ『ちょっとまって……半分を切ってる、でも工場じゃ充電できない。
おまけにOSがメチャクチャ、よくこんなので動かそうと思ったわね』
???『まだ全て終わってないのよ!しかたないでしょう!』
ウィル『未完成品かよ』 - 46スレ主24/05/10(金) 08:59:15
キラ『先にOSの調整をするわ。キャリブレーション取りつつ、ゼロ・モーメント・ポイント及びCPGを再設定。
だめね、なら疑似皮質のイオンポンプに制御モジュール直結、ニューラルリンゲージ・ネットワーク再構築。
メタ運動野パラメータ更新、フィードフォワード制御再起動。
伝達関数、コリオリ偏差修正。運動ルーチン接続、システムオンライン、ブートストラップ起動』
ウィル「教授、やっぱMSのOS作ってたな」
キラ『うん、押し付けられた残飯と同じ物だったわ』
とりあえず動けるようになったトリコカラー、ストライクの充電をするために移動することにした。
でもその前に運悪くシェルターに入れなかったらしいサイ達を回収しなければ。
トール「キラ!?ウィル!?どうして、お前達がモビルスーツに!?」
MSから降りた俺達に、皆が駆け寄ってくる
キラ「戦闘に巻き込まれてね。炎に巻かれそうになったから、モビルスーツに逃げ込んだの」
ウィル「俺は元々持ってたんだよ、足兼護身用にな」
俺は医療キットを取り出し、ミリアリアと共に女性の手当てを行う。
撃たれたようだが弾は貫通しているし、臓器は外れている。
応急処置だけでも十分だろう。
サイ「キラ、その人は?」
キラ「地球連合の将校さんだって」
???改めマリュー「マリュー・ラミアスです」
簡単な自己紹介をしている傍ら、呑気にストライクに近づこうとするトール達を引き留める。
民間人が軍の秘密兵器にみだりに触れるのは不味い。
それが分からない彼らが暢気すぎるほど平和ボケしてるのか、俺の理解力の方が上なのか。
多分公社だろうな、この体は13歳だが本来の年齢は20+dice1d25=19 (19) だし
- 47スレ主24/05/10(金) 13:42:06
マリュー「申し訳ないけど、あなたたちをこのまま解散させるわけにはいかなくなりました。
事情はどうあれ、軍の最高機密を見てしまったあなたたちは、しかるべき所と連絡が取れ、
処置が決定するまで、私と行動を共にしてもらいます」
ウィル「でしょうね」
マリュー「ウィル君は文句言わないのね」
ウィル「生きるか死ぬかの状況だったとはいえ、勝手にモビルスーツを動かして
何もないと思うほど暢気じゃないですよ」
たとえ故意ではなく偶発的な事故だったとはいえ、自分達は軍の重要機密に触れてしまった。
そうなったからには例え中立の民間人でもマリューは一人の軍人としてただで帰す訳にはいかない、
ツナギすがたからして技術士官か将校だし、尚更。
しかしキラ達からすれば横暴で理不尽だろう。
特にキラは優しくて繊細だ、ドンパチの世界に放り込まれたら速攻でつぶれるだろう。 - 48スレ主24/05/10(金) 20:18:19
マリュー「乱暴でもなんでも、戦争をしているんです!
プラントと地球、コーディネーターとナチュラル。貴方達の外の世界はね」
自分から踏み込まなかったとしても、結果的に関わらなければならない時もある。
自分が知らない内に、自分のせいで誰かが死んでいる事もある。
そしてそれはどこへ逃げようとも変わることない。
社会人として世の中という物を味わったことのある身として、俺はそのことを知っている。
ウィル(儘ならないよな………)
今の状況が異世界転生なのか別の事案なのかは知らないが、現実である以上
都合が悪い流れになることの方が多い。
憧れるようなものではないのかもしれない。 - 49スレ主24/05/11(土) 02:36:26
ストライクの充電のために工場区にたどり着いたが、幸いなことに敵はいないようだ。
ストライクは背中に追加装備であるストライカーパックを装備することで、
充電と作戦内容に合わせた性能変更ができるらしい。
俺がAGE2で瓦礫を撤去し、サイ達がパックを積んだトラックを運転することになった。
サイは不機嫌そうだった。銃を向けられて指示されるというのは好む人間の方が少ない。
だが俺がとりなしたので、渋々だがやってくれた。
マリューはストライクのコックピットで友軍との連絡を試みてみるそうだ。
一応モルゲンレーテのシェルター区画へサイ達を送れないか?
安全な避難場所や通信設備は?と聞いたが、マリューは否定した。
内部は襲撃により破壊されていて爆発、火災の危険がある。隔壁の解除も簡単にはされない。
だから外側にある搬入区画に立ち入るのが精一杯だと。
ため息が出てしまったが、この状況では仕方ない。
少しして、サイとミリアリアが乗って来たのはナンバー5と書かれたコンテナトレーラーだった。
サイ「ナンバー5のトレーラー……あれでいいんですよね?」
マリュー「ええそう……ありがとう。一応聞きたいんだけど、他のナンバーは無かったかしら?」
サイ「ありましたよ。でも瓦礫で潰れてしまって、動かせそうにありませんでした。
ていうか、ナンバー5の書かれたコンテナが二つありましたから、どっちか迷いましたよ。
両方持ってくる事にしましたけど」
マリュー「……二つ? ナンバー5のコンテナが? 搬入区画に?」
サイ「ええ、ついでに4のコンテナトレーラーもありましたから、
使えるかと思って持ってくる事にしました。良かったですか?」
その言葉に、マリューは首をかしげる。 - 50スレ主24/05/11(土) 09:25:09
マリュー「それは確かにストライクの? ……あ、いえ、なんでもないわ、忘れてちょうだい」
サイ「ええ。今トールとカズイで乗ってきます。ちょっと大きいんでゆっくり来るそうです。
……ホンとに運転許可と通行許可は出してくれるんですよね?
後で訴えられるとか冗談じゃないんですけど」
マリュー「緊急時ですから、私が許可をします。
貴方達は協力してくれたという形でね……それに聞かれるまでは、
黙っていれば誰も分からないでしょう。……二つ、ねぇ」
ナンバー5のコンテナが開くと、ストライクの高長に匹敵する長大なビーム砲と
肩に装着するであろう機関砲とミサイルランチャーがセットになった武装が入っていた。
どう見ても対艦用や拠点攻防用の砲撃戦仕様だ。
マリュー曰く、ランチャーパックと言うらしい。
ウィル「これ……他にありませんか?こんなデカい武器危ないですよね?」
肩の方はともかく、アグニなる名称のビーム砲は過剰火力だ。
下手にぶっ放したらコロニーに穴が開く。
マリュー「別に撃つ必要はないわ。でもこのオプションパックを付けてもらわないと、
身動きが取れないの。急いで」
別装備は今のところ確保できていないと言われると、キラは渋々といった表情で
マリューに指示された手順に従って装着作業を行う。 - 51スレ主24/05/11(土) 09:25:20
次の瞬間、内壁の一部が爆発して振動が伝わってきたかと思えば、黒煙の中からモビルスーツが現れた。
ウィル「新手か!」
モニターにシグーと表示される。
どうやらジンの発展型らしい。
その後に連合のMA、メビウスゼロもやって来る。
ウィル「キラねぇ!アグニは絶対使うなよ」
俺は舌打ちしつつ、ビームカトラス二刀流でシグーに向かっていった。
ウィルdice1d100=50 (50)
ムウdice1d100=86 (86)
クルーゼdice1d100=70 (70)
ウィルとムウの合計値がクルーゼを上回れば完封
- 52スレ主24/05/11(土) 20:48:10
爆煙を切り裂きクルーゼのシグーとムウのメビウスゼロが現れる。
クルーゼ「ん?……ほうアレか」
ムウ「最後の一機……!?」
戦闘中の二人の視線が最後の一機であるストライクに向けられるが次の瞬間、AGE2に思考を奪われる。
ムウ「何だあの機体……試作機は全部で五機の筈だろ!」
ラウ「報告では五機の筈だが…?」
両者にとってもAGE2は全くのイレギュラー。
ムウは明らかな困惑を、クルーゼも疑問を抱くがやる事は変わらない。
ストライクの所に急行するシグーの進路にメビウス・ゼロがリニアガンを放つが、
クルーゼは巧みにシグーを動かしムウの攻撃を回避していく。
そして一瞬の隙を突いて、シグーの剣がメビウスゼロの最後の武装であるレールガンを斬り飛ばそうとするが、
一瞬の隙を付いて、AEG2の左腕を切り落とす。
クルーゼ「なに!?」
更にAEG2はシグーを蹴り飛ばし、頭部バルカンで追撃を加える。
それをシグーは躱すが、今度はメビウス・ゼロのレールガンが右足を破壊する。 - 53スレ主24/05/11(土) 20:48:22
クルーゼ「機体性能……いやパイロットも相当だな」
クルーゼも歴戦のパイロット、AGE2もそれを操る乗り手も
ただ物ではないと理解する。
クルーゼ「この羽根つきと最後の1機、ここで落としておかねば──」
だが、既に四肢の半分を失っている状態では非常に困難だ。
撤退を選択しようとしたその時、コロニーの隔壁を吹き飛ばして何かが現れる。
クルーゼ「ん?新型か!仕留め損ねたか!?」
ウィル「戦艦?コロニーの中にか!」
流石に多勢に無勢とクルーゼは機体を反転、撤退していく。
クルーゼ(追っては……来ないか)
味方を守ることを優先したらしく、追撃は無し。
そのことにクルーゼは安堵しつつ、母艦のヴェサリウスに戻るのだった。 - 54スレ主24/05/12(日) 07:44:37
???「ラミアス大尉!よくご無事で!」
戦闘が終わり、サイ達を手のひらに乗せたストライクとAGE2が戦艦アークエンジェルに着艦する。
降りてきたマリューに向かって地球軍の軍服を纏った者達が集結し黒髪が声をかけた。
マリュー「バジルール少尉!」
ナタル「御無事で何よりでありました!」
マリュー「貴方こそ、よく【アークエンジェル】を…お陰で助かりました」
地球軍の敬礼をし合うマリューとナタル。
その後ろで、俺とキラはコックピットから降りる。
MSから降りてきたのが正規兵ではなく、まだ幼さが残る子供と知り、辺りからざわつきが起こる。
???「おいおい何だってんだ?子供じゃないか!あの坊主と嬢ちゃんがアレに乗ってたってのか」
???「それよりも、あのGらしきMSはなんだ?」
アークエンジェルの整備長らしき色黒の男性が、髪をガシガシとかき呆れたように言う。
G兵器は連合軍の機密中の機密、それを操っていたのが子供とは何の冗談だ?っと思ってるのだろう。
それにあのGに似たMSは何だと、アークエンジェルのクルー達は俺達に奇怪な視線を向ける。
ナタル「ラミアス大尉…これは?」
ナタルは軍人らしい面構えでマリューを見つめマリューも答えを渋るような表情を浮かべるが、
答える前にハンガーの奥から声が響く。 - 55スレ主24/05/12(日) 19:40:56
???「へー、こいつは驚いたな」
そこに居たのは、メビウス・ゼロから降りた金髪の男だった。
ムウ「地球軍、第7機動艦隊所属、ムウ・ラ・フラガ大尉、よろしく」
マリュー「第2宙域、第5特務師団所属、マリュー・ラミアス大尉です」
ナタル「同じく、ナタル・バジルール少尉であります」
ムウの敬礼にマリューとナタルもビシッとした敬礼し返す。
ムウ「乗艦許可を貰いたいんだがね、この艦の責任者は?」
ムウの言葉に、ナタルの表情が沈痛なものになっていく。
ナタル「……艦長以下、艦の主立った士官は皆、戦死されました。
よって今は、ラミアス大尉がその任にあると思います…」
マリュー「え…」
ナタル「無事だったのは艦にいた下士官と、十数名のみです。私はシャフトの中で運良く難を…」
マリュー「艦長が…そんな…」
ナタルから言われた現実にマリューは深いショックを受けている様子だった。 - 56スレ主24/05/12(日) 19:41:06
ムウ「やれやれ、なんてこった。あー、ともかく許可をくれよ、ラミアス大尉。
俺が乗ってきた船は落とされちまってね」
それでも、ムウが催促するようにマリューを見つめる。いつ迄も落ち込んでられないとマリューは姿勢を正した。
マリュー「あ…はい、許可致します」
ムウ「で、あれは?」
あれというのはストライクから降りて友人達に囲まれている俺達と、
向こうからしたら謎のMSであるAGE2を指しているのだろう。
マリュー「御覧の通り民間人の少女です。襲撃を受けた時、
何故か工場区に居て…私がGに乗せました。キラ・ヤマトと言います。
あのGに似たMSはAGE2、あの少年ウィル・ピラタが個人所有している物だと。
尋問の結果、彼もただの一般人です」 - 57スレ主24/05/13(月) 06:48:13
- 58スレ主24/05/13(月) 07:27:48
ムウ「ふーん」
マリュー「…う、彼等のおかげで、先にもジン1機を撃退し、ストライクだけは守ることができました」
ナタル「ジンを撃退した!?」
???「あの子供が!?」
マリューの言葉にナタルを含めたクルーが驚いたように声を上げた。
連合の兵器では全く歯が立たなかったジンを正規兵でもない子供が撃破した。
その事実はそれ程に大きな物である現れだった。
しかしムウは気にせず、俺達の前まで歩いた。
キラ「な、なんですか?」
ムウ「………………」
ムウは俺達を交互に見つめると、何でもないような口調で言った。
ムウ「君達、コーディネーターだろ?」
途端に、空気が張り詰めるように緊張する。 - 59スレ主24/05/13(月) 19:04:46
ウィルの選択dice1d3=2 (2)
1.無言でキラの前に立つ
2.ムウに銃を向ける
3.だからどうした?っとキラを庇う
- 60スレ主24/05/14(火) 06:43:17
マリューがこの野郎と言わんばかりにムウを睨み付けている。
それに気づいたナタルは、ちょっと引いている。
キラ「はい」
キラが答えると、船員の後ろにいた兵士たちが銃を構えた。
それに反応し、俺はムウに銃を向ける。
ウィル「あんたブルーコスモスか?だったらなんだ」
ムウ「待て待て待て!俺が悪かった!」
マリュー「銃を下ろしなさい」
ナタル「ラ、ラミアス大尉…これはいったい」
マリューが命じると、兵士が銃を下ろした。
マリュー「そう驚くこともないでしょう?ヘリオポリスは、中立国であるオーブのコロニーですもの。
戦火を避けて、ここに移ったコーディネーターもいるでしょうし」
キラ「ええ、私は第一世代ですから」
ムウ「両親はナチュラルか……」
他意は無かったらしく、俺も銃を下す。
ムウ「俺は、ただ聞きたかっただけなんだ。
ここに来るまで、テストパイロットたちのシミュレーションを見てきたが、
あいつらは鈍くさ動かすのにも四苦八苦してたからな」
ムウは肩すくめると、マリューたちの方を向いた。
- 61スレ主24/05/14(火) 16:57:09
ムウ「で、これからどうする?出港の準備は、どれくらいできてるんだ?」
ナタル「準備の途中でしたので、殆ど進んでおりません」
ナタルの返答に、溜め息を吐くムウ。
ムウ「そうか、ならなるべく急ぐしかないな。外にいるのはクルーゼ隊だ。すぐに仕掛けてくるぞ」
ムウの言葉に気持ちを切り替えたマリューが、艦長として指示を出す。
マリュー「まずは、物資の搬入を最優先とします。
ストライクのパーツと、航海に必要な物を積めるだけ積みます」
マリューの言葉を受けて、準備を始める船員たち。 - 62スレ主24/05/14(火) 16:58:11
ウィル「なら俺もAGE2で手伝おう、この船が沈んだら困る」
マリュー「え?」
ウィル「まあ、俺にはどれが必要な物かわからないから、指示は欲しい」
マリュー「ありがとう、ウィル君。お願いするわ」
ナタル「え、ラミアス大尉!?」
驚くナタルをよそに、マリューはきびきびと予定を立てていく。
マリュー「ストライク関連のパーツは、私が直接指示を出します。バジルール少尉は、艦で全体の指示を」
ナタル「は、はい」
俺はAGE2のコックピットに戻り、最後に一言言っておく。
ウィル「あともう一つ」
マリュー「何かしら?」
ウィル「俺はナチュラルだ」
一瞬凍り付くが、マリューが号令を出して作業が始まった。 - 63スレ主24/05/14(火) 17:01:23
現時点でのウィルの好感度
マリューdice1d100=33 (33) -20
ナタルdice1d100=87 (87)
ムウdice1d100=99 (99) -30
20以下にはならない。
50以上なら全面的に信用する
- 64スレ主24/05/14(火) 17:21:52
- 65スレ主24/05/14(火) 17:27:25
- 66スレ主24/05/14(火) 22:26:09
アークエンジェルは一時的にヘリオポリスの地表に降りていた。
二度、ザフトを撃退した事で少しの猶予ができたとの判断である。
今後に備えての物資搬入や機材のチェック。クルーの配置、迎撃態勢の構築。
艦の行動方針の決定まで含めて、やらねばならない事は山ほどあった。
モルゲンレーテ区画とアークエンジェルの間は近かった事が幸いした。
整備班と保安部の大半がピストン輸送で物資搬入を行っており、悪くはない状況だった。
艦内では整備班の残りと部署未配属の者が、搭載兵器の修理、艦の気密チェック、
緊急時のダメージコントロール方法の確認等に走り回っていた。
こちらは、お世辞にも良い、とは言い難い状況で未確認の項目が積み上がっていた。
人気がなくなったヘリオポリスの中で、アークエンジェル近辺だけが喧騒に包まれていた。
ブリッジ及び戦闘指揮所(以後、CIC)では、担当部署を割り振られた
下士官達がシステム周りのチェックや、艦の能力の把握に努めていた。
その片隅では3人の将校が、頭を悩ませている。
https://bbs.animanch.com/storage/img/3154511/2
マリュー「はぁー。コロニー内の避難はほぼ100%完了しているということだけど、
さっきので警報レベルは9に上がったそうよ。友軍へ通信は?どこか通じるかしら」
レベル9の警戒レベルなんて言えば、コロニー内に人が居られる状態では無いことを示す。
酸素も薄れて、まともに生活できる状態じゃ無い。まさに戦争状態だ。
- 67スレ主24/05/14(火) 22:27:05
こんな惨状を招いてしまった責任感からか、マリューの両肩には重苦しい何かが載っているようにも見えた。
マリューの問いに、オペレーターのチャンドラが答える。
チャンドラ「電波撹乱が止みません、通信は困難です」
電波撹乱が緩まないという事はつまり、ザフトはまだここで仕掛けてくるつもりだと見てとれた。
マリューを思わず弱気が襲う。
マリュー「では、アークエンジェル単艦で脱出をしなければいけない訳、か。
……バジルール少尉。戦闘から逃走、一応、降伏までを視野に入れて結構よ。どうしたらいいかしら?」
マリューの明け透けな言葉に、ナタルは一瞬ムッとした。
指揮官が使う言葉ではないし、大尉が少尉に聞く事ではない。
技術将校とはいえ、今は艦長席に座る人間が。
https://bbs.animanch.com/storage/img/773749/1
「こ……失礼しました。降伏は論外です、この艦とストライクは連合の財産です。
戦闘は最小限に、ヘリオポリスからの脱出を進言いたします」
ナタル・バジルールは地球連合軍の少尉だった。
新鋭艦アークエンジェルのクルーに選ばれて、ヘリオポリスにやって来ていた。
ザフトの襲撃により、アークエンジェルの艦長以下主だったクルーの大半が戦死してしまい、
残った中では最上級に当たる将校だった。
マリュー達と合流するまでの短い間、指揮をとっていたのも彼女だ。
ただ、いくらなんでも少尉が艦長では無理があるため、
元々副長として任命されるはずだったマリューが、臨時で艦長職についていた。
- 68スレ主24/05/14(火) 22:27:47
マリュー「そうよね……だけど具体的には?」
ナタル「ローエングリン…… 特装砲でヘリオポリスの外壁を撃ち抜いて、脱出路を確保します。
穴を開ける場所はフラガ大尉のメビウス・ゼロに偵察を行ってもらい、敵の警戒網の薄い部分を算定した上で」
マリュー「ちょっと待って少尉……! 貴女、コロニーの中から特装砲を撃つ気なの?あれは」
ナタル「既に一度は撃っています。それに威力はもちろん加減をするつもりです。
宙港ドックは敵の警戒が厚いと予想されます、そこでミラー部分のどこかを破壊して高速で離脱を……」
特装砲……陽電子破城砲ローエングリン。
名前に破城とつく通りで威力に優れる、アークエンジェル最強の装備である。
確かに宙港ドックから素直に出ていくのは危険だろう。
コロニー内部の、破壊可能な箇所を選んで脱出路を開けるのは現実的と言える。
しかしナタルの作戦案には問題が三つあった。
一つは、ローエングリンは放射能を発生させる事、これは環境に対する汚染を避けられない武装だ。
二つ目は範囲の問題。
威力は高いが効果範囲も広い武装だ。もし万が一にも、
シェルターが集中している部分に被害が及べば大惨事である。
三つめは、一つ目と二つ目に絡む問題だった。
それを説明するのに言葉に迷うマリューを残りの一人、ムウ・ラ・フラガ大尉が代わって問題を指摘した - 69スレ主24/05/14(火) 22:28:15
https://bbs.animanch.com/storage/img/3154511/1
「あー、少尉。止めた方がいいな、外にいるのはクルーゼ隊だって言ったろ?
あいつはグリマルディで戦った時もそうだが、人が嫌がる事をやるのが上手いんだ。
コロニーにド派手に穴なんて開けたら、ザフトから映像が出回りかねないぞ。
地球連合の新鋭艦、コロニーを破壊!これが連合のやり方だ! ……なんてな」
ムウの言葉は柔らかいが目は笑っていなかった。
コロニー内部で放射能を撒く、という事の意味を分かっているのか? と、言いたげだった。
地球連合の強硬派が開戦初期にやった……やってしまった大暴挙、
コロニー《ユニウスセブン》への核攻撃は記憶に新しい。
民間人20万以上が亡くなった大惨事だった。
それを、ここで下手をすれば連合の敵はプラントだけではなくなる。
宇宙にだってナチュラルはいるのだ。
そして地球にもコーディネーターは多い。
内壁を破るのに一度やってしまったからこそ、もうできなかった。
身動きとれずにやむなく瓦礫を破砕しました、と、
逃げるためにコロニーに穴を開けましたでは、外聞は違いすぎる。
ムウは無意識にだが、まだ若い少尉を見下した。
この女、まさか過激派のブルーコスモスじゃないだろうな、と。
- 70スレ主24/05/14(火) 22:28:38
ムウ「それに俺のゼロは万全じゃない、ガンバレルをすべて潰されて整備中だ。
出るのは可能だろうが、一機での偵察は勘弁してほしいな」
ナタル「では、如何されますか。まさか正面から堂々と出るとでも?」
ムウ「それしか無いんじゃない? 少なくとも、コロニー内でばかすか撃つのは止めときましょっ、てな」
ナタル「……撃たねばやられてしまいます」
ムウ「やられるにしてもよ、格好つけなきゃならん時があるのよ。困ったもんだ」
ムウの返答にナタルが考えこむ、今度はマリューが口を開いた。
マリュー「……ストライクの力も、必要になりますわね」 - 71スレ主24/05/14(火) 22:41:47
bbs.animanch.com/storage/img/773749/1
ナタル「なら、フラガ大尉がストライクに乗ればよろしいのでは?」
ナタルが当たり前ではと言わんばかりに意見を言うが、ムウは冗談だろと言わんばかりだ。
bbs.animanch.com/storage/img/3154511/1
ムウ「いや、少尉。あの嬢ちゃんの弄ったっていうストライクのOS、君は見てないのか?」
ナタル「見ておりませんが、報告は受けております。勝手に変更を加えたと。
フラガ大尉が動かすのには不具合があるのですか?」
ムウ「不具合つーかなんつーか。まあ実際、あのくらいじゃねえと使い物にならないんだろうな……」
ナタルはナタルから、ストライクのOSは極めて性能を発揮できる代物になっていると説明された。
ただし、限界性能を発揮するために、信じられない程シビアなレベルでの反応速度、
操縦技術を要求される厄介な代物でもあると。
一部だがオート制御を切って、マニュアル制御での操作を組み込んであるOSを見たムウは、
キラはアホだと思った。ありゃ人間じゃない。
ナタルはそれを聞いてムッとする。
bbs.animanch.com/storage/img/2987777/1
ナタル「では、ストライクからOSをコピーして、それを元に修正を加えていくというのはダメなのですか?」
ムウ「いや、だからさ!修正どころの話じゃなくて。
あれはあのキラって奴が自分に合わせちまったOSなんだよ。
俺じゃ使えねえよ、つーかあんなの、まともな人間が動かせるレベルじゃないんだよ」 - 72スレ主24/05/14(火) 22:58:56
ナタル「では! 元に戻してそれを、とにかくあんなコーディネーターの子供なんかに」
ムウ「そんで性能落として、のろくさ出ていって的になれっての?」
困ったように苦笑いするムウに、ナタルは押し黙った。
彼女は基本的に理知的な人間だ。できる事とできない事を区別する分別がある。
だから自分が馬鹿な事を言ってしまったと分かったのだ。ムウの言う事が正しいと。
ムウ「それにガキ共さ…もう、どっか探して放り込むって訳にも、いかないじゃないの」
ウィルとキラをはじめとした、ヘリオポリスのカレッジで学ぶ学生たち。
臨戦状態となった今では、彼らも避難民だ。軍とは無関係である彼らを
安全な場所に連れて行きたいところだが、レベル9となれば、
シェルターは外部からの出入りが完全に遮断される。
マリュー「AGE2は?ウィル君はナチュラルだから大尉でも」
ムウ「それも考えたがね、あれは坊主の生体情報でロックが掛かってる
坊主が乗らなきゃ動かねぇようになってるんだ」
更にムウは思い出していた。
詰め込み作業をする前にウィルが言った言葉を。
ウィル『この船が沈まないことが姉達を守ることにつながると判断したから傭兵という形で協力する
だがその前提が崩れるなら、俺は皆を連れて船を降りる
AGE2なら単独でオーブまで行けるしな』 - 73スレ主24/05/15(水) 07:25:27
どこまで本当かは分からないが、ムウはあの目には覚えがあった。
自分の命を懸ける覚悟を決めた目だ、ああいう手合いは敵に回すと怖い。
https://bbs.animanch.com/storage/img/3154511/1
ムウ「あの坊主にへそ曲げられたら不味い、だから」
3人が対応を話し合っていると、
オペレーターのロメロ・パルからマリューに艦内電話が来ていると声が上がった。
物資搬入を続けていた整備班、それに協力していた保安部の者かららしい。
民間人数十名と、幾人かの友軍歩兵が避難して来たと報告が上がってきたのだ。
さらに、それとは別の民間人の集団が保護を求めに来ていて、そちらには怪我人まで混じっているという話。
指揮官達は顔を見合せた。
話が見えないマリューだが、とりあえず艦内電話を手に取る。
- 74二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 18:10:49
保守
- 75スレ主24/05/16(木) 05:21:18
マリュー「避難したのではなかったの?」
『はあ……それが……』
マリューは報告を受けながら、ついさっき、コロニーを管理するコロニー公社の担当者から、
避難状況の詳細を受け取っていた事を思い出す。
避難は、ほぼ、終了したとの事だった。
ただし、避難中の混乱で結構な数の死傷者が出てしまっている、
行方不明も0ではない、と、担当者からの連絡には恨みがこもっていた。
コロニー内、及び周辺での戦闘は禁止されているはずだからだ。
マリューは将校として簡単に謝罪をする立場になかったが、素直に詫びていた。
担当の者は、警戒レベルを9に引き上げると伝えてきた後、戦闘になるなら、
せめてコロニーから出て戦ってほしいと頼んできた。
努力する、としかマリューは言えなかった。
――その行方不明の人間や、シェルターに溢れてしまった人達だろうと、マリューはあたりをつけ話の先を促した。
『……モルゲンレーテの技術者とその家族と、付き添っていた歩兵小隊と言っています、
歩兵小隊は戦闘で指揮官を失ったそうです。
話によるとシェルターにあぶれて……戦闘があったからよそへ移動もできなかったと。
怪我人は、その……シェルターが破壊されて出てくるしかなかった方々らしく
……動かせない人がまだ何名かいて。救助も要請しています』
頭を押さえるマリュー。
多分、いや、原因の半分はアークエンジェルだ。
シェルターは艦艇の砲撃や、ミサイルに耐えられるような構造ではないのだ。 - 76スレ主24/05/16(木) 06:57:17
- 77スレ主24/05/16(木) 06:57:50
マリューとムウの判断に、ナタルが抗議する。
民間人の保護は軍人の義務だ。それは当然だ。
……ましてや、緊急時とは言え自分達が行った戦闘の巻き添えになったのである。
しかし誰が乗ってくるか分からないではないか。と言うのが彼女の主張だった。
そこまでやって何とか、ザフトを撃退したのに。
ノーチェックで誰彼構わず乗せては、と。
せめて身元の確認は時間をかけるべきです、と、ナタルは慎重論を唱えたが、マリューは時間がないと言い切った。
マリュー「もし私たちが見捨てて、ザフトが彼らを保護したらどうするの。
宇宙で私たちに協力してくれる人はいなくなるわ」
ヘリオポリスの警戒レベルは9だ。もう全てのシェルターはロックが掛かっている、
破損や空気流出は応急修理では対応できないレベルだった。
シェルターは避難場所ではなくコロニー脱出ポットに役割を変える段階……
ここで彼らを置いていくという事は、死んでも構わない、と突き放すのと一緒だ。
ナタル「それは分かっています、ではせめて艦内での移動制限を……」
ナタルの意見を遮るように、次は整備班長のマードックから報告が上がってきた。
全く忙しい……マリューはナタルを制して、今度は何だと艦内電話を取ると、
訳の分からない話を聞かされる事になった。
- 78スレ主24/05/16(木) 07:10:07
- 79二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 13:56:21
よ、よりにもよって
- 80スレ主24/05/17(金) 00:58:47
搬入した物資の中にモビルスーツがあるというのだ。
首を傾げながら、ストライクのパーツでもあったのかと聞くと、
そうではなくて、ほぼ完成している状態のモビルスーツが、
コンテナに入っているのが見つかったというのだ。
サイ達が、勘違いから持ってきた大型コンテナだった。
完成状態のストライクと、MBFーP05という型番の灰色のフレームが
特徴的なGに似た機体らしい。
番号を聞いてもマリューには心当たりもない。
一応は技術大尉だ。Xナンバー、つまりGについてはかなりの情報はもらっていたが、それだけだ。
それ以上の事は分からない。
例えばXナンバー以外のプロジェクトは聞いてなくても不思議ではないし、
特殊兵装用の実験機体も知らされないなら知らない位置だ。
いずれにせよストライクはともかく、これは勝手に回収していい物ではない、
と、マリューが困っているとムウが艦内電話に口を出してきた。
https://bbs.animanch.com/img/3311281/76
ムウ「整備班長、そのモビルスーツ、使えそうかどうか調べといてくれ。
それだけだ、忙しいから切るぞ……とにかくそっちでよろしく。
ああ、あと俺のメビウスは……まだ駄目?了解だ、急いでくれよ」
https://bbs.animanch.com/img/3311281/75
「フラガ大尉?」
https://bbs.animanch.com/img/3311281/76
「持ってっちまおうぜ、どうせ置いといても取られるか壊されるかだろ?
もう一機は臨機応変な判断ってやつだ。ストライクに似てるならあっても困らないさ」
- 81スレ主24/05/17(金) 07:49:31
https://bbs.animanch.com/img/3311281/76
ムウ「後坊主がAGE2用の補修パーツと換装用のパーツを持ち込んだんだとよ
発電設備と直結させなきゃ使えない代わりに強力な砲撃ができるらしい」
https://bbs.animanch.com/img/3311281/75
強引だとマリューは思ったが、ムウは乗り気だ。
宝物を手に入れた子供のようにはしゃいでいる。
ナタルもそれを歓迎する。
https://bbs.animanch.com/img/3311281/77
ナタル「フラガ大尉がモビルスーツに乗って頂けるなら。逃げる分には十分かと」
ナタルがムウに続くと、マリューは複雑な顔をした、それを見てムウも神妙な表情になる。
https://bbs.animanch.com/img/3311281/75
マリュー「……OSがおそらくは、いえ。まず未完成でしょうね」
- 82スレ主24/05/17(金) 07:49:53
ムウ「あー、まあ、な。どうすっかな……」
トノムラ「艦長!電波撹乱のレベルが上昇していきます!」
オペレーターのトノムラから報告。警告がきた。
時間切れだ、敵が来る。
ザフトの攻撃が始まる。こちらはもう少し時間が欲しかったところだが……。 - 83スレ主24/05/17(金) 19:08:20
キラ「お断りします!」
アークエンジェル内の居住スペースにキラの声が響く。
キラ「私達をもうこれ以上、戦争になんか巻き込まないで下さい!」
ウィル「…キラねぇ」
マリューが管内通信越しに頼み事をした。
ストライクに乗って戦ってくれと……。
それを聞いたキラは断固として反対する。
当然だ、ムウの件でコーディネーターと分かった時、
ここのクルーはいきなり銃口を向け、明らかにコーディネーターを嫌悪していた。
それなのに敵が来たから戦え?理不尽にも程がある。
キラ「私達は戦争が嫌で中立を選んだんです!…今、
貴女が言った通り、ヘリオポリスの外が戦争をしていたとしても…私は!」
- 84二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 00:39:51
保守
- 85スレ主24/05/18(土) 09:12:42
そんなキラの言葉を遮って、艦内に警報音が鳴り響く。
警報音の合間にクルーの焦ったような声が響き渡った。
どうやら襲撃のようだ。
マリュー『アークエンジェル発進準備、総員戦闘第一戦闘配備!大尉のMAは?』
ムウ『駄目だ出られん!』
マリュー『ではフラガ大尉にはCICをお願いします』
キラが震えだす。理解したのだろう、また戦闘が始まると……。
マリュー『シェルターはレベル9で、今はあなた達を降ろしてあげることもできない。
どうにかこれを乗り切って、ヘリオポリスから脱出することができれば…』
自分達を巻き込んだ癖に……隣にいるサイや
恋人同士で抱き合うトール先輩やミリアリア先輩達にはマリューの姿が白々しく見えてもおかしくない。
キラ「………卑怯ですよ!あなた達は!そしてこの艦にはMSはあの二機しかなくて、
今扱えるのは私達だけだって言うんでしょ!」
キラ・ヤマトという少女は、何かを作るのが好きで、
友達思いの優しくて美人でスタイル抜群の女性だ。
兵器を使い誰かを殺す。そんな世界に居る様な人間じゃない。 - 86スレ主24/05/18(土) 21:01:51
ウィル「なら俺が一人で出る、キラねぇは出すな」
キラ「ウィル!?」
ウィル「どの道ザフトを撃退しなきゃ皆死ぬ、最悪コロニーも道連れだ。
なら戦うしかないだろう……生き残るために」
俺がハンガーに向かおうとすると、キラが俺の手を掴む。
キラ「ダメだよウィル!戦う必要なんて!?」
ウィル「ならほかにどうしろと?この状況で逃げ場なんてないし、
一度戦場で引き金を引いちまった。もう無関係なんて言ってられないんだよ」
キラの手を優しく包み、ゆっくりと引き剝がす。
ウィル「死ぬのも死なせるのも御免だ、ならそのために必要な事をするまでだ
マリューさん、傭兵契約で対価はきっちり払ってもらいますよ」
俺は今度こそハンガーに走っていった。 - 87二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 07:36:13
保守
- 88スレ主24/05/19(日) 18:51:19